JP2004204806A - 燃料噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】噴孔プレート40が形成する各噴孔の中心軸は、反弁ボディ側すなわち燃料出口側に向けて弁ボディ30の中心軸Lb側へ傾斜している。そのため、弁ボディ30の内壁面30aに沿って各噴孔の燃料入口側に到達した燃料は、燃料入口側において大きく流れの方向を変えることなく各噴孔へ流入する。これにより、各噴孔の内部において、燃料の流れは各噴孔を形成する噴孔プレート40の内周面から剥離しにくい。また、噴孔411の場合、中心軸L11は燃料出口側において外周側にある噴孔421の中心軸と衝突点P1において交差している。そのため、燃料は噴孔プレート40の内周面から剥離することなく噴孔411および噴孔421から噴射され、液柱状態のまま衝突点P1で衝突する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関(以下、内燃機関を「エンジン」という。)に燃料を噴射する噴孔を噴孔部材に形成した燃料噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、燃料噴射装置から噴射された燃料の噴霧を微粒化する技術として、燃料の衝突によって燃料の液滴の分裂を促進する手法がある(特許文献1、特許文献2)。例えば、特許文献1に開示されている技術では、噴孔プレートが形成する二つの対向する噴孔から燃料を噴射している。これにより、噴孔から噴射された液柱状の燃料の噴霧を噴孔の燃料出口側で衝突させ、燃料の微粒化を図っている。また、特許文献2に開示されている技術では、噴孔プレートに形成されている噴孔をスリット形状としている。これにより、噴孔から噴射される燃料の幅を増大させ、燃料の衝突の促進を図っている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−107824公報
【特許文献2】
特開平11−82243号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の手法を適用した燃料噴射装置では図24に示すように弁座101を通過した燃料が噴孔102へ誘導される際、噴孔プレート100に衝突することにより燃料の流れの方向が変化する。そのため、噴孔102に流入する燃料の流れには乱れが生じる。また、図24(B)に示すように噴孔102は燃料入口側における燃料の流れの方向に対して鋭角に形成されている。そのため、噴孔102の燃料入口側を噴孔プレート100に沿って流れた燃料が噴孔102に流入する場合、噴孔102の内部では噴孔102を形成する内周面から燃料が剥離する剥離領域103が形成される。燃料の流れに乱れが生じ、噴孔102内に剥離領域103が形成する場合、噴孔102から噴射された燃料は噴孔102からの噴射直後に自ら分裂した噴霧となる。すなわち、噴孔102から噴射された燃料同士の衝突が阻害され、燃料の微粒化の効果が低下する。
【0005】
また、図25に示すように噴孔プレート110に形成されている噴孔111の全長を延長することにより、噴孔111内において生じる燃料の流れの乱れを低減し、噴射直後の燃料の分裂を抑制することも考えられる。しかし、噴孔111の全長を延長すると、燃料と噴孔111を形成する噴孔プレート110の内周面とが接触する機会が増大し、燃料の摩擦損失が増大する。そのため、噴孔111から噴射される燃料の流速が低下する。すなわち、燃料の衝突前において燃料が有しているエネルギーの低下を招く。その結果、燃料の有しているエネルギーを微粒化のためのエネルギーとして効率的に利用することができない。
【0006】
また、燃料の流速の低下は、弁座112を通過した燃料が噴孔111へ誘導されるまでの間にも発生する。すなわち、流速の低下は、例えば燃料が噴孔プレート110に衝突することによるエネルギーの損失、ならびに噴孔111内における燃料の液膜化にともなう燃料の拡散によっても発生する。さらに、噴孔111内において燃料が拡散すると、噴射後の衝突点に向かう燃料の量も低下する。なお、衝突点とは、異なる噴孔111から噴射された燃料の液柱または液滴同士が衝突する地点をいう。
【0007】
燃料の流速が低下すると、エネルギーの利用効率が低下するだけでなく、形成された液膜が液滴になるまでに必要な時間が長くなり、噴霧の粒径が増大する。すなわち、燃料の微粒化が阻害されるという問題がある。また、衝突点における燃料の量が減少すると、噴孔111から噴射された噴霧が周囲の気流の影響を受けやすくなる。そのため、噴霧の方向が変動しやすくなり、サイクル毎に衝突する燃料の噴霧の量が変化する。その結果、微粒化した噴霧を安定して形成することが困難になるという問題がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、噴孔の燃料入口側における燃料の乱れを低減し、噴孔内における燃料の拡散を防止することにより燃料の安定した微粒化を促進する燃料噴射装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、噴孔の燃料入口側における燃料の乱れを低減し、噴孔内における燃料の拡散を防止するとともに、燃料の流速を増大することにより燃料の安定した微粒化を促進する燃料噴射装置を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、噴孔の燃料入口側において燃料を噴孔へ誘導し、噴孔内における燃料の拡散を防止し、安定した微粒化を促進する燃料噴射装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1または2記載の燃料噴射装置によると、第一噴孔群および第二噴孔群を構成する各噴孔の中心軸は、反弁ボディ側へ向かって弁ボディの中心軸側へ傾斜している。弁ボディと弁部材との間に形成される燃料通路を通過した燃料は、弁ボディの内壁面に沿って噴孔へ誘導される。このとき、噴孔に誘導される燃料は、噴孔部材の径方向外側から中心に向けて流れる。第一噴孔群および第二噴孔群を構成する噴孔は、反弁ボディ側に向かうにしたがって弁ボディの中心軸方向へ傾斜して形成されているため、噴孔へ誘導される燃料の流れは噴孔へ流入する際に大きく変化しない。そのため、噴孔の燃料入口側における燃料の乱れ、ならびに噴孔内における燃料の拡散は防止される。その結果、燃料の有しているエネルギーの損失は低減される。したがって、燃料の衝突点における燃料の流速を大きくすることができ、燃料同士の衝突による分裂が促進され、燃料の安定した微粒化を促進することができる。
【0010】
本発明の請求項3記載の燃料噴射装置によると、弁ボディの内壁面は噴孔部材側の端部において噴孔を形成する噴孔部材の内周面の燃料入口側の端部と交わっている。そのため、弁ボディの内壁面に沿って流れた燃料は噴孔部材と衝突することなく、直接噴孔へ流入する。これにより、噴孔の燃料入口側における燃料の乱れが低減され、噴孔内における燃料の拡散が防止される。また、燃料が噴孔部材に衝突しないため、燃料は有しているエネルギーに損失が生じることなく噴孔へ流入する。したがって、噴孔を流れる燃料の流速を増大することができ、安定した燃料の微粒化を促進することができる。
【0011】
本発明の請求項4記載の燃料噴射装置によると、弁ボディの内壁面ならびに噴孔の中心軸がそれぞれ弁ボディの中心軸となす角度は近似している。すなわち、弁ボディの内壁面ならびに噴孔の中心軸の傾斜角は近似している。そのため、弁ボディの内壁面に沿って流れる燃料は、流れの方向が変更されることなく噴孔へ流入する。これにより、噴孔の燃料入口側における燃料の乱れが低減され、噴孔内における燃料の拡散が防止される。また、燃料の流れの方向が変更されないため、燃料は有しているエネルギーが損失することなく噴孔へ流入する。その結果、噴孔を流れる燃料の流速、ならびに燃料の衝突点における流速を増大することができる。したがって、燃料の安定した微粒化を促進することができる。
【0012】
本発明の請求項5記載の燃料噴射装置によると、弁部材の当接部よりも噴孔部材側における外周壁ならびに噴孔の中心軸がそれぞれ弁ボディの中心軸となす角度は近似している。すなわち、弁部材の先端付近における外周壁ならびに噴孔の中心軸の傾斜角は近似している。そのため、弁ボディの内壁面に沿って流れる燃料は、弁部材の外周壁に沿って噴孔へ流入する。これにより、噴孔の燃料入口側における燃料の乱れが低減され、噴孔内における燃料の拡散が防止される。また、燃料の流れの方向の変更が小さいため、燃料は有しているエネルギーが損失することなく噴孔へ流入する。その結果、噴孔を流れる燃料の流速、ならびに燃料の衝突点における流速を増大することができる。したがって、燃料の安定した微粒化を促進することができる。
【0013】
本発明の請求項6記載の燃料噴射装置によると、第一噴孔群を構成するいずれかの噴孔の中心軸は、反弁ボディ側において第二噴孔群を構成するいずれかの噴孔の中心軸と交わっている。そのため、第一噴孔群のいずれかの噴孔から噴射された燃料は、第二噴孔群のいずれかの噴孔から噴射された燃料と確実に衝突する。したがって、燃料の安定した微粒化を促進することができる。
【0014】
本発明の請求項7記載の燃料噴射装置によると、弁ボディと噴孔部材との間には誘導部材が設置されている。これにより、噴孔の燃料入口側において燃料は噴孔へ誘導され、噴孔へ向かう燃料を強制的に噴孔の中心軸に沿って噴孔へ流入させることができる。そのため、噴孔内における燃料の拡散が防止され、燃料の衝突点まで液柱状の燃料を供給することができる。また、誘導部材は燃料の流れを誘導し、複数の噴孔のいずれにも所定の方向から燃料を噴孔へ流入させる。そのため、噴孔部材に複数の噴孔を形成する場合でも、各噴孔の内部における燃料の拡散が防止される。したがって、衝突点における燃料の流れの安定性を確保することができ、燃料の安定した微粒化を促進することができる。
【0015】
本発明の請求項8記載の燃料噴射装置によると、噴孔は燃料入口から燃料出口にかけて内径が縮小している。また、噴孔を形成する噴孔部材の内周面が噴孔部材の径方向外側において弁ボディの中心軸となす角度は、弁ボディの内壁面と弁ボディの中心軸とがなす角度に近似する。そのため、弁ボディの内壁面に沿って流れる燃料は、流れの方向が変更されることなく噴孔へ流入する。さらに、噴孔の内径が燃料出口にかけて縮小することにより、噴孔の断面積は徐々に縮小するため、燃料の流速は増大する。これらにより、噴孔の燃料入口側における燃料の乱れが低減され、噴孔内における燃料の拡散が防止されるとともに、燃料と噴孔を形成する内周面との摩擦によるエネルギーの損失が低減される。その結果、噴孔を流れる燃料の流速、ならびに衝突点における燃料の流速を増大することができる。したがって、燃料の安定した微粒化を促進することができる。また、噴孔部材の中心軸側における内周面の傾斜角を調整することにより、噴孔から噴射される燃料の噴射方向ならびに噴射方向の安定性を高めることができる。
【0016】
本発明の請求項9記載の燃料噴射装置によると、噴孔は燃料入口から燃料出口にかけて内径が縮小している。また、噴孔を形成する噴孔部材の内周面が噴孔部材の径方向外側において弁ボディの中心軸となす角度は、弁部材の当接部よりも噴孔部材側における外壁面と弁ボディの中心軸とがなす角度に近似する。そのため、弁部材の外壁面に沿って流れる燃料は、流れの方向が変更されることなく噴孔へ流入する。さらに、噴孔の内径が燃料出口にかけて縮小することにより、噴孔の断面積は徐々に縮小するため、燃料の流速は増大する。これらにより、噴孔の燃料入口側における燃料の乱れが低減され、噴孔内における燃料の拡散が防止されるとともに、燃料と噴孔を形成する内周面との摩擦によるエネルギーの損失が低減される。その結果、噴孔を流れる燃料の流速、ならびに衝突点における燃料の流速を増大することができる。したがって、燃料の安定した微粒化を促進することができる。また、噴孔部材の中心軸側における内周面の傾斜角を調整することにより、噴孔から噴射される燃料の噴射方向ならびに噴射方向の安定性を高めることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示す複数の実施例を図面に基づいて説明する。
(第1実施例)
本発明の第1実施例による燃料噴射装置(以下、燃料噴射装置を「インジェクタ」という。)を図2に示す。第1実施例によるインジェクタ10は、例えば直噴式のガソリンエンジンに適用される。なお、インジェクタ10は、直噴式のガソリンエンジンに限らず、予混合式のガソリンエンジン、またはディーゼルエンジンなどに適用してもよい。直噴式のガソリンエンジンに第1実施例によるインジェクタ10を適用する場合、インジェクタ10は図示しないエンジンヘッドに搭載される。
【0018】
インジェクタ10のハウジング11は筒状に形成されている。ハウジング11は、第一磁性部12、非磁性部13および第二磁性部14を有している。非磁性部13は、第一磁性部12と第二磁性部14との磁気的な短絡を防止している。固定コア15は、磁性材料により筒状に形成されている。固定コア15は、ハウジング11の内周側にハウジング11と同軸に固定されている。可動コア16は、磁性材料で筒状に形成され、ハウジング11の内周側に収容されている。可動コア16は、ハウジング11の内周側を軸方向へ往復移動可能である。
【0019】
ハウジング11の外周側にはスプール17が装着されている。スプール17にはコイル18が巻回されている。スプール17およびコイル18の外周側は樹脂モールド19により覆われている。コイル18は、樹脂モールド19により形成されているコネクタ20に埋設されているターミナル21と接続されている。ターミナル21を経由してコイル18に通電されると、固定コア15と可動コア16との間に磁気吸引力が発生する。
【0020】
アジャスティングパイプ22は、固定コア15の内周側に圧入されている。アジャスティングパイプ22の内周側は、燃料通路23を形成している。アジャスティングパイプ22は、可動コア16側の端部がスプリング24に当接している。スプリング24は、一方の端部がアジャスティングパイプ22に当接し、他方の端部が可動コア16に当接している。これにより、スプリング24は可動コア16を反固定コア方向へ付勢する。アジャスティングパイプ22の圧入量を調整することにより、可動コア16を付勢するスプリング24の荷重が調整される。
【0021】
ハウジング11は、図示しない燃料タンクから燃料が供給される燃料入口25を有している。燃料入口25から流入した燃料は、フィルタ26を経由してハウジング11の内周側に流入する。フィルタ26は、燃料に含まれる異物を除去する。
ノズルホルダ27は、筒状に形成され、ハウジング11の端部に接続されている。ノズルホルダ27の内周側には、弁ボディ30が固定されている。弁ボディ30は、筒状に形成され、例えば圧入あるいは溶接などによりノズルホルダ27に固定されている。弁ボディ30は、図3に示すように内壁面30aに先端に近づくにつれて内径が小さくなる円錐状の弁座31を有している。弁ボディ30の反ハウジング側の端部とノズルホルダ27との間には、噴孔部材としての噴孔プレート40が設置されている。噴孔プレート40は、噴孔41を形成している。
【0022】
弁部材としてのノズルニードル32は、ハウジング11、ノズルホルダ27および弁ボディ30の内周側に軸方向へ往復移動可能に収容されている。ノズルニードル32は、弁ボディ30と同軸上に配置されている。ノズルニードル32は、一方の端部が可動コア16に接続されている。これにより、ノズルニードル32は、可動コア16と一体に軸方向へ往復移動可能である。ノズルニードル32の反可動コア側の端部には、弁ボディ30の弁座31に着座可能な当接部33が形成されている。ノズルニードル32と弁ボディ30との間には、燃料が流れる燃料通路34が形成される。ノズルニードル32の当接部33よりも先端側すなわち噴孔プレート40側には、円錐部35が形成されている。また、当接部33よりも燃料流れ下流側において、ノズルニードル32の外壁面と、弁ボディ30の内壁面30aと、噴孔プレート40の弁ボディ30側の面とにより囲まれた空間に燃料室36が形成される。燃料室36は、扁平な略円錐台形状に形成される。
【0023】
燃料入口25からハウジング11の内周側に流入した燃料は、フィルタ26、アジャスティングパイプ22の内周側に形成される燃料通路23、ならびに固定コア15の内周側を経由して、可動コア16の内周側に流れる。可動コア16の内周側の燃料は、可動コア16の内周と外周とを連通する燃料孔28を経由してハウジング11とノズルニードル32との間へ流れる。そして、燃料は、ノズルホルダ27とノズルニードル32との間を経由して、弁ボディ30とノズルニードル32との間に形成される燃料通路34へ流入する。
【0024】
コイル18に通電されていないとき、ノズルニードル32はスプリング24の付勢力により可動コア16とともに図2の下方へ移動している。そのため、当接部33は弁座31に着座し、燃料通路34と燃料室36とは連通していない。その結果、燃料通路34から燃料室36へ流入した燃料は噴孔41から噴射されない。
【0025】
コイル18に通電されると、固定コア15と可動コア16との間には磁気吸引力が発生する。これにより、可動コア16ならびに可動コア16と一体のノズルニードル32は、スプリング24の付勢力に抗して図2の上方すなわち固定コア15方向へ移動する。そのため、当接部33は弁座31から離座し、燃料通路34と燃料室36とは連通する。その結果、燃料通路34から燃料室36へ流入した燃料は噴孔41から噴射される。
【0026】
コイル18への通電が停止されると、固定コア15と可動コア16との間の磁気吸引力が消滅する。これにより、可動コア16ならびに可動コア16と一体のノズルニードル32は、スプリング24の付勢力により図2の下方へ移動する。そのため、当接部33は再び弁座31に着座し、燃料通路34と燃料室36とは連通が遮断される。その結果、燃料室36から噴孔41へ燃料は流入せず、燃料の噴射は終了する。
【0027】
次に、噴孔41の近傍について詳細に説明する。
噴孔プレート40は、弁ボディ30の先端側すなわち反ハウジング側に取り付けられている。すなわち、噴孔プレート40は、弁座31に対し燃料流れの下流側に設置されている。噴孔プレート40は、弁ボディ30と同軸のカップ状に形成されており、底部に噴孔41を形成している。噴孔プレート40には、図1に示すように第一噴孔群および第二噴孔群の二つの噴孔群が配置されている。第一噴孔群は、噴孔プレート40と概ね同心円周上に配置される噴孔411、噴孔412、噴孔413および噴孔414を有している。第二噴孔群は、噴孔プレート40の径方向において第一噴孔群の外側すなわち第一噴孔群の外周側に配置されており、噴孔421、噴孔422、噴孔423および噴孔424を有している。各噴孔は、燃料入口側において燃料室36に連通している。なお、第一噴孔群および第二噴孔群を構成する噴孔の数は、インジェクタ10が適用されるエンジンの性能に応じて任意に設定可能である。また、第一噴孔群および第二噴孔群から二重の円周上に噴孔群を形成するのではなく、三重以上の噴孔群を形成してもよい。
【0028】
以下、図1(B)に示すように第一噴孔群を構成する噴孔411および噴孔413ならびに第二噴孔群を有する噴孔421および噴孔423について説明する。
第一噴孔群の噴孔411および噴孔413において、燃料入口側の開口の中心と燃料出口側の開口の中心とを結ぶ仮想直線はそれぞれ噴孔411および噴孔413の中心軸L11、L13となる。同様に、第二噴孔群の噴孔421および噴孔423において、燃料入口側の開口の中心と燃料出口側の開口の中心とを結ぶ仮想直線はそれぞれ噴孔421および噴孔423の中心軸L21、L23となる。このとき、第一噴孔群の噴孔411および噴孔413ならびに第二噴孔群の噴孔421および噴孔423は、各中心軸L11、L13、L21、L23が下流側すなわち反弁ボディ側に向かって弁ボディ30の中心軸Lb側へ傾斜して形成されている。
【0029】
また、噴孔411の中心軸L11と噴孔プレート40の反ボディ側の端面40aとがなす角度をθ1とし、噴孔421の中心軸L21と噴孔プレート40の反ボディ側の端面40aとがなす角度をθ2とすると、θ1<θ2である。これにより、噴孔411の中心軸L11と噴孔421の中心軸L21とは、燃料の流れに対して下流側すなわち反弁ボディ側に位置する衝突点P1において交差する。同様に、噴孔413の中心軸L13と噴孔423の中心軸L23とは、衝突点P2において交差する。
【0030】
噴孔411、噴孔413、噴孔421および噴孔423が以上の条件を満たすことにより、図4に示すように各噴孔の燃料入口側すなわち燃料室36を流れる燃料の方向fと、各噴孔411、413、421、423からの燃料噴射方向jとは近似する。すなわち、燃料は燃料室36における流れの方向fに沿って各噴孔411、413、421、423へ流入し噴射される。燃料の流れについての詳細は次の通りである。
【0031】
弁座31と当接部33との間を通過した燃料は、燃料室36において噴孔プレート40の外周側から中心軸方向へ流れる。そして、燃料室36を流れる燃料は、燃料室36における流れの方向fに沿って各噴孔411、413、421、423へ流入する。そのため、燃料は、噴孔プレート40の外周から中心軸方向へ流れ、各噴孔の燃料入口側で流れの方向を大きく変えることなく各噴孔411、413、421、423へ流入する。その結果、各噴孔の内部において、燃料は噴孔プレート40の各噴孔の内周面から剥離しにくくなる。すなわち、燃料は各噴孔411、413、421、423の内部において噴孔プレート40の噴孔内周面に沿って流れる。これにより、例えば噴孔411または噴孔421を流れる燃料は、中心軸L11または中心軸L21に沿ってθ1またはθ2方向へ噴射され、衝突点P1において衝突する。噴孔413または噴孔423から噴射された燃料も同様である。また、各噴孔411、413、421、423の内部において燃料の流れが噴孔プレート40の噴孔内周面から剥離しにくくなることにより、各噴孔411、413、421、423から噴射された燃料は液柱状態を保持したまま衝突点P1、P2へ到達する。
【0032】
第1実施例では、各噴孔411、413、421、423の中心軸L11、L13、L21、L23は燃料の流れの下流に向かって弁ボディ30の中心軸Lb側に傾斜している。そのため、各噴孔411、413、421、423には、噴孔プレート40の燃料入口側における燃料の流れに沿って燃料が流入する。その結果、各噴孔411、413、421、423の燃料入口側において燃料の流れは大きく変化することがない。これにより、各噴孔411、413、421、423の燃料入口側において生じる燃料の流れの乱れを低減することができる。また、各噴孔411、413、421、423の内部において燃料の流れが噴孔プレート40の噴孔内周面から剥離しにくくなる。そのため、各噴孔411、413、421、423からは液柱状の燃料が噴射される。さらに、各噴孔411、413、421、423の内部において燃料の液膜化が防止されるので、各噴孔内での燃料の拡散を防止することができる。これにより、各噴孔411、413、421、423の内部における燃料の運動エネルギーの低下が防止され、噴射される燃料の速度の低下を抑制することができる。したがって、衝突による燃料の分裂を促進することができ、燃料の微粒化を促進することができる。
【0033】
また、第1実施例では、第一噴孔群を構成する噴孔411の中心軸L11と第二噴孔群を構成する噴孔421の中心軸L21とは、燃料の流れの下流側において交差している。そのため、噴孔411または噴孔421から噴射された燃料は、液柱状のまま衝突点P1において衝突する。その結果、流速の大きな燃料の液柱が衝突する。また、燃料は液柱状のまま衝突点へ到達するので、燃料の噴射サイクルごとの噴霧の形状にばらつきが生じにくい。したがって、噴霧を安定して形成することができるとともに、燃料の液柱の衝突による分裂が促進され、燃料の安定した微粒化を促進することができる。噴孔413と噴孔423についても同様である。
【0034】
なお、以上では特に説明していないが、第一噴孔群を構成する噴孔412および噴孔414ならびに第二噴孔群を構成する噴孔422および噴孔424についても、第一噴孔群を構成する噴孔411および噴孔413ならびに第二噴孔群を構成する噴孔421および噴孔423と同様の位置関係を満たして形成されている。
また、θ1およびθ2をインジェクタ10が搭載されるエンジンの特性に応じて変更することにより、衝突点P1、P2の位置を任意に調整することができる。
【0035】
(第2実施例)
本発明の第2実施例によるインジェクタの噴孔の近傍を図5に示す。なお、第1実施例と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
図5および図6に示すように、第2実施例では弁ボディ30の形状ならびに噴孔プレート40が形成する噴孔の配置が第1実施例と異なる。噴孔プレート40には、噴孔プレート40と概ね同心円上に複数の噴孔群43、44、45、46が配置されている。各噴孔群43、44、45、46は、それぞれ噴孔431および噴孔432、噴孔441および噴孔442、噴孔451および噴孔452、噴孔461および噴孔462を有している。例えば噴孔431および噴孔432からなる噴孔群43の場合、図5(B)に示すように噴孔431の中心軸L31と噴孔432の中心軸L32とが噴孔プレート40の反弁ボディ側すなわち燃料の流れの下流側の衝突点P3において交差している。その他の噴孔群44、45、46についても同様である。
【0036】
弁座31は、弁ボディ30の円錐台状の内壁面30aに形成されている。図6に示すように、弁ボディ30の噴孔プレート40側の端部において、内壁面30aは噴孔プレート40が形成する各噴孔431、432、441、442、451、452、461、462の燃料入口側の開口に接している。すなわち、内壁面30aの先端部30bは、各噴孔の燃料入口側の端部の周縁において噴孔プレート40の径方向外側に接している。これにより、弁ボディ30の内壁面30aと各噴孔431、432、441、442、451、452、461、462を形成する噴孔プレート40の内周面とは交わった状態となる。
【0037】
弁座31を通過した燃料は、弁ボディ30の内壁面30aに沿って燃料室36へ流れ、各噴孔431、432、441、442、451、452、461、462へ流入する。各噴孔へ流入した燃料は、各噴孔431、432、441、442、451、452、461、462を形成する噴孔プレート40の内周面に案内されて噴射される。そして、燃料は、噴孔群43、44、45、46を構成する噴孔の中心軸が交差する衝突点において衝突する。例えば、噴孔群43の場合、噴孔431と噴孔432とから噴射された燃料が衝突点Pにおいて衝突する。内壁面30aの先端部30bは各噴孔の燃料入口側の開口の周縁に位置しているため、弁座31を通過し弁ボディ30の内壁面30aに沿って流れる燃料は、噴孔プレート40に衝突することなく各噴孔へ流入する。そのため、各噴孔の燃料入口側において燃料の流れに乱れが生じにくくなる。また、燃料がプレート40と衝突することによる燃料のエネルギーの損失は低減される。
【0038】
第2実施例では、弁ボディ30の内壁面30aに沿って流れた燃料は、噴孔プレート40に衝突することなく各噴孔431、432、441、442、451、452、461、462へ流入する。そのため、噴孔の燃料入口側において燃料の流れに乱れが生じにくくなる。その結果、燃料は高い流速を保持した状態で噴射される。したがって、燃料は衝突点において高いエネルギーを有した状態で衝突し、燃料の安定した微粒化を促進することができる。
【0039】
(変形例)
第2実施例の変形として、弁ボディ30の内壁面30aの形状を変更してもよい。すなわち、図7に示すように弁ボディ30の内壁面30aの一部または全部を曲面状に形成してもよい。このとき、曲面状の内壁面30aの先端部30bは、噴孔47の燃料入口側の開口の周縁に接している。
【0040】
また、第2実施例では、図5(A)に示すように噴孔プレート40は、単一の円周上に噴孔431、432、441、442、451、452、461、462を形成している。これに対し、図8に示すように噴孔48、噴孔49を二重の円周上または三重以上の円周上に配置してもよい。この場合、弁ボディ30の内壁面30aの先端部30bは噴孔プレート40において外周側にある噴孔49の燃料入口側の開口の周縁に接する。これにより、噴孔プレート40において外周側に配置された噴孔49に流入する燃料は、噴孔プレート40に衝突することなく噴孔49へ流入する。
【0041】
(第3実施例)
本発明の第3実施例によるインジェクタの噴孔の近傍を図9に示す。第1実施例と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
図9に示すように、第3実施例ではノズルニードル32の噴孔プレート40側の先端部が球面状に形成されている。ノズルニードル32の先端部を球面状に形成することにより、弁座31を通過した燃料はノズルニードル32の球面状の外壁面32aに案内されて燃料室36へ流れ噴孔51へ流入する。そのため、噴孔51の燃料入口側において燃料の流れに乱れが生じにくくなる。
【0042】
第3実施例では、燃料の流れはノズルニードル32の球面状の外壁面32aに案内されるため、噴孔51の燃料入口側における燃料の流れの乱れは生じにくい。その結果、噴孔51を流れる燃料は高い流速を保持したまま噴孔51から噴射される。したがって、燃料は衝突点において高いエネルギーを有した状態で衝突し、燃料の安定した微粒化を促進することができる。
【0043】
(変形例)
第3実施例の変形として、噴孔プレート50の形状を変更してもよい。すなわち、図10に示すように弁ボディ30の内壁面30aおよび噴孔プレート50を球面状に湾曲して形成してもよい。なお、弁ボディ30の内壁面30aまたは噴孔プレート50のいずれか一方を球面状に湾曲して形成してもよい。これにより、弁座31を通過した燃料は、湾曲した弁ボディ30の内壁面30aならびに噴孔プレート50の弁ボディ30側の端面に沿って案内され、噴孔51へ流入する。そのため、噴孔51の燃料入口側において燃料の流れに乱れが生じにくくなる。その結果、噴孔51を流れる燃料は高い流速を保持した状態で噴射される。したがって、燃料は衝突点において高いエネルギーを有した状態で衝突し、燃料の微粒化を促進することができる。
【0044】
(第4実施例)
本発明の第4実施例によるインジェクタの噴孔の近傍を図11に示す。なお、第1実施例と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第4実施例では、図11に示すように弁ボディ30の内壁面30aの傾斜角ならびに噴孔プレート40の第一噴孔群を構成する噴孔の中心軸の角度が規定されている。弁座31が形成される弁ボディ30の内壁面30aは、円錐台状に形成されている。弁ボディ30の円錐台状の内壁面30aと弁ボディ30の中心軸Lbとは、角度θ3をなしている。
【0045】
一方、噴孔プレート40は、第1実施例と同様に第一噴孔群および第二噴孔群を有している。径方向外側に位置する第二噴孔群を構成する噴孔423の中心軸L23は、弁ボディ30の中心軸Lbと角度をθ4をなしている。ここで、内壁面30aと弁ボディ30の中心軸Lbとがなす角度θ3は、第二噴孔群を構成する噴孔423の中心軸L23と弁ボディの中心軸Lbとがなす角度θ4と概ね同一である。すなわち、内壁面30aと噴孔423の中心軸L23とは概ね平行となる。なお、第二噴孔群を構成する他の噴孔421、422、424も噴孔423と同様である。
【0046】
弁座31を通過した燃料は、弁ボディ30の内壁面30aに沿って燃料室36へ流れ、噴孔プレート40が形成する各噴孔へ流入する。噴孔プレート40の径方向外側に配置されている噴孔421、423は、内壁面30aと概ね平行に形成されている。そのため、内壁面30aに沿って流れる燃料は、噴孔421、423へ流入する際における流れの方向の変化が小さくなる。これにより、燃料は円滑に噴孔421、423の内部へ案内され、噴孔421、423の内部における燃料の流速の低下が抑制される。
【0047】
第4実施例では、噴孔プレート40が形成する各噴孔の内部において燃料の流速の低下が抑制される。そのため、噴孔プレート40の各噴孔から噴射される燃料の流速が高められる。したがって、燃料は衝突点において高いエネルギーを有した状態で衝突するため、燃料の安定した微粒化を促進することができる。
【0048】
なお、第2実施例のように単一の円周上に複数の噴孔を配置する場合でも、図12に示すように弁ボディ30の内壁面30aと噴孔452、431の中心軸とを概ね平行に形成してもよい。これにより、噴孔プレート40が形成する全ての噴孔において第4実施例と同様の効果を得ることができる。
【0049】
(第5実施例)
本発明の第5実施例によるインジェクタの噴孔の近傍を図13に示す。なお、第1実施例と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第5実施例では、図13に示すようにノズルニードル32は当接部33よりも噴孔プレート40側に円錐台部37を有している。円錐台部37の外壁面37aは、弁ボディ30の中心軸Lbに対し所定の傾斜角θ5を有している。
【0050】
一方、噴孔プレート40は、第1実施例と同様に第一噴孔群および第二噴孔群を有している。径方向外側に位置する第二噴孔群を構成する噴孔423の中心軸L23は、弁ボディ30の中心軸Lbと角度θ6をなしている。ここで、外壁面37aと弁ボディ30の中心軸Lbとがなす角度θ5は、第二噴孔群を構成する噴孔423の中心軸L23と弁ボディ30の中心軸Lbとがなす角度θ6に近似する。すなわち、円錐台部37の外壁面37aと噴孔423の中心軸L23とは概ね平行となる。なお、第二噴孔群を構成する他の噴孔421、422、424も噴孔423と同様である。
【0051】
弁座31を通過した燃料は、円錐台部37の外壁面37aに沿って燃料室36へ流れ、噴孔プレートが形成する各噴孔へ流入する。噴孔プレート40の径方向外側に配置されている噴孔421、423は、外壁面37aと概ね平行に形成されている。そのため、外壁面37aに沿って流れる燃料は、噴孔421、423へ流入する際における流れの方向の変化が小さくなる。これにより、燃料は円滑に噴孔421、423の内部へ案内され、噴孔421、423の内部における燃料の流速の低下が抑制される。
【0052】
第5実施例では、噴孔プレート40が形成する各噴孔の内部において燃料の流速の低下が抑制される。そのため、噴孔プレート40の各噴孔から噴射される燃料の流速が高められる。したがって、燃料は衝突点において高いエネルギーを有した状態で衝突し、燃料の安定した微粒化を促進することができる。
【0053】
(第6実施例)
本発明の第6実施例によるインジェクタの噴孔の近傍を図14に示す。なお、第1実施例と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第6実施例では、図14に示すように弁ボディ30と噴孔プレート60との間に誘導部材としての誘導プレート70が設置されている。噴孔プレート60は、噴孔群61および噴孔群62を有している。噴孔群61は噴孔611および噴孔612から構成され、噴孔群62は噴孔621および噴孔622から構成されている。噴孔プレート60および誘導プレート70は、弁ボディ30の先端すなわち弁ボディ30の反ハウジング側に積層して設置されている。誘導プレート70は、弁ボディ30および噴孔プレート60と同軸上に設置され、板厚方向に誘導プレート70を貫いて形成されている穴部71、72を有している。また、誘導プレート70は、穴部71、72からそれぞれ誘導プレート70の径方向内側へ伸びて形成されている溝部73、74を有している。これにより、誘導プレート70と噴孔プレート60との間には、穴部71と噴孔611および噴孔612とを連通する燃料通路75、ならびに穴部72と噴孔621および噴孔622とを連通する燃料通路76が形成される。
【0054】
弁座31を通過した燃料は、弁ボディ30の内壁面30aに沿って燃料室36へ流れ、誘導プレート70の穴部71、72からそれぞれ燃料通路75、76へ流入する。燃料通路75、76に流入した燃料は、燃料通路75、76を弁ボディ30の径方向外側から内側へ向けて流れる。このとき、誘導プレート70の穴部71、72は、噴孔611、621の燃料入口側の開口よりも径方向外側に位置している。そのため、燃料通路75、76においては常に噴孔プレート60の外側から中心軸側へ燃料の流れが形成される。これにより、各噴孔の燃料入口側における燃料通路75、76における燃料の流れ方向と各噴孔611、612、621、622からの燃料噴射方向とは近似する。すなわち、各噴孔の燃料入口側において噴孔プレート60の外周側から中心側へ流れる燃料は、その流れの方向を維持したまま各噴孔へ流入する。そのため、燃料通路75、76を流れる燃料は、各噴孔の燃料入口側で流れの方向を大きく変えることなく各噴孔611、612、621、622へ流入する。これにより、各噴孔611、612、621、622の内部における燃料の流れは、各噴孔を形成する噴孔プレート60の内周面から剥離しにくくなる。燃料の流れが噴孔プレート60の内周面から剥離しにくくなることにより、燃料通路75、76から各噴孔611、612、621、622へ流入した燃料は噴孔プレート60の内周面に沿って流れ、図示しない衝突点において衝突する。また、各噴孔の内部において燃料の流れが噴孔プレート60の内周面から剥離しにくくなることにより、各噴孔611、612、621、622から噴射された燃料は液柱状態を保持したまま衝突点へ到達する。
【0055】
第6実施例では、各噴孔の燃料入口側に燃料通路75、76を形成することにより、各噴孔の燃料入口側における燃料の流れの方向が一定になる。そのため、他方から流入した燃料との衝突によって燃料の流れに乱れが生じることがない。また、各噴孔の燃料入口側において燃料の流れの方向は大きく変更されない。これにより、各噴孔の内部において燃料の流れが噴孔プレート60の内周面から剥離しにくくなる。その結果、各噴孔611、612、621、622からは液柱状の燃料が噴射される。また、各噴孔611、612、621、622の内部において燃料の液膜化が防止され、燃料の拡散が防止される。これにより、各噴孔611、612、621、622の内部における燃料のエネルギーの低下が抑制され、燃料の速度を維持することができる。したがって、衝突による燃料の分裂を促進することができ、燃料の安定した微粒化を促進することができる。
【0056】
なお、第6実施例の変形として、図15に示すようにより多くの噴孔群を噴孔プレート60に配置してもよい。また、各噴孔の中心軸の傾斜角度に応じて誘導プレート70に形成する穴部71、72および溝部73、74の形状を設定することにより、燃料通路75、76における燃料の流れの方向と燃料噴射方向とを近似させることができる。その結果、噴孔プレート60の各噴孔から安定した噴霧を形成することができ、燃料の安定した微粒化を促進することができる。
【0057】
(第7実施例)
本発明の第7実施例によるインジェクタの噴孔の近傍を図16に示す。第7実施例は第6実施例の変形であり、第6実施例と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第7実施例では、図16に示すように誘導プレート70を備えている。誘導プレート70は板厚方向に誘導プレート70を貫く誘導孔81、82、83、84を有している。誘導孔81、82、83、84の噴孔プレート60側の端部は、それぞれ噴孔プレート60が形成する噴孔611、612、621、622に連通している。各誘導孔81〜84は、各噴孔の燃料入口側の開口の弁ボディ30側に位置している。各誘導孔81〜84の内径は、それぞれ連通する噴孔の燃料入口側の開口の内径よりも大きく形成されている。例えば、誘導孔81の場合、誘導プレート70の中心軸側において、誘導孔81を形成する誘導プレート70の内周面と対応する噴孔611の内周面の中心軸側の端部とは接している。他の誘導孔82、83、84ならびにこれらに対応する他の噴孔612、621、622についても同様である。弁座31を通過した燃料は、噴孔611、612、621、622に流入する前に対応する誘導孔81、82、83、84に流入する。そして、燃料は、誘導孔81、82、83、84を経由して噴孔611、612、621、622へ流入し噴射される。
【0058】
第7実施例では、誘導孔81〜84の内径は対応する噴孔の燃料入口側の開口の内径よりも大きい。そのため、各噴孔の燃料入口側には、弁ボディ30の径方向外側へ広がる空間が形成される。これにより、誘導孔81〜84を経由して対応する各噴孔へ供給される燃料の流量を増大することができる。また、燃料は誘導孔81〜84から対応する各噴孔へ流入することにより、噴孔611、612、621、622へ燃料が流入する際における流れの方向の変化が小さくなる。その結果、燃料の流れは、噴孔611、612、621、622の内部において噴孔プレート60の内周面から剥離しにくくなる。これにより、各噴孔611、612、621、622の内部における燃料の流速の低下が抑制される。したがって、衝突による燃料の分裂を促進することができ、燃料の安定した微粒化を促進することができる。
【0059】
なお、第7実施例の変形として、図17に示すように各誘導孔81〜84の中心軸と弁ボディ30の中心軸Lbとがなす角度を、対応する各噴孔611、612、621、622の中心軸と弁ボディ30の中心軸Lbとがなす角度と概ね同一としてもよい。すなわち、誘導孔81〜84と噴孔611、612、621、622とを概ね同一の傾斜角度としてもよい。この場合、誘導孔81〜84を形成する誘導プレート70の内周面ならびに対応する噴孔611、612、621、622を形成する噴孔プレート60の内周面は、中心軸Lb側において概ね一直線上に位置している。
【0060】
(変形例)
第6実施例および第7実施例の変形例として、図18、図19および図20に示すような構成としてもよい。
図18に示す変形例の場合、誘導プレート70は第6実施例における穴部に相当する穴部77を形成している。一方、噴孔プレート60は噴孔611、612、621、622だけでなく第6実施例における溝部に相当する溝状の誘導路63を形成している。これらの噴孔プレート60および誘導プレート70を積層することにより、第6実施例と同一の構成とすることができる。
【0061】
図19に示す変形例の場合、第7実施例における噴孔プレート60と誘導プレート70とが一体に噴孔プレート60として形成されている。すなわち、噴孔プレート60は、噴孔611、612、621、622と、第7実施例における誘導孔に相当する大径孔64、65、66、67とを有している。噴孔プレート60が噴孔611、612、621、622および大径孔64、65、66、67を形成することにより、部品点数の増大を招くことなく第7実施例と同一の構成とすることができる。
【0062】
図20に示す変形例の場合、噴孔プレート60および誘導プレート70に加え、誘導プレート70の弁ボディ30側にカバープレート90がさらに積層されている。噴孔プレート60は、第6実施例と同様に噴孔611、612、621、622を有している。誘導プレート70は、第6実施例における溝部に相当する誘導路78を有している。カバープレート90は、第6実施例における穴部に相当する穴部91を有している。これらの噴孔プレート60、誘導プレート70およびカバープレート90を積層することにより、第6実施例と同一の構成とすることができる。この場合、噴孔プレート60、誘導プレート70およびカバープレート90には単純な形状の穴を形成するだけでよい。したがって、噴孔プレート60、誘導プレート70およびカバープレート90の加工を容易にすることができる。
【0063】
(第8実施例)
本発明の第8実施例によるインジェクタの噴孔の近傍を図21に示す。なお、第1実施例と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第8実施例の場合、図21に示すように噴孔プレート40が形成する噴孔411、421、413、423の内径は燃料出口側へ向かうにしたがって縮小している。すなわち、噴孔411、421、413、423は、燃料入口側の開口から燃料出口側の開口に向かうにしたがって断面積が縮小して形成されている。燃料入口側から出口側にかけて噴孔411、421、413、423の内径が変化することにより、噴孔411、421、413、423を形成する噴孔プレート40の内周面は弁ボディ30の中心軸Lbに対して傾斜する。
【0064】
第8実施例では、第1実施例と同様に噴孔プレート40は第1噴孔群および第2噴孔群を有している。第一噴孔群を構成する噴孔413の場合、噴孔413を形成する噴孔プレート40の内周面が噴孔プレート40の外周側において弁ボディ30の中心軸Lbとなす角度はθ7となる。同様に、第二噴孔群を構成する噴孔423の場合、噴孔423を形成する噴孔プレート40の内周面が噴孔プレート40の外周側において弁ボディ30の中心軸Lbとなす角度はθ8となる。さらに、弁座31を有する弁ボディ30の内壁面30aと弁ボディ30の中心軸Lbとがなす角度はθ9となる。この場合、θ7、θ8およびθ9は概ね同一である。そのため、噴孔413を形成する内周面の噴孔プレート40外周側から伸ばした仮想直線、噴孔423を形成する内周面の噴孔プレート40外周側から伸ばした仮想直線、ならびに弁ボディ30の内壁面30aから伸ばした仮想直線は概ね平行である。
【0065】
一方、第一噴孔群を構成する噴孔413の場合、噴孔413を形成する噴孔プレート40の内周面が噴孔プレート40の中心軸側において弁ボディ30の中心軸Lbとなす角度はθ10となる。同様に第二噴孔群を構成する噴孔423の場合、噴孔423を形成する噴孔プレート40の内周面が噴孔プレート40の中心軸側において弁ボディ30の中心軸Lbとなす角度はθ11となる。この場合、θ10とθ11との間には、θ10<θ11の関係がある。これにより、噴孔413の径方向内側の端部に沿って伸ばした仮想直線と噴孔423の径方向内側の端部に沿って伸ばした仮想直線とは、衝突点P4で交わる。
【0066】
弁座31を通過した燃料は、弁ボディ30の内壁面30aに沿って燃料室36へ流れ、噴孔プレート40が形成する各噴孔411、413、421、423へ流入する。各噴孔を形成する内周面のうち噴孔プレート40の外周側端部と弁ボディ30の内壁面30aとは概ね平行に形成されている。そのため、内壁面30aに沿って流れる燃料は、各噴孔411、413、421、423に流入する際における流れの方向の変化が小さくなる。これにより、燃料は円滑に各噴孔411、413、421、423の内部へ案内され、噴孔411、413、421、423の内部における燃料の流速の低下が抑制される。
【0067】
第8実施例では、弁座31を通過し弁ボディ30の内壁面30aに沿って流れる燃料は、円滑に噴孔411、413、421、423へ流入する。これにより、各噴孔の燃料入口側における燃料の流れの乱れを低減することができる。また、噴孔411、413、421、423の内部における燃料の流れは各噴孔を形成する噴孔プレート40の内周面から剥離しにくくなる。その結果、各噴孔411、413、421、423からは液柱状の燃料が噴射される。また、噴孔411、413、421、423の内部における燃料の液膜化が防止され、燃料の拡散を防止することができる。これにより、噴孔411、413、421、423の内部における燃料の運動エネルギーの低下が防止され、燃料の速度を維持することができる。したがって、衝突による燃料の分裂を促進することができ、燃料の安定した微粒化を促進することができる。
【0068】
また、第8実施例では、各噴孔411、413、421、423の断面積は出口側に向かうにしたがって縮小する。そのため、噴孔411、413、421、423を流れる燃料の流速は燃料出口ほど大きくなる。その結果、噴孔411、413、421、423を流れる燃料は高い流速を維持した状態で噴射される。したがって、燃料は衝突点において高いエネルギーを有した状態で衝突し、燃料の微粒化を促進することができる。
【0069】
また、噴孔411、413、421、423から噴射される噴霧の方向は、噴孔411、413、421、423を形成する噴孔プレート40の中心軸側の内周面と弁ボディ30の中心軸Lbとがなす角度を調整することにより制御することができる。したがって、噴孔411、413、421、423から噴射される燃料の噴霧の方向を高精度かつ安定して制御することができる。
【0070】
(第9実施例)
本発明の第9実施例によるインジェクタを図22に基づいて説明する。噴孔プレート55は、複数の噴孔を有する噴孔群551および噴孔群552を有している。噴孔プレート55と弁ボディとの関係、噴孔プレート55が形成する複数の噴孔の形状および角度などは、上記のいずれかの実施例を適用可能である。第9実施例の場合、噴孔群551および噴孔群552から噴射される燃料は図22に示すように異なる二つの方向へ向けて噴霧S1、S2を形成する。
噴霧S1、S2を二方向に向けて形成することにより、例えばインジェクタを吸気管に設置し、二つの吸気バルブを目標として所望の噴霧を形成することができる。
【0071】
(第10実施例)
本発明の第10実施例によるインジェクタを図23に基づいて説明する。噴孔プレート55は、第9実施例と同様に複数の噴孔を有する噴孔群551および噴孔群552を有している。噴孔プレート55と弁ボディとの関係、噴孔プレート55が形成する複数の噴孔の形状および角度などは、上記のいずれかの実施例を適用可能である。第10実施例の場合、噴孔群551および噴孔群552から噴射される燃料は図23に示すように同一の方向へ向けて噴霧S3、S4を形成する。
噴霧S3、S4を一方向に向けて形成することにより、例えばインジェクタをエンジンの燃焼室に設置し、ピストンや点火プラグなどを目標として所望の噴霧を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例によるインジェクタを示す図であって、(A)は噴孔プレートを弁ボディ側から見た概略図、(B)は(A)のB−B線で切断した断面図である。
【図2】本発明の第1実施例によるインジェクタを示す断面図である。
【図3】本発明の第1実施例によるインジェクタの要部を拡大した断面図である。
【図4】本発明の第1実施例によるインジェクタにおいて噴孔の近傍における燃料の流れを示す概略図である。
【図5】本発明の第2実施例によるインジェクタを示す図であって、(A)は噴孔プレートを弁ボディ側から見た概略図、(B)は(A)のB−B線で切断した断面図である。
【図6】図5のVI−VI線で切断した断面図である。
【図7】本発明の第2実施例によるインジェクタの変形例を示す図であって、図5のVI−VI線に対応する位置で切断した断面図である。
【図8】本発明の第2実施例によるインジェクタの他の変形例を示す図であって、図5のVI−VI線に対応する位置で切断した断面図である。
【図9】本発明の第3実施例によるインジェクタを示す図であって、図5のVI−VI線に対応する位置で切断した断面図である。
【図10】本発明の第3実施例によるインジェクタの変形例を示す図であって、図5のVI−VI線に対応する位置で切断した断面図である。
【図11】本発明の第4実施例によるインジェクタを示す図であって、図1(A)のB−B線に対応する位置で切断した断面図である。
【図12】本発明の第4実施例によるインジェクタの変形例を示す図であって、図5のVI−VI線に対応する位置で切断した断面図である。
【図13】本発明の第5実施例によるインジェクタを示す図であって、図1(A)のB−B線に対応する位置で切断した断面図である。
【図14】本発明の第6実施例によるインジェクタを示す図であって、(A)は噴孔プレートを弁ボディ側から見た概略図、(B)は(A)のB−B線で切断した断面図である。
【図15】本発明の第6実施例によるインジェクタの変形例を示す図であって、噴孔プレートを弁ボディ側から見た概略図である。
【図16】本発明の第7実施例によるインジェクタを示す図であって、(A)は噴孔プレートを弁ボディ側から見た概略図、(B)は(A)のB−B線で切断した断面図である。
【図17】本発明の第7実施例によるインジェクタの変形例を示す図であって、図1(A)のB−B線に対応する位置で切断した断面図である。
【図18】本発明の第6実施例および第7実施例によるインジェクタの変形例を示す図であって、図1(A)のB−B線に対応する位置で切断した断面図である。
【図19】本発明の第6実施例および第7実施例によるインジェクタの変形例を示す図であって、図1(A)のB−B線に対応する位置で切断した断面図である。
【図20】本発明の第6実施例および第7実施例によるインジェクタの変形例を示す図であって、図1(A)のB−B線に対応する位置で切断した断面図である。
【図21】本発明の第8実施例によるインジェクタを示す図であって、図1のB−B線に対応する位置で切断した断面図である。
【図22】本発明の第9実施例によるインジェクタを示す図であって、噴孔プレートならびに形成される噴霧の形状を反弁ボディ側から見た概略図である。
【図23】本発明の第10実施例によるインジェクタを示す図であって、噴孔プレートならびに形成される噴霧の形状を反弁ボディ側から見た概略図である。
【図24】従来のインジェクタを示す図であって、(A)は噴孔の近傍を示す断面図であって、(B)は(A)のb部分を拡大した図である。
【図25】従来の他の形態によるインジェクタを示す断面図である。
【符号の説明】
10 インジェクタ(燃料噴射装置)
30 弁ボディ
30a 内壁面
30b 先端部
31 弁座
32 ノズルニードル(弁部材)
32a 外壁面
33 当接部
34 燃料通路
37a 外壁面
40、50、55、60 噴孔プレート(噴孔部材)
41、47、48、49、51、411、412、413、414、421、422、423、424、431、432、441、442、451、452、461、462、611、612、621、622 噴孔
43、44、61、62、551、552 噴孔群
70 誘導プレート(誘導部材)
90 カバープレート(誘導部材)
Claims (9)
- 燃料通路を形成する内壁面に弁座を有する弁ボディと、
前記弁座に対し燃料流れの下流側に設置され、前記燃料通路を流れる燃料を噴射する複数の噴孔を形成している噴孔部材と、
前記弁座に着座することにより前記噴孔からの燃料の噴射を遮断し、前記弁座から離座することにより前記噴孔からの燃料の噴射を許容する弁部材とを備え、
前記噴孔部材はそれぞれ複数の噴孔から構成されている第一噴孔群ならびに前記第一噴孔群の外周側に配置される第二噴孔群を有し、前記第一噴孔群および前記第二噴孔群を構成する各噴孔の中心軸は、前記噴孔プレートの反弁ボディ側へ向かって前記弁ボディの中心軸側へ傾斜していることを特徴とする燃料噴射装置。 - 前記第一噴孔群および前記第二噴孔群は、それぞれ同心の円周上に配置されていることを特徴とする請求項1記載の燃料噴射装置。
- 燃料通路を形成する内壁面に弁座を有する弁ボディと、
前記弁座に対し燃料流れの下流側に設置され、前記燃料通路を流れる燃料を噴射する複数の噴孔を形成している噴孔部材と、
前記弁座に着座することにより前記噴孔からの燃料の噴射を遮断し、前記弁座から離座することにより前記噴孔からの燃料の噴射を許容する弁部材とを備え、
前記内壁面は前記噴孔部材側の端部において前記複数の噴孔を形成する前記噴孔部材の内周面の燃料入口側の端部と交わっていることを特徴とする燃料噴射装置。 - 前記内壁面と前記弁ボディの中心軸とがなす角度は、前記噴孔の中心軸と前記弁ボディの中心軸とがなす角度に近似していることを特徴とする請求項1、2または3記載の燃料噴射装置。
- 前記弁部材の前記当接部よりも前記噴孔部材側において前記弁部材の外壁面と前記弁ボディの中心軸とがなす角度は、前記噴孔の中心軸と前記弁ボディの中心軸とがなす角度に近似していることを特徴とする請求項1、2または3記載の燃料噴射装置。
- 前記第一噴孔群を構成するいずれかの噴孔の中心軸は、前記噴孔部材の反弁ボディ側において前記第二噴孔群を構成するいずれかの噴孔の中心軸と交わっていることを特徴とする請求項1または2記載の燃料噴射装置。
- 燃料通路を形成する内壁面に弁座を有する弁ボディと、
前記弁座に対し燃料流れの下流側に設置され、前記燃料通路を流れる燃料を噴射する複数の噴孔を形成している噴孔部材と、
前記弁座に着座することにより前記噴孔からの燃料の噴射を遮断し、前記弁座から離座することにより前記噴孔からの燃料の噴射を許容する弁部材とを備え、
前記複数の噴孔は、各噴孔の中心軸が反弁ボディ側において他のいずれかの噴孔の中心軸と交わるように傾斜して形成され、
前記弁ボディと前記噴孔部材との間には、前記噴孔部材の前記弁ボディ側において前記燃料通路から前記噴孔へ前記噴孔の中心軸の傾斜方向に沿って燃料を誘導する誘導部材が設置されていることを特徴とする燃料噴射装置。 - 前記噴孔は燃料入口から燃料出口にかけて内径が縮小して形成され、
前記噴孔を形成する前記噴孔部材の内周面が前記噴孔部材の径方向外側の端部において前記弁ボディの中心軸となす角度は、前記内壁面と前記弁ボディの中心軸とがなす角度に近似することを特徴とする請求項1、2、3または7記載の燃料噴射装置。 - 前記噴孔は燃料入口から燃料出口にかけて内径が縮小して形成され、
前記噴孔を形成する前記噴孔部材の内周面が前記噴孔部材の径方向外側の端部において前記弁ボディの中心軸となす角度は、前記弁部材の前記当接部よりも前記噴孔部材側の外壁面と前記弁ボディの中心軸とがなす角度に近似することを特徴とする請求項1、2、3、7または8記載の燃料噴射装置。
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