以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
(実施の形態1)
本実施の形態では、ゲート電極を設けずに、単にカソード電極上に電子源である電子放出部を設けた構造を有する電界放出素子、すなわち二極管型FEDの電界放出素子、及びその電界放出素子を有する表示装置を示す。具体的には、第1の基板及び第2の基板それぞれにおいて、基板全面にカソード電極及び蛍光体層を付したアノード電極が面状に形成されており、かつカソード電極表面に電子放出部が設けられている電界放出素子、及びその電界放出素子を有する表示装置の作製工程を示す。なお、電子放出部の形状は、円錐形である。
図1(A)は、本実施の形態の表示用パネルの斜視図である。第1の基板100上に半導体膜で形成された面状のカソード電極102と、第2の基板103上に形成された面状のアノード電極104とが形成されている。カソード電極の表面において、電子放出部105が形成されている。
図1(B)は、図1(A)のホ−ホ‘の断面図である。図1(B)を用いて、本実施の形態の電界放出素子の作製方法を示す。
図1(B)に示すように、第1の基板100上に絶縁膜101を形成する。絶縁膜により、ナトリウム(Na)などガラス基板に微量に含まれるアルカリ金属が拡散するのを防ぐことができる。第1の絶縁膜上に公知の方法(CVD法、PVD法等)より半導体膜102を形成する。
第1の基板としては、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、表面に絶縁膜が形成された半導体基板、表面に絶縁膜が形成された金属基板などを用いることができる。基板の大きさは、任意であるが600mm×720mm、680mm×880mm、1000mm×1200mm、1100mm×1250mm、1150mm×1300mm、1500mm×1800mm、1800mm×2000mm、2000mm×2100mm、2200mm×2600mm、または2600mm×3100mmのような大面積基板を用いることができる。また、半導体膜は、非晶質半導体膜でも結晶性半導体膜でも構わない。結晶性半導体膜は、公知の結晶化方法(レーザ結晶化法、ラピッドサーマルアニール法(RTA)、ファーネスアニール炉を用いた熱結晶化法、または結晶化を助長する金属元素を用いた熱結晶化法等)により非晶質半導体膜を結晶化して形成することができる。また、半導体膜の膜厚は0.03〜0.3μmの範囲とすることが望ましいが、かかる範囲に限定するものではない。また、導電性を高めるために半導体膜にn型を付与する不純物元素を添加することが好ましい。n型を付与する不純物元素として15族に属する元素、典型的にはリン(P)または砒素(As)を用いることができる。
次に、半導体膜にレーザ光110を照射して半導体膜に凸部を形成し、電子放出部105を形成する。このときのレーザ光は、半導体膜に吸収される波長域、即ち波長100〜600nmであるパルス発振又は連続発振のレーザ光を適用する。このときの凸部は、円錐形である。
レーザー発振器としては、気体レーザー発振器、固体レーザー発振器、金属レーザ発振器が適用される。気体レーザ発振器としては、CO、CO2、N2等を使用したレーザ発振器、またはKrF,XeCl、Xe等のエキシマレーザ発振器を適用する。固体レーザー発振器としてはYAG、YVO4、YLF、YAlO3などの結晶にCr、Nd、Er、Ho、Ce、Co、Ti又はTmをドープした結晶を使ったレーザー発振器を適用する。金属レーザ発振器としては、銅蒸気レーザー発振器もしくはヘリウム−カドミウムレーザ発振器を適応することができる。なお、固体レーザ発振器から発せられるレーザ光においては、基本波の第2高調波〜第4高調波を適用するのが好ましい。レーザ光の照射条件を、繰り返しパルス周波数5〜300Hz、照射パルスエネルギー密度100〜900mJ/cm2、好ましくは300〜700mJ/cm2で、照射パルス回数30〜400として、レーザ光照射を行うと、底面の直径が、300nm以下、好ましくは、50〜300nm、さらに好ましくは、60〜200nmであり、高さ(すなわち、底面と頂点との差)が、150〜400nmである凸部を5〜30/μm2形成することができる。レーザ光の照射する際の雰囲気は、酸素を1%以上含むことが望ましい。
図13は、本実施の形態により作製した電界放出表示装置の電子放出部の上面をSEMにより観察したものである。図14(A)は、同様の試料の断面を走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscopy)により観察したものであり、図14(B)は、図14(A)を模式的に表したものである。図14(B)の領域aは、基板であるガラス基板、領域b及び領域cは、絶縁膜である酸窒化珪素膜、領域dは半導体膜、領域eは、炭素膜である。領域dの底面(上面から見たばあい、ほぼ平坦な領域)がカソード電極であり、この表面上の凸部が電子放出部であって、これらが、電界放出素子を形成している。なお、本試料においては、絶縁膜は積層構造であり、領域bは窒素含有量が酸素含有量よりも多い又は同程度の第1酸窒化シリコン膜であり、領域cは、酸素含有量が窒素含有量よりも多い第2酸窒化シリコン膜である。また、領域eの炭素膜は、SEMによる観察をしやすくするために成膜したものである。
この試料を作製するためにはXeClレーザ光を用い、レーザ光照射条件は、エネルギー密度を485mJ/cm2、周波数30Hz、照射パルス回数を60回とした。領域dでは、底面の直径が80〜200μm、高さ(円錐体の底面と頂点との高低差)が250〜350nmの円錐体が形成されてる。このときの密度は、10/μm2である。図14から、半導体膜(領域d)は、凸部を形成していることが分かる。
以上の工程により、カソード電極及びその表面に形成された円錐体の電子放出部からなる電界放出素子を形成することができる。
なお、本実施の形態で作製したカソード電極の表面に形成された電子放出部の表面に、金属元素薄膜を成膜してもよい。このときの、金属元素薄膜には、タングステン、ニオブ、タンタル、モリブデン、クロム、アルミニウム、銅、金、銀、チタン、ニッケル等の金属元素を含む薄膜を用いることができる。
また、半導体膜102と絶縁膜101との間に、金属元素膜によるカソード電極を形成してもよい。カソード電極としては、タングステン、ニオブ、タンタル、モリブデン、クロム、アルミニウム、銅、金、銀、チタン、ニッケル等の金属元素、またはこれらの金属元素を含む合金、あるいはこれらの金属元素を有する化合物(代表的には、窒化タンタル、窒化チタン等の窒化物、タングステンシリサイド、ニッケルシリサイド、モリブデンシリサイド等のシリサイド等)を用いることができる。
次に、図1(A)に示すように、第2の基板103に公知の手法により蛍光体層106を形成し、その上に膜厚0.05〜0.1μmの導電膜を形成し、アノード電極104を形成する。該導電膜には、アルミニウム、ニッケル、銀等の金属元素からなる薄膜、または、ITO(酸化インジウム酸化スズ合金)、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In2O3)―ZnO)、酸化亜鉛(ZnO)等の透明導電膜を公知の手法により成膜し、公知のパターニング技術を用いることもできる。
蛍光体層は、赤色蛍光体層、青色蛍光体層、緑色蛍光体層からなる。アノード電極は、各蛍光体層上に形成されていてもよい。アノード電極となる導電膜に、アルミニウム、ニッケル、銀等の金属元素からなる薄膜、またはこれらの金属元素を含む合金薄膜を用いた場合、蛍光体の発光を第2の基板側へ反射させるため、表示画面の輝度を向上させることができる。
本実施の形態により形成した第1の基板と第2の基板とを封止部材で接着し、基板と封止部材とで囲まれた部分を減圧し電界放出表示装置の表示用パネルを形成する。
第1の基板100に形成されたカソード電極102は、カソード電極駆動回路に接続されており、第2の基板103に形成されたアノード電極104はアノード電極駆動回路に接続されている。カソード電極駆動回路及びアノード電極駆動回路は、第1の基板上の外延部に形成することができる。また、ICチップ等の外付け回路を用いることもできる。カソード電極駆動回路からカソード電極を通じて相対的に負電圧が印加され、アノード電極にはアノード電極駆動回路から相対的に正電圧が印加される。これらの電圧印加によって生じた電界に応じ、電子放出部の先端から量子トンネル効果に基づき電子が放出され、アノード側に誘導される。この電子が、アノード電極に形成された蛍光体層に衝突することにより、蛍光体層が励起されて発光し表示を得ることができる。
以上の工程により、電界放出表示装置を形成する。
以上の工程により、カソード電極及びその表面に形成された円錐形の電子放出部を有する電界放出素子、及びそれを有する電界放出表示装置を形成することができる。
本実施の形態により、複雑な工程を経ずとも電界放出素子を形成することができる。また、安価で大面積の基板を用いて電界放出素子を形成することができる。この電界放出素子を用いて液晶表示装置の面光源または電飾用装置となるエリアカラーの表示装置を作製することが可能であり、複雑な工程を経ずとも面光源又は表示装置を作製することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1と同様に二極管型FEDの電界放出素子、及びその電界放出素子を有する電界放出表示装置を示す。具体的には、第1の基板上に形成されたストライプ状のカソード電極と、第2の基板に形成されたストライプ状のアノード電極とが交差している点において、電子放出部が形成されている電界放出素子、及びその電界放出素子を有する電界放出表示装置について図2及び図3を用いて述べる。なお、本実施の形態では、電子放出部の作製工程に、実施の形態1で述べた電子放出部の作製工程を適応しおり、電子放出部は円錐状である。
図2は、本実施の形態の表示用パネルの斜視図である。第1の基板200上に半導体膜で形成されたストライプ状のカソード電極202と、第2の基板203に形成されたストライプ状のアノード電極207とがある間隔を介して交差している点において、電子放出部205が形成されている。なお、図2においては、カソード電極とアノード電極との交点には、ひとつの円錐形の電子放出部が形成されているが、これは模式的に表したものであって、複数の電子放出部を形成してもよい。
図3は、図2のイ−イ‘の断面図である。図3を用いて、本実施の形態のカソード電極及び電子放出部の作製方法を示す。なお、図2と同じ部分は同じ符号を用いて示す。
実施の形態1と同様に、第1の基板200上に第1の絶縁膜201を形成したのち、公知の方法(CVD法、PVD法等)より半導体膜301を形成する。また、このとき、導電性を高めるために半導体膜にn型を付与する不純物元素を添加することが好ましい。n型を付与する不純物元素として15族に属する元素、典型的にはリン(P)または砒素(As)を用いることができる。
次に、カソード電極を形成する部分にレジストマスク302を形成した後、半導体膜をエッチングしてストライプ状の半導体膜202を形成する。(図3(B))
次に、ストライプ状の半導体膜202にレーザ光310を照射して半導体膜表面に凸部を形成し、円錐形の電子放出部205を形成する。このときのレーザ光は、半導体膜に吸収される波長域、即ち波長100〜600nmであるパルス発振のレーザー光を適用する。
レーザー発振器としては、気体レーザー発振器、固体レーザー発振器、金属レーザ発振器が適用される。気体レーザ発振器としては、CO、CO2、N2等を使用したレーザ発振器、またはKrF,XeCl、Xe等のエキシマレーザ発振器を適用する。固体レーザー発振器としてはYAG、YVO4、YLF、YAlO3などの結晶にCr、Nd、Er、Ho、Ce、Co、Ti又はTmをドープした結晶を使ったレーザー発振器を適用する。金属レーザ発振器としては、銅蒸気レーザー発振器もしくはヘリウム−カドミウムレーザ発振器を適応することができる。なお、固体レーザ発振器から発せられるレーザ光においては、基本波の第2高調波〜第4高調波を適用するのが好ましい。レーザ光の照射条件を、繰り返しパルス周波数5〜300Hz、照射パルスエネルギー密度100〜900mJ/cm2、好ましくは300〜700mJ/cm2で、照射パルス回数30〜400として行う。レーザ光を照射する際の雰囲気は、酸素を1%以上含むことが望ましい。以上の工程により、底面の直径が、50〜300nm、好ましくは、80〜200nmであり、高さ(すなわち、底面と頂点との差)が、150〜400nmである凸部を5〜30/μm2形成することができる。以上の工程により、電界放出表示装置の電界放出素子を形成することができる。
なお、本実施の形態で作製したカソード電極表面上に形成された電子放出部の表面に、金属元素薄膜を成膜してもよい。このときの、金属元素薄膜には、タングステン、ニオブ、タンタル、モリブデン、クロム、アルミニウム、銅、金、銀、チタン、又はニッケルの金属元素を含む薄膜を用いることができる。
また、半導体膜202と絶縁膜201との間に、ストライプ状の金属元素膜によるカソード電極を形成してもよい。このときは、ストライプ状の金属元素膜によるカソード電極は、半導体膜と平行に形成される。カソード電極としては、タングステン、ニオブ、タンタル、モリブデン、クロム、アルミニウム、銅、金、銀、チタン、又はニッケルの金属元素、若しくはこれらの金属元素を含む合金、あるいはこれらの金属元素化合物(代表的には、窒化タンタル、窒化チタン等の窒化物、タングステンシリサイド、ニッケルシリサイド、モリブデンシリサイド等のシリサイド等)を用いることができる。
次に、図2に示すように、第2の基板203に公知の手法により蛍光体層206を形成し、その上に膜厚0.05〜0.1μmの導電膜を形成して、ストライプ状のアノード電極207を形成する。該導電膜には、実施の形態1と同様の導電膜を適応することができる
蛍光体層は、赤色蛍光体層、青色蛍光体層、緑色蛍光体層からなり、これらの蛍光体層1組でひとつのピクセルとなる。なお、各蛍光体層の間に、コントラストを高めるためブラックマトリクスを形成することが好ましい。アノード電極は、各蛍光体層上に形成されていてもよく、また、赤色蛍光体層、青色蛍光体層、及び緑色蛍光体層からなるピクセル上に形成されていてもよい。
本実施の形態により形成した第1の基板と第2の基板とを封止部材で接着し、基板と封止部材とで囲まれた部分を減圧し電界放出表示装置の表示用パネルを形成する。
本実施の形態における駆動方法は、パッシプ型の駆動方法である。第1の基板200に形成されたカソード電極202は、カソード電極駆動回路に接続されており、第2の基板203に形成されたアノード電極207はアノード電極駆動回路に接続されている。カソード電極駆動回路及びアノード電極駆動回路は、第1の基板上の外延部に形成することができる。また、ICチップ等の外付け回路用いることもできる。カソード電極駆動回路からカソード電極を通じで相対的に負電圧が印加され、アノード電極にはアノード電極駆動回路から相対的に正電圧が印加される。これらの電圧印加によって生じた電界に応じ、電子放出部の先端から量子トンネル効果に基づき電子が放出され、アノード電極に誘導される。この電子が、アノード電極に形成された蛍光体層に衝突することにより、蛍光体層が励起されて発光し表示を得ることができる。
以上の工程により、電界放出表示装置を形成する。
以上の工程により、カソード電極及びその表面に形成された円錐形の電子放出部を有する電界放出素子、及びそれを有する表示装置を形成する。
本実施の形態により、複雑な工程を経ずとも大面積の基板上に電界放出素子、及びそれを有する表示装置を形成することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態2と異なる工程によって実施の形態2と同様の電界放出素子を作製する方法について、図4を用いて説明する。なお、図4は、図2のイ−イ‘の断面図である。また、図2と同じ部分は同じ符号を用いて示す。
実施の形態1と同様に、第1の基板200上に第1の絶縁膜201を形成したのち、公知の方法(CVD法、PVD法等)より半導体膜401を形成する。また、このとき、導電性を高めるために半導体膜にn型を付与する不純物元素を添加することが好ましい。n型を付与する不純物元素として15族に属する元素、典型的にはリン(P)または砒素(As)を用いることができる。
次に、半導体膜401にレーザ光410を照射して半導体膜表面に凸部を形成し、円錐形の電子放出部405を形成する。このときのレーザ光及びレーザ光の照射条件は、実施の形態2と同様である。
次に、カソード電極を形成する部分に公知のフォトリソグラフィー工程によりレジストマスク402を形成した後(図4(C))、半導体膜をエッチングして、表面上に電子放出部405を有しかつストライプ状のカソード電極を形成する。(図4(D))。
以上の工程により、カソード電極及びその表面に形成された円錐形の電子放出部からなる電界放出素子及びそれを有する電界放出表示装置を形成する。
本実施の形態により、複雑な工程を経ずとも大面積の基板上に電界放出素子及びそれを有する電界放出表示装置を形成することができる
(実施の形態4)
本実施の形態では、三極管型FEDの電界放出素子、及びそれを有する電界放出表示装置について、図5及び図6を用いて説明する。なお、本実施の形態で述べる電界放出素子は、(1)ストライプ状にエッチングされ、かつn型の導電性を有する半導体膜で形成されるカソード電極、(2)層間絶縁膜を介してカソード電極と交差するゲート電極、(3)ゲート電極及び絶縁膜の開口部において、カソード電極の表面に形成された凸部の電子放出部、を含む。
図5は、本実施の形態の表示用パネルの斜視図である。第1の基板501上に半導体膜で形成されたストライプ状のカソード電極502と、ストライプ状であって、かつ該カソード電極と直交しているゲート電極503が形成されている。カソード電極とゲート電極とは、絶縁膜(図示しない。)を介して形成されているため、それぞれは絶縁されている。カソード電極と、ゲート電極との交点には開口部507が形成されており、該開口部においてカソード電極の表面に円錐形の電子放出部508が形成されている。第2の基板505には蛍光体層510とアノード電極511とが形成されている。
図6は、図5のロ−ロ‘の断面図である。図6を用いて、本実施の形態の電界放出素子の作製方法を示す。
図6(A)に示すように、基板501上に第1の絶縁膜601を形成する。第1の絶縁膜により、ガラス基板に微量に含まれるアルカリ金属が拡散するのを防ぐことができる。第1の絶縁膜上に公知の方法(CVD法、PVD法等)より半導体膜を形成する。このときの、半導体膜の膜厚は0.03〜0.3μmの範囲にとすることが望ましいが、かかる範囲に限定するものではない。
なお、半導体膜は、非晶質半導体膜でも結晶性半導体膜でもよい。結晶性半導体膜は、公知の結晶化方法(レーザ結晶化法、RTAやファーネスアニール炉を用いた熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いた熱結晶化法等)により非晶質半導体膜を結晶化して形成することができる。
この後、カソード電極を形成する部分に、公知のフォトリソグラフィー工程によりレジストマスクを形成した後、露出している半導体膜をドライエッチング法又はウエットエッチング法によりエッチングし、ストライプ状の半導体膜502を形成する。なお、半導体膜502は、後にカソード電極となる。
次に、カソード電極である半導体膜上に第2の絶縁膜602を形成する。第2の絶縁膜としては、酸化珪素膜、窒化珪素膜、窒素を含む酸化珪素、SOG(スピンオングラス、代表的にはシロキサンポリマー) 、アクリル、ポリイミド、ポリイミドアミド、またはベンゾシクロブテンを単層又は積層して形成することができる。このときの第2の絶縁膜の膜厚は、0.5〜2μmであり、CVD法、PVD法、塗布法、スクリーン印刷法等の公知の方法を用いて作製する。
次に、導電性を高めるために半導体膜502にn型を付与する不純物元素を添加する。n型を付与する不純物元素として15族に属する元素、典型的にはリン(P)または砒素(As)を用いることができる。なお、n型不純物を添加する工程は、第2の絶縁膜602を形成する前でもよい。
次に、導電膜603を形成する。導電膜としては、タングステン、ニオブ、タンタル、モリブデン、クロム、アルミニウム、銅、金、銀、チタン、又はニッケル等の金属元素の薄膜、もしくは、これらの金属元素を含む合金を用いる。導電膜603に上に、公知のフォトリソグラフィー工程によりレジストマスクを形成してエッチング処理を施し、導電膜の不要な部分を除去し、ストライプ状のゲート電極を形成する。
次に、図6(B)に示すように、カソード電極とゲート電極とが第2の絶縁膜602を介して交差する領域において、開口部507を形成する。公知のフォトリソグラフィー工程により、所望の形状にレジストマスクを形成した後、ゲート電極と第2の絶縁膜とを任意の形状にエッチングして半導体膜を露出させ、開口部507を形成する。
次に、レーザ光610を照射して半導体膜に凸部を形成し、電子放出部508を形成する。(図6(C))。このときのレーザ光は、半導体膜に吸収される波長域、即ち波長100〜600nmであるパルス発振のレーザー光を適用する。レーザー発振器としては、気体レーザー発振器、固体レーザー発振器、金属レーザ発振器が適用される。気体レーザ発振器としては、CO、CO2、N2等を使用したレーザ発振器、またはKrF,XeCl、Xe等のエキシマレーザ発振器を適用する。固体レーザー発振器としてはYAG、YVO4、YLF、YAlO3などの結晶にCr、Nd、Er、Ho、Ce、Co、Ti又はTmをドープした結晶を使ったレーザー発振器を適用する。金属レーザ発振器としては、銅蒸気レーザー発振器もしくはヘリウム−カドミウムレーザ発振器を適応することができる。なお、固体レーザ発振器から発せられるレーザ光においては、基本波の第2高調波〜第4高調波を適用するのが好ましい。また、レーザ光の照射する際の雰囲気は、酸素を1%以上含むことが望ましい。レーザ光の照射条件を、繰り返しパルス周波数5〜300Hz、照射パルスエネルギー密度100〜900mJ/cm2、好ましくは300〜700mJ/cm2で、照射パルス回数30〜400として行うことにより、底面の直径が、50〜300nm、好ましくは、80〜200μmであり、高さ(すなわち、底面と頂点との差)が、150〜400nmである凸部を5〜30/μm2形成することができる。
この後、図6(D)に示すように、ウエットエッチングのような等方性エッチングを行い、ゲート電極下方の第2の絶縁膜を除去して、第2の絶縁膜より庇状にはりだしているゲート電極を形成することが好ましい。
なお、本実施の形態で作製した電子放出部508の表面に、金属元素薄膜を成膜してもよい。このときの、金属元素薄膜には、タングステン、ニオブ、タンタル、モリブデン、クロム、アルミニウム、銅、金、銀、チタン、ニッケル等の金属元素を含む薄膜を用いることができる。
また、図5において、カソード電極とゲート電極との交点509においては、2×2個の電子放出部が記載されているがこれに限られるものはなく、多数の電子放出部が形成されていても良い。また、ひとつの開口部において複数の電子放出部が形成されていてもよい。
また、半導体膜502と第1の絶縁膜601との間にストライプ状で半導体膜に接している金属元素膜をカソード電極として形成してもよい。カソード電極としては、実施の形態1と同様のものを用いることができる。
以上の工程により、第1の基板上に円錐形の電子放出部を有する電界放出素子を形成することができる。
図5に示すように、第2の基板505に公知の手法により蛍光体層510を形成し、その上に膜厚0.05〜0.1μmのアノード電極511を形成する。アノード電極は、アルミニウム、ニッケル、銀等の金属元素からなる薄膜、または、ITO(酸化インジウム酸化スズ合金)、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In2O3)―ZnO)、酸化亜鉛(ZnO)等の透明導電膜を公知の手法により成膜する。本実施の形態では、アノード電極は、ストライプ状、矩形型のマトリクス状、またはシート状でもよい。蛍光体層は、赤色蛍光体層、青色蛍光体層、緑色蛍光体層からなり、これらの蛍光体層1組でひとつのピクセルとする。なお、各蛍光体層の間に、コントラストを高めるためブラックマトリクス512を形成することが好ましい。また、アノード電極となる導電膜に、アルミニウム、ニッケル、銀等の金属元素からなる薄膜、またはこれらの金属元素を含む合金薄膜を用いた場合、蛍光体の発光を第2の基板側へ反射させるため、表示画面の輝度を向上させることができる。
本実施の形態により形成した第1の基板と第2の基板とを封止部材で接着し、基板と封止部材とで囲まれた部分を減圧し、電界放出表示装置の表示用パネルを形成する。
本実施の形態における駆動方法は、パッシプ型の駆動方法である。カソード電極502は、カソード電極駆動回路に接続されており、ゲート電極503はゲート電極駆動回路に接続されており、アノード電極511はアノード電極駆動回路に接続されている。ゲート電極駆動回路、カソード電極駆動回路及びアノード電極駆動回路は、第1の基板上の外延部に形成することができる。また、ICチップ等の外付け回路用いることもできる。カソード電極駆動回路からカソード電極を通じで相対的に負電圧(例えば、0kV)が印加され、ゲート電極には、ゲート電極駆動回路から相対的に正電圧(例えば、50V)が印加される。これらの電圧印加によって生じた電界に応じ、凸部の先端から量子トンネル効果に基づき電子が放出される。アノード電極には、アノード電極駆動回路により、ゲート電極に印加される正電圧よりも高い電圧(例えば、5kV)が印加され、電子放出部から放出された電子を、アノード電極に形成された蛍光体層に誘導する。該電子が蛍光体層に衝突することにより、蛍光体層が励起され発光し表示を得ることができる。なお、本実施の形態において、第1の基板上に、電界放出素子と同時に、カソード電極駆動回路及びゲート電極駆動回路を形成することも可能である。
以上の工程により、電界放出表示装置を形成する。
本実施の形態により、複雑な工程を経ずとも大面積の基板上に電界放出素子、及びそれを有する電界放出表示装置を形成することができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、三極管型FEDの電界放出素子、及びそれを有する電界放出表示装置について、図7、図8を用いて説明する。本実施の形態で述べる電界放出素子は、(1)ソース領域及びドレイン領域を有し、かつ所望の形状にエッチングされた半導体膜、(2)半導体膜のソース領域に接するストライプ状にエッチングされたソース配線、(3)絶縁膜を介してソース配線と交差し、半導体膜のソース領域及びドレイン領域の間のキャリア濃度を制御するゲート電極、(4)ゲート電極及び絶縁膜の開口部において、半導体膜のドレイン領域表面に形成された凸形状の電子放出部、を含む。なお、本実施の形態において、ゲート電極は、くし型である。また、本実施の形態において、カソード電極は少なくともドレイン領域を含む。
図7は、本実施の形態の表示用パネルの斜視図である。第1の基板701上には、ストライプ状のソース配線702と、該ソース配線に接して形成され、かつ所望の形状のエッチングされた半導体膜703と、絶縁膜(図示しない。)を介して、該ソース配線702と直交しており、かつ、くし型であるゲート電極704とを有する。なお、半導体膜は、ゲート電極に覆設されている。半導体膜703のソース配線と接していない領域を露出させるための開口部705が、ゲート電極及び絶縁膜を介して形成されている。また、開口部には、半導体膜のドレイン領域の表面に円錐形の電子放出部706が形成されている。
実施の形態4に示すように、第2の基板707には蛍光体層708とアノード電極709とが形成されている。
図8は、図7のハ−ハ‘の断面図である。図8を用いて、本実施の形態の電界放出素子の作製方法を示す。
図8(A)に示すように基板701上に第1の導電膜を形成したのち、レジストマスクを用いてストライプ状のソース配線702を形成する。次に、第1の絶縁膜を形成した後、絶縁膜をCMP等で研磨して平坦化しながらソース配線を露出しながら、該ソース配線間を絶縁膜801で埋め込む。絶縁膜及801びソース配線702上に、公知の方法(CVD法、PVD法等)より半導体膜を形成する。この後、半導体膜をエッチングして、所望の形状の半導体膜703を形成する。基板としては、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、表面に絶縁膜が形成された半導体基板、表面に絶縁膜が形成された金属基板などを用いることができる。基板の大きさは、任意であるが600mm×720mm、680mm×880mm、1000mm×1200mm、1100mm×1250mm、1150mm×1300mm、1500mm×1800mm、1800mm×2000mm、2000mm×2100mm、2200mm×2600mm、または2600mm×3100mmのような大面積基板を用いることができる。また、第1の基板上にソース配線を形成する前に、ナトリウム(Na)などガラス基板に微量に含まれるアルカリ金属をブロッキングするための絶縁膜を形成してもよい。
次に、図8(B)に示すように、半導体膜703及び絶縁膜801上に第2の絶縁膜802を形成する。第2の絶縁膜としては、酸化珪素膜、窒化珪素膜、窒素を含む酸化珪素、SOG(スピンオングラス、代表的にはシロキサンポリマー) 、アクリル、ポリイミド、ポリイミドアミド、またはベンゾシクロブテンを単層又は積層して作製することができる。このときの第2の絶縁膜の膜厚は、0.5〜2μmであり、CVD法、PVD法、塗布法、スクリーン印刷法等の公知の方法を用いて作製する。
次に、第2の導電膜803を形成する。第2の導電膜としては、実施の形態4の導電膜(図6(A)の導電膜603)と同様の金属元素の薄膜、もしくは、これらの金属元素を含む合金を用いることができる。導電膜803にレジストマスクを形成してパターニングを行い、導電膜803の不要な部分を除去し、ソース配線と、半導体膜703及び第2の絶縁膜802を介して交差し、且つくし型の導電膜(ゲート電極)を形成する。
次に、図8(C)に示すように、ソース領域及びドレイン領域となる領域を形成する。ソース配線上の導電膜(ゲート電極)及び第2の絶縁膜と、電子放出部を形成する領域(半導体膜において、ソース配線と接する領域から、所定の間隔をあけた領域)上の導電膜(ゲート電極)及び第2の絶縁膜とをエッチングして、開口部705を形成すると共に及びカソード電極上の半導体膜(ソース領域)804を露出させる。
次に、レーザ光を照射して半導体膜に凸部を形成し、電子放出部706を形成する。このときのレーザ光は、半導体膜に吸収される波長域、即ち波長100〜600nmであるパルス発振のレーザー光を適用する。レーザー発振器としては、気体レーザー発振器、固体レーザー発振器、金属レーザ発振器が適用される。気体レーザ発振器としては、CO、CO2、N2等を使用したレーザ発振器、またはKrF,XeCl、Xe等のエキシマレーザ発振器を適用する。固体レーザー発振器としてはYAG、YVO4、YLF、YAlO3などの結晶にCr、Nd、Er、Ho、Ce、Co、Ti又はTmをドープした結晶を使ったレーザー発振器を適用する。金属レーザ発振器としては、銅蒸気レーザー発振器もしくはヘリウム−カドミウムレーザ発振器を適応することができる。なお、固体レーザ発振器から発せられるレーザ光においては、基本波の第2高調波〜第4高調波を適用するのが好ましい。また、レーザ光の照射する際の雰囲気は、酸素を1%以上含むことが望ましい。レーザ光の照射条件を、繰り返しパルス周波数5〜300Hz、照射パルスエネルギー密度100〜900mJ/cm2、好ましくは300〜700mJ/cm2で、照射パルス回数30〜400として行うことにより、底面の直径が、50〜300nm、好ましくは、80〜200μmであり、高さ(すなわち、底面と頂点との差)が、150〜400nmである凸部を5〜30/μm2形成することができる。
こののち、n型を付与する不純物元素として15族に属する元素を添加してソース領域710およびドレイン領域706を形成する。n型を付与する不純物元素として15族に属する元素、典型的にはリン(P)または砒素(As)を用いることができる。
この後、図8(D)に示すように、ウエットエッチングのような等方性エッチングをおこない、ゲート電極下方の第2の絶縁膜を除去して、第2の絶縁膜より庇状にはりだしているゲート電極805を形成することが好ましい。
なお、本実施の形態で作製した電子放出部706の表面に、金属元素薄膜を成膜してもよい。このときの、金属元素薄膜には、タングステン、ニオブ、タンタル、モリブデン、クロム、アルミニウム、銅、金、銀、チタン、ニッケル等の金属元素を含む薄膜を用いることができる。
また、図7において、開口部705には、一つの電子放出部が記載されているが、これは模式的に表したものであって、多数の電界放出素子が形成されていても良い。
以上の工程により、ソース領域及びドレイン領域を有する半導体膜、半導体膜のソース領域に接するソース配線、ゲート電極、及び半導体膜のドレイン領域の表面に形成された円錐形の電子放出部を有する電界放出素子を形成する。なお、電界放出素子のON、OFFをより正確に制御するために、各電界放出素子に薄膜トランジスタやダイオード等のスイッチング素子を別途設けてもよい。
上記の工程により形成した第1の基板と、実施の形態4と同様の工程により形成した第2の基板とを封止部材で接着し、基板と封止部材とで囲まれた部分を減圧し電界放出表示装置の表示用パネルを形成する。
ソース配線702は、ソース配線駆動回路に接続されており、ゲート電極704はゲート電極駆動回路に接続されており、アノード電極709はアノード電極駆動回路に接続されている。ゲート電極駆動回路、ソース配線駆動回路、及びアノード電極駆動回路は、第1の基板上の外延部に形成することができる。また、ICチップ等の外付け回路用いることもできる。ソース配線は、半導体膜のソース領域に接しており、ドレイン領域は電界放出素子を形成している。ゲート電極駆動回路からゲート電極に正の電圧を印加すると、ソース領域とドレイン領域との間のチャネル形成領域にキャリアが発生し、ドレイン領域の電子放出部から電子が放出される。アノード電極には、アノード電極駆動回路により、ゲート電極に印加される正電圧よりも高い電圧が印加され、電子放出部から放出された電子を、アノード電極に形成された蛍光体層に誘導する。該電子が蛍光体層に衝突することにより、蛍光体層が励起されて発光し表示を得ることができる。なお、本実施の形態において、第1の基板上に、電界放出素子と同時に、ソース配線駆動回路及びゲート電極駆動回路形成することも可能である。
以上の工程により、電界放出表示装置を形成する。
本実施の形態により、複雑な工程を経ずとも大面積の基板上に電界放出素子、及びそれを有する電界放出表示装置を形成することができる。
本実施の形態で形成される電界放出表示装置は、各画素においてスイッチング素子のドレイン領域に電子放出部が形成されている。このため、各画素において、電子の放出を制御することが可能であるため、高精細な表示装置を形成することができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、実施の形態5とは異なった作製方法によって、三極管型FEDの電界放出素子及びそれを有する電界放出表示装置について、図9及び図10を用いて説明する。本実施の形態で述べる電界放出素子は、(1)ソース領域及びドレイン領域を有し、かつ所望の形状にエッチングされた半導体膜、(2)半導体膜のソース領域に接するストライプ状にエッチングされたソース配線、(3)絶縁膜を介してソース配線に交差し、半導体膜のソース領域及びドレイン領域の間のキャリア濃度を制御するゲート電極、(4)ゲート電極及び絶縁膜の開口部において、半導体膜のドレイン領域表面に形成された凸形状の電子放出部、を含む。なお、本実施の形態において、ゲート電極は、ストライプ状である。また、本実施の形態において、カソード電極は少なくともドレイン領域を含む。
図9は、本実施の形態の表示用パネルの斜視図である。第1の基板901上には、ストライプ状のソース配線902と、該ソース配線に接して形成され、かつ所望の形状にエッチングされた半導体膜903と、該ソース配線902と直交する方向にストライプ状に形成されたゲート電極904とを有する。なお、半導体膜903のソース配線と接していない領域を露出させるための開口部905が、ゲート電極及び絶縁膜を介して形成されている。また、開口部には、半導体膜のドレイン領域の表面に円錐形の電子放出部906が形成されている。なお、本実施の形態と、実施の形態5とに開示された電界放出素子とは、第1基板に形成されたゲート電極の形状が異なる。
実施の形態4に示すように、第2の基板907には、蛍光体層908とアノード電極909とが形成されている。
図10は、図9のニ−ニ‘の断面図である。図10を用いて、本実施の形態の電界放出素子の作製方法を示す。
実施の形態5と同様に、第1の基板901上に、ソース配線902、第1の絶縁膜1001、所望の形状の半導体膜903を形成する。なお、第1の基板上にソース配線を形成する前に、ナトリウム(Na)などガラス基板に微量に含まれるアルカリ金属をブロッキングするための絶縁膜を形成してもよい。
次に、半導体膜903にレジストマスク(図示しない。)を形成した後、n型を付与する不純物元素として15族に属する元素を添加してソース領域1002およびドレイン領域1003を形成する。n型を付与する不純物元素として15族に属する元素、典型的にはリン(P)または砒素(As)を用いることができる。
次に、図10(B)に示すように、実施の形態5と同様に、半導体膜903及び第1の絶縁膜上に第2の絶縁膜1004及び導電膜1005を形成する。第2の絶縁膜1004及び導電膜1005はそれぞれ、実施の形態4又は実施の形態5の材料を適宜採用することができる。
次に、図10(C)に示すように、レジストマスク(図示しない。)を用いて、ストライプ状のゲート電極904となる導電膜を形成する。この後、ドレイン領域上に形成されたゲート電極となる導電膜及び第2の絶縁膜1004をエッチングして、半導体膜の一部を露出させ、開口部905を形成すると共に、ゲート電極904を形成する。
次に、実施の形態5と同様に、半導体膜にレーザ光を照射して半導体膜に凸部を形成し、電子放出部906を形成する。このときのレーザ光及びレーザ光の照射条件は、実施の形態5に記載のものを適宜採用することができる。
この後、図10(D)に示すように、ウエットエッチングのように等方性エッチングをおこない、ゲート電極下方の第2の絶縁膜を除去して、第2の絶縁膜より庇状にはりだしているゲート電極1004を形成することが好ましい。
なお、本実施の形態で作製したドレイン領域(電子放出部)906の表面に、金属元素薄膜を成膜してもよい。このときの、金属元素薄膜には、タングステン、ニオブ、タンタル、モリブデン、クロム、アルミニウム、銅、金、銀、チタン、ニッケル等の金属元素を含む薄膜を用いることができる。
また、図9において、開口部905には、一つの電子放出部が、記載されているがこれは模式的に表したものであり、多数の電子放出部が形成されていても良い。
以上の工程により、第1の基板に電界放出素子を形成することができる。なお、電界放出素子のON、OFFをより正確に制御するために、各電界放出素子に薄膜トランジスタやダイオード等のスイッチング素子を別途設けてもよい。
上記の工程により形成した第1の基板と、実施の形態4と同様の工程により形成した第2の基板とを封止部材で接着し、基板と封止部材とで囲まれた部分を減圧して電界放出表示装置の表示用パネルを形成する。
この後、実施の形態7と同様の工程により、電界放出表示装置を形成する。
以上の工程により、ソース領域及びドレイン領域を有する半導体膜、半導体膜のソース領域に接するソース配線、ゲート電極、及び半導体膜のドレイン領域の表面に形成された円錐形の電子放出部を有する電界放出素子、及びそれを有する電界放出表示装置を形成する。
本実施の形態により、複雑な工程を経ずとも大面積の基板上に電界放出素子を形成することができる。本実施の形態で形成される電界放出表示装置は、各画素においてスイッチング素子のドレイン領域に電子放出部が形成されている。このため、各画素において、電子の放出を制御することが可能であるため、高精細な表示装置を形成することができる。
(実施の形態7)
次に、三極管型FEDの電界放出素子及びそれを有する電界放出表示装置について、図11及び図12を用いて説明する。ここで述べる電界放出素子は、(1)ソース領域及びドレイン領域を有し、所望の形状にエッチングされた半導体領域、(2)半導体領域のソース領域に接するソース配線、(3)絶縁膜を介してソース配線に交差し、半導体膜のソース領域及びドレイン領域の間のキャリア濃度を制御するゲート電極及びゲート配線、(4)ゲート電極及び絶縁膜の開口部において、かつ半導体領域のドレイン領域表面に形成される凸形状の電子放出部を含む。
実施の形態4と同様に、第2の基板1805には、蛍光体層1806とアノード電極1807とが形成されている。
図12は、図11のホ−ホ‘の断面図である。図12を用いて、本実施の形態の電界放出素子の作製方法を示す。
図12(A)に示すように、実施の形態1と同様に第1の基板1800上に第1の絶縁膜を1811形成する。次に、実施の形態1で述べたような公知の手法により結晶性半導体膜を形成し、この一部をエッチングして所望の形状の半導体領域(図11の領域1801)を形成する。
次に第2の絶縁膜1812を公知の手法で形成する。第2の絶縁膜は、珪素と酸素を主成分とする膜(酸化ケイ素膜、窒化酸化ケイ素膜、酸化窒化珪素膜等)で形成する。
次に、第1の導電膜を形成する。第1の導電膜としては、実施の形態4の導電膜603と同様の材料で形成することができる。次に、第1の導電膜にレジストマスクを形成してパターニングを行い、不要な部分を除去し、ゲート電極1802を形成する。次に、ゲート電極をマスクとして結晶性半導体膜の一部に、n型を付与する不純物を添加してソース領域及びドレイン領域1801a、1801bを形成する。
次に、図12(B)に示すように、第3の絶縁膜1821を形成する。第3の絶縁膜としては、実施の形態4で示される第2の絶縁膜602と同様の材料を用いて形成することができる。
次に、第3の絶縁膜1821及び第2の絶縁膜1811の一部をエッチングし、第2の導電膜を成膜する。次に、第2の導電膜を所望の形状にエッチングしてソース配線803を形成する。
次に、図12(C)に示すように、第3の絶縁膜上に第4の絶縁膜1831を成膜した後、第4の絶縁膜、第3の絶縁膜、及び第2の絶縁膜の一部をエッチングして、半導体領域の一部を露出する。
次に、実施の形態5と同様に、半導体膜にレーザ光を照射して半導体膜に凸部を形成し、電子放出部1804を形成する。このときのレーザ光及びレーザ光の照射条件は、実施の形態5に記載のものを適宜採用することができる。
なお、図11においては、図12で示される第1の絶縁膜1811、第2の絶縁膜1812、第3の絶縁膜1821、第4の絶縁膜1831は省略している。
また、電界放出素子のON、OFFをより正確に制御するために、各電界放出素子に薄膜トランジスタやダイオード等のスイッチング素子を別途設けてもよい。また、絶縁膜、例えば第3の絶縁膜1821又は第4の絶縁膜1831上に、電子放出部から放出される電子量を制御するための制御電極を設けても良い。この構造により、電子放出量の安定性及び制御性を高めることが可能である。さらには、本実施の形態では、電界放出素子をトップゲート構造を用いて記載したが、これに限られず、ボトムゲート構造でも同様に電界放出素子を形成することができる。
上記の工程により形成した第1の基板と、実施の形態4と同様の工程により形成した第2の基板505とを封止部材で接着し、基板と封止部材とで囲まれた部分を減圧して電界放出表示装置の表示用パネルを形成する。
この後、実施の形態5と同様の工程により、電界放出表示装置を形成する。
以上の工程により、ソース領域及びドレイン領域を有する半導体膜、半導体膜のソース領域に接するソース配線、ゲート電極、及び半導体膜のドレイン領域の表面に形成された円錐形の電子放出部を有する電界放出素子、及びそれを有する電界放出表示装置を形成する。
本実施の形態により、複雑な工程を経ずとも大面積の基板上に電界放出素子を形成することができる。本実施の形態で形成される電界放出表示装置は、各画素においてスイッチング素子のドレイン領域に電子放出部が形成されている。このため、各画素において、電子の放出を制御することが可能であるため、高精細な表示装置を形成することができる。
(実施の形態8)
本実施の形態では、ゲート電極を設けずに、単にカソード電極上に電子源である電子放出部を設けた構造を有する電界放出素子、すなわち二極管型FEDの電界放出素子、及びその電界放出素子を有する表示装置を示す。具体的には、第1の基板及び第2の基板それぞれにおいて、基板全面にカソード電極及び蛍光体を付したアノード電極が面状に形成されており、かつカソード電極表面に電子放出部が設けられている電界放出素子、及びその電界放出素子を有する表示装置の作製工程を示す。なお、電子放出部は、ウィスカー状である。
図15は、本実施の形態の表示用パネルの斜視図である。第1の基板2100上に半導体膜で形成された面状のカソード電極2102と、第2の基板2103に形成された面状のアノード電極2104とが形成されている。カソード電極の表面において、ウィスカー状の電子放出部2105が形成されている。
図16は、図15のへ−へ‘の断面図である。図16を用いて、本実施の形態の電界放出素子の作製方法を示す。
図16(A)に示すように、第1の基板2100上に絶縁膜1501を形成する。絶縁膜により、ナトリウム(Na)などガラス基板に微量に含まれるアルカリ金属が拡散するのを防ぐことができる。絶縁膜上に公知の方法(CVD法、PVD法等)より非晶質半導体膜1502を形成する。第1の基板としては、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、表面に絶縁膜が形成された半導体基板、表面に絶縁膜が形成された金属基板などを用いることができる。基板の大きさは、任意であるが600mm×720mm、680mm×880mm、1000mm×1200mm、1100mm×1250mm、1150mm×1300mm、1500mm×1800mm、1800mm×2000mm、2000mm×2100mm、2200mm×2600mm、または2600mm×3100mmのような大面積基板を用いることができる。
次いで、この非晶質半導体膜1502を結晶化させる。結晶化方法は公知の方法(レーザ結晶化法、ラピッドサーマルアニール法(RTA)、ファーネスアニール炉を用いた熱結晶化法、または結晶化を助長する金属元素を用いた熱結晶化法等)を用いることができる。本実施の形態では、結晶化を助長する金属元素を用いた熱結晶化法により非晶質半導体膜1502を結晶化する。非晶質半導体膜に対して結晶化を助長する金属元素1503を全面に添加し、加熱処理を行う。ここでは結晶化を助長する金属元素として、Au、Al、Li、Mg、Ni、Co、Pt又はFeを用い、金属元素を1ppm〜100ppm含有する溶液、ここではニッケル元素を5ppm含有する溶液をスピンコーティング法により塗布する。この後、500〜650℃で1〜12時間加熱する。なお、金属元素を含む溶液を塗布する代わりに、金属元素薄膜を成膜しても良い。半導体膜の膜厚は0.03〜0.3μmの範囲にとすることが望ましいが、かかる範囲に限定するものではない。加熱により、非晶質半導体膜が結晶化され結晶性半導体膜2102が形成されると共に、結晶粒界(以下、三重点と示す。なお、結晶粒界は、三重点だけでなく、四重点、又は多重点であってもよい。)に、Au、Al、Li、Mg、Ni、Co、Pt又はFeの金属元素もしくはこれらの金属元素で形成される金属珪化物1507が析出する(図16(B))。なお、結晶粒界は、結晶化条件、例えば結晶化温度、膜中の水素濃度等によって制御することが可能である。すなわち、結晶粒界を制御することによって、電子放出部であるウィスカー密度を制御することができる。また、第1の加熱処理の後に、結晶性半導体膜にレーザ光を照射してもよい。
次に、結晶性半導体膜1506及び偏析した金属元素又は金属珪化物表面を水素化した後、半導体元素を含むガスを用いて熱CVD法又はプラズマCVD法によりウィスカー状の電子放出部2105を形成する。なお、電子放出部の根元、又は先端には、金属元素又は金属珪化物が凝集する。本実施の形態においては、0.1%のシランガス雰囲気で加熱することで、金属元素または金属珪化物を触媒として金属元素または金属珪化物表面において気相中の半導体元素、例えばシリコンが凝集し結晶化して、ウィスカー状2105の電子放出部が形成される。なお、電子放出部の根元とは、カソード電極と電子放出部とが接している部分、即ち金属元素又は金属珪化物1507が析出する結晶粒界である。(図16(D))。
なお、導電性を高めるために結晶性半導体膜中には、n型を付与する不純物元素が添加されていることがすることが好ましい。n型を付与する不純物元素として15族に属する元素、典型的にはリン(P)または砒素(As)を用いることができる。
以上の工程により、ウィスカー状の電子放出部を形成することができる。また、カソード電極及びその表面に形成されたウィスカー状の電子放出部を有する電界放出素子を形成することができる。
なお、結晶性半導体膜2102と絶縁膜1501との間に、金属元素膜によるカソード電極を形成してもよい。カソード電極としては、タングステン、ニオブ、タンタル、モリブデン、クロム、アルミニウム、銅、金、銀、チタン、ニッケル等の金属元素、又はそれらを含む合金、あるいはこれらの金属元素化合物(代表的には、窒化タンタル、窒化チタン等の窒化物、タングステンシリサイド、ニッケルシリサイド、モリブデンシリサイド等のシリサイド等)を用いることができる。
次に、図15に示すように、第2の基板2103に公知の手法により蛍光体層2106を形成し、その上に膜厚0.05〜0.1μmの導電膜を形成して、アノード電極2104を形成する。該導電膜には、アルミニウム、ニッケル、銀等の金属元素からなる薄膜、または、ITO(酸化インジウム酸化スズ合金)、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In2O3)―ZnO)、酸化亜鉛(ZnO)等の透明導電膜を公知の手法により成膜する。または、この導電膜を公知のフォトリソグラフィー工程により所望の形状に加工してもよい。
蛍光体層は、赤色蛍光体層、青色蛍光体層、緑色蛍光体層からなる。なお、複数の色の蛍光体層を配列する場合、各蛍光体層の間に、コントラストを高めるためブラックマトリクスを形成することが好ましい。アノード電極となる導電膜に、アルミニウム、ニッケル、銀等の金属元素からなる薄膜、またはこれらの金属元素を含む合金薄膜を用いた場合、蛍光体の発光を第2の基板側へ反射させるため、表示画面の輝度を向上させることができる。
本実施の形態により形成した第1の基板と第2の基板とを封止部材で接着し、基板と封止部材とで囲まれた部分を減圧し電界放出表示装置の表示用パネルを形成する。
第1の基板2100に形成されたカソード電極2104は、カソード電極駆動回路に接続されており、第2の基板2103に形成されたアノード電極2104はアノード電極駆動回路に接続されている。カソード電極駆動回路及びアノード電極駆動回路は、第1の基板上の外延部に形成することができる。また、ICチップ等の外付け回路を用いることもできる。カソード電極駆動回路からカソード電極を通じて相対的に負電圧が印加され、アノード電極にはアノード電極駆動回路から相対的に正電圧が印加される。これらの電圧印加によって生じた電界に応じ、電子放出部の先端から量子トンネル効果に基づき電子が放出され、アノード側に誘導される。この電子が、アノード電極に形成された蛍光体層に衝突することにより、蛍光体層が励起されて発光し表示を得ることができる。
以上の工程により、電界放出表示装置を形成する。
以上の工程により、カソード電極及びその表面に形成されたウィスカー状の電子放出部を有する電界放出素子、及びそれを有する電界放出表示装置を形成することができる。
本実施の形態により、複雑な工程を経ずとも大面積基板上に電界放出素子を形成することができる。また、本実施の形態により、半導体膜の結晶化条件によって結晶粒界を制御することができるため、結晶粒界に形成される電子放出部の密度を制御することが可能となる。さらに、大型の液晶表示装置の面光源または電飾用装置となるエリアカラーの表示装置を複雑な工程を経ずとも作製することができる。
(実施の形態9)
本実施の形態では、実施の形態8と同様の二極管型FEDの電界放出素子について、別の作製工程を示す。
図17は、図16と同様に図15のへ−へ‘の断面図である。実施の形態8と同様に基板1400上に絶縁膜1401、非晶質半導体膜1402を順次形成する。次に、この非晶質半導体膜1402を結晶化させる。本実施の形態では、結晶化方法にレーザ結晶化法を用いる。気体レーザー発振器、固体レーザー発振器、又は金属レーザ発振器から発振されたレーザ光1403を非晶質半導体膜1402に照射して結晶性半導体膜を形成する。このときのレーザ光は、連続発振又はパルス発振のレーザ光を用いることができる。
次に、図17(B)に示すように、次に、結晶性半導体膜1404に金属元素を添加する。本実施の形態では、結晶性半導体膜1404上に金属元素で構成される薄膜1405を形成する。この金属元素としては、Au、Al、Li、Mg、Ni、Co、Pt又はFeを用いることが可能である。本実施の形態では、金薄膜をスパッタ法により2〜5nm成膜する。この後、400〜600℃で加熱すると、金属膜1405の金属元素または金属珪化物が結晶性半導体膜の結晶粒界(三重点)の表面に偏析する(領域1406)。図17(C)。なお、レーザ光を用いて形成した結晶性半導体膜の結晶粒界の密度は、図27に示すように、レーザ照射条件によって異なる。図27は、50nmの非晶質シリコン膜にXeClレーザを照射したときの三重点の密度を表す。レーザ光のエネルギー密度によって三重点の密度が異なることが分かる。これらを制御することによって、電子放出部のウィスカーの密度を制御することが可能である。
結晶性半導体膜及び偏析した金属元素または金属珪化物表面を水素化した後、半導体元素を含むガスを用いて熱CVD法又はプラズマCVD法によりウィスカー状の電子放出部を形成する。本実施形態では、0.1%のシランガス雰囲気で400〜600℃で加熱することで、偏析した金属元素または金属珪化物表面に気相中の半導体元素、例えばシリコンが凝集し結晶化して、ウィスカー状の半導体膜1407が形成される。なお、電子放出部ウィスカーの先端又は根元には、Au、Al、Li、Mg、Ni、Co、Pt又はFe金属元素又はこれらの金属元素を有する金属珪化物1408が凝集している。(図17(D))。
なお、結晶性半導体膜1404には、導電性を高めるためにn型を付与する不純物元素を添加することが好ましい。n型を付与する不純物元素として15族に属する元素、典型的にはリン(P)または砒素(As)を用いることができる。
本実施の形態においても、実施の形態8と同様に半導体膜と絶縁膜との間に、金属元素膜によるカソード電極を形成してもよい。
以上の工程により、カソード電極及びその表面に形成されたウィスカー状の電子放出部からなる電界放出素子を形成することができる。本実施の形態により、半導体膜の結晶化条件によって結晶粒界を制御することができるため、結晶粒界に形成される電子放出部の密度を制御することが可能となる。また、大面積基板上に電界放出素子を形成することができる。
(実施の形態10)
本実施の形態では、実施の形態8及び実施の形態9と同様にウィスカー状の電子放出部を有する二極管型FEDの電界放出素子の作製工程を図18を用いて示す。
図18は、図16及び図17と同様に図15のへ−へ‘の断面図である。 図18(A)に示すように、実施の形態8と同様に第1の基板1300上に絶縁膜1301を形成したのち、非晶質半導体膜1302を形成する。次に、非晶質半導体膜1302に金属元素を添加する。本実施の形態では、プラズマCVD法により非晶質半導体膜1302表面に2〜5nmの金属薄膜1303を形成する。本実施の形態では、金属薄膜として金薄膜を形成する。金属元素としては、Au、Al、Li、Mg、Ni、Co、Pt又はFeを用いることが可能である。
次に、非晶質半導体膜にレーザ光1305を照射して、非晶質半導体膜を結晶化して結晶性半導体膜1306を形成する。このとき、結晶性半導体膜中の結晶粒界(三重点)の表面には金属元素または金属珪化物1307が偏析する。(図18(B))。このときのレーザ光は、実施の形態9と同様のものを用いることができる。
次に、結晶性半導体膜1306及び偏析した金属元素または金属珪化物1307の表面を水素化した後、半導体元素を含むガスを用いて熱CVD法又はプラズマCVD法によりウィスカー状の電子放出部を形成する。本実施の形態においては、0.1%のシランガス雰囲気で加熱することで、金属元素または金属珪化物が触媒となって、偏析した金属元素または金属珪化物表面において気相中の半導体元素、例えばシリコンが凝集し、結晶化して、ウィスカー状電子放出部1308が形成される結晶性半導体膜が形成される。なお、電子放出部ウィスカーの先端又は根元には、Au、Al、Li、Mg、Ni、Co、Pt又はFeの金属元素若しくはこれらの金属元素を有する金属珪化物1309が凝集している。 (図18(C))。
なお、結晶性半導体膜1308には、導電性を高めるためにn型を付与する不純物元素が添加されることが好ましい。n型を付与する不純物元素として15族に属する元素、典型的にはリン(P)または砒素(As)を用いることができる。
以上の工程により、ウィスカー状の電子放出部を形成することができる。
本実施の形態においても、実施の形態8と同様に半導体膜と絶縁膜との間に、金属元素膜によるカソード電極を形成してもよい。
また、本実施の形態で作製した基板を第1の基板として、実施の形態8と同様に表示パネルを作製することができる。
以上の工程により、カソード電極及びその表面に形成されたウィスカー状の電子放出部からなる電界放出素子を形成する。本実施の形態により、半導体膜の結晶化条件によって結晶粒界を制御することができるため、結晶粒界に形成される電子放出部の密度を制御することが可能となる。また、複雑な工程を経ずとも、大面積基板上に電界放出素子を形成することができる。
(実施の形態11)
本実施の形態では、実施の形態8〜実施の形態10と同様に二極管型FEDの電界放出素子、及びその電界放出素子を有する表示装置を示す。具体的には、第1の基板上に形成されたストライプ状のカソード電極と、第2の基板に形成されたストライプ状のアノード電極とが交差している点において、電子放出部が形成されている電界放出素子及びそれを有する電界表示装置について図19及び図20を用いて述べる。なお、本実施の形態では、電子放出部の作製工程に、実施の形態8で述べた電子放出部の作製工程を適応しおり、電子放出部はウィスカー状である。この工程に、実施の形態9又は実施の形態10の工程を適応してもよい。
図19は、本実施の形態の表示用パネルの斜視図である。第1の基板1200上に半導体膜で形成されたストライプ状のカソード電極1202と、第2の基板1203に形成されたストライプ状のアノード電極1207とが、ある間隔を介して交差している。この点において、電子放出部1205が形成されている。なお、図19においては、カソード電極とアノード電極との交点には、ウィスカー状の電子放出部が形成されているが、これは模式的に表したものであって、より多くの電子放出部を形成してもよい。
図20は、図19のト−ト’の断面図である。図20を用いて、本実施の形態のカソード電極及び電子放出部の作製方法を示す。なお、図19と同じ部分は同じ符号を用いて示す。
図20(A)に示すように、実施の形態10と同様に、第1の基板1200上に絶縁膜1201を形成し、公知の方法(CVD法、PVD法等)より非晶質半導体膜1601を形成したのちCVD法により2〜5nmの金属薄膜1602を形成する。該金属薄膜には、Au、Al、Li、Mg、Ni、Co、Pt又はFeで形成された薄膜を形成することができる。
こののち、レーザ光を照射して結晶性半導体膜を形成する。このとき、結晶性半導体膜中の結晶粒界(三重点)の表面には金属元素または金属珪化物1607が偏析する。このときのレーザ光は、実施の形態9と同様のものを用いることができる(図20(B))。
次に、結晶性半導体膜をエッチングしてストライプ状の結晶性半導体膜1202を形成する。なお、これらの工程に代えて、結晶性半導体膜をストライプ状にエッチングしてからレーザ光を照射して結晶粒界を形成しても良い。(図20(B))。
次に、結晶性半導体膜1202及び偏析した金属元素または金属珪化物1607の表面を水素化した後、半導体元素を含むガスを用いて熱CVD法又はプラズマCVD法によりウィスカー状の電子放出部を形成する。本実施の形態においては、0.1%のシランガス雰囲気で400〜600℃で加熱することで、金属元素または金属珪化物と気相中の半導体元素とが反応し結晶性半導体膜の粒界(三重点)の表面に、半導体元素がウィスカー状に析出する。なお、電子放出部の先端又は根元には、Au、Al、Li、Mg、Ni、Co、Pt又はFe金属元素若しくはこれらの金属元素を有する金属珪化物1608が凝集している。(図20(C))。
このとき、導電性を高めるために半導体膜にn型を付与する不純物元素を添加することが好ましい。n型を付与する不純物元素として15族に属する元素、典型的にはリン(P)または砒素(As)を用いることができる。
次に、図19に示すように、第2の基板1203に公知の手法により蛍光体層1206を形成し、その上に膜厚0.05〜0.1μmの導電膜を形成して、ストライプ状のアノード電極1207を形成する。該導電膜には、実施の形態8と同様の導電膜を適応することができる
蛍光体層は、赤色蛍光体層、青色蛍光体層、緑色蛍光体層からなり、これらの蛍光体層1組でひとつのピクセルとなる。なお、各蛍光体層の間に、コントラストを高めるためブラックマトリクスを形成することが好ましい。アノード電極は、各蛍光体層上に形成されていてもよく、また、赤色蛍光体層、青色蛍光体層、及び緑色蛍光体層からなるピクセル上に形成されていてもよい。
本実施の形態で形成した第1の基板と第2の基板とを封止部材で接着し、基板と封止部材とで囲まれた部分を減圧し電界放出表示装置の表示用パネルを形成する。
本実施の形態における駆動方法は、パッシプ型の駆動方法である。図19において、第1の基板1200に形成されたカソード電極1202は、カソード電極駆動回路に接続されており、第2の基板1203に形成されたアノード電極1207はアノード電極駆動回路に接続されている。カソード電極駆動回路及びアノード電極駆動回路は、第1の基板上の外延部に形成することができる。また、ICチップ等の外付け回路を用いることもできる。カソード電極駆動回路からカソード電極を通じて相対的に負電圧が印加され、アノード電極にはアノード電極駆動回路から相対的に正電圧が印加される。これらの電圧印加によって生じた電界に応じ、電子放出部の先端から量子トンネル効果に基づき電子が放出され、アノード電極に誘導される。この電子が、アノード電極に形成された蛍光体層に衝突することにより、蛍光体層が励起されて発光し表示を得ることができる。
以上の工程により、電界放出表示装置を形成する。
以上の工程により、カソード電極及びその表面に形成されたウィスカー状の電子放出部からなる電界放出素子を形成する。本実施の形態により、半導体膜の結晶化条件によって結晶粒界を制御することができるため、結晶粒界に形成される電子放出部の密度を制御することが可能となる。また、複雑な工程を経ずとも大面積基板上に電界放出素子を形成することができる。
(実施の形態12)
本実施の形態では、三極管型FEDの電界放出素子、及びそれを有する電界放出表示装置について、図21及び図22を用いて説明する。なお、本実施の形態で述べる電界放出素子は、(1)ストライプ状にエッチングされ、かつn型の導電性を有する半導体膜で形成されるカソード電極、(2)絶縁膜を介してカソード電極と交差するゲート電極、(3)ゲート電極及び絶縁膜の開口部において、カソード電極の表面に形成された凸部の電子放出部、を含む。なお、本実施の形態では、電子放出部の作製工程に、実施の形態8を適応しているが、実施の形態9又は実施の形態10の工程を適応してもよい。この場合、電子放出部はウィスカー状である。
図21は、本実施の形態の表示用パネルの斜視図である。第1の基板1501上には、半導体膜で形成されたストライプ状のカソード電極1502と、該カソード電極と直交しているストライプ状のゲート電極1503とが形成されている。なお、カソード電極とゲート電極とは、絶縁膜(図示しない。)を介して、形成されている。カソード電極と、ゲート電極との交点には開口部1507が形成されており、該開口部においてカソード電極の表面にウィスカー状の電子放出部1508が形成されている。第2の基板1505には蛍光体層1510とアノード電極1511とが形成されている。
図22は、図21のチ−チ‘の断面図である。図22を用いて、本実施の形態の電界放出素子の作製方法を示す。
図22(A)に示すように、実施形態8と同様に第1の基板1501上に第1の絶縁膜1701を形成する。第1の絶縁膜により、ガラス基板に微量に含まれるアルカリ金属が拡散するのを防ぐことができる。第1の絶縁膜上に公知の方法(CVD法、PVD法等)より非晶質半導体膜1703を形成する。このときの、半導体膜の膜厚は0.03〜0.3μmの範囲にとすることが望ましいが、かかる範囲に限定するものではない。次に非晶質半導体膜1703表面にAu、Al、Li、Mg、Ni、Co、Pt又はFe含む溶液を塗布する。この後、500〜650℃に加熱して結晶性半導体膜を形成する。
この後、図22(B)に示すようにカソード電極を形成する部分に、公知のフォトリソグラフィー工程によりレジストマスクを形成した後、結晶性半導体膜の一部をエッチングし、ストライプ状のカソード電極である結晶性半導体膜1502を形成する。
次に、カソード電極である結晶性半導体膜1502上に第2の絶縁膜1705を形成する。第2の絶縁膜としては、実施の形態4と同様のものを用いることができる。
次に、導電性を高めるために半導体膜にn型を付与する不純物元素を添加する。n型を付与する不純物元素として15族に属する元素、典型的にはリン(P)または砒素(As)を用いることができる。なお、n型不純物を添加する工程は、第2の絶縁膜を形成する前でもよい。
次に、導電膜1706を形成する。導電膜としては、実施の形態4と同様の物を用いることができる。導電膜にレジストマスクを形成してパターニングを行い、導電膜の不要な部分を除去し、ストライプ状のゲート電極を形成する。
次に、図22(C)に示すように、ストライプ状のカソード電極とストライプ状のゲート電極とが第2の絶縁膜を介して交差する領域において、開口部1507を形成する。所望の形状に、レジストマスクを形成した後、ストライプ状のゲート電極と第2の絶縁膜とを任意の形状にエッチングして半導体膜を露出させ、開口部1507を形成する。この工程において、第2の絶縁膜が残存しないように結晶性半導体膜をオーバーエッチングする。このため、結晶性半導体膜表面に偏析した金属元素または金属珪化物(図示しない)は除去される。
次に、結晶性半導体膜表面に2〜5nmのAu、Al、Li、Mg、Ni、Co、Pt又はFeで形成される金属薄膜1707を形成する。本実施の形態では、金薄膜を形成する。この後、レーザ光を照射すると、結晶粒界(三重点)に金属元素または金属珪化物1710が析出する(図22(D))。
次に、結晶性半導体膜及び結晶粒界の金属元素または金属珪化物表面を水素化処理した後、半導体元素を含むガスを用いて熱CVD法又はプラズマCVD法によりウィスカー状の電子放出部を形成する。本実施の形態においては、0.1%のシランガス雰囲気で400〜600℃で加熱することで、金属元素または金属珪化物と気相中の半導体元素とが反応し、ウィスカー状の結晶性半導体膜1508が形成される。なお、電子放出部の先端又は根元には、Au、Al、Li、Mg、Ni、Co、Pt又はFe金属元素若しくはこれらを有する金属珪化物1712が凝集している。
なお、図21において、カソード電極とゲート電極との交点1509においては、2×2個の開口部が記載されているがこれに限られるものはなく、一つの開口部又は多数の開口部が形成されていても良い。
また、半導体膜1502と第1の絶縁膜1701との間にストライプ状で半導体膜に接している金属元素膜をカソード電極として形成してもよい。カソード電極の材料としては、実施の形態9と同様のものを用いることができる。
以上の工程により、第1の基板上にウィスカー状の電子放出部を有する電界放出素子を形成することができる。
図12に示すように、第2の基板1505に公知の手法により蛍光体層1510を形成し、その上に膜厚0.05〜0.1μmのアノード電極511を形成する。アノード電極は、アルミニウム、ニッケル、銀等の金属元素からなる薄膜、または、ITO(酸化インジウム酸化スズ合金)、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In2O3)―ZnO)、酸化亜鉛(ZnO)等の透明導電膜を公知の手法により成膜する。本実施の形態では、アノード電極は、ストライプ状、矩形型のマトリクス状、またはシート状でもよい。蛍光体層は、赤色蛍光体層、青色蛍光体層、緑色蛍光体層からなり、これらの蛍光体層1組でひとつのピクセルとする。なお、各蛍光体層の間に、コントラストを高めるためブラックマトリクス1512を形成することが好ましい。また、アノード電極となる導電膜に、アルミニウム、ニッケル、銀等の金属元素からなる薄膜、またはこれらの金属元素を含む合金薄膜を用いた場合、蛍光体の発光を第2の基板側へ反射させるため、表示画面の輝度を向上させることができる。
本実施の形態で形成した第1の基板と第2の基板とを封止部材で接着し、基板と封止部材とで囲まれた部分を減圧し、電界放出表示装置の表示用パネルを形成する。
本実施の形態における駆動方法は、パッシプ型の駆動方法である。カソード電極1502は、カソード電極駆動回路に接続されており、ゲート電極1503はゲート電極駆動回路に接続されており、アノード電極1511はアノード電極駆動回路に接続されている。ゲート電極駆動回路、カソード電極駆動回路、及びアノード電極駆動回路は、第1の基板上の外延部に形成することができる。また、ICチップ等の外付け回路用いることもできる。カソード電極駆動回路からカソード電極を通じで相対的に負電圧(例えば、0kV)が印加され、ゲート電極には、ゲート電極駆動回路から相対的に正電圧(例えば、50V)が印加される。これらの電圧印加によって生じた電界に応じ、凸部の先端から量子トンネル効果に基づき電子が放出される。アノード電極には、アノード電極駆動回路により、ゲート電極に印加される正電圧よりも高い電圧(例えば、5kV)が印加され、電子放出部から放出された電子を、アノード電極に形成された蛍光体層に誘導する。該電子が蛍光体層に衝突することにより、蛍光体層が励起され発光し表示を得ることができる。なお、本実施の形態において、第1の基板上に、電界放出素子と同時に、カソード電極駆動回路及びゲート電極駆動回路形成することも可能である。
以上の工程により、電界放出表示装置を形成する。
本実施の形態により、複雑な工程を経ずとも大面積基板上に電界放出素子を形成することができる。また、半導体膜の結晶化条件によって結晶粒界を制御することができるため、結晶粒界に形成される電子放出部の密度を制御することが可能となる。
(実施の形態13)
本実施の形態では、三極管型FEDの電界放出素子及びそれを有する電界放出表示装置について、図23及び図24を用いて説明する。本実施の形態で述べる電界放出素子は、(1)ソース領域及びドレイン領域を有し、所望の形状にエッチングされた半導体膜、(2)半導体膜のソース領域に接するストライプ状にエッチングされたソース配線、(3)絶縁膜を介してソース配線と交差し、半導体膜のソース領域及びドレイン領域の間のキャリア濃度を制御するゲート電極、(4)ゲート電極及び絶縁膜の開口部において、半導体膜のドレイン領域表面に形成された凸形状、即ちウィスカー状の電子放出部を含む。また、本実施の形態において、カソード電極は少なくともドレイン領域を含む。
実施の形態4又は実施の形態12に示すように、第2の基板1907には、蛍光体層1908とアノード電極1909とが形成されている。
図24は、図23のリ−リ‘の断面図である。図24を用いて、本実施の形態の電界放出素子の作製方法を示す。
図24(A)に示すように第1の基板1901上に第1の導電膜を形成したのち、レジストマスクを用いてストライプ状のソース配線1902を形成する。第1の基板としては、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、表面に絶縁膜が形成された半導体基板、表面に絶縁膜が形成された金属基板などを用いることができる。基板の大きさは、任意であるが600mm×720mm、680mm×880mm、1000mm×1200mm、1100mm×1250mm、1150mm×1300mm、1500mm×1800mm、1800mm×2000mm、2000mm×2100mm、2200mm×2600mm、または2600mm×3100mmのような大面積基板を用いることができる。
次に、第1の絶縁膜を形成した後、絶縁膜をCMP等で研磨して平坦化しながらソース配線を露出しながら、該配線間を絶縁膜2001で埋め込む。絶縁膜2001及びソース配線1902上に、公知の方法(CVD法、PVD法等)より非晶質半導体膜を形成する。この後、非晶質半導体膜を公知の手法により結晶化したのちエッチングして、所望の形状の結晶性半導体膜1903を形成する。なお、第1の基板上にソース配線を形成する前に、ナトリウム(Na)などガラス基板に微量に含まれるアルカリ金属をブロッキングするための絶縁膜を形成してもよい。
次に、結晶性半導体膜1903にレジストマスク(図示しない。)を形成した後、n型を付与する不純物元素として15族に属する元素を添加してソース領域2002およびドレイン領域2003を形成する。n型を付与する不純物元素として15族に属する元素、典型的にはリン(P)または砒素(As)を用いることができる。
次に、図24(B)に示すように、半導体膜及び第1の絶縁膜上に第2の絶縁膜2004を形成する。第2の絶縁膜としては、実施の形態12と同様のものを用いることができる。
次に、第2の導電膜2005を形成する。第2の導電膜としては、実施の形態11の導電膜(図22(B)の領域1706)と同様のものを用いることができる。導電膜にレジストマスクを形成してパターニングを行い、導電膜の不要な部分を除去し、ソース配線と、半導体膜及び第2の絶縁膜2004を介して交差する第2の導電膜2005を形成する。
次に、図24(C)に示すように、ドレイン領域上に形成された第2の導電膜及び第2の絶縁膜をエッチングして、半導体膜の一部を露出させ、開口部1905を形成すると共に、ゲート電極1904を形成する。
次に、開口部1905の結晶性半導体膜表面及び第2の導電膜上に2〜5nmのAu、Al、Li、Mg、Ni、Co、Pt又はFeで形成される薄膜1907を形成した後、加熱する。この工程により、半導体元素と金属元素とが溶融し、結晶粒界(三重点)に金属元素または金属珪化物1910が析出する。(図24(D))。
次に、図24(E)に示すように、結晶性半導体膜及び結晶粒界に析出した金属元素または金属珪化物の表面を水素化した後、半導体元素を含むガスを用いて熱CVD法又はプラズマCVD法によりウィスカー状の電子放出部を形成する。本実施の形態においては、0.1%のシランガス雰囲気で400〜600℃で加熱することで、金属元素または金属珪化物と気相中の半導体元素とが反応し、ウィスカー状の結晶性半導体膜1906が形成される。なお、電子放出部の先端又は根元には、Au、Al、Li、Mg、Ni、Co、Pt又はFe金属元素若しくはこれらを有する金属珪化物1911が凝集している。
以上の工程により、第1の基板に電界放出素子を形成することができる。なお、電界放出素子のON、OFFをより正確に制御するために、各電界放出素子に薄膜トランジスタやダイオード等のスイッチング素子を別途設けてもよい。また、ゲート電極を、実施の形態5のようにくし型としてもよい。
上記の工程により形成した第1の基板と、実施の形態11と同様の工程により形成した第2の基板とを封止部材で接着し、基板と封止部材とで囲まれた部分を減圧して電界放出表示装置の表示用パネルを形成する。
この後、実施の形態5と同様の工程により、電界放出表示装置を形成する。
本実施の形態により、複雑な工程を経ずとも大面積基板上に電界放出素子を形成することができる。また、半導体膜の結晶化条件によって結晶粒界を制御することができるため、結晶粒界に形成される電子放出部の密度を制御することが可能となる。さらに、本実施の形態で形成される電界放出表示装置は、各画素においてスイッチング素子のドレイン領域に電子放出部が形成されている。このため、各画素において、電子の放出を制御することが可能であるため、高精細な表示装置を形成することができる。
(実施の形態14)
本実施の形態では、三極管型FEDの電界放出素子及びそれを有する電界放出表示装置について、図25及び図26を用いて説明する。ここで述べる電界放出素子は、(1)ソース領域及びドレイン領域を有し、所望の形状にエッチングされた半導体領域、(2)半導体領域のソース領域に接するソース配線、(3)絶縁膜を介してソース配線と交差し、半導体膜のソース領域及びドレイン領域の間のキャリア濃度を制御するゲート電極及びゲート配線、(4)ゲート電極及び絶縁膜の開口部において、かつ半導体領域のドレイン領域表面にウィスカー状の電子放出部、を含む。
第2の基板2205には、実施の形態4又は実施の形態12に示すように、蛍光体層2206とアノード電極2207とが形成されている。
図26は、図25のヌ−ヌ‘の断面図である。図26を用いて、本実施の形態の電界放出素子の作製方法を示す。
図26(A)に示すように第1の基板2200上に第1の絶縁膜を2211形成する。次に実施の形態1で述べたような公知の手法により結晶性半導体膜を形成し、この一部をエッチングして所望の形状の半導体領域(図25の領域2201)を形成する。
次に、第2の絶縁膜2212を公知の手法で形成する。第2の絶縁膜2212は、珪素と酸素を主成分とする膜(酸化ケイ素膜、窒化酸化ケイ素膜、酸化窒化珪素膜等)で形成する。
次に、第1の導電膜を形成する。第1の導電膜としては、実施の形態4の第1の導電膜603と同様の材料で形成することができる。次に、第1の導電膜にレジストマスクを形成してパターニングを行い、不要な部分を除去し、ゲート電極2202を形成する。次に、ゲート電極をマスクとして結晶性半導体膜の一部に、n型を付与する不純物を添加してソース領域及びドレイン領域2201a、2201bを形成する。
次に、図26(B)に示すように、第3の絶縁膜2221を形成する。第3の絶縁膜としては、実施形態4に示す第2の絶縁膜602と同様の材料で形成することができる。
次に、第3の絶縁膜2221及び第2の絶縁膜2211の一部をエッチングし、第2の導電膜を成膜する。次に、この第2の導電膜を所望の形状にエッチングしてソース配線2203を形成する。
次に、図26(C)に示すように、第3の絶縁膜上に第4の絶縁膜2231を成膜した後、第4の絶縁膜、第3の絶縁膜、及び第2の絶縁膜の一部をエッチングして、半導体領域の一部を露出する。この後、公知の手法(CVD法、PVD法等)により膜厚2〜5nmの金属薄膜2232を形成する。この金属元素としては、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、白金(Pt)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)等を用いることが可能である。本実施形態では、金薄膜を成膜する。
次に、図26(D)に示すように、100〜1100度、好ましくは400〜650度で1〜5時間加熱して、結晶粒界(三重点)に金属元素または金属珪化物2208を析出する。
次に、図26(E)に示すように、結晶性半導体膜及び結晶粒界に析出した金属元素または金属珪化物の表面を水素化した後、半導体元素を含むガスを用いて熱CVD法又はプラズマCVD法によりウィスカー状の電子放出部を形成する。本実施の形態においては、0.1%のシランガス雰囲気で400〜600℃で加熱することで、金属元素または金属珪化物と気相中の半導体元素とが反応し、ウィスカー状の結晶性半導体膜2204が形成される。なお、電子放出部の先端又は根元には、Au、Al、Li、Mg、Ni、Co、Pt又はFeの金属元素若しくはこれらを有する金属珪化物2209が凝集している。
なお、図25においては、図26で示される第1の絶縁膜2211、第2の絶縁膜2212、第3の絶縁膜2221、第4の絶縁膜2231は省略している。
また、電界放出素子のON、OFFをより正確に制御するために、各電界放出素子に薄膜トランジスタやダイオード等のスイッチング素子を別途設けてもよい。また、絶縁膜、例えば第3又は第4の絶縁膜上に、電子放出部から放出される電子量を制御するための制御電極を設けても良い。この構造により、電子放出量の安定性及び制御性を高めることが可能である。
本実施形態では、電界放出素子をトップゲート構造を用いて記載したが、これに限られず、ボトムゲート構造でも同様に電界放出素子を形成することができる。
上記の工程により形成した第1の基板と、第2の基板2205とを封止部材で接着し、基板と封止部材とで囲まれた部分を減圧して電界放出表示装置の表示用パネルを形成する。
この後、実施の形態4または実施の形態12に示すように、電界放出表示装置を形成する。
本実施の形態により、複雑な工程を経ずとも大面積基板上に電界放出素子を形成することができる。また、半導体膜の結晶化条件によって結晶粒界を制御することができるため、結晶粒界に形成される電子放出部の密度を制御することが可能となる。さらに、本実施の形態で形成される電界放出表示装置は、各画素においてスイッチング素子のドレイン領域に電子放出部が形成されている。このため、各画素において、電子の放出を制御することが可能であるため、高精細な表示装置を形成することができる。