JP4514178B2 - 難燃性樹脂チューブ - Google Patents
難燃性樹脂チューブ Download PDFInfo
- Publication number
- JP4514178B2 JP4514178B2 JP2001067879A JP2001067879A JP4514178B2 JP 4514178 B2 JP4514178 B2 JP 4514178B2 JP 2001067879 A JP2001067879 A JP 2001067879A JP 2001067879 A JP2001067879 A JP 2001067879A JP 4514178 B2 JP4514178 B2 JP 4514178B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- flame retardant
- flame
- tube
- weight
- retardant resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐スバッタ性および難燃性であって、かつ強制難燃時においても、ドリップに対する耐性に優れた難燃性樹脂チューブに関し、詳しくは溶接機のロボットアームの可動部に取り付けられるエアチューブ又は冷却水用チューブに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車製造ラインに設置されている溶接ロボットや溶接バーナーなどで使用されるエアチューブ又は冷却水用チューブ等は、常時スバッタや火炎に曝される危険がある。例えば、チューブにスバッタが付着した場合、付着部分からチューブが溶融、軟化し、穴があいて、加圧ガスが抜け出すという欠点があるので、従来のチューブにおいては、このような問題を防ぐために、チューブに大量の難燃剤を添加したり、チューブ厚を大きくしたり、あるいは金属メッキ被覆などを行っている。
【0003】
しかし、いずれの方法を採用したチューブにおいても、その物性が失われる、本来の目的である軽量化に相反するなどの問題点があった。
【0004】
例えば、塩化ビニル系チューブは、耐候性および難燃性に優れ、また安価であるが、スバッタが付着した場合、付着部分から溶融、軟化し、穴があきガスが抜けて耐圧チューブとしての機能を失う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記欠点を解消するためになされたものであり、その目的とするところは、スバッタに曝されても穴があくことがなく、火炎に曝されてもドリップを生じず、押出成形などで容易に加工できる難燃性樹脂チューブを提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、軽量化であり、屈曲性を有し、また成形加工性に優れていると共に難燃性にも優れた難燃性樹脂チューブを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の難燃性樹脂チューブは、ベース樹脂と、塩素化ポリエチレンと、難燃助剤とを含有する難燃性樹脂組成物より形成される難燃性樹脂チューブであって、該ベース樹脂100重量部に対して、塩素化ポリエチレンが25〜60重量部、難燃助剤が18〜30重量部含有され、さらに、臭素化エポキシ系樹脂が、塩素化ポリエチレンに対して、重量比で1/4〜1/3含有されており、そのことにより上記目的が達成される。
【0009】
一つの実施態様では、前記ベース樹脂が、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリアミド系およびポリスチレン系エラストマーからなる群から選択される少なくとも一種である。
一つの実施態様では、前記難燃助剤が、三酸化アンチモン、四酸化アンチモンおよび五酸化アンチモンからなる群から選択される少なくとも一種である。
一つの実施態様では、前記難燃性樹脂チューブが、溶接機のロボットアームの可動部に取り付けられる、エアチューブ又は冷却水用チューブである。
【0012】
本発明の作用は以下の通りである。
【0013】
耐熱性の高いポリエステルエラストマー等のベース樹脂に、耐スバッタ性と難燃性を付与するために塩素化ポリエチレンを添加し、さらに難燃性向上のため、三酸化アンチモン等の難燃助剤を添加することによって、軽量であり、屈曲性を有し、また成形性に優れているという特徴を維持しながら、高い耐スバッタ性および難燃性を有する樹脂チューブを得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の難燃性樹脂チューブは、ベース樹脂と、塩素化ポリエチレンと、難燃助剤とを含有する難燃性樹脂組成物より形成されているものである。
【0015】
ベース樹脂としては、樹脂チューブに屈曲性を付与でき、また成形性に優れたものを使用するのがよく、例えば、ポリエステル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー又はポリスチレン系エラストマー等を使用することができ、特に耐熱性が高く、かつ柔軟性であるポリエステルエラストマーが好ましい。
【0016】
難燃助剤としては、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモンおよびこれらの混合物等があげられ、好ましくは三酸化アンチモンである。この三酸化アンチモンは、平均粒径0.5〜1.5μmのものが好ましく使用される。
【0017】
塩素化ポリエチレンは、従来より公知のものが使用できるが、非結晶タイプ、あるいは結晶タイプのいずれのものでもよく、またその塩素含有量は好ましくは30〜40重量%である。
【0018】
これら材料の配合量は、ベース樹脂100重量部に対して、塩素化ポリエチレンが25〜60重量部、難燃助剤が18〜30重量部含有される。好ましくは、ベース樹脂100重量部に対して、塩素化ポリエチレンが30〜50重量部、難燃助剤が18〜25重量部含有される。
【0019】
塩素化ポリエチレンの含有量が、ベース樹脂100重量部に対して25重量部未満であると、難燃性を付与する効果が小さく、60重量部を超えて配合してもそれ以上の効果が期待できない。難燃助剤の含有量がベース樹脂100重量部に対して18重量部未満であると、難燃性を付与する効果が小さく、30重量部を超えると樹脂チューブが硬くなる傾向にある。
【0020】
樹脂組成物には、さらに、臭素化エポキシ系樹脂が、塩素化ポリエチレンに対して重量比で1/4〜1/3含有されるのが好ましい。臭素化エポキシ系樹脂を添加することにより、成形加工性が向上するという利点がある。
【0021】
本発明の難燃性樹脂組成物には、上記成分以外に、従来より公知の添加剤、充填剤、可塑剤等も適宜配合することができる。
【0022】
本発明の難燃性樹脂チューブは、上記成分を含有する樹脂組成物を成形することによって得られる。成形法には、公知の方法が採用でき、例えば、各成分を混練したのち成形する方法、二軸押出した後成形する方法、チューブ押出により成形する方法等がある。
【0023】
本発明の難燃性樹脂チューブは、塩素化ポリエチレンおよび三酸化アンチモン等の難燃助剤を所定量配合しているので、柔軟性を維持しながら、難燃性であると同時に耐スバッタ性が良好である。またその厚みは0.5〜2mmにして軽量にすることができる。
【0024】
得られた難燃性樹脂チューブは、屈曲性を有し、ロボットアームの可動部の動きに追従できる。チューブの硬度は、典型的にはショアーD硬度で40〜55が好ましい。
【0025】
また、得られたチューブのスバッタ深さは、通常は0.20mm以下であり、難燃性(UL94)はV−0である。
【0026】
本発明の難燃性樹脂チューブは、溶接機のロボットアームの可動部に取り付けられるエアチューブ又は冷却水用チューブに好適に用いられる。
【0027】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。なお、以下の実施例において、燃焼試験、スバッタ試験、引張試験、および硬度測定は次の方法により評価した。チューブの評価以外は、シート状に成形したものから試験片を作製し、各種試験を行った。
▲1▼燃焼試験
所定の配合の混練物を、160mm×140mm×12mmのシート成形用金型に入れ、185℃、5分間加熱プレスを行い、シートを成形した。得られた厚さ2mmのシートをUL94燃焼試験法に従って試験片とした後、試験法に準じて燃焼試験を行った。
▲2▼スバッタ試験
500℃に熱したSUS球(D=3.175mm)5個をシート上に落とし、30分放置した後、SUS球を取り除き、残ったSUS球跡の径を測定し、計算からSUS球跡の深さを求めた。
▲3▼引張試験
オートグラフを用い、引張試験を行い、降伏強度および破断伸度を測定した。測定温度は、23℃、引張速度は500mm/分とした。
▲4▼硬度測定
ASTM D−1525に記載のデュロメータ硬さ試験タイプDに従い、硬度を測定した。
(実施例1〜7および比較例1〜5)
混練試験機、二軸混練押出機、チューブ押出機を用い、表1に記載の配合で、樹脂組成物を混練、押出を行い、物性評価を行った。
【0028】
この結果を表1に示した。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】
本発明の難燃性樹脂チューブによれば、優れた難燃性を発揮し、しかも金属溶接時に飛び散るスバッタが直接当たっても、燃焼したり、穴があくなどの損傷を最小限に抑えることができる。また本発明のチューブは柔軟性も有しているので、溶接機や火炎機、特にロボットアームの可動部に取り付けられるエアチューブや冷却水用のチューブとして好適に用いられる。
Claims (4)
- ベース樹脂と、塩素化ポリエチレンと、難燃助剤とを含有する難燃性樹脂組成物より形成される難燃性樹脂チューブであって、該ベース樹脂100重量部に対して、塩素化ポリエチレンが25〜60重量部、難燃助剤が18〜30重量部含有され、さらに、臭素化エポキシ系樹脂が、塩素化ポリエチレンに対して、重量比で1/4〜1/3含有されている、屈曲性を有する難燃性樹脂チューブ。
- 前記ベース樹脂が、ポリエステル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマーおよびポリスチレン系エラストマーからなる群から選択される少なくとも一種である請求項1に記載の難燃性樹脂チューブ。
- 前記難燃助剤が、三酸化アンチモン、四酸化アンチモンおよび五酸化アンチモンからなる群から選択される少なくとも一種である請求項1又は2に記載の難燃性樹脂チューブ。
- 前記難燃性樹脂チューブが、溶接機のロボットアームの可動部に取り付けられる、エアチューブ又は冷却水用チューブである請求項1〜3のいずれかに記載の難燃性樹脂チューブ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001067879A JP4514178B2 (ja) | 2001-03-09 | 2001-03-09 | 難燃性樹脂チューブ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001067879A JP4514178B2 (ja) | 2001-03-09 | 2001-03-09 | 難燃性樹脂チューブ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002267055A JP2002267055A (ja) | 2002-09-18 |
JP4514178B2 true JP4514178B2 (ja) | 2010-07-28 |
Family
ID=18926146
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001067879A Expired - Fee Related JP4514178B2 (ja) | 2001-03-09 | 2001-03-09 | 難燃性樹脂チューブ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4514178B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5542268B2 (ja) * | 2007-11-12 | 2014-07-09 | 十川産業株式会社 | 樹脂積層チューブ |
JP2010019400A (ja) * | 2008-07-14 | 2010-01-28 | Nitta Moore Co | 複層樹脂チューブ |
JP5641515B2 (ja) * | 2010-03-04 | 2014-12-17 | 住友理工株式会社 | 自動車用耐熱ホース |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5094066A (ja) * | 1973-12-25 | 1975-07-26 | ||
JPS5332424A (en) * | 1976-09-03 | 1978-03-27 | Moore & Co Samuel | Hose for supplying pressurised fluid |
JPS5918743A (ja) * | 1982-07-23 | 1984-01-31 | Showa Denko Kk | 難燃性組成物 |
JPH01299389A (ja) * | 1988-05-26 | 1989-12-04 | Nippon Carbide Ind Co Inc | 軟質ホース |
JPH10180836A (ja) * | 1996-10-29 | 1998-07-07 | Kurabe Ind Co Ltd | 保護被覆材料及びそれを用いた長尺成形品、多層一体型長尺成形品 |
JP2000097375A (ja) * | 1998-09-22 | 2000-04-04 | Toyobo Co Ltd | ホース |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6487229A (en) * | 1987-09-29 | 1989-03-31 | Daiso Co Ltd | Heat-shrinkable molded material |
-
2001
- 2001-03-09 JP JP2001067879A patent/JP4514178B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5094066A (ja) * | 1973-12-25 | 1975-07-26 | ||
JPS5332424A (en) * | 1976-09-03 | 1978-03-27 | Moore & Co Samuel | Hose for supplying pressurised fluid |
JPS5918743A (ja) * | 1982-07-23 | 1984-01-31 | Showa Denko Kk | 難燃性組成物 |
JPH01299389A (ja) * | 1988-05-26 | 1989-12-04 | Nippon Carbide Ind Co Inc | 軟質ホース |
JPH10180836A (ja) * | 1996-10-29 | 1998-07-07 | Kurabe Ind Co Ltd | 保護被覆材料及びそれを用いた長尺成形品、多層一体型長尺成形品 |
JP2000097375A (ja) * | 1998-09-22 | 2000-04-04 | Toyobo Co Ltd | ホース |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002267055A (ja) | 2002-09-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
AU2014292805C1 (en) | Elastomeric film-forming compositions and articles made from the elastomeric film | |
JP4514178B2 (ja) | 難燃性樹脂チューブ | |
JP2003311855A (ja) | 難燃性熱収縮チューブ及びその製造方法 | |
JPH08239537A (ja) | 熱可塑性フッ素系樹脂組成物、及びそれから製造された成形品 | |
JP3598429B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JP3991365B2 (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物及びその製造方法 | |
JPH05239269A (ja) | 難燃性樹脂組成物およびその製造方法 | |
JP4350831B2 (ja) | 手袋 | |
JPH07224188A (ja) | ゴム、プラスチック用薬品マスターバッチ | |
JP2007314588A (ja) | エピクロルヒドリンゴム組成物およびそれからなる成形体 | |
JP2596971B2 (ja) | ゴム組成物 | |
JPH0480258A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JP2583713B2 (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物 | |
JP2709137B2 (ja) | 樹脂組成物 | |
JPS627754A (ja) | 塩素化ポリエチレン組成物 | |
JP2023138891A (ja) | 手袋 | |
JP2000026670A (ja) | 樹脂組成物およびその製造方法 | |
JPS61261336A (ja) | 塩素化ポリエチレン組成物 | |
JP2000273434A (ja) | 制振シートの製法 | |
JPH028583A (ja) | 軟質ホース | |
JP2002146112A (ja) | オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物 | |
JPH07122009B2 (ja) | 塩化ビニル系樹脂組成物 | |
JP2002265736A (ja) | アクリルゴム組成物および加硫物 | |
JPH0286435A (ja) | ガス用ゴム管 | |
JP2002256115A (ja) | オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物およびそれからなる成形品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080205 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100119 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100121 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100309 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100331 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100414 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100506 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100510 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4514178 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130521 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130521 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140521 Year of fee payment: 4 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |