JP2009107358A - 車載制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この発明は、車載制御装置において、第一の制御装置は、起動時に、それぞれの記憶手段に格納された個々の仕様情報データの有無を所定の順序で順次確認する機能と、この確認の過程で、いずれか一方の記憶手段に第二の制御装置の仕様情報データがない場合は、いずれか他方の記憶手段から第二の制御装置の仕様情報データを書き込むように制御する機能と、かつ第一の制御装置の記憶手段に第一の制御装置の仕様情報データがない場合は、その確認の過程では第一の制御装置に書き込まないように制御する機能とを有することを特徴とする。
【選択図】図3
Description
また、完成工場においては、ほぼ同時期に製造された同系の車両が、異なる国や地域に仕向けられるように製造されている。この時、製造される車両には、同型の制御装置を搭載し、仕向地に応じて同型の制御装置にそれぞれの異なる仕様情報データを書き込むことになる。
そして、車両が製品として市場に出回った後に、製品についての故障・個人的な嗜好・市場を流れる上での法規適応上の問題など様々な要因によって、搭載された多くの制御装置のうち、一つ以上の制御装置の交換作業を行う必要も出てきている。
完成工場での仕様情報データの書き込みを行っている制御装置を、市場で交換した場合には、修理工場において専用の書き込みツールを使用して、交換する制御装置に完成工場で行っているのと同じ仕様情報データの書き込みを行う必要がある。
一方、市場においては、書き込みツールが無い修理工場などがあるため、市場で交換する制御装置に仕様情報データの書き込みは行わず、部品メーカーで仕様情報データの書き込みを行い、この仕様情報データの書き込みを行った制御装置を取付けるように対応している。
部品メーカとしては、サービス用部品を在庫する必要があるけれども、異なる仕様情報データを書き込み済みの同型の制御装置、さらに異型の制御装置までを加えた膨大な種類の制御装置を在庫する必要はないので、仕様情報データを書き込んでいない同型の制御装置を在庫し、それに後から異なる仕様情報データを書き込むことで、在庫数を減らすことができ、また、品番管理などの管理工数を抑えることができる。
しかし、部品メーカとしては、仕様情報データを書き込んでいない同型の制御装置を在庫し、それに後から異なる仕様情報データを書き込むことで、在庫数を減らすことができ、また、品番管理などの管理工数を抑えることができる一方で、前述の市場における修理工場の問題に対して、部品メーカーでの仕様情報データの書き込み対応という管理上の都合により、補給専用品番の設定が必要となり、管理品番が増加する問題がある。
しかし、この特許文献1のシステムでは、他の制御装置が、一の制御装置からの通信が無いことをきっかけとして自発的に仕様情報データを送信する機能を有しており、一時的に上位(マスタ)と下位(スレーブ)との関係が崩れることことにより、上位である一の制御装置の動作が受動的となる一方、下位である他の制御装置は無信号をトリガとする能動的な動作が必要となり、また、他の制御装置が一の制御装置からの信号が無いことを待って仕様情報データを送信するため、通信に待ち状態となる無駄時間を含む問題がある。
また、前述特許文献2においては、他の制御装置に仕様情報データを要求し、他の制御装置から仕様情報データを受信し、一の制御装置に書込みを行うことで、各制御装置毎に記憶手段を設ける必要を無くしているが、起動時に、自己の状態を判断せずに、必ず書き込むことになるため、記憶手段に書込む際の繰り返し回数が、必要性に対して過大となり、耐久性が要求される問題がある。
また、この発明は、自己診断機能が働く頻度に比較して書き込み実行の頻度が過多とならないようにすること、上位(マスタ)と下位(スレーブ)の関係を保ち、下位(スレーブ)の機能を過多としないようにすることを目的とする。
さらには、この発明は、従来からある情報データを共有してバックアップする技術により、アフターサービスを受けて正常に機能回復する可能性を損なわないようにすること、ひいては、不都合なく正しい車両の使用を可能とすることも目的とする。
また、この発明の車載制御装置は、完成工場において、予め仕様情報データを書き込んだ制御装置を、管理品番を付けたり、その品番を付けた制御装置を管理したりといった、管理工数を削減できる。一方、この発明の車載制御装置は、市場の修理工場において、書き込みツールを用意する負担、およびツールを使用する際の負担を軽滅できる。
さらに、この発明の車載制御装置は、車両に搭載した第二の制御装置を、仕様情報データを書き込んでいない新しい第二の制御装置に交換した際に、制御装置間の通信によって自動的に新しい第二の制御装置に仕様情報データを書き込むことができる。さらにまた、この発明の車載制御装置は、イニシャライズとして診断を行う第一の制御装置が、仕様情報データの有無を確認する過程で、自己が書き込みモードに移ることを無くすことができる。
以下、図面に基づいてこの発明の実施例を説明する。
図1において、1は車載制御装置、2は第一の制御装置、3は第二の制御装置、4は通信線である。車載制御装置1は、上位(マスタ)となる第一の制御装置2および下位(スレーブ)となる第二の制御装置3を含む複数の制御装置を車両に搭載している。車載制御装置1は、それら第一・第二の制御装置2・3を互いに通信線4で接続して仕様情報データの通信を行う。
この車載制御装置1は、複数の制御装置2・3間で仕様情報データを持ち合う。この実施例においては、第一の制御装置2をコンビネーションメータ内の制御装置(ECU1)とし、第二の制御装置3を空調装置用の制御装置(ECU2)として説明する。
これらの第一・第二の制御装置2・3は、それぞれ制御対象に対する制御量を演算する中央処理手段であるマイクロコンピュータ5・6を備え、制御対象を制御するためのプログラムを記憶する読み出し専用の記憶手段として、車両の起動・停止に関わらず記憶する不揮発性メモリのROM7・8を備え、マイクロコンピュータ5・6が演算を行うための演算情報を保存する書き換え可能な記憶手段として、車両の起動・停止に応じて記憶・消去する揮発性メモリのRAM9・10を備えている。
また、これらの第一・第二の制御装置2・3は、それぞれ車両の仕様情報データD1・D2を記憶する書き換え可能な記憶手段として、電気的に書き込み・消去が可能な不揮発性メモリのEEPROM11・12を有している。EEPROM11・12は、書き込みツール13により仕様情報データD1・D2を書き込まれ、書き込みが正しく完了すれば、通常、消えることはない。書き込みモードの時には、車両の仕様情報データD1・D2を、通常運転中に扱うデータを格納するメモリ(ROM7・8、RAM9・10)とは異なるメモリ(EEPROM11・12)に格納することが可能であり、メモリの特徴にあわせて使い分けしている。
前記第一の制御装置2は、車載制御装置1の起動時に、第一・第二の制御装置2・3のそれぞれのEEPROM11・12に格納された個々の仕様情報データD1・D2の有無を所定の順序で順次確認する機能と、この確認の過程で、いずれか一方(EEPROM11あるいはEEPROM12)に第二の制御装置3の仕様情報データD2がない場合は、いずれか他方(EEPROM12あるいはEEPROM11)から第二の制御装置3の仕様情報データD2を書き込むように制御する機能と、かつ第一の制御装置2のEEPROM11に第一の制御装置2の仕様情報データD1がない場合は、その確認の過程では第一の制御装置2に仕様情報データD1を書き込まないように制御する機能とを有する。
また、前記第一の制御装置2は、仕様情報データD1・D2の有無の確認動作終了後、第二の制御装置3から送られる第一の制御装置2の仕様情報データD1の書き込み要求信号を受け取り、予め設定した制限回数に合致する間のみ書き込みを許可して書き込み動作を行う一方、制限回数を超える場合は書き込みを許可せず書き込み動作を行わないように動作する。
また、車載制御装置1は、仕様情報データD1・D2の有無の確認後、スレーブである第二の制御装置3が持つマスタである第一の制御装置2の仕様情報データD1を、制限を越えない範囲でマスタである第一の制御装置2に書き込むものである。
仕様情報データを互いに持ち合う制御装置の組に括られる制御装置の選定は、いずれも客室内にあること、あるいは、互いに車両上の離れた位置にあること、互いの動作時期が関連していないこと、仕様が仕向地によって変わらないものを一つ以上含めること等を考慮して決める。それにより、同時に交換する可能性の低い制御装置どうしで組むことになり、もとから残り新規交換されたものではない方の制御装置には、必ず仕様情報データが残ることになる。
(i)自己の記憶手段であるEEPROM11内における自己(第一の制御装置2)の仕様情報データD1及び第二の制御装置3の仕様情報データD2の有無を自己判断する機能、
(ii)第二の制御装置3(空調装置)に仕様情報データD2を要求する機能(自己のEEPROM11内に第二の制御装置3の仕様情報データD2が無い場合)、
(iii)第二の制御装置3から送られてきた第二の制御装置3の仕様情報データD2を受信する機能、
(iv)自己のEEPROM11に第二の制御装置3の仕様情報データD2の書き込みを行う機能、
を有している。
また、第一の制御装置2(コンビネーションメータ)は、イニシャル処理において、自己のEEPROM11内に自己の仕様情報データD1が無い場合、自己の仕様情報データD1の受信や書き込みを行わずにイニシャル処理を終了する。
さらに、第一の制御装置2(コンビネーションメータ)は、イニシャル処理の終了後、特別な書込み処理のフロー(図6)を有し、
(i)第二の制御装置3から送られてきた第一の制御装置2の仕様情報データD1を受信する機能(予め設定された制限回数により許可される場合)、
(ii)第一の制御装置2に第二の制御装置3から送られてきた仕様情報データD1の書き込みを行う機能、
を有している。
これに対して、スレーブとなる第二の制御装置3(空調装置)への仕様情報データD1・D2の書き込みは、イニシャル処理において、第一の制御装置2(コンビネーションメータ)が第二の制御装置3(空調装置)のEEPROM12内における、第一の制御装置2の仕様情報データD1及び第二の制御装置3の仕様情報データD2の有無を判断する際に、無いことが判断される都度、行われる。
車載制御装置1は、図2〜図6に示すように、制御を実行する。なお、図においては、第一の制御装置2をECU1、第二の制御装置3をECU2、第一の制御装置2の仕様情報データD1をECU1仕様情報、第二の制御装置3の仕様情報データD2をECU2仕様情報、と記載して説明する。
車載制御装置1は、図2に示すように、車両のイグニッションスイッチをON(IG−ON)して起動すると(101)、イニシャル処理を実行し(102)、第一の制御装置2への仕様情報データD1の書き込みモードを実行し(103)、通常制御を実行し(104)、イグニッションスイッチのOFF(IG−OFF)で停止する(105)。
図3において、イグニッションスイッチがON(IG−ON)でイニシャル処理を開始すると(201)、第一の制御装置2は仕様情報データD1を持っているかを判断する(202)。この判断(202)がYESの場合は、スレーブである第二の制御装置3は第一の制御装置2の仕様情報データD1を持っているかを判断する(203)。
この判断(203)がYESの場合は、第一の制御装置2は第二の制御装置3の仕様情報データD2を持っているかを判断する(204)。この判断(203)がNOの場合は、第二の制御装置3の書き込みモードに移行し(205)、第二の制御装置3の書き込みモード終了後に前記判断(204)に移行する。
前記判断(204)がYESの場合は、第二の制御装置3は第二の制御装置3の仕様情報データD2を持っているかを判断する(206)。この判断(206)がYESの場合は、イニシャル処理を終了する(207)。この判断(206)がNOの場合は、第二の制御装置3の書き込みモードに移行し(208)、第二の制御装置3の書き込みモード終了後にイニシャル処理を終了する(207)。
前記判断(204)がNOの場合は、第二の制御装置3は第二の制御装置3の仕様情報データD2を持っているかを判断する(209)。この判断(209)がYESの場合は、第一の制御装置2の書き込みモードに移行し(210)、第一の制御装置2の書き込みモード終了後にイニシャル処理を終了する(207)。この判断(209)がNOの場合は、イニシャル処理を終了する(207)。
前記第一の制御装置2は仕様情報データD1を持っているかの判断(202)がNOの場合は、第二の制御装置3は第一の制御装置2の仕様情報データD1を持っているかを判断する(211)。この判断(211)がYESの場合は、前記判断(204)に移行する。この判断(211)がNOの場合は、第一の制御装置2は第二の制御装置3の仕様情報データD2を持っているかを判断する(212)。
この判断(212)がYESの場合は、第二の制御装置3は第二の制御装置3の仕様情報データD2を持っているかを判断する(213)。この判断(213)がYESの場合は、イニシャル処理を終了する(207)。この判断(213)がNOの場合は、第二の制御装置3の書き込みモードに移行し(214)、第二の制御装置3の書き込みモード終了後にイニシャル処理を終了する(207)。
前記第一の制御装置2は第二の制御装置3の仕様情報データD2を持っているかの判断(212)がNOの場合は、第二の制御装置3は第二の制御装置3の仕様情報データD2を持っているかを判断する(215)。この判断(215)がYESの場合は、第一の制御装置2の書き込みモードに移行し(216)、第一の制御装置2の書き込みモード終了後にイニシャル処理を終了する(207)。この判断(215)がNOの場合は、イニシャル処理を終了する(207)。
また、車載制御装置1は、前記第二の制御装置3の書き込みモード(205・208・214)において、図5に示すように、第一の制御装置2から第二の制御装置3へ、第一の制御装置2の仕様情報データD1・持第二の制御装置3の仕様情報データD2を書き込む。図5において、第二の制御装置3の書込みモードを開始すると(401)、第一の制御装置2から第二の制御装置3へ仕様情報データD1・D2の書き込みを要求し(402)、第二の制御装置3から書き込み結果を受信し(403)、第二の制御装置2の書き込みモードを終了する(404)。第二の制御装置2の書き込みモードの終了(404)後は、図3のフローチャートに戻る。
前記第一の制御装置2は、車載制御装置1の起動時に、第一・第二の制御装置2・3のそれぞれのEEPROM11・12に格納された個々の仕様情報データD1・D2の有無を所定の順序で順次確認する機能と、この確認の過程で、いずれか一方(EEPROM11あるいはEEPROM12)に第二の制御装置3の仕様情報データD2がない場合は、いずれか他方(EEPROM12あるいはEEPROM11)から第二の制御装置3の仕様情報データD2を書き込むよう制御する機能と、かつ第一の制御装置2のEEPROM11に第一の制御装置2の仕様情報データD1がない場合は、その確認の過程では第一の制御装置2に仕様情報データD1を書き込まないよう制御する機能とを有する。
これにより、この車載制御装置1は、第一の制御装置2あるいは第二の制御装置3の交換時に、交換する第一の制御装置2あるいは第二の制御装置3の取り付け後、取り付けられた第一の制御装置2あるいは第二の制御装置3に、通信により仕様情報データD2の書き込みができるので、もとの状態をほぼ自動的に再現できる。それにより、この車載制御装置1は、交換用の制御装置に、予め仕様情報データを書き込む必要性を低減できる。
また、この車載制御装置1は、完成工場において、予め仕様情報データを書き込んだ制御装置を、管理品番を付けたり、その品番を付けた制御装置を管理したりといった、管理工数を削減できる。一方、この車載制御装置1は、市場の修理工場において、書き込みツールを用意する負担、およびツールを使用する際の負担を軽滅できる。
さらに、この車載制御装置1は、車両に搭載した第二の制御装置2を、仕様情報データD1・D2を書き込んでいない新しい第二の制御装置2に交換した際に、第一の制御装置2・第二の制御装置3間の通信によって自動的に新しい第二の制御装置3に仕様情報データD1・D2を書き込むことができる。
さらにまた、この車載制御装置1は、イニシャライズとして診断を行う第一の制御装置2が、仕様情報データD1・D2の有無を確認する過程で、自己が書き込みモードに移ることを無くすことができる。
車載制御装置1は、図6に示すように、第一の制御装置2の仕様情報データD1の書き込みモードを開始(イニシャル処理の完了後)し(501)、第一の制御装置2がイニシャル処理終了信号を送信し(502)、第一の制御装置2が第二の制御装置3から第一の制御装置2の仕様情報データD1の書き込み要求信号を受信すると(503)、第一の制御装置2内のEEPROM11への仕様情報データD1の書き込みは予め設定した制限回数の1回目であるかを判断する(504)。
イニシャル処理は、イグニッションスイッチをOFFからONしてその後にONからOFFしたことを1サイクルとするイグニッションサイクルにおいて、イグニッションスイッチがONになった時に行われる。1回目のイグニッションサイクルにおいて、イニシャル処理終了信号を受信し、仕様情報データD1の書き込み要求信号を受信すると、初めての仕様情報データD1の書き込みモードなので、EEPROM11への仕様情報データD1の書き込みが1回目であると判断する(504:YES)。2回目のイグニッションサイクルにおいて、イニシャル処理終了信号を受信し、仕様情報データD1の書き込み要求信号を受信すると、2回目の仕様情報データD1の書き込みモードなので、EEPROM11への仕様情報データD1の書き込みが1回目でないと判断する(504:NO)。
判断(504)がYESの場合は、第一の制御装置2内のEEPROM11への仕様情報データD1の書き込みを行い(505)、第一の制御装置2への仕様情報データD1の書き込みモードを終了する(506)。判断(504)がNOの場合は、第一の制御装置2内のEEPROM11への仕様情報データD1の書き込みを行わず、第一の制御装置2への仕様情報データD1の書き込みモードを終了する(506)。
これにより、車載制御装置1は、第二の制御装置3の制御プログラムをイニシャル処理において毎回同じ動作をして、少ない判断を行うように簡略化しつつ、第一の制御装置2の自己の仕様情報データD1の書き込み回数を制限でき、データ保持の信頼性を確保できる。また、第一の制御装置2が、イニシャル処理の開始後間もなく、自己の仕様情報データD1の書き込みモードに入ることを避けることができる。さらに、イニシャル処理の終了直前のステップとして、第一の制御装置2の仕様情報データD1の書き込みモードに入るようにすることができる。なお、この第一の制御装置2への仕様情報データD1の書き込みモードは、第二の制御装置3から送られる書き込み要求信号をトリガとしたが、第一・第二の制御装置2・3が互いからの信号をトリガに書き込み動作をするように設定することもできる。
これにより、この車載制御装置1は、第二の制御装置2が、イニシャライズ処理による仕様情報データD1の有無の確認や、その過程での書き込み要否の判断などを行わず、その終了後も書き込み要否の判断を行わないので、第二の制御装置3の制御プログラムを簡略化できる。また、この車載制御装置2は、第二の制御装置3の判断機能を必要とせずに、第一の制御装置2に第一の制御装置1の仕様情報データD1を書き込むことができる。
この実施例においては、制御装置の数を二つ(第一・第二の制御装置2・3)として、互いに仕様情報データD1・D2を持ち合うようにしたが、制御装置の数をより多くすることも可能である。その場合には、通信管理の都合から、スレーブの動作を行う制御装置を増やすことが望ましい。各々の制御装置は、互いに持ち合う仕様情報データの数を、それぞれ全数を持つことは可能である(制御装置の数n:トータルn×n)が、そこまでの必要はなく、最低、他の制御装置1つ分の仕様情報データを持つ(トータルn×2)ようにすれば良い。イニシャル処理を完了する時間の短縮といった処理上の都合や必要なバックアップデータ数とコストのバランスなどの点で好ましい。
また、この車載制御装置を利用して、書き込み頻度が多く、例えばイグニッションスイッチのON毎に記憶手段の不揮発性メモリ(EEPROM11)に仕様情報データを書き込み実行とするならば、仕様情報書き込みデータの消失といった課題に対しても、フォールトトレラント性(耐障害性:システムの一部に問題が生じても全体が機能停止することなく動作し続けるようにすること)を確保できる。しかし、この実施例では、記憶手段ヘの耐久負荷とフォールトトレラント性をバランスさせて、初期に一回のみ不揮発性メモリに書き込むようにすることで、より高い信頼性を確保している。
2 第一の制御装置
3 第2の制御装置
4 通信線
5 第一の制御装置のマイクロコンピュータ
6 第二の制御装置のマイクロコンピュータ
7 第一の制御装置のROM
8 第二の制御装置のROM
9 第一の制御装置のRAM
10 第二の制御装置のRAM
11 第一の制御装置のEEPROM
12 第二の制御装置のEEPROM
13 書き込みツール
Claims (2)
- 第一の制御装置および第二の制御装置を含む複数の制御装置を車両に搭載し、それら制御装置を互いに通信線で接続して仕様情報データの通信を行うとともに、これらの制御装置がそれぞれ車両の仕様情報データを記憶する記憶手段を有する車載制御装置において、前記第一の制御装置の記憶手段には第一の制御装置の仕様情報データおよび第二の制御装置の仕様情報データを格納可能とするとともに、前記第二の制御装置の記憶手段には第二の制御装置の仕様情報データおよび第一の制御装置の仕様情報データを格納可能とし、前記第一の制御装置は、起動時に、それぞれの記憶手段に格納された個々の仕様情報データの有無を所定の順序で順次確認する機能と、この確認の過程で、いずれか一方の記憶手段に第二の制御装置の仕様情報データがない場合は、いずれか他方の記憶手段から第二の制御装置の仕様情報データを書き込むように制御する機能と、かつ第一の制御装置の記憶手段に第一の制御装置の仕様情報データがない場合は、その確認の過程では第一の制御装置に書き込まないように制御する機能とを有することを特徴とする車載制御装置。
- 前記第一の制御装置は、確認動作終了後、第二の制御装置から送られる第一の制御装置の仕様情報データの書き込み要求信号を受け取り、予め設定した制限回数に合致する間のみ書き込みを許可して書き込み動作を行う一方、制限回数を超える場合は書き込みを許可せず書き込み動作を行わないように動作することを特徴とする請求項1に記載の車載制御装置。
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