JP4426157B2 - 多孔質形成性光硬化型樹脂組成物および多孔質樹脂硬化物 - Google Patents

多孔質形成性光硬化型樹脂組成物および多孔質樹脂硬化物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多孔質形成性光硬化型樹脂組成物、特に、非常に低い表面張力の多孔質樹脂硬化物を形成する光硬化型樹脂組成物および該樹脂組成物を光硬化させることにより形成される多孔質樹脂硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の多孔質体や多孔質膜は、その特徴ある機能を活かして、多様な用途に使用されてきた。多孔質体や多孔質膜の製造方法としては、熱可塑性樹脂では、発泡剤分解法、溶剤気散法、気体混入法、溶出法、相分離法などの製造方法があり、一方、熱硬化性樹脂では、溶剤気散法、化学反応法などの製造方法がある。多孔質体や多孔質膜の中でも、細孔径が平均数〜0.01μmのような微細な空孔を有する多孔質膜は、その特殊な機能を活かして、イオン交換膜、精密濾過膜、逆浸透膜、分離膜、吸着膜、透析膜、鉛電池セパレータ、燃料電池電極、細菌フィルターなどに使用されてきた。
【0003】
このような微細な空孔を有する多孔質膜に、例えば、撥水性、疎水性、親水性、親油性などの新しい機能を付与して、既存の多孔質膜の機能を向上させる検討がなされ、新しい機能付与に関する製造方法が提案されてきた。これらの新しい機能付与の製造方法のうち、撥水性や疎水性の微細孔を有する多孔質膜の製造方法としては、多孔質膜に撥水性や疎水性の重合膜または塗布膜を形成する方法がある。例えば、特開平6−73229号公報では、膜厚が20〜200μm程度、空孔率が20〜90%程度、細孔径が0.01〜10μm程度の中空糸膜や平膜の両外壁面および細孔内表面に、フッ素化モノマーを付着させた状態で重合させて撥水性多孔質膜を製造する方法が提案されている。また、特開2000−288367号公報では、乾湿式紡糸法などによって得られた多孔質膜を、フッ素系撥水剤水溶液(水性エマルジョン)中に脱気操作を行いながら浸漬し、乾燥させたのち、加熱処理して疎水性多孔質膜を製造する方法が提案されている。これらの従来の技術は、既存の多孔質膜の内外部表面に、フッ素系の撥水剤や疎水剤の重合膜や塗布膜を形成して、撥水性や疎水性の微細孔の多孔質膜を製造する方法であり、後加工方法による製造方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの従来の技術のように、既存の多孔質膜の内外部表面に、フッ素系の撥水剤や疎水剤の重合膜や塗布膜を形成して、撥水性や疎水性を付与するという製造方法には、以下のようないくつかの問題点があった。
・非常に微細な細孔には、フッ素化モノマーやフッ素系撥水剤は浸入しないので、細孔の全表面に撥水性や疎水性を均一に付与することは不可能である。
・寸法の異なる細孔表面に均質で均一な厚みの重合膜や塗布膜を形成することは不可能である。
・細孔表面に重合膜や塗布膜を形成する後加工方法のため、細孔径が小さくなる。
・一部の細孔は、フッ素化モノマーやフッ素系撥水剤によって充填されるため、空孔率が減少する。
・加熱重合法や加熱乾燥法が採用されるので、多孔質膜には耐熱性が必要となるため、多孔質膜素材が制約される。
・細孔表面とフッ素系の重合膜や塗布膜とは密着性が不良である。
【0005】
本発明は、上記したような従来の技術の改良すべき課題を解決するために、従来の技術のような後加工方法とは全く異なる新しい方法により、多孔質形成性光硬化型樹脂組成物から形成された、撥水性や疎水性が均一に付与された多孔質樹脂硬化物を提供することを目的としている。
【0006】
本発明によれば、従来の技術の改良すべき課題は、以下のように解決することができる。
・光硬化により、表面張力の非常に低い樹脂硬化物微小粒子が三次元的に連なった構造の多孔質樹脂硬化膜が形成されるので、多孔質膜の内外部の全表面に、細孔寸法には関係なく、均質な撥水性(疎水性)の機能を付与することができる。
・光硬化法による硬化のため、多孔質樹脂硬化膜の形成が迅速で容易である。
・樹脂硬化物微小粒子そのものが非常に低い表面張力を示すので、表面に重合膜や塗布膜を形成する従来の後加工方法とは異なり、密着性不良の問題は全く発生しない。
・多孔質形成性光硬化型樹脂組成物は液状であるため、多孔質膜は任意の形状に形成することができる。
・基板上においても、あるいは、2枚の基板間においても、多孔質樹脂硬化膜の形成が可能である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、フッ素あるいはシリコンを含有し、光重合性基として、(メタ)アクリロイル基あるいはビニル基を有し、表面張力が25×10−5N/cm以下である光重合性モノマー(A)と、光重合性モノマー(A)とは非相溶の、水酸基、アミノ基、ケトン結合、サルファイド結合、スルホキサイド結合および環式アミド結合の群より選ばれた1種類以上の基または/および結合を有し、表面張力が40×10 −5 N/cm以上である有機化合物(B)と、光重合性モノマー(A)と有機化合物(B)とに相溶し、芳香族あるいは脂環族炭化水素系溶剤、酸素含有系溶剤および窒素含有系溶剤であり、表面張力が25×10 −5 〜35×10 −5 N/cmである共通溶媒(C)および光重合開始剤(D)を必須成分とする多孔質形成性光硬化型樹脂組成物および該樹脂組成物より形成される多孔質樹脂硬化物である。
【0008】
本発明によれば、多孔質形成性光硬化型樹脂組成物は、光硬化により、迅速で、しかも容易に、樹脂硬化物微小粒子が三次元的に連なった構造の多孔質樹脂硬化物が形成でき、その多孔質樹脂硬化物は、フィルムやシートのような膜状のほかに任意の形状とすることができる。形成された樹脂硬化物微小粒子は非常に低い表面張力を有し、その表面張力は任意に調整することもできる。多孔質樹脂硬化物微小粒子の平均径は1μm以下の領域で調整でき、したがって、空孔率の調整も同様に可能である。
【0009】
上記した本発明の特長から明白なように、本発明の多孔質樹脂硬化物は、従来の技術との関連性は全くなく、本発明者による独自で新規な発明である。
【0010】
「表面張力」とは物質固有の特性値であって、接触角と相関する物性値である。詳しくは、液体を固体表面に着滴させると、固体の表面張力(γ)、固体と液体の間の界面張力(γLS)、液体の表面張力(γ)および接触角(液体の自由表面と固体表面との接点における液体内部側にある角;θ)との間に次の関係式が成立する。
γ=γLS+γcosθ
したがって、固体が同一であれば、接触角が大きいほど、液体の表面張力は大きい。一方、固体が同一であれば、接触角が小さいほど、液体の表面張力は小さい。液体の固体表面への付着力(親和力、濡れ性)が大きいほど、接触角は小さくなり、90°未満となる。一方、付着力が小さいほど、接触角は大きくなり、90°を越える。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の多孔質形成性光硬化型樹脂組成物は、表面張力が25×10−5N/cm以下の光重合性モノマー(A)と、光重合性モノマー(A)とは非相溶の有機化合物(B)と、光重合性モノマー(A)と有機化合物(B)とに相溶する共通溶媒(C)および光重合開始剤(D)を必須成分とする液状の光硬化型樹脂組成物である。
【0012】
本発明に使用する表面張力が25×10−5N/cm以下の光重合性モノマー(A)は、分子末端に1個以上の不飽和結合を有し、光によるラジカル重合可能なモノマー類のことである。即ち、末端基としてアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基、メタリル基などの光重合性不飽和基を有するモノマー類のことである。
【0013】
光重合性モノマー(A)は、その表面張力が25×10−5N/cm以下、好ましくは、23×10−5N/cm以下であることが重要である。光重合性モノマー(A)の表面張力が25×10−5N/cmを越えると、多孔質樹脂硬化物に非常に低い表面張力を付与できない。結果として優れた撥水性や疎水性を付与できない。
【0014】
光重合性モノマー(A)としては、フッ素あるいはシリコンを含有するモノマーを選択することができる。フッ素を含有するモノマーとしては、フッ素を含有する脂肪族系および脂環族系モノマーがあり、いずれのモノマーも本発明に使用することができる。シリコンを含有するモノマーとしては、シラン系モノマーとシロキサン系モノマーがある。フッ素あるいはシリコンを含有するモノマーの末端不飽和基としては、光硬化性が良好なことから、(メタ)アクリロイル基(アクリロイル基とメタアクリロイル基の両者を表す。以下の表記も同じである。)やビニル基が好適である。
【0015】
フッ素を含有する好ましい脂肪族および脂環族系モノマーは、一般式(I)〜(IV)で表される化合物である。
【化1】
Figure 0004426157
【0016】
一般式(I)において、R は、炭素数1〜12の多フッ化アルキル基または多フッ化シクロアルキル基であるが、フッ素の置換数が大きいほど好ましく、パーフルオロアルキル基が特に好ましい。具体的には、F(CF基(n=1〜12)、(CFCF(CF基(n=1〜10)、H(CF基(n=2〜10)、CFCHFCF基、(CFCH基、ヘキサフルオロシクロヘキシル基などが、好ましい多フッ化アルキル基と多フッ化シクロアルキル基として例示できる。
は、ヒドロキシル基や二重結合を有していてもよい炭素数1〜3のアルキレン基である。即ち、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、2−ヒドロキシプロピレン基またはプロペニレン基である。
は、水素またはメチル基である。
【0017】
一般式(II)において、R は、炭素数4〜10の多フッ化アルキレン基であるが、フッ素の置換数が大きいほど好ましく、パーフルオロアルキレン基が特に好ましい。具体的には、(CF基(n=4〜10)などが、好ましい多フッ化アルキレン基として例示できる。
およびRはそれぞれ、ヒドロキシル基や二重結合を有していてもよい炭素数1〜3のアルキレン基である。即ち、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、2−ヒドロキシプロピレン基またはプロペニレン基である。
およびRは、それぞれ、水素またはメチル基である。
【0018】
一般式(III)において、R は炭素数4〜12の多フッ化アルキル基であるが、フッ素の置換数が大きいほど好ましく、パーフルオロアルキル基が特に好ましい。具体的には、F(CF基(n=4〜12)などが、好ましい多フッ化アルキル基として例示できる。
【0019】
一般式(IV)において、R 10は炭素数4〜12の多フッ化アルキレン基であるが、フッ素の置換数が大きいほど好ましく、パーフルオロアルキレン基が特に好ましい。具体的には、(CF基(n=4〜10)などが、好ましい多フッ化アルキレン基として例示できる。
【0020】
シラン系モノマーとしては、具体的には、(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシランなどのシラン系(メタ)アクリレート化合物、およびビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどのシラン系ビニル化合物が、好ましいシラン系モノマーとして例示できる
【0021】
シロキサン系モノマーとしては、具体的には、(メタ)アクリロイルオキシプロピルペンタメチルジシロキサン、ビス((メタ)アクリロイルオキシプロピル)テトラメチルジシロキサン、ビス((メタ)アクリロイルオキシプロピル)ドデカメチルヘキサシロキサンなどのシロキサン系(メタ)アクリレート化合物、およびビニルペンタメチルジシロキサン、ジビニルテトラメチルジシロキサン、ジビニルドデカメチルヘキサシロキサンなどのシロキサン系ビニル化合物が、好ましいシロキサン系モノマーとして例示できる。
【0022】
本発明においては、上記した光重合性モノマー(A)とともに、他の光重合性モノマーを併用することができる。この場合、本発明の光重合性モノマー(A)と他の光重合性モノマーは必ずしも相溶する必要はないが、相溶することが好ましい。他の光重合性モノマーは、多孔質樹脂硬化物の硬度、強度、耐熱性などの物性を調整する目的で使用される。本発明の表面張力が25×10−5N/cm以下の光重合性モノマー(A)と他の光重合性モノマーとを併用した場合、光重合性モノマー(A)の配合量は、光重合性モノマー全量に対して10〜100重量%、好ましくは、20〜100重量%である。10重量%未満では、本発明の必須成分である有機化合物(B)に対する光重合性モノマー(A)の配合量が少なくなる傾向があり、多孔質樹脂硬化物の形成性が不良となり易い。また、多孔質樹脂硬化物に非常に低い表面張力を付与できない。結果として優れた撥水性や疎水性を付与できない。
【0023】
他の光重合性モノマーとしては、光重合性モノマー(A)と光共重合可能な限り、特に制限はないが、光硬化性が良好なことから、(メタ)アクリロイル基を有する化合物の使用が好適である。さらに、上記したように多孔質樹脂硬化物の物性の調整が目的であるから、(メタ)アクリロイル基を2個以上有する化合物がより好適である。
【0024】
(メタ)アクリロイル基を2個以上有する化合物としては、具体的には、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFエチレンオキサイド4モル付加物ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エタンジオールジグリシジルエーテル・(メタ)アクリル酸2モル付加物(アクリル酸またはメタクリル酸の付加反応物を表す。以下の表記も同じである。)、1,2-プロパンジオールジグリシジルエーテル・(メタ)アクリル酸2モル付加物、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル・(メタ)アクリル酸2モル付加物、トリ-1,2-プロパンジオールジグリシジルエーテル・(メタ)アクリル酸2モル付加物、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル・(メタ)アクリル酸2モル付加物、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル・(メタ)アクリル酸2モル付加物、ビスフェノールAジグリシジルエーテル・(メタ)アクリル酸2モル付加物、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル・(メタ)アクリル酸3モル付加物などの脂肪族系、脂環族系および芳香族系の多価(メタ)アクリレート化合物を例示できる。
【0025】
本発明においては、多価(メタ)アクリレート化合物として、プレポリマー系多価(メタ)アクリレート化合物も使用できる。ここで言うプレポリマーとは重合度2〜20、好ましくは2〜10の低分子量ポリマー(オリゴマーと呼称されることもある。)であり、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテルなどのプレポリマーのことである。プレポリマー系多価(メタ)アクリレート化合物とは、そのようなプレポリマーの末端に、少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。
【0026】
プレポリマー系多価(メタ)アクリレート化合物としては、具体的には、(アジピン酸/1,6-ヘキサンジオール)ジ(メタ)アクリレート(nはアジピン酸と1,6-ヘキサンジオールから得られる低分子量ポリエステルの重合度を表し、この重合体がプレポリマーである。このプレポリマーの両末端のヒドロキシル基が(メタ)アクリレート化されている化合物を表しており、nは2〜20である。以下の表記も同じである。)、(オルソフタル酸/1,2-プロパンジオール)ジ(メタ)アクリレート、(2,4-トリレンジイソシアネート/1,6-ヘキサンジオール)ジ(メタ)アクリレート、(イソホロンジイソシアネート/ジエチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート)、ポリ(プロピレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ポリ(テトラメチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ポリ(ジグリシジルビスフェノールA)ジ(メタ)アクリレート、(トリメリット酸/ジエチレングリコール)トリ(メタ)アクリレートなどのポリエステル・プレポリマー系、ポリウレタン・プレポリマー系およびポリエーテル・プレポリマー系の多価(メタ)アクリレート化合物を例示できる。本発明においては、上記した多価(メタ)アクリレート化合物とプレポリマー系多価(メタ)アクリレート化合物の中から選択して1種類を単独に、あるいは2種類以上を組み合わせて使用できる。
【0027】
本発明においては、多価(メタ)アクリレート化合物とプレポリマー系多価(メタ)アクリレート化合物の配合比は100:0〜40:60(重量%)である。プレポリマー系多価(メタ)アクリレート化合物の配合は、前記した物性のほかに、基板との密着性向上などにも有効である。
【0028】
また、本発明にあっては、他の光重合性モノマーとして、1価の(メタ)アクリレート化合物や1価のプレポリマー系(メタ)アクリレート化合物を少量なら、さらに使用してもよい。
1価の(メタ)アクリレート化合物としては、具体的には、n-ブチル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート(nは2〜20である。以下も同様な表現である。)、メトキシポリ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート、フェノキシポリ(エチレングリコール)(メタ)アクリレートなどの脂肪族系、脂環族系、芳香族系、およびプレポリマー系1価(メタ)アクリレート化合物を例示できる。
【0029】
本発明における有機化合物(B)は、光重合性モノマー(A)とは非相溶であり、光重合性モノマー(A)とは室温付近で混合しても相溶せず、仮に混合攪拌しても、放置すると相分離する有機化合物のことである。このような有機化合物(B)は、水酸基、アミノ基、ケトン結合、サルファイド結合、スルホキサイド結合および環式アミド結合などの群より選ばれた1種類以上の基または/および結合を有する分子会合し易い有機化合物である。
【0030】
有機化合物(B)としては、具体的には、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ベンジルアルコール、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ベンジルアミン、キノリン、メチルフェニルケトン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2,2'-チオジエタノール、ジメチルスルホキサイド、N-メチルピロリドンなどであり、いずれの有機化合物も、その表面張力は40×10−5N/cm以上である。このような有機化合物(B)の中でも、光重合性モノマー(A)との非相溶性が著しい、表面張力が50×10−5N/cm以上の有機化合物が特に好ましい。特に好ましい有機化合物(B)の具体例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの低級脂肪族アミノアルコール類と2,2'-チオジエタノールが例示できる。本発明では、このような有機化合物の1種類を単独に使用するか、あるいは2種類以上を併用することができる。
【0031】
本発明においては、有機化合物ではないが、本発明の有機化合物(B)の代わりに、特に高い表面張力(約73×10−5N/cm、20℃)を有する水も、(B)成分として使用することができる。水は、上記した特に好ましい有機化合物(B)と併用することも可能であり、その併用比率は任意である。
【0032】
本発明においては、多孔質樹脂硬化物の形成性を最良とするためには、フッ素あるいはシリコンを含有する光重合性モノマー(A)と表面張力が50×10−5N/cm以上の有機化合物(B)であるモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2,2−チオジエタノールまたは水とを組み合わせて使用することが最も好ましい。
【0033】
本発明における光重合性モノマー(A)と、光重合性モノマー(A)とは非相溶の有機化合物(B)または水とに共通して相溶性のある共通溶媒(C)とは、室温付近で光重合性モノマー(A)と有機化合物(B)または水と混合すると完全に両者と相溶する有機溶剤のことである。このような有機溶剤(C)には、芳香族あるいは脂環族炭化水素系溶剤、アルコール、エーテル、エステル、ケトン、エーテルアルコールなどの酸素含有系溶剤、およびアミン、アミドなどの窒素含有系溶剤がある。
【0034】
有機溶剤(C)としては、具体的にはトルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリン、デカリンなどの芳香族あるいは脂環族炭化水素系溶剤、エタノール、n-およびi-プロパノール、n-およびt-ブタノール、n-ペンタノール、n-ヘキサノール、n-オクタノール、2-エチルヘキサノール、n-デカノール、シクロヘキサノールなどのアルコール系溶剤、テトラヒドロフラン、エチルフェニルエーテル、アニソール、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル系溶剤、酢酸シクロヘキシル、安息香酸メチルなどのエステル系溶剤、アセトン、エチルメチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、1,2-エタンジオールモノメチルエーテル、1,2-エタンジオールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテルアルコール系溶剤のような酸素含有系溶剤およびピペリジン、シクロヘキシルアミン、ピリジン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドなどの窒素含有系溶剤を例示できる。
【0035】
上記した有機溶剤(C)の中でも、表面張力が25×10−5〜35×10−5N/cm、特に、30×10−5〜35×10−5N/cm付近にある有機溶剤は、本発明における共通溶媒として特に有効であり好適である。そのような有機溶剤としては、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、デカリン、テトラリン、n-オクタノール、2-エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、エチルフェニルエーテル、酢酸シクロヘキシル、シクロヘキサノン、1,2-エタンジオールモノメチルエーテル、1,2-エタンジオールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ピペリジン、シクロヘキシルアミン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどがある。
【0036】
上記した本発明における多種の有機溶剤は、単独に使用してもよく、または同一系の溶剤を2種類以上組み合わせて、あるいは異なる系の溶剤を2種類以上組み合わせて使用してもよい。本発明における有機溶剤(C)の単独での、あるいは併用での、常圧における沸点としては50〜250℃の範囲がよく、好ましくは、70〜200℃の範囲である。沸点が50℃未満では、室温付近で気化しやすく、取り扱い難いばかりでなく、本発明の光硬化型液状樹脂組成物中の配合量の制御が困難となる。一方、沸点が250℃を超えると本発明の多孔質樹脂硬化物の形成に支障を生ずることになるので好ましくない。
【0037】
本発明において、多孔質樹脂硬化物の形成性を最良とするためには、フッ素あるいはシリコンを含有する光重合性モノマー(A)と、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンのような表面張力が50×10−5N/cm以上の有機化合物(B)または水および表面張力が30×10 −5 〜35×10−5N/cm付近の有機溶剤である共通溶媒(C)を組み合わせて使用するのが、最も好ましい。
【0038】
本発明の光重合性モノマー(A)(他の光重合性モノマーを併用する場合は光重合性モノマー(A)と他の光重合性モノマーとの全光重合性モノマーを以下では、単に「A’」と表記する。)、光重合性モノマー(A)とは非相溶の有機化合物(B)(水を併用する場合は有機化合物(B)と水との混合物を、有機化合物(B)の代わりに水を使用する場合は水を以下では、単に「B’」と表記する。)、および(A)と(B)とに共通して相溶性のある共通溶媒(C)の配合比は、使用する各成分の分子量や沸点などにより異なった比率となるが、通常、(AまたはA’):〔(BまたはB’)+(C)〕=80:20〜10:90(重量%)である。(AまたはA’)の配合比が80重量%を超えると、〔(BまたはB’)+(C)〕成分量に対して多量となり過ぎて、また配合比が10重量%未満では、液状樹脂組成物中の〔(BまたはB’)+(C)〕成分量が多くなり過ぎて、良好な多孔質樹脂硬化物の形成が困難となる。一方、(BまたはB’)と(C)との配合比は、通常、(BまたはB’):(C)=80:20〜20:80(重量%)であり、(AまたはA’)の配合量に応じて、最適な比率で混合することができる。(BまたはB’)の配合量が80重量%を超えても、また20重量%未満であっても、良好な物性を有する多孔質樹脂硬化物の形成は困難となる。
【0039】
本発明で使用される光重合開始剤(D)は、光照射により本発明の光硬化型液状樹脂組成物を硬化させて、本発明の多孔質樹脂硬化物を形成するための必須成分である。勿論、電子線照射により硬化させる場合は不要であるが、硬化方法としては非常に高価であり、一般的であるとはいえない。
【0040】
光重合開始剤(D)としては、本発明に限定されるような化合物はなく、一般的に使用されている光重合開始剤、即ち、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ジアセチル類、ベンジル類、ベンゾイン類、ベンゾインエーテル類、ベンジルジメチルケタール類、ベンゾイルベンゾエート類、ヒドロキシフェニルケトン類、アミノフェニルケトン類などのカルボニル化合物系光重合開始剤、チラウムサルファイド類、チオキサントン類などの有機硫黄化合物系光重合開始剤、アシルホスフィンオキサイド類、アシルホスフィン酸エステル類などの有機燐化合物系光重合開始剤などがすべて使用できる。本発明ではこのような多種類の光重合開始剤の中から選択して、1種類を単独に、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。本発明においては、光重合開始剤(D)の添加量は少量でよく、光重合性モノマー(AまたはA’)、すなわち光重合性モノマー全量に対して、0.1〜3.0重量%の添加量が一般的であるが、0.5〜1.5重量%でも硬化性は良好である。
【0041】
本発明の多孔質形成性光硬化型樹脂組成物の調製方法としては、まず、光重合開始剤(D)を光重合性モノマー(AまたはA’)に溶解したのち、他の必須成分を混合溶解して、均一な透明溶液とするのが一般的である。
【0042】
本発明の多孔質樹脂硬化物を形成するために使用される基材としては、ガラス、セラミック、プラスチック、紙などの基材が使用できる
【0043】
本発明の多孔質樹脂硬化物の形成方法としては、本発明の光硬化型液状樹脂組成物を直接基材上に、所定の厚さの塗布膜としたのち、光硬化させる。本発明の光硬化型液状樹脂組成物を基材上に一定の厚さに塗布する方法としては、滴下法、バーコート法、ナイフコート法、スピンコート法などが採用される。柔軟性のあるフィルムや紙などの基材の場合には、ダイレクト・ロールコート法、リバース・ロールコート法、グラビア・ロールコート法などの各種のロールコート法が採用できる。塗布膜の厚さは、特に制限はされないが、一般的には、5〜100μmの範囲であるが、この範囲より、厚くしても薄くしてもかまわない。
【0044】
本発明の光硬化型液状樹脂組成物の光硬化の光源としては、紫外線を発生する光源が最も適している。紫外線照射により光硬化させるには、一般に、紫外線硬化型樹脂に用いられる超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライド灯、カーボンアーク灯、キセノン灯などの紫外線を照射することによって行う。好ましくは、波長365nmを中心とした紫外線が比較的多い高圧水銀灯あるいはメタルハライド灯を使用するのがよい。紫外線の照射量は、一般的に、500mJ/cm以上であり、1000〜2000mJ/cmが好適である。
【0045】
本発明の光硬化型液状樹脂組成物は、前記した基材に塗布したのち、上記した紫外線光源からの紫外線を照射して、組成物中に含有される光重合性モノマー(AまたはA’)を光硬化させ、樹脂硬化物の微小粒子が三次元的に連なった構造の多孔質樹脂硬化物を形成させる。この紫外線照射は、塗布したままの状態で照射してもよいが、塗布膜の硬化性の安定化や多孔質樹脂硬化物の表面平滑性と形成された多孔質樹脂硬化物を保持するためには、ガラス板や透明なプラスチック・フィルムで塗布膜表面を被覆して紫外線を照射するのがよい。
【0046】
光硬化して形成された多孔質樹脂硬化物には有機化合物(B)、場合によっては水、および共通溶媒(C)が含有されており、微小空孔を有する樹脂硬化物とするためには、これらを除去する必要がある。これらを除去する方法としては、常圧または減圧下での加熱気化法、熱風気化法、メタノール、エタノール、アセトンのような低沸点溶剤による溶剤溶出法などがあり、含有される有機化合物(B)あるいは水と共通溶媒(C)の沸点や溶解性に応じて最適の方法を採用すればよい。加熱気化法と熱風気化法では、使用した基材の耐熱性を考慮した温度で行う必要がある。
【0047】
本発明の樹脂硬化物の微小粒子が三次元的に連なった構造からなる多孔質樹脂硬化物は、表面ばかりではなく細孔内部の全表面も、細孔の寸法に関係なく、均一に非常に低い表面張力を有する。例えば、水に対する接触角で90〜160°、特に120〜150°を達成する。また、樹脂硬化物の微小粒子は、フッ素あるいはシリコンを含有する硬化物であるため、低い屈折率、良好な耐光性、あるいは良好な電気特性などの機能も有している。したがって、多孔質樹脂硬化物は、全体としても、低い屈折率、良好な耐光性、あるいは良好な電気特性を均一に有している。
【0048】
本発明の多孔質樹脂硬化物に含有される細孔の平均寸法は、1μm以下の領域で調整できるが、0.01〜0.5μmの範囲にあるのが一般的である。また、細孔の空孔率も調整できるが、10〜80%の範囲にあるのが一般的である。
【0049】
本発明の微小な細孔からなる多孔質樹脂硬化物は、外部表面と内部表面の表面張力が非常に低いばかりではなく、屈折率が低く、耐光性と電気特性が良好であるという特長を有している。このような機能は、本発明の多孔質樹脂硬化物に含有されるフッ素あるいはシリコンの含有量に応じて調整することができる。
【0050】
本発明の多孔質樹脂硬化物は、多孔質樹脂硬化物の特長と非常に低い表面張力、低い屈折率、および優れた耐光性および電気特性などの機能が要求される用途に有効に使用することが可能である。そのような用途としては、空孔に無機あるいは有機の機能材料を充填した状態にして多孔質樹脂硬化物を担体材料として使用する用途、および空孔に何も充填しない状態のままで、多孔質樹脂硬化物を使用する用途がある。
【0051】
空孔に無機あるいは有機の機能材料を充填した状態にして、多孔質樹脂硬化物を担体材料として使用する試みとしては、表示素子、記録材料、印刷インク受理基材、光学機能部材などがある。このような用途では、本発明の多孔質樹脂硬化物(多孔質膜)は担体材料としての機能だけでなく、充填された機能材料の機能をも向上させることができる。
【0052】
例えば、本発明の微小な細孔からなる多孔質樹脂硬化物は、非常に低い表面張力と低い屈折率を有するという特性を活かして、液晶表示素子、液晶記録材料などの担体材料に応用される場合、細孔内における機能材料としての液晶化合物の易可動性、即ち、低電圧駆動性を向上させることができるばかりではなく、担体材料としての屈折率も調整することが可能である。
【0053】
【実施例】
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例における特性値の測定は、次に示す測定方法にしたがって行った。
【0054】
平均細孔径と空孔率の測定
ガラス基板上に形成された微小空孔を有する多孔質樹脂硬化物膜を剥離し、オートポアIV(島津−マイクロメリティックス(株)製:9520型)を用いて、水銀圧入法により測定した。平均細孔径の測定は、細孔を円筒状と仮定し、細孔半径は水銀に加える圧力に逆比例の関係で算出する方法によった。空孔率の測定は、約0.005μmから約70μmまでの細孔径(r:A)分布と空孔容積率(dVp/dlogr:ml/g)を測定し、細孔容積率の総和を比重換算して空孔率(%:cm3/cm3×100%)とした。
【0055】
接触角の測定
表面張力は、表面張力と相関する接触角(θ)を測定して、その高低を判定した。即ち、ガラス基板上に形成された微小空孔を有する多孔質樹脂硬化物膜表面上に着滴させた純水の0.5秒後の接触角を、自動接触角計(協和界面科学(株)製:CA−V型)を用いて、θ/2法により測定した。
【0056】
実施例 1
光重合性モノマー(A)であるパーフルオロオクチルエチルアクリレート(表面張力=21.3×10−5N/cm)20重量部および他の光重合性モノマーであるトリメチロールプロパントリアクリレート(表面張力=37.8×10−5N/cm) 20重量部とポリテトラメチレングリコール(重合度=約3)ジアクリレート(表面張力=34.8×10−5N/cm)(共栄社化学(株)製品、商品名:ライトアクリレートPTMGA−250)20重量部を混合し、これに光重合開始剤(D)として、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製品、商品名:ダロキュア1173)0.5重量部を混合し、よく攪拌して溶解した。
【0057】
次に、光重合性モノマー(A)とは相溶性のない有機化合物(B)として、トリエタノールアミン(表面張力=53.1×10−5N/cm)80重量部と光重合性モノマー(A)と有機化合物(B)とに共通して相溶性のある共通溶媒(C)として、イソプロピルアルコール(表面張力=25.2×10−5N/cm)160重量部を混合し、透明になるまでよく攪拌して、均質な本発明の多孔質形成性光硬化型樹脂組成物(I)を調製した。
【0058】
この液状樹脂組成物(I)をガラス基板上に、スキマゲージとバーコーター塗布装置を用いて均一に塗布し、ガラス板で被覆したのち、直ちに高圧水銀灯により紫外線を1200mJ/cmとなるまで照射したところ、不透明に変化した多孔質樹脂硬化物膜(I−F)(厚さ=約10μm)が形成された。
続いて、被覆したガラス板を取り除き、得られた多孔質樹脂硬化物膜をアセトンを用いてよく洗浄し、トリエタノールアミンとイソプロピルアルコールを除去したのち、風乾し、本発明の微小空孔を有する多孔質樹脂硬化物膜を得た。
この微小空孔を有する多孔質樹脂硬化物膜の平均細孔径、空孔率および接触角を測定したところ、次の結果を得た:平均細孔径=0.21μm、空孔率=77%、接触角=137.5°。
本実施例の多孔質樹脂硬化物膜(I−F)表面の電子顕微鏡写真を図1に示した。
【0059】
比較例 1
光重合性モノマーとして、トリメチロールプロパントリアクリレート40重量部とポリテトラメチレングリコール(重合度=約3)ジアクリレート(前出)20重量部を混合し、これに光重合開始剤として2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン(前出)0.5重量部を混合し、よく攪拌して溶解した。
【0060】
次に、トリエタノールアミン80重量部とイソプロピルアルコール 160重量部を混合し、透明になるまでよく攪拌して、均質な光硬化型樹脂組成物(1)を調製した。
【0061】
この液状樹脂組成物(1)を用いて、実施例1と同じ手順と条件にしたがって、ガラス基板上に、不透明に変化した多孔質樹脂硬化物膜(厚さ=約10μm)を形成した。
続いて、被覆したガラス板を取り除き、得られた多孔質樹脂硬化物膜をアセトンを用いてよく洗浄し、トリエタノールアミンとイソプロピルアルコールを除去したのち、風乾し、微小空孔を有する多孔質樹脂硬化物膜を得た。
この微小空孔を有する多孔質樹脂硬化物膜の平均細孔径、空孔率および接触角を測定したところ、次の結果を得た:平均細孔径=0.18μm、空孔率=76%、接触角=14.5°。
【0062】
実施例 2
光重合性モノマー(A)であるパーフルオロオクチルエチルアクリレートを10重量部、トリメチロールプロパントリアクリレートを30重量部とした以外は、実施例1と同じ成分と配合量で、同じ手順にしたがって、多孔質形成性光硬化型樹脂組成物(II)を調製した。
【0063】
この液状樹脂組成物(II)を用いて、実施例1と同じ手順と条件にしたがって、ガラス基板上に、不透明に変化した多孔質樹脂硬化物膜(厚さ=約20μm)を形成した。
続いて、被覆したガラス板を取り除き、得られた多孔質樹脂硬化物膜をアセトンを用いてよく洗浄し、トリエタノールアミンとイソプロピルアルコールを除去したのち風乾し、本発明の微小空孔を有する多孔質樹脂硬化物膜を得た。
この微小空孔を有する多孔質樹脂硬化物膜の平均細孔径、空孔率および接触角を測定したところ、次の結果を得た:平均細孔径=0.23μm、空孔率=76%、接触角=136.1°。
【0064】
実施例 3
光重合性モノマー(A)であるパーフルオロオクチルエチルアクリレートを5重量部、トリメチロールプロパントリアクリレートを35重量部とした以外は、実施例1と同じ成分と配合量で、同じ手順にしたがって多孔質形成性光硬化型樹脂組成物(III)を調製した。
この液状樹脂組成物(III)を用いて、実施例1と同様の手順と条件にしたがって、ガラス基板上に、不透明に変化した多孔質樹脂硬化物膜(厚さ=約20μm)を形成した。
続いて、被覆したガラス板を取り除き、得られた多孔質樹脂硬化物膜をアセトンを用いてよく洗浄し、トリエタノールアミンとイソプロピルアルコールを除去したのち、風乾し、本発明の微小空孔を有する多孔質樹脂硬化物膜を得た。
この微小空孔を有する多孔質樹脂硬化物膜の平均細孔径、空孔率および接触角を測定したところ、次の結果を得た:平均細孔径=0.19μm、空孔率=77%、接触角=130.1°。
【0065】
実施例 4
光重合性モノマー(A)である2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロヘキサンジオールジメタクリレート(表面張力=18.6×10−5N/cm)30重量部および他の光重合性モノマーであるネオペンチルグリコールジメタクリレート(表面張力=34.8×10−5N/cm)20重量部と1,4-ブタンジオールジメタクリレート(表面張力=34.8×10−5N/cm)10重量部を混合し、これに光重合開始剤(D)として、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製品、商品名:イルガキュア184)0.5重量部を混合し、よく撹拌して溶解した。
【0066】
次に、有機化合物(B)として、モノエタノールアミン(表面張力=51.6×10−5N/cm)60重量部と共通溶媒(C)として、シクロヘキサノン(表面張力=33.7×10−5N/cm)90重量部を混合し、透明になるまでよく撹拌して、本発明の多孔質形成性光硬化型樹脂組成物(IV)を調製した。
【0067】
この液状樹脂組成物(IV)を用いて、実施例1と同様の手順と条件にしたがって、ガラス基板上に、不透明に変化した多孔質樹脂硬化物膜(厚さ=約30μm)を形成した。
続いて、被覆したガラス板を取り除き、得られた多孔質樹脂硬化物膜を減圧加熱下に静置し、モノエタノールアミンとシクロヘキサノンを除去して、本発明の微小空孔を有する多孔質樹脂硬化物膜を得た。
この微小空孔を有する多孔質樹脂硬化物膜の平均細孔径、空孔率および接触角を測定したところ、次の結果を得た:平均細孔径=0.15μm、空孔率=65%、接触角=136.0°。
【0068】
比較例 2
2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロヘキサンジオールジメタクリレートを使用しないで、ネオペンチルグリコールジメタクリレート40重量部と1,4-ブタンジオールジメタクリレート20重量部を使用する以外は、実施例4と同様の手順と条件にしたがって、ガラス基板上に、不透明に変化した多孔質樹脂硬化物膜(厚さ=約30μm)を形成した。
続いて、実施例4と同様の手順と条件にしたがって、モノエタノールアミンとシクロヘキサノンを除去して、微小空孔を有する多孔質樹脂硬化物膜を得た。
この微小空孔を有する多孔質樹脂硬化物膜の平均細孔径、空孔率および接触角を測定したところ、次の結果を得た:平均細孔径=0.17μm、空孔率=66%、接触角=28.3°。
【0069】
実施例 5
光重合性モノマー(A)であるγ−メタクリロイルオキシプロピルペンタメチルジシロキサン(表面張力=15.6×10−5N/cm)30重量部および他の光重合性モノマーであるトリメチロールプロパントリアクリレート20重量部とポリエチレングリコール(重合度=約4)ジメタクリレート(共栄社化学(株)製品:商品名ライトエステル4EG)10重量部を混合し、これに光重合開始剤(D)として、ダロキュア1173(前出)0.5重量部を混合し、よく撹拌して溶解した。
【0070】
次に、有機化合物(B)としてジエタノールアミン(表面張力=52.3×10−5N/cm)30重量部と共通溶媒(C)として、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(表面張力=31.2×10−5N/cm)60重量部を混合し、透明になるまでよく撹拌して、本発明の多孔質形成性光硬化型樹脂組成物(V)を調製した。
【0071】
この液状樹脂組成物(V)を用いて、実施例1と同様の手順と条件にしたがって、ガラス基板上に、不透明に変化した多孔質樹脂硬化物膜(厚さ=約20μm)を形成した。
続いて、被覆したガラス板を取り除き、得られた多孔質樹脂硬化物膜をエタノールを用いてよく洗浄し、ジエタノールアミンとジエチレングリコールモノメチルエーテルを除去したのち、風乾し、本発明の微小空孔を有する多孔質樹脂硬化物膜を得た。
この微小空孔を有する多孔質樹脂硬化物膜の平均細孔径、空孔率および接触角を測定したところ、次の結果を得た:平均細孔径=0.06μm、空孔率=57%、接触角=127.5°。
【0072】
比較例 3
γ−メタクリロイルオキシプロピルペンタメチルジシロキサンを使用しないで、トリメチロールプロパントリアクリレート40重量部とポリエチレングリコール(重合度=約4)ジメタクリレート(前出)20重量部を使用する以外は、実施例5と同様の手順と条件にしたがって、ガラス基板上に、不透明に変化した多孔質樹脂硬化物膜(厚さ=約20μm)を形成した。
続いて、被覆したガラス板を取り除き、実施例3と同様の手順と条件にしたがって、ジエタノールアミンとジエチレングリコールモノメチルエーテルを除去して、微小空孔を有する多孔質樹脂硬化物膜を得た。
この微小空孔を有する多孔質樹脂硬化物膜の平均細孔径、空孔率および接触角を測定したところ、次の結果を得た:平均細孔径=0.07μm、空孔率=55%、接触角=35.7°。
【0073】
実施例 6
実施例1において調製した本発明の多孔質形成性光硬化型樹脂組成物(I)を、厚さ1.1mmのITO付きソーダライム・ガラス板上の中央部30×30mmに、スキマゲージとバーコーター塗布装置を用いて均一に塗布し、ソーダライム・ガラス板で被覆したのち、高圧水銀灯により、紫外線を1200mJ/cmとなるまで照射して、不透明に変化した多孔質樹脂硬化物膜(厚さ=約10μm)を形成した。
次に、被覆していたソーダライム・ガラス板を静かにはがし、スキマゲージを取り去ったのち、エタノール中に浸漬し、トリエタノールアミンとイソプロピルアルコールを溶出除去し、さらに減圧下でエタノールを気化除去した。
続いて、10μmのシリカビーズを約3%程度混入したエポキシ樹脂シール剤を用いて、ITO付きソーダライム・ガラス板で多孔質樹脂硬化物膜を挟む形でシールしたのち、真空注入法によりTN液晶化合物(Δn=0.243、25℃)を注入して、自己支持型液晶膜を試作した。
試作した自己支持型液晶膜の電圧に対する平行光線透過率の変化を、JISK7361−1の試験方法にしたがって、濁度計(日本電色工業(株)製、型式:NDH2000)を用いて測定したところ、図2に示した結果を得た。0−100Vの範囲での平行光線透過率の変化率は59.7%であった。また、0Vと100Vにおける平行光線透過率の比率(コントラスト)は3.9であった。
【0074】
比較例 4
比較例1において調製した光硬化型樹脂組成物(1)を用いて、実施例6と同じ手順と条件にしたがって、自己支持型液晶膜を試作した。
試作した自己支持型液晶膜の電圧に対する平行光線透過率の変化を、実施例6と同様にして測定したところ、図3に示した結果を得た。0−100Vの範囲での平行光線透過率の変化率は26.4%であった。また、0Vと100Vにおける平行光線透過率の比率(コントラスト)は1.5であった。
【0075】
比較例4と実施例6の結果を比較すれば、本発明の非常に低い表面張力を有する多孔質樹脂硬化物膜を担体材料とした自己支持型液晶膜は、電圧に対する光透過率の変化およびコントラストが非常に増大していることがわかる。
【0076】
【発明の効果】
本発明の多孔質形成性光硬化型樹脂組成物より形成される多孔質樹脂硬化物は、従来の技術による製造方法とは全く異なり、光硬化法により形成された樹脂硬化物微小粒子が三次元的に連なった構造をなしており、その表面ばかりではなく、細孔内部の全表面も均質で、しかも非常に低い表面張力を有している。さらに、他の良好な機能も有しているので、多様な用途展開が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 多孔質樹脂硬化物膜(実施例1)の表面の電子顕微鏡写真(20,000倍)である。
【図2】 試作した自己支持型液晶膜(実施例6)の電圧と平行光線透過率との関係図である。
【図3】 試作した自己支持型液晶膜(比較例4)の電圧と平行光線透過率との関係図である。

Claims (11)

  1. フッ素あるいはシリコンを含有し、光重合性基として、(メタ)アクリロイル基あるいはビニル基を有し、表面張力が25×10−5N/cm以下である光重合性モノマー(A)と、光重合性モノマー(A)とは非相溶の、水酸基、アミノ基、ケトン結合、サルファイド結合、スルホキサイド結合および環式アミド結合の群より選ばれた1種類以上の基または/および結合を有し、表面張力が40×10 −5 N/cm以上である有機化合物(B)と、光重合性モノマー(A)と有機化合物(B)とに相溶し、芳香族あるいは脂環族炭化水素系溶剤、酸素含有系溶剤および窒素含有系溶剤であり、表面張力が25×10 −5 〜35×10 −5 N/cmである共通溶媒(C)および光重合開始剤(D)を必須成分とする多孔質形成性光硬化型樹脂組成物。
  2. 光重合性モノマー(A)と他の光重合性モノマーとを併用し、他の光重合性モノマーの配合量が光重合性モノマー全量に対して90重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の多孔質形成性光硬化型樹脂組成物。
  3. 有機化合物(B)の代わりに、水を使用すること、あるいは有機化合物(B)と水を併用することを特徴とする、請求項1または2に記載の多孔質形成性光硬化型樹脂組成物。
  4. 酸素含有系溶剤が、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤またはエーテルアルコール系溶剤であり、窒素含有系溶剤が、ピペリジン、シクロヘキシルアミン、ピリジン、ジメチルホルムアミドまたはジメチルアセトアミドであることを特徴とする、請求項1〜3いずれかに記載の多孔質形成性光硬化型樹脂組成物。
  5. 有機化合物(B)が、低級脂肪族アミノアルコール類または2,2'-チオジエタノールであることを特徴とする請求項1に記載の多孔質形成性光硬化型樹脂組成物。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の多孔質形成性光硬化型樹脂組成物を光硬化して得られることを特徴とする多孔質樹脂硬化物。
  7. 含有される有機化合物(B)または水と共通溶媒(C)を除去して得られることを特徴とする請求項に記載の多孔質樹脂硬化物。
  8. フィルム状あるいはシート状であることを特徴とする請求項またはに記載の多孔質樹脂硬化物。
  9. 少なくとも片面に基板を有することを特徴とする請求項のいずれかに記載の多孔質樹脂硬化物。
  10. 請求項のいずれかに記載の多孔質樹脂硬化物を担体材料として使用していることを特徴とする液晶表示素子。
  11. 請求項のいずれかに記載の多孔質樹脂硬化物を担体材料として使用していることを特徴とする液晶記録材料。
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