JP2000252176A - 半導体ダイ - Google Patents

半導体ダイ

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JP2000252176A
JP2000252176A JP11047321A JP4732199A JP2000252176A JP 2000252176 A JP2000252176 A JP 2000252176A JP 11047321 A JP11047321 A JP 11047321A JP 4732199 A JP4732199 A JP 4732199A JP 2000252176 A JP2000252176 A JP 2000252176A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】レーザビームの照射による新たなマーキング技
術の開発に伴う微細なドットマークの付与の可能性を追
求すると共に、必要とする個別情報の全てを書き込んだ
半導体ダイを提供する。 【解決手段】半導体基板の表面に個別識別情報や加工履
歴情報などの各種の情報が書き込まれる領域を有する半
導体ダイであって、前記領域が104 μm2 以下の面積
であって、各ドットマークの最大幅が平面視で1〜6μ
mであるような微小なドットマークからなり、同ドット
マークの形態がレーザ照射により刻印される凹部及び凸
部を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は表面に個別識別コー
ドや加工履歴コードなどの各種の情報が書き込まれた半
導体ダイに関する。
【0002】
【従来の技術】集積回路はその個別のアイデンティティ
ーを確立するためにパッケージにマークを刻印している
が、この刻印されるマークの内容は型番であるデバイス
のタイプ、製造日、製造国、メーカーの名称又はロゴ程
度の情報であるのが普通である。しかし、この程度の情
報では個々の半導体ダイを特定するには有効な情報とし
ては少なすぎる。しかも、これらのマークは容易に消去
することが可能である。
【0003】半導体装置の製造工程にあって、個々の半
導体デバイスに最も微妙な影響を与えるのはスーパーク
リーンルーム内でなされるウェハに対する前処理工程、
いわゆる拡散工程などの通常ウェハファブと呼ばれる工
場内における多様な処理工程の製造条件であり、しかも
それらの製造条件は克明に記録して保管されている。
【0004】ところが、これらの詳細な製造条件に関す
る情報も半導体デバイス単位の個別情報としては各デバ
イスごとに書き込まれていないため、故障集積回路など
が発生したときの因果関係を究明するための情報として
は直接利用できないのが現状である。このことは故障解
析に限らず、不良解析上の大きなネックともなってい
る。
【0005】また、半導体デバイス単位の個別情報が得
られないことにより、故障解析や不良解析以外にも、次
の様な問題も生じている。高度なパーソナルコンピュー
タは、例えば600メガヘルツの高周波で動作するCP
∪を用いる。一方では、経済的理由から遅い周波数でし
か作動しない廉価なCPUも市販されている。この廉価
なCPUを誤って600メガヘルツ動作のCP∪として
パーソナルコンピュータに搭載すると、使用環境によっ
てはパーソナルコンピュータが誤動作をしたり、或いは
故障したりする。これらの故障原因は、CPUのパッケ
ージを開いて上記マークを読み取ることで、初めて解明
されることになる。
【0006】一方、コスト低減の要求があり、300m
mの大型ウェハが実用化されつつある。このような大型
ウェハには2種類以上の異なる種類のデバイスを混載し
て製造されることも多く、同一ウェハ上の半導体ダイは
個別に個体で販売の対象となる。
【0007】以上のような様々な観点から、原則的には
各デバイス単位ごとに異る内容からなる個体識別コード
を半導体表面に書き込み、これを読み込むことができれ
ば、保管された上記個別情報と故障デバイスなどとの因
果関係も究明しやすくなる。
【0008】ところで、個々の半導体ダイに識別コード
等の各種の情報を書き込むには、半導体ダイの表面にそ
れらの情報を書き込むことができるに十分な領域を必要
とする。従来から行われているマーキング技術、特に一
般的なレーザビーム照射によるマーキング技術によって
所望の量の情報を書き込もうとすると、例えば特開昭6
0−37716号公報にも開示されているような直径が
50〜150μmという大きな寸法のドットマークであ
ると、必然的に前記領域の面積を広げざるを得なくな
る。
【0009】一方、既述したとおり近年の回路の大規模
な集積化によって、半導体ダイの表面に形成される不使
用領域の面積は益々縮小化されている。そのため、従来
も半導体ダイごとに各種の情報を書き込む必要性を痛感
しながらも、半導体ダイに対する情報の書き込み技術が
前述の要求に応えるには十分な段階に至っていなかった
がため、特にレーザビームの照射によるマーキング技術
では半導体ダイ表面への多数の個別情報を書き込むこと
は不可能な状況にあった。
【0010】半導体ダイの表面に対するこうした個別情
報の書き込みに関して、レーザビームの照射によるマー
キングではないが、例えば特開平10−144579号
公報には、半導体ダイの表面に個別の識別コードを付そ
うとするマーキング技術が開示されている。同公報によ
れば、多様なパターンが駆動表示できる液晶マスクを透
過した光により、半導体ダイ表面に個別識別コードを付
すというものである。
【0011】同公報の具体的な説明によれば、ウェハ表
面上の配線金属膜の上にホトレジストを被着し、配線パ
ターン露光工程において配線パターン感光部を形成した
のち、照射装置から照射されてて液晶マスクを透過した
光を縮小レンズで縮小し、各半導体ダイ表面の識別コー
ド書き込み領域に所要のパターンを投影し、所望の識別
コードをホトレジストに転写する。次いで、現像処理及
びエッチング処理が施されて、金属配線及び金属配線膜
による個別識別コードを形成するというものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】つまり、前述の公報に
開示されたマーキング技術はエッチングによるものであ
るが、一般にエンチング工程において前記ホトレジスト
上に照射される光は紫外光であることから、上記マーキ
ング工程における液晶マスクを透過させる光も当然に紫
外光であると考えられる。ところで、液晶マスクは、そ
の製作過程において紫外光により樹脂を固化するため、
完成後の液晶マスクに赤外光よりもフォトンエネルギー
が遙に高い紫外光を照射すると、当該樹脂が溶解して液
晶が流動化して、もはやマスクとしての機能が失われて
しまう。従って、上記公報に開示されたマーキング技術
も、液晶マスクの損壊防止策を講じないかぎりは実施化
が困難な状況にある。
【0013】本発明の目的は、レーザビームの照射によ
る新たなマーキング技術の開発に伴う微細なドットマー
クの付与の可能性を追求すると共に、必要とする個別情
報の全てを書き込んだ半導体ダイを提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段及び作用効果】本発明者等
は、前記目的を達成すべく様々な検討と実験を重ねた。
その結果、得られたのが本件請求項1〜5に記載された
構成を備える発明である。すなわち、請求項1に係る発
明は、半導体の表面に個別識別情報や加工履歴情報など
の各種の情報が書き込まれる領域を有する半導体ダイで
あって、前記各種の情報が前記領域内に形成される凹部
及び凸部からなるドットマークにより構成されているこ
とを特徴としている。
【0015】ここの半導体ダイの表面に形成される個別
識別コードは消去しにくいマークから構成されることが
重要である。そのためには、半導体の単結晶や多結晶の
表面を局所的に溶融させ、そこに直接微小なドットを形
成することが好ましい。
【0016】また前記ドットの形態も、読み取りの容易
さを確保しなければならない。つまり、ドットの画像が
鮮明に光学カメラ等の光学機器によって捕捉されなくて
はならない。そのためには、「各ドットが半導体表面と
一体となった凹部及び凸部から形成される」ことが好ま
しい。一例としては、図1に示すようなドット形態が好
ましく、その凹部と凸部によって入射光が乱反射し、そ
の周辺の平坦面と比較すると極めて際立った信号が得ら
れる。
【0017】半導体ダイにあって許容されるマーキング
領域の合理的な面積を設定するには、上述したとおりコ
ード全体の占有面積が大き過ぎてはいけない。この個体
識別コードの存在のためにダイの面積が著しく増加する
ようでは高価なものになってしまって不都合である。半
導体ダイには、その周辺にワイヤ結線、即ちボンディン
グのためのボンディングパッドと呼ばれる金属膜の領域
がある。このボンディングパッドは、通常100μm角
(正方形)であり、その設置間隔も100μmである。
最近は技術が進歩して100μm角が80μm角にまで
小さくされた例もある。従って、マーキング領域として
は前記ボンディングパッド間の間隙が適当であり、その
面積も100μm角以下が好ましい。
【0018】即ち、本件請求項2に係る発明に規定する
ごとく、マーキング領域の面積を10000μm2 以下
として、そこに2次元コードマトリックスで必要な情報
を含むドットマークを付す。個体識別に必要とされる文
字数は12文字とされている。
【0019】図13は2次元コードマトリックスを構成
するドットマークの大きさを変えたときのマーキング領
域内に付すことができる情報量(文字数)を示してい
る。この図から理解できるように、100μm角以下の
マーキング領域内にあって、12文字数がカバーされる
ドットマークの大きさは6μm以下に限られる。そのた
め、マーキング領域の面積が104 μm2 以下に限定す
る場合には、1つのドットサイズが平面視で6μm以下
であることが好ましい。また、前述のごとき微小なドッ
トマークにあって、重要なことは上述したとおり断面が
凹部及び凸部を併せもつ形態であることが望ましい。
【0020】ただし、本件は請求項1からも理解できる
ように本件発明がドットマークの平面視の大きさについ
て前述のサイズに限定されるものではない。ドットマー
キング領域を、例えば後述するようにスクライブライン
上に求める場合には、同領域の面積を104 μm2 以下
に限定する必要がない。しかしながら、その場合にもド
ットマークの平面視における大きさは、後述するごとく
1〜15μmであることが望ましい。
【0021】かかる形態を有するドットマークは、本件
請求項3に係る発明のようにレーザ照射によるマーキン
グが適している。このレーザマーキングは、例えば本発
明者等が先に特願平10−334009号として提案し
たマーキング方法により実施が可能である。このマーキ
ング方法によれば、そのマーキング条件としてレーザビ
ームのパルス幅及びエネルギー密度を所定の範囲に設定
すると共に、エネルギー密度分布を制御することによ
り、従来とは比較にならない程の微小な大きさをもつド
ットマークが得られる。しかし、本発明は上記提案によ
るレーザマーキング方法に限定されるものではない。
【0022】以下、同提案に基づくレーザマーキング方
法について概略を説明する。先ず、上記ドットマークの
形態を形成するために使用されるレーザマーキング装置
の好適な例としては、例えば本発明者等が先に提案した
特願平9−323080号に開示されたレーザマーキン
グ装置を挙げることができる。その詳細な構成は同出願
の明細書に説明されているため、ここでは簡単な説明に
止める。
【0023】図2の符号1はレーザを光源として被マー
キング物品の表面に2次元コードなどをドットマーキン
グするレーザマーキング装置を示し、同マーキング装置
1は、レーザ発振器2と、前記レーザ発振器2から照射
されるレーザビームのエネルギー分布を平滑化するビー
ムホモジナイザ3と、パターンの表示に合わせて前記レ
ーザビームを透過/非透過駆動される液晶マスク4と、
前記液晶マスク4の1画素に対応レーザビームのエネル
ギー密度分布を所要の分布形状に成形変換するビームプ
ロファイル変換手段5と、前記液晶マスク4の透過ビー
ムをドット単位で半導体ウェハ表面に結像させるレンズ
ユニット6とを備えており、前記液晶マスク4の1ドッ
トの最大長さが50〜2000μmであり、前記レンズ
ユニット6による1ドットマークの平面視による最大長
さが1〜15μmである。
【0024】そして、かかる形状の微小ドットを形成す
るには、1ドット単位に照射されるレーザビームの質及
び量に対する高精度な制御が必要である。大きなビーム
径のレーザビームから本発明でいう微小径のレーザビー
ムを得るには、高品質で高出力のレーザビームが必要で
あるが、高出力レーザによる回析現象のため、これ以上
小さく絞ることは困難であり、また仮に小さく絞れたと
しても、レンズの射出角が大きくなり、焦点深度が極め
て小さくなって、実加工ができるとは考えがたい。ま
た、解像度などの点からも超精密のレンズ系が要求され
る。かかるレンズ系を装備させる場合には、その設備費
が一段と高騰し、経済性の観点からも適用は不可能であ
る。
【0025】そこで、通常のレンズ系をもってドットマ
ークの微小化を実現するには、レーザ発振器2から出射
されるレーザビーム自体を1ドットのマーキングに必要
且つ十分なエネルギーをもつ小径のレーザビームに分割
変換するとともに、各ドット単位のレーザビームのエネ
ルギー密度分布を上述のドット形態に加工するに相応し
いプロファイルに変換することが必要である。そして、
かかる好適で且つ均整なプロファイルを成形するには、
その前段階にて前記変換される以前の各ドット単位のレ
ーザビームにおけるエネルギー密度分布を平滑化してお
く必要がある。
【0026】前記微小化のための光源を得るには、中央
制御部に書き込まれた各種データに基づいて液晶マスク
4の各液晶単位で任意に光の透過・非透過を駆動制御で
きる液晶がマトリックス状に配列された液晶マスク4を
採用することが合理的である。
【0027】また、前述のごとくガウシアン形状のエネ
ルギー密度分布をもつレーザ発振器から出射されるレー
ザビームを、ビームホモジナイザ3を用いて、例えばト
ップハット形状に類似する平滑化された形状に変換する
ことが必要である。このビームホモジナイザ3として
は、例えばフライアイレンズを使用したマスク面上を一
括して照射する方式やポリゴンミラーなどのアクチュエ
ータによりミラー駆動してマスク面上をビーム操作する
方式がある。
【0028】前述のビームホモジナイザ3によりエネル
ギー密度分布が平滑化されたレーザビームを、上述の好
適なドット形態を得るために好適なエネルギー密度分布
のプロファイルに再変換する必要があるときは、更にビ
ームプロファイル変換器5が使われる。このビームプロ
ファイル変換器5としては、例えば回析光学素子を備え
た開口マスクや液晶マスクなどがる。なお、本発明のド
ットマーク形態を得るには、このビームプロファイル変
換手段は必ずしも必要としない。
【0029】ここで、本発明における直接の加工対象と
しての被マーキング物品Wは半導体ウェハに配された半
導体ダイの表面であり、そのマーキング工程は半導体装
置の製造工程の前工程を経て各種試験や分類を終了し、
ダイシング工程に回される全段階である。ここで半導体
とは、請求項4〜5に記載したとおり、シリコンウェハ
それ自体である単結晶の表面である場合が代表的ではあ
るが、その他にウェハ表面に酸化膜(SiO2) や窒化膜(S
iN) が形成されたもの、更にはエピタキシャル成長させ
たウェハ、ガリウム砒素、インジウムリン化合物が表面
に形成されたウェハをも含むものである。
【0030】前述のマーキング装置1を使っても、次に
挙げるようなマーキング条件を満たさないかぎり、上述
のごとく微小な形態をもつ本発明のドットマークは得に
くい。すなわち、上記レーザ発振器2から照射されるレ
ーザビームのエネルギー分布を、既述したごとくビーム
ホモジナイザ3により平滑化すること、1画素単位の最
大長さが50〜2000μmである液晶マスク4を駆動
制御して所望のパターンを形成し、前記ビームホモジナ
イザ3により均整化されたレーザビームを前記液晶マス
ク4に照射すること、このとき同液晶マスク4を通過す
るレーザビームのエネルギー密度を1.0〜3.7J/
cm2 に設定すること、及び前記液晶マスクを透過した
1ドットごとの各レーザビームを、レンズユニット6に
より1ドットの最大長さが1〜15μmとなるように縮
小して前記被マーキング物品の表面に結像させることを
含んでいる。かかる条件下でマーキングを行うと、単な
る微小寸法に止まらず、視認性に優れた特異な形態を有
するドットマークが形成される。
【0031】前記、レーザビームのパルス幅に関して
は、エネルギー密度の許容範囲を適当に大きく取ること
ができ、同時にレーザの出力も極力抑えることができる
範囲を模索したところ、本発明のドットマークを形成す
るには10〜500nsの範囲が効果的である。特に好
ましくは、50〜120nsである。なお、500ns
以上の場合にはエネルギー密度が大きくなりすぎて、所
望のドットマークの形態が得にくく、レーザ発振器自体
も大型下せざるを得ない。また、psの領域のレーザに
よる加工では、蒸散が著しく発生し、許容できるエネル
ギー密度範囲が極端に狭くなる。
【0032】また、エネルギー密度に関しては、エネル
ギー密度がレーザ波長、パルス幅及び加工材料の光特性
に依存するところが多い。このため、レーザ波長とその
パルス幅の両者を勘案して決めることが好ましいが、レ
ーザ波長とパルス幅の値を規定する場合には、上述のご
とく1.0〜3.7J/cm2 が適当である。前記エネ
ルギー密度の更に好適な範囲としては、前記液晶マスク
を通過して分割されたレーザビームのエネルギー密度が
1.5〜3.5J/cm2 である。
【0033】また、前記マーキング条件に加えて、更に
前記液晶マスク4の画素マトリックスに対応する同一サ
イズのドットマトリックスにて構成され、レーザビーム
のエネルギー密度分布を所要の分布形状に成形変換する
ビームプロファイル変換手段5を、前記液晶マスク4の
前後いずれかに配するとよい。このビームプロファイル
変換手段は、照射パターンドット内の熱分布を調整する
ことで、ドットマークの隆起部高さが調整される。
【0034】ここで、液晶マスクの1画素単位の最大長
さを50〜2000μmに規定しているのは、液晶マス
ク4を透過したレーザビームがレンズ系により1ドット
の最大長さを1〜15μmとなるように縮小して前記被
マーキング物品の表面に結像させると、現状のレンズ系
における解像度に限界があって確実に読み込めない場合
もあるがためである。また、1ドットの最大長さ(径)
が1μmより小さい場合には、現在の光学系のセンサで
は1ドットごとに読み取ることが困難であり、5μmを
超えると充分な量の情報を上記マーキング領域にマーキ
ングすることができない。しかし、このマーキング領域
として、例えばスクライブラインの領域を使用すれば大
量の情報が書き込めるため、5μm以上であってもよい
が15μm以下であることが好ましい。これらの値は、
例えば現在のSEMI規格で許容されるドットマーク寸
法の最大限の値である100μmと比較すると、3/2
0〜1/100であって、如何に微小な寸法であるかが
理解できる。
【0035】
【発明の実施形態】以下、本発明の好適な実施の形態を
シリコン基板を例として添付図面に基づいて具体的に説
明する。本発明の個別識別コードが付された半導体ダイ
を製造するには、先ずシリコンウェハの個々の半導体ダ
イごとの個別識別コードの書き込み領域にコード書き込
み面(以下、ノートパッドという。)を形成する必要が
ある。このノートパッドとしては、シリコン基板の単結
晶からなるベア表面、同多結晶シリコン表面、或いはシ
リコン酸化膜の表面に画定することができる。ノートパ
ッドを形成したのちに、レーザマーカーをセットアップ
してドットマークの書き込み、即ち2次元コードにて個
体識別コードを各半導体ダイに書き込む。
【0036】図3は、ダイナミックRAMに多用される
NMOSデバイスのセル構造例を示している。同図にお
いて、符号11はシリコン基板(Si)、12はフィー
ルド酸化膜(SiO2 )、13はゲート電極(Poly
−Si)、14は金属配線(Al)、15はゲート酸化
膜(SiO2 )、16はソース及びドレイン(Si)、
17は層間絶縁膜(PSG)、18は保護膜(PSG)
を示す。この図に示す例では、多結晶シリコン膜(Po
ly−Si)をノートパッド19として形成している。
集積回路の製造過程において、ウェーハファブとも呼ば
れるスーパークリーンルーム内で6000オングストロ
ームのポリシリコン膜を厚さ1μmのフィールド酸化膜
12の表面に積層して形成し、リソグラフ工程を経て1
00ミクロンの正方形からなるノートパッド19を形成
している。
【0037】また、同図に符号13で示すように前記ノ
ートパッド19とは別に既に1層の多結晶膜が存在して
ゲートを構成している。従って、このゲート13を形成
するときの多結晶シリコン膜を利用してもノートパッド
を形成することができる。かかる多結晶シリコン膜は、
多い場合には2、3層が形成されていることもある。こ
のような場合に、最も表層側の多結晶シリコン膜の形成
と同時に上記のノートパッドをパターン形成し、その
後、同多結晶シリコン膜上に形成される膜の全てを抜き
パターンとして、最終的にノートパッドが外部に表出す
る構造とする。
【0038】本発明にあって代表的なノートパッドの形
成対象としては、集積回路の原料素材であるシリコン単
結晶ウェーハのベア表面がある。当該ノートパッドは、
前述の多結晶シリコンの場合とほぼ同様に取り扱うこと
ができる。異なる点は、当咳ノートパッドを最終的に表
出させるために、全てのマスク工程において、抜きパタ
ーンとすることである。或いは、CVD法やエピタキシ
ー法でシリコン単結晶ウェーハの上に絶縁膜を介して或
いは介せずに形成するシリコン単結晶膜を成長させてこ
れをノートパッドとして用いることも可能である。すな
わち、単結晶膜を部分的にエッチングし、当該単結晶表
面を露出してノートパッドを形成する。
【0039】また、一般的にシリコンからなる半導体ウ
エハの表面には、極く薄い自然酸化膜が形成されている
が、本発明ではその酸化膜もノートパッドの対象とな
る。この酸化膜を良好に変形させるには、次の点を考慮
に入れる必要がある。 酸化膜(SiO2 )の融点が、シリコンウエハ(S
i)よりも高いこと。 酸化膜は非晶質で明確に液相へ変化する点は存在せ
ず、シリコンの融点付近で軟化していること。 酸化膜は可視から近赤外領域にかけての領域におい
て透明であり、且つシリコンを吸収すること。
【0040】これらの点から、パルス照射時は、酸化膜
を通過して直接シリコンウエハを加熱溶融する。酸化膜
は、加熱されたシリコンからの熱伝導により軟化し、弾
性変形でシリコンの表面形状にならった形でドットが形
成される。しかし、酸化膜が厚くなっていくと、熱伝導
による酸化膜の温度上昇が酸化膜が外界と接している界
面まで充分に到達せず、その結果としてシリコンの変形
量についていけず、塑性変形(割れてしまう。)する。
このシリコン単結晶に追随して変形する表面酸化膜の厚
さは、実験によると2000オングストローム以下であ
ることが判明している。このため、およそ2000オン
グストローム以下の表面酸化膜であれば、シリコン単結
晶の表面と同様にドットマークが形成できる。
【0041】次に、半導体ダイに個別識別コードを付す
ために好適なノートバッドの形成領域について説明す
る。図4は半導体ウェハ上に形成される有効な半導体ダ
イの配置例と単一の半導体ダイの構造を模式的に示す上
面図である。金属配線と同時に形成される引出し電極
(ボンディングパッド)20を、ダイ外周部に配置し、
個々のボンディングパッド20を通じてボンディングワ
イヤでもってリードフレームと結線し、このリードフレ
ームを介して外部回路と接続する。このボンディングパ
ッドは、既述したとおり通常は100μm角(正方形)
であり、その設置間隔が100μmである。従って、上
記ノートパッド19の形成領域としては前記ボンディン
グパッド間の間隙領域が好適であり、その面積も100
μm角以下とする。
【0042】これらノートパッド19は、必要に応じて
複数形成してもよい。例えば、ノートパッド19が、1
00μm角の場合、1ドットが5ミクロンピッチでドッ
トを形成すると、18×18ドットからなる2次元コー
ドのドットマトリックスを付すことができる。その結
果、1つのノートパッド領域には25〜40文字の情報
が記録可能となる。
【0043】こうしたノートパッド19の形成領域とし
ては、前述のボンディングパッド間の間隙に代えて、ス
クライブラインを選択することができる。このスクライ
ブラインの多くは、集積回路の原料素材であるシリコン
単結晶ウェーハが露出した状態にある。しかし、スクラ
イブラインにノートパッドを形成するにあたっては、第
一回目の酸化後には、全てのマスク工程において抜きパ
ターンとして、可能な限り膜を積まない状態に保つよう
にする。
【0044】以上のようにして半導体ダイごとに形成さ
れたノートパッド19に個別識別コードを書き込む。本
実施例によれば、この個別識別コードはレーザマーカに
よりノートパッドに刻印されるドットマークから構成さ
れる2次元コードである。このマーキング時期は、半導
体集積回路の製造の最終段階である個別ダイの機能テス
トを行うダイソート工程の直後が好ましい。
【0045】そのマーキング内容は、ウエハ識別番号、
ウェーハメーカコード、ウエハ抵抗率分類識別、不純物
ドーパントの種類、ウエハ結晶成長方位など、SEMI
標準で規定されているウエハIDに加え、半導体ウェハ
のダイ位置により決まる最も重要な個別の個体識別番
号、主なウエハテスト結果、そのテスト結果に基づく性
能グレードコードなどを含んでいる。
【0046】さて、上述のごとき大きさのノートパッド
にドットマークからなる前記識別コードを刻印するに
は、既述したとおり平面視で6μm以下の大きさのドッ
トマークである必要がある。かかる微小なドットマーク
をレーザマーカによりノートパッド上に刻印するには、
単に従来のレーザマーカを使っては不可能である。本発
明者等が先に開発した特願平9−323080号に開示
されたレーザマーキング装置を使い、同じく先に開発し
た特願平10−334009号に開示されているような
特定の条件下でレーザマーキングを施すことにより実現
できる。なお、以下の説明は典型的なレーザマーキング
方法の一例に基づくものであり、本発明の実施はこれら
の説明に限定されるものではない。
【0047】図2は半導体ダイの上記ノートパッドに微
小ドットマーキングを形成するためのレーザマーキング
装置を模式的に示した説明図である。本実施例における
レーザマーキング装置1にあって、レーザ発振器2から
出射されるガウシアン形状のエネルギー密度分布を有す
るレーザビームを、まずビームホモジナイザ3を通し
て、尖頭値がほぼ均一となったトップハット型のエネル
ギー密度分布形状に成形する。こうしてエネルギー密度
分布が均一に成形されたレーザビームは、次いで液晶マ
スク4の表面に照射される。このとき、液晶マスク4は
広く知られているように所要のマーキングパターンをマ
スク上に駆動表示することが可能であり、前記レーザビ
ームは同パターン表示領域内の光透過可能な状態にある
画素部分を透過する。この各画素ごとに分割されて透過
したのちの各透過光のエネルギー密度分布も、前記ビー
ムホモジナイザ3により成形された形状と同一であって
均一に分布されている。
【0048】上記ビームホモジナイザ3は、例えばガウ
シアン形状のエネルギー密度分布をもつレーザ光を、平
滑化されたエネルギー密度分布の形状に成形するための
光学部品を総称する。この光学部品としては、例えばフ
ライアイレンズやバイナリーオプティクス、シリンドリ
カルレンズを使用して、そのマスク面上に一括照射する
か或いはポリゴンミラーやミラースキャナなどのアクチ
ュエータによるミラー駆動によってマスク面上を走査さ
せる方式がある。
【0049】ここで、本実施例にあっては、レーザビー
ムのエネルギー密度が0.15〜3.5J/cm2 の範
囲に制御される。レーザビームが、かかる数値範囲内に
制御されると、本実施例に基づく微小で且つ特異な形態
をもつドットマークを形成することができる。
【0050】本実施例にあって、前記液晶マスク4に1
回で照射する領域は、ドット数で10×11個であり、
これをレーザビームをもって一括照射するが、かかるド
ット数では必要とする全てのドットマーク数を満足し得
ないため、マークパターンを数区画に分割して順次液晶
マスクに表示させ、これを切り換えながら組み合わせて
全体のマークパターンを半導体ダイの表面に形成するよ
うにする。
【0051】上記液晶マスク4を通過したドット単位の
レーザビームを、続いてビームプロファイル変換器5に
照射する。このビームプロファイル変換器5は前記液晶
マスク4のマトリックス状に配された個々の液晶に対応
して同じくマトリックス状に配列されている。従って、
液晶マスク4を透過したレーザビームは、1対1に対応
してドットごとに前記ビームプロファイル変換器5を通
過して、ビームホモジナイザ3によりそれぞれに平滑化
されたエネルギー密度分布のレーザビームが本発明特有
の微小な穴形状を形成するに必要なエネルギー密度分布
形状へと変換される。本実施例では前述のごとく液晶マ
スク4を通過した後のレーザビームを、ビームプロファ
イル変換器5を通過させて、そのエネルギー密度分布形
状を変換しているが、ビームプロファイル変換器5によ
るエネルギー密度分布のプロファイルを変換させること
なく、次のレンズユニット6に直接導入することもあ
る。
【0052】ビームプロファイル変換器5を通過したレ
ーザビームはレンズユニット6により絞られ、半導体ウ
ェハWの表面の所定の位置に照射され、同表面に必要な
ドットマーキングがなされる。本発明にあっては、前記
液晶の画素単位の最大長さを50〜2000μmとし
て、これを前記レンズユニット6により半導体ウエハW
の表面に1〜15μmにまで絞られる。ここで、ミクロ
ン単位のマーキングを複数のウェハ表面に均一に形成し
ようとする場合には、そのマーキング面と集光レンズと
の間の距離や光軸合わせをミクロン単位で調節する必要
がある。
【0053】本実施例によれば、焦点検出はレーザ顕微
鏡などで一般に使用されている共焦点方式で高さ計測を
行い、この値からレンズの縦方向の微小位置決め機構に
フィードバックさせて、自動的に焦点の位置決めがなさ
れる。また、光軸合わせや光学構成部品の位置決め及び
調整は、一般的に知られた方法が採用され、例えばHe
−Neレーザなどのガイド光を通じて、予め設定されて
いる基準スポットに適合させるべくネジ調整機構などに
よって調整する。この調整は組立時に一回だけ行えばよ
い。
【0054】従って、本発明に係る微小なドットマーク
とは平面視の最大長さが1〜15μmの寸法範囲にあ
る。このような寸法のドットマークを形成するには、縮
小レンズユニットの解像度などによる半導体ウェハWの
表面の照射ポイントにおける結像に崩れを生じさせない
ようにするため、上記液晶マスク4の1ドット当たりの
1辺長さが50〜2000μmであることが必要であ
る。更には、前記ビームプロファイル変換器5と前記液
晶マスク4との配置間隔が余り大き過ぎても或いは小さ
過ぎても、周辺の光線の影響を受け或いは光軸の不安定
さの影響を受けて、半導体ウェハ表面の結像に乱れが生
じやすい。そこで、本実施例にあっては、前記ビームプ
ロファイル変換器5と前記液晶マスク4との配置間隔X
を前記液晶マスク4の1画素単位の最大長さYの0〜1
0倍に設定している。かかる範囲で前記配置間隔を設定
することにより、ウェハ表面に照射される結像が鮮明な
ものとなる。
【0055】上記ビームプロファイル変換器5は、前記
ビームホモジナイザ3により平滑化されたエネルギー密
度分布を本実施例に特有なドット形状を得るために最適
なエネルギー密度分布の形状に変換させるための光学部
品であり、回析現象、屈折現象或いはレーザ照射ポイン
トにおける光透過率を任意に異ならせるなどして、入射
レーザ光のエネルギー密度分布のプロファイルを任意の
形状に変換するものである。その光学部品としては、例
えば回析光学素子、ホログラフィック光学素子、凸型の
マイクロレンズアレイ、或いは液晶自体が挙げられ、そ
れらをマトリックス状に配置してビームプロファイル変
換器5として使用する。
【0056】図5及び図6は、本実施例方法により形成
されるドットマークの典型的な形状例と配列状況とを示
している。なお、図5はAFMにより観察した立体図で
あり、図6は同じくAFMにより観察した断面図であ
る。本実施例によれば、半導体ウエハWの表面に結像さ
れる各ドットマークの大きさは3.6μmであり、各ド
ット間隔は4.5μmとした。これらの図からも理解で
きるように、半導体ウエハWの表面には液晶マスク4の
各画素に対応して分割されたレーザビームごとの略円錐
状のドットマークが形成され、しかも、そのドットマー
クは11個×10個に整然と並んでおり、それぞれの高
さもほぼ揃っている。これは、液晶マスク4に照射され
るレーザビームのエネルギー分布をビームホモジナイザ
3により均一に平滑化されたがためである。
【0057】本発明に係る微小なドットマークの寸法
は、既述したとおり、その被マーキング物品Wである半
導体ダイの表面に沿った最大長さが1〜15μmが好適
である。これは、各種の実験結果からもたらされた現在
の光学的センサによる視認性の限界とマーキング領域の
自由度とを確保するために必要な最小限と最大限の大き
さの範囲である。ただし、上述の面積(104 μm2
をもつノートパッド19に個々の半導体ダイにとって必
要十分な情報量を刻印するには、既述したとおりドット
マーク寸法を1〜6μmとすることが好ましい。
【0058】図7〜図9は、本実施例により採用された
上記レーザマーキング装置1により、以下の条件下で形
成される本実施例に特有のドットマーク形態を示してい
る。前記レーザマーキング装置1の仕様は、 レーザ媒質:Nd,YAGレーザ レーザ波長:532nm モード :TEM00 平均出力 : 4W @ 1KHz パルス幅 :100ns @ 1KHz としている。
【0059】また、本実施例において使用するレーザビ
ームとしては、YAGレーザ発振装置の他にも、YV0
4レーザ発振装置の第2高調波、チタンサファイヤレー
ザ発振装置等により発振されるレーザビームを挙げるこ
とができる。
【0060】図7〜図9は上記マーキング条件に加え
て、表1に示す半導体ウエハWの表面に照射される1ド
ットのドット径、レーザビームのエネルギー密度、及び
そのパルス幅を変更したときの実施例1〜3に対応する
ドット形態と各寸法を示している。
【0061】
【表1】
【0062】図7は、表1のマーキング条件にて半導体
ウエハWの半導体ダイ表面にドットマーキングを施した
ときの実施例1によるドットマーク形態とその寸法を示
している。この実施例1によれば、上方に山形状に隆起
した隆起部が縦に2つに分割された形態となり、周辺に
僅かではあるが凹陥部が形成されている。しかし、全体
として隆起部が大きいため、周辺とのコントラストに優
れ視認性にも優れている。
【0063】図8は、表1のマーキング条件にて半導体
ウエハWの半導体ダイ表面にドットマーキングを施した
ときの実施例2のドットマーク形態とその寸法を示して
いる。同図によれば、上記実施例1と同様に周辺に環状
で凹凸状の凹陥部を有するものの、その中央は上方に高
く隆起した略円錐状の隆起部を備えており、その周辺と
の明暗差は大きく、充分な視認性が確保される。
【0064】図9は、表1のマーキング条件にて半導体
ウエハWの半導体ダイ表面にドットマーキングを施した
ときのドットマーク形態とその寸法を示している。同図
によれば、ドットマークの周辺は殆ど平坦であって、上
方に高く隆起した略円錐状の隆起部を備えており、ドッ
ト長さが微小であるとはいえ、視認性の点では最も優れ
ている。このドット形態が本発明の理想的な形態である
といえる。
【0065】本発明にあって実際のマーキング時には、
ノートパッドヘの位置決めが極めて重要である。図10
は、マーキング時における前記位置決めの確認手段を設
けたレーザマーキング装置の他の実施形態を示してい
る。同図によれば、光路の途中にダイクロイックミラー
(ハーフミラー)7を挿入して、その側方にCCDカメ
ラ8を設置した。このカメラ8は、一度にマーキングす
る範囲と同じ視野で観察(同一視野観察)できるように
している。
【0066】この同一視野観察は、図10に示すように
レンズユニット6が単一の場合には、液晶マスク4とレ
ンズユニット5との間に前記ハーフミラー7を挿入す
る。また、結像レンズが複数のレンズユニット6から構
成される場合には各レンズユニット6との中間にハーフ
ミラー7を挿入する。ハーフミラー7は、液晶マスク4
を通過したレーザ光のみを透過させ、他波長領域、特に
可視領域の光波長を反射させるようにコーティングされ
ている。更に、CCDカメラ8の結像面は液晶マスク面
とマーキング対象Wと等距離となるように配置される。
かかる構成によって、マーキングするためのレーザビー
ムをハーフミラー7が障害となることなく、マーキング
された結果をCCDカメラ8に結像させて観察すること
が可能になる。また、ハーフミラー7を複数のレンズユ
ニットの中間に配する場合は、ハーフミラー7とCCD
カメラ8との間に、液晶マスク4とハーフミラー7との
間の光路と同等の光路を形成するための機能を有するレ
ンズユニットを挿入することが必要になり、これにより
ハーフミラー7による同一視野の観察が同様に可能とな
る。
【0067】この同一視野観察によって、マーキング前
に行われる位置合せの微調整のみならず、マーキングが
良好に行われたかどうかの結果も逐一モニターすること
ができる。すなわち、マーキング結果の検査を行うこと
も可能となる。この同一視野観察法を用いて、ダイ内の
ノートパッド位置をマーカーの主軸に対して予め決めて
おけば、プローバと同程度のステージの送り精度のみ
で、マーカー作業の粗位置決めが可能となる。これはプ
ロ一バと本発明のマーキング機構を同一装置に組み込ん
で実施することをも可能にすることを示している。
【0068】なお、半導体の製造プロセスにおてる上記
個別識別コードのマーキング操作の時期は、具体的には
ウェーハプローブ作業(ウエハテスト工程)の後が好ま
しいが、勿論これに限定されない。本実施例では、図1
1及び図12に示すようにウェーハプローブ作業の後に
個別識別コードのマーキング操作を行っている。ノート
パッドヘのマーキング工程が終了すると、数工程を経
て、ダイシング工程において個々の半導体ダイに切り離
す。この際に、各半導体ダイごとにそのマーキング内容
を読取り、所定のグレード毎に分類することも可能とな
る。その結果、グレード別に最終的な組み立てを実行す
ることできるようになる。
【0069】以上、詳細に説明したとおり、本発明によ
れば各半導体ダイにIC製造のほぼ全履歴を記録するこ
とが可能となるため、ICの動作不良解析や盗難防止対
策に有効に機能することにもなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体ダイ表面に形成されるドットマ
ークの形態を模式的に示す断面図である。
【図2】前記ドットマークを形成するためのレーザマー
キング装置の一例を概略的に示す構成図である。
【図3】NMOSのセル構造例とその表面の一部に形成
されるノートパッドの一例を示す説明図である。
【図4】半導体ウェハ上の半導体ダイ配列と同半導体ダ
イの表面に形成されるノートパッド領域を示す平面図で
ある。
【図5】前記ノートパッド上に形成されるドットマーク
の典型的な形態と配列とを示すAFMにより観察した立
体図である。
【図6】同じくAFMにより観察した断面図である。
【図7】本発明の実施例1に基づくドットマーク形態と
寸法を示すAFM観察図と立体図である。
【図8】同実施例2に基づくドットマーク形態と寸法を
示すAFM観察図と立体図である。
【図9】同実施例3に基づくドットマーク形態と寸法を
示すAFM観察図と立体図である。
【図10】同一視野観察を可能にしたレーザマーキング
装置例の構造説明図である。
【図11】本発明の半導体ダイを得るための個別識別マ
ークのマーキング時期の一例を示す工程説明図である。
【図12】同じく他の例を示す工程説明図である。
【図13】2次元コードを構成するドットマークの大き
さに基づく文字数と必要面積との相関図である。
【符号の説明】
1 レーザマーキング装置 2 レーザ発振器 3 ビームホモジナイザ 4 液晶マスク 5 ビームプロファイル変換器 6 縮小レンズユニット 7 ハーフミラー 8 CCDカメラ 11 シリコン基板(Si) 12 フィールド酸化膜(SiO2 ) 13 ゲート電極(Poly−Si) 14 金属配線 15 ゲート酸化膜((SiO2 ) 16 ソース及びドレイン(Si) 17 層間絶縁膜(PSG) 18 保護膜(PSG) 19 ノートパッド 20 ボンディングパッド W マーキング対象物(ウェハ、半導体ダ
イ)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板の表面に個別識別情報や加工
    履歴情報などの各種の情報が書き込まれる領域を有する
    半導体ダイであって、 前記各種の情報が前記領域内に形成される凹部及び凸部
    からなるドットマークにより構成されてなることを特徴
    とする半導体ダイ。
  2. 【請求項2】 前記領域が104 μm2 以下の面積から
    なり、各ドットマークの最大幅が平面視で1〜6μmで
    ある請求項1記載の半導体ダイ。
  3. 【請求項3】 前記ドットマークがレーザビームの照射
    により形成されてなる請求項1又は2記載の半導体ダ
    イ。
  4. 【請求項4】 前記ドットマークが半導体材料である単
    結晶の表面に直接形成されてなる請求項1〜3のいずれ
    かに記載の半導体ダイ。
  5. 【請求項5】 前記ドットマークが半導体ダイの表面に
    形成される多結晶膜の表面に直接形成されてなる請求項
    1〜3のいずれかに記載の半導体ダイ。
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