JP4435161B2 - 燃料噴射器用のオリフィス円板とその形成方法 - Google Patents

Description

本発明は、広くは自動車の内燃機関に揮発性液体燃料を注入するタイプの電動式燃料噴射器に関し、特にこの種燃料噴射器用の新規な薄い円板オリフィス部材に関する。

今日の燃料噴射器は、特定の内燃機関を受け入れるが、その逆は成り立たないように設計せねばならない。大量生産される自動車用の厳しい排気管排気基準を満たし得るのは、注入噴霧又は注入流れを形づくると同時に、それを、例えば１つ又は複数の吸気弁へ、又は燃焼気筒内に向ける点で確実に一貫できるようにすることに少なくとも一部起因している。壁面の濡れは避けねばならない。

多数の異なる内燃機関モデルがマルチポイント燃料噴射器を使用しているため、多数の独自の噴射器は、内燃機関の気筒毎に、所望の注入噴霧又は注入流れを形づくり、かつそれを方向付けるのに必要となる。このような要望を受容すべく、燃料噴射器は、従来真直ぐな流れ、曲がった流れ、分割された流れおよび分割され／曲げられた流れを生じさせるように設計されてきた。薄い円板オリフィス部材を利用する燃料噴射器では、かかる注入パターンは、薄い円板オリフィス部材の特定設計によってのみ生成できる。この特性は、製造上の有意義な節約の機会を与える。これは、燃料噴射器の他の構成要素が、特定用途に対し独自の設計を持つことが必ずしも必要ではなく、他の多くの構成要素が、共通設計のものであり得るからである。

今日の燃料噴射器設計での別の問題は、所謂「吸引体積」を最小限に抑える点である。本明細書で吸引体積とは、針状弁体／弁座封止周界の下流側で、かつ１つ又は複数のオリフィス孔の上流側での体積を意味する。真直ぐなオリフィス孔を持つ予め調整されたオリフィス円板の形にされた幾何形状を窪ませる実用限界は、１つ又は複数の所望の噴霧角度を得るのに必要な幾何学的形状の深さ又は高さである。曲げられ、かつ分割される噴霧の角度を更に大きくすると製造が困難になり、同時に吸引体積が大きくなる。併せてこの幾何形状の深さが増すと、個々の孔と窪みの歪みも大きくなる。極端な場合、オリフィス円板の材料は、幾何学的な窪みの孔と孔の間や折り目でせん断応力を生じる虞がある。

本発明は、燃料噴霧用の燃料噴射器を提供する。該噴射器は、弁座、弁座と協働する可動部材およびオリフィス板を含む。弁座は、長手方向の軸線に沿って延びる通路を含む。可動部材は、弁座と協働してこの通路に燃料を流し、又は流さないようにする。オリフィス円板は、第１と第２の略平行な面を持つ部材と、該部材を貫通するオリフィスを含む。第１の面は略弁座と向き合っており、第２の面は第１の面の反対側に面している。オリフィスは、第１の面と第２の面を結合する壁面で画成されている。該壁面は、第１の部分と第２の部分を含み、第１の部分は、第１の面から間隔を置き、第１の平坦な面と第２の平坦な面に略垂直に延びる。第２の部分は、第１の部分を第１の面に結合し、第１の面に対し種々の第１の斜角で延びている。

本発明は、燃料噴射器用のオリフィス円板をも提供する。燃料噴射器は、入口と出口間に延在する通路、出口に直近の弁座および弁座と協働してこの通路に燃料を流し、又は流さないようにする閉鎖部材を含む。オリフィス円板は、部材と、該部材を貫通するオリフィスを含む。この部材は、第１と第２の略平行な面を含む。第１の面は弁座と向き合い、第２の面は第１の面の反対側に面している。オリフィスは、第１の面と第２の面を結合する壁面で画成され、該壁面は、第１の面から間隔を置いた第１の部分と、第１の部分を第１の面に結合する第２の部分とを含む。壁面の第１の部分は、第１の略平坦な面と第２の略平坦な面にほぼ垂直に延びる。また、この壁面の第２の部分は、第１の面に対し第１の斜角で延びている。第１の斜角は、非対称の斜切面を画成すべく様々である。

本発明は、燃料噴射器用のオリフィス円板を形成する方法をも提供する。この円板は、第１と第２の略平行な面を持つ部材を含む。この方法は、部材を貫通するオリフィスを形成することと、第１の面の直近で、オリフィスを変形させることを含む。オリフィスは、第１の面と第２の面を結合する壁面で画成され、かつ第１と第２の略平行な面にほぼ垂直なオリフィス軸線に沿って延びる。上記の変形は、このオリフィス軸線に対し、非対称の斜切面を形成することを含む。

本明細書に組み入れられ、本明細書の構成部分である添付図面は、本発明の現在好適と考える実施形態を示しており、上述の一般的な説明および下記の詳細な説明と共に、本発明の特徴を説明するのに役立とう。

図１〜３は、好適な実施形態を示す。特に、燃料噴射器１００は、図１Ａに示す如く長手方向の軸線Ａ−Ａに沿って延びており、燃料吸入管１１０、調整管１１２、フィルタアセンブリ１１４、コイルアセンブリ１１８、コイルバネ１１６、可動鉄片１２０、閉鎖部材アセンブリ１２２、非磁性外被１２４、燃料噴射器オーバモールド１３４、ボディ１２８、ボディ外被１３０、ボディ外被オーバモールド１３２、コイルアセンブリハウジング１２６、閉鎖部材アセンブリ１２２用の案内部材１３６、弁座１３８、オリフィス円板１４０を含む。燃料噴射器１００の構造は、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第４８５４０２４号、同第５１７４５０５号、同第６５２０４２１号明細書に開示されたものと同様なタイプのものにできる。

図１Ｂは、本発明の原理に従うオリフィス円板１４０を持つ電磁式燃料噴射器１００のボディ１２８のノズル端を示す。電磁式燃料噴射器１００のノズル端は、スタックをも含め、前記特許のものと同様である。このスタックは、オリフィス円板１４０の内側で軸方向に配置された案内部材１３６と弁座１３８を含む。このスタックは、例えば保持器付きの押えリップ等の適切な手法或いはオリフィス円板１４０を弁座１３８に溶接し、かつ弁座１３８をボディ１２８に溶接することで保持できる。

弁座１３８は、案内部材１３６から弁座１３８の中央通路１３８ｂに至る円錐台形の着座面１３８ａを含む。更に中央通路１３８ｂは、オリフィス円板１４０の中央部分１４０ｂに至る。案内部材１３６は、閉鎖部材アセンブリ１２２の封止端１２２ａの、軸方向往復運動を案内する中央案内開口１３６ａと、封止端１２２ａを経て燃料を弁座１３８の周りの空間に流すべく、中央案内開口１３６ａの周りに配置された幾つかの貫通孔１３６ｂとを含む。図１Ｂは、弁座１３８上に着座し、従って燃料を燃料噴射器に流さないようにした閉鎖部材アセンブリ１２２の半球形の封止端１２２ａを示す。弁座１３８から閉鎖部材アセンブリ１２２を引き離すと、通路１３８ｂを燃料が流れ、オリフィス円板１４０を貫通するオリフィス３２を経て、燃料噴射器１００から流出する。

オリフィス円板１４０は、燃料噴射器１００内で軸心に設けられた中央部分１４０ｂに対し、円形外周部分１４０ａが周方向に接する略円形の形状を持つ。燃料がオリフィス円板１４０を通過する際に通る１つ又は複数の非対称のオリフィス３２があることを除き、オリフィス円板１４０の中央部分１４０ｂには孔がない。燃料噴射器の燃料噴霧を規制して微粒化し、噴霧を目標に向けた際、その所期の目的でオリフィス円板１４０を使用できるよう、長手方向の軸線Ａ−Ａを中心として、非対称のオリフィス３２を、適切な配列で幾つでも形成できる。これらの好適な実施形態には、オリフィス円板１４０を通る長手方向の軸線Ａ−Ａを中心として配列された上記の４つの貫通非対称オリフィス３２（但し図には２つのみを示す）が含まれる。

図２Ａと図２Ｂを参照すると、オリフィス円板１４０の好適な実施形態は、以下のように形成できる。初めに第１の面２０が第２の面４０から間隔を置いた略平坦な工作素材１０を用意する。工作素材１０には、どんなオリフィスも貫通してない。工作素材１０に、例えば打抜き、圧印加工、孔あけ又はレーザ機械加工等の適切な手法で孔をあける。即ち工作素材１０の平坦な面２０、４０に、略垂直な工具４２の軸線Ｙ−Ｙに関し対称的であり、かつ該軸線Ｙ−Ｙに沿って延びるパイロット貫通孔又はパイロットオリフィス（案内孔）３０を形成する。この対称的なパイロット貫通孔３０は、円筒形のポンチ４２を用いて、面２０と、直近の面４０との間に垂直なバニシ仕上げされた壁面部分３０ａを形成することで作るとよく、またポンチ工具４２が第２の面４０迄貫通すると、ポンチ工具４２による材料の破断（即ち、破壊）により、粗い斜切面３０ｂが生ずる。

対称的な貫通孔又はオリフィス３０は、適切な手法により、更なる貫通がなされ、非対称の貫通孔又はオリフィス３２を形成する。その後、例えばこの工作素材を型打ちして所望の形状にするか、研削するか、ばりを取るか、削り取るか或いは研摩する等の適切な材料仕上げ手法で、この工作素材を加工処理し、オリフィス円板１４０を形成する。

好適な実施形態では、非対称のオリフィス３２は、工具軸線Ｙ−Ｙを中心として少なくとも２つの前縁が配置された尖端５２を持つポンチ工具５０で形成され、その結果得られるポンチ工具５０の断面はオリフィス軸線２００に関し非対称となる（図２Ｃ、２Ｄ）。少なくとも２つの前縁は、各々第１の前縁５４と第２の前縁５６を含む。第１の前縁５４は、第２の前縁５６の第２のリード角φ°とは異なる第１のリード角ω°に向けられる。第１のリード角ωを約２５°、第２のリード角φを約３０°にすると特に好ましい。

非対称のオリフィス３２は、例えば正方形、長方形、楕円形又は円形等の適切な断面域から成るが、これらの好適な実施形態は、約１００μｍ（更に具体的には約１２５μｍ）の直径を持つ略円形のオリフィスを含む。オリフィス円板１４０の第１の面２０と第２の面４０が、１００〜３００μｍ又はそれ以上の間隔を持つとよい。

非対称のオリフィス３２は、長手方向の軸線２００（図２Ｃと図２Ｄ）を中心として、第１の拡大角度χ°で設けられた第１の流入斜切面３２ａを含み、しかも、第１の流入斜切面３２ａが、ポンチ工具５０で生成された面による遷移域を経て、第２の拡大角度Φ°で設けられた第２の流入斜切面３２ｂに連なる（図２Ｃと図２Ｄ）。第１の流入斜切面３２ａは、ほぼ第１のリード角ω°に向けられる。第１の流入斜切面３２ａと第２の流入斜切面３２ｂが、工具軸線Ｙ−Ｙ（図２Ｂ）および軸線２００（図２Ｃ）に関して非対称となるよう、第２の流入斜切面３２ｂが、略第２のリード角φ°に向けられる。表面２０に対する第１の流入斜切面および第２の流入斜切面のつなぎ目は、幾何学的中心３３ｂが長手方向の軸線に対し傾斜している第１の周界３３ａを形成する（図２Ｄと図２Ｃ）。好ましくは、周界３３ａは、略楕円形の周界である。

第１の流入斜切面３２ａは、第１の壁面３２ｃに延びている（図２Ｃ）。第１の壁面３２ｃは、長手方向の軸線２００を中心として第１の拡大角度χ°で配置され、しかも第２の拡大角度Φ°（図２Ｄ）で設けられた第２の壁面３２ｄに連なっており、第１の壁面３２ｃと第２の壁面３２ｄが軸線２００に関し対称になる。第１の壁面３２ｃと第２の壁面３２ｄは工具軸線Ｙ−Ｙに平行であり、この際工具軸線Ｙ−Ｙはオリフィス軸線２００と一致して、双方の面が、軸線２００を中心として円筒形の壁面を形成するとよい。第１の流入斜切面３２ａと第２の流入斜切面３２ｂは、軸線２００に関し非対称の円錐表面を形成している。第１の流入斜切面３２ａと第１の壁面３２ｃとのつなぎ目および第２の流入斜切面３２ｂと第２の壁面３２ｄとのつなぎ目は、第１の面２０と第２の面４０に対し傾けて配置された第２の周界３３ｃ（図２Ｄ）を形成している。

第１の壁面３２ｃは、第１の流出斜切面３２ｅに連なる。同様に第２の壁面３２ｄは、第２の流出斜切面３２ｆに連なる。表面２０に対する第１の流出斜切面３２ｅと第２の流出斜切面３２ｆのつなぎ目は、軸線２００に一致する幾何学的中心或いは軸線２００に対してずらされた幾何学的中心を持つ第３の周界を形成する。第１の流出斜切面３２ｅと第２の流出斜切面３２ｆの周界が、軸線２００に関し対称的であるとよい。

オリフィス３２の幾何形状が非対称なので、オリフィス円板１４０のオリフィス３２を流れる燃料３４は、長手方向の軸線に対し概ね傾斜しているオリフィス角度αで通る傾向がある。従って、第１の面２０又は第２の面４０に対し、垂直方向に移動する２つの工具でオリフィス３２が形成されても、該オリフィスは、対称のオリフィスではなくて、非対称のオリフィス３２である。非対称のオリフィス３２は、要するに、角度αにほぼ近いオリフィス角度にて燃料３４を流すことで、傾斜させたオリフィス（長手方向の軸線２００を基準としたときに）に匹敵する。

図３Ａ、３Ｂ、３Ｃに示す好適な実施形態で与えられるオリフィス角度αは、非対称のオリフィス３２が位置づけられた領域を窪ませ又は変形させることで、非対称のオリフィス３２の各々に対し大きくなし得る。要するに、前記の如く第１の面２２と第２の面４２を持つ略平坦な工作素材１２に、非対称のオリフィス３２を最初に形成すれば、燃料の流れ３４のオリフィス角度θを大きくできる（図３Ａ）。その後円板形工作素材１２を窪ませ、少なくとも１つの平坦な小平面を、窪み角度λで形成する（図３Ｂ）。この際新たなオリフィス角度θは累積効果であって、角度αと角度λの結果であり、また、（１）非対称のオリフィス幾何形状に形成された燃料の流れの元のオリフィス角度αと、（２）窪ませた円板形工作素材１２の窪み角度λとの関数として関係付けられる。従って、オリフィス角度αと、窪み角度λとの合計から、新たな曲げ角度θが得られる。

円板形工作素材１２の好適な実施形態は、以下の方法で形成できる。この方法は、第１の面２２と第２の面４２（図３Ａ）を各々貫通する第１の非対称オリフィス３２の形成を含み、更に第１のオリフィス３２を設けた第１の小平面４４が、ベース平面１５０に対し傾斜した第１の平面１２５に概ね平行に延びるよう、第１の小平面４４を形成することも含む（図３Ｂ）。第１の面２２が概ね凹面、また第２の面４２が概ね凸面となるよう、例えば型打ちや引抜き加工等の適切な手法で第１の小平面４４を形成できる。

複数の非対称のオリフィス３２等は、第１の非対称なオリフィス３２の形成と同時又は短時間内で形成できる。その後第２の小平面４６は、第１の小平面４４と同時又は短時間内で形成できる。オリフィス３２がオリフィス軸線２００に対し傾斜するよう、第２の小平面４６は、ベース平面１５０に対し傾斜した第２の平面１２７に略平行である。更に第２の小平面４６も、第１の小平面４４に対し傾斜している。その後、円板形工作素材１２を、適切な仕上げ手法で仕上げ、ボディ１２８内に取着する（図３Ｃ）。

非対称な幾何形状のオリフィス３２の効果は数多い。２つの工具を円板形工作素材１２に垂直な方向に移動させることでオリフィス３２を形成すれば、工具を、垂直方向に対し斜めに向ける必要もなく、傾斜させたオリフィスに匹敵するオリフィスを作り出せる。更に、オリフィス３２の非対称の幾何形状は、燃料の流れ３４がオリフィス３２の壁面に付着しないようにし、この結果燃料をより多く噴霧可能とする。更に適切な形状のポンチ工具を用いれば、オリフィスを流れる燃料に螺旋を形成し、オリフィスの流入斜切面と流出斜切面を形づくれ、これは、吸気マニホールドと内燃機関の幾つかの形態で望ましい。

本発明を、幾つかの好適な実施形態に関し説明したが、特許請求の範囲に示す本発明の範囲から逸脱しなければ、常軌の実施形態に、多くの修正、改造、変更を加え得る。よって本発明は、上記の実施形態に限定されず、特許請求の範囲およびそれと同等なものの文言により定められる全範囲を持つものである。

本発明の好適な実施形態による燃料噴射器の断面図である。 図１Ａの燃料噴射器の出口端部のクローズアップ断面図である。 オリフィス円板を形成するプロセスの一部を示す。 オリフィス円板を形成するプロセスの一部を示す。 図２Ｂのオリフィス円板の細部を、欠切断面図で示す。 図２Ｂのオリフィス円板の細部を、欠切透視図で示す。 オリフィス円板を形成する更に他のプロセスを示す。 オリフィス円板を形成する更に他のプロセスを示す。 オリフィス円板を形成する更に他のプロセスを示す。

符号の説明

１０ 部材、２０、４０ 面、３２ オリフィス、５０ ポンチ工具、１００ 燃料噴射器、１１０ 燃料吸入管、１１４ フィルタアセンブリ、１１６ コイルバネ、１１８ コイルアセンブリ 、１２０ 可動鉄片、１２２ 可動部材、１２４ 非磁性外被、１２６ コイルアセンブリハウジング、１２８ ボディ外被、１３４ 燃料噴射器オーバモールド、１３８ 弁座、１４０ オリフィス円板

Claims (15)

1. 入口と出口との間に延在する通路と、前記出口に直近にあって、閉鎖部材と協働して、前記通路に燃料を流せるようにし、また、この通路に燃料を流せないようにする弁座とを含む燃料噴射器用のオリフィス円板であって、
   前記弁座と向き合うようにしている第１の面と、前記第１の面の反対側に面して平行な第２の面とを含む部材と、前記第１の面と前記第２の面とを結合する壁面により画成されている、前記オリフィス円板を貫通するオリフィスとを含み、
   更に、前記壁面が、前記第１の面から間隔が置かれて、前記第１の平坦な面および前記第２の平坦な面に垂直に延びている前記壁面の第１の部分と、前記第１の部分を前記第１の面に結合する第２の部分であって、オリフィス軸線（２００）に対して非対称の斜切面を画成するように種々の第１の斜角にて、前記第１の面に対して延びている前記壁面の第２の部分とを含み、
   前記オリフィス円板（１４０）は、更に第１の周界と、壁の第１の部分（３２ｃ）と第２の部分（３２ａ）のつなぎ目により定義づけられた第２の周界（３３ｃ）とを含んでいるものにおいて、
   前記オリフィス（３２）が、前記第１の平行な面および前記第２の平行な面に垂直なオリフィス軸線（２００）に沿って延び、
   前記第１の周界（３３ａ）が、前記第１の面（２０）と前記壁面の前記第２部分（３２ａ、３２ｂ）とのつなぎ目により画成され、かつ前記第１の周界が前記オリフィス軸線（２００）に関して非対称であり、更に
   前記第２の周界（３３ｃ）が、前記オリフィス軸線（２００）に対して斜めの平面内にある
   ことを特徴とする燃料噴射器用のオリフィス円板。
2. 前記第１の斜角が、前記オリフィス軸線を中心として変化することを特徴とする請求項１記載のオリフィス円板。
3. 前記第１の周界が、前記オリフィス軸線に対して偏心的であることを特徴とする請求項１記載のオリフィス円板。
4. 前記壁面が、前記第１の部分を前記第２の面に結合する第３の部分を含むことを特徴とする請求項１記載のオリフィス円板。
5. 前記壁面の前記第３の部分が、前記第２の面に対して第２の斜角で延びており、また、前記第２の斜角が、前記オリフィス軸線に関して一定であることを特徴とする請求項４記載のオリフィス円板。
6. 前記壁面の前記第３の部分が粗い斜切面を含むことを特徴とする請求項４記載のオリフィス円板。
7. 前記第２の面と、前記壁面の粗い斜切面である前記第３の部分とのつなぎ目により画成される第３の周界を含み、該第３の周界は前記オリフィス軸線に関して非対称であることを特徴とする請求項５記載のオリフィス円板。
8. 前記平坦な小平面が各々、前記オリフィス軸線に対して傾斜するように、前記第１の面と前記第２の面が、各々の平行な平坦な小平面を画成することを特徴とする請求項７記載のオリフィス円板。
9. 第１と第２の平行な面を持つ部材を含む、請求項１から８の１つに記載の燃料噴射器用のオリフィス円板を形成する方法であって、
   前記部材を貫通するオリフィスであって、前記第１の面と前記第２の面を結合する壁面により画成され、かつ、前記第１と前記第２の平行な面に垂直なオリフィス軸線に沿って延びているオリフィスを形成する工程と、
   前記オリフィス軸線に関し、非対称の少なくとも１つの斜切面を形成する工程を含め、前記第１の面の直近で前記オリフィスを変形させる工程と
   を含むことを特徴とする方法。
10. 前記オリフィスを形成する工程が、打抜き、孔あけ、圧印加工の少なくとも１つを含むことを特徴とする請求項９記載の方法。
11. 前記オリフィスを変形させる工程が、ポンチ形成と圧印加工の少なくとも１つを含むことを特徴とする請求項９記載の方法。
12. 前記オリフィスを変形させる工程が、前記オリフィスが設けられる領域を窪ませ、前記領域が前記オリフィス軸線に対し傾斜した平面を持つ小平面を形成するようにする工程を更に含むことを特徴とする請求項９記載の方法。
13. 燃料を計量し、霧化しそしてターゲットに向かって噴射するための燃料噴射器であって、
    前記オリフィス軸線（２００）に沿って延びる通路を含むシート（１３８）と、
    前記通路を通る燃料の流れを許容しかつ阻止すべくシート（１３８）と協働する可動部品（１２２）と、
    前記請求項１から８の１つに記載のオリフィス円板（１４０）と
    を含むことを特徴とする燃料噴射器。
14. 前記オリフィス（３２）が、前記オリフィス軸線（２００）に対し傾斜した経路に沿って燃料の噴射を目がけることを特徴とする請求項１３記載の燃料噴射器。
15. 前記第１と第２の表面（２０、４０）が、各平坦な小平面が前記オリフィス軸線（２００）に対し傾斜するように、各々平行な小平面を定義することを特徴とする請求項１４記載の燃料噴射器。

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