JP4592793B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents

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Description

この発明は、自動車の内燃機関などへの燃料供給に使用される燃料噴射弁に係り、特に、噴霧特性における微粒化の促進を図るとともに、噴霧形状のばらつきを抑制する燃料噴射弁に関するものである。
近年、自動車などの排出ガス規制が強化される中、燃料噴射弁から噴射される燃料噴霧噴射方向の自由度および微粒化の向上が求められている。特に、燃料噴霧の微粒化については各種の検討がなされており、例えば、特開平2007−100515号公報(以下、特許文献1と称す。)に開示されているような燃料噴射弁がある。
特許文献1には、複数の噴孔を有する燃料噴射弁が開示されており、この燃料噴射弁には、弁体の先端部に噴孔プレートとほぼ平行な平坦面が形成されており、弁座シート部下流側の内壁の延長と噴孔プレートの上流側平面が交差する仮想包絡線の内側で、かつ、弁体先端部の平坦面より外側に噴孔の入口部が配置されている。そして、噴孔入口径dに対して、開弁状態における弁体先端部に形成された平坦面と噴孔プレートの上流側平面の垂線距離hが、h<dの関係を有するとともに、噴孔が噴孔プレートの板厚方向に対して所定角度傾斜して形成されている(例えば、特許文献1参照)。
また、他の従来技術として図7に示すような燃料噴射弁がある。図7に示す燃料噴射弁は、複数の噴孔70を有し、弁体71の先端部と対向する噴孔プレート72の中央部に、弁体71の先端部とほぼ平行に下流側に突出する突部72aが形成されている。そして、この燃料噴射弁は、弁座73のシート部74における下流側内壁の延長と噴孔プレート72の上流側面が交差する仮想包絡線上で、かつ、突部72aより外側に噴孔70の入口部が配置され、噴孔入口径dに対して、開放状態における弁体71の先端部と噴孔プレート72の上流側面の最短距離hが、h<dの関係に構成されている。さらに、噴孔70は、噴孔プレート72の板厚方向に対して所定角度傾斜させて構成されている。
特開平2007−100515号公報(段落0013、図2)
前記従来の燃料噴射弁によれば、何れも弁体先端と弁座および噴孔プレートで囲まれたキャビティ内における燃料の流れは、噴孔プレートに到達してから弁体先端の平坦部、あるいは噴孔プレートの突部まではキャビティ流路面積が急激に縮小するため、前記仮想包絡線の中心方向への流れ(図7の符号L1)が強化される。しかも、弁体先端部と噴孔プレートの最短距離h<噴孔入口径dの関係により、噴孔間を通過して噴孔プレート中心で対向する流れによってUターンして噴孔に向かう流れ(図7の符号L2)を抑制することによって、一方向からの噴孔への流入が強化される。これによって、噴孔入口部での流れ剥離により液膜が形成され、燃料は噴孔壁に押し付けられることで噴孔内の流れは噴孔の曲率に沿った流れとなり、噴孔内で空気との混合を促進しつつ、噴孔出口から三日月状の液膜として拡散させ、過度な噴霧拡散を抑制しつつ微粒化を促進することが可能であるとしている。
しかし、図7で示すように、弁座73のシート部74に沿って流れてきた燃料が、噴孔70の入口部に突入後、噴孔壁に押し付けられて噴孔70の曲率に沿った流れに変換されるとき、噴孔70の内部で三日月状の液膜を形成するには最適な噴孔長さが必要で、長すぎると燃料は噴孔70の内部を一周して筋状噴霧となり、短すぎても噴孔70の曲率に沿った流れへの変換が十分でなく、筋状噴霧となってしまう。
また、弁体71の軸心と噴孔70の中心を通る断面において、噴孔70の径方向内側を通り、弁座73のシート部74と平行な第1平行線75と、同じく噴孔70の径方向外側を通り、弁座73のシート部74と平行な第2平行線76の距離は、弁座73のシート部74を下流側に延長した仮想円錐面と噴孔70が配置されている噴孔プレート72の平面とのなす角度が90°のとき最大となり、0°のとき0である。
前記従来の燃料噴射弁の構造では、噴孔70の入口部は弁体71の軸心に直交する平面上に配置されているため、弁座73のシート部74と噴孔70の配置面とのなす角は大きく、第1平行線75と第2平行線76の距離も大きい。そのため、噴孔70の入口部の径方向外側を通過して噴孔壁の径方向内側に衝突する燃料と、噴孔70の入口部の径方向内側に衝突した燃料とでは、噴孔70の出口まで距離が異なり、両方に対して微粒化に最適な噴孔長さが存在しない構造となっている。
ところで、噴孔プレートに複数設けられた噴孔から燃料を噴射する燃料噴射弁では、大流量仕様への適用のため、噴孔径を大きくする必要があり、噴孔の入口部における径方向内側と外側の距離が大きくなってしまう。また、大きい噴射角を実現するためには噴孔の傾斜角を大きくする必要があり、噴孔の入口形状の扁平率が大きくなり、噴孔の入口部における径方向内側と外側の距離が大きくなってしまう。
前記従来の燃料噴射弁の構造では、図7のように、噴孔70の入口部は弁体71の軸心に直交する平面上に配置されているため、大流量仕様や噴射角大の仕様に適用する場合、流量や噴霧仕様の成り行きで、第1平行線75と第2平行線76の距離が大きくなり、噴霧粒径が悪化する問題を抱えている。
また、噴孔70の傾斜角を大きくすると、プレスによる噴孔70の抜き性において、抜き方向で入口側のダレやカエリ、および抜き方向で出口側の破断面が増大するため、噴霧ばらつきや流量ばらつきが大きくなる問題がある。
一方、噴孔プレートに複数設けられた噴孔から燃料を噴射する燃料噴射弁では、噴孔プレートを弁座に溶接すると溶接部が冷えて固まる際に収縮するが、溶接部より内側の噴孔プレートは放射方向に引っ張られ、弁座には残留応力が発生する。このため、噴孔プレート溶接後における弁座のシート部の真円度が低下し、弁油密を悪化させることが知られている。前記残留応力を緩和するためには、噴孔プレートの材料硬度を低下することが効果的であるが、プレスでの噴孔抜き性が悪化するため、噴霧、流量ばらつきの低減と弁油密性の向上が両立できない問題も抱えている。
この発明は、前記のような従来装置の課題を解決するためになされたもので、流量精度や噴霧特性のばらつきの抑制と、噴霧の指向性を維持しつつ、燃料噴霧の微粒化を向上するようにした燃料噴射弁を得ることを目的とするものである。
この発明に係る燃料噴射弁は、弁座を開閉する弁体を有し、制御装置より動作信号を受けて前記弁体を動作させ、弁座下流側に装着された噴孔プレートに複数設けられた噴孔から燃料を噴射する燃料噴射弁であって、次の要件を備えたものである。
(1)前記噴孔プレートの上流側端面の一部を窪ませて前記弁体の軸心を中心に径方向に広がる薄肉部を設ける。
(2)前記薄肉部とその外周側の噴孔プレート厚までを繋ぐ部分にテーパ面を設ける。
(3)弁座シート部の下流側へ延長した仮想円錐面と前記テーパ面が交差して1つの仮想円を形成するように、前記テーパ面の角度を前記弁座のシート角より大きくする。
(4)前記噴孔の入口部を前記テーパ面上の前記仮想円にかかるように配置する。
(5)前記噴孔の出口部を入口部に対して径方向外側に配置する。
(6)前記弁体の開弁状態における前記弁体の軸心部の前記弁体先端と前記薄肉部の垂線距離hが、噴孔入口径dに対し、h<dの関係を有する。
この発明に係る燃料噴射弁によれば、噴霧特性における微粒化の促進を図るとともに、噴霧形状のばらつきを抑制することができる。
以下、添付の図面を参照して、この発明に係る燃料噴射弁について好適な実施の形態を説明する。なお、これらの実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る燃料噴射弁の断面図であり、図2は、この発明の実施の形態1に係る燃料噴射弁の先端部の詳細断面図である。
図1において、燃料噴射弁1は、ソレノイド装置2、磁気回路のヨーク部分であるハウジング3、磁気回路の固定鉄心部分であるコア4、コイル5、磁気回路の可動鉄心部分であるアマチュア6、および弁装置7を備えている。なお、弁装置7は、弁体8と弁本体9、および弁座10により構成されている。
弁本体9は、コア4の外径部に圧入後、溶接されており、アマチュア6は弁体8に圧入後、溶接されている。弁座10には、噴孔プレート11が溶接部11aで弁座下流側に結合された状態で装着され、弁本体9に挿入後、溶接部11bで結合されている。噴孔プレート11には、図2に示されるように、板厚方向に傾斜して貫通する複数の噴孔12が設けられている。
次に、図1の燃料噴射弁の開閉動作について説明する。
内燃機関の制御装置(図示せず)より燃料噴射弁1の駆動回路(図示せず)に動作信号が送られると、燃料噴射弁1のコイル5に電流が通電され、アマュア6、コア4、ハウジング3、弁本体9で構成される磁気回路に磁束が発生し、アマチュア6がコア4側へ吸引される。これによって、アマチュア6と一体構造である弁体8が弁座シート部10a(図2参照)から離れて、弁体8と弁座シート部10aとの間に隙間が形成される。そして、図2に示すように、燃料L1、L2は、弁体8の先端部に溶接されたボール13の面取り部13aから弁体8と弁座シート部10aとの隙間を通って、複数の噴孔12からエンジン吸気管に噴射される。
内燃機関の制御装置より燃料噴射弁1の駆動回路に動作の停止信号が送られると、コイル5の電流の通電が停止し、磁気回路中の磁束が減少して弁体8を閉弁方向に押している圧縮ばね14により、弁体8と弁座シート部10a間の隙間は閉じ状態となり、燃料噴射が終了する。
弁体8は、アマチュア6の側面6a、ガイド13bにより弁本体9のガイド部と摺動し、開弁状態ではアマチュア6の上面6bがコア4の下面と当接する。ガイド13bは、弁座面に対する弁体8の径方向の非同軸度(振れ)を規制する手段であるので、クリアランスはなるべく小さく設定されるのが好ましく、本実施の形態では、弁体8の耐久磨耗を許容限度以内とするため、10μm以下(片側隙間5μm以下)としている。
次に、この発明の実施の形態1に係る燃料噴射弁の要部の構成および作用について、図2を用いて説明する。
実施の形態1に係る燃料噴射弁1は、図2に示すように、噴孔プレート11の上流側端面の一部を窪ませることで、弁体8の軸心を中心に径方向に広がる薄肉部11cを設け、かつ、噴孔プレート11の上流側端面において、薄肉部11cとその外周側の噴孔プレート11の上流側端面までを繋ぐ部分にテーパ面11dを設けている。さらに、弁座シート部10aの下流側へ延長した仮想円錐面10bとテーパ面11dが交差して1つの仮想円11eを形成するように、テーパ面11dの角度αを弁座シート部10aのシート角βより大きくしている。
また、噴孔12の出口部は入口部に対して径方向外側に配置され、かつ、噴孔12の入口部は、テーパ面11d上の仮想円11eにかかるように配置されており、開弁状態における弁体8の軸心部の先端と薄肉部11cとの垂線距離hが、噴孔入口径dに対し、h<dの関係を有している。
実施の形態1に係る燃料噴射弁は前記のように構成されているので、噴孔12の入口部での流れ剥離により液膜15を形成し、燃料が噴孔壁12aに押し付けられる。そして、噴孔12内の燃料の流れが噴孔12の曲率に沿った流れ16となり、噴孔12内で空気17との混合を促進しつつ、噴孔出口から三日月状の液膜18として拡散し、微粒化を促進することになる。
また、噴孔プレート11にテーパ面11dを設けたことにより、流量仕様や噴霧仕様に関係なく、弁体8の軸心と噴孔12の中心を通る断面において、噴孔12の入口部の径方向内側12bを通り、弁座シート部10aと平行な第1平行線19と、同じく噴孔12の入口部の径方向外側12cを通り、弁座シート部10aと平行な第2平行線20との間の距離を小さくすることができる。よって、燃料が噴孔12の入口部の径方向外側12cを通過して噴孔壁の径方向内側12dに衝突する地点と、噴孔12の入口部の径方向内側12bとの距離は小さく、噴孔12の入口部の径方向外側12cと、噴孔12の入口部の径方向内側12bのそれぞれを通過した燃料の微粒化に最適な噴孔長さを近づけることができる。このため、流量仕様や噴霧仕様に関係なく、噴霧の微粒化が可能である。
さらに、噴孔12の傾斜角が大きい仕様の噴孔プレス抜き性においても、テーパ面11dに対する噴孔傾斜角はテーパ面11dのない従来技術に対して小さくなるため、噴孔12の入口側から出口側へプレスする場合は、噴孔12の入口側のダレやカエリ、噴孔12の出口側から入口側へプレスする場合は、噴孔12の入口側の破断面が減少し、噴霧ばらつきや流量ばらつきを小さくできる効果がある。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2に係る燃料噴射弁について説明する。図3は、実施の形態2に係る燃料噴射弁の断面図を示している。
図3において、実施の形態2に係る燃料噴射弁30は、噴孔プレート31に設けられた薄肉部31cに、弁体8の先端部とほぼ平行に下流側へ突出する突部32を設けたものである。なお、その他の構成は実施の形態1と同様であり、同一符号を付すことにより、その説明を省略する。
実施の形態2に係る燃料噴射弁は、上記構成によって弁座シート部10aから弁座10の下流側端面までの距離Hを小さくすることが可能となり、弁座シート部10aの下流側へ延長した仮想円錐面10bとテーパ面11dが交差して形成する仮想円11eをさらに大きくすることができる。なお、弁座シート部10aから弁座10の下流側端面までの距離Hを小さくできる理由は次のとおりである。即ち、弁座シート部10aから弁座10の下流側端面までの距離Hは、弁体8の閉弁時に弁体8の先端部と噴孔プレート31が接触しない範囲までしか小さくできないが、実施の形態2に係る燃料噴射弁30のように、突部32を設けることにより、弁体8の先端部と噴孔プレート31の接触を回避できるため、前記距離Hを小さくできることになる。
これにより噴孔12をより径方向外側へ配置することが可能となり、大流量仕様への適用において噴孔径を大きくしても各噴孔12間の距離が接近しないように配置できる。従って、各噴孔12から噴射される噴霧同士の干渉も抑制することができ、大流量化により噴霧の微粒化が阻害されることはない。
また、高温負圧の下ではキャビティ内の燃料の一部が蒸発して気液二層流となり、これにより流量低下や噴霧変化を引き起こすが、本実施の形態によれば、弁座シート部10aから弁座10の下流側端面までの距離Hを小さくしたことにより、閉弁時における弁体8、弁座10、噴孔プレート31で囲まれる容積(デッドボリューム)を小さくすることができるため、高温負圧の下におけるデッドボリューム内の燃料蒸発量も少なく、雰囲気変化に伴う流量特性(静的流量、動的流量)および噴霧特性(噴霧形状、噴霧粒径)の変化量を抑制する効果がある。
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3に係る燃料噴射弁について説明する。図4は、実施の形態3に係る燃料噴射弁の断面図を示している。
実施の形態3に係る燃料噴射弁40は、噴孔プレート41に薄肉部41cを設け、この薄肉部41cに弁座軸42に対してほぼ軸対称で、かつ、円弧状の断面を有する突部43を設けるとともに、弁座10と噴孔プレート41の溶接部11aも弁座軸42に対してほぼ軸対称としたものである。なお、その他の構成は実施の形態1と同様であり、同一符号を付すことにより、その説明を省略する。
実施の形態3に係る燃料噴射弁によれば、噴孔プレート41を弁座10に溶接したのち、溶接部11aが冷えて固まる際に、図4中の矢印Aで示す方向に収縮するため、溶接部11aより内側の噴孔プレート41は放射方向に引っ張られて突部43の高さが小さくなる方向に変形する。
この変形によって溶接後に弁座10に発生する残留応力は緩和されるため、噴孔プレート41に突部43がない場合に比べて、噴孔プレート41の溶接による弁座シート部10aの真円度の低下を軽減し、弁油密の悪化を抑制する効果がある。しかも、噴孔12は突部43の外周側に配置しているため、噴孔12の変形は燃料噴射弁40の軸心に対して放射方向のみに限定されるため、溶接後の噴孔プレート41の変形による噴孔傾斜角の変化は起こらず、溶接ばらつきによる噴射方向のばらつきを起こすこともない。
実施の形態4.
次に、この発明の実施の形態4に係る燃料噴射弁について説明する。図5は、実施の形態4に係る燃料噴射弁の断面図を示している。
実施の形態4に係る燃料噴射弁50は、噴孔プレート51に薄肉部51cを設け、この薄肉部51cを平坦面としている。そして、この平坦面にほぼ平行な平坦部13cを弁体8の先端部に設け、この弁体8の先端部に設けた平坦部13cの最外径φDを、全噴孔12におけるそれぞれの入口部の内接円より小さくしたものである。なお、その他の構成は実施の形態1と同様であり、同一符号を付すことにより、その説明を省略する。
実施の形態4に係る燃料噴射弁によれば、実施の形態2と同様の効果を得るとともに、低コストの燃料噴射弁が得られる。なお、低コストの燃料噴射弁が得られる理由は次のとおりである。
通常、噴孔プレートは低コスト化のため、次の工程により帯状のフープ材を順送りしながら製造している。
<噴孔プレート製造工程>
コイニング成形(フープ材)→噴孔加工(フープ材)
→噴孔部バリ取り(フープ材)→1枚のプレートとして切り出し
この製造工程において、フープ材の状態で実施の形態2、あるいは実施の形態4において説明した噴孔プレートの突部を形成すると、順送り時の送り性の低下や、噴孔部バリ取り時の作業性に問題が生じるため、1枚のプレートとして切り出す最終工程時に前記突部を形成する必要がある。しかし、コイニング成形機とは別に突部成形設備(例えば、プレス装置、金型)が必要となるため、噴孔プレートへの突部形成はコストアップになる。また、製造ラインの省スペース化のため、噴孔プレート製造ラインを並列化するとき、隣接の製造ラインにフープ材を流すため、一旦、フープ材を巻き取る必要があるが、前記突部があると、巻き取れない問題点もある。
これに対し、実施の形態4に示すように、噴孔プレートに突部を形成する代わりに、弁体8の先端部に平坦部13cを設け構造の場合、噴孔12の加工時に平坦部13cを加工することが可能となる。従って、突部成形設備のような特別の設備を必要とせず、低コストの燃料噴射弁が得られることになる。
実施の形態5.
次に、この発明の実施の形態5に係る燃料噴射弁について説明する。実施の形態5に係る燃料噴射弁は、実施の形態1から実施の形態4において説明した噴孔プレートの薄肉部、およびテーパ面をコイニングにより成型したものである。
前記のように、噴孔プレートの薄肉部、およびテーパ面をコイニングにより成型することにより、噴孔の配置される部分がコイニングにより硬化し、プレスでの噴孔抜き性が向上するため、弁油密性を考慮して噴孔プレートの材料硬度を下げることが可能となり、噴霧、流量ばらつきの低減と弁油密性の向上が両立できる効果がある。
実施の形態6.
次に、この発明の実施の形態6に係る燃料噴射弁について説明する。図6は、実施の形態6に係る燃料噴射弁の断面図を示している。
実施の形態6に係る燃料噴射弁60は、弁体8の先端部13がボール形状に構成されており、ボール外周部に弁体8の軸心に対して平行な第1平面13dと第1平面13dに対して直交し、同じく弁体8の軸心に対して平行な第2平面13eにより形成した複数の溝13fにより燃料通路を構成したものである。なお、その他の構成は実施の形態3と同様であり、同一符号を付すことにより、その説明を省略する。
実施の形態6に係る燃料噴射弁によれば、円周方向に均一なシート流れを形成するのにより多くの燃料通路を容易に形成することが可能で、シート流れが噴孔入口へ突入する燃料噴射弁において、噴霧ばらつきを低減する効果がある。
この発明に係る燃料噴射弁は、自動車の内燃機関などへの燃料供給に使用される燃料噴射弁として利用できる。
この発明の実施の形態1に係る燃料噴射弁の断面図である。 この発明の実施の形態1に係る燃料噴射弁の先端部の詳細断面図である。 この発明の実施の形態2に係る燃料噴射弁の断面図を示す。 この発明の実施の形態3に係る燃料噴射弁の断面図である。 この発明の実施の形態4に係る燃料噴射弁の断面図である。 この発明の実施の形態6に係る燃料噴射弁の断面図である。 従来の燃料噴射弁の断面図である。
符号の説明
30、40、50、60 燃料噴射弁 2 ソレノイド装置
3 ハウジング 4 コア
5 コイル 6 アマチュア
6a アマチュアの側面 6b アマチュアの上面
7 弁装置 8、71 弁体
9 弁本体 10、73 弁座
10a、74 弁座シート部 11、31、41、51、72 噴孔プレート
11a、11b 溶接部 11c、31c、41c、51c 薄肉部
11d テーパ面 11e 仮想円
12、70 噴孔 12a 噴孔壁
12b 噴孔の入口部の径方向内側 12c 噴孔の入口部の径方向外側
13 ボール 13a 面取り部
13b ガイド 13c 平坦部
13d 第1平面 13e 第2平面
13f 溝 14 圧縮ばね
15 液膜 16 燃料の流れ
17 空気 18 三日月状の液膜
19 第1平行線 20 第2平行線
32、43、72a 突部 42 弁座軸

Claims (6)

  1. 弁座を開閉する弁体を有し、制御装置より動作信号を受けて前記弁体を動作させ、弁座下流側に装着された噴孔プレートに複数設けられた噴孔から燃料を噴射する燃料噴射弁であって、次の要件を備えたことを特徴とする燃料噴射弁。
    (1)前記噴孔プレートの上流側端面の一部を窪ませて前記弁体の軸心を中心に径方向に広がる薄肉部を設ける。
    (2)前記薄肉部とその外周側の噴孔プレート厚までを繋ぐ部分にテーパ面を設ける。
    (3)弁座シート部の下流側へ延長した仮想円錐面と前記テーパ面が交差して1つの仮想円を形成するように、前記テーパ面の角度を前記弁座のシート角より大きくする。
    (4)前記噴孔の入口部を前記テーパ面上の前記仮想円にかかるように配置する。
    (5)前記噴孔の出口部を入口部に対して径方向外側に配置する。
    (6)前記弁体の開弁状態における前記弁体の軸心部の前記弁体先端と前記薄肉部の垂線距離hが、噴孔入口径dに対し、h<dの関係を有する。
  2. 前記薄肉部に前記弁体先端部とほぼ平行に下流側へ突出する突部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
  3. 前記突部は弁座軸に対してほぼ軸対称で、かつ、円弧状の断面を有するとともに、前記弁座と前記噴孔プレートの溶接部を前記弁座軸に対してほぼ軸対称としたことを特徴とする請求項2に記載の燃料噴射弁。
  4. 前記薄肉部を平坦面とし、かつ前記平坦部にほぼ平行な平坦部を前記弁体先端部に設け、その最外径が前記噴孔入口部の全噴孔の内接円より小さいことを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
  5. 前記薄肉部および前記テーパ面をコイニングにより成型したことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の燃料噴射弁。
  6. 前記弁体の先端部にボールを装着し、前記ボール外周部に前記弁体の軸心に対して平行な第1の平面と前記第1の平面に対し直交し、同じく前記弁体の軸心に対して平行な第2の平面により形成した複数の溝を設けたことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載の燃料噴射弁。
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