JP4447793B2 - 洗浄剤組成物 - Google Patents

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幹彦 伊藤
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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂(以下単に「樹脂」ともいう)の射出成形または押出成形を行うための成形機を用いて樹脂の着色、混合、成形等の作業が終了した時に、当該成形機内に残留する樹脂そのもの及びこれに含まれる染顔料等の添加物を除去するための洗浄剤に関する。
【0002】
【背景技術】
一般に、樹脂の着色、混合、成形等の作業を行うために押出成形機又は射出成形機が用いられている。これらの作業が終了すると、当該樹脂そのものや成形材料中に含まれている染顔料等の添加剤が成形機内に残留する。この場合、同じ成形機を用いて引き続き異なる種類の樹脂や異なる色の樹脂の成形を行うと、これらの残留物は成形品中に異物として混入することになり、製品の外観不良の原因となる。
【0003】
従来、上記残留物を成形機内から除去するため、人手により成形機の分解掃除をする方法、成形機を停止せずにそのまま次に使用する成形材料を成形機に充填し、これにより残留物を少しづつ置換していく方法、あるいは洗浄剤を用いる方法が実施されている。
【0004】
洗浄剤を用いる場合、洗浄剤で成形機を洗浄した後、次の成形作業に入る前に、通常、次の成形材料によって残留する洗浄剤の置換作業を行う。従って、洗浄剤には、前の成形で使用した成形材料に対する高い洗浄力と、次の成形に使用する成形材料により簡単に除去でき成形機内に残留しないという易置換性とが要求される。
【0005】
また、一般に成形作業は同一の成形機を用いて多様な樹脂を使用するのであるから、洗浄剤は、洗浄力と易置換性とを実用上それらの多様な樹脂に対して発揮する必要がある。
【0006】
しかしながら、従来の洗浄剤は、主に洗浄力の向上のみを目的として設計されており、洗浄力だけではなく、より優れた易置換性を有する洗浄剤の開発が期待されている。
【0007】
本発明者の一部は、洗浄力と易置換性が共に優れる洗浄剤として、スチレン系樹脂と特定のグラフト重合体からなる洗浄剤を提案しており、更に、該洗浄剤に特定量の水分を含有させることやガラス繊維又はガラス粒を含有させることにより、洗浄力を向上させることを提案している(米国特許第5,298,078号)。しかしながら、洗浄剤にガラス繊維又はガラス粒を含有させた場合、ガラス繊維又はガラス粒が洗浄に際し成形機内部を傷つけたり、成形機のフィルター部分に詰まるという問題、又は皮膚への刺激等作業環境に対する悪影響をなくす配慮をしなければならないという問題があった。
【0008】
また、本発明者の一部は、洗浄力と易置換性が共に優れる洗浄剤として、熱可塑性樹脂と熱可塑性超高分子からなる洗浄剤を提案している(特開平8−155969号公報)。しかしながら、上記洗浄剤においては、熱可塑性樹脂と熱可塑性超高分子の相溶性が悪い場合は、熱可塑性超高分子の一部が離脱して、洗浄剤中に粉末として混入する可能性があった。かかる場合、洗浄剤を成形機ホッパーに投入すると、超高分子粉末がホッパーに付着し、洗浄終了後に次の形成材料をホッパーに投入する際に、超高分子粉末が成形材料に混入し、洗浄剤の置換に時間がかかるという問題があった。
【0009】
米国特許第5,236,514号明細書には、熱可塑性樹脂と高級脂肪酸金属塩からなる洗浄剤が記載されており、特にこの洗浄剤と共に珪藻土、セラミック粒子、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、二酸化チタン、シリカ、カオリン・マイカ・ウォラストナイト等の鉱物類から選ばれた研磨材を含有する洗浄用樹脂組成物が開示されている。かかる洗浄用樹脂組成物は、その効果として押出機内に残留したフルオロエラストマーを効率的に洗浄できることが記載されている。しかしながら、実際には、研磨材として珪藻土が用いられており、この組成物を洗浄剤として用いたとしても、スチレン系樹脂やオレフィン系樹脂等の汎用樹脂又はポリカーボネート樹脂やポリフェニレンオキシド樹脂等のエンジニアリング樹脂の残留物を洗浄する場合には、十分な洗浄力が得られず、更に、易置換性が十分に得られない。
【0010】
また、米国特許第4,838,945号明細書と5,124,383号明細書には、それぞれ、特定粒径の粉末状のケイ酸カルシウム等の無機化合物、シリコーン等の撥水性化合物を含有させた洗浄用樹脂組成物が開示されているが、これらの組成物も洗浄力と易置換性は共に十分ではない。
【0011】
【発明の開示】
本発明は、このような従来未解決だった課題に着目してなされたものである。すなわち、本発明は、ガラス繊維又はガラス粒を使用せずに、成形機内に残留した樹脂の洗浄に有効であり、かつ、汎用樹脂やエンジニアリング樹脂等の多様な樹脂の残留物に対して優れた洗浄力と易置換性を得ることができる洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【0012】
本発明者等は、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ウォラストナイト及び水分を含有する熱可塑性樹脂を用いることによって、洗浄力と易置換性を従来に比べ著しく向上させることができることを見出し、本発明をなすに至った。
【0013】
すなわち、本発明は、熱可塑性樹脂、水分及びウォラストナイトを含有する、成形機内に残留した樹脂の洗浄に有効な洗浄剤組成物であって、水分の含有量が熱可塑性樹脂100重量部に対して0.2〜10重量部であり、ウォラストナイトの平均繊維長が1000μm以下、平均繊維径が2〜40μm、アスペクト比(平均繊維長と平均繊維径の比)が1〜50であり、ウォラストナイトの含有量が熱可塑性樹脂100重量部に対して5〜100重量部である洗浄剤組成物である。
【0014】
【発明を実施するための最良の形態】
本発明について、以下具体的に説明する。
【0015】
本発明の洗浄剤は、熱可塑性樹脂、水分及びウォラストナイトを含有する。
【0016】
熱可塑性樹脂としては、一般の射出成形や押出成形等に用いられる樹脂を広く用いることができ、同時に2種以上の樹脂を使用することもできる。その具体例としては、例えば、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ポリエチレン等のエチレン系樹脂、ポリプロピレン等のプロピレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のメチルメタクリレート系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート、ポリブテン等を挙げることができる。これらの中でもスチレン系樹脂が好ましい。
【0017】
スチレン系樹脂とは、ポリスチレン、又はスチレンと1種若しくは2種以上の他の単量体との共重合体であってスチレンの含有量が50重量%以上のものをいう。スチレンと共重合させる他の単量体としては、例えばアクリロニトリル、ブタジエン等が挙げられる。このスチレン系樹脂の具体例としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体等が挙げられる。これらの中でもスチレン−アクリロニトリル共重合体が好ましく、特にアクリロニトリル含量が5重量%以上50重量%未満のスチレン−アクリロニトリル共重合体が、洗浄力及び成形機内への非残留性に優れることから好ましい。
【0018】
熱可塑性樹脂の分子量は特に限定されないが20万〜30万が好ましい。また、熱可塑性樹脂のメトルフローレイトが0.5〜30g/10分であることが好ましく、より好ましくは0.5〜10g/10分、更に好ましくは0.5〜4g/10分である。メルトフローレイトが0.5g/10分未満では、標準的な成形条件、例えば成形温度200〜280℃で使用しにくく、また30g/10分を超えると十分な洗浄効果が得られにくくなる。なお、本明細書におけるメルトフローレイトは、220℃、10kgの条件下における値をいう。
【0019】
本発明において水分は、通常の成形温度(例えば160〜350℃)において発泡をひきおこして、成形機内の内圧を高めることになり、その結果洗浄力の向上に寄与するという役割を持つ。
【0020】
含有させる水分量は、本洗浄剤100重量部に対して0.2〜10重量部であると十分な洗浄効果が得られ好ましい。水分を含有しないと成形機内で水による発泡が起こらないため、成形機内の内圧が低いままとなり、十分な洗浄効果が得られない。
【0021】
水分を含有させる場合、例えば本洗浄剤を構成する樹脂の吸湿性を利用して水を樹脂に吸着させたり、本洗浄剤を構成する樹脂を多孔質として内部に水を封じ込めることにより洗浄剤の投入時に水が外部に離脱しないようにしておくことが好ましい。例えば本洗浄剤の周囲に水をまぶして付着させただけの場合、本洗浄剤の成形機への投入時に、成形機のホッパーやホッパー直下に離脱した水が付着したり溜ってしまい、このままでは次に投入される形成材料を濡らして次の成形に悪影響を及ぼすので、これを乾燥除去又はふき取ることが必要となる。
【0022】
本洗浄剤をベント付成形機で使用する場合は、使用する本洗浄剤の一部をベントロからも添加すると好ましい結果が得られる。
【0023】
ウォラストナイトの種類は特に限定されないが、平均繊維長が1000μm以下、平均繊維径が2〜40μm、アスペクト比(平均繊維長と平均繊維径の比)が1〜50のものが洗浄効果に優れ、しかも成形機内の摩耗やフィルター部の目詰まりを発生させないので、好ましい。更に好ましくは平均繊維長が500μm以下、平均繊維径が5〜20μm、アスペクト比が5〜20である。また、例えばシラン処理等の表面処理を施したウォラストナイトも使用できる。好ましいウォラストナイトの例として、NYCO Minerals Inc.社製のNYGLOS20(平均繊維長260μm、平均繊維径20μm、アスペクト比13)、NYGLOS4(平均繊維長40μm、平均繊維径3.6μm、アスペクト比11)、NYAD325(平均繊維長50μm、平均繊維径10μm、アスペクト比5)、及びOrleans Resources Inc.社製のORLEANS290(アスペクト比10)が挙げられる。
【0024】
ウォラストナイトの含有量は、洗浄効果を十分に発揮するために、熱可塑性樹脂100重量部に対して5〜100重量部が好ましく、10〜70重量部がより好ましい。
ウォラストナイトの添加の効果は、類似の無機繊維や無機粉体、例えばガラス繊維、マイカ、珪酸カルシウムの添加では得られない。このことは、本発明の実施例6と比較例4〜6を比較すれば明らかである。
【0025】
本発明の洗浄剤組成物は熱可塑性超高分子を含有すると、洗浄力、特に高温での洗浄力を更に向上させることができ、好ましい。熱可塑性超高分子とは、分子量100万以上の高分子をいい、例えばエチレン系超高分子、スチレン−アクリロニトリル系超高分子、メチルメタクリレート系超高分子等が挙げられる。分子量の上限は特に限定されないが、一般的には1000万以下であることが実用上好ましい。また、超高分子はホモポリマーでもコポリマーでもよく、コポリマーの場合は主成分、例えばエチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、メチルメタクリレート等の含有量が50重量%以上である必要がある。
【0026】
熱可塑性超高分子を含有する場合の好ましい組み合わせは、エチレン系樹脂とエチレン系超高分子、プロピレン系樹脂とエチレン系超高分子、スチレン−アクリロニトリル系樹脂とエチレン系超高分子、スチレン−アクリロニトリル系樹脂とスチレン−アクリロニトリル系超高分子、スチレン−アクリロニトリル系樹脂とメチルメタクリレート系超高分子、メチルメタクリレート系樹脂とメチルメタクリレート系超高分子、メチルメタクリレート系樹脂とスチレン−アクリロニトリル系超高分子であり、特に好ましい組み合わせは、エチレン系樹脂とエチレン系高分子、プロピレン系樹脂とエチレン系超高分子、スチレン−アクリロニトリル系樹脂とエチレン系超高分子である。
【0027】
熱可塑性超高分子の含有量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して2〜50重量部であることが好ましく、更に好ましくは5〜40重量部、最も好ましくは10〜30重量部である。
【0028】
本発明の洗浄剤組成物に熱可塑性超高分子を含有させる場合は、更にスチレン系飽和型熱可塑性エラストマーを添加することがより好ましい。
【0029】
熱可塑性超高分子を含有することにより、上記の通り、洗浄力、特に高温での洗浄力を更に向上させることができると共に、スチレン系飽和型熱可塑エラストマーを含有することにより、熱可塑性樹脂と熱可塑性超高分子の相溶性を向上させることかでき、熱可塑性超高分子の粉末化を防止することができる。
【0030】
スチレン系飽和型熱可塑性エラストマーは、スチレンと共役ジエンの共重合体を水添して主鎖の二重結合を飽和させたポリマーであり、ブロック共重合体、ランダム共重合体のいずれであってもよいが、ブロック共重合体であることが好ましい。また、スチレン成分の含有量が50重量%以上、好ましくは50重量%〜80重量%であることが好ましく、水素添加率が80%〜100%であることが好ましい。
【0031】
スチレン系飽和型熱可塑性エラストマーの種類は特に限定されないが、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−ブテン−エチレンブロック共重合体等の水添ポリマー、例えばタフテック(旭化成工業株式会社製)等を使用することができる。特に、熱可塑性超高分子としてエチレン系超高分子を用いる場合には、ソフトセグメント部にエチレン成分を含むものが好ましい。
【0032】
スチレン系飽和型熱可塑性エラストマーの含有量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.2〜10重量部であることが好ましく、更に好ましくは0.5〜6重量部である。10重量部以下であれば、スチレン系飽和型熱可塑性エラストマー自体が残留する可能性がなく、0.2重量部以上であれば熱可塑性超高分子の粉末化を十分に防止することができる。
【0033】
また、スチレン系飽和型熱可塑性エラストマーの含有量は、熱可塑性超高分子に対して10〜20重量%であることが好ましい。
【0034】
熱可塑性樹脂と熱可塑性超高分子とスチレン系飽和型熱可塑性エラストマーとの好ましい組み合わせは、スチレン系樹脂、特にスチレン−アクリロニトリル系樹脂とエチレン系超高分子とスチレン−ブテン−エチレンブロック共重合体の水添ポリマーとの組合わせである。
【0035】
また、グラフト化シリコーンを含有させると易置換性を更に向上させることができ、好ましい。
【0036】
グラフト化シリコーンは、ベースとなる樹脂にシリコーンをグラフトしたものであり、シリコーン単体、例えばシリコーンオイルと比べ、成形機内で熱可塑性樹脂から離脱しにくい。その結果、成形機内にシリコーンが残留することがなく、洗浄終了後に使用する熱可塑性樹脂中にシリコーンが混入したり、塗装性が低下したりという悪影響がない。
【0037】
グラフト化シリコーンの種類は特に限定されないが、充分な洗浄力及び易置換性を得るためには、ベースとなる樹脂がポリプロピレン系樹脂又はアクリロニトリル−スチレン系樹脂であることが好ましく、また、シリコーン含有率がベース樹脂に対し30〜80重量%であることが好ましい。また、取扱い性の観点から、ペレット状のものが好ましい。好ましいグラフトかシリコーンの例として、ベース樹脂がポリプロピレンであり、シリコーン含有率が40重量%であるグラフト化シリコーン(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製、製品名BY27−201C)やベース樹脂がポリプロピレンであり、シリコーン含有率が50重量%であるグラフト化シリコーン(信越化学工業株式会社製、製品名X−22−2101)が挙げられる。
【0038】
グラフト化シリコーンの含有量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.2〜10重量部が好ましく、0.5〜5重量部がより好ましい。0.2重量部以上であれば充分な洗浄力および易置換性が得られ、10重量部以下であれば成形機内にシリコーンが残留することがなく、洗浄後に使用する熱可塑性樹脂に悪影響を及ぼすことがない。
【0039】
上述の洗浄剤組成物は、押出機等で溶融混練混合してペレット状にしたものが、より高い洗浄効果が得やすい点から好ましい。
【0040】
上記ペレットの形状としては、フィードゾーンのスクリュー溝の深さに対して直径(長径と短径の平均値)が40〜100%、好ましくは60〜100%、長さが40〜100%、好ましくは60〜100%であることが好ましい。上記形状のペレットを用いることにより、フィードゾーンにおける優れた洗浄力および易置換性を得ることができ、特に大型成形機、具体的にはスクリュー直径が70mm以上、フィードゾーンのスクリュー溝深さが10mm以上の大型成形機に好適に使用できる。ペレットの直径が40%以上及び長さが40%以上であれば、充分な洗浄力及び易置換性を得ることができ、ペレットの直径が100%以下及び長さが100%以下であれば、スクリューへの噛み込み不足が発生せず、シリンダー内部を傷つける恐れがない。
【0041】
上記形状のペレットの含有量は、ペレット全量に対し50重量%〜100重量%であることが好ましく、より好ましくは70〜100重量%である。50重量%以上であれば、充分な洗浄力及び易置換性を得ることができる。
【0042】
本発明の洗浄剤組成物は、相溶化剤として、主鎖をなすオレフィン系重合体と、側鎖をなすスチレン系重合体とから構成されるグラフト重合体を含有すると、易置換性が更に向上する。
【0043】
該グラフト重合体において主鎖をなすオレフィン系重合体とは、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、又はエチレン及び/又はプロピレンの含有量が50重量%以上の共重合体をいう。エチレン及び/又はプロピレンの含有量が50重量%以上の共重合体の場合、共重合させる他の単量体としては、例えば酢酸ビニル、アクリロニトリル、グリシジルメタクリレート、エチルアクリレート、スチレン等が挙げられる。これらのうち、主鎖をなすオレフィン系重合体としてはポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体が好ましい。
【0044】
また、側鎖をなすスチレン系重合体とは、ポリスチレン、又はスチレンと1種若しくは2種以上の他の単量体との共重合体であって、スチレンの含有量が50重量%以上の共重合体をいう。スチレンと共重合させる他の単量体としては、例えばアクリロニトリル、メチルメタクリレート等が挙げられる。これらのうち、側鎖をなすスチレン系重合体としては、スチレン−アクリロニトリル共重合体が好ましい。
【0045】
上記主鎖をなすオレフィン系重合体と、側鎖をなすスチレン系重合体の構成比は、一般的にはオレフィン系重合体が15〜90重量%(スチレン系重合体が85〜10重量%)、好ましくは20〜80重量%(スチレン系重合体が80〜20重量%)のものが用いられるが、更に好ましくはオレフィン系重合体が40〜60重量%(スチレン系重合体が60〜40重量%)である。
【0046】
グラフト重合体の含有比は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、好ましくはグラフト重合体2〜160重量部で、より好ましくは2〜100重量部、最も好ましくは5〜80重量部である。
【0047】
グラフト重合体は、公知のグラフト重合体の製造方法により容易に製造することができ、いずれの製造方法で製造されたものを使用してもよい。
【0048】
以下、一般的なグラフト重合体の製造方法について説明するが、本発明において用いることができるグラフト重合体は以下の製造方法により制限されるものではない。
【0049】
まず、主鎖(又は側鎖)となる重合体に、例えば過酸化物処理、紫外線照射、高エネルギー放射線照射、ペルオキシドモノマー(重合性二重結合と活性ペルオキシドを1分子中に共有するモノマー)との共重合、空気中熱処理等の方法にてグラフト活性点を生成せしめる。次いで、このグラフト活性点を生成させた主鎖(又は側鎖)となる重合体を、必要な条件下において、側鎖(又は主鎖)を構成する重合体、共重合体、モノマー又はモノマー混合液に接触させることにより、グラフト重合体を製造することができる。具体的には、例えば、空気中にてγ線を照射したポリプロピレン粉末に、スチレン及びアクリロニトリルの混合モノマーを加え、加熱重合した後、メタノール抽出を行って未重合モノマーを除去することにより、グラフト重合体を製造することができる。また、例えば、ポリプロピレン粉末に、スチレン、アクリロニトリル、t−ブチルペルオキシメタクリロイロキシエチルカーボネート(ペルオキシドモノマー)、エチルカーボネート及びベンゾイルペルオキシド(重合触媒)からなる混合モノマー溶液を含浸させ、50℃〜100℃で10時間程度、含浸重合を行った後、未重合モノマーを除去し、プラストミルにて溶融混練グラフトを行うことによってもグラフト重合体を製造することができる。
【0050】
本発明の洗浄剤組成物は、滑剤として、アルカリ金属塩、特にステアリン酸マグネシウム等のステアリン酸金属塩を添加して使用することが好ましい。アルカリ金属塩を添加すると、洗浄剤を一層残留しにくくすることができ、また残留しても除去しやすくなる。アルカリ金属塩の添加量は、洗浄剤を構成する樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましい。上記アルカリ金属塩は、あらかじめ本発明の洗浄剤組成物を構成する樹脂に添加混合しておいたり、本発明の洗浄剤組成物の使用時に別途添加してもよいが、洗浄剤を構成する樹脂に練り込んでおくと、その添加効果が大きいので好ましい。
【0051】
本発明の洗浄剤組成物は、発泡剤を添加して使用すると洗浄効果が向上するので好ましい。発泡剤としては、例えば重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム等の無機発泡剤であっても、例えばアゾジカルボナミド、アゾビスイソブチロニトリル等の有機発泡剤であってもよい。発泡剤の添加量は、本発明の洗浄剤組成物100重量部に対して0.1〜4重量部が好ましく、特に前記アルカリ金属塩と併せて添加することが好ましい。
【0052】
発泡剤は、あらかじめ本発明の洗浄剤組成物を構成する樹脂に練り込んでおいたり、本発明の洗浄剤組成物の使用時に別途添加してもよいが、洗浄剤を構成する樹脂に練り込んでおくと、その添加効果が大きいので好ましい。
【0053】
また、本発明の洗浄剤組成物は、ガラス繊維及び無機粉体を含有させることもできる。無機粉体としては、例えばガラス粒、ゼオライト等が挙げられ、ガラス粒とは、平均粒径が10〜200μmのガラスを主成分とする粒状物で、例えばガラス粉末、ガラス球、シラスバルーン(火山灰から作られたバルーン)等である。ガラス繊維や無機粉体は、投入時に成形機のホッパーやホッパー直下に付着残留しないよう、洗浄剤を構成する樹脂に練り込んでおくことが好ましい。ガラス繊維の配合量は、洗浄剤を構成する樹脂100重量部に対して5〜100重量部が好ましい。無機粉体の配合量は、洗浄剤を構成する樹脂100重量部に対して5〜120重量部が好ましい。
【0054】
本発明の洗浄剤組成物は、これを成形機に投入して、成形機を通常の樹脂を成形する時と同じ条件で作動させることにより洗浄効果を奏するもので、射出成形機、押出成形機に対して特に有益であるが、これらと同様に樹脂を加熱溶融させて混練するシリンダー部を有する装置であれば広く適用することができる。
【0055】
本発明の洗浄剤組成物を用いる場合の成形機は、シリンダーの内圧が上昇するような運転条件に設定すると、本発明の効果がより顕著になるので好ましい。即ち、シリンダー温度を吐出可能な範囲で下げる、背圧を掛ける、高速で射出させる、等の操作を行うことが好ましい。
【0056】
【実施例】
次に、本発明を実施例及び比較例によって説明する。
【0057】
実施例及び比較例における使用成形機、成形温度及び測定条件を以下に示す。
【0058】
(1)成形機
インラインスクリュー型の射出成形機(型締力125トン、容量10オンス)を用いた。
【0059】
(2)成形温度
各実施例及び比較例毎に表1に示す。
【0060】
(3)メルトフローレイト
JIS−K7210によって測定した。
【0061】
(4)アクリロニトリル含有量(AN%)
赤外線分光光度計により測定した。
【0062】
(5)水分
熱風循環乾燥機を用いて、105℃における2時間後の加熱減量から求めた。
【0063】
(6)粉末測定
洗浄剤を16メッシュの篩(篩振とう機)にかけ、これを通過した粉末の重量を測定し、篩にかける前後の重量比を求めた。
【0064】
実施例1
スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体(ABS)の黒色着色成形材料を成形機内に充填後、射出操作により排出して成形機内を空にした。次に、メルトフローレイトが2g/10分、AN%が34重量%のスチレン−アクリロニトリル共重合体(AS)100重量部と、平均繊維長260μm、平均繊維径20μm、アスペクト比13のウォラストナイト(商品名:NYGROS20、NYCO Minerals Inc.社製)25重量部とを混練混合した後、3日間室内に放置することで0.5重量%の水分を含有させた本発明の洗浄剤組成物を、成形機に投入して1回目の射出操作(洗浄射出操作)を行い、ABS樹脂黒色着色品の影響がなくなるまでに要した洗浄剤組成物の重量と所要時間を測定した。
【0065】
また、洗浄剤組成物の排出後に一般成形用のABSの無色成形材料で2回目の射出操作(置換射出操作)を行って、残留物の影響(黒色の汚班)が無いことが確認されるまでの時間と使用したABSの無色成形材料の量を測定した。
その結果を表1に示す。
【0066】
比較例1
本発明の洗浄剤組成物に代えて、実施例1で用いたのと同じASを乾燥後成形機に投入した以外は、実施例1と同様にして測定を行った。その結果を表1に示す。
【0067】
実施例2
ウォラスナイトの添加量を5重量部にした以外は、実施例1と同様にして測定を行った。その結果を表1に示す。
【0068】
実施例3
ウォラスナイトの添加量を50重量部にした以外は、実施例1と同様にして測定を行った。その結果を表1に示す。
【0069】
実施例4
洗浄対象をポリカーボネート(PC)の黒色着色成形材料とし、洗浄剤組成物の排出後に一般成形用のPCの無色成形材料で2回目の射出操作を行った以外は、実施例1と同様にして測定を行った。その結果を表1に示す。
【0070】
比較例2
本発明の洗浄剤組成物に代えて、実施例1で用いたのと同じAS100重量部とガラス繊維25重量部とを混練混合したものを乾燥後成形機に投入した以外は、実施例4と同様にして測定を行った。その結果を表1に示す。
【0071】
実施例5
ポリプロピレン(PP)の黒色着色成形材料を成形機内に充填後、射出操作により排出して成形機内を空にした。次に、メルトフローレイトが5g/10分のPP100重量部と、実施例1と同じウォラストナイト25重量部とを予備混合したものに、所定の水分をポンプから注入しながら混練混合した本発明の洗浄剤組成物を成形機に投入して、1回目の射出操作(洗浄射出操作)を行い、PP樹脂黒色着色品の影響がなくなるまでに要した洗浄剤組成物の重量と所要時間を測定した。
【0072】
また、洗浄剤組成物の排出後に一般成形用のPPの無色成形材料で2回目の射出操作(置換射出操作)を行って、残留物の影響(黒色の汚班)が無いことが確認されるまでの時間と使用したPPの無色成形材料の量を測定した。
【0073】
その結果を表1に示す。
【0074】
比較例3
本発明の洗浄剤組成物に代えて、実施例5で用いたのと同じPP100重量部とガラス球25重量部とを混練混合したものを乾燥後成形機に投入した以外は、実施例4と同様にして測定を行った。その結果を表1に示す。
【0075】
実施例6
洗浄対象をポリフェニレンオキシド(PPO)の黒色着色成形材料とし、実施例1で用いたのと同じAS100重量部と、実施例1で用いたのと同じウォラストナイト25重量部とを混練混合した後、3日間室内に放置することで0.5重量%の水分を含有させた本発明の洗浄剤組成物を成形機に投入し、洗浄剤組成物の排出後に一般成形用のハイインパクトポリスチレン(HIPS)の無色成形材料で2回目の射出操作を行った以外は、実施例1と同様にして測定を行った。その結果を表1に示す。
【0076】
比較例4
本発明の洗浄剤組成物に代えて、実施例1で用いたのと同じAS100重量部と、珪藻土(商品名:セライト#231、東京珪藻土工業株式会社製)25重量部とを混練混合した以外は、実施例6と同様にして測定を行った。その結果を表1に示す。
【0077】
比較例5
珪藻土25重量部の代わりに中国産のマイカ(粒径100メッシュ・アンダー)25重量部を用いた以外は、比較例4と同様にして測定を行った。その結果を表1に示す。
【0078】
比較例6
珪藻土25重量部の代わりに珪酸カルシウム(関東化学1級試薬)25重量部を用いた以外は、比較例4と同様にして測定を行った。その結果を表1に示す。実施例7 実施例5で用いたのと同じPP100重量部と、実施例1で用いたのと同じウォラストナイト12重量部と、主鎖がポリプロピレン(PP)で側鎖がASのグラフト重合体(PP:50重量%、AS:50重量%)5重量部とを予備混合したものに所定の水分をポンプから注入しながら混練混合した本発明の洗浄剤組成物を成形機に投入した以外は、実施例4と同様にして測定を行った。その結果を表1に示す。
【0079】
比較例7
本発明の洗浄剤組成物に代えて、実施例5と同じPP100重量部と、ガラス繊維25重量部とを混練混合したものを成形機に投入した以外は、実施例5と同様にして測定を行った。その結果を表1に示す。
【0080】
実施例8
ポリフェニレンオキシド(PPO)の黒色着色成形材料を成形機内に充填後、射出操作により排出して成形機内を空にした。次に、メルトフローレイトが1g/10分、AN%が24重量%のAS100重量部、実施例1で用いたのと同じウォラストナイト15重量部、実施例7で用いたのと同じグラフト重合体5重量部及び分子量450万のポリエチレン(PE)系超高分子(商品名:サンファインUH950、旭化成工業株式会社製)15重量部を混練混合した後、3日間室内に放置することで0.3重量%の水分を含有させた本発明の洗浄剤組成物を成形機に投入して1回目の射出操作(洗浄射出操作)を行い、PPO樹脂黒色着色品の影響がなくなるまでに要した洗浄剤の重量と所要時間を測定した。
【0081】
また、洗浄剤組成物の排出後に一般成形用のポリオキシメチレン(POM)の無色成形材料で2回目の射出操作(置換射出操作)を行って、残留物の影響(黒色の汚班)無いことが確認されるまでの時間と使用したPOMの無色成形材料の量を測定した。
その結果を表1に示す。
【0082】
比較例8
本発明の洗浄剤組成物に代えて、実施例1で用いたのと同じAS100重量部と、ガラス繊維25重量部とを混練混合したものを乾燥後成形機に投入した以外は、実施例8と同様にして測定を行った。その結果を表1に示す。
【0083】
実施例9
洗浄対象樹脂をポリオキシメチレン(POM)の黒色着色材料とし、実施例1で用いたのと同じAS100重量部と、平均繊維長50μm、繊維径が10μm、アスペクト比が5のウォラスナイト(商品名:NYAD325、NYCO Minerals Inc.社製)30重量部とを混練混合した後、3日間室内に放置することで0.5重量%の水分を含有させた本発明の洗浄剤組成物を成形機に投入し、洗浄剤組成物の排出後に一般成形用のPOMの無色材料で2回目の射出操作を行った以外は、実施例1と同様にして測定を行った。その結果を表1に示す。
【0084】
実施例10
平均繊維長が40μm、繊維径3.6μm、アスペクト比が11のウォラスナイト(商品名:NYGROS4、NYCO Minerals Inc.社製)を用いた以外は、実施例9と同様にして測定を行った。その結果を表1に示す。
【0085】
実施例11
メルトフローレイトが2g/10分、AN%が34重量%のAS100重量部、主鎖がポリプロピレン(PP)で側鎖がASのグラフト重合体(PP:50重量%、AS:50重量%)5重量部、実施例8で用いたのと同じPE系超高分子15重量部、スチレン系飽和型熱可塑性エラストマー(スチレン:67重量%、エチレン−ブテン:33重量%(商品名:タフテックH1043、旭化成工業株式会社製)2重量部および実施例1で用いたのと同じウォラストナイト15重量部を混練混合した後、3日間室内に放置することで0.5重量%の水分を含有させた本発明の洗浄剤組成物を製造した。
粉末測定の結果は200ppmであった。
【0086】
まず、ポリフェニレンオキシド(PPO)の黒色着色成形材料を成形機内に充填後、射出操作により排出して成形機内を空にした。次に、上記洗浄剤組成物を成形機に投入して1回目の射出操作(洗浄射出操作)を行い、PPO樹脂黒色着色品の影響がなくなるまでに要した洗浄剤組成物の重量と所要時間を測定した。
【0087】
また、洗浄剤組成物の排出後に一般成形用のポリオキシメチレン(POM)の無色成形材料で2回目の射出操作(置換射出操作)を行って、残留物の影響(黒色の汚班)が無いことが確認されるまでの時間と使用したPOMの無色成形材料の量を測定した。
【0088】
その結果を表1に示す。
【0089】
実施例12
メルトフローレイトが8g/10分のポリスチレン(PS)100重量部、実施例11で用いたのと同じPE系超高分子15重量部、実施例11で用いたのと同じスチレン系飽和型熱可塑性エラストマー2重量部、主鎖がPPで側鎖がPSのグラフト重合体(PP:50重量%、PS:50重量%)5重量部及び実施例1と同じウォラストナイト10重量部を予備混合したものに、所定の水分をポンプから注入しながら混練混合して、洗浄剤組成物を製造した。粉末測定の結果は100ppmであった。
【0090】
この洗浄剤組成物を用い、洗浄対象をポリフェニレンオキシド(PPO)の黒色着色成形材料とし、洗浄剤組成物の排出後に一般成形用のABSの無色成形材料で2回目の射出操作を行った以外は、実施例11と同様にして測定を行った。その結果を表1に示す。
【0091】
実施例13(参考例)
スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体(ABS)の黒色着色成形材料を成形機内に充填後、射出操作により排出して成形機内を空にした。次に、メルトフローレイトが2g/10分、AN%が34重量%のスチレン−アクリロニトリル共重合体(AS)100重量部とベース樹脂がポリプロピレン、シリコーン含有率40重量%のグラフト化シリコーン(商品名:BY27−201C、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)2.0重量部とを混練混合した後、3日間室内に放置することで0.5重量%の水分を含有させた本発明の洗浄剤組成物を成形機に投入して1回目の射出操作(洗浄射出操作)を行い、ABS樹脂黒色着色品の影響がなくなるまでに要した洗浄剤の重量と所要時間を測定した。
【0092】
また、洗浄剤組成物の排出後に一般成形用のABSの無色成形材料で2回目の射出操作(置換射出操作)を行って、残留物の影響(黒色の汚班)が無いことが確認されるまでの時間と使用したABSの無色成形材料の量を測定した。
【0093】
その結果を表1に示す。
【0094】
Figure 0004447793
【0095】
Figure 0004447793
【0096】
【産業上の利用分野】
本発明の洗浄剤組成物は、水分とウォラストナイトを含有することにより、高い洗浄効果が得られるのみでなく、ガラス繊維又はガラス粒を混入する必要がないため、洗浄時に成形機内部を傷つけることなく、成形機のフィルター部分の目詰まりを起こすことがなく、しかも作業環境に対する悪影響を考慮する必要がない。また、熱可塑性超高分子とスチレン系飽和型熱可塑性エラストマーを含有することにより、熱可塑性超高分子を含有するにもかかわらず、熱可塑性超高分子が粉末化することなく、優れた洗浄力と優れた易置換性を有する。また、グラフト化シリコーンを含有することにより、高い洗浄効果が得られるのみでなく、優れた易置換性をも有するため、洗浄後の成形材料に悪影響を及ぼすことがない。

Claims (11)

  1. 熱可塑性樹脂、水分及びウォラストナイトを含有する、成形機内に残留した樹脂の洗浄に有効な洗浄剤組成物であって、水分の含有量が熱可塑性樹脂100重量部に対して0.2〜10重量部であり、ウォラストナイトの平均繊維長が1000μm以下、平均繊維径が2〜40μm、アスペクト比(平均繊維長と平均繊維径の比)が1〜50であり、ウォラストナイトの含有量が熱可塑性樹脂100重量部に対して5〜100重量部である洗浄剤組成物
  2. 熱可塑性樹脂のメルトフローレイトが、0.5〜30g/10分である請求項1に記載の洗浄剤組成物。
  3. 更に熱可塑性超高分子を含有する請求項1または2に記載の洗浄剤組成物。
  4. 熱可塑性樹脂100重量部に対し、熱可塑性超高分子を2〜50重量部含有する請求項に記載の洗浄剤組成物。
  5. にスチレン系飽和型熱可塑性エラストマーを含有する請求項3または4に記載の洗浄剤組成物。
  6. 熱可塑性樹脂100重量部に対し、スチレン系飽和型熱可塑性エラストマーを0.2〜10重量部含有する請求項5に記載の洗浄剤組成物。
  7. 前記スチレン系飽和型熱可塑性エラストマーの含有量は、熱可塑性超高分子に対して10〜20重量%である請求項5に記載の洗浄剤組成物。
  8. 熱可塑性樹脂がスチレン系樹脂である請求項1〜7のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
  9. 熱可塑性樹脂がスチレン−アクリロニトリル共重合体である請求項1〜8のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
  10. 更にグラフト化シリコーンを含有する請求項1〜9のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
  11. 更に、主鎖をなすオレフィン系重合体と側鎖をなすスチレン系重合体とから構成されるグラフト重合体を含有する請求項1〜10のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
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