JP7060263B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料噴射弁に関する。
従来、噴孔入口が長穴形状の噴孔を有する燃料噴射弁が知られている。
例えば、特許文献1の燃料噴射弁では、噴孔入口の長軸方向の両側から燃料を衝突させて噴孔から噴射することにより、噴射される燃料の液膜を噴孔入口の短軸方向に拡げ、液膜の薄膜化を図っている。これにより、燃料噴霧の微粒化の促進を図っている。
特許第5774108号公報
ところで、特許文献1の燃料噴射弁では、複数の噴孔および噴霧の配置等については何ら考慮されておらず、噴孔から噴射された燃料噴霧が、他の噴孔から噴射された燃料噴霧と干渉し、微粒化の阻害を招くとともに、噴霧の重なりによる噴霧の分散性を高めることができないおそれがある。
本発明の目的は、噴射される燃料噴霧の微粒化効果と分散性の高い燃料噴射弁を提供することにある。
本発明に係る燃料噴射弁は、バルブシート(20)と弁部材(50)と噴孔プレート(40)とを備えている。バルブシートは、環状の弁座(23)、弁座の内側に形成された穴部(24)、弁座の内側および穴部に形成された燃料通路(31)を有する。弁部材は、弁座に当接可能な当接部(53)を有し、当接部が弁座から離間、または、当接部が弁座に当接することで燃料通路を開閉する。噴孔プレートは、バルブシートの軸である弁軸(Axb1)方向から見たとき少なくとも一部が穴部の径方向外側に位置し燃料通路および穴部に連通する燃料室(32)をバルブシートとの間に形成し、燃料室と外部とを連通する少なくとも3つの噴孔(35)を有する。
噴孔は、噴孔プレートの燃料室側の面(421)に形成された噴孔入口(351)が、噴孔の中心軸である噴孔中心軸(Axhc1)方向から見たとき楕円形状となるよう、かつ、噴孔入口の短軸(AxS1)が、弁軸を全て含む仮想平面である第1仮想平面(VP1)上に位置しつつ、噴孔入口の長軸(AxL1)に直交するよう形成されている。そのため、噴孔入口の長軸方向の両側からの燃料流れにより、噴射される燃料の液膜を噴孔入口の短軸方向に押し拡げ、液膜を薄膜化することができる。これにより、燃料噴霧の微粒化を促進できる。
また、噴孔入口は、弁軸を中心とするピッチ円(Cp1)上に等間隔で配置されている。そのため、噴孔から噴射された燃料噴霧が、他の噴孔から噴射された燃料噴霧と干渉するのを抑制し、放射状に噴射される複数の燃料噴霧からなる噴霧群の中央の空間に周囲から空気を十分に取り込むことができる。その結果、噴霧群の中央の空間における負圧の発生を抑制し、燃料噴霧が縮流するのを抑制することができ、噴霧中央にも噴霧を均一に分布させることができる。これにより、燃料噴霧の分散性を確保でき、微粒化効果を十分に得ることができる。
本発明の一態様では、長軸の長さをLa、短軸の長さをLb、弁軸から噴孔入口までの距離と穴部の半径(Rh)との差である押し付け長さをLx、燃料室の弁軸方向の大きさである高さをH、噴孔入口の開口面の面積をS、燃料噴射弁に流入する前の燃料の圧力をP、燃料噴霧の微粒化に関する指標をIzとすると、バルブシートおよび噴孔プレートは、
Iz=(La・Lx・S・P^0.5)/(Lb・H)≧0.22
の関係を満たすよう形成されている。
また、本発明の別の態様では、ピッチ円の半径をRc、噴孔プレートに形成された噴孔の数をN、長軸の長さをLa、噴孔プレートの周方向において隣り合う噴孔入口間の距離である噴孔間距離をWとすると、噴孔プレートは、
W=2・π・Rc/N-La≧0.6
の関係を満たすよう形成されている。
第1実施形態による燃料噴射弁を示す断面図。 図1のII部の拡大図。 第1実施形態による燃料噴射弁の噴孔、および、その近傍を示す断面図。 第1実施形態による燃料噴射弁の噴孔、および、その近傍を示す模式図。 第1実施形態による燃料噴射弁の当接部、および、その近傍を示す断面図。 図2のVI-VI線断面図。 第1実施形態による燃料噴射弁の噴孔から所定距離離れた面における、噴孔から噴射された燃料噴霧の断面を示す図。 第1実施形態による燃料噴射弁を内燃機関に適用した状態を示す図。 第1比較形態による燃料噴射弁の噴孔プレートおよび噴孔を示す図。 第1比較形態による燃料噴射弁の噴孔から所定距離離れた面における、噴孔から噴射された燃料噴霧の断面を示す図。 第1比較形態による燃料噴射弁を内燃機関に適用した状態を示す図。 第1実施形態による燃料噴射弁から噴射される燃料噴霧の密度の測定方法について説明するための図。 第1実施形態による燃料噴射弁から噴射される燃料噴霧の密度の測定方法について説明するための図。 第1実施形態による燃料噴射弁の噴霧角について説明するための図。 第1実施形態による燃料噴射弁の噴霧角について説明するための図。 第1実施形態による燃料噴射弁から噴射される燃料噴霧の密度の測定方法について説明するための図。 第1実施形態による燃料噴射弁から噴射される燃料噴霧の密度の測定結果を示す図。 第1実施形態による燃料噴射弁から噴射される燃料噴霧の密度の測定方法について説明するための図。 第1実施形態による燃料噴射弁から噴射される燃料噴霧の密度の測定結果を示す図。 第2実施形態による燃料噴射弁から噴射される燃料噴霧の密度の測定結果を示す図。 (A)は第3実施形態による燃料噴射弁の噴孔から所定距離離れた面における、噴孔から噴射された燃料噴霧の断面を示す図、(B)は第4実施形態による燃料噴射弁の噴孔から所定距離離れた面における、噴孔から噴射された燃料噴霧の断面を示す図、(C)は第3実施形態による燃料噴射弁の噴孔入口を示す図、(D)は第4実施形態による燃料噴射弁の噴孔入口を示す図。 第5実施形態による燃料噴射弁の噴孔から所定距離離れた面における、噴孔から噴射された燃料噴霧の断面を示す図。 第5実施形態による燃料噴射弁の噴孔から噴射された燃料噴霧の濃度の勾配について説明するための図。 第5実施形態による燃料噴射弁の噴孔から噴射された燃料噴霧の濃度について説明するための図。 第6実施形態による燃料噴射弁の噴孔プレートおよび噴孔を示す図。 第6実施形態による燃料噴射弁の噴孔、および、その近傍を示す模式図。 第6実施形態による燃料噴射弁の噴孔、および、その近傍を示す図。 第6実施形態による燃料噴射弁の奏する効果を説明するための図。 第6実施形態による燃料噴射弁の噴孔の構成を変化させたときのシミュレーション結果を示す図。 第6実施形態による燃料噴射弁の噴孔の構成を変化させたときのシミュレーション結果を示す図。 第6実施形態による燃料噴射弁の噴孔の所定の構成における燃料噴霧の扁平率と噴孔入口の位置との関係を示す図。 第6実施形態による燃料噴射弁の噴孔の外壁角と噴孔入口の位置との関係において最適な範囲を示す図。 第7実施形態による燃料噴射弁の噴孔、および、その近傍を示す断面図。 図33のXXXIV-XXXIV線断面図。 第7実施形態による燃料噴射弁の燃料噴射時の噴孔出口における液膜の状態を示す図。 第2比較形態による燃料噴射弁の噴孔、および、その近傍を示す図。 第2比較形態による燃料噴射弁の燃料噴射時の噴孔出口における液膜の状態を示す図。 第8実施形態による燃料噴射弁の噴孔、および、その近傍を示す断面図。 図38のXXXIX-XXXIX線断面図。 第8実施形態による燃料噴射弁の燃料噴射時の噴孔出口における液膜の状態を示す図。 第9実施形態による燃料噴射弁の噴孔、および、その近傍を示す断面図。 図41のXLII-XLII線断面図。 第9実施形態による燃料噴射弁の燃料噴射時の噴孔出口における液膜の状態を示す図。 第10実施形態による燃料噴射弁の噴孔、および、その近傍を示す断面図。 図44を矢印XLV方向から見た図。 第11実施形態による燃料噴射弁の噴孔、および、その近傍を示す断面図。 図46のXLVII-XLVII線断面図。 燃料噴霧の微粒化に関する指標と燃料噴霧の粒子径との関係を示す図。 噴孔間距離と燃料噴霧の粒子径との関係を示す図。 第11実施形態による燃料噴射弁の噴孔、その近傍、および、燃料の流れを示す断面図。 図50のLI-LI線断面図。 第11実施形態による燃料噴射弁の噴孔、その近傍、および、燃料の流れを示す模式図。 図52のLIII-LIII線断面図。 図52のLIV-LIV線断面図。 第11実施形態による燃料噴射弁の燃料フィルタの一部を示す図。 第11実施形態による燃料噴射弁の弁座および弁部材の一部を示す模式図。 壁面噴孔間距離と燃料噴霧の粒子径との関係を示す図。 参考形態による燃料噴射弁の弁部材の端部、および、その近傍を示す断面図。 「流路高さ/ピッチ円の直径」と噴孔における乱流との関係を示す図。
以下、複数の実施形態による燃料噴射弁を図面に基づき説明する。なお、複数の実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。また、複数の実施形態において実質的に同一の構成部位は、同一または同様の作用効果を奏する。
(第1実施形態)
第1実施形態による燃料噴射弁を図1に示す。燃料噴射弁1は、筒状部材12、バルブシート20、噴孔プレート40、ニードル50、可動コア60、固定コア70、スプリング80およびコイル90等を備えている。
筒状部材12は、筒状に形成され、図1において下方のバルブシート20側から順に第1磁性部13、非磁性部14および第2磁性部15を有している。第1磁性部13および第2磁性部15は磁性材料から形成されている。非磁性部14は非磁性材料から形成されている。第1磁性部13と非磁性部14、および、非磁性部14と第2磁性部15は、例えばレーザ溶接等により結合される。非磁性部14は、第1磁性部13と第2磁性部15との間で磁束が短絡することを防ぐ。筒状部材12は、第2磁性部15側の一端部に燃料フィルタ18を収容している。
図2に示すように、バルブシート20は、環状の弁座23、弁座23の内側に形成された穴部24、弁座23の内側および穴部24に形成された燃料通路31を有する。
より具体的には、バルブシート20は、例えば金属により形成され、シート筒部21、シート底部22、凹部25を有している。シート筒部21は、略円筒状に形成されている。シート底部22は、シート筒部21の一端を塞ぐようシート筒部21と一体に形成されている。バルブシート20は、シート筒部21の外周壁が第1磁性部材13の非磁性部材14とは反対側の端部の内周壁に嵌合するよう第1磁性部材13に固定されている。
弁座23は、シート底部22のシート筒部21側の面に略円環状に形成されている。弁座23は、バルブシート20の軸である弁軸Axb1に沿ってシート筒部21のシート底部22とは反対側の端部側から、シート底部22側の端部側へ向かうに従い弁軸Axb1に近付くようテーパ状に形成されている。
穴部24は、弁座23の内側において、シート底部22を板厚方向に円形に貫くよう形成されている。
燃料通路31は、シート筒部21、弁座23、穴部24の内側に形成されている。
凹部25は、シート底部22のシート筒部21とは反対側の面からシート筒部21側へ円形に凹むよう形成されている。ここで、凹部25は、弁座23および穴部24と同軸に形成されている。穴部24は、凹部25の底面252の中央に開口している。
噴孔プレート40は、弁軸Axb1方向から見たとき少なくとも一部が穴部24の径方向外側に位置し燃料通路31および穴部24に連通する燃料室32をバルブシート20との間に形成し、燃料室32と外部とを連通する少なくとも3つの噴孔35を有する。
より具体的には、噴孔プレート40は、例えば金属により形成され、筒部41、板部42を有している。筒部41は、略円筒状に形成されている。板部42は、筒部41の一端を塞ぐよう筒部41と一体に略円板状に形成されている。噴孔プレート40は、筒部41の内周壁がシート筒部21の外周壁に嵌合し、板部42がシート底部22のシート筒部21とは反対側の面に当接するようバルブシート20に固定されている。
燃料室32は、凹部25と板部42との間に形成されている。すなわち、燃料室32は、噴孔プレート40の板部42の筒部41側の面421とバルブシート20の凹部25の内周面251および底面252とにより形成されている(図2、3参照)。燃料室32の内径、すなわち、内周面251の径は、穴部24の内径より大きい。
噴孔入口351は、板部42の面421において、穴部24の径方向外側、かつ、内周面251の径方向内側に形成されている。
噴孔35は、噴孔プレート40の板部42の凹部25の底面252に対向する位置に形成されている。すなわち、噴孔入口351は、板部42の面421において、穴部24の径方向外側、かつ、内周面251の径方向内側に形成されている(図3、6参照)。噴孔35は、板部42の周方向に等間隔で10個形成されている(図6参照)。
「弁部材」としてのニードル50は、弁座23に当接可能な当接部53を有し、当接部53が弁座23から離間、または、当接部53が弁座23に当接することで燃料通路31を開閉する。
より具体的には、ニードル50は、例えば金属により形成され、ニードル筒部51、ニードル底部52、燃料孔54を有している。ニードル筒部51は、略円筒状に形成されている。ニードル底部52は、ニードル筒部51の一端を塞ぐようニードル筒部51と一体に形成されている。
ニードル50は、第1磁性部13およびバルブシート20の内側にそれらと同軸に収容されている。ニードル50は、ニードル筒部51の外周壁がバルブシート20の内周壁に案内されて軸方向に往復移動可能である。
当接部53は、ニードル底部52のニードル筒部51とは反対側に略円環状に形成されている。当接部53は、弁座23に当接、すなわち、着座可能である。ニードル50は、当接部53が弁座23から離間しているとき、燃料通路31における燃料の流れを許容し、当接部53が弁座23に当接しているとき、燃料通路31における燃料の流れを遮断する。
燃料孔54は、ニードル筒部51の内側と外側とを連通するようニードル底部52の近傍に形成されている。これにより、ニードル筒部51の内側の燃料は、燃料孔54を経由してシート筒部21の内側の燃料通路31、燃料室32、噴孔35に流通可能である。
可動コア60は、磁性材料から筒状に形成され、ニードル50のニードル筒部51のニードル底部52とは反対側の端部に固定されている。可動コア60は、ニードル50と一体となり往復移動可能である。
固定コア70は、磁性材料から筒状に形成され、非磁性部14および第2磁性部15の内周壁に固定されている。固定コア70は、可動コア60のニードル50とは反対側において可動コア60と対向するよう設けられている。
スプリング80は、一端が可動コア60に係止され、他端がアジャスティングパイプ81に係止されている。アジャスティングパイプ81は、固定コア70の内周壁に圧入されている。アジャスティングパイプ81の固定コア70への圧入量を調整することによりスプリング80の付勢力が調整される。スプリング80は、弾性変形により生じる復元力を可動コア60に印加する。これにより、スプリング80は、ニードル50を弁座23に着座する方向に付勢する。
コイル90の巻回されるスプール91は、筒状部材12の外周壁に固定されている。コイル90の外側には、磁性材料から形成され、互いに磁気的に接続する磁性部材94、95が設けられている。磁性部材94は第1磁性部13と磁気的に接続している。磁性部材95は第2磁性部15と磁気的に接続している。ハウジング75は、筒状部材12および磁性部材94、95の外周側を覆っている。可動コア60、第1磁性部13、磁性部材94、95、第2磁性部15および固定コア70は磁気回路を構成する。
ハウジング75は、コネクタ部76を有している。コネクタ部76の間口に設けられたターミナル92は、コイル90と電気的に接続している。コイル90には、ターミナル92を通じて駆動電流が供給される。
筒状部材12の一端部から流入した加圧燃料は、固定コア70内の燃料通路、可動コア60内の燃料通路、ニードル50内の燃料通路、および燃料孔54を経由し、バルブシート20内の燃料通路31に到達する。燃料通路31に到達した燃料は、当接部53が弁座23から離座したとき、当接部53と弁座23との間に形成される隙間を抜けて、噴孔35から噴射されて燃料噴霧が形成される。
燃料噴射弁1において、コイル90への通電をオフするとき、可動コア60と固定コア70との間に磁気吸引力は発生しない。このとき、ニードル50は、スプリング80の復元力により弁座23の方向へ移動する。当接部53が弁座23に着座すると燃料通路31が閉じられ、噴孔35からの燃料噴射が停止する。
コイル90への通電をオンするとき、可動コア60、第1磁性部13、磁性部材94、95、第2磁性部15および固定コア70からなる磁気回路に磁束が流れ、固定コア70と可動コア60との間に磁気吸引力が発生する。これにより可動コア60が固定コア70側へ吸引され、ニードル50が可動コア60と共にスプリング80の復元力に抗し、固定コア70の方向へ移動する。当接部53が弁座23から離座すると、燃料通路31が開かれ、噴孔35から燃料が噴射される。この後、コイル90への通電をオフすると、磁気回路を流れる磁束が消失し、固定コア70と可動コア60との間の磁気吸引力も消失し、当接部53が弁座23に着座する。以上により、一回の燃料噴射作動が終了する。ニードル50は、燃料通路31を開閉することで燃料の噴射、停止を制御する。
次に、ニードル50の当接部53の近傍の構成について詳細に説明する。
図5に示すように、ニードル50のニードル底部52は、第1上流部521、第2上流部522、シート部523、第1下流部524、第2下流部525を有している。
第1上流部521は、外周壁が略円筒状となるよう形成されている。すなわち、第1上流部521の外周壁は、ニードル50のニードル筒部51の軸Axn1に対し平行である。
第2上流部522は、第1上流部521の下流側に形成されている。第2上流部522は、ニードル50の軸Axn1方向において第1上流部521側から噴孔プレート40側へ向かうに従い、外周壁がニードル50の軸Axn1に近付くようテーパ状に形成されている。ここで、ニードル50の軸Axn1を全て含む仮想平面による断面において、第2上流部522の外周壁は、直線状となるよう形成されている。なお、ニードル50の軸Axn1を全て含む仮想平面による断面において、第2上流部522の外周壁は、曲線状となるよう形成されていてもよい。
シート部523は、第2上流部522の下流側に形成されている。シート部523は、ニードル50の軸Axn1方向において第2上流部522側から噴孔プレート40側へ向かうに従い、外周壁がニードル50の軸Axn1に近付くよう曲面状に形成されている。ここで、ニードル50の軸Axn1を全て含む仮想平面による断面において、シート部523の外周壁は、ニードル50の軸Axn1上に無い点Pc1を中心とする円の一部に沿うよう形成されている。すなわち、シート部523の外周壁は、R形状に形成されている。
第1下流部524は、シート部523の下流側に形成されている。第1下流部524は、ニードル50の軸Axn1方向においてシート部523側から噴孔プレート40側へ向かうに従い、外周壁がニードル50の軸Axn1に近付くよう曲面状に形成されている。ここで、ニードル50の軸Axn1を全て含む仮想平面による断面において、第1下流部524の外周壁は、ニードル50の軸Axn1上の点Pc2を中心とする円の一部に沿うよう形成されている。すなわち、第1下流部524の外周壁は、SR形状に形成されている。
第2下流部525は、第1下流部524の下流側に形成されている。第2下流部525は、ニードル50の軸Axn1方向において第1下流部524側から噴孔プレート40側へ向かうに従い、外周壁がニードル50の軸Axn1に近付くよう曲面状に形成されている。ここで、ニードル50の軸Axn1を全て含む仮想平面による断面において、第2下流部525の外周壁は、ニードル50の軸Axn1上に無い点Pc3を中心とする円の一部に沿うよう形成されている。すなわち、第2下流部525の外周壁は、R形状に形成されている。
図示しない先端部は、第2下流部525の下流側に形成されている。先端部は、ニードル50の軸Axn1方向において第2下流部525側から噴孔プレート40側へ向かうに従い、外周壁がニードル50の軸Axn1に近付くよう形成されている。
当接部53は、シート部523の外周壁に環状に形成されている。ニードル50の軸Axn1を全て含む仮想平面による断面において、弁座23は、直線状となるよう形成されている。本実施形態では、シート部523の外周壁は、R形状に形成されているため、当接部53が弁座23に当接するときの面圧を低減し、ニードル50および弁座23の摩耗を抑制できる。また、シート部523の外周壁のR(曲率半径)の中心(点Pc1)を弁軸Axb1に対し弁座23側に設定しRを小さくすることで、油密性を確保できる。
ところで、耐デポ性向上のためには、シート部523の下流の流路面積を拡大する必要があるが、仮に第1下流部524の外周壁のRがシート部523の外周壁のRと同じ場合、流路面積が拡大し過ぎるおそれがある。そこで、本実施形態では、シート部523に対し下流側の第1下流部524の外周壁のRの中心(点Pc2)を弁軸Axb1上に設定することでRをシート部523の外周壁のRよりも大きく設定している。これにより、シート部523の下流における流路面積の変化を小さくできるため、燃料の横流れを強くでき、燃料噴霧の微粒化を促進できる。また、ニードル50に対し噴孔35側の空間のデッドボリュームを低減できる。さらに、ニードル50の座り(着座)の安定性を向上できる。また、第1下流部524と弁座23との間に油膜を形成することにより衝撃を緩和し、ニードル50および弁座23の摩耗を抑制できる。
本実施形態では、第1下流部524に対し下流側の第2下流部525の外周壁のRの中心(点Pc3)を弁軸Axb1に対し弁座23側に設定することでRを第1下流部524の外周壁のRよりも小さく設定している。これにより、第2下流部525の外周壁と先端部の外周壁とを滑らかに接続でき、燃料流れの淀みを抑制できる。
本実施形態では、ニードル50の軸Axn1を全て含む仮想平面による断面において、第2上流部522の外周壁の成す角は、約60度に設定されている。これにより、第1上流部521との境界における燃料流れの淀みを抑制し、耐デポ性を向上できる。なお、ニードル50の軸Axn1を全て含む仮想平面による断面において、弁座23の成す角は、約120度に設定されている。
次に、噴孔プレート40に形成される噴孔35について詳細に説明する。
図3に示すように、噴孔35は、噴孔入口351、噴孔出口352、噴孔内壁350を有している。なお、図3では、ニードル50の当接部53が弁座23から離間した状態、すなわち、開弁状態を示している。
噴孔入口351は、噴孔プレート40の板部42の燃料室32側の面421に形成されている。噴孔出口352は、板部42の燃料室32とは反対側の面422に形成されている。噴孔内壁350は、噴孔入口351と噴孔出口352とを接続するよう形成されている。なお、弁軸Axb1および噴孔中心軸Axhc1を全て含む仮想平面による断面において、2つの噴孔内壁350のうち弁軸Axb1に近い方の噴孔内壁350を便宜上「噴孔内壁355」とよび、弁軸Axb1から遠い方の噴孔内壁350を便宜上「噴孔外壁356」とよぶ。
<1>
噴孔入口351は、噴孔入口351の面421における開口面である入口開口面の中心と、噴孔出口352の面422における開口面である出口開口面の中心とを結ぶ噴孔中心軸Axhc1方向から見たとき、楕円形状となるよう形成されている。
噴孔35は、噴孔入口351の短軸AxS1が、弁軸Axb1を全て含む仮想平面である第1仮想平面VP1上に位置しつつ、噴孔入口351の長軸AxL1に直交するよう形成されている(図3、6参照)。
図6に示すように、噴孔35は、噴孔プレート40の周方向に等間隔で10個形成されている。より具体的には、噴孔入口351は、中心が、弁軸Axb1を中心とするピッチ円Cp1上に等間隔で配置されている。
また、噴孔35は、入口開口面の面積が出口開口面の面積より小さくなるよう噴孔内壁350がテーパ状に形成されている。
図4に示すように、弁軸Axb1および噴孔中心軸Axhc1を全て含む仮想平面による断面において、2つの噴孔内壁350のうち弁軸Axb1に近い方の噴孔内壁350である噴孔内壁355と弁軸Axb1との成す角θ1を「噴孔内壁角」と定義する。また、2つの噴孔内壁350のうち弁軸Axb1から遠い方の噴孔内壁350である噴孔外壁356と弁軸Axb1との成す角θ3を「噴孔外壁角」と定義する。また、2つの噴孔内壁350、つまり、噴孔内壁355と噴孔外壁356との成す角θ2を「噴孔テーパ角」と定義する。ここで、噴孔中心軸Axhc1と弁軸Axb1との成す角である中心角θ4は、θ1+θ2/2で表すことができる。
<1>(効果)
噴孔35は、噴孔プレート40の燃料室32側の面421に形成された噴孔入口351が、噴孔35の中心軸である噴孔中心軸Axhc1方向から見たとき楕円形状となるようかつ、噴孔入口351の短軸AxS1が、弁軸Axb1を全て含む仮想平面である第1仮想平面VP1上に位置しつつ、噴孔入口351の長軸AxL1に直交するよう形成されている。そのため、噴孔入口351の長軸AxL1方向の両側からの燃料流れにより、噴射される燃料の液膜を噴孔入口351の短軸AxS1方向に押し拡げ、液膜を薄膜化することができる。これにより、燃料噴霧Fo1の微粒化を促進できる。
また、噴孔入口351は、弁軸Axb1を中心とするピッチ円Cp1上に等間隔で配置されている。そのため、図7に示すように、本実施形態では、上記構成の噴孔35から噴射された燃料噴霧Fo1が、他の噴孔35から噴射された燃料噴霧Fo1と干渉するのを抑制し、放射状に噴射される複数の燃料噴霧Fo1からなる噴霧群Fo10の中央の空間S1に周囲から空気を十分に取り込むことができる。その結果、噴霧群Fo10の中央の空間S1における負圧の発生を抑制し、燃料噴霧Fo1が縮流するのを抑制することができ、噴霧中央にも噴霧を均一に分布させることができる。これにより、燃料噴霧Fo1の分散性を確保でき、微粒化効果を十分に得ることができる。
より詳細には、本実施形態では、上記構成の噴孔35から噴射された燃料噴霧Fo1が弁軸Axb1の周方向へ拡がるのを抑制し、燃料噴霧Fo1の干渉を回避することで、燃料噴霧Fo1間の領域から噴霧群Fo10の中心への空気流入を促進できるため、燃料噴霧Fo1の縮流を抑制できる。
また、燃料噴霧Fo1が径方向へ放射状に拡がるため、より広い領域に均一に燃料噴霧Fo1を分布させることができ、混合気濃度の早期均一化に有効である。
図8に示すように、本実施形態では、燃料噴射弁1は、エンジン2の1つの燃焼室3に対し2つ設けられる。より具体的には、燃料噴射弁1は、2つに分岐する吸気ポート4の端部のそれぞれに設けられた吸気弁5の周りに噴霧群Fo10が噴射されるよう吸気ポート4に設けられる。
上記構成の本実施形態では、吸気ポート4の内壁にウェットが形成されるのを抑制できる。また、均一な混合気を形成できる。
近年、燃料噴射弁に求められる要件として、要件1「吸気弁5との搭載距離が近いこと」、要件2「吸気弁5の開弁時に噴射されること」があるため、燃料噴霧の分散性が高く、早期に均一な混合気を形成する必要がある。本実施形態では、燃料噴霧の分散性が高く、上記要件1、2に対し特に優位である。
図9に第1比較形態の噴孔プレート40を示す。第1比較形態では、噴孔35は、噴孔プレート40の半分の領域に3つずつ計6つ形成されている。3つの噴孔35は噴孔プレート40の周方向に等間隔で配置されているものの、6つの噴孔35は噴孔プレート40の周方向に等間隔で配置されていない。
図10に示すように、第1比較形態の噴孔35から噴射された燃料噴霧Fo2は、噴霧群Fo21および噴霧群Fo22を形成する。第1比較形態では、噴霧群Fo21、噴霧群Fo22において、複数の燃料噴霧Fo2が干渉し、噴霧の集中がおきるおそれがある。
図11に示すように、第1比較形態では、燃料噴射弁9は、エンジン2の1つの燃焼室3に対し1つ設けられる。より具体的には、燃料噴射弁9は、2つに分岐する吸気ポート4の端部のそれぞれに設けられた吸気弁5の周りに噴霧群Fo21、噴霧群Fo22が噴射されるよう吸気ポート4に設けられる。
上記構成の第1比較形態では、燃料噴霧Fo2が縮流するおそれがあるため、吸気ポート4の内壁にウェットが形成されるおそれがある。また、均一な混合気を形成するのは困難である。
次に、本実施形態の噴孔35から噴射される燃料噴霧の密度等について詳細に説明する。
まず、噴孔35から噴射される燃料噴霧の密度の測定方法について説明する。
図12に示すように、燃料噴射弁1の下方の所定の位置において四方からシート状のレーザ光Ls1が照射されるよう4つのレーザ照射装置101を配置する。燃料噴射弁1の下方の弁軸Axb1上にカメラ102を配置し、レーザ照射装置101でレーザ光Ls1を照射しながら燃料噴射弁1から燃料を噴射し、レーザ光Ls1を通過する燃料噴霧Fo1の像をカメラ102で撮影する。撮影した燃料噴霧Fo1の像に基づき、燃料噴霧Fo1の密度を測定する。
燃料噴霧Fo1の密度の測定の条件は、以下の通りである。
燃料:ヘプタン
燃圧:300kPa
パルス幅:6ms
周期:200ms
測定位置(レーザ光位置):燃料噴射弁1の噴孔35から下方50mm
ゲイン:455
露光:500μs
ディレイ:0~10ms、0.25ms刻みで撮影し、輝度が最大となるディレイ
その他:50枚の写真を積算
次に、複数の燃料噴霧Fo1により形成される噴霧群Fo10の外縁の成す角である噴角の測定方法ついて説明する。
図13に示すように、燃料噴射弁1の下方の所定の位置に燃料回収装置103を配置する。燃料回収装置103には、互いに平行に延びる複数のスリット104が形成されている。燃料噴射弁1から燃料回収装置103に向けて燃料を噴射し、燃料回収装置103の各スリット104に回収された燃料(燃料噴霧)の量を測定することにより、燃料噴射弁1から噴射される噴霧群の外縁の成す角である噴霧角を測定(定義)する。
噴霧角の測定の条件は、以下の通りである。
燃料:ドライソルベント
燃圧:300kPa
パルス幅:4.2ms
測定位置:燃料噴射弁1の噴孔35から下方100mm
測定装置:空間分布測定器(受け止め法)
その他:回収した燃料の90%で判定
上記測定により、燃料噴射弁1の噴霧角δ(図14参照)を測定する。図15に示すように、燃料回収装置103により回収した燃料噴霧の90%の範囲に対応する角度を噴霧角δとする。
<2>
図16に示すように、噴孔35から弁軸Axb1方向に所定距離Dp1離れた仮想平面である第2仮想平面VP2において、複数の噴孔35から噴射された複数の燃料噴霧Fo1が形成する噴霧群Fo10の外縁部を通る仮想円である外縁仮想円VCo1の半径の1/2の半径をもつ仮想円である1/2仮想円VC12と複数の噴孔35のうち一の噴孔35の噴孔入口351の短軸AxS1を弁軸Axb1方向に投影した直線との交点を第1点P1とする。ここで、所定距離Dp1は50mmであり、第2仮想平面VP2上に上記レーザ光Ls1が位置する。
また、複数の噴孔35のうち一の噴孔35に隣り合う噴孔35である他の噴孔35の噴孔入口351の短軸AxS1を弁軸Axb1方向に投影した直線と1/2仮想円VC12との交点を第2点P2とする。
また、1/2仮想円VC12上の第1点P1と第2点P2との中間に位置する点を第3点P3とすると、噴孔35は、第3点P3における燃料噴霧Fo1の密度が、第1点P1における燃料噴霧Fo1の密度、および、第2点P2における燃料噴霧Fo1の密度よりも小さくなるよう形成されている(図17参照)。
<2>(効果)
上記構成により、複数の燃料噴霧Fo1からなる噴霧群Fo10の中央の空間S1に周囲から空気を十分に取り込むことができる。その結果、噴霧群Fo10の中央の空間S1における負圧の発生を抑制し、燃料噴霧Fo1が縮流するのを抑制することができる。
<3>
図18に示すように、第2仮想平面VP2において、外縁仮想円VCo1の半径の1/4の半径をもつ仮想円である1/4仮想円VC14と一の噴孔35の噴孔入口351の短軸AxS1を弁軸Axb1方向に投影した直線との交点を第4点P4とする。
また、外縁仮想円VCo1の半径の3/4の半径をもつ仮想円である3/4仮想円VC34と一の噴孔35の噴孔入口351の短軸AxS1を弁軸Axb1方向に投影した直線との交点を第5点P5とすると、噴孔35は、第4点P4における燃料噴霧Fo1の密度、および、第5点P5における燃料噴霧Fo1の密度が、第1点P1における燃料噴霧Fo1の密度よりも小さくなるよう形成されている(図19参照)。
<3>(効果)
上記構成により、噴霧群Fo10の半径方向における中央(第1点P1)の燃料噴霧Fo1の密度を高めることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態による燃料噴射弁について説明する。
<4>
図20に示すように、本実施形態では、噴孔35は、第5点P5における燃料噴霧Fo1の密度が、第4点P4における燃料噴霧Fo1の密度よりも大きくなるよう形成されている。なお、第1点P1における燃料噴霧Fo1の密度は、第5点P5における燃料噴霧Fo1の密度より大きい。
<4>(効果)
上記構成により、第1実施形態と同様、噴霧群Fo10の半径方向における中央(第1点P1)の燃料噴霧Fo1の密度を高めることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態による燃料噴射弁について説明する。第3実施形態は、噴孔35の数等が第1実施形態と異なる。
第3実施形態では、噴孔35は、噴孔プレート40の周方向に等間隔で4つ形成されている。そのため、図21の(A)に示すように、燃料噴射弁1からは、4つの燃料噴霧Fo1が噴射される。
ここで、本実施形態の燃料室32の噴孔入口351における弁軸Axb1方向の大きさ、すなわち、噴孔プレート40の板部42の面421とバルブシート20の凹部25の底面252との距離は、第1実施形態と比べ、大きい。
また、本実施形態の燃料室32の内径、すなわち、凹部25の内周面251の径は、第1実施形態と比べ、大きい。
また、図21の(C)に示すように、本実施形態の噴孔入口351の長軸AxL1の長さLaと短軸AxS1の長さLbとの比であるLa/Lbは、第1実施形態と比べ、小さい。
また、噴孔プレート40の板部42の板厚は、第1実施形態と比べ、大きい。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態による燃料噴射弁について説明する。第4実施形態は、噴孔35の数等が第1実施形態と異なる。
第4実施形態では、噴孔35は、噴孔プレート40の周方向に等間隔で12個形成されている。そのため、図21の(B)に示すように、燃料噴射弁1からは、12個の燃料噴霧Fo1が噴射される。
ここで、本実施形態の燃料室32の噴孔入口351における弁軸Axb1方向の大きさ、すなわち、噴孔プレート40の板部42の面421とバルブシート20の凹部25の底面252との距離は、第1実施形態と比べ、小さい。
また、本実施形態の燃料室32の内径、すなわち、凹部25の内周面251の径は、第1実施形態と比べ、小さい。
また、図21の(D)に示すように、本実施形態の噴孔入口351の長軸AxL1の長さLaと短軸AxS1の長さLbとの比であるLa/Lbは、第1実施形態と比べ、大きい。
また、噴孔プレート40の板部42の板厚は、第1実施形態と比べ、小さい。
<5>
以上説明したように、燃料室32は、噴孔プレート40に形成される噴孔35の数が多い程、弁軸Axb1方向の大きさが小さくなるよう形成されている。
<6>
また、燃料室32は、噴孔プレート40に形成される噴孔35の数が多い程、内径が小さくなるよう円筒状に形成されている。
<7>
また、噴孔35は、噴孔プレート40に形成される噴孔35の数が多い程、長軸AxL1の長さLaと短軸AxS1の長さLbとの比であるLa/Lbが大きくなるよう形成されている。
<8>
また、噴孔プレート40は、噴孔プレート40に形成される噴孔35の数が多い程、板厚が小さくなるよう形成されている。
(効果)
上述のように、噴孔プレート40に形成される噴孔35の数に応じて、燃料室32の弁軸Axb1方向の大きさ、燃料室32の内径、長軸AxL1の長さLaと短軸AxS1の長さLbとの比であるLa/Lb、噴孔プレート40の板厚の大きさを設定することにより、複数の燃料噴霧Fo1からなる噴霧群Fo10の中央の空間S1に周囲から空気を十分に取り込むことができる。その結果、噴霧群Fo10の中央の空間S1における負圧の発生を抑制し、燃料噴霧Fo1が縮流するのを抑制することができる。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態による燃料噴射弁について説明する。
第5実施形態では、噴孔35は、噴孔プレート40の周方向に等間隔で8つ形成されている。そのため、図22に示すように、燃料噴射弁1からは、8つの燃料噴霧Fo1が噴射される。
図22に示すように、第2仮想平面VP2において、弁軸Axb1と燃料噴霧Fo1の中心とを通る線をx軸とし、弁軸Axb1を通りx軸に直交する線をy軸とする。
本実施形態では、噴孔35は、噴孔35から噴射された燃料噴霧Fo1が、噴孔35から離れるに従い燃料噴霧Fo1の濃度が一様に勾配をもって変化するよう、噴孔中心軸Axhc1の径方向へ拡がりながら噴孔中心軸Axhc1方向に噴射されるよう形成されている(図23参照)。
ここで、燃料噴霧Fo1が噴霧の中央から放射状(錘状)に形成されている燃料噴霧Fo1において、噴霧の濃度が一様に勾配をもっている場合(図23参照)、噴霧濃度の傾きをaとすると、ある燃料噴霧Fo1上の中心からの位置rにおける微小空間Δxの濃度は、arΔxとなる。一方、位置rにおける円周長さは2rπであるから、ある位置rの微小円周面積2rπΔxに対する濃度である周面積に対する噴霧濃度は、arΔx/2rπΔx=a/2π(定数)、一定となる(図24参照)。
(効果)
したがって、放射状(錘状)に拡がる燃料噴霧Fo1の周面積に対する噴霧濃度は濃度ピークまで均一になり、均一な燃料噴霧Fo1の形成が可能になる。これにより、均一な混合気を形成できる。
(第6実施形態)
次に、第6実施形態による燃料噴射弁の一部を図25~27に示す。。第6実施形態は、噴孔35の数等が第1実施形態と異なる。
本実施形態では、噴孔35は、噴孔プレート40の周方向に等間隔で4つ形成されている(図25参照)。
(<9>)
本実施形態では、燃料室32の外縁を形成する壁面である「燃料室壁面」としての凹部25の内周面251に接する接線LC1と噴孔入口351の長軸AxL1とは平行である。ここで、接線LC1は、弁軸Axb1および噴孔入口351の短軸AxS1を通る直線と内周面251との交点における内周面251の接線である。
図26に示すように、噴孔35は、噴孔プレート40の燃料室32とは反対側の面422に形成された噴孔出口352を有している。
噴孔35は、噴孔入口351の開口面である入口開口面の中心と噴孔出口352の開口面である出口開口面の中心とを結ぶ噴孔中心軸Axhc1が弁軸Axb1に対し傾斜し、かつ、入口開口面の面積が出口開口面の面積より小さくなるよう形成されている。すなわち、噴孔内壁350は、噴孔入口351側から噴孔出口352側へ向かうに従い噴孔中心軸Axhc1から離れるようテーパ状に形成されている。
ここで、噴孔入口351と内周面251との距離をD、噴孔入口351の短軸AxS1の長さをLb、第1仮想平面VP1による断面における噴孔35の噴孔内壁350のうち弁軸Axb1から遠い方の噴孔内壁350と弁軸Axb1との成す角である「噴孔外壁角」をθ3とすると、噴孔35は、-0.005×θ3+0.3≦D/Lb≦-0.025×θ3+1.2の関係を満たすよう形成されている。
上記構成により、内周面251に沿って流れて衝突した燃料は、燃料室32の径方向内側へ向かって流れ、噴孔35に流入する(図27参照)。
図28の(A)に、D/Lb>-0.025×θ3+1.2の場合、つまり、噴孔入口351と内周面251との距離Dが大きい場合の噴孔出口352における燃料の液膜の状態を示す。図28の(B)に、-0.005×θ3+0.3≦D/Lb≦-0.025×θ3+1.2の場合(本実施形態の構成)の噴孔出口352における燃料の液膜の状態を示す。
(効果)
図28の(A)、(B)に示すように、本実施形態では、噴孔入口351と内周面251との距離Dが大きい場合(D/Lb>-0.025×θ3+1.2)と比べ、噴孔出口352における燃料の液膜が短軸方向に延びていることがわかる。よって、本実施形態では、噴孔出口352における燃料の液膜の短軸方向の偏りを改善することができる。
次に、噴孔35を、-0.005×θ3+0.3≦D/Lb≦-0.025×θ3+1.2の関係を満たすよう形成することの根拠について説明する。
図29は、D/Lbを変化させたときの燃料の液膜と燃料噴霧の状態のシミュレーション結果を示す図である。図30は、噴孔外壁角θ3を変化させたときの燃料の液膜と燃料噴霧の状態のシミュレーション結果を示す図である。
図29に示すように、D/Lbが大きくなる程、燃料の液膜が噴孔外壁356から剥がれることがわかる(図29の「噴孔断面液膜状態」の欄参照)。
また、D/Lbが小さくなる程、噴孔出口352における燃料の液膜の短軸方向の偏りが小さくなることがわかる(図29の「噴孔出口液膜状態」の欄参照)。
また、D/Lbが小さくなる程、燃料噴霧の短軸方向の偏りが小さくなることがわかる。さらに、D/Lbが小さくなる程、燃料噴霧が短軸方向に短く、太くなることがわかる(図29の「噴霧形状」の欄参照)。
液膜および燃料噴霧の状態が上記のようになるのは、噴孔入口351と内周面251とを近付けると、内周面251から回り込む燃料の流れが抑制されて短軸方向へ燃料噴霧が成長するが、噴孔入口351と内周面251とを近付け過ぎると、回り込む燃料の流れが抑制され過ぎて液膜が噴孔外壁356を沿うため、燃料噴霧の短軸方向の成長が阻害されるためであると考えられる。
図30に示すように、噴孔外壁角θ3が大きくなる程、燃料の液膜が噴孔外壁356から剥がれることがわかる(図30の「噴孔断面液膜状態」の欄参照)。
また、噴孔外壁角θ3が小さくなる程、噴孔出口352における燃料の液膜が燃料室32の径方向外側に偏ることがわかる(図30の「噴孔出口液膜状態」の欄参照)。
また、噴孔外壁角θ3が小さくなる程、燃料噴霧が短軸方向に短く、太くなることがわかる(図30の「噴霧形状」の欄参照)。
上述したように、噴孔外壁角θ3が大きくなる程、液膜が噴孔外壁356を沿い難くなり、噴孔外壁356から剥がれ易くなるため、燃料噴霧の短軸方向の成長を効果的に促すことができる。
図31に、噴孔外壁角θ3が20°、24°、28°の場合の、噴孔35下方0.3mmにおける燃料噴霧の扁平率と、D/Lbとの関係を示す。ここで、燃料噴霧の扁平率とは、楕円形状の燃料噴霧の長軸の長さと短軸の長さとの比を意味する。
図31に示すように、噴孔外壁角θ3が大きくなる程、燃料噴霧の扁平率がグラフの左上(扁平率:大、D/Lb:小)にシフトすることがわかる。
噴孔外壁角θ3が大きくなる程、液膜が噴孔外壁356に沿い難くなるため、内周面251から回り込む燃料の流れの抑制下限域が増大する。
図32に、噴孔外壁角θ3とD/Lbとの関係について下限と上限を示す。図32に示す下限と上限との間の領域が、燃料噴霧の成長に最適な領域である。この領域を式で表すと、以下の式1の通りとなる。
-0.005×θ3+0.3≦D/Lb≦-0.025×θ3+1.2 ・・・式1
上記結果を根拠として、本実施形態では、噴孔35を、-0.005×θ3+0.3≦D/Lb≦-0.025×θ3+1.2の関係を満たすよう形成している。そのため、本実施形態では、燃料噴霧の成長を促進し、微粒化を促進できる。
(第7実施形態)
次に、第7実施形態による燃料噴射弁の一部を図33、34に示す。
本実施形態では、噴孔35は、噴孔プレート40の周方向に等間隔で4つ形成されている。
(<10>)
本実施形態では、燃料室32は、弁軸Axb1を中心とする円形の第1燃料室321、および、第1燃料室321から径方向外側へ突出するよう形成された第2燃料室322を有している(図33、34参照)。
第2燃料室322は、第2燃料室322の外縁を形成する壁面である「第2燃料室壁面」としての壁面253が、噴孔入口351の中心と弁軸Axb1との間の点Pc4を中心とする扇形FSの一部(円弧)に沿うよう形成されている(図34参照)。
第2燃料室322は、第2燃料室322の外縁以外の部位を形成する壁面254が、扇形FSの一部(半径)に沿うよう形成されている。
噴孔35は、噴孔入口351が第2燃料室322に配置されている。
噴孔35は、噴孔入口351の噴孔プレート40の周方向の両端と壁面254との距離Qが、噴孔入口351の長軸AxL1の長さLaより長くなるよう形成されている。
(効果)
本実施形態では、壁面254から回り込む燃料の流れが無いため(図34参照)、噴孔出口352における燃料の液膜が短軸方向に延びて短軸方向の偏りが抑制される(図35参照)。
図36に、第2比較形態の噴孔プレート40を示す。第2比較形態は、燃料室32が第2燃料室322を有しない点で第7実施形態と異なる。なお、第2比較形態では、燃料室32(第1燃料室321)の内径(内周面251の径)は、穴部24の内径より大きい。噴孔入口351は、板部42の面421において、穴部24の径方向外側、かつ、内周面251の径方向内側に形成されている。
第2比較形態では、内周面251から燃料が回り込んで噴孔35に流入するため(図36参照)、噴孔出口352における燃料の液膜が短軸方向に偏るおそれがある(図37参照)。
(第8実施形態)
次に、第8実施形態による燃料噴射弁の一部を図38、39に示す。
本実施形態では、噴孔35は、噴孔プレート40の周方向に等間隔で4つ形成されている。
(<11>)
本実施形態では、燃料室32の一部を形成し噴孔プレート40の板部42の面421に平行な壁面である特定壁面255は、噴孔入口351の弁軸Axb1側において、噴孔プレート40の周方向に噴孔入口351の長軸AxL1の長さLaの範囲で、他の部位(底面252)よりも噴孔プレート40に近くなるよう形成されている(図38、39参照)。
より具体的には、バルブシート20は、突起201を有している。突起201は、凹部25の底面252から噴孔プレート40側へ突出するよう形成されている。突起201は、噴孔入口351の弁軸Axb1側において、噴孔プレート40の周方向に噴孔入口351の長軸AxL1の長さLaの範囲で円弧状に形成されている。突起201は、噴孔35の数および配置に合わせて、噴孔プレート40の周方向に等間隔で4つ形成されている。
突起201の噴孔プレート40側の端面に、円弧状の特定壁面255が形成されている。特定壁面255は、底面252よりも噴孔プレート40の板部42に近い。
(効果)
本実施形態では、突起201により、内周面251から燃料が回り込んで噴孔35に流入することを抑制し、噴孔入口351の長軸方向の両側から燃料を衝突させることができるため(図39参照)、噴孔出口352における燃料の液膜が短軸方向に延びて短軸方向の偏りが抑制される(図40参照)。
(第9実施形態)
次に、第9実施形態による燃料噴射弁の一部を図41、42に示す。
本実施形態では、噴孔35は、噴孔プレート40の周方向に等間隔で4つ形成されている。
(<12>)
本実施形態では、燃料室32は、弁軸Axb1を中心とする円形の第1燃料室321、および、第1燃料室321から径方向外側へ突出するよう形成された第2燃料室322を有している(図41、42参照)。
第2燃料室322は、第2燃料室322の外縁を形成する壁面である「第2燃料室壁面」としての壁面256が、噴孔入口351の中心と弁軸Axb1との間の点Pc5を中心とする円Cr1の一部(円弧)に沿うよう形成されている(図42参照)。
噴孔35は、噴孔入口351が第2燃料室322に配置されている。
ここで、円Cr1の半径をR1、噴孔プレート40に形成される噴孔35の数をN、円Cr1の中心(点Pc5)と弁軸Axb1との距離をZとすると、第2燃料室322は、R1<Z×tan(360°/2N)の関係を満たすよう形成されている。
本実施形態では、N=4のため、第2燃料室322は、R1<Z×tan45°、つまり、R1<Zの関係を満たすよう形成されている。
(効果)
本実施形態では、第2燃料室322を形成する壁面256に沿って流れた燃料を噴孔入口351の長軸方向の両側から衝突させることができるため(図42参照)、噴孔出口352における燃料の液膜が短軸方向に延びて短軸方向の偏りが抑制される(図43参照)。
(第10実施形態)
次に、第10実施形態による燃料噴射弁の一部を図44、45に示す。
本実施形態では、噴孔35は、噴孔プレート40の周方向に等間隔で4つ形成されている。
(<13>)
本実施形態では、噴孔プレート40は、スリット溝43を有している。スリット溝43は、板部42の燃料室32とは反対側の面422から燃料室32側へ凹み、弁軸Axb1から噴孔プレート40の径方向外側へ延びるよう形成されている。
より具体的には、スリット溝43は、弁軸Axb1から噴孔プレート40の径方向外側へ延びる2つの側面431の内側に形成されている。そのため、弁軸Axb1方向から見たとき、スリット溝43、および、スリット溝43の底面432は、略扇形状となるよう形成されている(図45参照)。スリット溝43は、噴孔35の数および配置に合わせて、噴孔プレート40の周方向に等間隔で4つ形成されている。
噴孔35の出口である噴孔出口352は、スリット溝43の底面432に開口している(図44、45参照)。
(効果)
本実施形態では、燃料の噴射時、スリット溝43において噴孔プレート40の径方向外側へ向かう気流が生じる(図44、45参照)。これにより、噴孔35から噴射された燃料噴霧Fo1の外側への流速を高めることができる(図44参照)。よって、燃料噴霧Fo1の放射方向への成長を促進し、燃料噴霧Fo1の分散性を向上できる。
(第11実施形態)
次に、第11実施形態による燃料噴射弁の一部を図46、47に示す。
<9>
本実施形態では、噴孔入口351の長軸AxL1の長さをLa([mm])、噴孔入口351の短軸AxS1の長さをLb([mm])、弁軸Axb1から噴孔入口351までの距離と穴部24の半径Rhとの差である押し付け長さをLx([mm])、燃料室32の弁軸Axb1方向の大きさである高さをH([mm])、噴孔入口351の開口面の面積をS([mm^2])、燃料噴射弁1に流入する前の燃料の圧力をP([kPa])、燃料噴霧の微粒化に関する指標をIzとすると、バルブシート20および噴孔プレート40は、
Iz=(La・Lx・S・P^0.5)/(Lb・H)≧0.22 ・・・式2
の関係を満たすよう形成されている。
ここで、燃料噴射弁1に流入する前の燃料の圧力とは、燃料入口としての端部開口を有する筒状部材12の一端部に接続される燃料配管内の燃料の圧力である。なお、この圧力は、複数の燃料配管および燃料噴射弁1に燃料を分配する燃料レール内の燃料の圧力と同等である。
指標Izと燃料噴霧の粒子径(SMD)との関係についての実験結果を図48に示す。図48に示すように、Iz<0.22の場合、粒子径が所定の大きさ以上となり、燃料噴霧の微粒化が不十分であることがわかる。一方、Iz≧0.22の場合、粒子径は所定の大きさより小さく、かつ、ばらつきが収まり、燃料噴霧が十分に微粒化されることがわかる。
<9>(効果)
本実施形態では、上述のように、Iz≧0.22となるようバルブシート20および噴孔プレート40を形成することにより、バルブシート20下流の燃料室32で燃料流れを横流れに整流し、噴孔内に流入させることで、燃料噴霧の微粒化を担保している。
<10>
本実施形態では、ピッチ円Cp1の半径をRc([mm])、噴孔プレート40に形成された噴孔35の数をN、長軸AxL1の長さをLa([mm])、噴孔プレート40の周方向において隣り合う噴孔入口351間の距離である噴孔間距離をW([mm])とすると、噴孔プレート40は、
W=2・π・Rc/N-La≧0.6 ・・・式3
の関係を満たすよう形成されている。
ここで、ピッチ円Cp1は、弁軸Axb1を中心とし、噴孔入口351の中心を通る円である。
噴孔間距離Wと燃料噴霧の粒子径(SMD)との関係についての実験結果を図49に示す。図49に示すように、W≧0.6の場合、粒子径は所定の大きさより小さくなり、燃料噴霧が十分に微粒化されることがわかる。
<10>(効果)
図50~54に示すように、弁座23を通過し、燃料室32に流入した燃料は、燃料室32内で横方向に流れる。燃料室32内での横流れは、燃料室32の周方向において噴孔入口351の上方で衝突することにより、Z方向すなわち弁軸Axb1方向の運動量に変換される。
そのため、本実施形態では、上述のように、W≧0.6となるよう噴孔プレート40を形成することにより、Z方向の運動量を増大させ、燃料噴霧の微粒化をより一層促進することができる。
<11>
本実施形態では、燃料室32の弁軸Axb1方向の大きさである高さをH([mm])、燃料噴射弁1の燃料入口と噴孔35との間の流路である燃料流路100における最小の流路幅である最小流路幅をWs([mm])とすると、バルブシート20および噴孔プレート40は、
H≧Ws ・・・式4
の関係を満たすよう形成されている。
<12>
本実施形態は、燃料フィルタ18を備えている。燃料フィルタ18は、燃料流路100に設けられ、燃料が流通可能な孔182を有し、孔182の大きさより大きな燃料中の異物を捕集可能である。
より詳細には、燃料フィルタ18は、メッシュ180を有する。メッシュ180は、例えば、メッシュ形成線181を編むことにより形成される。これにより、メッシュ180には、4つのメッシュ形成線181により囲まれた矩形状の孔182が形成される(図55参照)。
ここで、孔182の大きさとは、矩形状の孔182の対角線の長さに相当し、2つの辺の長さをそれぞれx、yとすると、√(x^2+y^2)である。
本実施形態では、最小流路幅Wsは、孔182の大きさに相当する。
<13>
本実施形態では、最小流路幅Wsは、ニードル50の可動範囲においてニードル50が弁座23から最も離れたときのニードル50と弁座23との距離に相当する(図56参照)。
ここで、ニードル50の可動範囲においてニードル50が弁座23から最も離れたときの弁軸Axb1方向におけるニードル50と弁座23との距離は、ニードル50のリフト量の最大値Lmaxに対応する。このときのニードル50と弁座23との距離は、弁座23に対し垂直な方向におけるニードル50と弁座23との距離に対応する(図56参照)。
本実施形態では、孔182の大きさ、または、ニードル50の可動範囲においてニードル50が弁座23から最も離れたときのニードル50と弁座23との距離である最小流路幅Wsは、例えば、0.030~0.040mm(30~40μm)程度に設定されている。
<11>(効果)
本実施形態では、上述のように、H≧Wsとなるようバルブシート20および噴孔プレート40を形成することにより、最小流路幅Wsより大きな異物が燃料室32に流れるのを抑制し、燃料室32に異物が噛み込むのを抑制できる。これにより、異物の噛み込みにより燃料室32内の燃料流れに影響が生じるのを抑制できる。
なお、燃料室32の高さHの部位は、絞り部となっているが、燃料室32内の燃圧が飽和蒸気圧以下になると、噴孔35上流で燃料が気化してしまう。そのため、エンジン2への燃料の必要流量から設定される噴孔総面積、すなわち、噴孔入口351の開口面の面積Sと噴孔35の数Nとの積やシステム燃圧等によるHの最小値が、孔182の大きさ、または、ニードル50の可動範囲においてニードル50が弁座23から最も離れたときのニードル50と弁座23との距離より大きい場合もある。
<14>
本実施形態では、燃料室32の外縁を形成する壁面である燃料室壁面320と噴孔入口351までの距離である壁面噴孔間距離をDw([mm])とすると、バルブシート20および噴孔プレート40は、
Dw≦0.2またはDw≧0.35
の関係を満たすよう形成されている。
ここで、燃料室壁面320は、バルブシート20の凹部25の内周面251に対応する(図46、47参照)。
壁面噴孔間距離Dwと燃料噴霧の粒子径(SMD)との関係についての実験結果を図57に示す。図57に示すように、燃料噴霧の粒子径は、壁面噴孔間距離Dwが0.2~0.35の範囲において極値をもつ。Dw≦0.2またはDw≧0.35の場合、粒子径は所定の大きさより小さくなり、燃料噴霧が十分に微粒化されることがわかる。
<14>(効果)
本実施形態では、上述のように、Dw≦0.2またはDw≧0.35となるようバルブシート20および噴孔プレート40を形成することにより、燃料室32において径方向外側から内側へ向かう燃料の流速を弱め(図53参照)、周方向からの燃料の流れを強めることができる(図52、54参照)。これにより、燃料の流れを周方向において押しつぶし、燃料室32の周方向における噴孔内壁350に沿わせないようにすることができる(図54参照)。
また、燃料の流れを、燃料室32の径方向における噴孔内壁350すなわち噴孔内壁355および噴孔外壁356に沿わせないようにすることで(図53参照)、噴孔内壁350を沿う流れの滑走距離を減らすことができる。これにより、噴孔35上流での流速を極力維持することができる。
本実施形態では、上記構成により、燃料噴霧を十分に微粒化することができる。
なお、Dw≦0.2の場合よりもDw≧0.35の場合の方が公差上、製造性が高いため、Dw≧0.35となるようバルブシート20および噴孔プレート40を形成することが望ましい。
(参考形態)
次に、参考形態による燃料噴射弁の一部を図58に示す。参考形態は、バルブシートの構成等が第1実施形態と異なる。
参考形態では、バルブシート20は、第1実施形態で示した凹部25および燃料室32を有していない。また、穴部24の内周壁は、バルブシート20の径方向において、噴孔入口351の外側に位置している。
参考形態では、ニードル50の可動範囲においてニードル50が弁座23から最も離れたときの噴孔入口351の中心とニードル50との距離である流路高さをHf([mm])、ピッチ円Cp1の直径をRcp([mm])とすると、噴孔プレート40およびニードル50は、
Hf/Rcp<0.065 ・・・式6
の関係を満たすよう形成されている。
ここで、流路高さHfは、ニードル50が弁座23に当接しているときの噴孔入口351の中心とニードル50との距離であるボトム厚Hbと、ニードル50のリフト量の最大値Lmaxとの和に対応する(図58参照)。
参考形態では、弁座23上流からの流れと、噴孔プレート40中央から径方向外側への流れとの流速差により、噴孔35において乱れ(乱流)が形成される。
Hf/Rcpと噴孔35における乱流との関係についての実験結果を図59に示す。ここで、流速変動量をV´とすると、乱流は、
Σ(ρ/2)・(ΔV´・ΔV´) ・・・式7
で表すことができる。
図59に示すように、Hf/Rcp<0.065の場合、乱流が所定の大きさ以上となることがわかる。つまり、ピッチ円Cp1の直径Rcpに対し流路高さHfが小さい程、乱流が強化されることがわかる。
(効果)
参考形態では、上述のように、Hf/Rcp<0.065となるよう噴孔プレート40およびニードル50を形成することにより、噴孔入口351での流速差を拡大し、乱れ(乱流)を強化できる。これにより、燃料噴霧の分散性を向上できる。
図58に示すように、参考形態では、ニードル50の軸Axn1を含む仮想平面による断面において軸Axn1を挟むニードル50の端面の成す角θ5は、例えば約178度に設定されている。ここで、θ5は、167~180度の範囲で設定できる。つまり、ニードル50の端面は、略平面状に形成されている。なお、略平面状のニードル50の端面は、軸Axn1および弁軸Axb1から少なくとも噴孔入口351の中心まで形成されていることが望ましい。
参考形態では、噴孔プレート40の板厚t、および、噴孔テーパ角θ2は、乱流による燃料噴霧の分散を阻害(整流)しないよう適宜設定するのが望ましい。
また、ボトム厚Hbは、燃料フィルタ18の最大通過粒径、例えば30~40μmよりも大きく設定するのが望ましい。
(他の実施形態)
他の実施形態では、噴孔は、3つ以上であれば、噴孔プレートにいくつ形成されていてもよい。
このように、本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
1 燃料噴射弁、20 バルブシート、23 弁座、24 穴部、31 燃料通路、32 燃料室、35 噴孔、351 噴孔入口、50 弁部材、53 当接部、40 噴孔プレート、421 面、Axb1 弁軸、Axhc1 噴孔中心軸、AxS1 短軸、AxL1 長軸、VP1 第1仮想平面、Cp1 ピッチ円

Claims (14)

  1. 環状の弁座(23)、前記弁座の内側に形成された穴部(24)、前記弁座の内側および前記穴部に形成された燃料通路(31)を有するバルブシート(20)と、
    前記弁座に当接可能な当接部(53)を有し、前記当接部が前記弁座から離間、または、前記当接部が前記弁座に当接することで前記燃料通路を開閉する弁部材(50)と、
    前記バルブシートの軸である弁軸(Axb1)方向から見たとき少なくとも一部が前記穴部の径方向外側に位置し前記燃料通路および前記穴部に連通する燃料室(32)を前記バルブシートとの間に形成し、前記燃料室と外部とを連通する少なくとも3つの噴孔(35)を有する噴孔プレート(40)と、を備え、
    前記噴孔は、
    前記噴孔プレートの前記燃料室側の面(421)に形成された噴孔入口(351)が、前記噴孔の中心軸である噴孔中心軸(Axhc1)方向から見たとき楕円形状となるよう、かつ、
    前記噴孔入口の短軸(AxS1)が、前記弁軸を全て含む仮想平面である第1仮想平面(VP1)上に位置しつつ、前記噴孔入口の長軸(AxL1)に直交するよう形成され、
    前記噴孔入口は、前記弁軸を中心とするピッチ円(Cp1)上に等間隔で配置され
    前記長軸の長さをLa、前記短軸の長さをLb、前記弁軸から前記噴孔入口までの距離と前記穴部の半径(Rh)との差である押し付け長さをLx、前記燃料室の前記弁軸方向の大きさである高さをH、前記噴孔入口の開口面の面積をS、燃料噴射弁に流入する前の燃料の圧力をP、燃料噴霧の微粒化に関する指標をIzとすると、
    前記バルブシートおよび前記噴孔プレートは、
    Iz=(La・Lx・S・P^0.5)/(Lb・H)≧0.22
    の関係を満たすよう形成されている燃料噴射弁。
  2. 環状の弁座(23)、前記弁座の内側に形成された穴部(24)、前記弁座の内側および前記穴部に形成された燃料通路(31)を有するバルブシート(20)と、
    前記弁座に当接可能な当接部(53)を有し、前記当接部が前記弁座から離間、または、前記当接部が前記弁座に当接することで前記燃料通路を開閉する弁部材(50)と、
    前記バルブシートの軸である弁軸(Axb1)方向から見たとき少なくとも一部が前記穴部の径方向外側に位置し前記燃料通路および前記穴部に連通する燃料室(32)を前記バルブシートとの間に形成し、前記燃料室と外部とを連通する少なくとも3つの噴孔(35)を有する噴孔プレート(40)と、を備え、
    前記噴孔は、
    前記噴孔プレートの前記燃料室側の面(421)に形成された噴孔入口(351)が、前記噴孔の中心軸である噴孔中心軸(Axhc1)方向から見たとき楕円形状となるよう、かつ、
    前記噴孔入口の短軸(AxS1)が、前記弁軸を全て含む仮想平面である第1仮想平面(VP1)上に位置しつつ、前記噴孔入口の長軸(AxL1)に直交するよう形成され、
    前記噴孔入口は、前記弁軸を中心とするピッチ円(Cp1)上に等間隔で配置され
    前記ピッチ円の半径をRc、前記噴孔プレートに形成された前記噴孔の数をN、前記長軸の長さをLa、前記噴孔プレートの周方向において隣り合う前記噴孔入口間の距離である噴孔間距離をWとすると、
    前記噴孔プレートは、
    W=2・π・Rc/N-La≧0.6
    の関係を満たすよう形成されている燃料噴射弁。
  3. 環状の弁座(23)、前記弁座の内側に形成された穴部(24)、前記弁座の内側および前記穴部に形成された燃料通路(31)を有するバルブシート(20)と、
    前記弁座に当接可能な当接部(53)を有し、前記当接部が前記弁座から離間、または、前記当接部が前記弁座に当接することで前記燃料通路を開閉する弁部材(50)と、
    前記バルブシートの軸である弁軸(Axb1)方向から見たとき少なくとも一部が前記穴部の径方向外側に位置し前記燃料通路および前記穴部に連通する燃料室(32)を前記バルブシートとの間に形成し、前記燃料室と外部とを連通する少なくとも3つの噴孔(35)を有する噴孔プレート(40)と、を備え、
    前記噴孔は、
    前記噴孔プレートの前記燃料室側の面(421)に形成された噴孔入口(351)が、前記噴孔の中心軸である噴孔中心軸(Axhc1)方向から見たとき楕円形状となるよう、かつ、
    前記噴孔入口の短軸(AxS1)が、前記弁軸を全て含む仮想平面である第1仮想平面(VP1)上に位置しつつ、前記噴孔入口の長軸(AxL1)に直交するよう形成され、
    前記噴孔入口は、前記弁軸を中心とするピッチ円(Cp1)上に等間隔で配置され
    前記長軸の長さをLa、前記短軸の長さをLb、前記弁軸から前記噴孔入口までの距離と前記穴部の半径(Rh)との差である押し付け長さをLx、前記燃料室の前記弁軸方向の大きさである高さをH、前記噴孔入口の開口面の面積をS、燃料噴射弁に流入する前の燃料の圧力をP、燃料噴霧の微粒化に関する指標をIzとすると、
    前記バルブシートおよび前記噴孔プレートは、
    Iz=(La・Lx・S・P^0.5)/(Lb・H)≧0.22
    の関係を満たすよう形成され、
    前記ピッチ円の半径をRc、前記噴孔プレートに形成された前記噴孔の数をN、前記長軸の長さをLa、前記噴孔プレートの周方向において隣り合う前記噴孔入口間の距離である噴孔間距離をWとすると、
    前記噴孔プレートは、
    W=2・π・Rc/N-La≧0.6
    の関係を満たすよう形成されている燃料噴射弁。
  4. 前記噴孔から前記弁軸方向に所定距離離れた仮想平面である第2仮想平面(VP2)において、
    複数の前記噴孔から噴射された複数の燃料噴霧(Fo1)が形成する噴霧群(Fo10)の外縁部を通る仮想円である外縁仮想円(VCo1)の半径の1/2の半径をもつ仮想円である1/2仮想円(VC12)と複数の前記噴孔のうち一の噴孔の前記噴孔入口の前記短軸を前記弁軸方向に投影した直線との交点を第1点(P1)、
    複数の前記噴孔のうち前記一の噴孔に隣り合う噴孔である他の噴孔の前記噴孔入口の前記短軸を前記弁軸方向に投影した直線と前記1/2仮想円との交点を第2点(P2)、および、
    前記1/2仮想円上の前記第1点と前記第2点との中間に位置する点を第3点(P3)とすると、
    前記噴孔は、前記第3点における前記燃料噴霧の密度が、前記第1点における前記燃料噴霧の密度、および、前記第2点における前記燃料噴霧の密度よりも小さくなるよう形成されている請求項1~3のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
  5. 前記第2仮想平面において、
    前記外縁仮想円の半径の1/4の半径をもつ仮想円である1/4仮想円(VC14)と前記一の噴孔の前記噴孔入口の前記短軸を前記弁軸方向に投影した直線との交点を第4点(P4)、および、
    前記外縁仮想円の半径の3/4の半径をもつ仮想円である3/4仮想円(VC34)と前記一の噴孔の前記噴孔入口の前記短軸を前記弁軸方向に投影した直線との交点を第5点(P5)とすると、
    前記噴孔は、前記第4点における前記燃料噴霧の密度、および、前記第5点における前記燃料噴霧の密度が、前記第1点における前記燃料噴霧の密度よりも小さくなるよう形成されている請求項に記載の燃料噴射弁。
  6. 前記噴孔は、前記第5点における前記燃料噴霧の密度が、前記第4点における前記燃料噴霧の密度よりも大きくなるよう形成されている請求項に記載の燃料噴射弁。
  7. 前記燃料室は、前記噴孔プレートに形成される前記噴孔の数が多い程、前記弁軸方向の大きさが小さくなるよう形成されている請求項1~のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
  8. 前記燃料室は、前記噴孔プレートに形成される前記噴孔の数が多い程、内径が小さくなるよう円筒状に形成されている請求項1~のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
  9. 前記噴孔は、前記噴孔プレートに形成される前記噴孔の数が多い程、前記長軸の長さ(La)と前記短軸の長さ(Lb)との比(La/Lb)が大きくなるよう形成されている請求項1~のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
  10. 前記噴孔プレートは、前記噴孔プレートに形成される前記噴孔の数が多い程、板厚が小さくなるよう形成されている請求項1~のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
  11. 前記燃料室の前記弁軸方向の大きさである高さをH、燃料噴射弁の燃料入口と前記噴孔との間の流路である燃料流路における最小の流路幅である最小流路幅をWsとすると、
    前記バルブシートおよび前記噴孔プレートは、
    H≧Ws
    の関係を満たすよう形成されている請求項1~10のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
  12. 前記燃料流路に設けられ、燃料が流通可能な孔を有し、前記孔の大きさより大きな燃料中の異物を捕集可能な燃料フィルタをさらに備え、
    前記最小流路幅Wsは、前記孔の大きさに相当する請求項11に記載の燃料噴射弁。
  13. 前記最小流路幅Wsは、前記弁部材の可動範囲において前記弁部材が前記弁座から最も離れたときの前記弁部材と前記弁座との距離に相当する請求項11または12に記載の燃料噴射弁。
  14. 前記燃料室の外縁を形成する壁面である燃料室壁面と前記噴孔入口との距離である壁面噴孔間距離をDw(mm)とすると、
    前記バルブシートおよび前記噴孔プレートは、
    Dw≦0.2またはDw≧0.35
    の関係を満たすよう形成されている請求項1~13のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
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