JP4600013B2 - 偏光分離機能を有するカラーフィルター及びそれを備える表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶表示装置や投射型の表示装置などに用いられる、偏光分離機能を有するカラーフィルターに関する。本発明はまた、このカラーフィルターを組み込んだ液晶表示装置及び投射型表示装置にも関係している。
カラーフィルターとは、透過光のスペクトルが希望の特性となるように設計されたフィルターである。一般に、液晶表示装置向けカラーフィルターとして、赤(R)、緑(G)及び青(B)の顔料分散レジストを細かく塗り分けたものが知られている。
このような顔料分散型カラーフィルターは通常、フォトリソグラフィにより作製されている。これは、液晶表示装置用のカラーフィルターでは、数百ミクロン程度の微細な塗り分けが必要となるからである。そして、液晶表示装置で一般的に用いられる2色以上のカラーフィルターを配列させた多色構成の場合、フォトリソグラフィ工程を色の数だけ繰り返す必要がある。
特開平 7-287115 号公報(特許文献1)には、高屈折率材料の薄膜と低屈折率材料の薄膜とを交互に積層した多層干渉膜からなり、光の干渉により発色させるカラーフィルターが開示されている。この手法では、誘電体からなる薄膜を多層にわたって設ける必要があるので、微細なパターン形成が必要な液晶表示装置向けカラーフィルターへの適用は困難である。
特許第 3552624号公報(特許文献2)には、グレーティングを応用し、反射型液晶表示装置に用いることができるカラーフィルターの例が開示されている。すなわち、反射板に所定高さの段差がある溝を形成することにより、溝の底からの反射光と反射板凸部からの反射光の干渉により特定波長光の反射率を増大させ、カラーフィルターとして機能させるものである。これは干渉現象を利用するカラーフィルターであり、単一材料のみで作製することができるものの、光を透過することができない。このため、反射型の液晶表示装置のみにしか適用することができない。
また、従来公知の液晶表示装置や投射型の表示装置では、上記カラーフィルターに加えて、偏光素子を別に設ける必要があった。
一方、金属格子(ワイヤ・グリッド)を透明基材表面に形成することで、その金属格子と平行な振動面を有する直線偏光を反射し、それと直交する振動面を有する直線偏光を透過するようにした、いわゆる金属格子型の偏光分離素子も、例えば、WO 00/079317号公報(特許文献3)や特開平 10-73722 号公報(特許文献4)に開示され、公知である。
特開平7−287115号公報 特許第3552624号公報(=特開2001−194663号) WO 00/079317号公報(=特表2003−502758号公報) 特開平10−73722号公報
本発明の目的は、大面積品や多色構成でも容易に製造でき、かつ構造が安定で耐久性に優れ、透過型カラーフィルターとして機能し、さらに偏光分離機能を有するカラーフィルターを提供することにある。本発明のもう一つの目的は、このカラーフィルターが組み込まれた液晶表示装置や投射型表示装置を提供することにある。
本発明では、特定の透過スペクトルを有する金属格子型偏光分離素子をカラーフィルターに用いる。すなわち本発明によれば、平板状の支持体に、金属からなる複数の細線が互いに平行となるように埋め込まれて配列しており、その細線のピッチ(P)が100nm以上300nm以下であり、細線の幅(D)と細線のピッチ(P)の比(D/P)が 0.6より大きく、細線の長さ方向に直交する断面における当該細線の高さが50nm以上500nm以下である偏光分離素子からなるカラーフィルターが提供される。ここで、金属細線は、その表面が金属酸化物膜で覆われていてもよい。また、平板状の支持体は高分子樹脂で構成するのが有利である。
本発明ではこのように、金属細線の幅(D)とピッチ(P)の比(D/P)を 0.6よりも大きくし、透過光の干渉を積極的に起こさせ、特定の波長域における光透過率を増加させることで、カラーフィルターとして機能させる。透過率の高い波長域の調節は、金属細線の長さ方向に直交する断面の高さの調整により行うことができる。例えば、赤のカラーフィルターとして作用させるためには、590nm以上800nm以下の波長において透過率ピークを示すように金属細線の長さ方向に直交する断面の高さを調節すればよい。緑のカラーフィルターとして作用させるためには、490nm以上570nm以下の波長において透過率ピークを示すように金属細線の長さ方向に直交する断面の高さを調節すればよい。また、青のカラーフィルターとして作用させるためには、400nm以上490nm以下の波長において透過率ピークを示すように金属細線の長さ方向に直交する断面の高さを調節すればよい。
透過率ピークを示す波長が異なる複数の金属格子型偏光分離素子を組み合わせて、多色構成のカラーフィルターとすることもできる。そこで、本発明によれば、平板状の支持体に、金属からなる複数の細線が互いに平行となるように埋め込まれて配列しており、その細線のピッチ(P)が100nm以上300nm以下であり、細線の幅(D)と細線のピッチ(P)の比(D/P)が 0.6より大きく、細線の長さ方向に直交する断面における当該細線の高さが50nm以上500nm以下である金属格子型偏光分離素子であって、透過率ピークを示す波長が異なる複数の素子が配列されているカラーフィルターも提供される。
具体的には、590nm以上800nm以下の波長において透過率ピークを有する金属格子型偏光分離素子と、490nm以上570nm以下の波長において透過率ピークを示す金属格子型偏光分離素子と、400nm以上490nm以下の波長において透過率ピークを示す金属格子型偏光分離素子とを配置して、三原色のカラーフィルターとすることができる。
さらに本発明によれば、液晶セルに、上記三原色のカラーフィルターが組み込まれている液晶表示装置も提供される。また、白色光源と、液晶セルと、拡大投射手段とを有し、液晶セルには、上記単色の又は多色構成のカラーフィルターが組み込まれている投射型表示装置も提供される。
本発明のカラーフィルターは、金属格子型の偏光分離素子に透過型カラーフィルターとしての性能が発現できるようにしたものであって、金属を用いるため、耐久性に優れている。また、多色構成であっても一度の成型プロセスで実現でき、大面積化も容易である。このカラーフィルターは、偏光分離機能も備えているため、液晶表示装置などに適用する際、通常は別途配置される偏光素子が、場合によっては省略できることもある。
以下、添付の図面も適宜参照しながら、本発明を詳細に説明する。図1は、金属格子型偏光分離素子の例を模式的に示す斜視図であり、図2〜図6は、本発明に係るカラーフィルターを構成する偏光分離素子の例を示す断面模式図である。図7は、多色構成のカラーフィルターの配置例を模式的に示す斜視図である。図8は、液晶表示装置に本発明のカラーフィルターを組み込んだ例を模式的に示す断面図である。図9は、投射型表示装置の構成例を模式的に示す説明図である。図10及び図11は、金属細線が埋め込まれた偏光分離素子について光学的シミュレーションを行う場合の説明図であって、図10はシミュレーションの概念を説明するための模式的な斜視図、図11はシミュレーションにおいて分割されたセルのモデルを表す図である。
金属格子型の偏光分離素子は、図1に示す如く、平板状の支持体10に、金属からなる複数の細線20,20が互いに平行に配列されたものである。そして一般には、かかる金属細線20,20が、リソグラフィ等の手法で平板状の支持体10の表面に凸状に形成されているが、本発明では、支持体10中に金属細線20,20が埋め込まれて配列するように構成する。
また本発明では、細線20,20のピッチ(P)を100nm以上300nm以下とし、細線20,20の幅(D)とピッチ(P)の比(D/P)が 0.6より大きくなるように、すなわち(D/P)>0.6 を満足するようにし、さらに、細線20,20の長さ方向に直交する断面における高さ(H)が50nm以上500nm以下となるようにする。
平板状の支持体10としては、ガラス板や高分子樹脂フィルムなどが使用できるが、加工の容易さなどから高分子樹脂が好ましい。高分子樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ノルボルネン若しくはその誘導体の開環又は付加重合構造を有する環状ポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂などが挙げられる。ポリエステル系樹脂には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンブチレートなどがある。環状ポリオレフィン系樹脂には、JSR株式会社から販売されている“アートン”、株式会社オプテス又は日本ゼオン株式会社から販売されている“ゼオノア”や“ゼオネックス”(いずれも商品名)などがある。高分子樹脂を用いる場合、線膨張係数がガラス並みに小さいことが、形状の安定化の観点から好ましい。
平板状の支持体10の厚みは特に限定されないが、例えば1μm 以上5mm以下であり、好ましくは40μm以上、また好ましくは500μm以下である。平板状の支持体10は、透明性が高く、加熱、湿熱条件下における寸法変化の小さいものが好ましい。
平板状の支持体10に形成される金属細線20,20は、ピッチ(P)、すなわち、金属細線20,20の配列する間隔が、100nm以上300nm以下となるようにする。金属細線20,20のピッチ(P)が100nmより小さいと、目的とする偏光分離素子の製造が難しくなり、均一な特性が得られにくい。一方で、金属細線20,20のピッチ(P)が300nmより大きいと、回折に起因して素子が虹色を呈するようになる。
また、細線20,20の幅(D)とピッチ(P)の比(D/P)は、0.6 より大きくする。(D/P)が 0.6より大きいと、透過光の干渉作用が大きくなり、特定の波長領域における透過率が増加することにより、カラーフィルターとして機能するようになる。(D/P)の上限は1であるが、その値が1に近づくと透過率が低下するので、一般には0.9以下であり、好ましくは 0.6を超え0.8以下の範囲から選択される。
金属細線20,20の長さ方向に直交する断面における当該細線の高さ(H)は、50nm以上500nm以下とする。高さが50nmより小さいと、偏光分離能が低下する。一方で高さが500nmより大きいと、構造形成が難しくなる。細線20,20の高さ(H)は、透過光の干渉に影響し、延いては透過率ピークを示す波長に影響する。そこで、所望とする波長で透過率ピークを示すように高さ(H)が決定されるが、好ましくは300nm以下である。
金属細線20,20を構成する金属としては、アルミニウム、金、銀、銅などが挙げられる。アルミニウムは反射光の着色が少なく、また、表面に金属酸化物層を形成して化学的に安定化するため、好ましい。
このように、金属細線の表面は、金属酸化物膜、例えば、その細線を構成する金属の酸化物からなる膜で覆われていてもよい。金属としてアルミニウムを採用した場合は通常、その表面に酸化アルミニウム層が形成される。金属酸化物膜の厚みは、通常2nm以上である。
平板状の支持体10に金属細線20,20を埋め込むには、例えば、次のような方法を採用することができる。
(1) 金属細線20,20を平板状の支持体10の表面に形成させ、その表面を支持体10と同種の又はそれとは異種の材料で覆う方法、
(2) 平板状の支持体10の表面全面に金属薄膜を形成させた後、帯状にその金属を酸化させ、酸化されずに残る金属の部分を金属細線20,20とする方法など。
平板状の支持体10の表面に金属細線20,20を形成させるには、例えば、ナノインプリント法などにより、予め目的とする形状を型の表面に形成しておき、その型を支持体10の表面に押し当てて凹凸形状を転写させた後、その凹部に金属を埋め込む方法など、適宜の方法が採用できる。
こうして支持体10の表面に形成された凹部の中に金属を埋め込むには、例えば、スパッタリング法や真空蒸着法などで金属層を形成する方法、金属ペーストを埋め込む方法など、適宜の方法が採用できる。なお、凹部内だけでなく、支持体の表面にも金属層が形成された場合には、表面を研磨して支持体凸部上の金属を除去してもよいし、金属の表面を酸化させて金属酸化物にし、凹部に形成された金属格子だけが残るようにしてもよい。また、平板状の支持体10に、蒸着法やスパタリング法などにより金属層を形成させた後、スジ状又は帯状に金属部分を取り除き、金属格子を形成することもできる。
金属細線20,20が形成された支持体10の表面を支持体10と同種の又は異種の材料で覆う場合、その材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ノルボルネン若しくはその誘導体の開環又は付加重合構造を有する環状ポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、アルキド系樹脂、ポリイミド系樹脂など、また低屈折率であるフッ素系樹脂などがある。特に、屈折率の小さい樹脂ほど高い偏光分離特性が得られやすいので、好ましい。
一方、高分子フィルムの表面に硬化樹脂層を形成し、その中に金属格子が埋め込まれるように構成してもよい。硬化樹脂層としては、屈折率が約1.3〜1.6の範囲のものが挙げられる。屈折率が小さいほど偏光分離能は高くなり、好ましくは屈折率が1.3〜1.4である。硬化樹脂層を形成する樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ノルボルネン若しくはその誘導体の開環又は付加重合構造を有する環状ポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、アルキド系樹脂など、また低屈折率であるフッ素系樹脂などがある。これらの硬化樹脂層内に金属格子を形成する方法は、上述の方法が適宜選択できる。
金属格子を形成する金属細線の断面形状は、長方形、正方形、台形、三角形、円形、楕円形などであることができる。なお、角は丸みを帯びていてもよい。高い偏光分離能が得られやすい形状は、長方形、台形、三角形、楕円形などである。また金属細線20,20は、同一平面内に平行に配置されてもよいし、複数の平面内に形成されてもよい。
本発明に適用可能な偏光分離素子のいくつかの例を、図2〜図6に示した。図2に示す例は、断面が幅Dで高さHのほぼ長方形である複数の金属細線21,21が、所定のピッチPで平板状支持体10の一方の表面近傍に一列平行に埋め込まれた状態のものである。この例では、金属細線21,21の断面における長方形の長辺方向が、平板状支持体10の厚さ方向となるように埋め込まれている。
図3に示す例は、断面が高さHの台形である複数の金属細線22,22が、所定のピッチPで平板状支持体10の一方の表面近傍に一列平行に埋め込まれた状態のものである。この例のように、金属細線22,22の断面高さ方向で幅が異なる場合は、その平均的な値、この例では高さ方向中央部の横寸法をもって、幅Dとすればよい。この例でも、金属細線22,22の断面で長い方向が、平板状支持体10の厚さ方向となるように埋め込まれている。
図4に示す例は、断面が高さHの二等辺三角形である複数の金属細線23,23が、当該二等辺三角形の底辺とその向かいにある頂点を上下互い違いにして、所定のピッチPで平板状支持体10の一方の表面近傍に一列平行に埋め込まれた状態のものである。断面が三角形の金属細線を採用する場合には、断面の底辺と頂点が同じ向きになるように配置すると、その細線の幅(D)とピッチ(P)の比(D/P)が 0.5以下となり、本発明の規定である 0.6より大きくすることができないが、図示の例のように、上下互い違いに配置すれば、(D/P)を 0.6より大きくすることができる。この場合も図3と同様、金属細線23,23の断面高さ方向中央部の横寸法をもって、幅Dとすればよい。この例でも、金属細線23,23の断面で長い方向が、平板状支持体10の厚さ方向となるように埋め込まれている。
図5に示す例は、断面が幅Dで高さHのほぼ長方形である複数の金属細線24,24が所定のピッチPで平板状の支持体10に埋め込まれている点では、図2に示した例と同様であるが、図5では、これらの金属細線24,24が、平板状支持体10の一方の表面近傍と他方の表面近傍に合計二列、平行に埋め込まれている。この例でも、金属細線24,24の断面における長方形の長辺方向が、平板状支持体10の厚さ方向となっている。
図2〜5には、金属細線21〜24の長さ方向に直交する断面の形状が等方性でない例を示しており、これらの図では、その断面形状の長い方向が、平板状支持体10の厚み方向、したがって偏光分離素子の厚み方向となるようにしている。ただし本発明では、この断面における金属細線の高さ(H)を変えることで、透過率ピークを示す波長を調節するので、所望とする透過率ピークの波長によって、この断面における長い方向と短い方向が逆転することもありうる。
次に、図6に示す例は、断面が直径Dの円である複数の金属細線25,25が、所定のピッチPで平板状支持体10中に二列平行に埋め込まれた状態のものである。二列ある金属細線25,25は、平板状支持体10の平面側から見たときの位置が互い違いになっている。このように金属細線25,25を二列互い違いに配置する場合、ピッチPは、一列ごとの金属細線24,24の間隔で表し、本発明で規定する(D/P)の値を決定すればよい。この例では、金属細線の断面が円なので、その高さも円の直径Dと同じになる。
なお、金属細線20〜25が平板状の支持体10中で等間隔に配列している場合は、それぞれの間隔をもってピッチ(P)とすればよいが、間隔が必ずしも一定でない場合は、平板状支持体10の面に平行な方向での平均的な金属細線の間隔をもってピッチ(P)とし、本発明で規定する(D/P)の値を決定すればよい。ピッチ(P)が一定でない場合は、それらのすべてが100nm以上300nm以下の範囲に入るようにするのがより好ましい。同様に、金属細線20〜25の幅が一定でない場合は、それらの平均的な値をもって幅(D)とし、(D/P)の値を決定すればよい。隣接する金属細線毎の(D/P)が一定でない場合は、隣接する細線どうしのすべてにおいて、(D/P)が 0.6より大ききなるようにするのがより好ましい。さらに、金属細線20〜25の高さ(H)が一定でない場合も、それらの平均値が、本発明で規定する50nm以上500nm以下の範囲に入ればよい。高さ(H)が一定でない場合も、それらのすべてが50nm以上500nm以下の範囲に入るようにするのがより好ましい。
以上のように構成される金属格子型の偏光分離素子は、偏光分離能の高いものとなる。ここで偏光分離能は、以下の式(1)で定義される。
Figure 0004600013
式(1)において、Tp 及びTc はそれぞれ、下式(2)及び(3)で定義される各波長λにおける透過方向透過率Tp(λ) 及び反射方向透過率Tc(λ) を視感度補正した値である。
Tp(λ)=[kp(λ)×kp(λ)+kc(λ)×kc(λ)]/2 (2)
Tc(λ)=kp(λ)×kc(λ) (3)
ここで、kp(λ) は金属細線と直交する(入射光を主に透過する方向の)直線偏光の透過率、kc(λ) は金属細線と平行な(入射光が主に反射する方向の)直線偏光の透過率であり、kp(λ) 及びkc(λ) から算出されるTp(λ) 及びTc(λ) を以下の式(4)により視感度補正して、Tp 及びTc が求められる。
Figure 0004600013
式(4)において、S(λ) はC光源の強度分布(JIS Z 8701による)、y(λ) は視感度補正係数(JIS Z 8701による)、T(λ) はTp(λ)又はTc(λ) であり、また、Kは以下の式(5)で求められる定数である。
Figure 0004600013
図2〜6の例からわかるように、本発明では、支持体10中に平行に埋め込まれる金属細線21〜25の間隔を狭くし、金属細線の間を通過する光に積極的に干渉を起こさせ、それによって、特定の波長域で透過率のピークを示すようにし、この金属細線が埋め込まれた金属格子型偏光分離素子をカラーフィルターとして利用する。
かかる金属格子型偏光分離素子でカラーフィルターを構成するにあたっては、特定の波長域において光透過率がピークを示すようにして、所望の色(波長)の光を選択的に透過するようにすればよい。具体的には、金属細線21〜25の長さ方向に直交する断面の高さ(H)を変えることにより、透過率ピークを示す波長域を調節することができる。そして、赤のカラーフィルターとして作用させるときは、590nm以上800nm以下の波長において透過率ピークを示すように金属細線の当該高さ(H)を調節すればよい。緑のカラーフィルターとして作用させるときは、490nm以上570nm以下の波長において透過率ピークを示すように金属細線の当該高さ(H)を調節すればよい。また、青のカラーフィルターとして作用させるときは、400nm以上490nm以下の波長において透過率ピークを示すように金属細線の当該高さ(H)を調節すればよい。
これら各色のカラーフィルターとするときの好ましい高さ(H)を示すと、例えば、ピッチ(P)が150nmである場合、赤色フィルターについては、高さ(H)が100nm以上200nm以下であり、緑色フィルターについては、高さ(H)が85nm以上100nm以下であり、また青色フィルターについては、高さ(H)が50nm以上85nm以下である。
これらのカラーフィルターは、単色で使用される用途には、1種類をそのまま適用することができるし、また、多色で使用される用途には、透過率ピークを示す波長が異なる複数の素子を配列して、多色構成のカラーフィルターとすることもできる。透過率ピークを示す波長を異ならせるには、前述したとおり、金属細線の長さ方向に直交する断面の高さ(H)を変えればよい。
多色、特に、赤(R)、緑(G)及び青(B)の三原色カラーフィルターとする場合の配置例を図7に示した。ここに示す例では、赤(R)チャンネル用の金属格子型偏光分離素子31、緑(G)チャンネル用の金属格子型偏光分離素子32、及び青(B)チャンネル用の金属格子型偏光分離素子33を、基板35上に周期的に配列して、三原色のカラーフィルター30が構成されている。それぞれの金属格子型偏光分離素子31,32,33は、少なくとも金属細線の高さ(H)を異ならせることで透過率ピークを示す波長が異なるようにしている。赤(R)チャンネル用の金属格子型偏光分離素子31は、赤色領域、具体的には590nm以上800nm以下の波長において透過率ピークを示すようにしたものである。緑(G)チャンネル用の金属格子型偏光分離素子32は、緑色領域、具体的には490nm以上570nm以下の波長において透過率ピークを示すようにしたものである。また青(B)チャンネル用の金属格子型偏光分離素子33は、青色領域、具体的には400nm以上490nm以下の波長において透過率ピークを示すようにしたものである。このように、複数色の、好ましくは三原色の金属格子型偏光分離素子を配列させ、各々の金属格子型偏光分離素子が、所望の透過色を呈するようにすることで、液晶表示装置に適用するのに適したカラーフィルターとなる。
以上のように構成される本発明のカラーフィルターは、透過光の干渉を利用して特定の波長域で透過率がピークを示すようにしたものであり、また金属格子型の偏光分離素子を利用している。そのため、この金属格子型偏光分離素子に照射される自然光のうち、所定方向に振動する直線偏光を透過し、それと直交する方向に振動する直線偏光を反射するものとなり、反射された偏光を再利用することができる。また、干渉型のカラーフィルターであるため、透過波長以外の波長では反射率が大きくなる。すなわち、画素ごとに、透過させない波長の光を反射させ、再利用することができる。したがって、この素子は、カラーフィルターと偏光子の機能を備えるとともに、上記二つの機構により光の利用効率を向上させることができる。さらに、この偏光分離素子は、金属格子の構造が安定で耐久性に優れており、大面積品も容易に製造できることから、特に大面積の表示装置などに有用である。
バックライトを有し、そこからの光を液晶セルに導入して表示する透過型又は半透過反射型の液晶表示装置であれば、その液晶セルに本発明のカラーフィルターを組み込めばよい。この場合は、図7に示したような、多色構成の、好ましくは三原色のカラーフィルターが組み込まれる。またこの場合、液晶セルの前面側(視認側)基板の内側(液晶層側)にこのカラーフィルターを組み込んでもよいし、液晶セルの背面側(バックライト側)基板の内側(液晶層側)にこのカラーフィルターを組み込んでもよいが、このカラーフィルターで反射された光の再利用を図るためには、後者の配置が好ましい。
液晶セルの背面側(バックライト側)基板の内側(液晶層側)に本発明のカラーフィルターを組み込んだ例を図8に示した。液晶セルは一般に、ガラス板などからなる上下の透明基板40,41の間に液晶層42を挟持したものである。それぞれの基板40,41の内側には、電極43,44が設けられる。さらにその内側には、配向膜45,46が配置され、液晶層42をそれぞれの基板側で配向させる役割を果たす。そして、その液晶セルの背面側にバックライト47が配置され、液晶セルに向けて光を出射する。ここに示す例では、本発明のカラーフィルター30が、背面側(バックライト側)の透明基板41と背面側電極44の間に配置されている。液晶セルの前面側には、偏光板48が配置され、液晶セルを通った後の直線偏光を遮断又は透過することで、表示を行うようになっている。
このように構成すれば、バックライト47から出射される自然光のうち、カラーフィルター30の透過軸と平行な方向に振動する直線偏光を透過するとともに、その透過光の干渉により、カラーフィルター30を構成する各素子が所定波長の光のみを液晶層42へ送るので、偏光板48の作用でその光を透過又は遮断することにより表示がなされ、カラーフィルター30の透過軸と直交する方向に振動する直線偏光(カラーフィルター30の反射軸と平行な方向に振動する直線偏光)及び干渉により液晶層へ送られなかった光を反射してバックライト47側へ戻し、そこで再度反射させることにより、光が有効利用されることになる。
液晶表示装置に用いる液晶セルは、TN(Twisted Nematic :ツイステッド・ネマチック)型、STN(Super Twisted Nematic :スーパー・ツイステッド・ネマチック)型、IPS(In-plane Switching:横電界)型、VA(Vertical Alignment:垂直配向)型など、公知の各種タイプのものであることができる。
また、投射型の表示装置に本発明のカラーフィルターを適用することもできる。投射型表示装置の典型的な例を図9に示した。まず、かかる一般的な投射型表示装置の構成について説明する。
図9を参照して、この例の投射型表示装置は、白色光源61及びUV・IRカットフィルター63を有する光源系、4種類のダイクロイックミラー50,51,52,53、二つの全反射ミラー54,55、それぞれ赤色光R、緑色光G及び青色光Bに対応する液晶セル56R、56G及び56B、光入射側偏光板57R、57G及び57B、光出射側偏光板58R、58G及び58B、並びに集光レンズ59R、59G及び59Bを有する反射・分光系、並びに、投射レンズ66を有する拡大投射系で構成される。
白色光源61からの白色光Lは、UV・IRカットフィルター63で紫外線及び赤外線がカットされ、第一のダイクロイックミラー50へと送られる。第一のダイクロイックミラー50では、緑色光Gと青色光Bが透過されて第二のダイクロイックミラー51へと送られ、一方、ここで反射された赤色光Rは第一の全反射ミラー54で再度反射された後、第三のダイクロイックミラー52へと送られる。第二のダイクロイックミラー51では、青色光Bが透過されて第二の全反射ミラー55へと送られ、一方、ここで反射された緑色光Gは第三のダイクロイックミラー52へと送られる。第三のダイクロイックミラー52では、赤色光Rが透過され、緑色光Gが反射されて、それぞれ第四のダイクロイックミラー53へと送られる。第四のダイクロイックミラー53では、赤色光R及び緑色光Gが透過され、青色光Bが反射されて、それぞれ投射レンズ66へと送られる。赤色光R、緑色光G及び青色光Bの光路中には、それぞれの色に対応する集光レンズ59、入射側偏光板57、液晶セル56及び出射側偏光板58が配置される。そして、投射レンズ66でそれぞれの光に対応する画像が拡大されて、スクリーン67に拡大像が投影される。
なお、ここでは、最初に赤色光Rを分光し、次に緑色光Gと青色光Bを分光する形式を示したが、ダイクロイックミラーの組合せにより、分光の順番は任意に変更できる。白色光源61には、通常、メタルハライドランプや高圧水銀ランプなどの高輝度ランプが用いられる。また、図示は省略するが、白色光源61の出射側には、偏光ビームスプリッター(PBS)を配置し、自然光をほぼ偏光光にして第一のダイクロイックミラー50へ送る形式が一般的である。
このような投射型表示装置に本発明のカラーフィルターを適用する場合は、各色のチャンネルに配置される液晶セル56の光入射側又は光出射側基板の内側(液晶層側)にこのカラーフィルターを配置することができるほか、特に光入射側の偏光板57として用いることもできる。このような投射型表示装置では、非常に強力な光源からの光が照射されるため、一般の偏光板では耐久性に問題があったが、本発明のカラーフィルターを使用すれば、長時間安定して使用することができる。このように各色のチャンネルに本発明のカラーフィルターを使用する場合は、すでに波長毎に分けられた光が入射してくるので、各チャンネルに、単色のカラーフィルターを配置すればよい。
また、投射型表示装置にはこのほか、単板式でカラーフィルターからの分光光を直接拡大する形式のものや、三原色に分光した後それぞれの光に対応する反射型液晶セルで反射させる形式のものもあり、これらの投射型表示装置においても、そのカラーフィルター部分を本発明のカラーフィルターで構成することができる。単板式の投射型表示装置では、液晶セルが一つであることから、多色構成の、好ましくは三原色のカラーフィルターが用いられる。いずれの場合も、投射型表示装置は、白色光源と、液晶セルと、拡大投射手段とを有し、その液晶セルには、本発明による単色の又は多色のカラーフィルターが組み込まれた構成となる。
以下、本発明に従って金属格子型偏光分離素子をカラーフィルターとする場合の例を、シミュレーションの結果に基づいて説明する。
まず、シミュレーションの概要について説明する。金属格子型偏光分離素子の特性は、電磁波解析手法である差分時間領域法(Finite Difference Time Domain :FDTD法)を用いて計算した。この解析手法を詳細に説明するものとして、例えば、次の文献1がある。
文献1:宇野亨著「FDTD法による電磁界およびアンテナ解析」,コロナ社,(1998)
この文献を参照すれば、以下に述べるシミュレーションを行ううえで充分な情報を得ることができるが、その他にも公知文献は多数存在する。最も初期の文献としては、次の文献2がある。
文献2: K. S. Yee ; IEEE Trans. Antennas Propagat. 14, 302 (1966)
FDTD法では、入射光として1/e半幅88nmのガウスパルス平面波を用いた。このパルスは、可視光領域に渡る波長成分を有している。このパルスを金属格子型偏光分離素子に垂直に入射させ、電磁場の時間変化を計算する。計算に用いる式と計算方法は、上記文献1に記述されている。なお、入射する電磁パルス波は、金属細線に平行な偏光と金属細線に直交する偏光を1対1の割合で含むものとした。計算により、金属格子を通り抜けた先の位置における時間tでの電磁場 Ex(t),Ey(t),Ez(t),Hx(t),Hy(t),Hz(t) を得ることができる。ここで、Ex(t) は電場ベクトルのx軸方向成分で、時間tにおける値であることを意味する。同様に、Ey(t) 及びEz(t) はそれぞれ、時間tにおける電場のy軸方向及びz軸方向の成分を意味する。また、Hx(t) ,Hy(t) 及びHz(t) はそれぞれ、時間tにおける磁場ベクトルのx軸方向,y軸方向及びz軸方向の成分である。
次に、透過率の波長スペクトルの算出について述べる。FDTD法の結果は電磁場の時間変化として示されるため、このままでは各波長における透過率の値を得ることができない。そこで、時間変化波形を高速フーリエ変換(FFT)することにより、入射させたパルスがもつ周波数成分、及び、金属格子を透過してきたパルスの周波数スペクトルを、電場・磁場について得る。なお、入射電磁波条件がパルス波であり、連続波ではないので、FFTの際のウィンドウ関数は矩形を用いることとした。光周波数fと真空中の波長λは光速cによってλ=c/fの関係であることから、波長スペクトルを得ることができる。各偏光のエネルギー透過率を得るため、FFTによって得られた各周波数振幅 Ex(f),Ey(f),Ez(f),Hx(f),Hy(f)及びHz(f) から、金属細線に平行な偏光、金属細線に直交する偏光、それぞれ別々に透過方向のポインティングベクトル成分を計算する。すなわち、光の進行方向をx軸、金属細線の幅方向をy軸、金属細線の長さ方向をz軸として、金属細線に直交する偏光のエネルギーSxy(f)は、Sxy(f)=Ey(f)×Hz(f)により、また金属細線に平行な偏光のエネルギーSxz(f)は、Sxz(f)=Ez(f)×Hy(f)により、それぞれ求められる。シミュレーションでは、金属格子がある場合とない場合についてそれぞれ計算を行った。金属格子がある場合の計算結果を添え字1で、金属格子がない場合を添え字0で表すと、次のとおりになる。
kc(f)=Sxz1(f)/Sxz0(f)
kp(f)=Sxy1(f)/Sxy0(f)
求めたkc(f) 及びkp(f) を、前述したλ=c/fの関係に基づいて、kc(λ) 及びkp(λ) に変換した。
このFDTD法では、金属の物性を計算に取り入れる必要があることから、「Drude モデル」を用いた。このモデルは金属の光物性を説明するものであり、自由電子の慣性と、平均自由行程の値とをパラメータとして持つ。以降では、アルミニウムのパラメータを用いた。なお、本発明の範囲及びシミュレーションの適用範囲がアルミニウムに限られるわけではない。シミュレーションで用いた Drudeモデルパラメータは、アルミニウムの複素誘電率についての以下の文献3に記載される値をフィッティングすることで決定した。
文献3: Hagemann, H. J., Gudat, W., Kunz, C. ; DESY SR-74/7, Hamburg (1974)
ただし、アルミニウムは可視光領域の短波長側にバンド間遷移の影響が現れる。バンド間遷移は原子核に束縛された電子に由来する現象であり、自由電子による影響が支配的な金属格子の偏光分離機能にほとんど影響しないと考えられる。そこで、束縛電子の影響が少なく、アルミニウム中の自由電子の振る舞いが強く反映される赤外領域の複素誘電率から Drudeモデルパラメータを決定し、FDTD法による計算を行った。計算で用いたパラメータを以下に示す。
〔FDTD計算パラメータ〕
境界条件
Perfectly Matched Layer(PML)吸収境界条件:8層3次、反射係数1×10-10
周期境界条件:セルサイズdx=5nm、時間ステップdt=9×10-18sec
〔Drude パラメータ〕
以下の(6)で表される Drudeの式において、プラズマ角周波数ωp=1.88×1016sec-1、衝突周波数νc=1.13×1014sec-1とした。
Figure 0004600013
ここで、εは複素誘電率であり、光角周波数ωの関数として表現した。また、光角周波数ωは光周波数fと、ω=2πfの関係で結ばれる。iは虚数を表す。 Drudeモデルは、Piecewise Linear Recursive Convolution法(PLRC法)によって計算に取り込んだ。なお、ここに示したFDTD法の計算パラメータの意味及びPML・PLRC法は、先の文献1に詳細に述べられている。
以上のようにして行われるシミュレーションの概念を図10に模式的な斜視図で示す。この例では、断面が長方形で長さが無限大の金属細線20が支持体中に埋め込まれて偏光分離素子が構成されているものとし、その偏光分離素子の厚さ方向(金属細線20における断面長方形の高さ方向)をx軸とし、金属細線20が周期的に配列している方向(金属細線20における断面長方形の幅方向)をy軸とし、金属細線20の長さ方向をz軸としている。また、金属細線20は、y軸方向に無限に周期配列するものとする。
そして、金属細線20の領域を含んでx軸方向に長いFDTD計算領域70(図10において、太線で囲まれた横に長い直方体領域)を設定する。このFDTD計算領域70のうち、x軸に垂直な面73(図10における直方体のうち、右側の領域に右下がりの斜線を付した面)は、PML吸収境界条件適用面となる。また、y軸に垂直な面74(図10における直方体のうち、右側の領域に右上がりと右下がりの斜線を付した面)とz軸に垂直な面75(図10における直方体のうち、右側の領域に右上がり斜線を付した面)は、周期境界条件適用面となる。このFDTD計算領域70のx軸方向を光の伝播方向78とし、このFDTD計算領域70を、そのz軸方向高さを1辺とする立方体からなる多数のセル80に分割する。
シミュレーションにおいて分割されるセルのモデルを図11に示す。この図では、一つのセルを正方形80で表し、その重心座標を黒点81で表している。そして、金属細線の断面が円又は楕円であって、それと支持体との境界面82が、太線で表す円弧状になっているものとする。円弧で表される境界面82の内側が金属細線20であり、外側が支持体10である。セルの重心座標81が金属細線20側にあるか支持体10側にあるかによって、そのセルを金属細線20からなる媒質とみなすか、支持体10からなる媒質とみなすか決定する。図11では、斜線を付したセルが金属細線20からなる媒質とみなされ、斜線の付されていない白色のセルが支持体10からなる媒質とみなされて、シミュレーションが行われる。
次に、計算モデルの詳細について述べる。FDTDでは、各セルに計算する構造に応じた光学定数を割り当てることで計算を行う。例えば、半径rの円柱金属ワイヤー配列についてシミュレーションを行う場合、金属格子内部に相当する位置にある立方体セルに対しては金属の光学定数を割り当て、それ以外のセルについては高分子樹脂の光学定数(誘電率)を割り当てる。このようにして、円柱、四角柱、三角柱、又は断面が台形をした細線の形状をシミュレーションに取り込んだ。
FDTD法で用意した計算領域は、光が伝搬するx軸方向に 約1,600セル、細線が周期的に配列しているy軸方向に約50セル(金属細線のピッチによる)、金属細線が伸びるz軸方向に1セルを配列させたものを用いた。このうち、x軸に垂直な計算領域境界面73に対してはPML吸収境界条件を、またy軸に垂直な境界面74及びz軸に垂直な境界面75に対しては周期境界条件を適用して、計算を行った。すなわち、y軸方向の金属細線20の配列は無限に続いており、またz軸方向に金属細線20が無限に伸びている系のシミュレーションとなる。
[例1:赤色カラーフィルター]
金属細線はアルミニウムからなり、その断面形状は、幅が110nmで高さが140nmの概略長方形とする。屈折率が約1.50である高分子フィルム中に、この細線が150nm のピッチにて、細線断面の高さ方向をフィルムの厚み方向にして一列で、かつ、細線同士が互いに平行となるように配列した状態で埋め込まれているものとする。細線の幅とピッチの比(D/P)は、110/150=0.73 となる。この偏光分離素子は、概ね図2に示した断面形状のものである。この偏光分離素子の偏光分離能は、約99%となる。また、透過偏光のスペクトルは680nm付近にピークを有し、ピーク透過率は約92%となる。この他、430nmでの透過率は約12%、520nmでの透過率は約20%である。この偏光分離素子は、可視光域の比較的長波長側である680nm付近で高い透過率を示すことから、赤のカラーフィルターとなる。
[例2:緑色カラーフィルター]
金属細線はアルミニウムからなり、その断面形状は、幅が110nmで高さが95nmの概略長方形とする。屈折率が約1.50である高分子フィルム中に、この細線が150nm のピッチにて、細線断面の高さ方向をフィルムの厚み方向にして一列で、かつ、細線同士が互いに平行となるように配列した状態で、埋め込まれているものとする。細線の幅とピッチの比(D/P)は、110/150=0.73 となる。この偏光分離素子は、概ね図2に示した断面形状のものである。この偏光分離素子の偏光分離能は、約99%となる。また、透過偏光のスペクトルは520nm付近にピークを有し、ピーク透過率は約90%となる。この他、430nmでの透過率は約12%、680nmでの透過率は約38%である。この偏光分離素子は、可視光域の中央付近の波長である520nm付近で高い透過率を示すことから、緑のカラーフィルターとなる。
[例3:青色カラーフィルター]
金属細線はアルミニウムからなり、その断面形状は、幅が110nmで高さが70nmの概略長方形とする。屈折率が約1.50である高分子フィルム中に、この細線が150nm のピッチにて、細線断面の高さ方向をフィルムの厚み方向にして一列で、かつ、細線同士が互いに平行となるように配列した状態で、埋め込まれているものとする。細線の幅とピッチの比(D/P)は、110/150=0.73 となる。この偏光分離素子は、概ね図2に示した断面形状のものである。この偏光分離素子の偏光分離能は、約98%となる。また、透過偏光のスペクトルは430nm付近にピークを有し、ピーク透過率は約82%となる。この他、520nmでの透過率は約32%、680nmでの透過率は約28%である。この偏光分離素子は、可視光域の比較的低波長側である430nm付近で高い透過率を示すことから、青のカラーフィルターとなる。
ここに示した例は、各色を呈する構造パラメータの一例であって、本発明はこれらのパラメータに限らない。
金属格子型偏光分離素子の例を模式的に示す斜視図である。 偏光分離素子の例を示す断面模式図である。 偏光分離素子のもう一つの例を示す断面模式図である。 偏光分離素子のさらにもう一つの例を示す断面模式図である。 偏光分離素子のもう一つ別の例を示す断面模式図である。 偏光分離素子のさらに別の例を示す断面模式図である。 多色構成のカラーフィルターの配置例を模式的に示す斜視図である。 液晶表示装置に本発明のカラーフィルターを組み込んだ例を模式的に示す断面図である。 投射型表示装置の構成例を模式的に示す説明図である。 シミュレーションの概念を説明するための模式的な斜視図である。 シミュレーションにおいて分割されたセルのモデルを表す図である。
符号の説明
10……支持体、
20〜25……金属細線、
P……金属細線のピッチ、
D……金属細線の幅、
H……金属細線の断面における高さ、
30……カラーフィルター、
31……赤(R)チャンネル用の金属格子型偏光分離素子、
32……緑(G)チャンネル用の金属格子型偏光分離素子、
33……青(B)チャンネル用の金属格子型偏光分離素子、
35……カラーフィルターの基板、
40,41……液晶セル基板、
42……液晶層、
43,44……液晶セルの電極、
45,46……配向膜、
47……バックライト、
48……偏光板、
50,51,52,53……ダイクロイックミラー、
54,55……全反射ミラー、
56R,56G,56B……液晶セル、
57R,57G,57B……入射側偏光板、
58R,58G,58B……出射側偏光板、
59R,59G,59B……集光レンズ、
61……白色光源、
63……UV・IRカットフィルター、
66……投射レンズ、
67……スクリーン、
70……FDTD計算領域(セル配列)、
73……計算領域のx軸に垂直な面(PML吸収境界条件適用面)、
74……計算領域のy軸に垂直な面(周期境界条件適用面)、
75……計算領域のz軸に垂直な面(周期境界条件適用面)、
78……光の伝播方向、
80……シミュレーションで分割されたセル、
81……セルの重心座標、
82……境界面。

Claims (12)

  1. 平板状の支持体に、金属からなる複数の細線が互いに平行となるように埋め込まれて配列しており、該細線のピッチ(P)が100nm以上300nm以下であり、細線の幅(D)と細線のピッチ(P)の比(D/P)が 0.6より大きく、細線の長さ方向に直交する断面における当該細線の高さが50nm以上500nm以下である金属格子型偏光分離素子からなることを特徴とする、カラーフィルター。
  2. 金属細線の表面が金属酸化物膜で覆われている、請求項1に記載のカラーフィルター。
  3. 平板状の支持体が高分子樹脂で構成されている、請求項1又は2に記載のカラーフィルター。
  4. 金属細線の幅(D)とピッチ(P)の比(D/P)が0.6を超え0.8以下である、請求項1〜3のいずれかに記載のカラーフィルター。
  5. 590nm以上800nm以下の波長において透過率ピークを示すように金属細線の長さ方向に直交する断面の高さが調節されている、請求項1〜3のいずれかに記載のカラーフィルター。
  6. 490nm以上570nm以下の波長において透過率ピークを示すように金属細線の長さ方向に直交する断面の高さが調節されている、請求項1〜3のいずれかに記載のカラーフィルター。
  7. 400nm以上490nm以下の波長において透過率ピークを示すように金属細線の長さ方向に直交する断面の高さが調節されている、請求項1〜3のいずれかに記載のカラーフィルター。
  8. 平板状の支持体に、金属からなる複数の細線が互いに平行となるように埋め込まれて配列しており、該細線のピッチ(P)が100nm以上300nm以下であり、細線の幅(D)と細線のピッチ(P)の比(D/P)が 0.6より大きく、細線の長さ方向に直交する断面における当該細線の高さが50nm以上500nm以下である金属格子型偏光分離素子であって、透過率ピークを示す波長が異なる複数の素子が配列されていることを特徴とする、カラーフィルター。
  9. 金属細線の長さ方向に直交する断面の高さの違いにより透過率ピークを示す波長が異なる、請求項8に記載のカラーフィルター。
  10. 590nm以上800nm以下の波長において透過率ピークを有する金属格子型偏光分離素子と、490nm以上570nm以下の波長において透過率ピークを示す金属格子型偏光分離素子と、400nm以上490nm以下の波長において透過率ピークを示す金属格子型偏光分離素子とが配置されている、請求項8又は9に記載のカラーフィルター。
  11. 液晶セルに、請求項10に記載のカラーフィルターが組み込まれていることを特徴とする、液晶表示装置。
  12. 白色光源と、液晶セルと、拡大投射手段とを有し、液晶セルには、請求項1〜7のいずれかに記載のカラーフィルターが組み込まれていることを特徴とする、投射型表示装置。
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