JP2000331596A - 冷陰極電界電子放出素子及び冷陰極電界電子放出表示装置 - Google Patents

冷陰極電界電子放出素子及び冷陰極電界電子放出表示装置

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JP2000331596A
JP2000331596A JP13752099A JP13752099A JP2000331596A JP 2000331596 A JP2000331596 A JP 2000331596A JP 13752099 A JP13752099 A JP 13752099A JP 13752099 A JP13752099 A JP 13752099A JP 2000331596 A JP2000331596 A JP 2000331596A
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insulating layer
layer
field emission
electron
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Jiro Yamada
二郎 山田
Masami Okita
昌海 沖田
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Sony Corp
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Sony Corp
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  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】一層高い電子放出効率を達成することができ、
しかも、一層優れたフォーカス特性を有する冷陰極電界
電子放出素子を提供する。 【解決手段】冷陰極電界電子放出素子は、(イ)支持体
11上に形成された第1ゲート電極12、(ロ)第1ゲ
ート電極12上を含む支持体11上に形成された第1絶
縁層13、(ハ)第1絶縁層13上に形成された電子放
出層14、(ニ)電子放出層14上を含む第1絶縁層1
3上に形成された第2絶縁層15、(ホ)第2絶縁層1
5上に形成された第2ゲート電極16、並びに、(へ)
第2ゲート電極、第2絶縁層、電子放出層及び第1絶縁
層を貫通し、底部に第1ゲート電極の表面が露出した開
口部17から成り、開口部17の壁面から突出した電子
放出層14の端部から電子が放出され、第1絶縁層13
の厚さをD1、第2絶縁層15の厚さをD2としたとき、
1<D2なる関係を満足する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷陰極電界電子放
出素子、及び、かかる冷陰極電界電子放出素子が組み込
まれた冷陰極電界電子放出表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在主流の陰極線管(CRT)に代わる
画像表示装置として、平面型(フラットパネル形式)の
表示装置が種々検討されている。このような平面型の表
示装置として、液晶表示装置(LCD)、エレクトロル
ミネッセンス表示装置(ELD)、プラズマ表示装置
(PDP)を例示することができる。また、熱的励起に
よらず固体から真空中に電子を放出することが可能な冷
陰極電界電子放出型の表示装置、所謂フィールド・エミ
ッション・ディスプレイ(FED)も提案されており、
画面の明るさ及び低消費電力の観点から注目を集めてい
る。
【0003】冷陰極電界電子放出表示装置(以下、単
に、表示装置と称する場合がある)は、一般に、2次元
マトリクス状に配列された各画素に対応して電子放出部
を有するカソード・パネルと、電子放出部から放出され
た電子との衝突により励起されて発光する蛍光体層を有
するアノード・パネルとが、真空層を介して対向配置さ
れた構成を有する。カソード・パネル上の各画素におい
ては、通常、複数の電子放出部が形成され、更に、電子
放出部から電子を放出させるためのゲート電極が形成さ
れている。かかる電子放出部とゲート電極とから構成さ
れた素子を、冷陰極電界電子放出素子、あるいは、電界
放出素子と称することにする。
【0004】電界放出素子は、一般に、スピント型とエ
ッジ型に分類することができる。
【0005】スピント型電界放出素子を適用した表示装
置の概念図を図19に示す。かかる表示装置を構成する
カソード・パネルは、支持体100に形成されたカソー
ド電極101と、絶縁層102と、絶縁層102上に形
成されたゲート電極103と、ゲート電極103及び絶
縁層102を貫通して設けられた開口部104内に形成
された円錐形の電子放出部105から構成されている。
電子放出部105が所定数、2次元マトリクス状に配列
されて1画素が形成される。一方、アノード・パネル
は、透明基板110上に所定のパターンにより蛍光体層
111が形成され、蛍光体層111がアノード電極11
2で覆われた構造を有する。
【0006】電子放出部105とゲート電極103との
間に電圧を印加すると、その結果生じた電界によって電
子放出部105の先端から電子が放出される。そして、
電子は、アノード・パネルに設けられたアノード電極1
12に引き付けられ、アノード電極112と透明基板1
10との間に形成された発光体層である蛍光体層111
に衝突する。その結果、蛍光体層111が励起されて発
光し、所望の画像を得ることができる。電界放出素子の
動作は、基本的に、ゲート電極103に印加される電圧
によって制御される。
【0007】図19に示した表示装置におけるスピント
型電界放出素子の製造方法の概要を、以下、図20及び
図21を参照しながら説明する。この製造方法は、基本
的には、円錐形の電子放出部105を金属材料の垂直蒸
着により形成する方法である。即ち、開口部104に対
して蒸着粒子は垂直に入射するが、開口端付近に形成さ
れるオーバーハング状の堆積物による遮蔽効果を利用し
て、開口部104の底部に到達する蒸着粒子の量を漸減
させ、円錐形の堆積物である電子放出部105を自己整
合的に形成する。ここでは、不要なオーバーハング状の
堆積物の除去を容易とするために、ゲート電極103上
に剥離層106を予め形成しておく方法について説明す
る。
【0008】[工程−10]先ず、例えばガラス基板か
ら成る支持体100の上に、例えばニオブ(Nb)から
成るカソード電極101を形成した後、全面にSiO2
から成る絶縁層102、導電材料から成るゲート電極1
03を順次製膜し、次に、ゲート電極103と絶縁層1
02をパターニングすることにより開口部104を形成
する(図20の(A)参照)。
【0009】[工程−20]次に、図20の(B)に示
すように、ゲート電極103上にアルミニウムを斜め蒸
着することにより、剥離層106を形成する。このと
き、支持体100の法線に対する蒸着粒子の入射角を十
分に大きく選択することにより、開口部104の底部に
アルミニウムを殆ど堆積させることなく、ゲート電極1
03の上に剥離層106を形成することができる。剥離
層106は、開口部104の開口端から庇状に張り出し
ており、これによって開口部104が実質的に縮径され
る。
【0010】[工程−30]次に、全面に例えば導電材
料としてモリブデン(Mo)を垂直蒸着する。このと
き、図21の(A)に示すように、剥離層106上でオ
ーバーハング形状を有する導電材料層105Aが成長す
るに伴い、開口部104の実質的な直径が次第に縮小さ
れるので、開口部104の底部において堆積に寄与する
蒸着粒子は、次第に開口部104の中央付近を通過する
ものに限られるようになる。その結果、開口部104の
底部には円錐形の堆積物が形成され、この円錐形の堆積
物が電子放出部105となる。
【0011】[工程−40]その後、図21の(B)に
示すように、電気化学的プロセス及び湿式プロセスによ
って剥離層106をゲート電極103の表面から剥離
し、ゲート電極103の上方の導電材料層105Aを選
択的に除去する。
【0012】ところで、図21の(B)に示した構造を
有する電界放出素子の電子放出特性は、開口部104の
上端部を成すゲート電極103の縁部103Aから電子
放出部105の先端部までの距離に大きく依存する。そ
して、この距離は、開口部104の形状の加工精度や直
径の寸法精度、[工程−30]において製膜される導電
材料層105Aの膜厚精度やカバレージ(段差被覆
性)、更にはその下地となる剥離層106の形状精度に
大きく依存する。
【0013】従って、均一な特性を有する複数の電界放
出素子から構成された表示装置を製造するためには、被
製膜体の全面に亙って導電材料層105Aを均一に製膜
しなければならない。しかしながら、通常の蒸着装置で
は1地点に設置された蒸発源からある程度の広がり角を
もって導電材料粒子が放出されるため、被製膜体の中央
部近傍と周辺部とでは、層厚もカバレージの対称性も異
なってしまう。そのため、電子放出部105の高さがば
らついたり、電子放出部105の頂点の位置が開口部1
04の中心からずれ易く、円錐状の電子放出部105の
先端部からゲート電極103までの距離のばらつきを抑
えることが難しい。しかも、この距離のばらつきは、同
一の製造ロット内は勿論、製造ロット間でも発生し、表
示装置の画像表示特性、例えば画像の輝度ムラを発生さ
せる原因となる。更に、導電材料層105Aは通常、約
1μmあるいはそれ以上の厚さに製膜する必要があるた
め、蒸着法では数十時間単位の製膜時間を要し、スルー
プットの改善が困難であること、大型の蒸着装置が必要
となること等の問題もある。
【0014】また、剥離層106を斜め蒸着法にて大面
積の被製膜体全面に亙って均一に製膜することも極めて
困難である。ゲート電極103に設けられた開口部10
4の縁部から剥離層106が庇状に延びるように剥離層
106を高精度で堆積させることも極めて困難である。
しかも、剥離層106の製膜は、支持体面内でばらつく
だけでなく、ロット間でのばらつきも生じ易い。更に
は、大面積の表示装置を製造するために大面積の支持体
(例えば、ガラス基板)全体に亙って剥離層106の剥
離を行うことは極めて困難であるばかりか、剥離層10
6の剥離は汚染の原因となり、表示装置の製造歩留まり
の低下を招く。
【0015】加えて、円錐状の電子放出部105の高さ
は主に導電材料層105Aの膜厚によって規定されるた
め、電子放出部105の設計上の自由度が低い。それば
かりか、電子放出部105の高さを任意に設定すること
が困難であるが故に、電子放出部105からゲート電極
103までの距離を短くする場合、絶縁層102の膜厚
を薄くせざるを得ない。然るに、絶縁層102の膜厚を
薄くすると、配線間(ゲート電極103とカソード電極
101との間)の静電容量を小さくすることができず、
表示装置の電気回路の負担が増えるばかりか、表示装置
の面内の均一性及び画質が劣化するといった問題があ
る。
【0016】一方、スピント型電界放出素子のこれらの
欠点を解消し得る電界放出素子として、所謂エッジ型電
界放出素子が知られている。このエッジ型電界放出素子
においては、スピント型電界放出素子における円錐形の
電子放出部の代わりに、支持体に平行な面内に形成され
た電子放出層を絶縁層を介してゲート電極と積層し、こ
の積層体に開口部を設け、この開口部の壁面に露出した
電子放出層の端部(エッジ)を何らかの方法で壁面から
突出させ、電子放出部として利用するものである。
【0017】例えば米国特許第5214317号に開示
されたエッジ型電界放出素子は、図22に模式的な一部
端面図を示すように、導電層201と、絶縁層202
と、第1ゲート電極203と、第1絶縁層204と、電
子放出層205と、第2絶縁層206と、第2ゲート電
極207とが、この順に支持体200上に積層されて成
る。そして、第2ゲート電極207から絶縁層202を
貫通する開口部208が設けられており、一対のゲート
電極203,207と電子放出層205との間に発生す
る電界により、開口部208の壁面から突出した電子放
出層205の端部から電子が放出される。そして、電子
は、アノード・パネルに設けられたアノード電極に引き
付けられ、アノード電極と透明基板との間に形成された
発光体層である蛍光体層に衝突する。その結果、蛍光体
層が励起されて発光し、所望の画像を得ることができ
る。電界放出素子の動作は、基本的に第1ゲート電極2
03及び第2ゲート電極207に印加される電圧によっ
て制御される。尚、開口部208の底部に露出している
導電層201は、表面保護、電位の安定化、絶縁破壊や
ノイズの防止を目的として設けられている。また、第1
絶縁層204の厚さと第2絶縁層206の厚さは同じで
ある。
【0018】米国特許第5214317号に開示された
エッジ型電界放出素子では、電子を放出する電子放出部
である電子放出層205を略平板状(層状)に形成すれ
ばよく、上述したスピント型電界放出素子のように電子
放出部105を3次元的に先鋭化させる必要がないた
め、スピント型電界放出素子と比較して容易に製造する
ことができる。
【0019】また、かかるエッジ型電界放出素子では、
ゲート電極203,207の縁部から電子放出層205
の端部までの距離は絶縁層204,206の厚さでほぼ
決定することができるため、この距離の制御はスピント
型電界放出素子に比べて遥かに容易であり、この意味に
おいて、スピント型電界放出素子の欠点はかなり解消さ
れている。従って、大面積の支持体上でも電子放出部の
電子放出特性を均一化することが容易となり、表示装置
の画像の明るさも均一化され得る。しかしながら、電子
放出部の形状が、スピント型電界放出素子におけるよう
な先鋭な「点」ではなく「線」である上、かかる電子放
出部の形状に付随してゲート電極203,207がスピ
ント型電界放出素子の場合よりも大きく開口しているた
め、開口部208の内部における電界の閉じ込め効果が
弱くなり、電子放出層205の端部近傍において電界集
中が生じ難い。換言すれば、エッジ型電界放出素子はス
ピント型電界放出素子と比較して電子放出効率が低く、
スピント型電界放出素子と同等の放出電子電流を得るた
めには一層高いゲート印加電圧が要されるので、駆動電
圧の低減、ひいては消費電力の低減が困難である。
【0020】かかる米国特許第5214317号に開示
された電界放出素子の問題点を解決するためのエッジ型
電界放出素子として、図23に模式的な一部端面図を示
すエッジ型電界放出素子が考えられる。このエッジ型電
界放出素子においては、支持体200上に第1ゲート電
極203が形成されており、第2ゲート電極207、第
2絶縁層206、電子放出層205及び第1絶縁層20
4を貫通し、底部に第1ゲート電極203の表面が露出
した開口部208Aが設けられている。
【0021】このような構造を有するエッジ型電界放出
素子において、第1ゲート電極203及び第2ゲート電
極207に印加する電圧を適切な電圧とすることによっ
て、電子放出層205の端部から放出された電子の大部
分が第1ゲート電極203に入射し、そこで生成する反
射電子及び/又は2次電子が対向するアノード電極との
間の電界によって加速されて蛍光体層に衝突する。それ
故、図23に示したエッジ型電界放出素子は、図22に
示したエッジ型電界放出素子よりも、高い電子放出効率
を達成することができる。また、第1ゲート電極203
で反射した電子は、アノード電極の方向に向かうため、
更には、第1ゲート電極203で生成する2次電子は初
期運動エネルギーが小さいため、優れたフォーカス特性
を有するという利点がある。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】米国特許第52143
17号に開示された電界放出素子においては、第1ゲー
ト電極203及び第2ゲート電極207にどのようにし
て電圧を印加するか、具体的には開示されていない。ま
た、電子放出層205の端部から放出された電子が、直
接、アノード・パネルに設けられたアノード電極に引き
付けられるので、フォーカス特性が良くないといった問
題がある。
【0023】また、図23に示したエッジ型電界放出素
子においては、通常、第2ゲート電極207に定電圧V
2(例えば、30ボルト)を印加し、第1ゲート電極2
03にパルス状の駆動電圧V1(例えば、50〜80ボ
ルト)を印加する。ところが、駆動電圧V1の値が変化
したとき、駆動電圧V1と定電圧V2の比V1/V2も変化
してしまう。その結果、電子放出層205の端部近傍に
おける電界分布が変化し、電子放出層205からの電子
の出射方向が変わり、第1ゲート電極203に入射する
電子の位置に変化が生じる。V1/V2の値が高い場合、
電子放出層205の端部に近い第1ゲート電極203の
領域に電子が入射し、生成した2次電子が再び第1ゲー
ト電極203に引き戻される結果、アノード電極に到達
する電子が減少してしまう。一方、V1/V2の値が低い
場合、電子放出層205の先端部から放出される電子の
向きがアノード電極側に向く結果、第1ゲート電極20
3に入射する電子が減少してしまう。更に、電子放出層
205の端部から放出される電子の向きがアノード電極
側に向きすぎると、電子は直接アノード電極に達してし
まい、フォーカス特性が著しく悪化する。このように、
図23に示したエッジ型電界放出素子においては、駆動
電圧V1の変動によって、アノード電流が減少したり、
フォーカス特性が変化してしまうという問題点がある。
【0024】従って、本発明の目的は、一層高い電子放
出効率を達成することができ、しかも、一層優れたフォ
ーカス特性を有する、電子放出層の上下に一対のゲート
電極を配した構成を有する所謂エッジ型の冷陰極電界電
子放出素子、並びに、かかる冷陰極電界電子放出素子が
組み込まれた冷陰極電界電子放出表示装置を提供するこ
とにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の第1の態様に係る冷陰極電界電子放出素子
は、(イ)支持体上に形成された第1ゲート電極、
(ロ)第1ゲート電極上を含む支持体上に形成された第
1絶縁層、(ハ)第1絶縁層上に形成された電子放出
層、(ニ)電子放出層上を含む第1絶縁層上に形成され
た第2絶縁層、(ホ)第2絶縁層上に形成された第2ゲ
ート電極、並びに、(へ)第2ゲート電極、第2絶縁
層、電子放出層及び第1絶縁層を貫通し、底部に第1ゲ
ート電極の表面が露出した開口部、から成り、開口部の
壁面から突出した電子放出層の端部から電子が放出され
る冷陰極電界電子放出素子であって、第1絶縁層の厚さ
をD1、第2絶縁層の厚さをD2としたとき、D1<D2
好ましくは、1.1D1≦D2≦3.0D1なる関係を満
足することを特徴とする。尚、本明細書において、第1
絶縁層の厚さD1とは、開口部近傍の第1ゲート電極の
上面と電子放出層の下面との間に位置する第1絶縁層の
部分の厚さを意味し、第2絶縁層の厚さD2とは、開口
部近傍の電子放出層の上面と第2ゲート電極の下面との
間に位置する第2絶縁層の部分の厚さを意味する。
【0026】本明細書中における「突出」とは、開口部
によって形成される空間へ向かう方向、「後退」とは、
開口部によって形成される空間から離れる方向を表す用
語として、それぞれ使用する。
【0027】本発明の第1の態様に係る冷陰極電界電子
放出素子(以下、本発明の第1の態様に係る電界放出素
子と呼ぶ)においては、第1ゲート電極と第2ゲート電
極とは電気的に接続されていることが望ましい。第1ゲ
ート電極と第2ゲート電極とは、第1絶縁層及び第2絶
縁層に設けられた接続孔を介して電気的に接続されてい
てもよいし、あるいは又、外部において電気的に接続さ
れていてもよい。尚、第1絶縁層及び第2絶縁層に設け
られた接続孔を介して第1ゲート電極と第2ゲート電極
を電気的に接続する場合、電界放出素子毎に接続孔を介
して電気的に接続してもよいし、複数個の電界放出素子
の第1ゲート電極を、第1ゲート電極の延在部によって
相互に電気的に接続し、一方、複数個の電界放出素子の
第2ゲート電極を、第2ゲート電極の延在部によって相
互に電気的に接続し、かかる構成の第1ゲート電極の延
在部と第2ゲート電極の延在部とを接続孔を介して電気
的に接続してもよい。
【0028】上記の目的を達成するための本発明の第2
の態様に係る冷陰極電界電子放出素子は、(イ)支持体
上に形成された第1ゲート電極、(ロ)第1ゲート電極
上を含む支持体上に形成された第1絶縁層、(ハ)第1
絶縁層上に形成された電子放出層、(ニ)電子放出層上
を含む第1絶縁層上に形成された第2絶縁層、(ホ)第
2絶縁層上に形成された第2ゲート電極、並びに、
(ヘ)第2ゲート電極、第2絶縁層、電子放出層及び第
1絶縁層を貫通し、底部に第1ゲート電極の表面が露出
した開口部、から成り、開口部の壁面から突出した電子
放出層の端部から電子が放出される冷陰極電界電子放出
素子であって、第1ゲート電極と第2ゲート電極とは、
第1絶縁層及び第2絶縁層に設けられた接続孔を介して
電気的に接続されていることを特徴とする。
【0029】本発明の第2の態様に係る冷陰極電界電子
放出素子(以下、本発明の第2の態様に係る電界放出素
子と呼ぶ)においては、第1絶縁層及び第2絶縁層に設
けられた接続孔を介して第1ゲート電極と第2ゲート電
極を電気的に接続するが、電界放出素子毎に接続孔を介
して電気的に接続してもよいし、複数個の電界放出素子
の第1ゲート電極を、第1ゲート電極の延在部によって
相互に電気的に接続し、一方、複数個の電界放出素子の
第2ゲート電極を、第2ゲート電極の延在部によって相
互に電気的に接続し、かかる構成の第1ゲート電極の延
在部と第2ゲート電極の延在部とを接続孔を介して電気
的に接続してもよい。
【0030】本発明の第2の態様に係る電界放出素子に
おいては、第1絶縁層の厚さをD1、第2絶縁層の厚さ
をD2としたとき、D1<D2、好ましくは、1.1D1
2≦3.0D1なる関係を満足することが望ましい。
【0031】本発明の第1の態様若しくは第2の態様に
係る電界放出素子において、開口部の壁面から突出した
電子放出層の端部の厚さは、先端に向かって減少してい
ることが望ましい。この場合、開口部の壁面から突出し
た電子放出層の端部の厚さは、開口部の上端側から下端
側に向かって減少していることが望ましい。このような
形状の電子放出層の端部は、第2絶縁層に形成された開
口部の底部に露出した電子放出層をエッチングすると
き、イオンのように電子放出層に対する入射角をほぼ垂
直に制御できるエッチング種を主体とする条件下でエッ
チングを行うことによって得ることができる。これは、
プラズマ中の主エッチング種の中に垂直以外の角度を有
する入射成分が元々若干存在すること、及び、第2絶縁
層に形成された開口部の端部における散乱によってもこ
の斜め入射成分が生ずることにより、電子放出層の露出
面の中で、本来ならば、かかる開口部によって遮蔽され
るはずの領域にもある程度の確率で主エッチング種が入
射するからである。但し、電子放出層の法線に対する入
射角の小さい主エッチング種ほど入射確率が高く、入射
角の大きい主エッチング種ほど入射確率は低くなるの
で、結果的に厚さが先端に向けて減少した電子放出層が
得られる。
【0032】本発明の第1の態様若しくは第2の態様に
係る電界放出素子においては、(ト)第2ゲート電極上
を含む第2絶縁層上に形成された第3絶縁層、並びに、
(チ)第3絶縁層上に形成されたフォーカス電極を更に
備え、第3絶縁層には前記開口部に連通する第2開口部
が設けられている構成とすることもできる。この場合、
フォーカス電極と電子放出層とは電気的に接続されてい
ることが好ましく、更には、フォーカス電極と電子放出
層とは、第3絶縁層及び第2絶縁層に設けられた第2接
続孔を介して電気的に接続されている構成とすることが
好ましい。
【0033】フォーカス電極は、本発明の電界放出素子
が冷陰極電界電子放出表示装置に組み込まれた場合に、
アノード電極へ向かう電子の軌道を収束させ、以て、輝
度の向上や隣接画素間の色濁りの防止を可能とするため
の電極であり、カソード・パネルとアノード・パネルと
の間の距離が比較的長い表示装置を想定した場合に、特
に有効な電極である。フォーカス電極は、必ずしも各電
界放出素子毎に設ける必要はなく、例えば、電界放出素
子の所定の配列方向に沿って配設することにより、複数
の電界放出素子に共通の収束効果を及ぼすこともでき
る。従って、第3絶縁層に設けられる第2開口部は、必
ずしもフォーカス電極を構成する材料層に設けられてい
る必要はない。また、フォーカス電極の電位は電子放出
層の電位と近似あるいは同一であるため、フォーカス電
極の開口端部が開口部や第2開口部の内部に向けて突出
していると、フォーカス電極から第1ゲート電極や第2
ゲート電極へ向かって電子放出が生ずる虞れがある。従
って、フォーカス電極は第2開口部内へ突出しないよう
に設けられていることが特に望ましい。尚、第2ゲート
電極の先端部を第3絶縁層から突出させることが、電界
強度を高める観点から特に好ましい。第2開口部の平面
形状は、フォーカス電極の構成に依り、開口部の平面形
状と合同又は相似としてもよいし、異なっていてもよ
い。
【0034】本発明の第1の態様に係る電界放出素子
と、これに対向して基板上に設けられたアノード電極並
びに蛍光体層で1画素を構成し、更に、この画素を複数
集合させると、本発明の第1の態様に係る冷陰極電界電
子放出表示装置を構成することができる。即ち、上記の
目的を達成するための本発明の第1の態様に係る冷陰極
電界電子放出表示装置は、複数の画素から構成され、各
画素は、冷陰極電界電子放出素子と、冷陰極電界電子放
出素子に対向して基板上に設けられたアノード電極及び
蛍光体層から構成された冷陰極電界電子放出表示装置で
あって、各冷陰極電界電子放出素子は、(イ)支持体上
に形成された第1ゲート電極、(ロ)第1ゲート電極上
を含む支持体上に形成された第1絶縁層、(ハ)第1絶
縁層上に形成された電子放出層、(ニ)電子放出層上を
含む第1絶縁層上に形成された第2絶縁層、(ホ)第2
絶縁層上に形成された第2ゲート電極、並びに、(ヘ)
第2ゲート電極、第2絶縁層、電子放出層及び第1絶縁
層を貫通し、底部に第1ゲート電極の表面が露出した開
口部、から成り、開口部の壁面から突出した電子放出層
の端部から電子が放出され、第1絶縁層の厚さをD1
第2絶縁層の厚さをD2としたとき、D1<D2、好まし
くは、1.1D1≦D2≦3.0D1なる関係を満足する
ことを特徴とする。
【0035】本発明の第1の態様に係る冷陰極電界電子
放出表示装置(以下、本発明の第1の態様に係る表示装
置と呼ぶ)における冷陰極電界電子放出素子としては、
上述の本発明の第1の態様に係る電界放出素子の各種の
形態の全てを含み得る。
【0036】本発明の第2の態様に係る電界放出素子
と、これに対向して基板上に設けられたアノード電極並
びに蛍光体層で1画素を構成し、更に、この画素を複数
集合させると、本発明の第2の態様に係る冷陰極電界電
子放出表示装置を構成することができる。即ち、上記の
目的を達成するための本発明の第2の態様に係る冷陰極
電界電子放出表示装置は、複数の画素から構成され、各
画素は、冷陰極電界電子放出素子と、冷陰極電界電子放
出素子に対向して基板上に設けられたアノード電極及び
蛍光体層から構成された冷陰極電界電子放出表示装置で
あって、各冷陰極電界電子放出素子は、(イ)支持体上
に形成された第1ゲート電極、(ロ)第1ゲート電極上
を含む支持体上に形成された第1絶縁層、(ハ)第1絶
縁層上に形成された電子放出層、(ニ)電子放出層上を
含む第1絶縁層上に形成された第2絶縁層、並びに、
(ホ)第2絶縁層上に形成された第2ゲート電極、
(ヘ)第2ゲート電極、第2絶縁層、電子放出層及び第
1絶縁層を貫通し、底部に第1ゲート電極の表面が露出
した開口部、から成り、開口部の壁面から突出した電子
放出層の端部から電子が放出され、第1ゲート電極と第
2ゲート電極とは、第1絶縁層及び第2絶縁層に設けら
れた接続孔を介して電気的に接続されていることを特徴
とする。
【0037】本発明の第2の態様に係る冷陰極電界電子
放出表示装置(以下、本発明の第2の態様に係る表示装
置と呼ぶ)における冷陰極電界電子放出素子としては、
上述の本発明の第2の態様に係る電界放出素子の各種の
形態の全てを含み得る。
【0038】本発明の第1の態様若しくは第2の態様に
係る冷陰極電界電子放出表示装置においては、1つの電
界放出素子によって1画素を構成してもよいし、複数の
電界放出素子によって1画素を構成してもよい。
【0039】本発明においては、従来のスピント型電界
放出素子のように開口部の平面形状を円形としてもよい
が、開口部の壁面に沿って電子放出層(即ち、開口部の
壁面から突出した電子放出層の端部)を配置できるエッ
ジ型電界放出素子の構造上、開口部の平面形状を、円形
以外にも、楕円、n角形(但し、nは3以上の整数)
等、如何なる形状とすることもできる。n角形は、正n
角形でなくてもよく、又、その頂点は丸みを帯びていて
もよい。一例として、開口部の形状を縦横比の大きい矩
形あるいは溝形とし、矩形の長手方向に沿って、開口部
の壁面から端部が突出した電子放出層を配置することが
できる。
【0040】尚、開口部の壁面から電子放出層の端部を
突出させるためには、開口部を形成した後、第1絶縁層
及び第2絶縁層を等方的にエッチングすればよい。ある
いは又、第2絶縁層を貫通する開口部を形成した後、第
2絶縁層を等方的にエッチングし、第1絶縁層を貫通す
る開口部を形成した後、第1絶縁層を等方的にエッチン
グすればよい。こうして、電子放出層の端部が第1絶縁
層の開口部形成面及び第2絶縁層の開口部形成面から突
出することになり、第1ゲート電極及び第2ゲート電極
によって開口部内に形成される電界を電子放出層の端部
に集中させて効率良く電子放出を行わせることが可能と
なる。等方的なエッチングは、典型的には、ウェットエ
ッチング、あるいはラジカルが主エッチング種となるド
ライエッチング条件下で行うことができる。このときの
電子放出層端部の長さ、即ち、第1絶縁層及び第2絶縁
層の開口部形成面の後退量は、エッチング時間の長短に
より制御することができる。
【0041】本発明においては、第1ゲート電極及び第
2ゲート電極、あるいはフォーカス電極を構成する材料
として、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタ
ル(Ta)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、ア
ルミニウム(Al)、銅(Cu)等の金属、これらの金
属元素を含む合金層、あるいはシリコン(Si)等の半
導体を例示することができる。尚、第これらの電極を構
成する材料を、同一の材料としてもよいし、同種材料と
してもよいし、異種の材料としてもよい。これらの電極
の形成方法として、蒸着法、スパッタ法、CVD法、イ
オン・プレーティング法、印刷法、メッキ法等、通常の
薄膜作製プロセスを利用できる。
【0042】電子放出層は、典型的には、タングステン
(W)やタンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリブデ
ン(Mo)、クロム(Cr)、あるいはこれらの化合物
(例えばTiN等の窒化物や、WSi2、MoSi2、T
iSi2、TaSi2等のシリサイド)、あるいはダイヤ
モンド等の半導体から構成することができる。電子放出
層の形成方法として、蒸着法、スパッタ法、CVD法、
イオン・プレーティング法、印刷法、メッキ法等、通常
の薄膜作製プロセスを利用できる。電子放出層の厚さ
は、おおよそ0.05〜0.5μm、好ましくは0.1
〜0.3μmの範囲とすることが望ましいが、かかる範
囲に限定するものではない。
【0043】本発明においては、支持体あるいは基板
は、少なくとも表面が絶縁性を有する材料から構成され
ていればよく、ガラス基板、表面に絶縁膜が形成された
ガラス基板、石英基板、表面に絶縁膜が形成された石英
基板、表面に絶縁膜が形成された半導体基板を挙げるこ
とができる。冷陰極電界電子放出表示装置の構成に依存
して、基板には透明性を要求される場合がある。
【0044】第1絶縁層、第2絶縁層あるいは第3絶縁
層の構成材料としては、SiO2、SiN、SiON、
ガラス・ペースト硬化物を単独あるいは適宜積層して使
用することができる。絶縁層の製膜には、CVD法、塗
布法、スパッタ法、印刷法等の公知のプロセスが利用で
きる。
【0045】本発明の第1の態様に係る冷陰極電界電子
放出素子あるいは冷陰極電界電子放出表示装置において
は、第1絶縁層の厚さD1と第2絶縁層の厚さD2との間
にD 1<D2なる関係があるので、電子放出層の端部から
放出された電子は確実に第1ゲート電極に向かう。その
結果、高い電子放出効率を達成することができ、しか
も、優れたフォーカス特性を冷陰極電界電子放出素子あ
るいは冷陰極電界電子放出表示装置に与えることができ
る。
【0046】本発明の第2の態様に係る冷陰極電界電子
放出素子あるいは冷陰極電界電子放出表示装置において
は、第1絶縁層及び第2絶縁層に設けられた接続孔を介
して第1ゲート電極と第2ゲート電極とは電気的に接続
されているので、第1ゲート電極に印加される電圧V1
と第2ゲート電極に印加される電圧V2とが等しく、電
子放出層からの電子の出射方向が変わり、第1ゲート電
極に入射する電子の位置に変化が生じるといった問題の
発生を確実に回避することができる。その結果、アノー
ド電流が減少したり、フォーカス特性が変化してしまう
といったことがない。また、冷陰極電界電子放出素子あ
るいは冷陰極電界電子放出表示装置構造の簡素化を図る
ことができる。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、発明の実
施の形態(以下、実施の形態と略称する)に基づき本発
明を説明する。
【0048】(実施の形態1)実施の形態1は、本発明
の第1の態様に係る電界放出素子及び表示装置に関す
る。図1に実施の形態1の表示装置の模式的な一部端面
図を示す。更に、電界放出素子の開口部の近傍のみを一
部破断した概略斜視図を図2に示し、図2の線A−Aに
沿った電界放出素子の模式的な一部端面図を図3に示
す。
【0049】実施の形態1の電界放出素子は、ガラス基
板から成る支持体11上に形成された第1ゲート電極1
2、第1ゲート電極12上を含む支持体11上に形成さ
れた第1絶縁層13、第1絶縁層13上に形成された電
子放出層14、電子放出層14上を含む第1絶縁層13
上に形成された第2絶縁層15、第2絶縁層15上に形
成された第2ゲート電極16、並びに、第2ゲート電極
16、第2絶縁層15、電子放出層14及び第1絶縁層
13を貫通し、底部に第1ゲート電極12の表面が露出
した開口部17から成り、開口部17の壁面から突出し
た電子放出層14の端部14Aから電子が放出される。
そして、第1絶縁層13の厚さをD1、第2絶縁層16
の厚さをD2としたとき、D1<D2なる関係を満足す
る。
【0050】電子放出層14の端部14Aは電子放出部
として機能する部位であり、先鋭化されている。具体的
には、開口部17の壁面から突出した電子放出層14の
端部14Aの厚さは、先端に向かって、しかも、開口部
17の上端側から下端側に向かって減少している。ま
た、第2ゲート電極16の先端部は、第2絶縁層15か
ら突出している。即ち、第1絶縁層13に設けられた開
口部17の上端部は電子放出層14の端部14Aよりも
後退している。また、第2絶縁層15に設けられた開口
部17の下端部は電子放出層14の端部14Aよりも後
退しており、第2絶縁層15に設けられた開口部17の
上端部は第2ゲート電極16の先端部よりも後退してい
る。
【0051】第1ゲート電極12及び第2ゲート電極1
6は、図3の左右方向(表示装置の行方向)にストライ
プ状に延びており、隣接する電界放出素子の第1ゲート
電極12及び第2ゲート電極16と共通である。即ち、
複数個の電界放出素子の第1ゲート電極12は、第1ゲ
ート電極12の延在部によって相互に電気的に接続さ
れ、一方、複数個の電界放出素子の第2ゲート電極16
は、第2ゲート電極の延在部によって相互に電気的に接
続されている。また、電子放出層14は、図3の紙面垂
直方向(表示装置の列方向)にストライプ状に延びてお
り、隣接する電界放出素子の電子放出層14と共通であ
る。即ち、複数個の電界放出素子の電子放出層14は、
電子放出層14の延在部によって相互に電気的に接続さ
れている。即ち、ストライプ状の第1ゲート電極12及
び第2ゲート電極16とは同じ方向に平行に延びてい
る。また、ストライプ状の第1ゲート電極12及び第2
ゲート電極16と、ストライプ状の電子放出層14と
は、相互に直交する方向に延びている。尚、延在部を含
む第1ゲート電極12、延在部を含む第2ゲート電極1
6、延在部を含む電子放出層14を指す場合には、スト
ライプ状の第1ゲート電極12、ストライプ状の第2ゲ
ート電極16、ストライプ状の電子放出層14と呼ぶ。
【0052】実施の形態1の表示装置は、図1に示すよ
うに、複数の画素から構成されている。各画素は、上述
の1つあるいは複数の電界放出素子と、電界放出素子に
対向配置して基板21上に設けられたアノード電極24
及び蛍光体層23R,23G,23Bから成る。アノー
ド電極24はアルミニウムから成り、ガラスから成る透
明な基板21の上に所定のストライプ状のパターンをも
って、交互に形成された蛍光体層23R,23G,23
Bを被覆するように形成されている。尚、蛍光体層23
Rは赤色を発光する蛍光体層であり、蛍光体層23Gは
緑色を発光する蛍光体層であり、蛍光体層23Bは青色
を発光する蛍光体層である。これらの蛍光体層23R,
23G,23Bの間は、カーボン等の光吸収性材料から
成るブラック・マトリクス22で埋め込まれており、表
示画像の色濁りが防止されている。尚、以下において
は、説明の簡素化のために、これらの蛍光体層23R,
23G,23Bを総称して、単に、蛍光体層23と呼
ぶ。電界放出素子を構成する開口部17は蛍光体層23
に対向して、マトリクス状に設けられている。基板21
上における蛍光体層23とアノード電極24の積層順を
上記と逆にしても構わないが、この場合には、表示装置
の観察面側から見てアノード電極24が蛍光体層23の
手前に来るため、アノード電極24をITO(インジウ
ム・錫酸化物)等の透明導電材料にて構成する必要があ
る。
【0053】実際の表示装置の構成においては、電界放
出素子はカソード・パネル10の構成要素であり、アノ
ード電極24及び蛍光体層23はアノード・パネル20
の構成要素である。そして、これらのカソード・パネル
10とアノード・パネル20とが枠体(図示せず)を介
して接合され、両パネルと枠体とに囲まれた空間が高真
空に排気されている。第1ゲート電極12と第2ゲート
電極16とは、外部で、具体的には、第1ゲート電極1
2の延在部と第2ゲート電極16の延在部とは、それぞ
れ、表示装置の行方向の端部で、制御回路43に接続さ
れている。一方、電子放出層14の延在部は、表示装置
の列方向の端部で走査回路42に接続されている。
【0054】電子放出層14には走査回路42から相対
的に負電圧(例えば0ボルト)が印加され、第1ゲート
電極12及び第2ゲート電極16には制御回路43から
同電位の相対的に正電圧(例えば、50〜80ボルト程
度のパルス状の信号電位)が印加され、アノード電極2
4には第1ゲート電極及び第2ゲート電極16よりも更
に高い正電圧(例えば、0.3〜10kボルト)が加速
電源41から印加される。表示装置において表示を行う
場合、制御回路43にはビデオ信号、走査回路42には
走査信号が入力される。第1ゲート電極12、第2ゲー
ト電極16と電子放出層14とに電圧を印加した際に生
ずる電界により、電子放出層14の端部14Aから電子
が放出される。より具体的には、開口部17の壁面から
突出した電子放出層14の端部14Aの厚さは、先端に
向かって、しかも、開口部17の上端側から下端側に向
かって減少しているので、電子放出層14の端部14A
から第1ゲート電極12に向かって大部分の電子が放出
される。尚、電子放出層14を第1ゲート電極12に垂
直な面で切断したときの電子放出層端部14Aの二等分
線(図3において、一点鎖線で示す)に沿って、電子が
最も多く放出される。
【0055】しかも、第1絶縁層13の厚さD1と第2
絶縁層15の厚さD2とが、D1<D2の関係を満足する
ことにより、電子放出層端部14Aからの電子の放出方
向が所定の方向、即ち、第1ゲート電極12に向かう方
向に制御される。そして、殆ど全ての電子は、電子放出
層端部14Aから離れた第1ゲート電極12の領域に入
射する。従って、第1ゲート電極12の電子放出層端部
14Aに近すぎる領域に入射する結果、アノード電極2
4に到達する電子が減少したり、電子放出層端部14A
から放出される電子の向きが上向きになりすぎて第1ゲ
ート電極12に入射する電子が減少したり、更に上向き
になりすぎて直接アノード電極24に達してフォーカス
特性が悪化してしまうといったことがない。尚、「上向
き」とは、アノード電極に向かう方向を意味し、「下向
き」とは第1ゲート電極に向かう方向を意味する。そし
て、電子放出層端部14Aから離れた第1ゲート電極1
2の領域で生成した反射電子及び/又は2次電子は、対
向するアノード電極24との間の電界によって加速され
て蛍光体層23に衝突する。その結果、蛍光体層23が
発光し、所望の画像を得ることができる。それ故、高い
電子放出効率を達成することができる。また、第1ゲー
ト電極12で反射した電子は、アノード電極24の方向
に向かうため、更には、第1ゲート電極12で生成した
2次電子は初期運動エネルギーが小さいため、優れたフ
ォーカス特性を有する。
【0056】しかも、実施の形態1における電界放出素
子あるいは表示装置において、第1ゲート電極12と第
2ゲート電極16に同電位の電圧を印加すれば、電子放
出層端部14Aの近傍における電界分布にバラツキが生
じることがない。従って、電子放出層端部14Aからの
電子の放出方向に変化が生じ難く、第1ゲート電極12
に入射する電子の位置に変化が生じ難い。それ故、第1
ゲート電極12及び第2ゲート電極16に印加される駆
動電圧の変動によって、アノード電流が減少したり、フ
ォーカス特性が変化してしまうという問題点の発生を確
実に回避することができる。
【0057】電子放出層端部14Aからの電子の放出状
態(電子の軌道)をコンピュータ・シミュレーションし
た結果を、図12に示す。尚、図12〜図14におい
て、実線は電子の軌道を示し、点線は、主に、第1ゲー
ト電極、第2ゲート電極及び電子放出層によって形成さ
れる電界の等電位線を示し、一点鎖線は、主にアノード
電極によって形成される電界の等電位線を示す。また、
横軸は、第1ゲート電極の表面上に位置する。
【0058】コンピュータ・シミュレーションにおいて
は、第1ゲート電極12及び第2ゲート電極16に+6
0ボルトを印加し、電子放出層14に0ボルトを印加
し、アノード電極24に+6kボルトを印加すると想定
し、カソード・パネル10とアノード・パネル20との
間の間隔を1mmとした。また、電子放出層14を第1
ゲート電極12に垂直な面で切断したときの電子放出層
端部14Aの角度(テーパ角と呼ぶ)を30度(電子放
出層端部14Aの下端面は水平)とした。
【0059】そして、D2/D1=0.75μm/0.3
μm=2.5とした。
【0060】図12及び図13に示すコンピュータ・シ
ミュレーション結果から、上記のコンピュータ・シミュ
レーション条件においては、電子放出層端部14Aから
放出された相当量の電子が第1ゲート電極12に入射し
ているが、未だ、無効になってしまう電子、即ち、第1
ゲート電極12に衝突しない電子が存在することが判
る。従って、上記のコンピュータ・シミュレーション条
件においては、D2/D1の値が大き過ぎると云える。
【0061】上記のコンピュータ・シミュレーション条
件において、第1ゲート電極12への電子の衝突によっ
て第1ゲート電極12にて生成した2次電子(但し、出
射エネルギーを5eVとする)の幾つの軌道をコンピュ
ータ・シミュレーションした結果を、図13に示す。但
し、計算の都合上、電子の速度が下向きになった時点で
計算を終了している。コンピュータ・シミュレーション
から、電子放出層端部14Aに近い第1ゲート電極12
の領域、例えば、図13の「A」点から出射された2次
電子の殆ど全てが下向きの電界のために、直ちに第1ゲ
ート電極12に引き戻され、第1ゲート電極12に再度
入射することが判る。従って、「A」点から出射された
電子は、アノード電極24には到達しないので、発光に
は全く寄与しない。また、「B」点から出射された2次
電子の50%程度、「C」点から出射された2次電子の
80%以上がアノード電極24に達する。従って、電子
放出層端部14Aから出来るだけ離れた第1ゲート電極
12の領域に、電子放出層端部14Aから放出された電
子が入射すれば、アノード電極24に達する電子を増加
させることができ、輝度を向上させることができる。
【0062】一方、D2/D1=0.3μm/0.3μm
=1.0とし、その他のコンピュータ・シミュレーショ
ン条件を同一としたときの、電子放出層14からの電子
の放出状態(電子の軌道)をコンピュータ・シミュレー
ションした結果を、図14に示す。電子放出層端部14
A近傍の電界分布が変わり、電子放出層端部14Aから
放出された電子がより上向きに曲げられていることが判
る。従って、図12の場合と比較し、電子放出層端部1
4Aの同じ場所から放出された電子は、第1ゲート電極
12の、より遠い領域に入射することになる。しかも、
上述の下向きの電界の範囲が狭くなっていることから、
更に、アノード電極24に到達しない無効電子を減らす
効果が高くなっている。しかしながら、電子放出層端部
14Aから放出される電子のうち、一番上方向に放出さ
れる電子に着目すると、第1ゲート電極12に入射する
ことなく、図12の右端まで到達している。ここでは電
界が上向きになっているため、電子はそのままアノード
電極方向に加速され、最終的にアノード電極24の、開
口部17に対応した位置から大きく外れた位置に入射し
てしまう。その結果、開口部17に対応した蛍光体層2
3ではない蛍光体層を発光させてしまい、色ずれが生じ
たり、解像度の低下が生じる。以上の結果から、D2
1の値が1では小さ過ぎると云える。
【0063】以上のとおり、上記のコンピュータ・シミ
ュレーション条件にあっては、1.0D1<D2<2.5
1の範囲にD2/D1の最適値が存在することが判る。
ところで、電子放出層端部14Aのテーパ角が変わると
電子放出層端部14Aからの電子の放出方向も変化する
ので、D2/D1の最適値も変化する。一般に、テーパ角
が大きくなるほど、電子放出層端部14Aから下向きに
電子が放出されるので、D2/D1の最適値は1に近づ
く。一方、テーパ角が小さくなるほど、電子放出層端部
14Aから上向きに電子が放出されるので、D2/D1
最適値は1から遠ざかる。様々なテーパ角を考慮する
と、概略、1.1D1≦D2≦3.0D1の範囲にD2/D
1の最適値が存在する。
【0064】参考のために、D1=D2=0.5μmと
し、第1ゲート電極12及び第2ゲート電極16に+5
0ボルトを印加し、電子放出層14に0ボルトを印加
し、アノード電極24に+300ボルトを印加すると想
定し、電子放出層14を第1ゲート電極12に垂直な面
で切断したときの電子放出層端部14Aの角度(テーパ
角と呼ぶ)を15度、30度、45度、60度(但し、
電子放出層端部14Aの下端面は水平)としたときの、
コンピュータ・シミュレーション結果を、図15、図1
6、図17及び図18に示す。尚、実線で示す電子の軌
道は、最も高強度の軌道のみを示した。図15〜図18
から明らかなように、電子放出層端部14Aのテーパ角
が大きくなるに従い、電子放出層端部14Aから下向き
に電子が放出され、電子放出層端部14Aにより近づい
た第1ゲート電極12の領域に入射する。
【0065】以上のようにして、電子が第1ゲート電極
12に引き戻されない第1ゲート電極12の領域におい
て効率よく生成した2次電子及び/又は反射電子が、ア
ノード電極24との間の電界によって加速されて蛍光体
層23に衝突し、蛍光体を発光させる。従って、従来よ
りも表示装置の輝度を大幅に改善することができ、ある
いは又、同じ輝度とするための駆動電圧を大幅に低減す
ることができる。
【0066】図4に、実施の形態1の電界放出素子の変
形例を示す。この電界放出素子は、第2ゲート電極16
上を含む第2絶縁層15上に形成された第3絶縁層1
8、並びに、第3絶縁層18上に形成されたフォーカス
電極19を更に備え、第3絶縁層19には、開口部17
に連通する第2開口部17Aが設けられている。また、
図示していないが、フォーカス電極19と電子放出層1
4とは、電気的に接続されている。これによって、フォ
ーカス電極19の近傍に収束電界が生じる。第1ゲート
電極12で生成した電子は、この収束電界によって収束
され、アノード電極24上に形成された蛍光体層23に
正確に衝突する。このように、蛍光体層23を正確に発
光させることができるため、表示装置の輝度を大幅に向
上させることができ、更には、色ずれも防止することが
できる。
【0067】(実施の形態2)実施の形態2は、本発明
の第2の態様に係る電界放出素子及び表示装置に関す
る。実施の形態2の表示装置の模式的な一部端面図を図
5に示す。また、電界放出素子の模式的な一部端面図を
図6に示す。尚、電界放出素子の開口部の近傍のみを一
部破断した概略斜視図は、実質的に図2に示したと同様
である。
【0068】実施の形態2の電界放出素子も、実施の形
態1の電界放出素子と同様に、ガラス基板から成る支持
体11上に形成された第1ゲート電極12、第1ゲート
電極12上を含む支持体11上に形成された第1絶縁層
13、第1絶縁層13上に形成された電子放出層14、
電子放出層14上を含む第1絶縁層13上に形成された
第2絶縁層15、第2絶縁層15上に形成された第2ゲ
ート電極16、並びに、第2ゲート電極16、第2絶縁
層15、電子放出層14及び第1絶縁層13を貫通し、
底部に第1ゲート電極12の表面が露出した開口部17
から成り、開口部17の壁面から突出した電子放出層1
4の端部14Aから電子が放出される。
【0069】実施の形態2において、第1ゲート電極1
2と第2ゲート電極16とは、図6に示すように、第1
絶縁層13及び第2絶縁層15に設けられた接続孔30
を介して電気的に接続されている。第1ゲート電極12
は、図6の左右方向(表示装置の行方向)にストライプ
状に延びており、隣接する電界放出素子の第1ゲート電
極12と共通である。即ち、複数個の電界放出素子の第
1ゲート電極12は、第1ゲート電極12の延在部によ
って相互に電気的に接続されている。一方、各電界放出
素子の第2ゲート電極16は、各電界放出素子に設けら
れた接続孔30を介して第1ゲート電極12に接続され
ている。従って、第1ゲート電極12の延在部を制御回
路43に接続し、第1ゲート電極12に所定の駆動電圧
を印加すれば、第2ゲート電極16に同一の電圧が印加
され、第2ゲート電極16を制御回路43に、直接、接
続する必要がない。また、電界放出素子毎に接続孔30
が設けられているので、第2ゲート電極16をストライ
プ形状にする必要が無くなり、開口部17の周辺にのみ
第2ゲート電極16を形成すればよく、電極間の静電容
量を小さくすることができる。その結果、表示装置の電
気回路の負担増、表示装置の面内の均一性及び画質が劣
化するといった問題の発生を回避することができる。
【0070】電子放出層14の端部14Aは電子放出部
として機能する部位であり、先鋭化されている。具体的
には、開口部17の壁面から突出した電子放出層14の
端部14Aの厚さは、先端に向かって、しかも、開口部
17の上端側から下端側に向かって減少している。ま
た、第2ゲート電極16の先端部は、第2絶縁層15か
ら突出している。即ち、第1絶縁層13に設けられた開
口部17の上端部は電子放出層14の端部14Aよりも
後退している。また、第2絶縁層15に設けられた開口
部17の下端部は電子放出層14の端部14Aよりも後
退しており、第2絶縁層15に設けられた開口部17の
上端部は第2ゲート電極16の先端部よりも後退してい
る。
【0071】電子放出層14は、図6の紙面垂直方向
(表示装置の列方向)にストライプ状に延びており、隣
接する電界放出素子の電子放出層14と共通である。即
ち、複数個の電界放出素子の電子放出層14は、電子放
出層14の延在部によって相互に電気的に接続されてい
る。即ち、ストライプ状の第1ゲート電極12と、スト
ライプ状の電子放出層14とは、相互に直交する方向に
延びている。
【0072】実施の形態2においても、第1絶縁層13
の厚さをD1、第2絶縁層16の厚さをD2としたとき、
1<D2なる関係を満足するとした。
【0073】実施の形態2の表示装置は、実質的に、図
1に示した表示装置と同様の構造を有するので、詳細な
説明は省略する。
【0074】あるいは又、第2ゲート電極16を、図6
の左右方向(表示装置の行方向)にストライプ状に延ば
し、隣接する電界放出素子の第2ゲート電極16と共通
としてもよい。即ち、複数個の電界放出素子の第2ゲー
ト電極16を、第2ゲート電極16の延在部によって相
互に電気的に接続する構成とすることもできる。そし
て、各電界放出素子の第1ゲート電極12を、各電界放
出素子に設けられた接続孔30を介して第2ゲート電極
16に接続する。このような構成により、第2ゲート電
極16を制御回路43に接続し、第2ゲート電極16に
所定の駆動電圧を印加すれば、第1ゲート電極12に同
一の電圧が印加され、第1ゲート電極12を制御回路4
3に、直接、接続する必要がない。また、電界放出素子
毎に接続孔30が設けられているので、第1ゲート電極
12をストライプ形状にする必要が無くなり、開口部1
7の底部周辺にのみ第1ゲート電極12を形成すればよ
く、電極間の静電容量を小さくすることができる。
【0075】更には、第2ゲート電極16を第1ゲート
電極12と同方向のストライプ状に形成することも可能
である。この場合、対になる、ストライプ状の第1ゲー
ト電極と、ストライプ状の第2ゲート電極とで、少なく
とも1つの接続孔を形成すればよく、接続孔の数を少な
くすることができる。しかも、画素と画素の間、若しく
は、第1ゲート電極及び第2ゲート電極の延在部といっ
た比較的空間的に余裕のある部分で接続孔を形成するこ
とが可能であり、しかも、信頼性の高い接続孔を形成で
きるという利点がある。
【0076】図7に、実施の形態2の電界放出素子の変
形例を示す。この電界放出素子は、第2ゲート電極16
上を含む第2絶縁層15上に形成された第3絶縁層1
8、並びに、第3絶縁層18上に形成されたフォーカス
電極19を更に備え、第3絶縁層19には、開口部17
に連通する第2開口部17Aが設けられている。また、
フォーカス電極19と電子放出層14とは、電気的に接
続されている。具体的には、フォーカス電極19と電子
放出層14とは、第3絶縁層18及び第2絶縁層15に
設けられた第2接続孔33を介して電気的に接続されて
いる。
【0077】以下、実施の形態2の電界放出素子の製造
方法について、図8乃至図11を参照しながら説明する
が、実施の形態1の電界放出素子も実質的には同じ方法
で製造することができる。
【0078】[工程−100]先ず、例えばガラス基板
から成る支持体11の上に、スパッタリングにより厚さ
約0.2μmのタングステン膜を製膜し、通常の手順に
従ってリソグラフィ技術及びドライエッチング技術によ
りこのタングステン膜をパターニングし、ストライプ状
の第1ゲート電極12を得る。次に、第1ゲート電極1
2上を含む支持体11上に第1絶縁層13を形成する。
ここでは一例として、SiO2を約0.3μmの厚さに
形成する。更に、この第1絶縁層13の上に、例えば厚
さ約0.2μmのタングステン膜を製膜し、所定の形状
にパターニングし、電子放出層を構成するためのストラ
イプ状の導電体層14Bを得る。次に、全面に例えばS
iO2から成る第2絶縁層15を例えば約0.75μm
の厚さに形成する。その後、第2絶縁層15及び第1絶
縁層13を貫通し、底部に第1ゲート電極12の表面が
露出した孔部31を、リソグラフィ技術及びドライエッ
チング技術に基づき形成する。こうして、図8の(A)
に示す構造を得ることができる。
【0079】[工程−110]その後、孔部31内を、
例えば、不純物を含有するポリシリコンにて埋め込み、
接続孔30を完成させる。次いで、第2絶縁層15の上
に厚さ約0.2μmのタングステン膜を形成し、所定の
パターニングを行うことによって、第2ゲート電極16
を得ることができる。第2ゲート電極16の構成材料や
厚さについては、第1ゲート電極12と同じであっても
よいし、異なっていてもよい。ここまでのプロセスが終
了した状態を、図8の(B)に示す。尚、第2ゲート電
極を構成する材料を第2絶縁層15上に堆積させると同
時に、かかる材料によって孔部を埋め込み、接続孔を形
成してもよい。
【0080】[工程−120]次に、全面にレジスト層
32を形成し、更に、このレジスト層32に、第2ゲー
ト電極16の表面を一部露出させるようにレジスト開口
部32Aを形成する(図9の(A)参照)。レジスト開
口部32Aの平面形状を矩形とした。矩形の長辺を概ね
100μm、短辺を数μm〜10μmとした。続いて、
レジスト開口部32Aの底部に露出した第2ゲート電極
16を例えばRIE法により異方的にエッチングする。
ここでは第2ゲート電極16をタングステンを用いて構
成しているので、SF6ガスを用いたエッチングによ
り、第2ゲート電極16に開口部17の一部を形成する
ことができる。こうして、図9の(B)に示す構造を得
ることができる。
【0081】[工程−130]次に、図10の(A)に
示すように、レジスト開口部32Aの内部に露出した第
2絶縁層15を等方的にエッチングし、開口部17の一
部を第2絶縁層15に形成する。ここでは、第2絶縁層
15をSiO2を用いて形成しているので、緩衝化フッ
酸水溶液を用いたウェットエッチングを行う。第2絶縁
層15の壁面(開口部形成面)は、第2ゲート電極16
の先端部よりも後退するが、このときの後退量はエッチ
ング時間の長短により制御することができる。
【0082】[工程−140]次に、開口部17の底部
に露出した導電体層14Bを、イオンを主エッチング種
とする条件によりドライエッチングし、開口部の一部を
形成する。イオンを主エッチング種とするドライエッチ
ングでは、被エッチング物へのバイアス電圧の印加やプ
ラズマと磁界との相互作用を利用して荷電粒子であるイ
オンを加速することができるため、一般には異方性エッ
チングが進行し、被エッチング物の加工面は垂直壁とな
る。しかし、この[工程−140]では、プラズマ中の
主エッチング種の中にも垂直以外の角度を有する入射成
分が若干存在すること、及び開口部の端部における散乱
によってもこの斜め入射成分が生ずることにより、電子
放出層14の露出面の中で、本来であれば開口部によっ
て遮蔽されてイオンが到達しないはずの領域にも、ある
程度の確率で主エッチング種が入射する。このとき、導
電体層14Bの法線に対する入射角の小さい主エッチン
グ種ほど入射確率は高く、入射角の大きい主エッチング
種ほど入射確率は低い。従って、導電体層14Bの厚さ
が、突出方向の先端に向けて薄くなり、端部が先鋭化さ
れる。ここでは導電体層14Bをタングステンを用いて
構成しているので、SF6ガスを用いたドライエッチン
グによって開口部17の一部を電子放出層14に形成す
ることができる。このときのエッチング条件によって、
導電体層14Bの厚さを端部に向かって減少させ、端部
を先鋭化させる。こうして、端部14Aの厚さが先端に
向かって減少している電子放出層14を得ることができ
る(図10の(B)参照)。
【0083】[工程−150]次に、レジスト開口部3
2Aの内部に露出した第1絶縁層13を等方的にエッチ
ングすることにより、図11に示すように、底部に第1
ゲート電極12が露出した開口部17を形成する。ここ
では、前述の第2絶縁層15の場合と同様に、緩衝化フ
ッ酸水溶液を用いたウェットエッチングを行う。第1絶
縁層13の壁面(開口部形成面)は、電子放出層14の
端部14Aよりも後退する。これと同時に、第2絶縁層
15の壁面(開口部形成面)も後退するため、電子放出
層14の端部14Aは第1絶縁層13と第2絶縁層15
の双方から突出することになる。その後、レジスト層3
2を除去すると、図6に示した構成を得ることができ
る。
【0084】以上のようにして作製された電界放出素子
を有するカソード・パネル10と、アノード・パネル2
0とを組み合わせ、外部電源回路に接続すると、本発明
の表示装置が完成される。カソード・パネル10とアノ
ード・パネル20との間は真空である。実際の表示装置
の構成においては、アノード・パネル20の端部とカソ
ード・パネル10の端部とがスペーサ及び/又は枠体
(図示せず)を介して接合され、これら両パネル間の空
間が排気されている。
【0085】以上、本発明を、発明の実施の形態に基づ
き説明したが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。発明の実施の形態にて説明した数値や用いた各種材
料は例示であり、適宜変更することができる。また、電
界放出素子の製造方法も例示であり、適宜変更すること
ができる。例えば、第1絶縁層13上に導電体層14B
を製膜した後、導電体層14Bをパターニングすること
によって、ストライプ状であってしかも開口部が形成さ
れた電子放出層14を形成し、次いで、電子放出層14
上を含む第1絶縁層13上に第2絶縁層15を形成して
もよい。また、第2絶縁層15上に、例えば印刷法に
て、ストライプ状であってしかも開口部が設けられた第
2ゲート電極16を形成することもできる。
【0086】本発明の第2の態様に係る冷陰極電界電子
放出素子及び冷陰極電界電子放出表示装置においては、
第1絶縁層13の厚さD1と第2絶縁層15の厚さD2
を、D1>D2の関係を満足するように規定してもよい。
この場合、電子放出層14の端部14Aから放出された
電子は、アノード電極24側に曲げられて、第1ゲート
電極12に入射することなく、直接、アノード電極24
に衝突する。これにより、電子利用効率を向上させるこ
とができ、アノード電流を増加させることができ、輝度
を向上させることができる。
【0087】本発明の電界放出素子あるいは冷陰極電界
電子放出表示装置においては、少なくとも開口部の底部
に露出した第1ゲート電極の部分の表面に、第1ゲート
電極を構成する導電性材料よりも2次電子利得の大きい
材料から成る電子増幅層が設けられていてもよい。この
ような構成にすれば、電子放出層から放出され、第1ゲ
ート電極に引き付けられた電子が、先ず、電子増幅層に
衝突する結果、電子増幅層から2次電子が効率良く放出
される。放出された2次電子は、アノード電極側へ向か
って加速され、蛍光体層に衝突してこれを発光させる。
【0088】2次電子利得δとは、一般的には、固体表
面に電子(1次電子)を衝突させたとき、その表面から
別の電子(2次電子)が放出される現象(2次電子放
出)において、2次電子流I2と1次電子流I1の比とし
て定義され、下式のように表される。但し、2次電子利
得は1次電子流I1、即ち1次電子の入射エネルギーの
関数であるから、電界放出素子においては、電子放出層
から放出された電子(1次電子)の加速電圧の関数とな
り、ひいては電子放出層と第1及び第2ゲート電極との
間の電位差の関数となる。従って、電界放出素子におけ
る2次電子利得を論ずる場合には、通常の電界放出素子
が駆動される或る特定の電位差領域(通常、100ボル
ト以下)におけるδの値を論ずる必要がある。δの値が
大きいほど、電子放出層から放出された一定数の1次電
子に対して、より多くの2次電子が放出されることにな
り、以て、蛍光体層へ入射する2次電子数が増大し、表
示画面の輝度が向上する。換言すれば、一定数の2次電
子を生成させるために必要な第1及び第2ゲート電極へ
の印加電圧を低減することができ、同レベルの輝度をよ
り低い消費電力で達成することが可能となる。
【0089】δ=I2/I1
【0090】例えば、Applied Surface Science 111 (1
997) 259-264 によると、シリコン基板上に製膜された
酸化マグネシウム(MgO)薄膜について、1次電子の
入射エネルギーが50eVの時はδ=2.0であり、1
00eVの時はδ=3.4の値が得られている。これ
は、電界放出素子に当てはめて考えると、酸化マグネシ
ウム薄膜は、電子放出層とゲート電極との間の電位差が
50ボルトの時に1次電子の入射数の2倍の数の2次電
子を放出することができ、100ボルトでは3.4倍の
数の2次電子を放出できることに相当する。電界放出素
子のゲート電極の構成材料として使用される通常の金属
の多くは、100ボルト以下の電位差領域におけるδの
値が1以下であるから、かかる金属から成る第1ゲート
電極の表面に例えば酸化マグネシウムから成る電子増幅
層を形成すれば、低消費電力で高輝度を有する電界放出
素子を得ることができる。
【0091】本発明において、電子放出層から放出され
た1次電子は、先ず開口部の底部に向かって加速される
ので、電子増幅層は少なくとも開口部の底部に位置する
第1ゲート電極の部分の表面に形成されていればよい。
即ち、電子増幅層を形成すべき第1ゲート電極の領域
は、開口部の底部に一致した領域であっても、あるいは
開口部の底部とその周囲近傍とを含む領域であってもよ
い。あるいは、電子放出層から放出される1次電子の軌
道によっては、開口部の底部の全面に電子増幅層が露出
していなくてもよく、実際に1次電子が入射し得るより
狭い第1ゲート電極の領域に電子増幅層が選択的に形成
されていてもよい。更には、電子増幅層が第1ゲート電
極の表面全域に亙って形成されていてもよい。
【0092】電子増幅層を構成する材料については、該
材料の2次電子利得δが第1ゲート電極を構成する導電
性材料の2次電子利得δよりも大きくなるように、下記
に挙げる材料の中から適宜選択することが好ましい。即
ち、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、金(Au)、
コバルト(Co)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、
ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、タ
ンタル(Ta)、タングステン(W)、ジルコニウム
(Zr)等の金属;シリコン(Si)、ゲルマニウム
(Ge)等の半導体;ダイヤモンド等の無機単体;及び
酸化アルミニウム(Al23)、酸化バリウム(Ba
O)、酸化ベリリウム(BeO)、酸化カルシウム(C
aO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化錫(SnO
2)、フッ化バリウム(BaF2)、フッ化カルシウム
(CaF2)等の化合物の中から、適宜選択することが
できる。尚、電子増幅層の構成材料は、必ずしも導電性
を備えている必要はない。
【0093】
【発明の効果】本発明の第1の態様に係る冷陰極電界電
子放出素子あるいは冷陰極電界電子放出表示装置におい
ては、第1絶縁層の厚さD1と第2絶縁層の厚さD2がD
1<D2の関係を満足するように規定されているので、電
子放出層の端部から放出される電子の方向を所定の方向
に制御することができ、第1ゲート電極の電子放出層の
端部から離れた領域に電子を入射させることができる。
その結果、かかる第1ゲート電極の領域で生成した2次
電子及び/又は反射電子が下向きの電界によって第1ゲ
ート電極に引き戻されず、アノード電極まで到達する。
それ故、従来よりも冷陰極電界電子放出表示装置の輝度
が大幅に改善され、あるいは又、十分な輝度を得るため
の駆動電圧を大幅に低減することができる。しかも、電
子放出層の端部から放出された電子が、直接、アノード
電極に向かわないため、色ずれも防止することができ
る。
【0094】本発明の第2の態様に係る冷陰極電界電子
放出素子あるいは冷陰極電界電子放出表示装置において
は、第1ゲート電極と第2ゲート電極が、第1絶縁層及
び第2絶縁層に設けられた接続孔によって電気的に接続
されているので、外部に接続する信号線を大幅に減らす
ことができ、信頼性を向上させることができ、しかも、
コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態1の冷陰極電界電子放出表示
装置の模式的な一部端面図である。
【図2】発明の実施の形態1の冷陰極電界電子放出素子
の開口部の近傍のみを一部破断して示す概略斜視図であ
る。
【図3】図2のA−A線断面に沿った発明の実施の形態
1の冷陰極電界電子放出素子の模式的な一部端面図であ
る。
【図4】発明の実施の形態1の冷陰極電界電子放出素子
の変形例の模式的な一部端面図である。
【図5】発明の実施の形態2の冷陰極電界電子放出表示
装置の模式的な一部端面図である。
【図6】発明の実施の形態2の冷陰極電界電子放出素子
の模式的な一部端面図である。
【図7】発明の実施の形態2の冷陰極電界電子放出素子
の変形例の模式的な一部端面図である。
【図8】発明の実施の形態2の冷陰極電界電子放出素子
の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端
面図である。
【図9】図8に引き続き、発明の実施の形態2の冷陰極
電界電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等
の模式的な一部端面図である。
【図10】図9に引き続き、発明の実施の形態2の冷陰
極電界電子放出素子の製造方法を説明するための支持体
等の模式的な一部端面図である。
【図11】図10に引き続き、発明の実施の形態2の冷
陰極電界電子放出素子の製造方法を説明するための支持
体等の模式的な一部端面図である。
【図12】発明の実施の形態1の冷陰極電界電子放出素
子における、電子放出層からの電子の放出状態(電子の
軌道)をコンピュータ・シミュレーションした結果を示
す図である。
【図13】発明の実施の形態1の冷陰極電界電子放出素
子における、第1ゲート電極への電子の衝突によって第
1ゲート電極にて生成した2次電子の幾つの軌道をコン
ピュータ・シミュレーションした結果を示す図である。
【図14】比較例の冷陰極電界電子放出素子における、
電子放出層からの電子の放出状態(電子の軌道)をコン
ピュータ・シミュレーションした結果を示す図である。
【図15】電子放出層端部のテーパ角を15度としたと
きの、電子放出層からの電子の放出状態(電子の軌道)
をコンピュータ・シミュレーションした結果を示す図で
ある。
【図16】電子放出層端部のテーパ角を30度としたと
きの、電子放出層からの電子の放出状態(電子の軌道)
をコンピュータ・シミュレーションした結果を示す図で
ある。
【図17】電子放出層端部のテーパ角を45度としたと
きの、電子放出層からの電子の放出状態(電子の軌道)
をコンピュータ・シミュレーションした結果を示す図で
ある。
【図18】電子放出層端部のテーパ角を60度としたと
きの、電子放出層からの電子の放出状態(電子の軌道)
をコンピュータ・シミュレーションした結果を示す図で
ある。
【図19】従来のスピント型電界放出素子を適用した表
示装置の概念図である。
【図20】図19に示した従来のスピント型電界放出素
子の製造方法の説明するための支持体等の模式的な一部
端面図である。
【図21】図20に引き続き、図19に示した従来のス
ピント型電界放出素子の製造方法の説明するための支持
体等の模式的な一部端面図である。
【図22】米国特許第5214317号に開示されたエ
ッジ型電界放出素子の模式的な一部端面図である。
【図23】米国特許第5214317号に開示されたエ
ッジ型電界放出素子を改良し得るエッジ型電界放出素子
の模式的な一部端面図である。
【符号の説明】
10・・・カソード・パネル、11・・・支持体、12
・・・第1ゲート電極、13・・・第1絶縁層、14・
・・電子放出層、14A・・・電子放出層の端部、15
・・・第2絶縁層、16・・・第2ゲート電極、17,
17A・・・開口部、20・・・アノード・パネル、2
1・・・透明基板、22・・・ブラック・マトリクス、
23,23R,23G,23B・・・蛍光体層、24・
・・アノード電極、30,32・・・接続孔、31・・
・孔部、32・・・レジスト層、33・・・フォーカス
電極、41・・・加速電源、42・・・走査回路、43
・・・制御回路

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)支持体上に形成された第1ゲート電
    極、 (ロ)第1ゲート電極上を含む支持体上に形成された第
    1絶縁層、 (ハ)第1絶縁層上に形成された電子放出層、 (ニ)電子放出層上を含む第1絶縁層上に形成された第
    2絶縁層、 (ホ)第2絶縁層上に形成された第2ゲート電極、並び
    に、 (ヘ)第2ゲート電極、第2絶縁層、電子放出層及び第
    1絶縁層を貫通し、底部に第1ゲート電極の表面が露出
    した開口部、から成り、 開口部の壁面から突出した電子放出層の端部から電子が
    放出される冷陰極電界電子放出素子であって、 第1絶縁層の厚さをD1、第2絶縁層の厚さをD2とした
    とき、D1<D2なる関係を満足することを特徴とする冷
    陰極電界電子放出素子。
  2. 【請求項2】第1絶縁層の厚さD1と第2絶縁層の厚さ
    2とは、1.1D1≦D2≦3.0D1なる関係を満足す
    ることを特徴とする請求項1に記載の冷陰極電界電子放
    出素子。
  3. 【請求項3】開口部の壁面から突出した電子放出層の端
    部の厚さは、先端に向かって減少していることを特徴と
    する請求項1に記載の冷陰極電界電子放出素子。
  4. 【請求項4】第1ゲート電極と第2ゲート電極とは電気
    的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の
    冷陰極電界電子放出素子。
  5. 【請求項5】(ト)第2ゲート電極上を含む第2絶縁層
    上に形成された第3絶縁層、並びに、 (チ)第3絶縁層上に形成されたフォーカス電極、を更
    に備え、 第3絶縁層には、前記開口部に連通する第2開口部が設
    けられていることを特徴とする請求項1に記載の冷陰極
    電界電子放出素子。
  6. 【請求項6】フォーカス電極と電子放出層とは電気的に
    接続されていることを特徴とする請求項5に記載の冷陰
    極電界電子放出素子。
  7. 【請求項7】(イ)支持体上に形成された第1ゲート電
    極、 (ロ)第1ゲート電極上を含む支持体上に形成された第
    1絶縁層、 (ハ)第1絶縁層上に形成された電子放出層、 (ニ)電子放出層上を含む第1絶縁層上に形成された第
    2絶縁層、 (ホ)第2絶縁層上に形成された第2ゲート電極、並び
    に、 (ヘ)第2ゲート電極、第2絶縁層、電子放出層及び第
    1絶縁層を貫通し、底部に第1ゲート電極の表面が露出
    した開口部、から成り、 開口部の壁面から突出した電子放出層の端部から電子が
    放出される冷陰極電界電子放出素子であって、 第1ゲート電極と第2ゲート電極とは、第1絶縁層及び
    第2絶縁層に設けられた接続孔を介して電気的に接続さ
    れていることを特徴とする冷陰極電界電子放出素子。
  8. 【請求項8】第1絶縁層の厚さをD1、第2絶縁層の厚
    さをD2としたとき、D1<D2なる関係を満足すること
    を特徴とする請求項7に記載の冷陰極電界電子放出素
    子。
  9. 【請求項9】第1絶縁層の厚さD1と第2絶縁層の厚さ
    2とは、1.1D1≦D2≦3.0D1なる関係を満足す
    ることを特徴とする請求項8に記載の冷陰極電界電子放
    出素子。
  10. 【請求項10】開口部の壁面から突出した電子放出層の
    端部の厚さは、先端に向かって減少していることを特徴
    とする請求項7に記載の冷陰極電界電子放出素子。
  11. 【請求項11】(ト)第2ゲート電極上を含む第2絶縁
    層上に形成された第3絶縁層、並びに、 (チ)第3絶縁層上に形成されたフォーカス電極、を更
    に備え、 第3絶縁層には、前記開口部に連通する第2開口部が設
    けられていることを特徴とする請求項7に記載の冷陰極
    電界電子放出素子。
  12. 【請求項12】フォーカス電極と電子放出層とは電気的
    に接続されていることを特徴とする請求項11に記載の
    冷陰極電界電子放出素子。
  13. 【請求項13】フォーカス電極と電子放出層とは、第3
    絶縁層及び第2絶縁層に設けられた第2接続孔を介して
    電気的に接続されていることを特徴とする請求項12に
    記載の冷陰極電界電子放出素子。
  14. 【請求項14】複数の画素から構成され、 各画素は、冷陰極電界電子放出素子と、冷陰極電界電子
    放出素子に対向して基板上に設けられたアノード電極及
    び蛍光体層とから構成された冷陰極電界電子放出表示装
    置であって、 各冷陰極電界電子放出素子は、 (イ)支持体上に形成された第1ゲート電極、 (ロ)第1ゲート電極上を含む支持体上に形成された第
    1絶縁層、 (ハ)第1絶縁層上に形成された電子放出層、 (ニ)電子放出層上を含む第1絶縁層上に形成された第
    2絶縁層、 (ホ)第2絶縁層上に形成された第2ゲート電極、並び
    に、 (ヘ)第2ゲート電極、第2絶縁層、電子放出層及び第
    1絶縁層を貫通し、底部に第1ゲート電極の表面が露出
    した開口部、から成り、 開口部の壁面から突出した電子放出層の端部から電子が
    放出され、 第1絶縁層の厚さをD1、第2絶縁層の厚さをD2とした
    とき、D1<D2なる関係を満足することを特徴とする冷
    陰極電界電子放出表示装置。
  15. 【請求項15】複数の画素から構成され、 各画素は、冷陰極電界電子放出素子と、冷陰極電界電子
    放出素子に対向して基板上に設けられたアノード電極及
    び蛍光体層とから構成された冷陰極電界電子放出表示装
    置であって、 各冷陰極電界電子放出素子は、 (イ)支持体上に形成された第1ゲート電極、 (ロ)第1ゲート電極上を含む支持体上に形成された第
    1絶縁層、 (ハ)第1絶縁層上に形成された電子放出層、 (ニ)電子放出層上を含む第1絶縁層上に形成された第
    2絶縁層、 (ホ)第2絶縁層上に形成された第2ゲート電極、並び
    に、 (ヘ)第2ゲート電極、第2絶縁層、電子放出層及び第
    1絶縁層を貫通し、底部に第1ゲート電極の表面が露出
    した開口部、から成り、 開口部の壁面から突出した電子放出層の端部から電子が
    放出され、 第1ゲート電極と第2ゲート電極とは、第1絶縁層及び
    第2絶縁層に設けられた接続孔を介して電気的に接続さ
    れていることを特徴とする冷陰極電界電子放出表示装
    置。
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