JP6339628B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents

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本発明は、ガソリンエンジン等の内燃機関に用いられる燃料噴射弁であって、弁体が弁座と当接することで燃料の漏洩を防止し、弁体が弁座から離れることによって燃料を筒内に直接噴射する、燃料噴射弁に関する。
燃料を筒内に直接噴射する燃料噴射弁では、たとえば燃料の噴霧特性が内燃機関の出力特性や燃費、環境に対する負荷等に影響を与える。そこで、たとえば燃料の噴射孔の形状を適宜変更することで噴霧特性を変更することが知られている(特許文献1参照)。
特開平10−331747号公報
上述した特許文献に記載の燃料噴射弁は、ディーゼルエンジン用の燃料噴射弁である。そして、上述した特許文献に記載の燃料噴射弁では、噴射燃料の高速化による燃料の微細化を図っている。しかし、上述した特許文献に記載の燃料噴射弁では、燃料の到達距離(噴霧長さ)が長くなって、筒内噴射時の吸気弁や筒内壁面へ燃料が付着するおそれがある。
請求項1の発明による火花点火式筒内燃料噴射弁は、燃料の噴射孔が複数設けられた部材と、弁座に当接又は離間する弁体と、を少なくとも備える火花点火式筒内燃料噴射弁であって、噴射孔は、部材の内側に開口する噴射孔入口と、部材の外側に開口する噴射孔出口とを備え、噴射孔は、噴射孔入口と噴射孔出口の中心とを結ぶ噴射孔軸を含み弁体の軸芯と平行な第1の平面が、噴射孔入口の開口部の中心と弁体の軸芯とを含む第2の平面との間で非零の狭角をなすように、構成され、さらに複数の噴射孔は、狭角が互いに異なる噴射孔を含んで構成され、噴射孔入口の開口縁には丸面取り部が形成され、丸面取り部は、弁体の軸芯から遠い側の部位における曲率半径が、弁体の軸芯から近い側の部位における曲率半径よりも大きくなるように、構成され、噴射孔の入口開口に平行な断面積は、噴射孔入口から噴射孔出口に向かうに従って小さくなるよう構成され、噴射孔の断面は、長径および短径を有する楕円形状または3辺を有する三角形状であり、弁座の上流から噴射孔入口に流入する燃料の流れに対して、長径または3辺のうち1辺が略直交することを特徴とする。
本発明によれば、燃料が筒内噴射される時の吸気弁や筒内壁面への燃料付着を抑制できる。
第1の実施の形態の電磁式燃料噴射弁の断面図である。 電磁式燃料噴射弁の先端近傍を拡大した断面図である。 図2に示すシート部材のA−A断面矢視図である。 噴孔形状及び燃料の流れについて説明する図である。 (a)は燃料噴射孔を電磁式燃料噴射弁の中心軸と平行に切断した断面図であり、(b)は燃料噴射孔出口における燃料噴射孔の径方向へ広がる速度成分を模式的に示した図である。 各噴射孔軸の向きについて説明する図である。 燃料の面内広がり力について説明する図である。 燃料噴射孔の直径Dと燃料噴射孔の延在長さLとの関係がL/D>3となる場合について説明する図である。 燃料噴射孔入口に丸面取り部が設けられていない場合について説明する図である。 第2の実施の形態の電磁式燃料噴射弁について説明する図である。 第3の実施の形態の電磁式燃料噴射弁について説明する図である。 第4の実施の形態の電磁式燃料噴射弁について説明する図である。 第5の実施の形態の電磁式燃料噴射弁について説明する図である。 第6の実施の形態の電磁式燃料噴射弁について説明する図である。 L/Dによる整流効果を説明する図である。
−−−第1の実施の形態−−−
図1〜9を参照して、本発明による火花点火式筒内噴射弁の第1の実施の形態を説明する。図1は、本実施の形態の火花点火式筒内噴射弁の例として、電磁式燃料噴射弁の例を示す断面図である。この電磁式燃料噴射弁100は、筒内直接噴射式のガソリンエンジンに用いられる、通常時閉型の電磁駆動式の燃料噴射弁である。したがって、コイル108への通電が絶たれると、スプリング110の付勢力によって弁体101がシート部材102に押し付けられ、燃料がシールされる。このような状態を閉弁状態と呼ぶ。
燃料は、燃料供給口112から電磁式燃料噴射弁100の内部に供給される。なお、電磁式燃料噴射弁100のような筒内噴射用燃料噴射弁では、供給される燃料の圧力がおおよそ1MPa乃至40MPaの範囲である。
図2は、電磁式燃料噴射弁100の先端に設けられた燃料噴射孔の近傍を拡大した断面図である。ノズル体104の先端にはシート部材102が溶接などで接合されている。シート部材102の内側は円錐面であり、後に詳述する燃料噴射孔201が複数設けられている。燃料噴射孔201よりも図2における図示上方の円錐面は、弁座面203である。閉弁状態では、弁体101は、シート部材102の弁座面203と当接して燃料をシールする。なお、弁体101側の弁座面203との接触部(以下、球面部と呼ぶ)202は球面によって形成されている。そのため、円錐面の弁座面203と球面部202とは線接触する。なお、弁体101の軸芯は電磁式燃料噴射弁100の中心軸204と一致している。
図1に示すコイル108に通電されると、電磁式燃料噴射弁100の磁気回路を構成するコア107、ヨーク109、アンカー106に磁束が生じ、空隙のあるコア107とアンカー106の間に磁気吸引力を生じる。この磁気吸引力が、スプリング110の付勢力と前述の燃料圧力による力との合力よりも大きくなると、弁体101は、ガイド部材103、弁体ガイド105にガイドされながらアンカー106によってコア107側に吸引され、図示上方に移動する。このような状態を開弁状態と呼ぶ。
電磁式燃料噴射弁100が開弁状態となると、弁座面203と弁体101の球面部202との間に隙間を生じ、燃料の噴射が開始される。燃料の噴射が開始されると、燃料圧力として与えられたエネルギが運動エネルギに変換されて燃料が燃料噴射孔201に至り、不図示のガソリンエンジンの筒内に直接噴射される。
−−−燃料噴射孔201の形状について−−−
図3は、図2に示すシート部材102のA−A断面矢視図である。なお、図3では説明の便宜上、弁体101の記載を省略している。本実施の形態では、図3に示すように、シート部材102に設けられた燃料噴射孔201の数が6である場合を例として説明する。以下の説明では、弁座面203の頂点301を中心として、図3における略10時の位置に設けられた燃料噴射孔201から図示反時計方向に向かって順に、符号末尾にアルファベットのa〜fを付す。また、燃料噴射孔201同士でそれぞれ同じ部位、同じ点(位置)等には同じ数字の符号を付し、さらに燃料噴射孔201毎に対応するアルファベットのa〜fを符号末尾に付す。
燃料噴射孔201は、燃料噴射孔入口304と燃料噴射孔出口305とを有する。燃料噴射孔入口304の開口縁は曲面状に面取りされている。燃料噴射孔入口304における面取り部分を丸面取り部1304と呼ぶ。なお、図2に示すように燃料噴射孔出口305がシート部材102の外側よりも奥まった位置に配設されている。したがって、噴射される燃料との干渉を防止するために、燃料噴射孔出口305の外側(燃料噴射孔出口305の図示下方)のシート部材102は、切り欠かれている。
燃料噴射孔201aにおける燃料噴射孔入口304aと燃料噴射孔出口305aとの位置関係を説明する。ここで、燃料噴射孔入口304aの中心点302aと燃料噴射孔出口305aの中心点306aとを結んだ直線(以下、噴孔軸または噴射孔軸と呼ぶ)307aを含み、電磁式燃料噴射弁100の中心軸204と平行な平面を第1の平面11aと呼ぶ。そして、燃料噴射孔入口304aの中心点302aと弁座面203の頂点301(すなわち円錐面の頂点)とを結んだ直線303aと、電磁式燃料噴射弁100の中心軸204とを含んだ平面を第2の平面12aと呼ぶ。燃料噴射孔201aでは、第1の平面11aと第2の平面12aとが交差するように、燃料噴射孔入口304aと燃料噴射孔出口305aとが配設されている。換言すると、電磁式燃料噴射弁100の中心軸204と噴射孔軸307aとは、ねじれの位置関係となっている。図3において符号308aは、第1の平面11aと第2の平面12aとのなす角(挟角)を示している。
燃料噴射孔201b,201d,201eにおける燃料噴射孔入口304b,304d,304eと燃料噴射孔出口305b,305d,305eとの位置関係は、燃料噴射孔201aにおける燃料噴射孔入口304aと燃料噴射孔出口305aとの位置関係と同じである。したがって、燃料噴射孔201bでは、第1の平面11bと第2の平面12bとが交差し、燃料噴射孔201dでは、第1の平面11dと第2の平面12dとが交差し、燃料噴射孔201eでは、第1の平面11eと第2の平面12eとが交差する。すなわち、噴射孔軸307b,307d,307eはそれぞれ、電磁式燃料噴射弁100の中心軸204とねじれの位置関係となっている。
燃料噴射孔201c,201fにおける燃料噴射孔入口304c,304fと燃料噴射孔出口305c,305fとの位置関係は次のとおりである。すなわち、燃料噴射孔201cでは、第1の平面11cと第2の平面12cとが一致し、燃料噴射孔201fでは、第1の平面11fと第2の平面12fとが一致する。したがって、第1の平面11cと第2の平面12cとの挟角、および第1の平面11fと第2の平面12fとの挟角は0度である。噴射孔軸307c,307fはそれぞれ、電磁式燃料噴射弁100の中心軸204と交差する。なお、上述した挟角が0度でない燃料噴射孔201a,201b,201d,201eと、上述した挟角が0度である燃料噴射孔201c,201fとで、後に述べる作用効果に相違はない。
図4は、燃料噴射孔201aを例に挙げて、噴孔形状及び燃料の流れについて説明する図である。図5(a)は、燃料噴射孔201aを例に挙げて、燃料噴射孔201aを電磁式燃料噴射弁100の中心軸204と平行に切断した断面図であり、燃料噴射孔201aの内部での燃料の流れ模式的に示す図である。図5(b)は、燃料噴射孔出口305aにおける燃料の速度成分のうち、燃料噴射孔201aの径方向へ広がる速度成分を模式的に示した、図5(a)のC−C断面矢視図である。図6は、本実施の形態の電磁式燃料噴射弁100で各噴射孔軸307a〜307fの向きについて説明する図である。図7は噴射孔長さを孔径で除した値と、後に説明する面内広がり力との関係を説明する図である。図8および図9は、従来技術について説明する図であり、本実施の形態における図5に相当する図である。
ここで、第1の平面11aと第2の平面12aとのなす角である挟角308aを2等分する平面を仮想平面413aと呼ぶ(図4参照)。燃料噴射孔201aに関し、燃料噴射孔入口304aにおける丸面取り部1304aと仮想平面413aとが交差する2カ所の部位を点414aおよび点415aで示す。この2カ所の部位のうち、後述する燃料の流れに関して上流側となる点414aで表す部位の曲率半径は、燃料の流れに関して下流側となる点415aで表す部位の曲率半径よりも大きい。
この実施形態では、燃料噴射孔201の入口開口縁の全周に丸面取りを形成し、上流側の点414aの曲率半径が下流側の点415aの曲率半径よりも大きくなるようにした。燃料噴射孔201の入口開口縁の全周に丸面取りを形成する必要はなく、燃料流の剥離が許容できないほど大きい箇所にのみ、適宜、丸面取りを形成してもよい。したがって、開口縁の上流側のみ丸面取りを形成してもよく、本発明では、噴射孔入口開口縁の少なくとも上流側に丸面取り部を形成すればよい。
燃料噴射孔201aのように、第1の平面11aと第2の平面12aとの挟角308aが0度でない場合、燃料は以下に述べるように流れる。図4では不図示であるが、燃料供給口112から電磁式燃料噴射弁100の内部に供給された燃料は、開弁状態となって弁座面203と弁体101の球面部202との間に生じた隙間から弁座面203に沿って燃料噴射孔入口304aへ向かって流れる。この燃料の流れに符号410aを付す。
燃料噴射孔入口304aへ向かう燃料の流れ410aは、燃料噴射孔入口304aにおいて、燃料噴射孔出口305aへ向かう方向、すなわち燃料噴射孔入口304aの中心点302aと燃料噴射孔出口305aの中心点306aを結んだ噴射孔軸307aの方向に捻られる。この燃料の流れに符号411aを付す。その後、燃料は燃料噴射孔201aの内部を図4において不図示の燃料噴射孔出口305aに向かって流れる。この燃料の流れに符号412aを付す。
上述した燃料の流れ410a〜412aに関し、上述した点414aにおいて燃料は最も急激に曲がり、燃料の燃料噴射孔201aの内壁面から離れる方向への慣性力が最も大きい。そのため、点414aにおいて燃料が燃料噴射孔201aの内壁面から最も剥離し易くなる。また、上述した燃料の流れ410a〜412aに関し、上述した点415aでは点414aに比べて燃料は緩やかに曲がる。したがって、点415aでは、点414aに比べて燃料が燃料噴射孔201aの内壁面から剥離し難い。
上述したように、燃料噴射孔入口304aにおける丸面取り部1304aでは、燃料の流れに関して上流側となる点414aで表す部位の曲率半径が、燃料の流れに関して下流側となる点415aで表す部位の曲率半径よりも大きい。したがって、燃料噴射孔201aへの燃料の流れ込み方に応じて、燃料噴射孔201aの内壁面からの燃料の剥離を抑制できる。
なお、図4に示すように、第1の平面11aと第2の平面12aとのなす角には、挟角308aの他に、挟角309aも存在し、挟角を2等分する平面は、仮想平面413aの他に、挟角309aを2等分する仮想平面416aも考えられる。そして、点417aおよび点418aで示した、丸面取り部1304aと仮想平面416aとが交差する2カ所の部位も考えられる。しかし、丸面取り部1304aの曲率半径を設定するに当たり、少なくとも燃料が燃料噴射孔201aの内壁面から最も剥離し易い部位と最も剥離しにくい部位とが特定できればよい。そこで、本実施の形態では、挟角309aおよび仮想平面416aについては特に言及しない。
ここで、図5(a)に示すように、燃料噴射孔201aの延在長さLを噴射孔軸307aの長さとし、燃料噴射孔201aの直径Dを噴孔軸307aと平行となる燃料噴射孔201aの内面501aにおける直径とする。図5(a)において、弁座面203に沿って流れ、燃料噴射孔入口304aの丸面取り部1304aによって剥離が抑制されて燃料噴射孔201aの内部に流入した燃料に符号508aを付す。
本実施の形態の電磁式燃料噴射弁100では、燃料噴射孔201aの延在長さLと燃料噴射孔201aの直径Dとの関係が、L/D≦3となることが好ましい。L/Dを3以下とすることで、燃料噴射孔201aの内部に流入した燃料508aは、燃料噴射孔201aの内部で整流されきることなく燃料噴射孔出口305aから噴射される。そのため、図5(b)に示すように、燃料噴射孔出口305aにおける燃料の速度成分のうち、燃料噴射孔201aの径方向へ広がる速度成分509aを大きくすることが可能となる(燃料の面内広がり力が大きくなる)。したがって、燃料噴射孔出口305aにおける燃料の速度成分のうち、噴射孔軸方向の速度成分を小さくすることが可能となる。これにより、燃料噴射孔出口305aからの燃料の噴射速度が遅くなるので、噴霧された燃料の到達距離(噴霧長さ)を短くすることが可能となる。
図15に発明者等によるシミュレーション結果を示す。図15(a)は燃料噴射孔210aの延在長さLと噴射孔入口304の径Dとの関係L/DがL/D=1、(b)はL/D=3でのシミュレーション結果である。
図示しない各図中右上の燃料のシール部より、噴射孔入口304へ流れこんできた燃料は、丸面取り部1304aを通り燃料噴射孔を流れる。この際、L/Dが1程度であると、1500aに示されるように噴射孔内で整流されることなく、噴射されていることがわかる。L/Dが3の場合においても、L/Dが1に相当する付近での燃料の流れ1500bは整流されきれてはいないが、L/Dが大きくなるにつれ、1500c、1500dと徐々に流れが整流されてきていることがわかる。この流れが整流されてしまうと、噴射孔内における径方向に広がる速度成分が小さくなり、噴霧長さが長くなってしまう。
すなわち、燃料噴射孔入口304から燃料が噴射孔201に流れ込んで出口305から筒内に噴射されるとき、噴射孔内で燃料が整流されきらない数値の上限値がL/D≦3であると考えられる。
たとえば、図8(a)に示すように、燃料噴射孔201’の直径D(噴孔軸307’と平行となる燃料噴射孔201’の内面801における直径)に対して、燃料噴射孔201’の延在長さL’が長い場合、すなわち、L’/D>3の場合について説明する。なお、上述したように、図8(a)は図5(a)に対応する図であり、図8(b)は図5(b)に対応する図である。
L’/Dが3を超した場合には、弁座面203に沿って流れ、燃料噴射孔入口304’の丸面取り部1304’によって剥離が抑制されて燃料噴射孔201’の内部に流入した燃料808には、燃料噴射孔201’の内部を流れる間に整流効果が働いてしまう。すなわち、図8(b)に示すように、図8(a)におけるC’断面として噴射孔出口305a’における径方向へ広がる速度成分809は小さくなる(燃料の面内広がり力が小さくなる)。そのため、燃料の有する噴射軸方向の速度成分が大きくなるため噴射孔出口305aからの噴射速度が速くなり、噴霧長さが長くなってしまう。
図7には、L/Dを横軸にとり、燃料の面内広がり力を縦軸にとった、燃料の面内広がり力を表す曲線701を示している。燃料の面内広がり力は、噴射孔出口305における径方向へ広がる速度成分に依存する。噴射孔出口305における径方向へ広がる速度成分は、燃料噴射孔201に流れ込んできた燃料が燃料噴射孔201の内部で整流されきらないことで生じる速度成分である。そのため、L/Dを3以下にすることで、燃料を整流させきらずに、噴射孔出口305から噴射することが可能となる。これにより、噴霧長さを短縮できる。
また、たとえば、図9(a)に示すように、本実施の形態における丸面取り部1304が燃料噴射孔入口304’’に設けられていない場合について説明する。なお、図9(a)における燃料噴射孔201’’の直径D(燃料噴射孔201’’の内面901における直径)と、燃料噴射孔201’’の延在長さLとの関係は、上述した本実施の形態と同様にL/D≦3であるものとする。また、上述したように、図9(a)は図5(a)に対応する図であり、図9(b)は図5(b)に対応する図である。
L/Dが3以下であっても燃料噴射孔入口304’’に丸面取り部1304が設けられていない場合、図9(a)に示すように、燃料噴射孔201’’の内壁面901から燃料が剥離してしまう。なお、燃料の流れと燃料噴射孔201’’の内部空間との境界に符号910aおよび符号910bを付している。燃料の流れの境界910a,910bと燃料噴射孔201’’の内壁面901との間の空間が燃料の剥離領域となる。
図9(a),(b)に示す例では、L/Dが3以下であるので、燃料噴射孔201’’の内部に流入した燃料908は、燃料噴射孔201’’の内部で整流されきることなく燃料噴射孔出口305’’から噴射される。しかし、燃料噴射孔201’’の内部を流れる燃料908の断面積は、燃料噴射孔201’’の内部で生じた剥離領域の断面積分だけ燃料噴射孔201’’の断面積よりも小さくなる。そのため、燃料噴射孔出口305’’の面積(燃料噴射孔201’’の断面積)が実質的に小さくなるので、燃料の噴射速度が速くなる。すなわち、燃料の噴射孔軸方向の速度成分が大きくなって噴射孔出口305’’からの燃料の噴射速度が速くなるので、噴霧長さが長くなってしまう。したがって、L/Dを小さな値に設定するだけでは、噴霧長さは短くならない。
なお、図9(b)において速度成分を表す矢印が噴射孔断面中心から偏って示されている。これは、図9(a)の剥離による燃料流の下流側境界面901aと内面901までの距離と、上流側境界面901bと内面901までの距離の相違による。
−−−各噴射孔軸307a〜307fの向きについて−−−
図6を参照して、各噴射孔軸307a〜307fの向きについて説明する。本実施の形態では、各噴射孔軸307a〜307fは、頂点および軸を共有して異なる頂角を有する2つの仮想円錐のいずれかの母線に沿っている。説明の便宜上、2つの仮想円錐のうち、頂角が小さい方の仮想円錐に符号601を付し、他方の仮想円錐に符号602を付す。
噴射孔軸307a,307c,307eは、電磁式燃料噴射弁100の中心軸204(図6では不図示)上に頂点を有し、中心軸204を軸とする仮想円錐601の母線に沿っている。噴射孔軸307b,307d,307fは、仮想円錐601と頂点および軸を共有し、仮想円錐601の頂角よりも大きい頂角を有する仮想円錐602の母線に沿っている。このように、本実施の形態では、燃料噴射孔201の燃料噴射孔入口304の中心点302と燃料噴射孔出口305の中心点306を結んだ直線307は、2つの仮想円錐601,602の円錐面に沿っている。
−−−作用効果−−−
上述した本実施の形態の電磁式燃料噴射弁100では、次の作用効果を奏する。
(1) 燃料噴射孔入口304に丸面取り部1304を設けるとともに、燃料噴射孔201aの延在長さLと燃料噴射孔201aの直径Dとの関係が、L/D≦3となるように構成した。これにより、燃料噴射孔201の内部で生じる燃料の剥離を防止できるので、燃料噴射孔出口305の面積(燃料噴射孔201の断面積)が実質的に小さくなることを防ぎ、燃料の噴射速度の増加を防止できる。したがって、噴霧長さを効果的に抑制できるので、筒内噴射時の吸気弁や筒内壁面への燃料付着を抑制できる。
(2) 燃料噴射孔入口304における丸面取り部1304では、燃料の流れに関して上流側となる点414で表す部位の曲率半径が、燃料の流れに関して下流側となる点415で表す部位の曲率半径よりも大きくなるように構成した。これにより、燃料噴射孔201への燃料の流れ込み方に応じて、燃料噴射孔201の内壁面からの燃料の剥離を効果的に防止できる。したがって、筒内噴射時の吸気弁や筒内壁面への燃料付着を効果的に抑制できる。
(3) 挟角308を2等分する仮想平面413と丸面取り部1304とが交差する2カ所の部位を特定し、この2カ所の部位のうち、燃料の流れに関して上流側となる部位の曲率半径が、燃料の流れに関して下流側となる部位の曲率半径よりも大きくなるように構成した。これにより、丸面取り部1304における曲率半径を燃料の流れ込み方に対して適切に設定できるので、燃料噴射孔201の内部における燃料の剥離を確実に防止できる。したがって、筒内噴射時の吸気弁や筒内壁面への燃料付着を確実に抑制できる。
(4) 円錐面となるシート部材102の内側に燃料噴射孔入口304が設けられるように構成した。これにより、燃料噴射孔入口304へ向かう燃料の流れが円錐面に沿って整流されるため、丸面取り部1304の開口縁の場所毎の曲率半径の設定が容易となって、燃料噴射孔201への燃料の流れ込み方に応じて、燃料噴射孔201の内壁面からの燃料の剥離を効果的に防止できる。したがって、筒内噴射時の吸気弁や筒内壁面への燃料付着を効果的に抑制できる。
(5) 円錐面となるシート部材102の内側に弁座面203が設けられるように構成した。これにより、円錐面となるシート部材102の内側に燃料噴射孔入口304が設けられたことと相まって、燃料噴射孔入口304へ向かう燃料の流れが円錐面に沿って整流される。そのため、上述したように、燃料噴射孔201への燃料の流れ込み方に応じて、燃料噴射孔201の内壁面からの燃料の剥離を効果的に防止できる。したがって、筒内噴射時の吸気弁や筒内壁面への燃料付着を効果的に抑制できる。
(6) 各噴射孔軸307a〜307fが頂点および軸を共有して異なる頂角を有する2つの仮想円錐601,602のいずれかの母線に沿うように構成した。これにより、多様な噴霧形状を構成することが可能になり、内燃機関に燃料を噴射した時の噴霧のレイアウト性に優れる。
−−−第2の実施の形態−−−
図10を参照して、本発明による火花点火式筒内噴射弁の第2の実施の形態を説明する。以下の説明では、第1の実施の形態と同じ構成要素には同じ符号を付して相違点を主に説明する。特に説明しない点については、第1の実施の形態と同じである。図10は、第2の実施の形態の電磁式燃料噴射弁100の構成を示す断面図であり、図5(a)に相当する図である。
第2の実施の形態の電磁式燃料噴射弁100は、燃料噴射孔側面1001が燃料噴射孔入口304から燃料噴射孔出口305にかけて断面積が徐々に大きくなるように構成されている。第2の実施の形態における燃料噴射孔201の直径Dは、燃料噴射孔入口304の丸面取り部1007と燃料噴射孔側面1001との境界(燃料噴射孔201の断面積が最も少なくなる位置)における直径1010である。
第2の実施の形態の電磁式燃料噴射弁100では、弁座面203から丸面取り部1007に沿って剥離することなく流れ込んできた燃料1008が、燃料噴射孔201の内部で径方向に広がりながら流れた後に燃料噴射孔出口305から噴射される。そのため、径方向へ広がる燃料の速度成分を増加させて、噴射孔軸方向の速度成分を抑制できる。したがって、第1の実施の形態の電磁式燃料噴射弁100と比べて、噴霧長さをさらに短縮できるので、筒内噴射時の吸気弁や筒内壁面への燃料付着を効果的に抑制できる。
なお、以上説明した構成以外、第2の実施形態の燃料噴射弁の構成は第1の実施の形態の燃料噴射弁の構成と同様である。したがって、例えば、噴射孔201の入口開口縁には丸面取りが施され、上流側の点414a(図4参照)の曲率半径が下流側の点415a(図4参照)の曲率半径に比べて大きい。
−−−第3の実施の形態−−−
図11を参照して、本発明による火花点火式筒内噴射弁の第3の実施の形態を説明する。以下の説明では、第1の実施の形態と同じ構成要素には同じ符号を付して相違点を主に説明する。特に説明しない点については、第1の実施の形態と同じである。図11は、第3の実施の形態の電磁式燃料噴射弁100の構成を示す断面図であり、図5(a)に相当する図である。
第3の実施の形態の電磁式燃料噴射弁100では、燃料噴射孔入口304に丸面取り部1107が設けられ、燃料噴射孔出口305に丸面取り部1101が設けられている。そして、丸面取り部1107の下流側端部と丸面取り部1101の上流側端部とが一致している。第3の実施の形態における燃料噴射孔201の直径Dは、丸面取り部1107の下流側端部でもあり、丸面取り部1101の上流側端部でもある、丸面取り部1107と丸面取り部1101との境界(燃料噴射孔201の断面積が最も少なくなる位置)における直径1110である。
燃料噴射孔出口305の丸面取り部1101は、燃料噴射孔入口304の丸面取り部1107のように、燃料流に対する開口縁の位置ごとに曲率半径を適切に設定する必要はなく、一定の値でもよい。
第3の実施の形態の電磁式燃料噴射弁100では、第2の実施の形態の電磁式燃料噴射弁100と同様に、弁座面203から丸面取り部1107に沿って剥離することなく流れ込んできた燃料1108が、丸面取り部1108で径方向にさらに広がりながら流れた後に燃料噴射孔出口305から噴射される。そのため、径方向へ広がる燃料の速度成分を増加させて、噴射孔軸方向の速度成分を抑制できる。したがって、第1の実施の形態の電磁式燃料噴射弁100と比べて、噴霧長さをさらに短縮できるので、筒内噴射時の吸気弁や筒内壁面への燃料付着を効果的に抑制できる。
−−−第4の実施の形態−−−
図12を参照して、本発明による火花点火式筒内噴射弁の第4の実施の形態を説明する。以下の説明では、第1の実施の形態と同じ構成要素には同じ符号を付して相違点を主に説明する。特に説明しない点については、第1の実施の形態と同じである。図12は、第4の実施の形態の電磁式燃料噴射弁100の構成を示す断面図であり、図5(a)に相当する図である。
第4の実施の形態の電磁式燃料噴射弁100では、燃料噴射孔入口304から燃料噴射孔出口305にかけて燃料噴射孔側面1201の断面積が狭くなるように構成されている。第4の実施の形態における燃料噴射孔201の直径Dは、燃料噴射孔入口304の丸面取り部1207と燃料噴射孔側面1201との境界における直径1210である。第4の実施の形態の電磁式燃料噴射弁100では、弁座面203から丸面取り部1207に沿って剥離することなく流れ込んできた燃料1208が、燃料噴射孔側面1201で径方向に絞られながら流れた後に燃料噴射孔出口305から噴射される。
そのため、上述した第1〜第3の実施の形態と比較して、燃料噴射孔201の径方向へ広がる速度成分がやや抑制される。しかし、L/Dを3以下としたことで、燃料噴射孔201の内部に流入した燃料1208は、燃料噴射孔201の内部で整流されきることなく燃料噴射孔出口305から噴射される。そのため、燃料噴射孔出口305における燃料の速度成分のうち、燃料噴射孔201の径方向へ広がる速度成分が大きくなり、噴射孔軸方向の速度成分が小さくなる。したがって、燃料噴射孔出口305からの燃料の噴射速度が遅くなるので、燃料の噴霧長さが短くなり、筒内噴射時の吸気弁や筒内壁面への燃料付着を効果的に抑制できる。
また、第4の実施の形態の電磁式燃料噴射弁100では、電磁式燃料噴射弁100全体の流量を抑制できる。したがって、第4の実施の形態の電磁式燃料噴射弁100を排気量が小さな内燃機関へ容易に用いることができる。
−−−第5の実施の形態−−−
図13を参照して、本発明による火花点火式筒内噴射弁の第5の実施の形態を説明する。以下の説明では、第1の実施の形態と同じ構成要素には同じ符号を付して相違点を主に説明する。特に説明しない点については、第1の実施の形態と同じである。図13は、第5の実施の形態の電磁式燃料噴射弁100の構成を示す断面図であり、図5(a)に相当する図である。
第5の実施の形態の電磁式燃料噴射弁100では、燃料噴射孔201の断面形状が楕円形状である。第5の実施の形態における燃料噴射孔201の直径Dは、燃料噴射孔入口304の丸面取り部1307と燃料噴射孔側面1301との境界(燃料噴射孔201の断面積が最も少なくなる位置)における楕円13の断面積と等しい断面積となる円の直径1310である。なお、楕円13は符号13aを付した長径と、符号13bを付した短径とを有する。
第5の実施の形態の電磁式燃料噴射弁100では、弁座面203の上流(図示右上)から流入する燃料の流れに対して長径13aが略直交するように、楕円形状を呈する燃料噴射孔入口304の向きが定められている。すなわち、弁座面203の上流から流入する燃料の流れに対して、燃料噴射孔入口304が大きく開口しているので、燃料噴射孔入口304の形状が真円である場合と比べて、燃料噴射孔201の内部での燃料の剥離を効果的に抑制できる。さらに、燃料噴射孔入口304の丸面取り部1307を剥離することなく流れ込んできた燃料1308が燃料噴射孔201の内部で径方向に広がりながら流れた後に燃料噴射孔出口305から噴射される。そのため、径方向へ広がる燃料の速度成分を増加させて、噴射孔軸方向の速度成分を抑制できる。したがって、燃料噴射孔側面が燃料噴射孔入口から燃料噴射孔出口にかけて断面積が徐々に大きくなるように構成された第2の実施の形態の電磁式燃料噴射弁100と比較して、噴霧長さをさらに短縮できるので、筒内噴射時の吸気弁や筒内壁面への燃料付着を効果的に抑制できる。
なお、本実施の形態において、第1の実施の形態の電磁式燃料噴射弁100のように、燃料噴射孔201の径が一様であっても、上述した作用効果と同様の作用効果を奏する。また、本実施の形態において、第3の実施の形態の電磁式燃料噴射弁100のように、燃料噴射孔入口に丸面取り部が設けられ、燃料噴射孔出口に丸面取り部が設けられた場合であっても、上述した作用効果と同様の作用効果を奏する。また、本実施の形態において、第4の実施の形態の電磁式燃料噴射弁100のように、燃料噴射孔入口から燃料噴射孔出口にかけて燃料噴射孔側面の断面積が狭くなる場合であっても、上述した作用効果と同様の作用効果を奏する。
−−−第6の実施の形態−−−
図14を参照して、本発明による火花点火式筒内噴射弁の第6の実施の形態を説明する。以下の説明では、第1の実施の形態と同じ構成要素には同じ符号を付して相違点を主に説明する。特に説明しない点については、第1の実施の形態と同じである。図14は、第6の実施の形態の電磁式燃料噴射弁100の構成を示す断面図であり、図5(a)に相当する図である。
第6の実施の形態の電磁式燃料噴射弁100では、燃料噴射孔201の断面形状が略三角形状である。第6の実施の形態における燃料噴射孔201の直径Dは、燃料噴射孔入口304の丸面取り部1407と燃料噴射孔側面1401との境界(燃料噴射孔201の断面積が最も少なくなる位置)における三角形14の断面積と等しい断面積となる円の直径1410である。なお、三角形14は符号14aを付した辺を有する正三角形である。
第6の実施の形態の電磁式燃料噴射弁100では、弁座面203の上流(図示右上)から流入する燃料の流れに対して辺14aが略直交するように、三角形状を呈する燃料噴射孔入口304の向きが定められている。すなわち、弁座面203の上流から流入する燃料の流れに対して、燃料噴射孔入口304が大きく開口しているので、燃料噴射孔入口304の形状が真円である場合と比べて、燃料噴射孔201の内部での燃料の剥離を効果的に抑制できる。さらに、燃料噴射孔入口304の丸面取り部1407を剥離することなく流れ込んできた燃料1408が燃料噴射孔201の内部で径方向に広がりながら流れた後に燃料噴射孔出口305から噴射される。そのため、径方向へ広がる燃料の速度成分を増加させて、噴射孔軸方向の速度成分を抑制できる。したがって、燃料噴射孔側面が燃料噴射孔入口から燃料噴射孔出口にかけて断面積が徐々に大きくなるように構成された第2の実施の形態の電磁式燃料噴射弁100と比較して、噴霧長さをさらに短縮できるので、筒内噴射時の吸気弁や筒内壁面への燃料付着を効果的に抑制できる。
なお、本実施の形態において、第1の実施の形態の電磁式燃料噴射弁100のように、燃料噴射孔201の径が一様であっても、上述した作用効果と同様の作用効果を奏する。また、本実施の形態において、第3の実施の形態の電磁式燃料噴射弁100のように、燃料噴射孔入口に丸面取り部が設けられ、燃料噴射孔出口に丸面取り部が設けられた場合であっても、上述した作用効果と同様の作用効果を奏する。また、本実施の形態において、第4の実施の形態の電磁式燃料噴射弁100のように、燃料噴射孔入口から燃料噴射孔出口にかけて燃料噴射孔側面の断面積が狭くなる場合であっても、上述した作用効果と同様の作用効果を奏する。
−−−変形例−−−
(1) 電磁式燃料噴射弁100と内燃機関の筒内の上下面や側面との距離を勘案し、内燃機関内筒内の上下面や側面へ向かう燃料の噴霧長さが適切となるように、燃料噴射孔入口304の開口縁の円周方向の位置に応じて丸面取り部1304の曲率半径を適宜設定してもよい。このようにすることで、吸気弁や筒内壁面への燃料付着を抑制しつつ、筒内における混合気の混合状態が良好となる。
(2) 燃料噴射孔入口304の開口縁の円周方向に沿って徐々に変化するように面取り部1304の曲率半径を設定することが望ましい。しかし、少なくとも、燃料の流れに関する上流側と下流側とで面取り部1304の曲率半径に大小の差があればよく、開口縁の円周方向に沿って面取り部1304の曲率半径の変化が急激であったり不連続であったとしても、本発明の作用効果が損なわれるものではない。また、燃料噴射孔入口304の開口縁のうち、少なくとも燃料の流れに関する上流側に面取りを施せばよく、下流側に面取りを施すことが必須ではない。
(3) たとえば研磨材を分散させた液体を流通させることやブラスト処理などによって燃料噴射孔入口304の開口縁に丸面取り部1304を設けることができる。また、曲率半径を大きくしたくない部分にあらかじめ熱処理を施して硬度を上げることで耐摩耗性を向上させることにより、面取り加工の際に、熱処理を施していない部分との曲率半径の差が生じるようにしてもよい。
(4) 上述の説明では、燃料噴射孔入口304の中心点302と電磁式燃料噴射弁100の中心軸204との距離が燃料噴射孔201毎に異なるか否か、隣り合った燃料噴射孔201同士の間隔が等間隔であるか否かについて特に言及していない。しかし、燃料噴射孔入口304の中心点302と電磁式燃料噴射弁100の中心軸204との距離が燃料噴射孔201毎に異なるか否かによって上述した作用効果が損なわれることはない。また、隣り合った燃料噴射孔201同士の間隔が等間隔であるか否かによって上述した作用効果が損なわれることはない。
(5) 上述の説明では、シート部材102に設けられた燃料噴射孔201の数が6である場合を例として説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、シート部材102に設けられた燃料噴射孔201の数が6以外であっても上述した各実施の形態における作用効果と同様の作用効果を奏する。
(6) 上述の説明では、各噴射孔軸307a〜307fの向きについて、仮想円錐601,602が2つである場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、仮想円錐の数が3以上であってもよい。
(7) 上述した各実施の形態および変形例は、それぞれ組み合わせてもよい。
なお、本発明は、上述した実施の形態のものに何ら限定されず、各種の火花点火式筒内噴射弁に適用することができる。
100 電磁式燃料噴射弁 101 弁体
102 シート部材 201(201a〜201f) 燃料噴射孔
202 球面部 203 弁座面
204 弁体101の軸芯(電磁式燃料噴射弁100の中心軸)
304(304a〜304f) 燃料噴射孔入口
305(305a〜305f) 燃料噴射孔出口
1304(1304a〜1304f) 丸面取り部

Claims (4)

  1. 燃料の噴射孔が複数設けられた部材と、弁座に当接又は離間する弁体と、を少なくとも備える火花点火式筒内燃料噴射弁であって、
    前記噴射孔は、前記部材の内側に開口する噴射孔入口と、前記部材の外側に開口する噴射孔出口とを備え、
    前記噴射孔は、前記噴射孔入口と前記噴射孔出口の中心とを結ぶ噴射孔軸を含み前記弁体の軸芯と平行な第1の平面が、前記噴射孔入口の開口部の中心と前記弁体の軸芯とを含む第2の平面との間で非零の挟角をなすように、構成され、
    さらに複数の前記噴射孔は、前記挟角が互いに異なる噴射孔を含んで構成され、
    前記噴射孔入口の開口縁には丸面取り部が形成され、
    前記丸面取り部は、前記弁体の軸芯から遠い側の部位における曲率半径が、前記弁体の軸芯から近い側の部位における曲率半径よりも大きくなるように、構成され、
    前記噴射孔の入口開口に平行な断面積は、前記噴射孔入口から前記噴射孔出口に向かうに従って小さくなるよう構成され、
    前記噴射孔の断面は、長径および短径を有する楕円形状または3辺を有する三角形状であり、
    前記弁座の上流から前記噴射孔入口に流入する前記燃料の流れに対して、前記長径または前記3辺のうち1辺が略直交することを特徴とする火花点火式筒内燃料噴射弁。
  2. 請求項1に記載の火花点火式筒内燃料噴射弁において、
    前記噴射孔の延在長さ(L)は、前記噴射孔の孔径(D)の3倍以下であることを特徴とする火花点火式筒内燃料噴射弁。
  3. 請求項1に記載の火花点火式筒内燃料噴射弁において、
    前記噴射孔の断面の前記長径または前記1辺の長さは前記噴射孔入口から出口に向かうに従って、小さくなるように構成されることを特徴とする火花点火式筒内燃料噴射弁。
  4. 請求項1に記載の火花点火式筒内燃料噴射弁において、
    前記噴射孔は、前記噴射孔入口の開口縁に前記丸面取り部と、前記噴射孔出口の開口縁に第2丸面取り部を有し、
    前記丸面取り部の下流側終点から前記第2丸面取り部の上流側始点との間には、前記丸面取り部の下流側終点から前記第2丸面取り部の上流側始点に近づくにつれて前記断面積が徐々に小さくなる縮径部を有することを特徴とする火花点火式筒内燃料噴射弁。
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