JP2001015012A - 電界放出型冷陰極の製造方法 - Google Patents

電界放出型冷陰極の製造方法

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JP2001015012A
JP2001015012A JP18455999A JP18455999A JP2001015012A JP 2001015012 A JP2001015012 A JP 2001015012A JP 18455999 A JP18455999 A JP 18455999A JP 18455999 A JP18455999 A JP 18455999A JP 2001015012 A JP2001015012 A JP 2001015012A
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emitter
gate
carbon film
cold cathode
film
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Masayuki Yoshiki
政行 吉木
Hisashi Takemura
久 武村
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NEC Corp
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NEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゲート、炭素膜のエミッタを有する電界放出
型冷陰極において、エミッションしきい値電圧の低い、
電流密度の高い電界放出型冷陰極とそれをより簡単なプ
ロセスで作製できる製造方法を提供する。 【解決手段】 炭素膜からなるエミッタを先端が先鋭な
針状の突起構造とすること、ごく近傍にゲートを形成す
ることによって、エミッタ先端への電界強度が高くな
り、更にその微細な針状エミッタをエミッタ領域一面に
均一に形成することにより、しきい値電圧を低くし、電
流密度を高くすることができる。また、ゲートと炭素膜
のエミッタを有する電界放出型冷陰極をフォトリソグラ
フィプロセス一回のみの使用によって、容易に作製する
ことができる。特に、水素プラズマ処理を用いることに
より、ゲート上に堆積したグラファイト系炭素膜の除去
とダイアモンド系炭素膜あるいはダイアモンド膜を針状
構造にするプロセスを同時に行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電界放出型冷陰極の製造
方法に関し、特に炭素膜のエミッタ、ゲート、絶縁膜を
有しかつ針状構造のエミッタを有する電界放出型冷陰極
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、薄型ディスプレイ用の電子銃とし
て電界放出型冷陰極が注目されている。従来の電界放出
型冷陰極としては、シリコンやモリブデンなどで作製さ
れたコーン形エミッタの先端からゲート電極に電圧をか
けることによって発生する電界で電子放出させるものが
主流であった。この電界放出型冷陰極では、ゲートをエ
ミッタのごく近傍に形成することや、エミッタを微細化
することにより低電圧化及び高集積化が行われてきた。
【0003】また、最近では低電圧から電子放出するこ
とが知られているダイアモンド系炭素膜(ダイアモン
ド、ダイアモンドライクカーボン等)をエミッタとして
用いることが提案されてきている。この様な材料を用い
ることにより、平面膜のままで電子放出させることが考
えられるようになってきた。また、電子を引き出すため
のゲートをエミッタの近傍に備えることにより、低電圧
化、電流制御性向上を達成することができる。この冷陰
極を使用することによってプロセスを簡単にでき、大画
面のディスプレイを容易に作製できることが期待されて
いる。
【0004】ゲート電極を有するダイアモンドを用いた
冷陰極は、例えば特開平10−40805号公報で提案
されている。図4に、この冷陰極の断面図を示す。この
方法では、基板上に形成した導電層、二酸化シリコンを
パターニングした後に、レジストが残っている状態で、
平均粒径が0.2μm以下の粒子状のダイアモンドを含
む溶液を基板上に塗布し、乾燥させる。レジストを除去
すると導電層上にだけダイアモンド粒子が残っている。
このダイアモンド粒子上に、気相合成法等でダイアモン
ド相を形成する。最後に、ゲートとなるアルミニウム膜
を形成する。尚、形成方法については述べていない。こ
の冷陰極は印加電圧30Vで電子放出を確認している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ゲートを有する炭素膜
の電界放出型冷陰極を作製するときの問題点はしきい値
電圧を如何にして下げ、エミッション電流密度を如何に
して上げるかということである。特開平10−4080
5号公報で提案されている例では、エミッタにダイアモ
ンド粒子あるいはそれを気相合成法などで、ダイアモン
ド粒子に更にダイアモンド層を積層させたものを用い
て、30Vという低い電圧から電子放出を確認してい
る。しかし、ダイアモンド粒子の分布があるためにエミ
ッションポイントが疎らになり、電流密度を高めること
に限界があった。また、別の問題として、従来例では、
エミッタを形成した後ゲート穴をあけることを提案して
いたため、フォトリソグラフィ技術を使うことが必要と
なり、エミッタパターンとゲート穴の位置がずれたりす
る、いわゆる目ずれ現象が起こる可能性があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めには、ゲートをエミッタのごく近傍に形成し、さらに
エミッタである炭素膜の表面あるいは炭素膜全体を針状
の突起構造にし、電界強度を高めて電子放出しやすくし
てやればよい。また、ゲート膜をパターニングしてお
き、最後にフォトリソグラフィ技術を使わずに炭素膜を
形成する方がプロセスを簡単にすることができる。
【0007】そこで、本発明によれば、炭素膜のエミッ
タとそれを取り巻くように形成されたゲート、エミッタ
とゲートを電気的に絶縁する絶縁膜を有する電界放出型
冷陰極の製造方法において、炭素膜を全面に成長させた
後、水素プラズマ処理を用いて、エミッタ成膜の時ゲー
ト上に形成された炭素膜を除去し、同時にエミッタ表面
を針状の突起構造にすることを特徴とする電界放出型冷
陰極の製造方法が得られる。
【0008】本発明によれば、炭素膜のエミッタとそれ
を取り巻くように形成されたゲート、エミッタとゲート
を電気的に絶縁する絶縁膜を有する電界放出型冷陰極の
製造方法であって、基板上に絶縁膜及びゲートをこの順
に形成する工程と、前記ゲート及び絶縁膜を同時に選択
的に除去する工程と、しかる後に、炭素膜を全面に成長
させる工程と、水素プラズマ処理を用いて、前記ゲート
膜上の炭素膜を除去すると同時に、前記基板上の炭素膜
であるエミッタ表面を針状の突起構造にする工程とを含
むことを特徴とする電界放出型冷陰極の製造方法が得ら
れる。
【0009】本発明によれば、炭素膜のエミッタとそれ
を取り巻くように形成されたゲート、エミッタとゲート
を電気的に絶縁する絶縁膜を有する電界放出型冷陰極の
製造方法において、炭素膜を全面に成長させた後、酸素
プラズマ処理を用いて、エミッタ成膜の時ゲート上に形
成された炭素膜を除去し、さらに水素プラズマ処理を用
いてエミッタ表面を針状の突起構造にすることを特徴と
する電界放出型冷陰極の製造方法が得られる。
【0010】本発明によれば、炭素膜のエミッタとそれ
を取り巻くように形成されたゲート、エミッタとゲート
を電気的に絶縁する絶縁膜を有する電界放出型冷陰極の
製造方法であって、基板上に絶縁膜及びゲートをこの順
に形成する工程と、前記ゲート及び絶縁膜を同時に選択
的に除去する工程と、しかる後に、炭素膜を全面に成長
させる工程と、酸素プラズマ処理を用いて、エミッタ成
膜の時ゲート上に形成された炭素膜を除去する工程と、
水素プラズマ処理を用いて、基板上の炭素膜であるエミ
ッタ表面を針状の突起構造にする工程とを含むことを特
徴とする電界放出型冷陰極の製造方法が得られる。
【0011】本発明によれば、炭素膜のエミッタとそれ
を取り巻くように形成されたゲート、エミッタとゲート
を電気的に絶縁する絶縁膜を有する電界放出型冷陰極の
製造方法において、炭素膜を全面に成長させた後、水素
プラズマ処理を用いて、エミッタ成膜の時ゲート上に形
成された炭素膜を除去し、同時にエミッタを針状の突起
構造にすることを特徴とする電界放出型冷陰極の製造方
法が得られる。
【0012】本発明によれば、炭素膜のエミッタとそれ
を取り巻くように形成されたゲート、エミッタとゲート
を電気的に絶縁する絶縁膜を有する電界放出型冷陰極の
製造方法であって、基板上に絶縁膜及びゲートをこの順
に形成する工程と、前記ゲート及び絶縁膜を同時に選択
的に除去する工程と、しかる後に、炭素膜を全面に成長
させる工程と、水素プラズマ処理を用いて、前記ゲート
膜上の炭素膜を除去すると同時に、前記基板上の炭素膜
であるエミッタを針状の突起構造にする工程とを含むこ
とを特徴とする電界放出型冷陰極の製造方法が得られ
る。
【0013】本発明によれば、炭素膜のエミッタとそれ
を取り巻くように形成されたゲート、エミッタとゲート
を電気的に絶縁する絶縁膜を有する電界放出型冷陰極の
製造方法において、炭素膜を全面に成長させた後、酸素
プズマ処理を用いて、エミッタ成膜の時ゲート上に形成
された炭素膜を除去し、さらに水素プラズマ処理を用い
てエミッタを針状の突起構造にすることを特徴とする電
界放出型冷陰極の製造方法がえられる。
【0014】本発明によれば、炭素膜のエミッタとそれ
を取り巻くように形成されたゲート、エミッタとゲート
を電気的に絶縁する絶縁膜を有する電界放出型冷陰極の
製造方法であって、基板上に絶縁膜及びゲートをこの順
に形成する工程と、前記ゲート及び絶縁膜を同時に選択
的に除去する工程と、しかる後に、炭素膜を全面に成長
させる工程と、酸素プラズマ処理を用いて、エミッタ成
膜の時ゲート上に形成された炭素膜を除去する工程と、
水素プラズマ処理を用いて、基板上の炭素膜であるエミ
ッタを針状の突起構造にする工程とを含むことを特徴と
する電界放出型冷陰極の製造方法が得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の詳細を図示の実
施例によって説明する。図1は本発明の第一の実施例と
なる電界放出型冷陰極を示した断面図であり、図4と同
等部分は同一符号にて示している。本冷陰極は、主な構
成部分として基板1と、電子放出するエミッタとなる炭
素膜2と、電子放出させるためのゲート膜3と、絶縁膜
4とを有している。エミッタとなる炭素膜の表面は先鋭
な先端をもつ針状の突起構造で覆われている。針状の突
起構造は1nmから200nmの底面の幅を有する円錐
状あるいは角錐状となっており、高さは10nmから1
μmである。先端が先鋭であるので電界集中しやすく、
電子放出が低電圧から得られる。この針状の密度は25
個/μm2 〜100万個/μm2 である。
【0016】図2は図1に示した本発明の第一の実施例
を作製するためのプロセスの一つを示したものである。
図2(a)に示すように、最初に基板1上に1μm厚の
絶縁膜4、200nm厚のゲート膜3を形成する。フォ
トリソグラフィ技術を用いて1μm径のゲート穴をパタ
ーニングした後、当該フォトリソグラフィのためのレジ
スト5が付いた状態で、ダイアモンド粒子(粒径1μm
以下)を含むエチルアルコール中で超音波処理を施し、
基板表面にダイアモンド粒子6を疎らに付着させておく
(図2(b))。
【0017】レジスト5を除去して後、熱フィラメント
CVD法で基板温度約600℃、メタン/水素比50〜
75%、全ガス圧5〜10Torrの条件で、ダイアモ
ンド系炭素膜を500nmほど成膜する。すると、基板
上には、ダイアモンド系炭素膜7が成長するが、ゲート
膜3上には、グラファイト系炭素膜8が100nm以下
の膜厚で薄く形成される(図2(c))。最後に、水素
ガス10−4〜10−3Torrの圧力下で、約850
〜900Gの磁場と約2.5GHzのマイクロ波を印加
したECRプラズマを約500Wの出力で発生させ、表
面処理することにより、ゲート膜3上のグラファイト系
炭素膜8を簡単に除去し、同時にダイアモンド系炭素膜
7の表面を針状の突起構造にし、本発明の電界放出型冷
陰極を作製することができる(図2(d))。
【0018】このプロセスを用いると、針状の突起構造
を表面にもつ炭素膜からなるエミッタを有する電界放出
型冷陰極を作製でき、従来例と比べ低電圧化、電流の高
密度化が可能になる。また、フォトリソグラフィ技術は
一回のみの使用となり、従来例で問題となったゲートと
エミッタの目ずれ等の心配もなくなり、プロセスもより
簡単化される。更に、ゲート膜3上のグラファイト系炭
素膜8を、針状の突起構造のための処理と同時に除去で
きるという効果もある。
【0019】本発明の第二の実施例を以下に示す。図3
はこの第二の実施例の電界放出型冷陰極を示す断面図で
ある。上記の第一の実施例と同じプロセスを行って冷陰
極を作製するのであるが、第一の実施例と同じ条件での
水素プラズマ処理をより長めにして、ダイアモンド系炭
素膜全体を針状構造にし、本発明の電界放出型冷陰極を
作製することができる。
【0020】このプロセスを用いると、針状の突起構造
の炭素膜からなるエミッタを有する電界放出型冷陰極を
作製でき、従来例と比べ低電圧化、電流の高密度化が可
能になる。第一の実施例に比べ、針状構造までの炭素層
がないので基板からの電子供給がよりスムーズに行わ
れ、より低電圧化することができる。また、フォトリソ
グラフィ技術は一回のみの使用となり、従来例で問題と
なったゲートとエミッタの目ずれ等の心配もなくなり、
プロセスもより簡単化される。更に、ゲート膜3上のグ
ラファイト系炭素膜8を、針状の突起構造のための処理
と同時に除去できるという効果もある。
【0021】本発明の第三の実施例を以下に示す。ダイ
アモンド系炭素膜7を形成するまで上記第一の実施例と
同じプロセスを行った後、酸素ガス10−5〜10−4
Torrの圧力下で、約850〜900Gの磁場と約
2.5GHzのマイクロ波を印加したECRプラズマを
約500Wの出力で発生させ、表面処理することにより
ゲート膜3上に付着しているグラファイト系炭素膜8を
除去する。さらに水素ガス10−4〜10−3Torr
の圧力下で約850〜900Gの磁場と約2.5GHz
のマイクロ波を印加したECRプラズマを約500Wの
出力で発生させ、表面処理することによりダイアモンド
系炭素膜の表面を針状構造にし、本発明の電界放出型冷
陰極を作製することができる。
【0022】このプロセスを用いると、針状の突起構造
を表面にもつ炭素膜からなるエミッタを有する電界放出
型冷陰極を作製でき、従来例と比べ低電圧化、電流の高
密度化が可能になる。また、フォトリソグラフィ技術は
一回のみの使用となり、従来例で問題となったゲートと
エミッタの目ずれ等の心配もなくなり、プロセスもより
簡単化される。また、酸素プラズマ処理を用いることに
より、グラファイト系炭素膜を除去する時間を短くでき
る。
【0023】本発明の第四の実施例を以下に示す。グラ
ファイト系炭素膜を除去するまで第三の実施例と同じプ
ロセスを行った後、第三の実施例と同じ条件での水素プ
ラズマ処理をより長めに行って、ダイアモンド系炭素膜
全体を針状構造にし、本発明の電界放出型冷陰極を作製
することができる。
【0024】このプロセスを用いると、針状の突起構造
の炭素膜からなるエミッタを有する電界放出型冷陰極を
作製でき、従来例と比べ低電圧化、電流の高密度化が可
能になる。上記第三の実施例に比べ、針状構造までの炭
素層がないので基板からの電子供給がよりスムーズに行
われ、より低電圧化することができる。また、フォトリ
ソグラフィ技術は一回のみの使用となり、従来例で問題
となったゲートとエミッタの目ずれ等の心配もなくな
り、プロセスもより簡単化される。また、酸素プラズマ
処理を用いることにより、グラファイト系炭素膜時間を
短くできる。
【0025】本発明の第五の実施例を以下に示す。基板
表面にダイアモンド粒子を疎らに付着させておくところ
までのプロセスは上記第一の実施例と同じである。レジ
ストを除去後、熱フィラメントCVD法で基板温度約6
00〜850℃、メタン/水素比1〜10%、全ガス圧
20〜60Torrの条件で、ダイアモンド膜を500
nmほど成膜すると、基板上には膜が成長するが、ゲー
ト膜上にはグラファイト系炭素膜が薄く形成される。最
後に、水素ガス10−4〜10−3Torrの圧力下で
約850〜900Gの磁場と約2.5GHzのマイクロ
波を印加したECRプラズマを約500Wの出力で発生
させ、表面処理することによりゲート膜上のグラファイ
ト系炭素膜は除去され、同時にダイアモンド膜の表面を
針状の突起構造にし、本発明の電界放出型冷陰極を作製
することができる。
【0026】このプロセスを用いると、針状の突起構造
を表面にもつ炭素膜からなるエミッタを有する電界放出
型冷陰極を作製でき、従来例と比べ低電圧化、電流の高
密度化が可能になる。また、フォトリソグラフィ技術は
一回のみの使用となり、従来例で問題となったゲートと
エミッタの目ずれ等の心配もなくなり、プロセスもより
簡単化される。
【0027】本発明の第六の実施例を以下に示す。ダイ
アモンド膜を形成するまでは上記第五の実施例と同じプ
ロセスを行う。第五の実施例と同じ条件での水素プラズ
マ処理をより長めにして、ダイアモンド膜全体を針状の
突起構造にして、本発明の電界放出型冷陰極を作製する
ことができる。
【0028】このプロセスを用いると、針状の突起構造
の炭素膜からなるエミッタを有する電界放出型冷陰極を
作製でき、従来例と比べ低電圧化、電流の高密度化が可
能になる。第五の実施例に比べ、針状構造までの炭素層
がないので基板からの電子供給がよりスムーズに行わ
れ、より低電圧化することができる。また、フォトリソ
グラフィ技術は一回のみの使用となり、従来例で問題と
なったゲートとエミッタの目ずれ等の心配もなくなり、
プロセスもより簡単化される。
【0029】本発明の第七の実施例を以下に示す。ダイ
アモンド膜を形成するまでは上記第五の実施例と同じプ
ロセスを行う。次に、酸素ガス10−5〜10−4To
rrの圧力下で約850〜900Gの磁場と約2.5G
Hzのマイクロ波を印加したECRプラズマを約500
Wの出力で発生させ、表面処理することによりゲート上
に付着している炭素膜は除去される。更に、水素ガス1
0−4〜10−3Torrの圧力下で約850〜900
Gの磁場と約2.5GHzのマイクロ波を印加したEC
Rプラズマを約500Wの出力で発生させ、表面処理す
ることにより、ダイアモンド膜の表面を針状構造にする
ことができ、本発明の電界放出型冷陰極を作製すること
ができる。
【0030】このプロセスを用いると、針状の突起構造
を表面にもつ炭素膜からなるエミッタを有する電界放出
型冷陰極を作製でき、従来例と比べ低電圧化、電流の高
密度化が可能になる。また、フォトリソグラフィ技術は
一回のみの使用となり、従来例で問題となったゲートと
エミッタの目ずれ等の心配もなくなり、プロセスもより
簡単化される。また、酸素プラズマ処理を用いることに
より、グラファイト系炭素膜を除去する時間を短くでき
る。
【0031】本発明の第八の実施例を以下に示す。ゲー
ト上に付着している炭素膜を除去するまでは上記第七の
実施例と同じプロセスを行う。最後に、第七の実施例と
同じ条件での水素プラズマ処理をより長めに行ってダイ
アモンド膜全体を針状構造にし、本発明の電界放出型冷
陰極を作製することができる。
【0032】このプロセスを用いると、針状の突起構造
の炭素膜からなるエミッタを有する電界放出型冷陰極を
作製でき、従来例と比べ低電圧化、電流の高密度化が可
能になる。第七の実施例に比べ、針状構造までの炭素層
がないので基板からの電子供給がよりスムーズに行わ
れ、より低電圧化することができる。また、フォトリソ
グラフィ技術は一回のみの使用となり、従来例で問題と
なったゲートとエミッタの目ずれ等の心配もなくなり、
プロセスもより簡単化される。また、酸素プラズマ処理
を用いることにより、グラファイト系炭素膜時間を短く
できる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
エミッタから電子放出させるゲートと炭素膜のエミッタ
を有する低電圧から高密度で電子放出する電界放出型冷
陰極を作製することができるという効果がある。これ
は、炭素膜からなるエミッタを先端が先鋭な針状の突起
構造とすることと、そのごく近傍にゲートを形成するこ
ととによって、エミッタ先端への電界強度が高くなり、
そのうえに、その微細な針状エミッタをエミッタ領域一
面に均一に形成することができるからである。
【0034】また、本発明によれば、ゲートと炭素膜の
エミッタを有する電界放出型冷陰極をフォトリソグラフ
ィを一回のみ使用することによって、容易に作製するこ
とができる。特に、水素プラズマ処理を用いることによ
り、ゲート上に堆積したグラファイト系炭素膜の除去
と、ダイアモンド系炭素膜あるいはダイアモンド膜を針
状構造にするプロセスを同時に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わる第一の実施例の電子放出型冷陰
極を示す断面図である。
【図2】本発明に関わる第一の実施例の電界放出型冷陰
極を作製するためのプロセスを示す断面図である。
【図3】本発明に関わる第二の実施例の電子放出型冷陰
極の断面図である。
【図4】従来の電界放出型冷陰極を示す断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 炭素膜 3 ゲート膜 4 絶縁膜 5 レジスト 6 ダイアモンド粒子 7 ダイアモンド系炭素膜 8 グラファイト系炭素膜 9 ダイアモンド 10 導電層

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素膜のエミッタとそれを取り巻くよう
    に形成されたゲート、エミッタとゲートを電気的に絶縁
    する絶縁膜を有する電界放出型冷陰極の製造方法であっ
    て、炭素膜を全面に成長させた後、水素プラズマ処理を
    用いて、エミッタ成膜の時にゲート上に形成された炭素
    膜を除去すると同時に、エミッタ表面を針状の突起構造
    にすることを特徴とする電界放出型冷陰極の製造方法。
  2. 【請求項2】 炭素膜のエミッタとそれを取り巻くよう
    に形成されたゲート、エミッタとゲートを電気的に絶縁
    する絶縁膜を有する電界放出型冷陰極の製造方法であっ
    て、基板上に絶縁膜及びゲートをこの順に形成する工程
    と、前記ゲート及び絶縁膜を同時に選択的に除去する工
    程と、しかる後に、炭素膜を全面に成長させる工程と、
    水素プラズマ処理を用いて、前記ゲート膜上の炭素膜を
    除去すると同時に、前記基板上の炭素膜であるエミッタ
    表面を針状の突起構造にする工程とを含むことを特徴と
    する電界放出型冷陰極の製造方法。
  3. 【請求項3】 炭素膜のエミッタとそれを取り巻くよう
    に形成されたゲート、エミッタとゲートを電気的に絶縁
    する絶縁膜を有する電界放出型冷陰極の製造方法であっ
    て、炭素膜を全面に成長させた後、酸素プラズマ処理を
    用いて、エミッタ成膜の時ゲート上に形成された炭素膜
    を除去し、さらに水素プラズマ処理を用いてエミッタ表
    面を針状の突起構造にすることを特徴とする電界放出型
    冷陰極の製造方法。
  4. 【請求項4】 炭素膜のエミッタとそれを取り巻くよう
    に形成されたゲート、エミッタとゲートを電気的に絶縁
    する絶縁膜を有する電界放出型冷陰極の製造方法であっ
    て、基板上に絶縁膜及びゲートをこの順に形成する工程
    と、前記ゲート及び絶縁膜を同時に選択的に除去する工
    程と、しかる後に、炭素膜を全面に成長させる工程と、
    酸素プラズマ処理を用いて、エミッタ成膜の時ゲート上
    に形成された炭素膜を除去する工程と、水素プラズマ処
    理を用いて、基板上の炭素膜であるエミッタ表面を針状
    の突起構造にする工程とを含むことを特徴とする電界放
    出型冷陰極の製造方法。
  5. 【請求項5】 炭素膜のエミッタとそれを取り巻くよう
    に形成されたゲート、エミッタとゲートを電気的に絶縁
    する絶縁膜を有する電界放出型冷陰極の製造方法におい
    て、炭素膜を全面に成長させた後、水素プラズマ処理を
    用いて、エミッタ成膜の時ゲート上に形成された炭素膜
    を除去し、同時にエミッタを針状の突起構造にすること
    を特徴とする電界放出型冷陰極の製造方法。
  6. 【請求項6】 炭素膜のエミッタとそれを取り巻くよう
    に形成されたゲート、エミッタとゲートを電気的に絶縁
    する絶縁膜を有する電界放出型冷陰極の製造方法であっ
    て、基板上に絶縁膜及びゲートをこの順に形成する工程
    と、前記ゲート及び絶縁膜を同時に選択的に除去する工
    程と、しかる後に、炭素膜を全面に成長させる工程と、
    水素プラズマ処理を用いて、前記ゲート膜上の炭素膜を
    除去すると同時に、前記基板上の炭素膜であるエミッタ
    を針状の突起構造にする工程とを含むことを特徴とする
    電界放出型冷陰極の製造方法。
  7. 【請求項7】 炭素膜のエミッタとそれを取り巻くよう
    に形成されたゲート、エミッタとゲートを電気的に絶縁
    する絶縁膜を有する電界放出型冷陰極の製造方法におい
    て、炭素膜を全面に成長させた後、酸素プラズマ処理を
    用いて、エミッタ成膜の時ゲート上に形成された炭素膜
    を除去し、さらに水素プラズマ処理を用いてエミッタを
    針状の突起構造にすることを特徴とする電界放出型冷陰
    極の製造方法。
  8. 【請求項8】 炭素膜のエミッタとそれを取り巻くよう
    に形成されたゲート、エミッタとゲートを電気的に絶縁
    する絶縁膜を有する電界放出型冷陰極の製造方法であっ
    て、基板上に絶縁膜及びゲートをこの順に形成する工程
    と、前記ゲート及び絶縁膜を同時に選択的に除去する工
    程と、しかる後に、炭素膜を全面に成長させる工程と、
    酸素プラズマ処理を用いて、エミッタ成膜の時ゲート上
    に形成された炭素膜を除去する工程と、水素プラズマ処
    理を用いて、基板上の炭素膜であるエミッタを針状の突
    起構造にする工程とを含むことを特徴とする電界放出型
    冷陰極の製造方法。
  9. 【請求項9】 炭素膜のエミッタとそれを取り巻くよう
    に形成されたゲート、エミッタとゲートを電気的に絶縁
    する絶縁膜を有する電界放出型冷陰極の製造方法におい
    て、エミッタを1nmから200nmの底面の幅、10
    nm〜1μmの高さを有する円錐状あるいは角錐状の針
    状で密度25個/μm2 〜100万個/μm2 の突起
    構造にする工程を含むことを特徴とする請求項1〜8の
    いずれかに記載の電界放出型冷陰極の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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