JP3242632B2 - レーザビームによる微小ドットマーク形態、そのマーキング方法 - Google Patents

レーザビームによる微小ドットマーク形態、そのマーキング方法

Info

Publication number
JP3242632B2
JP3242632B2 JP33382499A JP33382499A JP3242632B2 JP 3242632 B2 JP3242632 B2 JP 3242632B2 JP 33382499 A JP33382499 A JP 33382499A JP 33382499 A JP33382499 A JP 33382499A JP 3242632 B2 JP3242632 B2 JP 3242632B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dot
mark
laser beam
dot mark
marking
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP33382499A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000223382A (ja
Inventor
貞一郎 千葉
隆輔 小村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Komatsu Ltd filed Critical Komatsu Ltd
Priority to JP33382499A priority Critical patent/JP3242632B2/ja
Priority to US09/576,681 priority patent/US6774340B1/en
Priority to TW89110172A priority patent/TW454238B/zh
Publication of JP2000223382A publication Critical patent/JP2000223382A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3242632B2 publication Critical patent/JP3242632B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2223/00Details relating to semiconductor or other solid state devices covered by the group H01L23/00
    • H01L2223/544Marks applied to semiconductor devices or parts
    • H01L2223/54406Marks applied to semiconductor devices or parts comprising alphanumeric information

Landscapes

  • Laser Beam Processing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は半導体ウェハ表面の
規格位置、スクライブラインやウェハ裏面、或いはウェ
ハ周面又はVノッチ内面などの微小領域、液晶基板など
のガラス基板、ベアチップなどの電極(パッド)、IC
表面、IC裏面、各種セラミック製品、さらにはICの
リード部などの被マーキング物品の表面などにマーキン
グされる製品管理用あるいは各種セキュリティ用のドッ
トマーク形態と、そのマーキング方法に関し、更に具体
的には微小領域に形成可能であると共に、その光学的な
視認性が確保される特異な形態をもつ微小寸法からなる
ドットマーク形態と、そのマーキング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、半導体製造工程にあっては、各
工程ごとに多様で且つ厳密な製造条件を設定する必要が
あり、これらを管理するために、半導体ウェハの一部表
面に数字、文字或いはバーコードなどからなるマークが
ドット表示される。しかして、半導体の製造工程数は1
00工程以上にもおよび、しかも各工程において多数の
素子形成処理や平坦化処理がなされる。これらの処理に
は、例えばレジスト塗布、レジスト上へのパターンの縮
小投影やレジスト現像、或いは銅配線などにより発生す
るギャップの埋め込みのために絶縁膜や金属膜などの各
種の成膜による平坦化がある。
【0003】一方、上記ドット形態のマークは、通常、
連続パルスレーザビームを光学系を介して半導体ウェハ
の一部表面に照射することにより形成される。しかも、
そのためのマーキングは一回に限らず、各製造工程の履
歴特性を知るためにも、各製造工程にて必要最小限の履
歴データをマーキングすることが多い。しかしながら、
半導体ウェハにおけるマーキング領域は極めて狭い領域
に限られているため、マーキングされるドットの大きさ
及び数にも制限があり、そのマーキング領域、ドットの
大きさ、ドット数がSEMI規格などにより規定されて
いる。
【0004】ドットマーキングがなされた半導体ウェハ
は、例えば特開平2−299216号公報に開示されて
いる如く、He−Neレーザのレーザビームの照射によ
る反射率の変化、或いは通常のレーザビームの熱波の振
動の変化として読み取られ、その読み取られた情報に基
づき、以降の製造工程における各種の製造条件が設定さ
れる。従って、前述の読み取りが正確になされず、誤っ
た情報として読み取る場合には、偶然を除くと全てが不
良品となる。その読み取り不良の原因の大半はドットマ
ーキングによるマークの不鮮明さに基づいている。この
不鮮明さの1つの要因としては、マークを形成するドッ
トの形態がある。
【0005】一般的には、ドットの深さによる影響が大
きいとされ、所要のドット深さを得ようとして、例えば
特開昭60−37716号公報に開示されているよう
に、通常は1回の大エネルギーのレーザビーム照射によ
り半導体ウェハの一部をスポット状に溶融除去してドッ
トを形成しているが、この場合に溶融除去された溶融物
がドット周辺に高く堆積し、或いは飛散してその飛散物
がドットの周辺部に付着し、素子形成を不可能にしたり
して品質に大きな影響を与える。更には、YAGレーザ
によるドットマーキングの場合には、YAGレーザの特
殊性により、或いはそのQスイッチ操作のためレーザ出
力に変動が生じやすく、ドットの深さや大きさにバラツ
キが生じる。
【0006】かかる不具合を解消すべく、例えば特開昭
59−84515号公報、特開平2−205281号公
報によると、比較的小さいエネルギーのパルスレーザビ
ームを同一ポイントに重複して照射するものがある。前
者にあっては、1個のドットマークを形成するにあたり
各パルスごとに順次ドット径を小さくして、同一ポイン
トに複数回重複して照射し、ドットの穴径を順次小さく
しながら深いドットを形成しており、後者にあっては、
1回目のレーザパルス照射を1KHZ 以下の周波数と
し、続いて照射されるレーザパルスの周波数を2〜5K
Z の高繰り返し周波数として、0.5〜1.0μm或
いは1.0〜1.5μmの深さのドットを形成してい
る。
【0007】一方、前述のごときマーキング法による
と、塵芥の発生を阻止し得ないとして、視認性に優れ、
且つ塵芥の発生の少ないレーザマーキング方法が、例え
ば特開平10−4040号公報により提案されている。
この公報の開示によれば、パルスレーザビームを照射し
て液晶マスクパターンを半導体材料表面に投影し、ドッ
トマークを刻印するレーザマーキング方法にあって、エ
ネルギー密度を18〜40J/cm2 とすると共に、パ
ルス幅を0.05〜0.40msに選定して、パルスレ
ーザビームを半導体材料表面に照射し、半導体材料表面
が溶融、再結晶化する過程でレーザ照射領域に多数の微
小突起部を発生させている。
【0008】このマーキング方法によれば、1画素単位
を通過するレーザビームの照射により、被マーキング物
品の表面には高さが略1μm以下で、直径が0.5〜
1.0μm、相互の間隔が略1.5〜2.5μm、密度
が1.6〜4.5×107 個/cm2 の多数の微小突起
部が形成され、この多数の微小突起部の集合体を単一の
ドットマークとして扱い、これを光の乱反射を利用して
光学的に読み取るものであり、これらの微小突起部であ
れば刻印による塵芥の発生が抑えられるというものであ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかして、上述の穴形
態をもつドットマークに対する読み取りの不鮮明さ(以
下、視認性という。)の原因の一つとしてはその深さに
あることも確かではあるが、ドットの深さが深くされて
いても、その開口部の径が大きい場合には、例えば所要
の深さを得るに十分なレーザビームを照射する場合に、
そのエネルギー密度は一般にガウシアン分布であるがた
め、全体としては緩かな斜面からなる滑らかな曲面とな
ってしまい、上述の如き読み取り手段では周辺との差が
判別しがたい場合が生じる。上記特開平2−20528
1号公報にはドット深さについて上述の如く0.5〜
1.0μm或いは1.0〜1.5μmである旨が具体的
に記載されているが、その径については何ら記載がな
く、またそのドット形状についてもガウシアン形状であ
ると紹介されているに過ぎない。
【0010】一方、上記特開昭59−84515号公報
の開示によれば、第1回目のドットの開口径が100〜
200μmに対して深さが1μm以下とあり、具体的に
は4回のレーザビーム照射がなされることが記載されて
いることから、この場合のドット深さはせいぜい3〜4
μmである。また同公報の図面から、1回に形成される
ドット形状もガウシアン形状に近似している。
【0011】従って、これらの公報に開示されたマーキ
ング方法によっても、所要のドット深さ及びある程度の
均整な大きさのドットが形成されるとは考えられるが、
形成されたドット形状は従来の形状に近く、深さに対す
る径が極めて大きくなり、上記視認性の点では相変わら
ず確実性に欠けているといわざるを得ない。また、形成
されるドットの大きさ(径)についてみても、これを微
小にするという点については何ら格別の開示がなされて
いないことから、従来の寸法である50〜150μmを
変更するものではなく、従って現時点における、例えば
SEMI規格で規定された数値を踏襲しているに過ぎ
ず、ドット数及びドット形成領域についても実質的には
大幅な増加が期待できないばかりでなく、多様な情報を
マーキングすることが難しい。
【0012】ところで、上述のごときドットマークに対
する視認性に関しては、マークとその周辺における光の
反射方向及びその反射量に大きな差がある場合に視認性
が高くなる。従って、既述したとおり穴が開口径との関
係において相対的に深い場合には視認性が高くなること
は、一定の入射角度で入射された穴内部における反射光
はその反射方向が一律ではなく乱反射するため、穴の開
口から外部に出射して来る反射光が少なくなり、一方で
穴周辺部が平滑面であることを前提とすれば、その周辺
部における反射光は一定方向に反射することから明度が
高くなる。その明暗の差が大きい場合に視認性は高くな
るといえる。
【0013】しかるに、特開平10−4040号公報に
開示されたマーキング方法により形成される微小突起部
は余りにも微小過ぎて個々の突起部を観察することがで
きず、またそれらの突起部の集合面である乱反射面の乱
反射光量と平滑面の反射光量との差が少なく、乱反射面
と周辺の平滑面との区別がしにくく、相変わらず視認性
の点では劣るといわざるを得ない。更に、同公報によれ
ば照射エネルギー密度が18J/cm2 以下では表面に
溶融が起こらないため微小突起部は形成されないとして
いるが、これはパルス幅が極めて大きいことや使用マー
キング装置に格別の工夫がなされていないことによる。
【0014】また、単一のドットマークが微小突起部の
集合体から構成され、1ドットマークの大きさも格別の
記載がないところから、従来のドットの大きさと同等で
あり、ドットマークの刻印領域が限られてしまう。ま
た、仮に得られる微小突起部の集合体である1ドットの
大きさが微小である場合を含むとしても、1ドット中に
分散する複数の極めて微小な突起部の形態や寸法を均一
に制御し得ないため、益々、周辺との明暗差が得られ
ず、1ドットごとの視認性は一層低下することになる。
【0015】本発明は、上述の課題を解消することを目
的としてなされたものであり、具体的には形態や寸法が
微小で且つ均一であり、単一のドットマークであっても
視認性にも優れたドットマーク形態を得ることを第1の
目的とし、かかる微小なドットマークを正確に形成し得
るためのドットマーキング方法を提供することを第2の
目的としている。他の目的は、以下の説明により更に明
らかにされる。
【0016】
【課題を解決するための手段及び作用効果】前記目的は
本件請求項1〜8に記載された第1〜第8の各発明によ
り効果的に達成される。本発明者等は従来のこの種のド
ットマーキング装置、方法及び形成されるドット形態に
ついて改めて詳しい検討及び分析を行ったところ、微小
であるにも関わらず視認性を確実にする要因は主にドッ
ト形態にあり、その理想的な形状を得るためには従来の
マーキング装置及び方法では実現が不可能であることを
知った。
【0017】すなわち、例えば図2に示し、上記特開平
2−205281号公報にも開示されているような従来
のマーキング装置によれば、先ず半導体ウェハに印字す
るための文字入力、マーキングモードが入力部21で設
定される。マーカーコントローラ22は、設定されたマ
ーキングモードに従って所定の深さをもつドットをウェ
ハWにマーキングするため、超音波Qスイッチ素子2
3、内部シャッタ24、外部シャッタ25、アッテネー
タ(光減衰器)26及びガルバノミラー27を制御し、
1個のドットに対して1回のQスイッチパルスでマーキ
ングする。なお、同図中の符号11は全反射鏡、12は
内部アパーチャ(モードセレクタ)、13はランプハウ
ス、14は出力鏡、15はアパーチャ、16はレベリン
グミラー、17はガリレオ式エキスパンダ、18はアパ
ーチャ、19はf−θレンズ、20はYAGレーザ発振
器である。
【0018】かかる一般的なマーキング方式によると、
既述したとおり半導体ウェハ表面に照射されるレーザビ
ームのエネルギー密度分布はガウシアン形状を呈してい
るため、ウェハ表面に形成されるドットもそのエネルギ
ー密度分布に影響されてドット内面が緩かな曲面をな
す。これらのマーキング方式は米国特許第4,522,
656号の発明に基づいている。この特許の特徴は、マ
ーキングするドット径の1.5〜6.5倍の径をもつレ
ーザビーム径をウェハ表面に照射することで、周囲への
熱伝導を防止し、エネルギーを効果的に利用して、照射
ポイントの中央部を溶融して穴を形成することにある。
【0019】つまり、レーザビームが有するガウシアン
形状に分布されたエネルギー密度を有効に利用する方法
であって、前記エネルギー密度分布形状の裾野にあたる
レーザ強度の低い部分のエネルギーを穴加工部の周辺に
照射することによって穴周辺部を暖め、穴中央部からの
熱伝導による熱エネルギーの損失を防ぎ、中央部に効果
的に穴加工を実現しようとするものである。しかしなが
ら、レーザエネルギーの一部が直接穴加工に使われず消
費されることになり効率が低いばかりでなく、穴の周囲
へのレーザ照射により穴周辺部に熱履歴が残り、そのた
め製品に悪い影響を与えかねない。しかも、既述したと
おりこの方式によるマーキングではドット径が大きく深
さの小さいドットマークしか形成できない上に、穴の周
辺が盛り上がり、更に視認性を低下させている。
【0020】本発明者等は、視認性に優れたドットマー
クの形態につき、更に検討を重ねた結果、後述するごと
くレーザビームのパルス幅及びエネルギー密度を所定の
範囲に設定すると共に、エネルギー密度分布を制御する
ことにより、被マーキング物品の表面に照射されるレー
ザビーム単位ごとに形成されるドットマークの形態が、
従来では知られていない特異な形態を呈し、その視認性
も従来のレーザマーキングにより形成される凹陥状のド
ットマーク形態と比較すると、単一の微小なドットマー
クであるにも関わらず、より優れたものとなることを知
った。
【0021】すなわち、本件請求項1に係る発明によれ
ば、レーザビームをエネルギー源として被マーキング物
品の表面にマーキングされるドットマークにあって、個
々のマークは被マーキング物品の表面に沿った長さが
1.0〜15.0μmの微小なドットマークであるにも
関わらず、視認性に優れたドットマーク形態を有し、レ
ーザ照射点ごとの単一のドットマークから形成されるも
のである。その形態は各ドットマークの中央部が被マー
キング物品の表面から上方に隆起する隆起部を有してお
り、前記隆起部の高さは、請求項6に係る発明に規定す
るように、0.01〜5μmであるとしている。視認性
の点から見ると、本発明によるドットマークが隆起形態
を有していることから、そのドットマークの正反射光で
なく散乱光を検出することにより高さに関しては前述の
範囲でも十分であることが判明している。かかる微小で
且つ視認性に優れるドットマークを利用して、請求項2
に係る第2発明のごとく、ドットマークを被マーキング
物品の製品管理用或いは各種セキュリティ用として使用
できるものである。
【0022】かかるドットマーク形態の形成機構を解明
すべく、本発明者等は多様な観点から数多くの実験を重
ねた。その結果、次のような一つの推論に達した。勿
論、これは推論であり、他にも多くの推論が成り立つ。
【0023】すなわち、1つ1つのドットマーク形成位
置にレーザビームが照射されると、その照射された個所
の被マーキング物品表面が溶融し、溶融した同物品材料
の池(以下、溶融池という。)ができる。このとき、溶
融した材料は、溶融池の岸に近いほど温度が低く、中央
部の方の温度が高くなる。この温度勾配により表面張力
に分布が生じ、溶融材料に移動が起こる。そして、パル
ス照射の停止と同時に冷却が始まり、凝固に到る。な
お、材料が溶融した状態では、溶融池の中央部は自由界
面であり、溶融池の岸は固定端に相当し、周縁を固定し
た膜と同様の状態にある。この状態で、表面張力が働
き、溶融池の中央部において膜振動と同様の動的な運動
をする。
【0024】膜振動モードにおける1振幅長さは、材料
に特有の粘性や表面張力によりほぼ決定される。そのた
め、溶融池の径が大きいほど振動数が多くなり、例えば
シリコンの場合には1振幅長さが3〜5μm程度である
ため、微小領域で効果的な高低差をもつ微小なドット形
態が得られる。また、重力の影響を殆ど受けることなし
に微小領域においてドットマークを形成することが可能
であることも実験により確認されている。
【0025】レーザ照射パターンが、方形状の場合には
溶融池も方形状となり、円形状の場合には溶融池も円形
状を呈する。また、膜と同様の振動についても方形状、
円形状に相当するモードで運動するようになる。図22
〜図31は方形状と円形状の膜振動モードを模式的に示
している。各振動モードは高次になるほど振動波数が増
加し、凹パターンと凸パターンとの間を往復動する。こ
の溶融池の運動形態は膜振動と強い相関のあることは、
後述する実験結果によっても理解できる。
【0026】図22は被マーキング物品の表面から上方
に湾曲面をもって膨出している状態にある円形状の膜振
動モードを示している。図23は図22とは逆に被マー
キング物品の表面から下方に湾曲面をもって凹陥してい
る状態にある円形状の膜振動モードを示している。図2
4は、請求項3に係る第3発明で規定する被マーキング
物品の表面にリング状の凹陥部とその中央から上方に略
円錐状に突出している状態にある円形状の膜振動モード
を示している。図25は被マーキング物品の表面にリン
グ状の膨出部とその中央から下方に湾曲面をもって凹ん
でいる状態にある円形状の膜振動モードを示している。
図26は被マーキング物品の表面にリング状の膨出部と
その中央から上方に略円錐状に突出している状態にある
円形状の膜振動モードを示している。図27は被マーキ
ング物品の表面にリング状の凹陥部を最外縁部として同
心円上に膨出部と凹陥部とを交互に配した状態にある円
形状の膜振動モードを示している。
【0027】また、図28〜図31は、それぞれ上記図
22〜図25に対応する方形状の膜振動モードを示して
いる。この場合の図31は単純なリング状の膨出部では
なく方形状の角部において膨出が大きい波打ち状の膨出
部となっている点が特異点である。
【0028】しかして、かかる膜振動モードの態様によ
るドットマーク形態は、数多くの実験の結果、従来とは
比較にならない程の微小な大きさをもち、上述のごとく
そのマーキング条件がレーザビームのパルス幅及びエネ
ルギー密度を所定の範囲に設定すると共に、エネルギー
密度分布を制御することにより得られることが判明し
た。
【0029】先ず、本件請求項1に係る第1発明のドッ
トマーク形態を形成するために使用されるレーザマーキ
ング装置の好適な例としては、例えば本発明者等が先に
提案した特願平9−323080号に開示されたレーザ
マーキング装置を挙げることができる。その詳細な構成
は同出願明細書に説明されているため、ここでは簡単な
説明に止める。
【0030】図1において、符号1はレーザを光源とし
て被マーキング物品の表面に文字、バーコード、2Dコ
ードなどをマーキングするマーキング装置を示し、同マ
ーキング装置1は、レーザ発振器2と、前記レーザ発振
器2から照射されるレーザビームのエネルギー分布を平
滑化するビームホモジナイザ3と、パターンの表示に合
わせて前記レーザビームを透過/非透過駆動される液晶
マスク4と、前記液晶マスク4の1画素に対応レーザビ
ームのエネルギー密度分布を所要の分布形状に成形変換
するビームプロファイル変換手段5と、前記液晶マスク
4の透過ビームをドット単位で半導体ウェハ表面に結像
させるレンズユニット6とを備えており、前記液晶マス
ク4の1ドットの最大長さが50〜2000μmであ
り、前記レンズユニット6による1ドットの最大長さが
1〜15μmである。
【0031】そして、かかる形状の微小ドットを形成す
るには、1ドット単位に照射されるレーザビームの質及
び量に対する高精度な制御が必要である。大きなビーム
径のレーザビームから本発明でいう微小径のレーザビー
ムを得るには、高品質で高出力のレーザビームが必要で
あるが、高出力レーザによる回折現象のため、これ以上
小さく絞ることは困難であり、また仮に小さく絞れたと
しても、レンズの射出角が大きくなり、焦点深度が極め
て小さくなって、実加工ができるとは考えがたい。ま
た、解像度などの点からも超精密のレンズ系が要求され
る。かかるレンズ系を装備させる場合には、その設備費
が一段と高騰し、経済性の観点からも適用は不可能であ
る。
【0032】そこで、通常のレンズ系をもってドットマ
ークの微小化を実現するには、レーザ発振器2から出射
されるレーザビーム自体を1ドットのマーキングに必要
且つ十分なエネルギーをもつ小径のレーザビームに分割
変換するとともに、各ドット単位のレーザビームのエネ
ルギー密度分布を上述のドット形態に加工するに相応し
いプロファイルに変換することが必要である。そして、
かかる好適で且つ均整なプロファイルを成形するには、
その前段階にて前記変換される以前の各ドット単位のレ
ーザビームにおけるエネルギー密度分布を平滑化してお
く必要がある。
【0033】前記微小化のための光源を得るには、中央
制御部に書き込まれた各種データに基づいて液晶マスク
4の各液晶単位で任意に光の透過・非透過を駆動制御す
ることのできる液晶をマトリックス状に配列した液晶マ
スク4を採用することが合理的である。
【0034】また、前述のごとくガウシアン形状のエネ
ルギー密度分布をもつレーザ発振器から出射されるレー
ザビームを、ビームホモジナイザ3を用いて、先ず、例
えばトップハット形状に類似する平滑化された形状に変
換することが重要である。このビームホモジナイザ3と
しては、例えばフライアイレンズやバイナリーオプティ
クス、シリンドリカルレンズを使用したマスク面上を一
括して照射する方式や、ポリゴンミラー、ミラースキャ
ナなどのアクチュエータによりミラー駆動してマスク面
上をビーム操作する方式がある。
【0035】前述のビームホモジナイザ3によりエネル
ギー密度分布が平滑化されたレーザビームを、次いで上
述の好適なドット形態を得るために好適なエネルギー密
度分布のプロファイルに再変換する必要があるときは、
更にビームプロファイル変換器5が使われる。このビー
ムプロファイル変換器5としては、例えば回折光学素
子、ホログラフィック光学素子、吸収/透過領域を備え
た開口マスク或いは液晶マスク、凹型又は凸型のマイク
ロレンズアレイなどが挙げられる。なお、本発明のドッ
トマーク形態を得るには、このビームプロファイル変換
手段は必ずしも必要としない。
【0036】ここで、本発明における加工対象としての
被マーキング物品Wは、半導体ウェハ、液晶基板などの
ガラス基板、ベアチップなどの電極(パッド)、IC表
面、各種セラミック製品、さらにはICのリード部など
がある。また、前記半導体ウェハとは、シリコンウェハ
それ自体である場合が代表的ではあるが、その他にウェ
ハ表面に酸化膜(SiO2) や窒化膜(SiN) が形成されたも
の、更にはエピタキシャル成長させたウェハ、ガリウム
砒素、インジウムリン化合物が表面に形成されたウェハ
をも含むものである。請求項5に係る第5発明では、上
述の微小なドットマークをIC表面又は裏面に形成する
ことを規定している。
【0037】請求項4に係る第4発明は、微小で特異な
形態をもつ上記ドットマークの特に好適なマーキング位
置を規定している。すなわち、この発明ではドットマー
キングがなされる上記被マーキング物品の表面を、ウェ
ハ外周の面取り部であるとしている。従来もウェハ外周
面にマーキングを施すことが提案されてはいるが、その
マークは、いわゆるバーコードであり、通常のドットマ
ークを同表面に形成しようとすれば、ドットマークは寸
法が大きいため微小領域には形成することは困難であ
り、或いは形態的に微小な場合にも正反射光による光学
的な読み取りが難しかったが、上述のごとく本発明のド
ットマークは微小で且つ特異な形態を有していることか
ら、隆起部表面からの散乱光を利用すれ光学的にも十
分な視認性が確保できることが分かった。
【0038】請求項7に係る第7発明は、上記第1発明
による微小で且つ特異な形態を有するドットマークを被
マーキング物品Wの表面に形成するに好適なマーキング
方法を規定している。なお、上述のマーキング装置1を
使っても、請求項3に規定するマーキング条件を満たさ
ないかぎり、上述のごとく特異な形態をもつ本発明のド
ットマークは得られない。
【0039】すなわち、本件の第3発明によれば、前記
レーザ発振器2から照射されるレーザビームのエネルギ
ー分布を、既述したごとくビームホモジナイザ3により
平滑化すること、1画素単位の最大長さが50〜200
0μmである液晶マスク4を駆動制御して所望のパター
ンを形成し、前記ビームホモジナイザ3により均整化さ
れたレーザビームを前記液晶マスク4に照射すること、
このとき同液晶マスク4を通過するレーザビームのエネ
ルギー密度を、そのドットマーキング面において1.0
〜15.0J/cm2 に設定すること、及び前記液晶マ
スクを透過した1ドットごとの各レーザビームを、レン
ズユニット6により1ドットの最大長さが1.0〜1
5.0μmとなるように縮小して前記被マーキング物品
の表面に結像させることを含んでいる。
【0040】本発明者等は、本発明の特異な形態を有す
る上記ドットマークを形成するには、レーザビームの波
長、同エネルギー密度及び同パルス幅が如何に影響する
かについて具体的に実験を繰り返した。その結果、波長
については半導体ウエハに対する吸収率に差異が生じる
だけで、その値による他の形態に関して同様の傾向を示
した。しかるに、半導体ウエハの材料としてシリコンを
例にとると、本発明のドットマーク形態を得るには、ド
ット形態が小さくなるほどシリコンへの浸透深さも適度
に小さくする必要があるため、532nm程度が最も良
好な結果が得られる。ただし、波長については被マーキ
ング物品の材質により異なるため、一概には規定できな
いが、可視領域である300nm〜700nmが好まし
い。
【0041】一方、パルス幅に関しては、エネルギー密
度の許容範囲が適当に大きく取れ、レーザの出力自身も
極力抑えることができる範囲を模索したところ、本発明
のドットマークを形成するには10〜500nsの範囲
が効果的であることを知った。特に好ましくは、50〜
120nsである。なお、500ns以上の場合にはエ
ネルギー密度が大きくなりすぎて、所望のドットマーク
の形態が得にくく、レーザ発振器自体も大型化せざるを
得ない。これらの値は、上記特開平10−4040号公
報に開示されたマーキング方法によるパルス幅と比較す
ると極めて小さいことが理解できる。また、psの領域
のレーザによる加工では、蒸散が著しく発生し、許容で
きるエネルギー密度範囲が極端に狭くなる。
【0042】また、エネルギー密度に関しては、エネル
ギー密度がレーザ波長、パルス幅及び加工材料の光特性
に依存するところが多い。このため、レーザ波長とその
パルス幅の両者を勘案して決めることが好ましいが、前
述のごとくレーザ波長とパルス幅の値を予め規定する場
合には、請求項2にて規定するように前記液晶マスクを
通過して分割されたレーザビームのエネルギー密度を、
被マーキング物品のドットマーク形成表面において1.
0〜15.0J/cm2 とすることが適当である。更に
好ましくは、1.5〜11.0J/cm2 である。
【0043】なお、厳密にいえば、特にシリコンからな
る半導体ウエハの表面には、極く薄い自然酸化膜が形成
されているが、本発明ではその酸化膜も同時に変形させ
ることになる。そのため、前記酸化膜を良好に変形させ
るには、次の点を考慮する必要がある。すなわち、 酸化膜(SiO2 )の融点は、シリコンウエハ(S
i)よりも高いこと。 酸化膜は非晶質で明確に液相へ変化する点は存在せ
ず、シリコンの融点付近で軟化していること。 酸化膜は可視から近赤外領域にかけての領域におい
て透明であり、且つシリコンを吸収すること。
【0044】これらの点から、パルス照射時は、酸化膜
を通過して直接シリコンウエハを加熱溶融する。酸化膜
は、加熱されたシリコンからの熱伝導により軟化し、弾
性変形でシリコンの表面形状にならった形でドットに形
成される。しかし、酸化膜が厚くなっていくと、熱伝導
による酸化膜の温度上昇が酸化膜が外界と接している界
面まで充分に到達せず、その結果としてシリコンの変形
量についていけず、塑性変形(割れてしまう。)する。
【0045】全くのベアウエハと同様なドット形成時の
膜振動モードが現出する表面酸化膜の厚さは、実験によ
ると1500〜2000オングストロームであることが
判明している。このため、およそ1500オングストロ
ーム以下の表面酸化膜であれば、ベアウエハと同様な膜
振動モードでドットが形成できる。
【0046】請求項8に係る第8発明にあっては、前記
マーキング条件に加えて、更に前記液晶マスク4の画素
マトリックスに対応する同一サイズのドットマトリック
スにて構成され、レーザビームのエネルギー密度分布を
所要の分布形状に成形変換するビームプロファイル変換
手段5を、前記液晶マスク4の前後いずれかに配するこ
とを含んでいる。このビームプロファイル変換手段は、
照射パターンドット内の熱分布を調整することで、ドッ
トマークの隆起部高さが調整される。
【0047】ここで、液晶マスクの1画素単位の最大長
さを50〜2000μmに規定しているのは、液晶マス
ク4を透過したレーザビームがレンズ系により1ドット
の最大長さを1.0〜15.0μmとなるように縮小し
て前記被マーキング物品の表面に結像させるためには、
現状のレンズ系における解像度の限界であるがためであ
る。また、1ドットの最大長さ(径)が1.0より小さ
い場合には、現在の光学系のセンサでは1ドットごとに
読み取ることが困難であり、15.0μmを超えると所
定の領域に充分な量の情報をマーキングすることができ
ないばかりでなく、そのマーキング領域も制限される。
これらの値は、例えば現在のSEMI規格で許容される
ドットマーク寸法の最大限の値である100μmと比較
すると、3/20〜1/100であって、如何に微小な
寸法であるかが理解できる。
【0048】
【発明の実施形態】以下、本発明の好適な実施形態を、
その比較形態と共に添付図面に基づいて具体的に説明す
る。図1は本発明の微小ドットマーキングを形成するた
めのレーザマーキング装置を模式的に示した説明図であ
る。
【0049】同図において、符号2はレーザ発振器、3
はビームホモジナイザ、4は液晶マスク、5はビームプ
ロファイル変換器、6は結像レンズユニット、Wは被マ
ーキング物品である。ここで、本実施例では被マーキン
グ物品Wとして半導体ウェハを例示している。なお、本
実施例にあって前記半導体ウェハWとは、シリコンウェ
ハのみならず、同ウェハ表面に酸化膜や窒化膜が形成さ
れたもの、更にはエピタキシャル成長させた半導体ウェ
ハ、ガリウム砒素、インジウムリン化合物などにより成
膜された半導体ウェハ一般を総称するものである。
【0050】本実施例におけるレーザマーキング装置1
にあって、レーザ発振器2から出射されるガウシアン形
状のエネルギー密度分布を有するレーザビームを、まず
ビームホモジナイザ3を通して、尖頭値がほぼ均一なト
ップハット型のエネルギー密度分布形状に成形する。こ
うしてエネルギー密度分布が均一に成形されたレーザビ
ームは、次いで液晶マスク4の表面に照射される。この
とき、液晶マスク4は広く知られているように所要のマ
ーキングパターンをマスク上に駆動表示することが可能
であり、前記レーザビームは同パターン表示領域内の光
透過可能な状態にある画素部分を透過する。この各画素
ごとに分割されて透過したのちの各透過光のエネルギー
密度分布も、前記ビームホモジナイザ3により成形され
た形状と同一であって均一に分布されている。
【0051】上記ビームホモジナイザ3は、例えばガウ
シアン形状のエネルギー密度分布をもつレーザ光を、平
滑化されたエネルギー密度分布の形状に成形するための
光学部品を総称する。この光学部品としては、例えばフ
ライアイレンズやバイナリーオプティクス、シリンドリ
カルレンズを使用して、そのマスク面上に一括照射する
か或いはポリゴンミラーやミラースキャナなどのアクチ
ュエータによるミラー駆動によってマスク面上を走査さ
せる方式がある。
【0052】ここで、本発明にあっては、既述したとお
り前記レーザビームのパルス幅が10〜500nsであ
り、そのドットマーク形成面におけるエネルギー密度は
1.0〜15.0J/cm2 の範囲に制御される。好ま
しくは、1.5〜11.0J/cm2 である。レーザビ
ームが、かかる数値範囲内に制御されると、本発明の特
異な形態をもつ上述の微小なドットマークを形成するこ
とができる。
【0053】本実施例にあって、前記液晶マスク4に1
回で照射する領域は、ドット数で10×11個であり、
これをレーザビームをもって一括照射するが、かかるド
ット数では必要とする全てのドットマーク数を満足し得
ないことが多いため、マークパターンを数区画に分割し
て順次液晶マスクに表示させ、これを切り換えながら組
み合わせて全体のマークパターンをウェハ表面に形成す
るようにすることもできる。この場合、ウェハ表面に結
像させるときはウェハ又は照射位置を当然に制御移動さ
せる必要がある。かかる制御手法としては従来から公知
とされている様々な手法が採用できる。
【0054】本実施例にあっては、上記液晶マスク4を
通過したドット単位のレーザビームを、続いてビームプ
ロファイル変換器5に照射する。このビームプロファイ
ル変換器5は前記液晶マスク4のマトリックス状に配さ
れた個々の液晶に対応して同じくマトリックス状に配列
されている。従って、液晶マスク4を透過したレーザビ
ームは、1対1に対応してドットごとに前記ビームプロ
ファイル変換器5を通過して、先にビームホモジナイザ
3によりそれぞれに平滑化されたエネルギー密度分布の
レーザビームを本発明特有の微小なドットマーク形状を
形成するに必要なエネルギー密度分布形状へと変換され
る。本実施例では前述のごとく液晶マスク4を通過した
後のレーザビームを、更にビームプロファイル変換器5
を通過させて、そのエネルギー密度分布形状を変換して
いるが、ビームプロファイル変換器5によるエネルギー
密度分布のプロファイルを変換させることなく、次のレ
ンズユニット6に直接導入することもある。
【0055】ビームプロファイル変換器5を通過したレ
ーザビームはレンズユニット6により絞られ、半導体ウ
ェハWの表面の所定の位置に照射され、同表面に必要な
ドットマーキングがなされる。本発明にあっては、前記
液晶の画素単位の最大長さを50〜2000μmとし
て、これを前記レンズユニット6により半導体ウエハW
の表面に1〜15μmにまで絞られる。ここで、ミクロ
ン単位のマーキングを複数のウェハ表面に均一に形成し
ようとする場合には、そのマーキング面と集光レンズと
の間の距離や光軸合わせをミクロン単位で調節する必要
がある。本実施例によれば、焦点検出はレーザ顕微鏡な
どで一般に使用されている共焦点方式で高さ計測を行
い、この値からレンズの縦方向の微小位置決め機構にフ
ィードバックさせて、自動的に焦点の位置決めがなされ
る。また、光軸合わせや光学構成部品の位置決め及び調
整は、一般的に知られた方法が採用され、例えばHe−
Neレーザなどのガイド光を通じて、予め設定されてい
る基準スポットに適合させるべくネジ調整機構などによ
って調整する。この調整は組立時に一回だけ行えばよ
い。
【0056】従って、本発明に係る微小なドットマーク
とはマーキング表面に沿った最大長さが1.0〜15.
0μmの寸法範囲にあり、その隆起部の周辺が僅かに凹
んでいる場合をも考慮して、その凹凸寸法を0.01〜
5μmとしている。このような寸法のドットマークを形
成するには、縮小レンズユニットの解像度などによる半
導体ウェハWの表面の照射ポイントにおける結像に崩れ
を生じさせないようにするため、上記液晶マスク4の1
ドット当たりの1辺長さが50〜2000μmであるこ
とが必要である。更には、前記ビームプロファイル変換
器5と前記液晶マスク4との配置間隔が余り大き過ぎて
も或いは小さ過ぎても、周辺の光線の影響を受け或いは
光軸の不安定さの影響を受けて、半導体ウェハ表面の結
像に乱れが生じやすい。そこで、本実施例にあっては、
前記ビームプロファイル変換器5と前記液晶マスク4と
の配置間隔Xを前記液晶マスク4の1画素単位の最大長
さYの0〜10倍に設定する必要がある。かかる範囲で
前記配置間隔を設定することにより、ウェハ表面に照射
される結像が鮮明なものとなる。
【0057】上記ビームプロファイル変換器5は、前記
ビームホモジナイザ3により平滑化されたエネルギー密
度分布を本発明に特有のドット形状を得るために最適な
エネルギー密度分布の形状に変換させるための光学部品
であり、回折現象、屈折現象或いはレーザ照射ポイント
における光透過率を任意に異ならせるなどして、入射レ
ーザ光のエネルギー密度分布のプロファイルを任意の形
状に変換するものである。その光学部品としては、例え
回折光学素子、ホログラフィック光学素子、凸型のマ
イクロレンズアレイ、或いは液晶自体が挙げられ、それ
らをマトリックス状に配置してビームプロファイル変換
器5として使用する。
【0058】図3及び図4は、本発明方法により形成さ
れるドットマークの典型的な形状例と配列状況とを示し
ている。なお、同図はAFMにより観察した立体図であ
り、図4は同じくAFMにより観察した断面図である。
本実施例によれば、半導体ウエハWの表面に結像される
各ドットマークの大きさは3.6μmの方形であり、各
ドット間隔は4.5μmとした。これらの図からも理解
できるように、半導体ウエハWの表面には液晶マスク4
の各画素に対応して分割されたレーザビームごとの略円
錐状のドットマークが形成され、しかも、そのドットマ
ークは11個×10個が整然と並んでおり、それぞれの
高さもほぼ揃っている。これは、既述した個々の高さが
異なり、ランダムに分散する多数の微小突起部の集合体
を1ドットマークとして取り扱う上記特開平10−40
40号公報により提案されたドットマークとは根本的に
異なるところであり、前述の整列した同一の形態のドッ
トマークが形成される要因は、液晶マスク4に照射され
るレーザビームのエネルギー分布をビームホモジナイザ
3により均一に平滑化されたがためである。
【0059】本発明に係る微小なドットマーク形態寸法
は、既述したとおり、その被マーキング物品Wの表面に
沿った最大長さが1〜15μmであり、隆起部の高さが
0.01〜5μmである。これは、各種の実験結果から
もたらされた現在の光学的センサによる視認性の限界と
マーキング領域の自由度とを確保するために必要な最小
限と最大限の大きさの範囲である。
【0060】図5〜図16は、本実施例により採用され
た上記レーザマーキング装置1により.本発明方法の条
件下で形成される本発明に特有のドットマーク形態と、
同装置1による他の条件下で形成されるドットマーク形
態とを示している。前記レーザマーキング装置1の仕様
は、 レーザ媒質:Nd,YAGレーザ レーザ波長:532nm モード :TEM00 平均出力 : 4W @ 1KHz パルス幅 :50ns @ 1KHz とした。
【0061】ここで、本発明の実施にあたりレーザビー
ムの波長について次のような予備実験を行った。すなわ
ち、レーザビームの波長を、355nm、532nm、
1064nmの3通りとし、後述する本発明の実施例と
その比較例のごとく、エネルギー密度を0.14〜3.
1J/cm2 、パルス幅を10〜700nm及び20p
sの範囲で様々な予備実験を行ったところ、レーザビー
ムの波長については、532nmと1064nmとで
は、シリコンの吸収率に差異はあるものの、全体的には
同じ傾向が観測された。しかし、532nmの波長の方
がシリコンへの浸透深さが小さく、特にドットが微小に
なるに従って良好な結果が得られた。一方、レーザビー
ムの波長を355nmにすると、シリコンへの浸透深さ
が小さ過ぎ、シリコン表面での蒸散が生じやすい。そこ
で、本実施例ではレーザビームの波長を532nmとし
ている。ただし、本発明においてレーザビームの波長は
一律に規定されるものではない。
【0062】また、本実施例において使用するレーザビ
ームとしては、YAGレーザ発振装置、YV04レーザ
発振装置の第2高調波、チタンサファイヤレーザ発振装
置等により発振されるレーザビームを挙げることができ
る。
【0063】図5〜図17は上記マーキング条件に加え
て、表1に示す半導体ウエハWの表面に照射される1ド
ットのドット径、レーザビームのエネルギー密度、及び
そのパルス幅を変更したときの実施例1〜7及び比較例
1〜6に対応するドット形態と各寸法を示している。
【0064】
【表1】
【0065】図5は、上記実施例1のマーキング条件に
て半導体ウエハWの表面にドットマーキングを施したと
きのドットマーク形態とその寸法を示している。同図に
よれば、周辺に環状で凹凸状の凹陥部を有するものの、
その中央は上方に高く隆起した略円錐状の隆起部を備え
ている。その周辺との明暗差は大きく、充分な視認性が
確保される。
【0066】図6及び図7は、上記実施例2及び3の各
マーキング条件にて半導体ウエハWの表面にドットマー
キングを施したときのドットマーク形態とその寸法を示
している。同図によれば、ドットマークの周辺は殆ど平
坦であって、上方に高く隆起した略円錐状の隆起部を備
えている。このドット形態にあっても、その周辺との明
暗差は大きく、充分な視認性が確保される。
【0067】図8に示す比較例1では、上記実施例1〜
3と同一のドット長さ(方形の一辺長さが7.2μm)
であるにも関わらず、エネルギー密度が0.96(<
1.5)J/cm2 であるため、中央部には大きな凹陥
部を有すると共に、その凹凸の高低差も上記実施例より
も大幅に少なくなり、視認性に劣る。
【0068】図9に示す上記実施例4のマーキング条件
にて半導体ウエハWの表面にドットマーキングを施した
ときのドットマーク形態とその寸法を示している。この
実施例4によれば、上記実施例5〜7と同一のドット長
さ(方形の一辺長さ)3.6μであるにも関わらず、上
方に山形状に隆起した隆起部が縦に2つに分割された形
態となり、周辺に僅かではあるが凹陥部が形成されてい
る。しかし、全体として隆起部が大きいため、周辺との
コントラストに優れ視認性にも優れている。
【0069】図10及び図11は、上記実施例5及び6
の各マーキング条件にて半導体ウエハWの表面にドット
マーキングを施したときのドットマーク形態とその寸法
を示している。同図によれば、上記実施例1と同様に周
辺に環状で凹凸状の凹陥部を有するものの、その中央は
上方に高く隆起した略円錐状の隆起部を備えており、そ
の周辺との明暗差は大きく、充分な視認性が確保され
る。
【0070】図12は上記実施例7のマーキング条件に
て半導体ウエハWの表面にドットマーキングを施したと
きのドットマーク形態とその寸法を示している。同図に
よれば、上記実施例3以上にと同様にドットマークの周
辺は殆ど平坦であって、上方に高く隆起した略円錐状の
隆起部を備えており、ドット長さが微小であるとはい
え、視認性の点では最も優れている。このドット形態が
本発明の理想的な形態であるといえる。
【0071】図13〜図17に示す比較例2〜6は、表
1にも示したように、そもそもが本発明の対象とするド
ットマークの長さ(半導体ウエハWの表面に沿った最大
長さ)1〜15μmを越えているため、その形態の如何
に関わらず本発明の実施例とはいえないが、特に図13
〜図16に示す比較例3〜5は、いずれも中央部に大き
な凹陥部を有し、特に図13及び図14に示す比較例2
及び3では前記中央部の周辺に多重の浅い環状凹陥部が
形成され、周辺の平坦部との間のコントラストが小さ
く、大きなドットマークである場合はともかくとして、
視認性に劣る。
【0072】その点、図17に示す比較例6は周辺が平
坦で中凹部に噴火山状の隆起部を有しておりその高低差
も大きいため、充分な視認性が確保される。従って、こ
の比較例6は通常のドットマークとしては極めて有効な
形態といえる。
【0073】図18は上記実施例及び比較例を、各ドッ
トマークごとに、そのエネルギー密度と凹凸寸法をグラ
フ上にプロットしたものである。本発明の特異な形態を
もつドットマークは隆起部を有していることにあり、こ
のグラフからも理解できるように、本発明の対象とする
微小なドットマークの最大長さ寸法に入る実施例(方形
ドットの一辺長さが3.6μm及び7.2μm)では、
エネルギー密度が1.0J/cm2 以上であることが必
要である。
【0074】また図13〜図18、上記実施例1〜7及
び比較例1〜6から以下のことが理解できる。 ドットマークの径(最大長さ寸法)が小さくなるほ
ど隆起部が形成されやすい。またドットマークの径が小
さいほど自由界面長さが小さくなり、シリコン溶液の粘
性は温度が一定である場合には一定となるため、結果的
により低次の振動モードが支配的になるといえる。
【0075】 同一高さの隆起部を形成するには、ド
ットマークの径が小さいほど大きなエネルギー密度を必
要とする。つまり、膜振動振幅を同一に保ったまま、固
定端間の距離を小さくしていく場合に相当し、固定端間
の距離が短い程、大きな外力(パルス照射による温度分
布=表面張力)を必要とする。
【0076】 ある大きさのドットマークでは、必ず
隆起部を有する低次の振動モードとなる。上記図18に
よっても、ドットマークの径が3.6μmの場合には、
その形態はともかくとして全てが隆起部を有している。
【0077】 ある大きさ以上のドットでは、必ず凹
形の振動モードになる。つまり、上記例では、凸形が支
配的な場合と凹形が支配的な場合との偏極点が、20〜
30μmのドットマーク径の間に存在する。これはシリ
コン溶液の粘性と溶融池の深さ、溶融池の大きさ(ドッ
トマーク径)から一義的に決定される値である。
【0078】かかる結論から、本発明に特有のドットマ
ークの上記微小形態は、特許請求の範囲に規定する各種
のマーキング条件を設定することにより、確実に且つ正
確に形成することが可能となる。
【0079】図19は、上記レーザマーキング装置1の
仕様のうち、他の仕様を変更せずパルス幅のみを90n
sに変更すると共に、そのマーキング条件であるエネル
ギー密度を変更したときに形成されるドットマークごと
のエネルギー密度と隆起高さ寸法をグラフ上にプロット
したものである。
【0080】ここで、ドットマークのマーキング表面に
沿った長さ寸法を、2μm、4μm、6μm、8μm、
10μm及び14μmの6種類に設定した。また、図中
におけるプロット◇は2μm、□は4μm、△は6μ
m、×は8μm、○は10μm、●は14μmのドット
マークを示している。
【0081】同図より理解できるように、パルス幅を5
0nsから90nsへと変更すると、2及び4μmの微
小なドットマークに関しては、エネルギー密度が3.0
〜11.0J/cm2 の範囲でその隆起高さが増加する
ことが理解できる。また6〜14μmのドットマークに
関しては、エネルギー密度が6.0〜8.0J/cm 2
の範囲ではその隆起高さが漸増するが、あるエネルギー
密度を過ぎると隆起高さは急減し、ドットマークの形態
が「タイプ B」に示す隆起形状から「タイプC」に示
す凹穴形状へと変化する。
【0082】図18及び図19のグラフから、本発明に
よる所望の隆起高さを有するドットマークを形成するに
は、パルス幅、エネルギー密度及びマーキング表面に沿
った長さ寸法を適切に選定することが必要であり、それ
らの値が適当な値に選択できれば、本発明の特徴部をな
す所定の幅寸法(長さ)と高さ(凹凸)とを有する微小
で且つ特異な形態を有するドットマークを形成すること
ができることが理解できる。
【0083】図20は、本発明方法によるドットマーキ
ングにより得られたドットマークによる文字表示の配列
状態を示し、図21は従来のドットマーキングにより得
られるドットマークによる文字表示の配列状態を示して
いる。2Dコードの場合には、ドット間の相対位置が2
0%以下と規定されており、例えばφ5μmのドットマ
ークの場合、ステージにおける位置決め精度が±1μm
であれば、既に20%の位置ずれがランダムに発生する
ことになる。
【0084】従来のマーキング方法を採用する場合に
は、ドットの位置決め精度の関係で、図21に示すよう
にドットにより形成される文字が歪んでしまう。その結
果、2Dコードとしては読み取りが不可能な状態とな
る。一方、図20に示す本発明方法により形成されるド
ットマークによれば、隣接ドットの相対位置が、原理的
にはレンズの収差を除いてゼロとなる。一般に、レンズ
の収差はレンズの外周領域において大きくなるため、レ
ンズの中央領域(有効視野)内を使用すれば、ほぼゼロ
とみなせる。その結果、同図に示すように規則正しく、
精度よくドットを形成することができる。
【0085】以上の説明からも明らかなように、本発明
に係るドットマーク形態及びドットマーキング方法によ
れば、半導体ウェハ表面の各ドット単位ごとの領域に正
確に且つ整然と従来の3/20〜1/100の大きさの
均一な形態をもつ単一の微小なドットマークを形成する
ことができる上に、そのドットマーク形態が従来にない
中央部が隆起した特異な形態を有しているため、その視
認性に優れ、2Dコードとしても充分に機能するマーク
形態となる。
【0086】また、本発明のドットマークが前述のごと
く従来のドットマークの大きさよりも大幅に微小化さ
れ、しかも隣接するドットマークとの境界が判然と区別
できるため、同一領域に多数のドットマークが形成で
き、そのマーキング領域も大幅に増大するばかりでな
く、同時にマーキング領域の選定にも自由度が増す。
【0087】すなわち、 任意の時期にウエハ表面にマーキングを施すことが
できる。例えばシリコンメーカ出荷時に、納入先のデバ
イスメーカの用途に影響されることなく、ウエハの出荷
検査データなどをマーキングすることができる。また、
ウエハ単位で出荷する際には、各チップの検査データ、
独自のウエハID、チップIDをこの領域にマーキング
することができるし、しかもVノッチやオリフラ部の角
にマーキングすることにより、マークが小さく探しにく
いといった懸念が一切不要となる。
【0088】また同様に、デバイスメーカにおいては、
任意の工程中に検査データのみならず、デバイスメーカ
独自のウエハIDマークを刻印することができる。特
に、ドットマーク形態が特異なうえに極めて微小である
がため、デバイスメーカにおいてスクライビング以前
に、各チップごとの裏面にも所容量の各種データを工程
順に形成し得るため、各チップごとの履歴が容易に把握
できる。
【0089】 一枚のウエハからより多くのチップが
得られる。本発明のドットマーキング法によれば、ドッ
トマークが極めて微小であるがため、マーキングのため
の専用領域を省略でき、例えばウェハの周面や裏面は言
うに及ばず、スクライブラインの表面やVノッチの内
面、オリエンテーションフラットの隅部など、チップの
作成有効領域を拡大することができる。この結果、ウエ
ハの歩留りの向上に直接寄与することができる。
【0090】 設計負担を軽減する。チップの設計段
階からマーキング領域を一切考慮する必要がないため、
設計者が自由にチップをレイアウトできる。
【0091】本発明にとって好都合であることは、ウエ
ハ最外円周部の2mmのうち、特に外側の1mmについ
ては、一般の成膜がほとんど行われておらず、ほぼベア
ウエハの状態にある。このため、この領域にも安定した
ドットマーキングが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の微小ドットマーキング装置を模式的に
示す説明図である。
【図2】一般のレーザビームによるドットマーキング装
置を示す全体構成図である。
【図3】本発明方法により形成されるドットマークの形
態とその配列状態を示すAFM観察立体図である。
【図4】同断面図である。
【図5】実施例1によるドットマーク形態のAFM観察
断面図と立体図である。
【図6】実施例2によるドットマーク形態のAFM観察
断面図と立体図である。
【図7】実施例3によるドットマーク形態のAFM観察
断面図と立体図である。
【図8】比較例1によるドットマーク形態のAFM観察
断面図と立体図である。
【図9】実施例4によるドットマーク形態のAFM観察
断面図と立体図である。
【図10】実施例5によるドットマーク形態のAFM観
察断面図と立体図である。
【図11】実施例6によるドットマーク形態のAFM観
察断面図と立体図である。
【図12】実施例7によるドットマーク形態のAFM観
察断面図と立体図である。
【図13】比較例2によるドットマーク形態のAFM観
察断面図と立体図である。
【図14】比較例3によるドットマーク形態のAFM観
察断面図と立体図である。
【図15】比較例4によるドットマーク形態のAFM観
察断面図と立体図である。
【図16】比較例5によるドットマーク形態のAFM観
察断面図と立体図である。
【図17】比較例6によるドットマーク形態のAFM観
察断面図と立体図である。
【図18】実施例1〜7及び比較例1〜6のドットマー
キングにおけるエネルギー密度と隆起部の高さとの相関
を示すグラフである。
【図19】実施例1〜7及び比較例1〜6におけるレー
ザマーキング条件のうちパルス幅及びマーク幅寸法を変
更したときのエネルギー密度と隆起部の高さとの相関を
示すグラフである。
【図20】本発明のドットマークによる文字表示を示す
平面図である。
【図21】従来のドットマークによる文字表示を示す平
面図である。
【図22】ドットマーク形成過程における溶融池表面の
振動モードに基づく第1のドットマーク形態例を示す立
体図である。
【図23】同第2のドットマーク形態例を示す立体図で
ある。
【図24】同第3のドットマーク形態例を示す立体図で
ある。
【図25】同第4のドットマーク形態例を示す立体図で
ある。
【図26】同第5のドットマーク形態例を示す立体図で
ある。
【図27】同第6のドットマーク形態例を示す立体図で
ある。
【図28】同第7のドットマーク形態例を示す立体図で
ある。
【図29】同第8のドットマーク形態例を示す立体図で
ある。
【図30】同第9のドットマーク形態例を示す立体図で
ある。
【図31】同第10のドットマーク形態例を示す立体図
である。
【符号の説明】
1 レーザマーキング装置 2 レーザ発振器 3 ビームホモジナイザ 4 液晶マスク 5 ビームプロファイル変換器 6 縮小レンズユニット

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザを光源として被マーキング物品の
    表面にマーキングされるドットマーク形態であって、 レーザ照射点ごとの単一のドットマークからなり、 同マークの中央部が被マーキング物品の表面から上方に
    隆起する隆起部を有しており、 各ドットマークの被マーキング物品の表面に沿った長さ
    が1.0〜15.0μmであ、 ことを特徴とするレーザビームによる微小ドットマーク
    形態。
  2. 【請求項2】 前記ドットマークが、製品管理用或いは
    各種セキュリティ用である請求項1記載の微小ドットマ
    ーク形態。
  3. 【請求項3】 前記ドットマークが、周囲が凹んで前記
    隆起部を有してなる請求項1記載の微小ドットマーク形
    態。
  4. 【請求項4】 前記被マーキング物品の表面が、ウェハ
    外周の面取り部である請求項1記載の微小ドットマーク
    形態。
  5. 【請求項5】 前記被マーキング部品の表面が、ICの
    表面又は裏面である請求項1記載の微小ドットマーク形
    態。
  6. 【請求項6】 前記隆起部の高さが0.01〜5.0μ
    mである請求項1記載の微小ドットマーク形態。
  7. 【請求項7】 パルスレーザ発振器から照射されるレー
    ザビームにより被マーキング物品の表面にドット状のマ
    ークを形成するマーキング方法であって、 前記レーザ発振器から照射されるレーザビームのエネル
    ギー分布をビームホモジナイザにより平滑化すること、 1画素単位の最大長さが50〜2000μmである液晶
    マスクを駆動制御して所望のパターンを形成し、前記ビ
    ームホモジナイザにより均整化されたレーザビームを前
    記液晶マスクに照射すること、 前記液晶マスクを通過して分割されたレーザビームのエ
    ネルギー密度を、そのマーキング面において1.0〜1
    5.0J/cm 2 に設定すること、及び 前記液晶マスク
    を透過した1ドットごとの各レーザビームを、レンズユ
    ニット により1ドットの最大長さが1.0〜15.0μ
    mとなるように縮小して前記被マーキング物品の表面に
    結像させること、 を特徴とするレーザビームによる微小マーキング方法。
  8. 【請求項8】 前記液晶マスクの画素マトリックスに対
    応する同一サイズのドットマトリックスにて構成され、
    レーザビームのエネルギー密度分布を所要の分布形状に
    成形変換するビームプロファイル変換手段を、前記液晶
    マスクの前後いずれかに配することを含んでなることを
    特徴とする請求項7記載の微小マーキング方法。
JP33382499A 1998-11-25 1999-11-25 レーザビームによる微小ドットマーク形態、そのマーキング方法 Expired - Fee Related JP3242632B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33382499A JP3242632B2 (ja) 1998-11-25 1999-11-25 レーザビームによる微小ドットマーク形態、そのマーキング方法
US09/576,681 US6774340B1 (en) 1998-11-25 2000-05-23 Shape of microdot mark formed by laser beam and microdot marking method
TW89110172A TW454238B (en) 1999-11-25 2000-05-25 Form of microscopic dot mark using laser beam and marking method thereof

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33400998 1998-11-25
JP10-334009 1998-11-25
JP33382499A JP3242632B2 (ja) 1998-11-25 1999-11-25 レーザビームによる微小ドットマーク形態、そのマーキング方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000223382A JP2000223382A (ja) 2000-08-11
JP3242632B2 true JP3242632B2 (ja) 2001-12-25

Family

ID=26574649

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33382499A Expired - Fee Related JP3242632B2 (ja) 1998-11-25 1999-11-25 レーザビームによる微小ドットマーク形態、そのマーキング方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3242632B2 (ja)

Families Citing this family (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4076343B2 (ja) 2001-12-05 2008-04-16 株式会社小松製作所 半導体ウェハのドットマーク形成位置の位置決め方法とその位置決め装置
JP4103986B2 (ja) * 2002-03-22 2008-06-18 株式会社テクノネットワーク四国 爪の加工方法
JP4034682B2 (ja) 2002-10-21 2008-01-16 株式会社東芝 半導体ウェーハ及び半導体ウェーハ製造方法
JP4407202B2 (ja) * 2003-08-22 2010-02-03 パナソニック株式会社 加工装置及び加工方法とこれを用いた生産設備
JP4632659B2 (ja) * 2003-12-02 2011-02-16 パナソニック株式会社 半導体装置の製造方法
JP4499761B2 (ja) * 2007-04-12 2010-07-07 カシオマイクロニクス株式会社 半導体装置
JP5522914B2 (ja) * 2008-09-11 2014-06-18 株式会社半導体エネルギー研究所 Soi基板の作製方法
US8993919B2 (en) 2010-04-20 2015-03-31 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Laser source and laser beam machine
CN103477433A (zh) * 2011-06-22 2013-12-25 松下电器产业株式会社 具有点标记的半导体基板及其制造方法
JP6579361B2 (ja) * 2015-05-01 2019-09-25 日本電気硝子株式会社 板ガラスへの情報表示部の形成方法
WO2018150759A1 (ja) * 2017-02-15 2018-08-23 Agc株式会社 マークを有するガラス基板およびその製造方法
CN117228966A (zh) * 2017-08-31 2023-12-15 日本电气硝子株式会社 支承玻璃基板和使用其的层叠基板
JP7276644B2 (ja) * 2017-08-31 2023-05-18 日本電気硝子株式会社 支持ガラス基板及びこれを用いた積層基板
JP6685514B2 (ja) * 2019-04-15 2020-04-22 日本電気硝子株式会社 板ガラス
WO2022230716A1 (ja) * 2021-04-30 2022-11-03 Agc株式会社 導光板および導光板の製造方法
WO2023062842A1 (ja) * 2021-10-15 2023-04-20 信越エンジニアリング株式会社 加工装置、加工方法及び基板の製造方法
JP7355970B1 (ja) 2022-01-19 2023-10-03 ヌヴォトンテクノロジージャパン株式会社 半導体装置及びレーザマーキング方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000223382A (ja) 2000-08-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3242632B2 (ja) レーザビームによる微小ドットマーク形態、そのマーキング方法
US6774340B1 (en) Shape of microdot mark formed by laser beam and microdot marking method
JP5632751B2 (ja) 加工対象物切断方法
KR100735532B1 (ko) 기판 내에 팽창부를 포함하는 포토마스크 및 포토마스크의표면 평탄화 방법
US6248973B1 (en) Laser marking method for semiconductor wafer
WO2011093113A1 (ja) レーザ加工方法
US8993919B2 (en) Laser source and laser beam machine
KR20130024754A (ko) Led 패턴이 구비된 기판의 가공 방법
CN108335994A (zh) 晶片接合结构、晶片接合方法、晶片剥离方法及装置
JP7182456B2 (ja) レーザ加工方法、及び、半導体部材製造方法
JP2001118757A (ja) 微小ドットマークを有する半導体基材
JP4321897B2 (ja) 半導体ダイ
JP2013157454A (ja) レーザ加工方法、半導体デバイスの製造方法及びレーザ加工装置
JPH11156563A (ja) レーザ光による微小マーキング装置とそのマーキング方法
JPH11214299A (ja) ドットマークの読み取り装置と読み取り方法
JP4719131B2 (ja) レーザビームによる微小マーキング方法
JP2001101337A (ja) ドットマークの読取り装置と読取り方法
JP2007049206A5 (ja)
JP3522670B2 (ja) レーザマーキング方法
US6436842B2 (en) Semiconductor wafer including a dot mark of a peculiar shape and method of forming the dot mark
JP3191918B2 (ja) 微小ドットマークが刻印されてなる半導体ウェハ
TW454238B (en) Form of microscopic dot mark using laser beam and marking method thereof
JP6685514B2 (ja) 板ガラス
DE10025835B4 (de) Mikropunktmarkierungsverfahren
JP4614502B2 (ja) 凹穴型ドットマークの形成方法と同ドットマークを有する半導体ウェハ

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees