JP2000173512A - 電界イオン放出方式表示装置及びその駆動方法 - Google Patents

電界イオン放出方式表示装置及びその駆動方法

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JP2000173512A
JP2000173512A JP10347398A JP34739898A JP2000173512A JP 2000173512 A JP2000173512 A JP 2000173512A JP 10347398 A JP10347398 A JP 10347398A JP 34739898 A JP34739898 A JP 34739898A JP 2000173512 A JP2000173512 A JP 2000173512A
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electrode layer
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Morikazu Konishi
守一 小西
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】蛍光体層の表面あるいは内部に蓄積されている
残留ガスの影響を受け難く、しかも、使用寿命の長い平
面型の表示装置を提供する。 【解決手段】電界イオン放出方式表示装置は、複数の画
素を有し、第1パネルと、第2パネルと、第1パネル及
び第2パネルの縁部に取り付けられた外周枠23とを備
え、各画素は、第1パネルを構成する絶縁性基体10上
に設けられた複数の電界イオン放出素子11,13,1
4と、電界イオン放出素子に対向して第2パネルを構成
する透明基板20上に設けられた電極層21及び蛍光体
層22から構成され、電界イオン放出素子から放出され
たイオンに基づき蛍光体層が発光する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電界イオン放出方
式表示装置及びその駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在主流の陰極線管(CRT)に代わる
画像表示装置として、平面型(フラットパネル形式)の
表示装置が種々検討されている。このような平面型の表
示装置としては、液晶表示装置(LCD)、エレクトロ
ルミネッセンス表示装置(ELD)、プラズマ表示装置
(PDP)が例示される。また、熱的励起によらず固体
から真空中に電子を放出することが可能な冷陰極電界電
子放出型表示装置も提案されており、画面の明るさ及び
低消費電力の観点から注目を集めている。
【0003】冷陰極電界電子放出型表示装置は、一般
に、2次元マトリクス状に配列された各画素に対応して
電子放出部を有するカソードパネルと、この電子放出部
から放出された電子との衝突により励起されて発光する
蛍光体層を有するアノードパネルとが、真空層を介して
対向配置された構成を有する。カソードパネル上の各画
素には、通常、複数の電子放出部が形成されており、更
に、電子放出部から電子を引き出すためのゲート電極も
形成されている。この電子放出部とゲート電極を有する
部分を、電子放出素子と称することにする。
【0004】かかる冷陰極電界電子放出型表示装置の構
成において、低い駆動電圧で大きな放出電子電流を得る
ためには、電子放出部の構造にも依るが、電子放出部の
先端形状を鋭く尖らせた形状とすること、個々の電子放
出部を微細化して一画素に対応する区画内における電子
放出部の存在密度を高めること、電子放出部の先端とゲ
ート電極との距離を短縮すること等が必要である。従っ
て、これらを実現するために、従来より様々な構成を有
する電子放出素子が提案されている。
【0005】かかる従来の冷陰極電界電子放出型表示装
置の代表例の1つとして、電子放出部を円錐形の導電体
で構成した、所謂スピント(Spindt)型の冷陰極
電界電子放出素子(以下、スピント型電子放出素子と呼
ぶ場合がある)を備えた冷陰極電界電子放出型表示装置
が知られている。図19に概念図を示すこの冷陰極電界
電子放出型表示装置のカソードパネル側にはスピント型
電子放出素子が設けられており、かかるスピント型電子
放出素子は、絶縁性基体100上に設けられたカソード
電極層101と、層間絶縁層102と、層間絶縁層10
2上に形成されたゲート電極104と、円錐形の電子放
出部103から構成されている。電子放出部103は、
ゲート電極104に形成された開口部105の下の層間
絶縁層102に設けられた空洞部106内に位置し、且
つ、カソード電極層101上に配設されている。例えば
タングステンから成る電子放出部103が所定数、2次
元マトリクス状に配列されて1画素が形成されている。
一方、アノードパネル側は、透明基板110上に所定の
パターンを有するアノード電極層111が形成され、こ
のアノード電極層111が蛍光体層112で覆われた構
造を有する。
【0006】電子放出部103に例えば−50ボルトの
電圧を、また、ゲート電極104に例えば0ボルトの電
圧を印加すると、その結果生じた電界によって電子放出
部103の先端から電子が引き出される。この電子は、
アノードパネル側のアノード電極層111に引き付けら
れ、透明基板110上に形成されたアノード電極層11
1の上に設けられた発光体層である蛍光体層112に衝
突する。尚、アノード電極層111には、例えば1kV
の電圧が印加される。その結果、蛍光体層112が励起
されて発光し、所望の画像を得ることができる。この電
子放出素子の動作は、基本的にゲート電極104に印加
される電圧によって制御される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
に、電子が蛍光体層112に衝突すると、蛍光体層11
2の表面あるいは内部に蓄積されていたH2OやH2、O
2、CO2、CO等の残留ガス、あるいは又、CH4
ス、CXYZガス(但し、X,Y,Zは任意の正数)
がエネルギーを得て、分解し、あるいは又、そのままの
形態で、カソードパネルに向かって蛍光体層112から
放出される。この場合、通常、電気的に中性の分子及び
正イオンが放出される。このような電気的に中性の分
子、特に、炭素系の酸化物、H2OやH2、O2、CO2
CO等の分子が円錐形の電子放出部103の表面に吸着
し(図21の(A)の模式図を参照)、あるいは又、か
かる表面から脱離すると、電子放出部103の表面の仕
事関数に変化が生じる。その結果、電子放出部103か
らの放出電子電流に、例えばノイズが発生する。電子放
出部103の表面の仕事関数と放出電子電流密度Jとの
間の関係は、以下のファウラー・ノルドハイム(Fowler
-Nordheim)の式(1)で表すことができる。尚、式
(1)中、A,B,vは定数、φは仕事関数、Fは電界
強度である。
【0008】
【数1】 J=A(F2/φ)exp(Bφ1.5v/F) (1)
【0009】仕事関数φと放出電子電流密度Jとの関係
を図20に示す。尚、電界強度Fを3×107V/cm
とし、電子放出部103をタングステンから構成した。
酸素分子が電子放出部103の表面に吸着したとき、表
面の仕事関数が1乃至2eV増加することが知られてい
る。そして、図20からも明らかなように、このような
仕事関数の変化によって、放出電子電流密度は、変化前
の放出電子電流密度と比較して1/100乃至1/10
000程度にまで低下する。その結果、冷陰極電界電子
放出型表示装置に輝度の低下や変動が生じる。
【0010】また、蛍光体層112から放出された正の
イオンはアノード電極層111によって形成される電界
により高速に加速され、電子放出部103の表面に衝突
する。その結果、図21の(B)に模式図を示すよう
に、電子放出部103の表面に凹凸(荒れ)が生じ、電
子放出部103の寿命短縮の原因となっている。
【0011】従って、本発明の目的は、蛍光体層の表面
あるいは内部に蓄積されている残留ガスの影響を受け難
く、しかも、使用寿命の長い平面型(フラットパネル形
式)の表示装置、より詳しくは電界イオン放出方式表示
装置、及びその駆動方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の電界イオン放出方式表示装置(以下、単に
表示装置と呼ぶ場合がある)は、複数の画素を有し、第
1パネルと、第2パネルと、第1パネル及び第2パネル
の縁部に取り付けられた外周枠とを備え、各画素は、第
1パネルを構成する絶縁性基体上に設けられた複数の電
界イオン放出素子と、該電界イオン放出素子に対向して
第2パネルを構成する透明基板上に設けられた電極層及
び蛍光体層から構成され、電界イオン放出素子から放出
されたイオンに基づき蛍光体層が発光することを特徴と
する。ここで、「イオンに基づき」とは、イオンそれ自
体によって蛍光体層が発光する形態、及び、後述する蛍
光体発光粒子あるいは電子によって蛍光体層が発光する
形態の両方を含む概念である。以下においても同様であ
る。
【0013】本発明の表示装置においては、電界イオン
放出素子の表面近傍に電界を形成することによって、第
1パネルと第2パネルと外周枠とで囲まれた空間内に存
在する原子若しくは分子からイオンを生成させる。
【0014】本発明の表示装置においては、電界イオン
放出素子から放出されたイオンが蛍光体層に衝突するこ
とにより蛍光体層が発光する形態とすることができる。
この場合、表示装置における駆動電圧の振幅を低減させ
るために、第1パネルと第2パネルとの間にブランキン
グ電極が設けられていることが好ましい。
【0015】ここで、ブランキング電極とは、例えば電
子ビーム描画装置内に組み込まれているブランキング電
極と同じ概念の電極であり、一対の電極から成り、これ
らの電極で挟まれた空間内をイオンが通過する。一対の
電極のそれぞれに、例えば正の電圧と0ボルトを印加す
ると、電界イオン放出素子から放出されたイオンは、こ
れらの電極で囲まれた空間内を通過するとき、0ボルト
が印加された電極に引かれ、イオンはこの電極に衝突す
る。従って、イオンの流れに沿った電極の長さ、一対の
電極の間隔、及び各電極に印加する電圧を適切に選択す
ることによって、イオンの流れ、即ち、電界イオン放出
素子から放出されたイオンが蛍光体層(あるいは後述す
る2次電子倍増装置)に衝突するか否かを制御すること
ができる。電界イオン放出素子1つにつきブランキング
電極を1つ設けてもよいし、複数の電界イオン放出素子
に対してブランキング電極を1つ設けてもよい。尚、ブ
ランキング電極に関しては、以下の説明においても同様
である。
【0016】あるいは又、本発明の表示装置において
は、電界イオン放出素子から放出されたイオンが蛍光体
層に到達する前に、イオンの有するエネルギーが1以上
の蛍光体発光粒子に受け渡される形態とすることもで
き、この場合、蛍光体発光粒子として電子を挙げること
ができる。あるいは、第1パネルと第2パネルとの間に
2次電子倍増装置が設けられている形態とすることもで
きる。2次電子倍増装置として、光電子増倍管(PM
T)又はチャンネル型増倍管(例えばマイクロ・チャン
ネル・プレート,MCP)、MCP−PM、あるいはそ
の他の2次電子発生電極を挙げることができる。この場
合、電界イオン放出素子から放出されたイオンが2次電
子倍増装置に入射し、2次電子倍増装置から射出された
電子が蛍光体層に衝突することによって蛍光体層が発光
する構成とすることができる。例えばMCPを設けるこ
とによって、電界イオン放出素子から放出されたイオン
に基づくイオン電流を104倍程度に倍増することが可
能となる。また、2次電子倍増装置のイオン入射側の電
位を制御することによって、イオンの2次電子倍増装置
への入射を制御することができる。尚、2次電子倍増装
置のイオン入射側の電位は、例えば0ボルト乃至−10
0ボルトとすればよく、これによってイオンビームの集
束性の向上を図ることができる。この場合にも、表示装
置における駆動電圧の振幅を低減させるために、電界イ
オン放出素子と2次電子倍増装置との間に、前述と同様
のブランキング電極が設けられていることが好ましい。
尚、第1パネルと第2パネルとの間に、例えばMCPと
いった2次電子倍増装置を設ける概念を、従来の冷陰極
電界電子放出型表示装置に適用することもできる。この
場合には、各電極層や電極部に印加する電圧が異なる点
を除き、冷陰極電界電子放出型表示装置の構造は、本発
明の電界イオン放出方式表示装置の構造と実質的に同じ
とすればよい。
【0017】上記の目的を達成するための本発明の電界
イオン放出方式表示装置の駆動方法(以下、単に表示装
置の駆動方法と呼ぶ場合がある)は、複数の画素を有
し、第1パネルと、第2パネルと、第1パネル及び第2
パネルの縁部に取り付けられた外周枠とを備え、各画素
は、第1パネルを構成する絶縁性基体上に設けられた複
数の電界イオン放出素子と、該電界イオン放出素子に対
向して第2パネルを構成する透明基板上に設けられた電
極層及び蛍光体層から構成された電界イオン放出方式表
示装置の駆動方法であって、電界イオン放出素子の表面
近傍に電界を形成することによって、第1パネルと第2
パネルと外周枠とで囲まれた空間内に存在する原子若し
くは分子からイオンを生成させ、該イオンに基づき蛍光
体層を発光させることを特徴とする。
【0018】本発明の表示装置の駆動方法においては、
生成したイオンが蛍光体層に衝突することにより蛍光体
層を発光させる形態とすることができる。この場合、表
示装置における駆動電圧の振幅を低減させるために、第
1パネルと第2パネルとの間に、前述と同様のブランキ
ング電極を設けることが好ましい。尚、ブランキング電
極に印加する電圧の制御によって、生成したイオンの蛍
光体層への衝突を制御することができる。
【0019】あるいは又、本発明の表示装置の駆動方法
においては、生成したイオンが蛍光体層に到達する前
に、イオンの有するエネルギーを1以上の蛍光体発光粒
子に受け渡す形態とすることもでき、この場合、蛍光体
発光粒子として電子を挙げることができる。あるいは、
第1パネルと第2パネルとの間に、前述と同様の2次電
子倍増装置が設けられている形態とすることもできる。
この場合、生成したイオンが2次電子倍増装置に入射
し、2次電子倍増装置から射出された電子が蛍光体層に
衝突することによって蛍光体層を発光させる構成とする
ことができる。尚、2次電子倍増装置のイオン入射側の
電位を制御することによって、イオンの2次電子倍増装
置への入射を制御することができる。また、表示装置に
おける駆動電圧の振幅を低減させるために、電界イオン
放出素子と2次電子倍増装置との間に、前述と同様のブ
ランキング電極を設けることが好ましい。更には、ブラ
ンキング電極に印加する電圧の制御によって、生成した
イオンの2次電子倍増装置への入射を制御することがで
きる。
【0020】本発明の表示装置あるいはその駆動方法に
おいては、第1パネルと第2パネルと外周枠とで囲まれ
た空間内の圧力を0.13Pa(10-3トル)以下とす
ることが望ましい。尚、2次電子倍増装置を組み込んだ
場合には、圧力を1.3×10-3Pa(10-5トル)以
下とすることが望ましい。圧力が低下するに従い生成す
るイオンの量が減少し、その結果、表示装置の輝度が低
下する。従って、実用上問題とならない程度の輝度が得
られる圧力を、圧力の下限とすればよい。
【0021】本発明の表示装置あるいはその駆動方法に
おいては、表示装置の輝度を増加させるために、2次電
子倍増装置を組み込むことが好ましいが、その他の方策
として、エミッタ電極部あるいはエミッタ電極層に印加
される電圧と、引出し電極層(あるいは第1及び第2の
引出し電極層)に印加される電圧とによって形成される
エミッタ電極部あるいはエミッタ電極層表面近傍の電界
強度を増加する方策もある。図18に、かかる電界強度
とイオン電流の関係を示す。
【0022】あるいは又、イオン電流を増加させるため
には、比較的イオン化し易い分子や原子(例えばA
r)、あるいは、ArとHeの混合ガスを、第1パネル
と第2パネルと外周枠とで囲まれた空間内に導入した
り、放電現象が生じない程度まで空間内の圧力を出来る
限り高くしたり、電界イオン放出素子近傍にイオンを出
来る限る長い時間止まらせるために電界イオン放出素子
あるいは表示装置全体を冷却する方策もある。
【0023】本発明の表示装置あるいはその駆動方法に
おいては、電界イオン放出素子を、(A)絶縁性基体上
に設けられた電極層、(B)絶縁性基体上に形成され、
該電極層を被覆する層間絶縁層、(C)該層間絶縁層上
に形成され、開口部を有する引出し電極層、並びに、
(D)該開口部の下の層間絶縁層に設けられた空洞部内
に位置し、且つ、該空洞部の底部に位置する電極層上に
配設されたエミッタ電極部、から構成することができ
る。この場合、エミッタ電極部の形状を、円錐形又は柱
状(例えば、先端部分に先鋭部を有する柱状形状)とす
ることができる。尚、このような電界イオン放出素子
を、便宜上、スピント型電界イオン放出素子と呼ぶ。
【0024】あるいは又、本発明の表示装置あるいはそ
の駆動方法においては、電界イオン放出素子を、(A)
絶縁性基体上に設けられたエミッタ電極層、(B)絶縁
性基体上に形成され、該エミッタ電極層を被覆する層間
絶縁層、(C)該層間絶縁層上に形成され、開口部を有
する引出し電極層、並びに、(D)該開口部の下の層間
絶縁層に設けられた空洞部、から成り、平面状のエミッ
タ電極層は空洞部の底部に露出している構成とすること
もできる。尚、このような電界イオン放出素子を、便宜
上、平面型電界イオン放出素子と呼ぶ。
【0025】更には、本発明の表示装置あるいはその駆
動方法においては、電界イオン放出素子を、(A)絶縁
性基体上に設けられた第1引出し電極層、(B)絶縁性
基体上に形成され、該第1引出し電極層を被覆する第1
層間絶縁層、(C)該第1層間絶縁層上に形成されたエ
ミッタ電極層、(D)該エミッタ電極層を被覆する第2
層間絶縁層、(E)該第2層間絶縁層上に形成された第
2引出し電極層、並びに、(F)少なくとも、第2引出
し電極層、第2層間絶縁層及び第1層間絶縁層に設けら
れた開口部、から成り、エミッタ電極層の端部は開口部
側壁から突出している構成とすることもできる。エミッ
タ電極層にも開口部を形成してもよい。尚、このような
電界イオン放出素子を、便宜上、エッジ放出型電界イオ
ン放出素子と呼ぶ。
【0026】第1パネルを構成する絶縁性基体は、少な
くとも、電界イオン放出素子をその上に形成するための
表面が絶縁性部材より構成されていればよく、絶縁性基
体を構成する材料として、ガラス基板、表面に絶縁膜が
形成されたガラス基板、石英基板、表面に絶縁膜が形成
された石英基板、表面に絶縁膜が形成された半導体基板
を例示することができる。
【0027】スピント型電界イオン放出素子における電
極層や引出し電極層、平面型電界イオン放出素子におけ
る引出し電極層、エッジ放出型電界イオン放出素子にお
ける第1引出し電極層や第2引出し電極層は、タングス
テン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、チタ
ン(Ti)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、ア
ルミニウム(Al)、銅(Cu)等の金属層又はこれら
の金属元素を含む合金層を用いて形成することができる
が、中でも所謂高融点金属あるいはその合金を用いるこ
とが好ましい。これらの電極層の形成方法として、蒸着
法、スパッタリング法、CVD法、イオン・プレーティ
ング法、印刷法等、通常の薄膜作製プロセスを挙げるこ
とができる。尚、第1引出し電極層を構成する材料と、
第2引出し電極層を構成する材料とは、同じであって
も、異なっていてもよい。
【0028】スピント型電界イオン放出素子におけるエ
ミッタ電極部、平面型電界イオン放出素子やエッジ放出
型電界イオン放出素子におけるエミッタ電極層は、タン
グステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、
チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、クロム(C
r)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)等の金属層又
はこれらの金属元素を含む合金層を用いて形成すること
ができるが、中でも所謂高融点金属層あるいはその合金
層を用いて形成することが好ましい。これらのエミッタ
電極部あるいはエミッタ電極層は、形状等にも依存する
が、蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオン・プ
レーティング法、印刷法等、通常の薄膜作製プロセスに
よって形成することができる。
【0029】スピント型電界イオン放出素子における層
間絶縁層、平面型電界イオン放出素子における層間絶縁
層、エッジ放出型電界イオン放出素子における第1層間
絶縁層や第2層間絶縁層を構成する材料としては、Si
2、SiN、SiON、ガラス・ペースト硬化物を単
独あるいは適宜組み合わせて使用することができる。こ
れらの層間絶縁層の形成には、CVD法、塗布法、スパ
ッタリング法、印刷法等の公知のプロセスが利用でき
る。
【0030】開口部あるいは空洞部の平面形状として、
円、楕円、あるいはn角形(但し、nは3以上の整数)
を挙げることができる。n角形は、正n角形でなくても
よく、又、その頂点は丸みを帯びていてもよい。スピン
ト型電界イオン放出素子において開口部の平面形状を円
形とする場合、開口部の直径を1μm前後あるいはそれ
以下とすることが好ましい。一方、平面型電界イオン放
出素子やエッジ放出型電界イオン放出素子において開口
部を矩形とする場合、開口部の矩形の長辺をおおよそ1
00μm以下、短辺を数μm〜10μm程度とすること
が好ましい。
【0031】第2パネルは、ガラス板等の透明基板から
構成されている必要がある。第2パネルに設けられた電
極層を構成する材料として、例えば、アルミニウム、酸
化錫をドープした酸化インジウム(ITO)、酸化錫
(SnO2)を挙げることができる。ストライプ状又は
ドット状にパターニングされた蛍光体層を構成する蛍光
体として、高速電子励起用蛍光体や低速電子励起用蛍光
体を用いることができる。透明基板の表面に電極層を形
成し、かかる電極層の上に蛍光体層を形成してもよい
し、透明基板の表面に蛍光体層を形成し、かかる蛍光体
層の上に電極層を形成してもよい。
【0032】本発明においては、電界イオン放出素子を
備えており、かかる電界イオン放出素子へのガス吸着の
抑制が可能となる結果、電界イオン放出素子における仕
事関数の変化を少なくすることができる。しかも、イオ
ンが電界イオン放出素子の表面に衝突することを抑制す
ることができるので、電界イオン放出素子の寿命短縮を
防ぐことが可能となる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、発明の実
施の形態(以下、実施の形態と略称する)に基づき本発
明を説明する。
【0034】(実施の形態1)実施の形態1は、スピン
ト型電界イオン放出素子を備えた表示装置に関する。こ
の表示装置は、図1の(A)に概念図を示すように、複
数の画素を有し、第1パネルと、第2パネルと、第1パ
ネル及び第2パネルの縁部に取り付けられた外周枠23
とを備えている。そして、各画素は、第1パネルを構成
する絶縁性基体10上に設けられた複数の電界イオン放
出素子と、電界イオン放出素子に対向して第2パネルを
構成する透明基板20上に設けられた電極層21及び蛍
光体層22から構成されている。尚、第1パネルと第2
パネルと外周枠23とで囲まれた空間(以下、単に空間
と呼ぶ場合がある)内の圧力は0.13Pa以下であ
る。
【0035】複数の電界イオン放出素子は、2次元マト
リックス状に配列されている。各電界イオン放出素子
は、図1の(B)に模式的な一部端面図を示すように、
例えばガラス基板から成る絶縁性基体10上に設けられ
た電極層11、絶縁性基体10上に形成され、電極層1
1を被覆する層間絶縁層12、層間絶縁層12上に形成
され、開口部15を有する引出し電極層14、並びに、
エミッタ電極部13から構成されている。エミッタ電極
部13は、開口部15の下の層間絶縁層12に設けられ
た空洞部16内に位置し、且つ、空洞部16の底部に位
置する電極層11上に配設されている。エミッタ電極部
13は、半導体製造プロセスを利用して電極層11の上
に形成された直径1.0μm程度のタングステン(W)
から成る円錐状のチップであり、イオン放出部として機
能する。電極層11及び絶縁性基体10は層間絶縁層1
2によって被覆されている。エミッタ電極部13の先端
側には、エミッタ電極部13を取り囲むように引出し電
極層14が設けられている。
【0036】エミッタ電極部13の先端部分(以下、単
に先端部分と呼ぶ場合がある)を拡大した模式図を図2
に示す。エミッタ電極部13に印加される電圧(例えば
500ボルト)と、引出し電極層14に印加される電圧
(例えば0ボルト)とによって、先端部分の近傍(例え
ば、先端部分の表面から10-10mオーダー。具体的に
は、例えば2〜3×10-10m)には、例えば60V/
nm程度の強電界が形成される。それ故、先端部分近傍
の例えばガス分子は分極して先端部分まで引き寄せられ
るが、先端部分の近傍に形成された強電界によってガス
分子は電子を失い正イオンとなり(尚、このような現象
を電界イオン化と呼ぶ)、先端部分からの反発力で蛍光
体層22に向かって飛ばされる。このように、エミッタ
電極部13と引出し電極層14との間に電圧が印加され
る結果生じた電界によって、エミッタ電極部13の先端
部分から正イオンが放出される。この正イオンは、透明
基板20上に形成された電極層21(例えば、印加電圧
−5kV)に引かれ、電極層21上に形成された蛍光体
層(発光体層)22に衝突する結果、蛍光体層22が発
光し、所望の画像を得ることができる。こうして、電界
イオン放出素子から放出されたイオンに基づき蛍光体層
22が発光する。尚、蛍光体層(発光体層)22に衝突
した正イオンは電子を受け取り、中性の分子若しくは原
子となる。
【0037】CO2やCO、H2O、CO等の空間内に存
在するガス分子や原子がエミッタ電極部13の先端部分
に吸着することを防止しつつ、電界イオン化/電界蒸発
によってガス分子や原子を蛍光体層側へと飛ばすには、
エミッタ電極部13の先端部分近傍の電界を20V/n
m以上、好ましくは30V/nm以上とすることが望ま
しい。電界イオン化の機構はエミッタ電極部13の先端
部分の表面状態に鋭敏であり、イオン電流の発生量もエ
ミッタ電極部13の先端部分の表面状態に大きく影響さ
れるが、このようにエミッタ電極部13の先端部分への
ガス分子や原子の吸着を抑制することによって、安定し
たイオン電流を得ることができる。
【0038】図1に示したスピント型電界イオン放出素
子は、従来のスピント型電子放出素子と同様の工程にて
作製することができる。以下、図1に示した電界イオン
放出素子の作製方法の概要を、図3及び図4を参照して
説明する。
【0039】[工程−100]例えば、第1パネルを構
成するガラス基板から成る絶縁性基体10の上にニオブ
層を成膜した後、かかるニオブ層をパターニングするこ
とによって電極層11を形成する。次に、全面に、例え
ばSiO2から成る層間絶縁層12をCVD法にて成膜
し、更に、層間絶縁層12上にCVD法にて、例えば導
電材料層を成膜した後、リソグラフィ技術及びドライエ
ッチング技術を用いて、かかる導電材料層をパターニン
グする。これによって、開口部15が設けられた引出し
電極層14を形成することができる。そして、引き続
き、開口部15の下方の層間絶縁層12をエッチングす
ることによって除去し、層間絶縁層12に空洞部16を
形成する(図3の(A)参照)。尚、開口部15及び空
洞部16の平面形状を円形とした。
【0040】[工程−110]その後、引出し電極層1
4に対してアルミニウムを斜め蒸着することによって、
アルミニウムから成る剥離層17を引出し電極層14の
上に形成する(図3の(B)参照)。アルミニウムのス
パッタ粒子が引出し電極層14の法線に対して約75度
傾いて引出し電極層14上に入射するようにアルミニウ
ムを斜め蒸着すると、引出し電極層14に設けられた開
口部15の縁部から剥離層17が庇状に延びるようにア
ルミニウムが堆積し、剥離層17によって開口部15は
実質的に縮径される。
【0041】[工程−120]次に、全面に例えばタン
グステン(W)を垂直蒸着する。このとき、図4に示す
ように、剥離層17上でオーバーハング形状を有するタ
ングステン層18が成長するに伴い、開口部15の実質
的な直径が次第に縮小されるので、空洞部16の底部に
おいて堆積に寄与する蒸着粒子は、次第に開口部15の
中央付近を通過するものに限られるようになる。この結
果、空洞部16の底部には円錐形の堆積物が形成され、
この円錐形の堆積物がイオン放出のためのエミッタ電極
部13となる。
【0042】[工程−130]その後、電気化学的プロ
セス及び湿式プロセスによって剥離層17を引出し電極
層14の表面から剥離し、引出し電極層14の上方のタ
ングステン層18を選択的に除去する。その後、必要に
応じて、層間絶縁層12を等方的にエッチングして空洞
部16の上方に引出し電極層14が突出するような構造
としてもよい。こうして、図1に示した構造のスピント
型の電界イオン放出素子、及び、複数の電界イオン放出
素子が設けられた第1パネルを得ることができる。
【0043】[工程−140]透明基板20に電極層2
1及び蛍光体層22が形成された第2パネルを準備す
る。そして、第1パネルの縁部と第2パネルの縁部と
を、例えばフリットガラスから成るシール材24を用い
て外周枠23を介して接合した後、第1パネルと第2パ
ネルと外周枠23とで囲まれた空間内の圧力を0.13
Pa以下まで排気し、次いで、封止する。そして、表示
装置を外部電源回路に接続すると、本発明の表示装置を
駆動することができる。外部電源回路には、電極層21
に所定の電圧(例えば−5kV)を印加するための加速
電源30、引出し電極層14に所定の電圧(例えば0ボ
ルト)を印加するための制御回路31、電極層11に所
定の電圧(例えば500ボルト)を印加するための制御
回路32が含まれる。
【0044】尚、多数のエミッタ電極部13の先端の曲
率を一定に揃えるためには、例えば、米国特許第520
9687号に開示された電界蒸発法を採用すればよい。
この電界蒸発法においては、エミッタ電極部13に、表
示装置を駆動するときの電圧よりも例えば20〜30%
以上高い電圧を制御回路32から印加する。これによっ
て、先端の曲率が小さいエミッタ電極部からエミッタ電
極部を構成する材料の蒸発が順次始まり、最終的に、多
数のエミッタ電極部13の先端の曲率が一定となる。ま
た、表示装置を長時間使用していると、エミッタ電極部
13を構成する材料の表面の酸化等によって、エミッタ
電極部13の仕事関数が大きくなってくる場合がある。
このような現象が発生すると、発生するイオン電流が減
少し、表示装置の輝度が低下したり、輝度にばらつきが
生じる。それ故、これらの現象が発生した場合にも、エ
ミッタ電極部13に、表示装置を駆動するときの電圧よ
りも例えば20〜30%高い電圧を制御回路32から印
加すればよい。これによって、多数のエミッタ電極部1
3の先端の表面に形成された酸化物を除去でき、しか
も、多数のエミッタ電極部13の先端の曲率を一定とす
ることができる。
【0045】(実施の形態2)実施の形態2は実施の形
態1の変形であり、電界イオン放出素子は平面型電界イ
オン放出素子から構成されている。この電界イオン放出
素子は、図5の(A)に模式的な一部端面図を示し、図
5の(B)に立体形状を示す概略斜視図を示すように、
絶縁性基体40上に設けられたエミッタ電極層43、絶
縁性基体40上に形成され、エミッタ電極層43を被覆
する層間絶縁層42、層間絶縁層42上に形成され、開
口部45を有する引出し電極層44、並びに、開口部4
5の下の層間絶縁層42に設けられた空洞部46から成
り、平面状のエミッタ電極層43が空洞部46の底部に
露出している。尚、図5の(A)は、図5の(B)のA
−A線に沿った1つの開口部近傍の模式的な一部端面図
である。図5の(B)では、層間絶縁層42と絶縁性基
体40の図示を省略しているが、層間絶縁層42に設け
られた空洞部46を破線で示す。また、引出し電極層4
4とエミッタ電極層43との距離を、若干拡大して示し
ている。
【0046】図5に示す電界イオン放出素子において
は、絶縁性基体40の表面に、一方向に延在するストラ
イプ状のエミッタ電極層43、層間絶縁層42、及びエ
ミッタ電極層43と直交する方向に延在するストライプ
状の引出し電極層44が順次積層されている。そして、
引出し電極層44と層間絶縁層42とが重複する領域
に、引出し電極層44及び層間絶縁層42を貫通する開
口部45及び空洞部46が設けられている。空洞部46
の底部に露出したエミッタ電極層43の部分が、イオン
放出部として機能する部分である。図5の(B)におい
ては、引出し電極層44とエミッタ電極層43とが重複
する各領域にそれぞれ1個だけ開口部45、空洞部46
が形成された状態を例示しているが、実際に表示装置に
組み込まれる場合には、各領域に複数個の開口部45、
空洞部46が形成される場合が多い。
【0047】絶縁性基体40としては、一例としてガラ
ス基板を使用する。エミッタ電極層43は、幅約50μ
mのタングステン層から成り、約100μmのピッチで
ストライプ状に配列されている。層間絶縁層42は、厚
さ約5μmの絶縁性ガラス層(ガラス・ペースト硬化
物)から成る。引出し電極層44は、厚さ約5μm、幅
約50μmの銀焼結体パターンから成り、約100μm
のピッチでストライプ状に配列されている。引出し電極
層44の延在方向は、図5にも既に示したように、エミ
ッタ電極層43の延在方向と直交している。引出し電極
層44及び層間絶縁層42に設けられた開口部45及び
空洞部46の直径を10μmとする。
【0048】以下、実施の形態2にかかる表示装置の電
界イオン放出素子を製造するプロセスについて、図6を
参照しながら説明する。
【0049】[工程−200]先ず、一例としてガラス
基板から成る絶縁性基体40の上にスパッタ法にてタン
グステン層を成膜し、次いで、タングステン層をパター
ニングすることによってストライプ状のエミッタ電極層
43を形成する(図6の(A)参照)。各ストライプの
幅を50μm、ピッチを100μmとする。
【0050】[工程−210]次に、層間絶縁層42を
形成するため、全面に一例としてガラス・ペーストを印
刷する。ガラス・ペーストの印刷パターンには、エミッ
タ電極層43と後に形成される引出し電極層44との重
複予定領域において、必要な個数の空洞部46が設けら
れている。その後、480°Cで焼成を行い、図6の
(B)に示すように、一例として厚さ5μmの絶縁性ガ
ラス層(ガラス・ペースト硬化物)から成る層間絶縁層
42を形成する。
【0051】その後、引出し電極層44を形成するた
め、層間絶縁層42の上に一例として銀ペーストをスト
ライプ状に印刷する。ストライプのピッチは、作製しよ
うとする表示装置の画面の画素ピッチに等しい。ここで
は、各ストライプの幅を50μm、ピッチを100μm
とする。この銀ペーストの印刷パターンには、層間絶縁
層42に設けられた空洞部46と位置合わせされた開口
部45が形成されている。その後、480°Cで焼成を
行い、図5に示す電界イオン放出素子を完成させること
ができる。尚、上述のプロセスでは、層間絶縁層42及
び引出し電極層44を形成するためのペーストを塗布す
る毎に焼成を行ったが、焼成回数を減らすために、各層
42,44の印刷工程を連続して行い、その後、焼成を
行ってもよい。
【0052】(実施の形態3)実施の形態3も実施の形
態1の変形であり、電界イオン放出素子はエッジ放出型
電界イオン放出素子から構成されている。この電界イオ
ン放出素子は、図7に模式的な一部端面図を示し、図8
に一部を切り欠いた模式的な斜視図を示すように、絶縁
性基体50上に設けられた第1引出し電極層51、絶縁
性基体50上に形成され、第1引出し電極層51を被覆
する第1層間絶縁層52、第1層間絶縁層52上に形成
されたエミッタ電極層53、エミッタ電極層53を被覆
する第2層間絶縁層56、第2層間絶縁層56上に形成
された第2引出し電極層54、並びに、第2引出し電極
層54、第2層間絶縁層56、エミッタ電極層53及び
第1層間絶縁層52に設けられた開口部55から成り、
エミッタ電極層53の端部53Aは、開口部55の側壁
から突出しており、イオン放出部として機能する。尚、
図7は、図8のA−A線に沿った1つの開口部近傍の模
式的な一部端面図である。
【0053】開口部55は、第2引出し電極層54に穿
設された第1開口部55A、第2層間絶縁層56に穿設
された第2開口部55B、エミッタ電極層53に穿設さ
れた第3開口部55C、及び、第1層間絶縁層52に穿
設された第4開口部55Dから構成されている。そし
て、開口部55の底部には第1引出し電極層51が露出
している。第3開口部55Cの上端部は第1開口部55
Aの開口端面よりも後退した位置にあり、且つ、第3開
口部55Cの上端部に比べて第3開口部55Cの下端部
は突出している。即ち、エミッタ電極層53の厚さは先
端部に向かうほど薄くなっており、その端面の傾斜は順
テーパ状である。更に、第2開口部55Bの下端部は第
3開口部55Cの上端部よりも後退した位置にあり、且
つ、第4開口部55Dの上端部は、第3開口部55Cの
下端部よりも後退した位置にある。即ち、エミッタ電極
層53の端部は、開口部55の壁面、より具体的には第
2層間絶縁層56と第1層間絶縁層52とが成す壁面か
ら突出している。第2開口部55Bの下端部と第4開口
部55Dの上端部との位置関係については特に規定され
るものではなく、加工条件によって変化する可能性があ
る。また、第4開口部55Dの上端部は、少なくともエ
ミッタ電極層53の端部53Aよりは後退している必要
がある。
【0054】ところで、図7及び図8に例示した電界イ
オン放出素子は、開口部55が概ね矩形の平面形状を有
しており、少なくとも、第2引出し電極層54に穿設さ
れる第1開口部55Aは矩形である。
【0055】以下、上述した電界イオン放出素子の製造
方法について、絶縁性基体等の模式的な一部端面図であ
る図9乃至図13を参照しながら説明する。
【0056】[工程−300]先ず、図9の(A)に示
すように、一例として、第1パネルを構成するガラス基
板から成る絶縁性基体50の上に、スパッタリングによ
り厚さ約0.2μmのタングステン膜を成膜し、通常の
手順に従ってフォトリソグラフィ技術及びドライエッチ
ング技術によりこのタングステン膜をパターニングし、
第1引出し電極層51を形成する。
【0057】[工程−310]次に、図9の(B)に示
すように、全面に第1層間絶縁層52を形成する。ここ
では一例として、SiO2を約0.3μmの厚さに形成
する。更に、この第1層間絶縁層52の上にタングステ
ンから成る導電膜を0.2μmの厚さに形成した後、所
定の形状にパターニングし、エミッタ電極層53を形成
する。
【0058】[工程−320]次に、図10の(A)に
示すように、全面に例えばSiO2から成る第2層間絶
縁層56を例えば約0.7μmの厚さに形成する。更
に、この第2層間絶縁層56の上に厚さ約0.2μmの
タングステン膜を形成し、所定のパターニングを行うこ
とによって、第2引出し電極層54を得ることができ
る。第2引出し電極層54の構成材料や厚さは、第1引
出し電極層51と同じであってもよいし、異なっていて
もよい。
【0059】[工程−330]その後、全面にレジスト
層57を形成し、更にこのレジスト層57に、第2引出
し電極層54の表面を一部露出させるようにレジスト開
口部57Aを形成する。レジスト開口部57Aの平面形
状は矩形であり、矩形の長辺はおおよそ100μm、短
辺は数μm〜10μmである。続いて、レジスト開口部
57Aの底面に露出した第2引出し電極層54を例えば
RIE(反応性イオン・エッチング)法により異方的に
エッチングし、第1開口部55Aを形成する(図10の
(B)参照)。ここでは第2引出し電極層54をタング
ステンを用いて構成しているので、SF6ガスを用いた
エッチングにより垂直壁を有する第1開口部55Aを形
成することができる。
【0060】[工程−340]次に、図11に示すよう
に、第1開口部55Aの底面に露出した第2層間絶縁層
56を等方的にエッチングし、第2開口部55Bを形成
する。ここでは第2層間絶縁層をSiO2を用いて形成
しているので、緩衝化フッ酸水溶液を用いたウェットエ
ッチングを行う。第2開口部55Bの壁面は、第1開口
部55Aの開口端面よりも後退するが、このときの後退
量はエッチング時間の長短により制御することができ
る。ここでは、第2開口部55Bの下端が第1開口部5
5Aの開口端面よりも後退するまで、ウェットエッチン
グを行う。
【0061】[工程−350]次に、図12に示すよう
に、第2開口部55Bの底面に露出したエミッタ電極層
53を、イオンを主エッチング種とする条件によりドラ
イエッチングする。イオンを主エッチング種とするドラ
イエッチングでは、被エッチング物へのバイアス電圧の
印加やプラズマと磁界との相互作用を利用して荷電粒子
であるイオンを加速することができるため、一般には異
方性エッチングが進行し、被エッチング物の加工面は垂
直壁となる。しかし、この[工程−350]では、プラ
ズマ中の主エッチング種の中にも垂直以外の角度を有す
る入射成分が若干存在すること、及び第1開口部55A
の端部における散乱によってもこの斜め入射成分が生ず
ることにより、エミッタ電極層53の露出面の中で、本
来であれば第1開口部55Aによって遮蔽されてイオン
が到達しないはずの領域にも、ある程度の確率で主エッ
チング種が入射する。このとき、エミッタ電極層53の
法線に対する入射角の小さい主エッチング種ほど入射確
率は高く、入射角の大きい主エッチング種ほど入射確率
は低い。従って、第3開口部55Cの上端部の位置は第
2開口部55Bの下端部とほぼ揃っているものの、第3
開口部55Cの下端部の位置はその上端部よりも突出し
た状態となる。つまり、エミッタ電極層53の厚さが、
突出方向の先端部に向けて薄くなり、端部が先鋭化され
る。ここでは、エッチング・ガスとしてSF6を用いる
ことにより、エミッタ電極層53の良好な加工を行うこ
とができる。
【0062】[工程−360]次に、図13に示すよう
に、第3開口部55Cの底面に露出した第1層間絶縁層
52を等方的にエッチングし、第4開口部55Dを形成
し、開口部55を完成させる。ここでは、上述の第2層
間絶縁層56の場合と同様に、緩衝化フッ酸水溶液を用
いたウェットエッチングを行う。第4開口部55Dの壁
面は第3開口部55Cの下端部よりも後退する。このと
きの後退量はエッチング時間の長短により制御可能であ
る。このとき、先に形成された第2開口部55Bの壁面
は更に後退する。尚、開口部55の完成後にレジスト層
57を除去すると、図7及び図8に示した構造を得るこ
とができる。
【0063】(実施の形態4)実施の形態4も実施の形
態1の変形である。実施の形態4が実施の形態1と相違
する点は、第1パネルと第2パネルとの間にブランキン
グ電極61が設けられている点にある。実施の形態4に
おける電界イオン放出素子の模式的な一部端面図を図1
4の(A)に示し、模式的な平面図を図14の(B)に
示す。尚、図14の(A)は、図14の(B)の線A−
Aに沿った図である。尚、参照番号60は、引出し電極
層14上に形成された厚さ約0.5μmの絶縁層であ
る。ブランキング電極61、絶縁層60、エミッタ電極
部13の区別を明確にするために、図14の(B)にお
いて、これらに斜線を付した。尚、一対のブランキング
電極61A,61Bに電圧を印加するための配線が絶縁
層60上に形成されているが、これらの配線の図示は省
略した。
【0064】ブランキング電極61を設けることによっ
て蛍光体層22に向かうイオンの軌道がどの程度曲げら
れるかを計算した結果を、図15の(A)に示す。尚、
図15の(B)に模式図を示すように、蛍光体層22に
対する法線であってエミッタ電極部13の先端と交わ
り、且つ、ブランキング電極61の軸線と一致する直線
をZ軸とし、ブランキング電極61と絶縁層60との界
面に含まれ、且つ、Z軸と直交する直線をX軸(図14
の(A)も参照のこと)とする。そして、ブランキング
電極61を構成する第1ブランキング電極61A及び第
2ブランキング電極61Bが、Z軸と平行に配設されて
いる。ここで、第1ブランキング電極61Aは、X軸の
正の方向にZ軸から0.5μm離れて配置され、0ボル
トが印加され、第2ブランキング電極61Bは、X軸の
負の方向にZ軸から0.5μm離れて配置され、20ボ
ルトが印加されるとした。また、ブランキング電極61
に入射するイオンをヘリウムイオン(He+)、かかる
ブランキング電極61に入射する際のイオンの有するエ
ネルギーを500eVと仮定した。
【0065】図15の(A)からも明らかなように、第
1ブランキング電極61Aと第2ブランキング電極61
Bとで囲まれた空間に進入したイオンが、Z軸方向に1
0μmだけブランキング電極61内を進行すると、X軸
方向に1μmだけイオンの軌道がずれる。それ故、上記
の条件においては、最低、Z軸方向に沿って長さ10μ
mのブランキング電極61を設ければ、イオンはブラン
キング電極61に衝突する。
【0066】従って、画像信号に対応した画像形成を、
エミッタ電極部13からのイオン電流そのもののオン/
オフ制御によって行うのではなく、即ち、エミッタ電極
部13と引出し電極層14との間の電位差の制御によっ
て行うのではなく、エミッタ電極部13から、常時、イ
オンを放出させておき、かかるイオンを、一旦、ブラン
キング電極61に取り込み、ブランキング電極61のオ
ン/オフ動作によってイオンの蛍光体層22への衝突の
制御を行うことができる。この場合、ブランキング電極
61のオン/オフ制御は、例えば、高々20ボルトでよ
く、エミッタ電極部13からのイオン電流そのもののオ
ン/オフ制御によって行う場合、即ち、例えば500ボ
ルトのオン/オフ制御と比較して、約1/25に駆動電
圧の振幅を低減することができる。尚、実施の形態4に
おいては、電界イオン放出素子として、スピント型電界
イオン放出素子を例にとり説明したが、実施の形態4に
て説明したブランキング電極61と、平面型電界イオン
放出素子あるいはエッジ放出型電界イオン放出素子とを
組み合わせることもできる。
【0067】(実施の形態5)実施の形態5も実施の形
態1の変形である。実施の形態5の表示装置において
は、電界イオン放出素子から放出されたイオンは、蛍光
体層22に到達する前に、イオンの有するエネルギーが
1以上の蛍光体発光粒子(実施の形態5においては電
子)に受け渡される。より具体的には、実施の形態5
は、第1パネルと第2パネルとの間に2次電子倍増装置
であるマイクロ・チャンネル・プレート(MCP)が設
けられている点で、実施の形態1にて説明した表示装置
と相違する。マイクロ・チャンネル・プレートは、例え
ば、内径10〜20μmの細いガラス管(チャンネル)
が多数束ねられた構造を有し、厚さ0.1mm程度のプ
レート状の形状である。個々のチャンネルの内壁は適当
な抵抗値を有する2次電子材料でコーティングされてお
り、チャンネル1本1本が独立した連続2次電子倍増器
として動作する。マイクロ・チャンネル・プレート(M
CP)は、引出し電極層14の上方に適切な手段によっ
て固定すればよい。
【0068】実施の形態5の表示装置においては、電界
イオン放出素子から放出されたイオンが2次電子倍増装
置であるマイクロ・チャンネル・プレート(MCP)に
入射し、マイクロ・チャンネル・プレート(MCP)か
ら射出された電子が蛍光体層22に衝突することによっ
て、蛍光体層22が発光する。尚、図16に示すよう
に、マイクロ・チャンネル・プレート(MCP)のイオ
ン入射側の電位が例えば0ボルト乃至−100ボルトに
なるように制御することによって、イオンの2次電子倍
増装置への入射、即ち、電界イオン放出素子からのイオ
ンビームの集束性を制御することが可能となる。更に
は、電界イオン放出素子からのイオンビームの集束性を
高めるためには、マイクロ・チャンネル・プレート(M
CP)のイオン入射側の負の電位を高くすればよい。
【0069】更には、図17に概念図を示すように、電
界イオン放出素子と2次電子倍増装置であるマイクロ・
チャンネル・プレート(MCP)との間にブランキング
電極61を設けてもよい。
【0070】また、実施の形態5においては、電界イオ
ン放出素子として、スピント型電界イオン放出素子を例
にとり説明したが、平面型電界イオン放出素子あるいは
エッジ放出型電界イオン放出素子とすることもできる。
更には、ブランキング電極61と、平面型電界イオン放
出素子あるいはエッジ放出型電界イオン放出素子とを組
み合わせることもできる。
【0071】以上、本発明を、発明の実施の形態に基づ
き説明したが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。発明の実施の形態にて説明した電界イオン放出素子
の構造、表示装置の構造、使用した各種の材料は例示で
あり、適宜変更することができる。また、印加電圧の値
も例示であり、適宜変更することができる。
【0072】尚、引出し電極層の表面から電子が電界放
出されることを確実に防止するために、引出し電極層表
面の電界を十分に低く(例えば0.001V/cm以
下)保持する必要がある。そのためには、例えば、引出
し電極層表面を十分に滑らかになるように加工し、また
引出し電極層に印加する電圧を0乃至−200ボルトと
すればよい。
【0073】
【発明の効果】本発明においては、電界イオン放出素子
へのガス吸着を抑制することが可能となる結果、電界イ
オン放出素子における仕事関数の変化を少なくすること
ができる。それ故、電界イオン放出方式表示装置の輝度
の低下、あるいは輝度の変化を抑制することができ、電
界イオン放出方式表示装置の安定した動作を得ることが
できる。しかも、イオンが電界イオン放出素子の表面に
衝突することを抑制することができる結果、電界イオン
放出素子に損傷が発生することを防止でき、電界イオン
放出素子の長寿命化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態1の電界イオン放出方式表示
装置の概念図、及び、電界イオン放出素子の模式的な一
部端面図である。
【図2】図1に示すエミッタ電極部の先端部分を拡大し
た模式図である。
【図3】図1に示した電界イオン放出素子の作製方法を
説明するための絶縁性基体等の模式的な一部端面図であ
る。
【図4】図3に引き続き、図1に示した電界イオン放出
素子の作製方法を説明するための絶縁性基体等の模式的
な一部端面図である。
【図5】発明の実施の形態2の電界イオン放出素子の模
式的な一部端面図、及び、立体形状を示す概略斜視図で
ある。
【図6】図6に示した電界イオン放出素子の作製方法を
説明するための絶縁性基体等の模式的な一部端面図であ
る。
【図7】発明の実施の形態3の電界イオン放出方式表示
装置における電界イオン放出素子の模式的な一部端面図
である。
【図8】図7に示した電界イオン放出素子の一部を切り
欠いた模式的な斜視図である。
【図9】発明の実施の形態3における電界イオン放出素
子の作製方法を説明するための絶縁性基体等の模式的な
一部端面図である。
【図10】図9に引き続き、発明の実施の形態3におけ
る電界イオン放出素子の作製方法を説明するための絶縁
性基体等の模式的な一部端面図である。
【図11】図10に引き続き、発明の実施の形態3にお
ける電界イオン放出素子の作製方法を説明するための絶
縁性基体等の模式的な一部端面図である。
【図12】図11に引き続き、発明の実施の形態3にお
ける電界イオン放出素子の作製方法を説明するための絶
縁性基体等の模式的な一部端面図である。
【図13】図12に引き続き、発明の実施の形態3にお
ける電界イオン放出素子の作製方法を説明するための絶
縁性基体等の模式的な一部端面図である。
【図14】ブランキング電極が設けられた発明の実施の
形態4の電界イオン放出方式表示装置における電界イオ
ン放出素子の模式的な一部端面図、及び、部分的な平面
図である。
【図15】ブランキング電極を設けることによって蛍光
体層に向かうイオンの軌道がどの程度曲げられるかを計
算した結果を示すグラフ、及び、計算の元となったブラ
ンキング電極等の配置を模式的に表した図である。
【図16】マイクロ・チャンネル・プレートが設けられ
た発明の実施の形態5の電界イオン放出方式表示装置の
部分的な概念図である。
【図17】マイクロ・チャンネル・プレート及びブラン
キング電極が設けられた発明の実施の形態6の電界イオ
ン放出方式表示装置の変形例の部分的な概念図である。
【図18】エミッタ電極部あるいはエミッタ電極層表面
近傍の電界強度とイオン電流の関係を示すグラフであ
る。
【図19】スピント型の冷陰極電界電子放出素子を備え
た従来の冷陰極電界電子放出型表示装置の概念図であ
る。
【図20】仕事関数φと放出電子電流密度Jとの関係を
示すグラフである。
【図21】ガス分子が電子放出部の表面に吸着する状態
を示す模式図、及び、蛍光体層から放出された正のイオ
ンがアノード電極層の表面に衝突する状態を示す模式図
である。
【符号の説明】
10・・・絶縁性基体、11・・・絶縁性基体上に設け
られた電極層、12・・・層間絶縁層、13・・・エミ
ッタ電極部、14・・・引出し電極層、15・・・開口
部、16・・・空洞部、17・・・剥離層、18・・・
タングステン層、20・・・透明基板、21・・・第2
パネルに設けられた電極層、22・・・蛍光体層、30
・・・加速電源、31,32・・・制御回路、40・・
・絶縁性基体、43・・・エミッタ電極層、42・・・
層間絶縁層、44・・・引出し電極層、45・・・開口
部、46・・・空洞部、50・・・絶縁性基体、51・
・・第1引出し電極層、52・・・第1層間絶縁層、5
3・・・エミッタ電極層、54・・・第2引出し電極
層、55,55A,55B,55C,55D・・・開口
部、56・・・第2層間絶縁層、57・・・レジスト
層、60・・・絶縁層、61・・・ブランキング電極、
MCP・・・マイクロ・チャンネル・プレート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01J 29/94 H01J 29/94 Fターム(参考) 5C031 DD09 DD17 5C032 JJ17 5C036 EE01 EF01 EF06 EF09 EG12 EG15 EG18 EG50 EH26 5C080 AA08 BB05 CC03 DD29 EE19 FF10 GG08 HH17 JJ06 KK02 KK43

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の画素を有し、 第1パネルと、第2パネルと、第1パネル及び第2パネ
    ルの縁部に取り付けられた外周枠とを備え、 各画素は、第1パネルを構成する絶縁性基体上に設けら
    れた複数の電界イオン放出素子と、該電界イオン放出素
    子に対向して第2パネルを構成する透明基板上に設けら
    れた電極層及び蛍光体層から構成され、 電界イオン放出素子から放出されたイオンに基づき蛍光
    体層が発光することを特徴とする電界イオン放出方式表
    示装置。
  2. 【請求項2】電界イオン放出素子の表面近傍に電界を形
    成することによって、第1パネルと第2パネルと外周枠
    とで囲まれた空間内に存在する原子若しくは分子からイ
    オンを生成させることを特徴とする請求項1に記載の電
    界イオン放出方式表示装置。
  3. 【請求項3】電界イオン放出素子から放出されたイオン
    が蛍光体層に衝突することにより蛍光体層が発光するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の電界イオン放出方式表
    示装置。
  4. 【請求項4】第1パネルと第2パネルとの間にブランキ
    ング電極が設けられていることを特徴とする請求項3に
    記載の電界イオン放出方式表示装置。
  5. 【請求項5】電界イオン放出素子から放出されたイオン
    が蛍光体層に到達する前に、イオンの有するエネルギー
    が1以上の蛍光体発光粒子に受け渡されることを特徴と
    する請求項1に記載の電界イオン放出方式表示装置。
  6. 【請求項6】蛍光体発光粒子は電子であることを特徴と
    する請求項5に記載の電界イオン放出方式表示装置。
  7. 【請求項7】第1パネルと第2パネルとの間に2次電子
    倍増装置が設けられていることを特徴とする請求項1に
    記載の電界イオン放出方式表示装置。
  8. 【請求項8】電界イオン放出素子から放出されたイオン
    が2次電子倍増装置に入射し、2次電子倍増装置から射
    出された電子が蛍光体層に衝突することによって蛍光体
    層が発光することを特徴とする請求項7に記載の電界イ
    オン放出方式表示装置。
  9. 【請求項9】2次電子倍増装置のイオン入射側の電位を
    制御することによって、イオンの2次電子倍増装置への
    入射を制御することを特徴とする請求項7に記載の電界
    イオン放出方式表示装置。
  10. 【請求項10】電界イオン放出素子と2次電子倍増装置
    との間にブランキング電極が設けられていることを特徴
    とする請求項7に記載の電界イオン放出方式表示装置。
  11. 【請求項11】第1パネルと第2パネルと外周枠とで囲
    まれた空間内の圧力は0.13Pa以下であることを特
    徴とする請求項1に記載の電界イオン放出方式表示装
    置。
  12. 【請求項12】電界イオン放出素子は、 (A)絶縁性基体上に設けられた電極層、 (B)絶縁性基体上に形成され、該電極層を被覆する層
    間絶縁層、 (C)該層間絶縁層上に形成され、開口部を有する引出
    し電極層、並びに、 (D)該開口部の下の層間絶縁層に設けられた空洞部内
    に位置し、且つ、該空洞部の底部に位置する電極層上に
    配設されたエミッタ電極部、から成ることを特徴とする
    請求項1に記載の電界イオン放出方式表示装置。
  13. 【請求項13】エミッタ電極部の形状は、円錐形又は柱
    状であることを特徴とする請求項12に記載の電界イオ
    ン放出方式表示装置。
  14. 【請求項14】電界イオン放出素子は、 (A)絶縁性基体上に設けられたエミッタ電極層、 (B)絶縁性基体上に形成され、該エミッタ電極層を被
    覆する層間絶縁層、 (C)該層間絶縁層上に形成され、開口部を有する引出
    し電極層、並びに、 (D)該開口部の下の層間絶縁層に設けられた空洞部、
    から成り、平面状のエミッタ電極層は空洞部の底部に露
    出していることを特徴とする請求項1に記載の電界イオ
    ン放出方式表示装置。
  15. 【請求項15】電界イオン放出素子は、 (A)絶縁性基体上に設けられた第1引出し電極層、 (B)絶縁性基体上に形成され、該第1引出し電極層を
    被覆する第1層間絶縁層、 (C)該第1層間絶縁層上に形成されたエミッタ電極
    層、 (D)該エミッタ電極層を被覆する第2層間絶縁層、 (E)該第2層間絶縁層上に形成された第2引出し電極
    層、並びに、 (F)少なくとも、第2引出し電極層、第2層間絶縁層
    及び第1層間絶縁層に設けられた開口部、から成り、 エミッタ電極層の端部は開口部側壁から突出しているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の電界イオン放出方式表
    示装置。
  16. 【請求項16】複数の画素を有し、 第1パネルと、第2パネルと、第1パネル及び第2パネ
    ルの縁部に取り付けられた外周枠とを備え、 各画素は、第1パネルを構成する絶縁性基体上に設けら
    れた複数の電界イオン放出素子と、該電界イオン放出素
    子に対向して第2パネルを構成する透明基板上に設けら
    れた電極層及び蛍光体層から構成された電界イオン放出
    方式表示装置の駆動方法であって、 電界イオン放出素子の表面近傍に電界を形成することに
    よって、第1パネルと第2パネルと外周枠とで囲まれた
    空間内に存在する原子若しくは分子からイオンを生成さ
    せ、該イオンに基づき蛍光体層を発光させることを特徴
    とする電界イオン放出方式表示装置の駆動方法。
  17. 【請求項17】生成したイオンが蛍光体層に衝突するこ
    とにより蛍光体層を発光させることを特徴とする請求項
    16に記載の電界イオン放出方式表示装置の駆動方法。
  18. 【請求項18】第1パネルと第2パネルとの間にブラン
    キング電極が設けられていることを特徴とする請求項1
    7に記載の電界イオン放出方式表示装置の駆動方法。
  19. 【請求項19】ブランキング電極に印加する電圧の制御
    によって、生成したイオンの蛍光体層への衝突を制御す
    ることを特徴とする請求項18に記載の電界イオン放出
    方式表示装置の駆動方法。
  20. 【請求項20】生成したイオンが蛍光体層に到達する前
    に、イオンの有するエネルギーを1以上の蛍光体発光粒
    子に受け渡すことを特徴とする請求項16に記載の電界
    イオン放出方式表示装置の駆動方法。
  21. 【請求項21】蛍光体発光粒子は電子であることを特徴
    とする請求項20に記載の電界イオン放出方式表示装置
    の駆動方法。
  22. 【請求項22】第1パネルと第2パネルとの間に2次電
    子倍増装置が設けられていることを特徴とする請求項1
    6に記載の電界イオン放出方式表示装置の駆動方法。
  23. 【請求項23】生成したイオンが2次電子倍増装置に入
    射し、2次電子倍増装置から射出された電子が蛍光体層
    に衝突することによって蛍光体層を発光させることを特
    徴とする請求項22に記載の電界イオン放出方式表示装
    置の駆動方法。
  24. 【請求項24】2次電子倍増装置のイオン入射側の電位
    を制御することによって、イオンの2次電子倍増装置へ
    の入射を制御することを特徴とする請求項22に記載の
    電界イオン放出方式表示装置の駆動方法。
  25. 【請求項25】電界イオン放出素子と2次電子倍増装置
    との間にブランキング電極が設けられていることを特徴
    とする請求項22に記載の電界イオン放出方式表示装置
    の駆動方法。
  26. 【請求項26】ブランキング電極に印加する電圧の制御
    によって、生成したイオンの2次電子倍増装置への入射
    を制御することを特徴とする請求項25に記載の電界イ
    オン放出方式表示装置の駆動方法。
  27. 【請求項27】第1パネルと第2パネルと外周枠とで囲
    まれた空間内の圧力は0.13Pa以下であることを特
    徴とする請求項16に記載の電界イオン放出方式表示装
    置の駆動方法。
  28. 【請求項28】電界イオン放出素子は、 (A)絶縁性基体上に設けられた電極層、 (B)絶縁性基体上に形成され、該電極層を被覆する層
    間絶縁層、 (C)該層間絶縁層上に形成され、開口部を有する引出
    し電極層、並びに、 (D)該開口部の下の層間絶縁層に設けられた空洞部内
    に位置し、且つ、該空洞部の底部に位置する電極層上に
    配設されたエミッタ電極部、から成ることを特徴とする
    請求項16に記載の電界イオン放出方式表示装置の駆動
    方法。
  29. 【請求項29】エミッタ電極部の形状は、円錐形又は柱
    状であることを特徴とする請求項28に記載の電界イオ
    ン放出方式表示装置の駆動方法。
  30. 【請求項30】電界イオン放出素子は、 (A)絶縁性基体上に設けられたエミッタ電極層、 (B)絶縁性基体上に形成され、該エミッタ電極層を被
    覆する層間絶縁層、 (C)該層間絶縁層上に形成され、開口部を有する引出
    し電極層、並びに、 (D)該開口部の下の層間絶縁層に設けられた空洞部、
    から成り、平面状のエミッタ電極層は空洞部の底部に露
    出していることを特徴とする請求項16に記載の電界イ
    オン放出方式表示装置の駆動方法。
  31. 【請求項31】電界イオン放出素子は、 (A)絶縁性基体上に設けられた第1引出し電極層、 (B)絶縁性基体上に形成され、該第1引出し電極層を
    被覆する第1層間絶縁層、 (C)該第1層間絶縁層上に形成されたエミッタ電極
    層、 (D)該エミッタ電極層を被覆する第2層間絶縁層、 (E)該第2層間絶縁層上に形成された第2引出し電極
    層、並びに、 (F)少なくとも、第2引出し電極層、第2層間絶縁層
    及び第1層間絶縁層に設けられた開口部、から成り、 エミッタ電極層の端部は開口部側壁から突出しているこ
    とを特徴とする請求項16に記載の電界イオン放出方式
    表示装置の駆動方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001188507A (ja) * 1999-12-28 2001-07-10 Futaba Corp 蛍光発光型表示器及び蛍光発光型表示装置
JP2010211955A (ja) * 2009-03-06 2010-09-24 Toppan Printing Co Ltd 発光装置
US7825591B2 (en) 2006-02-15 2010-11-02 Panasonic Corporation Mesh structure and field-emission electron source apparatus using the same

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