JP2000251617A - 冷陰極電界電子放出素子及びその製造方法、並びに、冷陰極電界電子放出表示装置 - Google Patents

冷陰極電界電子放出素子及びその製造方法、並びに、冷陰極電界電子放出表示装置

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JP2000251617A
JP2000251617A JP5646599A JP5646599A JP2000251617A JP 2000251617 A JP2000251617 A JP 2000251617A JP 5646599 A JP5646599 A JP 5646599A JP 5646599 A JP5646599 A JP 5646599A JP 2000251617 A JP2000251617 A JP 2000251617A
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layer
gate electrode
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Jiro Yamada
二郎 山田
Masami Okita
昌海 沖田
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エッジ型電界放出素子の消費電力を低減し、表
示画面の輝度を向上させる。 【解決手段】ゲート電極12と、絶縁層13と、電子放
出層14とがこの順に支持体10上に設けられ、ゲート
電極12は、導電性材料から成る基部11Aと、該基部
11Aよりも2次電子利得の大きい材料から成る電子増
幅部11Bとから構成され、電子放出層14と絶縁層1
3には開口部15が設けられ、開口部15の底部に電子
増幅部11Bが露出した構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子放出効率に優
れた冷陰極電界電子放出素子及びその製造方法、並び
に、かかる冷陰極電界電子放出素子が組み込まれた冷陰
極電界電子放出表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在主流の陰極線管(CRT)に代わる
画像表示装置として、平面型(フラットパネル形式)の
表示装置が種々検討されている。このような平面型の表
示装置として、液晶表示装置(LCD)、エレクトロル
ミネッセンス表示装置(ELD)、プラズマ表示装置
(PDP)を例示することができる。又、熱的励起によ
らず固体から真空中に電子を放出することが可能な冷陰
極電界電子放出表示装置、所謂フィールドエミッション
ディスプレイ(FED)も提案されており、画面の明る
さ及び低消費電力の観点から注目を集めている。
【0003】冷陰極電界電子放出表示装置(以下、単
に、表示装置と称する場合がある)は、一般に、2次元
マトリクス状に配列された各画素に対応して電子放出部
を有するカソードパネルと、この電子放出部から放出さ
れた電子との衝突により励起されて発光する蛍光体層を
有するアノードパネルとが、真空層を介して対向配置さ
れた構成を有する。カソードパネル上の各画素において
は、通常、複数の電子放出部が形成され、更に、電子放
出部から電子を引き出すためのゲート電極も形成されて
いる。この電子放出部とゲート電極を有する部分が冷陰
極電界電子放出素子であり、以下、単に電界放出素子と
称する。
【0004】かかる表示装置の構成において、低い駆動
電圧で大きな放出電子電流を得るためには、例えば、電
界放出素子の電子放出部の先端形状を鋭く尖らせた形状
とすること、個々の電子放出部を微細化して、1画素に
対応する区画内における電子放出部の存在密度を高める
こと、電子放出部の先端とゲート電極との距離を短縮す
ることが必要である。従って、これらを実現するため
に、従来より様々な構成を有する電界放出素子が提案さ
れている。
【0005】かかる従来の電界放出素子の代表例の1つ
として、電子放出部を円錐形の導電体で構成した、所謂
スピント(Spindt)型電界放出素子が知られてい
る。このスピント型電界放出素子(以下、スピント型素
子と称する)を組み込んだ表示装置の概念図を、図13
に示す。スピント型素子のカソードパネル側は、カソー
ド電極41と、層間絶縁層42と、層間絶縁層42上に
形成されたゲート電極44と、ゲート電極44及び層間
絶縁層42に設けられた開口部43内に形成された円錐
形の電子放出部45から構成されている。電子放出部4
5が所定数、2次元マトリクス状に配列されて1画素が
形成される。一方、アノードパネル側は、透明基板50
上に所定のパターンにより蛍光体層52が形成され、こ
の蛍光体層52がアノード電極51で覆われた構造を有
する。
【0006】電子放出部45とゲート電極44との間に
電圧を印加すると、その結果生じた電界によって電子放
出部45の先端から電子が引き出される。この電子は、
アノードパネル側のアノード電極層51に引き付けら
れ、アノード電極層51と透明基板50との間に形成さ
れた発光体層である蛍光体層52に衝突する。この結
果、蛍光体層52が励起されて発光し、所望の画像を得
ることができる。この冷陰極電界電子放出素子の動作
は、基本的にゲート電極44に印加される信号電圧によ
って制御される。
【0007】かかるスピント型素子の製造方法の概要
を、以下、図14及び図15を参照して説明する。この
製造方法は、基本的には、円錐形の電子放出部45を金
属材料の垂直蒸着により形成する方法である。即ち、開
口部43に対して蒸着粒子は垂直に入射するが、開口端
部付近に形成されるオーバーハング状の堆積物による遮
蔽効果を利用して、開口部43の底部に到達する蒸着粒
子の量を漸減させ、円錐形の堆積物である電子放出部4
5を自己整合的に形成する。ここでは、不要なオーバー
ハング状の堆積物の除去を容易とするために、ゲート電
極44上に剥離層46を予め形成しておく方法について
説明する。
【0008】[工程−10]先ず、図14の(A)に示
すように、例えばガラス基板から成る絶縁性基体40の
上にニオブ(Nb)から成るカソード電極41を形成し
た後、その上にSiO2から成る層間絶縁層42、導電
材料から成るゲート電極44を順次製膜し、次に、この
ゲート電極44と層間絶縁層42をパターニングするこ
とにより開口部43を形成する。
【0009】[工程−20]次に、図14の(B)に示
すように、基体に対してアルミニウムを斜め蒸着するこ
とにより、剥離層46を形成する。このとき、基体の法
線に対する蒸着粒子の入射角を十分に大きく選択するこ
とにより、開口部43の底部にアルミニウムを殆ど堆積
させることなく、ゲート電極44の上に剥離層46を形
成することができる。この剥離層46は、開口部43の
開口端部から庇状に張り出しており、これにより開口部
43が実質的に縮径される。
【0010】[工程−30]次に、この基体の全面に例
えばモリブデン(Mo)を垂直蒸着する。このとき、図
15の(A)に示すように、剥離層46上でオーバーハ
ング形状を有する金属層45Aが成長するに伴い、開口
部43の実質的な直径が次第に縮小されるので、開口部
43の底部において堆積に寄与する蒸着粒子は、次第に
開口部43の中央付近を通過するものに限られるように
なる。この結果、開口部43の底部には円錐形の堆積物
が形成され、この円錐形の堆積物が電子放出部45とな
る。
【0011】[工程−40]その後、図15の(B)に
示すように、電気化学的プロセス及び湿式プロセスによ
って剥離層46をゲート電極44の表面から剥離し、ゲ
ート電極44の上方の金属層45Aを選択的に除去す
る。
【0012】ところで、図15の(B)に示した構造を
有する電界放出素子の電子放出特性は、開口部43の上
端部を成すゲート電極44の縁部43Aから電子放出部
45の先端部までの距離に大きく依存する。そして、こ
の距離は、開口部43の形状の加工精度や直径の寸法精
度、[工程−30]において製膜される金属層45Aの
膜厚精度、更にはその下地となる剥離層46の形状精度
に大きく依存する。
【0013】しかしながら、実際に大面積の絶縁性基体
全体に亙って均一な膜厚を有する金属層45Aを垂直蒸
着により形成したり、均一な寸法の庇形状を有する剥離
層46を斜め蒸着により形成することは、極めて困難で
あり、何らかの面内ばらつきやロット間ばらつきは避け
られない。このばらつきにより、表示装置の画像表示特
性、例えば画像の明るさにばらつきが生じる。しかも、
大型の蒸着装置が必要とされること、スループットが低
下すること、大面積に亙って形成された剥離層46を除
去する際に、その残渣がカソードパネル汚染の原因とな
り、表示装置の製造歩留まりを低下させること、といっ
た問題もある。
【0014】一方、スピント型素子のこれらの欠点を解
消し得る電界放出素子として、所謂エッジ型素子が知ら
れている。これは、スピント型素子における円錐形の電
子放出部の代わりに、絶縁基板に平行な面内に形成され
た電子放出層を絶縁層を介してゲート電極と積層し、こ
の積層体に開口部を設け、この開口部の壁面に露出した
電子放出層の端面(エッジ)を何らかの方法で壁面から
突出させ、電子放出部として利用するものである。
【0015】例えば、米国特許第5214317号公報
には、電子放出層の上下を絶縁層を介した一対のゲート
電極で挟み、電子放出層に強い電界を与えることが可能
な構造が開示されている。即ち、図16に示すように、
基板70上に導電層71、第1絶縁層72、下部ゲート
電極73、第2絶縁層74、電子放出層75、第3絶縁
層76、及び上部ゲート電極77を順次積層した積層体
に、開口部78が設けられている。そして、開口部78
の壁面から突出した電子放出層75の先端部から放出さ
れた電子eが、開口部78の外部へ導出される。電子放
出層75の先端部は、等方性エッチングで膜厚を減ずる
ことにより曲率半径が減少され、これにより電子放出密
度が高められている。尚、これらの上部ゲート電極7
7、電子放出層75、下部ゲート電極73に対面配置さ
れている導電膜79は、電子放出層75から放出された
電子を引き付けるための電極を構成し、又、開口部78
の底部に露出している導電層71は、表面保護、電位の
安定化、絶縁破壊やノイズの防止を目的として設けられ
ている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】エッジ型素子では、ゲ
ート電極の縁部から電子放出層までの距離は絶縁層の厚
さでほぼ決定することができるため、この距離の制御は
スピント型素子に比べて遥かに容易であり、この意味に
おいて、スピント型素子の欠点はかなり解消されてい
る。従って、大面積の支持体上でも電子放出部の電子放
出特性を均一化することが容易となり、表示装置の画像
の明るさも均一化され得る。しかし、電子放出部の形状
が、スピント型素子におけるような先鋭な「点」ではな
く「線」である上、かかる電子放出部の形状に付随して
ゲート電極がスピント型素子の場合よりも大きく開口し
ているため、開口部の内部における電界の閉じ込め効果
が弱くなり、電子放出部の近傍において電界集中が生じ
難い。換言すれば、エッジ型素子はスピント型素子と比
較して電子放出効率が低く、スピント型素子と同等の放
出電子電流を得るためにはより高いゲート電圧を要する
ので、駆動電圧の低減、ひいては消費電力の低減が困難
である。
【0017】そこで、本発明は、電子放出効率を向上さ
せることができ、しかも、製造が比較的容易なエッジ型
の冷陰極電界電子放出素子(以下、電界放出素子と称す
る)及びその製造方法、並びに、かかる電界放出素子を
組み込んだ冷陰極電界電子放出表示装置(以下、表示装
置と称する)を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の電界放出素子は、ゲート電極と、絶縁層
と、電子放出層とがこの順に支持体上に設けられ、ゲー
ト電極は、導電性材料から成る基部と、該基部よりも2
次電子利得の大きい材料から成る電子増幅部とから構成
され、電子放出層と絶縁層には開口部が設けられ、開口
部の底部に電子増幅部が露出していることを特徴とす
る。
【0019】一般に、電界放出素子の動作が基本的にゲ
ート電極に印加される信号電圧によって制御されること
は前述の通りであり、本発明の電界放出素子においても
同様である。但し、本発明の電界放出素子のゲート電極
は、電子放出層よりも支持体側に設けられている。即
ち、本発明の電界放出素子が表示装置に組み込まれた場
合、電子放出層からの電子放出を制御すべきゲート電極
は、電子放出層よりもアノード電極から遠い位置に置か
れることになる。従って、電子放出層から放出された電
子の大部分は、先ず、ゲート電極に引き付けられること
により、アノード電極とは逆方向、即ち開口部の底部に
向かって加速される。本発明の電界放出素子において、
ゲート電極は導電性材料からなる基部と、該基部よりも
2次電子利得の大きい材料から成る電子増幅部とから構
成されており、開口部の底部には電子増幅部が露出して
いる。従って、開口部の底部に向かって加速された電子
は電子増幅部に衝突し、この電子増幅部から2次電子が
効率良く放出される。放出された2次電子は、アノード
電極側へ向かって加速され、蛍光体層に衝突してこれを
発光させる。
【0020】2次電子利得とは、一般的には、固体表面
に電子(1次電子)を衝突させたとき、その表面から別
の電子(2次電子)が放出される現象(2次電子放出)
において、2次電子流I2と1次電子流I1の比として定
義され、通常、記号δを用いて次のように表される。 δ=I2/I1 但し、2次電子利得は1次電子流I1、即ち1次電子の
入射エネルギーの関数であるから、電界放出素子におい
ては、電子放出層から放出された電子(1次電子)の加
速電圧の関数となり、ひいては電子放出層とゲート電極
との間の電位差の関数となる。従って、電界放出素子に
おける2次電子利得を論ずる場合は、通常の電界放出素
子が駆動される或る特定の電位差領域(通常、100V
以下)におけるδの値を論ずる必要がある。δの値が大
きいほど、電子放出層から放出された一定数の1次電子
に対して、より多くの2次電子が放出されることにな
り、以て、蛍光体層へ入射する2次電子数が増大し、表
示画面の輝度が向上する。換言すれば、一定数の2次電
子を発生させるために必要なゲート電極への印加電圧を
低減することができ、以て、同レベルの輝度をより低い
消費電力で達成することが可能となる。
【0021】例えば、Applied Surface Science 111(19
97)259-264 によると、シリコン基板上に製膜された酸
化マグネシウム(MgO)薄膜について、1次電子の入
射エネルギーが50eVの時はδ=2.0であり、10
0eVの時はδ=3.4の値が得られている。これは、
電界放出素子に当てはめて考えると、酸化マグネシウム
薄膜は、電子放出層とゲート電極との間の電位差が50
Vの時に1次電子の入射数の2倍の数の2次電子を放出
することができ、100Vでは3.4倍の数の2次電子
を放出できることに相当する。電界放出素子のゲート電
極の構成材料として使用される通常の金属の多くは、1
00V以下の電位差領域におけるδの値が1以下である
から、かかる金属から成る基部の表面に例えば酸化マグ
ネシウムから成る電子増幅部を形成してゲート電極を構
成すれば、低消費電力で高輝度を有する電界放出素子が
得られる。
【0022】本発明の電界放出素子において、電子放出
層から放出された1次電子は、先ず開口部の底部に向か
って加速されるので、ゲート電極の構成要素である電子
増幅部は、少なくとも開口部の底部に位置する基部の部
分の表面に形成されていればよい。即ち、電子放出部の
形成領域は、開口部の底面に一致した領域であっても、
あるいは開口部の底面とその周囲近傍とを含む領域であ
っても良い。あるいは、電子放出層から放出される1次
電子の軌道によっては、開口部の底面の全面に電子増幅
部が露出していなくてもよく、実際に1次電子が入射し
得るより狭い領域に電子増幅部が選択的に形成されてい
てもよい。更にあるいは、電子増幅部が基部の表面全域
に亙って形成されていてもよい。
【0023】本発明の電界放出素子は、更に別の電極を
備えていてもよい。例えば、電子放出層上を含む絶縁層
上には第2絶縁層が更に設けられ、第2絶縁層の上には
第2ゲート電極が設けられ、第2ゲート電極及び第2絶
縁層には、前記開口部に連通する第2開口部が設けられ
ていてもよい。かかる構成によれば、第2ゲート電極が
ゲート電極と協働して電子放出層に電界を加えることが
可能となる。従って、ゲート電極が単独で設けられてい
る場合と比べて、電子放出層に強い電界を加えることが
可能となる。このとき、電子放出層の先端部を第2絶縁
層からも突出させることが、電子放出効率を高める観点
から特に好ましい。第2開口部の平面形状は、一般的に
は開口部の平面形状と合同又は相似とされるが、異なっ
ていても構わない。
【0024】本発明の電界放出素子においては、更に、
第2ゲート電極上を含む第2絶縁層上には第3絶縁層が
更に設けられ、第3絶縁層上には収束電極が設けられ、
第3絶縁層には、前記第2開口部に連通する第3開口部
が設けられていてもよい。収束電極は、本発明の電界放
出素子が表示装置に組み込まれた場合に、アノード電極
へ向かう放出電子の軌道を収束させ、以て、輝度の向上
や隣接画素間の色濁りの防止を可能とするための電極で
あり、カソードパネルとアノードパネルとの間の距離が
比較的長い表示装置を想定した場合に、特に有効な部材
である。収束電極は、必ずしも各電界放出素子ごとに設
けられている必要はなく、例えば、電界放出素子の所定
の配列方向に沿って延在されることにより、複数の電界
放出素子に共通の収束効果を及ぼすこともできる。従っ
て、第3絶縁層に設けられる第3開口部は、必ずしも収
束電極を構成する材料層に設けられている必要はない。
又、収束電極の電位は電子放出層の電位と近似している
ため、収束電極の開口端部が開口部、第2開口部、ある
いは第3開口部の内部に向けて突出していると、収束電
極からゲート電極や第2ゲート電極へ向かって電子放出
が生ずる虞れがある。従って、収束電極は第3開口部内
へ突出しないように設けられることが特に望ましい。
尚、第2ゲート電極の先端部は第3絶縁層から突出させ
ることが、電界強度を高める観点から特に好ましい。第
3開口部の平面形状は、一般的には第2開口部の平面形
状と合同又は相似とされるが、異なっていても構わな
い。尚、収束電極は必ずしも第2ゲート電極と組み合わ
せて設けられている必要はなく、例えば第2ゲート電極
を省略し、ゲート電極と電子放出層と収束電極を有する
電界放出素子も可能である。
【0025】上述の目的を達成するための本発明の第1
の態様に係る電界放出素子の製造方法は、電子増幅部を
備えたゲート電極と電子放出層とを有する電界放出素子
の製造方法であって、(イ)導電性材料から成る基部
と、該基部よりも2次電子利得の大きい材料から成る電
子増幅部とから構成されたゲート電極を、支持体上に形
成する工程と、(ロ)ゲート電極上を含む支持体上に、
絶縁層及び電子放出層をこの順に形成する工程と、
(ハ)底部に電子増幅部が露出した開口部を少なくとも
絶縁層に形成する工程、から成ることを特徴とする。
【0026】又、本発明の第2の態様に係る電界放出素
子の製造方法は、ゲート電極と電子放出層に加えて第2
ゲート電極を有する電界放出素子の製造方法であって、
(イ)導電性材料から成る基部と、該基部よりも2次電
子利得の大きい材料から成る電子増幅部とから構成され
たゲート電極を、支持体上に形成する工程と、(ロ)ゲ
ート電極上を含む支持体上に、絶縁層、電子放出層、第
2絶縁層、第2ゲート電極をこの順に形成する工程と、
(ハ)底部に電子放出層が露出した第2開口部を少なく
とも第2絶縁層に形成する工程と、(ニ)第2開口部と
連通し、且つ、底部に電子増幅部が露出した開口部を少
なくとも絶縁層に形成する工程、から成ることを特徴と
する。
【0027】本発明の第1の態様及び第2の態様にかか
る電界放出素子の製造方法において、工程(イ)では、
大別して2種類のゲート電極を形成することができる。
一つは、(a)少なくとも開口部の位置すべき基部の部
分の表面に電子増幅部が形成されて成るゲート電極を形
成する方法であり、もう一つは、(b)基部の表面全域
に亙って電子増幅部が形成されて成るゲート電極を形成
する方法である。
【0028】上記(a)の方法としては、更に、(a−
1)所定のパターンをもって形成された基部を被覆して
電子増幅部を構成する材料層を例えばCVD法、スパッ
タリング法、蒸着法、めっき法等の方法により形成し、
次に基部に対して選択性を確保し得る条件下でこの材料
層を例えばエッチングにより除去し、基部の表面に所定
のパターンをもって材料層を残す方法、あるいは、(a
−2)開口部の位置すべき基部の部分の表面に、例えば
選択CVD法、電解めっき法、あるいは無電解めっき法
により電子増幅部を選択成長させる方法、が可能であ
る。
【0029】一方、上記(b)の方法では、基部と電子
増幅部とを共通のパターニングにより形成することがで
きる。即ち、例えば、支持体上の全面に基部を構成する
導電性の材料層を例えばCVD法、スパッタリング法、
蒸着法、めっき法等の方法により形成し、次に、この導
電性の材料層の全面に電子増幅部を構成する材料層を上
記の方法のいずれかにより形成し、次に、支持体に対し
て選択性を確保し得る条件下で、これら電子増幅部を構
成する材料層と基部を構成する導電性の材料層とを例え
ば共通のマスク・パターンを介したエッチングにより除
去することができる。
【0030】ところで、本発明の電界放出素子において
は、従来のスピント型電界放出素子のように円形の開口
部が多数集合して配列されていてもよいが、開口部の側
壁に沿って電子放出部(即ち、開口部の側壁に露出する
電子放出層の先端部)を配置できるエッジ型素子の構造
上、開口部は円形以外にも、楕円、n角形(但し、nは
3以上の整数)等、いかなる平面形状を有していてもよ
い。n角形は、正n角形でなくてもよく、又、その頂点
は丸みを帯びていてもよい。一例として、開口部の形状
を縦横比の大きい矩形あるいは溝形とし、矩形の長手方
向、あるいは溝の延在方向に沿って電子放出部を配置す
ることができる。このように、或る方向に沿って電子放
出部を配置する場合、電子放出部は開口部の側壁に沿っ
て延在する「線」状の部材であってもよいし、あるいは
開口部の側壁に沿って配列される「点」状の部材であっ
てもよい。「点」状に配列される電子放出部とは、例え
ば電子放出層が櫛歯状にパターニングされている場合、
個々の櫛歯の先端部に相当する。電子放出層の先端部で
ある電子放出部が「線」であるか、「点」であるかによ
って、電子放出層の形成様式と開口部の形成様式が異な
ってくる。
【0031】先ず、電子放出層の先端部である電子放出
部が「線」状の部材である場合について説明する。本発
明の第1の態様に係る電界放出素子の製造方法において
は、工程(ロ)において電子放出層を絶縁層上に形成
し、続く工程(ハ)において電子放出層の一部を除去
し、次いで絶縁層の一部を除去することにより開口部を
形成する。又、本発明の第2の態様に係る電界放出素子
の製造方法においては、工程(ロ)において電子放出層
を絶縁層上に形成し、工程(ニ)において電子放出層の
一部を除去し、次いで絶縁層の一部を除去することによ
り開口部を形成する。
【0032】これに対し、電子放出層の先端部である電
子放出部が「点」状の部材である場合は、次のようにな
る。即ち、本発明の第1の態様に係る電界放出素子の製
造方法においては、工程(ロ)において開口部が設けら
れた電子放出層を絶縁層上に形成し、続く工程(ハ)に
おいて、絶縁層の一部を除去することにより開口部を完
成させる。又、本発明の第2の態様に係る電界放出素子
の製造方法においては、工程(ロ)において開口部が設
けられた電子放出層を絶縁層上に形成し、工程(二)に
おいて絶縁層の一部を除去することにより、開口部を完
成させる。
【0033】尚、本発明の第2の態様に係る電界放出素
子の製造方法においては、電子放出層と同様の議論が第
2ゲート電極についても当てはまる。一般的には、第2
ゲート電極は第2開口部の側壁に沿って延在する「線」
状の部材とされるが、これを「点」状の部材とする場合
には、第2ゲート電極の形成様式と第2開口部の形成様
式が異なってくる。即ち、第2ゲート電極を「線」状の
部材とする場合には、工程(ロ)において第2ゲート電
極を第2絶縁層上に形成し、工程(ハ)において第2ゲ
ート電極の一部を除去し、次いで第2絶縁層の一部を除
去することにより、第2開口部を形成する。一方、第2
ゲート電極を「点」状の部材とする場合には、工程
(ロ)において開口部が設けられた第2ゲート電極を第
2絶縁層上に形成し、工程(ハ)において第2絶縁層の
一部を除去することにより、第2開口部を完成する。第
1の態様、第2の態様のいずれに係る電界放出素子の製
造方法においても、絶縁層の除去は電子放出層の開口部
と重なる領域で行われる。
【0034】本発明の第2の態様に係る電界放出素子の
製造方法においては、収束電極を形成することもでき
る。即ち、工程(ロ)において、第2ゲート電極上を含
む第2絶縁層上に更に第3絶縁層及び収束電極をこの順
に形成し、工程(ハ)において、底部に第2ゲート電極
が露出した第3開口部を少なくとも第3絶縁層に形成
し、次いで第3開口部と連通し、且つ底部に電子放出層
が露出した第2開口部を少なくとも第2絶縁層に形成す
る。
【0035】本発明の第1の態様に係る電界放出素子の
製造方法における絶縁層及び/又は電子放出層の除去、
及び第2の態様に係る電界放出素子の製造方法における
絶縁層及び/又は電子放出層の除去、第2絶縁層及び/
又は第2ゲート電極の除去、並びに、第3絶縁層の除去
は、典型的にはマスク・パターンを介したエッチングに
より行うことができる。
【0036】本発明の第1の態様に係る電界放出素子の
製造方法においては、工程(ハ)の後に、(ニ)絶縁層
を等方的にエッチングすることにより、開口部内におい
て、電子放出層の先端部を絶縁層から突出させる工程を
設けることが好適である。つまり、電子放出部が絶縁層
から突出することになり、ゲート電極により開口部内に
形成される電界を電子放出部に集中させて効率良く電子
放出を行わせることが可能となる。等方的なエッチング
は、典型的には、ウェットエッチング、あるいはラジカ
ルが主エッチング種となるドライエッチング条件下で行
うことができる。このときの電子放出層の突出長さ、即
ち、絶縁層の側壁の後退量は、エッチング時間の長短に
より制御することができる。
【0037】同様に、本発明の第2の態様に係る電界放
出素子の製造方法においても、工程(ニ)の後に、絶縁
層を等方的にエッチングすることにより、開口部内にお
いて、電子放出層の先端部を絶縁層から突出させる工程
を設けてもよい。更に、第2絶縁層を等方的にエッチン
グすれば、電子放出層の先端部と第2ゲート電極の先端
部とを第2絶縁層から突出させることができ、更に、第
3絶縁層を等方的にエッチングすれば、第2ゲート電極
を第3絶縁層から突出させることができる。これら第2
絶縁層や第3絶縁層の等方的なエッチングは、第2開口
部や第3開口部の形成が終了する度に行ってもよいし、
あるいは開口部が形成され、その底部に最終的に電子増
幅部が露出した後に、まとめて行ってもよい。
【0038】本発明の第1の態様に係る電界放出素子の
製造方法においては、工程(ハ)において絶縁層の一部
を除去することにより開口部を形成又は完成させ、この
開口部の底部に電子増幅部を露出させるので、絶縁層の
除去に伴う電子増幅部の損傷を避ける必要がある。絶縁
層の加工条件によって電子増幅部を構成する材料の加工
が全く進行しないか、あるいは電子増幅部の加工速度が
絶縁層の加工速度に比べて十分に遅い場合には問題はな
い。
【0039】ところが、絶縁層の加工と共に電子増幅部
の加工も或る程度進行し得る場合には、工程(イ)の終
了後、電子増幅部を保護層で被覆し、工程(ロ)では、
保護層上、及びゲート電極上を含む支持体上に、絶縁層
及び電子放出層をこの順に形成し、工程(ハ)では、底
部に電子増幅部が露出した開口部を少なくとも絶縁層及
び保護層に形成することが好ましい。
【0040】ここで用いる保護層は、当然ながら、絶縁
層の加工速度に対して十分に加工速度を持ち得る材料か
ら構成される。従って、絶縁層の加工を例えばドライエ
ッチングにより行う場合、ドライエッチングは保護層が
露出した時点で停止する。但し、開口部の底部に電子増
幅部を露出させるためには、工程(ハ)において最終的
に保護層を除去する必要があるので、保護層を構成する
材料は、今度は電子増幅部に対して十分に大きい加工速
度を持たねばならない。即ち、絶縁層、保護層、電子増
幅部を構成する各材料の間に、加工速度の差異が成立す
る必要がある。尚、工程(ハ)において、開口部を形成
する層を「少なくとも」絶縁層及び保護層と表現したの
は、場合によっては電子放出層がこれらの層に加わるか
らである。
【0041】尚、保護層は、本発明の第2の態様に係る
電界放出素子の製造方法においても、同様に用いること
ができる。又、第1の態様及び第2の態様に係る電界放
出素子の製造方法のいずれにおいても、保護層は電子増
幅部とその近傍のみを被覆するように設けられていても
よいし、ゲート電極全体を被覆していてもよい。
【0042】本発明の電界放出素子の複数個と、これら
に対向して透明基板上に設けられたアノード電極層並び
に蛍光体層で1画素を構成し、更に、この画素を複数集
合させると、本発明の表示装置を構成することができ
る。即ち、上述の目的を達成するための本発明の表示装
置は、複数の画素から構成され、各画素は、複数の電界
放出素子と、複数の電界放出素子に対向して透明基板上
に設けられたアノード電極層及び蛍光体層から構成され
た表示装置であって、各電界放出素子は、ゲート電極
と、絶縁層と、電子放出層とがこの順に支持体上に設け
られて成り、ゲート電極は、導電性材料より成る基部
と、該基部よりも2次電子利得の大きい導電性材料から
成る電子増幅部とから構成され、電子放出層と絶縁層に
は開口部が設けられ、開口部の底部に電子増幅部が露出
していることを特徴とする。
【0043】又、本発明の表示装置は、電子放出層上を
含む絶縁層上に設けられた第2絶縁層、及び第2絶縁層
上に設けられた第2ゲート電極を更に有し、第2ゲート
電極及び第2絶縁層には、前記開口部に連通する第2開
口部が設けられていてもよい。
【0044】あるいは、本発明の表示装置は、第2ゲー
ト電極上を含む第2絶縁層上に設けられた第3絶縁層、
及び第3絶縁層上に設けられた収束電極を更に有し、第
3絶縁層には、前記第2開口部に連通する第3開口部が
設けられていてもよい。尚、第2ゲートを備えず、収束
電極を備える構成も可能である。
【0045】本発明の電界放出素子、第1の態様及び第
2の態様に係る電界放出素子の製造方法、並びに、表示
装置においては、ゲート電極を構成する基部と電子増幅
部の構成材料の選択が重要なポイントとなる。基部を構
成する導電性材料としては、タングステン(W)、ニオ
ブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、
クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)等
の金属、これらの金属元素を含む合金層、あるいはシリ
コン(Si)等の半導体を例示することができる。一
方、電子増幅部を構成する材料については、該材料の2
次電子利得δが基部を構成する導電性材料の2次電子利
得δよりも大きくなるように、下記に挙げる材料の中か
ら適宜選択する。即ち、銀(Ag)、アルミニウム(A
l)、金(Au)、コバルト(Co)、銅(Cu)、モ
リブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、ニッケル(N
i)、白金(Pt)、タンタル(Ta)、タングステン
(W)、ジルコニウム(Zr)等の金属;シリコン(S
i)、ゲルマニウム(Ge)等の半導体;ダイヤモンド
等の無機単体;及び酸化アルミニウム(Al23)、酸
化バリウム(BaO)、酸化ベリリウム(BeO)、酸
化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(Mg
O)、酸化錫(SnO2)、フッ化バリウム(Ba
2)、フッ化カルシウム(CaF2)等の化合物の中か
ら、適宜選択することができる。尚、電子増幅部の構成
材料は、必ずしも導電性を備える必要はない。
【0046】本発明の表示装置において、支持体は、少
なくとも表面が絶縁性部材より構成されていればよく、
ガラス基板、表面に絶縁膜が形成されたガラス基板、石
英基板、表面に絶縁膜が形成された石英基板、表面に絶
縁膜が形成された半導体基板を挙げることができる。
【0047】第2ゲート電極及び収束電極は、上述の基
部の構成材料を適宜選択して形成することができる。第
2ゲート電極及び収束電極の形成方法としては、蒸着、
スパッタリング、CVD、イオン・プレーティング等、
通常の薄膜作製プロセスを利用できる。第2ゲート電極
を構成する材料は、ゲート電極を構成する材料と同じで
あっても、異なっていてもよい。
【0048】電子放出層は、典型的には、タングステン
(W)やタンタル(Ta)等の高融点金属材料、あるい
はダイヤモンド等の半導体を用いて形成される。厚さ
は、おおよそ0.05〜0.5μm、好ましくは0.1
〜0.3μmの範囲とすることが望ましいが、かかる範
囲に限定するものではない。
【0049】尚、本発明の電界放出素子及びその製造方
法、並びに、表示装置においては、電子放出層の厚さが
先端部に向かって減少し、先鋭化されていてもよい。こ
の減少の様式は、電子放出層に後から形成されるか、あ
るいは最初から形成されている開口部の上端側から下端
側に向かって減少しても、下端側から上端側に向かって
減少しても、あるいは上端側と下端側の両側から減少し
てもよく、又、減少の様式は単調であっても段階状であ
ってもよい。かかる先鋭化により、先端部近傍の電界強
度を高め、効率良く電子放出が行われるようになる。
【0050】絶縁層、第2絶縁層あるいは第3絶縁層の
構成材料としては、SiO2、SiN、SiONを単独
あるいは適宜組み合わせて使用することができる。絶縁
層、第2絶縁層あるいは第3絶縁層の形成には、CV
D、塗布、スパッタリング等の公知のプロセスが利用で
きる。
【0051】
【発明の実施の形態】本発明の電界放出素子の可能な構
成の概念図を、図1及び図2に示す。図1は、電子増幅
部11Bが開口部15の底部に位置する基部11Aの部
分の表面に形成された電界放出素子のグループを表し、
図2は、電子増幅部11Bが基部11Aの表面全域に亙
って形成された電界放出素子のグループを表す。
【0052】図1の(A)及び図2の(A)は、本発明
の電界放出素子の最も基本的な構成を示す。これらの電
界放出素子においては、ゲート電極12と、絶縁層13
と、電子放出層14とがこの順に支持体10上に設けら
れ、ゲート電極12は、導電性材料から成る基部11A
と、該基部11Aよりも2次電子利得の大きい材料から
成る電子増幅部11Bとから構成され、電子放出層14
と絶縁層13には開口部15が設けられ、開口部15の
底部に電子増幅部11Bが露出している。電子放出層1
4の先端部は、絶縁層13から突出している。電子放出
層14の先端部は電子放出部として機能する部位であ
り、先鋭化されていてもよい。
【0053】図1の(B)及び図2の(B)は、図1の
(A)及び図2の(A)に示した構成に、第2ゲート電
極を追加した構成を示す。即ち、電子放出層14上を含
む絶縁層13上には第2絶縁層16が更に設けられ、第
2絶縁層16の上には第2ゲート電極17が設けられ、
第2ゲート電極17及び第2絶縁層16には、開口部1
5に連通する第2開口部18が設けられている。電子放
出層14の先端部は、絶縁層13及び第2絶縁層16か
ら突出しており、先鋭化されていてもよい。又、第2ゲ
ート電極17の先端部は、第2絶縁層16から突出して
いる。
【0054】図1の(C)及び図2の(C)は、図1の
(B)及び図2の(B)に示した構成に、収束電極を追
加した構成を示す。即ち、第2ゲート電極17上を含む
第2絶縁層16上には第3絶縁層19が更に設けられ、
第3絶縁層19上には収束電極20が設けられ、第3絶
縁層19には、第2開口部18に連通する第3開口部2
1が設けられている。電子放出層14の先端部は、絶縁
層13及び第2絶縁層16から突出しており、先鋭化さ
れていてもよい。第2ゲート電極17の先端部は、第2
絶縁層16及び第3絶縁層19から突出している。収束
電極20の端部は、第3絶縁層19よりも後退してい
る。これは、収束電極20を電子放出層として機能させ
ないための工夫である。
【0055】更に、図1の(D)及び図2の(D)は、
図1の(A)及び図2の(A)に示した構成に、収束電
極を追加した構成を示す。即ち、電子放出層14上を含
む絶縁層13上に第3絶縁層19が更に設けられ、第3
絶縁層19上には収束電極20が設けられ、第3絶縁層
19には、開口部15に連通する第3開口部21が設け
られている。電子放出層14の先端部は、絶縁層13及
び第3絶縁層19から突出しており、先鋭化されていて
もよい。
【0056】次に、本発明の電界放出素子の代表例とし
て、図1の(B)に示した構成を有する電界放出素子と
その製造方法について説明する。図3は、電界放出素子
の開口部15及び第2開口部18の近傍のみを一部破断
して示す概略斜視図であり、図4は、図3のA−A線断
面をこれらの開口部の周辺も含めて示す模式的断面図で
ある。第2絶縁層16には、第2開口部18の形成領域
に隣接する領域において、電子放出層14に所定の電圧
を供給するための電気的接続部となる第1孔部22が形
成されている。又、絶縁層13には、開口部15の形成
領域に隣接する領域において、ゲート電極12の基部1
1Aに所定の電圧を供給するための電気的接続部となる
第2孔部23が形成されている。
【0057】以下、上述した電界放出素子の製造方法に
ついて、図5乃至図7を参照しながら説明する。
【0058】[工程−100]先ず、一例としてガラス
基板から成る支持体10の上に、スパッタリングにより
厚さ約0.2μmのタングステン膜を製膜し、通常の手
順に従ってフォトリソグラフィ及びドライエッチングに
よりこのタングステン膜をパターニングし、基部11A
を形成する。次に、基部11A上を含む支持体10上に
銀膜を、例えばスパッタリング法により約0.1μmの
厚さに製膜し、パターニングを行うことによって、銀膜
から成る電子増幅部11Bを形成する。次に、ゲート電
極12上を含む支持体10上に絶縁層13を形成する。
ここでは一例として、SiO2を約0.3μmの厚さに
形成する。更に、この絶縁層13の上に、例えば厚さ約
0.2μmのタングステン膜を製膜し、所定の形状にパ
ターニングし、電子放出層14を形成する。次に、全面
に例えばSiO2から成る第2絶縁層16を例えば約
0.7μmの厚さに形成する。更に、この第2絶縁層1
6の上に厚さ約0.2μmのタングステン膜を形成し、
所定のパターニングを行うことによって、第2ゲート電
極17を得ることができる。第2ゲート電極17の構成
材料や厚さについては、ゲート電極15と同じであって
もよいし、異なっていてもよい。ここまでのプロセスが
終了した状態を、図5の(A)に示す。
【0059】[工程−110]次に、図5の(B)に示
すように、第2絶縁層16及び絶縁層13のパターニン
グを行い、電子放出層14に所定の電圧を供給するため
の電気的接続部となる第1孔部22と、ゲート電極12
の基部11Aに所定の電圧を供給するための電気的接続
部となる第2孔部23とを形成する。第1孔部22と第
2孔部23の形成は、例えばRIE(反応性イオン・エ
ッチング)法によって行うことができる。
【0060】[工程−120]次に、全面にレジスト層
24を形成し、更にこのレジスト層24に、第2ゲート
電極15の表面を一部露出させるようにレジスト開口部
24Aを形成する。レジスト開口部24Aの平面形状は
矩形であり、図6の(A)にはその短辺方向の断面が示
されている。矩形の長辺はおおよそ100μm、短辺は
数μm〜10μmである。続いて、レジスト開口部24
Aの底部に露出した第2ゲート電極17を例えばRIE
法により異方的にエッチングする。ここでは第2ゲート
電極17をタングステンを用いて構成しているので、S
6ガスを用いたエッチングを行うことができる。ここ
までのプロセスが終了した状態を、図6の(A)に示
す。
【0061】[工程−130]次に、図6の(B)に示
すように、レジスト開口部24Aの内部に露出した第2
絶縁層16を等方的にエッチングし、第2開口部18を
形成する。ここでは、第2絶縁層16をSiO2を用い
て形成しているので、緩衝化フッ酸水溶液を用いたウェ
ットエッチングを行う。第2絶縁層16の壁面は、第2
ゲート電極17の先端部よりも後退するが、このときの
後退量はエッチング時間の長短により制御することがで
きる。
【0062】[工程−140]次に、第2開口部18の
底部に露出した電子放出層14を、イオンを主エッチン
グ種とする条件によりドライエッチングし、開口する。
ここでは電子放出層14をタングステンを用いて構成し
ているので、SF6ガスを用いたドライエッチングを行
うことができる。このときのエッチング条件によって
は、電子放出層14の厚さを先端部に向かって減少さ
せ、先端部を先鋭化させることもできる。ここまでのプ
ロセスが終了した状態を、図7の(A)に示す。
【0063】[工程−150]次に、レジスト開口部2
4Aの内部に露出した絶縁層13を等方的にエッチング
することにより、図7の(B)に示すように、底部に電
子増幅部11Bが露出した開口部15を形成する。ここ
では、前述の第2絶縁層16の場合と同様に、緩衝化フ
ッ酸水溶液を用いたウェットエッチングを行う。絶縁層
13の壁面は、電子放出層14の先端部よりも後退す
る。これと同時に、第2絶縁層16の壁面も後退するた
め、電子放出層14の先端部は絶縁層13と第2絶縁層
16の双方から突出することになる。この後、レジスト
層24を除去すると、図4に示した構成を得ることがで
きる。
【0064】以上のようにして作製された電界放出素子
のカソードパネル側の構造部を、図8に示すようにアノ
ードパネル28と組み合わせ、外部電源回路に接続する
と、本発明の表示装置30が完成される。カソードパネ
ル側の構造部とアノードパネル28との間は真空であ
る。実際の表示装置の構成においては、アノードパネル
28の端部とカソードパネルの端部とがスペーサ及び/
又は枠体(図示せず)を介して接合され、これら両パネ
ル間の空間が排気されている。又、アノードパネル28
には、図示は省略するが、所定のパターンに形成された
蛍光体層とアノード電極層が設けられている。外部電源
回路にはゲート電極用電源25、第2ゲート電極用電源
26、アノード用電源27が含まれ、ゲート電極12及
び第2ゲート電極17に例えばパルス状の正電圧(例え
ば0〜100V)、アノードパネル28のアノード電極
層(図示せず)にこれより大きな正電圧が印加される。
尚、例えば、ゲート電極12にパルス状の正電圧を印加
し、第2ゲート電極17に一定の正電圧を印加してもよ
い。又、電子放出層14には負電圧が印加されるか、あ
るいは又、接地される。
【0065】かかる電界放出素子の構成においては、電
子放出層14の先端部にゲート電極12及び第2ゲート
電極17から電界が加わり、量子トンネル効果によって
電子放出層14の先端部から1次電子が放出される。放
出された1次電子の大部分(e1,e3)は、ゲート電極
12に引き寄せられ、開口部15の底部に露出した電子
増幅部11Bに衝突する。ここで、電子増幅部11Bの
構成材料の2次電子利得δが基部11Aの構成材料の2
次電子利得δよりも大きいので、入射した1次電子の数
よりも多くの2次電子e2,e4が放出される。これらの
2次電子e2,e4が、最終的に蛍光体層を励起させこれ
を発光させることに寄与する。従って、開口部15の底
部に単に基部11Aが露出している場合に比べて、表示
装置に組み込まれた場合の輝度の向上が期待できる。こ
の結果、本発明の電界放出素子によれば、ゲート電極1
2及び第2ゲート電極17に印加する電圧が比較的低く
ても、十分な放出電子電流を得ることができ、表示画面
の高輝度化、又は低消費電力化、あるいはその両方を実
現することができる。
【0066】ところで、電子増幅部11Bを構成する材
料が、絶縁層13の除去に用いられる緩衝化フッ酸水溶
液に可溶である場合には、開口部15の底面に電子増幅
部11Bを残しておくために、緩衝化フッ酸水溶液に対
してエッチング耐性を有する保護層で予め電子増幅部1
1Bを被覆しておくことが好適である。電子増幅部11
Bを酸化マグネシウムや酸化バリウムを用いて構成する
場合には、かかる配慮が必要である。保護層を使用する
電界放出素子の製造方法について、図9及び図10を参
照しながら説明する。尚、これらの図面の符号は図5乃
至図7と一部共通であり、共通部分については詳しい説
明を省略する。
【0067】[工程−200]図9の(A)は、図5の
(A)に示した状態に保護層29を追加した状態を示し
ている。支持体10上にゲート電極12を形成するプロ
セスは、上述の通りである。例えば、基部11Aをクロ
ムを用いて構成し、電子増幅部11Bを酸化マグネシウ
ムを用いて構成する場合、保護層29は、例えばスパッ
タリング法により製膜される厚さ約0.1μmのタング
ステン膜を用いて構成することができる。図面では、保
護層29は電子増幅部11Bを被覆する部分にのみ形成
されているが、基部11B全体を被覆していても構わな
い。保護層29を形成した後は、保護層29上、及びゲ
ート電極12上を含む支持体10上に、絶縁層13を形
成し、以下、上述のプロセスに従って第2ゲート電極1
7の形成までを行う。
【0068】[工程−250]図9の(B)は、レジス
ト層24を介して第2ゲート電極17及び第2絶縁層1
6のエッチングを行って第2開口部18を形成し、更
に、電子放出層14及び絶縁層13のエッチングを順次
行って開口部15を形成した状態を示している。絶縁層
13のエッチングには緩衝化フッ酸水溶液を用いたが、
この段階で開口部15の底部に露出している保護層29
は緩衝化フッ酸水溶液ではエッチングされないため、電
子増幅部11Bが保護される。
【0069】[工程−260]次に、図10の(A)に
示すように、開口部15の底部おいて保護層29を除去
する。この除去は、例えばSF6ガスを用いたRIE法
により行うことができる。
【0070】[工程−270]この後、レジスト層24
を除去すると、図10の(B)に示すような電界放出素
子を得ることができる。
【0071】尚、上述の図1の(B)に示した以外の電
界放出素子も、基本的には同様のプロセスで製造するこ
とができる。例えば、図1の(C)に示した電界放出素
子を製造するには、先ず、図11の(A)に示すよう
に、支持体10上にゲート電極12、絶縁層13、電子
放出層14、第2絶縁層16、第2ゲート電極17、第
3絶縁層19、及び収束電極20をこの順に形成する。
次に、図11の(B)に示すように、収束電極20をエ
ッチングし、更に、第3絶縁層19をエッチングして第
3開口部21を形成する。図11の(B)では、収束電
極20に設けられる開口部よりも、第3絶縁層19に設
けられる開口部の方が小とされている。かかる構成を達
成するためには、例えば、収束電極20をエッチングす
るためのエッチング・マスクと第3絶縁層19をエッチ
ングするためのエッチング・マスクを別工程にて作製す
ればよい。この後、図12の(A)に示すように、第2
ゲート電極17の一部と第2絶縁層16の一部を除去し
て第2開口部18を形成し、更に、図12の(B)に示
すように、電子放出層14の一部と絶縁層13の一部を
除去して開口部15を形成すると、本発明の電界放出素
子を得ることができる。
【0072】尚、アノードに到達した電子の数と電子放
出層から放出された電子の数の比を電子利用効率と定義
し、タングステンから成る基部11Aのみを用いた電界
放出素子と、タングステンから成る基部11Aの表面に
酸化マグネシウムから成る電子増幅部11Bを形成した
電界放出素子をそれぞれ組み込んだ表示装置の電子利用
効率を比較したところ、前者で約25%、後者で約40
% であった。即ち、電子増幅部11Bを用いること
で、表示装置の電子利用効率が改善された。
【0073】以上、発明の実施の形態に基づき本発明を
説明したが、本発明はこれらの実施の形態に何ら限定さ
れるものではない。電界放出素子の構造の細部、電界放
出素子を適用した表示装置の構造の細部は例示であり、
適宜変更、選択、組合せが可能である。例えば、図1及
び図2に示した本発明の電界放出素子をいずれも、本発
明の表示装置の構成要素として適用することができる。
その他、電界放出素子の構造の細部、製造方法における
加工条件や使用した材料等の詳細事項に関しても、適宜
変更、選択、組合せが可能である。
【0074】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の電界放出素子においては、ゲート電極が導電性材料
から成る基部と、該基部よりも2次電子利得δの大きい
材料から成る電子増幅部とから構成されており、以て、
電子放出層から放出された1次電子を一旦、電子増幅部
に入射させ、電子増幅部から効率良く放出される2次電
子を取り出すように構成されている。従って、低いゲー
ト電圧にて高い放出電子電流を得ることが可能となる。
かかる電界放出素子を組み込んだ表示装置においては、
低消費電力であるにも拘わらず、高輝度、高画質を達成
することができる。又、本発明の電界放出素子の製造方
法は、従来のスピント型素子の製造方法に比べて再現性
や均一性に優れており、表示画面の大面積化にも対応す
る上で極めて有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子増幅部が開口部の底部に位置する基部の部
分の表面に形成された、本発明の電界放出素子の構成を
示す概念図である。
【図2】電子増幅部が基部の表面全域に亙って形成され
た、本発明の電界放出素子の他の構成を示す概念図であ
る。
【図3】図1の(B)の構成を有する電界放出素子の開
口端部近傍を一部を破断して示す斜視図である。
【図4】図3のA−A線断面を開口部周辺の構造と共に
示す模式的断面図である。
【図5】本発明の電界放出素子の製造工程を示す模式的
断面図であり、(A)は第2ゲート電極の形成までを終
了した状態、(B)は電極接続に用いられる第1孔部と
第2孔部を形成した状態を示す。
【図6】図5に引き続き、本発明の電界放出素子の製造
工程を示す模式的断面図であり、(A)は第2ゲート電
極の一部を除去した状態、(B)は第2絶縁層の一部を
除去して第2開口部を形成した状態を示す。
【図7】図6に引き続き、本発明の電界放出素子の製造
工程を示す模式的断面図であり、(A)は電子放出層の
一部を除去した状態、(B)は絶縁層の一部を除去して
開口部を形成した状態を示す。
【図8】本発明の表示装置の構成例を示す概念図であ
る。
【図9】保護層を用いた本発明の電界放出素子の製造方
法の他の例を示す模式的断面図であり、(A)は第2ゲ
ート電極の形成までを終了した状態、(B)は開口部の
形成までを終了した状態を示す。
【図10】図9に引き続き、本発明の電界放出素子の製
造方法の他の例を示す模式的断面図であり、(A)は保
護層を除去した状態、(B)はレジスト層を除去した状
態を示す。
【図11】図1の(C)の構成を有する電界放出素子の
製造工程を示す模式的断面図である。
【図12】図11に引き続き、図1の(C)の構成を有
する電界放出素子の製造工程を示す模式的断面図であ
る。
【図13】従来のスピント型の電界放出素子の構成例を
示す模式的断面図である。
【図14】従来のスピント型の電界放出素子の製造方法
の一例を説明するための模式的断面図であり、(A)は
開口部を形成した状態、(B)はゲート電極上に剥離層
を形成した状態をそれぞれ表す。
【図15】図14に引き続き従来のスピント型の電界放
出素子の製造方法の一例を説明するための模式的断面図
であり、(A)は金属層の成長に伴って円錐形の電子放
出部が形成された状態、(B)は不要の金属層を剥離層
と共に除去した状態をそれぞれ表す。
【図16】従来のエッジ型の電界放出素子の一構成例を
示す模式的断面図である。
【符号の説明】
10・・・支持体、11A・・・基部、11B・・・電
子増幅部、12・・・ゲート電極、13・・・絶縁層、
14・・・電子放出層、15・・・開口部、16・・・
第2絶縁層、17・・・第2ゲート電極、18・・・第
2開口部、19・・・第3絶縁層、20・・・収束電
極、21・・・第3開口部、22・・・第1孔部、23
・・・第2孔部、25・・・ゲート電極用電源、26・
・・第2ゲート電極用電源、27・・・アノード用電
源、28・・・アノードパネル、29・・・保護層、3
0・・・表示装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5C031 DD09 DD17 DD19 5C036 EE01 EE03 EF01 EF06 EF09 EG02 EG12 EG15 EH04 5C094 AA02 AA10 AA14 AA24 AA42 AA43 AA55 BA02 BA32 BA34 CA19 DA13 DB04 DB10 EA04 EA05 EA10 FA02 FB02 FB20 GA10

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゲート電極と、絶縁層と、電子放出層とが
    この順に支持体上に設けられ、 ゲート電極は、導電性材料から成る基部と、該基部より
    も2次電子利得の大きい材料から成る電子増幅部とから
    構成され、 電子放出層と絶縁層には開口部が設けられ、開口部の底
    部に電子増幅部が露出していることを特徴とする冷陰極
    電界電子放出素子。
  2. 【請求項2】電子増幅部は、少なくとも開口部の底部に
    位置する基部の部分の表面に形成されていることを特徴
    とする請求項1に記載の冷陰極電界電子放出素子。
  3. 【請求項3】電子増幅部は、基部の表面全域に亙って形
    成されていることを特徴とする請求項2に記載の冷陰極
    電界電子放出素子。
  4. 【請求項4】電子放出層上を含む絶縁層上には第2絶縁
    層が更に設けられ、第2絶縁層の上には第2ゲート電極
    が設けられ、 第2ゲート電極及び第2絶縁層には、前記開口部に連通
    する第2開口部が設けられていることを特徴とする請求
    項1に記載の冷陰極電界電子放出素子。
  5. 【請求項5】第2ゲート電極上を含む第2絶縁層上には
    第3絶縁層が更に設けられ、第3絶縁層上には収束電極
    が設けられ、 第3絶縁層には、前記第2開口部に連通する第3開口部
    が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の冷
    陰極電界電子放出素子。
  6. 【請求項6】(イ)導電性材料から成る基部と、該基部
    よりも2次電子利得の大きい材料から成る電子増幅部と
    から構成されたゲート電極を、支持体上に形成する工程
    と、 (ロ)ゲート電極上を含む支持体上に、絶縁層及び電子
    放出層をこの順に形成する工程と、 (ハ)底部に電子増幅部が露出した開口部を少なくとも
    絶縁層に形成する工程、から成ることを特徴とする冷陰
    極電界電子放出素子の製造方法。
  7. 【請求項7】工程(イ)では、少なくとも開口部の位置
    すべき基部の部分の表面に電子増幅部が形成されて成る
    ゲート電極を形成することを特徴とする請求項6に記載
    の冷陰極電界電子放出素子の製造方法。
  8. 【請求項8】工程(イ)では、基部の表面全域に亙って
    電子増幅部が形成されて成るゲート電極を形成すること
    を特徴とする請求項7に記載の冷陰極電界電子放出素子
    の製造方法。
  9. 【請求項9】工程(ロ)では、電子放出層を絶縁層上に
    形成し、 工程(ハ)では、電子放出層の一部を除去し、次いで絶
    縁層の一部を除去することにより開口部を形成すること
    を特徴とする請求項6に記載の冷陰極電界電子放出素子
    の製造方法。
  10. 【請求項10】工程(ロ)では、開口部が設けられた電
    子放出層を絶縁層上に形成し、 工程(ハ)では、絶縁層の一部を除去することにより開
    口部を完成させることを特徴とする請求項6に記載の冷
    陰極電界電子放出素子の製造方法。
  11. 【請求項11】工程(ハ)の後に、 (ニ)絶縁層を等方的にエッチングすることにより、開
    口部内において、電子放出層の先端部を絶縁層から突出
    させる工程、を有することを特徴とする請求項6に記載
    の冷陰極電界電子放出素子の製造方法。
  12. 【請求項12】工程(イ)の終了後、電子増幅部を保護
    層で被覆し、 工程(ロ)では、保護層上、及びゲート電極上を含む支
    持体上に、絶縁層及び電子放出層をこの順に形成し、 工程(ハ)では、底部に電子増幅部が露出した開口部を
    少なくとも絶縁層及び保護層に形成することを特徴とす
    る請求項6に記載の冷陰極電界電子放出素子の製造方
    法。
  13. 【請求項13】(イ)導電性材料から成る基部と、該基
    部よりも2次電子利得の大きい材料から成る電子増幅部
    とから構成されたゲート電極を、支持体上に形成する工
    程と、 (ロ)ゲート電極上を含む支持体上に、絶縁層、電子放
    出層、第2絶縁層、第2ゲート電極をこの順に形成する
    工程と、 (ハ)底部に電子放出層が露出した第2開口部を少なく
    とも第2絶縁層に形成する工程と、 (ニ)第2開口部と連通し、且つ、底部に電子増幅部が
    露出した開口部を少なくとも絶縁層に形成する工程、か
    ら成ることを特徴とする冷陰極電界電子放出素子の製造
    方法。
  14. 【請求項14】工程(イ)では、少なくとも開口部の位
    置すべき基部の部分の表面に電子増幅部が形成されて成
    るゲート電極を形成することを特徴とする請求項13に
    記載の冷陰極電界電子放出素子の製造方法。
  15. 【請求項15】工程(イ)では、基部の表面全域に亙っ
    て電子増幅部が形成されて成るゲート電極を形成するこ
    とを特徴とする請求項13に記載の冷陰極電界電子放出
    素子の製造方法。
  16. 【請求項16】工程(ロ)では、第2ゲート電極上を含
    む第2絶縁層上に更に第3絶縁層及び収束電極をこの順
    に形成し、 工程(ハ)では、底部に第2ゲート電極が露出した第3
    開口部を少なくとも第3絶縁層に形成し、次いで第3開
    口部と連通し、且つ底部に電子放出層が露出した第2開
    口部を少なくとも第2絶縁層に形成することを特徴とす
    る請求項13に記載の冷陰極電界電子放出素子の製造方
    法。
  17. 【請求項17】複数の画素から構成され、 各画素は、複数の冷陰極電界電子放出素子と、複数の冷
    陰極電界電子放出素子に対向して透明基板上に設けられ
    たアノード電極層及び蛍光体層から構成された冷陰極電
    界電子放出表示装置であって、 各冷陰極電界電子放出素子は、ゲート電極と、絶縁層
    と、電子放出層とがこの順に支持体上に設けられて成
    り、 ゲート電極は、導電性材料より成る基部と、該基部より
    も2次電子利得の大きい導電性材料から成る電子増幅部
    とから構成され、 電子放出層と絶縁層には開口部が設けられ、開口部の底
    部に電子増幅部が露出していることを特徴とする冷陰極
    電界電子放出表示装置。
  18. 【請求項18】電子放出層上を含む絶縁層上に設けられ
    た第2絶縁層、及び第2絶縁層上に設けられた第2ゲー
    ト電極を更に有し、 第2ゲート電極及び第2絶縁層には、前記開口部に連通
    する第2開口部が設けられていることを特徴とする請求
    項17に記載の冷陰極電界電子放出表示装置。
  19. 【請求項19】第2ゲート電極上を含む第2絶縁層上に
    設けられた第3絶縁層、及び第3絶縁層上に設けられた
    収束電極を更に有し、 第3絶縁層には、前記第2開口部に連通する第3開口部
    が設けられていることを特徴とする請求項18に記載の
    冷陰極電界電子放出表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010211955A (ja) * 2009-03-06 2010-09-24 Toppan Printing Co Ltd 発光装置

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