JPH05252974A - ツラノースの製造方法とその用途 - Google Patents
ツラノースの製造方法とその用途Info
- Publication number
- JPH05252974A JPH05252974A JP10154192A JP10154192A JPH05252974A JP H05252974 A JPH05252974 A JP H05252974A JP 10154192 A JP10154192 A JP 10154192A JP 10154192 A JP10154192 A JP 10154192A JP H05252974 A JPH05252974 A JP H05252974A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- turanose
- weight
- parts
- fructose
- starch
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 グルコースとフラクトースとからなる還元性
二糖類で上品で良質な甘味を有するツラノースの工業的
製造方法とその用途の確立を目的とする。 【構成】 本発明は、澱粉質とフラクトースとを含有す
る水溶液にシクロマルトデキストリン・グルカノトラン
スフェラーゼまたは糖化型α−アミラーゼを作用させて
ツラノースを生成せしめ、これを採取することを特徴と
するツラノースの製造方法、さらに、その製造方法で得
られたツラノースを含有せしめた組成物に関するものを
構成としている。本発明により得られるツラノースは、
上品で良質な甘味性に加えて、浸透圧調節性、賦型性、
照り付与性、保湿性、粘性、他糖の晶出防止性、難発酵
性などの諸性質を具備している。これらの諸性質は、そ
れを含有せしめた組成物の製造に有利に利用できる。
二糖類で上品で良質な甘味を有するツラノースの工業的
製造方法とその用途の確立を目的とする。 【構成】 本発明は、澱粉質とフラクトースとを含有す
る水溶液にシクロマルトデキストリン・グルカノトラン
スフェラーゼまたは糖化型α−アミラーゼを作用させて
ツラノースを生成せしめ、これを採取することを特徴と
するツラノースの製造方法、さらに、その製造方法で得
られたツラノースを含有せしめた組成物に関するものを
構成としている。本発明により得られるツラノースは、
上品で良質な甘味性に加えて、浸透圧調節性、賦型性、
照り付与性、保湿性、粘性、他糖の晶出防止性、難発酵
性などの諸性質を具備している。これらの諸性質は、そ
れを含有せしめた組成物の製造に有利に利用できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はツラノースの製造方法と
その用途に関し、詳細には澱粉質とフラクトースにシク
ロマルトデキスリン・グルカノトランスフェラーゼまた
は糖化型α−アミラーゼを作用させて、ツラノースを生
成せしめ、これを採取することを特徴とするツラノース
の製造方法と、そのツラノースを含有せしめた飲食物、
化粧品、医薬品などの組成物に関する。
その用途に関し、詳細には澱粉質とフラクトースにシク
ロマルトデキスリン・グルカノトランスフェラーゼまた
は糖化型α−アミラーゼを作用させて、ツラノースを生
成せしめ、これを採取することを特徴とするツラノース
の製造方法と、そのツラノースを含有せしめた飲食物、
化粧品、医薬品などの組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ツラノースは、式:3−O−α−D−グ
ルコピラノシル−D−フラクトース、で示される二糖類
で古くから知られている。この糖質は、松の葉、蜂蜜な
どの天然界に存在し、甘味を有し、水に易溶性であり、
各種飲料、加工食品、嗜好物などの口中使用物に有利に
利用しうることが期待される。
ルコピラノシル−D−フラクトース、で示される二糖類
で古くから知られている。この糖質は、松の葉、蜂蜜な
どの天然界に存在し、甘味を有し、水に易溶性であり、
各種飲料、加工食品、嗜好物などの口中使用物に有利に
利用しうることが期待される。
【0003】ツラノースを製造する方法は、例えば、ユ
ージン パッツ(Eugene Paesu)がメソッ
ド イン カーボハイドレイト ケミストリー(Met
hods in carbohydrate chem
istry)、第353乃至357頁、(1962年)
で記載しているように、メレチトースを酸分解して調製
している。この報告によれば、メレチトース(300
g)の19%水溶液に少量の硫酸を加え、沸騰水浴中で
15分間保ち、中和後、生じたグルコースとツラノース
の含有溶液に酵母を加え、発酵によりグルコースを除去
した後、精製、濃縮し、得られるシラップにメタノール
を添加してツラノースの結晶を187g得ている。 こ
の方法では原料メレチトースに対する収率が60%以上
と非常に高い。
ージン パッツ(Eugene Paesu)がメソッ
ド イン カーボハイドレイト ケミストリー(Met
hods in carbohydrate chem
istry)、第353乃至357頁、(1962年)
で記載しているように、メレチトースを酸分解して調製
している。この報告によれば、メレチトース(300
g)の19%水溶液に少量の硫酸を加え、沸騰水浴中で
15分間保ち、中和後、生じたグルコースとツラノース
の含有溶液に酵母を加え、発酵によりグルコースを除去
した後、精製、濃縮し、得られるシラップにメタノール
を添加してツラノースの結晶を187g得ている。 こ
の方法では原料メレチトースに対する収率が60%以上
と非常に高い。
【0004】しかしながら、原料のメレチトースは天然
界で、アリマキの分泌する蜜などに含まれることが知ら
れているものの、これを原料にしてツラノースを工業的
に製造することはきわめて困難である。また、ツラノー
スの生化学的な製造方法として、千葉らがアグリカルチ
ュラル アンド バイオロジカル ケミストリー(Ag
ricultural and Biological
Chemistry) 第35巻、第1292乃至1
297頁、(1971年)に記載している。
界で、アリマキの分泌する蜜などに含まれることが知ら
れているものの、これを原料にしてツラノースを工業的
に製造することはきわめて困難である。また、ツラノー
スの生化学的な製造方法として、千葉らがアグリカルチ
ュラル アンド バイオロジカル ケミストリー(Ag
ricultural and Biological
Chemistry) 第35巻、第1292乃至1
297頁、(1971年)に記載している。
【0005】この報告によれば、ビール酵母由来のα−
グルコシダーゼ(EC 3.2.1.20)をフェニー
ル−α−グルコシドとフラクトースとの混合溶液に作用
させることにより、マルツロースとともにツラノースが
微量生成することが示されている。この方法もフェニー
ル−α−グルコシドの大量入手が困難であり、加えて、
目的のツラノースの生成量が低いので工業的製造方法と
しては不適である。また、岡田らは、特公昭49−37
251号公報で、また平尾らは、特公昭49−4095
0号公報で、澱粉液化液とフラクトースの混合溶液にバ
チルス・マセランス(Bacillus macera
ns)の酵素を作用させることにより、オリゴ糖分子の
還元性末端にフラクトースを結合した各種重合度のオリ
ゴ糖混合物が生成することを開示している。
グルコシダーゼ(EC 3.2.1.20)をフェニー
ル−α−グルコシドとフラクトースとの混合溶液に作用
させることにより、マルツロースとともにツラノースが
微量生成することが示されている。この方法もフェニー
ル−α−グルコシドの大量入手が困難であり、加えて、
目的のツラノースの生成量が低いので工業的製造方法と
しては不適である。また、岡田らは、特公昭49−37
251号公報で、また平尾らは、特公昭49−4095
0号公報で、澱粉液化液とフラクトースの混合溶液にバ
チルス・マセランス(Bacillus macera
ns)の酵素を作用させることにより、オリゴ糖分子の
還元性末端にフラクトースを結合した各種重合度のオリ
ゴ糖混合物が生成することを開示している。
【0006】しかしながら、その転移生成物の構造は明
らかにされていない。以上のようにツラノースの工業的
大量製造方法は確立されておらず、わずかに、標準物質
としての試薬が市販されているのみであり、未だ飲食
物、化粧品、医薬品などに使用されるに至っていない。
らかにされていない。以上のようにツラノースの工業的
大量製造方法は確立されておらず、わずかに、標準物質
としての試薬が市販されているのみであり、未だ飲食
物、化粧品、医薬品などに使用されるに至っていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】安全で、容易かつ高収
率なツラノースの工業的製造方法とその用途の確立が望
まれる。
率なツラノースの工業的製造方法とその用途の確立が望
まれる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ツラノース
の工業的製造方法とその用途の確立を目指し、鋭意研究
を続けてきた。その結果、澱粉質とフラクトースとを含
有する水溶液にシクロマルトデキストリン・グルカノト
ランスフェラーゼまたは糖化型α−アミラーゼを作用さ
せることにより、ツラノースを生成し、これを採取する
ことによりツラノースが容易に製造しうることを見い出
し、更に、このツラノースを含有せしめた飲食物、化粧
品、医薬品などの組成物を確立して、本発明を完成し
た。
の工業的製造方法とその用途の確立を目指し、鋭意研究
を続けてきた。その結果、澱粉質とフラクトースとを含
有する水溶液にシクロマルトデキストリン・グルカノト
ランスフェラーゼまたは糖化型α−アミラーゼを作用さ
せることにより、ツラノースを生成し、これを採取する
ことによりツラノースが容易に製造しうることを見い出
し、更に、このツラノースを含有せしめた飲食物、化粧
品、医薬品などの組成物を確立して、本発明を完成し
た。
【0009】本発明に利用する澱粉質としては、澱粉ま
たはその部分分解物であって、通常DE70以下のもの
が適しており、例えば、糊化澱粉、液化澱粉、可溶性澱
粉、澱粉部分分解物、などが適宜使用ざれる。原料の澱
粉としては、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、甘藷澱粉など
の地下澱粉、トウモロコシ澱粉、コムギ澱粉、コメ澱粉
等の地上澱粉が適宜採用される。
たはその部分分解物であって、通常DE70以下のもの
が適しており、例えば、糊化澱粉、液化澱粉、可溶性澱
粉、澱粉部分分解物、などが適宜使用ざれる。原料の澱
粉としては、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、甘藷澱粉など
の地下澱粉、トウモロコシ澱粉、コムギ澱粉、コメ澱粉
等の地上澱粉が適宜採用される。
【0010】澱粉部分分解物としては、アミロース、デ
キストリン、シクロマルトデキストリンなどだけでな
く、マルトース、マルトトリオース、マルトテトラオー
ス、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルト
ヘプタオース、マルトオクタオースなどから選ばれる1
種または2種以上のマルトオリゴ糖も適宜採用される。
キストリン、シクロマルトデキストリンなどだけでな
く、マルトース、マルトトリオース、マルトテトラオー
ス、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルト
ヘプタオース、マルトオクタオースなどから選ばれる1
種または2種以上のマルトオリゴ糖も適宜採用される。
【0011】フラクトースは、市販品が適宜使用され
る。必要ならば、異性化糖などに含まれた状態のフラク
トースを使用することもできる。シクロマルトデキスト
リン・グルカノトランスフェラーゼ(EC 2.4.
1.19)としては、公知のバチルス(Bacillu
s)属、クレブシーラ(Klebsiella)属など
に属する微生物由来の酵素が適宜使用される。
る。必要ならば、異性化糖などに含まれた状態のフラク
トースを使用することもできる。シクロマルトデキスト
リン・グルカノトランスフェラーゼ(EC 2.4.
1.19)としては、公知のバチルス(Bacillu
s)属、クレブシーラ(Klebsiella)属など
に属する微生物由来の酵素が適宜使用される。
【0012】糖化型α−アミラーゼ(EC 3.2.
1.1)としては、例えば、バチルス(Bacillu
s)属などに属する微生物由来の酵素が使用される。糖
転移反応方法は、ツラノースを生成しうる方法であれば
よく、使用する酵素によって適宜選ばれる。例えば、バ
チルス属に属する微生物由来のシクロマルトデキストリ
ン・グルカノトランスフェラーゼを使用する場合には、
澱粉質とフラクトースとを含有する水溶液に、酵素を澱
粉質固形物グラム当たり1乃至1000単位、望ましく
は50乃至500単位を作用させて、ツラノースを生成
させればよい。
1.1)としては、例えば、バチルス(Bacillu
s)属などに属する微生物由来の酵素が使用される。糖
転移反応方法は、ツラノースを生成しうる方法であれば
よく、使用する酵素によって適宜選ばれる。例えば、バ
チルス属に属する微生物由来のシクロマルトデキストリ
ン・グルカノトランスフェラーゼを使用する場合には、
澱粉質とフラクトースとを含有する水溶液に、酵素を澱
粉質固形物グラム当たり1乃至1000単位、望ましく
は50乃至500単位を作用させて、ツラノースを生成
させればよい。
【0013】この際、フラクトースに対する澱粉質の重
量比は、通常、0.1乃至100倍、望ましくは、0.
2乃至20倍が好適である。澱粉質の濃度は1乃至70
W/W%(以下、本明細書では、特にことわらない限
り、W/W%を%と略記する。)、望ましくは20乃至
60%、温度20乃至80℃、pH3乃至9、反応時間
1乃至100時間から選ばれる条件で反応させればよ
い。必要に応じてさらに、酵素を固定化して繰り返し利
用することも随意である。また、このようにして得られ
たツラノース含有反応液にグルコアミラーゼ、またはβ
−アミラーゼ作用させることにより、ツラノース、α−
グルコシル ツラノース等を蓄積させることも出来る。
量比は、通常、0.1乃至100倍、望ましくは、0.
2乃至20倍が好適である。澱粉質の濃度は1乃至70
W/W%(以下、本明細書では、特にことわらない限
り、W/W%を%と略記する。)、望ましくは20乃至
60%、温度20乃至80℃、pH3乃至9、反応時間
1乃至100時間から選ばれる条件で反応させればよ
い。必要に応じてさらに、酵素を固定化して繰り返し利
用することも随意である。また、このようにして得られ
たツラノース含有反応液にグルコアミラーゼ、またはβ
−アミラーゼ作用させることにより、ツラノース、α−
グルコシル ツラノース等を蓄積させることも出来る。
【0014】以上述べたような、酵素反応によって生成
されるツラノース含有溶液は、通常、固形物当たり、ツ
ラノースを1%乃至45%程度含有しており、これを濾
過、精製して液状で利用することも、また、濃縮してシ
ラップ状で利用することも、更に、乾燥して固状で利用
することも随意である。一般的には、ツラノースの特長
を活かすために、ツラノース含有溶液を、さらに、分
離、精製して、ツラノース高含有物にして利用される。
されるツラノース含有溶液は、通常、固形物当たり、ツ
ラノースを1%乃至45%程度含有しており、これを濾
過、精製して液状で利用することも、また、濃縮してシ
ラップ状で利用することも、更に、乾燥して固状で利用
することも随意である。一般的には、ツラノースの特長
を活かすために、ツラノース含有溶液を、さらに、分
離、精製して、ツラノース高含有物にして利用される。
【0015】その方法としては、例えば、酵母発酵法、
膜濾過法、分別沈殿法、結晶化法、カラムクロマトグラ
フィーなどにより夾雑糖類を分離除去する方法が適宜採
用できる。とりわけ、特開昭58−23799号公報、
特開昭58−72598号公報などに開示されている塩
型強酸性カチオン交換樹脂を用いるカラムクロマトグラ
フィーにより、夾雑糖類を除去してツラノース高含有画
分を採取する方法は有利に実施出来る。この際、固定床
方式、移動床方式、擬似移動床方式のいずれの方式を採
用することも随意である。また、このようにして得られ
るツラノース高含有液を濃縮して高濃度溶液にし、結晶
ツラノースを製造することも随意である。
膜濾過法、分別沈殿法、結晶化法、カラムクロマトグラ
フィーなどにより夾雑糖類を分離除去する方法が適宜採
用できる。とりわけ、特開昭58−23799号公報、
特開昭58−72598号公報などに開示されている塩
型強酸性カチオン交換樹脂を用いるカラムクロマトグラ
フィーにより、夾雑糖類を除去してツラノース高含有画
分を採取する方法は有利に実施出来る。この際、固定床
方式、移動床方式、擬似移動床方式のいずれの方式を採
用することも随意である。また、このようにして得られ
るツラノース高含有液を濃縮して高濃度溶液にし、結晶
ツラノースを製造することも随意である。
【0016】結晶ツラノースを製造する方法は、通常、
飽和度が1.05乃至2.0程度で、具体的に述べれ
ば、ツラノース含量が固形物当たり50%以上の糖質を
濃度約60%乃至95%溶液とし、その溶液温度を、溶
液が凍結せず、また、結晶融点以下の温度、例えば約1
0乃至120℃で晶出させればよい。
飽和度が1.05乃至2.0程度で、具体的に述べれ
ば、ツラノース含量が固形物当たり50%以上の糖質を
濃度約60%乃至95%溶液とし、その溶液温度を、溶
液が凍結せず、また、結晶融点以下の温度、例えば約1
0乃至120℃で晶出させればよい。
【0017】また、晶出方法は、通常、40乃至100
℃の比較的高温の過飽和ツラノース溶液を助晶缶に取
り、望ましくは、これに、種晶を0.1乃至20%共存
せしめて、ゆっくり撹拌しつつ徐冷し、晶出を促してマ
スキットにすればよい。晶出したマスキットから結晶ツ
ラノースを製造する方法は、結晶ツラノースが採取でき
ればよく、例えば、分蜜方法、ブロック粉砕方法、流動
造粒方法、噴霧乾燥方法など公知方法を採用すればよ
い。
℃の比較的高温の過飽和ツラノース溶液を助晶缶に取
り、望ましくは、これに、種晶を0.1乃至20%共存
せしめて、ゆっくり撹拌しつつ徐冷し、晶出を促してマ
スキットにすればよい。晶出したマスキットから結晶ツ
ラノースを製造する方法は、結晶ツラノースが採取でき
ればよく、例えば、分蜜方法、ブロック粉砕方法、流動
造粒方法、噴霧乾燥方法など公知方法を採用すればよ
い。
【0018】例えば、分蜜方法は、マスキットをバスケ
ット型遠心分離機にかけ、結晶ツラノースと蜜とを分離
する方法で、必要により、結晶に少量の冷水をスプレー
して洗浄することも容易であり、より高純度の結晶ツラ
ノースを製造するのに好適である。他の三つの方法は、
蜜を分離しないので、得られる含蜜結晶にツラノース純
度の向上は望めないものの、製品収量の多い特長を有し
ている。従って、これら製品の場合には、結晶以外に蜜
成分として各種糖質を含有している。この成分は、原料
に用いるフラクトース、澱粉質やグルコース、マルトー
ス、マルトトリオースなどの澱粉分解物を含んでいる。
ット型遠心分離機にかけ、結晶ツラノースと蜜とを分離
する方法で、必要により、結晶に少量の冷水をスプレー
して洗浄することも容易であり、より高純度の結晶ツラ
ノースを製造するのに好適である。他の三つの方法は、
蜜を分離しないので、得られる含蜜結晶にツラノース純
度の向上は望めないものの、製品収量の多い特長を有し
ている。従って、これら製品の場合には、結晶以外に蜜
成分として各種糖質を含有している。この成分は、原料
に用いるフラクトース、澱粉質やグルコース、マルトー
ス、マルトトリオースなどの澱粉分解物を含んでいる。
【0019】ブロック粉砕方法の場合には、通常、濃度
75乃至95%、晶出率10乃至60%程度のマスキッ
トを0.5乃至5日間程度静置して全体をブロック状に
晶出固化させ、これを破砕または切削などによって粉砕
し乾燥して、難吸湿性の含蜜結晶粉末を得る。また、噴
霧乾燥方法の場合には、通常、濃度65%乃至80%、
晶出率20乃至40%程度のマスキットを噴霧し、結晶
が溶融しない温度、例えば、60乃至100℃の熱風で
乾燥し、次いで、30乃至60℃の温風で約1乃至20
時間熟成して難吸湿性の含蜜結晶粉末を得る。
75乃至95%、晶出率10乃至60%程度のマスキッ
トを0.5乃至5日間程度静置して全体をブロック状に
晶出固化させ、これを破砕または切削などによって粉砕
し乾燥して、難吸湿性の含蜜結晶粉末を得る。また、噴
霧乾燥方法の場合には、通常、濃度65%乃至80%、
晶出率20乃至40%程度のマスキットを噴霧し、結晶
が溶融しない温度、例えば、60乃至100℃の熱風で
乾燥し、次いで、30乃至60℃の温風で約1乃至20
時間熟成して難吸湿性の含蜜結晶粉末を得る。
【0020】これら含蜜結晶は、固形物当たりのツラノ
ース含量の違いにより、融点、比旋光度などの理化学的
性質が変化する。通常、ツラノース含量の低下に伴なっ
て、融点が低下し、融解温度の幅が広くなる。また、そ
の吸湿性もツラノース含量の低下につれて増大してく
る。
ース含量の違いにより、融点、比旋光度などの理化学的
性質が変化する。通常、ツラノース含量の低下に伴なっ
て、融点が低下し、融解温度の幅が広くなる。また、そ
の吸湿性もツラノース含量の低下につれて増大してく
る。
【0021】本発明のツラノースは、上品で良質な甘味
を有している。また、経口摂取により、消化吸収され、
カロリー源として利用される。さらに、虫歯誘発菌など
によって、発酵されにくいことより、虫歯をおこしにく
い甘味料としても利用できる。また、良質な甘味料であ
ることより、プルラン、ヒドロキシエチルスターチなど
の結合剤と併用して、錠剤の糖衣剤として利用すること
も有利に実施できる。また、浸透圧調節性、賦形性、照
り付与性、保湿性、粘性、他糖の晶出防止性、難発酵性
などの性質を具備している。
を有している。また、経口摂取により、消化吸収され、
カロリー源として利用される。さらに、虫歯誘発菌など
によって、発酵されにくいことより、虫歯をおこしにく
い甘味料としても利用できる。また、良質な甘味料であ
ることより、プルラン、ヒドロキシエチルスターチなど
の結合剤と併用して、錠剤の糖衣剤として利用すること
も有利に実施できる。また、浸透圧調節性、賦形性、照
り付与性、保湿性、粘性、他糖の晶出防止性、難発酵性
などの性質を具備している。
【0022】ツラノースの持つこれら諸性質は、飲食
物、嗜好物、飼料、化粧品、医薬品、などの各種組成物
に有利利用できる。ツラノースは、そのままで甘味付の
ための調味料として使用することが出来る。必要なら
ば、例えば、粉飴、ブドウ糖、マルトース、砂糖、異性
化糖、蜂蜜、メープルシュガー、ソルビトール、ジヒド
ロカルコン、ステビオシド、α−グリコシルステビオシ
ド、レバウディオシドなどのような他の甘味料の一種ま
たは二種以上の適量と混合して使用してもよく、また、
必要ならば、デキストリン、澱粉、乳糖などのような増
量剤と混合して使用することも出来る。
物、嗜好物、飼料、化粧品、医薬品、などの各種組成物
に有利利用できる。ツラノースは、そのままで甘味付の
ための調味料として使用することが出来る。必要なら
ば、例えば、粉飴、ブドウ糖、マルトース、砂糖、異性
化糖、蜂蜜、メープルシュガー、ソルビトール、ジヒド
ロカルコン、ステビオシド、α−グリコシルステビオシ
ド、レバウディオシドなどのような他の甘味料の一種ま
たは二種以上の適量と混合して使用してもよく、また、
必要ならば、デキストリン、澱粉、乳糖などのような増
量剤と混合して使用することも出来る。
【0023】また、ツラノース粉末品は、そのままで、
必要に応じて、増量剤、賦形剤、結合剤などと混合し
て、顆粒、棒状、球状、板状、錠剤など各種形状に成型
して使用することも随意である。
必要に応じて、増量剤、賦形剤、結合剤などと混合し
て、顆粒、棒状、球状、板状、錠剤など各種形状に成型
して使用することも随意である。
【0024】また、ツラノースの甘味は、酸味、塩から
味、渋味、旨味、苦味など他の呈味を有する各種物質と
よく調和するので、一般の飲食物の甘味付、呈味改良
に、また、品質改良などに有利に利用できる。例えば、
醤油、味噌、食酢、ソース、マヨネーズ、みりんなど各
種調味料として有利に使用できる。また、各種和菓子、
各種洋菓子、冷菓、シロップ類、ペースト類、野菜の加
工食品類、漬物類、畜肉製品類、魚肉製品類、酒類、清
涼飲料水など各種飲食物への甘味付、呈味改良、品質改
良に有利に利用できる。
味、渋味、旨味、苦味など他の呈味を有する各種物質と
よく調和するので、一般の飲食物の甘味付、呈味改良
に、また、品質改良などに有利に利用できる。例えば、
醤油、味噌、食酢、ソース、マヨネーズ、みりんなど各
種調味料として有利に使用できる。また、各種和菓子、
各種洋菓子、冷菓、シロップ類、ペースト類、野菜の加
工食品類、漬物類、畜肉製品類、魚肉製品類、酒類、清
涼飲料水など各種飲食物への甘味付、呈味改良、品質改
良に有利に利用できる。
【0025】また、家畜などの飼育動物のために飼料に
も使用できる。さらに、口紅、タバコ、トローチ、内服
液など化粧品、医薬品などの各種組成物への甘味剤とし
て、甘味付、呈味改良に、また、品質改良などに有利に
利用できる。
も使用できる。さらに、口紅、タバコ、トローチ、内服
液など化粧品、医薬品などの各種組成物への甘味剤とし
て、甘味付、呈味改良に、また、品質改良などに有利に
利用できる。
【0026】本発明の組成物は、ツラノース単体であっ
てもよいが、通常、ツラノースとともに、目的に応じて
他の物質、例えば、蛋白質、アミノ酸、脂質、ビタミ
ン、ミネラルなどの栄養物質、または抗菌物質、酵素、
ホルモン、サイトカインなどの薬効物質などから選ばれ
る一種または二種以上を含有せしめて製造される。この
際、ツラノース含量は、特に制限されるものではない
が、通常、1%以上、望ましくは2%以上含有せしめ、
ツラノースの特性が活かせることが好ましい。
てもよいが、通常、ツラノースとともに、目的に応じて
他の物質、例えば、蛋白質、アミノ酸、脂質、ビタミ
ン、ミネラルなどの栄養物質、または抗菌物質、酵素、
ホルモン、サイトカインなどの薬効物質などから選ばれ
る一種または二種以上を含有せしめて製造される。この
際、ツラノース含量は、特に制限されるものではない
が、通常、1%以上、望ましくは2%以上含有せしめ、
ツラノースの特性が活かせることが好ましい。
【0027】必要ならば他の適宜の物質、例えば、呈味
料、着色料、着香料、安定剤、増量剤、賦形剤などの一
種または二種以上を使用することも随意であり、得られ
る組成物を目的に応じて適宜の形状にすることも随意で
ある。このようにして得られる組成物は、経口的または
非経口的に利用することができる。
料、着色料、着香料、安定剤、増量剤、賦形剤などの一
種または二種以上を使用することも随意であり、得られ
る組成物を目的に応じて適宜の形状にすることも随意で
ある。このようにして得られる組成物は、経口的または
非経口的に利用することができる。
【0028】組成物にツラノースを含有せしめる方法
は、その製品が完成するまでの工程に含有せしめればよ
く、例えば、混和、混捏、溶解、融解、浸漬、散布、塗
布、被覆、噴霧、注入、晶出、固化などの公知の方法が
適宜選ばれる。以下、本発明のツラノースを実験で説明
する。
は、その製品が完成するまでの工程に含有せしめればよ
く、例えば、混和、混捏、溶解、融解、浸漬、散布、塗
布、被覆、噴霧、注入、晶出、固化などの公知の方法が
適宜選ばれる。以下、本発明のツラノースを実験で説明
する。
【0029】
【実験】 ツラノースの調製とその理化学的性質
【0030】
【実験1】α−サイクロデキストリン(株式会社林原生
物化学研究所販売)25重量部と市販のフラクトース2
5重量部を水50重量部に加熱溶解し、この溶液を60
℃、pH6.0に調整した後、バチルス・ステアロサー
モフィラス由来のシクロマルトデキストリン・グルカノ
トランスフェラーゼ(株式会社林原生物化学研究所販
売)をα−サイクロデキストリングラム当たり300単
位加えて20時間反応させ、次いで100℃に30分間
加熱して、酵素を失活させた。
物化学研究所販売)25重量部と市販のフラクトース2
5重量部を水50重量部に加熱溶解し、この溶液を60
℃、pH6.0に調整した後、バチルス・ステアロサー
モフィラス由来のシクロマルトデキストリン・グルカノ
トランスフェラーゼ(株式会社林原生物化学研究所販
売)をα−サイクロデキストリングラム当たり300単
位加えて20時間反応させ、次いで100℃に30分間
加熱して、酵素を失活させた。
【0031】この溶液をpH4.5、55℃に調整し
て、グルコアミラーゼ(ナガセ生化学工業販売、商品名
グルコチーム)を固形物グラム当たり20単位加え16
時間反応させ、次いで100℃に15分間加熱して、酵
素を失活させた。この溶液のガスクロマトグラムを図1
に示した。図1において、縦軸はFID(FlameI
onization Detctor)検出強度を示
し、横軸は時間を示す。本溶液には、ツラノースを固形
物当たり約40%含有していた。本溶液を活性炭で脱色
し、イオン交換樹脂(H型およびOH型)にて脱塩して
精製し、濃度約40%に濃縮して、分画用樹脂を用いた
カラムクロマトグラフィーを行ない、ツラノース高含有
画分を採取した。分画用樹脂は、塩型強酸性カチオソ交
換樹脂(オルガノ株式会社販売、商品名アンバーライト
XT−1016Na型)を使用し、内径5.4cmのジ
ャケット付ステンレス製カラムに水懸濁状で充填した。
て、グルコアミラーゼ(ナガセ生化学工業販売、商品名
グルコチーム)を固形物グラム当たり20単位加え16
時間反応させ、次いで100℃に15分間加熱して、酵
素を失活させた。この溶液のガスクロマトグラムを図1
に示した。図1において、縦軸はFID(FlameI
onization Detctor)検出強度を示
し、横軸は時間を示す。本溶液には、ツラノースを固形
物当たり約40%含有していた。本溶液を活性炭で脱色
し、イオン交換樹脂(H型およびOH型)にて脱塩して
精製し、濃度約40%に濃縮して、分画用樹脂を用いた
カラムクロマトグラフィーを行ない、ツラノース高含有
画分を採取した。分画用樹脂は、塩型強酸性カチオソ交
換樹脂(オルガノ株式会社販売、商品名アンバーライト
XT−1016Na型)を使用し、内径5.4cmのジ
ャケット付ステンレス製カラムに水懸濁状で充填した。
【0032】この際、樹脂層長5mのカラム4本を連続
して樹脂層全長を約20mになるようにした。カラム内
温度を55℃に維持しつつ、濃度約40%の原料糖溶液
を樹脂当たり5v/v%加え、次いで55℃の温水をS
V0.3の流速でながして分画し、ツラノース高含有画
分を採取した。得られたツラノース高含有液を濃度75
%に濃縮し、これにメタノールを添加し、20℃に一夜
放置したところ、結晶が析出した。
して樹脂層全長を約20mになるようにした。カラム内
温度を55℃に維持しつつ、濃度約40%の原料糖溶液
を樹脂当たり5v/v%加え、次いで55℃の温水をS
V0.3の流速でながして分画し、ツラノース高含有画
分を採取した。得られたツラノース高含有液を濃度75
%に濃縮し、これにメタノールを添加し、20℃に一夜
放置したところ、結晶が析出した。
【0033】この結晶を分蜜し、結晶に少量の水をスプ
レーして洗浄して、純度97.9%のツラノース結晶を
得た。さらに、この結晶を少量の水に溶解し、先に得た
結晶を種晶として加え、20℃に一夜放置し、結晶を晶
出させ、分蜜して純度99.9%のツラノース結晶を採
取した。
レーして洗浄して、純度97.9%のツラノース結晶を
得た。さらに、この結晶を少量の水に溶解し、先に得た
結晶を種晶として加え、20℃に一夜放置し、結晶を晶
出させ、分蜜して純度99.9%のツラノース結晶を採
取した。
【0034】
【実験2】実験1の方法で調製したツラノースの高純度
結晶標品を用いて理化学的性質を調べた。
結晶標品を用いて理化学的性質を調べた。
【0035】(1)元素分析 測定値 C=42.05% H=6.50% O=5
1.54% 理論値 C=42.10% H=6.48% O=5
1.42% (分子式:C12H22O11,分子量342.3)
1.54% 理論値 C=42.10% H=6.48% O=5
1.42% (分子式:C12H22O11,分子量342.3)
【0036】(2)融点 156.0乃至157.0℃ 文献値:157.0℃(前述のユージン パッツの報告
記載。)
記載。)
【0037】(3)比旋光度 [α]D20+76.5乃至77.5°(C=1,H2
O) 文献値:+75°(C=3.9,Water)(前述の
ユージンパッツの報告記載。)
O) 文献値:+75°(C=3.9,Water)(前述の
ユージンパッツの報告記載。)
【0038】(4)紫外線吸収 水溶液にして測定すると特徴ある吸収は示さない。
【0039】(5)赤外線吸収 結晶標品2mgと乾燥KBr200mgを撹拌、混合し
て透明なタブレット(厚さ約0.6 mm)を作成し、
赤外線吸収スペクトルを測定した。その結果は、図2に
示す。本スペクトルは、市販の標準ツラノースの赤外線
吸収スペクトルとよく一致した。
て透明なタブレット(厚さ約0.6 mm)を作成し、
赤外線吸収スペクトルを測定した。その結果は、図2に
示す。本スペクトルは、市販の標準ツラノースの赤外線
吸収スペクトルとよく一致した。
【0040】(6)呈色反応 アントロン−硫酸反応で緑色を呈する。システイン−カ
ルバゾール硫酸で赤色を呈する。フェーリソグ氏液還元
反応は陽性。ヨー素反応は陰性。
ルバゾール硫酸で赤色を呈する。フェーリソグ氏液還元
反応は陽性。ヨー素反応は陰性。
【0041】(7)物性、物質の色 真比重1.59の無色透明な結晶である。微結晶は白色
粉末状で蔗糖の約1/3の甘味度を有し、その味質は上
品、良好で、臭はない。吸湿性はなく、潮解しない。
粉末状で蔗糖の約1/3の甘味度を有し、その味質は上
品、良好で、臭はない。吸湿性はなく、潮解しない。
【0042】(8)構成糖 (a)1N−硫酸で加水分解すると、D−グルコース1
モルとD−フラクトース1モルを生成する。 (b) α−グルコシダーゼの作用により、D−グルコ
ースとD−フラクトースを生成する。 (c)β−グルコシダーゼの作用により、分解されな
い。
モルとD−フラクトース1モルを生成する。 (b) α−グルコシダーゼの作用により、D−グルコ
ースとD−フラクトースを生成する。 (c)β−グルコシダーゼの作用により、分解されな
い。
【0043】(9)粉末X線回折 X線回折装置(理学電気株式会社販売、商品名ガイガー
フレックスRAD−IIB、CuKα線使用)を用いて
粉末X線回折を行なうと、本物質の主な回折角(2θ)
は、14.5°、19.2°、20.1°および20.
8°を与えた。この結果は、市販の標準ツラノースの粉
末X線回折図とよく一致した。図3に本物質の粉末X線
回折図を示す。
フレックスRAD−IIB、CuKα線使用)を用いて
粉末X線回折を行なうと、本物質の主な回折角(2θ)
は、14.5°、19.2°、20.1°および20.
8°を与えた。この結果は、市販の標準ツラノースの粉
末X線回折図とよく一致した。図3に本物質の粉末X線
回折図を示す。
【0044】以上の結果より、本物質がツラノース、
式:3−O−α−D−グルコピラノシル−D−フラクト
ースであると決定した。
式:3−O−α−D−グルコピラノシル−D−フラクト
ースであると決定した。
【0045】
【実験2】急性毒性テスト 7週齢のDD系マウスを使用して、実験1の方法で調製
した高純度ツラノースを経口投与して急性毒性テストを
したところ、5gまで死亡例は見られず、これ以上の投
与は困難であった。従って、本物質の毒性は極めて低
い。
した高純度ツラノースを経口投与して急性毒性テストを
したところ、5gまで死亡例は見られず、これ以上の投
与は困難であった。従って、本物質の毒性は極めて低
い。
【0046】以下、本発明のツラノースの製造方法を実
施例Aで、ツラノースの用途を実施例Bで示す。
施例Aで、ツラノースの用途を実施例Bで示す。
【0047】
【実施例A−1】フラクトース2.5重量部及びデキス
トリン(DE18、松谷化学工業株式会社販売、商品名
パインデックス#4)2.5重量部を水5重量部に加熱
溶解しこの溶液をpH5.6、60℃に調整して、バチ
ルス・ステアロサーモフィラス由来のシクロマルトデキ
ストリン・グルカノトランスフェラーゼ(株式会社林原
生物化学研究所販売)をデキストリソグラム当たり30
0単位加えて20時間反応させ、次いで加熱して酵素を
失活させた。本溶液を、常法に従って、活性炭にて脱
色、イオン交換樹脂(H型およびOH型)にて脱塩して
精製し、濃縮して濃度約75%のシラップを固形物収率
約93%で得た。本品は固形物当たり約20%のツラノ
ースを含有しており、上品な甘味、適度の粘度、保湿性
を有し、飲食物、化粧品、医薬品など各種組成物に有利
に利用できる。
トリン(DE18、松谷化学工業株式会社販売、商品名
パインデックス#4)2.5重量部を水5重量部に加熱
溶解しこの溶液をpH5.6、60℃に調整して、バチ
ルス・ステアロサーモフィラス由来のシクロマルトデキ
ストリン・グルカノトランスフェラーゼ(株式会社林原
生物化学研究所販売)をデキストリソグラム当たり30
0単位加えて20時間反応させ、次いで加熱して酵素を
失活させた。本溶液を、常法に従って、活性炭にて脱
色、イオン交換樹脂(H型およびOH型)にて脱塩して
精製し、濃縮して濃度約75%のシラップを固形物収率
約93%で得た。本品は固形物当たり約20%のツラノ
ースを含有しており、上品な甘味、適度の粘度、保湿性
を有し、飲食物、化粧品、医薬品など各種組成物に有利
に利用できる。
【0048】
【実施例A−2】フラクトース30重量部及びマルトテ
トラオース(株式会社林原生物化学研究所販売)20重
量部に水50重量部加え加熱溶解した。この溶液を60
℃、pH5.2に調整して、糖化型α−アミラーゼ(上
田化学工業株式会社販売)をマルトテトラオースグラム
当たり200単位加えて48時間作用させた。酵素反応
は反応液を沸騰水浴中10分保ち、停止させた。
トラオース(株式会社林原生物化学研究所販売)20重
量部に水50重量部加え加熱溶解した。この溶液を60
℃、pH5.2に調整して、糖化型α−アミラーゼ(上
田化学工業株式会社販売)をマルトテトラオースグラム
当たり200単位加えて48時間作用させた。酵素反応
は反応液を沸騰水浴中10分保ち、停止させた。
【0049】本溶液を常法に従って、活性炭にて脱色、
イオン交換樹脂(H型およびOH型)にて脱塩・精製
し、濃縮して濃度約75%のシラップを固形物収率約9
5%で得た。本品は固形物当たり約12%のツラノース
を含有していた。本品は、実施例1の場合と同様に、上
品な甘味、適度の粘度、保湿性を有し、各種組成物に有
利に利用できる。
イオン交換樹脂(H型およびOH型)にて脱塩・精製
し、濃縮して濃度約75%のシラップを固形物収率約9
5%で得た。本品は固形物当たり約12%のツラノース
を含有していた。本品は、実施例1の場合と同様に、上
品な甘味、適度の粘度、保湿性を有し、各種組成物に有
利に利用できる。
【0050】
【実施例A−3】濃度20%澱粉乳にα−アミラーゼ
(ノボ社販売、商品名ターマミール)を澱粉固形物当り
0.15%加え、95乃至100℃に加熱して液化し、
酵素を加熱失活させてDE3の液化液を得た。本液に固
形物として澱粉質と等重量のフラクトースを溶解し、温
度55℃、pH5.3に調整して、イソアミラーゼ(株
式会社林原生物化学研究所販売)を澱粉グラム当り10
0単位および実施例A−1の場合と同じシクロマルトデ
キストリン・グルカノトランスフェラーゼを澱粉グラム
当り300単位加えて24時間反応させ、酵素を加熱失
活させた。
(ノボ社販売、商品名ターマミール)を澱粉固形物当り
0.15%加え、95乃至100℃に加熱して液化し、
酵素を加熱失活させてDE3の液化液を得た。本液に固
形物として澱粉質と等重量のフラクトースを溶解し、温
度55℃、pH5.3に調整して、イソアミラーゼ(株
式会社林原生物化学研究所販売)を澱粉グラム当り10
0単位および実施例A−1の場合と同じシクロマルトデ
キストリン・グルカノトランスフェラーゼを澱粉グラム
当り300単位加えて24時間反応させ、酵素を加熱失
活させた。
【0051】この溶液に水を加えて濃度25%に希釈し
た後、温度55℃、pH5.3に維持して、グルコアミ
ラーゼをデキストリングラム当り15単位加えて16時
間反応させ、次いで酵素を加熱失活させた。本溶液は、
固形物当り約35%のツラノースを含有し、本溶液を実
施例A−1と同様に精製、濃縮して濃度75%のシラッ
プを固形物収率約93%で得た。本品は、実施例A−1
の場合と同様に、上品な甘味、適度な粘度、保湿性など
を有し、各種組成物に有利に利用できる。
た後、温度55℃、pH5.3に維持して、グルコアミ
ラーゼをデキストリングラム当り15単位加えて16時
間反応させ、次いで酵素を加熱失活させた。本溶液は、
固形物当り約35%のツラノースを含有し、本溶液を実
施例A−1と同様に精製、濃縮して濃度75%のシラッ
プを固形物収率約93%で得た。本品は、実施例A−1
の場合と同様に、上品な甘味、適度な粘度、保湿性など
を有し、各種組成物に有利に利用できる。
【0052】
【実施例A−4】実施例A−3の方法で反応、精製した
固形物当り約35%のツラノース含有溶液を原料糖液と
した。本液のツラノース含量を高めるため、分画用樹脂
として、塩型強酸性カチオン交換樹脂(オルガノ株式会
社販売、商品名CG 6000、Na型)を用いた以外
は、実験1の方法に従ってカラムクロマトグラフィーを
行ない、ツラノース高含有画分を採取した。
固形物当り約35%のツラノース含有溶液を原料糖液と
した。本液のツラノース含量を高めるため、分画用樹脂
として、塩型強酸性カチオン交換樹脂(オルガノ株式会
社販売、商品名CG 6000、Na型)を用いた以外
は、実験1の方法に従ってカラムクロマトグラフィーを
行ない、ツラノース高含有画分を採取した。
【0053】本高含有液は、固形物当たり約80%のツ
ラノースを含有していた。本溶液を濃度約76%に濃縮
した後、助晶缶にとり、種晶約2%を加えて徐冷し、晶
出率約45%のマスキットを得た。本マスキットを乾燥
塔上のノズルより150kg/cm2の高圧にて噴霧し
た。
ラノースを含有していた。本溶液を濃度約76%に濃縮
した後、助晶缶にとり、種晶約2%を加えて徐冷し、晶
出率約45%のマスキットを得た。本マスキットを乾燥
塔上のノズルより150kg/cm2の高圧にて噴霧し
た。
【0054】これと同時に85℃の熱風を乾燥塔の上部
より送風して底部に設けた移送金網コンベア上に捕集
し、コンベアの下より45℃の温風を送りつつ、金網コ
ンベア上に捕集した結晶粉末を乾燥塔外に徐々に移動さ
せ、取り出した。この取り出した結晶粉末を熟成塔に充
填して温風を送りつつ10時間熟成させ、結晶化と乾燥
を完了し、含蜜型結晶ツラノース粉末を得た。本品は、
実質的に吸湿性を示さず、取扱いが容易であり、甘味
料、呈味改良剤、品質改良剤、安定剤などとして、飲食
物、化粧品、医薬品など各種組成物に有利に利用でき
る。
より送風して底部に設けた移送金網コンベア上に捕集
し、コンベアの下より45℃の温風を送りつつ、金網コ
ンベア上に捕集した結晶粉末を乾燥塔外に徐々に移動さ
せ、取り出した。この取り出した結晶粉末を熟成塔に充
填して温風を送りつつ10時間熟成させ、結晶化と乾燥
を完了し、含蜜型結晶ツラノース粉末を得た。本品は、
実質的に吸湿性を示さず、取扱いが容易であり、甘味
料、呈味改良剤、品質改良剤、安定剤などとして、飲食
物、化粧品、医薬品など各種組成物に有利に利用でき
る。
【0055】
【実施例A−5】実施例A−1の方法で調製した、固形
物当たり約20%のツラノース含有溶液を、濃度約10
%まで希釈し、pH4.6にして、グルコアミラーゼを
デキストリングラム当たり30単位加えて16時間反応
させ、次いで加熱して酵素を失活させた。本溶液を、常
法に従って、活性炭にて脱色、イオン交換樹脂(H型お
よびOH型)にて脱塩して精製し、濃度約45%に濃縮
した。分画用樹脂として、塩型強酸性カチオン交換樹脂
(ダウケミカル社販売、商品名ダウエックス50W×
4、Ca型)を用いた以外は、実験1の方法に従ってカ
ラムクロマトグラフィーを行ない、ツラノース高含有画
分を採取した。
物当たり約20%のツラノース含有溶液を、濃度約10
%まで希釈し、pH4.6にして、グルコアミラーゼを
デキストリングラム当たり30単位加えて16時間反応
させ、次いで加熱して酵素を失活させた。本溶液を、常
法に従って、活性炭にて脱色、イオン交換樹脂(H型お
よびOH型)にて脱塩して精製し、濃度約45%に濃縮
した。分画用樹脂として、塩型強酸性カチオン交換樹脂
(ダウケミカル社販売、商品名ダウエックス50W×
4、Ca型)を用いた以外は、実験1の方法に従ってカ
ラムクロマトグラフィーを行ない、ツラノース高含有画
分を採取した。
【0056】本高含有液は、固形物当たり約85%のツ
ラノースを含有していた。本溶液を濃度約85%に濃縮
して助晶缶にとり、20℃で4日間静置して晶出、固化
させ次いで切削型粉砕機にて粉砕し、乾燥して含蜜型結
晶ツラノース粉末を得た。本品は、実施例A−4の物質
と同様に、実質的に吸湿性を示さず、取扱いが容易であ
り、甘味料、呈味改良剤、品質改良剤、安定剤などとし
て各種組成物に有利に利用できる。
ラノースを含有していた。本溶液を濃度約85%に濃縮
して助晶缶にとり、20℃で4日間静置して晶出、固化
させ次いで切削型粉砕機にて粉砕し、乾燥して含蜜型結
晶ツラノース粉末を得た。本品は、実施例A−4の物質
と同様に、実質的に吸湿性を示さず、取扱いが容易であ
り、甘味料、呈味改良剤、品質改良剤、安定剤などとし
て各種組成物に有利に利用できる。
【0057】
【実施例 B−1】甘味料 実施例A−4の方法で得た結晶性ツラノース粉末1重量
部に、α−グリコシルステピオシド(東洋精糖株式会社
販売、商品名αGスイート)0.05重量部を均一に混
合し、顆粒成形機にかけて、顆粒状甘味料を得た。本品
は、甘味の質が優れ、蔗糖の約2倍の甘昧度を有し、甘
味度当りカロリーは、蔗糖の約1/2に低下している。
本甘味料は、低カロリー甘味料として、カロリー摂取を
制限している肥満者、糖尿病者などのための低カロリー
飲食物などに対する甘味付に好適である。また、本甘味
料は、虫歯誘発菌による酸の生成が少なく、不溶性グル
カンの生成も少ないことより、虫歯を抑制する飲食物な
どに対する甘味付に好適である。
部に、α−グリコシルステピオシド(東洋精糖株式会社
販売、商品名αGスイート)0.05重量部を均一に混
合し、顆粒成形機にかけて、顆粒状甘味料を得た。本品
は、甘味の質が優れ、蔗糖の約2倍の甘昧度を有し、甘
味度当りカロリーは、蔗糖の約1/2に低下している。
本甘味料は、低カロリー甘味料として、カロリー摂取を
制限している肥満者、糖尿病者などのための低カロリー
飲食物などに対する甘味付に好適である。また、本甘味
料は、虫歯誘発菌による酸の生成が少なく、不溶性グル
カンの生成も少ないことより、虫歯を抑制する飲食物な
どに対する甘味付に好適である。
【0058】
【実施例 B−2】ハードキャンデー 濃度55%蔗糖溶液100重量部に実施例A−2の方法
で得たツラノース含有シラップ30重量部を加熱混合
し、次いで減圧下で水分2%未満になるまで加熱濃縮
し、これにクエン酸1重量部および適量のレモン香料と
着色料とを混和し、常法に従って成形し、製品を得た。
本品は、歯切れ、呈味良好で、蔗糖の晶出も起こらない
高品質のハードキャンデーである。
で得たツラノース含有シラップ30重量部を加熱混合
し、次いで減圧下で水分2%未満になるまで加熱濃縮
し、これにクエン酸1重量部および適量のレモン香料と
着色料とを混和し、常法に従って成形し、製品を得た。
本品は、歯切れ、呈味良好で、蔗糖の晶出も起こらない
高品質のハードキャンデーである。
【0059】
【実施例 B−3】いちごジャム 生いちご150重量部、蔗糖60重量部、マルトース2
0重量部、実施例A−1の方法で得たツラノース含有シ
ラップ40重量部、ペクチン5重量部およびクエン酸1
重量部をなべで煮詰め、ビン詰めして製品を得た。本品
は、風味、色調とも良好なジャムである。
0重量部、実施例A−1の方法で得たツラノース含有シ
ラップ40重量部、ペクチン5重量部およびクエン酸1
重量部をなべで煮詰め、ビン詰めして製品を得た。本品
は、風味、色調とも良好なジャムである。
【0060】
【実施例 B−4】乳酸飲料 脱脂乳10重量部を80℃で20分間加熱殺菌した後、
40℃に冷却し、これにスターター0.3重量部を加え
て約37℃で10時間醗酵させた。次いで、これをホモ
ジナイズした後、実施例A−5の方法で得た結晶性ツラ
ノース粉末4重量部、蔗糖1重量部および異性化糖シラ
ップ2重量部を加えて70℃に保って殺菌した。これを
冷却し、適量の香料を加え、ビン詰めして製品を得た。
本品は、風味、甘味が酸味とよく調和した高品質の乳酸
飲料である。
40℃に冷却し、これにスターター0.3重量部を加え
て約37℃で10時間醗酵させた。次いで、これをホモ
ジナイズした後、実施例A−5の方法で得た結晶性ツラ
ノース粉末4重量部、蔗糖1重量部および異性化糖シラ
ップ2重量部を加えて70℃に保って殺菌した。これを
冷却し、適量の香料を加え、ビン詰めして製品を得た。
本品は、風味、甘味が酸味とよく調和した高品質の乳酸
飲料である。
【0061】
【実施例 B−5】加糖練乳 原乳100重量部に実施例A−1の方法で得たツラノー
ス含有シラップ3重量部および蔗糖1重量部を溶解し、
プレートヒーターで加熱殺菌し、次いで濃度約70%に
濃縮し、無菌状態で缶詰めして製品を得た。本品は、温
和な甘味で、風味もよく、乳幼児食品、フルーツ、コー
ヒー、ココア、紅茶などの調味用に有利に利用できる。
ス含有シラップ3重量部および蔗糖1重量部を溶解し、
プレートヒーターで加熱殺菌し、次いで濃度約70%に
濃縮し、無菌状態で缶詰めして製品を得た。本品は、温
和な甘味で、風味もよく、乳幼児食品、フルーツ、コー
ヒー、ココア、紅茶などの調味用に有利に利用できる。
【0062】
【実施例 B−6】粉末ジュース 噴霧乾燥により製造したオレンジ果汁粉末33重量部に
対し、実施例A−4の方法で得た結晶性ツラノース粉末
50重量部、蔗糖10重量部、無水クエン酸0.65重
量部、リンゴ酸0.1重量部、L−アスコルビン酸0.
1重量部、クエン酸ソーダ0.1重量部、プルラン0.
5重量部、粉末香料適量をよく混合撹拌し、粉砕し微粉
末にしてこれを流動層造粒機に仕込み、排風温度40
℃、風量毎分150m3とし、これに実施例A−4の方
法で得たツラノース高含有溶液をバインダーとしてスプ
レーし、30分間造粒し、計量、包装して製品を得た。
対し、実施例A−4の方法で得た結晶性ツラノース粉末
50重量部、蔗糖10重量部、無水クエン酸0.65重
量部、リンゴ酸0.1重量部、L−アスコルビン酸0.
1重量部、クエン酸ソーダ0.1重量部、プルラン0.
5重量部、粉末香料適量をよく混合撹拌し、粉砕し微粉
末にしてこれを流動層造粒機に仕込み、排風温度40
℃、風量毎分150m3とし、これに実施例A−4の方
法で得たツラノース高含有溶液をバインダーとしてスプ
レーし、30分間造粒し、計量、包装して製品を得た。
【0063】本品は、果汁含有率約30%の粉末ジュー
スである。また、本品は異味、異臭がなく、吸湿固結も
起こさず長期に安定であった。
スである。また、本品は異味、異臭がなく、吸湿固結も
起こさず長期に安定であった。
【0064】
【実施例 B−7】チョコレート カカオペースト40重量部、カカオバター10重量部、
実施例A−5の方法で得た結晶性ツラノース粉末50重
量部を混合してレファイナーに通して粒度を下げた後、
コンチェに入れて50℃で2昼夜練り上げる。この間
に、レシチン0.5重量部を加え充分に混和分散させ
た。次いで、温度調節機で31℃に調節し、バターの固
まる直前に型に流し込み、振動機でアワ抜きを行ない、
10℃の冷却トンネルを20分間くぐらせて固化させ
た。これを型抜きして包装し製品を得た。
実施例A−5の方法で得た結晶性ツラノース粉末50重
量部を混合してレファイナーに通して粒度を下げた後、
コンチェに入れて50℃で2昼夜練り上げる。この間
に、レシチン0.5重量部を加え充分に混和分散させ
た。次いで、温度調節機で31℃に調節し、バターの固
まる直前に型に流し込み、振動機でアワ抜きを行ない、
10℃の冷却トンネルを20分間くぐらせて固化させ
た。これを型抜きして包装し製品を得た。
【0065】本品は、吸湿性がなく、色、光沢共によ
く、内部組織も良好で、口中でなめらかに溶け、上品な
甘味とまろやかな風味を有する。
く、内部組織も良好で、口中でなめらかに溶け、上品な
甘味とまろやかな風味を有する。
【0066】
【実施例 B−8】チューインガム ガムベース3重量部を柔らかくなる程度に加熱溶融し、
これに蔗糖4重量部および実施例A−5の方法で得た結
晶性ツラノース粉末3重量部とを加え、更に適量の香料
と着色料とを混合し、常法に従って、ロールにより練り
合わせ、成形、包装して製品を得た。本品は、テクスチ
ャー、風味とも良好なチューインガムである。
これに蔗糖4重量部および実施例A−5の方法で得た結
晶性ツラノース粉末3重量部とを加え、更に適量の香料
と着色料とを混合し、常法に従って、ロールにより練り
合わせ、成形、包装して製品を得た。本品は、テクスチ
ャー、風味とも良好なチューインガムである。
【0067】
【実施例 B−9】カスタードクリーム コーンスターチ100重量部、実施例A−2の方法で得
たツラノース含有シラップ100重量部、マルトース8
0重量部、蔗糖20重量部および食塩1重量部を充分に
混合し、鶏卵280重量部を加えて撹拌し、これに沸騰
した牛乳1000重量部を徐々に加え、更に、これを火
にかけて撹拌を続け、コーンスターチが完全に糊化して
全体が半透明になった時に火を止め、これを冷却して適
量のバニラ香料を加え、計量、充填、包装して製品を得
た。本品は、なめらかな光沢を有し、温和な甘味で美味
である。
たツラノース含有シラップ100重量部、マルトース8
0重量部、蔗糖20重量部および食塩1重量部を充分に
混合し、鶏卵280重量部を加えて撹拌し、これに沸騰
した牛乳1000重量部を徐々に加え、更に、これを火
にかけて撹拌を続け、コーンスターチが完全に糊化して
全体が半透明になった時に火を止め、これを冷却して適
量のバニラ香料を加え、計量、充填、包装して製品を得
た。本品は、なめらかな光沢を有し、温和な甘味で美味
である。
【0068】
【実施例 B−10】ういろうの素 米粉90重量部に、コーンスターチ20重量部、実施例
A−4の方法で得た結晶性ツラノース粉末120重量
部、プルラン4重量部を均一に混合してういろうの素を
製造した。ういろうの素と適量の抹茶と水とを混練し、
これを容器に入れて60分間蒸し上げて抹茶ういろうを
製造した。本品は、照り、口当りも良好で、風味も良
い。また、澱粉の老化も抑制され、日持ちもよい。
A−4の方法で得た結晶性ツラノース粉末120重量
部、プルラン4重量部を均一に混合してういろうの素を
製造した。ういろうの素と適量の抹茶と水とを混練し、
これを容器に入れて60分間蒸し上げて抹茶ういろうを
製造した。本品は、照り、口当りも良好で、風味も良
い。また、澱粉の老化も抑制され、日持ちもよい。
【0069】
【実施例 B−11】流動食用固体製剤 実施例A−4の方法で得た結晶性ツラノース粉末500
重量部、粉末卵黄270重量部、脱脂粉乳209重量
部、塩化ナトリウム4.4重量部、塩化カリウム1.8
5重量部、硫酸マグネシウム4重量部、チアミン0.0
1重量部、アスコルビン酸ナトリウム0.1重量部、ビ
タミンEアセテート0.6重量部およびニコチン酸アミ
ド0.04重量部からなる配合物を調製し、この配合物
25グラムずつ防湿性ラミネート小袋に充填し、ヒート
シールして製品を得た。本品は、1袋分を約150乃至
300mLの水に溶解して流動食とし、経口的、または
鼻腔、胃、腸などへ経管的使用方法により利用される。
重量部、粉末卵黄270重量部、脱脂粉乳209重量
部、塩化ナトリウム4.4重量部、塩化カリウム1.8
5重量部、硫酸マグネシウム4重量部、チアミン0.0
1重量部、アスコルビン酸ナトリウム0.1重量部、ビ
タミンEアセテート0.6重量部およびニコチン酸アミ
ド0.04重量部からなる配合物を調製し、この配合物
25グラムずつ防湿性ラミネート小袋に充填し、ヒート
シールして製品を得た。本品は、1袋分を約150乃至
300mLの水に溶解して流動食とし、経口的、または
鼻腔、胃、腸などへ経管的使用方法により利用される。
【0070】
【実施例 B−12】外傷治療用膏薬 実施例A−4の方法で得た結晶性ツラノース粉末500
重量部に、ヨウ素3重量部を溶解したメタノール50重
量部を加え混合し、更に10%プルラン水溶液200重
量部を加えて混合し、適度の延び、付着性を示す外傷冶
療用膏薬を得た。本品は、治癒期間が短縮され、創面も
きれいに治る。
重量部に、ヨウ素3重量部を溶解したメタノール50重
量部を加え混合し、更に10%プルラン水溶液200重
量部を加えて混合し、適度の延び、付着性を示す外傷冶
療用膏薬を得た。本品は、治癒期間が短縮され、創面も
きれいに治る。
【0071】
【実施例 B−15】糖衣錠 重量150mgの素錠を芯剤とし、これに実施例A−4
の方法で得た結晶性ツラノース粉末40重量部、プルラ
ン(平均分子量20万)2重量部、水30重量部、タル
ク25重量部および酸化チタン3重量部からなる下掛け
液を用いて錠剤重量が約230mgになるまで糖衣し、
次いで、同じ結晶性ツラノース65重量部、プルラン1
重量部および水34重量部からなる上掛け液を用いて糖
衣し、更に、ロウ液で艶出しして光沢のある外観の優れ
た糖衣錠を得た。本品は、糖衣掛け時の作業性が優れて
いるだけでなく、耐衝撃性にも優れており、高品質を長
時間維持する。
の方法で得た結晶性ツラノース粉末40重量部、プルラ
ン(平均分子量20万)2重量部、水30重量部、タル
ク25重量部および酸化チタン3重量部からなる下掛け
液を用いて錠剤重量が約230mgになるまで糖衣し、
次いで、同じ結晶性ツラノース65重量部、プルラン1
重量部および水34重量部からなる上掛け液を用いて糖
衣し、更に、ロウ液で艶出しして光沢のある外観の優れ
た糖衣錠を得た。本品は、糖衣掛け時の作業性が優れて
いるだけでなく、耐衝撃性にも優れており、高品質を長
時間維持する。
【0072】
【発明の効果】上記から明らかなように、澱粉質とフラ
クトースとを含有する水溶液にシクロマルトデキストリ
ン・グルカノトランスフェラーゼまたは糖化型α−アミ
ラーゼを作用させて得られるツラノースはその生成率が
高く、分離、精製も容易である。ツラノースはグルコー
スとフラクトースからなる二糖類で、上品で良質な甘味
を有している。また、経口的または非経口的に使用さ
れ、毒性、副作用の懸念もなく、よく代謝利用される。
クトースとを含有する水溶液にシクロマルトデキストリ
ン・グルカノトランスフェラーゼまたは糖化型α−アミ
ラーゼを作用させて得られるツラノースはその生成率が
高く、分離、精製も容易である。ツラノースはグルコー
スとフラクトースからなる二糖類で、上品で良質な甘味
を有している。また、経口的または非経口的に使用さ
れ、毒性、副作用の懸念もなく、よく代謝利用される。
【0073】結晶性ツラノースは、水に溶解し易いにも
かかわらず、実質的に難吸湿性でその取扱いが容易であ
る。さらに、ツラノースは、浸透圧調節性、賦型性、照
り付与性、保湿性、粘性、他糖の晶出防止性、難発酵性
などの諸性質を具備している。これらの諸性質は、甘味
料、呈味改良剤、品質改良剤、安定剤などとして各種組
成物の製造に有利に利用できる。 従って、本発明のツ
ラノースの製造方法とその用途を確立したことは、これ
を有利に利用できる食品、化粧品、医薬品分野などにお
ける工業的意義が極めて大きい。
かかわらず、実質的に難吸湿性でその取扱いが容易であ
る。さらに、ツラノースは、浸透圧調節性、賦型性、照
り付与性、保湿性、粘性、他糖の晶出防止性、難発酵性
などの諸性質を具備している。これらの諸性質は、甘味
料、呈味改良剤、品質改良剤、安定剤などとして各種組
成物の製造に有利に利用できる。 従って、本発明のツ
ラノースの製造方法とその用途を確立したことは、これ
を有利に利用できる食品、化粧品、医薬品分野などにお
ける工業的意義が極めて大きい。
【図1】酵素反応液のガスクロマトグラムを示す。
【図2】結晶ツラノースの赤外線吸収スペクトルを示
す。
す。
【図3】結晶ツラノースの粉末X線回折図を示す。
Claims (5)
- 【請求項1】 澱粉質とフラクトースとを含有する水溶
液にシクロマルトデキストリン・グルカノトランスフェ
ラーゼまたは糖化型α−アミラーゼを作用させてツラノ
ースを生成せしめ、これを採取することを特徴とするツ
ラノースの製造方法。 - 【請求項2】 シクロマルトデキストリン・グルカノト
ランスフェラーゼまたは糖化型α−アミラーゼとともに
グルコアミラーゼを作用させることを特徴とする請求項
1記載のツラノースの製造方法。 - 【請求項3】 澱粉質とフラクトースとを含有する水溶
液にシクロマルトデキストリン・グルカノトランスフェ
ラーゼまたは糖化型α−アミラーゼとともにグルコアミ
ラーゼを作用させてツラノースを生成せしめ、これを分
離、精製してツラノース高含有液とし、更に、これを濃
縮して、結晶ツラノースを析出させ採取することを特徴
とするツラノースの製造方法。 - 【請求項4】 ツラノース高含有液が塩型強酸性カチオ
ン交換樹脂を用いるカラムクロマトグラフィーにより、
分離、精製したものであることを特徴とする請求項3記
載のツラノースの製造方法。 - 【請求項5】 澱粉質とフラクトースとを含有する水溶
液にシクロマルトデキストリン・グルカノトランスフェ
ラーゼまたは糖化型α−アミラーゼを作用させて得られ
るツラノースを含有せしめた組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10154192A JP3182665B2 (ja) | 1992-03-09 | 1992-03-09 | ツラノースの製造方法とその用途 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10154192A JP3182665B2 (ja) | 1992-03-09 | 1992-03-09 | ツラノースの製造方法とその用途 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05252974A true JPH05252974A (ja) | 1993-10-05 |
JP3182665B2 JP3182665B2 (ja) | 2001-07-03 |
Family
ID=14303301
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10154192A Expired - Fee Related JP3182665B2 (ja) | 1992-03-09 | 1992-03-09 | ツラノースの製造方法とその用途 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3182665B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5863771A (en) * | 1996-03-04 | 1999-01-26 | Kabushiki Kaisha Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo | Saccharide composition comprising maltooligosylturanose and maltooligosylpalatinose, its preparation and uses |
WO2012060519A1 (ko) | 2010-11-02 | 2012-05-10 | 세종대학교 산학협력단 | 아밀로수크라제를 이용한 투라노즈의 제조방법 및 상기 투라노즈를 이용한 감미료 |
WO2013171424A1 (fr) | 2012-05-16 | 2013-11-21 | Roquette Freres | Souche productrice de turanose et utilisations |
KR101444876B1 (ko) * | 2012-12-17 | 2014-09-30 | 상명대학교서울산학협력단 | 사이클로덱스트린 글루카노트랜스퍼레이즈를 함유하는 곡물의 아밀로오스 용출 억제제 및 이를 이용한 곡물 가공 식품의 제조방법 |
WO2018230952A1 (ko) * | 2017-06-12 | 2018-12-20 | 씨제이제일제당 (주) | 투라노스 생산 활성을 가지는 신규한 폴리펩티드 및 이를 이용한 투라노스 제조방법 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101262523B1 (ko) * | 2011-06-10 | 2013-05-08 | 세종대학교산학협력단 | pH 민감성 고분자 담체에 고정된 고정화 효소를 이용한 투라노즈의 제조방법 |
-
1992
- 1992-03-09 JP JP10154192A patent/JP3182665B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5863771A (en) * | 1996-03-04 | 1999-01-26 | Kabushiki Kaisha Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo | Saccharide composition comprising maltooligosylturanose and maltooligosylpalatinose, its preparation and uses |
EP0794258A3 (en) * | 1996-03-04 | 1999-11-17 | Kabushiki Kaisha Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo | Saccharide composition comprising maltooligosylturanose and maltooligosylparatinose, its preparation and uses |
KR100458486B1 (ko) * | 1996-03-04 | 2005-04-06 | 가부시끼가이샤 하야시바라 세이부쓰 가가꾸 겐꾸조 | 말토올리고실투라노오스와말토올리고실파라티노오스를함유한당조성물,그제조방법및용도 |
WO2012060519A1 (ko) | 2010-11-02 | 2012-05-10 | 세종대학교 산학협력단 | 아밀로수크라제를 이용한 투라노즈의 제조방법 및 상기 투라노즈를 이용한 감미료 |
WO2013171424A1 (fr) | 2012-05-16 | 2013-11-21 | Roquette Freres | Souche productrice de turanose et utilisations |
KR101444876B1 (ko) * | 2012-12-17 | 2014-09-30 | 상명대학교서울산학협력단 | 사이클로덱스트린 글루카노트랜스퍼레이즈를 함유하는 곡물의 아밀로오스 용출 억제제 및 이를 이용한 곡물 가공 식품의 제조방법 |
WO2018230952A1 (ko) * | 2017-06-12 | 2018-12-20 | 씨제이제일제당 (주) | 투라노스 생산 활성을 가지는 신규한 폴리펩티드 및 이를 이용한 투라노스 제조방법 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3182665B2 (ja) | 2001-07-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2896598B2 (ja) | ラクトネオトレハロースとその製造方法並びに用途 | |
JP3082094B2 (ja) | ネオトレハロースの製造方法とその用途 | |
JP3182679B2 (ja) | 非還元性オリゴ糖とその製造方法並びに用途 | |
KR100468930B1 (ko) | 트레할로오스고함유시럽 | |
JPS632439B2 (ja) | ||
KR100479240B1 (ko) | 결정질당분말,그제조방법및용도 | |
JP2001011090A (ja) | 複合体結晶性糖質とその製造方法並びに用途 | |
JP3172925B2 (ja) | ネオトレハロースの製造方法とその用途 | |
JPH0579680B2 (ja) | ||
JP3035837B2 (ja) | 粉末糖質とその製造方法並びに用途 | |
JPH0873506A (ja) | 非還元性糖質とその製造方法並びに用途 | |
JP3605129B2 (ja) | ネオトレハロース構造を有する非還元性オリゴ糖とその製造方法並びに用途 | |
JP3182665B2 (ja) | ツラノースの製造方法とその用途 | |
KR100356840B1 (ko) | 말토테트라오실 글루코시드 결정, 그 제조 방법 및 그것을함유한 성형물 | |
JPH0873482A (ja) | 還元性を低減させた糖質とその製造方法並びに用途 | |
KR100350845B1 (ko) | 결정말토실글루코시드,그제조방법및그것을함유한음식물 | |
JP3936752B2 (ja) | 結晶マルトテトラオシルグルコシドとその製造方法並びに用途 | |
JP3963491B2 (ja) | 結晶マルトシルグルコシドとその製造方法並びに用途 | |
JPH0426817B2 (ja) | ||
JPS63190895A (ja) | マルチトール誘導体の製造方法 | |
JPS643468B2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 10 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110427 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |