JP2000173444A - 電界放出型冷陰極及びその製造方法 - Google Patents

電界放出型冷陰極及びその製造方法

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JP2000173444A
JP2000173444A JP34504898A JP34504898A JP2000173444A JP 2000173444 A JP2000173444 A JP 2000173444A JP 34504898 A JP34504898 A JP 34504898A JP 34504898 A JP34504898 A JP 34504898A JP 2000173444 A JP2000173444 A JP 2000173444A
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Tetsuya Tada
哲也 多田
Toshihiko Kanayama
敏彦 金山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率的に電子を放出することができ、かつ特
性のばらつきが少ない電界放出型冷陰極、及びこのもの
を制御性及び再現性よく製造する方法を提供する。 【解決手段】 基板上に形成された複数の微細柱状チッ
プと、そのチップの先端部に担持された柱の先端径より
も小さい径をもつ金属又は金属化合物のクラスターから
なる電界放出型冷陰極であって、該基板上に予め凝縮核
として金属クラスターを形成させたのち、基板温度をエ
ッチングガス、エッチングガスと基板物質との反応生成
物及びエッチングガスからの反応生成物の少なくとも1
種が凝縮を開始する温度に設定し、基板をドライエッチ
ング処理することにより、製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な電界放出型
冷陰極及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、本
発明は、ナノメータースケールの直径を有する微細柱状
チップとその先端部に担持された柱の先端径よりも小さ
い径をもつ金属又は金属化合物のクラスターとからな
り、効率的に電子を放出することができ、各種の素子や
装置の電子源、特にフラットパネルディスプレイ用平面
電子源などとして有用な電界放出型冷陰極、及びこのも
のを制御性及び再現性よく製造する方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】電界放出型冷陰極とは、加熱することな
しに電界を印加することにより、電子が放出される陰極
のことであって、各種の素子や装置の電子源として注目
されており、これまでその材料として、例えばケイ素、
モリブデン、カーボンなどが検討されてきた。
【0003】この電界放出型冷陰極においては、電界の
印加により、電子が放出されるため、この電子放出を効
率的に行うには、電子放出部分に電界集中が起こるよう
に、先端が微細で、アスペクト比の高い構造であること
が必要である。したがって、従来、以下に示す冷陰極チ
ップを作製するプロセスが用いられてきた。
【0004】図1は、電界放出型冷陰極における冷陰極
チップを作製するための従来のプロセスの異なる例を示
す説明図であって、図1(a)で示されるように、マス
ク2を設けた基板1を等方性エッチング処理する方法
や、図1(b)で示されるように、マスク2を設けた基
板1に蒸着を施す方法(3は堆積物)などを用いて、先
端を電界集中が効率的に起こるような形状にしてきた。
【0005】しかしながら、図1(a)で示す方法にお
いては、エッチング処理がマスクパターンに忠実でな
く、下面に回り込んで進行するという原理によるプロセ
スであるために、また、図1(b)で示す方法において
は、斜め蒸着による蒸着マスク側面への堆積であるため
に、再現性が劣り、特性がばらつくのを免れないという
欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、効率的に電子を放出することができ、か
つ特性のばらつきが少ない新規な電界放出型冷陰極、及
びこのものを広い面積にわたって、制御性及び再現性よ
く製造する方法を提供することを目的としてなされたも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、効率的に
電子を放出しうる新規な電界放出型冷陰極について鋭意
研究を重ねた結果、基板上に、先端部に柱の先端径より
も小さい径をもつ金属又は金属化合物のクラスターが担
持された直径がナノメータースケールの複数の微細柱状
チップを有するものが、電界放出型冷陰極として前記目
的に適合しうることを見出した。そして、基板上に、予
め凝縮核として金属クラスターを形成させておき、基板
温度を、エッチングガス、エッチングガスと基板物質と
の反応生成物及びエッチングガスからの反応生成物の少
なくとも1種が凝縮を開始する温度に設定し、基板をド
ライエッチング処理すると、上記凝縮核を中心に、エッ
チングガス又は該反応生成物が部分的に凝縮し、これが
エッチングに対するナノメータースケールの微細なマス
クとなり、先端部に柱の先端径よりも小さい径をもつ金
属又は金属化合物のクラスターを担持した直径がナノメ
ータースケールの複数の微細柱状チップが形成されるこ
とにより、特性のばらつきがなく、かつ効率的に電子を
放出しうる電界放出型冷陰極が、広い面積にわたって制
御性及び再現性よく得られることを見出した。本発明
は、かかる知見に基づいて完成したものである。
【0008】すなわち、本発明は、基板上に形成された
複数の微細柱状チップと、そのチップの先端部に担持さ
れた柱の先端径よりも小さい径をもつ金属又は金属化合
物のクラスターからなる電界放出型冷陰極を提供するも
のである。
【0009】上記電界放出型冷陰極は、本発明に従え
ば、基板上に予め凝縮核として金属クラスターを形成さ
せたのち、基板温度をエッチングガス、エッチングガス
と基板物質との反応生成物及びエッチングガスからの反
応生成物の少なくとも1種が凝縮を開始する温度に設定
し、基板をドライエッチング処理して、基板上にその先
端部に柱の先端径よりも小さい径をもつ金属又は金属化
合物のクラスターを担持した複数の微細柱状チップを形
成させることにより、製造することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる基板と
しては、エッチング可能な材料からなるものであればよ
く、特に制限はないが、このような基板の中で、特にシ
リコン基板が好ましい。
【0011】本発明の電界放出型冷陰極は、上記基板上
に、先端部に柱の先端径よりも小さい径をもつ金属又は
金属化合物のクラスターが担持された複数の微細柱状チ
ップを有するものである。この金属クラスターとして
は、導電性を有する金属のクラスター、例えば金クラス
ターがあり、金属化合物のクラスターとしては銀、鉄、
銅の硫化物、酸化物などがある。この金属クラスター
は、単一金属からなるものであってもよいし、2種以上
の金属の混合物又は複合物からなるものであってもよ
い。なお、クラスターとは、数個から数百万個の原子が
凝縮してできた粒子のことである。また、前記の微細柱
状チップの形状としては、平均直径が10〜30nmの
範囲にあり、かつ高さが50〜200nmの範囲にあっ
て、アスペクト比の高いものが、電子が効率的に放出さ
れる点から有利である。
【0012】このような構造の本発明の電界放出型冷陰
極は、特性のばらつきが少なく、かつ電子を効率的に放
出することができ、各種素子や装置の電子源、特にフラ
ットパネルディスプレイ用平面電子源などとして有用で
ある。
【0013】本発明の電界放出型冷陰極の製造方法とし
ては、前記構造のものが得られる方法であればよく、特
に制限はないが、以下に示す本発明方法に従えば、前記
の優れた性能を有する電界放出型冷陰極を、広い面積に
わたって、制御性及び再現性よく製造することができ
る。
【0014】本発明方法においては、まず、前記基板上
に、凝縮核として金属クラスター、例えば金クラスタ
ー、銀クラスター、鉄クラスター又は銅クラスター、特
に好ましくは金クラスター又は鉄クラスターを形成させ
る。この金属クラスターの形成方法としては、金属クラ
スターの形成に慣用されている種々の方法を用いること
ができる。例えばガス中蒸発法として知られる不活性ガ
ス中での蒸発により予めクラスターを形成してから、こ
れを基板上に堆積する方法、液相からの沈殿法により予
めクラスターを形成してから、これを基板上に堆積する
方法などがある。また、金属原子を基板表面全体にわた
って蒸着させ、拡散を利用して金属クラスターを形成さ
せることもできる。さらに、位置の制御されたクラスタ
ーパターンを得ようとする場合には、リソグラフィー技
術により直径5〜100nm程度の基板が露出した所望
パターンのレジスト膜を形成させ、これに金属を真空蒸
着法やスパッタリング法などの手段により蒸着させ、基
板上で金属原子を表面拡散させてクラスターを形成した
のち、レジスト膜を除去する。このような方法により、
基板上に凝縮核として金属クラスターを容易に形成させ
ることができる。
【0015】この金属クラスターの大きさは、通常直径
1〜数十ナノメーターの範囲であり、製造過程を制御す
ることにより、この範囲に調整することができる。この
金属クラスターは、それ自体ドライエッチング処理に対
し、十分に耐性を有していないが、本発明においては、
以下に示すように基板温度を特定の温度に設定してドラ
イエッチング処理することにより、エッチングガスや反
応生成物が、金属クラスターを中心に部分的に凝縮し、
これがエッチングに対するナノメータースケールの微細
なマスクとなり、微細柱状チップが形成される。
【0016】本発明方法においては、上記のようにして
基板上に予め凝縮核として金属クラスターを形成させた
のち、ドライエッチング処理を施すが、この際、基板温
度を、エッチングガス、エッチングガスと基板物質との
反応生成物及びエッチングガスからの反応生成物の少な
くとも1種が凝縮を開始する温度(以下、凝縮開始温度
と称す)に設定することが必要である。この凝縮開始温
度でドライエッチング処理を行えば、エッチングガス、
エッチングガスと基板物質との反応生成物及びエッチン
グガスからの反応生成物の少なくとも1種が、該凝縮核
を中心に凝縮し、これがエッチングに対するナノメータ
ースケールの微細なマスクとなり、凝縮核が設けられて
いない部分が選択的にエッチングされ、先端部に柱の先
端径よりも小さい径をもつ金属又は金属化合物のクラス
ターを担持した複数の微細柱状チップを形成することが
できる。
【0017】本発明においては、前記凝縮核として、金
属クラスターが用いられるが、この金属クラスターは、
凝縮核として作用する能力が特に優れ、かつその大きさ
の制御が容易であるため、エッチング条件を厳正に制御
することにより、ほぼ100%近い効率で凝縮核として
作用させることが可能である。このように本発明におい
ては、微細柱状チップの形成とともに、柱の先端径より
も小さい径をもつクラスターが先端部に担持された構造
が自動的に形成され、このため電界集中が起りやすくな
るという特徴がある。
【0018】次に、本発明方法を添付図面に従って説明
する。図2は、本発明により電界放出型冷陰極を製造す
る方法の1例の工程説明図であって、まず、基板1上
に、凝縮核として金属クラスター4を形成させ(イ)、
次いで基板温度を凝縮開始温度に設定し、ドライエッチ
ング処理を行う。エッチングガス、エッチングガスと基
板物質との反応生成物及びエッチングガスからの反応生
成物の少なくとも1種が、金属クラスター4の凝縮核を
中心に凝縮し、凝縮物5を形成する(ロ)。この凝縮物
5がエッチングに対するナノメータースケールの微細な
マスクとなり、凝縮核が設けられていない部分が選択的
にエッチングされ、先端部に柱の先端径よりも小さい径
をもつ金属又は金属化合物のクラスター4を担持した複
数の微細柱状チップ6が形成して、所望の電界放出型冷
陰極が得られる(ハ)。ここで、ドライエッチング処理
とは、エッチングガスと基板との反応により、蒸気圧の
高い反応生成物を形成させることで、基板をエッチング
することである。このドライエッチング処理は、一般に
は減圧気相下で行われ、また、反応活性種を生成させる
ために、プラズマが用いられることが多い。
【0019】このドライエッチング処理においては、反
応活性種が基板に当たり、反応生成物が脱離することに
よってエッチングが進行する。また、このドライエッチ
ング処理中には、プラズマ中でエッチングガス同士の反
応により、反応生成物が形成される。エッチング処理中
に、基板が凝縮温度に冷却されていると、基板表面に反
応生成物又はエッチングガスが凝縮する。しかし、この
凝縮は基板全面に一様に起こるのではなく、基板上に形
成された金属クラスターを核として凝縮を開始する。凝
縮開始温度は、ガスの種類とその圧力、基板の種類、プ
ラズマの密度とその温度及び基板状態に依存する。基板
温度を低くしすぎると凝縮が全面に起こってしまい、エ
ッチングが全く進まなくなる。一方、基板温度が高すぎ
ると凝縮が起こらず、基板全面が一様にエッチングされ
る。したがって、基板温度はこの中間の凝縮核が存在す
る場所にのみ凝縮が起こる温度に設定することが肝要で
ある。この凝縮核に凝縮した凝縮物の大きさは、凝縮核
の化学種、基板温度や基板と凝縮物との親和性、エッチ
ングガスの圧力などに左右されるが、条件を制御するこ
とにより、凝縮核の大きさによらず、比較的揃ったもの
が得られる。この凝縮物は、エッチングに対するマスク
として作用し、条件により、10nm程度の大きさに揃
えることができるので、本発明方法は、10nmスケー
ルのアスペクト比の高い柱状構造をした冷陰極チップを
形成する場合に威力を発揮する。また、その大きさが凝
縮核の大きさによらず揃うことから、各冷陰極チップの
特性がばらつかないという特徴がある。
【0020】本発明方法においては、表面に金属クラス
ターからなる凝縮核が設けられた基板に対して、凝縮開
始温度でドライエッチング処理を施すが、このドライエ
ッチング処理方法としては、特に電子サイクロトロン共
鳴型(ECR)エッチング装置を使用する方法が有利で
ある。この方法によると、イオンのエネルギーを余り高
くすることなく、エッチングを行うことが可能であるた
め、金属クラスター、あるいは凝縮核に付着したエッチ
ングガス又は反応生成物の凝縮物をイオン衝撃で破壊す
ることなく、マスクとして作用させることができる。ま
た、エッチングガスとしては基板としてシリコン基板を
用いる場合には、例えばCF4、CF4−O2、CCl4
CBrF3、CF3Cl、NF3、SF6などを用いること
ができるが、これらの中で、特にSF6が好適である。
【0021】本発明において、凝縮核として形成される
金属クラスターの中で、金クラスターは、先端径の小さ
い柱状チップを形成することができ、また鉄クラスター
は、極めてアスペクト比の高い柱状チップを形成できる
ので好適である。
【0022】このような本発明の電界放出型冷陰極の製
造方法によれば、先端径が10nm程度の超微細柱状チ
ップを大量に形成することができるので、従来技術にお
ける1μm程度の領域に1チップという構成に対して、
同程度の領域に数千ものチップを容易に形成することが
できる。このことは、ディスプレイを作製した場合、従
来の1画素当り数本から数十本のチップで構成した場合
と比べ、数万から数十万本のチップで構成することがで
き、その分、信頼性と寿命を格段に向上させることがで
きる。すなわち、従来、冷陰極チップの1つが破損した
場合ですら画素に大きな影響がでたのに比べ、本発明の
ように数万から数十万本のチップで1ドットの画像を構
成した場合、1チップの破損ではなんら画像に影響を与
えない。
【0023】
【発明の効果】本発明の電界放出型冷陰極は、ナノメー
タースケールの直径を有する微細柱状チップとその先端
部に担持された柱の先端径よりも小さい径をもつ金属又
は金属化合物のクラスターとからなり、電界集中が起り
やすいという特徴を示す上に、特性のばらつきが少な
く、効率的に電子を放出することができ、各種の素子や
装置の電子源、特にフラットパネルディスプレイ用平面
電子源などとして有用である。また、本発明方法によれ
ば、サイズの揃った直径がナノメータースケールの微細
柱状チップを高密度に形成することができ、信頼性と寿
命の向上した電界放出型冷陰極が得られる。また、この
電界放出型冷陰極を、広い面積にわたって、制御性及び
再現性よく製造することができる。
【0024】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。
【0025】実施例1 8mm×8mmサイズのシリコン基板全面に、ガス中蒸
発法によって作製した直径約1nmの金クラスターを、
50nm×50nmに数個の密度で堆積させた。次に、
前記試料を電子サイクロトロン共鳴型(ECR)エッチ
ング装置内に入れ、クラスターを凝縮核としてドライエ
ッチング処理(エッチングガス:SF61×10-4To
rr、マイクロ波:2.45GHz、250W、試料に
13.56MHzの高周波0.5W/cm2を印加、試
料温度−135℃)を30秒間行った。なお、この試料
温度は、SF6の反応生成物が凝縮を開始する温度であ
る。エッチング処理後、金クラスターを堆積した基板上
には、先端部に該クラスターを担持した平均直径10n
m、高さ70nmの微細柱状チップが形成された。図3
に、形成された柱状チップの直径の分布をヒストグラフ
で示す。直径の標準偏差は1.3nmと極めて狭く、従
来の方法で得られたものに比べて、優れた特性を有する
ことが分かる。このようにして得られた電界放出型冷陰
極に、真空中で100μmのギャップをあけてアノード
を設置し、電界を印加したところ、5V/μmという弱
い電界からエミッション電流が生じ、25V/μmで、
80μA/cm2という大きな電流を得ることができ
た。これは、先端径が10nmオーダーのアスペクト比
の高い柱状チップを大量に作製できたからである。
【0026】実施例2 8mm×8mmサイズのシリコン基板全面に、鉄原子を
平均厚さ0.1nmに蒸着させ、拡散させて直径約1n
mの鉄クラスターを、50nm×50nm当り数個の密
度で堆積させた。次に、前記試料を電子サイクロトロン
共鳴型(ECR)エッチング装置内に入れ、クラスター
を凝縮核としてドライエッチング処理(エッチングガ
ス:SF61×10-4Torr、マイクロ波:2.45
GHz、250W、試料に13.56MHzの高周波
0.65W/cm2を印加、試料温度−138℃)を2
分間行った。エッチング処理後、鉄クラスターを堆積し
た基板上には、先端部に該鉄化合物のクラスターを担持
した平均直径16nm、高さ160nmという極めてア
スペクト比の高い微細柱状チップが形成された。図4
に、形成された柱状チップの直径の分布をヒストグラフ
で示す。また、実施例1と同じように金クラスターを堆
積し、上記と同じエッチング条件でドライエッチング処
理したところ、多くの金クラスターはエッチングに耐え
ることができず、クラスター密度の10%程度の柱状チ
ップ(直径10nm、高さ150nm)しか形成されな
かった。このようにして、鉄クラスターを用いて得られ
た電界放出型冷陰極に、実施例1と同様に、100μm
のギャップをあけてアノードを設け、電界をかけたとこ
ろ、5V/μmという弱い電界からエミッション電流が
生じ、25V/μmで、125μA/cm2という大き
な電流を得ることができた。図5に、この冷陰極の電界
−電流特性をグラフで示す。これは、先端径が10nm
オーダーのアスペクト比の高い冷陰極チップを大量に作
製できたからである。
【0027】実施例3 8mm×8mmサイズのシリコン基板全面に、ガス中蒸
発法によって作製した直径約1nmの銀クラスターを、
50nm×50nmに数個の密度で堆積した。次に、前
記試料を電子サイクロトロン共鳴型(ECR)エッチン
グ装置内に入れ、クラスターを凝縮核としてドライエッ
チング処理(エッチングガス:SF61×10-4Tor
r、マイクロ波:2.45GHz、250W、試料に1
3.56MHzの高周波0.5W/cm2を印加、試料
温度−135℃)を30秒間行った。エッチング処理
後、銀クラスターを堆積した基板上には、先端部に銀ク
ラスターを担持した平均直径20nm、高さ70nmの
微細柱状チップが形成された。このようにして、銀クラ
スターを用いて得られた電界放出型冷陰極に、実施例1
と同様に、100μmのギャップをあけてアノードを設
け、電界をかけたところ、25V/μmで、50μA/
cm2の電流を得ることができた。
【0028】実施例4 実施例3において、銀クラスターの代わりに銅クラスタ
ーを用い、実施例3と同様にしてドライエッチング処理
を行った。エッチング処理後、銅クラスターを堆積した
基板上には、先端部に銅化合物のクラスターを担持した
平均直径24nm、高さ70nmの微細柱状チップが形
成された。このようにして、銅クラスターを用いて得ら
れた電界放出型冷陰極に、実施例1と同様に、100μ
mのギャップをあけてアノードを設け、電界をかけたと
ころ、25V/μmで、40μA/cm2の電流を得る
ことができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電界放出型冷陰極における冷陰極チップを作
製するための従来のプロセスの異なる例を示す説明図。
【図2】 本発明により電界放出型冷陰極を製造する方
法の1例の工程説明図。
【図3】 実施例1で得られた電界放出型冷陰極におけ
る柱状チップの直径の分布を示すヒストグラフ。
【図4】 実施例2で得られた電界放出型冷陰極におけ
る柱状チップの直径の分布を示すヒストグラフ。
【図5】 実施例2で得られた電界放出型冷陰極の電界
−電流特性を示すグラフ。
【符号の説明】
1 基板 2 マスク 3 堆積物 4 金属クラスター 5 凝縮物 6 微細柱状チップ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された複数の微細柱状チッ
    プと、そのチップの先端部に担持された柱の先端径より
    も小さい径をもつ金属又は金属化合物のクラスターから
    なる電界放出型冷陰極。
  2. 【請求項2】 基板がシリコン基板である請求項1記載
    の電界放出型冷陰極。
  3. 【請求項3】 金属のクラスターが金クラスターである
    請求項1又は2記載の電界放出型冷陰極。
  4. 【請求項4】 金属化合物のクラスターが、銀、鉄又は
    銅のクラスターである請求項1又は2記載の電界放出型
    冷陰極。
  5. 【請求項5】 微細柱状チップが平均直径10〜30n
    m、高さ50〜200nmを有する請求項1ないし4の
    いずれかに記載の電界放出型冷陰極。
  6. 【請求項6】 基板上に予め凝縮核として金属クラスタ
    ーを形成させたのち、基板温度をエッチングガス、エッ
    チングガスと基板物質との反応生成物及びエッチングガ
    スからの反応生成物の少なくとも1種が凝縮を開始する
    温度に設定し、基板をドライエッチング処理して、基板
    上にその先端部に柱の先端径よりも小さい径をもつ金属
    又は金属化合物のクラスターを担持した複数の微細柱状
    チップを形成させることを特徴とする電界放出型冷陰極
    の製造方法。
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