JP5744260B2 - 光硬化性組成物、モールド、樹脂、光学素子の製造方法及び半導体集積回路の製造方法 - Google Patents

光硬化性組成物、モールド、樹脂、光学素子の製造方法及び半導体集積回路の製造方法 Download PDF

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本発明のいくつかの態様は光インプリントリソグラフィによるパターン形成方法に関するものであり、特に、半導体集積回路、光学素子等の微細なパターンの製造に適したパターン形成方法に関する。
半導体集積回路の高密度化、高速化に伴い、集積回路のパターン線幅が縮小されているため微細なパターンを製造できる技術が求められている。微細なパターンの形成方法として、光ナノインプリントリソグラフィが注目されている。光ナノインプリントリソグラフィとは、微細な凹凸パターンを有するモールドを基板上に設けられた光硬化性組成物等の被転写材に押し付けることによって被転写材をモールドのパターンに充填して成形した後、露光して硬化し、モールドを被転写材から離型することにより、被転写材にモールドの凹凸パターンが転写されたパターンを形成するものである(特許文献1参照)。
このような光ナノインプリントリソグラフィで用いられる微細な凹凸パターンを有する金属製モールドは高価であるため、微細な凹凸のパターンを有する金属製原盤の形状を環状オレフィンポリマーやポリジメチルシロキサン(PDMS)等の有機高分子化合物(以下、樹脂という)に転写する等して樹脂製モールドを作成し、この樹脂製モールドを光ナノインプリントに用いる方法が知られている(特許文献2及び非特許文献1参照)。
しかしながら、このような樹脂製モールドは耐久性が悪く、光ナノインプリントリソグラフィにおけるパターン形成に複数回用いると、モールドが劣化して白濁したり、モールドの離型性が低下したりするという問題がある。なお、このような問題は、光ナノインプリントリソグラフィに限定されず、光ナノインプリントリソグラフィよりもパターンサイズの大きい場合においても存在する。
米国特許第6334960号明細書 WO2006/112062号パンフレット
Choi, Won Mook等、「マイクロエレクトロニックエンジニアリング(MicroelectronicEngineering)」、70巻、1号、2003年、131−136ページ
本発明のいくつかの態様は、このような事情に鑑み、樹脂製モールドの劣化を抑制することができるパターン形成方法を提供することを課題とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために種々検討した結果、樹脂製モールドを用いた光インプリントリソグラフィにおいて、被転写材層を特定の範囲の光硬化性成分を含有するものとすることにより、上記課題を解決することができることを見出し、本発明に係る態様に到達した。
本発明に係る光硬化性組成物は、成分全体の数平均分子量が350以上であり、かつ、分子量300未満の成分が前記成分全体の50質量%未満であることを特徴とする。
上記の光硬化性組成物において、前記光硬化性組成物は、基板と凹凸パターンが形成されたモールドとで挟み込んだ状態で露光して硬化させることにより光硬化層が形成され、前記光硬化層から前記モールドを離型することによりパターンが形成されることが好ましい。
上記光硬化性組成物において、前記モールドに含まれる有機高分子化合物は、シロキサン結合を有するポリマー又は環状オレフィンポリマーであることが好ましい。
上記の光硬化性組成物において、前記光硬化性組成物の粘度は、25℃で1000Pa・s以下であることが好ましい。
上記の光硬化性組成物において、前記光硬化性組成物の溶剤の含有量は10質量%以下であることが好ましい。
上記の光硬化性組成物において、前記光硬化性組成物の溶剤の含有量は5質量%以下であることが好ましい。
上記の光硬化性組成物において、光重合性を有する化合物の含有量は、前記光硬化性組成物の総量100質量部に対して50乃至99.99であることが好ましい。
上記の光硬化性組成物において、1分子内に2つ以上の光重合性基を有する化合物を、前記光硬化性組成物の総量100質量部に対して、5質量部以上含有することが好ましい。
上記の光硬化性組成物において、1分子内に2つ以上の光重合性基を有する化合物を、前記光硬化性組成物の総量100質量部に対して、20質量部以上含有することがさらに好ましい。
上記の光硬化性組成物において、光重合開始剤の含有量は、前記光重合性を有する化合物100質量部に対して0.01乃至20質量部であることが好ましい。
上記の光硬化性組成物において、前記光硬化性組成物は、密着性付与剤、レベリング剤、可塑剤、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、酸化防止剤、香料、熱硬化剤、着色剤又は重合禁止剤を含むことが好ましい。
上記の光硬化性組成物において、含フッ素化合物を含むことが好ましい。
本発明に係るモールドは、光硬化性組成物を基板との間で挟み込んだ状態で露光して硬化させることにより光硬化層を形成し、前記光硬化層から離型することによりパターンを形成するために用いられるモールドであって、前記モールドは有機高分子化合物を含み、前記有機高分子化合物は、シロキサン結合を有するポリマー又は環状オレフィンポリマーであることを特徴とする。
上記のモールドにおいて、前記モールドは、凹凸パターンが形成された凹凸面を有し、前記光硬化性組成物は、前記凹凸面と前記基板との間に挟み込まれた状態で露光されることが好ましい。
上記のモールドにおいて、前記モールドはフッ素を含有していないことが好ましい。
本発明に係る樹脂は、光硬化性組成物を基板との間で挟み込んだ状態で露光して硬化させることにより光硬化層を形成し、前記光硬化層から離型することによりパターンを形成するために用いられる樹脂であって、前記樹脂は、シロキサン結合を有するポリマー又は環状オレフィンポリマーを含むことを特徴とする。
本発明に係る光学素子の製造方法は、上記の光硬化性組成物と上記のモールドとを用いて製造することを特徴とする。
本発明に係る半導体集積回路の製造方法は、上記の光硬化性組成物と上記のモールドとを用いて製造することを特徴とする。
かかる本発明の第1の態様は、基板と凹凸パターンが形成されたモールドとで光硬化性成分を含有する液状の被転写材層を挟み込んで成形した後、前記被転写材層を露光して光硬化層とし、該光硬化層から前記モールドを離型するパターン形成方法であって、前記モールドが有機高分子化合物からなり、前記被転写材層に含有される成分全体の数平均分子量が350以上であり、かつ、前記被転写材層中の全成分のうち、分子量300未満の成分が50質量%未満であるパターン形成方法にある。
本発明の第2の態様は、前記有機高分子化合物がシロキサン結合を有するポリマー又は環状オレフィンポリマーであることを特徴とする第1の態様に記載のパターン形成方法にある。
本発明のいくつかの態様によれば、被転写材層に含有される光硬化性成分を特定範囲にすることにより、光インプリントリソグラフィにおける樹脂製モールドの劣化を抑制することができる。したがって、樹脂製モールドを繰り返し使用することができる。
本発明の一態様に係るパターン形成方法の概略を示す断面図である。
以下、本発明の一態様に係るパターン形成方法の一例を示す断面図である図1を参照して詳細に説明する。
本発明の一態様に係るパターン形成方法は、基板1と凹凸パターンが形成されたモールド3とで光硬化性成分を含有する液状の被転写材層2を挟み込んで成形した後、被転写材層2を露光して光硬化層4とし、該光硬化層4からモールド3を離型するパターン形成方法であって、モールド3が有機高分子化合物からなり、被転写材層2に含有される成分全体の数平均分子量が350以上であり、かつ、被転写材層2中の全成分のうち、分子量300未満の成分が50質量%未満であるパターン形成方法である。
具体的には、まず、図1(a)に示すように、基板1上に光硬化性成分を含有する光硬化性組成物を塗布等して、基板1上に光硬化性成分を含有する被転写材層2を設ける。光硬化性組成物とは、光硬化性成分と、必要に応じて添加する溶剤及び添加剤等からなる組成物をいう。なお、図1(a)では基板1上に光硬化性組成物を塗布したが、モールド3に光硬化性組成物を塗布してもよい。
基板1は、被転写材層2を設けることができるものであればよく、例えば、通常の光インプリントリソグラフィによるパターンの形成方法において用いられている基板でよい。具体例としては、ガラス、石英、サファイア等の透明無機基板、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタラート(PET)、トリアセチルセルロース等の透明合成樹脂基板や、シリコンウェハー等の半導体基板、GaAs、InAs、GaN等の化合物半導体、金属又は金属酸化物等が挙げられる。なお、基板1又はモールド4の少なくとも一方が透明である必要がある。そして、基板1の表面は、被転写材層2との接着性の向上や被転写材層2の塗布状態改良等のために、前処理が施されていてもよい。前処理の具体例としては、湿式の表面洗浄やプラズマ、オゾン洗浄等による表面改質、シランカップリング剤のような接着性向上剤による処理等が挙げられる。
モールド3は、樹脂、すなわち、有機高分子化合物からなり、表面に所望の凹凸のパターンが形成されていればよい。有機高分子化合物は、タンパク質、核酸、脂質、セルロース、デンプン等の多糖類、天然ゴム等の天然高分子でもよく、また、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、フェノール樹脂等の合成樹脂、ナイロン、ビニロン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタラート等、合成ゴム、ポリジメチルシロキサン(PDMS)等のシロキサン結合を有するポリマー、商品名ZEONOR(日本ゼオン(株)製)、商品名ARTON(JSR(株)製)等のシクロオレフィンポリマーやシクロオレフィンコポリマー等の環状オレフィンポリマーや、光硬化性組成物の光硬化物でもよい。
このような有機高分子化合物からなるモールド3は、耐久性が悪く、光インプリントリソグラフィにおける複数回の使用で劣化するという問題があるが、本発明の一態様に係る一つのパターン形成方法においては、モールドの劣化を抑制することができる。モールド3はフッ素を含有する有機高分子化合物からなるモールドでもよい。但し、フッ素を含有するモールド3の場合には、モールド材料の撥油性が高くなるため被転写材層2をモールド3の凹凸パターンに充填し難くなり、また、高価になるため、フッ素を含有しない有機高分子化合物からなるモールド3が好ましい。本発明の一態様に係る一つのパターン形成方法においては、モールド3がフッ素を含有していなくてもモールドの劣化を抑制できる効果がある。
そして、モールド3表面に形成されている凹凸のパターンは、通常の光インプリントリソグラフィにおいて用いられているモールド3の表面に形成されている凹凸のパターンと同様のものであってよいが、それに限定されるものでない。例えば、有機高分子化合物からなるモールド材料の表面に窪みを形成することにより凹部を形成したモールド3としてもよく、この場合、相対的に表面側に突出した部分が凸部となる。また、モールド材料の表面に突起を設けることにより凸部を形成したモールド3としてもよく、この場合、相対的に内側に窪んだ部分が凹部となる。勿論、金属等の表面に窪みまたは突起を設けることにより形成した凹凸パターンを有する原盤を用い、この原盤を鋳型として形成した有機高分子化合物からなるモールド3としてもよい。また、凹凸のパターンの各凹部の断面の形状は、正方形、長方形、半月形、又はそれら形状に類似した形状等でもよく、各凹部は、例えば、深さが1nm〜100μm程度、開口部の幅が1nm〜100μm程度のものであってよい。
また、本発明の一態様に係るモールド3の劣化が抑制され耐久性が高いため、後段の離型工程でのモールド3の離型性は良好であるが、さらに離型性を向上させるために、モールド3の表面に、離型処理が施されていてもよい。離型処理は気相法や液相法等により、パーフルオロ系又は炭化水素系の高分子化合物、アルコキシシラン化合物又はトリクロロシラン化合物、ダイヤモンドライクカーボン等に例示される公知の離型処理剤を用いて行うことができる。但し、離型処理は手間がかかるため、離型処理が施されていないモールド3が好ましい。
被転写材層2は、20〜30℃の室温付近において液状であり、かつ実質的に溶剤を含有しないものであり、所定の光硬化性成分を含有する光硬化性組成物で形成する。有機高分子化合物からなるモールド3は、金属製などの無機材料からなるモールドよりも機械的強度が低いので、高い圧力をかけなくても被転写材層2がモールド3の凹凸パターンに円滑かつ適正に充填されるように、被転写材層2は液状であることが必要である。例えば、被転写材層2の粘度、具体的には被転写材層2を形成する光硬化性組成物が溶剤を含有しない場合は光硬化性組成物の粘度が、また、光硬化性組成物が溶剤を含有する場合は溶剤を除いた状態での光硬化性組成物の粘度が、25℃で1000Pa・s以下である。粘度の測定方法としては、例えば、東京計器(株)製のB型粘度計を用いて測定する方法が挙げられる。また、モールド3の劣化が促進されることを避けるために、被転写材層2は、溶剤を実質的に含有しないものであることが必要である。例えば、溶剤の含有量が被転写材層2の10質量%以下、望ましくは5質量%以下である。なお、溶剤とは、光硬化性成分等を希釈する場合に用いられる有機溶剤等であり、実質的に光硬化層4に残存しない成分である。
被転写材層2が含有する光硬化性成分とは、露光により反応して硬化する成分をいう。具体的には、光二量化型の光硬化性組成物であれば桂皮酸エステル系樹脂等の光二量性基を有する樹脂、環化ゴム−ビスアジド等の光架橋型の光硬化性組成物であれば光架橋剤及び環化ゴム等の高分子、エン/チオール型、ラジカル、カチオン等の光重合型の光硬化性組成物であれば光重合性基を有する化合物及び光重合開始剤である。なお、汎用性等の面から、含有する光硬化性成分は光重合型であることが好ましい。
光重合性基を有する化合物とは、ラジカル重合性基又はカチオン重合性基を有する化合物をいう。ラジカル重合性基の例としては、アクリロイル基、メタアクリロイル基、ビニル基、アリル基等が挙げられる。カチオン重合性基の例としては、エポキシ基、ビニロキシ基、オキセタニル基等が挙げられる。
ラジカル重合性基を有する化合物としては、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類、モルホリン(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクトン、スチレン等の単官能ラジカル重合性化合物や、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アルキレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジアルキレングリコール(メタ)アクリレート、トリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、テトラアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジアリルフマレート、アルキレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等の多官能ラジカル重合性化合物、単官能又は多官能のエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、及びフッ素含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。
カチオン重合性基を有する化合物としては、芳香族、脂環式又は脂肪族エポキシ化合物、オキセタン化合物等の環状エーテル化合物やビニルエーテル化合物等が代表的である。芳香族エポキシ化合物としては、ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、並びにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。脂環式エポキシ化合物としては、例えば少なくとも1個のシクロヘキセン環あるいはシクロペンテン環含有化合物を酸化剤でエポキシ化することによって得られるシクロヘキセンオキシド含有化合物あるいはシクロペンテンオキシド含有化合物等が挙げられる。脂肪族エポキシ化合物としては、アルキルグリシジルエーテル、アルキレングリコールのジグリシジルエーテル、多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。オキセタン化合物としては、ビスフェノールA型オキセタン化合物、ビスフェノールオキセタン化合物、ビスフェノールS型オキセタン化合物、キシリレン型オキセタン化合物、フェノールノボラック型オキセタン化合物、クレゾールノボラック型オキセタン化合物、アルキルフェノールノボラック型オキセタン化合物、ビフェノール型オキセタン化合物、ビキシレノール型オキセタン化合物、ナフタレン型オキセタン化合物、ジシクロペンタジエン型オキセタン化合物、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のオキセタン化物等が挙げられる。ビニルエーテル化合物としては、例えばエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
光重合性基を有する化合物は単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、ラジカル重合性基を有する化合物とカチオン重合性基を有する化合物とを併用してもよい。
光重合開始剤とは、光の照射により、上記光重合性基を有する化合物の重合を開始させることができるラジカル、カチオン等の活性種を発生する化合物をいう。光重合開始剤は、ラジカル重合開始剤とカチオン重合開始剤とに分類できる。ラジカル重合開始剤の例としては、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシアルキルフェノン類、α−アミノアルキルフェノン類、アシルフォスフィンオキサイド類、チタノセン類及びオキシムエステル類、トリハロメチルトリアジン類、その他トリハロメチル基を有する化合物等が挙げられる。カチオン重合開始剤の例としては、芳香族スルホニウム塩及び芳香族ヨードニウム塩等が挙げられる。重合開始剤は単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、ラジカル重合開始剤とカチオン重合開始剤とを併用してもよい。さらに、光重合開始剤と共に増感剤を用いてもよい。
光硬化性組成物における光重合性基を有する化合物の含有量は、光硬化性組成物の総量100質量部に対して、50〜99.99質量部が好ましい。50質量部未満では光重合性基の量が少ないことにより、99.99質量部を超えると、光重合性基を有する化合物に対する光重合開始剤の割合が低くなることにより、いずれも光硬化性が低下するためである。さらに、光重合性基を1分子中に2つ以上有する光重合性基を有する化合物を、光硬化性組成物の総量100質量部に対して5質量部以上、好ましくは20質量部以上含有するのが望ましい。光架橋により光硬化物の機械的強度を向上させるためである。また、光硬化性組成物における光重合開始剤の含有量は、光重合性基を有する化合物100質量部に対して、0.01〜20質量部が好ましい。0.01質量部未満では光重合性基を有する化合物に対する光重合開始剤の割合が低くなり、光硬化性が低下する。また20質量部を超えると、光硬化性組成物に対する光重合開始剤の溶解性が低下し、実用的でないためである。
そして、このような光硬化性組成物を用いて形成される被転写材層2は実質的に溶剤を含有しない方が望ましい。このため光硬化性組成物は、溶剤を含有しないか、または、溶剤を含有していても加熱等して溶剤を除去することにより被転写材層2が溶剤を含有しないようにすることができるものがよい。なお、被転写材層2は溶剤を除いた状態で液状である必要がある。
被転写材層2に含有される成分全体の数平均分子量は350以上である。上記範囲内においては、後述する実施例に示すように、被転写材層2に含有される成分のモールド3に対する含浸が少ないため、モールド3の劣化を抑制することができる。被転写材層2に含有される成分全体の数平均分子量Mnは以下の式(1)で表される。
Figure 0005744260
ここでNi=Wi/Mi(Wi;成分iの重量分率)とすると、数平均分子量Mnは下記式(2)で表すことができる。
Figure 0005744260
被転写材層2に含有される各成分の分子量は、分子量分布を有しない単一成分の場合は組成式から計算で求められる。一方、オリゴマーやポリマーのように分子量分布を有する成分の場合は、浸透圧法、光散乱法、質量分析法、ゲルろ過クロマトグラフィー(GPC)法など、公知の分子量測定方法を用いて求めることができる。
また被転写材層2は、低分子量成分の割合が低い方がモールド3への含浸が少ないため好ましい。被転写材層2に含有される成分のうち分子量300未満の成分は50質量%未満であり、好ましくは40質量%以下である。また分子量250未満の成分が30質量%以下であることがより好ましい。
ここで、光インプリントリソグラフィにおいては、モールドの凹凸パターンへの充填を良好にするため、通常低粘度の光硬化性組成物、すなわち低分子量成分を多く含有する光硬化性組成物を用いて被転写材層を形成するが、このような光硬化性組成物を用いると、例えば特許文献2のような環状オレフィンポリマー製のモールドと接触するとモールドが劣化して離型性が低下する。また、非特許文献1のようなポリジメチルシロキサン製のモールドを用いると、ポリジメチルシロキサン内部に光硬化性成分が含浸してモールドが劣化して白濁する。このようなモールドの劣化を抑制するためには、モールド表面を含フッ素材料でコーティングしたり、フッ素を含有するモールドとしたり、また、被転写材層のフッ素含有量を多くする必要があった。
しかしながら、モールドと接触する被転写材層として上記のように特定のものを用いることにより、モールド表面を含フッ素材料等で表面処理したり、フッ素を含有するモールドを用いなくても、環状オレフィンポリマーやシロキサン結合を有するポリマー等の樹脂製のモールドの劣化を抑制することができる。
なお、光硬化性組成物は、必要に応じて添加剤を含有していてもよい。但し、モールド3への含浸を防ぎモールド3の劣化を抑制するためには、添加剤の分子量が、例えば300以上であることが望ましい。添加剤としては、非光硬化性オリゴマーや非光硬化性ポリマー、密着性付与剤(例えば、シランカップリング剤等)、有機溶剤、レベリング剤、可塑剤、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、酸化防止剤、香料、熱架橋剤、着色剤、及び重合禁止剤等が挙げられる。また、モールドの離型性をさらに向上させるために、イオン液体を添加してもよい。イオン液体として、例えば、融点が40℃以下のものが挙げられる。種々あるイオン液体の中でも光重合性基を持つイオン液体は、光硬化性成分であり、露光後の光硬化物の表面に染み出す等の問題が生じないため、好ましい。そして、光硬化性成分や添加剤成分等の含フッ素化合物を光硬化性組成物に添加してもよい。但し、含フッ素化合物は一般にフッ素を含有しない成分への溶解性が低いため添加量が少ない方が好ましい。含フッ素化合物の添加量は、例えば溶剤を除いた光硬化性組成物に対し10質量%以下であり、好ましくは5質量%以下である。なお本発明の一態様に係るパターン形成方法においては、光硬化性組成物に含フッ素化合物を添加しなくてもモールド3への含浸を抑制できる。
光硬化性組成物を用いて、基板1又はモールド3に被転写材層2を形成する方法は特に限定されず、例えば、光硬化性組成物の塗布や滴下、具体的には、スピンコート、ロールコート、ディップコート、グラビアコート、ダイコート、カーテンコート、インクジェット塗布及びディスペンサー塗布等が挙げられる。
被転写材層2の厚さは、モールド3に形成された凹凸のパターンの凹部に充填される被転写材層2の量、例えば凹凸のパターンの凹部の深さ等を考慮して設定すればよい。また、モールド3や基板1の全面を覆うように被転写材層2を設けてもよく、一部のみを覆うように設けてもよい。
なお、被転写材層2を形成する光硬化性組成物が溶剤を含有する場合、光硬化性組成物を基板1に塗布等して光硬化性組成物からなる層を形成した後、加熱するなどして溶剤を除去して被転写材層2とする。
次に、図1(b)に示すように、基板1とモールド3とで被転写材層2を挟みこんで成形する(成形工程)。ここで、基板1をモールド3に押圧しても、モールド3を基板1に押圧してもよく、基板1及びモールド3の両方を押圧してもよい。基板1やモールド3を押圧する力は、例えば、0.01〜100MPa程度とすることができる。また、力をかけず、モールド3や基板1の自重による押圧でもよい。このように、基板1に対してモールド3を押圧することにより、モールド3の凹凸パターンに被転写材層2が充填されて成形される。被転写材層2とモールド3とを共に水平に保って被転写材層2とモールド3とを接触させることが好ましいが、得られるパターンに支障が生じなければ、水平に保つことに限定する必要はない。成形工程では、従来の光インプリントリソグラフィにおける装置を用いることができる。
次いで、図1(c)に示すように、モールド3の凹凸パターンに被転写材層2を充填して成形した状態で被転写材層2を露光し、硬化させて光硬化層4とする(光硬化工程)。露光に用いる光源は、被転写材層2が硬化する波長の光を照射できるものであればよい。光源の例としては、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアーク、水銀キセノンランプ、XeCl、KrFやArF等のエキシマーレーザー、紫外あるいは可視光レーザー、及び紫外あるいは可視光LED等が挙げられる。光の照射量は、被転写材層2を硬化させることができる量であればよく、工業的に実施する際には、通常、10J/cm以下の範囲内で照射量を選定するとよい。なお、基板1及びモールド3のうち、照射する光に対して実質的に透明である部材の側から被転写材層2に光を照射する。
その後、図1(d)に示すように、光硬化層4からモールド3を離型することにより、モールド3の凹凸パターンが転写された光硬化層4からなるパターンを基板1上に形成することができる(離型工程)。モールド3が劣化していると、離型する際に光硬化層4がモールド3に付着する等して、モールド3の凹凸パターンを精密に転写した凹凸のパターンを有する光硬化層4を形成することができないが、モールド3の劣化が抑制されるので、同じモールド3を用いて光ナノインプリントリソグラフィによるパターン形成を複数回行っても、モールド3の凹凸パターンを精密に転写した凹凸のパターンを有する光硬化層4を形成することができる。なお、離型する際には、基板1とモールド3とを共に水平に保って離型することが好ましいが、水平に保つことに限定する必要はない。
なお、光硬化性組成物が熱により硬化する成分を含有する場合は、成型物の強度を向上させるために、離型工程の後に、熱により光硬化層4を硬化する工程をさらに有していてもよい。
以下、実施例を示しながら本発明の一態様についてさらに具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<光硬化性組成物の調製>
光重合性化合物としてジシクロペンタニルアクリレート(分子量206)20質量部、トリメチロールプロパントリアクリレート(分子量296)10質量部、2官能ウレタンアクリレート(製品名;アートレジンUN-7600、根上工業(株)製)65質量部と、光重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(分子量164)5質量部とを室温で撹拌、混合してフッ素を含有しない液状の光硬化性組成物Aを調製した。組成等を表1に示す。アートレジンUN-7600の分子量はGPC測定(溶媒:テトラヒドロフラン(THF))によりポリスチレン換算分子量から求めた。アートレジンUN-7600の数平均分子量(Mn)は2,824、重量平均分子量(Mw)は11,000であった。
<ポリジメチルシロキサンの耐久性評価>
シロキサン結合を有するポリマーとして2液型のポリジメチルシロキサン(製品名;Silpot184、ダウコーニング製)を用いて評価を行った。具体的には、まずSilpot184の主成分と触媒成分とを10:1の重量比で混合した後150℃で1時間熱硬化させ、板状のポリジメチルシロキサン(PDMS)を形成した。この板状のPDMSに光硬化性組成物Aを滴下し、基板であるポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムと上記PDMSとで被転写材層である光硬化性組成物Aを挟み込み、PETフィルム面から超高圧水銀ランプを用いて紫外線を1J/cm露光して光硬化性組成物Aを硬化させた後、PDMSから光硬化性組成物Aの光硬化物とPETフィルムを剥離した。この滴下・露光・剥離からなる一連の操作(光硬化試験)を繰り返し、PDMSに表面荒れが見られるかどうかを光学顕微鏡で観察し、◎;光硬化試験25回で表面荒れ無し、○;光硬化試験16〜24回で表面荒れ発生、△;光硬化試験6〜15回で表面荒れ発生、×;光硬化試験5回以内に表面荒れ発生として評価した。結果を表1に示す。表1に示すように、光硬化性組成物AはPDMS上で25回光硬化させてもPDMS表面に白濁やクラック等の荒れや離型性の低下等は見られずPDMSは良好な耐久性を示した。したがって、光インプリントリソグラフィでパターンを形成する際に被転写材として光硬化性組成物Aを用いると、フッ素を含有せずまた表面処理を施していないモールドを用いても、シロキサン結合を有するポリマー製のモールドが劣化しないことが確認された。
<環状オレフィンポリマーの耐久性評価>
環状オレフィンポリマーとしてゼオノアフィルム(製品名;ZF14−060、日本ゼオン(株)製)を用いて評価を行った。具体的には、ゼオノアフィルム上に光硬化性組成物Aを滴下し、基板であるポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムと上記ゼオノアフィルムとで被転写材層である光硬化性組成物Aを挟み込み、PETフィルム面から超高圧水銀ランプを用いて紫外線を1J/cm露光して光硬化性組成物Aを硬化させた後、ゼオノアフィルムから光硬化性組成物Aの光硬化物とPETフィルムを剥離した。この滴下・露光・剥離からなる一連の操作(光硬化試験)を繰り返し、◎;光硬化試験10回で表面荒れなし、○;光硬化試験4〜9回で離型性低下、△;光硬化試験2〜3回で離型性低下、×;光硬化試験1回で離型性低下として評価した。結果を表1に示す。表1に示すように、光硬化性組成物Aはゼオノアフィルム上で10回光硬化させても離型性の低下等は見られず良好な耐久性を示した。したがって、光インプリントリソグラフィでパターンを形成する際に被転写材として光硬化性組成物Aを用いると、環状オレフィンポリマー製のモールドが劣化しないことが確認された。
(実施例2)
表1に示す組成とした以外は、実施例1と同様の方法で光硬化性組成物Bを調製した。また実施例1と同様の方法で、光硬化性組成物Bに対するPDMS及び環状オレフィンポリマーの耐久性を評価した。結果を表1に示す。表1に示すように、いずれの有機高分子化合物に対しても良好な耐久性を示し、光インプリントリソグラフィでパターンを形成する際に被転写材として光硬化性組成物Bを用いると、シロキサン結合を有するポリマー製や環状オレフィンポリマー製等の有機高分子化合物からなるモールドが劣化しないことが確認された。
(実施例3)
表1に示す組成とした以外は、実施例1と同様の方法で光硬化性組成物Cを調製した。また実施例1と同様の方法で、光硬化性組成物Cに対するPDMS及び環状オレフィンポリマーの耐久性を評価した。結果を表1に示す。表1に示すように、いずれの有機高分子化合物に対しても耐久性を示したが、実施例1、2と比較すると耐久性は若干低下した。
(実施例4)
表1に示す組成とした以外は、実施例1と同様の方法で光硬化性組成物Dを調製した。また実施例1と同様の方法で、光硬化性組成物Dに対するPDMS及び環状オレフィンポリマーの耐久性を評価した。結果を表1に示す。表1に示すように、いずれの有機高分子化合物に対しても良好な耐久性を示し、光インプリントリソグラフィでパターンを形成する際に被転写材として光硬化性組成物Dを用いると、シロキサン結合を有するポリマー製や環状オレフィンポリマー製等の有機高分子化合物からなるモールドが劣化しないことが確認された。
(実施例5)
表1に示す組成とした以外は、実施例1と同様の方法で光硬化性組成物Eを調製した。また実施例1と同様の方法で、光硬化性組成物Eに対するPDMS及び環状オレフィンポリマーの耐久性を評価した。結果を表1に示す。表1に示すように、いずれの有機高分子化合物に対しても良好な耐久性を示し、光インプリントリソグラフィでパターンを形成する際に被転写材として光硬化性組成物Eを用いると、シロキサン結合を有するポリマー製や環状オレフィンポリマー製等の有機高分子化合物からなるモールドが劣化しないことが確認された。
(実施例6)
表1に示す組成とした以外は、実施例1と同様の方法で光硬化性組成物Fを調製した。また実施例1と同様の方法で、光硬化性組成物Fに対するPDMS及び環状オレフィンポリマーの耐久性を評価した。結果を表1に示す。表1に示すように、いずれの有機高分子化合物に対しても良好な耐久性を示し、光インプリントリソグラフィでパターンを形成する際に被転写材として光硬化性組成物Fを用いると、シロキサン結合を有するポリマー製や環状オレフィンポリマー製等の有機高分子化合物からなるモールドが劣化しないことが確認された。
(実施例7)
表1に示す組成とした以外は、実施例1と同様の方法で光硬化性組成物Gを調製した。また実施例1と同様の方法で、光硬化性組成物Gに対するPDMS及び環状オレフィンポリマーの耐久性を評価した。結果を表1に示す。表1に示すように、いずれの有機高分子化合物に対しても良好な耐久性を示し、光インプリントリソグラフィでパターンを形成する際に被転写材として光硬化性組成物Gを用いると、シロキサン結合を有するポリマー製や環状オレフィンポリマー製等の有機高分子化合物からなるモールドが劣化しないことが確認された。
(比較例1)
表1に示す組成とした以外は、実施例1と同様の方法で光硬化性組成物Hを調製した。また実施例1と同様の方法で、光硬化性組成物Hに対するPDMS及び環状オレフィンポリマーの耐久性を評価した。結果を表1に示す。表1に示すように、PDMS上で光硬化性組成物Hの光硬化を行った結果、光硬化試験6〜15回の間にPDMSの表面荒れが発生した。またゼオノアフィルムにおける耐久性評価では、光硬化試験1回で離型性が低下し耐久性が得られなかった。
(比較例2)
表1に示す組成とした以外は、実施例1と同様の方法で光硬化性組成物Iを調製した。また実施例1と同様の方法で、光硬化性組成物Iに対するPDMS及び環状オレフィンポリマーの耐久性を評価した。結果を表1に示す。表1に示すように、PDMS上で光硬化性組成物Iの光硬化を行った結果、光硬化試験6〜15回の間にPDMSの表面荒れが発生した。またゼオノアフィルムにおける耐久性評価では、光硬化試験1回で離型性が低下し耐久性が得られなかった。
(比較例3)
表1に示す組成とした以外は、実施例1と同様の方法で光硬化性組成物Jを調製した。また実施例1と同様の方法で、光硬化性組成物Jに対するPDMS及び環状オレフィンポリマーの耐久性を評価した。結果を表1に示す。表1に示すように、PDMS上で光硬化性組成物Jの光硬化を行った結果、光硬化試験5回以内にPDMSの表面荒れが発生した。またゼオノアフィルムにおける耐久性評価では、光硬化試験1回で離型性が低下し耐久性が得られなかった。
Figure 0005744260
1 基板
2 被転写材層
3 モールド
4 光硬化層

Claims (16)

  1. 成分全体の数平均分子量が350以上であり、かつ、分子量300未満の成分が前記成分全体の50質量%未満である光硬化性組成物であって、
    該光硬化性組成物中の溶剤の含有量が10質量%以下であることを特徴とする光硬化性組成物。
  2. 請求項1に記載の光硬化性組成物において、
    前記光硬化性組成物は、基板と凹凸パターンが形成されたモールドとで挟み込んだ状態で露光して硬化させることにより光硬化層が形成され、前記光硬化層から前記モールドを離型することによりパターンが形成されること、
    を特徴とする光硬化性組成物。
  3. 請求項2に記載の光硬化性組成物において、
    前記モールドに含まれる有機高分子化合物は、シロキサン結合を有するポリマー又は環状オレフィンポリマーであることを特徴とする光硬化性組成物。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の光硬化性組成物において、
    分子量250未満の成分が前記光硬化性組成物中20質量%以下であること、
    を特徴とする光硬化性組成物。
  5. 請求項1乃至のいずれかに記載の光硬化性組成物において、
    前記光硬化性組成物の溶剤の含有量は5質量%以下であること、
    を特徴とする光硬化性組成物。
  6. 請求項1乃至のいずれかに記載の光硬化性組成物において、
    光重合性を有する化合物の含有量は、前記光硬化性組成物の総量100質量部に対して50乃至99.99であること、
    を特徴とする光硬化性組成物。
  7. 請求項1乃至のいずれかに記載の光硬化性組成物において、
    1分子内に2つ以上の光重合性基を有する化合物を、前記光硬化性組成物の総量100質量部に対して、5質量部以上含有すること、
    を特徴とする光硬化性組成物。
  8. 請求項1乃至のいずれかに記載の光硬化性組成物において、
    1分子内に2つ以上の光重合性基を有する化合物を、前記光硬化性組成物の総量100質量部に対して、20質量部以上含有すること、
    を特徴とする光硬化性組成物。
  9. 請求項6〜8のいずれかに記載の光硬化性組成物において、
    光重合性開始剤をさらに含み、
    光重合開始剤の含有量は、前記光重合性を有する化合物100質量部に対して0.01乃至20質量部であること、
    を特徴とする光硬化性組成物。
  10. 請求項1乃至のいずれかに記載の光硬化性組成物において、
    前記光硬化性組成物は、密着性付与剤、レベリング剤、可塑剤、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、酸化防止剤、香料、熱硬化剤、着色剤及び重合禁止剤からなる群より選択される少なくとも1種を含むこと、
    を特徴とする光硬化性組成物。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載の光硬化性組成物を基板との間で挟み込んだ状態で露光して硬化させることにより光硬化層を形成し、前記光硬化層から離型することによりパターンを形成するために用いられるモールドであって、
    前記モールドは有機高分子化合物を含み、
    前記有機高分子化合物は、シロキサン結合を有するポリマー又は環状オレフィンポリマーであることを特徴とするモールド。
  12. 請求項11に記載のモールドにおいて、
    前記モールドは、凹凸パターンが形成された凹凸面を有し、
    前記光硬化性組成物は、前記凹凸面と前記基板との間に挟み込まれた状態で露光されること、
    を特徴とするモールド。
  13. 請求項11又は12に記載のモールドにおいて、
    前記モールドはフッ素を含有していないこと、
    を特徴とするモールド。
  14. 請求項1乃至10のいずれかに記載の光硬化性組成物を基板との間で挟み込んだ状態で露光して硬化させることにより光硬化層を形成し、前記光硬化層から離型することによりパターンを形成するために用いられるモールドを構成する樹脂であって、
    前記樹脂は、シロキサン結合を有するポリマー又は環状オレフィンポリマーを含むこと、
    を特徴とする樹脂。
  15. 請求項1乃至10のいずれかに記載の光硬化性組成物と請求項11乃至13のいずれかに記載のモールドとを用いて製造することを特徴とする光学素子の製造方法。
  16. 請求項1乃至10のいずれかに記載の光硬化性組成物と請求項11乃至13のいずれかに記載のモールドとを用いて製造することを特徴とする半導体集積回路の製造方法。
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