JP4440534B2 - 高分子電解質組成物及びそれの用途 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高分子電解質組成物、中でも燃料電池用として好適に用いられる高分子電解質組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、高効率でクリーンなエネルギー変換装置として、燃料電池が注目を集めている。中でも、電解質としてプロトン伝導性を有する高分子電解質膜を用いた固体高分子型燃料電池は、コンパクトな構造で高出力が得られ、かつ簡単なシステムで運転できることから、車両用等の移動用電源として注目されている。
【0003】
固体高分子型燃料電池には固体高分子電解質が用いられる。固体高分子電解質は、高分子鎖中にスルホン酸基やカルボン酸基等のプロトン伝導性基を有する固体高分子材料であり、電池隔膜の他に電気透析、拡散透析などの各種の用途に利用されている。
【0004】
固体高分子型燃料電池は、固体高分子電解質膜の両面に一対の電極を設け、純水素あるいは改質水素ガスを燃料ガスとして一方の電極(燃料極)へ供給し、酸素ガスあるいは空気を酸化剤として異なる電極(空気極)へ供給し、起電力を得るものである。
【0005】
ところでこの固体高分子型燃料電池においては、電池反応によって固体高分子電解質膜と電極の界面に形成された触媒層において過酸化物が生成し、生成した過酸化物が拡散しながら過酸化物ラジカルとなって高分子電解質を劣化させることが知られている。 一方、耐ラジカル性を付与するために、高分子電解質にポリフェニレンエーテルなどの芳香族系高分子化合物にメチレンホスホン酸基等が導入された形のリン系高分子化合物、すなわちホスホン酸基等がメチレン基を介して芳香環に結合したリン系高分子化合物を含有せしめることも提案されている(例えば特開2000‐11756号公報)。
【0006】
しかしながら、ホスホン酸基等がメチレン基を介して芳香環に結合したリン系高分子化合物を含有せしめた高分子電解質組成物は、その耐ラジカル性が、必ずしも十分満足し得るものではなく、より優れた耐ラジカル性を示す高分子電解質組成物が望まれていた。
【0007】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、耐ラジカル性に優れる高分子電解質組成物を提供することにある。さらには、該高分子電解質組成物を用いてなることを特徴とする高分子電解質組成物膜、該高分子電解質組成物膜を用いてなる燃料電池をも提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意研究を行った結果、ホスホン酸基等が直接芳香環に結合した芳香族系高分子ホスホン酸類という特定のリン系高分子化合物を含有した高分子電解質組成物が、優れた耐ラジカル性を示すことを見出すとともに、該高分子電解質組成物が良好な成膜性を示し、また多孔性支持膜との複合化も可能であることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち本発明は、一般式(1)で表される芳香族系高分子ホスホン酸類とプロトン伝導度が1×10 ‐ 4 S/cm以上である高分子電解質とを含有することを特徴とする実用的に優れた高分子電解質組成物を提供するものである。
(式中、−Z−は−SO2−または−CO−を表し、xとyはそれぞれ0.0
1乃至0.99を表し、xとyの合計は1である。−Ar−はヘテロ元素を含んでいてもよい炭素数4乃至18の2価の芳香族系の基を表し、該−Ar−は置換基を有していてもよい。nは芳香族系の基を含む高分子部分の単位構造当りの平均置換基数を表し、nは8以下の正の数を表す。R、R'はそれぞれ独立に水素原子あるいはアルキル基を表す。)
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の高分子電解質組成物は、上記一般式(1)で表される芳香族系高分子ホスホン酸類を含有することを特徴とするものである。
【0011】
ここで、上記一般式(1)における−Z−は、−SO2−または−CO−を表し、xとyはそれぞれ0.01乃至0.99を表し、xとyの合計は1である。−Ar−は、ヘテロ元素を含んでいてもよい炭素数4乃至18の2価の芳香族系の基を表し、該−Ar−は置換基を有していてもよい。nは、芳香族系の基を含む高分子部分の単位構造当りの平均置換基数を表し、nは8以下の正の数を表す。R、R'は、それぞれ独立に水素原子あるいはアルキル基をあらわす。
【0012】
ここで、―Ar― の代表例としては、例えば次のような2価の基が挙げられる。
o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基、ナフタレン−1,4−ジイル基、ナフタレン−1,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、ナフタレン−2,3−ジイル基、ビフェニル−4,4’−ジイル基、ビフェニル−3,3'−ジイル基、p−テルフェニル−4,4''−ジイル基、2,2−ジフェニルプロパン−4',4''−ジイル基、フルオレン−2,7−ジイル基、フルオレン−3,6−ジイル基などの炭化水素系の2価の基、カルバゾール−2,7−ジイル基、カルバゾール−3,6−ジイル基、チオフェン−2,5−ジイル基、ジベンゾチオフェン−2,7−ジイル基、フラン−2,5−ジイル基、ジベンゾフラン−2,7−ジイル基、ジベンゾフラン−3,6−ジイル基、ジフェニルアミン−4,4'−ジイル基、ジフェニルエーテル−4,4'−ジイル基のようなヘテロ原子を含む2価の基など。
【0013】
またこれらの基は、置換基を有していても良く、かかる置換基としては、例えば次のようなものが例示される。
メチル基、エチル基、2−プロピル基、t−ブチル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基などの、水酸基またはハロゲン原子で置換されていてもよい直鎖状または分岐状のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメトキシ基などの、ハロゲン原子で置換されていてもよい直鎖状または分岐状のアルコキシ基;フェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基、ビフェニル基、フェノキシフェニル基、クロロフェニル基、スルホフェニル基などの、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ハロゲン原子またはスルホン酸基で置換されていてもよいフェニル基;フェノキシ基、メチルフェノキシ基、メトキシフェノキシ基、スルホフェノキシ基などのアルキル基、アルコキシ基またはスルホン酸基で置換されていてもよいフェノキシ基;
【0014】
エトキシカルボニル基などのアルキルオキシカルボニル基;エチルカルボニルオキシ基などのアルキルカルボニルオキシ基;アミノカルボキシ基またはN−アルキルアミノカルボキシ基;アミノ基、ジメチルアミノ基などの、窒素原子がアルキル基で置換されていてもよいアミノ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;ウレイド基;アシルアミノ基;カルボキシル基;ヒドロキシ基;シアノ基;スルホン酸基;アミノスルホニル基などが挙げられる。
【0015】
本発明における −Ar−の好ましい例としては、例えば、o−フェニレン(すなわち1,2−フェニレン)基、m−フェニレン(すなわち1,3−フェニレン)基、p−フェニレン(すなわち1,4−フェニレン)基、3−メチル−1,2−フェニレン基、3−エチル−1,2−フェニレン基、3−メトキシ−1,2−フェニレン基、3−エトキシ−1,2−フェニレン基、3−ブロモ−1,2−フェニレン基、3−クロロ−1,2−フェニレン基、3,6−ジメチル−1,2−フェニレン基、4,5−ジブロモ−1,2−フェニレン基、2−メチル−1,3−フェニレン基、2−エチル−1,3−フェニレン基、2−メトキシ−1,3−フェニレン基、2−エトキシ−1,3−フェニレン基、2−ブロモ−1,3−フェニレン基、2−クロロ−1,3−フェニレン基、5−メチル−1,3−フェニレン基、5−ブロモ−1,3−フェニレン基、2−メチル−1,4−フェニレン基、2−エチル−1,4−フェニレン基、2−メトキシ−1,4−フェニレン基、2−エトキシ−1,4−フェニレン基、2−ブロモ−1,4−フェニレン基、2−クロロ−1,4−フェニレン基、2,6−ジメチル−1,4−フェニレン基、2,6−ジブロモ−1,4−フェニレン基、2−フェニル−1,4−フェニレン基、2,3−ジフェニル−1,4−フェニレン基等の置換されていてもよいフェニレン基、
【0016】
ビフェニル−4,4’−ジイル基、ビフェニル−3,3'−ジイル基、3,3'−ジフェニルビフェニル−4,4'−ジイル基、3,3'−ビスフェノキシビフェニル−4,4'−ジイル基、3,3'−ジクロロビフェニル−4,4'−ジイル基、3,3'−ジブロモビフェニル−4,4'−ジイル基、2,2'−ジクロロビフェニル−3,3'−ジイル基、2,2'−ジブロモビフェニル−3,3'−ジイル基、4,4'−ジクロロビフェニル−3,3'−ジイル基、4,4'−ジブロモビフェニル−3,3'−ジイル基等の置換されていてもよいビフェニルジイル基、カルバゾール−2,2'−ジイル基、カルバゾール−3,3'−ジイル基、N−エチルカルバゾール−2,2'−ジイル基、N−エチルカルバゾール−3,3'−ジイル基等の置換されていてもよいカルバゾールジイル基などが挙げられる。
【0017】
中でも、−Ar−は、置換されていてもよいフェニレン基又は置換されていてもよいビフェニルジイル基であることが好ましく、m−フェニレン基、p−フェニレン基、ビフェニル−4,4'−ジイル基、ビフェニル−3,3'−ジイル基等が特に好ましい。
【0018】
xとyは共重合体を合成する際に用いたコモノマーの共重合体中でのモル比率を意味し、それぞれ0.01乃至0.99を表し、xとyの合計は1である。
好ましくは、yは0.1〜0.9である。
【0019】
R、R'はそれぞれ独立に水素原子あるいはアルキル基を表す。アルキル基の代表例としては、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、t-ペンチル、イソオクチル、t-オクチル、2-エチルヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、1-メチルシクロペンチル、1-メチルシクロヘキシル、1-メチル-4-イソプロピルシクロヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル等の炭素数1〜22のアルキル基が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0020】
一般式(1)で表される芳香族系高分子ホスホン酸類において、Rおよび/またはR'が水素原子である場合は、塩または部分的に塩に変換されたものであっても良い。この場合、カチオンとしてはアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンが挙げられ、特にリチウム、ナトリウム、カリウムが好ましい。
【0021】
芳香族系高分子ホスホン酸類(1)は、ランダム共重合体であっても、交互共重合体であっても、ブロック共重合体であっても良い。 これらは公知の方法を組み合わせることにより製造し得る。
これらの重合度は、特に制限は無いが、通常10〜104程度、分子量にして通常103から106程度のものが使用される。重合度が、10未満では機械的強度が低くなる傾向にあり、成膜性に問題が生じる恐れがあり、また104を超えると溶媒への溶解性が低下する傾向にあり、キャスト製膜などの加工性、成形性に問題が生じるおそれがあるので、いずれの場合も好ましくない。
【0022】
上記のような一般式(1)で表される芳香族系高分子ホスホン酸類の製造方法に特に制限は無いが、例えば下記の様な方法で製造することができる。
【0023】
まず、一般式(2)
(式中、−Z−、x、yおよび−Ar−は、前記と同じ意味を有する。)
で示される芳香族系高分子化合物をブロモ化剤でブロモ化する。得られたブロモ化体に、有機溶媒中ハロゲン化ニッケル触媒存在下、亜リン酸トリアルキル(P(OR)(OR')(OR''))を作用させることによりホスホン酸ジエステルの形の芳香族系高分子ホスホン酸類(1)を製造することができる。またこのジエステルを、必要に応じ加水分解することにより、ホスホン酸の形の芳香族系高分子ホスホン酸類(1)を製造することができる。尚、一般式(2)の化合物は、例えば、Amoco Polymer社製 Radel(登録商標)等の市販品を使用することができる。
【0024】
まず、芳香族系高分子化合物(2)をブロモ化剤でブロモ化する工程について説明する。
ブロモ化工程は、通常、有機溶媒中、芳香族系高分子化合物(2)に、臭素、N−ブロモこはく酸イミドなどのブロモ化剤を作用させることによって実施される。ここで用いられる有機溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、酢酸やそれらの混合溶媒などが挙げられる。有機溶媒の選択においては、用いる芳香族系高分子化合物(2)の溶解度ができるだけ高いものが好ましい。反応は室温から溶媒の還流温度において実施し得るが、必要に応じて、室温以下に冷却してもよい。また、鉄粉などの触媒を用いてもよい。
【0025】
ブロモ化剤としては、N−ブロモこはく酸イミドを用いることが好ましく、この場合は、強酸を共存させることが好ましい。ここで、強酸としては、例えば硫酸、塩酸などの鉱酸やトリフルオロ酢酸などの有機酸が挙げられるが、硫酸が好ましく使用される。また強酸と有機溶媒の比率としては、通常、強酸に対して有機溶媒を0.3から20重量倍、好ましくは5から10重量倍である。有機溶媒は、芳香族系高分子化合物に対して、通常5乃至50重量、好ましくは10乃至30重量倍使用される。また、N−ブロモこはく酸イミドは、芳香族系高分子化合物に対し通常0.1乃至30重量倍、好ましくは1乃至10重量倍使用される。混合は任意の順序で行える。予め強酸と有機溶媒を混合しておいたところへ芳香族系高分子化合物およびブロモ化試剤であるN−ブロモこはく酸イミドを加える方法でもよいが、芳香族系高分子化合物およびブロモ化試剤の有機溶媒溶液あるいはスラリーへ強酸、たとえば硫酸を徐々に添加する方法が好ましい。
N−ブロモこはく酸イミドを用いる場合は、ブロモ化は、通常0℃から30℃の範囲で実施される。反応温度が高過ぎると、強酸として硫酸を用いたときには、スルホ化反応が進行してしまうことがある。
【0026】
ブロモ化芳香族系高分子化合物の取り出し精製方法は、通常の方法が使用し得る。例えば、貧溶媒を加えるなどしてブロモ化した芳香族系高分子化合物を析出させ、濾別などにより目的物を取り出したあと、水洗や、良溶媒と貧溶媒を用いての再沈殿精製などを行うことができる。
ここで、貧溶媒とは、高分子化合物が溶けにくい又は実質的に溶けない溶媒を指し、高分子化合物の沈殿剤として用いる場合は、良溶媒と互いに混ざり合うことが必要である。ブロモ化芳香族系高分子化合物の貧溶媒としては、例えばアセトン、メタノール、水、これらの混合物等が挙げられる。水の場合は、酸又は塩基でpHが調整されたものであっても良い。
芳香族系高分子化合物のブロモ化度は、NMR測定、有機元素分析など通常の手段で求めることができる。
【0027】
次に、ブロモ化芳香族系高分子化合物に亜リン酸トリアルキルを作用させてホスホン酸ジエステルを製造する方法について説明する。
本工程は、通常、有機溶媒中ハロゲン化ニッケル触媒存在下で実施されるが、ここで用いる有機溶媒としてはアミド化合物が好ましく、その例としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。中でもN,N−ジメチルホルムアミドが特に好ましい。有機溶媒の選択においては、基質として用いるブロモ化芳香族系高分子化合物の溶解度ができるだけ高いものが好ましい。有機溶媒は、ブロモ化芳香族系高分子化合物に対して、通常3〜100重量倍程度使用される。好ましくは4〜20重量倍程度である。
【0028】
またハロゲン化ニッケル触媒としては、ニッケル(II)の化合物が好ましく、中でも、塩化ニッケル(II)が好ましく使用される。ハロゲン化ニッケル触媒は、ブロモ化芳香族系高分子化合物に対して、ブロモ換算で、通常1〜3モル倍程度使用される。好ましくは1.5〜2モル倍程度である。1モル倍を下回ると、ブロモ基の残存が多くなる。
亜リン酸トリアルキル(P(OR)(OR')(OR''))としては、アルキル部分R、R'、R''の炭素数が1〜22のものが挙げられる。なかでもアルキル部分は、炭素数が4以下の直鎖状または分枝状のアルキルであるものが好ましく使用され、かかるアルキルは異なっていても、同一であっても良い。より好ましくは、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル等である。亜リン酸トリアルキルは、ハロゲン化ニッケル触媒に対して、通常1.2〜2モル倍程度、ブロモ化芳香族系高分子化合物に対しては、ブロモ換算で1.2〜5モル倍程度使用される。
【0029】
この工程の反応は、通常、ブロモ化芳香族系高分子化合物とハロゲン化ニッケルを有機溶媒に加えて、反応混合物が青色を呈するまで加熱攪拌し、次いで亜リン酸トリアルキルを加えることにより実施される。ここで、亜リン酸トリアルキルとの反応温度は、90℃以上で行うのが好ましく、有機溶媒としてN,N−ジメチルホルムアミドを用いた場合には還流下に実施するのがさらに好ましい。このような条件を採用することで、ブロモ基からホスホン酸ジエステルへの転化率を向上させることができる。
反応時間は、ブロモ化芳香族系高分子化合物の種類、溶媒、温度などに依存するが、例えば、溶媒として、N,N‐ジメチルホルムアミドを用いて還流下に実施した場合には、通常1〜24時間程度である。
ホスホン酸ジエステルを反応混合物から取り出す場合、精製する場合は、通常の方法が使用し得る。例えば、貧溶媒を加えるなどしてホスホン酸ジエステルを析出させ、濾別などにより目的物を取り出す方法、更に水洗や、良溶媒と貧溶媒を用いての再沈殿などにより精製を行う方法等が挙げられる。貧溶媒としては、前記と同じものが例示される。
【0030】
次に、ホスホン酸ジエステルを加水分解することにより、芳香族系高分子ホスホン酸を製造する方法について説明する。
ホスホン酸ジエステルの加水分解は、反応混合物から該ホスホン酸ジエステルを一旦取り出してから行っても、反応混合物に引き続き加水分解試剤を加えて行ってもよい。加水分解の方法としては、公知の種々の方法に準拠することができる。
例えば、▲1▼水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水溶液と、アミド系またはエーテル系の溶媒に溶解または部分的に溶解したホスホン酸ジエステルを混合加熱する方法、▲2▼ホスホン酸ジエステルにトリメチルシリルヨージド等のトリアルキルシリルハライドを作用させた後、水を加えて加水分解する方法(Tetrahedron Lett. No.2, 1977, 155-158, J. C. S. Chem. Comm., 1978, 870-871.)、▲3▼酸の水溶液を用いて加水分解する方法などが挙げられる。▲1▼の方法では主にジエステルのモノ加水分解物(R''がアルキル基の場合、ホスホン酸モノエステル)が、▲2▼、▲3▼の方法では主にホスホン酸(R''が水素の場合)が得られる。
【0031】
▲1▼の加水分解方法の一例として、アルカリを、ホスホン酸エステル基換算で1モル倍以上、通常大過剰含む水溶液と、ホスホン酸ジエステルをアミド系またはエーテル系の溶媒に溶解または部分溶解した混合液を、ホスホン酸ジエステルが少なくとも部分溶解するように混合し、該混合物の還流温度で実施する方法が例示できる。
【0032】
また、▲2▼の加水分解方法の一例として、ホスホン酸ジエステルをアミド系またはエーテル系の溶媒に溶解または部分溶解した混合液を‐50℃〜室温程度で冷却し、これにトリアルキルハライドをホスホン酸換算で2〜10モル倍程度加え、次いで0〜100℃程度で保温した後、水を加え0〜100℃で保温する方法が例示できる。もちろんトリアルキルシリルハライドを反応させた後、一旦取り出し、水または水と有機溶媒の混合液中で加水分解する方法であっても良い。
また▲3▼の加水分解方法の一例として、ホスホン酸ジエステルを塩酸水溶液を含む溶媒に溶解またはスラリー化した混合液を室温〜還流温度、好ましくは80℃〜還流温度で攪拌する方法が例示できる。塩酸水溶液を含む溶媒としては、10〜35%塩酸水溶液および該水溶液と他の溶媒との混合溶媒が例示され、かかる他の溶媒としては、アルコール類、ケトン類、ジメチルスルホキシドやN,N−ジメチルホルムアミドなどの非プロトン性溶媒などが挙げられる。
【0033】
生成した芳香族系高分子ホスホン酸類は、通常の方法により、反応混合物から取り出すことができる。例えば、貧溶媒を加えるなどしてホスホン酸類を析出させ、濾別などにより目的物を取り出すことができる。また必要に応じて、更に水洗や、良溶媒と貧溶媒を用いての再沈殿などの通常の精製方法により精製することもできる。貧溶媒としては、前記と同じものが例示される。高分子ホスホン酸ジエステル、高分子ホスホン酸類の良溶媒としては、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒や、ジメチルスルホキシドなどが例示される。
かくして目的とする芳香族系高分子ホスホン酸類(1)が生成する。
【0034】
本発明の高分子電解質組成物は、高分子電解質と上記のような一般式(1)で表される芳香族系高分子ホスホン酸類を含有することを特徴とするものである。
ここで、高分子電解質としては、高分子鎖中にスルホン酸基やカルボン酸基等のプロトン伝導性基を有する高分子化合物が使用される。高分子電解質のプロトン伝導度は、通常、1×10‐ 4S/cm以上であり、1×10‐3〜1S/cm程度のものが好ましく使用される。
高分子電解質の代表例としては、例えば(A)主鎖が脂肪族炭化水素からなる高分子にスルホン酸基および/またはホスホン酸基を導入した高分子電解質;(B)主鎖が、一部の水素原子がフッ素で置換された脂肪族炭化水素からなる高分子にスルホン酸基および/またはホスホン酸基を導入した高分子電解質;(C)主鎖が芳香環を有する高分子にスルホン酸基および/またはホスホン酸基を導入した高分子電解質;(D)主鎖に実質的に炭素原子を含まないポリシロキサン、ポリフォスファゼンなどの高分子に、スルホン酸基および/またはホスホン酸基を導入した高分子電解質;(E)(A)〜(D)のスルホン酸基および/またはホスホン酸基導入前の高分子を構成する繰り返し単位から選ばれるいずれか2種以上の繰り返し単位からなる共重合体にスルホン酸基および/またはホスホン酸基を導入した高分子電解質;(F)主鎖あるいは側鎖に窒素原子を含み、硫酸やリン酸等の酸性化合物をイオン結合により導入した高分子電解質等が挙げられる。
【0035】
上記(A)の高分子電解質としては、例えば、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリ(α−メチルスチレン)スルホン酸、等が挙げられる。
【0036】
また上記(B)の高分子電解質としては、炭化フッ素系ビニルモノマと炭化水素系ビニルモノマとの共重合によって作られた主鎖と、スルホン酸基を有する炭化水素系側鎖とから構成されるスルホン酸型ポリスチレン−グラフト−エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE、例えば特開平9−102322号公報)や、炭化フッ素系ビニルモノマと炭化水素系ビニルモノマとの共重合によって作られた膜に、α,β,β-トリフルオロスチレンをグラフト重合させ、これにスルホン酸基を導入して固体高分子電解質膜とした、スルホン酸型ポリ(トリフルオロスチレン)−グラフト−ETFE膜(例えば、米国特許第4,012,303号及び米国特許第4,605,685号)等が挙げられる。
【0037】
上記(C)の高分子電解質としては、主鎖が酸素原子等のヘテロ原子で中断されているものであってもよく、例えば、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ(アリーレン・エーテル)、ポリイミド、ポリ((4-フェノキシベンゾイル)-1,4-フェニレン)、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニルキノキサレン等の単独重合体のそれぞれにスルホン酸基が導入されたもの、スルホアリール化ポリベンズイミダゾール、スルホアルキル化ポリベンズイミダゾール、ホスホアルキル化ポリベンズイミダゾール(例えば、特開平9−110982)、ホスホン化ポリ(フェニレンエーテル)(例えば、J. Appl. Polym. Sci., 18, 1969 (1974) )等が挙げられる。
【0038】
また上記(D)の高分子電解質としては例えば、ポリフォスファゼンにスルホン酸基が導入されたもの、Polymer Prep., 41, No.1, 70 (2000) に記載の、ホスホン酸基を有するポリシロキサン等が挙げられる。
上記(E)の高分子電解質としては、ランダム共重合体にスルホン酸基および/またはホスホン酸基が導入されたものでも、交互共重合体にスルホン酸基および/またはホスホン酸基が導入されたものでも、ブロック共重合体にスルホン酸基および/またはホスホン酸基が導入されたものでもよい。ランダム共重合体にスルホン酸基が導入されたものとしては、例えば、スルホン化ポリエーテルスルホン-ジヒドロキシビフェニル共重合体が挙げられる(例えば、特開平11−116679号公報。)
【0039】
また上記(F)の高分子電解質としては例えば、特表平11−503262号公報に記載の、リン酸を含有せしめたポリベンズイミダゾール等が挙げられる。
【0040】
上記(E)の高分子電解質に含まれるブロック共重合体において、スルホン酸基および/またはホスホン酸基を持つブロックの具体例としては、例えば特開2001−250567号公報に記載のスルホン酸基および/またはホスホン酸基を持つブロックが挙げられる。
【0041】
本発明の高分子電解質組成物は、上記のような一般式(1)で表される芳香族系高分子ホスホン酸類を上記のような高分子電解質に含有せしめてなるものであるが、その量は、高分子電解質に対して、通常0.1〜99.9重量%、好ましくは0.2〜90重量%、より好ましくは0.3〜80重量%、さらに好ましくは0.4〜70重量%、最も好ましくは0.5〜60重量%である。一般式(1)で表される芳香族系高分子ホスホン酸類の含有量が少なすぎると、一般式(1)で表される芳香族系高分子ホスホン酸類を添加する事による、高分子電解質組成物膜の耐ラジカル性向上の効果が小さくなり好ましくなく、一般式(1)で表される芳香族系高分子ホスホン酸類の含有量が多すぎると、燃料電池用高分子電解質膜として使用する際に、十分なプロトン伝導性が発現されない事があり好ましくない。
【0042】
含有せしめる方法は、特に制限はなく、例えば固体状の一般式(1)で表される芳香族系高分子ホスホン酸類と、固体状の高分子電解質とを単純に混合する方法であっても良いし、一般式(1)で表される芳香族系高分子ホスホン酸類を高分子電解質の溶液中に溶解させる方法であっても良いし、一般式(1)で表される芳香族系高分子ホスホン酸類をあらかじめ溶媒中に溶解あるいは分散させた状態で高分子電解質の溶液と混合する方法であっても良い。
【0043】
一般式(1)で表される芳香族系高分子ホスホン酸類と高分子電解質組成物の溶液を製造する際には、溶液の均一性を高める目的でさらに添加剤を加えても良い。ここでいう添加剤としては、溶液の均一性を高める効果を有し、本発明の目的を阻害する物でなければ何を用いても良いが、一例として酸、例えば塩酸、硫酸、リン酸等を添加剤として用いる事ができる。
【0044】
また、本発明の電解質組成物を製造する際に、通常の高分子に使用される可塑剤、安定剤、離型剤、酸化防止剤などの添加剤を、本発明の目的に反しない範囲内で含有させることもできる。
また、本発明の電解質組成物を製造する際あるいは本発明の電解質組成物を製膜等の加工・成形する際に、分子間架橋構造を本発明の目的に反しない範囲内で導入できる。ここでいう分子間架橋構造とは、高分子鎖間が互いに化学結合により結び付けられている事を指し、電子線や放射線、紫外線等の線源を電解質組成物に照射することにより導入し得る。その際には、公知の架橋剤を適宜用いることができる。
【0045】
本発明の高分子電解質組成物を燃料電池に適用する際には、膜の状態とする事が好ましい。本発明の高分子電解質組成物を高分子電解質組成物膜へ転化する方法に特に制限はないが、溶液状態より製膜する方法(溶液キャスト法)が好ましい。
具体的には、一般式(1)で表される芳香族系高分子ホスホン酸類と高分子電解質とを適当な溶媒に溶解し、その溶液をガラス板上に流延塗布し、溶媒を除去することにより高分子電解質組成物膜が作成される。製膜に用いる溶媒は、高分子電解質を溶解可能であり、その後に除去し得るものであるならば特に制限はなく、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、あるいはジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルが好適に用いられる。これらは単独で用いることもできるが、必要に応じて2種以上の溶媒を混合して用いることもできる。中でも、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等がポリマーの溶解性が高く好ましい。
【0046】
本発明の高分子電解質組成物を燃料電池に使用する際には、高分子電解質組成物を支持体と複合化する事により得られる高分子電解質組成物複合膜を用いることもできる。
ここで、支持体は、高分子電解質組成物を含浸する母材となるものであり、主に高分子電解質組成物の強度や柔軟性、耐久性のさらなる向上のために使用される。そのため、上記使用目的を満たすものであれば、フィブリル形状や多孔膜形状等、その形状や材質によらず用いることができるが、固体高分子電解質型燃料電池の隔膜として良好に使用することを念頭に置いた場合、多孔膜を用いる事が非常に有効である。
【0047】
該目的に用いられる多孔膜の形状としては膜厚が通常1〜100μm、好ましくは3〜30μm、さらに好ましくは5〜20μm、孔径は通常0.01〜10μm、好ましくは0.02〜7μm、空隙率は通常20〜98%、好ましくは30〜95%である。多孔性支持膜の膜厚が薄すぎると複合化後の強度補強の効果あるいは、柔軟性や耐久性を付与するといった補強効果が不十分となり、ガス漏れ(クロスリーク)が発生しやすくなる。また膜厚が厚すぎると電気抵抗が高くなり、得られた複合膜が固体高分子型燃料電池の隔膜として好ましくない。孔径が小さすぎると高分子固体電解質組成物の含浸が非常に困難となり、大きすぎると高分子固体電解質組成物への補強効果が弱くなる傾向にある。空隙率が小さすぎると固体電解質組成物膜としての抵抗が大きくなり、大きすぎると一般に多孔膜自体の強度が弱くなり補強効果が減少する。
また、多孔性支持膜の材質としては、耐熱性の観点や、物理的強度の補強効果を鑑みれば、脂肪族系高分子または、含フッ素高分子が好ましい。
【0048】
好適に使用できる脂肪族系高分子としてはポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。なおここで言うポリエチレンはポリエチレンの結晶構造を有するエチレン系のポリマーであり、例えばエチレンと他のモノマーとの共重合体をも含み、具体的には直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)と称されるエチレンとα−オレフィンとの共重合体などを含む。またここでいうポリプロピレンはポリプロピレンの結晶構造を有するプロピレン系のポリマーであり、一般に使用されているプロピレン系ブロック共重合体、ランダム共重合体など(これらはエチレンや1−ブテンなどとの共重合体である)を含むものである。
【0049】
また、含フッ素高分子とは、分子内に炭素−フッ素結合を少なくとも1個有する公知の熱可塑性樹脂が使用される。通常は、脂肪族系高分子の水素原子のすべてまたは大部分がフッ素原子によって置換された構造のものが好適に使用される。
【0050】
好適に使用できる含フッ素高分子を例示すれば、ポリトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリ(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(テトラフルオロエチレン−ペルフルオロアルキルエーテル)、ポリフッ化ビニリデン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。このうち、本発明では、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン)が好ましく、特にポリテトラフルオロエチレンが好ましい。また、これらのフッ素系樹脂は、機械的強度の良好さから平均分子量が10万以上のものが好ましい。
【0051】
本発明の高分子電解質組成物からなる膜、あるいは複合膜を燃料電池に使用する場合、膜の厚みに特に制限はないが、3〜200μmが好ましく、4〜100μmがより好ましく、5〜50μmがさらに好ましい。膜厚が薄すぎると膜強度が低下する傾向にあり、膜厚が厚すぎると電気抵抗が高くなり、固体高分子型燃料電池の隔膜として好ましくない。膜厚は、高分子電解質組成物溶液濃度あるいは、高分子電解質組成物溶液の塗工量、多孔性支持膜の厚み、多孔性支持膜への塗布厚を適切に選択することにより制御できる。
【0052】
次に本発明の燃料電池について説明する。
本発明の燃料電池は、本発明の高分子電解質組成物を用いて得られる膜を使用するものであり、上記膜の両面に、触媒および集電体としての導電性物質を接合することにより製造することができる。
該触媒としては、水素または酸素との酸化還元反応を活性化できるものであれば特に制限はなく、公知のものを用いることができるが、白金の微粒子を用いることが好ましい。白金の微粒子は活性炭や黒鉛などの粒子状または繊維状のカーボンに担持されて用いることが好ましい。
集電体としての導電性物質に関しても公知の材料を用いることができるが、多孔質性のカーボン織布またはカーボンペーパーが、原料ガスを触媒へ効率的に輸送するために好ましい。
多孔質性のカーボン織布またはカーボンペーパーに白金微粒子または白金微粒子を担持したカーボンを接合させる方法、およびそれを高分子電解質組成物フィルムと接合させる方法については、例えば、J. Electrochem. Soc.: Electrochemical Science and Technology, 1988, 135(9), 2209 に記載されている方法等の公知の方法を用いることができる。
【0053】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0054】
耐ラジカル性評価
高分子膜を、3%過酸化水素と0.25ppmの塩化第一鉄を含む90℃の水溶液中に浸漬し、20分経過後の膜の重量変化を測定することにより耐酸化性の評価を行った。重量維持率(%)は、浸漬20分経過後の膜の重量を浸漬前の重量で除した値×100(%)で示している。
【0055】
プロトン伝導度測定
恒湿恒温槽中80℃、90%RHの条件下で、SI1260型高性能インピーダンス・ゲイン/フェースアナライザ(IMPEDANCE/GAIN-PHASE ANALYZER、solartoron社製)及び1287型ポテンショスタット(ELECTROCHEMICAL INTERFACE、solartoron社製)を用いて、交流インピーダンス法で測定した。単位はS/cmである。
【0056】
燃料電池特性評価
高分子膜の両面に、繊維状のカーボンに担持された白金触媒と集電体としての多孔質性のカーボン織布を接合して、該ユニットの一面に加湿酸素ガス、他面に加湿水素ガスを流し、該接合体の発電特性を測定した。
【0057】
製造例1 [高分子電解質(E1)]
特開2001−250567号公報の実施例1に記載に準拠し、スルホン化したブロック共重合体を製造した。
無水塩化第一銅と2−メチルベンズイミダゾールをトルエン中で大気下室温にて15分攪拌した。これに2−フェニルフェノール、4,4’−ジヒドロキシビフェニルとトルエンを加え、酸素雰囲気下50℃で攪拌した後、塩酸を含むメタノール中に注いでポリマーを析出させ、ろ過、乾燥してポリ(2−フェニルフェニレンエーテル)を得た。次に共沸蒸留装置を備えたフラスコに、スミカエクセルPES5003P(住友化学工業製、水酸基末端ポリエーテルスルホン)、上記の方法で合成したポリ(2−フェニルフェニレンエーテル)、炭酸カリウム、N,N−ジメチルアセトアミド(以下DMAcと呼ぶ)及びトルエンを加え、加熱攪拌してトルエンと水の共沸条件下にて脱水し、トルエンを蒸留除去した後、4,4’−ジフルオロベンゾフェノンを添加し、160℃にて加熱攪拌した。反応液を大量の塩酸酸性メタノールに滴下し、得られた沈殿物をろ過回収し、乾燥して、ブロック共重合体を得た。得られたブロック共重合体を98%硫酸中室温下にて攪拌して溶解させることによりスルホン化した後、氷水中に滴下して析出させ、ろ過回収、洗浄、乾燥してスルホン化したブロック共重合体を得た。該ポリマーのプロトン伝導度は1×10−1S/cmであった。以下、該高分子電解質を(E1)と略記する。
【0058】
製造例2 [高分子電解質(E2)]
特開平10−21943号公報の実施例3に記載の方法に準拠し、スルホン化されたポリエーテルスルホン共重合体を製造した。
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、および4,4’−ジクロロジフェニルスルホンを7:3:10のモル比で、炭酸カリウム共存下にジフェニルスルホンを溶媒として200〜290℃の温度で重縮合した。得られたポリマーを濃硫酸によりスルホン化して、ビフェニルユニットにスルホン酸基が導入されたランダム共重合体を得た。該ポリマーのプロトン伝導度は1×10−2S/cmであった。以下、概高分子電解質を(E2)と略記する。
【0059】
製造例3 [一般式(1)で表される芳香族系高分子ホスホン酸類(P1)]
メカニカルスターラーを取り付けた500mlフラスコに、上記構造式の交互共重合体(アルドリッチ社製、分子量(ポリスチレン換算):Mn=3.0×104、Mw=6.8×104)15.0g(4,4‘−ビフェノール由来のユニット37.5mmol)、N-ブロモコハク酸イミド35.0g(197mmol) 、塩化メチレン202gを入れ、窒素雰囲気下、攪拌した。氷冷下、この懸濁液に濃硫酸99.6gを75分間かけて滴下したところ、途中から海苔状の生成物が析出した。滴下終了後、氷冷下で1時間半攪拌した後、反応混合物を氷中に注ぎ、亜硫酸ナトリウムを少量加えて攪拌した。エバポレーターで減圧濃縮し、得られた水性スラリーを濾過し、中和操作を入れながら繰り返し水洗した後、減圧乾燥した。得られたポリマーを元素分析したところ、4,4'−ビフェノール由来のユニット1つに対してBrが約2.1個置換していることが判明した。
元素分析値 C: 46.7 % H: 2.6 % S: 5.4 % Br: 29.1 %
2.1 Brでの計算値 C: 50.9 % H: 2.5 % S: 5.6 % Br: 29.6 %
【0060】
得られたブロモ化ポリマー 7g(含有ブロモ基:26.0mmol) をN,N−ジメチルホルムアミド 183g に溶解し、塩化ニッケル(II) 5.11g (39.4mmol) を加えて窒素雰囲気下攪拌した。この混合物を加熱し、油浴温度130℃にて亜リン酸トリエチル 7.71g(46.4mmol) を10分間かけて滴下した。20分間かけて還流温度まで昇温させ、1時間半後、還流下、亜リン酸トリエチル 2.66g(16.0mmol) を追加滴下した。さらに2時間還流下攪拌した後、反応混合物を氷水に注ぎ、濾過、希塩酸洗浄、繰り返し水洗、希炭酸水素ナトリウム水溶液で中和洗浄、最後に水洗した。減圧乾燥して、ポリマーホスホン酸ジエチル 5.63g を得た。
上記に準拠して実施することにより得られたポリマーホスホン酸ジエチル10.2gを21%塩酸水溶液200mlに加えて、窒素雰囲気下、加熱還流下8時間攪拌した。
この懸濁液を放冷後、濾過、水洗後、真空乾燥し、得られた粗生成物をN,N−ジメチルホルムアミドに溶解して得た溶液に、大過剰の5%塩酸を加えることで再沈殿させ、濾過、繰り返し水洗の後、減圧乾燥して、9.1gのポリマーを得た。
分析の結果、このポリマーはおおよそ下記構造式の組成(4,4'−ビフェノール由来のユニット1つに対してBrが約0.1個、ホスホン酸基が約1.3個置換)で表される単位構造を有することが判明した。以下、概ポリマーを(P1)と略記する。
【0061】
元素分析結果
P : 分析値 7.6%
Br: 分析値 1.3%
1H−NMR(300MHz, DMSO-d6)
7.0-8.2 ppm (芳香族)
【0062】
製造例4 [ホスホン酸基等がメチレン基を介して芳香族高分子化合物に結合したリン系高分子化合物(P2)]
公知の方法(例えば、J. Appl. Polym. Sci., 1974, vol 18, 1969 )に従い、下記一般式(P2)で表されるリン系高分子化合物を得た。
1H−NMR(300MHz, CDCl3)
2.1 ppm 面積比 1.8 (Ar-CH 3 、 0.6×3)
3.0 ppm 面積比 2.8 (-CH 2 -P、 1.4×2)
3.6 ppm 面積比 8.4 (-OCH 3 、 1.4×6)
6.7-7.1 ppm 面積比 2.0 (Ar-H)
【0063】
実施例1〜4
[高分子電解質(E1)とポリマー(P1)からなる高分子膜の製造]
E1をDMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)に溶解し、E1の濃度が15重量%濃度となる溶液Aを作成した。表1に示す配合量で溶液A、P1、DMAc、10mol/Lの塩酸水溶液をよく混合し、ガラス板上に塗り広げた。常圧下で溶媒を乾燥させ、目的とする高分子電解質組成物膜を得た。いずれの高分子膜も外観は均質であった。耐ラジカル性評価を行った結果を表2に示した。
【0064】
【表1】
【0065】
比較例1
[高分子電解質(E1)のみからなる高分子膜の製造]
溶液Aをガラス板上に塗り広げた。常圧下で溶媒を乾燥させ、目的とする高分子膜を得た。耐ラジカル性評価を行いその結果を表2に示した。
【0066】
比較例2
[高分子電解質(E1)とポリマー(P2)からなる高分子膜の製造]
P1の代わりにP2を用いた事以外は、実施例3と同様にして目的とする高分子電解質組成物膜を得た。耐ラジカル性評価を行った結果を表2に示した。
【0067】
【表2】
【0068】
実施例5
[高分子電解質(E2)とポリマー(P1)からなる高分子膜の製造]
高分子電解質にE2を用いる事以外は、実施例2の場合と同様にして高分子電解質組成物膜を得た。耐ラジカル性評価を行った結果を表3に示した。
【0069】
比較例3
[高分子電解質(E2)のみからなる高分子膜の製造]
E2をDMAcに溶解し、E2の濃度が15重量%濃度となる溶液Bを作成した。溶液Bをガラス板上に塗り広げた。常圧下で溶媒を乾燥させ、目的とする高分子電解質膜を得た。耐ラジカル性評価を行った結果を表3に示した。
【0070】
実施例6
[高分子電解質(E1)とポリマー(P1)からなる高分子電解質と、ポリテトラフルオロエチレン製多孔支持膜とを複合化してなる高分子膜の製造]
多孔膜としてポリテトラフルオロエチレン製多孔膜(膜厚15μm、空隙率90%、孔径3.0μm)を用いた。該多孔膜をガラス板上に固定した。実施例1で用いた溶液A、P1、DMAc、10mol/Lの塩酸水溶液の混合溶液を、該多孔膜上に均一に塗り広げた。この時、テフロン(デュポン社 登録商標)多孔膜に上記溶液が浸透し、背面のガラス板上に到達する事によって、不透明であるテフロン(デュポン社 登録商標)多孔膜が透明に観察された。常圧乾燥し、目的とする高分子膜を得た。耐ラジカル性評価を行った結果を表3に示した。
【0071】
比較例4
[高分子電解質(E1)とポリテトラフルオロエチレン製多孔支持膜とを複合化してなる高分子膜の製造]
ポリマー(P1)を用いない以外は、実施例6と同様にして高分子膜を得た。耐ラジカル性評価を行った結果を表3に示した。
【0072】
実施例7
[高分子電解質(E1)と、ポリマー(P1)からなる高分子電解質とポリエチレン製多孔支持膜とを複合化してなる高分子膜の製造]
多孔膜としてポリエチレン製多孔膜(膜厚9μm、空隙率36%、孔径0.04μm)を用いた事以外は、実施例6と同様にして高分子膜を得た。耐ラジカル性評価を行った結果を表3に示した。
【0073】
比較例5
[高分子電解質(E1)とポリエチレン製多孔支持膜とを複合化してなる高分子膜の製造]
ポリマー(P1)を用いない以外は、実施例7と同様にして高分子電解質膜を得た。耐ラジカル性評価を行った結果を表3に示した。
【0074】
【表3】
【0075】
実施例8 、 9、比較例6
実施例1、実施例6並びに比較例1の高分子膜に関し、プロトン伝導度および燃料電池特性評価(作動、停止操作を1週間繰り返した)を行った。結果を表4に示した。
【0076】
【表4】
【0077】
【発明の効果】
本発明の高分子電解質組成物は、ホスホン酸基等が直接芳香環に結合した芳香族系高分子ホスホン酸類という特定のリン系化合物を含有することにより、優れた耐ラジカル性を示す。また燃料電池の隔膜として、該高分子電解質組成物から得られる高分子膜を用いることにより、耐久性に優れた燃料電池が得られる。
Claims (7)
- −Ar−が、置換されていても良いフェニレン基又は置換されていても良いビフェニルジイル基であることを特徴とする請求項1記載の高分子電解質組成物。
- 請求項1または2記載の高分子電解質組成物を用いてなることを特徴とする高分子膜。
- 高分子電解質組成物の溶液を流延し、溶媒を揮発させて得られた膜であることを特徴とする請求項3記載の高分子膜。
- 請求項1または2記載の高分子電解質組成物と支持体とを複合化してなることを特徴とする高分子複合膜。
- 支持体が、脂肪族系高分子または含フッ素高分子からなる多孔性支持膜であることを特徴とする請求項5記載の高分子複合膜。
- 請求項1〜6いずれかに記載の、高分子電解質組成物あるいは高分子膜を用いてなる燃料電池。
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