JP5198117B2 - ナノインプリント用硬化性組成物、微細パターンとその製造方法、カラーフィルタ、表示装置、および処理基板の製造方法 - Google Patents

ナノインプリント用硬化性組成物、微細パターンとその製造方法、カラーフィルタ、表示装置、および処理基板の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5198117B2
JP5198117B2 JP2008088564A JP2008088564A JP5198117B2 JP 5198117 B2 JP5198117 B2 JP 5198117B2 JP 2008088564 A JP2008088564 A JP 2008088564A JP 2008088564 A JP2008088564 A JP 2008088564A JP 5198117 B2 JP5198117 B2 JP 5198117B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
general formula
mold
composition
substituent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008088564A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009244402A (ja
Inventor
豪 安藤
邦彦 児玉
悟 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2008088564A priority Critical patent/JP5198117B2/ja
Publication of JP2009244402A publication Critical patent/JP2009244402A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5198117B2 publication Critical patent/JP5198117B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、ナノインプリント用硬化性組成物に関する。より詳しくは、半導体集積回路、フラットスクリーン、マイクロ電気機械システム(MEMS)、センサ素子、光ディスク、高密度メモリーディスク等の磁気記録媒体、回折格子ヤレリーフホログラム等の光学部品、ナノデバイス、光学デバイス、フラットパネルディスプレイ製作のための光学フィルムや偏光素子、液晶ディスプレイの薄膜トランジタ、有機トランジスタ、カラーフィルタ、オーバーコート層、柱材、液晶配向用のリブ材、マイクロレンズアレイ、免疫分析チップ、DNA分離チップ、マイクロリアクター、ナノバイオデバイス、光導波路、光学フィルター、フォトニック液晶、等の作製に用いられる光照射を利用した微細パターン形成のためのインプリント用硬化性組成物に関するものである。また、本発明は、微細パターンとその製造方法、カラーフィルタ、表示装置、および処理基板の製造方法にも関する。
ナノインプリント法は、光ディスク製作ではよく知られているエンボス技術を発展させ、凹凸のパターンを形成した金型原器(一般的にモールド、スタンパ、テンプレートと呼ばれる)を、レジストにプレスして力学的に変形させて微細パターンを精密に転写する技術である。モールドを一度作製すれば、ナノ構造等の微細構造が簡単に繰り返して成型できるため経済的であるとともに、有害な廃棄・排出物が少ないナノ加工技術であるため、近年、さまざまな分野への応用が期待されている。
ナノインプリント法には、被加工材料として熱可塑性樹脂を用いる熱インプリント法(例えば、非特許文献1参照)と、光硬化性組成物を用いる光インプリント法(例えば、非特許文献2参照)の2通りの技術が提案されている。熱ナノインプリント法の場合、ガラス転移温度以上に加熱した高分子樹脂にモールドをプレスし、冷却後にモールドを離型することで微細構造を基板上の樹脂に転写するものである。この方法は多様な樹脂材料やガラス材料にも応用可能であるため、様々な方面への応用が期待されている。例えば、特許文献1および2には、熱可塑性樹脂を用いて、ナノパターンを安価に形成するナノインプリントの方法が開示されている。
一方、透明モールドや透明基材を通して光を照射し、光ナノインプリント用硬化性組成物を光硬化させる光ナノインプリント方では、モールドのプレス時に転写される材料を加熱する必要がなく室温でのインプリントが可能になる。最近では、この両者の長所を組み合わせたナノキャスティング法や3次元積層構造を作製するリバーサルインプリント法などの新しい展開も報告されている。
このようなナノインプリント法においては、以下のような応用技術が提案されている。
第一の技術としては、成型した形状(パターン)そのものが機能を持ち、様々なナノテクノロジーの要素部品、あるいは構造部材として応用できる場合である。例としては、各種のマイクロ・ナノ光学要素や高密度の記録媒体、光学フィルム、フラットパネルディスプレイにおける構造部材などが挙げられる。第二の技術は、マイクロ構造とナノ構造との同時一体成型や、簡単な層間位置合わせにより積層構造を構築し、これをμ−TAS(Micro - Total Analysis System)やバイオチップの作製に応用しようとするものである。第3の技術としては、形成されたパターンをマスクとし、エッチング等の方法により基板を加工する用途に利用されるものである。かかる技術では高精度な位置合わせと高集積化とにより、従来のリソグラフィ技術に代わって高密度半導体集積回路の作製や、液晶ディスプレイのトランジスタへの作製、パターンドメディアと呼ばれる次世代ハードディスクの磁性体加工等に応用できる。前記の技術を始め、これらの応用に関するナノインプリント法の実用化への取り組みが近年活発化している。
ナノインプリント法の適用例として、まず、高密度半導体集積回路作製への応用例を説明する。近年、半導体集積回路は微細化、集積化が進んでおり、その微細加工を実現するためのパターン転写技術としてフォトリソグラフィ装置の高精度化が進められてきた。しかし、さらなる微細化要求に対して、微細パターン解像性、装置コスト、スループットの3つを満たすのが困難となってきている。これに対し、微細なパターン形成を低コストで行うための技術としてナノインプリントリソグラフィ(光ナノインプリント法)が提案された。例えば、下記特許文献1および3にはシリコンウエハをスタンパとして用い、25nm以下の微細構造を転写により形成するナノインプリント技術が開示されている。本用途においては数十nmレベルのパターン形成性と基板加工時にマスクとして機能するための高いエッチング耐性とが要求される。
ナノインプリント法の次世代ハードディスクドライブ(HDD)作製への応用例を説明する。HDDは、ヘッドの高性能化とメディアの高性能化とを両輪とし、大容量化と小型化との歴史を歩んできた。HDDは、メディア高性能化という観点においては、面記録密度を高めることで大容量化を達成してきている。しかしながら記録密度を高める際には、磁気ヘッド側面からの、いわゆる磁界広がりが問題となる。磁界広がりはヘッドを小さくしてもある値以下には小さくならないため、結果としてサイドライトと呼ばれる現象が発生してしまう。サイドライトが発生すると、記録時に隣接トラックへの書き込み生じ、既に記録したデータを消してしまう。また、磁界広がりによって、再生時には隣接トラックからの余分な信号を読みこんでしまうなどの現象が発生する。このような問題に対し、トラック間を非磁性材料で充填し、物理的、磁気的に分離することで解決するディスクリートトラックメディアやビットパターンドメディアといった技術が提案されている。これらメディア作製において磁性体あるいは非磁性体パターンを形成する方法としてナノインプリントの応用が提案されている。本用途においても数十nmレベルのパターン形成性と基板加工時にマスクとして機能するための高いエッチング耐性とが要求される。
次に、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイ(PDP)などのフラットディスプレイへのナノインプリント法の応用例について説明する。
LCD基板やPDP基板の大型化や高精細化の動向に伴い、薄膜トランジスタ(TFT)や電極板の製造時に使用する従来のフォトリソグラフィ法に代わる安価なリソグラフィとして光ナノインプリントリ法が、近年注目されている。そのため、従来のフォトリソグラフィ法で用いられるエッチングフォトレジストに代わる光硬化性レジストの開発が必要になってきている。
さらにLCDなどの構造部材としては、下記特許文献4および5に記載される透明保護膜材料や、あるいは下記特許文献5に記載されるスペーサなどに対する光ナノインプリント法の応用も検討され始めている。このような構造部材用のレジストは、前記エッチングレジストとは異なり、最終的にディスプレイ内に残るため、“永久レジスト”、あるいは“永久膜”と称されることがある。
また、液晶ディスプレイにおけるセルギャップを規定するスペーサも永久膜の一種であり、従来のフォトリソグラフィにおいては、樹脂、光重合性モノマーおよび開始剤からなる光硬化性組成物が一般的に広く用いられてきた(例えば、特許文献6参照)。スペーサは、一般には、カラーフィルタ基板上に、カラーフィルタ形成後、もしくは、前記カラーフィルタ用保護膜形成後、光硬化性組成物を塗布し、フォオトリソグラフィにより10μm〜20μm程度の大きさのパターンを形成し、さらにポストベイクにより加熱硬化して形成される。
さらに、マイクロ電気機械システム(MEMS)、センサ素子、回折格子やレリーフホログラム等の光学部品、ナノデバイス、光学デバイス、フラットパネルディスプレイ製作のための光学フィルムや偏光素子、液晶ディスプレイの薄膜トランジタ、有機トランジスタ、カラーフィルタ、オーバーコート層、柱材、液晶配向用のリブ材、マイクロレンズアレイ、免疫分析チップ、DNA分離チップ、マイクロリアクター、ナノバイオデバイス、光導波路、光学フィルター、フォトニック液晶などの永久膜形成用途においてもナノインプリントリソグラフィは有用である。
これら永久膜用途においては、形成されたパターンが最終的に製品に残るため、耐熱性、耐光性、耐溶剤性、耐擦傷性、外部圧力に対する高い機械的特性、硬度など主に膜の耐久性や強度に関する性能が要求される。
このように従来フォトリソグラフィ法で形成されていたパターンのほとんどがナノインプリントで形成可能であり、安価に微細パターンが形成できる技術として注目されている。
光硬化性組成物としては、種々の組成物が開発されており、例えば特許文献7には、不飽和二重結合のラジカル重合反応を利用した光ラジカル重合系組成物、二重結合へのチオール基の付加反応を利用した光付加反応系組成物、および、エポキシ基の開環付加反応(カチオン重合)を利用した光カチオン重合系組成物等が挙げられている。また、特許文献8には、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重合体を形成しうる含フッ素単量体を用いた光硬化性組成物が開示されている。
米国特許第5,772,905号公報 米国特許第5,956,216号公報 米国特許第5,259,926号公報 特開2005−197699号公報 特開2005−301289号公報 特開2004−240241号公報 特開2006−139148号公報 特開2006−110997号公報 S.Chou et al., Appl.Phys.Lett.Vol.67,3114(1995) M.Colbun et al., Proc.SPIE,Vol. 3676,379 (1999)
ナノインプリント法により良好なパターンを形成するためには、モールドバターンを高精度に形成しうることが必要である。また、それに加えて、モールドとナノインプリント用硬化性組成物との剥離性が重要である。マスクと感光性組成物とが接触しないフォトリソグラフィ法に対し、ナノインプリント法においてはモールドとナノインプリント用硬化性組成物とが接触する。モールド剥離時にモールドに組成物の残渣が付着すると以降のインプリント時にパターン欠陥となってしまう。
上記特許文献7に記載されるようなナノインプリント用硬化性組成物は、モールドバターンを或程度の精度に形成することができるが、モールドと組成物の密着力が大きいために、モールドの剥離性に問題がある。このため、組成物残渣がモールドに残存してしまうという欠点があり、特にビニル重合体の場合にこの問題は顕著である。また、エポキシ基の開環付加反応(カチオン重合)を利用した光カチオン重合系組成物等においては、こうして残存した組成物(触媒)が製品特性を劣化させるという問題もある。
上記特許文献8に記載されるナノインプリント用硬化性組成物は、このような剥離性の問題に対処するものであるが、その一方で硬化収縮による寸法変化が生じるために、モールドバターンの精度が悪いという問題がある。このため、使用する材料に応じて変化量をあらかじめ予測してモールドを設計しなければならないという欠点がある。
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、対モールドパターン精度が高くてモールド剥離性に優れたナノインプリント用硬化性組成物を提供することにある。また、該硬化性組成物を用いて高精度な微細パターンを提供し、該微細パターンを用いて高品位なカラーフィルタや表示装置を提供し、さらに該微細パターンを用いて高精度なエッチング処理基板を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、ラジカル開環重合モノマーを使用すれば、モールド剥離しやすくて、モールドに対するパターン精度も良くなることを見出して以下に記載する本発明を提供するに至った。
[1] ラジカル開環重合性単量体と光重合開始剤とを有することを特徴とするナノインプリント用硬化性組成物。
[2] 界面活性剤を含有することを特徴とする[1]に記載のナノインプリント用硬化性組成物。
[3] 前記ラジカル開環重合性単量体の含有量が10〜90質量%であり、且つ、3官能以上の官能基を有するモノマーの含有量が10〜90質量%であることを特徴とする[1]に記載のナノインプリント用硬化性組成物。
[4] 前記ラジカル開環重合性単量体が下記一般式AまたはBで表される化合物であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか一項に記載のナノインプリント用硬化性組成物。
Figure 0005198117
[一般式Aおよび一般式Bにおいて、X1は環構造を形成する原子団を表し、環上に置換基を有していてもよい。X2は水素原子または有機置換基を表す。]
[5] 前記ラジカル開環重合性単量体が、下記一般式(1)〜(4)で表される化合物を少なくとも1種を含むことを特徴とする[1]〜[4]のいずれか一項に記載のナノインプリント用硬化性組成物。
Figure 0005198117
[一般式(1)中、R1は水素原子またはアルキル基を表し、Z1は隣り合う炭素原子、硫黄原子および該硫黄原子と結合する炭素原子とともに環構造を形成する原子団を表す。]
Figure 0005198117
[一般式(2)中、R1、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ独立に水素原子または置
換基を表し、Xはメチレン基または酸素原子を表す。]
Figure 0005198117
[一般式(3)中、R1はアルキレン基またはアリーレン基を表し、R2はr価の飽和脂肪族炭化水素基、r価の芳香族炭化水素基またはr価のヘテロ環基を表し、Xは、−COO−、−CONH−、−OCO−、−NH−、−O−、−S−、−CO−、−SO2−、−SO3−および−SO2NH−からなる群から選ばれる2価の連結基を表し、但し、R1およびXがない場合もあり、その場合は酸素原子とR2が直接結合する。nおよびmは、それぞれ独立に0〜8の範囲の整数を表し、但しn+mは0〜8の範囲の整数である。Yは、−CR34−、−O−および−S−からなる群から選ばれる2価の連結基を表し、R3およびR4は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基を表し、rは1〜4の範囲の整数を表す。]
Figure 0005198117
[一般式(4)において、X3〜X6は水素原子または有機置換基を表す。]
[6] 少なくとも、基板上に[1]〜[5]の組成物を塗布する工程、塗布した組成物を基板とモールドとの間に挟持して押圧する工程、組成物を露光する工程、モールドを剥離する工程、をこの順番に有することを特徴とする微細パターン製造方法。
[7] [6]の方法で製造された微細パターン。
[8] [7]に記載の微細パターンを有するカラーフィルタ。
[9] [7]に記載の微細パターンを有する表示装置。
[10] [6]の製造方法によって基板上に微細パターンを得て、つぎに該基板上の微細パターンが形成された面をエッチング処理することを特徴とする処理基板の製造方法。
本発明のナノインプリント用硬化性組成物は、対モールドパターン精度が高くてモールド剥離性に優れているという特徴を有する。本発明のナノインプリント用硬化性組成物を用いれば、高精度な微細パターンを提供し、高品位なカラーフィルタや表示装置を提供し、さらに高精度なエッチング処理基板を提供することができる。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
[ラジカル開環重合性単量体]
(ラジカル開環重合性単量体の特徴)
本発明のナノインプリント用硬化性組成物はラジカル開環重合性単量体を必須の成分として含有する。ラジカル開環重合性単量体は重合収縮が小さく、対モールドパターン精度向上の観点で好ましい。従来の組成物の対モールドパターン精度が良くない主な原因は、硬化収縮にある。硬化収縮には、露光時の硬化収縮と、モールド剥離後の熱処理による硬化収縮がある。モールド剥離後の熱処理は、光硬化の系において硬化を完全にするため行うことがある。対モールドパターン精度向上のためには、この両方の硬化収縮を抑制する必要がある。本発明にしたがって、ラジカル開環重合性単量体を用いれば、対モールドパターン精度を向上させることができるうえに、剥離性も向上させることができる。
開環重合は環状化合物の開環により線状ポリマーを生成する様式の重合である。従来のビニルポリマーでは主鎖がポリエチレン構造に限定されるが、開環重合はエーテル、ケトン、エステル、アミド、カーボネートといった官能基をポリマー主鎖に導入することができ、ビニルポリマーには見られない機能をポリマーに付与できる。開環重合としてはエポキシやオキセタンのカチオン開環重合がよく知られているが、カチオン重合系は、残存触媒が製品特性を劣化させることがあり、用途が限定される。前記残存触媒の懸念の小さいラジカル開環重合性モノマーについても近年多数の報告がなされており、本願において参照することができる(Macromolecules 1990, 23,1-5;Macromolecules 1993, 26,1818-1824;Macromolecules 1996, 29, 6983-6989)。
本発明では、ラジカル開環重合性単量体を広く用いることができるが、なかでも上記一般式A,Bを用いることが好ましく、一般式(1)〜(4)で表される単量体を用いることがより好ましい。以下において、これらの一般式について順に説明する。
(一般式Aおよび一般式Bで表される化合物)
Figure 0005198117
一般式Aおよび一般式Bにおいて、X1は環構造を形成する原子団を表し、環上に置換基を有していてもよい。X2は水素原子または有機置換基を表す。
1としてはアルキレン基、エーテル結合、エステル結合、−S−、−S(=O)−、−S(=O)2−、−O−C(=O)−O−またはこれらの複数が組み合わさった連結基が挙げられる。
環上に有していてもよい置換基として例えば、アルキル基、アルコキシ基、水酸基、アルコキシカルボニル基、芳香族基、シアノ基、ハロゲン原子などが挙げられる。置換基同士が結合して更なる環構造を形成していてもよい。また、X2あるいは環上の置換基から連結基を介して一般式AまたはBの構造あるいは他の重合性官能基が1〜6個結合していてもよい。
一般式Aおよび一般式Bで表される化合物のなかでも、特に以下の一般式(1)〜(4)で表される化合物を用いることが好ましい。
(一般式(1)で表される化合物)
Figure 0005198117
一般式(1)中、Z1は隣り合う炭素原子、硫黄原子および該硫黄原子と結合する炭素原子とともに6〜9員の環構造を形成する原子団を表す。Z1により形成される環状構造の構成要素としてはメチレン炭素を挙げることができ、メチレン炭素以外に、カルボニル基、チオカルボニル基、酸素原子や、硫黄原子など二価の有機連結基を挙げることもでき、これらの組み合わせにより上記環構造が構成される。その環員数は6〜9であることが好ましく、6〜8であることがより好ましく、7〜8であることが特に好ましい。また、その環構造のメチレン炭素数は3〜7であることが好ましく、4〜6であることがより好ましく、4〜5であることが特に好ましい。
一般式(1)中、R1は水素原子またはアルキル基を表す。R1で表されるアルキル基としては直鎖であっても分岐を有していてもよく、また、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素数は1〜20であることが好ましく、1〜10であることがより好ましく、1〜3であることが特に好ましい。なお、本発明において、ある基について「炭素数」とは、置換基を有する基については、該置換基を含まない部分の炭素数をいうものとする。
1で表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ターシャリーオクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、2,3−ジブロモプロピル基、アダマンチル基、ベンジル基、4−ブロモベンジル基などが挙げられる。これらはさらに置換基を有していてもよい。
一般式(1)中において、R1で表される基がさらに置換基を有する場合、置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ、アルキルチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノ基、アシル基、アルキルアミノカルボニル基、アリールアミノカルボニル基、スルホンアミド基、シアノ基、カルボキシ基、水酸基、スルホン酸基などが挙げられる。これらの中でも、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキルチオ基が特に好ましい。また、置換基として一般式(1)の環状アリルスルフィド化合物が置換した場合は、多官能体を表す。
一般式(1)中においてR1が水素原子またはアルキル基を表し、かつZ1と隣り合う炭素原子、硫黄原子および該硫黄原子と結合する炭素原子とともに形成される環構造の環員数が6〜9であり、かつZ1で表される原子団がメチレン炭素以外に、カルボニル基、酸素原子または硫黄原子のいずれか、もしくはそれらの組み合わせを含むことが好ましく、R1が水素原子またはアルキル基を表し、かつZ1と隣り合う炭素原子、硫黄原子および該硫黄原子と結合する炭素原子とともに形成される環構造の環員数が6〜8であり、かつZ1で表される原子団がメチレン炭素以外にカルボニル基と酸素原子の組み合わせ、または硫黄原子を含むことより好ましく、R1が水素原子またはアルキル基を表し、かつZ1と隣り合う炭素原子、硫黄原子および該硫黄原子と結合する炭素原子とともに形成される環構造の環員数が7〜8であり、かつZ1で表される原子団がメチレン炭素以外に硫黄原子を含むこと特に好ましい。一般式(1)で表される化合物は、一般式(1a)で表される化合物であることが特に好ましい。
Figure 0005198117
一般式(1a)中、R1は一般式(1)における定義と同義であり、R2は水素原子またはアルキル基を表し、R3、R4およびR5はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アミノ基、アシル基またはハロゲン基を表し、mは0または1を表す。
一般式(1a)中、R1、R2、R3、R4、R5で表されるアルキル基の詳細は、上述した一般式(1)中のアルキル基の説明と同様である。
一般式(1a)中、R3、R4、R5で表されるアリール基としては、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素数は6〜30であることが好ましく、6〜20であることが特に好ましい。アリール基の具体例としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基などが挙げられる。これらはさらに置換基を有していてもよい。
一般式(1a)中、R3、R4、R5で表されるヘテロ環基は、炭素数4〜14のヘテロ環基であることが好ましく、炭素数4〜10のヘテロ環基であることがより好ましく、炭素数5のヘテロ環基であることが特に好ましい。R1、R2、R3、R4、R5で表されるヘテロ環基の具体例としては、ピリジン環、ピペラジン環、チオフェン環、ピロール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環が挙げられる。これらはさらに置換基を有していてもよい。前記ヘテロ環の中でもピリジン環が特に好ましい。
一般式(1a)中、R3、R4、R5で表されるアルコキシ基は、直鎖であっても分岐を有していてもよく、また、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素数は1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましい。このようなアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ノルマルプロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ノルマルブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、ターシャリーブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ターシャリーオクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、2,3−ジブロモプロピルオキシ基、アダマンチルオキシ基、ベンジルオキシ基、4−ブロモベンジルオキシ基などが挙げられる。
一般式(1a)中、R3、R4、R5で表されるアリールオキシ基は、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素数は6〜30であることが好ましく、6〜20であることが特に好ましい。具体例としては、例えば、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、アントラニルオキシ基などが挙げられる。
一般式(1a)中、R3、R4、R5で表されるアルキルチオ基は、直鎖であっても分岐を有していてもよく、また、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素数は1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましい。このようなアルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、ノルマルプロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ノルマルブチルチオ基、イソブチルチオ基、ターシャリーブチルチオ基、ペンチルチオ基、シクロペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、ターシャリーオクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、デシルチオ基、ドデシルチオ基、オクタデシルチオ基、2,3−ジブロモプロピルチオ基、アダマンチルチオ基、ベンジルチオ基、4−ブロモベンジルチオ基などが挙げられる。
一般式(1a)中、R3、R4、R5で表されるアリールチオ基は、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素数は6〜30であることが好ましく、6〜20であることが特に好ましい。具体例としては、例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基、アントラニルチオ基などが挙げられる。
一般式(1a)中、R3、R4、R5で表されるアルコキシカルボニル基は、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素数は1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましい。このようなアルコキシカルボニル基としては、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ノルマルプロピルオキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、ノルマルブチルオキシカルボニル基、イソブチルオキシカルボニル基、ターシャリーブチルオキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、シクロペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ターシャリーオクチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基などが挙げられる。
一般式(1a)中、R3、R4、R5で表されるアリールオキシカルボニル基、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素数は7〜30であることが好ましく、7〜20であることが特に好ましい。具体例としては。例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基、アントラニルオキシカルボニル基などが挙げられる。
一般式(1a)中、R3、R4、R5で表されるアシルオキシ基は、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素数は1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましい。このようなアシルオキシ基としては、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ノルマルプロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、ノルマルブチルカルボニルオキシ基、イソブチルカルボニルオキシ基、ターシャリーブチルカルボニルオキシ基、ペンチルカルボニルオキシ基、シクロペンチルカルボニルオキシ基、ヘキシルカルボニルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基、ヘプチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ターシャリーオクチルカルボニルオキシ基、2−エチルヘキシルカルボニルオキシ基、デシルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる。
一般式(1a)中、R3、R4、R5で表されるアシルアミノ基は、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素数は1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましい。このようなアシルアミノ基としては、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基などが挙げられる。
一般式(1a)中、R3、R4、R5で表されるスルホニルアミノ基は、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素数は1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましい。このようなスルホニルアミノ基としては、メチルスルホニルアミノ基、エチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基などが挙げられる。
一般式(1a)中、R3、R4、R5で表されるアミノ基は、一置換アミノ基であっても、二置換のアミノ基であってもよく、二置換のアミノ基が好ましい。無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素数は1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましい。このようなアミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基などが挙げられる。
一般式(1a)中、R3、R4、R5で表されるアシル基は、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素数は1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましい。このようなアシル基としては、アセチル基、ベンゾイル基などが挙げられる。
一般式(1a)中、R3、R4、R5で表されるハロゲン基としては、クロロ基、ブロモ基、ヨード基などが挙げられ、ブロモ基が好ましい。
一般式(1a)中、R1、R2、R3、R4、R5で表される基がさらに置換基を有する場合、置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ、アルキルチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノ基、アシル基、アルキルアミノカルボニル基、アリールアミノカルボニル基、スルホンアミド基、シアノ基、カルボキシ基、水酸基、スルホン酸基などが挙げられる。これらの中でも、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキルチオ基が特に好ましい。また、置換基として一般式(1a)で表される環状アリルスルフィド化合物が置換した場合は、多官能体を表す。
一般式(1a)中、mは0または1の整数を表す。mは1であることが好ましい。
一般式(1a)で表される化合物の好ましい態様としては、R1およびR2は、それぞれ独立に水素原子またはメチル基を表し、R3、R4およびR5はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基またはアシル基を表す化合物を挙げることができる。より好ましい態様としては、一般式(1a)中、R1およびR2がそれぞれ独立に水素原子またはメチル基であり、R3およびR4がそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アシル基であり、R5が水素原子、アルキル基、アリール基、アシルオキシ基であり、かつmが0または1である化合物を挙げることができる。さらに好ましい態様としては、一般式(1a)中、R1およびR2が水素原子またはメチル基であり、R3およびR4がそれぞれ独立に水素原子またはメチル基であり、R5がアルキル基またはアシルオキシ基であり、かつmが0または1である化合物を挙げることができる。よりいっそう好ましい態様としては、一般式(1a)中、R1およびR2がいずれも水素原子であり、R3、R4およびR5は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基またはアシルオキシ基であり、mが1である化合物を挙げることができる。最も好ましい態様としては、R1およびR2がいずれも水素原子であり、R3、R4が水素原子であり、R5がアシルオキシ基であり、かつmが1である化合物を挙げることができる。
以下に、一般式(1)および(1a)で表される環状アリルスルフィド化合物の具体例を示す。但し、本発明で用いることができる環状アリルスルフィド化合物は下記具体例に限定されるものではない。
Figure 0005198117
Figure 0005198117
Figure 0005198117
Figure 0005198117
以上説明した一般式(1)および(1a)で表される化合物の合成方法は、例えば、Macromolecules. 1994, 27, 7935. Macromolecules, 1996, 29, 6983.や Macromolecules, 2000, 33, 6722.や J. Po1ym. Sci.: Part A Polym. Chem. 2001, 39, 202等に詳細に記載されている。
環状アリルスルフィドを開環重合して合成されるポリフェニレンスルフィドは高い剛性、耐薬品性、耐熱性を有する点で好ましい。
(一般式(2)で表される化合物)
Figure 0005198117
一般式(2)中、R1、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。置換基としては、好ましくは、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アミノ基、アシル基、シアノ基、ハロゲン基、水酸基、カルボン酸基、スルホン酸基、ニトロ基を挙げることができる。
一般式(2)においてR1、R2、R3、R4、R5で表されるアルキル基は、直鎖であっても分岐を有していてもよく、また、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素原子数は1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましい。このようなアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ターシャリーオクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、2,3−ジブロモプロピル基、アダマンチル基、ベンジル基、4−ブロモベンジル基などが挙げられる。これらはさらに置換基を有していてもよい。
一般式(2)においてR1、R2、R3、R4、R5で表されるアリール基は、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素原子数は6〜30であることが好ましく、6〜20であることが特に好ましい。アリール基の具体例としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基などが挙げられる。これらはさらに置換基を有していてもよい。
一般式(2)においてR1、R2、R3、R4、R5で表されるヘテロ環基は、炭素数4〜14のヘテロ環基であることが好ましく、炭素数4〜10のヘテロ環基であることがより好ましく、炭素数5のヘテロ環基であることが特に好ましい。R1、R2、R3、R4、R5で表されるヘテロ環基の具体例としては、ピリジン環、ピペラジン環、チオフェン環、ピロール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環が挙げられる。これらはさらに置換基を有していてもよい。前記ヘテロ環の中でもピリジン環が特に好ましい。
一般式(2)においてR1、R2、R3、R4、R5で表されるアルコキシ基は、直鎖であっても分岐を有していてもよく、また、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素原子数は1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましい。このようなアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ノルマルプロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ノルマルブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、ターシャリーブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ターシャリーオクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、2,3−ジブロモプロピルオキシ基、アダマンチルオキシ基、ベンジルオキシ基、4−ブロモベンジルオキシ基などが挙げられる。これらはさらに置換基を有していてもよい。
一般式(2)においてR1、R2、R3、R4、R5で表されるアリールオキシ基は、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素原子数は6〜30であることが好ましく、6〜20であることが特に好ましい。アリールオキシ基の具体例としては、例えば、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、アントラニルオキシ基などが挙げられる。これらはさらに置換基を有していてもよい。
一般式(2)においてR1、R2、R3、R4、R5で表されるアルキルチオ基は、直鎖であっても分岐を有していてもよく、また、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素原子数は1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましい。このようなアルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、ノルマルプロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ノルマルブチルチオ基、イソブチルチオ基、ターシャリーブチルチオ基、ペンチルチオ基、シクロペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、ターシャリーオクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、デシルチオ基、ドデシルチオ基、オクタデシルチオ基、2,3−ジブロモプロピルチオ基、アダマンチルチオ基、ベンジルチオ基、4−ブロモベンジルチオ基などが挙げられる。これらはさらに置換基を有していてもよい。
一般式(2)においてR1、R2、R3、R4、R5で表されるアリールチオ基は、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素原子数は6〜30であることが好ましく、6〜20であることが特に好ましい。アリールチオ基の具体例としては、例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基、アントラニルチオ基などが挙げられる。これらはさらに置換基を有していてもよい。
一般式(2)においてR1、R2、R3、R4、R5で表されるアルコキシカルボニル基としては、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ノルマルプロピルオキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、ノルマルブチルオキシカルボニル基、イソブチルオキシカルボニル基、ターシャリーブチルオキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、シクロペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ターシャリーオクチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基などが挙げられる。これらはさらに置換基を有していてもよい。
一般式(2)においてR1、R2、R3、R4、R5で表されるアリールオキシカルボニル基は、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素原子数は7〜30であることが好ましく、7〜20であることが特に好ましい。アリールオキシカルボニル基の具体例としては、例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基、アントラニルオキシカルボニル基などが挙げられる。これらはさらに置換基を有していてもよい。
一般式(2)においてR1、R2、R3、R4、R5で表されるアシルオキシ基としては、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ノルマルプロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、ノルマルブチルカルボニルオキシ基、イソブチルカルボニルオキシ基、ターシャリーブチルカルボニルオキシ基、ペンチルカルボニルオキシ基、シクロペンチルカルボニルオキシ基、ヘキシルカルボニルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基、ヘプチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ターシャリーオクチルカルボニルオキシ基、2−エチルヘキシルカルボニルオキシ基、デシルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる。これらはさらに置換基を有していてもよい。
一般式(2)においてR1、R2、R3、R4、R5で表されるアシルアミノ基としてはメチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基などが挙げられる。これらはさらに置換基を有していてもよい。
一般式(2)においてR1、R2、R3、R4、R5で表されるスルホニルアミノ基としてはメチルスルホニルアミノ基、エチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基などが挙げられる。これらはさらに置換基を有していてもよい。
一般式(2)においてR1、R2、R3、R4、R5で表されるアミノ基としては、一置換のアミノ基であっても二置換のアミノ基でもよく、二置換のアミノ基が好ましい。好ましいアミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基などが挙げられる。これらはさらに置換基を有していてもよい。
一般式(2)においてR1、R2、R3、R4、R5で表されるアシル基としては、アセチル基、ベンゾイル基などが挙げられる。これらはさらに置換基を有していてもよい。
一般式(2)においてR1、R2、R3、R4、R5で表されるハロゲン基としては、クロロ基、ブロモ基、ヨード基などが挙げられる。中でも、ブロモ基が好ましい。
一般式(2)においてR1、R2、R3、R4、R5で表される置換基は隣り合う置換基どうしが環状構造を形成してもよく、その環状構造は飽和炭素環でもよく、芳香環やヘテロ環であってもよい。
一般式(2)において、R1、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アミノ基、アシル基、シアノ基、ハロゲン基、水酸基、カルボン酸基、スルホン酸基またはニトロ基を表すことが好ましく、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アミノ基、アシル基、シアノ基またはハロゲン基を表すことが好ましい。
一般式(2)においてR1、R2、R3、R4およびR5で表される置換基がさらに置換基を有する場合、置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基などが挙げられる。これらの中でも、ハロゲン原子、アルコキシ基が特に好ましい。また、置換基として一般式(2)中の双環構造が連結される場合は多官能体を表す。また、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、ビニル基、スチリル基などの他のラジカル重合性基が連結される場合もある。
一般式(2)中、Xはメチレン基または酸素原子を表し、メチレン基を表すことが好ましい。
一般式(2)で表される双環化合物の好ましい態様としては、R1、R2、R3、R4およびR5が、それぞれ独立に水素原子、アリール基、アルコキシ基またはハロゲン基を表し、Xがメチレン基である態様を挙げることができ、より好ましい態様としては、R1、R2、R3、R4およびR5が、それぞれ独立に水素原子、アリール基またはハロゲン基のいずれかを表し、Xがメチレン基を表す態様を挙げることができる。
以下に、一般式(2)で表される双環化合物の具体例を示す。但し、本発明で用いることができる双環化合物は下記具体例に限定されるものではない。
Figure 0005198117
以上説明した一般式(2)で表される双環化合物は、例えば、J. Am. Chem. Soc. 1998, 120,5345.に記載されている方法を参照して合成することができる。また合成方法については後述する実施例も参照できる。合成した化合物は、必要に応じてカラムクロマトグラフィー等の方法により精製して使用することができる。また、目的物が合成されたことはNMR等の公知の同定方法により確認することができる。
(一般式(3)で表される化合物)
Figure 0005198117
一般式(3)中、R1はアルキレン基またはアリーレン基を表し、R2はr価の飽和脂肪族炭化水素基、r価の芳香族炭化水素基またはr価のヘテロ環基を表し、Xは、−COO−、−CONH−、−OCO−、−NH−、−CO−、−SO2−、−SO3−および−SO2NH−からなる群から選ばれる2価の連結基、酸素原子または硫黄原子を表し、但し、R1およびXがない場合もあり、その場合は酸素原子とR2が直接結合する。nおよびmは、それぞれ独立に0〜8の範囲の整数を表し、但しn+mは0〜8の範囲の整数である。Yは、−CR34−で表される2価の連結基、酸素原子、または硫黄原子を表し、R3およびR4は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基を表し、rは1〜4の範囲の整数を表す。
以下に、一般式(3)の詳細を説明する。
一般式(3)中、R1はアルキレン基またはアリーレン基を表す。
一般式(3)においてR1で表されるアルキレン基は、直鎖であっても分岐を有していてもよく、また、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素原子数は、1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましい。また、アルキレン鎖中に2価の官能基を互いに隣り合わないように有してもよい。このような2価の官能基としては、−O−、−S−が好ましく、−O−が特に好ましい。
一般式(3)においてR1で表されるアリーレン基は、置換基を有していてもよく、炭素原子数6〜30が好ましく、炭素原子数6〜20が特に好ましい。アリーレン鎖中に2価の官能基を互いに隣り合わないように有してもよい。このような2価の官能基としては、−O−、−S−が好ましく、−O−が特に好ましい。
一般式(3)中、R2はr価の飽和脂肪族炭化水素基、r価の芳香族炭化水素基またはr価のヘテロ環基を表す。rは1〜4の範囲の整数である。
一般式(3)においてR2で表される飽和脂肪族炭化水素基は、1価である場合はアルキル基である。2〜4価である場合はアルキル基の1〜3個の水素原子がさらに除去されて結合手となった基である。アルキル基は、直鎖であっても分岐を有していてもよく、また、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素原子数は1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましい。このようなアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ターシャリーオクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、2,3−ジブロモプロピル基、アダマンチル基、ベンジル基、4−ブロモベンジル基などが挙げられる。これらはさらに置換基を有していてもよい。
一般式(3)においてR2で表される芳香族炭化水素基は、1価である場合はアリール基である。2〜4価である場合はアリール基の1〜3個の水素原子がさらに除去されて結合手となった基である。アリール基は、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素原子数は6〜30であることが好ましく、6〜20であることが特に好ましい。例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基などが挙げられる。これらはさらに置換基を有していてもよい。
一般式(3)においてR2で表されるヘテロ環基は、炭素数4〜14のヘテロ環基が好ましく、炭素数4〜10のヘテロ環基がより好ましく、炭素数5のヘテロ環基が特に好ましい。R2で表されるヘテロ環基の具体例としては、ピリジン環、ピペラジン環、チオフェン環、ピロール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環が挙げられる。これらはさらに置換基を有していてもよい。前記ヘテロ環の中でもピリジン環が特に好ましい。
一般式(3)中、R1およびR2のいずれか一方がアリール基であることが好ましい。
一般式(3)において、Xは、−COO−、−CONH−、−OCO−、−NH−、−O−、−S−、−CO−、−SO2−、−SO3−および−SO2NH−からなる群から選ばれる2価の連結基を表す。中でも−COO−、−CONH−、−OCO−、−NH−、−O−、−S−、−CO−が好ましく、−COO−が特に好ましい。
一般式(3)において、nおよびmは、それぞれ独立に0〜8の範囲の整数を表すが、n+mは0〜8の範囲の整数に限られる。n+mは0〜8の範囲の整数であることが好ましく、1〜5の範囲の整数であることがより好ましく、2であることが特に好ましい。
一般式(3)において、Yは、−CR34−、−O−および−S−からなる群から選ばれる2価の連結基を表し、−CR34−、−S−がより好ましく、−CR34−が最も好ましい。
−CR34−中のR3およびR4は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基を表す。
3、R4で表されるアルキル基、アリール基の詳細は、先にR2で表されるアルキル基、アリール基について述べた通りである。
3、R4で表されるアルコキシカルボニル基としては、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ノルマルプロピルオキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、ノルマルブチルオキシカルボニル基、イソブチルオキシカルボニル基、ターシャリーブチルオキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、シクロペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ターシャリーオクチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基などが挙げられる。これらはさらに置換基を有していてもよい。
3、R4で表されるアリールオキシカルボニル基としてはフェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基、アントラニルオキシカルボニル基などが挙げられるこれらはさらに置換基を有していてもよい。
2、R3、R4で表される基がさらに置換基を有する場合、置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ、アルキルチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基などが挙げられる。これらの中でも、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキルチオ基が特に好ましい。また、置換基として双環シクロプロパン構造が連結される場合は多官能体を表す。
一般式(3)中、rは1〜4の範囲の整数を表し、2〜4の範囲の整数がより好ましく、2または3であることがさらに好ましく、2であることが特に好ましい。
一般式(3)中で表される双環シクロプロパン誘導体の好ましい態様としては、下記一般式(3a)を挙げることができる。
Figure 0005198117
一般式(3a)中のR1、R2、Y、n、mおよびrは、それぞれ一般式(3)における定義と同義であり、好ましい態様等の詳細も同様である。
一般式(3)と(3a)中のR1およびXはない場合もある。その場合は酸素原子とR2が直接結合する下記一般式(3b)と(3c)で表される構造を有する。
Figure 0005198117
一般式(3b)、(3c)中のR2、Y、n、mおよびrは、それぞれ一般式(3)における定義と同義であり、好ましい態様等の詳細も同様である。
一般式(3)で表される双環シクロプロパン誘導体は、一般式(3)中のR1およびXがない上記一般式(3b)で表される態様が好ましく、上記一般式(3c)で表される態様がより好ましく、一般式(3b)、(3c)においてR2はアリール基であり、Yは−CH2−または−O−であり、rは2であり、nは1であり、mは1であることが特に好ましい。
次に、一般式(3)で表される双環シクロプロパン誘導体の具体例を示す。但し、本発明で用いることができる双環シクロプロパン誘導体は下記具体例に限定されるものではない。
Figure 0005198117
Figure 0005198117
以上説明した一般式(3)で表される化合物の合成方法は、例えば、US2004/0077882、Macromol. Rapid Commun. 2003, 24, 269、Macromol. Mater. Eng. 2006, 291, 83、Adv. Synth. Catal. 2006, 348, 2133等に詳細に記載されている。また合成方法については後述する実施例も参照できる。
(一般式(4)で表される化合物)
Figure 0005198117
一般式(4)において、有機置換基としては、アルキル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ハロゲン原子、芳香族基が挙げられる。置換基同士が結合して更なる環構造を形成していてもよい。また、X3〜X6から連結基を介して一般式(4)の構造あるいは他の重合性官能基が1〜6個結合していてもよい。
有機置換基として好ましくはX3〜X6のうち少なくとも1つがアルコキシカルボニル基である。アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニエル基、(メタ)アクリルオキシエトキシカルボニル基などが挙げられる。
一般式(4)のようなビニルシクロプロパン単量体はビニル重合の進行をほぼ完全に抑止できる点で好ましい。
(ラジカル開環重合性単量体の含有量)
パターン精度付与、剥離性付与の観点から、重合性単量体中、ラジカル開環重合性単量体の含有量は、30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上含むことがより好ましく、60質量%以上含むことがさらに好ましい。
[その他の重合性単量体]
(使用目的と使用態様)
本発明では、組成物の粘度調整や、硬化膜の機械特性を目的にラジカル開環重合性単量体以外の重合性単量体を添加することができる。
パターン精度をより向上させるためには組成物の粘度が、通常、100mPa・s以下であることが好ましく、30mPa・s以下であることがより好ましい。粘度を低下させる目的では、できうる限り低粘度の重合性単量体を用いることが好ましい。重合性単量体の粘度は、分子量、分子間相互作用等と関連があり、低粘度には低分子量、低分子間相互作用が必要である。
本発明で用いる重合性単量体のうち組成物の粘度の調整の観点からは、30mPa・s以下の粘度を有する化合物が好ましく、重量平均分子量は500以下のものが好ましい。
また、硬化膜の機械特性付与の観点からは、2官能以上の多官能単量体の使用が好ましい。3官能以上の多官能単量体は、機械的特性付与の効果が大きく特に好ましい。
3官能以上の多官能単量体については、不可欠というわけではないが、機械的特性付与の観点から組成物の10質量%以上含むことが好ましく、20質量%以上含むことがより好ましく、25質量%以上含むことがさらに好ましい。
これら、重合性単量体は、粘度の調整用の低粘度単量体と硬化膜の機械特性付与の為の多官能単量体および本発明のラジカル開環重合性単量の組合せにより、総合的に選択される。
組み合わせとしては、ラジカル開環重合性単量体を組成物中10〜90質量%、3官能以上の官能基を有する単量体を10〜90質量%含むことが好ましく
ラジカル開環重合性単量体を30〜60質量%、3官能以上の官能基を有する単量体を20〜40質量%含むことがより好ましい。
本発明の組成物では、重合性単量体は、組成物の50〜99質量%の範囲で含むことが好ましく、70〜98質量%の範囲で含むことがより好ましい。
(その他の単量体の具体例)
ここで、本発明における、その他の単量体の好ましい例を示すが、本発明がこれらに限定されるものではないことは言うまでも無い。
本発明にける重合性単量体として、また、エチレン性不飽和結合含有基を1個有する重合性不飽和単量体(1官能の重合性不飽和単量体)を挙げることができる。1官能の重合性不飽和単量体は組成物を低粘度にするのに適している。低粘度化の観点から特にN−ビニルピロリドン、ベンジルアクリレートが好適である。
さらに、本発明にける重合性単量体として、エチレン性不飽和結合含有基を2個有する2官能重合性不飽和単量体を挙げることができる。2官能の重合性不飽和単量体は組成物の低粘度化と機械的強度付与のバランスに優れる。
特に、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート等が本発明に好適に用いられる。
さらに、本発明にける重合性単量体として、エチレン性不飽和結合含有基を3個以上有する多官能重合性不飽和単量体を挙げることができる。これら多官能の重合性不飽和単量体は機械的強度付与の点で優れる。具体的には、ECH変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、EO変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、PO変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、EO変性リン酸トリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が好適である。
これらの中で特に、EO変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、PO変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が本発明に好適に用いられる。
本発明の組成物では、架橋密度をさらに高める目的で、上記多官能の他の重合性単量体よりもさらに分子量の大きい多官能オリゴマーやポリマーを本発明の目的を達成する範囲で配合することができる。光ラジカル重合性を有する多官能オリゴマーとしてはポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエポキシアクリレート等の各種アクリレートオリゴマーが挙げられる。
本発明で用いる重合性単量体として、オキシラン環を有する化合物も採用できる。オキシラン環を有する化合物としては、例えば、多塩基酸のポリグリシジルエステル類、多価アルコールのポリグリシジルエーテル類、ポリオキシアルキレングリコールのポリグリシジルエーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシジルエテーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシジルエーテル類の水素添加化合物類、ウレタンポリエポキシ化合物およびエポキシ化ポリブタジエン類等を挙げることができる。これらの化合物は、その一種を単独で使用することもできるし、また、その二種以上を混合して使用することもできる。
また、モールドとの剥離性や塗布性を向上させる目的で、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロエチル(メタ)アクリレート、(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、パーフルオロブチル−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート等のフッソ原子を有する化合物も併用することができる。
なお、本発明の組成物は、調製時における水分量が好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは2.5質量%、さらに好ましくは1.0質量%以下である。調製時における水分量を5.0質量%以下とすることにより、本発明の組成物の保存性をより安定にすることができる。
また、本発明の組成物は、有機溶剤の含有量を少なくすることができる。有機溶剤を含まなければ、溶剤の揮発を目的としたベーキング工程が不要となるため、プロセス簡略化に有効となるなどのメリットが大きい。この観点では有機溶剤の含有量は、好ましくは5質量%以下、より好ましくは2質量%以下であり、実質的に含有しないことが特に好ましい。
一方、塗布性付与のため、有機溶剤を添加することもできる。有機溶剤で希釈することで粘度の調整が可能となる。
前記有機溶剤としては、例えば、メトキシプロピレングリコールアセテート、2−ヒドロキシプロピン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチル、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノンなどが好ましい。
[光重合開始剤]
本発明の組成物には、光重合開始剤が含まれる。本発明に用いられる光重合開始剤は、全組成物中、例えば、0.1〜15質量%含有し、好ましくは0.2〜12質量%であり、さらに好ましくは、0.3〜10質量%である。2種類以上の光重合開始剤を用いる場合は、その合計量が前記範囲となる。
光重合開始剤の割合が0.1質量%以上とすることにより、感度(速硬化性)、解像性、ラインエッジラフネス性、塗膜強度が向上する傾向にあり好ましい。一方、光重合開始剤の割合を15質量%以下とすることにより、光透過性、着色性、取り扱い性などが向上する傾向にあり、好ましい。
本発明で用いる光重合開始剤は、使用する光源の波長に対して活性を有するものが配合され、適切な活性種を発生させるものを用いる。このようにすることで感度が向上し、露光時間を短縮できる。
本発明で使用されるラジカル光重合開始剤は、市販されている公知の開始剤を適宜用いることができる。
さらに本発明の組成物には、光重合開始剤の他に、光増感剤を加えて、UV領域の波長を調整することもできる。本発明において用いることができる典型的な増感剤としては、クリベロ〔J.V.Crivello,Adv.in Polymer Sci,62,1(1984)〕に開示しているものが挙げられ、具体的には、ピレン、ペリレン、アクリジンオレンジ、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、ベンゾフラビン、N−ビニルカルバゾール、9,10−ジブトキシアントラセン、アントラキノン、クマリン、ケトクマリン、フェナントレン、カンファキノン、フェノチアジン誘導体などを挙げることができる。
[界面活性剤]
本発明の組成物には、界面活性剤を含めることができる。本発明に用いられる界面活性剤は、全組成物中、例えば、0.001〜5質量%含有し、好ましくは0.002〜4質量%であり、さらに好ましくは、0.005〜3質量%である。2種類以上の界面活性剤を用いる場合は、その合計量が前記範囲となる。この範囲にすることで、塗布性を付与できる。
界面活性剤は、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤およびフッ素・シリコーン系界面活性剤の少なくとも1種を含むことが好ましく、フッ素系界面活性剤を含むことがより好ましい。
このような界面活性剤を用いることにより、塗布均一性を大幅に改良でき、スピンコーターやスリットスキャンコーターを用いた塗布において、基板サイズに依らず良好な塗布適性が得られる。
さらに、このような界面活性剤を用いることにより、モールド剥離性を向上させることができ、その観点からも好ましい。このモールド剥離性の向上の観点からは、フッ素系界面活性剤を用いることがより好ましい。
本発明で用いる非イオン性フッ素系界面活性剤の例としては、商品名フロラードFC−430、FC−431(住友スリーエム社製)、商品名サーフロン「S−382」(旭硝子社製)、EFTOP「EF−122A、122B、122C、EF−121、EF−126、EF−127、MF−100」(トーケムプロダクツ社製)、商品名PF−636、PF−6320、PF−656、PF−6520(いずれもOMNOVA社)、商品名フタージェントFT250、FT251、DFX18(いずれも(株)ネオス社製)、商品名ユニダインDS−401、DS−403、DS−451(いずれもダイキン工業(株)社製)、商品名メガフアック171、172、173、178K、178A、(いずれも大日本インキ化学工業社製)が挙げられ、非イオン性ケイ素系界面活性剤の例としては、商品名SI−10シリーズ(竹本油脂社製)、メガファックペインタッド31(大日本インキ化学工業社製)、KP−341(信越化学工業社製)が挙げられる。
本発明で用いる、フッ素・シリコーン系界面活性剤の例としては、商品名X−70−090、X−70−091、X−70−092、X−70−093、(いずれも信越化学工業社製)、商品名メガフアックR−08、XRB−4(いずれも大日本インキ化学工業社製)が挙げられる。
[酸化防止剤]
さらに、本発明の組成物には、公知の酸化防止剤を含めることができる。酸化防止剤を含むことにより、透明性を向上させることができる。本発明に用いられる酸化防止剤は、全組成物中、例えば、0.01〜10質量%含有し、好ましくは0.2〜5質量%である。2種類以上の酸化防止剤を用いる場合は、その合計量が前記範囲となる。
酸化防止剤は、熱や光照射による退色およびオゾン、活性酸素、NOx、SOx(Xは整数)などの各種の酸化性ガスによる退色を抑制するものである。特に本発明では、酸化防止剤を添加することにより、硬化膜の着色を防止できる、または分解による膜厚減少を低減できるという利点がある。このような酸化防止剤としては、ヒドラジド類、ヒンダードアミン系酸化防止剤、含窒素複素環メルカプト系化合物、チオエーテル系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、アスコルビン酸類、硫酸亜鉛、チオシアン酸塩類、チオ尿素誘導体、糖類、亜硝酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ヒドロキシルアミン誘導体などを挙げることができる。この中では、特にヒンダードフェノール系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤が硬化膜の着色、膜厚減少の観点で好ましい。
なお、透明性は以下のような方法で評価することができる。
各組成物を膜厚3.0μmとなるようにガラス基板上にスピンコートし、モールドを圧着せず、窒素雰囲気下で露光量240mJ/cm2で露光し、その後オーブンで230℃、30分間加熱して硬化させた膜の400nmにおける透過率を測定する。
透過率は90%以上が好ましく、95%以上がより好ましく、97%以上がさらに好ましい。
[その他の成分]
本発明の組成物には前記成分の他に必要に応じて離型剤、シランカップリング剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、老化防止剤、可塑剤、密着促進剤、熱重合開始剤、着色剤、エラストマー粒子、光酸増殖剤、光塩基発生剤、塩基性化合物、流動調整剤、消泡剤、分散剤等を添加してもよい。
本発明の組成物には、貯蔵安定性等を向上させるために、重合禁止剤を配合してもよい。重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、tert−ブチルハイドロキノン、カテコール、ハイドロキノンモノメチルエーテル等のフェノール類;ベンゾキノン、ジフェニルベンゾキノン等のキノン類;フェノチアジン類;銅類等を用いることができる。重合禁止剤は、本発明の組成物の全量に対して任意に0.001〜10質量%の割合で配合するのが好ましい。
[パターン形成方法]
次に、本発明の組成物を用いたパターン(特に、微細凹凸パターン)の形成方法について説明する。
本発明では、本発明の組成物を塗布して硬化してパターンを形成することができる。ここで、本発明の組成物は、光および熱により硬化させることが好ましい。具体的には、基板または、支持体上に少なくとも本発明の組成物からなるパターン形成層を塗布し、必要に応じて乾燥させて本発明の組成物からなる層(パターン形成層)を形成してパターン受容体を作製し、当該パターン受容体のパターン形成層表面にモールドを圧接し、モールドパターンを転写する加工を行い、微細凹凸パターン形成層を光照射により硬化させる。その後モールドを剥離する。必要に応じてモールド剥離前や後に加熱することもできる。このようにして本発明の微細パターンを得ることができる。
液晶ディスプレイ(LCD)などに用いられる永久膜(構造部材用のレジスト)においては、ディスプレイの動作を阻害しないようにするため、レジスト中の金属あるいは有機物のイオン性不純物の混入を極力避けることがのぞましく、その濃度としては、1000ppm以下、望ましくは100ppm以下にすることが必要である。
本発明の組成物は、一般によく知られた塗布方法、例えば、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法、スピンコート方法、スリットスキャン法などにより、塗布することにより形成することができる。本発明の組成物からなる層の膜厚は、使用する用途によって異なるが、0.05μm〜30μmである。また、本発明の組成物は、多重塗布してもよい。
本発明の組成物を塗布するための基板または支持体は、石英、ガラス、光学フィルム、セラミック材料、蒸着膜、磁性膜、反射膜、Ni、Cu、Cr、Feなどの金属基板、紙、SOG、ポリエステルフイルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム等のポリマー基板、TFTアレイ基板、PDPの電極板、ガラスや透明プラスチック基板、ITOや金属などの導電性基材、絶縁性基材、シリコーン、窒化シリコーン、ポリシリコーン、酸化シリコーン、アモルファスシリコーンなどの半導体作製基板など特に制約されない。基板の形状は、板状でも良いし、ロール状でもよい。
本発明の組成物を硬化させる光としては特に限定されないが、高エネルギー電離放射線、近紫外、遠紫外、可視、赤外等の領域の波長の光または放射線が挙げられる。光源の汎用性やエネルギー量などの観点から紫外線が特に好ましい。
露光に際しては、酸素によるラジカル重合の阻害を防ぐため、チッソやアルゴンなどの不活性ガスを流して、酸素濃度を100mg/L未満に制御しても良い。
本発明の組成物を硬化させる熱としては、150〜280℃が好ましく、200〜250℃がより好ましい。また、熱を付与する時間としては、5〜60分が好ましく、15〜45分がより好ましい。
次に本発明で用いることのできるモールド材について説明する。本発明の組成物を用いた光ナノインプリントリソグラフィは、モールド材および/または基板の少なくとも一方は、光透過性の材料を選択する必要がある。本発明に適用される光インプリントリソグラフィでは、基板の上にナノインプリント用硬化性組成物を塗布し、光透過性モールドを押し当て、モールドの裏面から光を照射し、ナノインプリント用硬化性組成物を硬化させる。また、光透過性基板上にナノインプリント用硬化性組成物を塗布し、モールドを押し当て、基板の裏面から光を照射し、ナノインプリント用硬化性組成物を硬化させることもできる。
光照射は、モールドを付着させた状態で行ってもよいし、モールド剥離後に行ってもよいが、本発明では、モールドを密着させた状態で行うのが好ましい。
本発明で用いることのできるモールドは、転写されるべきパターンを有するモールドが使われる。モールドは、例えば、フォトリソグラフィや電子線描画法等によって、所望する加工精度に応じてパターンが形成できるが、本発明では、モールドパターン形成方法は特に制限されない。
本発明において用いられる光透過性モールド材は、特に限定されないが、所定の強度、耐久性を有するものであれば良い。具体的には、ガラス、石英、石英ガラス、PMMA、ポリカーボネート樹脂などの光透明性樹脂、透明金属蒸着膜、ポリジメチルシロキサンなどの柔軟膜、光硬化膜、金属膜等が例示される。
本発明の透明基板を用いた場合で使われる非光透過型モールド材としては、特に限定されないが、所定の強度を有するものであればよい。具体的には、セラミック材料、蒸着膜、磁性膜、反射膜、Ni、Cu、Cr、Feなどの金属基板、SiC、シリコーン、窒化シリコーン、ポリシリコーン、酸化シリコーン、アモルファスシリコーンなどの基板などが例示され、特に制約されない。形状は板状モールド、ロール状モールドのどちらでもよい。ロール状モールドは、特に転写の連続生産性が必要な場合に適用される。
本発明の組成物を用いて光インプリントリソグラフィを行う場合、通常、モールドの圧力が10気圧以下で行うのが好ましい。モールド圧力を10気圧を以下とすることにより、モールドや基板が変形しにくくパターン精度が向上する傾向にあり、また、加圧が低いため装置を縮小できる傾向にあり好ましい。モールドの圧力は、モールド凹部にナノインプリント用硬化性組成物が充分行き渡るように調整する。
また、モールドを加圧する前に減圧状態にして、モールド加圧と露光を行うと、気泡混入防止、酸素混入による反応性低下の抑制に効果がある。この観点からは減圧状態にしてからモールドを加圧することが好ましい。本発明において、好ましい真空度は、10-1Paから常圧の範囲で行われる。生産性の観点からは大気圧のまま加圧することが好ましい。プロセスの設計上の都合の良い方を適宜選択できる。
本発明において、光インプリントリソグラフィにおける光照射は、硬化に必要な照射量よりも十分大きければよい。硬化に必要な照射量は、ナノインプリント用硬化性組成物の不飽和結合の消費量や硬化膜のタッキネスを調べて決定される。
また、本発明に適用される光インプリントリソグラフィにおいては、光照射の際の基板温度は、通常、室温で行われるが、反応性を高めるために加熱をしながら光照射してもよい。
本発明においては、ナノインプリント用硬化性組成物からモールドを剥離する。この際、モールド圧を除去しモールドを基板から離すだけで剥離できることが理想である。モールドを基板から離すだけで剥離できない場合には超音波による振動などで剥離を促進することができる。
本発明の組成物は、液晶表示装置などに用いられる永久膜(構造部材用のレジスト)として使用することができる。また半導体集積回路、記録材料、あるいはフラットパネルディスプレイなどのエッチングレジストとして使用することも可能である。
[表示装置]
本発明の表示装置としては既述の本発明の微細パターンを有するものであれば、特に限定するものではなく、液晶表示装置、プラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置などの表示装置などを言う。表示装置の定義や各表示装置の説明は例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。
本発明の表示装置のうち、本発明の微細パターンを有するカラーフィルタを備えた液晶表示装置は特に好ましい。液晶表示装置については例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。本発明はこれらのなかで特にカラーTFT方式の液晶表示装置に対して有効である。カラーTFT方式の液晶表示装置については例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)1996年発行)」に記載されている。さらに本発明はもちろんIPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置にも適用できる。これらの方式については例えば「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−(東レリサーチセンター調査研究部門 2001年発行)」の43ページに記載されている。
液晶表示装置はカラーフィルタ以外に電極基板、偏光フィルム、位相差フィルム、バックライト、スペーサ、視野角補償フィルムなどさまざまな部材から構成される。これらの部材については例えば「’94液晶ディスプレイ周辺材料・ケミカルズの市場(島 健太郎 (株)シーエムシー 1994年発行 )」、「2003液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)(表 良吉 (株)富士キメラ総研 2003年発行)」に記載されている。
本発明の液晶表示装置は、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、HAN(Hybrid Aligned Nematic)、GH(Guest Host)のような様々な表示モードが採用できる。本発明の微細パターンは平坦性に優れるのでIPSに特に好適である。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
[合成例1]
Macromolecules. 2000, 33, 6722-6731に記載の方法に従って、同文献の化合物4bを合成した。この化合物は上記例示化合物L−17である。
[合成例2]
例示化合物M−1、M−2、M−4、M−7を、J. Am. Chem. Soc. 1998, 120,5345.に記載の方法に準じ、下記スキーム(Rは、M−1合成時は水素原子、M−2合成時は臭素原子、M−7合成時はフェニル基)によって合成した。出発原料を変更した以外は同様の方法により、例示化合物M−4を合成した。出発原料のハロゲン体の置換基を変更することにより、様々な置換基を有する双環化合物を合成することができる。
代表例として、M-1の合成法を以下に説明する。
フェニルアセチレン17.1g(東京化成(株)社製)をTHFに溶解させ、氷浴中で0℃に冷却した。その溶液に5−ブロモ−1−ペンテン25g(東京化成(株)社製)を加えた後に、リチウムアミド(東京化成(株)社製)3.83gを添加し、室温で2時間、80℃で2時間攪拌した。室温に戻した後に、水200g、酢酸エチル200gを加え有機層を抽出し、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し17gの前駆体を得た。
上記で得た前駆体にジエチル亜鉛100mL(ca. 1.0mol/Lヘキサン溶液)を室温で滴下し、ジエチルエーテル−ヘキサン5:3混合溶媒(質量基準)を200mL添加した。その溶液にクロロチタニウムトリイソプロポキシド2.5g(アルドリッチ(株)社製)を添加し、後にエチルマグネシウムブロミド6.8g(39質量%溶液、東京化成(株)社製)を滴下し、室温で6時間攪拌した。その溶液を−78℃に冷却し、メトキシメチルブロミド13.7g(東京化成(株)社製)を滴下し、室温まで昇温させ、室温で2時間攪拌した。そこへ水200g、酢酸エチル200gを加え有機層を抽出し、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し10gのM−1を得た。
Figure 0005198117
同定結果を以下に示す。
<M-1>
1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ1.69 (d, 2H), 1.19 〜1.34 (m, 1H), 1.43〜1.54 (m, 2H), 1.57〜1.82 (m, 4H), 1.85〜1.99 (m, 1H), 5.09 (s, 1H), 5.21 (s, 1H), 7.21〜7.42 (m ,3H), 7.46 (d, 2H)
<M-2>
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ1.67〜1.72 (m, 2H), 1.18〜1.33 (m ,1H), 1.42〜1.50 (m,1H), 1.59〜1.80 (m ,4H), 1.82〜1.98 (m, 1H), 5.12(s, 1H), 5.20 (s, 1H), 7.32 (d, 2H), 7.41 (d, 2H)
<M-4>
1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ0.52 (dd, 1H), 0.61 (t, 1H), 1.13〜1.38(m, 3H), 1.65〜1.68 (m, 2H), 1.70〜1.83 (m, 1H), 1.86〜2.01 (m, 1H), 5.01 (s, 1H), 5.49 (s, 1H),7.20 (dd, 1H), 7.39〜7.62 (m ,4H), 7.69〜7.78 (m, 1H), 7.80〜7.86 (m ,1)
<M-7>
1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ0.72 (d, 2H), 1.23〜1.37 (m, 2H), 1.48〜1.58 (m , 1H),1.61〜1.82 (m, 3H), 1.84〜2.06 (m, 1H), 5.11 (s, 1H), 5.30 (s, 1H), 7.32 (t, 1H), 7.42 (t, 2H), 7.51〜7.67 (m ,6H)
[合成例3]
例示化合物N-14、N-16、N-18、N-20を、Macromol. Rapid Commun. 2003, 24, 269、Macromol. Mater. Eng. 2006, 291, 83、Adv. Synth. Catal. 2006, 348, 2133に記載の方法に準じ、下記スキームによって合成した。
Figure 0005198117
同定結果を以下に示す。一般式(3)で表される種々の双環シクロプロパン誘導体は、同様の方法により合成できる。
<N-20>
1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ0.69〜0.78 (m, 2H), 1.22〜1.36 (m, 2H), 1.49〜1.58 (m, 2H), 1.63〜1.72 (m, 1H), 1.74〜1.81 (m, 2H), 1.89〜1.95 (m, 2H), 5.78 (s, 1H), 6.37 (s, 1H), 7.13 (dd ,2H), 7.20〜7.29 (m, 1H), 7.38〜7.42 (m, 2H)
<N-18>
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ0.72〜0.84 (m, 2H), 1.22〜1.37 (m, 2H), 1.52〜1.82 (m, 3H), 1.84〜2.04 (m, 3H), 5.87 (s, 1H), 6.46 (s, 1H), 7.71 (s ,2H)
<N-14>
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ0.62〜0.70 (m, 2H), 1.16〜1.26 (m, 2H), 1.42〜1.49 (m, 1H), 1.53〜1.64 (m, 1H), 1.70〜1.77 (m, 1H), 1.82〜1.92 (m, 2H), 4.22 (t,2H), 4.48 (t, 2H), 5.60 (s, 1H), 6.18 (s, 1H), 6.89〜6.99 (m, 3H), 7.24〜7.32 (m, 2H)
<N-16>
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ0.62〜0.69 (m, 1H), 0.82〜0.93 (m, 1H), 1.19〜1.32 (m, 2H), 1.43〜1.49 (m, 1H), 1.53〜1.67 (m, 1H), 1.80〜1.91 (m, 2H), 4.19 (t,2H), 4.49 (t, 2H), 5.62 (s, 1H), 6.13 (s, 1H), 6.80 (d, 2H), 7.39 (d, 2H)
[合成例4]
Macromol.Rapid. Commun. 20, 33-35 (1998)に記載の方法に従って、同文献の化合物1bを合成した。この化合物は一般式(4)で表される化合物である。
[合成例5]
Macromolecules. 1994, 27, 5543-5546に記載の方法に従って、同文献の化合物2を合成した。この化合物は一般式(4)で表される化合物である。
[実施例1〜21および比較例1〜3]
下記表1に示す各組成物を調製し、膜厚3.5μmとなるようにガラス基板上にスリットコートした。スリットコートした塗布基膜をORC社製の高圧水銀灯を光源とするナノインプリント装置にセットし、真空度10Torrに減圧した。次いでモールド加圧力0.8kNで、10μmのライン/スペースパターンを有し、溝深さが4.0μmの石英ガラスを材質とするモールドを押し付けた。モールド表面から150mJ/cm2の条件で露光し、露光後、モールドを剥離し、レジストパターンを得た。得られたレジストパターンをオーブンで230℃、30分間加熱することにより完全に硬化させた。
なお、実施例8のみにおいては減圧工程省き、大気圧でモールドを加圧した。
組成物を調製する際に使用した材料の詳細を以下に示す(表1参照)。
<1官能単量体>
N−01:N−ビニルピロリドン、
B−01:ベンジルアクリレート
<2官能単量体>
N−02:ネオペンチルグリコールジアクリレート(粘度:5mPa・s)
Fモノマー:CF2=CFCF2C(CF3)(OH)CH2CH=CH2
<3官能以上の単量体>
T−03:トリメチロールプロパントリアクリレート
(東亞合成社製、アロニックスM−309、粘度:73mPa・s)
D−06:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
<光重合開始剤>
P−1:2,4,6−トリメチルベンゾイル−エトキシフェニル−ホスフィンオキシド(BASF社製、Lucirin TPO−L)
<界面活性剤>
W−1:フッ素系界面活性剤(トーケムプロダクツ社製:フッ素系界面活性剤)
<酸化防止剤>
A−1:スミライザーGA80
[試験例]
実施例1〜21および比較例1〜3において調製した各組成物について、光ナノインプリントリソグラフィの評価を以下の項目について行った。
<剥離性の評価>
モールド剥離の際を硬化性組成物から分離できない場合を×、超音波等の操作でモールドを光硬化性組成物から分離できる場合を△、特別な操作なしにモールドを光硬化性組成物から分離できる場合を○とした。
<パターン精度の評価>
加熱硬化後のパターン形状を干渉型表面解析装置(NewView 7300(Zygo社))にて観察し、パターン形状を以下の基準により評価した。なお、原版との比較は、ライン部の平均高さを50μmの長さに渡って測定し、隣接するスペース部の平均高さを50μmの長さに渡って測定し、それぞれの平均高さの差を原版の高さ(4.0μm)と比較することで行った。
A:モールドのパターン形状の元となる原版のパターンとほぼ同一である
B:モールドのパターン形状の元となる原版のパターン形状と異なる
(原版のパターンと10%未満の範囲)。
C:モールドのパターン形状の元となる原版のパターン形状と異なる
(原版のパターンと10%以上20%未満の範囲)。
D:モールドのパターン形状の元となる原版のパターンと異なる
(原版のパターンと20%以上異なる)。
<繰り返し特性の評価>
実用性能を確かめるために、上記のパターン作成を同じモールドを用いて繰り返し500回行った。各微細パターンについて上記基準で精度を評価し、さらに500回使った後のモールドをSEMで観察して汚染や欠損の有無を調べた。
Figure 0005198117
Figure 0005198117
Figure 0005198117
フッ素単量体を含まない比較例1,2ではモールド剥離性が悪く、モールドに組成物が固着した。特に比較例2ではフッ素系界面活性剤を含んでいるにもかかわらず、モールドへの組成物の固着が見られた。比較例2では、硬化収縮で硬化組成物とモールドとの間に応力があり、フッ素系界面活性剤を少々含んでいる程度では固着を防げなかったと推定できる。
比較例3において使用した単量体はフッ素原子を含むため、組成物のモールド剥離性は良好であった。しかし硬化収縮が起こり、ベーク後のパターン精度は実施例よりも劣るものであった。
また、500回使った後のモールドをSEMで観察したところ、比較例1、2においてはモールドに組成物が固着しており、モールドの一部が欠損していた。比較例3においてはモールドへの組成物の固着は見られなかったが、モールドの一部が欠損していた。ラジカル開環重合性単量体を含まない比較例の組成物では、露光時に組成物の硬化収縮が起こり硬化組成物とモールドとの間に応力が生じ、パターン形成を繰り返すことで、モールドが欠損したものと推定できる。
これに対して、本発明の実施例1〜21はいずれも、組成物のモールド剥離性が良好でモールドへの組成物の固着は見られなかった。またパターン精度が高いうえ、さらに本発明は繰り返し特性が優れるという思わぬ効果があることも分かった。
[実施例22]
本実施例において、カラーフィルタ、表示装置を作製した。
特開2004−333817号公報実施例記載の方法に従ってカラーフィルタを得た。このカラーフィルタにITO(IndiumTinOxide)の透明電極をスパッタリングにより形成した。
実施例7の組成物をスリットコーターで、上記カラーフィルタの上に厚さ4.0μmとなるように塗布した。次いで、上記カラーフィルタのBM上に相当する位置に深さ3.5μm、20μm角四方のスペーサパターンの凹部を有するモールドを用いて実施例1と同様に押し付けた。完全に押し付けるのではなく、オーバーコート層として厚さ1.0μmの膜が残るように押し付けた。こうして上記カラーフィルタ上にオーバーコート層として1.0μm、オーバーコート層上面からの高さが3.5μmのスペーサの役目の凸部を有する本発明の微細パターンを得た。カラーフィルタに起因する凹凸が平坦化され、且つスペーサは高さ均一性の良いものであった。
別途、対向基板としてガラス基板を用意し、対向基板上にITOを形成した。前記微細パターン上にさらにポリイミドよりなる配向膜を設けた。その後、カラーフィルタの画素群を取り囲むように周囲に設けられた隔壁外枠に相当する位置に紫外線硬化樹脂のシール剤をディスペンサ方式により塗布し、液晶を滴下し、対向基板と貼り合わせた後、貼り合わされた基板をUV照射した後、熱処理してシール剤を硬化させた。このようにして得た液晶セルの両面に、(株)サンリッツ製の偏光板HLC2−2518を貼り付けた。次いで、冷陰極管のバックライトを構成し、前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置し、本発明の液晶表示装置とした。
各種画像を表示させ目視観察したところ、大変美しく画像が表示されていて、すばらしい表示性能であった。
[実施例23]
実施例12の組成物をシリコンウェハ上にスピンコートして、レジスト組成物からなる被膜(膜厚150nm)で被覆されたシリコンウェハを得た。幅400nm、深さ150nmの凹構造が200nmの等間隔で配置された凹凸構造を表面に有する石英ガラス製のモールドをシリコンウェハ上のレジスト組成物の被膜面に押し付けて、両者を25℃、0.5MPa(ゲージ圧)でプレスした。
そのままモールド側から超高圧水銀灯の光を15秒間照射し、モールドをシリコンウェハからゆっくり剥離した。レジスト組成物より生成したレジスト膜が一体化したシリコンウェハ(加工基板)を得た。
加工基板を、O2、Ar、およびCF4の混合ガスをエッチングガスとしたRIE(リアクティブ・イオン・エッチング)法によりドライエッチング処理した。レジスト膜のエッチング耐性はノボラック樹脂とほぼ同等である。シリコンウェハ上のレジスト膜を灰化除去し、ついでシリコンウェハを酸洗浄し、表面にモールドの凹凸構造に対応したパターンが形成されたシリコンウェハが得られた。
SEMで観察したところきれいな形状をしていた。
このように、本発明の組成物はエッチングレジストとしても好適に用いることができる。

Claims (10)

  1. ラジカル開環重合性単量体と光重合開始剤とを有することを特徴とするナノインプリント用硬化性組成物。
  2. 界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1に記載のナノインプリント用硬化性組成物。
  3. 前記ラジカル開環重合性単量体の含有量が10〜90質量%であり、且つ、3官能以上の官能基を有するモノマーの含有量が10〜90質量%であることを特徴とする請求項1または2に記載のナノインプリント用硬化性組成物。
  4. 前記ラジカル開環重合性単量体が下記一般式AまたはBで表される化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のナノインプリント用硬化性組成物。
    Figure 0005198117
    [一般式Aおよび一般式Bにおいて、X1は環構造を形成する原子団を表し、環上に置換基を有していてもよい。X2は水素原子または有機置換基を表す。]
  5. 前記ラジカル開環重合性単量体が、下記一般式(1)〜(4)で表される化合物を少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のナノインプリント用硬化性組成物。
    Figure 0005198117
    [一般式(1)中、R1は水素原子またはアルキル基を表し、Z1は隣り合う炭素原子、硫黄原子および該硫黄原子と結合する炭素原子とともに環構造を形成する原子団を表す。]
    Figure 0005198117
    [一般式(2)中、R1、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ独立に水素原子または置
    換基を表し、Xはメチレン基または酸素原子を表す。]
    Figure 0005198117
    [一般式(3)中、R1はアルキレン基またはアリーレン基を表し、R2はr価の飽和脂肪族炭化水素基、r価の芳香族炭化水素基またはr価のヘテロ環基を表し、Xは、−COO−、−CONH−、−OCO−、−NH−、−O−、−S−、−CO−、−SO2−、−SO3−および−SO2NH−からなる群から選ばれる2価の連結基を表し、但し、R1およびXがない場合もあり、その場合は酸素原子とR2が直接結合する。nおよびmは、それぞれ独立に0〜8の範囲の整数を表し、但しn+mは0〜8の範囲の整数である。Yは、−CR34−、−O−および−S−からなる群から選ばれる2価の連結基を表し、R3およびR4は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基を表し、rは1〜4の範囲の整数を表す。]
    Figure 0005198117
    [一般式(4)において、X3〜X6は水素原子または有機置換基を表す。]
  6. 少なくとも、基板上に請求項1〜5の組成物を塗布する工程、塗布した組成物を基板とモールドとの間に挟持して押圧する工程、組成物を露光する工程、モールドを剥離する工程、をこの順番に有することを特徴とする微細パターン製造方法。
  7. 請求項6の方法で製造された微細パターン。
  8. 請求項7に記載の微細パターンを有するカラーフィルタ。
  9. 請求項7に記載の微細パターンを有する表示装置。
  10. 請求項6の製造方法によって基板上に微細パターンを得て、つぎに該基板上の微細パターンが形成された面をエッチング処理することを特徴とする処理基板の製造方法。
JP2008088564A 2008-03-28 2008-03-28 ナノインプリント用硬化性組成物、微細パターンとその製造方法、カラーフィルタ、表示装置、および処理基板の製造方法 Active JP5198117B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008088564A JP5198117B2 (ja) 2008-03-28 2008-03-28 ナノインプリント用硬化性組成物、微細パターンとその製造方法、カラーフィルタ、表示装置、および処理基板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008088564A JP5198117B2 (ja) 2008-03-28 2008-03-28 ナノインプリント用硬化性組成物、微細パターンとその製造方法、カラーフィルタ、表示装置、および処理基板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009244402A JP2009244402A (ja) 2009-10-22
JP5198117B2 true JP5198117B2 (ja) 2013-05-15

Family

ID=41306390

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008088564A Active JP5198117B2 (ja) 2008-03-28 2008-03-28 ナノインプリント用硬化性組成物、微細パターンとその製造方法、カラーフィルタ、表示装置、および処理基板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5198117B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5179250B2 (ja) * 2007-11-30 2013-04-10 富士フイルム株式会社 光記録用組成物およびホログラフィック記録媒体
JP5236409B2 (ja) * 2008-05-30 2013-07-17 富士フイルム株式会社 光記録用組成物、ホログラフィック記録媒体および情報記録再生方法
JP5085587B2 (ja) * 2009-02-25 2012-11-28 富士フイルム株式会社 光重合性組成物、光記録媒体、および情報記録方法
KR20110139230A (ko) * 2009-03-23 2011-12-28 후지필름 가부시키가이샤 접합형 렌즈용 경화성 수지 조성물, 촬상 렌즈, 및 촬상 렌즈의 제조 방법
JP5744260B2 (ja) * 2014-02-21 2015-07-08 東洋合成工業株式会社 光硬化性組成物、モールド、樹脂、光学素子の製造方法及び半導体集積回路の製造方法
JP7024370B2 (ja) * 2017-06-07 2022-02-24 凸版印刷株式会社 固体撮像素子の製造方法およびナノインプリントリソグラフィー用原版
TWI770237B (zh) * 2017-07-26 2022-07-11 日商富士軟片股份有限公司 壓印用硬化性組成物、硬化物、圖案製造方法、微影方法、圖案、微影用遮罩及壓印用聚合性組成物
WO2020175301A1 (ja) * 2019-02-27 2020-09-03 富士フイルム株式会社 インプリント用の硬化性組成物、キット、パターン製造方法、および半導体素子の製造方法

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10249324A1 (de) * 2002-10-22 2004-06-24 Ivoclar Vivadent Ag Polymerisationsfähige bicyclische Cyclopropanderivate und deren Verwendung zur Herstellung von Dentalmaterialien
EP1512384A1 (de) * 2003-07-21 2005-03-09 Cervitech, Inc. Bandscheibenprothese
CA2847260C (en) * 2003-12-19 2016-06-21 The University Of North Carolina At Chapel Hill Methods for fabricating isolated micro- and nano- structures using soft or imprint lithography
JP2006110997A (ja) * 2004-09-16 2006-04-27 Asahi Glass Co Ltd 転写体の製造方法、光硬化性組成物、および微細構造体の製造方法
JP2006139148A (ja) * 2004-11-12 2006-06-01 Bridgestone Corp 光導波路およびその製造方法
JP4600013B2 (ja) * 2004-11-30 2010-12-15 住友化学株式会社 偏光分離機能を有するカラーフィルター及びそれを備える表示装置
JP4521302B2 (ja) * 2005-03-17 2010-08-11 富士フイルム株式会社 光学異方性膜及び液晶表示装置
WO2008004630A1 (fr) * 2006-07-06 2008-01-10 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha Composition durcissable par rayons énergétiques actifs pour des utilisations optiques, et résine à indice de réfraction élevé
JP2008062372A (ja) * 2006-09-11 2008-03-21 Fujifilm Corp 微細加工方法
JP4918393B2 (ja) * 2007-04-19 2012-04-18 富士フイルム株式会社 光記録用組成物およびホログラフィック記録媒体
JP2009015163A (ja) * 2007-07-06 2009-01-22 Fujifilm Corp 光記録用組成物、ホログラフィック記録媒体、ビニルシクロプロパン化合物、および重合用モノマー
JP2009029960A (ja) * 2007-07-27 2009-02-12 Fujifilm Corp 重合性組成物、重合用モノマー、および新規化合物
JP5179250B2 (ja) * 2007-11-30 2013-04-10 富士フイルム株式会社 光記録用組成物およびホログラフィック記録媒体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009244402A (ja) 2009-10-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5243887B2 (ja) ナノインプリント用硬化性組成物およびパターン形成方法
JP5665329B2 (ja) インプリント用硬化性組成物、パターン形成方法およびパターン
KR101686024B1 (ko) 임프린트용 경화성 조성물, 패턴 형성 방법 및 패턴
JP5671302B2 (ja) インプリント用硬化性組成物、パターン形成方法およびパターン
JP5198117B2 (ja) ナノインプリント用硬化性組成物、微細パターンとその製造方法、カラーフィルタ、表示装置、および処理基板の製造方法
JP5511415B2 (ja) インプリント用硬化性組成物、パターン形成方法およびパターン
KR101690322B1 (ko) 임프린트용 경화성 조성물, 패턴 형성 방법 및 패턴
JP5829177B2 (ja) インプリント用硬化性組成物、パターン形成方法およびパターン
JP5564383B2 (ja) インプリント用硬化性組成物、パターン形成方法およびパターン
KR101798448B1 (ko) 임프린트용 경화성 조성물, 패턴 형성 방법 및 패턴
KR20110090897A (ko) 임프린트용 조성물, 패턴 및 패터닝 방법
JP5968933B2 (ja) インプリント用硬化性組成物、パターン形成方法およびパターン
WO2012137672A1 (ja) パターン形成方法およびパターン
JP5695527B2 (ja) インプリント用硬化性組成物、パターン形成方法およびパターン
JP5268384B2 (ja) ナノインプリント用硬化性組成物およびパターン形成方法
JP2010017936A (ja) ナノインプリント用硬化性組成物および硬化物
JP2013179159A (ja) インプリント用硬化性組成物、パターン形成方法及びパターン
JP5411518B2 (ja) ナノインプリント用硬化性組成物および硬化物
JP5227694B2 (ja) ナノインプリント用組成物
JP5695482B2 (ja) インプリント用硬化性組成物、パターン形成方法およびパターン
JP2009274405A (ja) ナノインプリント用組成物、パターン形成方法、エッチングレジストおよび永久膜
JP2012231072A (ja) インプリント用硬化性組成物、パターン形成方法およびパターン
KR20100007734A (ko) 나노 임프린트용 경화성 조성물 및 경화물

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100701

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121228

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130129

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130206

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160215

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5198117

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250