JP4450260B2 - 高周波回路 - Google Patents

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Description

本発明はマイクロ波帯などの高周波帯域で用いられ、複数の送受信系の送信回路及び受信回路とアンテナとの間の信号経路を制御するための高周波回路に関し、特に送信回路から送給される送信信号の電力を検出する機能を備えた高周波回路に関する。
近年の無線通信装置、例えば携帯電話機の普及には、目を見張るものがあり、携帯電話機の機能及びサービスの向上が益々図られている(以下、携帯電話機を例にとって説明する)。携帯電話機のシステムとしては、例えば主に欧州で盛んなGSM(Global System for Mobile Communications)方式、DCS1800(Digital Cellular System 1800)方式、米国で盛んなPCS(Personal Communications Services)方式、日本で採用されているPDC(Personal Digital Cellular)方式等の様々なシステムがある。しかしながら昨今の携帯電話機の急激な普及にともない、特に先進国の主要な大都市部においては各システムに割り当てられた周波数帯ではシステム利用者を賄い切れず、接続が困難であったり、通話途中で接続が切断したりする等の問題が生じている。そこで利用者が複数のシステムを利用できるようにして、実質的に利用可能な周波数の増加を計り、さらにサービス区域の拡充や各システムの通信インフラの有効活用することが行われている。このように複数のシステムに対応した携帯電話機はマルチバンド携帯電話機と呼ばれ、単一のシステムにのみ対応するシングルバンド携帯電話機と区別される。
1台の携帯電話機で複数のシステムを利用可能とするために単純に携帯電話機にシステム毎の回路を設けると、システム毎に送信系では、例えば希望の送信周波数の送信信号を通過させるフィルタ、送受信回路を切り替える高周波スイッチ、及び送受信信号を入放射するアンテナが必要であり、また受信系では、高周波スイッチを通過した受信信号のうち希望の周波数を通過させるフィルタ等の高周波回路部品が必要となる。このため携帯電話機が高価になるとともに、体積・重量も増加してしまい、携帯用としては不適である。従って、一台で複数のシステムを利用可能な携帯電話機を実現するには、複数のシステムの周波数で動作する小型で複合機能化した高周波回路部品が必要である。
図25は、このようなマルチバンド携帯電話機の送信部の基本構成を示すブロック図である。このマルチバンド携帯電話機は、複数のシステムが一つのアンテナを共用するようにアンテナ共用器を有し、その後段に複数の方向性結合器CPn、検波ダイオードDKn、エラー増幅器AEn、高周波増幅器DAn等を備えている。方向性結合器CPnの出力端は検波ダイオードDKnに接続され、検出された送信信号の電力が目標の送信出力レベルとなるように送信出力レベルが制御されている。高周波増幅器DAnの利得は前記システムの周波数帯域内において一定でなく、また環境温度や電源電圧によっても変動する場合もある。そのためシステム毎にチップタイプの方向性結合器が搭載され、回路基板上の接続線路により高周波信号に比例する出力が取り出され、高周波増幅器の出力電力が検出されていた。
このように従来のマルチバンド携帯電話機では、各システムで用いられる方向性結合器、検波ダイオード等の部品が重複している。これらのディスクリート部品は回路基板上に実装されているため、マルチバンド携帯電話機の送信部は大型化し、その結果携帯電話機全体も大型化するという問題があった。またディスクリート部品は回路基板上の接続線路により接続されているので、接続線路の損失により送信部の特性が劣化するという問題もある。さらに小型化を必須とするマルチバンド携帯電話機にとって大きな問題は、部品点数の増加による実装面積の増加、部品間のインピーダンスマッチングのための整合容量やインダンクタ等の付属部品の付加、挿入損失の増大等である。
従って本発明の目的は、電力検出機能を具備するとともに優れた高周波特性を有する高周波回路を提供することである。
本発明の実施態様による高周波回路は、アンテナと複数の送受信系の送信回路及び受信回路との接続を切り換える高周波スイッチ回路を有し、
前記高周波スイッチ回路と前記送信回路との間に、第1の分波回路と各送受信系の送信信号の電力検出手段とを備え、
前記高周波スイッチ回路と前記受信回路との間に第2の分波回路を備え、
前記電力検出手段により得られた複数の送受信系の送信信号が入力し検波信号を出力する検波回路を備えることを特徴とする。
前記電力検出手段と前記検波回路との間にインピーダンス整合器を備えるのが好ましい。
複数の送受信系の送信信号は、前記検波回路のそれぞれ異なる検波ダイオードを通過した後、共通の経路より検波信号として出力されるのが好ましい。
複数の送受信系の送信信号は、前記検波回路の共通の検波ダイオードを通過した後、共通の経路より検波信号として出力されるのが好ましい。
前記電力検出手段は、送信信号の経路と並列に接続されるコンデンサを有し、前記コンデンサが前記検波回路と接続しているのが好ましい。
前記電力検出手段は、送信信号の経路と直列に接続される主線路と、前記主線路と結合する副線路とを有し、前記副線路が前記検波回路と接続しているのが好ましい。
各送受信系の送信信号の経路にそれぞれ主線路を備え、前記主線路は各送受信系に共通の副線路と結合しているのが好ましい。
送信信号の信号経路にフィルタ回路を備えるのが好ましい。
前記検波回路からの検波信号が入力するエラー増幅器を有する制御回路を備えるのが好ましい。
積層体型高周波スイッチモジュールの回路の一例を示すブロック図である。 積層体型高周波スイッチモジュールの等価回路の一例を示す図である。 積層体型高周波スイッチモジュールの等価回路の別の例を示す図である。 積層体型高周波スイッチモジュールの等価回路のさらに別の例を示す図である。 積層体型高周波スイッチモジュールの等価回路のさらに別の例を示す図である。 積層体型高周波スイッチモジュールの等価回路のさらに別の例を示す図である。 積層体型高周波スイッチモジュールを示す平面図である。 積層体型高周波スイッチモジュールに用いる積層体を示す斜視図である。 積層体型高周波スイッチモジュールに用いる積層体を構成する複数の誘電体層を示す分解図である。 積層体型高周波スイッチモジュールのTX1−ANT間の挿入損失特性の一例を示すグラフである。 積層体型高周波スイッチモジュールのANT−RX1間の挿入損失特性の一例を示すグラフである。 積層体型高周波スイッチモジュールのTX1−PDP1間のカップリング特性の一例を示すグラフである。 積層体型高周波スイッチモジュールのTX1−RC間のアイソレーション特性の一例を示すグラフである。 積層体型高周波スイッチモジュールのTX2−ANT間の挿入損失特性の一例を示すグラフである。 積層体型高周波スイッチモジュールのANT−RX2間の挿入損失特性の一例を示すグラフである。 積層体型高周波スイッチモジュールのTX2−PDP1間のカップリング特性の一例を示すグラフである。 積層体型高周波スイッチモジュールのTX2−RC間のアイソレーション特性の一例を示すグラフである。 積層体型高周波スイッチモジュールの他の例を示すブロック図である。 積層体型高周波スイッチモジュールの他の等価回路を示す図である。 本発明の一実施態様による高周波回路を示す回路ブロックである。 高周波スイッチの等価回路の一例を示す図である。 本発明の高周波回路に用いる増幅回路の一例の等価回路を示す図である。 本発明の高周波回路に用いる増幅回路の他の例の等価回路を示す図である。 積層体型高周波スイッチモジュールに用いる高周波増幅器の一例の等価回路を示す図である。 従来のマルチバンド携帯電話機の送信部の基本構成を示すブロック図である。
本発明の好ましい実施態様を、添付図面を参照して以下詳細に説明する。説明の簡略化のために、第一の送受信系をGSM(送信周波数880〜915 MHz、受信周波数925〜960 MHz)とし、第二の送受信系をDCS1800(送信周波数1710〜1785 MHz、受信周波数1805〜1880 MHz)とした場合を例にとるが、勿論本発明はこれに限定されることはなく、例えばPCS(送信周波数1850〜1910 MHz、受信周波数1930〜1990 MHz)等の他の通信システムにも適用することができる。さらに、これらのTDMA(Time Division Multiple Access)方式のシステムとW-CDMA(Wideband CDMA)のようなCDMA(Code Division Multiple Access)方式とをマルチバンド化した積層体型高周波スイッチモジュールに適用することも当然可能である。
[1] 積層体型高周波スイッチモジュールの構成
図1は積層体型高周波スイッチモジュールの一例を示すブロック図である。この積層体型高周波スイッチモジュールは、アンテナANTから入射する信号を第一の送受信系の受信信号と第二の送受信系の受信信号とに分波する第一のフィルタ回路F1及び第二のフィルタ回路F2からなる分波器と、第一のフィルタ回路F1の後段に配置され、コントロール回路VC1から送給する外部電圧により第一の送受信系の送信回路TX1と受信回路RX1とを切り替える第一のスイッチ回路SW1と、第二のフィルタ回路F2の後段に配置され、コントロール回路VC2から送給する外部電圧により第二の送受信系の送信回路TX2と第二の送受信系の受信回路RX2とを切り替える第二のスイッチ回路SW2と、送信回路から来る送信信号の電力検出手段と、可変利得増幅回路とを有する積層体型高周波スイッチモジュールである。電力検出手段として方向性結合回路又は容量結合回路が好ましい。
積層体型高周波スイッチモジュールの等価回路を図2及び図3を参照して以下詳細に説明にする。図2は送信電力検出手段として方向性結合回路を用いた積層体型高周波スイッチモジュールの等価回路図であり、図3は送信電力検出手段として容量結合回路を用いた積層体型高周波スイッチモジュールの等価回路図である。
(1) 第一及び第二のフィルタ回路(分波器)
アンテナANTと接続する第一及び第二のフィルタ回路はそれぞれ分布定数線路及びコンデンサにより構成されている。図2等に示す等価回路では、GSMの送受信信号を通過させるがDCS1800の送受信信号を減衰させる第一のフィルタ回路F1はローパスフィルタを備えており、DCS1800の送受信信号を通過させるがGSMの送受信信号を減衰させる第二のフィルタ回路F2はハイパスフィルタを備えている。ローパスフィルタF1は、並列接続した分布定数線路LF1及びコンデンサCF1と、それらとアースとの間に接続したコンデンサCF3とからなる。ハイパスフィルタF2は、並列接続した分布定数線路LF2及びコンデンサCF2と、それらとアースとの間に接続した分布定数線路LF3と、分布定数線路LF2及びコンデンサCF2に直列に接続したコンデンサCF4とからなる。このような構成により、第一の送受信系と第二の送受信系の受信信号を分波することができる。前記分波器を構成する分布定数線路及びコンデンサは、積層体を構成する誘導体層上に形成された電極パターンにより構成されるのが好ましい。
ここで第一及び第二のフィルタ回路F1,F2として、上記構成の他に、下記のa〜hの構成も採用できる。
a.第1のフィルタ回路がローパスフィルタからなり、第2のフィルタ回路がノッチフィルタからなる構成、
b.第1のフィルタ回路がノッチフィルタからなり、第2のフィルタ回路がバンドパスフィルタからなる構成、
c.第1のフィルタ回路がローパスフィルタからなり、第2のフィルタ回路がバンドパスフィルタからなる構成、
d.第1のフィルタ回路がノッチフィルタからなり、第2のフィルタ回路がノッチフィルタからなる構成、
e.第1のフィルタ回路がノッチフィルタからなり、第2のフィルタ回路がハイパスフィルタからなる構成、
f.第1のフィルタ回路がバンドパスフィルタからなり、第2フィルタ回路がバンドパスフィルタからなる構成、
g.第1のフィルタ回路がバンドパスフィルタからなり、第2のフィルタ回路がノッチフィルタからなる構成、
h.第1のフィルタ回路がバンドパスフィルタからなり、第2のフィルタ回路がハイパスフィルタからなる構成。
(2) スイッチ回路
第一及び第二のフィルタ回路の後段に配置され、GSMの送信回路TX1と受信回路RX1とを切り替える第一のスイッチ回路SW1と、DCS1800の送信回路TX2と受信回路RX2とを切り替える第二のスイッチ回路SW2は、それぞれダイオード及び分布定数線路を主構成素子としている。
(a) 第一のスイッチ回路
第一のスイッチ回路SW1は、図2の上側のスイッチ回路であり、GSMの送信回路TX1と受信回路RX1とを切り換えるものである。スイッチ回路SW1は、2つのダイオードDG1、DG2と、2つの分布定数線路LG1、LG2を主構成素子とし、ダイオードDG1はGSMの送受信信号の入出力端子IP1と送信回路TX1との間に配置されている。入出力端子IP1にはダイオードDG1のアノードが接続しており、ダイオードDG1のカソードとアースとの間に分布定数線路LG1が接続している。入出力端子IP1と受信回路RX1との間には分布定数線路LG2が接続しており、受信回路RX1側の分布定数線路LG2の一端とアースとの間にダイオードDG2のカソードが接続し、ダイオードDG2のアノードとアースとの間にコンデンサCG6が接続し、ダイオードDG2のアノードとコントロール回路VC1との間にインダクタLG及び抵抗RGの直列回路が接続している。
分布定数線路LG1及び分布定数線路LG2の各々は、その共振周波数がGSMの送信信号の周波数帯域内となるような線路長を有する。第一のフィルタ回路F1と送信回路TX1との間に挿入されたローパスフィルタ回路は、分布定数線路及びコンデンサにより構成されている。図2に示す等価回路図においては、分布定数線路LG3とコンデンサCG3、CG4、CG7とにより構成されたπ型のローパスフィルタは、ダイオードDG1と分布定数線路LG1との間に配置している。
(b) 第二のスイッチ回路
第二のスイッチ回路は、図2の下側のスイッチ回路であり、DCS1800の受信回路RX2と送信回路TX2とを切り換えるものである。スイッチ回路SW2は、2つのダイオードDP1、DP2と2つの分布定数線路LP1、LP2とを主構成素子とし、ダイオードDP1はDCS1800の送受信信号の入出力端子IP2と送信回路TX2との間に配置され、入出力端子IP2にダイオードDP1のアノードが接続し、ダイオードDP1のカソードとアースとの間に分布定数線路LP1が接続されている。入出力端子IP2と受信回路RX2との間には分布定数線路LP2が接続し、受信回路RX2側の分布定数線路LP2の一端とアースとの間にダイオードDP2のカソードが接続している。ダイオードDP2のアノードとアースとの間にコンデンサCP6が接続し、ダイオードDP2のアノードとコントロール回路VC2との間にインダクタLP及び抵抗RPからなる直列回路が接続している。
分布定数線路LP1及び分布定数線路LP2はそれぞれその共振周波数がDCS1800の送信信号の周波数帯域内となるような線路長を有する。第二のフィルタ回路F2と送信回路TX2との間に挿入されたローパスフィルタ回路は、分布定数線路とコンデンサとにより構成されている。図2に示す等価回路図においては、分布定数線路LP3及びコンデンサCP3、CP4、CP7により構成されたπ型のローパスフィルタは、ダイオードDP1と分布定数線路LP1との間に挿入されている。
いずれのスイッチ回路においても、ローパスフィルタ回路はスイッチ回路を構成する素子間に複合的に構成したものであるが、スイッチ回路の後段及び前段のいずれに配置しても良い。またスイッチ回路を構成する分布定数線路及びコンデンサは、積層体を構成する誘電体層上の電極パターンにより構成されているのが好ましい。
(3) 方向性結合回路
スイッチ回路の後段に配置される方向性結合回路は、分布定数線路を主構成素子とする。第一の方向性結合回路は、GSMの送信信号の一部を取り出して、送信回路TX1から来る送信信号の電力を検出するものであり、送信回路TX1と分布定数線路LG3との間に直列に接続された分布定数線路LG4を主線路とし、これと結合する分布定数線路LC1を副線路とする。
第二の方向性結合回路は、DCS1800の送信信号の一部を取り出して、送信回路から来る送信信号の電力を検出するものであり、送信回路TX2及び分布定数線路LP3との間に直列に接続された分布定数線路LP4を主線路とし、分布定数線路LC1を第一の方向性結合回路と共通の副線路とする。分布定数線路LC1の一端は、特性インピーダンスとほぼ等しい抵抗RCを介して接地されている。
デュアルバンド携帯電話機においては、2つのシステム(例えばGSM及びDCS1800)に対応する高周波信号を同時に送信することはない。従って、積層体型高周波スイッチモジュールにおける方向性結合器としては、どちらかの送信時において一つの主線路と一つの副線路が互いに結合していれば良く、副線路を2つのシステムで共用化することができる。そのため、方向性結合器用の分布定数線路LG4、LP4、LC1は電極パターンを有する誘電体シートを積層してなる積層体中の電極パターンにより構成され、分布定数線路LC1は分布定数線路LG4、LP4と積層方向に誘電体層を介して一部対向する。また分布定数線路LC1を分布定数線路LG4、LP4と同一層で対向させてもよい。
このように方向性結合器を構成すれば、主線路と副線路との結合により、高周波増幅器PA1又はPA2から主線路に来た送信信号の一部は副線路に流れ、カップリング端子PDP1に出力される。
以上副線路を2つのシステムで共用化する場合について述べたが、図4に示す等価回路図のように、それぞれのシステムにおいて主線路となる分布定数線路と結合するように複線路となる分布定数線路を配置して別々の方向性結合器とし、分布定数線路LC1、LC2の一端どうしを一つの抵抗RCで終端しても良い。また図5や図6の等価回路図に示すように、主線路としてローパスフィルタ回路を構成する分布定数線路を用い、これと結合するように複線路を配置して、方向性結合回路を構成してもよい。
高周波増幅器PA1、PA2と方向性結合回路との接続点において、高周波増幅器側から見た受信時のインピーダンスがほぼオープン状態となるように、方向性結合回路の主線路を含めた高周波増幅器との接続線路長を設定すれば、受信時の送信端子TXからアンテナANTのアイソレーション特性が向上するので好ましい。例えばGSMの送信信号(880〜915 MHz)及びDCS1800の送信信号(1710〜1785 MHz)の各々の中間周波数lに対して、方向性結合回路の主線路を含めた高周波増幅器との接続線路長は、(l/6〜l/3)+n×l/2(nは整数)とするのが好ましい。
なお本明細書において使用する用語「ほぼオープン状態」とは、スミスチャート上でインピーダンスZをZ=R+jXで表すときの実数部Rを150Ω以下に調整した場合、及び虚数部Xの絶対値を100Ω以上に調整した場合と定義する。
(4) 増幅回路
図22は積層体型高周波スイッチモジュールに接続又は複合化された増幅回路を示すブロック図である。この可変利得増幅回路によれば、カップリング端子PDP1から取り出された送信信号の一部は、抵抗を有するアッテネータ16(必要に応じて使用する)により後段の回路で取り扱える程度の電力まで減衰され、インピーダンス整合器(図示せず)を介して検波器15に入力される。検波器15において検波ダイオードDK1により整流された後、平滑コンデンサCK1と負荷抵抗RK1により電圧変化された検波信号となり、制御回路12に入力される。検波信号は一つのエラー増幅器EA1に入力し、所定の送信信号レベルを表す制御信号と比較され、この差が小さくなるように可変利得増幅器DA1又はDA2にフィードバックされて、利得が増減され、目標の送信出力レベルに制御される。検波器15及び制御回路12は自動利得制御回路(APC)を構成する。
従来の増幅回路と比べて、検波器15や制御回路12等を複数のシステムで共用化することにより、可変利得増幅回路の構成部品点数を削減できるとともに、回路を小型化することもでき、もって複合化する積層体型高周波スイッチモジュール全体の寸法を小さくできる。
高周波増幅器PA1、PA2を構成するトランジスタやMMIC(Microwave Monolithic Integrated Circuit)は消費電力が大きく、発熱量が大きいので、検波器15に温度変動を保証するための感温素子(サーミスタ)を設けて、検波器15の温度特性を管理してもよい。
図23は、図4に示すようなカップリング端子を2つ備える積層体型高周波スイッチモジュールに接続又は複合化される増幅回路を示すブロック図である。上記増幅回路と異なる点は、2つのカップリング端子(PDP1、PDP2)を有するために、カップリング端子PDP1、PDP2から取り出された電力をそれぞれ2つの検波ダイオードDK1、DK2に入力して整流し、平滑コンデンサCK1と負荷抵抗RK1により電圧変化した検波信号として、共通のエラー増幅器EA1に入力する点である。この場合も、従来と比べて増幅回路の構成部品点数を削減でき、また回路を小型に構成することができる。
図24は前記増幅回路で用いられる高周波増幅器の等価回路の一例であって、インダクタ19及びコンデンサ18を有する入力整合回路23と、インダクタ20及びコンデンサ21を有する出力整合回路26と、抵抗、コンデンサ及びインダクタからなる発振防止用安定化回路24、25と、電界効果トランジスタ27とを有する。
高周波増幅器を構成する電界効果トランジスタ27を積層体表面に搭載し、入力整合回路23及び出力整合回路26を構成するインダクタを分布定数線路(積層体を構成する誘電体層上に形成された電極パターンにより形成される)により形成し、かつコンデンサを積層体内で誘電体層を挟んで対向するコンデンサ電極により形成したり、またAPC回路を構成する検波ダイオードDK1等を積層体表面に実装することにより、積層体型高周波スイッチモジュール全体の寸法を小さくできる。
(5) 容量結合回路
送信回路から来る送信信号の電力を検出する他の方法として、容量結合回路を用いる場合について説明する。
図3は送信信号の電力を検出する手段として容量結合回路を用いた積層体型高周波スイッチモジュールを示す等価回路図である。スイッチ回路の後段に配置される容量結合回路は、コンデンサを主構成素子としている。第一の容量結合回路は、コンデンサCG2と分布定数線路LG3との間にコンデンサCG2と並列に接続するコンデンサCC1で構成され、GSMの送信回路TX1の送信信号の一部を取り出して、送信回路TX1から来る送信信号の電力を検出するものである。
第二の容量結合回路は、コンデンサCP2と分布定数線路LP3との間にコンデンサCP2と並列に接続するコンデンサCC2で構成され、DCS1800の送信回路TX2の送信信号の一部を取り出して、送信回路から来る送信信号の電力を検出するものである。
コンデンサCC1、CC2は、積層体を構成する誘電体層に形成された電極パターンにより構成され、電極パターンは積層方向に誘電体層を介して対向することにより静電容量で結合し、容量結合回路を構成する。容量結合度は、容量結合回路を構成するコンデンサの電極パターンの面積、対向距離、介在する誘電体層の誘電率等の因子により様々に調節することができる。また電極パターンを同一層内で平行に対向させて結合させてコンデンサCC1、CC2を構成しても良く、この場合には、対向する電極パターンの縁部長さで様々な結合度を得ることができる。
[2] 動作
積層体型高周波スイッチモジュールは、電源供給手段(コントロール回路)から外部電圧を給電してダイオードスイッチをオン/オフ状態に制御することにより、第一及び第二の送受信系のいずれか一つを選択する。以下図1に示すブロック回路及び図2に示す等価回路を有する積層体型高周波スイッチモジュールの動作を説明する。
(1) GSM TXモード
第一の送信回路TX1と第一のフィルタ回路F1とを接続する場合、コントロール回路VC1から正の電圧が与えられる。コントロール回路VC1から与えられた正の電圧は、コンデンサCG6、CG5、CG4、CG7、CG3、CG2及びCG1によって直流分がカットされ、ダイオードDG2、DG1を含む回路に印加され、ダイオードDG2、DG1がON状態となる。ダイオードDG1がON状態になると、第一の送信回路TX1と接続点IP1との間のインピーダンスが低くなる。またON状態となったダイオードDG2及びコンデンサCG6によって、分布定数線路LG2が高周波的に接地されることにより共振し、接続点IP1から第一の受信回路RX1を見たインピーダンスは非常に大きくなる。このため、第一の送信回路TX1から来る送信信号は、第一の受信回路RX1に漏洩することなく、第一のフィルタ回路F1に伝送される。
第一の送信回路TX1から来る送信信号の電力の一部はカップリング端子PDP1に現れ、次いで自動利得制御回路(APC)に導かれる。またアンテナ側から逆流する高周波電力の一部は抵抗RCで吸収される。
(2) GSM RXモード
第一の受信回路RX1と第一のフィルタ回路F1とを接続する場合、コントロール回路VC1の電圧がゼロとなる。するとダイオードDG1、DG2はOFF状態となる。OFF状態となったダイオードDG2によって、分布定数線路LG2を介して接続点IP1と第一の受信回路RX1とは接続される。またダイオードDG1がOFF状態となることにより、接続点IP1と第一の送信回路TX1との間のインピーダンスが大きくなる。このため、第一のフィルタ回路F1から来る受信信号は、第一の送信回路TX1に漏洩することなく、第一の受信回路RX1に伝送される。
(3) DCS TXモード
第二の送信回路TX2と第二のフィルタ回路F2とを接続する場合、コントロール回路VC2から正の電圧が与えられる。コントロール回路VC2から与えられた正の電圧は、コンデンサCP6、CP5、CP4、CP7、CP3、CP2及びCF4によって直流分がカットされ、ダイオードDP2、DP1を含む回路に印加され、ダイオードDP2、DP1がON状態となる。ダイオードDP1がON状態となることにより、第二の送信回路TX2と接続点IP2との間のインピーダンスは低くなる。またON状態となったダイオードDP2及びコンデンサCP6によって、分布定数線路LP2が高周波的に接地されることにより共振が起こり、接続点IP2から第二の受信回路RX2を見たインピーダンスが非常に大きくなる。このため、第二の送信回路TX2から来る送信信号は、第二の受信回路RX2に漏洩することなく、第二のフィルタ回路F2に伝送される。
第二の送信回路TX2から来る送信信号電力の一部はカップリング端子PDP2に現れ、次いで自動利得制御回路(APC)に導かれる。またアンテナ側から逆流する高周波電力の一部は抵抗RCで吸収される。
(4) DCS RXモード
第二の受信回路RX2と第二のフィルタ回路F2とを接続する場合、コントロール回路VC2の電圧がゼロとなる。これによりダイオードDP1、DP2はOFF状態となる。OFF状態となったダイオードDP2によって、分布定数線路LP2を介して接続点IP2と第二の受信回路RX2が接続される。またダイオードDP1がOFF状態となることにより、接続点IP2と第二の送信回路TX2との間のインピーダンスは大きくなる。このため、第二のフィルタ回路F2から来る受信信号は、第二の送信回路TX2に漏洩することなく、第二の受信回路RX2に伝送される。
[3] 実施態様
(1) 第一の例
図7は積層体型高周波スイッチモジュールの平面図であり、図8はその積層体部分の斜視図であり、図9はその積層体の内部構造を示す分解図である。この例では、第一及び第二のフィルタ回路、ローパスフィルタ回路、スイッチ回路の分布定数線路、方向性結合回路の分布定数線路は積層体内に構成し、ダイオードと、積層体内に内蔵できない高容量値のチップコンデンサは積層体上に搭載され、ワンチップ化した積層体型高周波スイッチモジュールとなっている。
この積層体は、低温焼成が可能なセラミック誘電体材料からなる厚さ20 mm〜200 mmのグリーンシート上にAgを主体とする導電ペーストを印刷して所望の電極パターンを形成し、電極パターンを有するグリーンシートを適宜積層し、焼成することにより一体化したものである。ライン電極の幅はほぼ100 mm〜400 mmである。
図9を参照して、積層体の内部構造を積層順に説明する。まず最下層のグリーンシート15には、アース電極31がほぼ全面に形成されており、側面に形成される端子電極81、83、85、87、89、91、95、96に接続するための接続部が設けられている。
グリーンシート15上に、電極パターンが印刷されていないダミーのグリーンシート14を積層する。その上に積層するグリーンシート13には、3つのライン電極41、42、43が形成され、その上に積層するグリーンシート12には、4つのライン電極44、45、46、47が形成されている。グリーンシート12上に、4つのスルーホール電極(図中、黒丸で示す。)が形成されたグリーンシート11を積層し、その上に4つのスルーホール電極とコンデンサ用の電極61が形成されたグリーンシート10を積層し、さらにアース電極32が形成されたグリーンシート9を積層する。
2つのアース電極31、32に挟まれた領域に形成されたライン電極は適宜接続され、第一及び第二のスイッチ回路SW1,SW2用の分布定数線路を形成する。ライン電極42と46はスルーホール電極で接続され、等価回路の分布定数線路LG1を構成し、ライン電極43と47はスルーホール電極で接続され、等価回路の分布定数線路LG2を構成し、ライン電極41と44はスルーホール電極で接続され、等価回路の分布定数線路LP1を構成し、ライン電極45は等価回路の分布定数線路LP2を構成する。
グリーンシート9の上に積層するグリーンシート8には、コンデンサ用の電極62、63、64、65、66、67、68,69が形成されている。その上に積層するグリーンシート7にもコンデンサ用の電極70、71、72、73が形成されている。その上に積層するグリーンシート6には、コンデンサ電極74が形成されている。
更にその上に、ライン電極48、49、50、51が形成されたグリーンシート5を積層し、その上にライン電極52、53、54、55、56、57が形成されたグリーンシート4を積層する。その上にライン電極58、59、60が形成されたグリーンシート3を積層する。その上に接続ライン電極が形成されたグリーンシート2を積層する。最上部のグリーンシート1には、搭載素子接続用のランドが形成されている。
上側のアース電極32が形成されたグリーンシート9の上に積層されたグリーンシート8のコンデンサ用電極62、63、64、65、66、67、68、69と、グリーンシート9の下のグリーンシート10のコンデンサ電極61とは、それぞれアース電極32との間で容量を形成する。具体的には、コンデンサ用電極62はコンデンサCP3を形成し、コンデンサ用電極63はコンデンサCP4を形成し、コンデンサ用電極65はコンデンサCG4を形成し、コンデンサ用電極64はコンデンサCG3を形成し、コンデンサ用電極67はコンデンサCF3を形成し、コンデンサ用電極69はコンデンサCP6を形成し、コンデンサ用電極61、66はコンデンサCG6を形成する。
グリーンシート6、7、8に形成されたコンデンサ電極は互の間で容量を形成し、コンデンサ電極68と73の間でコンデンサCF4を構成し、同様にコンデンサ電極62、63と70の間でコンデンサCP7を構成し、コンデンサ電極72と74の間でコンデンサCF1を構成し、コンデンサ電極73と74の間でコンデンサCF2を構成し、コンデンサ電極64、65と71の間でコンデンサCG7を構成する。コンデンサ電極73はコンデンサ電極68と対向して容量を形成するが、アース電極32とは対向しないように、アース電極32には切り欠き部が形成されている。またこの切り欠き部を利用して、分布定数線路に導通するスルーホール電極が形成されている。
グリーンシート3、4、5において、ライン電極52、58は分布定数線路LF1を構成し、ライン電極48、53、59は分布定数線路LF2を構成し、ライン電極51、57は分布定数線路LF3を構成し、ライン電極50、56は分布定数線路LG3を構成し、ライン電極55、61は分布定数線路LP3を構成する。またライン電極60は分布定数線路LP4を構成し、ライン電極49は分布定数線路LG4を構成する。なおグリーンシート2のライン電極は配線用ラインである。
グリーンシート4において、分布定数線路LC1を構成するライン電極54は、グリーンシート3に形成されたライン電極60、及びグリーンシート5に形成されたライン電極49と積層方向に一部対向し、それらの対向部分で方向性結合器を構成する。ライン電極54の一端はスルーホールを介して積層体の外面に導出され、特性インピーダンスとほぼ等しいチップ抵抗RCと接続する。
これらのグリーンシートを圧着し、一体的に焼成して、外形寸法が例えば6.7 mm×5.0 mm×1.0 mmの積層体100を得る。この積層体100の側面に端子電極81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96を形成する。得られた積層体100の外観を図8に示す。
この積層体100の上に、ダイオードDG1、DG2、DP1及びDP2、チップコンデンサCG1、CG2及びCP2、及びチップ抵抗RG、RP及びRCを搭載する。図7は、これらの素子を搭載した状態を示す平面図である。図7はこの積層体型高周波スイッチモジュールの実装構成(各端子の接続構造)も合わせて示す。図7において、GNDはアース接続される端子を意味する。
この例では、図2に示す等価回路のうち、分布定数線路CG5、CP5、LG及びLPは、この例のチップ部品搭載用回路の上に形成されている。
この例では、第一及び第二のスイッチ回路の分布定数線路は積層体内のアース電極で挟まれた領域内に配置されているので、スイッチ回路と分波器及びローパスフィルタ回路との干渉が防止される。アース電極で挟まれた領域を積層体の下部に配置すると、アース電位は取り易い。アースとの間に接続されるコンデンサを構成する電極を、その上側のアース電極に対向させて形成する。
この例では積層体の側面に各端子が形成されているので、面実装が可能である。側面の端子は、それぞれANT端子、DCS1800のTX2端子、GSMのTX1端子、GSMのRX1端子、DCS1800のRX2端子、カップリング端子、アース端子GND、及びコントロール端子VC1、VC2である。積層体100の各側面には、少なくとも1つのアース端子が配置されている。
この例の積層体100の側面に形成された端子電極において、ANT端子に対して積層体100を実装面に垂直な面で2分した反対側に、DCSのTX2端子、GSMのTX1端子、GSMのRX1端子、DCSのRX2端子をそれぞれ形成している。
さらにTX端子群及びRX端子群が形成されているANT端子の反対側で、一端側に送信TX端子群が形成され、他端側に受信RX端子群が形成されている。
またこの例では、ANT端子、TX端子群、RX端子群をアース端子で挟むように構成している。またVC1、VC2もアース端子で挟む構成としている。
この積層体型高周波スイッチモジュールの各コントロール回路VC1、VC2の制御ロジックを表1に示す。これによりGSM及びDCS1800のモードを変更する。

Figure 0004450260
図10〜図17に示すように、上記のように分波器、高周波スイッチ、方向性結合器を積層体に一体化することにより、従来必要であったインピーダンスマッチング回路が不要となり、各通信モードで所望の周波数帯域で優れた挿入損失特性とアイソレーション特性が得られるとともに、送信電力の検出機能を備えた小型かつ高性能の積層体型高周波スイッチモジュールが得られた。
(2) 第二の例
本例は、トリプルバンド積層体型高周波スイッチモジュールに関する。図18は積層体型高周波スイッチモジュールの回路ブロック図であり、図19はその等価回路の一例を示す図である。
第一及び第二のフィルタ回路、及び第一の送受信系(GSM)の第一のスイッチ回路SW1は第一の例と等価回路的に同じである。第二のスイッチ回路SW2は、第二の送受信系(DCS1800)の受信回路RX2と第三の送受信系(PCS)の受信回路RX3とを切り替える一つのスイッチ回路SW2-1、及びDCS/PCSの送信回路TX2とスイッチ回路SW2-1とを切り換えるもう一つのスイッチ回路SW2-2を有する。
DCSの受信回路RX2とPCSの受信回路RX3とを切り替えるスイッチ回路SW2-1は、2つのダイオードDP3、DP4、及び2つの分布定数線路LP5、LP6を主構成素子とする。このスイッチ回路SW2-1の前段には、DCS/PCSの送信回路TX2とスイッチ回路SW2-1とを切り換えるもう一つのスイッチ回路SW2-2が配置されている。このスイッチ回路SW2-2は、2つのダイオードDP1、DP2、及び2つの分布定数線路LP1、LP2を主構成素子とする。
この積層体型高周波スイッチモジュールの各コントロール回路VC1、VC2、VC3の制御ロジックを表2に示す。この制御ロジックにより、GSM、DCS及びPCSの各モードを変更する。
Figure 0004450260
この例においても、従来必要であったインピーダンスマッチング回路が不要であり、各通信モードで所望の周波数帯域で優れた挿入損失特性とアイソレーション特性が得られるとともに、送信電力の検出機能を備えた小型かつ高性能の積層体型高周波スイッチモジュールが得られる。
(3) 実施態様
本実施態様の積層体型高周波スイッチモジュールは、図20に示すように、アンテナの後段に高周波スイッチ(SPDTスイッチ)SWを有し、高周波スイッチSWは2つの送受信系の送信信号経路と受信信号経路とを切り換える。高周波スイッチSWの後段に2つの分波器があり、一方の分波器DIP1は2つの送信系TX1,TX2に接続していて、送信信号を合成するようになっている。ここで用語「送信信号を合成する」とは、複数の送信系TX1,TX2のうち動作している1つの送信系から送給された送信信号を通過させることを意味する。また他方の分波器DIP2は2つの受信系RX1,RX2に接続していて、受信信号を分波するようになっている。この積層体型高周波スイッチモジュールはまた、送信回路TX1,TX2から来る送信信号の電力検出手段(例えば方向性結合回路)PDを備えている。
この高周波スイッチは、図21に示すように、4つのトランジスタFETを使用してスイッチ回路を構成する。送信時にはトランジスタFET1、FET4をオン状態とし、トランジスタFET2、FET3をオフ状態とし、受信時にはトランジスタFET2、FET3をオン状態とし、トランジスタFET1、FET4をオフ状態として、送信回路と受信回路を切り換える。送信回路側及び受信回路側にはそれぞれ分波器DIP1、DIP2が接続されている。送信回路側に配置される分波器DIP1の後段にはさらに方向性結合器が配置されている。前記積層体型高周波スイッチモジュールと同様に、分波器、複数の高周波スイッチ回路及び方向性結合回路を構成する分布定数線路、コンデンサ及びトランジスタは、複数の誘電体層を積層してなる積層体に一体化されている。
このため、従来必要であったインピーダンスマッチング回路が不要であり、各通信モードで所望の周波数帯域で優れた挿入損失特性とアイソレーション特性が得られるとともに、送信電力の検出機能を備えた小型かつ高性能の積層体型高周波スイッチモジュールが得られる。

Claims (9)

  1. アンテナと複数の送受信系の送信回路及び受信回路との接続を切り換える高周波スイッチ回路を有する高周波回路であって、
    前記高周波スイッチ回路と前記送信回路との間に、第1の分波回路と各送受信系の送信信号の電力検出手段とを備え、
    前記高周波スイッチ回路と前記受信回路との間に第2の分波回路を備え、
    前記電力検出手段により得られた複数の送受信系の送信信号が入力し検波信号を出力する検波回路を備えることを特徴とする高周波回路。
  2. 請求項1に記載の高周波回路において、前記電力検出手段と前記検波回路との間にインピーダンス整合器を備えることを特徴とする高周波回路。
  3. 請求項1又は2に記載の高周波回路において、複数の送受信系の送信信号は、前記検波回路のそれぞれ異なる検波ダイオードを通過した後、共通の経路より検波信号として出力されることを特徴とする高周波回路。
  4. 請求項1又は2に記載の高周波回路において、複数の送受信系の送信信号は、前記検波回路の共通の検波ダイオードを通過した後、共通の経路より検波信号として出力されることを特徴とする高周波回路。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の高周波回路において、前記電力検出手段は、送信信号の経路と並列に接続されるコンデンサを有し、前記コンデンサが前記検波回路と接続していることを特徴とする高周波回路。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の高周波回路において、前記電力検出手段は、送信信号の経路と直列に接続される主線路と、前記主線路と結合する副線路とを有し、前記副線路が前記検波回路と接続していることを特徴とする高周波回路。
  7. 請求項6に記載の高周波回路において、各送受信系の送信信号の経路にそれぞれ主線路を備え、前記主線路は各送受信系に共通の副線路と結合していることを特徴とする高周波回路。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の高周波回路において、送信信号の信号経路にフィルタ回路を備えることを特徴とする高周波回路。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の高周波回路において、前記検波回路からの検波信号が入力するエラー増幅器を有する制御回路を備えることを特徴とする高周波回路。
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