JP5284701B2 - 硬化性組成物及びパターン形成方法 - Google Patents
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本発明で用いる成分(A)は本硬化性組成物の硬化収縮を抑制し、微細パターンの転写性を良好にするとともに、その硬化物に可とう性を付与してモールドとの離型性を良好にするための成分である。
アルカンジオール、ポリエーテルジオール、ポリブタジエングリコール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオール、アミドジオール、スピログリコール化合物等の1種または2種以上の混合物からなるアルコール類と前記ジイソシアネート類を反応させて得られるウレタンプレポリマー類に、分子中に1個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基、および1個のヒドロキシ基を有するヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルを反応させたウレタンポリ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
本発明で用いる成分(B)は、そのホモポリマーのTgが5℃以下である、成分(A)以外のエチレン性不飽和化合物であり、本硬化性組成物の粘度を調整したり、硬化物のじん性を向上し、モールドとの離型性を向上させると共に、機材との密着性を良好とするための成分である。ホモポリマーのTgは−100℃以上であることが好ましい。Tgが5℃以下であることによって硬化物のじん性が良好となり、−100℃以上であることによって硬化性が良好となる。
本発明で用いる分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を有する成分(C)は本硬化性組成物の硬化性を高めると共に、その硬化物の架橋密度や弾性率を上昇させ、ドライエッチング耐性を良好とするための成分である。
本発明で用いる成分(D)は成分(A)〜(C)からなる組成物を希釈し、基板上に容易に薄膜塗装できるように粘度を調整する有機溶剤であり、均一膜厚で薄膜形成可能とするためには、大気圧下における沸点が115℃〜175℃の範囲にあることが必須である。沸点115℃未満の有機溶剤のみを使用すると薄膜塗装時に乾燥が早過ぎてスジやムラなどの塗装欠陥が生じたり、膜厚均一性が損なわれたりする。また沸点175℃を超える有機溶剤のみを使用した場合、溶剤の乾燥に時間を要し、生産速度が低下するのみならず、硬化物層中に溶剤が残存し、ドライエッチング耐性が低下する。
本発明においては、本硬化性組成物は前記の成分(A)、成分(B)、成分(C)および成分(D)を含有するが、本発明の目的を損なわない範囲であれば、成分(A)〜(C)以外のエチレン性不飽和化合物(E)(以下、「成分(E)」という)を含有することができる。成分(A)〜(C)および必要に応じて成分(E)および後述する成分(F)の合計を有効成分とし、成分(D)等の有機溶剤で希釈したものが本発明の硬化性組成物である。
成分(E)としては、例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラシクロドデカニル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン等が挙げられる。
本発明に使用される基板としては、硬化性組成物を塗装できれば特に限定されるものではなく、例えば、金属、磁性体、半導体、ガラス、セラミックス、紙、木材、プラスチック等の材料やこれらの複合材料等で成型された、ディスク、シート、フィルムなどが挙げられる。該基板材料に対して、硬化性組成物が密着し難い場合、基板表面を表面処理することも可能であり、金属、磁性体、半導体、ガラス、セラミックスなどの場合、シラザン化合物、シリル化合物等で表面処理すると良い。
本発明に用いられるモールドは、被転写体側に転写されるべき微細な凹凸パターンが所定の基板の表面に形成されたものである。凹凸パターンを形成する方法は特に限定されない。凹凸パターンの形成方法としては、例えば、フォトリソグラフィ、集束イオンビームリソグラフィ或いは電子ビーム描画法、メッキ法等が挙げられる。モールドの材料には、例えば、シリコン、ガラス、石英、各種金属材料、セラミックス、プラスチックなどが使用可能であり、強度と要求される加工性を有するものであればよい。特にモールド側から光照射することにより硬化性組成物を硬化させる場合には、モールドは透光性材料からなることが好ましい。
本発明のパターン形成方法は、下記工程1、工程2、工程3、工程4、必要に応じて工程5以降を順に行うことにより、モールドの微細パターンが転写された表面を有する基板を得ることができる。
工程2:次いで該乾燥塗膜が、モールドの微細パターン面に接するように、該基板と前記モールドとを押し合わせる工程。
工程3:溶剤(D)が除去された乾燥塗膜を重合させて硬化物とする工程。
工程4:モールドを硬化物から剥離して、前記硬化物からなる微細パターンを表層に有する基板を得る工程。
工程5:エッチング、鍍金等の手法により、基板を加工する工程。
工程6:基板加工後、残った硬化物層を剥離あるいは灰化する工程。
成分D以外の有効成分を配合した組成物について、E型粘度計(東機産業(株)製、TVE−20)を用いて、25℃における粘度を測定した。
硬化性組成物をシリコンウェハ上に塗装硬化したあと、塗膜面を溝尻光学工業社製シャドーグラフLX−135Sで観察した。評価は下記の通りとした。
○:塗装ムラおよびスジなく平滑な外観
×:塗装ムラ、スジ、ハジキ等が発生し、塗装外観不良
工程1:硬化膜厚が50nmとなるよう、本発明の硬化性組成物を4インチシリコンウェハ上にディスペンス後、スピンコートして、室温10分間の条件で溶剤を乾燥させた。
工程2:幅50nm、深さ50nm、長さ5μmの凹構造を表面に有する石英製モールドの微細パターン面をダイキン社製オプツールHD−1100(フッ素系金型離型剤)を用いて離型処理し、次いで該乾燥塗膜が、モールドの微細パターン面に接するように、該基板と前記モールドとを0.5MPaの圧力でプレスした。
工程3:石英製モールドを通して、高圧水銀灯を用いて積算光量3000mJ/cm2の条件で紫外線照射し、塗膜を硬化させた。
工程4:前記モールドを硬化物から剥離して、前記硬化物からなる微細パターンを表層に有するシリコンウェハを得た。この基板表面をSEMにより観察した。評価は下記の通りとした。
○:欠けや折れ、剥がれ等発生なく良好
×:欠け、折れ、剥がれ等が発生し不良
シリコンウェハの一部をポリイミド粘着テープによりマスキングし、組成物を硬化膜厚200nmとなるよう塗装硬化したサンプルを作製した。次に、本サンプルをドライエッチャの処理室に導入した後、CF4ガスを流量10ml/min、圧力0.4Pa、出力250Wの条件で60秒処理後、マスキングテープを剥がし、処理面と非処理面の段差を測定することでエッチングレートの評価を行った。評価は下記の通りとした。
○:2.5nm/秒以下で良好
×:2.5nm/秒を越え不良
5Lの4つ口フラスコに、キシリレンジイソシアネート940g及びジブチル錫ジオクテート0.5gを仕込んで水浴中でフラスコ内温が70℃になるように加熱した。
(1)硬化性組成物の製造および無溶剤型組成の粘度測定
成分(A)として合成例1で得られたUA1:25部、成分(B)としてテトラヒドロフルフリルアクリレート25部、成分(C)として、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート40部、およびカプロラクトン変性リン酸ジメタクリレート10部、成分(F)として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1:3部を混合溶解し、硬化性組成物を得た。得られた無溶剤型硬化性組成物の粘度を測定し、表1に示した。
25℃にて、(1)で得た本発明の硬化性組成物を、4インチシリコンウェハー上に0.5gディスペンスし、コーティング膜厚が50nmとなるようスピンコートした。その後、酸素重合阻害による硬化不良を防ぐため、窒素雰囲気下中で高圧水銀ランプにて紫外線照射(3000mJ/cm2)して硬化膜を形成した。硬化膜表面を溝尻光学工業社製シャドーグラフLX−135Sで観察したところ、塗装ムラやスジなど観察されず、良好な塗装外観であった。また、同様にウェハー上に塗装し、転写性およびエッチングレートの評価を行い、表1に示した。
CNUVE151:サートマー製 エポキシアクリレートオリゴマー(ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのラクトン付加物と二塩基酸無水物から得られるハーフエステル化合物と、エポキシ樹脂とを反応させて得られるエポキシアクリレート、質量平均分子量1500)
THFA:テトラヒドロフルフリルアクリレート
POA:フェノキシエチルアクリレート
4HBA:4−ヒドロキシブチルアクリレート
MEDOL:2−エチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン−4−イル−メチルアクリレート
TCDA:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート
PM21:カプロラクトン変性リン酸ジ(メタ)アクリレート
BPE4:テトラエトキシレーテッドビスフェノールAジ(メタ)アクリレート
BPE10:デカエトキシレーテッドビスフェノールAジ(メタ)アクリレート
NVP:N−ビニルピロリドン
BDMB:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1
PGMEA:プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(沸点:146℃,n−ブチルアセテートの25℃における蒸発速度を1とした場合の相対蒸発速度:0.34)
PGPE:プロピレングリコールプロピルエーテル(沸点:150℃,相対蒸発速度:0.2)
PGTE:プロピレングリコール−t−ブチルエーテル(沸点:151℃,相対蒸発速度:0.25)
シクロヘキサノン:(沸点:155℃,相対蒸発速度:0.3)
IPA:イソプロパノール(沸点:82℃,相対蒸発速度:1.7)
Claims (3)
- 分子内に1個以上のエチレン性不飽和基を有する質量平均分子量1000〜30000のオリゴマー(A)(以下、「成分(A)」という)、ホモポリマーのTgが5℃以下である成分(A)以外のエチレン性不飽和化合物(B)(以下、「成分(B)」という)、分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を有する成分(A)及び成分(B)以外の化合物(C)(以下、「成分(C)」という)、並びに大気圧における沸点が115℃〜175℃の範囲にある有機溶剤(D)(以下、「成分(D)」という)を含む組成物であって、成分(A)、成分(B)及び成分(C)の合計に対して、成分(A)が10質量%以上50質量%以下、成分(B)が10質量%以上40質量%以下、成分(C)が10質量%以上80質量%以下であり、成分(A)、成分(B)、成分(C)、並びに成分(A)、成分(B)及び成分(C)以外のエチレン性不飽和化合物(E)、並びに光重合開始剤(F)の合計の濃度が0.1〜10質量%の範囲にある硬化性組成物。
- 成分(D)を含まない無溶剤組成物の25℃における粘度が50〜1100mPa・sである請求項1記載の硬化性組成物。
- 請求項1記載の組成物の塗装膜を基板面に形成し、微細なパターンが形成されたモールドを前記塗装膜の表面に加圧接触し、光照射により前記塗装膜を硬化させ、微細なパターンを形成するパターン形成方法。
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