JPH11339637A - 電界放出型電子素子及びその製造方法 - Google Patents

電界放出型電子素子及びその製造方法

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JPH11339637A
JPH11339637A JP14331798A JP14331798A JPH11339637A JP H11339637 A JPH11339637 A JP H11339637A JP 14331798 A JP14331798 A JP 14331798A JP 14331798 A JP14331798 A JP 14331798A JP H11339637 A JPH11339637 A JP H11339637A
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forming
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metal
silicon
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JP14331798A
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Yoshiyuki Takegawa
宜志 竹川
Keiichiro Uda
啓一郎 宇田
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高密度に集積するために電子放出冷陰極チッ
プ素子を微細化しても素子特性、均一性及び再現性が低
下することのない電界放出型電子素子及びその製造方法
を提供することを目的とする。 【解決手段】 シリコンSi基板11上に電界放出の原
理に基づき電子放出する金属の冷陰極チップ16を有す
る電界放出型電子素子20において、冷陰極チップ16
とシリコンSi基板11との間に珪化金属18を配する
ことを特徴とする電界放出型電子素子20である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Si基板上に金属
の蒸着により作製した、電界放出の原理に基づいて動作
する電界放出型電子素子、及び、その製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、集積回路又は薄膜の分野において
用いられている微細加工技術により、高電界において電
子を放出する電界放出型電子素子製造技術の進歩は目覚
ましく、特に極めて小型な構造を有する電界放出型冷陰
極が製造されている。この種の電界放出型冷陰極は、三
極管型の超小型電子管又は超小型電子銃を構成する基本
的な電子放出デバイスである。
【0003】電界放出型電子素子は、例えば、微小三極
管や薄型表示素子等の構成要素として考案されたもの
で、特に、エイチ.エフ.グレイ(H.F.Gray)等による
米国特許第4,307,507号公報及び第4,51
3,308号公報、スタンフォード リサーチ インス
ティチュート(Stanford Research Institute)のシ
ー.エー.スピント(C.A.Spindt)らによるJournal of
Applied Physicsの第47巻、12号,5248〜52
63頁(1976年12月)に発表された研究報告、等
が公開されている。
【0004】以下、シリコンSi基板を用いた金属の蒸
着による電界放出型電子素子の従来の製造方法につい
て、上記、Journal of Applied Physicsの第47巻、1
2号,5248〜5263頁(1976年12月)に基
づいて、図3(a)〜(f)を参照して説明する。
【0005】図3(a)に示すように低抵抗シリコンS
i基板31上に、酸化シリコンSiO2層32を形成し
た後、ゲート金属としての第1のモリブデンMo層33
を電子ビーム蒸着法により形成する。次に、同図(b)
に示すように、フォトレジスト工程により、フォトレジ
ストパターン34を形成する。次に、同図(c)に示す
ように、前記フォトレジストパターン34をマスクとし
て、前記第1のモリブデン層33、及び、前記酸化シリ
コン層32を加工し凹部A2を形成した後、フォトレジ
ストパターン34を除去する。次に、同図(d)に示す
ように、前記第1のモリブデン層33上に、リフトオフ
工程に用いるためのアルミニウムAl層35を、基板を
回転させながらの斜め蒸着法により形成する。次に、同
図(e)に示すように、電子ビーム蒸着により、第2の
モリブデンMo層36aを形成すると同時に、前記凹部
A2内部に円錐形状のモリブデンエミッタ36を形成す
る。次に、同図(f)に示すように、酸性水溶液によ
り、前記アルミニウム層35がエッチング除去されると
同時に、第2のモリブデン層の不要部分36aがリフト
オフされ、ゲート電極としてのモリブデン層33と、電
子放出冷陰極チップとしてのモリブデンエミッタ36を
有する電界放出型電子素子37が得られる。
【0006】以上説明した図3(a)から(f)の工程
により製造した電界放出型電子素子37は、真空中でS
i基板電極とゲート電極33との間に電圧が印加される
と、電子放出冷陰極36とゲート電極33との間に電界
が発生し、電界放出の原理にもとずいて電界放出型冷陰
極チップ36から電子が放出されることとなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記図
3(f)に示した電界放出型電子素子37において、多
数の電子放出冷陰極チップ36を高密度に集積するた
め、又は低電圧駆動を可能とするために、ゲート金属3
3の開口径Aを、微細化すると、それにつれて、冷陰極
チップ36とSi基板31との接触面積が低下すること
となる。よって、冷陰極チップ36とSi基板31との
接触抵抗が増大し、素子特性が低下するという問題が生
じていた。
【0008】また、Si基板表面には、雰囲気中の酸素
により形成される自然酸化膜が形成され、また有機物等
によりSi基板表面の汚染が起こる可能性があり、この
自然酸化膜及び汚染がSi基板31と冷陰極チップ36
との間に介在すると、接触抵抗が本来の値よりも増大す
ることとなる。特に、ゲート金属33の開口径Aの微細
化に伴い、接触部の汚染による接触抵抗の著しい増大が
高い確率で発生し、素子特性、及び、均一性、再現性が
低下するという問題があった。
【0009】本発明は、前記の問題点を解消するために
なされたものであって、高密度に集積するために電子放
出冷陰極チップ素子を微細化しても素子特性、均一性及
び再現性が低下することのない電界放出型電子素子及び
その製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため、次の構成を有する。請求項1の発明は、
シリコンSi基板上に電界放出の原理に基づき電子放出
する冷陰極チップを有する電界放出型電子素子におい
て、冷陰極チップとシリコンSi基板との間に珪化金属
を配することを特徴とする電界放出型電子素子である。
【0011】請求項2の発明は、珪化金属が、シリコン
Si基板のシリコンSiと金属との反応により形成され
ることを特徴とする請求項1に記載の電界放出型電子素
子である。
【0012】請求項3の発明は、珪化金属が、珪化チタ
ンTiSi2、珪化ジルコニウムZrSi2、珪化ハフニ
ウムHfSi2、珪化コバルトCoSi2または珪化白金
PtSi2のいづれか1の珪化金属であることを特徴と
する請求項1または請求項2に記載の電界放出型電子素
子である。
【0013】請求項4の発明は、シリコンSi基板上に
絶縁層と導電性のゲート層を形成する工程と、前記絶縁
層と導電性ゲート層にエミッタ形成用の空洞を形成する
工程と、エミッタ形成用の空洞内のシリコンSi基板上
に珪化金属形成用金属層を形成する工程と、熱処理によ
りエミッタ形成用の空洞内の珪化金属形成用金属を珪化
金属にする工程と、エミッタ材料を堆積することにより
空洞内にエミッタを形成する工程とを備える電界放出型
電子素子の製造方法である。
【0014】請求項5の発明は、シリコンSi基板上に
絶縁層と導電性のゲート層を形成する工程と、前記絶縁
層と導電性ゲート層にエミッタ形成用の空洞を形成する
工程と、該空洞内のシリコンSi基板面及び前記空洞の
縁に張り出し部を形成するように前記ゲート層上面に対
して金属層を形成する工程と、熱処理により前記空洞内
のシリコンSi基板面上の金属層を珪化金属層とする工
程と、前記珪化金属層上にエミッタ材料を堆積すること
により空洞内にエミッタを形成する工程と、未反応の前
記ゲート層上面の金属層を除去する工程とを備える電界
放出型電子素子の製造方法。
【0015】請求項6の発明は、シリコンSi基板上に
絶縁層と導電性のゲート層を形成する工程と、前記の絶
縁層とゲート層にエミッタ形成用の空洞を形成する工程
と、前記空洞内に珪化金属形成用金属層を形成する工程
と、熱処理により珪化金属形成用金属のシリコンSiと
の接触部のみを珪化金属にする工程と、未反応である不
用の珪化金属形成用金属を除去する工程と、前記ゲート
層上面とエミッタ形成用空洞の縁に張り出すように犠牲
層を形成する工程と、エミッタ材料を堆積して空洞にエ
ミッタを形成する工程と、前記犠牲層を除去する工程と
を備える電界放出型電子素子の製造方法である。
【0016】請求項1から3の発明によれば、シリコン
Si基板上に電界放出の原理に基づき電子放出する冷陰
極チップを有する電界放出型電子素子において、冷陰極
チップとシリコンSi基板との間に珪化金属を配したこ
とにより、冷陰極チップとシリコンSi基板間の接触抵
抗の上昇の原因となる自然酸化膜や汚染物を珪化金属中
に分散することができ、シリコンSi基板と珪化金属の
界面、及び珪化金属と冷陰極チップとの界面は、清浄な
界面となり、接触抵抗を低減することができる。
【0017】請求項4の発明によれば、シリコンSi基
板上に絶縁層と導電性のゲート層を形成する工程により
シリコンSi基板上にゲート層を絶縁層を介して形成
し、次にエミッタを形成するために前記の絶縁層とゲー
ト層に空洞を形成し、さらに該空洞内のシリコンSi基
板上に珪化金属形成用金属層を形成する。そして、空洞
内のシリコンSi基板のシリコンSiと珪化金属形成用
金属を熱処理することで、自然酸化膜や汚染物を珪化金
属中に分散した珪化金属を形成することができ、シリコ
ンSi基板と珪化金属の界面は清浄な界面となる。そし
てその清浄な界面を有する該珪化金属上にエミッタ材料
を堆積形成することにより、接触抵抗を低減した電界放
出型電子素子が製造できる。
【0018】請求項5の発明によれば、空洞のシリコン
Si基板面と前記空洞の縁に張り出すようにゲート層上
面に金属層を形成し、シリコンSi基板面の金属層を熱
処理することで珪化金属層を形成し、前記珪化金属層上
にエミッタ材料を堆積することによりエミッタが形成さ
れる。前記ゲート層上面の金属層を犠牲層としてエッチ
ング除去すると不用なエミッタ材料は、リフトオフされ
るが、珪化金属層は前記エッチング除去によっても除去
されないので珪化金属層上のエミッタはリフトオフされ
ずに維持されることとなり、電界放出型電子素子が製造
できる。
【0019】請求項6の発明によれば、空洞内に珪化金
属形成用金属層が形成された後に、熱処理により珪化金
属形成用金属とシリコンSiとの接触部のみに珪化金属
が形成される。そして、未反応である不用の珪化金属形
成用金属が除去された後に、ゲート層上面にエミッタ形
成用空洞の縁に張り出すように犠牲層を形成し、犠牲層
の上部からエミッタ材料を堆積することにより空洞内に
エミッタが形成される。そして、犠牲層を除去すること
で不用なエミッタ材料はリフトオフされ電界放出型電子
素子が製造できる。
【0020】
【発明の実施の形態例】以下、図面を参照して本発明の
実施の形態を詳細に説明する。図1(a)〜(g)は、
本発明に係る電界放出型電子素子の製造工程の説明図で
ある。
【0021】まず、同図(a)に示すように、シリコン
Si基板11上に絶縁層12を挟み込むように導電性の
ゲート層13を層状に形成する。
【0022】前記シリコンSi基板11は、低抵抗のN
型シリコンSi基板であり、図示しない電極と接続され
ている。
【0023】前記絶縁層12は、N型シリコンSi基板
11と導電性のゲート層13の絶縁層であり、シリコン
Si基板11上に、CVD(化学的気相成長)法により
形成された膜厚0.4〜0.7[μm]の酸化シリコン
SiO2層である。酸化シリコン層12の形成には、熱
酸化法、スパッタ法等も使用可能であるが、絶縁耐性が
比較的良く、シリコン基板以外にも適用可能なCVD法
が最適と考えられる。
【0024】前記ゲート層13は、純チタンターゲット
を用いた反応性スパッタ法により形成された膜厚0.2
〜0.4[μm]に形成されており、図示しない電極に
接続されている。
【0025】次に、同図(b)に示すように、フォトレ
ジスト工程により、フォトレジストパターン14を窒化
チタン層13の上面に形成する。フォトレジストパター
ン14の開口部Aは、直径0.3〜0.7[μm]の円
形孔とした。
【0026】次に、同図(c)に示すように、前記フォ
トレジストパターン14をマスクとして、リアクティブ
イオンエッチング法により、前記窒化チタン層13、及
び、前記酸化シリコン層12を加工し、直径0.3〜
0.7[μm]の円形の凹部A2を形成した後、フォト
レジストパターン14を除去する。フォトレジストパタ
ーン14の除去には、酸素プラズマを用いた。
【0027】次に、同図(d)に示すように、DCマグ
ネトロンスパッタ法により、厚さ0.2〜0.4[μ
m]のチタン層17を窒化チタン層13の上面と前記凹
部A2の全内周面に形成する。成膜としてスパッタ法を
採用したことでターゲット(チタン)とSi基板11と
の間を飛行している金属粒子はガス分子により拡散さ
れ、チタン層17は横方向にも成長するために、前記凹
部A2の円形開口(ピンホール)縁に沿って自己整合的
にチタンの張り出し部17aが形成されることとなる。
尚、上記スパッタ法の成膜は、圧力、数mTorr程度
のArガス雰囲気中で、基盤温度0〜300[℃]程度
で行った。
【0028】次に、同図(e)に示すように、熱処理工
程中の反応により、前記チタン層17と凹部A2内の底
面を形成するSi基板11との接触部分のみにチタンシ
リサイド(珪化チタン)層18を形成する。前記熱処理
は、高い制御性、再現性が求められる為、RTA(Rapi
d thermalanneal)装置(図示しない)を用い、流量10
[l/min]のアルゴンガス中で、600[℃]、12
0[秒]行った。アルゴンガスは、不活性ガスとして用
いるので、ヘリウム等の他の不活性ガスでも可能である
が、汎用性、価格の観点から本実施の形態ではアルゴン
ガスを用いている。アルゴンガスの必要流量は、装置内
部を不活性な雰囲気に保つための量であり、装置仕様、
サンプル仕様等に依存されるので実験的に確認決定する
必要がある。例えば、アルゴンガスの量が少ないとサン
プル又は装置内から出た不純物ガス(水、酸素、窒素
等)により酸化物、窒化物が形成されてしまうこととな
ってしまい望ましくない。熱処理の温度、時間に関して
は、温度が低いあるいは時間が短い場合は反応量が不足
し、温度が高いあるいは時間が長い場合には、反応量が
多く、所望の形状がえられないので、最適値を実験的に
選択決定する必要がある。
【0029】次に、同図(f)に示すように、電子ビー
ム蒸着により、モリブデンMo層16aをチタン層17
上面に形成すると、張り出し部17aで形成されるピン
ホールの直径が体積膜厚の増大とともに減少し、やがて
塞り、同時に、ピンホール下部の凹部A2内にモリブデ
ンエミッタ16を先端が尖った円錐状に堆積形成するこ
とができる。
【0030】最後に、同図(g)に示すように、酸性水
溶液により、前記チタン層17がエッチング除去される
と同時に、モリブデン層の不要部分16aがリフトオフ
され、ゲート電極としての窒化チタン層13と、電子放
出冷陰極チップとしてのモリブデンエミッタ16を有す
る電界放出型電子素子20が得られる。
【0031】以上説明した製造工程により作成された電
界放出型電子素子20は、冷陰極チップであるモリブデ
ンエミッタ16とSi基板11との間に熱処理工程中の
反応によりチタンシリサイド(珪化チタン)層18を配
する構造としたことで、熱処理工程によるチタンシリサ
イド層18の形成により、Si基板11表面の自然酸化
膜や有機物等の表面汚染物が、チタンシリサイド層18
中に分散されることとなる。よって、Si基板11とチ
タンシリサイド層18との界面、及びチタンシリサイド
層18とモリブデンエミッタ16との界面は、清浄な界
面となり、モリブデンエミッタ16とSi基板11との
接触抵抗を低減させることができ、素子特性、及び、均
一性、再現性を向上させることができる。特に、ゲート
金属開口径Aが0.6[μm]以下の微細な電界放出型
電子素子において、効果が大きい。
【0032】また、スパッタ法を用いてチタン層17を
窒化チタン層13の上面に張り出し部17aを形成する
ように設けるともに前記凹部A2の全内周面に形成した
ことにより効率よく電界放出型電子素子の製造を可能と
している。すなわち、凹部A2内の底面部分のチタン層
17は、熱処理によりチタンシリサイド(珪化チタン)
層18を形成可能であると同時に、未反応のチタン層1
7を犠牲層として不要なモリブデンMo層16aをリフ
トオフすることが可能となり、それぞれを別個に形成す
る場合に較べて大変に効率がよい。尚、従来は図3に示
したようにモリブデン層33上に、リフトオフ工程に用
いるためのアルミニウムAl層35を、基板を回転させ
ながらの斜め蒸着法をとっており、スパッタ法は採用さ
れていなかった。それは、スパッタ法により犠牲層であ
るアルミニウムAl層35を形成し、珪化金属を形成せ
ずアルミニウムAl層35上にモリブデンエミッタ36
を形成しても、アルミニウムAl層35のエッチング処
理によりモリブデンエミッタ36がリフトオフされてし
まい、所望の素子を得ることができなかったからであ
る。
【0033】更にチタン層17を窒化チタン層13の上
面と前記凹部A2の全内周面へ形成するスパッタ法を採
用したことで、電界放出型電子素子の生産性の向上をは
かることができた。即ち、従来の成膜方法である基板を
回転させながらの斜め蒸着法(図3(d)参照)では、
アルミニウムAl層35をモリブデン層33上に形成す
るために、真空チャンバー中に複雑な回転機構を構築す
る必要があり、一度に処理できるウエハーの数が制限さ
れ、生産性も制限されていたが、回転機構を必要としな
いスパッタ法による成膜では一度に多数のウエハー処理
が可能となり、例えば搬送用ロードロック室による連続
処理も可能となり生産性の多大な向上を実現することが
できる。
【0034】次に本発明の電界放出型電子素子の製造方
法の第2実施の形態について、図2(a)〜(h)を参
照して説明する。なお、第1実施の形態と同一構成につ
いては同一符号を付し、説明を省略する。
【0035】同図(a)に示すようにN型Si基板11
上に、CVD(化学的気相成長)法により膜厚0.4〜
0.7[μm]の酸化シリコン層12を形成した後、ゲ
ート金属としての窒化チタン層13を純チタンターゲッ
トを用いた反応性スパッタ法により膜厚0.2〜0.4
[μm]形成する。酸化シリコン層12の形成には、熱
酸化法、スパッタ法等も使用可能であるが、絶縁耐性が
比較的良く、シリコン基板以外にも適用可能なCVD法
が最適と考えられる。
【0036】次に、同図(b)に示すように、フォトレ
ジスト工程により、フォトレジストパターン14を形成
する。開口部Aは、直径0.3〜0.7[μm]の円形
とした。
【0037】次に、同図(c)に示すように、前記フォ
トレジストパターン14をマスクとして、リアクティブ
イオンエッチング法により、前記窒化チタン層13、及
び、前記酸化シリコン層12を加工し凹部A2を形成し
た後、フォトレジストパターン14を除去する。フォト
レジストパターン14の除去には、酸素プラズマを用い
た。
【0038】次に、同図(d)に示すように、DCマグ
ネトロンスパッタ法により、チタン層17を形成する。
【0039】次に、同図(e)に示すように、熱処理工
程中の反応により、前記チタン層17と前記Si層基板
11との接触部のみにチタンシリサイド層18を形成す
る。熱処理は、高い制御性、再現性が求められる為、R
TA装置を用い、流量10[l/min]のアルゴンガス
中で、600[℃]、120[秒]行った。
【0040】次に、同図(f)に示すように、酸性水溶
液により、前記チタン層17がエッチング除去され、前
記Si基板11上開口部にチタンシリサイド層18が得
られる。
【0041】次に、同図(g)に示すように、窒化チタ
ン層13上に、リフトオフ工程に用いるためのアルミニ
ウムAl層15を、Si基板11を回転させながらの斜
め蒸着法により形成する。Si基板11の回転軸は、円
形の凹部A2の断面長手方向回転軸19を軸として回転
する。斜め蒸着法により成形されたアルミニウムAl層
15は、窒化チタン層13のピンホール中心方向に向か
って張り出し部17bを有することとなる。
【0042】次に、同図(h)に示すように、電子ビー
ム蒸着により、モリブデン層16aをアルミニウムAl
層15の上面に形成すると同時に、前記凹部A2内部に
モリブデンエミッタ16を堆積形成する。
【0043】最後に、同図(i)に示すように、酸性水
溶液により、前記アルミニウムAl層15がエッチング
除去されると同時に、モリブデン層の不要部分16aが
リフトオフされ、ゲート電極としての窒化チタン層13
と、電子放出冷陰極チップとしてのモリブデンエミッタ
16を有する電界放出型電子素子20が得られる。
【0044】以上説明した第2実施の形態による製造工
程によっても、冷陰極チップであるモリブデンエミッタ
16とSi基板11との間にチタンシリサイド層18を
配する電界放出型電子素子20を製造でき、モリブデン
エミッタ16とSi基板11との間に熱処理工程中の反
応によりチタンシリサイド層18を配する構造としたこ
とで、Si基板11表面の自然酸化膜や有機物等の表面
汚染物が、チタンシリサイド層18中に分散されること
となる。よって、Si基板11とチタンシリサイド層1
8との界面、及びチタンシリサイド層18とモリブデン
エミッタ16との界面は、清浄な界面となり、モリブデ
ンエミッタ16とSi基板11との接触抵抗を低減させ
ることができ、素子特性、及び、均一性、再現性を向上
させることができる。特に、ゲート金属開口径が0.6
[μm]以下の微細な電界放出型電子素子20におい
て、効果が大きい。
【0045】なお、前記の第1、第2の実施形態では本
発明の好適例を説明したが、本発明はこれに限定されな
いことはもちろんである。例えば、上述した実施の形態
の電界放出型電子素子20のゲート金属材料として窒化
チタンTiN13を用いたが、珪化金属形成用金属層と
熱処理中に反応を起こしにくい材料、例えば、窒化タン
タルTaN、窒化ジルコニウムZrN、窒化ハフニウム
HfN等の電導体材料が使用されてもよい。
【0046】また、上述した実施の形態の電界放出型電
子素子20の珪化金属としてチタンシリサイドTiSi
2が用いられているが、珪化ジルコニウムZrSi2、珪
化ハフニウムHfSi2、珪化コバルトCoSi2、珪化
白金PtSi2等の材料が使用されてもよい。
【0047】なお、シリコンSiと前記各金属材料(望
ましくは純金属材料)Ti、Zr、Hf、Co又はPt
の熱処理工程によりシリコン基板11と電子放出冷陰極
チップ16の間に珪化金属を形成することとなるが、実
施の形態ではその熱処理工程手段は制御性、再現性から
RTA装置を用いたが、熱処理工程により珪化金属をシ
リコン基板11と電子放出冷陰極チップ16の間に形成
できる手段、装置であれば良い。
【0048】また、上述した実施の形態の電界放出型電
子素子20は、電子放出冷陰極チップ16の材料とし
て、モリブデンMoが用いられているが、これに限られ
るものではなく、例えば、タンタルTa,タングステン
W,ケイ素Si等の電導体材料が使用されてもよい。電
子放出冷陰極チップ16の形状は、フォトレジストパタ
ーン14開口部Aの形状に依存するもので、上記実施形
態では開口部Aが円形であるので円錐状となったが、例
えば開口部Aの形状を正方形とすれば4角錐状の電子放
出冷陰極チップとなる。
【0049】また、上述の電界放出型電子素子20の製
造方法の実施例では、シリコン基板11で説明したが、
例えばシリコン膜付きの基板であってもよく、上記した
方法により同一の電界放出型電子素子を製造でき、本発
明の技術的範囲に含まれるものである。
【0050】
【発明の効果】以上のように請求項1から3の発明によ
れば、シリコンSi基板上に電界放出の原理に基づき電
子放出するエミッタ用冷陰極チップとゲート用金属材料
を有する電界放出型電子素子において、エミッタ冷陰極
チップとシリコンSi基板との間に珪化金属を配するこ
とにより、冷陰極チップとSi基板との接触抵抗が増大
することを抑制し素子特性を向上することができ、更に
高密度に集積する場合であっても各素子の均一性、再現
性を向上させることができた。
【0051】請求項4及び6の発明によれば、シリコン
Si基板上に絶縁層と導電性のゲート層を形成する工程
により電圧印加されるシリコンSi基板とゲート層を絶
縁層を介して形成し、次にエミッタを形成するために前
記絶縁層とゲート層に空洞が形成され、さらに該空洞内
のシリコンSi基板上に珪化金属形成用金属層が形成さ
れる。そして、エミッタ形成用の空洞内のシリコンSi
基板のシリコンと珪化金属形成用金属が熱処理されるこ
とで、自然酸化膜や汚染物を珪化金属中に分散した珪化
金属が形成され、シリコンSi基板と珪化金属の界面は
清浄な界面となり、また清浄な該珪化金属上にエミッタ
材料を堆積形成することにより、接触抵抗を低減した電
界放出型電子素子が製造できる。
【0052】請求項5の発明によれば、空洞のシリコン
Si基板面と前記空洞の内側に張り出すようにゲート層
上面に金属層を形成するので、珪化金属形成用金属と不
用なエミッタ材料をリフトオフする犠牲層が一つの工程
で形成されるので電界放出型電子素子の製造における効
率化が可能となった。かかる場合、空洞のシリコンSi
基板面の金属層は熱処理により珪化金属に形成されてい
るために、不用なエミッタ材料をリフトオフするために
ゲート層上面の金属層をエッチング除去しても、珪化金
属は除去されないのでエミッタもリフトオフされずに接
触抵抗を低減した電界放出型電子素子を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態に係る電界放出型電子
素子の製造工程を、(a)〜(g)で説明する断面図で
ある。
【図2】本発明の第2実施の形態に係る電界放出型電子
素子の製造工程を、(a)〜(i)で説明する断面図で
ある。
【図3】従来の電界放出型電子素子の製造工程を、
(a)〜(f)で説明する断面図である。
【符号の説明】
11 シリコンSi基板 12 酸化シリコンSiO2層 13 窒化チタンTiN層 16 モリブデンMoエミッタ 17 チタンTi層 17a 張り出し部 18 珪化チタンTiSi2層 20 電界放出型電子素子 A2 凹部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコンSi基板上に電界放出の原理に
    基づき電子放出するエミッタ用冷陰極チップを有する電
    界放出型電子素子において、エミッタ冷陰極チップとシ
    リコンSi基板との間に珪化金属を配することを特徴と
    する電界放出型電子素子。
  2. 【請求項2】 珪化金属が、シリコンSi基板のシリコ
    ンSiと金属との反応により形成されることを特徴とす
    る請求項1に記載の電界放出型電子素子。
  3. 【請求項3】 珪化金属が、珪化チタンTiSi2、珪
    化ジルコニウムZrSi2、珪化ハフニウムHfSi2、
    珪化コバルトCoSi2、又は珪化白金PtSi2のいづ
    れか1の珪化金属であることを特徴とする請求項1また
    は請求項2に記載の電界放出型電子素子。
  4. 【請求項4】 シリコンSi基板上に絶縁層と導電性の
    ゲート層を形成する工程と、前記の絶縁層とゲート層に
    エミッタ形成用の空洞を形成する工程と、エミッタ形成
    用の空洞内のシリコンSi基板上に珪化金属形成用金属
    層を形成する工程と、熱処理によりエミッタ形成用の空
    洞内の珪化金属形成用金属を珪化金属にする工程と、エ
    ミッタ材料を堆積することにより空洞内にエミッタを形
    成する工程とを備える電界放出型電子素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 シリコンSi基板上に絶縁層と導電性の
    ゲート層を形成する工程と、前記の絶縁層とゲート層に
    エミッタ形成用の空洞を形成する工程と、該空洞内のシ
    リコンSi基板面及び前記空洞の縁に張り出し部を形成
    するように前記ゲート層上面に対して金属層を形成する
    工程と、熱処理により前記空洞内のシリコンSi基板面
    上の金属層を珪化金属層とする工程と、前記珪化金属層
    上にエミッタ材料を堆積することにより空洞内にエミッ
    タを形成する工程と、未反応の前記ゲート層上面の金属
    層を除去する工程とを備える電界放出型電子素子の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 シリコンSi基板上に絶縁層と導電性の
    ゲート層を形成する工程と、前記の絶縁層とゲート層に
    エミッタ形成用の空洞を形成する工程と、前記空洞内に
    珪化金属形成用金属層を形成する工程と、熱処理により
    珪化金属形成用金属のシリコンSiとの接触部のみを珪
    化金属にする工程と、未反応である不用の珪化金属形成
    用金属を除去する工程と、前記ゲート層上面とエミッタ
    形成用空洞の縁に張り出すように犠牲層を形成する工程
    と、エミッタ材料を堆積して空洞にエミッタを形成する
    工程と、前記犠牲層を除去する工程とを備える電界放出
    型電子素子の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100421675B1 (ko) * 2001-07-12 2004-03-12 엘지전자 주식회사 전계 방출 표시 소자 및 그 제조방법
KR100441489B1 (ko) * 2001-10-06 2004-07-23 전국진 마이크로 히팅 구조를 갖는 전계방출소자 및 그 제조방법
JP2004221073A (ja) * 2002-12-27 2004-08-05 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 電界放出素子及びその作製方法
KR100706513B1 (ko) * 2001-04-11 2007-04-11 엘지전자 주식회사 전계방출소자

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