JP4210861B2 - 高周波スイッチモジュール - Google Patents

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本発明は複数の異なる通信方式に使用できる無線機に用いる高周波複合部品に関し、特に3つの通信方式を取り扱う無線機に使用する高周波スイッチモジュールに関する。
携帯無線システムには、例えば主に欧州で盛んなGSM(Global System for Mobile Communications)方式及びDCS1800(Digital Cellular System 1800)方式、米国で盛んなPCS(Personal Communications Services)方式、日本で採用されているPDC(Personal Digital Cellular)方式等の様々なシステムがあるが、昨今の携帯電話の急激な普及にともない、特に先進国の主要な大都市部においては各システムに割り当てられた周波数帯では全システム利用者を賄い切れず、接続が困難であったり、通話途中で接続が切断する等の問題が生じている。そこで、前記利用者が複数のシステムを利用できるようにして、実質的に利用可能な周波数の増加を計り、さらにサービス区域の拡充や各システムの通信インフラの有効活用することが提唱されている。
しかしながら、複数のシステムを利用したい場合には、各システムに対応した携帯通信機を必要な分だけ持たねばならないが、従来1台で複数のシステムに通信できる小型軽量の携帯通信機はなかった。単に1台の携帯通信機で複数のシステムを利用可能とするには、システム毎の部品を用いて携帯通信機を構成すればよいが、信号の送信系においては、例えば希望の送信周波数の送信信号を通過させるフィルタ、送受信回路を切り替える高周波スイッチや送受信信号を入放射するアンテナ、また信号の受信系では、前記高周波スイッチを通過した受信信号の希望の周波数を通過させるフィルタ等の高周波回路部品がシステム毎に必要となる。このため携帯通信機が高価になるとともに、体積及び重量がともに増加してしまい、携帯用としては不適であって、1台で複数のシステムを利用可能な携帯通信機を実現するには複数のシステムの周波数構成を満たし、かつ小型で複合機能化した高周波回路部品が必要となる。
従って本発明の目的は、1台で複数のシステムに対応できる携帯通信機に用いる高周波回路部品として、複数のシステムの送信回路と受信回路の切り換えが可能な小型かつ高性能の高周波スイッチモジュールを提供することである。
複数の異なる送受信系の送信回路と受信回路とを切り替える高周波スイッチモジュールであって、
互いに通過帯域が異なる第1及び第2のフィルタ回路F1及びF2と、
第1のフィルタ回路F1に接続して第1の送受信系の第1の送信回路TX1と第1の受信回路RX1とを切り替える第1のスイッチ回路SW1と、第2のフィルタ回路F2に接続して第2及び第3の送受信系の送信回路TX2、第2の送受信系の受信回路RX2及び第3の送受信系の受信回路RX3を切り替える第2のスイッチ回路SW2とを具備し、
第2のスイッチ回路SW2は複数の送受信系の送受信回路を切り替える高周波スイッチであって、アンテナANTから送受信系の受信信号が入力するとともに第2の送信回路TX2から来る送信信号を出力する入出力端IP2と、送信信号が入力する入力端P7と、受信信号を出力する出力端IP3と、受信信号を第2の受信回路RX2へ出力する出力端P9と、受信信号を第3の受信回路RX3へ出力する出力端P10とを有し、
入出力端IP2と入力端P7との間に配置されたダイオードDP1と、入出力端IP2と出力端IP3との間に設けられた分布定数線路LP2と、分布定数線路LP2と出力端IP3との間に設けられたコンデンサCP5と、分布定数線路LP2の出力端IP3側とアースとの間に設けられたダイオードDP2と、出力端IP3と出力端P9との間に設けられた分布定数線路LD1と、分布定数線路LD1の出力端P9側とアースとの間に設けられたダイオードDD1と、出力端IP3と出力端P10との間に配置されたダイオードDD2とを具備し、
分布定数線路LP2はダイオードDP1のアノード側とダイオードDP2のカソード側とに接続し、ダイオードDP2のアノード側にコントロール回路VC3が接続され
分布定数線路LD1はダイオードDD1のカソード側とダイオードDD2のアノード側とに接続し、ダイオードDD1のアノード側にコントロール回路VC5が接続されており、
(1) 第2の送信回路TX2から来る送信信号をアンテナANTに伝送する場合、コントロール回路VC3から正の電圧を供給し、コントロール回路VC5の電圧を0とし、
(2) アンテナANTから来る受信信号を第2の受信回路RX2に伝送する場合、コントロール回路VC3及びVC5の電圧を0とし、
(3) アンテナANTから来る受信信号を第3の受信回路RX3に伝送する場合、コントロール回路VC3の電圧を0とし、コントロール回路VC5から正の電圧を供給することを特徴とする高周波スイッチモジュール。
入力端P7とアースとの間にコンデンサを介さずに配置された分布定数線路LP1と、入力端P10とアースとの間にコンデンサを介さずに配置された分布定数線路LD2とを備えるのが好ましい。
本発明の高周波スイッチモジュールは、複数の異なる送受信系の送信回路と受信回路とを切り替え可能であり、2つの送受信系の送信回路とを共通化できるため、優れた電気的特性を維持しながら小型化できるとともに、2つの送受信系の送信回路の幾つかの部品(例えばアンプ)を共用化することも可能であり、もって高周波スイッチモジュールを用いた携帯通信機を更に小型・軽量化することができる。
[1] 回路構成
図1は参考例の高周波スイッチモジュールを示す。この高周波スイッチモジュールは3つの送受信系を切り替えるもので、(a) アンテナANTに入射した信号を第1の送受信系の受信信号と第2及び第3の送受信系の受信信号とに分波する第1及び第2のフィルタ回路F1,F2からなる分波回路と、(b) 第1のフィルタ回路F1の後段に配置され、コントロール回路VC1から供給される電圧により第1の送受信系の送信回路TX1と受信回路RX1とを切り替える第1のスイッチ回路SW1と、(c) 第2のフィルタ回路F2の後段に配置され、コントロール回路VC2、VC3から供給される電圧により第2及び第3の送受信系の送信回路TX2と第2の送受信系の受信回路RX2と第3の送受信系の受信回路RX3とを切り替える第2のスイッチ回路SW2とを具備する。
第2及び第3の送受信系の送信回路TX2を共通化するため、図2に示すような等価回路で高周波スイッチモジュールを構成するのが好ましい。第1の送受信系がGSM(送信周波数880〜915MHz、受信周波数925〜960MHz)で、第2の送受信系がDCS1800(送信周波数1710〜1785MHz、受信周波数1805〜1880MHz)で、第3の送受信系がPCS(送信周波数1850〜1910MHz、受信周波数1930〜1990MHz)の場合を例にとって、以下詳細に説明する。
(A) 第1及び第2のフィルタ回路
アンテナANTと接続している第1及び第2のフィルタ回路F1,F2はそれぞれ分布定数線路とコンデンサにより構成されている。図2の等価回路は、GSMの送受信信号を通過させるとともにDCS1800及びPCSの送受信信号を減衰させる第1のフィルタ回路F1としてローパスフィルタを備え、DCS1800及びPCSの送受信信号を通過させるとともにGSMの送受信信号を減衰させる第2のフィルタ回路F2としてハイパスフィルタを備えている。
ローパスフィルタF1は、並列に接続された分布定数線路LF1及びコンデンサCF1と、LF1及びCF1とアースとの間に接続されたコンデンサCF3とからなる。またハイパスフィルタF2は、並列に接続された分布定数線路LF2及びコンデンサCF2と、LF2及びCF2とアースとの間に接続された分布定数線路LF3と、分布定数線路LF2及びコンデンサCF2に直列に接続したコンデンサCF4とからなる。なお第1及び第2のフィルタ回路F1,F2はこのような構成に限定されず、例えば下記の(a)〜(h)の構成も採用できる。
(a) 第1のフィルタ回路F1としてローパスフィルタを有し、第2のフィルタ回路F2としてノッチフィルタを有する構成。
(b) 第1のフィルタ回路F1としてノッチフィルタを有し、第2のフィルタ回路F2としてバンドパスフィルタを有する構成。
(c) 第1のフィルタ回路F1としてローパスフィルタを有し、第2のフィルタ回路F2としてバンドパスフィルタを有する構成。
(d) 第1のフィルタ回路F1としてノッチフィルタを有し、第2のフィルタ回路F2としてノッチフィルタを有する構成。
(e) 第1のフィルタ回路F1としてノッチフィルタを有し、第2のフィルタ回路F2としてハイパスフィルタを有する構成。
(f) 第1のフィルタ回路F1としてバンドパスフィルタを有し、第2フィルタ回路F2としてバンドパスフィルタを有する構成。
(g) 第1のフィルタ回路F1としてバンドパスフィルタを有し、第2のフィルタ回路F2としてノッチフィルタを有する構成。
(h) 第1のフィルタ回路F1としてバンドパスフィルタを有し、第2のフィルタ回路F2としてハイパスフィルタを有する構成。
(B) スイッチ回路
第1及び第2のフィルタ回路F1,F2の後段に配置されたGSMの送信回路TX1と受信回路RX1とを切り替える第1のスイッチ回路SW1、及びDCS1800及びPCSの送信回路TX2とDCS1800の受信回路RX2とPCSの受信信号RX3とを切り替える第2のスイッチ回路SW2は、いずれもダイオードと分布定数線路を主要素子とする。
第1のスイッチ回路SW1は図2の上側にあるスイッチ回路であり、GSMの送信回路TX1と受信回路RX1とを切り換えるものである。第1のスイッチ回路SW1は、2つのダイオードDG1、DG2及び2つの分布定数線路LG1、LG2を主要素子とする。ダイオードDG1は入出力端子IP1と送信回路TX1との間に配置され、そのアノードは入出力端子IP1に接続され、カソードとアースとの間には分布定数線路LG1が接続されている。入出力端子IP1と受信回路RX1との間には分布定数線路LG2が接続し、受信回路RX1側の分布定数線路LG2の一端とアースとの間にダイオードDG2のカソードが接続され、ダイオードDG2のアノードとアースとの間にコンデンサCG6が接続されている。前記アノードとコントロール回路VC1との間にはインダクタLG及び抵抗R1が直列に接続している。
分布定数線路LG1及び分布定数線路LG2はいずれも共振周波数がGSMの送信信号の周波数帯域内となるような線路長を有する。例えばそれぞれの共振周波数をGSMの送信信号周波数のほぼ中間周波数(897.5MHz)とすると、所望の周波数帯域内で優れた挿入損失特性を得ることができる。第1のフィルタ回路F1と送信回路TX1との間に挿入されたローパスフィルタ回路LPFは、分布定数線路とコンデンサにより構成するのが好ましい。図2に示す等価回路においては、分布定数線路LG3とコンデンサCG3、CG4及びCG7とにより構成されたπ型のローパスフィルタが、ダイオードDG1と分布定数線路LG1との間に挿入されている。
第2のスイッチ回路SW2は図2の下側にあるスイッチ回路であり、DCS1800の受信回路RX2と、PCSの受信回路RX3と、DCS1800及びPCSの送信回路TX2とを切り換えるものである。第2のスイッチ回路SW2は、3つのダイオードDP1、DP2及びDP3と、2つの分布定数線路LP1及びLP2とを主要素子とする。ダイオードDP1は入出力端子IP2と送信回路TX2との間に配置され、そのカソードは入出力端子IP2に接続され、そのアノードとアースとの間には分布定数線路LP1が接続されている。分布定数線路LP1とアースとの間にはコンデンサCGPが接続され、分布定数線路LP1の一端にコントロール回路VC3が接続されている。
入出力端子IP2と受信回路RX2との間には分布定数線路LP2が接続され、受信回路RX2側の分布定数線路LP2の一端とアースとの間にダイオードDP2のアノードが接続され、そのカソードとアースとの間にコンデンサCP6及び抵抗R3が並列に接続されている。
入出力端子IP2と受信回路RX3との間にダイオードDP3が接続され、そのカソードは入出力端子IP2と接続し、またアノードには分布定数線路LP及び抵抗R2を介してコントロール回路VC2が接続している。
分布定数線路LP1及びLP2はそれらの共振周波数が第2及び第3の送受信系の送信信号の周波数帯域の最大周波数から最小周波数までの範囲内に入るような線路長を有するのが好ましく、特に最大周波数と最小周波数の中間の周波数となるような線路長を有するのが好ましい。例えば分布定数線路LP1及びLP2の共振周波数をDCS1800とPCSの送信信号周波数のほぼ中間周波数(1810MHz)とすると、それぞれのモードにおいて優れた電気的特性を得ることができ、2つの送信信号を1つの回路で扱うことができる。
第2のフィルタ回路F2と送信回路TX2との間に挿入されたローパスフィルタ回路LPFは、分布定数線路とコンデンサにより構成するのが好ましい。図2に示す等価回路においては、分布定数線路LP3及びコンデンサCP3、CP4及びCP7により構成されたπ型のローパスフィルタが、ダイオードDP1と分布定数線路LP1との間に挿入されている。
ローパスフィルタ回路LPFにおいては、分布定数線路LP3の線路長をλ/8〜λ/12(ただしλは第2及び第3の送受信系における送信信号の中間周波数)とするのが好ましい。第2及び第3の送受信系における送信信号の中間周波数λは、例えば第2の送受信系をDCS1800、第3の送受信系をPCSとすると、DCS1800の送信信号1710〜1785MHzとPCSの送信信号1850〜1910MHzとの中間の周波数(1810MHz)となる。中間周波数λに対し、分布定数線路LP3の線路長がλ/8超であると、通過帯域(Pass Band)特性が狭帯域となり、DCS1800の送信信号の下限周波数及びPCSの送信信号近傍で所望の挿入損失特性が得られない。また分布定数線路LP3の線路長がλ/12未満であると、2倍波、3倍波等の高周波数域における減衰量が劣化する。このように、いずれの場合も高周波スイッチモジュールとしての特性が劣化するため好ましくない。
なおローパスフィルタ回路LPFとしては、図1に示すようにスイッチモジュールに内蔵したものに限定されず、図16に示すように高周波スイッチモジュールの後段に配置しても良い。この場合、ローパスフィルタ回路LPFはセラミックフィルタ等により構成することができる。
[2] 動作の説明
参考例の高周波スイッチモジュールは、電源供給手段(コントロール回路)から電圧を給電してダイオードスイッチをオン状態/オフ状態に制御することにより、第1、第2及び第3の送受信系のいずれか一つを選択するようになっている。図2に示す等価回路の高周波スイッチモジュールについて、その動作を以下詳細に説明する。
(A) DCS/PCS TXモード
第2及び第3の送信回路TX2と第2のフィルタ回路F2とを接続する場合、コントロール回路VC3から正の電圧を与え、コントロール回路VC2から0の電圧を与える。コントロール回路VC3から与えられた正の電圧は、CGP、CP2、CP3、CP4、CP5、CP6及びCF4のコンデンサにより直流分がカットされて、ダイオードDP1、DP2及びDP3を含む回路に印加される。その結果、ダイオードDP1、DP2はON状態となり、ダイオードDP3はOFF状態となる。ダイオードDP1がON状態となると、第2及び第3の送信回路TX2と接続点IP2との間のインピーダンスが低くなる。またON状態となったダイオードDP2及びコンデンサCP6により分布定数線路LP2は高周波的に接地されることにより共振し、接続点IP2から第2の受信回路RX2を見たインピーダンスが非常に大きくなる。さらにダイオードDP3がOFF状態となることにより接続点IP2と第3の受信回路RX3との間のインピーダンスが大きくなる。その結果、第2及び第3の送信回路TX2から来る送信信号は第2の受信回路RX2及び第3の受信回路RX3に漏洩することなく、第2のフィルタ回路F2に伝送される。
(B) DCS RXモード
第2の受信回路RX2と第2のフィルタ回路F2を接続する場合、コントロール回路VC2及びVC3からの電圧は0であり、ダイオードDP1、DP2及びDP3はOFF状態となる。OFF状態となったダイオードDP2により、分布定数線路LP2を介して接続点IP2と第2の受信回路RX2が接続される。またダイオードDP1がOFF状態となることにより、接続点IP2と第2及び第3の送信回路TX2との間のインピーダンスが大きくなる。さらにダイオードDP3がOFF状態となることにより、接続点IP2と第3の受信回路RX3との間のインピーダンスが大きくなる。その結果、第2のフィルタ回路F2から来る受信信号は、第2及び第3の送信回路TX2及び第3の受信回路RX3に漏洩することなく、第2の受信回路RX2に伝送される。
(C) PCS RXモード
第3の受信回路RX3と第2のフィルタ回路F2とを接続する場合、コントロール回路VC2から正の電圧を与え、コントロール回路VC3の電圧は0とする。コントロール回路VC2から与えられた正の電圧は、CP5、CP6、CP8及びCF4のコンデンサにより直流分がカットされて、ダイオードDP1、DP2及びDP3を含む回路に印加される。その結果、ダイオードDP2及びDP3がON状態となり、ダイオードDP1がOFF状態となる。ダイオードDP3がON状態となることにより、第3の受信回路RX3と接続点IP2の間のインピーダンスが低くなる。またON状態となったダイオードDP2及びコンデンサCP6により分布定数線路LP2は高周波的に接地されて、DCS1800及びPCSの送信信号周波数帯域で共振し、接続点IP2から第2の受信回路RX2を見たインピーダンスはPCSの受信信号帯域で非常に大きくなる。さらにダイオードDP1がOFF状態となることにより接続点IP2と第2及び第3の送信回路TX2との間のインピーダンスが大きくなる。その結果、第2のフィルタ回路F2から来る受信信号は、第2及び第3の送信回路TX2及び第2の受信回路RX2に漏洩することなく、第3の受信回路RX3に伝送される。
(D) GSM TXモード
第1の送信回路GSM TXと第1のフィルタ回路F1とを接続する場合、コントロール回路VC1から正の電圧を与える。正の電圧はCG6、CG5、CG4、CG3、CG2及びCG1のコンデンサにより直流分がカットされて、ダイオードDG2及びDG1を含む回路に印加される。その結果、ダイオードDG2及びDG1はON状態となる。ダイオードDG1がON状態となることにより、第1の送信回路TX1と接続点IP1の間のインピーダンスが低くなる。またON状態となったダイオードDG2及びコンデンサCG6により分布定数線路LG2は高周波的に接地されて共振し、接続点IP1から第1の受信回路RX1を見たインピーダンスは非常に大きくなる。その結果、第1の送信回路TX1から来る送信信号は第1の受信回路RX1に漏洩することなく、第1のフィルタ回路F1に伝送される。
(E) GSM RXモード
第1の受信回路GSM RXと第1のフィルタ回路F1とを接続する場合、コントロール回路VC1に0の電圧を与え、ダイオードDG1及びDG2をOFF状態とする。OFF状態となったダイオードDG2により、分布定数線路LG2を介して接続点IP1と第2の受信回路RX1が接続される。またダイオードDG1がOFF状態となることにより接続点IP1と第1の送信回路TX1との間のインピーダンスが大きくなる。その結果、第1のフィルタ回路F1から来る受信信号は第1の送信回路TX1に漏洩することなく、第1の受信回路RX1に伝送される。
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
参考例1
図3は図2の高周波スイッチモジュールを示す平面図であり、図4はその積層体部分を示す斜視図であり、図5は図4の積層体を構成する各層の構成を示す展開図である。参考例1では、第1及び第2のフィルタ回路、ローパスフィルタ回路、スイッチ回路の分布定数線路を積層体内に構成し、ダイオードと、積層体内に内蔵することのできない高容量値のコンデンサをチップコンデンサとして積層体上に搭載することにより、ワンチップ化したトリプルバンド用の高周波スイッチモジュールを構成した。なお図4に示す外部端子に付与した記号P1〜P16は、図2の等価回路図に付したP2、P4等の記号と合致している。
この積層体は、(a) 低温焼成が可能なセラミック誘電体材料からなり、厚さが50μm〜200μmのグリーンシートを作製し、(b) 各グリーンシート上にAgを主体とする導電ペーストを印刷することにより所望の電極パターンを形成し、(c) 所望の電極パターンを有する複数のグリーンシートを積層して一体化し、(d) 焼成することにより製造することができる。ライン電極の幅は主として100〜400μmとするのが好ましい。
積層体の内部構造を積層順に従って説明する。まず最下層のグリーンシート11のほぼ全面にグランド電極31を形成するとともに、側面の端子電極81、83、87、89、91、93及び95に接続するための接続部を設ける。
グリーンシート11の上に電極パターンが印刷されていないグリーンシート12を積層した後で、1つのライン電極41を形成したグリーンシート13、4つのライン電極42、43、44及び45を形成したグリーンシート14、及び4つのライン電極46、47、48及び49を形成したグリーンシート15を順に積層する。その上に2つのスルーホール電極(図中、十字の印を付けたものがスルーホール電極である。)を形成したグリーンシート16を積層し、その上にグランド電極32を形成したグリーンシート17を積層する。
2つのグランド電極31、32に挟まれた領域にあるライン電極を適宜接続することにより、第1及び第2のスイッチ回路SW1,SW2用の分布定数線路を形成する。具体的には図2の等価回路を参照して、ライン電極41、42及び46をスルーホール電極で接続することにより分布定数線路LG1を構成し、ライン電極45及び49をスルーホール電極で接続することにより分布定数線路LG2を構成し、ライン電極43及び47をスルーホール電極で接続することにより分布定数線路LP1を構成し、ライン電極44及び48をスルーホール電極で接続することにより分布定数線路LP2を構成する。
グリーンシート17の上に積層するグリーンシート18には、コンデンサ用の電極61、62、63、64、65及び66が形成されている。その上に積層するグリーンシート19にもコンデンサ用の電極67、68及び69が形成されている。その上に積層するグリーンシート20にはコンデンサ電極70が形成されている。
その上にライン電極50、51、52、53及び54が形成されたグリーンシート21、及びライン電極55、56、57、58及び59が形成されたグリーンシート22を順に積層する。最上部のグリーンシート23には搭載素子接続用のランドが形成されている。
グリーンシート18のコンデンサ用電極61、62、63、64及び66の各々は、グリーンシート17上に形成されたグランド電極32との間で容量を構成する。具体的には図2の等価回路を参照して、コンデンサ用電極61はコンデンサCP3を構成し、コンデンサ用電極62はコンデンサCP4を構成し、コンデンサ用電極63はコンデンサCG4を構成し、コンデンサ用電極64はコンデンサCG3を構成し、コンデンサ用電極66はコンデンサCF3を構成する。
グリーンシート18、19及び20に形成されたコンデンサ用電極は相互に容量を形成する。具体的には図2の等価回路を参照して、コンデンサ電極65と68との間でコンデンサCF4を構成し、同様にコンデンサ電極61、62と67との間でコンデンサCP7を構成し、コンデンサ電極69と70との間でコンデンサCF1を構成し、コンデンサ電極68と70との間でコンデンサCF2を構成する。なおコンデンサ電極65はコンデンサ電極68と対向して容量を形成するが、グランド電極32とは対向しないようにグランド電極32には切り欠き部が形成されている。分布定数線路を導通するためのスルーホール電極は切り欠き部内に位置している。
グリーンシート21、22では、ライン電極52、59は分布定数線路LF1を構成し、ライン電極54、58は分布定数線路LF2を構成し、ライン電極53は分布定数線路LF3を構成し、ライン電極51、57は分布定数線路LG3を構成し、ライン電極55は分布定数線路LP3を構成し、ライン電極56は分布定数線路LPを構成する。またライン電極50は配線用のラインである。また分布定数線路LG3を構成するライン電極51、57を部分的に対向するように形成し、その対向部分でコンデンサCG7を構成する。
積層したこれらのグリーンシートを一体的に圧着し、900℃の温度で焼成して、外形寸法が6.7mm×5.0mm×1.0mmの積層体を得た。この積層体の側面に端子電極81〜96を形成した。積層体の外観を図4に示す。
この積層体の上に、ダイオードDG1、DG2、DP1、DP2及びDP3、チップコンデンサCG1、CG6、CGP及びCP6、及びチップ抵抗R3を搭載した。図3はこられの素子を搭載した積層体を示す平面図である。図3はこの高周波スイッチモジュールの実装構成(各端子の接続構造)を併せて示す。なお図3等においてGRDはグランド接続される端子を意味する。
本参考例では、図2に示す等価回路のうち、CP2、CP5、CG2、CG5、R1、LG、R2及びCP8を、チップ部品を搭載する回路上に形成する。
本参考例では、第1及び第2のスイッチ回路の分布定数線路を積層体内のグランド電極で挟まれた領域に形成しているので、スイッチ回路と分波回路及びローパスフィルタ回路との干渉を防いでいる。またグランド電極で挟まれた領域を積層体の下部に配置することにより、グランド電位を取り易くしている。上側のグランド電極に対向する位置には、それとの間にコンデンサを構成するコンデンサ用電極を形成している。
図3及び4に示すように、本参考例では積層体の側面に端子が形成された構造となっているので、面実装が可能である。側面の端子はそれぞれANT端子(P2)、DCS/PCSのTX2端子(P7)、GSMのTX1端子(P13)、GSMのRX1端子(P16)、DCS1800 RX2端子(P9)、PCS RX3端子(P10)、グランド端子(GRD)及びコントロール端子(VC1、VC2、VC3)である。その他にこの積層体の各側面には、少なくとも1つのグランド端子を配置している。
本参考例では、ANT端子、TX端子群及びRX端子群はそれぞれグランド端子で挟まれている。またVC1、VC2及びVC3もそれぞれグランド端子で挟まれている。
本参考例の高周波スイッチモジュールの各コントロール回路VC1、VC2及びVC3の制御ロジックを表1に示す。これによりGSM、DCS1800及びPCSの各モードを変更する。
Figure 0004210861
図11〜図15は各通信モードにおける送受信時の挿入損失特性及びアイソレーション特性を示す。図11〜図15に示すように、各通信モードにおいて所望の周波数帯域で優れた挿入損失特性及びアイソレーション特性が得られ、本参考例の高周波スイッチモジュールは小型かつ高性能であることが分かった。
参考例2
図6は別の参考例の高周波スイッチモジュールの等価回路を示し、図7は高周波スイッチモジュールの平面図であり、図8はその積層体の内部構造を示す。本参考例は参考例1と類似する部分が多いので、ここでは異なる部分のみ説明する。
第1及び第2のフィルタ回路は、参考例1と同一である。第1の送受信系(GSM)の第1のスイッチ回路SW1も、分布定数線路LG1がアースに接続されずに、第2のスイッチ回路SW2の分布定数線路LP1とともにコントロール回路VC3に接続されている以外、参考例1と同一である。第2のスイッチ回路においては、ダイオードDP1、DP2及びDP3の向きが参考例1と逆になっており、またダイオードDP2とコンデンサCP6との間に、インダクタLDと抵抗R3の直列回路を経てコントロール回路VC4が接続されている。
また高周波スイッチモジュール積層体の構造については、以下の点で参考例1のものと相違する。グリーンシート11のグランド電極31は端子電極89に接続していない。グリーンシート15では、ライン電極46の引き出し端子が変更されている。グリーンシート17では、グランド電極32は端子電極89に接続していない。グリーンシート21では、配線用ラインであるライン電極71が追加されている。グリーンシート22では、ライン電極71に接続するスルーホールが追加されている。またグリーンシート23では、ランド形状が変更されている。
積層体上には、ダイオードDG1、DG2、DP1、DP2及びDP3、チップコンデンサCG1、CG6、CGP及びCP6を搭載する。図7はこれらの素子を搭載した積層体を示す。図7は高周波スイッチモジュールの実装構成(各端子の接続構造)を併せて示す。本参考例では、図6に示す等価回路を構成する素子のうち、CP2、CP5、CG2、CG5、R1、LG、R2、CP8、R3及びLDは、チップ部品の搭載回路上に形成する。
本参考例の高周波スイッチモジュールの各コントロール回路VC1、VC2、VC3及びVC4の制御ロジックを表2に示す。これにより各モードを変更する。
Figure 0004210861
本参考例の高周波スイッチモジュールも3つの異なる通信方式を使用でき、参考例1と同様の効果を有している。
実施例1
本発明の一実施例による高周波スイッチモジュールの等価回路を図9に示す。本実施例に用いる高周波スイッチモジュールは参考例1のものと類似する部分が多いので、ここでは異なる部分のみ説明することにする。
第1及び第2のフィルタ回路、及び第1の送受信系(GSM)の第1のスイッチ回路SW1については、等価回路的に参考例1と同一である。第2のスイッチ回路SW2は、第2のフィルタ回路F2から第2及び第3の送受信系の受信信号が入力するとともに第2及び第3の送受信系の送信回路TX2から来る送信信号を出力する入出力端IP2と、第2及び第3の送受信系の送信回路TX2から来る送信信号が入力する入力端と、第2及び第3の送受信系の受信信号を出力する第3の出力端IP3と、第2の送受信系の受信信号を受信回路RX2へ出力する第4の出力端と、第3の送受信系の受信信号を受信回路RX3へ出力する第5の出力端とを有し、入出力端IP2と入力端との間に配置された第1のダイオードDP1と、入力端とアースとの間に設けられた第1の分布定数線路LP1と、入出力端IP2と第3の出力端IP3との間に設けられた第2の分布定数線路LP2と、第3の出力端IP3とアースとの間に設けられた第2のダイオードDP2と、第3の出力端IP3と第4の出力端との間に設けられた第3の分布定数線路LD1と、第4の出力端とアースとの間に設けられた第3のダイオードDD1と、第3の出力端IP3と第5の出力端との間に配置された第4のダイオードDD2と、第5の出力端とアースとの間に設けられた第4の分布定数線路LD2とを具備する。
上記の通り、第2のスイッチ回路SW2は、DCSの受信回路RX2とPCSの受信回路RX3とを切り替えるスイッチ回路SW2-1と、DCS/PCSの送信回路TX2と前記スイッチ回路とを切り換えるもう一つのスイッチ回路SW2-2とからなる。DCSの受信回路RX2とPCSの受信回路RX3とを切り替えるスイッチ回路SW2-1は、2つのダイオードDD1、DD2、及び2つの分布定数線路LD1、LD2を主要素子とし、ダイオードDD2のアノードは接続点IP3に接続され、カソードはRX3側に接続され、カソード側にアースに接続される分布定数線路LD2が配置されている。接続点IP3と受信回路RX2との間に分布定数線路LD1が接続され、受信回路RX2側にコンデンサCDP2を介してアースに接続されるダイオードDD1が配置されている。ダイオードDD1とコンデンサCDP2との間に、インダクタLD及び抵抗R6を介してコントロール回路VC5が接続されている。
このスイッチ回路SW2-1の前段には、DCS/PCSの送信回路TX2とスイッチ回路SW2-1とを切り換えるためのもう一つのスイッチ回路SW2-2が配置されている。このスイッチ回路SW2-2は、2つのダイオードDP1、DP2及び2つの分布定数線路LP1、LP2を主要素子とする。TX2と接続点IP2との間にダイオードDP1が配置され、ダイオードDP1のアノードは接続点IP2に接続し、そのカソード側にアースに接続される分布定数線路LP1が配置されている。接続点IP2とIP3との間に分布定数線路LP2が接続され、その接続点IP3側にコンデンサCP6を介してアースに接続するダイオードDP2が配置されている。またダイオードDP2とコンデンサCP6との間に、インダクタLP及び抵抗R3を介してコントロール回路VC3を接続している。
本実施例の高周波スイッチモジュールの各コントロール回路VC1、VC3及びVC5の制御ロジックを表3に示す。これにより各モードを変更する。
Figure 0004210861
実施例1の高周波スイッチモジュールも3つの異なる通信方式を使用でき、参考例1と同様の効果を発揮することが分かる。
参考例3
高周波スイッチモジュールのさらに別の例の等価回路を図10に示す。本参考例の高周波スイッチモジュールは参考例1のものと類似する部分が多いので、ここでは異なる部分のみ説明することにする。第1〜第3の送受信系(GSM、DCS、PCS)の第1及び第2のスイッチ回路部分は、等価回路的に参考例1と同一である。
アンテナANTと接続している第1及び第2のフィルタ回路F1,F2は参考例1と同様に分布定数線路及びコンデンサにより構成され、等価回路ではGSMの送受信信号を通過させDCS及びPCSの送受信信号を減衰させる第1のフィルタ回路としてローパスフィルタを具備し、DCS及びPCSの送受信信号を通過させGSMの送受信信号を減衰させる第2のフィルタ回路としてハイパスフィルタを具備する。前記ローパスフィルタはアンテナANTと第1のスイッチ回路F1との間に分布定数線路LF5を有し、分布定数線路LF5の一端とアースとの間に分布定数線路LF6及びコンデンサCF6からなる直列共振回路が接続している。一方ハイパスフィルタは、アンテナANTと第2のスイッチ回路F2との間に接続されたコンデンサCF5と、アースとの間に接続された分布定数線路LF7及びコンデンサCF7からなる直列共振回路とを有する。
本参考例の高周波スイッチモジュールも3つの異なる通信方式を使用でき、参考例1と同様の効果を発揮する。
本発明の高周波スイッチモジュールを図1〜図10を参照して詳細に説明したが、これに限定されるものではなく、本発明の思想を逸脱しない限り種々の変更をすることができる。また本発明の高周波スイッチモジュールに使用する通信方式も上記実施例に示したものに限られることはなく、3つの異なる送受信系、例えばGPS(Global Positioning System)とD-AMPS(Digital Advanced Mobile Service)とPCSとの組合せ、GSMとWCDMA(Wide-band Code Division Multiple Access)とPCSとの組合せ等の場合でも、同様に3つの送受信系の切り換えが可能である。
本発明の高周波スイッチモジュールは、例えば3つの異なる通信方式を使用できる複数通信方式のトリプルバンド用の携帯電話等の携帯通信機に利用できるもので、アンテナANTと、第1の送受信系の送信回路TX1及び受信回路RX1、第2及び第3の送受信系の送信回路TX2、第2の送受信系の受信回路RX2、及び第3の送受信系の受信回路RX3が切り換え可能になっており、第2送受信系の送信回路と第3送受信系の送信回路とを共通化できる。このため本発明の高周波スイッチモジュールは、優れた電気的特性を維持しながら小型化できるとともに、第2及び第3の送受信系の送信回路の幾つかの部品(例えばアンプ)を共用化することも可能である。その結果、高周波スイッチモジュールを用いた携帯通信機を更に小型・軽量化し得る。
参考例の高周波スイッチモジュールの回路を示すブロック図である。 参考例の高周波スイッチモジュールの等価回路を示す概略図である。 図2の高周波スイッチモジュールを示す平面図である。 図2の高周波スイッチモジュールの積層体部を示す斜視図である。 図2の高周波スイッチモジュールの積層体部の内部構造を示す図である。 別の参考例の高周波スイッチモジュールの等価回路を示す概略図である。 図6の高周波スイッチモジュールを示す平面図である。 図6の高周波スイッチモジュールの積層体の内部構造を示す図である。 本発明の一実施例による高周波スイッチを用いた高周波スイッチモジュールの等価回路を示す概略図である。 さらに別の参考例の高周波スイッチモジュールの等価回路を示す概略図である。 参考例1の高周波スイッチモジュールのGSM TXモードにおけるTX1-ANT間の挿入損失特性を示すグラフである。 参考例1の高周波スイッチモジュールのGSM TXモードにおけるTX1-RX1間のアイソレーション特性を示すグラフである。 参考例1の高周波スイッチモジュールのGSM RXモードにおけるANT-RX1間の挿入損失特性を示すグラフである。 参考例1の高周波スイッチモジュールのGSM RXモードにおけるANT-TX1間のアイソレーション特性を示すグラフである。 参考例1の高周波スイッチモジュールのDCS/PCS TXモードにおけるTX2-ANT間の挿入損失特性を示すグラフである。 参考例1の高周波スイッチモジュールのDCS/PCS TXモードにおけるTX2-RX2間のアイソレーション特性を示すグラフである。 参考例1の高周波スイッチモジュールのDCS/PCS TXモードにおけるTX2-RX3間のアイソレーション特性を示すグラフである。 参考例1の高周波スイッチモジュールのDCS RXモードにおけるANT-RX2間の挿入損失特性を示すグラフである。 参考例1の高周波スイッチモジュールのDCS RXモードにおけるANT-TX2の間のアイソレーション特性を示すグラフである。 参考例1の高周波スイッチモジュールのDCS RXモードにおけるANT-RX3の間のアイソレーション特性を示すグラフである。 参考例1の高周波スイッチモジュールのPCS RXモードにおけるANT-RX3間の挿入損失特性を示すグラフである。 参考例1の高周波スイッチモジュールのPCS RXモードにおけるANT-TX2間のアイソレーション特性を示すグラフである。 参考例1の高周波スイッチモジュールのPCS RXモードにおけるANT-RX2間のアイソレーション特性を示すグラフである。 さらに別の参考例の高周波スイッチモジュールの回路を示すブロック図である。
符号の説明
ANT・・・ アンテナ
TX2・・・送信回路
RX2,RX3・・・受信回路
DP1,DP2,DD1,DD2・・・ダイオード
LP2,LD1・・・分布定数線路
CP5・・・コンデンサ
IP2・・・入出力端
P7・・・入力端
IP3,P9,P10・・・出力端
VC3,VC5・・コントロール回路

Claims (3)

  1. 複数の異なる送受信系の送信回路と受信回路とを切り替える高周波スイッチモジュールであって、
    互いに通過帯域が異なる第1及び第2のフィルタ回路F1及びF2と、
    第1のフィルタ回路F1に接続して第1の送受信系の第1の送信回路TX1と第1の受信回路RX1とを切り替える第1のスイッチ回路SW1と、第2のフィルタ回路F2に接続して第2及び第3の送受信系の送信回路TX2、第2の送受信系の受信回路RX2及び第3の送受信系の受信回路RX3を切り替える第2のスイッチ回路SW2とを具備し、
    第2のスイッチ回路SW2は複数の送受信系の送受信回路を切り替える高周波スイッチであって、アンテナANTから送受信系の受信信号が入力するとともに第2の送信回路TX2から来る送信信号を出力する入出力端IP2と、送信信号が入力する入力端P7と、受信信号を出力する出力端IP3と、受信信号を第2の受信回路RX2へ出力する出力端P9と、受信信号を第3の受信回路RX3へ出力する出力端P10とを有し、
    入出力端IP2と入力端P7との間に配置されたダイオードDP1と、入出力端IP2と出力端IP3との間に設けられた分布定数線路LP2と、分布定数線路LP2と出力端IP3との間に設けられたコンデンサCP5と、分布定数線路LP2の出力端IP3側とアースとの間に設けられたダイオードDP2と、出力端IP3と出力端P9との間に設けられた分布定数線路LD1と、分布定数線路LD1の出力端P9側とアースとの間に設けられたダイオードDD1と、出力端IP3と出力端P10との間に配置されたダイオードDD2とを具備し、
    分布定数線路LP2はダイオードDP1のアノード側とダイオードDP2のカソード側とに接続し、ダイオードDP2のアノード側にコントロール回路VC3が接続され
    分布定数線路LD1はダイオードDD1のカソード側とダイオードDD2のアノード側とに接続し、ダイオードDD1のアノード側にコントロール回路VC5が接続されており、
    (1) アンテナANTから来る受信信号を第2の受信回路RX2に伝送する場合、コントロール回路VC3及びVC5の電圧を0とし、
    (2) 第2の送信回路TX2から来る送信信号をアンテナANTに伝送する場合、コントロール回路VC3から正の電圧を供給し、コントロール回路VC5の電圧を0とし、
    (3) アンテナANTから来る受信信号を第3の受信回路RX3に伝送する場合、コントロール回路VC3の電圧を0とし、コントロール回路VC5から正の電圧を供給することを特徴とする高周波スイッチモジュール。
  2. 入力端P7とアースとの間にコンデンサを介さずに配置された分布定数線路LP1と、入力端P10とアースとの間にコンデンサを介さずに配置された分布定数線路LD2とを備えることを特徴とする請求項1に記載の高周波スイッチモジュール。
  3. 請求項1又は2に記載の高周波スイッチモジュールを備えることを特徴とする携帯通信機。
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