JP3934944B2 - 高分子電解質組成物及びその用途 - Google Patents

高分子電解質組成物及びその用途 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リン系高分子化合物と、リン酸類とを含有することを特徴とする組成物に関し、詳しくは、ホスホン酸基等が直接芳香環に結合したリン系高分子化合物とリン酸類からなることを特徴とする組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術、発明が解決しようとする課題】
近年、高効率でクリーンなエネルギー変換装置として、燃料電池が注目を集めている。中でも、電解質としてプロトン伝導性を有する高分子膜を用いた固体高分子型燃料電池は、コンパクトな構造で高出力が得られ、かつ簡単なシステムで運転できることから、車両用等の移動用電源として注目されている。
【0003】
例えば、100℃以上の高温条件下でも安定なプロトン伝導性を示す固体高分子電解質として、ポリフェニレンエーテルなどの芳香族系高分子化合物にメチレンホスホン酸基等が導入された形のリン系高分子化合物、すなわちホスホン酸基等がメチレン基を介して芳香環に結合したリン系高分子化合物と、リン酸類とからなる高分子電解質組成物が提案されている(特表平11−503262号公報)。
しかしながら、ホスホン酸基等がメチレン基を介さず直接芳香環に結合したリン系高分子化合物も、このものとリン酸類とからなる組成物も知られていない。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、ホスホン酸基等が直接芳香環に結合したリン系高分子化合物とリン酸類とからなる高分子組成物を提供すべく、鋭意検討を重ねた結果、ホスホン酸基等が直接芳香環に結合したリン系高分子化合物が容易に製造し得、このものとリン酸類からなる高分子組成物が、100℃以上の高温条件下でもプロトン伝導性を示す固体高分子電解質となり得ることを見出すとともに、リン酸類をリン系高分子化合物のリン原子換算モル数に対して2当量以上含有する固体高分子電解質が、一層優れたしかも安定なプロトン伝導性を示すことを見出し、本発明を完成した。
【0005】
すなわち本発明は、一般式(1)で表されるリン系高分子化合物と、該リン系高分子化合物のリン原子換算モル数に対して2当量以上10当量以下の一般式(2)で表されるリン酸類とを含有することを特徴とする高分子電解質組成物を提供するものである。
Figure 0003934944
(式中、−Z−は−SO2−または−CO−を表し、xとyはそれぞれ0.01乃至0.99を表し、xとyの合計は1である。−Ar−はヘテロ元素を含んでいてもよい炭素数4乃至18の2価の芳香族系の基を表し、該−Ar−は置換基を有していてもよい。nは芳香族系の基を含む高分子部分の単位構造当りの平均置換基数を表し、nは8以下の正の数を表す。R、R'はそれぞれ独立に水素原子あるいはアルキル基を表す。)
O=P(R'''O)k(OH)3-k (2)
(式中、R'''は炭素数1乃至6のアルキル基またはアリール基を表す。kは0乃至2を表す。kが2の場合、2個あるR'''は同一でも異なっていてもよい。)
【0006】
また本発明は、これら組成物の用途を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明で使用されるリン系高分子化合物は、前記一般式(1)で示されるものであり、式中−Z−は、−SO2−または−CO−を表し、xとyはそれぞれ0.01乃至0.99を表し、xとyの合計は1である。−Ar−は、ヘテロ元素を含んでいてもよい炭素数4乃至18の2価の芳香族系の基を表し、該−Ar−は置換基を有していてもよい。nは、芳香族系の基を含む高分子部分の単位構造当りの平均置換基数を表し、nは8以下の正の数を表す。R、R'は、それぞれ独立に水素原子あるいはアルキル基をあらわす。
【0008】
ここで、―Ar― の代表例としては、例えば次のような2価の基が挙げられる。
o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基、ナフタレン−1,4−ジイル基、ナフタレン−1,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、ナフタレン−2,3−ジイル基、ビフェニル−4,4’−ジイル基、ビフェニル−3,3'−ジイル基、p−テルフェニル−4,4''−ジイル基、2,2−ジフェニルプロパン−4',4''−ジイル基、フルオレン−2,7−ジイル基、フルオレン−3,6−ジイル基などの炭化水素系の2価の基、
【0009】
カルバゾール−2,7−ジイル基、カルバゾール−3,6−ジイル基、チオフェン−2,5−ジイル基、ジベンゾチオフェン−2,7−ジイル基、フラン−2,5−ジイル基、ジベンゾフラン−2,7−ジイル基、ジベンゾフラン−3,6−ジイル基、ジフェニルアミン−4,4'−ジイル基、ジフェニルエーテル−4,4'−ジイル基のようなヘテロ原子を含む2価の基など。
【0010】
またこれらの基は、置換基を有していても良く、かかる置換基としては、例えば次のようなものが例示される。
メチル基、エチル基、2−プロピル基、t−ブチル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基などの、水酸基またはハロゲン原子で置換されていてもよい直鎖状または分岐状のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメトキシ基などの、ハロゲン原子で置換されていてもよい直鎖状または分岐状のアルコキシ基;フェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基、ビフェニル基、フェノキシフェニル基、クロロフェニル基、スルホフェニル基などの、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ハロゲン原子またはスルホン酸基で置換されていてもよいフェニル基;フェノキシ基、メチルフェノキシ基、メトキシフェノキシ基、スルホフェノキシ基などのアルキル基
【0011】
アルコキシ基またはスルホン酸基で置換されていてもよいフェノキシ基;エトキシカルボニル基などのアルキルオキシカルボニル基;エチルカルボニルオキシ基などのアルキルカルボニルオキシ基;アミノカルボキシ基またはN−アルキルアミノカルボキシ基;アミノ基、ジメチルアミノ基などの、窒素原子がアルキル基で置換されていてもよいアミノ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;ウレイド基;アシルアミノ基;カルボキシル基;ヒドロキシ基;シアノ基;スルホン酸基;アミノスルホニル基などが挙げられる。
【0012】
本発明における −Ar−の好ましい例としては、例えば、o−フェニレン(1,2−フェニレン)基、m−フェニレン(1,3−フェニレン)基、p−フェニレン(1,4−フェニレン)基、3−メチル−1,2−フェニレン基、3−エチル−1,2−フェニレン基、3−メトキシ−1,2−フェニレン基、3−エトキシ−1,2−フェニレン基、3−ブロモ−1,2−フェニレン基、3−クロロ−1,2−フェニレン基、3,6−ジメチル−1,2−フェニレン基、4,5−ジブロモ−1,2−フェニレン基、2−メチル−1,3−フェニレン基、2−エチル−1,3−フェニレン基、2−メトキシ−1,3−フェニレン基、2−エトキシ−1,3−フェニレン基、2−ブロモ−1,3−フェニレン基、2−クロロ−1,3−フェニレン基、5−メチル−1,3−フェニレン基、5−ブロモ−1,3−フェニレン基、2−メチル−1,4−フェニレン基、2−エチル−1,4−フェニレン基、2−メトキシ−1,4−フェニレン基、2−エトキシ−1,4−フェニレン基、2−ブロモ−1,4−フェニレン基、2−クロロ−1,4−フェニレン基、2,6−ジメチル−1,4−フェニレン基、2,6−ジブロモ−1,4−フェニレン基、2−フェニル−1,4−フェニレン基、2,3−ジフェニル−1,4−フェニレン基等の置換されていてもよいフェニレン基、
【0013】
ビフェニル−4,4’−ジイル基、ビフェニル−3,3'−ジイル基、3,3'−ジフェニルビフェニル−4,4'−ジイル基、3,3'−ビスフェノキシビフェニル−4,4'−ジイル基、3,3'−ジクロロビフェニル−4,4'−ジイル基、3,3'−ジブロモビフェニル−4,4'−ジイル基、2,2'−ジクロロビフェニル−3,3'−ジイル基、2,2'−ジブロモビフェニル−3,3'−ジイル基、4,4'−ジクロロビフェニル−3,3'−ジイル基、4,4'−ジブロモビフェニル−3,3'−ジイル基等の置換されていてもよいビフェニルジイル基、カルバゾール−2,2'−ジイル基、カルバゾール−3,3'−ジイル基、N−エチルカルバゾール−2,2'−ジイル基、N−エチルカルバゾール−3,3'−ジイル基等の置換されていてもよいカルバゾールジイル基などが挙げられる。
【0014】
中でも、−Ar−は、置換されていてもよいフェニレン基又は置換されていてもよいビフェニルジイル基であることが好ましく、m−フェニレン基、p−フェニレン基、ビフェニル−4,4'−ジイル基、ビフェニル−3,3'−ジイル基等が特に好ましい。
【0015】
xとyは共重合体を合成する際に用いたコモノマーの共重合体中でのモル比率を意味し、それぞれ0.01乃至0.99を表し、xとyの合計は1である。
好ましくは、yは0.1〜0.9である。
【0016】
R、R'はそれぞれ独立に水素原子あるいはアルキル基を表す。アルキル基の代表例としては、例えばメチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、sec-ブチル、t-ブチル、t-ペンチル、i-オクチル、t-オクチル、2-エチルヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、1-メチルシクロペンチル、1-メチルシクロヘキシル、1-メチル-4-i- プロピルシクロヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル等の炭素数1〜22のアルキル基が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0017】
一般式(1)で表されるリン系高分子化合物において、R、R'は、一方が水素原子であることが好ましく、より好ましくは両者が水素原子である。
またRおよび/またはR'が水素原子である場合は、塩または部分的に塩に変換されたものであっても良い。この場合、カチオンとしてはアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンが挙げられ、特にリチウム、ナトリウム、カリウムが好ましい。
【0018】
リン系高分子化合物(1)は、ランダム共重合体であっても、交互共重合体であっても、ブロック共重合体であっても良い。 これらは公知の方法を組み合わせることにより製造し得る。
これらの重合度は、特に制限は無いが、通常10〜104程度、分子量にして通常103から106程度のものが使用される。重合度が、10未満では機械的強度が低くなる傾向にあり、成膜性に問題が生じる恐れがあり、また104を超えると溶媒への溶解性が低下する傾向にあり、キャスト製膜などの加工性、成形性に問題が生じるおそれがあるので、いずれの場合も好ましくない。
【0019】
上記のような一般式(1)で表されるリン系高分子化合物の製造方法に特に制限は無いが、例えば下記の様な方法で製造することができる。
【0020】
まず、一般式(3)
Figure 0003934944
(式中、−Z−、x、yおよび−Ar−は、前記と同じ意味を有する。)
で示される芳香族系高分子化合物をブロモ化剤でブロモ化する。得られたブロモ化体に、有機溶媒中ハロゲン化ニッケル触媒存在下、亜リン酸トリアルキル(P(OR)(OR')(OR''))を作用させることによりホスホン酸ジエステルの形のリン系高分子化合物(1)を製造することができる。またこのジエステルを、必要に応じ加水分解することにより、ホスホン酸の形のリン系高分子化合物(1)を製造することができる。尚、一般式(3)の化合物は、例えば、Amoco Polymer社製 Radel(登録商標)等の市販品を使用することができる。
【0021】
まず、芳香族系高分子化合物(3)をブロモ化剤でブロモ化する工程について説明する。
ブロモ化工程は、通常、有機溶媒中、芳香族系高分子化合物(3)に、臭素、N−ブロモこはく酸イミドなどのブロモ化剤を作用させることによって実施される。ここで用いられる有機溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、酢酸やそれらの混合溶媒などが挙げられる。有機溶媒の選択においては、用いる芳香族系高分子化合物(3)の溶解度ができるだけ高いものが好ましい。反応は室温から溶媒の還流温度において実施し得るが、必要に応じて、室温以下に冷却してもよい。また、鉄粉などの触媒を用いてもよい。
【0022】
ブロモ化剤としては、N−ブロモこはく酸イミドを用いることが好ましく、この場合は、強酸を共存させることが好ましい。ここで、強酸としては、例えば硫酸、塩酸などの鉱酸やトリフルオロ酢酸などの有機酸が挙げられるが、硫酸が好ましく使用される。また強酸と有機溶媒の比率としては、通常、強酸に対して有機溶媒を0.3から20重量倍、好ましくは5から10重量倍である。有機溶媒は、芳香族系高分子化合物に対して、通常5乃至50重量、好ましくは10乃至30重量倍使用される。また、N−ブロモこはく酸イミドは、芳香族系高分子化合物に対し通常0.1乃至30重量倍、好ましくは1乃至10重量倍使用される。混合は任意の順序で行える。予め強酸と有機溶媒を混合しておいたところへ芳香族系高分子化合物およびブロモ化試剤であるN−ブロモこはく酸イミドを加える方法でもよいが、芳香族系高分子化合物およびブロモ化試剤の有機溶媒溶液あるいはスラリーへ強酸、たとえば硫酸を徐々に添加する方法が好ましい。
N−ブロモこはく酸イミドを用いる場合は、ブロモ化は、通常0℃から30℃の範囲で実施される。反応温度が高過ぎると、強酸として硫酸を用いたときには、スルホ化反応が進行してしまうことがある。
【0023】
ブロモ化芳香族系高分子化合物の取り出し精製方法は、通常の方法が使用し得る。例えば、貧溶媒を加えるなどしてブロモ化した芳香族系高分子化合物を析出させ、濾別などにより目的物を取り出したあと、水洗や、良溶媒と貧溶媒を用いての再沈殿精製などを行うことができる。
芳香族系高分子化合物のブロモ化度は、NMR測定、有機元素分析など通常の手段で求めることができる。
【0024】
次に、ブロモ化芳香族系高分子化合物に亜リン酸トリアルキルを作用させてホスホン酸ジエステルを製造する方法について説明する。
本工程は、通常、有機溶媒中ハロゲン化ニッケル触媒存在下で実施されるが、ここで用いる有機溶媒としてはアミド化合物が好ましく、その例としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。中でもN,N−ジメチルホルムアミドが特に好ましい。有機溶媒の選択においては、基質として用いるブロモ化芳香族系高分子化合物の溶解度ができるだけ高いものが好ましい。有機溶媒は、ブロモ化芳香族系高分子化合物に対して、通常3〜100重量倍程度使用される。好ましくは4〜20重量倍程度である。
【0025】
またハロゲン化ニッケル触媒としては、ニッケル(II)の化合物が好ましく、中でも、塩化ニッケル(II)が好ましく使用される。ハロゲン化ニッケル触媒は、ブロモ化芳香族系高分子化合物に対して、ブロモ換算で、通常1〜3モル倍程度使用される。好ましくは1.5〜2モル倍程度である。1モル倍を下回ると、ブロム基の残存が多くなる。
亜リン酸トリアルキル(P(OR)(OR')(OR''))としては、アルキル部分R、R'、R''の炭素数が1〜22のものが挙げられる。なかでもアルキル部分は、炭素数が4以下の直鎖状または分枝状のアルキルであるものが好ましく使用され、かかるアルキルは異なっていても、同一であっても良い。より好ましくは、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル等である。亜リン酸トリアルキルは、ハロゲン化ニッケル触媒に対して、通常1.2〜2モル倍程度、ブロモ化芳香族系高分子化合物に対しては、ブロモ換算で1.2〜5モル倍程度使用される。
【0026】
この工程の反応は、通常、ブロモ化芳香族系高分子化合物とハロゲン化ニッケルを有機溶媒に加えて、反応混合物が青色を呈するまで加熱攪拌し、次いで亜リン酸トリアルキルを加えることにより実施される。ここで、亜リン酸トリアルキルとの反応温度は、90℃以上で行うのが好ましく、有機溶媒としてN,N−ジメチルホルムアミドを用いた場合には還流下に実施するのがさらに好ましい。このような条件を採用することで、ブロモ基からホスホン酸ジエステルへの転化率を向上させることができる。
反応時間は、ブロモ化芳香族系高分子化合物の種類、溶媒、温度などに依存するが、例えば、溶媒として、N,N‐ジメチルホルムアミドを用いて還流かに実施した場合には、通常1〜24時間程度である。
ホスホン酸ジエステルの形のリン系高分子化合物(1)を反応混合物から取り出す場合、精製する場合は、通常の方法が使用し得る。例えば、貧溶媒を加えるなどしてホスホン酸ジエステルを析出させ、濾別などにより目的物を取り出方法、更に水洗や、良溶媒と貧溶媒を用いての再沈殿などにより精製を行う方法等が挙げられる。
【0027】
次に、ホスホン酸ジエステルの形のリン系高分子化合物(1)を加水分解することにより、ホスホン酸の形のリン系高分子化合物(1)を製造する方法について説明する。
ホスホン酸ジエステルの加水分解は、反応混合物から該ホスホン酸ジエステルを一旦取り出してから行っても、反応混合物に引き続き加水分解試剤を加えて行ってもよい。加水分解の方法としては、公知の種々の方法に準拠することができる。例えば、▲1▼水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水溶液と、アミド系またはエーテル系の溶媒に溶解または部分的に溶解したホスホン酸ジエステルを混合加熱する方法、▲2▼ホスホン酸ジエステルにトリメチルシリルヨージド等のトリアルキルシリルハライドを作用させた後、水を加えて加水分解する方法(Tetrahedron Lett. No.2, 1977, 155-158, J. C. S. Chem. Comm., 1978, 870-871.)、▲3▼酸の水溶液を用いて加水分解する方法などが挙げられる。▲1▼の方法では主にジエステルのモノ加水分解物(ホスホン酸モノエステル、R、R'の一方がアルキル基、他方が水素原子)が、▲2▼、▲3▼の方法では主にホスホン酸(R、R'の両方が水素原子)が得られる。
【0028】
▲1▼の加水分解方法の1例として、アルカリを、ホスホン酸エステル基換算で1モル倍以上、通常大過剰含む水溶液と、ホスホン酸ジエステルをアミド系またはエーテル系の溶媒に溶解または部分溶解した混合液を、ホスホン酸ジエステルが少なくとも部分溶解するように混合し、該混合物の還流温度で実施する方法が例示できる。
また、▲2▼の加水分解方法の1例として、ホスホン酸ジエステルをアミド系またはエーテル系の溶媒に溶解または部分溶解した混合液を‐50℃〜室温程度で冷却し、これにトリアルキルハライドをホスホン酸換算で2〜10モル倍程度加え、次いで0〜100℃程度で保温した後、水を加え0〜100℃で保温する方法が例示できる。もちろんトリアルキルシリルハライドを反応させた後、一旦取り出し、水または水と有機溶媒の混合液中で加水分解する方法であっても良い。
また▲3▼の加水分解方法の1例として、ホスホン酸ジエステルを塩酸水溶液を含む溶媒に溶解またはスラリー化した混合液を室温〜還流温度、好ましくは80℃〜還流温度で攪拌する方法が例示できる。塩酸水溶液を含む溶媒としては、10〜35%塩酸水溶液および該水溶液と他の溶媒との混合溶媒が例示され、かかる他の溶媒としては、アルコール類、ケトン類、ジメチルスルホキシドやN,N−ジメチルホルムアミドなどの非プロトン性溶媒などが挙げられる。
【0029】
生成したホスホン酸モノエステルの形および/またはホスホン酸の形のリン系高分子化合物(1)は、通常の方法により、反応混合物から取り出すことができる。例えば、貧溶媒を加えるなどしてホスホン酸類を析出させ、濾別などにより目的物を取り出すことができる。また必要に応じて、更に水洗や、良溶媒と貧溶媒を用いての再沈殿などの通常の精製方法により精製することもできる。 尚、これらの形のリン系高分子化合物(1)は、塩または部分的に塩であっても良く、この場合、カチオンとしてはアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンが挙げられ、特にリチウム、ナトリウム、カリウムが好ましい。
【0030】
本発明の高分子電解質組成物は、上記のようなリン系高分子化合物(1)と、前記一般式(2)で表されるリン酸類とを含有することを特徴とするものである。ここで、式(2)中、R'''は炭素数1乃至6のアルキル基またはアリール基を表し、kは0乃至2を表す。kが2の場合、2個あるR'''は同一でも異なっていてもよい。kは、0または1であることが好ましく、より好ましくは0である。kが1または2である場合、R'''は、アルキル基であることが好ましい。アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、i-プロピル、n-ブチル、I-ブチル、sec-ブチル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル等の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基が挙げられる。アルキル基は、ハロゲン原子、アミノ基、ヒドロキシ基などの基を有していても良い。
【0031】
アリール基としてはフェニル基、トリル基、エチルフェニル基、イソプロピルフェニル基等のアルキル置換フェニル基、ブロモフェニル基等のハロゲン置換フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ニトロフェニル基、クロロフェニル基等が挙げられる。
【0032】
R'''がアルキル基で、kが1のリン酸類としては、例えばリン酸モノメチルエステル、リン酸モノエチルエステル、リン酸モノn−プロピルエステル、リン酸モノイソプロピルエステル、リン酸モノn−ブチルエステル、リン酸モノイソブチルエステル、リン酸モノsec−ブチルエステル、リン酸モノtert−ブチルエステル、リン酸モノn−ペンチルエステル、リン酸モノ(1−メチルブチル)エステル、リン酸モノ(2−メチルブチル)エステル、リン酸モノ(3−メチルブチル)エステル、リン酸モノ(1,1−ジメチルプロピル)エステル、リン酸モノ(2,2−ジメチルプロピル)エステル、リン酸モノ(1,2−ジメチルプロピル)エステル、リン酸モノn−ヘキシルエステル、リン酸モノ(2−メチルペンチル)エステル、リン酸モノ(3−メチルペンチル)エステルなどがあげられる。
【0033】
R'''がアルキル基で、kが2のリン酸類としては、例えばリン酸ジメチルエステル、リン酸ジエチルエステル、リン酸ジn−プロピルエステル、リン酸ジイソプロピルエステル、リン酸ジn−ブチルエステル、リン酸ジイソブチルエステル、リン酸ジsec−ブチルエステル、リン酸ジtert−ブチルエステル、リン酸ジn−ペンチルエステル、リン酸ジ(1−メチルブチル)エステル、リン酸ジ(2−メチルブチル)エステル、リン酸ジ(3−メチルブチル)エステル、リン酸ジ(1,1−ジメチルプロピル)エステル、リン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)エステル、リン酸ジ(1,2−ジメチルプロピル)エステル、リン酸のジn−ヘキシルエステル、リン酸ジ(2−メチルペンチル)エステル、リン酸ジ(3−メチルペンチル)エステルが挙げられる。
【0034】
これらkが1または2の場合では、中でも、プロトン伝導度等の点で、リン酸モノメチルエステル、リン酸モノエチルエステル、リン酸モノn−プロピルエステル、リン酸モノイソプロピルエステル、リン酸ジメチルエステル、リン酸ジエチルエステル、リン酸ジn−プロピルエステル、リン酸ジイソプロピルエステルまたはその混合物が好ましく、リン酸モノエチルエステル、リン酸モノn−プロピルエステル、リン酸モノイソプロピルエステル、リン酸ジエチルエステル、リン酸ジn−プロピルエステル、リン酸ジイソプロピルエステルまたはその混合物がより好ましく、リン酸モノイソプロピルエステル、リン酸ジイソプロピルエステルまたはその混合物が特に好ましい。
【0035】
R'''がアリール基で、kが1のリン酸類としては、例えばリン酸モノフェニルエステル、リン酸モノトリルエステル、リン酸モノエチルフェニルエステル、リン酸モノイソプロピルフェニルエステル、リン酸モノナフチルエステル、リン酸モノアントリルエステル、リン酸モノフェナントリルエステル、リン酸モノニトロフェニルエステル、リン酸モノクロロフェニルエステル、リン酸モノブロモフェニルエステルなどがあげられる。
【0036】
R'''がアリール基で、kが2のリン酸類としては、リン酸ジフェニルエステル、リン酸ジトリルエステル、リン酸ジ(エチルフェニル)エステル、リン酸ジ(イソプロピルフェニル)エステル、リン酸ジナフチルエステル、リン酸ジアントリルエステル、リン酸ジフェナントリルエステル、リン酸ジ(ニトロフェニル)エステル、リン酸ジ(クロロフェニル)エステル、リン酸ジ(ブロモフェニル)エステルなどが挙げられる。
kが0の場合、(2)はオルトリン酸を表す。
【0037】
上記のようなリン酸類(2)は、リン系高分子化合物(1)のリン原子換算モル数に対して、〜10当量使用され、この範囲において安定なプロトン伝導性を示す。さらに好ましくは2〜5当量である。
【0038】
本発明の高分子電解質組成物を燃料電池に使用する際には、通常、膜の状態で使用される。リン系高分子化合物にリン酸類を含有させて膜を得る方法は、(A)リン系高分子化合物の溶液にリン酸類を添加し、流延した後溶媒を揮発させて成膜する方法、(B)例えば後述の方法により製造された高分子電解質のフィルムをリン酸類の溶液に浸漬処理する方法などがあげられ、処理が簡便である点で、(B)の方法が好ましい。
(A)の方法においては、リン系高分子化合物の溶液にリン酸を添加後、ガラス板等に流延製膜した後、溶媒を除去することにより、リン系高分子化合物にリン酸を含有させたフィルムを作ることができる。フィルムの厚みは、特に制限はないが10〜200μmが好ましい。実用に耐えるフィルムの強度を得るには10μmより厚い方が好ましく、膜抵抗の低減つまり発電性能の向上のためには200μmより薄い方が好ましい。膜厚は溶液濃度あるいは基板上への塗布厚により制御できる。
【0039】
リン系高分子化合物の溶液の溶媒としては、これの溶解が可能であり、その後に除去し得るものであるならば特に制限はなく、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル、水などが挙げられる。これらは単独で用いることもできるが、必要に応じて2種以上の溶媒を混合して用いることもできる。
リン酸類添加前のリン系高分子化合物溶液の濃度としては、用いるリン系高分子化合物、溶媒、リン酸類により異なるが、溶媒100重量部に対して、通常2重量部〜50重量部、好ましくは、5重量部〜30重量部である。
濃度が低すぎると、溶液の粘度が低すぎて膜厚の制御が難しくなる傾向にあり、濃度が高すぎると、粘度が高すぎて均一な膜の作製が難しくなる傾向にある。
【0040】
また(B)の方法において、リン酸類溶液の溶媒としてはリン系高分子化合物を溶解せず、リン酸類を溶解可能であり、その後に除去し得るものであるならば特に制限はなく、なかでも、メタノール、エタノール、n−ヘキサン、テトラヒドロフラン等揮発性の溶媒、水等が、溶媒の除去が容易なので好ましい。(B)の方法においては、リン酸類溶液の濃度、溶液の温度、リン酸溶液への浸漬時間、又は用いる溶媒を変えることによって、膜への導入量をコントロールすることができる。
リン酸類溶液の濃度は通常5重量%〜100重量%の範囲であり、プロトン伝導性向上に寄与する導入を確保する点から20重量%〜100重量%が好ましい。
浸漬処理の際の温度は、通常0℃〜100℃が好ましく、浸漬処理中の溶媒の揮発を防ぐ点から20℃〜40℃がさらに好ましい。
また (B) の方法における高分子電解質のフィルムとしては、 (A) に記載の成膜方法において、リン酸類を用いずに成膜したものが通常使用される。もちろん (A) に記載の成膜方法によって得られたものであっても良い。
【0041】
本発明の高分子電解質組成物膜は、膜の力学的強度の観点から、必要に応じ多孔支持膜と複合化しても良い。用いる多孔支持膜に特に制限は無いが、材質としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられ、空隙率が30%以上、膜厚が100μm以下の物が好適に使用される。また、本発明の目的を損なわない範囲で、酸化防止剤などの公知である種々の添加剤を添加することも可能である。
【0042】
次に本発明の燃料電池について説明する。
本発明の燃料電池は、高分子電解質膜の両面に、触媒および集電体としての導電性物質を接合することにより製造することができる。
該触媒としては、水素または酸素との酸化還元反応を活性化できるものであれば特に制限はなく、公知のものを用いることができるが、白金の微粒子を用いることが好ましい。白金の微粒子は活性炭や黒鉛などの粒子状または繊維状のカーボンに担持されて用いることが好ましい。
集電体としての導電性物質に関しても公知の材料を用いることができるが、多孔質性のカーボン不織布またはカーボンペーパーが、原料ガスを触媒へ効率的に輸送するために好ましい。
多孔質性のカーボン不織布またはカーボンペーパーに白金微粒子または白金微粒子を担持したカーボンを接合させる方法、およびそれを高分子電解質フィルムと接合させる方法については、例えば、J. Electrochem. Soc.: Electrochemical Science and Technology, 1988, 135(9), 2209 に記載されている方法等の公知の方法を用いることができる。
【0043】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの例により何ら限定されるものではない。
【0044】
製造例1 [一般式(1)で表される芳香族系高分子ホスホン酸類(P1)]
Figure 0003934944
メカニカルスターラーを取り付けた500mlフラスコに、上記構造式の交互共重合体(アルドリッチ社製、分子量(ポリスチレン換算):Mn=3.0×104、Mw=6.8×104)15.0g(4,4‘−ビフェノール由来のユニット37.5mmol)、N-ブロモコハク酸イミド35.0g(197mmol) 、塩化メチレン202gを入れ、窒素雰囲気下、攪拌した。氷冷下、この懸濁液に濃硫酸99.6gを75分間かけて滴下したところ、途中から海苔状の生成物が析出した。滴下終了後、氷冷下で1時間半攪拌した後、反応混合物を氷中に注ぎ、亜硫酸ナトリウムを少量加えて攪拌した。エバポレーターで減圧濃縮し、得られた水性スラリーを濾過し、中和操作を入れながら繰り返し水洗した後、減圧乾燥した。
【0045】
上記で得られたブロモ化ポリマー 7g(含有ブロモ基:26.0 mol) をN,N−ジメチルホルムアミド 183g に溶解し、塩化ニッケル(II) 5.11g (39.4mmol) を加えて窒素雰囲気下攪拌した。この混合物を加熱し、油浴温度130℃にて亜リン酸トリエチル 7.71g(46.4mmol) を10分間かけて滴下した。20分間かけて還流温度まで昇温させ、1時間半後、還流下、亜リン酸トリエチル 2.66g(16.0mmol) を追加滴下した。さらに2時間還流下攪拌した後、反応混合物を氷水に注ぎ、濾過、希塩酸洗浄、繰り返し水洗、希炭酸水素ナトリウム水溶液で中和洗浄、最後に水洗した。減圧乾燥して、ポリマーホスホン酸ジエチル 5.63g を得た。
【0046】
上記の方法で製造したポリマーホスホン酸ジエチル10.2gを21%塩酸水溶液200mlに加えて、窒素雰囲気下、加熱還流下8時間攪拌した。
この懸濁液を放冷後、濾過、水洗後、真空乾燥し、得られた粗生成物をN,N−ジメチルホルムアミドに溶解して得た溶液に、大過剰の5%塩酸を加えることにより再沈殿させ、濾過、繰り返し水洗の後、減圧乾燥して、9.1gのポリマーを得た。 分析の結果、このポリマーはおおよそ下記構造式の組成(4,4'−ビフェノール由来のユニット1つに対してBrが約0.1個、ホスホン酸基が約1.3個置換)で表される単位構造を有することが判明した。以下、概ポリマーを(P1)と略記する。
【0047】
Figure 0003934944
元素分析結果
P : 分析値 7.6% (計算値 7.9%)
Br: 分析値 1.3% (計算値 1.6%)
(P原子は、高分子1g当り2.55mmolと算出される)
イオン交換容量
元素分析結果から、5.1meq/gと算出される。
NMR分析結果
1H−NMR(300MHz, DMSO-d6)
7.0-8.2 ppm (芳香族)
【0048】
プロトン伝導度測定
プロトン伝導度測定は、恒湿槽中120℃、無加湿条件下で、SI1260型高性能インピーダンス・ゲイン/フェースアナライザ(IMPEDANCE/GAIN-PHASE ANALYZER、solartoron社製)及び1287型ポテンショスタット(ELECTROCHEMICAL INTERFACE、solartoron社製)を用いて、交流インピーダンス法で測定した。単位はS/cmである。
【0049】
実施例1〜
[高分子電解質(P1)とリン酸からなる高分子電解質組成物膜の製造]リン酸類として、市販の濃リン酸(>85wt%、和光純薬製)を用いた。P1と濃リン酸、DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)を表1に示す配合量でよく混合し、ガラス板上に塗り広げた。常圧下で溶媒を乾燥させ、目的とする高分子電解質組成物膜を得た。いずれの高分子膜も外観は均質であった。プロトン伝導度の経時変化の評価結果を表2に示した。
【0050】
【表1】
Figure 0003934944
【0051】
【表2】
Figure 0003934944
【0052】
【発明の効果】
本発明の高分子電解質組成物は、ホスホン酸基等が直接芳香環に結合したリン系高分子化合物とリン酸類とを含有することにより、100℃以上の高温条件下でもプロトン伝導性を示す。またリン酸類をリン系高分子化合物のリン原子換算モル数に対して2当量以上含有する高分子電解質組成物は、一層優れたしかも安定なプロトン伝導性を示す。

Claims (9)

  1. 一般式(1)で表されるリン系高分子化合物と、該リン系高分子化合物のリン原子換算モル数に対して2当量以上10当量以下の一般式(2)で表されるリン酸類とを含有することを特徴とする高分子電解質組成物。
    Figure 0003934944
    (式中、−Z−は−SO2−または−CO−を表し、xとyはそれぞれ0.01乃至0.99を表し、xとyの合計は1である。−Ar−はヘテロ元素を含んでいてもよい炭素数4乃至18の2価の芳香族系の基を表し、該−Ar−は置換基を有していてもよい。nは芳香族系の基を含む高分子部分の単位構造当りの平均置換基数を表し、nは8以下の正の数を表す。R、R'はそれぞれ独立に水素原子あるいはアルキル基を表す。)
    O=P(R'''O)k(OH)3-k (2)
    (式中、R'''は炭素数1乃至6のアルキル基またはアリール基を表す。kは0乃至2を表す。kが2の場合、2個あるR'''は同一でも異なっていてもよい。)
  2. R、R ' の少なくとも一方が水素原子であることを特徴とする請求項1記載の組成物
  3. −Ar−が、置換されていても良いフェニレン基又は置換されていても良いビフェニルジイル基であることを特徴とする請求項1又は2に記載の組成物
  4. kが0であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の組成物
  5. 請求項1〜4いずれかに記載の組成物を用いてなることを特徴とする高分子電解質組成物膜
  6. 高分子電解質組成物の溶液を流延し、溶媒を揮発させて得られた膜であることを特徴とする請求項5記載の高分子電解質組成物膜
  7. 請求項1〜4いずれかに記載の高分子電解質組成物と支持体とを複合化してなることを特徴とする高分子複合膜
  8. 支持体が、脂肪族系高分子または含フッ素高分子からなる多孔性支持膜であることを特徴とする請求項7記載の高分子複合膜
  9. 請求項5〜8いずれかに記載の高分子電解質組成物膜あるいは高分子複合膜を用いてなる燃料電池
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