JP3082094B2 - ネオトレハロースの製造方法とその用途 - Google Patents

ネオトレハロースの製造方法とその用途

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JP3082094B2 JP02307054A JP30705490A JP3082094B2 JP 3082094 B2 JP3082094 B2 JP 3082094B2 JP 02307054 A JP02307054 A JP 02307054A JP 30705490 A JP30705490 A JP 30705490A JP 3082094 B2 JP3082094 B2 JP 3082094B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ネオトレハロースの製造方法とその用途、
更に詳細には、新規糖質、ラクトネオトレハロースを含
有する水溶液にβ−ガラクトシダーゼを作用させてネオ
トレハロースを生成せしめ、これを採取することを特徴
とするネオトレハロースの製造方法とそのネオトレハロ
ースを含有せしめた口中使用物に関する。
[従来の技術] ネオトレハロースは、式:O−α−D−グルコピラノシ
ル β−D−グルコピラノシド、または、O−β−D−
グルコピラノシル α−D−グルコピラノシドで示され
る二糖類で古くから知られている。この糖質は、甘味を
有し、易水溶性であり、非還元性でそれ自体安定であ
り、各種飲料、加工食品、嗜好物などの口中使用物に有
利に利用しうることが期待される。
ネオトレハロースを製造する方法は、例えば、ダブリ
ュ・エヌ・ハワース(W.N.HAWORTH)等がジャーナル・
オブ・ザ・ケミカル・ソサイエティ(Journal of the
Chemical Society)、1931年、第2847乃至2850頁
で、また、ブイ・イー・エス・シャープ(V.E.S.SHAR
P)等が同誌1951年、第285乃至288頁で報告しているよ
うに、各種の化学的合成方法が知られているものの、そ
の収率は極めて低く、また、安全性の点でも利用するま
でに解決しなければならない多くの課題を残している。
一方、より安全性の高い天然物からの調製、または、
生化学的手段による製造方法の提案がなされている。例
えば、松田は、日本農芸化学会誌、第30巻、第119乃至1
23頁(1959年)で、ネオトレハロースで麹汁中にイソマ
ルトース、コージビオースなどとともに少量含まれてい
ることを明らかにしている。この報告によれば、ネオト
レハロースの調製は、麹汁中に含まれる非発酵性糖類を
カーボンカラムクロマトグラフィーにかけて二糖類含有
画分を採取し、この二糖類をフェニルヒドラジン処理
し、これにより生じた沈澱物を濾別し、得られる濾液中
の糖をアセチル化し、二糖類のオクタアセテート結晶を
得、次いで、この結晶を脱アセチル化することにより行
なわれている。また、小林等は、特開昭63−216492号公
報で澱粉にサイクロデキストリン合成酵素を作用させる
ことにより、ネオトレハロースをセントースとともに製
造する方法を開示している。この公報によれば、澱粉に
サイクロデキスリン合成酵素を作用させた反応液は、高
速液体クロマトグラフィー分析でネオトレハロース18.6
%およびセントース20.0%を含んでおり、更に、このネ
オトレハロース画分には、ペーパークロマトグラフィー
分析で約20%のニゲロース、コージビオース、イソマル
トースを含んでいることを明らかにしている。そして、
この反応液からネオトレハロースを製造する方法とし
て、熱失活後、グルコアミラーゼと同時に酵母を添加
し、生成するグルコースを資化させて除去し、次いで酵
母を除去し、得られる溶液にカセイソーダを加えてオー
トクレーブし、中和し、その後、カラムクロマトグラフ
ィー、溶媒沈澱法のいずれか、または、組み合せて行う
ことを提案している。これらの方法は、ネオトレハロー
ス含量が低いだけでなく、その後の精製工程も極めて煩
雑で、その収率も低く、いずれの方法も未だ工業的実施
を見ていない。
[発明が解決しようとする課題] ネオトレハロースを利用する上で、安全で、容易かつ
高収率なネオトレハロースの製造方法並びにそれの用途
の確立が強く望まれている。
[課題を解決するための手段] 本発明者等は、ネオトレハロースを生化学的手段によ
り製造する方法に着目し、鋭意研究を続けてきた。その
結果、本発明者等が、平成2年特許願第268677号で出願
した新規糖質、式:O−β−D−ガラクトピラノシル−
(1→4)−O−β−D−グルコピラノシル α−D−
グルコピラノシドで示されるラクトネオトレハロースを
原料とし、これにβ−ガラクトシダーゼ(EC3.2.1.23)
を作用させることにより、極めて容易に高収率にネオト
レハロースが生成することを見い出し、本発明を完成し
た。併せて、本発明の方法で得られた高純度ネオトレハ
ロースを用いてのインビボ(生体内)試験により、ネオ
トレハロースが消化吸収され易い糖質であることを見出
し、その用途として、ネオトレハロースを含有せしめた
口中使用物にかかる発明も完成した。まず、原料のラク
トネオトレハロースについて述べる。
ラクトネオトレハロースは、化学的に合成することも
可能であるが、工業的には、生化学反応、とりわけ、乳
糖と澱粉質とを含有する水溶液に糖転移酵素を作用させ
ることにより生成させるのが有利である。
乳糖は、市販品が適宜使用される。必要ならば、乳、
乳清などに含まれた状態の乳糖を使用することもでき
る。澱粉質としては、例えば、糊化澱粉、液化澱粉、可
溶性澱粉、澱粉部分分解物、澱粉糖転移物などが適宜使
用される。
糖転移酵素としては、例えば、シクロマルトデキスト
リン・グルカノトランスフェラーゼ(EC2.4.1.19)の使
用が望ましいが、必要に応じてα−グルコシターゼ(EC
3.2.1.20)が使用できる。
シクロマルトデキストリン・グルカノトランスフェラ
ーゼを使用する場合には、公知のバチルス(Bacillus)
属、クレブシーラ(Klebsiella)属などに属する微生物
由来の酵素が適宜使用できる。
α−グルコシダーゼとしては、例えば、公知のペニシ
リウム(Penicillium)属、ムコール(Mucor)属などに
属する微生物由来の酵素が使用される。
糖転移反応は、ラクトネオトレハロースが生成する方
法であればよく、通常、乳糖と澱粉部分分解物などの澱
粉質とを含有する水溶液にシクロマルトデキストリン・
グルカノトランスフェラーゼまたはα−グルコシダーゼ
を作用させて、乳糖のグルコシル基へ澱粉質からα−グ
ルコシル基を転移し、ラクトネオトレハロースを生成さ
せる。
これら糖転移反応のうち、より安価な澱粉質を糖供与
体にし得ること、ラクトネオトレハロースの生成率が高
いことなどから、一般的には、シクロマルトデキストリ
ン・グルカノトランスフェラーゼの使用が好都合であ
り、とりわけ、より高温で作用させることのできるバチ
ルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearotherm
ophilus)由来の酵素が、反応液中の澱粉質の老化を抑
制し、微生物の汚染を抑制でき、反応を容易に進めるこ
とができるので工業的に極めて有利である。
この場合には、通常、乳糖と、例えば糊化澱粉、液化
澱粉、DE1乃至50程度の澱粉部分加水分解物、アミロデ
キストリン、シクロデキストリンなどの澱粉質とを含有
する水溶液に、シクロマルトデキストリン・グルカノト
ランスフェラーゼを澱粉質グラム当り1単位以上、望ま
しくは、10乃至1,000単位を1乃至100時間、望ましく
は、4乃至70時間程度作用させると、ラクトネオトレハ
ロースとともにラクトネオトレハロースに、更にα−グ
ルコシル残基が1乃至数個結合したオリゴ糖、例えば、
α−グルコシル ラクトネオトレハロース、α−マルト
シル ラクオネオトレハロース、α−マルトトリオシル
ラクトネオトレハロース、α−マルトテトラオシル
ラクトネオトレハロースなどのα−グリコシル ラクト
ネオトレハロースが生成され、次いで、これにグルコア
ミラーゼを作用させると、ラクトネオトレハロースが蓄
積生成されることとなり、このラクトネオトレハロース
を採取すればよい。
また、必要に応じて、グルコアミラーゼの代わりにβ
−アミラーゼを作用させると、主に、ラクトネオトレハ
ロース、α−グルコシル ラクトネオトレハロースおよ
びマルトースとを蓄積生成させることができる。
以上述べたような、糖転移反応、または糖転移反応と
加水分解反応によって生成されるラクトネオトレハロー
ス含有溶液は、通常、固形物当り、ラクトネオトレハロ
ースを5乃至40W/W%(以後、本明細書では、特にこと
わらない限りW/W%を単に%と示す。)程度含有してお
り、これをそのまま、または必要に応じて、精製、濃縮
して、更には乾燥して利用することも随意である。
一般的には、ラクトネオトレハロースの特長を生かす
ために、ラクトネオトレハロース生成溶液を、更に、分
離、精製して、ラクトネオトレハロース高含有物にして
利用される。その方法としては、例えば、酵母醗酵法、
膜濾過法、分別沈澱法、結晶化法、カラムクロマトグラ
フィーなどにより夾雑糖類を分離除去する方法が適宜採
用できる。
また、このようにして得られるラクトネオトレハロー
ス高含有液を濃縮して高濃度溶液にすれば、容易に結晶
化することより、結晶ラクトネオトレハロースとして利
用することも有利に実施できる。
このように種々の方法で得られたラクトネオトレハロ
ースからネオトレハロースを製造する方法は、ラクオネ
オトレハロースにβ−ガラクトシダーゼを作用させてネ
オトレハロースが生成し得る方法であればよい。例え
ば、濃度5乃至50%程度のラクトネオトレハロース水溶
液にβ−ガラクトシダーゼを加え、通常、温度20乃至80
℃、pH3乃至9から選ばれる条件で作用させる。
この際、β−ガラクトシダーゼは、通常、市販のβ−
ガラクトシダーゼが適宜用いられ、必要に応じて、β−
ガラクトシダーゼ産生能を有する微生物を常法に従って
培養し、菌体または培養液上清などからβ−ガラクトジ
ダーゼを調製して利用することも随意である。
また、β−ガラクトシダーゼを固定化して繰り返し利
用することも有利に実施できる。
このようにして生成されるネオトレハロース含有溶液
は、原料のラクトネオトレハロース含量によっても異な
るが、通常、固形物当り10乃至66%程度含有しており、
これを、そのまま、または必要に応じて、精製、濃縮し
てシラップ状で、更に乾燥して固状で利用することも随
意である。
一般的には、ネオトレハロースの特長を活かすため
に、ネオトレハロース生成溶液を、更に、分離、精製し
て、ネオトレハロース高含有物にして利用される。その
方法としては、例えば、酵母醗酵法、膜濾過法、分別沈
澱法、結晶化法、カラムクロマトグラフィーなどにより
夾雑糖類を分離除去する方法が適宜採用できる。とりわ
け、特開昭58−23799号公報、特開昭58−72598号公報な
どに開示されている塩型強酸性カチオン交換樹脂を用い
るカラムクロマトグラフィーにより、夾雑糖類を除去し
てネオトレハロース高含有画分を採取する方法は有利に
実施できる。この際、固定床方式、移動床方式、擬似移
動床方式のいずれの方式を採用することも随意である。
また、このようにして得られるネオトレハロース高含
有液を濃縮して高濃度溶液にし、結晶化させて、結晶ネ
オトレハロースにして利用することも有利に実施でき
る。
結晶ネオトレハロースを製造する方法は、通常、飽和
度が1.05乃至4.0程度で、具体的に述べれば、固形物当
り50%以上のネオトレハロースを含有する糖質を濃度約
50乃至95%溶液とし、その溶液温度を、溶液が凍結せ
ず、また結晶融点以下の温度、例えば、約10乃至120℃
で晶出させればよい。
また、晶出方法は、通常、40乃至100℃の比較的高温
の過飽和ネオトレハロース溶液を助晶缶に取り、望まし
くは、これに種晶を0.1乃至20%共存せしめて、ゆっく
り撹拌しつつ徐冷し、晶出を促してマスキットにすれば
よい。晶出したマスキットから結晶ネオトレハロースを
製造する方法は、結晶ネオトレハロースが採取できれば
よく、例えば、分蜜方法、ブロック粉砕方法、流動造粒
方法、噴霧乾燥方法などの公知方法を採用すればよい。
例えば、分蜜方法は、マスキットをバスケット型遠心分
離機にかけ、結晶ネオトレハロースと蜜とを分離する方
法で、必要により、該結晶に少量の冷水をスプレーして
洗浄することも容易であり、より高純度の結晶ネオトレ
ハロースを製造するのに好適である。他の三つの方法
は、蜜を分離しないので、得られる含蜜結晶にネオトレ
ハロース純度の向上は望めないものの、製品収量の多い
特長を有している。従って、これら製品の場合には、結
晶以外に蜜成分として各種糖質を含有している。この成
分は、原料に用いるラクトネオトレハロース含量の程
度、使用する酵素などによって異なり、例えば、ネオト
レハロースとともにガラクトース、グルコースなどを含
んでいる。
ブロック粉砕方法の場合には、通常、濃度85乃至95
%、晶出率10乃至60%程度のマスキットを0.5乃至5日
間程度静置して全体をブロック状に晶出固化させ、これ
を破砕または切削などによって粉砕し乾燥して、難吸湿
性の含蜜結晶粉末を得る。
また、噴霧乾燥方法の場合には、通常、濃度65乃至80
%、晶出率20乃至40%程度のマスキットを噴霧し、結晶
が溶融しない温度、例えば、60乃至100℃の熱風で乾燥
し、次いで、30乃至60℃の温風で約1乃至20時間熟成し
て難吸湿性の含蜜結晶粉末を得る。
これら含蜜結晶は、固形物あたりのネオトレハロース
含量の違いにより、融点、比旋光度、などの理化学的性
質が変化する。通常、ネオトレハロース含量の低下に伴
なって、融点が低下し、融解温度の幅が広くなる。ま
た、その吸湿性もネオトレハロース含量の低下につれて
増大してくる。従って、使用に際しては、必要に応じ
て、固形物当りネオトレハロース含量を適宜選択すれば
よい。
本発明のネオトレハロースは、非還元性オリゴ糖で極
めて安定であり、良質で深みのある甘味を有している。
また、経口摂取により、消化吸収され、カロリー源とし
て利用される。結晶ネオトレハロースは、水に溶解し易
いにもかかわらず、実質的に難吸湿性で、その取扱いが
容易である。更に、虫歯誘発菌などによって、醗酵され
にくいことより、虫歯を起しにくい甘味料としても利用
できる。また、安定な甘味料であることより、プルラ
ン、ヒドロキシエチルスターチなどの結合剤と併用して
錠剤の糖衣剤として利用することも有利に実施できる。
また、化学的に安定であるのに加えて、浸透圧調節性、
賦形性、照り付与性、保湿性、粘性、他糖の晶出防止
性、難醗酵性などの性質を具備している。
ネオトレハロースの持つこれら諸性質は、飲食物、嗜
好物、飼料、餌料、化粧品、医薬品などの各種口中使用
物に有利に利用できる。
ネオトレハロースは、そのままで甘味付のための調味
料として使用することができる。必要ならば、例えば、
粉飴、ブドウ糖、マルトース、蔗糖、異性化糖、蜂蜜、
メープルシュガー、ソルビトール、ジヒドロカルコン、
ステビオシド、α−グリコシルステビオシド、レバウデ
ィオシド、グリチルリチン、L−アスパルチル−L−フ
ェニルアラニンメチルエステル、サッカリン、グリシ
ン、アラニンなどのような他の甘味料の一種または二種
以上の適量と混合して使用してもよく、また必要なら
ば、デキストリン、澱粉、乳糖などのような増量剤と混
合して使用することもできる。
また、ネオトレハロース粉末品は、そのままで、また
は必要に応じて、増量剤、賦形剤、結合剤などと混合し
て、顆粒、球状、短棒状、板状、立方体、錠剤など各種
形状に成形して使用することも随意である。
また、ネオトレハロースの甘味は、酸味、塩から味、
渋味、旨味、苦味などの他の呈味を有する各種物質とよ
く調和し、耐酸性、耐熱性も大きいので、一般の飲食物
の甘味付、呈味改良に、また品質改良などに有利に利用
できる。
例えば、醤油、粉末醤油、味噌、粉末味噌、もろみ、
ひしお、ふりかけ、マヨネーズ、ドレッシング、食酢、
三杯酢、粉末すし酢、中華の素、天つゆ、麺つゆ、ソー
ス、ケチャップ、焼肉のタレ、カレールウ、シチューの
素、スープの素、ダシの素、複合調味料、みりん、新み
りん、テーブルシュガー、コーヒーシュガー、など各種
調味料として有利に使用できる。
また、例えば、せんべい、あられ、おこし、餅類、ま
んじゅう、ういろう、あん類、羊羹、水羊羹、錦玉、ゼ
リー、カステラ、飴玉などの各種和菓子、パン、ビスケ
ット、クラッカー、クッキー、パイ、プリン、バターク
リーム、カスタードクリーム、シュークリーム、ワッフ
ル、スポンジケーキ、ドーナツ、チョコレート、チュー
インガム、キャラメル、キャンデーなどの各種洋菓子、
アイスクリーム、シャーベットなどの氷菓、果実のシロ
ップ漬、氷蜜などのシロップ類、フラワーペースト、ピ
ーナッツペースト、フルーツペースト、スプレッドなど
のペースト類、ジャム、マーマレード、シロップ漬、糖
果などの果実、野菜の加工食品類、福神漬、べったら
漬、千枚漬、らっきょう漬などの漬物類、たくあん漬の
素、白菜漬の素などの漬物類、ハム、ソーセージなどの
畜肉製品類、魚肉ハム、魚肉ソーセージ、かまぼこ、ち
くわ、天ぷらなどの魚肉製品、ウニ、イカの塩辛、酢こ
んぶ、さきするめ、ふぐみりん干しなどの各種珍味類、
のり、山菜、するめ、小魚、貝などで製造されるつくだ
煮類、煮豆、ポテトサラダ、こんぶ巻などのそう菜食
品、乳製品、魚肉、畜肉、果実、野菜のビン詰、缶詰
類、合成酒、洋酒などの酒類、コーヒー、ココア、ジュ
ース、炭酸飲料、乳酸飲料、乳酸菌飲料などの清涼飲料
水、プリンミックス、ホットケーキミックス、即席しる
こ、即席スープなどの即席食品、更には、離乳食、治療
食、ドリンク剤などの各種飲食物への甘味付に、呈味改
良に、また、品質改良などに有利に利用できる。
また、家畜、家禽、その他蜂蜜、蚕、魚などの飼育動
物のために飼料、餌料などの嗜好性を向上させる目的で
使用することもできる。その他、タバコ、練歯磨、口
紅、リップクリーム、内服薬、錠剤、トローチ、肝油ド
ロップ、口中清涼剤、口中香剤、うがい薬など各種固形
状、ペースト状、液状などで嗜好物、化粧品、医薬品な
どの各種口中使用物への甘味剤として、または呈味改良
剤、矯味剤として、更には品質改良剤として有利に利用
できる。
以上述べたように、本発明でいう口中使用物とは、ネ
オトレハロースを含有せしめた飲料物、嗜好物、飼料、
餌料、化粧品、医薬品など経口摂取し、または口中使用
するもの全般を意味する。各種口中使用物にネオトレハ
ロースを含有せしめる方法は、その製品が完成するまで
の工程に含有せしめればよく、例えば、混和、混捏、溶
解、融解、浸漬、浸透、散布、塗布、被覆、噴霧、注
入、晶出、固化など公知の方法が適宜選ばれる。
以下、原料のラクトネオトレハロースを実験1で、本
発明のネオトレハロースを実験2で説明する。
実験 1 ラクトネオトレハロースの調製とその理化学
的性質 実験 1−1 ラクトネオトレハロースの調製 市販の乳糖50重量部およびデキストリン(DE8、松谷
化学工業株式会社販売、商品名パインデックス♯1)50
重量部を水150重量部に加熱溶解し、この溶液を温度60
℃、pH6.0にして、バチルス・ステアロサーモフィラス
由来のシクロマルトデキストリン・グルカノトランスフ
ェラーゼ(株式会社林原原生物化学研究所販売)をデキ
ストリングラム当り300単位加えて20時間反応させ、次
いで100℃に30分間加熱して、酵素を失活させた。この
溶液を温度55℃、pH5.0にしてグルコアミラーゼ(ナガ
セ生化学工業株式会社販売、商品名グルコチーム)をデ
キストリングラム当り15単位加えて16時間反応させ、次
いで100℃に15分間加熱して酵素を失活させた。本溶液
は、新規オリゴ糖、ラクトネオトレハロースを固形物当
り約24%含有していた。本溶液を活性炭で脱色し、イオ
ン交換樹脂(H型およびOH型)にて脱塩して精製し、濃
度約45%液に濃縮して、カラムクロマトグラフィーを行
ない、ラクトネオトレハロース高含有画分を採取した。
分画用樹脂は、塩型強酸性カチオン交換樹脂(オルガノ
株式会社販売、商品名アンバーライトXT−1016Na型)を
使用し、内径5.4cmのジャケット付ステンレス製カラム
に水懸濁状で充填した。その際、樹脂層長5mのカラム4
本を連続して樹脂層全長を約20mになるようにした。カ
ラム内温度を55℃に維持しつつ、原料の糖溶液を5V/V%
加え、これに55℃の温水をSV0.3の流速で流して分画
し、ラクトネオトレハロース高含有画分を採取した。こ
の方法を繰り返して採取されたラクトネオトレハロース
高含有液(固形物当りラクトネオトレハロースを約67%
含有)の一部をとり、濃度75%に濃縮し20℃に一夜放置
したところ、結晶が析出した。この結晶を前記ラクトネ
オトレハロース高含有液の濃度70%に濃縮した液に種晶
として加え、ゆっくり撹拌しながら助晶し、得られるマ
スキットを分蜜し、結晶に少量の水をスプレーして洗浄
して高純度の結晶を得、この結晶を水に溶解し、同様に
処理して再結晶化させ、純度99.8%以上の極めて高純度
の結晶を約3重量部採取した。
実験 1−2 ラクトネオトレハロースの理化学的性質 実験1−1の方法で調製したラクトネオトレハロース
の高純度結晶標品を用いて理化学的性質を調べた。
(1)元素分析 測定値 C=42.8% H=6.4% O=50.8% 理論値 C=42.86% H=6.39% O=50.75% (分子式:C18H32O16) (2)分子量 504.4 (3)融点 168.5乃至169.0℃ (4)比旋光度 ▲[α]20 D▼+82.6゜(c=2.0,H2O) (5)紫外線吸収 水溶液にして測定すると特徴ある吸収は示さない。
(6)赤外線吸収 結晶標品2mgと乾燥KBr200mgを撹拌、混合して透明な
タブレット(厚さ約0.6mm)を作製し、赤外吸収スペク
トルを測定した。結果は、図1に示す。
(7)溶解度 25℃で、水100gに対し21.7g溶ける。
(8)融解熱 20.0cal/g (9)物性、物質の色 真比重1.59の無色透明な結晶である。微結晶は白色粉
末状で蔗糖の約1/4の甘味度を有し、その味質は良好
で、臭いはない。吸湿性はなく、潮解しない。
また、60℃で16時間真空乾燥後の標品をカールフィッ
シャー法で水分を測定すると3.0%未満である。また、
水溶液から晶出した結晶例を顕微鏡写真で図2に示す。
なお、水溶液は中性乃至微酸性を示す。
(10)薬剤に対する溶解性 水、0.1N−NaOH、0.1N−HClに易溶。
メタノール、エタノールに難溶。
クロロホルム、酢酸エチルに不溶。
(11)呈色反応 アントロン−硫酸反応で緑色を呈する。
フェーリング氏液還元反応は陰性。
ヨウ素反応は陰性。
(12)構造 (a) 1N−硫酸で加水分解すると、D−グルコース2
モルとD−ガラクトース1モルを生成する。
(b) メチルヘキシトールアセテート化して得られる
糖をガスクロマトグラフィーで分析すると、1,5−ジ−
O−アセチル−2,3,4,6−テトラ−O−メチルグルシト
ール1モル、1,5−ジ−O−アセチル−2,3,4,6−テトラ
−O−メチルガラクチトール1モルおよび1,4,5−トリ
−O−アセチル−2,3,6−トリ−O−メチルグルシトー
ル1モルを生成する。
(c) 赤外線吸収スペクトルで、910cm-1附近にβ−
D−ガラクトピラノシル結合由来の吸収が、880乃至875
cm-1にβ−D−グルコピラノシル結合由来の吸収が、86
0乃至840cm-1にα−D−グルコピラノシル結合由来の吸
収がそれぞれ認められる。
(d) β−ガラクトシダーゼの作用により、D−ガラ
クトースとネオトレハロースとを生成する。
(e) α−グルコシダーゼの作用により、D−グルコ
ースとラクトースとを生成する。
(f) 炭素核磁気共鳴分析(13C−NMR)により、18本
13Cシグナルが得られ、本物質の18個の炭素はすべて
異なる化学シフトを示した。ゼイ・エイチ・ブラドバリ
ー(J.H.Bradbury)等がカーボハイドレート・リサーチ
(Carbohydrate Research)、第126巻、第125乃至156頁
(1984年)で報告している標準物質、β−D−ガラクト
ピラノース、β−D−グルコピラノース、およびα−D
−グルコピラノースの化学シフトより、各炭素を帰属
し、本物質は、O−β−D−ガラクトピラノシル−(1
→4)−O−β−D−グルコピラノシル α−D−グル
コピラノシドの構造を有しているものと判断される。
以上の結果より、本物質の化学構造は、次のようにも
示すことができる。
この構造から本物質をラクトネオトレハロースと命名
する。
(13)粉末X線回折 X線回折装置(理学電機株式会社販売、商品名ガイガ
ーフレックス RAD−II B、CuKα線使用)を用いて粉末
X線回折図形を求めた。結果は図3に示す。図3から明
らかなように、結晶ラクトネオトレハロースは、X線回
折図形における主な回折角(2θ)として、12.8゜、1
8.1゜、19.2゜、19.7゜および24.2゜を有する。
実験 2 ネオトレハロースの調製とその理化学的性質 実験 2−1 ネオトレハロースの調製 実験1−1の方法で得た結晶ラクトネオトレハロース
1重量部を水30重量部に加熱溶解し、温度40℃、pH4.5
とし、これにβ−ガラクトシダーゼ(ケイアイ化成株式
会社販売、商品名ラクターゼLP)をラクトネオトレハロ
ース グラム当り10単位加えて、20時間反応させ、次い
で、100℃で10分間加熱して酵素を失活させた。本溶液
には、ネオトレハロースとガラクトースとを固形物当り
それぞれ約66%、33%含有していた。本溶液を実験1−
1の場合と同様に脱色、脱塩して精製し、濃縮して、塩
型強酸性カチオン交換樹脂を用いるカラムクロマトグラ
フィーにかけ、ネオトレハロース高含有画分を採取し
た。
得られたネオトレハロース高含有液(固形物当りネオ
トレハロースを約88%含有)の一部をとり、濃度75%に
濃縮し、20℃に一夜放置したところ、結晶が析出した。
この結晶を前記ネオトレハロース高含有液の濃度70%に
濃縮した液に種晶として加え、ゆっくり撹拌しながら助
晶し、得られるマスキットを分蜜し、結晶に少量の水を
スプレーして洗浄して高純度の結晶を得、この結晶を水
に溶解し、同様に処理して再結晶化させ、純度99.8%以
上の極めて高純度の結晶を約0.15重量部採取した。
実験 2−2 ネオトレハロースの理化学的性質 実験2−1の方法で調製したネオトレハロースの高純
度結晶標品を用いて理化学的性質を調べた。
(1)元素分析 測定値 C=40.0% H=6.7% O=53.3% 理論値 C=40.00% H=6.71% O=53.29% (分子式:C12H22O11・H2O) (2)分子量 360.3 (3)融点 144.5乃至145℃ (4)比旋光度 ▲[α]20 D▼+93.9゜(c=2.0,H2O) (5)紫外線吸収 水溶液にして測定すると特徴ある吸収は示さない。
(6)赤外線吸収 結晶標品2mgと乾燥KBr200mgを撹拌、混合して透明な
タブレット(厚さ約0.6mm)を作製し、赤外線吸収スペ
クトルを測定した。結果は、図4に示す。
(7)溶解度 25℃で、水100gに対し、ネオトレハロース(無水物と
して)は、55.0g溶ける。
(8)物性、物質の色 無色透明な結晶である。微結晶は白色粉末状で蔗糖の
約1/3の甘味度を有し、その味質は深みがあり、臭いは
ない。
吸湿性はなく、潮解しない。
また、60℃で16時間真空乾燥後の標品をカールフィッ
シャー法で水分を測定すると約5.2%を示すことから、
本結晶は1含水結晶であると判断される。また、水溶液
から晶出した結晶例を顕微鏡写真で図5に示す。なお、
水溶液は中性乃至微酸性である。
(9)薬剤に対する溶解性 水、0.1N−NaOH、0.1N−HClに易溶。
メタノール、エタノールに難溶。
クロロホルム、酢酸エチルに不溶。
(10)呈色反応 アントロン−硫酸反応で緑色を呈する。
フェーリング氏液還元反応は陰性。
ヨウ素反応は陰性。
(11)構造 (a) 1N−硫酸で加水分解すると、標品1モルからD
−グルコース2モルを生成する。
(b) メチルヘキシトールアセテート化して得られる
糖をガスクロマトグラフィーで分析すると、1,5−ジ−
O−アセチル−2,3,4,6−テトラ−O−メチルグルシト
ールのみから成っており、グルコースの炭素1位で結合
しているものと判断される。
(c) 赤外線吸収スペクトルにおいて、880cm-1附近
にβ−D−グルコピラノシル結合由来の吸収が、840cm
-1附近にα−D−グルコピラノシル結合由来の吸収がそ
れぞれ認められる。
(d) α−グルコシダーゼの作用により、D−グルコ
ースを生成し、トレハラーゼの作用は受けない。
以上の結果より、本物質の化学構造は、次のようにも
示すことができる。
(12)粉末X線回折 X線回折装置(理学電機株式会社販売、商品名ガイガ
ーフレックス RAD−II B、CuKα線使用)を用いて粉末
X線回折図形を求めた。結果は図6に示す。
図6から明らかなように、結晶ネオトレハロースは、
X線回折図形における主な回折角(2θ)として、9.3
゜、15.8゜、18.9゜、20.6゜および22.7゜を有する。
実験 2−3 消化試験 実験2−1の方法で調製した結晶ネオトレハロースを
用いて、厚治等が臨床栄養、第41巻、第2号、第200〜2
08頁(1972年)で報告している方法に準じて、経口負荷
試験を行ない、経時的に採血して、血糖値並びにインス
リン値を測定した。対照としては、グルコースを用い
た。
その結果、ネオトレハロースは、グルコースの場合と
同様の挙動を示し、血糖値、インスリン値ともに約0.5
乃至1時間後に最大値を示した。
従って、ネオトレハロースは、容易に消化吸収されて
カロリー源になるものと判断される。
実験 2−4 急性毒性 7週齢のdd系マウスを使用して、実験2−1の方法で
調製した結晶ネオトレハロースを経口投与して急性毒性
テストをしたところ、マウス体重1kg当たり5gまでは死
亡例は見られず、これ以上の投与は困難であった。従っ
て、本物質の毒性は極めて低い。
以下、ラクトネオトレハロースの製造方法を参考例
で、本発明のネオトレハロースの製造方法を実施例A
で、本発明のネオトレハロースを含有せしめた口中使用
物を実施例Bで示す。
参考例 1 乳糖1重量部およびデキストリン(DE18、松谷化学工
業株式会社販売、商品名パインデックス♯4)2重量部
を水3.7重量部に加熱溶解し、この溶液を温度60℃、pH
5.6にして、バチルス・ステアロサーモフィラス由来の
シクロマルトデキストリン・グルカノトランスフェラー
ゼ(株式会社林原生物化学研究所販売)をデキストリン
グラム当り300単位加えて20時間反応させ、次いで加熱
して酵素を失活させた。本溶液を常法に従って、活性炭
にて脱色、イオン交換樹脂(H型およびOH型)にて脱塩
して精製し、濃縮して、濃度75%のシラップを固形物収
率約92%で得た。本品は、固形物当り約15%のラクトネ
オトレハロースを含有しており、温和な甘味、適度の粘
度、保湿性を有し、口中使用物などに有利に利用でき
る。
参考例 2 乳糖1重量部およびα−シクロデキストリン1.5重量
部を水4重量部に加熱溶解し、温度65℃、pH5.6にし
て、参考例1の場合と同じシクロマルトデキストリン・
グルカノトランスフェラーゼをシクロマルトデキストリ
ングラム当り200単位加えて24時間反応させ、酵素を加
熱失活させた。この溶液を温度55℃、pH5.6にして、β
−アミラーゼ(ナガセ生化学工業株式会社販売、商品名
β−アミラーゼ♯1500)をデキストリングラム当り10単
位加えて16時間反応させ、次いで、酵素を加熱失活させ
た。本溶液を参考例1同様に精製、濃縮して、濃度75%
のシラップを固形物収率約93%で得た。
本品は、固形物当り約25%のラクトネオトレハロース
を含有しており、参考例1の場合と同様に、温和な甘
味、適度の粘度、保湿性を有し、口中使用物などに有利
に利用できる。
参考例 3 濃度20%澱粉乳にα−アミラーゼ(ノボ・インダスト
リー ジャパン株式会社販売、商品名ターマミル 60L
を澱粉固形物当り0.15%加え、95乃至100℃に加熱して
液化し、酵素を加熱失活させてDE3の液化液を得た。本
液に固形物として澱粉質と等重量の乳糖を溶解し、温度
55℃、pH5.3にして、イソアミラーゼ(株式会社林原生
物化学研究所販売)を澱粉グラム当り50単位および参考
例1の場合と同じシクロマルトデキストリン・グルカノ
トランスフェラーゼを澱粉グラム当り300単位加えて24
時間反応させ、酵素を加熱失活させた。この溶液に水を
加えて濃度約25%に希釈した後、温度55℃、pH5.3に維
持して、グルコアミラーゼをデキストリングラム当り15
単位加えて16時間反応させ、次いで酵素を加熱失活させ
た。本溶液を参考例1と同様に精製、濃縮して濃度75%
のシラップを固形物収率約90%で得た。
本品は、固形物当り約34%のラクトネオトレハロース
を含有しており、参考例1の場合と同様に、温和な甘
味、適度の粘度、保湿性を有し、口中使用物などに有利
に利用できる。
参考例 4 参考例3の方法で調製したDE3の液化液に澱粉質に対
して2倍重量の乳糖を溶解し、温度60℃、pH5.6にし
て、シクロマルトデキストリン・グルカノトランスフェ
ラーゼを澱粉質グラム当り約100単位加えて48時間反応
させ、酵素を加熱失活させた。この溶液に参考例3と同
様にグルコアミラーゼを加えて反応させ、加熱失活させ
た。本溶液を参考例1と同様に精製、濃縮して濃度75%
液とし、助晶缶に入れ、乳糖の結晶を少量加えて助晶
し、遠心分離して結晶ラクトースを除去し、濃縮して濃
度75%のシラップを固形物収率約70%で得た。
本品は、固形物当り約35%のラクトネオトレハロース
を含有しており、参考例1の場合と同様に温和な甘味、
適度の粘度、保湿性を有し、口中使用物などに有利に利
用できる。
実施例 A−1 参考例1の方法で調製した固形物当り約15%のラクト
ネオトレハロース含有溶液を、濃度45%、温度40℃、pH
4.5とし、これにβ−ガラクトシダーゼ(商品名ラクタ
ーゼLP)をラクトネオトレハロース グラム当り15単位
加えて24時間反応させ、次いで酵素を加熱失活させた。
本溶液を、常法に従って、活性炭にて脱色、イオン交
換樹脂(H型およびOH型)にて脱塩して精製し、濃縮し
て、濃度75%のシラップを固形物収率約92%で得た。
本品は、固形物当り約10%のネオトレハロースを含有
しており、深みのある甘味、適度の粘度、保湿性を有
し、各種口中使用物に有利に利用できる。
実施例 A−2 参考例2の方法で調製した固形物当り約25%のラクト
ネオトレハロース含有溶液を、濃度約40%、温度45℃、
pH7.2とし、これにβ−ガラクトシダーゼ(ノボ・イン
ダストリー ジャパン株式会社販売、商品名ラクトザイ
ム3000L)をラクトネオトレハロース グラム当り10単
位加えて20時間反応させ、次いで酵素を加熱失活させ
た。
本溶液を実施例A−1と同様に精製、濃縮して、濃度
75%のシラップを固形物収率約93%で得た。本品は、固
形物当り約16%のネオトレハロースを含有しており、実
施例A−1の場合と同様に、深みのある甘味、適度の粘
度、保湿性を有し、各種口中使用物に有利に利用でき
る。
実施例 A−3 参考例3の方法で調製した固形物当り約34%のラクト
ネオトレハロース含有溶液を、濃度約35%、温度40℃、
pH4.5とし、これにβ−ガラクトシダーゼを実施例A−
1の場合と同様に反応させ、次いで酵素を加熱失活させ
た。本溶液を実施例A−1と同様に精製、濃縮して、濃
度75%のシラップを固形物収率約94%で得た。本品は、
固形物当り約22%のネオトレハロースを含有しており、
実施例A−1と同様に深みのある甘味、適度の粘度、保
湿性を有し、各種口中使用物に有利に利用できる。
実施例 A−4 参考例4の方法で調製した固形物当り約35%のラクト
ネオトレハロース含有溶液を、濃度約35%、温度45℃、
pH7.2とし、これにβ−ガラクトシダーゼを実施例A−
2の場合と同様に反応させ、次いで酵素を加熱失活させ
た。
本溶液を実施例A−1と同様に精製、濃縮して、濃度
75%のシラップを固形物収率約94%で得た。本品は、固
形物当り約22%のネオトレハロースを含有しており、実
施例A−1と同様に深みのある甘味、適度の粘度、保湿
性を有し、各種口中使用物に有利に利用できる。
実施例 A−5 実験2−1の方法で反応、精製した固形物当り約66%
のネオトレハロース含有溶液を原料糖液とし、これを濃
縮して濃度約45%にした。本液のネオトレハロース含量
を高めるため、分画用樹脂として、塩型強酸性カチオン
交換樹脂(ダウケミカル社販売、商品名ダウエックス50
W×4、Ca型)を用いた以外は、実験1−1の方法に従
ってカラムクロマトグラフィーを行ない、ネオトレハロ
ース高含有画分を採取した。本高含有液は、固形物当り
約85%のネオトレハロースを含有していた。本溶液を濃
度約83%に濃縮して助晶缶にとり、種晶約1%を混合し
た後、バットにとり、20℃で4日間静置して晶出固化さ
せ、次いで切削型粉砕機にて粉砕し、乾燥して含密型結
晶ネオトレハロース粉末を固形物収率約70%で得た。本
品は、実質的に吸湿性を示さず、取り扱いが容易であ
り、甘味料、呈味改良剤、品質改良剤、安定剤などとし
て各種口中使用物に有利に利用できる。
実施例 A−6 実施例A−4の方法で反応、精製した固形物当り約22
%のネオトレハロース含有溶液を原料糖液とし、本液の
ネオトレハロース含量を高めるため、実施例A−5の方
法に従ってカラムクロマトグラフィーを行ないネオトレ
ハロース高含有画分を採取した。本高含有液は、固形物
当り約75%のネオトレハロースを含有していた。本溶液
を濃度約77%に濃縮した後、助晶缶にとり、種晶約2%
を加えて徐冷し、晶出率約35%のマスキットを得た。本
マスキットを乾燥塔上のノズルより150kg/cm2の高圧に
て噴霧した。これと同時に85℃の熱風を乾燥塔の上部よ
り送風して底部に設けた移送金網コンベア上に捕集し、
コンベアの下より45℃の温風を送りつつ、金網コンベア
上に捕集した結晶粉末を乾燥塔外に徐々に移動させ、取
り出した。この取り出した結晶粉末を、熟成塔に充填し
て温風を送りつつ10時間熟成させ、結晶化と乾燥を完了
し、含密型結晶ネオトレハロース粉末を固形物収率約25
%で得た。
本品は、実質的に吸湿性を示さず、取り扱いが容易で
あり、甘味料、呈味改良剤、品質改良剤、安定剤などと
して各種口中使用物に有利に利用できる。
実施例 A−7 実験2−1の方法で反応、精製した固形物当り約66%
のネオトレハロース含有溶液を濃度約75%に濃縮して助
晶缶にとり、種晶粉末約1%を加え、撹拌しつつ徐冷、
晶出し、ついでバスケット型遠心分離機で分蜜し、結晶
を少量の水でスプレーし、洗浄して高純度の結晶ネオト
レハロースを固形物収率約35%で得た。
本品は、実験2−2と同様の理化学的性質を示し、甘
味料、呈味改良剤、品質改良剤、安定剤などとして各種
口中使用物に有利に利用できる。更には、工業試薬、化
学原料などに利用することも有利に実施できる。
実施例 B−1 甘味料 実施例A−6の方法で得た結晶ネオトレハロース粉末
1重量部に、α−グリコシルステビオシド(東洋精糖株
式会社販売、商品名αGスイート)0.05重量部を均一に
混合し、顆粒成形機にかけて、顆粒状甘味料を得た。本
品は、甘味の質が優れ、蔗糖の約2倍の甘味度を有し、
甘味度当りカロリーは、蔗糖の約1/2に低下している。
本甘味料は、低カロリー甘味料として、カロリー摂取を
制限している肥満者、糖尿病者などのための低カロリー
飲食物などに対する甘味付に好適である。
また、本甘味料は、虫歯誘発菌による酸の生成が少な
く、不溶性グルカンの生成も少ないことより、虫歯を抑
制する飲食物などに対する甘味付にも好適である。
実施例 B−2 ハードキャンデー 濃度55%蔗糖溶液100重量部に実施例A−2の方法で
得たネオトレハロース含有シラップ30重量部を加熱混合
し、次いで減圧下で水分2%未満になるまで加熱濃縮
し、これにクエン酸1重量部および適量のレモン香料と
着色料とを混和し、常法に従って成形し、製品を得た。
本品は、歯切れ、呈味良好で、蔗糖の晶出も起こらな
い高品質のハードキャンデーである。
実施例 B−3 いちごジャム 生いちご150重量部、蔗糖60重量部、マルトース20重
量部、実施例A−4の方法で得たネオトレハロース含有
シラップ40重量部、ペクチン5重量部およびクエン酸1
重量部をなべで煮詰め、ビン詰めして製品を得た。
本品は、風味、色調とも良好なジャムである。
実施例 B−4 乳酸飲料 脱脂乳10重量部を80℃で20分間加熱殺菌した後、40℃
に冷却し、これにスターター0.3重量部を加えて約37℃
で10時間醗酵させた。次いで、これをホモゲナイズした
後、実施例A−5の方法で得た結晶ネオトレハロース粉
末4重量部、蔗糖1重量部および異性化糖シラップ2重
量部を加えて70℃に保って殺菌した。これを冷却し、適
量の香料を加え、ビン詰めして製品を得た。
本品は、風味、甘味が酸味とよく調和した高品質の乳
酸飲料である。
実施例B−5 加糖練乳 原乳100重量部に実施例A−1の方法で得たネオトレ
ハロース含有シラップ3重量部および蔗糖1重量部を溶
解し、プレートヒーターで加熱殺菌し、次いで濃度約70
%に濃縮し、無菌状態で缶詰めして製品を得た。
本品は、温和な甘味で、風味もよく、乳幼児食品、フ
ルーツ、コーヒー、ココア、紅茶などの調味用に有利に
利用できる。
実施例 B−6 粉末ジュース 噴霧乾燥により製造したオレンジ果汁粉末33重量部に
対し、実施例A−7の方法で得た結晶ネオトレハロース
50重量部、蔗糖10重量部、無水クエン酸0.65重量部、リ
ンゴ酸0.1重量部、L−アスコルビン酸0.1重量部、クエ
ン酸ソーダ0.1重量部、プルラン0.5重量部、粉末香料適
量をよく混合撹拌し、粉砕し微粉末にしてこれを流動層
造粒機に仕込み、排風温度40℃、風量毎分150m3とし、
これに、実施例A−5の方法で得たネオトレハロース高
含有溶液をバインダーとしてスプレーし、30分間造粒
し、計量、包装して製品を得た。
本品は、果汁含有率約30%の粉末ジュースである。ま
た、本品は異味、異臭がなく、吸湿固結も起こさず長期
に安定であった。
実施例 B−7 チョコレート カカオペースト40重量部、カカオバター10重量部、実
施例A−7の方法で得た結晶ネオトレハロース50重量部
を混合してレファイナーに通して粒度を下げた後、コン
チェに入れて50℃で2昼夜練り上げる。この間に、レシ
チン0.5重量部を加え充分に混和分散させた。次いで、
温度調節機で31℃に調節し、バターの固まる直前に型に
流し込み、振動機でアワ抜きを行ない、10℃の冷却トン
ネルを20分間くぐらせて固化させた。これを型抜きして
包装し製品を得た。
本品は、吸湿性がなく、色、光沢共によく、内部組織
も良好で、口中でなめらかに溶け、上品な甘味とまろや
かな風味を有する。
実施例 B−8 チューインガム ガムベース3重量部を柔らかくなる程度に加熱溶融
し、これに蔗糖4重量部および実施例A−6の方法で得
た結晶ネオトレハロース粉末3重量部とを加え、更に適
量の香料と着色料とを混合し、常法に従って、ロールに
より練り合わせ、成形、包装して製品を得た。
本品は、テクスチャー、風味とも良好なチューインガ
ムである。
実施例 B−9 カスタードクリーム コーンスターチ100重量部、実施例A−4の方法で得
たネオトレハロース含有シラップ100重量部、マルトー
ス80重量部、蔗糖20重量部および食塩1重量部を充分に
混合し、鶏卵280重量部を加えて撹拌し、これに沸騰し
た牛乳1,000重量部を徐々に加え、更に、これを火にか
けて撹拌を続け、コーンスターチが完全に糊化して全体
が半透明になった時に火を止め、これを冷却して適量の
バニラ香料を加え、計量、充填、包装して製品を得た。
本品は、なめらかな光沢を有し、温和な甘味で美味で
ある。
実施例 B−10 ういろうの素 米粉90重量部に、コーンスターチ20重量部、実施例A
−5の方法で得た結晶ネオトレハロース粉末120重量
部、プルラン4重量部を均一に混合してういろうの素を
製造した。ういろうの素と適量の抹茶と水とを混練し、
これを容器に入れて60分間蒸し上げて抹茶ういろうを製
造した。
本品は、照り、口当りも良好で、風味も良い。また、
澱粉の老化も抑制され、日持ちもよい。
実施例 B−11 インターフェロン錠剤 ヒト天然型インターフェロン−α標品(株式会社林原
生物化学研究所製造、コスモ・バイオ株式会社販売)
を、常法に従って、固定化抗ヒトインターフェロン−α
抗体カラムにかけ、該標品に含まれるヒト天然型インタ
ーフェロン−αを吸着させ、安定剤である牛血清アルミ
ブミンを素通りさせて除去し、次いで、pHを変化させ
て、ヒト天然型インターフェロン−αを実施例A−7の
方法で得た結晶ネオトレハロースを5%含有する生理食
塩水を用いて溶出した。本液を精密濾過し、約20倍量の
無水結晶マルトース粉末(株式会社林原商事販売、商品
名ファイントース )に加えて脱水、粉末化し、これを
打錠機にて打錠し、1錠(約200g)当りヒト天然型イン
ターフェロン−αを約150単位含有する錠剤を得た。
本品は、舌下錠などとして、1日当り、大人1乃至10
錠程度が経口的に投与され、ウイルス性疾患、アレルギ
ー性疾患、リューマチ、糖尿病、悪性腫瘍などの治療に
有利に利用できる。とりわけ、近年、患者数の急増して
いるエイズ、肝炎などの治療剤として有利に利用でき
る。本品は、ネオトレハロースと共にマルトースが安定
剤として作用し、室温で放置してもその活性を長期間よ
く維持する。
実施例 B−12 糖衣錠 重量150mgの素錠を芯剤とし、これに実施例A−7の
方法で得た結晶ネオトレハロース40重量部、プルラン
(平均分子量20万)2重量部、水30重量部、タルク25重
量部および酸化チタン3重量部からなる下掛け液を用い
て錠剤重量が約230mgになるまで糖衣し、次いで、同じ
結晶ネオトレハロース65重量部、プルラン1重量部およ
び水34重量部からなる上掛け液を用いて、糖衣し、更
に、ロウ液で艶出しして光沢のある外観の優れた糖衣錠
を得た。
本品は、糖衣掛け時の作業性が優れているだけでな
く、耐衝撃性にも優れており、高品質を長期間維持す
る。
[発明の効果] 上記から明らかなように、新規糖質、ラクトネオトレ
ハロースにβ−ガラクトシダーゼを作用させて得られる
ネオトレハロースは、その生成率が高く、分離、精製も
容易である。このようにして得られるネオトレハロース
は非還元性オリゴ糖で、極めて安定であり、良質で深み
のある甘味を有している。また、経口摂取により消化吸
収され、カロリー源となる糖質である。結晶ネオトレハ
ロースは、水に溶解し易いにもかかわらず、実質的に難
吸湿性でその取扱いが容易である。
更に、ネオトレハロースは、化学的に安定であるのに
加えて、浸透圧調節性、賦形性、照り付与性、保湿性、
粘性、他糖の晶出防止、難醗酵性などの性質を具備して
いる。これら諸性質は、各種口中使用物の製造に有利に
利用できる。
従って、本発明のネオトレハロースの製造方法とそれ
を含有せしめた口中使用物の確立は、食品、化粧品、医
薬品分野における工業的意義が極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
図1は、結晶ラクトネオトレハロースの赤外線吸収スペ
クトルをしめす。 図2は、結晶ラクトネオトレハロースにおける結晶構造
の一例を示す顕微鏡写真(×50倍拡大)である。 図3は、結晶ラクトネオハロースの粉末X線回折図形を
示す。 図4は、結晶ネオトレハロースの赤外線吸収スペクトル
を示す。 図5は、結晶ネオトレハロースにおける結晶構造の一例
を示す顕微鏡写真(×125倍拡大)である。 図6は、結晶ネオトレハロースの粉末X線回折図形を示
す。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ラクトネオトレハロースにβ−ガラクトシ
    ダーゼを作用させてネオトレハロースを生成せしめ、こ
    れを採取することを特徴とするネオトレハロースの製造
    方法。
  2. 【請求項2】ラクトネオトレハロースにβ−ガラクトシ
    ダーゼを作用させてネオトレハロースを生成せしめ、こ
    れを精製、濃縮して、ネオトレハロースを晶出、採取す
    ることを特徴とする結晶ネオトレハロースの製造方法。
  3. 【請求項3】ラクトネオトレハロースにβ−ガラクトシ
    ダーゼを作用させ、得られるネオトレハロースおよびガ
    ラクトースを含有する水溶液を塩型強酸性カチオン交換
    樹脂を用いるカラムクロマトグラフィーにかけ、ネオト
    レハロース高含有画分を採取し、これを濃縮して、ネオ
    トレハロースを晶出、採取することを特徴とする結晶ネ
    オトレハロースの製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3のいずれかに記載の製造
    方法によってネオトレハロースまたは結晶ネオトレハロ
    ースを製造する工程と、このようにして製造されたネオ
    トレハロースまたは結晶ネオトレハロースを含有せしめ
    る工程とを有する口中使用物の製造方法。
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