JP4589804B2 - 偏光制御素子および偏光制御素子の偏光制御方法 - Google Patents

偏光制御素子および偏光制御素子の偏光制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、高効率、高耐熱性、高耐光性を有する偏光制御素子および偏光制御素子の偏光制御方法に関するものである。
従来、偏光板や波長板などの偏光制御素子は、直交する二つの方向に対し、伝搬特性および吸収特性に異方性をもたせることにより、入射光の偏光方向の1成分を透過させたり、位相を変調させて偏光状態を、直線偏光から円偏光のように、偏光させたりする素子である。このような素子は、たとえば、液晶パネルや有機EL(electroluminescence)ディスプレイの画素のオン・オフに利用されるほか、エリプソメトリー(偏光解析)などの光計測技術や、レーザー干渉計、光シャッターなど、様々な光学機器ならびに計測機器に利用されている。特に、液晶プロジェクタなどの画像投影装置への需要が伸びている。
偏光板は、自然偏光を直線偏光に変換する素子であり、入射光の直交する偏光成分の一方のみを透過させ、他方を吸収(または反射・散乱)により遮蔽するものである。現在特に液晶パネルに用いられる偏光板の多くは、ポリビニルアルコールなどの基板フィルムにヨウ素や有機染料などの二色性の材料を染色・吸着させ、高度に延伸・配向させることで吸収二色性を発現させるものである。
一方、1/2波長板や1/4波長板のようなリターデーションプレート(または位相シフター)は、複屈折性の光学結晶により作られ、常光線と異常光線の屈折率の違いにより偏光状態を変調するものである。この常光線と異常光線の光路差が波長の1/2となるものが1/2波長板(half−wave plate)であり、1/4となるものが1/4波長板(quarter−wave plate)である。このような、複屈折性を示す材料としては、方解石や水晶が用いられる。
ところで、吸収を利用する偏光制御素子は、熱による影響を受けやすく、透明度の低下、焦げる、といった問題があり、照射光量を大きくすることができない。また、使用温度条件が厳しく、液晶プロジェクタなどで使用する場合には、冷風機構が必要であり装置の小型化が困難、埃の付着による画質欠陥を生じるなど従来から解決すべき課題があった。
また、屈折率の異方性を利用する偏光制御素子においては、複屈折性を示す光学結晶材料が限定されており、使用できる波長領域に制限があるなどの課題がある。また、光学結晶材料を貼り合わせることにより膜厚、すなわち光路差を調整し、偏光状態を制御しているので、光学結晶材料に対する依存性が強く、偏光制御性の自由度が低い。また、偏光制御素子自体を小型化、薄型化することが困難であるなどの課題があった。
そこで、このような課題に対し、以下に示すような従来の技術が知られている。まず、量産性がよく、低コストで製造できる、耐熱性の優れた偏光制御素子として、透明基板に、金やアルミニウムの細線を形成したワイヤグリッド偏光子が提案されている。この偏光素子は2.5μmより長波長の光に対して機能する偏光素子として実用化されている。これに対し近年の微細加工技術の進歩により、可視波長(400〜700nm)で駆動できるワイヤグリッド構造が開示されている(たとえば、特許文献1参照)。
この特許文献1における課題は、全可視スペクトルに渡って、高い透過と反射の効率を提供できるワイヤグリッド偏光子を提供する。また、広い範囲の入射角に渡って、高い効率を実現可能なワイヤグリッド偏光子を提供することである。その解決手段は、図14に示すように、ワイヤグリッド偏光子は基板1210上で支持される複数の細長い素子1240を有し、基板の屈折率よりも低い屈折率を有する領域1250が素子と基板との間に配置され、共鳴が発生する最も長い波長を低減する。このようなワイヤグリッド偏光子は、透明基材の片面に、アルミニウムの薄膜を形成し、これをパターンエッチングすることで、可視の波長程度の微小グリッド構造を構成する。このとき、微小グリッドの細線方向について、偏光面がこれに直交する光は透過し、偏光面が平行な光は反射する。これにより、入射角依存性が比較的小さく、円錐光線群に対して比較的良好な偏光分離機能を提供している。
また、偏光状態を制御する波長板または位相板を二次元表面における光の相互作用により実現する方法として、非特許文献1、特許文献2に示すような、支持基板上に微小な金属パターンを形成することにより偏光状態を制御する提案が行われてい
上記非特許文献1は、図15に示すように、電子ビームリソグラフィ技術を用い、波長以下のピッチで金のL字構造を有する非対称なナノ微粒子を基板上に作製した。このような構造体に光を照射すると、図15の右図に示すように、透過光は入射光の偏光面の向きに依存して異なる吸収スペクトルを示す。ナノ微粒子の非対称性を利用した偏光選択素子が実現されている。また、対称性の乱れにより、第二高調波発生も観測されている。
また、上記特許文献は、図16に示すように、平滑なSi基板上に、卍型やC型またはその鏡像対称の金属パターンを有することを特徴とする光デバイスに関するものである。パターンのサイズは700nmから4μmであり、パターンの端部の傾きが直角から傾いたカイラリティ(chirality)を有しており、この傾きの大きさに依存して、偏光方向の二成分に位相差が生じ、また、パターン端部の向きに依存して右回り、および左回り偏光の違いが生じる。また、圧電体層を設けることにより、偏光特性の制御が可能な光学素子などが開示されている。
一方、大面積で、88%以上の可視光域の偏光度を有し、無着色の偏光子を提供する技術が開示されている(たとえば、特許文献参照)。ここでは、図17に示すように、透明な支持体31上に、半導体または金属よりなる細線33を直線状かつ互いに並行になるように電子線リソグラフィもしくはX線リソグラフィによる描画工程を含むリフトオフ法を用いて、形成することにより偏光子を製造する。このとき得られる細線は、幅50〜300Å、および間隔0.5〜1.5μmの範囲で、さらには高さが0.1〜3μmの範囲で形成される。さらには、前記細線間を支持体31と同等の屈折率を有する物質32で充填するようにし、また、支持体31の表裏の少なくとも一方に反射防止膜34を設けることにより、透過光量を増加させるようにしている。
特表2003−502708号公報 国際公開第03/054592号パンフレット 特開平10−153706号公報 OPTICS EXPRESS Vol. 12, No. 22 (2004) 5418B. K. Canfield, S. Kujala, K. Jefimovs, J. Turunen, M. Kauranen,"Linear and nonlinear optical responses influenced by broken symmetry in an array of gold nanoparticles"
しかしながら、上記に示されるような従来の技術にあっては、以下に示すような問題点があった。特許文献1および特許文献に示す偏光子は、ともに反射型または散乱型の偏光子であり、入射光における二つの偏光成分のうち、一方を遮断するものである。したがって、本偏光子のみによる光学系の構成では、入射光の光エネルギーは最低でも50%以上失われることになる。また、ワイヤグリッド型の偏光素子では、消光比を十分に取れないといった問題点があった。
また、特許文献は、ナノサイズの金属パターンにより偏光面を制御できる機構を示したものであるが、この場合も吸収と散乱の異方性を利用した動作原理に基づいたものであり、高い光利用効率は得られない。また、図15に示すように、現在の加工技術では、均一な非対称構造を精度よく作製することは困難であるため、形状のバラツキが生じ、所望の偏光制御特性が得られないといった問題点があった。
また、特許文献は、ナノサイズの金属パターンのカイラリティを利用して、直線偏光を楕円偏光に変換する、位相板に相当する機能を有しているが、大きな楕円率が得られておらず、実用的な1/2波長板や1/4波長板を実現するのは困難といった課題がある。また、構造が複雑であり、加工精度の問題から、均一なカイラリティを有する構造を精度よく作製することは困難であり、形状のバラツキにより所望の偏光制御特性が得られないといった課題がある。
さらに、これらの従来技術による偏光制御素子は、素子固有の光学応答特性を有した受動光学素子であり、実現したい機能が複雑になるほど光学素子の数が増加し、光学システムの小型化、軽量化などに制約が生じるといった問題点があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、耐熱性、耐光性に優れ、光の透過率または反射率の高い偏光制御素子を提供するとともに、設計自由度の高い偏光制御素子を提供することを第1の目的とする。
また、偏光状態の選択自由度の高い偏光制御素子を提供することを第2の目的とする。また、可変な偏光制御機能を有する偏光制御素子を提供することを第3の目的とする。また、偏光制御素子の具体的な偏光制御方法を提供することを第4の目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、二つ以上の金属微小構造体の群で構成された金属複合構造体を有し、前記金属複合構造体は、支持基板上に、入射する光の回析限界に対して小さな領域内に配置され、かつ周期的に配列されていることを特徴とする。
この請求項1の発明によれば、二つ以上の金属微小構造体をサイズ程度の間隔で配置したことにより、近接場光を介した金属微小構造体内のプラズモンの相互作用が生じ、金属微小構造体の配列方向およびその直交する方向において異なる位相差を生じさせることが可能になり、吸収または反射(散乱)ではない形態で光透過率または反射率の高い偏光制御素子が実現可能になる。
また、請求項にかかる発明は、二つ以上の金属微小構造体の群で構成された金属複合構造体が、入射する光の回析限界に対して小さな領域内に配置され、かつ周期的に配列されて形成され、電圧の印加によって変形する圧電材料の支持基板と、前記支持基板の変形を電圧印加によって制御する電圧制御手段と、を備えたことを特徴とする。
この請求項の発明によれば、金属微小構造体および金属複合構造体を圧電材料の表面に構成することにより、外部電界の印加にともない圧電材料の伸縮が生じ、金属微小構造体間の距離を変化させることで、電界制御による可変な偏光制御が可能になる。
また、請求項にかかる発明は、1の金属材料と誘電体材料と第2の金属材料を積層した二つ以上の金属微小構造体で構成され、入射する光の回析限界に対して小さな領域内に配置され、かつ周期的に配列された金属複合構造体が形成され、電圧の印加によって変形する圧電材料の支持基板と、前記支持基板の変形を電圧印加によって制御する電圧制御手段と、を備えたことを特徴とする。
この請求項の発明によれば、金属微小構造体および金属複合構造体を圧電材料の表面に構成することにより、外部電界の印加にともない圧電材料の伸縮が生じ、金属微小構造体間の距離を変化させることで、電界制御による可変な偏光制御が可能になる。
また、請求項にかかる発明は、前記金属微小構造体を構成する金属材料は、Ag、Au、Pt、Al、Cuのプラズモンを発生する金属材料のいずれか一種類または二種類以上により構成されることを特徴とする。
この請求項の発明によれば、請求項1、2または3において、偏光制御素子を構成する金属微小構造体は上記に示す金属材料が利用されているため、耐熱性、耐光性の優れた素子が実現可能になる。
また、請求項にかかる発明は、前記金属複合構造体は、正方格子、六方格子、ストライプ状のいずれか一つに配列した周期構造で形成されることを特徴とする。
この請求項の発明によれば、請求項1〜のいずれかにおいて、金属複合構造体の周期配列により構成することにより、遠方場における電界の空間パターンを制御する機能を有する偏光制御素子が実現可能になる。
また、請求項にかかる発明は、二つ以上の金属微小構造体の群で構成された金属複合構造体を、入射する光の回析限界に対して小さな領域内に配置し、かつ周期的に配列して支持基板上に形成し、前記金属複合構造体を構成する二つの金属微小構造体間の距離を調整することにより、前記入射光の偏光状態を制御することを特徴とする。
この請求項の発明によれば、二つの金属微小構造体の間隔を調整することにより、近接場光による相互作用の強さが制御可能になる。
また、請求項にかかる発明は、二つ以上の金属微小構造体の群で構成された金属複合構造体を、入射する光の回析限界に対して小さな領域内に配置し、かつ周期的に配列し、電圧の印加によって変形する圧電材料の支持基板に形成し、前記金属複合構造体を構成する二つの金属微小構造体間の距離を調整することにより、前記入射光の偏光状態を制御することを特徴とする。
この請求項の発明によれば、二つの金属微小構造体の間隔を調整することにより、近接場光による相互作用の強さが制御可能になる。
また、請求項にかかる発明は、三つ以上の金属微小構造体の群で構成された金属複合構造体を、入射する光の回析限界に対して小さな領域内に配置し、かつ周期的に配列するとともに、この金属複合構造体を、支持基板上に非対称に形成し、この非対称性を調整することにより、前記入射光の偏光状態を制御することを特徴とする。
この請求項の発明によれば、三つ以上の金属微小構造体により非対称な金属複合構造体を形成することにより、プラズモンの縦振動と横振動の振幅比および位相差の設計自由度を向上させることが可能になる。
また、請求項にかかる発明は、三つ以上の金属微小構造体の群で構成された金属複合構造体を、入射する光の回析限界に対して小さな領域内に配置し、かつ周期的に配列するとともに、この金属複合構造体を、電圧の印加によって変形する圧電材料の支持基板上に非対称に形成し、この非対称性を調整することにより、前記入射光の偏光状態を制御することを特徴とする。
この請求項の発明によれば、つ以上の金属微小構造体により非対称な金属複合構造体を形成することにより、プラズモンの縦振動と横振動の振幅比および位相差の設計自由度を向上させることが可能になる。
また、請求項10にかかる発明は、前記金属微小構造体のサイズを調整することにより、前記入射光の偏光状態および偏光制御素子の動作波長を制御することを特徴とする。
この請求項10の発明によれば、請求項6、7または8において、金属微小構造体のサイズを調整することにより、近接場光による相互作用の強さが制御可能になる。
本発明(請求項1)にかかる偏光制御素子は、二つ以上の金属微小構造体をサイズ程度の間隔で配置したことにより、近接場光を介した金属微小構造体内のプラズモンの相互作用が生じ、金属微小構造体の配列方向およびその直交する方向において異なる位相差を生じさせることが可能になり、吸収または反射(散乱)ではない形態で光透過率または反射率の高い偏光制御素子が実現するとともに、設計自由度の高い偏光制御素子を提供することができるという効果を奏する。
また、本発明(請求項)にかかる偏光制御素子は、金属微小構造体および金属複合構造体を圧電材料の表面に構成することにより、外部電界の印加にともない圧電材料の伸縮が生じ、金属微小構造体間の距離を変化させることで、電界制御による可変な偏光制御を行うことができるという効果を奏する。
また、本発明(請求項)にかかる偏光制御素子は、金属微小構造体および金属複合構造体を圧電材料の表面に構成することにより、外部電界の印加にともない圧電材料の伸縮が生じ、金属微小構造体間の距離を変化させることで、電界制御による可変な偏光制御を行うことができるという効果を奏する。
また、本発明(請求項)にかかる偏光制御素子は、請求項1、2または3において、偏光制御素子を構成する金属微小構造体は上記に示す金属材料が利用されているため、耐熱性、耐光性の優れた偏光制御素子を提供することができるという効果を奏する。
また、本発明(請求項)にかかる偏光制御素子は、請求項1〜のいずれかにおいて、金属複合構造体の周期配列により構成することにより、遠方場における電界の空間パターンを制御する機能を有する偏光制御素子を提供することができるという効果を奏する。
また、本発明(請求項)にかかる偏光制御素子の偏光制御方法は、二つの金属微小構造体の間隔を調整することにより、近接場光による相互作用の強さが制御可能になるため、設計自由度の高い偏光制御素子を提供することができるという効果を奏する。
また、本発明(請求項)にかかる偏光制御素子の偏光制御方法は、二つの金属微小構造体の間隔を調整することにより、近接場光による相互作用の強さが制御可能になるため、設計自由度の高い偏光制御素子を提供することができるという効果を奏する。
また、本発明(請求項)にかかる偏光制御素子の偏光制御方法は、三つ以上の金属微小構造体により非対称な金属複合構造体を形成することにより、プラズモンの縦振動と横振動の振幅比および位相差の設計自由度を向上させることができるという効果を奏する。
また、本発明(請求項)にかかる偏光制御素子の偏光制御方法は、つ以上の金属微小構造体により非対称な金属複合構造体を形成することにより、プラズモンの縦振動と横振動の振幅比および位相差の設計自由度を向上させることができるという効果を奏する。
また、本発明(請求項10)にかかる偏光制御素子の偏光制御方法は、請求項6、7または8において、金属微小構造体のサイズを調整することにより、近接場光による相互作用の強さが制御可能になるため、設計自由度の高い偏光制御素子を提供することができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる偏光制御素子および偏光制御素子の偏光制御方法の最良な実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態にかかる偏光制御素子および偏光制御方法に関して、図1〜7を参照し説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる偏光制御素子の機能を示す説明図である。この図1に示すように、偏光制御素子10は、入射直線偏光4による偏光状態を、素子内部に含む金属複合構造体と光との相互作用により変調し、偏光制御された出射光5として利用するものである。この図1では、偏光制御素子10により入射直線偏光4が円偏光に変換される一例を示しており、従来の1/4波長板と同等の機能を有している。
図2は、図1における偏光制御素子の構成を示す断面図である。この偏光制御素子10は、支持基板1上に、入射光の回折限界(波長程度)以下のサイズを有する金属微微小造体2(図2の例では円柱型構造体)が波長以下の領域に隣接して配置された金属複合構造体6が、周期的に配列した構造を有している。光は上方の金属微小構造体2の存在する面から入射され、反射型の偏光制御素子10として利用する場合には反射光5bを、透過型の偏光制御素子として利用する場合には透過光5aを、成分分離型の偏光制御素子として利用する場合には透過光5aと反射光5bの両方の成分を、偏光制御された出射光として利用する。
図3−1、図3−2、図3−3は、図2における金属複合構造体の周期配列の例を示す説明図である。図3−1は正方格子上の格子点に金属複合構造体6を配列した場合、図3−2は六方格子上の格子点に金属複合構造体6を配列した場合、図3−3はストライプ状に金属複合構造体6を配列した場合の構成を示す平面図である。周期構造は、偏光制御素子10の角度依存性や波長依存性を与えるものであり、偏光制御素子10の使用目的に応じて、対称性や周期、ピッチなどを調整する。
この偏光制御素子10に使用する支持基板1は、透過型の素子を構成する場合には、高効率化のために可視領域の波長において吸収の低い材料が好ましく、石英ガラスや、BK7、パイレックスなどの硼珪酸ガラス、CaF2、Si、ZnSe、Al23などの光学結晶材料などを利用する。また、反射型の素子を構成する場合には、反射率の高い材料が好ましく、上記の光学ガラス、光学結晶材料に、AlやAuなどの金属膜コーティングを施す。この際の膜厚は、金属中に光がしみ込む表皮深さよりも厚くする必要がある。本例では、30nmから100nm程度の膜厚とする。また、誘電体多層膜による全反射コーティングを施したものであってもよい。また、透過光と反射光の両方を利用するビームスプリッタなどとして利用する場合には、部分反射膜としてCrコーティングなどを利用する。
つぎに、この偏光制御素子10における偏光状態を変調する機構となる金属微小構造体2および金属微小構造体2の集団による金属複合構造体6について説明する。金属微小構造体2を構成する材料は表面プラズモンまたは局在表面プラズモンを励起できる材料である必要がある。ここで、表面プラズモンとは、金属と誘電体の界面領域の金属側に励起される電子の集団運動であり、局在表面プラズモンとは、金属による構造が微小になった場合に、金属材料全体に渡って励起される電子の集団運動である。以下では表面プラズモン、局在表面プラズモンを、ともにプラズモンと記述する。プラズモンは、金属微小構造体2近傍の電磁界と結合し、伝搬光成分に変換されて遠方場へ放出される。伝搬光への変換効率は、金属微小構造体2により決まる共鳴周波長近傍で最大となる。プラズモンを励起できる金属材料としては、Au、Ag、Pt、Al、Cuなどが利用できる。このような金属微細構造体2が二つないしは複数個、近接して配置された構造を金属複合構造体6と記述する。ここで、プラズモンとは金属中における電子の集団運動のことである。
図2に示す偏光制御素子10は、二つの円筒形状の金属ドットが間隔dだけ離れた配置を有する金属複合構造体6により構成されている。金属微小構造体2の形状は円筒形状に限る必要はなく、加工の容易さから、半球形状などであっても構わない。ここで、金属複合構造体6は、入射する光の回折限界に対して十分に小さな領域内に存在している必要があるため、金属微小構造体2のサイズは制限され、10〜100nmのサイズが好ましい。遠方から照射される光、または遠方で観測される光においては、光の回折限界による制限から、金属複合構造体6の配置や形状は観測されない。しかしながら、金属複合構造体6に生じるプラズモンおよび近接場光を介したプラズモンの相互作用により、出射される光強度や振動の向きに対する位相差が金属微小構造体2の大きさや配置に依存して変化する。
このような金属微小構造体2ならびに金属複合構造体6の作製は、様々な加工方法により可能である。たとえば電子ビームリソグラフィ技術を用いた直接描画による方法や、DUV(遠紫外線)・EUV(深紫外線)リソグラフィ技術による一括露光を行う方法、モールドと呼ばれる型を用い、熱をかけて押し付けるナノインプリント技術などが利用できる。また、相変化材料や遷移金属酸化物材料にレーザー光を照射することにより、材料特性を変化させ、エッチングレートの違いを利用してエッチングする手法が利用できる。
つぎに、このような方法で作製された金属複合構造体に入射した光の偏光状態が、構造に依存して変化する原理を、数値計算結果に基づいて説明する。数値計算には、電磁界の運動を記述するマクスウェル方程式を時空間の差分方程式に近似して解く、有限時間領域差分法(FDTD法)を利用した。図4−1、図4−2は、数値計算に使用したモデルを表しており、空気中に存在するサイズ(直径)40nmの二つのAu球における近接する端部の間隔dを0〜80nmまで変化させた場合の、反射遠方場における偏光状態の変化を調べた。Auの光学定数は、屈折率n=0.072、k=1.496を用いた。この値は、金属球が50nm以下程度に小さくなった場合に、金属球のサイズに依存した光学定数の変化を考慮した値である。
FDTD法により得られた金属複合構造体6(本例ではAu球とする)近傍の電界分布から遠方場光の特性を得るために、電界分布のフーリエ変換により角度θ=0°の成分を抽出し、図4−1、図4−2に示すx方向とy方向の振幅比と位相差を算出した。40nmのAu微小球のプラズモン共鳴波長近傍である波長544nmを用い、図4−1、図4−2に示すxy面内においてx軸から45°の方向に電界の振動方向をもつ平面波を照射する計算を行った。
図5−1は振幅比を示すグラフであり、dが大きな領域においては振幅比が1に近づき、偏光面(電界の振動方向)が入射光の偏光方向と一致していることがわかる。これに対し、d=0近傍に近づくにつれて、振幅比が増加し、すなわち偏光面がy方向へ傾く。一方、図5―2に示すグラフは電界のx成分とy成分の位相差を表している。dがゼロに近づくほど、位相差が大きくなり、d=0の場合に位相差が45°程度となる。以上のFDTD法によるシミュレーションの結果から、Au微小球の間隔を制御することにより、偏光面を回転させることができ、また、偏光状態を、たとえば直線偏光から楕円偏光に変換することができる。金属材料としてAg微小球を使用した場合にも、同様の計算結果が得られるが、この場合、偏光状態に変化の生じる波長領域はAg微小球のプラズモン共鳴波長近傍である波長400nm近傍であった。
ところで、金属微小構造体6は空気中に剥き出しになっている必要はなく、金属微小構造体2ならびに金属複合構造体6の劣化を防ぐために、むしろ誘電体による保護膜を有しているほうが好ましい。この場合、金属微小構造体を被覆する材料の光学定数(屈折率、消衰係数)に依存して金属微小構造体2の内部に励起されるプラズモンの共鳴波長がシフトする。したがって、保護層はプラズモンの共鳴波長を調整する機能も有する。図6は、誘電体薄膜7により被覆された金属微小構造体2ならびに金属複合微細構造体6を有する偏光制御素子の一例を示した説明図である。誘電体材料7は吸収の少ない材料により構成される必要があり、ZnS−SiO2などの光記録媒体の保護層として利用される遷移金属酸化物などが利用できる。
プラズモンの共鳴波長は、被覆する誘電体材料7に依存する他、金属微小構造体2自身のサイズにも依存して変化する。図7は、ミー散乱理論により解析的に計算した空気中に配置された単一Au微小球の中心部における電界強度をプロットしたグラフである。Au微小球の半径が5nm程度になると、ほとんどサイズには依存しなくなるが、半径25nmの場合と比較して約25nm程度の共鳴波長のシフトが生じ、サイズの増加に伴って電界強度が増強されることが確認された。共鳴波長のシフトと電界強度の増強は、金属材料や誘電体薄膜材料にも依存する。電界強度の増強はAu微小球の体積に比例した電気双極子モーメントの増大を意味しており、その結果、近接場光による相互作用も増強される。したがって、金属微小構造体2のサイズを変えることにより、偏光制御素子の偏光制御特性および動作波長を制御することが可能である。なお、ミー散乱とは、微粒子に対して球境界条件を課してマクスウェル方程式を厳密に解いたものであり、光の波長すなわちエネルギーは変わらず、光の波長とエネルギーは変わらず、進行方向が変化する現象をいう。
以上の結果から、二つの金属微小構造体2間の距離を制御することにより、偏光制御素子10の偏光状態、すなわち旋光角と直交する二方向の位相差を制御できることがわかる。既存の偏光板、波長板のような偏光制御素子は、吸収の異方性による偏光の一部分を切り捨てた偏光面の選択や、結晶の鏡像対称性による複屈折を利用するために、材料選択性の自由度が狭く、また、所望の偏光状態を得るためには素子サイズが大きくなってしまう。これに対し、本発明の偏光制御素子10は、支持基板1面内の金属微小構造体2の配置により位相遅れを制御して偏光制御を行うことが可能であるので、高効率化が可能となっている。また、金属材料を用いているため耐熱性、耐光性に優れた偏光制御素子10を提供することができる。
また、このような構成からなる光学素子の表面で発生している局在表面プラズモンは、表面近傍に近接場光を形成し、この近接場光は波長サイズ以下の領域に局在している。そのため、近接場光素子として用いることで回折限界以下の分解能で計測・分析を行うことが可能であり、また、光リソグラフィに応用することで従来よりも微細なパターニングを行うことも可能である。特に後者に関しては、近接場光の非断熱過程による作用のため、レジストと反応しないような可視光源でも感光させることができ、短波長光源やそれに対応した光学素子が不要になるので、装置の低コスト化が可能になるなどの効果もある。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態にかかる偏光制御素子および偏光制御方法に関して、図5〜10に参照し説明する。図8は、本発明の第2の実施の形態にかかる偏光制御素子の構成を示す平面図である。この偏光制御素子10は、第1の実施の形態と同様に、入射光の回折限界(波長程度)以下のサイズを有する金属微小構造体2が回折限界以下の領域に隣接して配置された金属複合構造体6が、周期的に配列した構造を有している。本偏光制御素子10に使用する支持基板1は、第1の実施の形態で説明したものと同様であり、透過型素子では石英ガラス、硼珪酸ガラス、光学結晶材料などの透明な材料、反射型素子では金属や、誘電体多層膜など、透過光と反射光の両方を使用する素子ではCrコーティングなどを利用する。金属微小構造体2および金属複合構造体6を被覆する誘電体材料をともなっていてもよい。第2の実施の形態の偏光制御素子では、金属複合構造体6を構成する複数の金属微小構造体2の空間配置に依存した偏光制御素子および偏光制御方法を提供するものである。
この偏光制御素子10は、素子内部に含まれる金属複合構造体6が空間的に非対称な構造を有していることを特徴としている。図8はこのような偏光制御素子の一例であり、L字構造の端部および屈曲部に金属微小構造体2を配置した構成となっている。金属微小構造体2は、第1の実施の形態で説明したように、Au、Ag、Pt、Al、Cuなどのプラズモンを励起できる金属材料を使用し、支持基板1上に周期的に配列されている。このような構造は、電子ビームリソグラフィ、DUV(遠紫外線)・EUV(深紫外線)リソグラフィ、ナノインプリント、材料物性の変質を利用したエッチングなどの微細加工技術を利用して作製する。各金属微小構造体2の形状は特に限定される必要はなく、円筒形状や、半球形状などのものが作製しやすい。ここで、金属複合構造体6は、入射する光の回折限界に対して十分に小さな領域に存在している必要がある。
つぎに偏光制御素子10における偏光制御の原理について説明する。図5−1、図5−2に示したように、二つの金属微小構造体が隣接して配置されている場合、金属微小構造体2間の距離が金属微小構造体2のサイズ程度に近接した場合、その距離依存した近接場光相互作用が働き、x方向とy方向の振幅比および位相差に変化が生じる。このような、金属微小構造体の対を図8に示すようにx軸およびy軸に平行に、距離を制御して配列することにより、x方向およびy方向の振幅比および位相差を、金属微細構造体2が二つだけの金属複合構造体6に比較してより高い自由度で選択することができる。さらに、この第2の実施の形態の偏光制御素子10では、L字構造の端部に位置する斜め方向の金属微小構造体2間の近接場光による相互作用が偏光状態に関与する。この斜め方向の金属微小構造体2間の結合を制御するためには、L字構造の辺の長さを調整するほか、二辺の角度を調整してやればよい。
図9は、二辺を90°から角度θだけ外側に変化させた金属複合構造体6を示す説明図である。この場合には、斜め方向の近接場光による相互作用が弱くなる。このように、三つの金属微小構造体による三通りの金属微小構造の対ができ、これらの距離を制御して金属複合構造体6を構成してやることにより、高い自由度で偏光状態を制御することが可能な偏光制御素子10を提供することができる。
また、図10−1、図10−2に示すように、斜め方向の結合に対しては、鏡像対称関係となる金属微小構造体2の二つの配置がある。ここでは、図10−1に示すような右手系、図10−2に示すような左手系という言葉でそれらを区分する。図中の矢印は、斜め方向に結合する金属微小構造の対におけるプラズモンの縦波による結合成分を示している。左手系と右手系の構成の違いにより、プラズモン振動のx方向成分の向きが反転していることがわかる。これは、左手系と右手系でx方向の位相が180°ずれる成分が存在することを意味している。このことを利用すると、直線偏光を右回り偏光または左回り偏光に変換する偏光状態の制御が可能となる。
上述する偏光制御の原理は、金属微小構造体2中に励起されるプラズモンの近接場光による結合方向、すなわちプラズモンの縦波、横波成分の異方性を利用するものである。したがって、金属微小構造体2の個数は三個に限定される必要はなく、波長以下の領域に金属微小構造体2が複数個配置した構成であってもよい。
金属中のプラズモンの共鳴を利用することから、偏光制御素子10は波長依存性を有する。ここで、第1の実施の形態で図7を用いて説明したように、この偏光制御素子10の動作波長を、金属微小構造体2のサイズにより制御することが可能である。また、図6を用いて説明したように、金属微小構造体2ならびに金属複合構造体6を被覆する誘電体薄膜7を構成することにより、動作波長を制御することが可能である。
以上のように、複数個の金属微小構造体2を用い、金属微小構造体2の空間的に非対称な配置を利用して、高い偏光選択自由度を有する偏光制御素子10を実現することができる。
(第3の実施の形態)
この第3の実施の形態は、第2の実施の形態とは異なる偏光制御素子および偏光制御方法に関するものである。
本発明の第3の実施の形態にかかる偏光制御素子および偏光制御方法に関して図5および図11を参照し説明する。図11は、本発明の第3の実施の形態にかかる偏光制御素子の構成を示す説明図である。この偏光制御素子10は、第1の実施の形態と同様に、入射光の回折限界(波長程度)以下のサイズを有する金属微小構造体2が回折限界以下の領域に隣接して配置された金属複合構造体6が、周期的に配列した構造を有している。ここで、金属複合構造体6は、異種の二種類以上の金属材料により構成されている。偏光制御素子10に使用する支持基板1は、第1の実施の形態と同様に、と同様に透過型素子では石英ガラス、硼珪酸ガラス、光学結晶材料などの透明な材料、反射型素子では金属や、誘電体多層膜などを利用する。また、金属微細構造体および金属複合構造体を被覆する誘電体材料をともなっていてもよい。
この偏光制御素子10は、素子内部に含まれる金属複合構造体6が二種以上の異種金属材料により構成されることを特徴としている。図11はこのような偏光制御素子の一例であり、金属材料2aによる金属微小構造体の対と、金属材料2aとは異なる金属材料2bによる金属微細構造体の対により構成される金属複合構造体6を有している。図11は金属材料1と金属材料2の金属微細構造体が平行に配列した構造を有しているが、同種金属により構成された金属微細構造体の対が、複数の材料に対して、入射光の波長以下の領域に存在していればよい。
このような金属微小構造体6は、第1の実施の形態で説明したように、Au、Ag、Pt、Al、Cuなどのプラズモンを励起できる金属材料を組み合わせて実現することができ、電子ビームリソグラフィ、DUV(遠紫外線)・EUV(深紫外線)リソグラフィ、ナノインプリント、材料物性の変質を利用したエッチングなどの微細加工技術を利用して作製することができる。各金属微細構造体の形状は特に限定される必要はなく、円筒形状や、半球形状などのものが作製しやすい。
つぎに、この光偏光制御素子の原理について説明する。図5に示したように、同種の二つの金属微小構造体2が隣接して配置された場合、近接場光による相互作用の結果、x方向とy方向のプラズモン振動に異方性が現れる。ここで、近接場光による相互作用の強さは、金属材料のプラズモン共鳴波長に依存して大きく変化するため、金属微小構造体2間の間隔に対する電界のx方向成分とy方向成分の振幅比および位相差は金属材料の種類ごとに異なる特性を有する。また、異種金属間の近接場光による相互作用は、プラズモンの共鳴波長が離れた金属材料を選択した場合には弱く、プラズモン振動の異方性は大きく現れないため、無視して考えてもよい。したがって、同種金属による金属微小構造体2の対と、異なる金属による金属微小構造体2の対を、それぞれに対して金属微小構造体の間隔を調整して配置することにより、入射光の偏光状態を多様に制御することが可能であり、また、偏光制御素子10の動作波長の範囲も設定することができる。
以上のように、異種金属を含んだ金属微小構造体を、同種金属材料による対にして入射光の波長以下の領域に配列した金属複合構造体6を有する構成により、この偏光制御素子10は高い自由度で偏光特性を制御することが可能となり、動作波長の範囲も金属材料の組み合わせにより広く選択することができる。
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態にかかる偏光制御素子および偏光制御方法に関して、図12を参照し説明する。図12は、本発明の第4の実施の形態にかかる偏光制御素子の構成を示す断面図である。この偏光制御素子10は、入射光の回折限界(波長程度)以下のサイズを有する金属微小構造体として、金属材料2aと、誘電体材料8と、金属材料2bが順に積層された構成を有している。また、このような金属微小構造体が回折限界以下の領域に隣接して配置された金属複合構造体が、周期的に配列した構造を有している。ここで、金属複合構造体は、異種の二種類以上の金属材料により構成されている。この偏光制御素子に使用する支持基板1は、第1の実施の形態と同様に透過型素子では石英ガラス、硼珪酸ガラス、光学結晶材料などの透明な材料、反射型素子では金属や、誘電体多層膜などを利用する。また、金属微細構造体および金属複合構造体を被覆する誘電体材料をともなっていてもよい。
この偏光制御素子10は、第3の実施の形態で説明した二種以上の金属材料を用いた偏光制御素子を積層構造により実現することを特徴としている。同一面内に異種の金属材料を作製することは、位置合わせの問題などから、加工精度における問題がある。しかしながら、異種金属材料による構成を有する本発明の偏光制御素子の場合、同種金属材料の対が構成されてさえいればよく、必ずしも金属微小構造体が支持基板1上の同一面内に存在する必要はない。したがって、図12に示すような積層構造を有する金属複合構造体を構成するほうが作製が容易になる点で好ましい。
このような金属微小構造体は、第1の実施の形態で説明したように、Au、Ag、Pt、Al、Cuなどのプラズモンを励起できる金属材料を組み合わせて実現することができる。金属材料2a、誘電体材料8、金属材料2bの順に、スパッタリング法により積層し、その後、電子ビームリソグラフィ、DUV(遠紫外線)・EUV(深紫外線)リソグラフィなどの手法により金属微小構造体の周辺部をエッチングにより除去する。また、金属材料2a、誘電体材料8、金属材料2bの順に積層した後、さらに光を照射することにより材料物性の変質しエッチングレートが変化する相変化材料や遷移金属酸化物材料を成膜して、光によるパターニングの後にエッチングにより周辺部を除去する方法が利用できる。この場合、最上層に相変化材料や遷移金属酸化物材料層が残るが、これはプラズモンの共鳴波長を変化させる効果があるため、使用する光の波長に適合した材料を選択する必要がある。
この光偏光制御素子の動作原理は、第3の実施の形態と同様であり、金属材料の種類に依存した近接場光による相互作用の結果、x方向とy方向のプラズモン振動の異方性を多様に得ることができ、入射光の偏光状態を制御することが可能となる。また、この偏光制御素子の動作波長の範囲も設定することができる。
(第5の実施の形態)
本発明の第5の実施の形態にかかる偏光制御素子および偏光制御方法に関して図13にしたがって説明する。この偏光制御素子10は、入射偏光状態を、素子内部に含む金属複合構造体と光の相互作用により、偏光の制御された出射光として取り出し利用するものであり、金属複合構造体6を構成する金属微小構造体2の相対的な位置を電気的に変化させてアクティブに入射偏光状態を変調することを特徴としている。図13は、偏光制御素子の構成を説明する断面図である。この偏光制御素子10は、圧電材料で形成される圧電体基板9を有しており、圧電体基板9を、圧電効果を利用して微少量変形させるための電圧制御機構11および電極12を有している。金属微小構造体2ならびに金属複合構造体6は、第1の実施の形態で説明した二つの間隔を制御して配置された金属微小構造体2を有する構成であってもよいし、第2の実施の形態で説明した金属微小構造体2の非対称な空間配置を有する構成であってもよい。また、第3の実施の形態および第4の実施の形態で説明した二種類または複数種類の金属材料による金属微小構造体を有する構成であってもよい。
金属微小構造体2は、第1の実施の形態で説明したように、Au、Ag、Pt、Al、Cuなどのプラズモンを励起できる金属材料を組み合わせて実現することができ、電子ビームリソグラフィ、DUV(遠紫外線)・EUV(深紫外線)リソグラフィ、ナノインプリント、材料物性の変質を利用したエッチングなどの微細加工技術を利用して作製することができる。各金属微小構造体の形状は特に限定される必要はなく、円筒形状や、半球形状などのものが作製しやすい。ここで、金属複合構造体2は、入射する光の回折限界に対して十分に小さな領域に存在している必要がある。金属微小構造体2および金属複合構造体6の保護、およびプラズモン共鳴波長の調整のため、誘電体薄膜7を最上層に配置してもよい。
圧電体基板9は、電圧の印加による変形を生じる圧電材料であればよく、このような材料として、水晶、LiNbO3、KNbO3などの単結晶材料を利用する。また、誘電体基板材料上に成膜した、ZnO、AlNなどの薄膜、PbZrO3、PbTiO3系などの焼結体を分極処理した圧電セラミックス、ポリフッ化ビニリデンなどの圧電高分子薄膜などであってもよい。このような基板に一様に電圧を印加するために圧電体基板9の上下に電極12を設け、外部に電圧制御機構11を有する構成としている。電極材料は、透過型の偏光制御素子として利用する場合には透明電極としてITO(Indium Tin Oxide;インジウムスズ酸化物)などを利用する。また、反射型偏光制御素子として利用する場合には一般的な金属材料でよい。このような構成に電圧を印加した場合、電圧印加方向と垂直な方向の変形が生じることにより、金属複合構造体6を構成する複数の金属微小構造体2の間隔を変調することにより、入射光の偏光状態を制御する。圧電体基板9の変形量は、金属複合構造体6の構成にも依存するが、個々の金属微小構造体2のサイズ程度であればよく、10〜100nm程度の変形があればよい。
この偏光制御素子10の動作波長は、金属微小構造体2を構成する金属材料、サイズ、誘電体薄膜により調整できるほか、電圧印加による金属微小構造体2間の距離でも制御することが可能である。
以上のように、この偏光制御素子は、入射光の偏光状態を外部電圧によりアクティブに変調することができ、偏光制御特性の可変性を有する偏光制御素子を実現することができる。また、このような偏光制御素子は、情報通信における光信号処理などへの応用も可能である。
以上のように、本発明にかかる偏光制御素子および偏光制御素子の偏光制御方法は、材料依存性の低い偏光制御素子に有用であり、特に、液晶プロジェクタ等の画像投影装置に適している。
本発明の第1の実施の形態にかかる偏光制御素子の機能を示す説明図である。 図1における偏光制御素子の構成を示す断面図である。 図2における金属複合構造体の正方格子配列の例を示す説明図である。 図2における金属複合構造体の六方格子配列の例を示す説明図である。 図2における金属複合構造体のストライプ配列の例を示す説明図である。 数値計算に使用したモデル(1)を表す説明図である。 数値計算に使用したモデル(2)を表す説明図である。 数値計算により得られた振幅比を示すグラフである。 数値計算により得られた位相差を示すグラフである。 誘電体薄膜7により被覆された金属微小構造体2ならびに金属複合微細構造体6を有する偏光制御素子の一例を示した説明図である。 ミー散乱理論により解析的に計算した空気中に配置された単一Au微小球の中心部における電界強度をプロットしたグラフである。 本発明の第2の実施の形態にかかる偏光制御素子の構成を示す平面図である。 二辺を90°から角度θだけ外側に変化させた金属複合構造体6を示す説明図である。 金属複合構造体の対象構造(右手系)を示す説明図である。 金属複合構造体の対象構造(左手系)を示す説明図である。 本発明の第3の実施の形態にかかる偏光制御素子の構成を示す説明図である。 本発明の第4の実施の形態にかかる偏光制御素子の構成を示す断面図である。 偏光制御素子の構成を説明する断面図である。 従来における技術(1)を示す説明図である。 従来における技術(2)を示す説明図である。 従来における技術(3)を示す説明図である。 従来における技術(4)を示す説明図である。
符号の説明
1 支持基板
2 金属微小構造体
6 金属複合構造体
7 誘電体薄膜
8 誘電体材料
9 圧電体基板
10 偏光制御素子
11 電圧制御機構
12 電極

Claims (10)

  1. 二つ以上の金属微小構造体の群で構成された金属複合構造体を有し、
    前記金属複合構造体は、支持基板上に、入射する光の回析限界に対して小さな領域内に配置され、かつ周期的に配列されていることを特徴とする偏光制御素子。
  2. 二つ以上の金属微小構造体の群で構成された金属複合構造体が、入射する光の回析限界に対して小さな領域内に配置され、かつ周期的に配列されて形成され、電圧の印加によって変形する圧電材料の支持基板と、
    前記支持基板の変形を電圧印加によって制御する電圧制御手段と、
    を備えたことを特徴とする偏光制御素子。
  3. 1の金属材料と誘電体材料と第2の金属材料を積層した二つ以上の金属微小構造体で構成され、入射する光の回析限界に対して小さな領域内に配置され、かつ周期的に配列された金属複合構造体が形成され、電圧の印加によって変形する圧電材料の支持基板と、
    前記支持基板の変形を電圧印加によって制御する電圧制御手段と、
    を備えたことを特徴とする偏光制御素子。
  4. 前記金属微小構造体を構成する金属材料は、Ag、Au、Pt、Al、Cuのプラズモンを発生する金属材料のいずれか一種類または二種類以上により構成されることを特徴とする請求項1、2または3に記載の偏光制御素子。
  5. 前記金属複合構造体は、正方格子、六方格子、ストライプ状のいずれか一つに配列した周期構造で形成されることを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の偏光制御素子。
  6. 二つ以上の金属微小構造体の群で構成された金属複合構造体を、入射する光の回析限界に対して小さな領域内に配置し、かつ周期的に配列して支持基板上に形成し、
    前記金属複合構造体を構成する二つの金属微小構造体間の距離を調整することにより、前記入射光の偏光状態を制御することを特徴とする偏光制御素子の偏光制御方法。
  7. 二つ以上の金属微小構造体の群で構成された金属複合構造体を、入射する光の回析限界に対して小さな領域内に配置し、かつ周期的に配列し、電圧の印加によって変形する圧電材料の支持基板に形成し、
    前記金属複合構造体を構成する二つの金属微小構造体間の距離を調整することにより、前記入射光の偏光状態を制御することを特徴とする偏光制御素子の偏光制御方法。
  8. 三つ以上の金属微小構造体の群で構成された金属複合構造体を、入射する光の回析限界に対して小さな領域内に配置し、かつ周期的に配列するとともに、この金属複合構造体を、支持基板上に非対称に形成し、
    この非対称性を調整することにより、前記入射光の偏光状態を制御することを特徴とする偏光制御素子の偏光制御方法。
  9. 三つ以上の金属微小構造体の群で構成された金属複合構造体を、入射する光の回析限界に対して小さな領域内に配置し、かつ周期的に配列するとともに、この金属複合構造体を、電圧の印加によって変形する圧電材料の支持基板上に非対称に形成し、
    この非対称性を調整することにより、前記入射光の偏光状態を制御することを特徴とする偏光制御素子の偏光制御方法。
  10. 前記金属微小構造体のサイズを調整することにより、前記入射光の偏光状態および偏光制御素子の動作波長を制御することを特徴とする請求項6、7または8に記載の偏光制御素子の偏光制御方法。
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