JP5631442B1 - 燃料噴射弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】流路内での圧力損失が低減し噴孔出口部における燃料速度が高い状態で噴射され燃料と空気との相対速度が増大し空気が燃料液滴を分裂させるせん断力が増すことで燃料噴霧の微粒化が促進される燃料噴射弁を得る。【解決手段】弁座シート部はシート面と延長テーパ面で構成、先端弁部は弁体シート部と底部で構成、噴孔入口部は先端弁部の最外周縁部の外側に配置、噴孔入口部の中心はシート面の延長線と噴孔プレートの交差により形成される仮想円の内側に配置、噴孔出口部の中心は噴孔入口部の中心に対して弁座軸心の径方向外側に配置、弁座軸心とシート面との狭み角をα、弁座軸心と延長テーパ面との狭み角をβ、噴孔プレートの板厚方向と噴孔の軸心との角をγとした時、|α−β|≰20?、かつ|α−γ|≰30?の関係を、噴孔の入口部中心から弁座軸心方向の高さをhc、噴孔径をdとした時、πd2/4≰hc≰1.5dの関係を満たすものである。【選択図】図4

Description

この発明は、自動車の内燃機関などへの燃料供給に使用される燃料噴射弁に係り、特に噴霧特性における微粒化の促進、及び温度や雰囲気圧等の変化に伴う流量特性(静的流量、動的流量)の変化の抑制を図ったものである。
近年、自動車などの排出ガス規制が強化される中、燃料噴射弁から噴射される燃料噴霧噴射方向の自由度及び微粒化の向上が求められており、特に燃料噴霧の微粒化についてはこれまで既に各種の検討がなされている。
例えば、特許文献1に記載の燃料噴射弁では、噴孔プレートと弁座の間に燃料通路と噴孔とを連通する円盤状の燃料キャビティが設けられ、キャビティの軸方向高さが外周端に向かって低減するテーパ状となる形状が開示されている。燃料シート部から燃料キャビティ中央部に流れ込んだ燃料は、その流れの方向を変えて中央部から燃料キャビティの径方向外側に向かって流れ、噴孔へと突入する。その際に、軸方向高さが外周側に向かってテーパ状に低減していることから、燃料は速度を維持したまま噴孔へと突入し、噴射された燃料の微粒化が促進される構成となっている。
又、例えば特許文献2に記載の燃料噴射弁では、弁体が下流側へ移動するときに開弁する外開弁方式において、弁体が弁座に当接するシート部より下流側に噴射孔を有するプレートを設けるとともに、プレートと弁体の端面の間に開弁時に噴射孔に通ずるキャビティを設けており、燃料シート面を通過した燃料が、外周部より弁座中心に向かうことで流れが加速されて噴孔へ突入するため、燃料噴霧の微粒化が促進される構成となっている。
又、例えば特許文献3に記載の燃料噴射弁(特許文献3の図1参照)においては、シート部を通過した燃料は、例えば円筒形に構成されたキャビティ部を通過し、プレートに設けられた噴孔より噴射されると記載されている。このような構成においては、シート部を通過した燃料は、キャビティ内で流れが反転又は大きく屈折することなく噴孔へと到達し、噴射される。
又、例えば特許文献4に記載の燃料噴射弁(特許文献4の図3A参照)の構成においては、シート部を通過した燃料の主流が、噴孔の燃料噴射弁軸心側の内壁面に直接衝突するように噴孔が配置されている。シートを通過した燃料は、噴孔入口部で剥離して液膜状となり、更に噴孔壁に衝突して押し付けられることで噴孔の曲率に沿った流れとなり、噴孔内で空気との混合が促進され、噴孔の出口から三日月状の液膜として拡散され、燃料の微粒化が促進されるとしている。
特開2003−155965号公報 特開2007−71105号公報 特開2002−531770号公報 特開2010−138914号公報
特許文献1及び特許文献2では、燃料流路内で少なくとも一度は燃料流れが反転しており、流れの反転時に燃料の圧力損失が発生する。このため、圧力損失した分、噴孔出口部における流速が低下してしまうことから、噴射される燃料の空気との相対速度が低下し、空気が燃料液滴を分裂させるせん断力が低下、すなわち燃料噴霧の微粒化も十分なされない問題点がある。
一般的に、燃料噴霧の微粒化の手法として噴孔の小径化、多噴孔化が知られているが、特許文献3の構成で噴孔を多噴孔化した場合、各噴孔の距離が接近し、各噴孔から噴射された液柱が噴孔の下流側で衝突することにより燃料噴霧の微粒化が妨げられる問題や、各噴孔の距離が接近しすぎるためにプレートの強度上配置できないなどの問題が発生する。
特許文献3の弁体先端形状、キャビティ部構成において、多噴孔配置するためには、キャビティ径を拡大する必要があり、その場合上記キャビティ部の体積が大きくなってしまうことから、雰囲気変化に伴う流量変化(静的流量、動的流量)が大きくなってしまう問題が生じる。
特許文献4では、噴孔部で燃料流れを急変させるような構成となっていることから、噴孔部において大きく圧力損失が発生し、噴孔出口部における流速が低下し、従って燃料噴霧の微粒化も十分なされない問題点がある。
この発明は、このような問題点を解決することを目的とするものである。
この発明に係わる燃料噴射弁は、複数の噴孔を有する噴孔プレート、この噴孔プレートと共にキャビティを形成し端面が下流側に向かって拡径する弁座シート部を有する弁座、及び上記弁座シート部のシート面と離接して上記噴孔を開閉する先端弁部を有する弁体を備え、上記弁体が下流側へ移動することにより開弁すると共に上記先端弁部が上記噴孔プレートに当接することで開弁動作が終了する外開弁方式の燃料噴射装置であって、
上記弁座シート部の下流側には、上記シート面に連続して延在し且つ傾斜角を異にする延長テーパ面が形成され、上記先端弁部は、上記シート面と離接する弁体シート部と、開弁終了時に上記噴孔プレートに当接する底部とで形成され、上記噴孔の入口部は、上記先端弁部の最外周縁部より上記弁座の弁座軸心の径方向外側に配置されると共に上記噴孔の入口部の中心は、上記シート面の下流側への延長線と上記噴孔プレートが交差することにより上記噴孔プレートに形成される仮想円の内側に配置され、かつ上記噴孔の出口部の中心は、上記噴孔の入口部の中心に対して上記弁座軸心の径方向外側に配置され、かつ上記
弁座軸心と上記弁座シート部のシート面とがなす狭み角をα(≦90°)、上記弁座軸心と上記延長テーパ面とがなす狭み角をβ(≦90°)、上記噴孔プレートの板厚方向と上記噴孔の軸心がなす噴孔角をγとした時に、|α−β|≦20°、かつ|α−γ|≦30°の関係を満たし、かつ上記噴孔の入口部の中心から上記キャビティの上記弁座軸心の軸心方向の高さをhc、上記噴孔の径をdとした時に、πd /4(S )≦d*hc(S )、及びhc≦1.5dの関係を満たすものである。
この発明に係る燃料噴射弁によれば、燃料シート部から噴孔出口部に至るまでの流路内の燃料流れの急変や剥離の抑制により、流路内での圧力損失が低減し、噴孔出口部における燃料速度が高い状態で噴射され、燃料と空気との相対速度が増大し、空気が燃料液滴を分裂させるせん断力が増すことで燃料噴霧の微粒化が促進される。
また同時に、前記キャビティ内における減圧沸騰が抑制され、減圧沸騰による燃料内の気泡の発生が抑制され、温度や雰囲気変化に伴う流量特性(静的流量、動的流量)の変化を抑制することができる。
また、前記キャビティ体積を小さく設定できることから、負圧雰囲気への噴射時に、閉弁完了後に前記キャビティ内の燃料の一部が負圧によって噴孔からエンジン吸気管に吸い出され流量変化(動的流量)が大きくなる問題や、キャビティ内より吸い出された燃料の流速が小さいために閉弁直後に粒径が粗悪な燃料噴霧が噴射されてしまう問題は解消される。
この発明の実施の形態1における燃料噴射弁を示す正断面図である。 この発明の実施の形態1における燃料噴射弁の閉弁状態を示す断面図である。 この発明の実施の形態1における燃料噴射弁の開弁状態を示す断面図である。 この発明の実施の形態1における燃料噴射弁の噴孔プレート部を示す拡大断面図である。 この発明の実施の形態1における燃料噴射弁において、α−β、α−γと粒径との関係を実験結果に基づいて示した説明図である。 この発明における燃料噴射弁の先端部形状の説明図である。 この発明の実施の形態2における燃料噴射弁の開弁状態を示す断面図である。 この発明の実施の形態3における燃料噴射弁の開弁状態である先端部を示す断面図である。 この発明の実施の形態4における燃料噴射弁の開弁状態を示す断面図である。 この発明の実施の形態4における燃料噴射弁の第1変形例を示す断面図である。 この発明の実施の形態4における燃料噴射弁の第2変形例を示す断面図である。 この発明の実施の形態4における燃料噴射弁の第3変形例を示す断面図である。 この発明の実施の形態5における燃料噴射弁の開弁状態を示す断面図である。 この発明の実施の形態6における燃料噴射弁の開弁状態を示し、(a)は断面図、(b)は燃料の流れを説明するための説明図である。 この発明の実施の形態7における燃料噴射弁の開弁状態を示し、(a)は要部を拡大して示した断面図、(b)は図(a)中の矢印Y方向から見た平面図である。
以下、図面に基づいて、この発明の各実施の形態を説明する。
なお、各図間において、同一符号は同一あるいは相当部分を示す。
実施の形態1.
実施の形態1における燃料噴射弁は、弁座が下流側へ拡径するシート面を有し、弁座を開閉するため少なくともシート面が下流側へ拡径する弁体を有し、開弁の際には、弁体が下流側に移動し、弁体先端部と噴孔プレート上流面が当接することで開弁が終了する外開弁方式の構造をとり、また制御装置より動作信号を受けて弁体を動作させることで、燃料が、弁体と弁座のすきまを通って、弁座下流側に装着された噴孔プレートと弁体先端と弁座で囲まれたキャビティを通った後、前記噴孔プレートに複数設けられた噴孔から噴射されるタイプのものである。
以下、図1〜6に基づいて実施の形態1にかかる燃料噴射弁を説明する。
図1において、1は燃料噴射弁を示しており、2はソレノイド装置、3は磁気回路のヨーク部分であるハウジング、5はコイル、6は磁気回路の可動鉄心部分であるアマチュア、7は弁装置であり、弁装置7は弁体8と弁本体9と弁座10で構成されている。また、弁座10は磁気回路の固定鉄心の役割も果たしている。
弁本体9は、チューブ11の外径部に圧入後、溶接されている。弁体8及びスリーブ4は、アマチュア6に圧入後、溶接されている。また、スプリング受け16はチューブ11に圧入されている。弁座10には、噴孔プレート15が溶接部15aで結合されている。
噴孔プレート15は、図2に示されるように、板厚方向に貫通し、燃料噴射弁1の軸心から離れる方向に所定角度傾斜している複数の噴孔12が設けられている。
詳細は後述(0017〜0020)するが、弁座10の弁座シート部10aは、弁座軸心10sに対する傾斜角を異にする連続した2面、すなわち上流側のシート面10a1とこのシート面10a1に連続して延在し且つ傾斜角を異にする延在部、すなわち延長テーパ面10a2とで構成されている。又、弁体8は、弁座シート部10aのシート面10a1と離接して噴孔12を開閉する先端弁部8aを有し、この先端弁部8aは、シート面10a1と離接するドーム状の弁体シート部8a1と、開弁終了時に噴孔プレート15に当接する略平面状の底部8a2とで構成されている。
次に、図1〜3によって燃料噴射弁の開閉動作について説明する。なお、図2は閉弁状態、図3は開弁状態を示している。
内燃機関の制御装置より燃料噴射弁1の駆動回路に動作信号が送られると、燃料噴射弁1のコイル5に電流が通電され、アマチュア6、弁座10、弁本体9、ハウジング3、チューブ11で構成される磁気回路に磁束が発生し、アマチュア6が弁座10にひきつけられる。これにより、アマチュア6、及びスリーブ4と一体となった弁体8の弁体シート部8a1が、弁座シート部10aのシート面10a1から離れて下流側に移動し、燃料は、弁座10の内径部10bと弁体8の隙間、及び弁体8のガイド部8bに設けられた平面部8cと内径部10bの間の隙間を通り、弁座シート部10aを通って噴孔12よりエンジン吸気管(図示せず)へ噴射される。弁体8の移動は図3に示すように、先端弁部8aの底部8a2が噴孔プレート15上流側端面に当接することで終了する。
内燃機関の制御装置より燃料噴射弁1の駆動回路に動作の停止信号が送られると、コイル5への通電を停止し、磁気回路中の磁束が減少して弁体8を閉弁方向に押しているスプリング13により、弁体8が上流側へ移動することで弁座シート部10a間の隙間は閉じて燃料噴射は終了する。閉弁時には弁座10と噴孔プレート15、および弁体8で囲まれるキャビティ14が形成される。
次に、図4によって噴孔プレート15部の構成を詳細に説明する。
噴孔入口部12aは、先端弁部8aの最外周縁部8aaより外側、すなわち噴孔プレート15の上流面に弁座軸心方向に投影した形状輪郭より、弁座軸心10sの径方向外側に配置されており、かつ噴孔入口部12aの中心は、弁座シート部10aのシート面10a1の下流側への延長線(C−C)と噴孔プレート15が交差(C)することにより噴孔プレート15の上流側端面に形成される仮想円の内側に配置されており、かつ噴孔出口部12bの中心は、噴孔入口部12aの中心に対して弁座軸心10sの径方向外側に配置されている。なお、L1は先端弁部8aの半径、L2は配列された噴孔12と弁座軸心10s間の距離である。
更に、弁座軸心10sとシート面10a1がなす角の狭角をα(≦90°)、延長テーパ面10a2と弁座軸心10sのなす角の狭角をβ(≦90°)、噴孔プレート板厚方向の軸12sと噴孔12の軸心12cがなす噴孔角をγとした時に、|α−β|≦20°、かつ|α−γ|≦30°を満たし、かつ噴孔入口部12aの中心からキャビティ14内の弁座軸心10sの軸心方向の高さをhc、噴孔12の径をdとした時に、πd /4(S )≦d*hc(S )、同時に、hc≦1.5dの関係を満たすことを特徴としている(図4及び段落0020参照)。
前記の噴孔配置や、前記α、β、γの関係により、燃料シート部から噴孔出口部12bに至るまでの流路内の燃料流れの急変や剥離が抑制され、流路内での圧力損失が低減し、噴孔出口部における燃料速度が高い状態で噴射され、燃料と空気との相対速度が増大し、空気が燃料液滴を分裂させるせん断力が増すことで燃料噴霧の微粒化が促進される。
図5は、α−β、α−γと粒径の関係を実験により求めた結果を示す図である。
この図5によって、|α−β|≦20°、かつ|α−γ|≦30°を満たすことで微粒化改善効果が得られていることが確認できる。
また同時に、キャビティ14内における減圧沸騰が抑制され、減圧沸騰による燃料内の気泡の発生が抑制され、温度や雰囲気変化に伴う流量特性(静的流量、動的流量)の変化を抑制することができる。
また、πd/4(S)≦d*hc(S)により、噴孔入口部面積≦噴孔直上部の燃料通過面積となり、噴孔直上部での絞り部形成による圧力損失を抑制することが出来る。
同時に、hc≦1.5dを満たすことで、キャビティ14の体積を一定以下に抑えることができ、負圧雰囲気への噴射時に、閉弁完了後に前記キャビティ内の燃料の一部が負圧によって噴孔からエンジン吸気管に吸い出され流量変化(動的流量)が大きくなる問題や、キャビティ内より吸い出された燃料の流速が小さいために閉弁直後に粒径が粗悪な燃料噴霧が噴射されてしまう問題が解消される。
また、先端弁部8aと噴孔プレート15上流側平面が当接する構成にすることで、当接しない場合に対してよりキャビティ部の体積を小さく構成可能である。
さらに、この実施の形態1における弁体8は、先端弁部8aの形状全体をR形状(ボールの一部)とするのではなく、その一部をR形状としたドーム状の形状にしている。これは、下記の理由による。
一般的に、燃料噴射弁は、所定の噴射流量を確保するためにシート部で一定の燃料通過面積を確保する必要があり、燃料通過面積は、主にシート径及び弁体8の軸心方向へのリフト量によって決定される。
図6(a)に示すように、先端弁部8aの全体がR形状となっている場合は、燃料通過面積を所定量確保するために、ある程度の大きさのボール径を設定し一定の大きさのシート径を確保する必要がある。しかし、ボール径を大きく設定し、諸般の理由によりシート角を拡大する必要がある場合、シート径が必要以上に小さくなってしまい、結果的に必要流量が確保できなくなる問題がある。
また、その場合には、図6(b)のようにシート径が小さく、かつシート角が大きくなっており、従って前記キャビティ部の体積が大きくなってしまう。これにより、前記の流量変化(動的流量)の増大や、微粒化の悪化の問題が発生する。
そこで、この実施の形態1においては、先端弁部8aをボール形状とするのではなく、図6(c)に示すように先端弁部8aの一部をR形状とすることで、シート角を変更した際のシート径の変化が小さくなるように設定することが可能となる。(図6(d)参照)
従って、この実施の形態1においては、燃料通路面積を確保しつつシート角を自由に設定可能であり、かつキャビティ14の体積を小さく保つことが可能である。
なお、シート部における燃料通過面積を確保するために、弁体8のリフト量を増加させる手法については、弁体8と固定鉄心のエアギャップが増加することで弁体8の動作性が悪化する問題点があるため、極力用いない。
この実施の形態1において、図1〜15で示す弁体の先端弁部8aの形状は、円錐形となっているが、傘状以外の形状についてもこの発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能とする。
実施の形態2.
図7に基づいて実施の形態2にかかる燃料噴射弁を説明する。
図7は、燃料噴射弁の開弁状態を示しており、この実施の形態2では、噴孔プレート15の上流面上の、先端弁部8aの底部8a2との対向位置に、弁座軸心10sの上流側へ突出する凸部15dを有し、開弁の際には、先端弁部8aの底部8a2と凸部15dが当接することで開弁が終了する。
凸部15dを設けることで、開弁時の弁体8と噴孔プレート15の当接面積が小さくなり、従って凸部15dが無い場合に対して閉弁時に弁体8を噴孔プレート15から引き離すのに必要なエネルギーが少なくて済むことから、閉弁時の弁体移動時間を短縮することが出来る。
この実施の形態2では、噴孔プレート15上の凸部15dが噴孔プレート15と一体に形成されているが、それに限ったものではなく、凸部を形成する部分とその他の部分は別体であっても上記と同様の効果が得られる。なお、この実施の形態2において凸部を設けた理由は、弁体8と噴孔プレート15の接触面積を小さくすることであるから、凸部に限らず、プレート上流側端面の弁体8との接触面に溝などを設けた場合についても上記と同様の効果が得られる。
実施の形態3.
図8に基づいて実施の形態3にかかる燃料噴射弁を説明する。
この実施の形態3の燃料噴射弁は、実施の形態2の変形例である。
この実施の形態2では、先端弁部8aの底部8a2に凸部8dを有しており、開弁の際には、この凸部8dが噴孔プレート15の上流面と当接することで開弁が終了し、実施の形態2と同様の効果が得られる。
実施の形態4.
図9〜12に基づいて実施の形態4にかかる燃料噴射弁を説明する。
まず、図9の燃料噴射弁について説明する。図10〜12は、図9の変形例である。
この実施の形態4の燃料噴射弁は、噴孔プレート15の上流面上に、先端弁部8aの底部8a2との対向位置に、弁座軸心10sの上流側へ突出する凸部15eを有し、先端弁部8aの底部8a2には、凸部15eと嵌め合う凹部8eを有し、摺動部を構成している。
このように構成することによって、リフト開弁(リフト動作)時には、噴孔プレート15の凸部15eが弁体8の凹部8eをガイドする役目を果たしている。更に、弁体8と噴孔12の位置バラツキ低減の役割を果たすことにより、シート部から各噴孔12までの距離のバラツキが小さくなり、各噴孔からの単噴霧間の微粒化レベルのバラツキが小さくなる。更に、微粒化レベルのバラツキが小さくなることから、各噴孔からの噴霧によって形成される集合噴霧内の均一性が増し、燃焼性が向上し、従って燃費向上に有効と言える。
凸部15eの形状については、図9のような形状に限ったものではなく、図11、図12のように、テーパ状の凹凸部8g、15gである場合や、球状の凹凸部8h、15hにした場合でも上記と同様の効果が得られる。
なお、この実施の形態4では、噴孔プレート15側に凸部、弁体8側に凹部を有していたが、図10に示すように噴孔プレート15側に凹部15f、弁体8側に凸部8fを設けた場合でも上記と同様の効果が得られる。
実施の形態5.
図13に基づいて実施の形態5にかかる燃料噴射弁を説明する。
図13に示した実施の形態5の燃料噴射装置は、噴孔12の孔長が、弁座軸心10sに対して径方向内側の噴孔長さよりも径方向外側の噴孔長さが短くなるように設定されている。そして、このような構成にするため、噴孔出口部12bの一部、すなわち弁座軸心10sの径方向外側に、プレス成形による凹部(くぼみ部)12fが設られている。なお、この凹部12fの底面は、噴孔出口部12bの周縁部の少なくとも一部分を開口した形状であり、噴孔出口部12bの他の部分は、噴孔プレート15の下流側端面に開口、もしくは凹部12fの内面に接しているように形成されている。又、噴孔12内の流路において、噴孔入口部12aから凹部12fまでの間に最小断面積となる円柱部分が確保されることにより、インジェクタの個体ごとの流量のバラツキを抑制している。
又、このように構成することで、弁座軸心10sに対して径方向内側に噴孔部が確保され、燃料噴射の指向性を犠牲にすることなく、噴孔長さが短く形成された径方向外側の噴孔により噴孔内部での圧力損失を低減させることが可能であり、これにより、噴孔出口部12bにおける燃料速度が高い状態で噴射され、燃料と空気との相対速度が増大し、空気が燃料液滴を分裂させるせん断力が増すことで噴射された燃料噴霧の微粒化が促進される。
実施の形態6.
図14に基づいて実施の形態6にかかる燃料噴射弁を説明する。
なお、図14(a)は燃料噴射弁の開弁状態を示す断面図、(b)は噴孔12における燃料の流れを説明するための説明図である。
噴孔部のプレス成形の際には、抜き方向を弁座軸心10sの上流側から下流側とすることで、噴孔入口部12aには、抜き角度に応じたダレ12gが形成され、噴孔出口部12bにはバリが形成される。
前記の通り噴孔出口部12bは、弁座軸心10sに対して噴孔入口部12aの外側に配置されているため、噴孔12の入口縁部のダレ12gは、主に弁座軸心10sに対して内側に形成される。
このダレ12gの形成により、図14(b)に示すように弁座軸心10sの内側から外側に向かう燃料流れの、噴孔入口部12aにおける剥離が抑制され、弁座軸心10sの内側から外側に向かう流れ(矢印ア参照)が強化されることで、噴孔出口部12bから噴射された後の燃料噴霧の拡がり(イ参照)が強化され、従って燃料噴霧の微粒化が促進される。なお、図14(b)において、(ウ)は噴孔入口部12aにダレ面が形成された場合の燃料噴霧稜線を示し、(エ)は噴孔入口部12aにダレ無しの場合の燃料噴霧稜線を示したものであり、これによっても噴孔出口部12bから噴射された後の燃料噴霧の拡がりが、強化されていることが判る。
実施の形態7.
図15に基づいて実施の形態7にかかる燃料噴射弁を説明する。
図15は、この発明の実施の形態7における燃料噴射弁の開弁状態を示し、(a)は要部を拡大して示した断面図、(b)は図(a)中の矢印Y方向から見た平面図である。
噴孔出口部12bに形成する凹部12fをプレス成形で加工することで、噴孔プレート15の上流側平面に位置する噴孔入口部12a付近にハラミ15gが形成される。
このハラミ15gは、噴孔入口部12aと噴孔出口部12bと凹部12fの位置関係から、弁座軸心10sに対して径方向外側の部分に多く形成される。
このように噴孔入口部12a周辺にハラミ15gが存在することによって、弁座軸心10sから直接噴孔12に流入せずに一旦外周側に衝突しUターンして噴孔12に返ってくる燃料は、流れ(矢印カ参照)が弱まり、そのため弁座軸心10sから直接噴孔12に流入する流れ(矢印オ参照)が相対的に強化され、従ってより噴孔出口部12bにおける燃料速度が高い状態で燃料が噴射されることから、噴霧の微粒化が促進される。
なお、この発明は、上記実施の形態1〜7に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
なお又、この発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1:燃料噴射弁、2:ソレノイド装置、3:ハウジング、4:スリーブ、
5:コイル、6:アマチュア、7:弁装置、8:弁体、8a:先端弁部、
8a1:ドーム状の弁体シート部、8a2:底部、8aa:先端弁部の外周縁部、
8b:ガイド部、8c:平面部、8d:凸部、8e:凹部、9:弁本体、
10:弁座、 0s:弁座軸心、10a:弁座シート部、10a1:シート面、
10a2:延長テーパ面、10b:内径部、11:チューブ、12:噴孔、
12a:噴孔入口部、12b:噴孔出口部、12c:噴孔入口部の軸心、
12f:凹部(くぼみ部)、12g:ダレ、13:スプリング、14:キャビティ、
15:噴孔プレート、15a:溶接部、15d:凸部、15e:凸部、
15f:凹部(くぼみ部)、15g:ハラミ、16:スプリング受け。

Claims (7)

  1. 複数の噴孔を有する噴孔プレート、この噴孔プレートと共にキャビティを形成し端面が下流側に向かって拡径する弁座シート部を有する弁座、及び上記弁座シート部のシート面と離接して上記噴孔を開閉する先端弁部を有する弁体を備え、上記弁体が下流側へ移動することにより開弁すると共に上記先端弁部が上記噴孔プレートに当接することで開弁動作が終了する外開弁方式の燃料噴射装置であって、
    上記弁座シート部の下流側には、上記シート面に連続して延在し且つ傾斜角を異にする延長テーパ面が形成され、上記先端弁部は、上記シート面と離接する弁体シート部と、開弁終了時に上記噴孔プレートに当接する底部とで形成され、上記噴孔の入口部は、上記先端弁部の最外周縁部より上記弁座の弁座軸心の径方向外側に配置されると共に上記噴孔の入口部の中心は、上記シート面の下流側への延長線と上記噴孔プレートが交差することにより上記噴孔プレートに形成される仮想円の内側に配置され、かつ上記噴孔の出口部の中心は、上記噴孔の入口部の中心に対して上記弁座軸心の径方向外側に配置され、かつ上記弁座軸心と上記弁座シート部のシート面とがなす狭み角をα(≦90°)、上記弁座軸心と上記延長テーパ面とがなす狭み角をβ(≦90°)、上記噴孔プレートの板厚方向と上記噴孔の軸心がなす噴孔角をγとした時に、|α−β|≦20°、かつ|α−γ|≦30°の関係を満たし、かつ上記噴孔の入口部の中心から上記キャビティの上記弁座軸心の軸心方向の高さをhc、上記噴孔の径をdとした時に、πd /4(S )≦d*hc(S )、及びhc≦1.5dの関係を満たすことを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 上記噴孔プレートには、開弁の終了時に上記先端弁部の底部と当接する凸部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
  3. 上記先端弁部の底部には、開弁の終了時に上記噴孔プレートと当接する凸部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
  4. 上記先端弁部の底部及び上記噴孔プレートには、それぞれ凸部又は凹部が設けられ、これら凹凸部が互いに嵌め合うことにより摺動部を構成したことを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
  5. 上記噴孔において、上記弁座軸心の径方向外側噴孔出口部に、くぼみ部を設けることによって、上記弁座軸心の径方向外側噴孔長さが、径方向内側噴孔長さより短くなされ、かつ上記噴孔の流路において、上記噴孔の入口部から上記くぼみ部までの間に最小断面積となる円柱部分を確保するように形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料噴射弁。
  6. 上記噴孔において、上記くぼみ部は、プレス成形で形成されていることを特徴とする請求項5記載の燃料噴射弁。
  7. 上記噴孔において、上記噴孔の噴孔入口部にはダレを有し、このダレは上記弁座軸心の径方向に対して外側よりも内側のダレ量が大きくなされていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃料噴射弁。
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