JPH0426817B2 - - Google Patents

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JPH0426817B2
JPH0426817B2 JP63278304A JP27830488A JPH0426817B2 JP H0426817 B2 JPH0426817 B2 JP H0426817B2 JP 63278304 A JP63278304 A JP 63278304A JP 27830488 A JP27830488 A JP 27830488A JP H0426817 B2 JPH0426817 B2 JP H0426817B2
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maltitol
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anhydrous crystalline
sugar
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Mamoru Hirao
Hiromi Tsucha
Toshio Myake
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Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo KK
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Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo KK
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、無水結晶マルチトールを有効成分と
する飲食物用品質改良剤(以下、単に、「品質改
良剤」と言う。)に関する。
本発明でいう無水結晶マルチトールとは、実質
的に非吸湿性または難吸湿性の結晶マルチトール
であればよく、それが高純度の無水結晶マルチト
ールであつても、また、無水結晶マルチトール以
外にソルビトール、マルトトリイトール、マルト
テトライトールなどの糖アルコールを含有する含
蜜結晶であつてもよい。
マルチトールは、マルトースを還元して製造さ
れる糖アルコールであつて、三橋正和等の特公昭
47−13699号公報などに記載されているように、
その甘味の質は砂糖に近い上品な甘味で、甘味度
は砂糖の約75%である。また、消化管内で消化吸
収されにくく、口内細菌によつて発酵されにくい
ことから、低カロリー食品、ダイエツト食品、低
齲蝕性食品、健康食品などの甘味源として糖尿病
者、肥満者、成人病や虫歯を気にしている人々に
利用されている。
しかしながら、従来マルチトールは、その乾燥
固体が極めて吸湿、潮解しやすく、粉末状になら
ないので、通常は水溶液状態でしか取り扱えず、
その用途は極めて制限されている。
また、マルチトールを、仮に180〜190℃に煮詰
めて実質的無水の非晶体キヤンデーを得たとして
も、乾燥剤共存下で防湿容器に封入しておかなけ
ればならない程吸湿性、潮解性が強く、その取り
扱いは困難を極めている。
この点について、エム・ジエー・ウオルフロム
(M.J.Wolfrom)等は、「ジヤーナル・オブ・
ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエテイー
(Journal of the American Chemical
Society)」、第62巻、第2553〜2555頁(1940年)
の中で、「マルチトールは非晶質、白色、吸湿性
固体の形状でしか得られなかつた。」と報告し、
また、ジエー・イー・ホツジ(J.E.Hodge)等
は、「シリアル・サイエンス・トウデイ(Cereal
Science Today)」、第17巻、第7号、第180〜
188頁(1972年)の中で「著者等は、まだマルチ
トールの非吸湿性固体を得ていない。マルチトー
ルは吸湿性エタノール複合物として結晶化でき
た。」と報告している。
このように、従来、マルチトールは強い吸湿性
の固体でしか知られていなかつた。
近年、この強い吸湿性をなんとかして少しでも
和らげ粉末状マルチトールを製造しようとする多
くの試みが発表されている。
例えば、上野国男等の特開昭49−477号公報、
日高義雄等の特開昭49−87619号公報では、マル
チトールの水溶液に食用糊料などの親水性高分子
化合物を添加し、乾燥処理して粉末状マルチトー
ルにする方法が示されており、また、久野和昭等
の特開昭50−59312号公報では、マルチトール含
有物質に少量の単糖類または単糖アルコール類の
一種以上を添加し、無水の溶融状態としたものを
冷却、防湿した塔内で噴霧造粒して粉末状マルチ
トールにする方法が示され、また、平岩節等の特
開昭49−110620号公報、平岩節等の特開昭50−
24206号公報、小山田孝一等の特開昭50−25514号
公報、平岩節の特開昭51−32745号公報、特開昭
51−106766号公報、特開昭51−113813号公報、特
開昭51−128441号公報、特開昭52−47928号公報
などでは、固体マルチトールを乾燥雰囲気中で粉
末化し、その表面にマルチトール以外の可食性粉
末を付着被覆させて粉末状マルチトールを製造す
る方法が示され、また、金枝純等による特開昭50
−29510号公報では、マルチトール含有粉末をマ
ルチトールが難溶性の溶媒で濡らした後、マルチ
トール以外の糖質の微粉末と共に混合しながら乾
燥することによりマルチトール含有粉末の粒子表
面にマルチトール以外の糖質を付着固定させてマ
ルチトール含有粉末の固結を防止する方法が示さ
れている。
しかしながら、これら多くの試みは、全てマル
チトールに他の物品を多量に混入または付着させ
なければならないだけでなく、マルチトールの強
い吸湿性という欠点を解消する方法ではない。事
実、これらの方法で得られる粉末は、大気中でど
うにか粉末状を示すという程度にすぎず、相変ら
ず強い吸湿性を有しており、大気中で短時間の後
には吸湿、固結、潮解を起し、到底実用に供しう
るものではない。本発明者等は、マルチトールの
このような欠点を解消するために、マルチトール
の製造方法と理化学的性質とを追及し、従来不可
能と信じられていた非吸湿性結晶マルチトールを
求めて鋭意研究を続けた。
その結果、澱粉を低DEに液化した澱粉液化液
に、イソアミラーゼ(EC3.2.1.68)とβ−アミラ
ーゼ(EC3.2.1.2)とを作用させてマルトース高
含有糖化液を得、これを精製し、濃縮して、マル
トースを晶出させ分蜜して得た純度(固形物当り
の重量%で示す。以下、単に純度という。)99%
の高純度マルトースをラネーニツケル触媒下で水
素添加し、精製して純度98.5%の高純度マルチト
ールを得、濃度(重量%で示す。以下、単に濃度
という。)75%に濃縮した水溶液を軟質ガラスビ
ンに入れ30〜5℃に約6カ月間保つたところ、そ
の内壁に結晶が析出した。この結晶を前記高純度
マルチトールの濃度80%水溶液に種晶として加
え、ゆつくり攪拌しながら助晶し、得られるマス
キツトを分蜜し、結晶に少量の水をスプレーして
洗浄し高純度の結晶を得、この結晶を水に溶解
し、同様に処理して再結晶化させ、より高純度の
結晶を採取し、この結晶の理化学的性質を調べた
ところ、従来全く知られていない非吸湿性の無水
結晶マルチトールであることを見いだし、本発明
を完成した。
以下、本発明の無水結晶マルチトールの諸性質
について述べる。
(1) 元素分析 測定値C=41.9% H=7.1% O=51.0% 理論値C=71.86% H=7.03% O=51.11% (分子式:C12H24O11) (2) 分子量 344.3 (3) 融点 146.5−147.0℃ (4) 比旋光度 [α]20 D+106.5゜(水1c.c.中に0.1gを含む。) (5) 紫外部吸収 水溶液にして測定すると特徴ある吸収は示さな
い。
(6) 赤外線吸収スペクトル (a) 無水結晶マルチトールの赤外線吸収スペクト
ル 無水結晶マルチトールの粉末5mgと乾燥
KBr220mgを攪拌、混合して透明なタブレツト
(厚さ約0.6mm)を作製し、赤外線吸収スペクト
ルを測定した。結果は第1図に示す。
(b) 無水非晶質マルチトールの赤外線吸収スペク
トル 無水結晶マルチトール3mgとKBr220mgを熱
水に完全に溶解し、次いで、加熱乾燥して非晶
質無水物にした後、透明なタブレツト(厚さ約
0.8mm)を作製して赤外線吸収スペクトルを測
定した。結果は第2図に示す。
(7) 溶解度 25℃で水100gに対し、無水結晶マルチトール
は165g溶ける。
(8) 溶解熱 15℃で水190moleに、無水結晶マルチトール
1moleを溶解させる時、5.5kcalの吸熱を示す。
(9) 物性、物質の色 無色透明な結晶である。微結晶は白色粉末状で
甘味を有し、臭はない。吸湿性はなく、潮解しな
い。また、130℃、2時間の条件で乾燥減量を測
定すると0.5%以下である。
マルチトール水溶液から晶出中の結晶例を顕微
鏡写真で第3図、第4図に示す。なお、水溶液は
中性ないし微酸性を示す。
(10) 薬剤に対する溶解性 水、0.1N−NeOH、0.1N−HClに易溶。
メタノール、エタノールに難溶。
クロロホルム、酢酸エチルに不溶。
(11) 呈色反応 アントロン−硫酸反応で緑色を呈する。フエー
リング氏液還元反応は陰性。ヨード反応は陰性。
(12) 構成糖 (a) 1N−硫酸で加水分解して得られる糖をペー
パークロマトグラフイー、ガスクロマトグラフ
イーで分析すると、D−グルコースとD−ソル
ビトールとの等モルずつからなつている。
(b) 完全メチル化後、加水分解して得られる糖を
ガスクロマトグラフイーで分析すると、2,
3,4,6−テトラ−O−メチル−D−グルコ
ースと1,2,3,5.6−ペンタ−O−メチル
−D−ルビトールとの等モルずつからなつてい
る。
(c) 比旋光度が[α]20 D+106.5゜と高い値を示すこ
と、および赤外線吸収スペクトルが840cm-1
近に吸収を示すことから、α−結合をしてい
る。
(d) 本結晶を、現在市販されているマルチトール
水溶液(試薬特級)を標準品としてペーパーク
ロマトグラフイー、ガスクロマトグラフイー、
高速液体クロマトグラフイーで分析すると単一
スポツト、単一ピークを示し、かつ標準マルチ
トールと同一の位置に検出される。
(13) X線解析 40℃におけるマルチトール過飽和水溶液(濃度
75%)から晶出した単結晶をX線解析したとこ
ろ、本結晶は、斜方晶系で空間群がP212121であ
り、格子定数がa=8.166Å、b=12.721Å、c
=13.629Åであつた。
なお、本結晶における分子の立体構造式図を第
5図に示す。
以上の事実から本結晶は、β−マルトース・モ
ノハイドレイト結晶の場合とは違つて、含水結晶
ではなく、また報告されているエタノール複合物
でもなく、従来全く知られていない非吸湿性の無
水結晶マルチトールであると判断される。
以下、本発明の品質改良剤が有効成分として含
有する無水結晶マルチトールの製造方法について
述べる。
本発明で使用する晶出用マルチトール溶液は、
マルチトールの過飽和溶液であつて無水結晶マル
チトールが析出すればよく、マルチトールの製造
方法は問わない。通常、過飽和度が1.05〜1.5程
度で、具体的に述べれば、純度65%以上のマルチ
トールを望ましくは濃度約65〜95%水溶液とし、
その溶液濃度は溶液が凍結せず、また製造工程上
熱損失の比較的少ない0〜95℃の範囲が望まし
い。溶液の過飽和度、粘度を調整するために、例
えば、メタノール、エタノール、アセトンなどを
共存させることも自由である。また、晶出方法
は、通常40〜95℃の比較的高温の高飽和マルチト
ール溶液を助晶缶にとり、これに種晶を望ましく
は、0.1〜20%共存せしめて、ゆつくり攪拌しつ
つ徐冷し、晶出を促がしてマスキツトにすればよ
い。
このように無水結晶マルチトールは、過飽和マ
ルチトール溶液に高純度無水結晶マルチトールま
たは比較的低純度の無水結晶マルチトール含有含
蜜結晶を種晶として加えることにより容易に晶出
させることができる。
晶出したマスキツトから無水結晶マルチトール
を製造する方法は、無水結晶マルチトールが採取
できればよく、例えば分蜜方法、ブロツク粉砕方
法、流動造粒方法、噴霧乾燥方法などの公知方法
を利用すればよい。例えば、分蜜方法は通常マス
キツトをバスケツト型遠心分離機にかけ、無水結
晶マルチトールと蜜とを分離する方法で、必要に
より、該結晶に少量の冷水をスプレーして洗浄す
ることも容易であり、より高純度の非吸湿性無水
結晶マルチトールを製造するのに好適である。他
の三つの方法は、蜜を分離しないので得られる含
蜜結晶にマルチトール純度の向上は見られないが
製品収量の多い特長を有している。従つて、本製
品の場合には、通常、無水結晶マルチトール以外
に蜜成分として澱粉糖由来の糖アルコール、例え
ばソルビトール、マルトトリイトール、マルトテ
トライトールなどが含まれる。噴霧乾燥の場合に
は、通常、濃度70〜85%、晶出率25〜60%程度の
マスキツトを高圧ポンプでノズルから噴霧し、結
晶粉末が溶融しない温度、例えば60〜100℃の熱
風で乾燥し、次いで30〜60℃の温風で約1〜20時
間熟成すれば非吸湿性または難吸湿性の含蜜が容
易に製造できる。また、ブロツク粉砕方法は、通
常、水分5〜15%、晶出率10〜60%程度のマスキ
ツトを0.5〜5日間静置して全体をブロツク状に
晶出固化させ、これを粉砕または切削などの方法
によつて破砕し乾燥すれば、非吸湿性または難吸
湿性の含蜜結晶が容易に製造できる。
また、マルチトール水溶液を常法に従い水分5
%未満に加熱濃縮して溶融状態とした過飽和マル
チトール溶液とし、この過飽和マルチトール溶液
に種晶をマルチトールの融点以下の温度で混捏
し、これを各種の形状、例えば粉体、顆粒、棒
状、板状、立方体などに成形して非吸湿性または
難吸湿性の含蜜結晶を得ることも自由にできる。
このようにして得られる高純度無水結晶マルチ
トールは、そのマルチトールの純度によつてその
非吸湿性は多少変動するが、実質的に非吸湿性で
あり、流動性であり、粘着、固着の懸念もなく砂
糖と同様に取り扱えるので、例えば飲食物、化粧
品、医薬品、成形物、その他化学原料など各種用
途に自由に利用できる。
また、無水結晶マルチトール含有含蜜結晶は、
その純度の違いにより、融点、比旋光度などの理
化学的性質が変化する。このうち融点は、マルチ
トールの純度が低下するにともなつて低下し、融
解温度の幅も広くなる。例えば、純度85.2%の無
水結晶マルチトール含有含蜜結晶の融点は120〜
127℃である。
従つて、その必要性によりマルチトール純度を
適宜選択して利用すればよい。また、本発明の無
水結晶マルチトールは、舌にのせると、砂糖の場
合とは違つて多量の溶解熱をうばつて容易に溶解
するので、清涼感のある上品な甘味を呈し、甘味
料として好適である。
本発明の品質改良剤が有効成分として含有する
無水結晶マルチトールは、水に対して溶解度、溶
解速度が大きいにもかかわらず、実質的に非吸湿
性粉末であるので、後に述べる粉末状即席飲食物
などの品質改良剤として特に好都合である。従つ
て、無水結晶マルチトールを使用することによ
り、従来マルチトールを使用しては製造不可能、
または極めて困難であるとされていた例えば、粉
末甘味料、固形甘味料、フオンダント、チヨコレ
ート、チユーインガム、即席ジユース、即席スー
プ顆粒、錠剤などの製造が極めて容易に工業的に
製造できることとなつたのである。
また、無水結晶マルチトールは、非吸湿性であ
つて固結しないことから流動性がよく、その包
装、輸送、貯蔵などの管理に要する物的、人的経
費が削減できるので、その利益は計り知れないも
のがある。
更に、無水結晶マルチトールは、水に極めてよ
く溶け、従来水溶液で使用されていた場合と同様
に、マルチトール本来の性質、例えば甘味性、ボ
デイ付与性、照り付与性、保湿性、粘性、耐熱
性、耐酸性、難発酵性、難消化性、非齲蝕性など
の性質も兼備しているので、これら性質を利用し
た飲食物、化粧品、医薬品などを製造することも
自由である。
以下に、本発明をより詳細に説明する。
本発明の無水結晶マルチトールを有効成分とす
る品質改良剤は、品質改良剤としてのみならず、
そのまま甘味付のための調味料としても使用する
ことができる。必要ならば、例えば、粉飴、ブド
ウ糖、マルトース、異性化糖、砂糖、蜂蜜、メー
プルシユガー、ソルビトール、ジヒドロカルコ
ン、ステビオシド、α−グリコシルステビオシ
ド、ラカンカ甘味物、グリチルリチン、L−アス
パラチルL−フエニルアラニンメチルエステル、
サツカリン、グリシン、アラニンなどのような他
の甘味料の一種または二種以上の適量と混合して
使用してもよく、またデキストリン、澱粉、乳糖
などのような増量剤と混合して使用することもで
きる。また、本発明の品質改良剤が有効成分とし
て含有する無水結晶マルチトールの含有量は、糖
組成で約85%以上、好ましくは、99%以上とする
のが望ましい。更に、本発明の無水結晶マルチト
ールを有効成分とする品質改良剤の内、粉末品
は、そのままで、または必要に応じて増量剤、賦
形剤、結合剤などと混合して顆粒、球状、錠剤、
棒状、板状、立方体などに成形して使用すること
も自由である。
また、本発明の品質改良剤が有効成分として含
有する無水結晶マルチトールは、マルチトールと
同様に、消化吸収されにくいから、本発明の品質
改良剤で甘味付された飲食物のカロリーを低下さ
せることができる。
従つて、本発明の品質改良剤は、糖尿病者、肥
満者などのカロリー制限している人のための低カ
ロリー甘味料として、また低カロリー飲食物、例
えば美容食、健康食、ダイエツト食への甘味付に
利用できるのである。
また、本発明の品質改良剤が有効成分として含
有する無水結晶マルチトールは、マルチトールと
同様に虫歯誘発菌などによつて発酵されにくいこ
となどより、虫歯を起しにくい甘味料としても利
用できる。例えば、チユーインガム、チヨコレー
ト、ビスケツト、クツキー、キヤラメル、キヤン
デーなどの菓子類、コーラ、サイダー、ジユー
ス、コーヒー、乳酸菌飲料などの飲料水類などに
おける低齲蝕性飲食物の甘味付に好適である。ま
た、うがい水や練歯みがきなどの虫歯を予防する
化粧品や医薬などへの甘味付にも好適である。
本発明の無水結晶マルチトールを有効成分とす
る品質改良剤が呈する甘味は、酸味、塩から味、
渋味、旨味、苦味などの他の呈味を有する各種の
物質とよく調和し、耐酸性、耐熱性も大きいので
今まで述べた特殊な場合だけでなく、普通一般の
飲食物の甘味付、呈味改良などの器質改良剤とし
て自由に利用できる。
例えば、醤油、粉末醤油、味噌、粉末味噌、も
ろみ、ひしお、フリカケ、マヨネーズ、ドレツシ
ング、食酢、三杯酢、粉末すし酢、中華の素、天
つゆ、麺つゆ、ソース、ケチヤツプ、焼肉のタ
レ、カレールウ、シチユーの素、スープの素、ダ
シの素、複合調味料、みりん、新みりん、テーブ
ルシユガー、コーヒーシユガーなど各種調味料の
品質改良剤として自由に使用できる。
また、例えば、せんべい、あられ、おこし、餅
類、まんじゆう、ういろう、あん類、羊羮、水羊
羮、錦玉、ゼリー、カステラ、飴玉などの各種和
菓子、パン、ビスケツト、クラツカー、クツキ
ー、パイ、プリン、バタークリーム、カスタード
クリーム、シユークリーム、ワツフル、スポンジ
ケーキ、ドーナツ、チヨコレート、チユーインン
ガム、キヤラメル、キヤンデーなどの各種洋菓
子、アイスクリーム、シヤーベツトなどの氷菓、
果実のシロツプ漬、氷蜜などのシロツプ類、フラ
ワーペースト、ピーナツツペースト、フルーツペ
ーストなどのペースト類、ジヤム、マーマレー
ド、シロツプ漬、糖菓などの果実、野菜の加工食
品類、パン類、麺類、米飯類、人造肉などの穀類
加工食品類、福神漬、べつたら漬、千枚漬、らつ
きよう漬などの漬物類、たくあん漬の素、白菜漬
の素などの漬物の素類、ハム、ソーセージなどの
畜肉製品類、魚肉ハム、魚肉ソーセージ、カマボ
コ、チクワ、天ぷらなどの魚肉製品、ウニ、イカ
の塩辛、酢コンブ、さきするめ、ふぐのみりん干
しなどの各種珍味類、のり、山菜、するめ、小
魚、貝などで製造されるつくだ煮類、煮豆、ポテ
トサラダ、コンブ巻などのそう菜食品、乳製品、
魚肉、畜肉、果実、野菜のビン詰、缶詰類、合成
酒、果実酒、洋酒などの酒類、コーヒー、ココ
ア、ジユース、炭酸飲料、乳酸飲料、乳酸菌飲料
などの清涼飲料水、プリンミツクス、ホツトケー
キミツクスなどのプレミツクス粉類、即席ジユー
ス、即席コーヒー、即席しるこ、即席スープなど
即席飲食品などの各種飲食物の甘味料、また、呈
味改良剤などの品質改良剤として自由に利用でき
る。
また、本発明の無水結晶マルチトールを有効成
分とする品質改良剤は、非吸湿性で、流動性が良
好なことより、例えば、チユーインガム、酢コン
ブなどの場合に、これら表面を被覆するなどによ
り、内容物表面と包装紙との付着防止、すべり改
良剤などとしても有利に利用できる。
また、家畜、家禽、その他蜜蜂、蚕、魚などの
飼育動物のために飼料、餌料などの嗜好性を向上
させる目的の品質改良剤として使用することもで
きる。その他、タバコ、練歯みがき、口紅、リツ
プクリーム、内服薬、トローチ、肝油ドロツプ、
口中清涼剤、口中香錠、うがい薬など各種固形
状、ペースト状、液状などで嗜好物、化粧品、医
薬品などへの呈味改良剤、矯味剤などの品質改良
剤としても自由に利用できる。
また、本発明の無水結晶マルチトールを有効成
分とする品質改良剤に少量の水をスプレーする
か、またはマルチトール水溶液の少量をスプレー
してわずかにしめらせた後、低圧圧縮成形するこ
とにより、グラニユー糖から製造した成形砂糖同
様に各種形状、例えばサイコロ状、魚、花等に自
由に成形できるのでコーヒー、紅茶などに好適な
成形品質改良剤が容易に製造できる。この際、例
えば、α−グリコシルステビオシド、サツカリ
ン、砂糖、L−アスパラチル、L−フエニルアラ
ニンメチルエステルなどを含有せしめて増甘する
ことも、赤や緑などの食用色素で着色すること
も、さらに、コーヒーフレーバー、オレンジフレ
ーバー、ブランデーフレーバーなどのフレーバー
類を含有せしめて成形することも自由である。ま
た、フレーバー類での着香に当つて、予じめフレ
ーバー類とシクロデキストリンとの包摂化合物に
して使用することも自由である。
また、本発明の品質改良剤が有効成分として含
有する無水マルチトールとして、高純度無水結晶
マルチトールが使用される場合は、砂糖と同様に
巨大結晶の摂取が容易にできるので、氷砂糖、コ
ーヒーシユガーなどのような透明ないし半透明の
非吸湿性甘味料として利用することもできる。
更に、本発明の無水結晶マルチトールを有効成
分として含有する品質改良剤に、例えばビタミン
剤、抗生物質、乳酸菌などを混合して各種形状に
成形、例えば顆粒成形機にかけて顆粒に、打錠機
にかけて錠剤にして、各種用途に使用することも
自由である。
以上述べたように、本発明の品質改良剤は、本
発明でいう飲食物、即ち、飲料、甘味料、食品、
嗜好物、飼料、餌料、化粧品、医薬品など経口使
用するもの全般に使用することができ、それら飲
食物に対し、吸湿防止、固結防止、潮解防止、呈
味改良、矯味付与、流動性付与、成形性付与、甘
味付与、ボデイ付与、照り付与、保湿付与、粘性
付与、耐熱性付与、耐酸性付与、難発酵性付与、
難消化性付与、非齲蝕性付与などの性質を付与す
るものである。
斯かる飲食物に本発明の品質改良剤を含有せし
める方法は、その製品が完成するまでの工程に含
有せしめればよく、例えば混和、混捏、溶解、融
解、浸漬、浸透、散布、被覆、噴霧、注入、晶
出、固化などの公知の方法が適宜選ばれる。
以下、本発明の実施例並びに本発明の品質改良
剤を含有せしめた製品を参考例として述べる。
実施例 1 馬鈴薯澱粉1重量部と水10重量部との懸濁液に
市販の細菌液化型α−アミラーゼを加え90℃に加
熱糊化し、直ちに130℃に加熱して酵素反応を止
め、DE約0.5の液化液を得た。この澱粉液化液を
55℃まで急冷してシユードモナス・アミロデラモ
サ(Pseudomonas amyloderamosa)
ATCC21262の培養液から調製したイソアミラー
ゼ(EC3.2.1.68)を澱粉g当り100単位と、大豆
由来のβ−アミラーゼ(EC3.2.1.2)(長瀬産業(株)
製、商品名#1500)を同じく50単位とを加えPH
5.0に保つて40時間糖化し、糖組成がグルコース
0.4%、マルトース92.5%、マルトトリオース5.0
%、マルトテトラオース以上のデキストリン2.1
%からなるマルトース高含有糖化液を得、これを
活性炭で脱色し、イオン交換樹脂で脱塩精製し
た。本マルトース溶液を濃度75%に濃縮した後、
助晶缶にとり、β−マルトース・モノハイドレイ
ト結晶の粉末種晶1%を40℃とし、ゆつくり攪拌
しつつ、徐冷して、2日間を要して30℃まで下
げ、バスケツト型遠心機で分蜜し、結晶を少量の
水でスプレーし洗浄して純度99.0%の高純度結晶
マルトースを得た。本マルトースを50%水溶液に
し、オートクレーブに入れ、触媒としてラネーニ
ツケル10%を添加し、攪拌しながら温度を90〜
125℃に上げ、水素圧を20〜100Kg/cm2に上げて水
素化を完了させた後、ラネーニツケルを除去し、
常法に従つて活性炭、イオン交換樹脂で精製して
純度98.5%の高純度マルチトールを得た。本マル
チトール溶液を減圧濃縮して、濃度75%にしたマ
ルチトール水溶液の一部を軟質ガラスビンに入
れ、30〜5℃に約6ケ月間保つたところその内壁
に無水結晶マルチトールが析出した。
この結晶を、前記高純度マルチトールの濃度80
%水溶液に種晶として加え、ゆつくり攪拌しなが
ら助晶し、得られたマスキツトをバスケツト型遠
心分離機で分蜜し、結晶に少量の水をスプレーし
て洗浄し純度99.8%の高純度無水結晶マルチトー
ルを採取した。
このようにして得た無水結晶マルチトールは融
点が146.5〜147℃であり、溶解度が水100gに対
し、25℃で165gであつた。また室内に放置して
も吸湿性は示さなかつた。
この無水結晶マルチトールは、吸湿性はなく、
取り扱い容易な品質改良剤としてのみならず、マ
ルチトールの種晶としても有利に用いることがで
きる。
実施例 2 馬鈴薯澱粉1重量部と水10重量部との懸濁液
に、市販の細菌液化型α−アミラーゼを加え、90
℃に加熱糊化し、直ちに130℃に加熱して酵素反
応を止め、DE約0.5の液化液を得た。この澱粉液
化液を50℃まで急冷し、エツシエリヒア・インタ
ーメデイア(Escherichia intermedia)
ATCC21073の培養液から調製したプルラナーゼ
(EC3.2.1.41)を澱粉g当り50単位と、大豆由来
のβ−アミラーゼ(長瀬産業(株)製、商品名
#1500)を同じく30単位とを加え、PH6.0に保つ
て46時間糖化し、糖化液を活性炭で脱色し、イオ
ン交換樹脂で脱塩したのち濃縮し、糖組成がグル
コース0.4%、マルトース92.5%、マルトース92.5
%、マルトトリオース4.8%、マルトテトラオー
ス以上のデキストリン2.3%からなるマルトース
溶液を原料澱粉に対して収率(固形物当り)約97
%で得た。
本マルトース溶液を濃度50%にし、これに触媒
としてラネーニツケル10%を添加し、攪拌しなが
ら温度を90〜125℃に上げ、水素圧を20〜100Kg/
cm2に上げて水素化を完了させた後、ラネーニツケ
ルを除去し、常法に従つて活性炭、イオン交換樹
脂で精製して、組成がソルビトール0.8%、マル
チトール92.2%、マルトトリイトール4.6%、マ
ルトテトライトール以上のデキストリンアルコー
ル2.4%からなるマルチトール溶液を原料澱粉に
対して収率約92%で得た。
本マルチトール溶液を濃度80%に濃縮した後、
助晶缶にとり、無水結晶マルチトールの粉末種晶
1%を加えて50℃とし、ゆつくり攪拌しつつ徐冷
して、3日間を要して20℃まで下げ、バスケツト
型遠心分離機で分蜜し、結晶を少量の水でスプレ
ーし、洗浄して結晶を採取した。純度99.2%の無
水結晶マルチトールを原料澱粉に対して収率約46
%で得た。
本品の融点は、145.5〜147℃であつた。
本品は、純度が高く吸湿性を全く示さず、甘味
剤、呈味改良剤、矯味剤などの品質改良剤とし
て、各種飲食物、化粧品、医薬品などに、更には
工業試薬、化学原料としても有利に利用できる。
実施例 3 コーンスターチ3重量部と水10重量部との懸濁
液に、市販の細菌液化型α−アミラーゼを加え、
90℃に加熱糊化した後、130℃に加熱して酵素反
応を止め、DE約3の液化液とし、この澱粉液化
液を55℃に急冷してシユードモナス・アミロデラ
モサ(Pseudomonas amyloderamosa)
ATCC21262の培養液から調製したイソアミラー
ゼ(EC3.2.1.68)を澱粉g当り100単位と、大豆
由来のβ−アミラーゼを同じく30単位とを加え、
PH5.0に保つて36時間糖化し、実施例2と同様に
精製して糖組成がグルコース2.6%、マルトース
85.4%、マルトトリオース7.4%、マルトテトラ
オース以上のデキストン4.6%からなるマルトー
ス溶液を得、次いで実施例2と同様に水素化し、
糖製して、ソルビトール3.6%、マルチトール
85.0%、マルトトリイトール6.8%、マルトテト
ライトール以上のデキストリンアルコール4.6%
からなるマルチトール溶液を濃度88%に濃縮した
後、助晶缶にとり、無水結晶マルチトールの粉末
結晶2%を加えて50℃とし、ゆつくり攪拌しなが
ら2時間保つた後、バツトにとり、20℃で4日間
静止して晶出固化させ、次いで切削型粉砕機で粉
砕し、乾燥して無水結晶マルチトール含有含蜜結
晶粉末を収率90%で得た。本品の融点は、120〜
127℃であつた。
本品は、実質的に吸湿性を示さず、取り扱いが
容易な品質改良剤であり、各種飲食物、化粧品、
医薬品などの甘味剤、呈味改良剤、矯味剤などの
品質改良剤としても有利に使用できる。
実施例 4 実施例2の方法で製造したマルチトール溶液を
80%に濃縮した後、助晶缶にとり、無水結晶マル
チトール含有含蜜結晶粉末2%を加えて、50℃か
らゆつくり攪拌しつつ徐冷し、晶出率35%のマス
キツトを得た。高圧ポンプにて150Kg/cm2の圧に
て1.5mm口径ノズルより乾燥塔上より噴霧した。
これと同時に、85℃の熱風を乾燥塔の上部より送
風して底部に設けた移送金網コンベア上に捕集
し、コンベアの下より40℃の温風を送りつつ移動
金網コンベア上に捕集した結晶粉末を乾燥塔外に
徐々に移動させ、40分を要して取出した。この取
出した結晶粉末を熟成塔に充填して10時間熟成さ
せ、結晶化と乾燥を完了させ、無水結晶マルチト
ール含有含蜜結晶粉末を収率92%で得た。
本品は、吸湿性がなく、取り扱いが容易な品質
改良剤であり、飲食物用品質改良剤としのみなら
ず、各種化学工業原料としても有利に使用でき
る。
以下、本発明の品質改良剤を含有する製品につ
いて述べる。
参考例 1フオンダント コーンスターチ5重量部と水10重量部との懸濁
液を実施例3の方法でDE5の澱粉液化液とし、こ
れを55℃に急冷し、澱粉g当りイソアミラーゼ70
単位とβ−アミラーゼ10単位を加え、PH5.0に保
つて36時間糖化し、実施例2と同様に精製して糖
組成がグルコース0.9%、マルトース77.6%、マ
ルトトリオール12.5%、マルトテトラオース以上
のデキストリン9.0%からなるマルトース溶液を
得、次いで、実施例2と同様に水素化し、精製し
てソルビトール1.4%、マルチトール77.3%、マ
ルトトリイトール12.3%、マルトテトライトール
以上のデキストリンアルコール9.0%からなるマ
ルチトール溶液を濃度85%に濃縮した後、助晶缶
にとり、種晶1%を加えて激しく攪拌しながら室
温まで冷却し、次いで実施例2の方法で得た品質
改良剤を混合攪拌してフオンダントを得た。
本品は、白色のペースト状で、口当りもなめら
かであり、上品な甘味を有し、各種製菓材料とし
て有利に使用できる。
参考例 2甘味料 実施例3の方法で得た品質改良剤1重量部にα
−グリコシルステビオシド(商品名「α−Gスイ
ート」東洋製糖製)0.05重量部を均一に混合して
得た粉末甘味料は、甘味の質がすぐれ、砂糖の約
2倍の甘味を有し、カロリーは砂糖の約1/20に低
下した。
本甘味料は、低カロリー甘味料として、カロリ
ーの摂取を制限している人、例えば肥満者、糖尿
病者などのための低カロリー飲食物などに対する
甘味付に好適である。
また、本甘味料は、虫歯誘発菌によつて酸の生
成もなく、不溶性グルカンの生成もないことによ
り、虫歯を抑制する飲食物などに対する甘味付に
も好適である。
参考例 3固形甘味料 実施例2の方法で得た品質改良剤1重量部に、
サツカリン0.01重量部を均一に混合し、これにマ
ルチトール水溶液を少量スプレーしてしめらせ、
角砂糖用成形器に入れ低圧で加圧成形した後、こ
れを型抜きしてサイコロ状に成形した固形甘味料
を得た。
本品は、砂糖の約2倍の甘味を有する白色の甘
味料で、物理的強度も充分にあり、吸湿性がな
く、冷水には溶易に溶ける性質を有する。
また、本品は、実質的に低カロリー甘味料、非
齲蝕性甘味料と言える。
参考例 4クリームウエフアース 実施例3の方法で得た品質改良剤2000重量部、
シヨートニング1000重量部、レシチン1重量部、
レモンオイル1重量部、バニラオイル1重量部を
常法により配合して得たクリームを加温して40〜
45℃に保ちウエフアースに挟んでクリームウエフ
アースを製造した。
参考例 5カスタードクリーム コーンスターチ500重量部、実施例4の方法で
得た品質改良剤500重量部、マルトース400重量部
および食塩5重量部を、篩を通して充分に混合
し、鶏卵1400重量部を加えて攪拌し、これに沸謄
した牛乳5000重量部を徐々に加え、さらに、これ
をとろ火にかけて攪拌をを続け、コーンスターチ
が完全に糊化して全体が半透明になつたときに火
を止め、これを冷却して少量のバニラ香料を加え
ることによりカスタードクリームを製造した。
本品は、なめらかで光沢を有し、甘味が強すぎ
ずに美味である。
参考例 6チヨコレート カカオペースト40重量部、カカオバター10重量
部、実施例2の方法で得た品質改良剤50重量部を
混合してレフアイナーに通して粒度を下げた後、
コンチエに入れて50℃で2昼夜練り上げる。この
間にレシチン0.5重量部を添加して充分に分散さ
せた。
次いで、温度調節機で31℃に調節し、バターの
固まる直前に型に流し込み、震動機でアワ抜きを
行なつた後、10℃の冷却トンネルを20分間で通過
させて固化させた。これを型抜きして包装し製品
を得た。
本品は、吸湿性がなく、色、光沢共に良く、内
部組織も良好であり、口中でなめらかに溶け、上
品な甘味とまろやかな風味を有する。また、本品
は、低カロリー、低齲蝕性チヨコレートとして有
用である。
参考例 7玉入りチヨコレート 実施例3の方法で得た品質改良剤95重量部、水
飴5重量部、水少量を攪拌混合して流動性をもた
せ、これに少量の香料、色素を配合した後、澱粉
型にデポジターで充填して半固化させ、澱粉を篩
分けして玉入りチヨコレートのセンターとした。
このセンターに、参考例6の方法で製造した固
化前のチヨコレートをコーテイングし、冷却固化
して包装し製品とした。
参考例 8テユーインガム ガムベース25重量部および参考例1の方法で得
たフオンダント40重量部とを、60℃でミキサーに
より混練し、次いで、実施例2の方法で得た品質
改良剤30重量部、リン酸カルシウム1.5重量部お
よびl−メントールβ−シクロデキストリン包接
化合物0.1重量部を混合し、最後に調味料少量を
混合して充分に混練し、ロール加工、裁断して製
品を得た。
本品は、非齲蝕性チユーインガムとして好適で
ある。
参考例 9粉末ジユース 噴霧乾燥により製造したオレンジ果汁粉末33重
量部に対し、実施例4の方法で得た品質改良剤60
重量部、無水クエン酸0.65重量部、リンゴ酸0.1
重量部、アスコルビン酸0.1重量部、クエン酸ソ
ーダ0.1重量部、粉末香料0.6重量部、プルラン0.5
重量部をよく混合攪拌し、これを流動層造粒機に
仕込み、排風温度40℃、風量毎分150m3とし、こ
れに実施例3の方法で得た濃度50%のマルチトー
ル液をコーテイング液またはバインダーとして毎
分100mlの割合でスプレーし、30分間造粒するこ
とにより粉末ジユースを製造した。
本品は、果汁含有率30%の粉末ジユースであ
る。また、本品は、異味、異臭がなく、吸湿固結
も起さず長期に安定であつた。
参考例 10即席コーンポタージユスープ α−化コーン粉末30重量部、α−化小麦粉5重
量部、α−化ポテトスターチ4重量部、α−化ワ
キシーコーンスターチ12重量部、実施例3の方法
で得た品質改良剤8重量部、グルタミン酸ナトリ
ウム5重量部、食塩8.5重量部、脱脂粉乳7重量
部、オニオンパウダー0.5重量部を磨砕してよく
混合した後、これにソルビタン脂肪酸エステル
0.5重量部と植物性硬化油9重量部とを加熱融解
したものを添加して混合し、さらに乳糖10重量部
を加えて混合し、これを参考例9と同様に流動層
造粒機に仕込んで少量の水をスプレーし、造粒し
た後、70℃の熱風で乾燥し、篩別して即席コーン
ポタージユスープを製造した。
本品は、熱湯を注げば、容易に溶解、分散し、
風味の優れたスープとなる。
参考例 11ういろうの素 米粉90重量部に、コーンスターチ20重量部、実
施例4の方法で得た品質改良剤120重量部、プル
ラン4重量部を均一に混合してういろうの素を製
造した。
ういろうの素200gと抹茶粉末1gとに水を加
えてよく混練した後、これを容器に入れて60分間
蒸して抹茶ういろうを製造した。
本品は、照り、口当りも良好で、風味もよかつ
た。また、澱粉の老化も抑制され、長期間安定で
あつた。
参考例 12べつたら漬の素 実施例3の方法で得た品質改良剤4重量部、甘
草製剤0.05重量部、リンゴ酸0.008重量部、グル
タミン酸ナトリウム0.07重量部、ソルビン酸カリ
ウム0.03重量部およびプルラン0.2重量部を均一
に混合してべつたら漬の素を製造した。
大根30Kgを常法に従つて食塩により下漬し、次
いで砂糖で中漬したものを、本ベつたら漬の素4
Kgで調製した調味液に漬けてべつたら漬を製造し
た。
本品は、色、艷、香気共に良好で、適度の甘味
を有し歯切れもよかつた。
また、本品は酸敗しにくく長期間安定であつ
た。
参考例 13錠剤 アスピリン50重量部に実施例3の方法で得た品
質改良剤14重量部、コーンスターチ4重量部を充
分に混合した後、常法に従つて打錠機により打錠
して厚さ5.25mm、1錠680mgの錠剤を製造した。
本品は、吸湿性がなく、物理的強度も充分にあ
り、しかも水中での崩壊は極めて良好である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、無水結晶マルチトールの赤外線吸収
スペクトルを示す。第2図は、無水非晶質マルチ
トールの赤外線吸収スペクトルを示す。第3図
は、顕微鏡で150倍に拡大した無水結晶マルチト
ールの形状の一例を示す写真である。第4図は、
顕微鏡で600倍に拡大した無水結晶マルチトール
の形状の一例を示す写真である。 第5図は、無
水結晶マルチトールにおける分子の立体構造模式
図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 無水結晶マルチトールを有効成分とする飲食
    物用品質改良剤。 2 飲食物用品質改良剤が粉末状、顆粒状、棒
    状、球状、板状または立方体状に成形されている
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の飲
    食物用品質改良剤。
JP63278304A 1988-11-02 1988-11-02 品質改良剤 Granted JPH01165346A (ja)

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