JP4473980B2 - 糖質複合体結晶とその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複合体結晶性糖質とその製造方法並びに用途に関し、詳細には、D−プシコース及びD−フラクトースを含有する新規な複合体結晶性糖質とその製造方法並びに用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
単糖は、炭素鎖が3以上の炭水化物の総称で、天然界には40以上の数多くの単糖類が、代謝産物や生合成産物として遊離体や誘導体、さらに、複合糖質やオリゴ糖、多糖などさまざまな形態で存在している。単糖類で産業上最も重要なものはD−グルコースで、その製造はアミラーゼなどの酵素で澱粉を加水分解する方法により既に工業的規模で確立されており、食品、化粧品、医薬品など産業上最も広く大量に使用されている。さらに、D−グルコースをイソメラーゼで変換することによって製造されているD−フラクトースも産業上重要な糖質である。その他に、酢酸菌によるソルビトールからのL−ソルボース製造、β−ガラクトシダーゼによるラクトースからのD−ガラクトースの製造、酸加水分解によるキシランからのD−キシロースの製造など、幾つかの単糖の製造は工業的に実施されているが、それ以外の多くの単糖類は、原料や生成反応、収率など工業的且つ経済的の制約のために工業的大量製造が困難で、産業上での利用がほとんど行われていない。
【0003】
本発明者らは、このような高価で少量しか取り扱えない単糖に注目し、それら糖質を希少糖質と名付け、長年の間、希少糖質の生成反応について鋭意研究を続けている。その研究過程で、先に、本発明者らは、新規なエピ化酵素であるD−ケトヘキソース・3−エピメラーゼ(「D−タガトース・3−エピメラーゼ」とも云う)を発見し、本酵素がD−タガトースとD−ソルボース間の相互変換反応、D−プシコースとD−フラクトース間の相互変換反応、D−キシルロースとD−リブロース間の相互変換反応並びにL−キシルロースとL−リブロース間の相互変換反応を触媒することを明らかにし、『バイオサイエンス・バイオテクノロジー・アンド・バイオケミストリー(Biosci.Biotech.Biochem.)』、第58巻、2168乃至2171頁(1994年)に報告した。本酵素の発見により、本発明者らが目指している希少糖質の生成反応の実用化は大きく前進し、特に、D−プシコースの製造においては顕著なものがあった。
【0004】
D−プシコースは、一般的には甘蔗廃ミツ中に少量存在することが知られており、D−フラクトースに似た良質の甘味を持っているとともに、難発酵性の糖質で低カロリー性糖質として最適で、産業上、特に食品産業において期待されている糖質の1つである。『カーボハイドレイト・リサーチ(Carbohydr.Res.)』、第101巻、348乃至349頁(1982年)に見られるように、従来D−プシコース生成については、有機化学的なエピ化反応でD−フラクトースから、最適条件でも変換率約8%の収率でしかD−プシコースが生成しないことが報告されていた。しかも、『カーボハイドレイト・リサーチ(Carbohydr.Res.)』、第70巻、209乃至216頁(1979年)に見られるように、その反応中には副反応も起こり、反応液からの精製も煩雑で精製収率もよくないことが知られている。一方、本発明者らが発見したD−ケトヘキソース・3−エピメラーゼを用いたD−プシコースの生成反応は、D−フラクトースからの変換率は約20乃至25%と高く、しかも、副反応はほとんど起こらず、実質的に、反応物中の糖質は生成したD−プシコースと残存するD−フラクトースのみで、反応物からのD−プシコースの分離精製も可能で、また、残存するD−フラクトースを収率よく再利用することもできる。D−ケトヘキソース・3−エピメラーゼによるD−プシコース生成反応の基質のD−フラクトースは、砂糖やフルクタンを酸加水分解及び/又はβ−フルクトフラノシダーゼによる酵素分解することによって得ることができ、更に有利には、澱粉から安価で大量に工業製造されているD−グルコースをD−キシロースイソメラーゼでD−フラクトースに変換し製造することができる。本発明者らは、『ジャーナル・オブ・ファーメンテイション・アンド・バイオエンジニアリング(Jounal of Fermentation and Bioengineering)』、第80巻、101頁(1995年)に開示したように、既に工業的に使用されているD−キシロースイソメラーゼと、本発明者らが発見したD−ケトヘキソース・3−エピメラーゼとを組み合わせて、D−グルコースから直接D−プシコースを製造する方法を開発し、D−プシコースを連続的に製造する製造方法の道を拓いている。
【0005】
D−ケトヘキソース・3−エピメラーゼによるD−フラクトースからのD−プシコース生成は可逆反応で、D−プシコースの生成率が約20乃至25%で平衡に達し、反応の基質のD−フラクトースが約80乃至75%残存する。そのため、D−プシコース結晶を得るためには、反応物を樹脂カラム分画などしてD−プシコースとD−フラクトースとを分離する方法や、反応物中のD−フラクトースを酵母処理などして反応物中に残存するD−フラクトースを発酵消費させD−プシコースを得る方法などを用いてD−プシコースの純度を上げた後、結晶化しなければならず、D−プシコースの工業的利用を目的とした場合、精製工程や精製収率、結晶化収率などに未解決の課題が残っていた。
【0006】
このような背景のもと、D−プシコース含有糖質の工業的製造において経済的に有利な方法として、D−ケトヘキソース・3−エピメラーゼの反応物からD−プシコースを分離・精製することなく、D−プシコースとD−フラクトースを含む糖液をそのまま用い、この糖液から結晶性糖質を高収率で得ることが強く望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、D−プシコース及びD−フラクトースを含有する糖液から結晶性糖質を高収率で採取しうる新規な方法を確立し、併せて、その方法で得られる結晶性糖質の特性を解明するとともに斯かる結晶性糖質の製造方法並びに用途を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、D−ケトヘキソース・3−エピメラーゼ反応によって得られるD−プシコースとD−フラクトースとを含む混合物から結晶性糖質を高収率で得ることを目指して鋭意研究を続けた。
【0009】
その結果、D−プシコースとD−フラクトースとを含む混合物から、全く新規な複合体結晶性糖質が生成することを見出し、更に、この結晶性糖質がD−プシコースとD−フラクトースとの組成比として約1:2乃至1:4の新規複合体結晶であることを見出し、加えて、この複合体結晶性糖質の製造方法並びに用途を確立して本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明は、上記の課題を、D−プシコース及びD−フラクトースを含有する複合体結晶性糖質と、D−プシコース及びD−フラクトースを含有する糖液から、D−プシコース及びD−フラクトースを含有する複合体結晶性糖質を生成せしめ、これを採取することを特徴とする複合体結晶性糖質の製造方法並びに、斯かる複合体結晶性糖質を含有せしめた組成物により解決するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明でいうD−プシコース及びD−フラクトースを含有する複合体結晶性糖質とは、粉末X線回折法で、D−プシコース結晶及びD-フラクトース結晶のいずれとも異なるX線回折パターンを示す、D−プシコース及びD−フラクトースを含有する結晶性糖質を意味する。本発明に用いる原料の糖質は、D−プシコースとD−フラクトースとを含む混合糖質であって、斯かる複合体結晶性糖質が製造できるものであればよい。
【0012】
このような混合糖質を製造するには、D−ケトヘキソース・3−エピメラーゼをD−フラクトースに作用させエピ化反応して、D−プシコース及びD−フラクトースの混合物を調製することが有利に実施できる。調製される糖質のD−プシコースとD−フラクトースとの割合は、通常、固形物当たりそれぞれ約20乃至25%と約80乃至75%である。必要ならば、この割合のD−プシコースとD−フラクトースとの混合糖質を、D−プシコースにD−ケトヘキソース・3−エピメラーゼを作用させて製造することも随意である。また、無機及び/又は有機触媒を用いてD−フラクトースをエピ化してD−プシコース及びD−フラクトースの混合物を製造することも可能である。その場合、通常、D−プシコースの純度が低いため、D−プシコースを添加したり、溶媒分画、膜分離、カラム分画、酵母処理、酵素処理などしてD−フラクトースを除去しD−プシコースの純度を高めたりすることも可能である。勿論、単純にD−プシコースとD−フラクトースとを任意の割合で配合して、D−プシコース及びD−フラクトースの混合物を調製してもよい。
【0013】
本発明は、D−プシコース及びD−フラクトースを含有する糖液から、D−プシコース及びD−フラクトースを含有する複合体結晶性糖質を生成せしめ、これを採取して、D−プシコース及びD−フラクトースを含有する複合体結晶性糖質を製造できればよく、その製造方法は、D−プシコース及びD−フラクトースを含有する糖質、望ましくは、D−プシコースとD−フラクトースとの組成比が約1:2乃至1:4の高濃度溶液、望ましくは、固形分濃度70乃至95%(w/w)(以下特にことわらない限り、本明細書においては「%(w/w)」を単に「%」と記す。)の水溶液を、例えば、助晶缶にとり、これに種晶としてD−プシコース及びD−フラクトースを含有する複合体結晶性糖質を適量、望ましくは、0.01乃至10%程度を含有せしめ、混合、助晶してマスキットとし、これを粉末化して採取すればよい。この際、D−プシコース及びD−フラクトースを含有する糖液にエタノールなど親水性有機溶媒を加え、D−プシコース及びD−フラクトースを含有する複合体結晶性糖質の生成を促進させることもできる。
【0014】
本発明において、マスキットから複合体結晶性糖質の粉末を製造するには、例えば、噴霧乾燥方法、流動造粒方法、ブロック粉砕方法など適宜用いることができる。噴霧乾燥方法の場合には、通常、固形分濃度70乃至85%、D−プシコース及びD−フラクトースを含有する複合体結晶性糖質の晶出率5乃至50%程度のマスキットを高圧ポンプでノズルから噴霧し、結晶含有粉末糖質が溶融しない温度、例えば、40乃至75℃の温風で乾燥し、次いで25乃至40℃で約1乃至24時間、晶出、熟成すればよい。また、ブロック粉砕方法は、通常、固形分濃度85乃至95%、D−プシコース及びD−フラクトースを含有する複合体結晶性糖質の晶出率1乃至30%程度のマスキットを約1乃至10日間静置し、全体をブロック状に晶出固化させ、これを粉砕又は切削などの方法によって粉末化し、乾燥すればよい。
【0015】
このようにして得られる本発明の複合体結晶性糖質の粉末は、非晶質糖質と比べ、吸湿性が低く、固結せず、流動性良好であるので、取り扱い容易であり、その包装、輸送、貯蔵など管理に要する物的、人的経費が大幅に削減できる。また、複合体結晶性糖質の粉末は、吸湿性が低い糖質であるので、粉末混合甘味料、固形混合甘味料、チョコレート、チューインガム、即席ジュース、即席スープ、顆粒、錠剤などの製造が容易に、有利に実施できる。更に、本発明の複合体結晶性糖質は、糖質の持つ性質、例えば、甘味性、ボディー付与性、照り付与性、保湿性、他糖の晶出防止、適度な粘性などの性質を兼備しているので、広く、飲食物、化粧品、医薬品など各種組成物に有利に利用できる。
【0016】
本発明の複合体結晶性糖質を甘味料として利用する場合は、例えば、粉飴、グルコース、マルトース、異性化糖、スクロース、トレハロース、蜂蜜、メープルシュガー、ソルビトール、キシリトール、ラクチトール、マルチトール、ジヒドロカルコン、ステビオシド、α−グリコシルステビオシド、ラカンカ甘味物、グリチルリチン、L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル、サッカリン、グリシン、アラニンなどのような他の甘味料の一種又は二種以上の適量と混合して使用してもよく、またデキストリン、澱粉、乳糖などのような増量剤と混合して使用することもできる。
【0017】
また、本発明の複合体結晶性糖質は、そのままで、又は必要に応じて増量剤、賦形剤、結合剤などと混合して顆粒、球状、錠剤、棒状、板状、立方体などに成形して使用することも随意である。
【0018】
本発明の複合体結晶性糖質の甘味は、酸味、塩から味、渋味、旨味、苦味など、各種の物質の他の呈味とよく調和し、普通一般の飲食物の甘味付、呈味改良に、また品質改良などに有利に利用できる。例えば、醤油、粉末醤油、味噌、粉末味噌、もろみ、ひしお、フリカケ、マヨネーズ、ドレッシング、食酢、三杯酢、粉末すし酢、中華の素、天つゆ、麺つゆ、ソース、ケチャップ、焼き肉のタレ、カレールウ、シチューの素、スープの素、ダシの素、複合調味料、みりん、新みりん、テーブルシュガー、コーヒーシュガーなど各種調味料への甘味料として、また、呈味改良剤、品質改良剤などとして有利に利用できる。
【0019】
また、例えば、せんべい、あられ、おこし、餅類、まんじゅう、ういろう、あん類、羊羹、水羊羹、錦玉、ゼリー、カステラ、飴玉などの各種和菓子、パン、ビスケット、クラッカー、クッキー、パイ、プリン、バタークリーム、カスタードクリーム、シュークリーム、ワッフル、スポンジケーキ、ドーナツ、チョコレート、チューインガム、キャラメル、キャンデーなどの各種洋菓子、アイスクリーム、シャーベットなどの氷菓子、果実のシロップ漬、氷蜜などのシロップ類、フラワーペースト、ピーナッツペースト、フルーツペーストなどのペースト類、ジャム、マーマレード、シロップ漬、糖菓などの果実、野菜の加工食品類、パン類、麺類、米飯類、人造肉などの穀類加工食品類、福神漬、べったら漬、千枚漬、らっきょう漬などの漬物類、たくあん漬の素、白菜漬の素などの漬物の素類、ハム、ソーセージなどの畜産製品類、魚肉ハム、魚肉ソーセージ、カマボコ、チクワ、天ぷらなどの魚肉製品、ウニ、イカの塩辛、酢コンブ、さきするめ、ふぐのみりん干しなどの各種珍味類、のり、山菜、するめ、小魚、貝などで製造される佃煮類、煮豆、ポテトサラダ、コンブ巻などの惣菜食品、乳製品、魚肉、畜肉、果実、野菜の瓶詰め、缶詰類、合成酒、果実酒、洋酒、リキュールなどの酒類、コーヒー、ココア、ジュース、炭酸飲料、乳酸飲料、乳酸菌飲料などの清涼飲料水、プリンミックス、ホットケーキミックスなどのプレミックス粉類、即席ジュース、即席コーヒー、即席汁粉、即席スープなど即席飲食品などの各種飲食物への甘味料として、また、呈味改良剤、品質改良剤などとして有利に利用できる。
【0020】
また、家畜、家禽、その他蜜蜂、蚕、魚などの飼育動物のための飼料、餌料などの嗜好性を向上させる目的で使用することもできる。また、作物、野菜、花卉、観葉植物、庭園の草木、芝、果樹などの植物活性化剤として、水耕栽培などに利用する植物活性化剤として、更には、生長点培養、微生物・細胞培養の培地栄養物や浸透圧調整剤などとして有利に利用できる。その他、タバコ、練り歯磨き、口紅、リップクリーム、内服液、トローチ、肝油ドロップ、口中清涼剤、口中香錠、うがい薬など各種固形状、ペースト状、液状の嗜好物、化粧品、医薬品などへの呈味改良剤、矯味剤として、さらには品質改良剤などとして有利に利用できる。
【0021】
更に、本発明の複合体結晶性糖質に、例えば、ビタミン剤、抗生物質、乳酸菌などを混合して各種形状に成形、例えば顆粒成形機にかけて顆粒に、打錠機にかけて錠剤にし、各種用途に使用することも自由である。
【0022】
以上述べたような飲食品、嗜好物、飼料、餌料、化粧品、医薬品などの各種組成物に本発明の複合体結晶性糖質を含有せしめる方法は、その製品が完成するまでの工程で本発明の複合体結晶性糖質を0.1%以上、望ましくは0.5%以上含有せしめればよく、例えば、混和、混捏、溶解、融解、浸漬、浸透、散布、塗布、被覆、噴霧、注入、晶析、固化などの公知の方法が適宜選ばれる。
【0023】
以下、本発明を実験で詳細に説明する。
【0024】
【実験1】
〈D−プシコース及びD−フラクトースを含有する糖液の調製〉
【0025】
【実験1−1】
〈D−ケトヘキソース・3−エピメラーゼの調製〉
D−ケトヘキソース・3−エピメラーゼは、『バイオサイエンス・バイオテクノロジー・アンド・バイオケミストリー(Biosci.Biotech.Biochem.)』、第58巻、2168乃至2171頁(1994年)に記載の方法に準じて調製した。即ち、シュードモナス・チコリ(Pseudomonas cichorii)ST−24株(FERM BP−2736)を0.26%(w/v)硫酸アンモニウム、0.24%(w/v)リン酸一カリウム、0.56%リン酸(w/v)二カリウム、0.01%(w/v)硫酸マグネシウム七水塩、0.05%(w/v)酵母エキス、1%(w/v)D−グルコース、0.05%(w/v)D−タガトース、及び水からなる液体培地4L中で30℃で通気攪拌培養し、培養60時間後、遠心分離して菌体を集め、50mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)で洗浄した。その洗浄菌体(湿重量63.5g)を同じ緩衝液に懸濁し、活性アルミナを用いて破砕した後、遠心分離して、上清(660mL)を回収した。後述する方法で調べたところ、上清中にD−ケトヘキソース・3−エピメラーゼの活性は320単位認められ、その比活性は0.2単位/mg蛋白質であった。
【0026】
その上清に、6.6mLの1M塩化マグネシウム水溶液と、ポリエチレングリコール6000を濃度10%(w/v)となるように加え、溶解させ、1時間緩やかに攪拌した後、遠心分離して上清を回収した。更に、その上清にポリエチレングリコール6000を最終濃度40%(w/v)になるように加え、溶解させ、1時間緩やかに攪拌した後、遠心分離して沈殿物を回収した。その沈殿物に50mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)を加え、溶解し、粗酵素液を調製した。粗酵素液中にはD−ケトヘキソース・3−エピメラーゼの活性は220単位認められ、その比活性は0.92単位/mg蛋白質であった。
【0027】
さらに、酵素蛋白の精製を行うために、粗酵素液に20mLの『DEAE−Toyopearlゲル』(東ソー株式会社製造)を加え酵素をゲルに吸着させ、50mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)で洗浄した後、200mLの0.1M塩化カリウムを含む同緩衝液で酵素をゲルから溶出させ、UF膜で脱塩した。この酵素液を、『DEAE−Toyopearlゲル』を用いたカラム(内径2cm×長さ12cm)に吸着させ、0Mから0.1M塩化カリウムを含む緩衝液のリニアーグラジエントで酵素を溶出させ、活性画分を集め回収した。その活性画分に濃度2Mになるよう硫酸アンモニウムを加え溶解した後、これを2M硫酸アンモニウム、50mMトリス塩酸緩衝液で予め平衡化しておいた『Ether−Toyopearlゲル』(東ソー株式会社製造)のカラム(内径2cm×長さ10cm)に供し、酵素を吸着させ、2Mから0.5Mの硫酸アンモニウムのリニアーグラジエントで溶出させ、活性画分を集め回収し、UF膜で脱塩して、精製酵素液を調製した。得られた精製酵素活性は5.1単位、比活性は20単位/mg蛋白質で、ポリアクリルアミドゲル電気泳動で単一のバンドを示す均一な酵素標品であった。
【0028】
なお、D−ケトヘキソース・3−エピメラーゼの活性は、D−タガトース・3−エピメラーゼ活性を指標とする以下の方法により求めた。すなわち、200mM D−タガトースを含む50mM トリス塩酸緩衝液(100μL)に酵素液100μLを加え、30℃で60分間反応させた後、沸騰水中で反応を停止した。反応停止液を遠心分離した後、上清中のD−ソルボース量を、カラム『GL−C611』(日立製造)を用いた高速液体クロマトグラフィー(以下、「HPLC」という。)で定量した。酵素活性の1単位は、1分間に1μmolのD−ソルボースを生成する酵素量と定義した。
【0029】
【実験1−2】
〈組換えD−ケトヘキソース・3−エピメラーゼの調製〉
組換えD−ケトヘキソース・3−エピメラーゼは、『ジャーナル・オブ・ファーメンテイション・アンド・バイオエンジニアリング(Journal of Fermentation and Bioengineering)』、第84巻、348頁(1997年)に記載の方法に準じて調製した。即ち、『ジャーナル・オブ・ファーメンテイション・アンド・バイオエンジニアリング(Journal of Fermentation and Bioengineering)』、第83巻、529頁(1997年)に記載しているD−ケトヘキソース・3−エピメラーゼ遺伝子DNAをプラスミドベクターpTrc99Aに組換え、D−ケトヘキソース・3−エピメラーゼ高発現プラスミドpIK−01を作製した。この高発現プラスミドpIK−01を宿主の大腸菌JM105株に形質転換して、D−ケトヘキソース・3−エピメラーゼ高発現大腸菌JM105(pIK−01)株を得た。この組換え大腸菌を1%(w/v)NZアミン タイプA(和光純薬株式会社販売)、0.5%(w/v)酵母エキス、0.5%(w/v)塩化ナトリウム、0.5%(w/v)硫酸マグネシウム・7水塩、0.1%(w/v)カザミノ酸、100μg/mLアンピシリン及び水からなる液体培地2L中で37℃で通気攪拌培養し、培養液の濁度(液層1cm当たりの波長660nmの吸光度)が1.5に達した時に、最終濃度1mMになるようにIPTGを添加して、更に、14時間培養を続けた。この培養物を遠心分離して菌体を集め、50mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)で洗浄した。この菌体を同じ緩衝液で懸濁した後、超音波で菌体を破砕し、遠心分離して上清を回収した。酵素活性を測定したところ、上清中には本酵素活性は約5,730単位認められた。この上清を実験1−1と同様にポリエチレングリコール分画して、部分精製した組換えD−ケトヘキソース・3−エピメラーゼを約4,050単位得た。
【0030】
【実験1−3】
〈固定化D−ケトヘキソース・3−エピメラーゼの調製〉
固定化D−ケトヘキソース・3−エピメラーゼは、『ジャーナル・オブ・ファーメンテイション・アンド・バイオエンジニアリング(Journal of Fermentation and Bioengineering)』、第80巻、101頁(1995年)に記載の方法に準じて調製した。即ち、実験1−2の方法に従って調製した部分精製酵素の200単位を、予め50mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)で平衡化しておいた、湿重量38.5gの『キトパールビーズBCW2503』(富士紡績株式会社製造)と混合し、2時間緩やかに懸濁して、酵素蛋白質をビーズに固定化した。固定化後、ジャケット付きのガラスカラム(内径2cm×長さ18cm)に充填し、固定化D−ケトヘキソース・3−エピメラーゼのカラムを作製した。
【0031】
【実験1−4】
〈D−プシコース及びD−フラクトースを含有する糖液の調製〉
実験1−3の方法に従って作製した固定化D−ケトヘキソース・3−エピメラーゼのカラムを45℃で保温しながら、予め45℃で保温した10%(w/v)D−フラクトースを含む50mMトリス塩酸緩衝液を流速SV0.2でカラムに流した。カラムから溶出した約1Lの反応液約を集め回収した後、35℃でエバポレーターで濃縮し、常法に従って活性炭処理し、メンブランで不溶物を取り除いた。この糖液を陽イオン交換樹脂『ダイアイオンSK1B』(三菱化学株式会社製造)と陰イオン交換樹脂『アンバーライトIRA−411』(オルガノ株式会社製造)を用いて脱塩した後、35℃でエバポレーターで固形分濃度約80%まで濃縮し、約120mLの濃縮糖液を得た。得られた濃縮糖液の糖組成をカラム『MCI CK08EC』(三菱化学株式会社製造)を用いたHPLCで分析したところ、本濃縮液の糖質は、約25%のD−プシコースと約75%のD−フラクトースとからなることが判明した。
【0032】
なお、上記で用いたカラムに代えて、実験1−1の方法で調製した精製酵素を実験1−3の方法に従って固定化して作製したD−ケトヘキソース・3−エピメラーゼのカラムを用いて上記と同様に操作したところ、上記と同等の糖組成の濃縮糖液が得られた。
【0033】
【実験2】
〈D−プシコース及びD−フラクトースを含有する複合体結晶性糖質の調製〉
【0034】
【実験2−1】
〈エタノール/水系における結晶の生成〉
実験1−4の方法に準じて調製した、約25%のD−プシコースと約75%のD−フラクトースからなる糖組成の、固形分濃度約80%の濃縮糖液135gを、300mL容のガラスビーカーに入れた100mLの試薬特級エタノール(純度99.5%)にマグネチックスターラーで攪拌しながら加え、完全に混和した。その後、マグネチックスターラーの攪拌を止め、室温で3日間静置したところ、ガラスビーカー中の糖液全体がほぼ完全に固化した。この固状物を薬匙で削り取り、ガラス皿上で粉砕した後、40℃で24時間真空乾燥し、その乾燥物を乳鉢中で粉砕した。このようにして調製した粉末を、『ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー(Jounal of the American Chemical Society)』、第78巻、2514頁(1956年)に報告されている方法に準じて、CuKα線を用いた粉末X線回折法で解析したところ、図1に示すX線回折パターンが得られた。対照として分析した、D−プシコース結晶粉末及びD−フラクトース結晶粉末のX線回折パターンをそれぞれ図2及び図3に示す。
【0035】
図1に示す粉末X線回折パターンの結果から明らかなように、上記で得た固状物は、結晶に由来するX線回折パターンを与えた。また、図1乃至図3から明らかなように、上記の固状物のX線回折パターンはD−プシコース結晶及びD−フラクトース結晶のX線回折パターンのいずれとも全く異なっていた。主な回折角(2θ)としては、D−プシコース結晶が15.3°、18.8°、19.5°、28.4°及び29.8°を示し(図2)、D−フラクトース結晶が13.0°、14.0°、17.0°、20.0°及び20.7°を示す(図3)のに対して、上記の固状物は、15.7°、17.1°、18.2°、19.4°及び22.4°を示した(図1)。この事実は、本実験においてエタノール/水系で生成した固状物が結晶性糖質であり、この結晶性糖質がD−プシコース結晶及びD−フラクトース結晶のいずれとも異なる、D−プシコース及びD−フラクトースを含有する本発明の新規な複合体結晶性糖質であることを意味する。
【0036】
【実験2−2】
〈エタノール/水系における結晶の生成〉
実験1−4の方法に準じて調製した、約25%のD−プシコースと約75%のD−フラクトースからなる糖組成の、固形分濃度約80%の濃縮糖液に脱イオン水を加えて、固形物濃度約55%、約64%、及び約73%の糖液を調製した。これらの糖液と脱イオン水を加えていない上記濃縮糖液のいずれか135gを、300mL容のガラスビーカーに入れた79gの試薬特級エタノール(純度99.5%)にマグネチックスターラーで攪拌しながら加え、完全に混和した。これら混和物のそれぞれに、実験2−1の方法で得た本発明の複合体結晶性糖質粉末を種結晶として約10mg添加し攪拌した。その後、マグネチックスターラーの攪拌を止め、室温(約25℃)で3日間静置し、結晶の生成を観察した。その結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
表1に示すように、固形分濃度が約50%の場合全体が固化し、約46%の場合ビーカーの底に結晶の生成が認められたのに対し、約40%以下の場合には結晶の生成は認められなかった。このことから、エタノール/水系においては、D−プシコース及びD−フラクトースを含有する本発明の複合体結晶性糖質は、糖質の固形分濃度が少なくとも約46%以上のとき生成され易いことが判明した。
【0039】
結晶性糖質中に含まれる糖組成を調べるため、固形分濃度が約73%で生成した結晶性糖質を濾紙上に広げ、吸引して分蜜し、更に、少量の80%エタノール水で結晶性糖質を洗浄した後、ガラス皿上に広げ、40℃で24時間真空乾燥し、乳鉢中で粉砕し、約10gの結晶性糖質粉末を得た。この結晶性糖質粉末の一部を水に溶かし、実験1−4と同様に、カラム『MCI CK08EC』(三菱化学株式会社製造)を用いたHPLCで糖組成を測定したところ、D−プシコース及びD−フラクトースをそれぞれ約23%及び約77%含むことが判明した。また、実験2−1と同様にして、上記の結晶性糖質のX線回折を測定したところ、主な回折角(2θ)として、15.7°、17.1°、18.2°、19.4°及び22.4°を示す、図1と実質的に同じ回折パターンが得られた。これにより、固形分濃度約73%のとき生成した結晶が、実験2−1で得た、固形分濃度約80%のとき生成した本発明の複合体結晶性糖質と同一の結晶性糖質であることが確認された。更に、本実験による結晶性糖質の融点を示差走査熱量計DSC−8230(株式会社リガク販売)で測定したところ、86乃至89℃に吸熱ピークが検出され、本発明の複合体結晶性糖質の融点は86乃至89℃と判断された。
【0040】
これらの事実は、エタノール/水系で生成する、D−プシコース及びD−フラクトースを含有する本発明の複合体結晶性糖質は、融点が86乃至89℃であることを意味している。なお、本複合体結晶性糖質は、図4に示すように、針状結晶であった。
【0041】
【実験2−3】
〈水系における結晶の生成〉
実験1−4の方法に準じて調製した、約25%のD−プシコースと約75%のD−フラクトースからなる糖組成の、固形分濃度約82%の濃縮糖液約100gを200mL容のガラスビーカーに入れ、更に、実験2−1の方法で調製したD−プシコース及びD−フラクトースを含有する本発明の複合体結晶性糖質を種結晶として約10mgを添加した。緩やかにビーカーを振って種結晶を糖液中に漂わせた後、室温(約25℃)で3日間静置した。その結果、ガラスビーカー中の糖液全体がほぼ完全に固化した。この固状物を薬匙で削り取り、ガラス皿上で粉砕した後、40℃で24時間真空乾燥し、乾燥物を乳鉢中で粉砕した。このようにして調製した糖質粉末を粉末X線回折法で解析したところ、図5に示すX線回折パターンが得られた。
【0042】
図5に示す粉末X線回折パターンから明らかなように、上記で得た固状物は、結晶に由来するX線回折パターンを与えた。また、このX線回折パターンは、主な回折角(2θ)として15.7°、17.1°、18.2°、19.4°及び22.4°を示し、図1に示す、エタノール/水系において生成した、D−プシコース及びD−フラクトースを含有する複合体結晶性糖質の場合と実質的に同じであることが判明した。この事実は、上記固状物が、D−プシコース及びD−フラクトースを含む結晶性糖質であり、この結晶性糖質がD−プシコース結晶及びD−フラクトース結晶のいずれとも異なる、D−プシコース及びD−フラクトースを含有する本発明の複合体結晶性糖質であることを意味する。また、この事実は、本実験例による、水系で生成したこの複合体結晶性糖質が、実験2−1においてエタノール/水系で生成した本発明の複合体結晶性糖質と結晶学的に同一であることを意味する。
【0043】
【実験2−4】
〈水系における結晶の生成〉
実験1−4の方法に準じて調製した、約25%のD−プシコースと約75%のD−フラクトースからなる糖組成の、固形分濃度約82%の濃縮糖液に脱イオン水を加えて、固形物濃度約69%、約72%、約75%、及び約79%の糖液を調製した。これらの糖液と脱イオン水を加えていない上記濃縮糖液のずれか50gを100mL容のガラスビーカーに入れた。それぞれのビーカーに、実験2−3の方法で得た本発明の複合体結晶性糖質粉末を種結晶として約10mgずつ添加し、緩やかに攪拌した。その後、室温(約25℃)で3日間静置し、結晶の生成を観察した。その結果を表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】
表2に示すように、固形分濃度が約79%以上の場合、全体ないしは大部分が固化し、約75%の場合、ビーカーの底に結晶の生成が認められたのに対し、約72%以下の場合には結晶の生成は認められなかった。このことから、水系においては、D−プシコース及びD−フラクトースを含有する本発明の複合体結晶性糖質は、糖質の固形分濃度が少なくとも約75%以上で生成され易いことが判明した。
【0046】
結晶性糖質中に含まれる糖組成を調べるため、固形分濃度が約75%で生成した結晶性糖質を濾紙上に広げ、吸引して分蜜し、更に、少量の水で結晶性糖質を洗浄した後、ガラス皿上に広げ、40℃で24時間真空乾燥し、乳鉢中で粉砕し、約3gの結晶性糖質粉末を得た。この結晶性糖質粉末の一部を水に溶かし、実験1−4と同様に、カラム『MCI CK08EC』(三菱化学株式会社製造)を用いたHPLCで糖組成を測定したところ、D−プシコース及びD−フラクトースをそれぞれ約25%及び約75%含むことがわかった。また、実験2−3と同様にして、上記結晶性糖質のX線回折を測定したところ、主な回折角(2θ)として、15.7°、17.1°、18.2°、19.4°及び22.4°を示す、図1及び図4と実質的に同じ回折パターンが得らた。これにより、固形分濃度約75%のとき生成した結晶性糖質が、前述の固形分約82%のとき生成した結晶性糖質、並びに、エタノール/水系で生成したD−プシコース及びD−フラクトースを含有する複合体結晶性糖質と同一の結晶性糖質であることが確認された。なお、本実験による結晶性糖質の融点を実験2−2と同様に示差走査熱量計で測定したところ、86乃至89℃に吸熱ピークが検出され、本結晶性糖質の融点は86乃至89℃と判断された。
【0047】
これらの事実は、水系で生成する、D−プシコース及びD−フラクトースを含有する本発明の複合体結晶性糖質は、融点が86乃至89℃であることを意味している。なお、本複合体結晶性糖質は、図6に示すように、図4と同様の針状結晶であった。また、実験2−2ならびに本実験例に示した糖組成の測定結果は、本発明の複合体結晶性糖質は、D−プシコースとD−フラクトースの組成比が、通常、約1:2乃至1:4であることを示している。
【0048】
【実験3】
〈複合体結晶性糖質の吸湿性〉
実験1−4の方法に準じて調製した、約25%のD−プシコースと約75%のD−フラクトースからなる糖組成の糖液を、エバポレーターを用いて減圧濃縮して固形分濃度約85%にまで濃縮した。この濃縮糖液の約半量を、実験2−3の方法に準じて、D−プシコース及びD−フラクトースを含有する複合体結晶を生成させて固化させた後、薬匙で削り取り軽く粉砕し、40℃で24時間真空乾燥し、その乾燥物を乳鉢中で粉砕して、D−プシコース及びD−フラクトースをそれぞれ約25%及び約75%含む複合体結晶性糖質粉末を調製した。対照として、残りの糖質濃縮液をポリエチレン製のバットに広げ、40℃で48時間真空乾燥した後、乾燥物を乳鉢で粉砕して、D−プシコース及びD−フラクトースをそれぞれ約25%及び約75%含む非晶出糖質粉末を調製した。これら粉末糖質をアルミ製容器にとり、相対湿度53%、温度25℃の環境に7日間放置して、その重量増加を測定するとともに流動性の可否を観察して吸湿性の程度を判定した。なお、流動性については、アルミ製容器を傾斜させた際の粉末糖質の流動状態を観察し、抵抗なく容易に流れ出すものを良とし、抵抗があり流動性が悪いものを不良とした。これらの結果は表3にまとめた。
【0049】
【表3】
【0050】
表3の結果から明らかなように、対照の非晶出糖質粉末と比較して、本発明の複合体結晶性糖質粉末は、吸湿性が低く、流動性のよい粉末糖質であることが判明した。
【0051】
以下、本発明のD−プシコース及びD−フラクトースを含有する複合体結晶性糖質の製造方法を実施例Aで、また、その用途を実施例Bで示す。
【0052】
【実施例A−1】
〈複合体結晶性糖質の製造〉
D−フラクトース(株式会社林原製造)1重量部を水2重量部に加熱溶解させた後、pH7.5、温度40℃に調整し、これに実験1−1の方法に準じて調製した精製D−ケトヘキソース・3−エピメラーゼをD−フラクトース1g当たり2単位になるように加え、48時間反応させた。反応後、反応液を100℃で10分間加熱して、酵素を失活させた。本溶液は、D−プシコースを固形分当たり約20%を含有し、その他の固形分はD−フラクトースであった。この溶液を活性炭にて脱色し、H型、OH型、イオン交換樹脂で脱塩した。この糖液を固形分濃度約75%に濃縮した後、同重量の純度99.5%エタノールにゆっくり攪拌しながら加え、更に、実験2−1の方法に従って調製したD−プシコース及びD−フラクトースを含有する複合体結晶性糖質を種晶として固形分重量比で1%加え、攪拌を続け助晶した。得られるマスキットを分蜜し、乾燥し、粉砕して、約22%のD−プシコースと約78%のD−フラクトースからなる糖組成の複合体結晶性糖質を原料当たりの固形分収率約50%で得た。
【0053】
本実施例による、D−プシコース及びD−フラクトースを含有する複合体結晶性糖質は、種結晶として有利に用いることができるほか、飲食物、化粧品、医薬品、成形物などの各種組成物に有利に利用できる。
【0054】
【実施例A−2】
〈複合体結晶性糖質の製造〉
D−フラクトース1重量部を水4重量部に加熱溶解させた後、pH7.5、温度45℃に調製し、これを、予め、実験1−3の方法に準じて調製した固定化D−ケトヘキソース・3−エピメラーゼを充填したジャケット付きステンレス製カラム(内径5.6cm×長さ1m)に温度45℃、流速SV0.1で通液して異性化反応を行い、約24%のD−プシコースと約76%のD−フラクトースからなる糖組成の糖液を得た。この糖液を活性炭にて脱色し、H型、OH型、イオン交換樹脂で脱塩した。この糖液を固形分濃度約85%に濃縮した後、助晶缶にとり、実験2−1の方法に従って調製したD−プシコース及びD−フラクトースを含有する複合体結晶性糖質を種晶として固形分重量比で1%加え、ゆっくり攪拌しながら助晶し、次いで、バットに取り出し、ブロックを作製した。ブロックは約25℃で2日間静置し熟成させた後、切削型粉砕機で粉砕し、流動乾燥し、分級し、D−プシコース及びD−フラクトースを含有する複合体結晶性糖質粉末を原料当たりの固形分収率約100%で得た。
【0055】
本品は、吸湿性が少なく、取り扱いが容易であり、甘味剤、呈味改良剤、品質改良剤、安定化剤、賦形剤などとして飲食物、化粧品、医薬品、成形物などの各種組成物に有利に利用できる。
【0056】
【実施例A−3】
〈複合体結晶性糖質の製造〉
実施例A−2の方法に準じて調製したD−プシコース及びD−フラクトースを含有する糖液を、同様に、脱色し、脱塩した。この糖液を固形分濃度約80%に濃縮した後、助晶缶にとり、実験2−1の方法に従って調製したD−プシコース及びD−フラクトースを含有する複合体結晶性糖質を種晶として固形分重量比で2%加え、ゆっくり攪拌しながら助晶し、晶出率約50%のマスキットを得た。本マスキットを乾燥塔上のノズルより150kg/cm2の高圧で噴霧した。これと同時に70℃の熱風を乾燥搭の上部より送風し、コンベアーの下より40℃の温風を送りつつ、該結晶性糖質粉末を乾燥搭外に徐々に移動させて、取り出した。この結晶性糖質粉末を熟成搭に充填し、温風を送りつつ、24時間熟成させ、結晶化と乾燥を完了し、D−プシコース及びD−フラクトースを含有する複合体結晶性糖質粉末を原料当たりの固形分収率約95%で得た。
【0057】
本品は、吸湿性が少なく、取り扱いが容易であり、甘味剤、呈味改良剤、品質改良剤、安定化剤、賦形剤などとして飲食物、化粧品、医薬品、成形物などの各種組成物に有利に利用できる。
【0058】
【実施例B−1】
〈甘味料〉
実施例A−1の方法で得た複合体結晶性糖質1重量部に、α−グリコシルステビオシド(東洋精糖株式会社販売、商品名『αGスイート』)0.01重量部及びL−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル(味の素株式会社販売、商品名『アスパルテーム』)0.01重量部を均一に混合し、顆粒成型機にかけて、顆粒状甘味料を得た。本品は、甘味の質が優れ、蔗糖の約3倍の甘味度を有し、甘味度当たりのカロリーは蔗糖の約1/3に低下している。本甘味料は、低カロリー甘味料として、また、カロリー摂取を制限している肥満者、糖尿病者などのための低カロリー飲食物などに対する甘味付けに好適である。
【0059】
【実施例B−2】
〈粉末ジュース〉
噴霧乾燥により製造したオレンジ果汁粉末33重量部に対して、実施例A−2の方法で得た複合体結晶性糖質粉末50重量部、蔗糖10重量部、無水クエン酸0.65重量部、リンゴ酸0.1重量部、L−アスコルビン酸0.1重量部、クエン酸ソーダ0.1重量部、プルラン0.5重量部、粉末香料適量をよく混合撹拌し、粉砕して微粉末にした。この微粉末を流動層造粒機に仕込み、排風温度40℃とし、これに、同じ特許出願人による特開平8−73504号公報に記載の方法で調製したトレハロース高含有シラップをバインダーとしてスプレーし、30分間造粒し、計量、包装して製品を得た。本品は、果汁含有率約30%の粉末ジュースである。本品は、異味、異臭がなく、高品質の粉末ジュースであった。
【0060】
【実施例B−3】
〈チューインガム〉
ガムベース3重量部を柔らかくなる程度に加熱溶融し、これに結晶マルチトール粉末2重量部及び実施例A−3の方法で得た複合体結晶性糖質粉末5重量部とを加え、更に適量の香料と着色料とを混合し、常法にしたがって、ロールにより練り合わせ、成形、包装して製品を得た。本品は、冷涼感を味わうことのできるチューインガムで、テクスチャー、風味とも良好である。
【0061】
【実施例B−4】
〈フォンダント〉
実施例A−2の方法に従って、D−プシコース及びD−フラクトースを含む固形分濃度約82%の濃縮糖液を調製した。この濃縮糖液を助晶缶にとり、これに実験2−1の方法に従って調製したD−プシコース及びD−フラクトースを含有する複合体結晶性糖質を種晶として固形分重量比で5%加え、激しく撹拌しながら室温まで冷却した。更に、実施例A−2の方法で得た複合体結晶性糖質の適量を添加した後、混合撹拌してフォンダントを得た。本品は、白色のペースト状で、口当たりもなめらかで冷涼感があり、上品な甘味を有し、各種製菓材料として有利に利用できる。
【0062】
【実施例B−5】
〈アイスクリーム〉
油脂含量約46%の生クリーム18重量部、脱脂粉乳7重量部、全乳51重量部、砂糖8重量部、実施例A−2の方法で得た複合体結晶性糖質6重量部、ラクトスクロース含有粉末(登録商標『乳化オリゴ』)4重量部、黒練り胡麻3重量部、プルラン1重量部、及びアラビアガム2重量部の混合物を溶解し、70℃で30分間保って殺菌した後、ホモゲナイザーで乳化分散させ、次いで、3乃至4℃にまで急冷して一夜熟成した後、フリーザーで凍結させてアイスクリームを得た。本品は、適度な胡麻風味を呈する、口当たり良好で、オーバーランも適当な良質のアイスクリームであった。また、本品は、ビフィズス増殖活性を有する健康食品としても有利に利用できる。
【0063】
【実施例B−6】
〈錠剤〉
アスピリン50重量部に実施例A−3の方法で得た複合体結晶性糖質粉末6重量部及びコーンスターチ8重量部を充分に混合した後、常法にしたがって、打錠機により打錠して、厚さ5.25mm、1錠680mgの錠剤を製造した。本品は、吸湿性が低く、物理的強度も充分にあり、しかも水中での崩壊は極めて良好であった。
【0064】
【発明の効果】
上記から明らかなように、本発明の複合体結晶性糖質は、D−プシコース及びD−フラクトースを含有する複合体結晶性糖質であって、この粉末は、吸湿性低く、流動性良好であり、取扱い容易である。従って、本発明の複合体結晶性糖質の確立は、D−プシコース及びD−フラクトースとを含有する糖質の商品価値を著しく向上することとなった。これが与える影響は、希少糖質を応用・利用しようとする精糖産業に大きく貢献できることはもちろんのこと、本発明の複合体結晶性糖質を利用する食品産業、化粧品産業、医薬品産業、農水畜産業など広範にわたり、その産業的意義は極めて高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】エタノール/水系で生成したD−プシコース及びD−フラクトースを含有する複合体結晶性糖質の粉末X線回折パターンを示す図である。
【図2】結晶D−プシコースの粉末X線回折パターンを示す図である。
【図3】結晶D−フラクトースの粉末X線回折パターンを示す図である。
【図4】エタノール/水系で生成したD−プシコース及びD−フラクトースを含有する複合体結晶性糖質の顕微鏡観察像(倍率×325)をディスプレー上に表示した中間調画像である。
【図5】水系で生成したD−プシコース及びD−フラクトースを含有する複合体結晶性糖質の粉末X線回折パターンを示す図である。
【図6】水系で生成したD−プシコース及びD−フラクトースを含有する複合体結晶性糖質の顕微鏡観察像を(倍率×325)ディスプレー上に表示した中間調画像である。
Claims (4)
- 粉末X線回折法で主な回折角(2θ)として、15.7°、17.1°、18.2°、19.4°及び22.4°を示す、D−プシコース及びD−フラクトースからなる糖質複合体結晶。
- D−プシコースとD−フラクトースとの組成比が約1:2乃至1:4である請求項1記載の糖質複合体結晶。
- D−プシコース及びD−フラクトースからなる糖液から、請求項1又は2記載の糖質複合体結晶を生成せしめ、これを採取することを特徴とする糖質複合体結晶の製造方法。
- 糖質複合体結晶を生成させる際の糖液の溶媒が水、又は、水とエタノールとの混合液であることを特徴とする請求項3記載の糖質複合体結晶の製造方法。
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