JP2000149764A - 冷陰極電界電子放出素子 - Google Patents

冷陰極電界電子放出素子

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JP2000149764A
JP2000149764A JP31568098A JP31568098A JP2000149764A JP 2000149764 A JP2000149764 A JP 2000149764A JP 31568098 A JP31568098 A JP 31568098A JP 31568098 A JP31568098 A JP 31568098A JP 2000149764 A JP2000149764 A JP 2000149764A
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layer
electrode layer
electron emission
field emission
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Yuichi Iwase
祐一 岩瀬
Masami Okita
昌海 沖田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電子放出層の上下を絶縁層を介して一対のゲー
ト電極層で挟んだエッジ型電界放出素子の静電容量を減
少させ、電子放出特性を安定化させる。 【解決手段】冷陰極電界電子放出素子は、支持体上に、
帯状の第1ゲート電極層11と、第1絶縁層と、帯状の
電子放出層13と、第2絶縁層と、帯状の第2ゲート電
極層16とがこの順に積層されて成る積層体を有し、第
1ゲート電極層11と電子放出層13と第2ゲート電極
層16との重複領域において、第2ゲート電極層16、
第2絶縁層、電子放出層13及び第1絶縁層を貫通する
開口部17が設けられ、開口部17の壁面に露出した電
子放出層13の端部を電子放出部とするものであって、
第1ゲート電極層11と第2ゲート電極層16とが、支
持体の法線方向から見たときに、重複領域以外の領域に
おいて互いに重複を避けた平面配置をとる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平面型表示装置に
用いられる冷陰極電界電子放出素子に関する。
【0002】
【従来の技術】現在主流の陰極線管(CRT)に代わる
画像表示装置として、平面型(フラットパネル形式)の
表示装置が種々検討されている。このような平面型の表
示装置としては、液晶表示装置(LCD)、エレクトロ
ルミネッセンス表示装置(ELD)、プラズマ表示装置
(PDP)が例示される。又、熱的励起によらず固体か
ら真空中に電子を放出することが可能な冷陰極電界放出
型の表示装置、所謂フィールドエミッションディスプレ
イ(FED)も提案されており、画面の明るさ及び低消
費電力の観点から注目を集めている。
【0003】冷陰極電界電子放出型の表示装置(以下、
単に、表示装置と称する場合がある)は、一般に、2次
元マトリクス状に配列された各画素に対応して電子放出
部を有するカソードパネルと、この電子放出部から放出
された電子との衝突により励起されて発光する蛍光体層
を有するアノードパネルとが、真空層を介して対向配置
された構成を有する。カソードパネル上の各画素におい
ては、通常、複数の電子放出部が形成され、更に、これ
ら電子放出部から電子を引き出すためのゲート電極も形
成されている。この電子放出部とゲート電極から構成さ
れた部分を、電界放出素子と称することにする。
【0004】かかる表示装置の構成において、低い駆動
電圧で大きな放出電子電流を得るためには、電子放出部
の先端形状を鋭く尖らせた形状とすること、個々の電子
放出部を微細化して、一画素に対応する区画内における
電子放出部の存在密度を高めること、電子放出部の先端
とゲート電極との距離を短縮することが必要である。従
って、これらを実現するために、従来より様々な構成を
有する冷陰極電界電子放出素子が提案されている。
【0005】従来の表示装置の代表例の1つとして、電
子放出部を円錐形の導電体で構成した、所謂スピント
(Spindt) 型表示装置が知られている。この表示
装置のカソードパネル側においては、支持体上にカソー
ド電極層、絶縁層及びゲート電極層が順次形成されてい
る。そして、ゲート電極層及び絶縁層を貫通するよう
に、直径1μm程度の微細な開口部が2次元マトリクス
状に多数形成され、各開口部の底面に露出したカソード
電極上に電子放出部が1つずつ形成されている。開口部
の開口端部を構成するゲート電極に電圧が印加される
と、これによって生ずる電界の強度に応じて、電子放出
部の先端部から電子が放出される。放出された電子は開
口部の外へ引き出され、アノードパネル側の蛍光体層に
衝突してこの蛍光体層を励起・発光させ、所望の画像の
形成に寄与する。上記の円錐形の電子放出部は、導電材
料を垂直蒸着する過程で開口部の開口端付近に形成され
るこの導電材料のオーバーハング状の堆積物による遮蔽
効果を利用して、開口部の内部に入射可能な蒸着粒子の
量を経時的に減少させることで自己整合的に形成され
る。
【0006】ところで、スピント型表示装置の電界放出
素子の電子放出特性は、開口部の開口端部を構成するゲ
ート電極の縁部から電子放出部の先端部までの距離に大
きく依存する。しかし、大面積の支持体の全体に亙って
電子放出層の形状と寸法を均一に揃えることは、実際に
は極めて困難であり、何らかの面内ばらつきやロット間
ばらつきは避けられない。このばらつきは、表示装置の
画像表示特性、例えば画像の明るさにばらつきを発生さ
せる原因となる。
【0007】そこで、スピント型表示装置のこれらの欠
点を解消し得る表示装置として、所謂エッジ型表示装置
が提案されている。このエッジ型表示装置においては、
スピント型表示装置における円錐形の電子放出部を形成
する代わりに、支持体である絶縁性基板の上に第1絶縁
層、電子放出層、第2絶縁層、ゲート電極層を順次積層
し、この積層体に開口部を設け、この開口部の壁面に露
出した電子放出層の端面(エッジ)を何らかの方法で壁
面から突出させ、電子放出部として利用する。
【0008】電子放出層の端面を開口部の壁面から突出
させる方法としては、通常、異方性エッチングと等方性
エッチングを組み合わせて上記積層体を加工する方法が
採られる。即ち、ゲート電極層は異方的条件下、ゲート
電極層の直下の第2絶縁層は等方的条件下、第2絶縁層
の直下の電子放出層は異方的条件下、電子放出層の直下
の第1絶縁層は等方的条件下でそれぞれエッチングする
ことにより、第1絶縁層及び第2絶縁層の壁面をゲート
電極層の開口端面や電子放出層の端面に比べて後退させ
る。かかる構成によれば、ゲート電極層の縁部から電子
放出部の先端部までの距離は、主として第2絶縁層の厚
さに依存することになり、この距離の制御はスピント型
表示装置の場合に比べて遥かに容易である。従って、大
面積の支持体上でも電子放出部の電子放出特性を均一化
することが容易となり、表示装置の画像の明るさも均一
化され得る。
【0009】又、米国特許第5214317号公報に
は、電子放出層の上側のみならず、下側にもゲート電極
層を設け、電子放出層に一層強い電界を与えることが可
能な構造が開示されている。即ち、図20に示すよう
に、基板50上に導電層51、第1絶縁層52、下部ゲ
ート電極層53、第2絶縁層54、電子放出層55、第
3絶縁層56、及び上部ゲート電極層57を順次積層し
た積層体に、導電層51を除く層を貫通し、底面に導電
層51を露出させるような開口部58が設けられてい
る。そして、開口部58の壁面から突出した電子放出層
55の先端部から放出された電子eが、開口部58の外
部へ導出される。電子放出層55の先端部は、等方性エ
ッチングで膜厚を減ずることにより曲率半径が減少され
ており、これにより電子放出密度が高められている。
【0010】なお、これら第2ゲート電極層57、電子
放出層55及び下部ゲート電極層53に対面配置されて
いる導電膜59は、電子放出層55から放出された電子
を引き付けるための電極を構成し、又、開口部58の底
面に露出している導電層51は、表面保護、電位の安定
化、絶縁破壊やノイズの防止を目的として設けられてい
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
米国特許第5214317号公報に示したように、電子
放出層の上下にゲート電極層を配したエッジ型の表示装
置の場合、薄い絶縁層を介して導電材料から成る層が対
向した構造を必然的に備えるため、第1ゲート電極層と
第2ゲート電極層の間、電子放出層と第1ゲート電極層
の間、及び/又は電子放出層と第2ゲート電極層との間
で静電容量が増大し易い。この静電容量は、上下のゲー
ト電極層及び電子放出層自身の配線抵抗と共に時定数を
増大させ、入力信号に対する電界放出素子の動作を遅延
させる原因となる。又、エッジ型の表示装置の消費電力
は静電容量に比例しており、静電容量の増大はそのまま
消費電力の増大にもつながる。
【0012】又、上記のような構成のエッジ型表示装置
においては、通常、上部ゲート電極層に定電圧、下部ゲ
ート電極層に信号電圧を印加するが、このような系に静
電容量が存在すると、下部ゲート電極層の電位の変化が
この静電容量を介して上部ゲート電極層に影響を及ぼす
可能性がある。電子の軌道を安定化させるために本来一
定であるべき上部ゲート電極層の電位が変動すると、電
子の軌道が変化し、画像表示の不安定化や画質低下の原
因となる。更に、この静電容量の存在により、下部ゲー
ト電極層の電位変化に対して必要以上に大きな電位変化
が電子放出層に発生する可能性もあり、このことも画像
表示の不安定化の原因となる。
【0013】更に、電界放出素子に関する一般的な問題
として、電子放出部の特性のばらつきが挙げられる。電
子放出部は、カソードパネル上に数十万個から数億個も
の単位で同一プロセスにより形成されるが、個々の電子
放出部は電子顕微鏡下で一見同じように観察されても、
実際には隣接ライン間でも数ボルトの電位ばらつきが発
生していることがあり、ひいてはライン間の輝度ばらつ
きの原因となっている。この電位ばらつきは、電子放出
部の微視的な表面状態の差異に起因すると考えられてい
るが、原因は必ずしも明らかではなく、現行の製造技術
ではほぼ不可避的に発生している。
【0014】そこで、電子放出部の電位ばらつきを抑え
るため、従来より次のような対策が提案されている。 (a)1画素を1000個程度の単位の電子放出部で構
成する。 (b)各電子放出部に抵抗体を接続する。 (c)各電子放出部に電流制御回路を接続する。
【0015】上記対策(a)には、平均化効果により個
々の電子放出部の特性ばらつきを顕在化させ難くする狙
いがあるが、単位面積当たりの画素数が大きく制限され
る問題がある。上記対策(b)は、電流の流れ易い電子
放出部ほど大きな電圧降下を生じさせることにより、電
子放出部の特性ばらつきを顕在化させ難くするものであ
る。上記対策(c)の電流制御回路は上記対策(b)の
抵抗に替えて用いられるものであり、優れた特性ばらつ
き抑制効果が期待できるが、電流制御回路そのものを駆
動させる電力が必要な上に、素子構成が複雑化し、製造
歩留まりやスループットを低下させる虞れが大きい。
【0016】従って、最も簡便に特性ばらつき抑制効果
が得られる対策は、抵抗体を利用する対策(b)である
と考えられる。しかしながら、エッジ型の電界放出素子
の電子放出層に抵抗体を接続する場合、通常、抵抗体そ
のものが誘電率の高い物質であることから、抵抗体の配
設位置によっては前述の静電容量がますます増大してし
まう。即ち、抵抗体が電子放出層と上部ゲート電極層と
の重複部位に重なって形成されることは、不利益であ
る。
【0017】そこで、本発明は、静電容量の抑制を通じ
て電子放出特性の安定化を図り、表示装置に組み込まれ
た場合にも入力信号に対する高速応答性に優れ、又、画
像表示の安定性と画質の改善を図ることが可能な冷陰極
電界電子放出素子を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の冷陰極電界電子
放出素子(以下、電界放出素子と称する)は、支持体上
に、帯状の第1ゲート電極層と、第1絶縁層と、帯状の
電子放出層と、第2絶縁層と、帯状の第2ゲート電極層
とがこの順に積層されて成る積層体を有し、第1ゲート
電極層と電子放出層と第2ゲート電極層との重複領域に
おいて、第2ゲート電極層、第2絶縁層、電子放出層及
び第1絶縁層を貫通する開口部が設けられ、開口部の壁
面に露出した電子放出層の端部を電子放出部とするもの
であって、第1ゲート電極層と第2ゲート電極層とが、
支持体の法線方向から見たときに、重複領域以外の領域
において互いに重複を避けた平面配置をとることによ
り、上述の目的を達成する。
【0019】上記の重複領域とは、電子放出層の上下が
第2ゲート電極層及び第1ゲート電極層に挟まれ、電子
放出部の近傍に所定の電界が形成され、電子の放出を可
能とする領域である。従って、重複領域においては原理
上、ある程度の静電容量が発生することはやむを得な
い。しかし、重複領域以外の領域(以下、「外領域」と
称する)においては、第1ゲート電極層と第2ゲート電
極層とが重複して形成される必要は全くない。しかも、
画素数が増大するほど、又、これに伴って電子放出部の
数が増大するほど、電界放出素子の総面積に占める外領
域の面積比も増大する。従って、この外領域における第
1ゲート電極層と第ゲート電極層の重複を避けること
は、電界放出素子全体の静電容量の低減に極めて大きく
貢献する。又、逆に言えば、本発明の電界放出素子の静
電容量が仮に従来型の電界放出素子の静電容量と同じで
あるとすれば、本発明の方が第1絶縁層及び/又は第2
絶縁層をより薄く形成することができ、電界放出素子の
薄型化に貢献できる。
【0020】外領域における上下のゲート電極層、即
ち、第2ゲート電極層と第1ゲート電極層は、支持体の
法線方向から見て全く重なっていないことが理想である
が、レイアウト上の事情により生ずる両ゲート電極層の
重なりは、本発明において許容される。例えば、外領域
における第2ゲート電極層と第1ゲート電極層の総面積
中、数%程度の重なりは許容される。
【0021】なお、「重複領域」の本来の定義は、「第
1ゲート電極層と電子放出層と第2ゲート電極層の三者
が完全に重なる領域」であるが、本発明の実施の形態に
よっては、必ずしも三者が完全に重ならない領域も便宜
上、重複領域に含めることがある。これは、後述するよ
うに、電子放出層が島状部とこれを周回する枠部とから
構成される場合、更に島状部が複数並列に形成されてい
る場合に、島状部と枠部との間、あるいは隣接する島状
部同士の間の微細な隙間には電子放出層が存在しないの
で、厳密な意味ではこの隙間部分は重複領域には該当し
ないが、本発明ではかかる隙間部分も重複領域に含める
ものとする。
【0022】第1ゲート電極層と第2ゲート電極層が同
じ方向(第1方向)に延在し、電子放出層が異なる方向
(第2方向)に延在する場合には、第1ゲート電極層と
第2ゲート電極層の少なくとも一方が、外領域に位置す
る延在方向中途部で屈曲して重複領域を通過する構成が
可能である。勿論、双方のゲート電極層が屈曲していて
も構わないが、支持体上の限られた面積内で電子放出部
の集積密度を上げるためには、一方を直線状、他方を屈
曲状とすることが好適である。又、第1方向と第2方向
とは、効率よく重複領域を形成し得る限りにおいて互い
にいかなる角度を成していてもよいが、上記の集積密度
を考慮すると、直交することが最も望ましい。
【0023】上述のように第1ゲート電極層と第2ゲー
ト電極層のいずれか一方が外領域で屈曲して重複領域を
通過する場合、重複領域と隣接する外領域においては、
必然的に、両ゲート電極層の重なり面積が徐々に増大又
は減少する遷移領域(延在方向中途部に相当する)が形
成される。本発明では、このような遷移領域も外領域に
含まれる。
【0024】一方、第1ゲート電極層と第2ゲート電極
層の延在方向が異なる場合には、これら両ゲート電極層
のいずれか一方が電子放出層と同じ方向に延在すること
になる。即ち、(ケース1)第1ゲート電極層を第1方
向、電子放出層を第2方向、第2ゲート電極層を第2方
向にそれぞれ延在させる、又は、(ケース2)第1ゲー
ト電極層を第1方向、電子放出層を第1方向、第2ゲー
ト電極層を第2方向にそれぞれ延在させる2通りのケー
スが可能である。
【0025】上記の(ケース1)又は(ケース2)を採
用する場合には、両ゲート電極層同士の重なり面積が低
減される代わりに、外領域において、電子放出層と、こ
の電子放出層と同じ方向に延在するゲート電極層との間
で重なり面積が増大する。そこで、本発明では、外領域
における上記重なり面積の増大を防ぐため、帯状のゲー
ト電極層中、外領域を通過する部分の幅を、重複領域を
通過する部分の幅よりも狭くすることが好ましい。具体
的には、(ケース1)の第2ゲート電極層、又は(ケー
ス2)の第1ゲート電極層を、重複領域に位置するゲー
ト電極形成部と、ゲート電極形成部よりも狭い幅にてゲ
ート電極形成部同士を連結する連結部とから構成するこ
とが好ましい。即ち、これらのゲート電極層が、外領域
においてはゲート電極形成部よりも幅の狭い連結部のみ
を持つことが好適である。
【0026】隣接するゲート電極形成部の間に配される
連結部の数は、単数でも複数でもよく、又、配設位置も
特に限定されない。ただし、次に述べるように電子放出
層を島状部と枠部から構成し、且つ島状部と枠部とを抵
抗体層で連結する場合には、ゲート電極層として必要な
機械的強度を維持しつつ、後述する枠部及び抵抗体層と
の重複をできるだけ避けるため、ゲート電極形成部の幅
方向の両端部を2本の連結部で連結した構成を採用する
ことが、特に好適である。
【0027】本発明の電界放出素子における電子放出層
は、重複領域に位置する少なくとも1つの島状部と、島
状部を周回する枠部とから成り、島状部を貫通して開口
部を形成することにより、島状部の端部を電子放出部と
して露出させ、島状部と枠部とは抵抗体層により接続さ
れていることが好適である。即ち、島状部が実質的な電
子放出部として機能する部分、枠部が電子放出部の引き
出し電極として機能する部分である。上述のように、一
方のゲート電極層の延在方向が電子放出層の延在方向と
同じであって、且つゲート電極形成部の幅方向の両端部
が2本の連結部で連結されている場合には、支持体の法
線方向から見たとき、これら両連結部で挟まれる領域、
即ち、ゲート電極層が存在しない領域を枠部の一部が通
過するような平面配置とすることが好適である。
【0028】抵抗体層は、各島状部の特性のばらつきを
顕在化させ難くする役割を果たす。抵抗値は、概ね1×
105〜1×107Ω、好ましくはこの数MΩのオーダー
で選択される。これは、1μAの電流に対して数Vの電
圧降下が望める値である。1つの重複領域に島状部が1
つだけある場合には、重複領域間で島状部の特性ばらつ
きが見掛け上抑えられ、1つの重複領域に複数の島状部
がある場合には、重複領域内及び重複領域間の双方で島
状部の特性ばらつきが見掛け上抑えられる。抵抗体層の
構成材料としては、アモルファスシリコン等の半導体材
料や、酸化タンタル等の高融点金属酸化物を典型的に使
用することができる。
【0029】抵抗体層は、支持体の法線方向から見たと
きに、重複領域外、即ち、外領域に位置することが好適
である。上述のように、一方のゲート電極層の延在方向
が電子放出層の延在方向と同じであって、且つゲート電
極形成部の幅方向の両端部が2本の連結部で連結されて
いる場合には、支持体の法線方向から見たとき、これら
両連結部で挟まれる領域、即ち、ゲート電極層が存在し
ない領域に抵抗体層が配置されるような平面配置とする
ことが好適である。
【0030】抵抗体層による島状部と枠部との接続は、
半導体装置の製造分野における一般的な多層配線の接続
と同様、絶縁層に開口された接続孔を介して行うことも
勿論可能であるが、島状部の表面から第1絶縁層の表面
を経て枠部の表面に至るように行うこともできる。第1
絶縁層の表面を経て島状部と枠部とを抵抗体層によって
直接的に接続する構成によれば、電子放出層の上に新た
な絶縁層を設ける必要も、接続孔形成用の孔部を形成す
る必要もない。従って、電界放出素子の製造プロセスが
大幅に簡略化される上、接続に要するスペースも少なく
て済み、集積度を高める観点からも好ましい。
【0031】上述のように抵抗体層が島状部の表面から
第1絶縁層の表面を経て枠部の表面に至るように形成さ
れていることは、製造プロセスの観点からみると、島状
部と枠部と第1絶縁層の上で抵抗体層を直にパターニン
グしなければならないことを意味する。かかるパターニ
ングをエッチングで行うためには、抵抗体層の構成材料
として、特定のエッチング種に対するエッチング速度が
電子放出層や第1絶縁層よりも大きい材料から成る材料
を選択することが必要である。例えば、第1絶縁層の構
成材料として酸化シリコン(SiO2)、電子放出層の
構成材料としてタングステン(W)、抵抗体層の構成材
料としてアモルファスシリコンをそれぞれ選択した場
合、ドライエッチングのエッチング種としてフッ素系エ
ッチング種や塩素系エッチング種を使用すれば、下地の
電子放出層や第1絶縁層に対して十分に高い選択比を維
持しながら抵抗体層をエッチングし、所望の形状にパタ
ーニングすることができる。その他、抵抗ペーストを用
い、スクリーン印刷法により抵抗体層を形成することも
可能である。
【0032】支持体は、少なくとも表面が絶縁性部材よ
り構成されていればよく、ガラス基板、表面に絶縁膜が
形成されたガラス基板、石英基板、表面に絶縁膜が形成
された石英基板、表面に絶縁膜が形成された半導体基板
を例示することができる。
【0033】第1ゲート電極層及び第2ゲート電極層
は、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル
(Ta)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、クロ
ム(Cr)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)等の金
属層又はこれらの金属元素を含む合金層を用いて形成す
ることができる。これら第1ゲート電極層及び第2ゲー
ト電極層の形成方法としては、蒸着、スパッタリング、
CVD、イオン・プレーティング等、通常の薄膜作製プ
ロセスが利用できる。
【0034】電子放出層は、タングステン(W)、ニオ
ブ(Nb)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリ
ブデン(Mo)、クロム(Cr)、アルミニウム(A
l)、銅(Cu)等の金属層又はこれらの金属元素を含
む合金層、あるいはダイヤモンド等の半導体層を用いて
形成することができる。厚さはおおよそ50〜500n
m、好ましくは100〜300nmの範囲とする。
【0035】第1絶縁層及び第2絶縁層の構成材料とし
ては、SiO2、SiN、SiONを単独あるいは適宜
組み合わせて使用することができる。これら第1絶縁層
及び第2絶縁層の形成には、CVD、塗布、スパッタリ
ング等の公知のプロセスが利用できる。
【0036】開口部の形状としては、円、楕円、あるい
はn角形(但し、nは3以上の整数)を挙げることがで
きる。n角形は、正n角形でなくてもよく、又、その頂
点は丸みを帯びていてもよい。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、発明の実
施の形態(以下、実施の形態と略称する)に基づき、本
発明の電界放出素子の典型的な構成例について説明す
る。
【0038】(実施の形態1)実施の形態1は、第1ゲ
ート電極層と第2ゲート電極層とが同じ方向に延在し、
電子放出層がこれら両ゲート電極層と直交する方向に延
在し、第1ゲート電極層が延在方向中途部にて屈曲した
電界放出素子に関する。図1は、実施の形態1にかかる
電界放出素子に含まれる4種類の導電層、即ち、第1ゲ
ート電極層、電子放出層、抵抗体層及び第2ゲート電極
層のレイアウトの一部を示す平面図、図2は図1に示さ
れる重複領域の1つをその近傍領域と共に示す分解斜視
図、図3は図1のA−A線断面及びB−B線断面を示す
模式的断面図である。なお、図1と図2では、図示の都
合上、支持体及び全ての絶縁層を省略している。
【0039】まず、図1及び図2を参照して、実施の形
態1にかかる電界放出素子における各層のレイアウトを
説明する。これらの図は、支持体10(図3を参照)の
法線方向から見たレイアウトを示しており、最下層が第
1ゲート電極層11、中間が電子放出層13、最上層が
第2ゲート電極層16である。抵抗体層14は、電子放
出層13に接して形成されている。第1ゲート電極層1
1と第2ゲート電極層16は図中Y方向に延在し、電子
放出層13はこれらと直交するX方向に延在している。
【0040】電子放出層13は、島状部13aとこれを
周回する枠部13bとから構成されている。図1では、
並列された矩形の島状部13aが3個一組にて枠部13
bで囲まれているが、勿論、枠部13bで囲まれた島状
部13aの形状や数はこれに限定されない。島状部13
aは実際に電子放出部を構成する部分であるから、上下
を第1ゲート電極層11と第2ゲート電極層16とで挟
まれている必要がある。これら島状部13aと第1ゲー
ト電極層11と第2ゲート電極層16の三者の平面配置
が重なる部分が重複領域であり、図1では矢印で示すX
方向幅とY方向幅とが交差する矩形の領域が重複領域と
なる。ただし、前述したように、ここでは便宜上、隣接
する島状部13aの間、及び島状部13aと枠部13b
との間の微細な隙間のように電子放出層13が存在しな
い領域も含めて、重複領域と称することにする。重複領
域では、各島状部13a毎に矩形の開口部17が1つず
つ形成されている。なお、重複領域以外の領域は、外領
域である。
【0041】第2ゲート電極層16は、直線状のパター
ンに形成されている。一方、第1ゲート電極層11は、
外領域では第2ゲート電極層16と重ならないよう、平
面配置上は第2ゲート電極層16と並列に延在している
が、途中で重複領域へ向かって屈曲し、重複領域では第
2ゲート電極層16と重なる。図1に示した例では、外
領域における第1ゲート電極層11のエッジと第2ゲー
ト電極層16のエッジとの間に若干の平面配置上の隙間
があるが、勿論双方のエッジの位置が一致していてもよ
く、又、アライメントずれに起因する重なりは許容され
る。
【0042】第1ゲート電極層11の屈曲部分において
は、両ゲート電極層11,16の重なり面積が徐々に増
大又は減少する遷移領域(延在方向中途部)が形成され
ている。かかる遷移領域の一部においては、第1ゲート
電極層11、電子放出層13、及び第2ゲート電極層1
6の三者が重複する。ただし、この遷移領域に含まれる
電子放出層13は枠部13bであって、電子放出部の構
成に関与する部分ではないので、本発明では遷移領域を
重複領域には含めず、外領域に含めることにする。
【0043】抵抗体層14は、外領域において島状部1
3aと枠部13bとを接続している。図1に示した例で
は、第2ゲート電極層16のエッジと抵抗体層14のエ
ッジとの間に若干の平面配置上の隙間があるが、勿論双
方のエッジの位置が一致していてもよく、又、アライメ
ントずれに起因する重なりは許容される。
【0044】抵抗体層14は、図2からも明らかなよう
に、島状部13aと枠部13bの上で直接にパターニン
グされている。島状部13aと枠部13bとの間には、
第1絶縁層12が露出しており(図3の(A)を参
照)、抵抗体層14は第1絶縁層12の表面上、並びに
島状部13a及び枠部13b上に形成されている。この
ような形態による接続は、絶縁膜に開口された接続孔を
介する接続に比べて少ない工程数で達成できる上に、接
続長を短縮して電界放出素子の微細化や高集積化に貢献
できること等の利点をもたらす。
【0045】図1及び図2に示した電界放出素子の断面
図を、図3に示す。図3の(A)は図1のA−A線断面
図、即ち、重複領域を含む断面図であり、図3の(B)
は図1のB−B線断面図、即ち、重複領域を含まない断
面図である。この電界放出素子においては、支持体10
上に、第1ゲート電極層11、第1絶縁層12、電子放
出層13、第2絶縁層15、第2ゲート電極層16がこ
の順に積層された積層体が形成され、重複領域におい
て、第2ゲート電極層、第2絶縁層、電子放出層及び第
1絶縁層を貫通する開口部17が穿設されている。開口
部17の底面には第1ゲート電極層11が露出してい
る。又、開口部17の壁面、即ち、第2絶縁層15及び
第1絶縁層12により構成される壁面は、第2ゲート電
極層16の開口端面より後退しており、この壁面から突
出した島状部13aの端部が電子放出部とされている。
島状部13aの端部は先鋭化されており、電子放出効率
を高めることが可能である。一画素は、かかる開口部1
7が複数個集合して構成されている。
【0046】上述のように構成された電界放出素子にお
いては、電子放出層13の上下を絶縁層12,15を介
して挟む第2ゲート電極層16と第1ゲート電極層11
との間の不必要な重なりが排されているために、静電容
量の増大が抑えられる。従って、第2ゲート電極層16
の電位が安定化され、放出電子の軌道が一定に保たれる
と共に、電子放出層13の電位が第1ゲート電極層11
に印加される信号電圧の影響を受け難くなる。かかる電
界放出素子をアノードパネルと組み合わせて構成された
表示装置においては、良好な画像を常に安定して得るこ
とが可能となる。
【0047】次に、上述した電界放出素子の製造方法に
ついて、図4乃至図11を参照しながら説明する。な
お、これらの図面では、重複領域を含む断面のみを代表
して示す。
【0048】[工程−100]先ず、図4に示すよう
に、一例としてガラス基板から成る支持体10の上に、
スパッタリングにより厚さ約0.2μmのタングステン
膜を成膜し、通常の手順に従ってフォトリソグラフィ及
びドライエッチングによりこのタングステン膜をパター
ニングし、第1ゲート電極層11を形成する。この第1
ゲート電極層11は、Y方向に延在し、屈曲パターンを
有する。
【0049】[工程−110]次に、図5に示すよう
に、全面に第1絶縁層12を形成する。ここでは一例と
して、SiO2膜を約0.3μmの厚さに形成する。更
に、この第1絶縁層12の上にタングステンから成る導
電膜を0.2μmの厚さに形成した後、所定の形状にパ
ターニングし、X方向に延在する電子放出層13を形成
する。この所定の形状とは、図1に示した島状部13a
と枠部13bである。
【0050】[工程−120]次に、図6に示すよう
に、島状部13aと枠部13bとを接続する抵抗体層1
4を形成する。この抵抗体層14は、例えばプラズマC
VD法により全面に形成されたアモルファスシリコン膜
を、通常の手順に従ってフォトリソグラフィ及びドライ
エッチングによりパターニングして形成される。ドライ
エッチングには、プラズマ中にフッ素系エッチング種を
生成し得るフッ素系ガスを用いる。電子放出層13を構
成するタングステン及び第1絶縁層を構成するSiO2
は、いずれもフッ素系エッチング種により高速にエッチ
ングされる材料の代表例であるが、フッ素系エッチング
種によるエッチング速度はアモルファスシリコンよりも
遥かに遅い。このため、絶縁層を介在させることなく、
下地の電子放出層13や第1絶縁層12の上で、直接、
抵抗体層14をパターニングすることができる。
【0051】[工程−130]次に、図7に示すよう
に、全面に例えばSiO2から成る第2絶縁層15を例
えば約0.75μmの厚さに形成する。更に、この第2
絶縁層15の上に厚さ約0.2μmのタングステン膜を
形成し、所定のパターニングを行うことによって、第2
ゲート電極層16を得る。この第2ゲート電極層16
は、重複領域を含む断面を示す図7では、第1ゲート電
極層11と縦方向位置が揃った配置をとるが、外領域で
は既に図3の(B)に示したように、互いの重複を避け
た配置をとる。なお、第2ゲート電極層16の構成材料
や厚さについては、第1ゲート電極層11と同じであっ
てもよいし、異なっていてもよい。
【0052】[工程−140]次に、全面をレジスト材
料膜で被覆し、通常の手順によるフォトリソグラフィ及
び現像処理を経て、レジスト・パターン18を形成す
る。このレジスト・パターン18は、島状部13aのほ
ぼ中央部を露出させるレジスト開口部18aを有する。
レジスト開口部18aの平面形状は矩形であり、図8に
はその短辺方向の断面が示されている。矩形の長辺はお
およそ100μm、短辺は数μm〜10μmである。続
いて、レジスト開口部18aの底面に露出した第2ゲー
ト電極層16を例えばRIE(反応性イオン・エッチン
グ)法により異方的にエッチングし、開口部17aを形
成する(図8参照)。ここでは第2ゲート電極層16を
タングステンを用いて構成しているので、SF6ガスを
用いたエッチングにより垂直壁を有する開口部17aを
形成することができる。
【0053】[工程−150]次に、図9に示すよう
に、開口部17aの底面に露出した第2絶縁層15を等
方的にエッチングし、開口部17bを形成する。ここで
は第2絶縁層15をSiO2を用いて形成しているの
で、緩衝化フッ酸水溶液を用いたウェットエッチングを
行う。このとき、第2絶縁層15の壁面は、第2ゲート
電極層16の開口端面よりも後退するが、このときの後
退量はエッチング時間の長短により制御することができ
る。ここでは、第2絶縁層15の下端が第2ゲート電極
層16の開口端面よりも後退するまで、第2絶縁層15
のウェットエッチングを行う。
【0054】[工程−160]次に、図10に示すよう
に、開口部17bの底面に露出した島状部13aを、イ
オンを主エッチング種とする条件によりドライエッチン
グする。イオンを主エッチング種とするドライエッチン
グでは、被エッチング物へのバイアス電圧の印加やプラ
ズマと磁界との相互作用を利用して荷電粒子であるイオ
ンを加速することができるため、一般には異方性エッチ
ングが進行し、被エッチング物の加工面は垂直壁とな
る。しかし、この[工程−160]では、プラズマ中の
主エッチング種の中にも垂直以外の角度を有する入射成
分が若干存在すること、及び第2ゲート電極層16の開
口端部における散乱によってもこの斜め入射成分が生ず
ることにより、島状部13aの露出面の中で、本来であ
れば第2ゲート電極層16によって遮蔽されてイオンが
到達しないはずの領域にも、ある程度の確率で主エッチ
ング種が入射する。このとき、支持体10の法線に対す
る入射角の小さい主エッチング種ほど入射確率は高く、
入射角が大きい主エッチング種ほど入射確率は低い。
【0055】従って、島状部13aの開口部17cの上
端部の位置は第2絶縁層15の下端部とほぼ揃っている
ものの、島状部13aの開口部17cの下端部はその上
端部よりも突出した状態となる。つまり、島状部13a
の厚さが、突出方向の先端部に向けて薄くなり、端部が
先鋭化される。ここでは、エッチング・ガスとしてSF
6を用いると、島状部13aを上述のような形状に加工
し、開口部17cを形成することができる。
【0056】[工程−170]続いて、開口部17cの
底面に露出した第1絶縁層12を等方的にエッチング
し、開口部17を完成させる(図11参照)。ここで
は、前述の第2絶縁層15の場合と同様に、緩衝化フッ
酸水溶液を用いたウェットエッチングを行う。第1絶縁
層12の壁面は、島状部13aに形成された開口部17
cの下端部よりも後退する。このときの後退量はエッチ
ング時間の長短により制御可能である。このとき、先に
形成された第2絶縁層15の壁面は更に後退する。な
お、開口部17の完成後にレジスト・パターン18を除
去すると、図3の(A)に示した構成を得ることができ
る。
【0057】以上のようにして作製された電界放出素子
のカソードパネル側の構造部を、スペーサを介してアノ
ードパネルと接合し、両パネルの間の空間を高真空に排
気し、外部電源回路を接続すると、エッジ型表示装置が
完成される。アノードパネルには、所定のパターンに形
成された蛍光体層とアノード電極層が設けられている。
外部電源回路には第1ゲート電極用電源、第2ゲート電
極用電源、アノード用電源が含まれ、第1ゲート電極層
11及び第2ゲート電極層16に正電圧、アノードパネ
ルのアノード電極層(図示せず)にこれより大きな正電
圧が印加される。また、電子放出素子を動作させる場合
には、電子放出層13には負電圧が印加され、あるいは
又、電子放出層13は接地される。一方、電子放出素子
を動作させない場合には、電子放出層13には第2ゲー
ト電極層16に印加される電圧と略等しい電圧を印加す
る。
【0058】かかる電子放出素子の構成においては、開
口部17の壁面に露出した電子放出層13の端部に強い
電界が加わり、量子トンネル効果により端部から電子が
放出される。放出された電子の一部は、そのまま開口部
17からアノードパネル側の蛍光体層に向かい、他の一
部は第1ゲート電極層11の表面で反跳された後に蛍光
体層に向かう。更に、電子放出層13から放出された電
子の衝突により第1ゲート電極層11の表面から二次電
子放出が生ずることもあり、かかる二次電子も蛍光体層
に向かう。これらいずれの電子も、最終的には蛍光体層
を励起させこれを発光させることに寄与する。
【0059】なお、上述の実施の形態1において、第1
ゲート電極層11と第2ゲート電極層16のパターンは
互いに交換可能である。即ち、第1ゲート電極層を直線
パターン、第2ゲート電極層16を屈曲パターンとする
ことができる。
【0060】(実施の形態2)実施の形態2は、電子放
出層と第2ゲート電極層とが同じ方向に延在し、第1ゲ
ート電極層がこれらと直交する方向に延在した電界放出
素子に関する。図12は、実施の形態2にかかる電界放
出素子に含まれる4種類の導電層、即ち、第1ゲート電
極層、電子放出層、抵抗体層及び第2ゲート電極層のレ
イアウトの一部を示す平面図、図13は図12に示され
る重複領域の1つをその近傍領域と共に示す分解斜視
図、図14は図12のC−C線断面及びD−D線断面を
示す模式的断面図である。なお、図12と図13では図
示の都合上、支持体及び全ての絶縁層を省略している。
【0061】まず、図12及び図13を参照して、本発
明の第2の実施の形態にかかる電界放出素子における各
層のレイアウトを説明する。これらの図は、支持体10
(図14を参照)の法線方向から見たレイアウトを示し
ており、最下層が第1ゲート電極層21、中間が電子放
出層23、最上層が第2ゲート電極層26である。抵抗
体層14は、電子放出層23に接して形成されている。
第1ゲート電極層21は図中Y方向に延在し、電子放出
層23と第2ゲート電極層26は、第1ゲート電極層2
6の延在方向と直交するX方向に延在している。
【0062】電子放出層23は、島状部23aとこれを
周回する枠部23bとから構成されている。図12で
は、並列された矩形の島状部23aが3個一組にて枠部
23bで囲まれているが、勿論、枠部13bで囲まれた
島状部23aの形状や数はこれに限定されない。島状部
23aは実際に電子放出部を構成する部分であるから、
上下を第1ゲート電極層21と第2ゲート電極層26と
で挟まれている必要がある。これら島状部23aと第1
ゲート電極層21と第2ゲート電極層26の三者が平面
配置上で重なる部分が重複領域であり、図12では矢印
で示すX方向幅とY方向幅とが交差する矩形の領域が重
複領域となる。実施の形態2では、重複領域のY方向幅
は電子放出層23及び第2ゲート電極層の幅と等しい。
ただし前述したように、ここでは便宜上、隣接する島状
部23aの間、及び島状部23aと枠部23bとの間の
微細な隙間のように電子放出層23が存在しない領域も
含めて、重複領域と称する。重複領域では、各島状部2
3a毎に矩形の開口部17が1つずつ形成されている。
なお、重複領域以外の領域は、外領域である。
【0063】第2ゲート電極層26は、重複領域に位置
するゲート電極形成部26aと、このゲート電極形成部
26a同士をその両端部にて連結する連結部26bとか
ら構成され、全体として梯子に類似した帯状を成してい
る。ゲート電極形成部26aの平面配置は、重複領域内
で第1ゲート電極層21の平面配置とほぼ一致している
が、連結部26bの延在方向は第1ゲート電極層21と
直交しており、連結部26bは第1ゲート電極層21と
は重なっていない。即ち、実施の形態2にかかる電界放
出素子においては、外領域における第1ゲート電極層2
1と第2ゲート電極層26との重複を避けた平面配置が
採られている。
【0064】連結部26bは、第1ゲート電極層21と
は重ならないものの、電子放出層23のX方向に延在す
る枠部23bには重なっている。しかし、第2ゲート電
極層26において、隣接するゲート電極形成部26aと
その両端部の連結部26bとで囲まれる矩形の領域は、
第2ゲート電極層26の存在しない窓部であり、支持体
の法線方向から見たときの窓部の平面配置は、電子放出
層23のY方向に延在する枠部23b、及び抵抗体層1
4に重なっている。従って、外領域における第2ゲート
電極層26と電子放出層23との重なりは最小限に抑え
られ、静電容量の増大が抑制される。勿論、抵抗体層1
4と第2ゲート電極層26との間の静電容量も増大しな
い。
【0065】抵抗体層14は、外領域において島状部2
3aと枠部23bとを接続している。図12に示した例
では、第2ゲート電極層26のエッジと抵抗体層14の
エッジとの間に若干の平面配置上の隙間があるが、勿論
双方のエッジの位置が一致していてもよく、又、アライ
メントずれに起因する重なりは許容される。抵抗体層1
4は、第1の実施の形態と同様、島状部23aと枠部2
3bの上、並びに第1絶縁層12の上で直接にパターニ
ングされている。
【0066】図12及び図13に示した電界放出素子の
断面図を、図14に示す。図14の(A)は図12のC
−C線断面図、即ち、重複領域を含む断面図であり、図
14の(B)は図12のD−D線断面図、即ち、重複領
域を含まない断面図である。この電界放出素子において
は、支持体10上に、第1ゲート電極層21、第1絶縁
層12、電子放出層23、第2絶縁層15、第2ゲート
電極層26がこの順に積層された積層体が形成され、重
複領域において、第2ゲート電極層26、第2絶縁層1
5、電子放出層23及び第1絶縁層12を貫通する開口
部17が穿設されている。開口部17の底面には第1ゲ
ート電極層21が露出している。又、開口部17の壁
面、即ち、第2絶縁層15及び第1絶縁層12により構
成される壁面は、第2ゲート電極層26の開口端面より
後退しており、この壁面から突出した島状部23aの端
部が電子放出部とされている。島状部23aの端部は先
鋭化されており、電子放出効率を高めることが可能であ
る。一画素は、かかる開口部17が複数個集合して構成
されている。
【0067】上述のように構成された電界放出素子にお
いては、電子放出層23の上下をそれぞれ第2絶縁層1
5及び第1絶縁層12を介して挟む第2ゲート電極層2
6と第1ゲート電極層21との間の不必要な重なりが排
されているために、静電容量の増大が抑えられる。従っ
て、第2ゲート電極層26の電位が安定化され、放出電
子の軌道が一定に保たれると共に、電子放出層23の電
位が第1ゲート電極層21に印加される信号電圧の影響
を受け難くなる。かかる電界放出素子をアノードパネル
と組み合わせて構成された表示装置においては、良好な
画像を常に安定して得ることが可能となる。なお、第2
の実施の形態にかかる電界放出素子の製造は、第1ゲー
ト電極層21及び第2ゲート電極層26のパターンを変
更する以外は、第1の実施の形態にかかる電界放出素子
の製造と同様に行うことができるので、詳細な説明は省
略する。
【0068】なお、実施の形態2においては、第1ゲー
ト電極層21と第2ゲート電極層26のパターンを互い
に交換した構成も可能である。かかる構成を、図15に
示す。図15に示す電界放出素子では、第1ゲート電極
層31がゲート電極形成部31aと連結部31bとから
構成される梯子状パターンとされ、第2ゲート電極層3
6が直線パターンとされている。電子放出層23は、島
状部23aとこれを周回する枠部23bとから構成され
ている。第1ゲート電極層31及び電子放出層23は同
一方向に延在し、第2ゲート電極層36は、第1ゲート
電極層26及び電子放出層23の延在方向と直交する方
向に延在している。図15では、並列された矩形の島状
部23aが3個一組にて枠部23bで囲まれているが、
勿論、枠部23bで囲まれた島状部23aの形状や数は
これに限定されない。
【0069】(実施の形態3)実施の形態3は、第1ゲ
ート電極層と第2ゲート電極層とが同じ方向に延在し、
電子放出層がこれら両ゲート電極層と直交する方向に延
在するが、前述の実施の形態1とは異なり、第1ゲート
電極層を延在方向中途部にて屈曲させず、従って遷移領
域を持たない電界放出素子に関する。図16は、実施の
形態3にかかる電界放出素子に含まれる4種類の導電
層、即ち、第1ゲート電極層、電子放出層、抵抗体層及
び第2ゲート電極層のレイアウトの一部を示す平面図、
図17は図16に示される重複領域の1つをその近傍領
域と共に示す分解斜視図である。なお、図17では、図
示の都合上、支持体及び全ての絶縁層を省略している。
【0070】実施の形態3にかかる電界放出素子におい
て、最下層が第1ゲート電極層41、中間が電子放出層
13、最上層が第2ゲート電極層46である。第1ゲー
ト電極層41と第2ゲート電極層46は図中Y方向に延
在し、電子放出層13はこれらと直交するX方向に延在
している。第1ゲート電極層41と第2ゲート電極層4
6は、いずれも外領域における幅が重複領域における幅
の約半分とされ、しかも外領域においては互いに相補的
なパターンを有している。このため、第1ゲート電極層
41及び第2ゲート電極層46のいずれをも屈曲させる
ことなく、重複領域において両者を完全に重複させるこ
とができる。図16に示した例では、外領域における第
1ゲート電極層41のエッジと第2ゲート電極層46の
エッジとの間に若干の平面配置上の隙間があるが、勿論
双方のエッジの位置が一致していてもよく、又、アライ
メントずれに起因する重なりは許容される。かかる構成
によれば、隣接する重複領域の間隔を狭めることがで
き、電界放出素子の高集積化が可能となる。
【0071】以上、発明の実施の形態に基づき本発明を
説明したが、本発明はこれらの実施の形態に何ら限定さ
れるものではない。例えば、上述の各実施の形態では、
抵抗体層による電子放出層の島状部と枠部との接続を第
1絶縁層の表面を経て行ったが、電子放出層の上に新た
な絶縁層を設け、島状部と枠部の上で絶縁層に孔部を開
口し、この孔部を埋め込むように絶縁層上に抵抗体層を
設けて行ってもよい。
【0072】図18は、かかるケースを第1の実施の形
態の変形例として説明する模式的断面図であり、図18
の(A)は重複領域を含む断面、図18の(B)は重複
領域を含まない断面をそれぞれ表す。電子放出層13の
上には、第3絶縁層19が設けられている。島状部13
aと枠部13bの上方の第3絶縁層19には孔部が開口
され、この孔部が抵抗体層24による接続部位となる。
なお、第3絶縁層19の構成材料は、第1絶縁層12や
第2絶縁層15と同じ構成材料、例えばSiO 2であっ
てもよいが、図18は、耐湿性等の特性を考慮して、例
えばSiNを用いた場合を示している。ただし、このS
iNのようにSiO2とはエッチング特性の異なる材料
を使用する場合には、図示されるように、開口部17の
形成予定領域を避けたパターニングを行い、開口部17
の壁面の後退や島状部13aの端部の先鋭化を所望通り
に行えるようにする必要がある。外領域においては、図
18の(B)に示すように、第3絶縁層19を特にパタ
ーニングする必要はない。
【0073】又、上述の各実施の形態はいずれも抵抗体
層を備えていたが、抵抗体層を持たない電界放出素子に
本発明を適用することも、勿論可能である。図19は、
上述の実施の形態1における電子放出層13(図2を参
照)に替えて、島状部も枠部も持たない一続きの層とし
て形成された電子放出層33を有する電界放出素子につ
いて、第1ゲート電極層11、電子放出層33、及び第
2ゲート電極層16の位置関係を立体的に表した分解斜
視図である。なお、図19において、第1ゲート電極層
11及び第2ゲート電極層16の代わりに、図13に既
に示した直線状パターンの第1ゲート電極層21と梯子
状パターンの第2ゲート電極層26をそれぞれ用いても
よく、あるいは図15に既に示した梯子状パターンの第
1ゲート電極層31と直線状パターンの第2ゲート電極
層36をそれぞれ用いてもよく、更にあるいは図16に
既に示したように、重複領域においてのみ幅広に形成さ
れた第1ゲート電極層41と第2ゲート電極層46をそ
れぞれ用いてもよい。
【0074】その他、電界放出素子の構造の細部、製造
方法における加工条件や使用した材料等の詳細事項に関
しては、適宜変更、選択、組合せが可能である。
【0075】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の電界放出素子においては、素子本来の機能上、第1
ゲート電極層と電子放出層と第2ゲート電極層の三者が
重なる必要がある重複領域は別として、それ以外の領域
では、第1ゲート電極層と第2ゲート電極層とが互いの
重複をできる限り避けた平面配置をとるため、電界放出
素子内部の静電容量の増大が抑えられる。その結果、信
号電圧に忠実且つ安定した電子放出特性が得られ、この
電界放出素子を組み込んだ表示装置においては、画像表
示の安定性と画質が改善される。更に、本発明の電界放
出素子の個々の電子放出部を島状部と枠部とから構成
し、かかる島状部と枠部とに抵抗体層を接続する場合に
は、島状部の特性のばらつきが顕在化され難くなり、電
子放出特性を均一化することができる。しかも、この抵
抗体層を平面配置上、重複領域外に置くことで、抵抗体
層に起因する静電容量の増加も防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態1の電界放出素子における第
1ゲート電極層、電子放出層、抵抗体層及び第2ゲート
電極層のレイアウトの一部を示す平面図である。
【図2】図1に示した電界放出素子における第1ゲート
電極層、電子放出層、抵抗体層及び第2ゲート電極層の
位置関係を立体的に示す分解斜視図である。
【図3】図1及び図2に示した電界放出素子の一部を示
す模式的断面図であり、(A)は重複領域を含む断面
(A−A線断面)、(B)は重複領域を含まない断面
(B−B線断面)をそれぞれ表す。
【図4】本発明の電界放出素子の製造プロセス例におい
て、支持体上で第1ゲート電極層をパターニングした状
態を示す模式的断面図である。
【図5】図4の基体を第1絶縁層で被覆し、更に第1絶
縁層の上で電子放出層をパターニングした状態を示す模
式的断面図である。
【図6】図5の電子放出層の枠部と島状部とを接続する
抵抗体層をパターニングした状態を示す模式的断面図で
ある。
【図7】図6の基体を第2絶縁層で被覆し、更に第2絶
縁層の上で第2ゲート電極層をパターニングした状態を
示す模式的断面図である。
【図8】図7の基体上に形成されたレジスト・パターン
をマスクとして第2ゲート電極層を重複領域内でエッチ
ングし、開口部を形成した状態を示す模式的断面図であ
る。
【図9】図8の開口部の底面に露出した第2絶縁層を等
方的にエッチングして開口部をより深く形成した状態を
示す模式的断面図である。
【図10】図9の開口部の底面に露出した島状部をエッ
チングして開口部を更に深く形成した状態を示す模式的
断面図である。
【図11】図10の開口部の底面に露出した第1絶縁層
をエッチングして開口部を完成させた状態を示す模式的
断面図である。
【図12】発明の実施の形態2の電界放出素子における
第1ゲート電極層、電子放出層、抵抗体層及び第2ゲー
ト電極層のレイアウトの一部を示す平面図である。
【図13】図12に示した電界放出素子における第1ゲ
ート電極層、電子放出層、抵抗体層及び第2ゲート電極
層の位置関係を立体的に示す分解斜視図である。
【図14】図12及び図13に示した電界放出素子の一
部を示す模式的断面図であり、(A)は重複領域を含む
断面(C−C線断面)、(B)は重複領域を含まない断
面(D−D線断面)をそれぞれ表す。
【図15】図13に示した発明の実施の形態2の電界放
出素子の変形例における第1ゲート電極層、電子放出
層、抵抗体層及び第2ゲート電極層の位置関係を立体的
に示す分解斜視図である。
【図16】発明の実施の形態3の電界放出素子における
第1ゲート電極層、電子放出層、抵抗体層及び第2ゲー
ト電極層のレイアウトの一部を示す平面図である。
【図17】図16に示した電界放出素子における第1ゲ
ート電極層、電子放出層、抵抗体層及び第2ゲート電極
層の位置関係を立体的に示す分解斜視図である。
【図18】抵抗体層を電子放出層の上で直接パターニン
グする代わりに、第3絶縁層を介して形成した本発明の
電界放出素子の更に他の構成例の一部を示す模式的断面
図であり、(A)は重複領域を含む断面、(B)は重複
領域を含まない断面をそれぞれ表す。
【図19】電子放出層を島状部と枠部とに分けない一続
きの層として形成し、抵抗体層を省略した本発明の電界
放出素子の更に他の構成例において、第1ゲート電極
層、電子放出層、及び第2ゲート電極層の位置関係を立
体的に示す分解斜視図である。
【図20】従来のエッジ型の電界放出素子の一構成例を
示す模式的断面図である。
【符号の説明】
10・・・支持体、11,21,31,41・・・第1
ゲート電極層、12・・・第1絶縁層、13,23,3
3・・・電子放出層、13a,23a・・・島状部、1
3b,23b・・・枠部、14,24・・・抵抗体層、
15・・・第2絶縁層、16,26,36,46・・・
第2ゲート電極層、17・・・開口部(完成状態)、1
7a,17b,17c・・・開口部(途中状態)、19
・・・第3絶縁層、26a,31a・・・ゲート電極形
成部、26b,31b・・・連結部

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に、帯状の第1ゲート電極層と、
    第1絶縁層と、帯状の電子放出層と、第2絶縁層と、帯
    状の第2ゲート電極層とがこの順に積層されて成る積層
    体を有し、 第1ゲート電極層と電子放出層と第2ゲート電極層との
    重複領域には、第2ゲート電極層、第2絶縁層、電子放
    出層及び第1絶縁層を貫通する開口部が設けられ、 開口部の壁面に露出した電子放出層の端部を電子放出部
    とする冷陰極電界電子放出素子であって、 第1ゲート電極層と第2ゲート電極層とが、支持体の法
    線方向から見たときに、重複領域以外の領域において互
    いに重複を避けた平面配置をとることを特徴とする冷陰
    極電界電子放出素子。
  2. 【請求項2】第1ゲート電極層と第2ゲート電極層は共
    に第1方向、電子放出層は第1方向と異なる第2方向に
    それぞれ延在することを特徴とする請求項1に記載の冷
    陰極電界電子放出素子。
  3. 【請求項3】第1ゲート電極層と第2ゲート電極層の少
    なくとも一方が、延在方向中途部で屈曲して重複領域を
    通過していることを特徴とする請求項2に記載の冷陰極
    電界電子放出素子。
  4. 【請求項4】第1ゲート電極層は第1方向、電子放出層
    は第1方向とは異なる第2方向、第2ゲート電極層は第
    2方向にそれぞれ延在することを特徴とする請求項1に
    記載の冷陰極電界電子放出素子。
  5. 【請求項5】第2ゲート電極層は、重複領域に位置する
    ゲート電極形成部と、ゲート電極形成部よりも狭い幅に
    てゲート電極形成部同士を連結する連結部とから成り、
    全体として帯状を成すことを特徴とする請求項4に記載
    の冷陰極電界電子放出素子。
  6. 【請求項6】第1ゲート電極層は第1方向、電子放出層
    は第1方向、第2ゲート電極層は第1方向と異なる第2
    方向にそれぞれ延在することを特徴とする請求項1記載
    の冷陰極電界電子放出素子。
  7. 【請求項7】第1ゲート電極層は、重複領域に位置する
    ゲート電極形成部と、このゲート電極形成部よりも狭い
    幅にてゲート電極形成部同士を連結する連結部とから成
    り、全体として帯状を成すことを特徴とする請求項6記
    載の冷陰極電界電子放出素子。
  8. 【請求項8】電子放出層は、重複領域に位置する少なく
    とも1つの島状部と、島状部を周回する枠部とから成
    り、島状部を貫通して開口部を形成することにより、島
    状部の端部を電子放出部として露出させ、島状部と枠部
    とは抵抗体層により接続されていることを特徴とする請
    求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の冷陰極電界
    電子放出素子。
  9. 【請求項9】抵抗体層は、支持体の法線方向から見たと
    きに、重複領域外に位置することを特徴とする請求項8
    に記載の冷陰極電界電子放出素子。
  10. 【請求項10】抵抗体層は、島状部及び枠部の上、並び
    に第1絶縁層上に形成されていることを特徴とする請求
    項9に記載の冷陰極電界電子放出素子。
  11. 【請求項11】抵抗体層は、特定のエッチング種に対す
    るエッチング速度が電子放出層及び第1絶縁層よりも大
    きい材料から成ることを特徴とする請求項10に記載の
    冷陰極電界電子放出素子。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6992916B2 (en) * 2003-06-13 2006-01-31 Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd. SRAM cell design with high resistor CMOS gate structure for soft error rate improvement
US7486541B2 (en) 2003-06-13 2009-02-03 Taiwan Semiconductor Manufacturing Company, Ltd. Resistive cell structure for reducing soft error rate

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