JP4520646B2 - プログラミング可能な制御装置を有する自動車用の外部診断テスタ - Google Patents

Description

【０００１】
従来技術
本発明は、自動車用の外部診断テスタであって、自動車内に、自己診断手段を有するプログラミング可能な制御装置が設けられており、自己診断手段は、エンジン制御部をプログラム制御し、且つ、自動車の他のシステムを制御、監視し、エラーコードを発生し、該エラーコードを記憶し、且つ、自動車側の診断−／検査プラグを介して外部診断テスタと接続可能である自動車用の外部診断テスタに関する。
【０００２】
プログラミング可能な制御装置を含む自動車用診断テスト装置は、一般に公知である。そのようなプログラミング可能な制御装置は、自己診断手段を含み、且つ制御し、エンジン制御部及び自動車の他のシステムをプログラム制御して監視することができる。自己診断中、エラーコードが発生され、このエラーコードが記憶される。自動車側の診断／検査プラグを介して、この制御装置及びエラーコードメモリは、外部診断テスタと接続可能である。
【０００３】
例えば、論文 D.Nemec "Moeglichkeiten komfortabler Testgeraete zur Auswertung der Eigendiagnose von Steuergeraeten im Kraftfahrzeug", DVI Bericht, Nr. 687, 1988, 365-385ページに、詳細に、自動車側の、自己診断を行う制御装置と、外部診断テスト装置との間の共働について記載されている。その際、特に、全制御装置プログラムが変形プログラミングの際に診断／検査プラグのインターフェースを介して、プログラミングされていない制御装置内にチャージすることができるという点について開示されている（例えば、３８４ページ参照）。これが重要であるのは、殊に、量産開始直前である。と言うのは、その時点では未だパラメータを製造業者が変更できないからである。更に、代替部分の保持は一層簡単である。と言うのは、プログラミングされていない制御装置を設置して、この制御装置に、場合毎にプログラミングして組み込めば足りるからである。
【０００４】
自動車内に設けられているエンジン制御部のシステム範囲は、快適さ、安全性、及び、診断の要件によって非常に広範となる。つまり、例えば、エンジン関連-エンジン制御システムは、約４０００データを有しており、これらのデータは、各々の車両の必要要件に適合される必要がある。エンジン制御部の量産開始の期限が一般的にギリギリであることが一般的であるので、データ又はプログラムの変更は、量産が開始されると行うことができない。自己診断を行うエンジン制御部は、現在の技術水準では、主としてプログラミング可能なフラッシュメモリで構成されている。データ又は機能の補正のためにプログラミングし直すには、制御装置を交換したり、又は、プログラミング装置を接続する必要がある。量産プログラムにエラーがある場合、プログラミングし直す手段があるにも拘わらず、このプログラミングには付加的なコストによって高い費用が掛かってしまう。
【０００５】
従って、本発明が基づく課題は、簡単に、制御装置内で、その都度アクチュアルなバージョンをコスト上有利にプログラミング入力する手段を提供することである。
【０００６】
発明の効果
本発明の外部診断テスタによると、この課題は、請求項１記載の各特徴要件により解決される。本発明の外部診断テスタが、従来技術に比して有する利点は、修理工場で自動車を規則的に整備する際に、その修理工場内に設けられている外部診断テスタに自動的に接続し、この外部診断テスタにより、制御装置内に設けられているプログラムを、どのバージョンを制御装置が有しているかについて検査することができ、場合によっては、相応に装着された外部診断テスタによって、制御装置内に設けられたプログラムをプログラミングし直すことができ、その結果、常に最新バージョンのプログラムが制御装置内にあるようにすることができる。検査の自動プロシージャ及び場合によってはプログラミングし直すことによって、サービス担当者に付加的な作業コストが掛からなくなる。外部診断テスタは、整備作業中、例えば、オイル交換中、アクチュアルなプログラム状態がプログラミング入力される迄、接続し続けることができる。制御装置自体には、大してコストは掛からない。と言うのは、プログラミングし直し乃至プログラミング用のインターフェースが既に設けられているからである。従って、顧客は、車両整備作業の範囲内で、その都度アクチュアルなプログラム状態を得ることができる。そうすることによって、そのフィールドでのプログラミングし直しのためのギャランティコストも回避することができる。更に、プログラミングし直すことによって、引き渡し状態でのシステムの複雑性が増大して、常にエラーなしのプログラムを利用できるとは限らないという点を簡単に考慮することができるようになる。
【０００７】
本発明によると、これは、原理的に、外部診断テスタにプログラム識別−及びプログラムチャージ装置を装着することによって達成され、その際、プログラム識別装置を用いて、接続された制御装置内に含まれるプログラムバージョンが問い合わされ、識別され、自動車側に設けられていて、診断−／検査テスタを介して検出される、自動車の接続された制御装置内に設けられているプログラムが、最新且つ最もアクチュアルなバージョンで記憶されていない場合、外部診断テスタのプログラムチャージ装置によって、その都度最もアクチュアルなバージョンが、自動車の当該の制御装置のプログラムメモリ内にチャージされる。
【０００８】
請求項１記載の本発明の外部診断テスタの有利な実施例は、従属請求項から得られる。
【０００９】
本発明の装置の有利且つ合目的な実施例に相応して、自己診断手段を有する自動車側の制御装置用のプログラム、例えば、エンジン制御用のプログラムの他に、他のシステム及び自動車内に設けられているサブシステムの制御装置のプログラムも検査され、場合によっては、新規にチャージされ、乃至、プログラミングし直される。それにより、自動車の種々の制御装置内に設けられている種々の制御−及び診断プログラムを、その都度最もアクチュアルな状態に保持するための非常にフレキシブルな手段が得られる。
【００１０】
本発明の装置の有利且つ合目的な実施例に相応して、外部診断テスタは、プログラムバージョン検査と、場合によっては所要のプログラミングし直し自体を実行する。そうすることによって、整備−及びサービス担当者が、特に、この点を整備−及びサービス作業の際に行うように注意する必要がなくなる。
【００１１】
本発明の装置の有利な実施例に相応して、外部診断テスタには、各々所要プログラムの最新バージョンが装着されている。しかし、これは、場合によっては、外部診断テスタのメモリに過度に大きな要求を課すことになることがある。
【００１２】
本発明装置の別の非常に有利な実施例に相応して、外部診断テスタは、中央データバンクと自動的に通信を行って、プログラムバージョンを検査し、必要な場合、前記外部診断テスタに接続された制御装置用に該当する実際のプログラムバージョンを得て、当該プログラムバージョンを前記制御装置に記憶する。
【００１３】
本発明外部診断テスタのこのバージョンの別の有利な実施例では、外部診断テスタと中央データバンクとの間での通信を、固定線路を介して、又は、ワイヤレスで、修理工場又は自動車自体とのモービルテレコミュニケーションを介して行う。
【００１４】
本発明による外部診断テスタの別の有利な実施例に相応して、安全性を高めるために、外部診断テスタに、自動車の接続された制御装置内に実際に設けられたプログラムバージョンを検査するための特別な権限が付与されており、必要な場合、相応のプログラムをプログラミングし直すための権限が付与されている。
【００１５】
以下、本発明について図示の実施例を用いて詳細に説明する。
【００１６】
実施例の説明
サービス−又は修理工場内に設けられている外部診断テスタは、本発明によると、プログラム識別−及びプログラムチャージ装置が装着されている。従って、診断−／検査プラグを介して車両をサービスする際、種々異なる制御装置のエラーメモリが読み出される場合、自動的に外部診断テスタによってプログラム識別装置を用いて同時に、有利には自動的に、どのプログラムバージョン及びどのデータ状態が、丁度接続されている制御装置内にあるか、検査される。それから、外部診断テスタによって、同時に、検出されたプログラム−及びデータ状態が最もアクチュアルな状態と一致するかどうか比較される。検出されたプログラム−及びデータ状態が最もアクチュアルな状態ではない場合、外部診断テスタが同様に装着されているプログラムチャージ装置によって、最もアクチュアルなバージョンが相応の制御装置のプログラムメモリにチャージされる。従って、新規なプログラム−及びデータ状態が、接続された制御装置の相応のメモリ領域内に書き込まれる。制御装置は、そのようにして新規にプログラミング又はプログラミングし直される。現時点で使われている制御装置は、フラッシュメモリが装着されており、このフラッシュメモリは、直列通信プロトコルに関して診断−／検査プラグを介してプログラミングされる。
【００１７】
従って、工場側の外部診断テスタは、通常の診断作業の他に、既存のプログラムバージョンの検査も担当し、場合によっては、制御装置内にプログラムをアクチュアルにする。場合によっては、例えば、車両のオイル交換を行う場合、プログラムし直すのに必要な時間を、外部診断テスタによって考慮してもよい。そのために、外部診断テスタを比較的長く車両に接続することができる。
【００１８】
種々異なる自動車で使用される個別制御装置用の最新のプログラム状態は、本発明の実施例に相応して、外部診断テスタ自体に含まれているようにすることができる。そのために、例えば、ＣＤ−ＲＯＭ又は同様の包括的なデータ坦体が、サービス装置内のコンピュータをアクチュアルにするために、規則的にアクチュアルなプログラム−又はデータ状態を伝送することができる。
【００１９】
しかし、中央データバンク内で、全てのアクチュアルなプログラム−及びデータ状態を、車両内に使用されている制御装置用に記憶することもでき、且つ、一般的には、十分に極めて目的に適っている。修理工場内の外部診断テスタが車両を検査すると、この外部診断テスタは、自動的に、その装置構成によって、中央データバンクとの接続を形成して、一方では、最も新規なプログラムバージョンでの検査を実行し、他方では、場合によって必要な場合、最新のプログラム状態を中央部から伝送して入手することができ、それにより、外部診断テスタは、そのプログラムチャージ装置を介して、この最新バージョンを、接続された制御装置の相応のメモリ領域内に記憶する。
【００２０】
修理工場内の外部診断テスタと中央部との間の接続は、固定線路を介して、又は、修理工場の電話端子につながったワイヤレステレホンを介して行うか、又は、修理工場又は自動車自体から中央データバンクへワイヤレスモービルテレコミュニケーションを介して行ってもよい。場合によっては、車両自体内に既に設けられている通信装置も、この目的のために用いてもよい。有利には、安全性の理由から、外部データテスタに相応の特別な、検査及びプログラミングし直しのための権限を付与するようにするとよい。
【００２１】
本発明によると、有利なやり方で、制御装置内に設けられたプログラムをアクチュエートすることができ、その際、著しく高いコストを必要としない。従って、運転手は、その車両内に常に最もアクチュアルなプログラム−及びデータ状態を相応の制御装置内で利用することができる。

Claims (6)

1. 自動車用の外部診断テスタであって、
   前記自動車内に、プログラムメモリと自己診断手段とを有するプログラミング可能な制御装置が設けられており、
   前記自己診断手段は、エンジン制御部をプログラム制御し、且つ、前記自動車の他のシステムを制御、監視し、エラーコードを発生し、該エラーコードを記憶し、且つ、自動車側の診断−／検査プラグを介して前記外部診断テスタと接続可能である形式の外部診断テスタにおいて、
   当該外部診断テスタにはプログラム識別−及びプログラムチャージ装置が装置構成されており、その際、当該プログラム識別装置を用いて、接続された前記制御装置内に含まれているプログラムバージョンを問い合わせて識別し、
   自動車側に設けられていて、前記診断−／検査プラグを介して検出された、前記自動車の接続された制御装置内に設けられているプログラムが、当該制御装置内で、最新且つ最もアクチュアルなバージョンで記憶されていない場合、前記外部診断テスタのプログラムチャージ装置によって、その都度最もアクチュアルなバージョンが、自動車の当該制御装置のプログラムメモリ内にチャージされ、
   前記外部診断テスタには、前記自動車の接続された制御装置内に実際に設けられたプログラムバージョンを検査するための権限が付与されており、必要な場合、相応のプログラムをプログラミングし直すための権限が付与されている
   ことを特徴とする外部診断テスタ。
2. 自動車側の、自己診断手段を有する制御装置用のプログラム、例えば、エンジン制御用のプログラムの他に、前記自動車内に設けられている他のシステム及びサブシステムの制御装置のプログラムも検査され、場合によっては、新規にチャージ乃至プログラミングし直される請求項１記載の外部診断テスタ。
3. 前記外部診断テスタは、プログラムバージョン検査と、場合によっては所要のプログラミングし直し自体を実行する請求項１又は２記載の外部診断テスタ。
4. 前記外部診断テスタには、各々所要プログラムの最新バージョンが装着されている請求項１から３迄の何れか１記載の外部診断テスタ。
5. 前記外部診断テスタは、中央データバンクと自動的に通信を行って、プログラムバージョンを検査し、必要な場合、前記外部診断テスタに接続された制御装置用に該当する実際のプログラムバージョンを得て、当該プログラムバージョンを前記制御装置に記憶する請求項１から３迄の何れか１記載の外部診断テスタ。
6. 固定線路を介して、又は、ワイヤレスで、モービルテレコミュニケーションを介して修理工場又は自動車自体と通信する請求項５記載の外部診断テスタ。