JP4477355B2 - 吸入のために流体を噴霧するためのデバイスおよび方法 - Google Patents

Description

（関連出願の引用）
本願は、２００２年１月７日に出願された米国仮出願番号６０／３４６，７８９の一部継続出願であり、その利益の優先権を主張し、そして、本願は、２００２年８月１３日に出願された米国仮特許出願番号６０／４０３，４５４（その完全な開示は、本明細書で参考として援用される）の一部継続出願であり、その利益の優先権を主張する。

（発明の背景）
本発明は、流体を噴霧するためのデバイスおよび方法の分野に関する。特に、本発明は、使用者が、複数用量バイアルから投薬の用量を選択し得、そして吸入のために選択された用量を噴霧し得る方法およびデバイスに関する。

（発明の簡単な要旨）
本発明は、噴霧デバイスを提供し、好ましくは、この噴霧デバイスは、噴霧された流体の吸入のための手持ち用噴霧デバイスである。このデバイスは、噴霧要素および使用者が噴霧された流体を吸入するマウスピースを有する。この噴霧要素は、エアロゾル化要素と交換可能に称され得、流体が霧として排出される穴を有する振動要素であり得るが、他の適切な噴霧要素が、本発明から逸脱することなく使用され得る。

流体は、多数の用量の流体を保持する容器に保持される。この容器は、流体をリザーバーまで送達する。プランジャーが容器に対して作用し、流体の容器からリザーバーへの流れを引き起こす。スクリュー機構は、プランジャーの移動の距離を制御する。用量決定機構は、使用者が、吸入によって投与される特定の用量を選択することを可能にし、そしてこの用量決定機構は、スクリュー機構と協働して、使用者によって選択される用量に対応するプランジャーの移動距離を設定する。用量決定機構は、平面内で回転し得る。作動機構は、使用者によって操作され、用量決定機構により設定された移動距離に従って、プランジャーの実際の移動を実行する。この様式において、エアロゾル化のために選択された流体の量が、エアロゾル化のためにリザーバーに移動される前に、使用者は、その選択された量を検証し得る。使用者が、投薬量が、変更される必要があることを認識する場合、使用者は、流体が容器から実際に放出される前に、用量決定機構のさらなる操作によって投薬量を変更し得る。この様式において、用量の不注意の選択は、流体の量の損失を生じない。なぜなら、使用者は、流体が容器からリザーバーに移動される前に、選択を検証する機会を有し、必要であれば、選択を再調整する機会を有するからである。

アクチュエータは、代表的に、用量決定機構の回転平面に対して垂直な方向で移動する。この様式において、用量決定は、使用者の単純な回転作動によって容易かつ正確に実行前になされ、その後、用量決定された量をエアロゾル化のためにリザーバーへと送達し得る。この作動は、別個の様式で、使用者がデバイスのマウスピースを介して吸入のためのデバイスを方向付ける前に、またはその間に、単純になされ得る。さらに、作動機構は、使用者によって選択された特定の移動距離に関わらず、作動機構の単一で所定の移動により、プランジャーが使用者が選択する全体の距離を移動するように構成される。従って、エアロゾル化のための容器からリザーバーへの流体の送達は、使用者の作動機構の操作による単一の動作によって実行され得、従って、容器からリザーバーへの特定量の流体の送達の際に必要とされ得る操作の妨害を減少し得る。このことは、噴霧器の操作の容易性の一因となり、従って、使用者が噴霧器を使用して投与し得る注意のレベルを改善する。幾つかの場合において、患者は、特定の薬物レジメンに応じ得ない。なぜなら、禁止命令または扱いにくい吸入デバイスの場合であり得るように、それは、不都合であるか、または当惑されるものであると理解されているからである。従って、本発明は、このような潜在的な不従順な因子を最小限にする。なぜなら、使用者は、他人の視線の外で用量を目盛り設定し得、使用者は、単純にボタンを押すだけでアクチュエータを操作し得、そして使用者は、噴霧器を口へ持ってくるのに片手のみを必要とするからである。

本発明の実施形態は、図面を参照して以下により詳細に記載される。

（発明の詳細な説明）
図１を参照して、本発明に従った噴霧吸入器が、概略図で示される。デバイス１０は、滴定機構２０、バイアル機構２２、リザーバー９０およびエアロゾル発生器１００を備える。滴定機構は、用量決定機構３０といわれ得る滴定制御機構、スクリュー機構５０、プランジャー６０およびアクチュエータ４０を備える。プランジャーは、以下により詳細に説明されるように、矢印６２の方向（これは、「順」動作であり、「逆」動作は、その逆である）で、順逆両方向に移動するように構成される。従って、図１に示されるように、矢印６２は、プランジャー６０の移動の軸を規定する。アクチュエータは、以下により詳細に説明されるように、矢印４２の方向（これは、「順」動作であり、「逆」動作は、その逆である）で、順逆両方向に移動するように構成される。従って、図１に示されるように、矢印４２は、アクチュエータ４０の移動の長手方向軸を規定する。アクチュエータ４０の移動の軸はまた、図２における破線Ａとして表される。

バイアル機構２２は、容器（例えば、中心長手方向軸２４を規定するバイアル２３）およびバイアル２３において可動的に捕捉される可動シール７０を備える。可動シール７０は、矢印６２の方向で可動シール７０に対するプランジャー６０の作用により、バイアル２３の中心軸２４に沿って移動可能である。液体８０は、バイアル機構２２に提供される。液体８０は、可動シールが移動するにつれて、矢印６２の方向で、可動シール７０の液体８０に対する作用によってリザーバー９０内へと移動し、これは、可動シール７０に対する矢印６２の方向でのプランジャーの作用によるものである。一旦、液体が、リザーバー９０に入ると、液体８０は、使用者によって吸入のために噴霧され得る。

バイアルからの液体の排出の際に、バイアルは、取り外され得、そして必要であるならば、液体を含む新たなバイアルと置き換えられ得、従って、噴霧器を作動の準備が整った状態にすることができる。バイアル２３は、透明材料（例えば、ガラス）であり得、従って、その中の流体８０のレベルが、容易に確認され得る。バイアル２３中の流体のレベルは、デバイス１０における窓２５を通して確認し得る（図２を参照のこと）。

リザーバー内の液体は、エアロゾル化要素１００（図１）によって噴霧され得る。このエアロゾル化要素は、このリザーバー内に面する第一の面１０２、およびマウスピースの方に向く第二の面１０４を備え得る。このエアロゾル化要素は、第一の面１０２から第二の面１０４へと通って延びる、複数の開口部１０６を有し得る（図５Ａおよび５Ｂを参照のこと）。エアロゾル化要素のリザーバー側の液体は、エアロゾル化された霧１１０として、これらの開口部を通して、他方の側から引き出され得、そして排出され得る。例えば、液体は、この要素の振動運動によって、この装置を通して引き出され得る。この要素の開口部は、テーパ状であり得る。このテーパは、リザーバーの方へのより広い部分１０７、およびリザーバーから離れてマウスピースの方へのより狭い部分１０８を有し得る（図５Ｂ）。このエアロゾル化要素は、非平面であり得、そして凹状であり得る。この凹状の面は、リザーバー９０の方に配置され得る。エアロゾル霧を排出する側１００は、凸状であり得る。流体を、リザーバーからエアロゾル化要素を通して移動させ、そしてこの流体をこの要素から霧として排出する、他の構成が、本発明から逸脱することなく使用され得る。

新たなバイアルアセンブリが必要とされる場合、デバイス１０は、ラッチアセンブリ２７の作動によって作動され得、これによって、使用済みバイアルアセンブリまたはバイアルの取り外しおよびその交換を可能にする。リザーバー９０はまた、ラッチアセンブリ２７の作動によってデバイス１０を開くことによって、取り外しおよび交換され得る。バイアルアセンブリ２２は、バイアルおよびリザーバーの一方または両方の破壊なしには、一方の構成要素を他方の構成要素から取り外し得ないような様式で、リザーバー９０にリンクされ得る。このバイアルアセンブリは、１つ以上のタブを有するカラーを有し得、そしてこのリザーバーは、これらのタブとインターロックし得る１つ以上の移動止めを有し得る。この様式で、これらのタブおよび移動止めは、バイアルアセンブリおよびリザーバーを一緒に保持し得、そしてこれらが互いから離れることを防止し得る。バイアルアセンブリおよびリザーバーがこのような様式で組み立てられた状態で、噴霧器との使用以外での目的（例えば、注射）での、バイアルの不注意な使用が回避され得る。なぜなら、液体内の薬物の濃度が、注射のための液体中の同じ薬物の濃度より、吸入用でははるかに大きくあり得るからである。この様式で、バイアルアセンブリとリザーバーとの両方が、タンデムアセンブリとして、取り外され、そして交換される必要があり得る。本発明は、本明細書中に記載される噴霧器において、バイアルアセンブリとリザーバーとの一方または両方を用いずに、実施される。なぜなら、これらのサブアセンブリ構成要素は、取り外され、そして互いに再組み立てされ、そして噴霧器に戻されやすいからである。取り外し可能なバイアルアセンブリおよび取り外し可能なリザーバーは、同一人に譲渡された同時係属中の出願番号１０／０４３，０７５（これは、その全体が本明細書中に参考として援用される）に記載されている。本発明はまた、バイアルアセンブリおよびリザーバーを備える本明細書中に記載される噴霧器において、そしてバイアルアセンブリおよびリザーバーを提供する工程を包含する、液体を噴霧する方法において、実施される。本発明はまた、バイアルアセンブリを噴霧器に挿入する工程、およびリザーバーを噴霧器に挿入する工程を包含する、液体を噴霧するための方法において実施される。

バイアル機構２２は、滴定機構と整列するように、デバイス１０内に受容され得、その結果、バイアル２３内でのアクチュエータ４０の移動方向、プランジャー６０の移動方向、および可動シール７０の移動方向が全て、実質的に平行になる。バイアル機構２２は、滴定機構と実質的に同軸の様式で整列するように、デバイス１０内に受容され得、その結果、バイアル２３内での、アクチュエータ４０、プランジャー６０、および可動シール７０の移動が全て、実質的に同軸になる。従って、バイアル機構２２がデバイス１０内に配置される場合、バイアル２３の中心軸２４、ならびに従って、可動シール７０（これは、バイアル２３内に捕捉される）の移動軸、プランジャー６０の移動軸、およびアクチュエータ４０の移動軸は、実質的に平行であり得、そして同軸であり得る（図１、２および４を参照のこと）。用量決定機構３０は、回転軸を規定し、そしてこの軸は、バイアル機構が噴霧器内に配置される場合に、好ましくは、バイアル２３の長手方向軸と同軸であり得る。従って、用量決定機構の回転軸、バイアルの長手方向軸およびプランジャーの移動軸は、全て同軸である。本発明の目的は、全体的に長手軸方向の寸法（バイアルの長手軸方向に対して実質的に平行）であり、使用者の手に本質的にフィットし、そして使用者のコンプライアンスを増加させるように本質的に目立たずに、選択された投与レジメンで使用される、噴霧器である（図２）。同様に、本発明の目的は、衣服のポケットまたは小さい鞄に容易にフィットし得る噴霧器である。バイアル中の十分な量の流体（例えば、１週間分のインスリンの供給）に適合し、同時にこれらの大きさの寸法の問題を維持し、そしてリザーバー、マウスピースおよびこの噴霧器の他の構成要素を収容するために、本発明は、１つの実施形態において、注射デバイスにおいて代表的に使用されるバイアルに関して従来的でない寸法のバイアルを有する噴霧器に属する。従って、１つの実施形態において、本発明の噴霧器は、例えば、約１：３．５〜約１：４．５の範囲、または約１：３．７〜約１：４．２の間の、可動シールが移動し得る部分での内径Ｄ対バイアルの全長Ｌ_１の比（図７Ａ）を有するバイアルを備える、バイアルアセンブリを有する。同様に、この比は、約１：３．８〜約１：４．０の間であり得る。この比は、約１：３．９であり得る。例えば、このバイアルは、約１２ｍｍの直径および約４７ｍｍの長さを有し得る。同様に、このバイアルは、約１２．０ｍｍの直径および約４６．８ｍｍの長さを有し得る。あるいは、バイアルの長さの測定値は、バイアルの有効体積の長さＬ_２として取られ得（図７Ａ）、この有効体積は、（狭くなる頸部とは対照的に）可動シールが占有し得るバイアルの部分のみを含み、従って、有効体積のバイアルの直径対長さの比は、約１：３．０と約１：３．８との間、または約１：３．２〜約１：３．６の間、または１：３．３〜約１：３．５の間、または約１：３．４であり得る。例えば、この長さは、約３８ｍｍであり得るか、またはこの長さは、約３７．７ｍｍであり得る。

作動の際に、使用者は、用量決定機構３０を作動させて、使用者が吸入用に噴霧することを望む特定の用量を選択する。この用量決定機構は、スクリュー機構５０に作用する。スクリュー機構５０は、プランジャー６０にリンクされる。アクチュエータ４０は、スクリュー機構５０にリンクされ、その結果、矢印４２の方向でのアクチュエータ４０の線形移動が、プランジャー６０の矢印６２の方向での線形移動を引き起こす。

しかし、用量機構３０の作動による、可動シールに対するプランジャー６０の実際の移動は存在しない；むしろ、用量制御３０の作動は、アクチュエータ４０の引き続く行程においてプランジャーが移動することができる距離を設定するのみである。従って、使用者が正しくない用量を注意深く選択する場合、この使用者は、先に誤って選択された用量を浪費することなく、所望の量の薬物に、用量決定機構３０を再調節し得る。この様式で、使用者は、噴霧されるべき用量を選択し得、そしてこの用量が必要であるか否かを評価した後に、噴霧の開始前に、この用量を補正し得る。一旦、使用者が、用量決定機構３０の作動によって、正しい用量を決定および選択すると、この使用者は、アクチュエータ４０を、矢印４２の方向に押す。このアクチュエータ４０を押す作用は、スクリュー機構５０に作用し、このスクリュー機構が次いで、プランジャー６０を、矢印６２の方向に移動させる。プランジャー６０が、矢印６２の方向に移動する距離は、使用者の用量決定機構３０の操作に基づいて選択された用量に従って、スクリュー機構５０によって制御される。この様式で、使用者が吸入を開始する準備ができると、用量を直接選択した後に、この使用者は、このデバイスを使用者の口元に持って行き得、そしてこの時点で、アクチュエータ４０を、１回のボタン押し動作で押し、噴霧のために、医薬をリザーバーに送達する。あるいは、使用者は、用量を選択し、そしてアクチュエータを作動させてこの用量をリザーバーに送達し、その後、噴霧器を使用者の口元まで持ち上げ得る。慎重な用量決定および送達は、本発明の重要な特徴である。なぜなら、これは、処方されたレジメンで使用者のコンプライアンスを増加させるからである。特定の薬物（例えば、インスリン）は、おそらく金属と組み合わせて、１日の間の何時かに投与を必要とする；従って、使用者は、公衆の状況で用量決定を取ることを強制され得る。いくつかの場合において、使用者は、薬物レジメンを完了しない。なぜなら、このレジメンは、不都合または気まずいと理解されるからである。従って、本発明は、このような潜在的な非コンプライアンスな要因を最小にする。使用者は、他人の視線外で用量のダイヤルを合わせ得、そして使用者は、１回のボタン押しでアクチュエータを操作し得、そして使用者は、噴霧器を口元に持って行くために、片手のみを必要とする。

従って、アクチュエータ４０は、一定距離Ｘ（図１および２を参照のこと）を移動するように構成され、そしてスクリュー機構５０は、用量決定機構３０の作動によって選択された用量に基づいて、プランジャー６０が可変距離Ｙ（図１を参照のこと）を移動することを可能にする。用量決定機構３０の作動によって選択される用量に従う、プランジャー６０に対する特定の移動距離は、バイアル２３の内径に基づいて決定され得る。

用量決定機構の選択された設定に基づいて、プランジャーが移動し得る直線距離を選択的に制御し、このような移動が、使用者がアクチュエータを一定距離移動させることによってなされる、スクリュー機構５０のようなスクリュー機構は、例えば、選択された量のインスリンを選択的に注射するために、糖尿病患者によって使用される注射ペンにおいて公知である。このような注射ペンは、例えば、Ｄｉｓｅｔｒｏｎｉｃ Ｍｅｄｉｃａｌ Ｓｙｓｔｅｍｓ，ＡＧ，Ｂｕｒｇｄｏｒｆ，Ｓｗｉｔｅｒｌａｎｄから広範に入手可能である。このようなペンは、当該分野において、例えば、米国特許第４，８８３，４７２号；同第５，７３０，６２９号；同第６，０９０，０８０号；同第６，１０６，５０１号；同第６，２８０，４２１号および同第５，９５４，６９９号（これらの全内容は、本明細書中に参考として援用される）に記載されている。

使用者により、まず用量決定機構３０を作動させ、次いでアクチュエータ４０を作動させることによって選択された用量に従って、プランジャーが可変の距離Ｙを移動する場合、このプランジャーは、可動シール７０に作用する。可動シール７０は、バイアル２３内で移動して、ある量の液体８０を、バイアル２３からリザーバー９０内へと押しのける。リザーバー９０は、エアロゾル発生器１００と流体連絡しており、その結果、エアロゾル発生器１００の作動の際にバイアル２３からリザーバー９０内へと押しのけられる液体は、霧１１０を形成する微細な液滴として、このデバイスから排出される。

図２を参照すると、デバイス１０は、ハウジング１２を備える。用量決定機構３０は、ハウジング１２に回転可能に取り付けられている。この用量決定機構は、矢印３５によって示されるように、ある面内で円形に回転する（図１および２）。用量決定機構３０の回転は、スクリューアセンブリの作動を引き起こす（図１を参照のこと）。指標３２は、使用者による用量決定機構３０の回転に基づいて、選択可能な用量を表示し、その結果、使用者は、用量機構３０を回転させることによって、表示された用量を選択し得る。一旦、使用者が、選択された用量を正しいと決定すると、この使用者は、アクチュエータ４０を、矢印４２の方向に押す。アクチュエータ４０内での、順逆両方向で（すなわち、前後へ）の移動方向は、用量決定機構３０の回転面に対して実質的に垂直であり得る（図１および２を参照のこと）。矢印４２の方向での、アクチュエータ４０の移動は、リザーバー内に選択された用量の医薬を移動させ（図１を参照のこと）、その結果、エアロゾル発生器１００の作動は、流体を、デバイスから霧１１０として排出させる（図１を参照のこと）。

ここで図３を参照すると、本発明による工程のフローチャートが示される。工程２００は、用量機構の作動による、用量の選択である。工程２１０は、プランジャーの移動距離を設定するための、用量機構の選択に基づくスクリュー機構の作動である。工程２２０は、スクリュー機構によって設定された距離にしたがって、プランジャーを移動させるためのアクチュエータの作動である。工程２３０は、プランジャーを設定された距離で移動させる作用による、バイアルからリザーバーへの流体の押しのけである。工程２４０は、リザーバーと流体連絡するエアロゾル発生器の作動である。工程２５０は、流体のエアロゾル化である。

再度図２を参照すると、ウィンドウ２５は、透明窓ガラス２６で覆われ得る。窓２５、および従って透明窓ガラス２６は、バイアル２３（これは、実質的に円筒形である）のよりよい観察のための曲率を有し得る。指標３２は、表示された用量３４を備え、その結果、使用者は、アクチュエータ４０を押す前に、選択された用量を見得る。用量機構３０は、矢印３５によって示されるような、円形運動を有する。矢印３５によって示されるような、この用量機構の円形運動は、アクチュエータ４０の移動軸に対して実質的に垂直である。

図４を参照すると、リザーバー９０は、液体を受容し、この液体は、プランジャー６０の作動の際に、バイアル２３から押しのけられる。この液体は、バイアル２３からリザーバー９０へと、カニューレ９１を通って移動し得る。このリザーバーは、送達管９２および管腔９４のようなチャネルを有し得、この管腔は壁９５によって規定され得る。液体は、バイアル２３から、カニューレ９１を通り、次いで送達管９２を通って、管腔９４内へと流れ得る。このリザーバーは、上記のように、エアロゾル化要素１００と流体連絡している。エアロゾル化要素１００の第一の面１０２は、このリザーバーと連続的であり得、その結果、このリザーバー内の流体は、エアロゾル化要素の第一の面に接する。この様式で、使用者が１回の作動運動を実施することによって、広範な用量決定量の液体が、リザーバー内に配置され得る；例えば、リザーバー内に移動される用量は、３０マイクロリットルであり得るか、あるいは例えば、リザーバー内に移動される用量は、２５０マイクロリットルであり得る。エアロゾル化されるべき流体の全体を、同時にリザーバーに入れることによって、妨害されないエアロゾル化が円滑に実施され得、液体がエアロゾル化要素に１回のボーラス以外で（例えば、１滴ずつの送達によって）提供される場合、または他の様式のエアロゾル化（例えば、超音波噴霧またはジェット噴霧）が使用される（これらの両方は、液体にエネルギーを付与するか、または直接力を加える）場合に起こり得る不一致を伴わない。開口部を有するエアロゾル化要素の振動により、液体からエアロゾルを作製することによって、薬物の分解の可能性が低下しそしてはるかにより大きいエアロゾル粒子サイズ制御が達成され得、そして同様に、より良好な用量精度が達成され得る。エアロゾル化要素の第二の面は、この要素から出るエアロゾルが、噴霧器１０のマウスピース１２０を通して引き出され得るように配置される。流体は、この液体が、リザーバー内にある間にエアロゾル化要素１００の第一の面１０２ともまた接触し得るような様式で、リザーバー内に送達される。

エアロゾル化要素は、種々の材料（金属を含む）から構築され得、これは、例えば、米国特許第６，２３５，１７７号（本譲受人に譲渡され、そしてその全体が本明細書中に参考として援用される）に記載されるように、この要素が形成される際に開口部を作製するように、電鋳され得る。パラジウムは、電鋳された複数開口部のエアロゾル化要素を製造する際、および液体をエアロゾル化させるためのその作動において、特に有用であると考えられる。使用され得る他の金属は、例えば、８０％のパラジウムおよび２０％のニッケルを含む、パラジウム合金（例えば、ＰｄＮｉ）である。他の金属および材料が、本発明から逸脱することなく使用され得る。エアロゾル化要素は、ドーム形状のような曲率を有して構成され得、これは、球状、放物面または他の任意の曲率であり得る。エアロゾル化要素は、その大部分にわたって曲率を有し得、そしてこの曲率は、エアロゾル化要素の中心と同軸であり得、従って、エアロゾル化要素の一部を、実質的に平坦な円周リングとして残す。エアロゾル化要素は、開口部を有するエアロゾルアクチュエータ１１２に取り付けられ得、そしてこれは、エアロゾル化要素の湾曲部分すなわちドーム状の部分が、エアロゾルアクチュエータの開口部を通って延び、そしてエアロゾル化要素の実質的に平坦な円周リングは、エアロゾルアクチュエータの面に接する様式でなされ得る。エアロゾルアクチュエータ１１２の、エアロゾル要素の第一の面に最も近い面は、同様に、慣習により、エアロゾルアクチュエータの第一の面１１４と称され得る。エアロゾルアクチュエータ１１２の、エアロゾル化要素の第二の面に最も近い面は、同様に、慣習によって、エアロゾルアクチュエータの第二の面１１５と称され得る。エアロゾル化要素は、その実質的に円周のリング部分が、エアロゾルアクチュエータの第一の面１１４に取り付けられ、エアロゾル化要素のドームがエアロゾルアクチュエータの開口部を通ってエアロゾル化アクチュエータの第二の面の方へと延び、そしてエアロゾルアクチュエータ１１２の第二の面を超えて延び得ることによって、エアロゾルアクチュエータ１１２に固定され得る。

エアロゾル化要素は、液体を、エアロゾル化要素１００の開口部１０６を通して第一の面から第二の面へと引き出し、ここで、この液体が、噴霧された霧として開口部から排出されるような様式で、振動され得る。エアロゾル化要素は、振動要素１３０によって振動され得、この振動要素は、圧電素子であり得る。この振動要素は、振動要素の振動がエアロゾルアクチュエータを通してエアロゾル化要素へと機械的に移動され得るように、エアロゾルアクチュエータに取り付けられ得る。この振動要素は、環状であり得、そしてエアロゾルアクチュエータの開口部を、例えば同軸の配置で囲み得る。回路が、内部バッテリのような電源（これは、充電可能であり得る）から電力を提供し得る。スイッチは、振動要素および従ってエアロゾル化要素を振動させるように作動し得、そしてこの様式で実施されるエアロゾル化は、このスイッチのミリ秒以内の作動で達成され得る。さらに、この様式のエアロゾル化は、完全なエアロゾル化を提供し、実質的に均一な粒子サイズの霧が、スイッチの作動と同時に、効果的に生成される。このスイッチは、圧力変換器によって作動され得、この圧力変換器は、噴霧器のマウスピース内に配置され得る。この圧力変換器は、回路と電気連絡し得、そしてマイクロプロセッサがまた、この回路と電気連絡し得、そしてこのマイクロプロセッサは、圧力変換器からの電気信号を解釈し得、そしてまた、エアロゾル化を開始するように、スイッチを作動させ得る。この様式で、噴霧が、マウスピースでの使用者の吸入と実質的に同時に、開始し得る。このようなセンサスイッチの例は、同一人に譲渡された、同時係属中の米国特許出願番号０９／７０５，０６３（本譲受人に譲渡され、その全内容は、本明細書中に参考として援用される）に見出され得る。

別の変換器を使用して、例えば、エアロゾル化要素の振動特徴間の差（例えば、周波数または振幅の差、湿潤振動と実質的に乾燥した振動との間の差）を感知することによって、リザーバー内の液体の非存在または存在を感知し得る。この様式で、エアロゾル化される液体が本質的にそれ以上存在しない場合（すなわち、用量の最後が達成される場合）、回路は、例えば、マイクロプロセッサによって、振動をオフに切り替え得、従って、乾燥状態でのエアロゾル化要素の作動を最小にする。同様に、このスイッチは、引き続く用量がリザーバー内に送達される前の振動を防止し得る。このようなスイッチの例は、同一人に譲渡され、同時係属中の米国特許出願番号０９／８０５，４９８（その全内容は、本明細書中に参考として援用される）に示される。

マイクロプロセッサはまた、タイミング能力を有し得、その結果、一旦、エアロゾル化が開始すると、このマイクロプロセッサは、予め決定された時間にわたってプロセスし、その後、エアロゾル化が停止する。この様式で、呼吸およびエアロゾル化の特定のレジメンが実施され得る。例えば、使用者は、５秒間吸入するように指示され得、一方で、タイミングは、このような呼吸操作の最初の４秒間のみのエアロゾル化を設定される。このタイミングは、特定の薬物およびその薬物の特定の標的（例えば、肺深部であり、これは、全身薬物（例えばインスリン）のための投与標的であり得る）に基づいて、予め決定され得る。

回路はまた、使用者に、視覚的信号（例えば、光の照射、光の点滅、または複数の光の１つ以上の照射もしくは点滅）を操作し得る。さらに、複数の色の複数の光が、使用され得る。例えば、光は、デバイスに対する主電源がオンであることを使用者に伝えるために照射され得、その結果、一旦、呼吸が行われると、息スイッチがエアロゾル化要素を作動させる。別の光信号は、使用者に、選択された用量がリザーバー内に受容されたことを伝え得、従って、使用者がマウスピースを通して呼吸を行うための準備が噴霧器にできていることを、使用者に伝える。光信号はまた、エアロゾル化の予め決定された時間に基づいて、エアロゾル送達が停止したことを、使用者に伝え得、そして同様に、光信号は、吸入のための予め決定されたレジメン時間がいつ経過したかを伝え得、その時点で、使用者は、息の吸入を止め得る。同様に、光信号は、例えば、上記のように、用量の最後に達したことを使用者に伝え得、そしてエアロゾル化は、もはや起こらない。このような信号の光は、好都合には、他の信号の光とは異なる色であり得る。従って、使用者は、この情報から、使用者が、選択された用量の吸入を完了したこと、およびさらなる吸入が必要とされないことを、伝えられ得る。

スクリュー機構５０は、内部にねじ山の付いたナットを備え得、このナットは、回転的に移動し得るが長手軸方向には移動し得ない。このねじ山付きナットは、外側にねじ山の付いた棒と嵌合し得、この棒は、プランジャー６０の棒部６１であり得、これは、長手軸方向には移動し得るが、回転的には移動し得ない。従って、このナットの回転は、この棒を長手軸方向に移動させ得る。アクチュエータの回転は、このナットの回転を引き起こすようにリンクされ得、従って、この棒およびプランジャーを前進させる。アクチュエータの回転は、予め決定された長手軸方向距離（これは、長手軸方向距離でのバイアルに対するプランジャーの移動によって押しのけられる、液体の体積に対応する）に対応するように、較正され得る。しかし、プランジャーは、ストッパーから一定の距離で維持され得、その結果、アクチュエータの回転によるプランジャーの前進は、バイアルからの液体の押しのけを、即時には生じない。使用者が、例えば、機動が実施される場合にエアロゾル化のためにリザーバー内に押しのけられる容量を示す、視覚的表示を観察することによって、正しい用量決定量が選択されたことを決定した後に、アクチュエータは、一定距離Ｘで、長手軸方向に移動される。アクチュエータの移動は、ナットの長手軸方向での移動を引き起こし、これは次に、棒を、距離Ｘで長手軸方向に運ぶ。このプランジャーは、距離Ｙを移動し、これは、Ｘ＋Ｄに対応する。Ｄは、用量ごとに変動するので、プランジャーの長手軸方向の移動距離Ｙもまた、変動する。

このようなスキームの１つの例は、図６に示されている。示されるように、用量決定機構３０は、ハウジング内に延び、そして中心開口を有し、この開口の中に、プランジャー６０が収容される。用量機構は、アクチュエータ４０の周りで回転可能であり、そしてアクチュエータ４０が押される場合に、用量機構３０は、デバイスハウジング内に軸方向に移動する。用量決定機構３０には、ねじ山付きナット３１が結合されており、このナットは、プランジャー６０（これはまた、そのシャフトの周りに嵌合ねじ山を有する）に螺合して接続される。プランジャー６０はまた、細長移動止め（図示せず）を備え、この移動止めは、止め３２に形成された溝内で軸方向にスライド可能であり、この止め３２は、デバイスハウジングに固定されている。この様式で、プランジャー６０は、止め３２を通って軸方向に移動し得るが、回転的には移動し得ない。さらに、ばね３３が、ナット３１と止め３２との間に配置されて、アクチュエータをホーム位置に偏倚する。

作動の際に、使用者は、用量決定機構３０を回転させて、所望の用量を設定する。このようにする際にナット３１がまた回転する。しかし、プランジャー６０は、止め３２によって回転を妨げられているので、このプランジャーは、バイアルの方へと軸方向下方に移動し、これによって、プランジャー６０とバイアルとの間の距離を減少させる。所望の用量が設定されると、使用者は、アクチュエータ４０を下に押す。次に、用量決定機構３０およびナット３１もまた、軸方向下向きに移動する。このようにする際に、プランジャー６０は、同じ距離で下に移動する。従って、プランジャー６０は、バイアルと係合し、そして適切な用量を分配する。プランジャー６０の移動は、ナット３１が止め３２にあたる場合に停止される。次いで、アクチュエータ４０が解放されて、初期位置に戻り得る。

このようなスクリュー機構は、当業者に公知であり、そして例えば、米国特許第４，８８３，４７２号；同第５，３７０，６２９号；および同第５，９５４，６９９号（先に本明細書中に参考として援用された）に記載される。

使用者がバイアル（これは、例えば、１週間の供給量の薬物（例えば、インスリン）を含み得る）の内容物を分配する経過にわたって、プランジャーは、アクチュエータの近くのその初期位置から、バイアルの最前位置まで本質的に移動されたプランジャーに当接する最終位置まで、漸増的に移動され得る（図７Ａおよび７Ｂを参照のこと）。プランジャーは、新たなバイアルに作用するために、その初期位置に戻らなければならない。スクリュー機構５０は、解除装置を有し得、これは、プランジャーがその元の位置に移動して戻ることを可能にする。この解除装置は、バイアルの消耗の前に、プランジャーが不注意に戻ることを防止するための、ロックを有し得る。このような解除装置およびロックの例は、例えば、米国特許第５，９５４，６９９号（先に本明細書中に参考として援用された）に記載される。

用量決定機構の回転によって、プランジャーの直線移動距離を制御するための、種々の代替の構成が、本発明の範囲から逸脱することなく使用され得る。例えば、用量決定機構の回転は、プランジャーの長手軸方向の移動を引き起こさなくてもよく、その代わりに、用量決定機構のこのような回転は、ねじ山付き部材の長手軸方向での移動を引き起こして、プランジャーが起動の際に移動し得る長手軸方向距離を制御し得る。あるいは、用量決定機構の回転は、ねじ山付き部材を互いに協働させて、プランジャーまたはスクリュー機構の長手軸方向の移動距離を延長または短縮し得、これは、アクチュエータの行程とともに、長手軸方向の移動で、プランジャーを運び得る。

本発明は、代替の実施形態を用いて、そして種々のデバイスおよび方法を用いて実施され得ることが、理解されるべきである。従って、上記のものは、本発明の説明であること、および特定の変化または変更が、本発明の範囲から逸脱することなくなされ得ることが、理解されるべきである。

図１は、本発明に従った噴霧器実施形態の部分分解側面図の概略図である。 図２は、図１の噴霧器の斜視図である。 図３は、本発明に従った方法および工程を示すフローチャートである。 図４は、図２に示される本発明に従ったデバイスの切取断面図である。 図５Ａは、図１および図２の噴霧器の詳細な断面図である。 図５Ｂは、図１および図２の噴霧器の詳細な断面図である。 図６は、図１および図２の噴霧器の詳細な断面切取図である。 図７Ａおよび７Ｂは、図１および図２に示される噴霧器の詳細な断面切取図である。

Claims (8)

1. 噴霧器であって、以下：
   医薬流体を含む医薬バイアルアセンブリ（２２）；
   該医薬バイアルアセンブリと流体連絡して係合する、リザーバー（９０）；
   該リザーバーと流体連絡して取り付けられる、エアロゾル発生器（１００）；ならびに
   滴定機構（２０）であって、以下：該医薬バイアルアセンブリ（２２）に対して作動するよう配置された長手軸方向に移動可能なねじ山の付いた棒を含むプランジャー（６０）、該プランジャーの該ねじ山の付いた棒と機械的に係合するねじ山の付いたナット（３１）を含むスクリューアセンブリ（５０）、該スクリューアセンブリと機械的に係合する用量決定機構（３０）、および該プランジャーの線形移動を引き起こすように該スクリューアセンブリに対して作動するよう配置されたアクチュエータ（４０）を備え、該用量決定機構（３０）は、該噴霧器に回転可能に取り付けられており、そして該回転の程度が、該プランジャーの移動距離を設定する、滴定機構、
   を備える、噴霧器。
2. 前記医薬バイアルアセンブリ（２２）が、タブを有するカラーをさらに備え、そして前記リザーバー（９０）が、該タブとインターロックして該バイアルアセンブリと該リザーバー（９０）とを一緒に保持する、移動止めを備える、請求項１に記載の噴霧器。
3. 前記タブが、前記移動止めとインターロックして、連結が解かれることを防止し、そして前記バイアルアセンブリおよび前記リザーバー（９０）を一緒に保持する、請求項２に記載の噴霧器。
4. 前記医薬バイアルアセンブリ（２２）が、複数のタブを有するカラーをさらに備え、そして前記リザーバー（９０）が、該タブ内でインターロックして、該バイアルアセンブリと該リザーバー（９０）とを一緒に保持する、複数の移動止めを備える、請求項１に記載の噴霧器。
5. 前記リザーバーが、該リザーバーと流体連絡するカニューレ（９１）をさらに備え、そして該カニューレが、前記医薬バイアルアセンブリと流体連絡して係合する、請求項１に記載の噴霧器。
6. 前記医薬バイアルアセンブリが、前記プランジャーの前進によって移動され得る可動シール（７０）を備える、請求項１に記載の噴霧器。
7. 前記リザーバー（９０）が、前記医薬バイアルアセンブリと係合している、請求項１に記載の噴霧器。
8. 前記滴定機構が、視覚的指標（３２）を備え、該視覚的指標（３２）は、該用量決定機構の回転により設定された該プランジャーの該距離での移動によって押しのけられる流体の量を示す表示された用量（３４）を備える、請求項１に記載の噴霧器。

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