JP4456376B2 - ポリオール組成物及びその組成物を用いるガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォーム - Google Patents

ポリオール組成物及びその組成物を用いるガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォーム Download PDF

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本発明は、発泡剤に水を用いて製造されるガラス繊維により強化された硬質ポリウレタンフォームの製造用のポリオール組成物及び該ポリオール組成物を用いるガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォームに関し、より具体的にはLNGを始めとする極低温流体などを取り扱う貯蔵設備、運送設備などの保冷材として好適に使用できるガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォームの製造用のポリオール組成物及び該ポリオール組成物を用いるガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォームに関する。
活性水素を有するポリオールとポリイソシアネートを発泡剤、触媒、整泡剤その他の配合剤の存在下で発泡させて得られる硬質ポリウレタンフォームは、断熱性に優れ、特に、ガラス繊維により補強を施したガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォームは、断熱性に加えて機械的強度及び寸法安定性に優れる。
当該ガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォームとしては、特開2001−247647号公報に、芳香族ポリエステルポリオール、芳香族アミン系ポリエーテルポリオール、脂肪族3官能アルコールを開始剤とする3官能ポリエーテルポリオール、ソルビトールもしくはシュークロースを開始剤とする多官能ポリエーテルポリオール及び低分子量多価アルコールを含有する硬質ポリウレタンフォーム用原液組成物並びに該原料組成物を用いるガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォームが開示されている。
特開2001−247647号公報
ところで、従来、硬質ポリウレタンフォームの製造には、発泡剤としてハイドロフルオロカーボン類が用いられていたが、ハイドロフルオロカーボン類は、地球のオゾン層破壊物質であるため、ハイドロフルオロカーボン類を用いない硬質ポリウレタンフォームの製造が望まれていた。
近年、ハイドロフルオロカーボン類を用いない硬質ポリウレタンの製造方法として、水を発泡剤に用いる方法が注目されている。しかし、ハイドロフルオロカーボン類を発泡剤に用いる場合は、ガラス繊維が、ガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォーム中に、均一に分布しているのに対し、水を発泡剤に用いる場合、ガラス繊維の分布が不均一で、そのためエアボイドが発生するという問題があった。また、ガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォーム内部にクラックが発生するという問題、あるいはガラス繊維で補強したにもかかわらず、十分な機械的強度が得られないという問題があった。
従って、本発明の課題は、水を発泡剤に用いて製造した場合に、ガラス繊維の分布が均一でエアボイドがなく、内部にクラックの発生がなく、且つ機械的強度に優れるガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォームの製造を可能とするポリオール組成物及び該ガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォームを提供することである。
本発明者らは、上記従来技術における課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、(1)ガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォーム中のガラス繊維の分布が不均一となるのは、ガラス繊維への発泡性樹脂原液の含浸が不十分なために起こること、(2)ポリオール組成物を構成するポリオール成分に、特定の水酸基価を有する3官能脂肪族ポリエーテルポリオールをポリオール成分中45〜70重量%と多量に用い、且つ他に特定のポリオールを特定の割合で含有させることにより、発泡剤に水を用いても、(i)発泡性樹脂原液の粘度を低くできるので、ガラス繊維への発泡性樹脂原液の含浸性が向上し、その結果、ガラス繊維が均一に分布し、エアボイドが少ないガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォームを得ることができること、(ii)クラックの発生及び機械的強度の低下の防止を同時に達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明(1)は、発泡剤に水を用い、ポリイソシアネート成分との反応によりガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォームを形成するポリオール組成物であって、ポリオール成分の全量を100重量部としたとき、3官能アルコールを開始剤とする水酸基価が50〜700mgKOH/g、25℃における粘度が200〜550mPa・sである3官能脂肪族ポリエーテルポリオールを50〜70重量部、活性水素を有する水酸基を分子中に4つ以上有する多価アルコールを開始剤とする多官能ポリエーテルポリオールを10〜40重量部、芳香族アミンを開始剤とする芳香族アミンポリエーテルポリオールを5〜30重量部含有するポリオール組成物を提供するものである。
また、本発明(2)は、前記本発明(1)のポリオール組成物と、ポリイソシアネート成分を含む発泡性樹脂原液を、ガラス繊維マットに塗布及び発泡させて得られるガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォームを提供するものである。
本発明のポリオール組成物は、水を発泡剤に用いる場合に、ポリオール組成物とポリイソシアネート成分を含む発泡性樹脂原液の粘度を低下させることができるので、該発泡性樹脂原液のガラス繊維シートへの含浸性が向上する。その結果、ガラス繊維が均一に分布しエアボイドの発生が少なく、且つクラックの発生がなく、機械的強度に優れるガラス繊維強化硬化ポリウレタンフォームを製造することができる。
本発明のポリオール組成物は、ポリオール成分の全量を100重量部としたとき、水酸基価が50〜700mgKOH/gである3官能アルコールを開始剤とする3官能脂肪族ポリエーテルポリオールを45〜70重量部、多価アルコールを開始剤とする多官能ポリエーテルポリオールを10〜40重量部、芳香族アミンを開始剤とする芳香族アミンポリエーテルポリオールを5〜30重量部含有する。ここで、ポリオール成分とは、ポリイソシアネートのイソシアネート基と反応して、ウレタン結合を形成することができる活性水素を有する化合物全てを指す。
本発明に係る3官能脂肪族ポリエーテルポリオールは、3官能脂肪族アルコールを開始剤として、該3官能脂肪族アルコールの水酸基の少なくとも1つにアルキレンオキサイドを開環付加重合させ、ポリエーテル鎖を形成させたものである。該3官能脂肪族アルコールは、活性水素を有する水酸基を、分子中に3つ持つ脂肪族アルコールであり、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、1,2,6−ヘキサントリオール等が挙げられ、好ましくは、グリセリンである。該アルキレンオキサイドとしては、プロプレンオキサイド、エチレンオキサイド、スチレンオキサイド等が挙げられ、好ましくは、プロピレンオキサイド又はエチレンオキサイドである。該3官能脂肪族ポリエーテルポリオールは、1分子当りの活性水素の数(以後、官能基数と記載)が、全てが3であることが好ましいが、一部に官能基数が1又は2のものを含むこともできる。
当該3官能脂肪族ポリエーテルポリオールは、水酸基価が50〜700mgKOH/gであり、好ましくは、50〜650mgKOH/g、特に好ましくは、100〜580mgKOH/gである。水酸基価が、50mgKOH/g未満だと、ガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォームの機械的強度、特に圧縮強度が低くなり、700mgKOH/gを超えると、ガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォームが脆化し、機械的強度、特に引張強度が低くなる。また、25℃における粘度が、200〜650mPa・sであり、好ましくは、200〜550mPa・s、特に好ましくは、200〜450mPa・sである。25℃における粘度が、200mPa・s未満だと、ガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォームが脆化し、機械的強度、特に引張強度が低くなり、650mPa・sを超えると、発泡性樹脂原液の粘度が高くなり、ガラス繊維シートへの含浸が不十分となる。また、分子量が、240〜3500、好ましくは、300〜1000である。該3官能脂肪族ポリエーテルポリオールは、1種単独で又は2種以上を併用して使用することができる。
当該3官能脂肪族ポリエーテルポリオールは、粘度が低いため、該3官能脂肪族ポリエーテルポリオールを配合することにより、発泡性樹脂原液の粘度を低くすることができる。そのため、発泡性樹脂原液のガラス繊維マットへの含浸性が向上し、エアボイドの少ないガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォームを得ることができる。
ポリオール組成物中、当該3官能ポリエーテルポリオールの含有量は、ポリオール成分の全量を100重量部としたとき、45〜70重量部、好ましくは、50〜70重量部である。3官能ポリエーテルポリオールの含有量が、45重量部未満だと発泡性樹脂原液の粘度が高くなり、ガラス繊維マットへ含浸が不十分となり、70重量部を超えると、ガラス繊維強化硬質ウレタンフォームの圧縮強さが低くなる。
本発明に係る多官能ポリエーテルポリオールは、多官能アルコールを開始剤として、該多官能アルコールの水酸基の少なくとも1つにアルキレンオキサイドを開環付加重合させ、ポリエーテル鎖を形成させたものである。本発明において、多官能アルコールとは、活性水素を有する水酸基を、分子中に4つ以上持つアルコールであり、該多官能アルコールとしては、ソルビトール、ペンタエリスリトール、マンニトール、シュークロース等が挙げられ、好ましくは、ソルビトールである。該アルキレンオキサイドとしては、前記3官能脂肪族ポリエーテルポリオールに用いられるアルキレンオキサイドと同様のものを用いることができる。該多官能ポリエーテルポリオールは、官能基数が、全てが4以上であることが好ましいが、一部に官能基数が1〜3のものを含むこともできる。
当該多官能ポリエーテルポリオールは、25℃における粘度が、1000〜50000mPa・sであり、好ましくは、1000〜15000mPa・s、特に好ましくは、1000〜10000mPa・sである。また、水酸基価が300〜600mgKOH/gであり、好ましくは、350〜550mgKOH/gである。また、分子量が400〜2000であり、好ましくは、400〜1000である。また、官能基数/分子量の値が、0.003〜0.01であり、好ましくは、0.004〜0.009である。
当該多官能ポリエーテルポリオールは、官能基数/分子量の値が大きく、すなわち、分子量当りの官能基数が多いので、該多官能ポリエーテルポリオールを配合することにより、ガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォームの圧縮強度が向上する。そのため、機械的強度に優れたガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォームを得ることができる。
ポリオール組成物中、当該多官能ポリエーテルポリオールの含有量は、ポリオール成分の全量を100重量部としたとき、10〜40重量部、好ましくは、15〜35重量部である。多官能ポリエーテルポリオールの含有量が、10重量部未満だと、ガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォームの圧縮強さが低くなり、また、40重量部を超えると、発泡性樹脂原液の粘度が高くなり、ガラス繊維マットへの含浸性が不十分となる。
本発明に係る芳香族アミンポリエーテルポリオールは、芳香族アミンを開始剤として、該芳香族アミンのアミノ基の少なくとも1つにアルキレンオキサイドを開環付加重合させ、ポリエーテル鎖を形成させたものである。該芳香族アミンとしては、例えば、トリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン等が挙げられる。該アルキレンオキサイドとしては、前記3官能脂肪族ポリエーテルポリオールに用いられるアルキレンオキサイドと同様のものを用いることができる。
当該芳香族アミンポリエーテルポリオールは、25℃における粘度が、2000〜70000mPa・sであり、好ましくは、10000〜45000mPa・s、特に好ましくは、10000〜35000mPa・sである。また、水酸基価が250〜550mgKOH/gであり、好ましくは、250〜500mgKOH/g、特に好ましくは、300〜500mgKOH/gである。また、分子量が、300〜1000、好ましくは、500〜700である。
当該芳香族アミンポリエーテルポリオールは、活性の高いアミノ基を有するので、該芳香族アミンポリエーテルポリオールを配合することにより、ガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォームのキュア性が向上する。そのため、ガラス繊維強化硬質ポリウレタン内部のクラックの発生を抑制することができる。
ポリオール組成物中、当該芳香族アミンポリエーテルポリオールの含有量は、ポリオール成分の全量を100重量部としたとき、5〜30重量部、好ましくは、10〜25重量部である。芳香族アミンポリエーテルポリオールの含有量が、5重量部未満だとガラス繊維強化硬質ウレタンフォームの内部にクラックが発生易くなり、30重量部を超えると、発泡性樹脂原液の粘度が高くなり、ガラス繊維マットへの含浸が不十分となる。
本発明のポリオール組成物は、3官能脂肪族ポリエーテルポリオール、多官能ポリエーテルポリオール及び芳香族アミンポリエーテルポリオールを前記含有量で含有することにより、ガラス繊維マットへ発泡性樹脂原液を塗布する際の該発泡性樹脂原液の粘度を低くすることができ、ガラス繊維マットへの含浸性が良好な発泡性樹脂原液を与える。そのため、エアボイドの発生が少ないガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォームを得ることができる。加えて、該ポリオール組成物は、クラックの発生がなく且つ機械的強度に優れたガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォームを与える。
また、本発明のポリオール組成物は、前記3官能脂肪族ポリエーテルポリオール、多官能ポリエーテルポリオール及び芳香族アミンポリエーテルポリオールの他に、硬質ポリウレタンフォームの製造に通常用いられるポリオールを含有することができる。具体的には、フタル酸等の多価芳香族カルボン酸と多価アルコール類とのエステル化により得られる芳香族ポリエステルポリオール、レゾール樹脂等のフェノール樹脂等が挙げられる。
ガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォームの製造で、発泡剤として用いる水は、発泡性樹脂原料を調製する際に加えることも、あらかじめポリオール組成物に含有させることもできる。従って、本発明のポリオール組成物は、水を含有することができる。該水としては、特に制限されるものではなく、例えば、蒸留水、イオン交換水、精製水等が挙げられる。
ポリオール組成物中、該水の含有量はポリオール成分に対して、0.5〜3.0重量%、好ましくは、0.7〜2.0重量%である。水の含有量が、0.5重量%未満だと、発泡が不十分なため硬質ポリウレタンフォームの密度が大きくなり過ぎて、保温保冷材としての機能が得られず、3.0重量%を超えると、ガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォームが脆化し、機械的強度、特に引張強度が低くなる。
また、本発明のポリオール組成物は、触媒を含有することができる。該触媒としては、特に制限されないが、硬質ポリウレタンフォームの製造に通常使用される第3級アミン系触媒、金属系触媒を挙げることができる。具体的には、該第3級アミン系触媒としては、トリエチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサンジアミン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、トリエチレンジアミン、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、トリエチルアミン等が挙げられ、金属系触媒としては、ジブチルチンジラウレート、スタナスオクトエート等が挙げられる。該触媒は、1種単独で使用することも、2種以上を併用することもできる。
また、本発明のポリオール組成物は、必要に応じて整泡剤、難燃剤その他硬質ポリウレタンフォームに用いられる配合剤を含有することができる。整泡剤としては、硬質ウレタンフォーム製造用として公知の有機ケイ素系界面活性剤、例えば、東レ・ダウ・コーニング・シリコーン社製SH193、ゴールドシュミット社製B8404、日本ユニカー社製L5420等を挙げることができ、該整泡剤の含有量は、ポリオール成分に対して、0.5〜7重量%である。また、難燃剤としては、含ハロゲンリン酸エステル化合物、例えば、トリス(2−クロロエチル)ホスフェート、トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート等が挙げられ、該難燃剤の含有量は、ポリオール成分に対して、5〜15重量%である。
本発明のポリオール成分をポリイソシアネート成分と混合して、発泡性樹脂原液を調製後、該発泡性樹脂原液をガラス繊維マットに、塗布し、発泡させて、ガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォームを得ることができる。
本発明に係るポリイソシアネート成分は、前記ポリオール組成物と反応して硬質ポリウレタンフォームを得ることができるものであれば、特に制限されず、公知の多官能性ポリイソシアネート、例えば、芳香族系、脂肪族系、もしくは脂環族系ポリイソシアネート、又はこれらの混合物もしくはこれらを変性して得られる変性ポリイソシアネート等を挙げることができる。それらの内、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、又はポリメチレンポリフェニルイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネートが好ましく、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートが特に好ましい。
ポリイソシアネートとポリオール組成物の混合割合は、イソシアネート基とポリオール成分の水酸基の当量比(NCO/OH)が1.05〜1.20の範囲となる値である。また、該ポリオール組成物とポリイソシアネートは、常套の攪拌及び混合手段を用いて、混合することができる。また、該混合は、ガラス繊維マットに塗布する直前に行うことが、塗布前に発泡性樹脂原液の粘度の上昇を少なくできる点で好ましい。
このようにして得た発泡性樹脂原液を、常套の塗布方法により、ガラス繊維マットに塗布する。該ガラス繊維マットとしては、特に制限されず、例えば、ガラス繊維材料をシート状とし、これを複数枚積層してマット状としたものが挙げられる。ガラス材料としては、アスペクト比の大きいガラス繊維材料が好ましく、具体的にはチョップストランド、コンティニュアスストランド等の繊維が挙げられる。これらの内、コンティニュアスストランドを使用して作製されたガラス繊維マットが、発泡性樹脂原液の含浸性、フォームの補強性に優れる点で好ましい。
当該ガラス繊維マットの量は、当該発泡性樹脂原液100重量部に対して、9〜14重量部、好ましくは9.5〜13重量部、特に好ましくは10〜12.5重量部である。
また、ガラス繊維マットに発泡性樹脂原液を塗布後、ガラス繊維マットと発泡性樹脂原液にしごく力を与えて、発泡性樹脂原液とガラス繊維マットの馴染みを良くすることができ、その結果、ガラス繊維が均一に分布し、エアボイドの発生の少ないガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォームを得ることができる。しごく力を与える方法としては、例えば、離型紙で、発泡性樹脂原液を塗布したガラス繊維マットを挟み込み、該離型紙に圧縮力を負荷することにより行う方法が挙げられる。
当該発泡性樹脂原液の塗布後、該発泡性樹脂原液を発泡させると、ガラス繊維強化硬質ウレタンフォームを得ることができる。該発泡を行う際の該発泡性樹脂原液及び雰囲気の温度は、15〜35℃、好ましくは20〜30℃である。15℃未満だと、発泡速度が遅くなり、また、35℃より高いと、発泡性樹脂原液の粘度上昇が速くなり、ガラス繊維マットへの含浸性が不十分となる。また、常温付近で行なうことが、加熱又は冷却設備や加熱又は冷却のためのエネルギーを必要としない点で、経済的に有利である。
また、発泡性樹脂原液の調製、該発泡性樹脂原液の塗布及び発泡は、例えば、離型紙の上に、ガラス繊維マットを置いたものを、ベルトコンベアで移動させながら、発泡性樹脂原液の塗布、発泡を行うこと等により、連続的に行うことができる。
このようにして得られるガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォームは、ガラス繊維が均一に分布しており、エアボイドが少ない。加えて、クラックがなく、且つ機械的強度に優れる。
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
(実施例1及び2、並びに比較例1〜4)
表1に示す含有量となる様に、ポリオールA、ポリオールB、ポリオールC、水、整泡剤、触媒及び難燃剤を混合、攪拌して、ポリオール組成物を調製した。次に、高圧型注入発泡機中で、得たポリオール組成物とポリイソシアネートAを、NCO/OH当量比が1.15となるように混合し、発泡性樹脂原液を調製した。
クラフト紙の上に配置されたガラス繊維マットを、連続発泡ラインで、クラフト紙と共に連続的に供給しながら、得た発泡性樹脂原液をガラス繊維マットに均一に塗布した。この時、該発泡性樹脂原液に対するガラス繊維マットの量は、重量比で10.5%であった。発泡性樹脂原液の塗布後、ガラス繊維マットの上面にクラフト紙を供給し、キャリブレーションローラーを使用して、発泡開始前の発泡性樹脂原液を含浸させたガラス繊維マットの厚みを均一にした。その後、発泡、硬化させ、幅約1200mm、厚さ230mmのガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォームを得た。
Figure 0004456376
(ポリオールA)
ソルビトールを開始剤としてアルキレンオキサイドを開環付加重合させて得たソルビトールポリエーテルポリオール、三井武田ケミカル社製、商品名:GR−17、25℃の粘度:2000mPa・s、水酸基価:370mgKOH/g
(ポリオールB)
トリレンジアミンを開始剤としてアルキレンオキサイドを開環付加重合させて得た芳香族アミンポリエーテルポリオール、三井武田ケミカル社製、商品名:GR−46、25℃の粘度:12500mPa・s、水酸基価:465mgKOH/g
(ポリオールC)
グリセリンを開始剤としてアルキレンオキサイドを開環付加重合させて得たグリセリンポリエーテルポリオール、三井武田ケミカル社製、商品名:MN−400、25℃の粘度:410mPa・s、水酸基価:415mgKOH/g
(ポリイソシアネートA)
ポリメリックMDIイソシアネート(ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート)、住化バイエルウレタン株式会社製、商品名:スミジュール44V20、NCO含有量:31g/100g
(整泡剤)
シリコーン系界面活性剤、東レ・ダウ・コーニング・シリコーン株式会社製、商品名:SH193
(難燃剤)
トリスクロロプロピルホスフェート(TCPP)
(触媒)
イミダゾール系アミン触媒、東ソー株式会社製、商品名:TOYOCAT−DM70
(ガラス繊維マット)
コンティニュアスストランドマットUNIFILO U801、VETROTEX社製
この様にして得たガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォームの物性を、以下に記載する方法で測定した。その結果を表1に示す。
(密度)
ISO845に準拠した測定方法にて、コア密度を測定した。
(圧縮強度)
ASTM D 1621に準拠した測定方法にて、圧縮強度を測定した。ガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォームに要求される圧縮強度は、1.2MPa以上である。
(引張強度)
ASTM D 1623に準拠した測定方法にて、引張強度を測定した。ガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォームに要求される引張強度は、常温で2.4MPa以上、−170℃で2.7MPa以上である。
(含浸性)
ガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォームを幅方向に裁断し、裁断面の上方に生じるガラス繊維を含まないポリウレタンフォーム層の長さを測った。ガラス繊維を含まないポリウレタンフォーム層の長さが、5mm以内であるものを○、5mmを超えたものを×として、含浸性の評価を行った。
(内部クラックの発生)
ガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォームを、200mm角程度に細かく裁断し、内部クラックの有無を目視にて確認した。クラックが全く認められなかったものを○、クラックが1箇所でも存在するものを×とした。
Figure 0004456376
実施例1及び2は、全ての要求性能を満足した。一方、比較例1は、内部クラックが発生した。比較例2は、含浸性が不十分であった。比較例3は、圧縮強度が低かった。比較例4は、含浸性が不十分であった。

Claims (5)

  1. 発泡剤に水を用い、ポリイソシアネート成分との反応によりガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォームを形成するポリオール組成物であって、ポリオール成分の全量を100重量部としたとき、3官能アルコールを開始剤とする水酸基価が50〜700mgKOH/g、25℃における粘度が200〜550mPa・sである3官能脂肪族ポリエーテルポリオールを50〜70重量部、活性水素を有する水酸基を分子中に4つ以上有する多価アルコールを開始剤とする多官能ポリエーテルポリオールを10〜40重量部、芳香族アミンを開始剤とする芳香族アミンポリエーテルポリオールを5〜30重量部含有することを特徴とするポリオール組成物。
  2. 前記多官能ポリエーテルポリオールが、分子量が400〜2000の多官能ポリエーテルポリオールであることを特徴とする請求項1又は2記載のポリオール組成物。
  3. 前記3官能脂肪族ポリエーテルポリオールが、グリセリンポリエーテルポリオールであることを特徴とする請求項1又は2記載のポリオール組成物。
  4. 前記多官能ポリエーテルポリオールが、ソルビトールポリエーテルポリオールであることを特徴とする請求項1〜いずれか1項記載のポリオール組成物。
  5. 請求項1〜いずれか1項記載のポリオール組成物と、ポリイソシアネート成分を含む発泡性樹脂原液を、ガラス繊維マットに塗布及び発泡させて得られることを特徴とするガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォーム。
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