JP2008122618A - 偏光光源ユニット - Google Patents

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淳一 高橋
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浩章 福田
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Abstract

【課題】小型・高輝度・高効率な直線偏光光源を提供すること。
【解決手段】偏光制御素子101が、基板に、光源(LEDチップ102a)が発する光の波長よりも小さな2個以上の微小金属構造体を、最小構成単位で2次元に配置し、前記最小構成単位の方向が等しく、かつ前記最小構成単位間の間隔が、前記光源が発する波長よりも大きく、かつ一定周期またはランダムに2次元配列状に形成され、前記光源から発した光のうち、一方の直線偏光のみが反射型偏光子103からユニットの外部に透過すると共に、反射型偏光子103に反射された他方の直線偏光が、反射手段104aと反射型偏光子103の間で多重反射を繰り返しながら、偏光制御素子101により、前記他方の直線偏光の偏光状態を変化させることで、前記他方の直線偏光が、反射型偏光子103から外部に透過し得る前記一方の直線偏光に変換される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、たとえば液晶プロジェクタに利用される偏光光源ユニットに関するものである。
近年、スクリーン上に画像を投影することで電子的な表示を行う、ディジタルプロジェクタ(以下、単にプロジェクタと呼ぶ)市場が大きく成長している。一般的なプロジェクタでは、高圧水銀ランプなどの光源をRGB三色の光に分離し、それぞれの色の光について、液晶(LCD)パネル、あるいは、ディジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD;たとえば米国TI社製)等の空間変調素子などにより、画像に変換する。さらに三色の画像をプリズムあるいは時分割で、合成してスクリーンなどの投射面に投影して、カラー画像を鑑賞する。今後は小型化が進み、近い将来、超小型(大きさが数cm角以下)のプロジェクタモジュールを携帯電話や携帯コンピュータゲーム機に搭載することが検討されている。携帯電話等に搭載可能なまでに、プロジェクタモジュールを小型化するには光源の小型化が欠かせない。しかも、特に液晶パネルを用いたプロジェクタの場合、光源の光を直線偏光にして液晶パネルに投射しなければいけない。一般にプロジェクタの光源としては、無偏光な光源すなわち、高圧水銀ランプが使われている。
最近ではLEDの使用も検討されているがこれも無偏光光源である。直線偏光を発する光源としては、レーザー光源があるが、コヒーレント光であるが故に、光を空間に放出するプロジェクタの光源として使用した場合に、眼球の損傷という危険が伴うため、使用することができない。現在では、直線偏光に偏光が揃っていて、かつコヒーレント光でない光を直接発する光源は開発されていない。したがって無偏光光源の光を直線偏光にして、液晶パネルに投射する以外の方法は、現在ではない。無偏光光源が発する光の成分を、反射型偏光子により、二つの直線偏光成分である、p偏光とこれに直交するs偏光に分離できる。反射型偏光子について後に詳しく述べるが、ワイヤグリッド、フォトニックラティス、PBSなどがある。また、過去に米国ポラロイド社が開発した二色性色素を用いた吸収型偏光板はp偏光またはs偏光のいずれかを吸収し、熱に変換してしまうので、吸収型偏光板を透過した光の光量は、これに入射した光のそれの概ね1/2になってしまう。この場合、画像の輝度が低下する。また画像輝度を高くするために光源の輝度を増加すると消費エネルギーが増加するために、プロジェクタの小型化に支障が生じる。すなわち、光源の大型化、放熱器機能の追加、電池消耗が早いなどである。したがって、p偏光とs偏光の両方が混在している無偏光な光源の光を効率よく、p偏光(またはs偏光)に揃える方法が考案された。それらが下記特許文献1〜11に開示されている。
特許文献1〜3、特許文献8〜10は直視型LCDのバックライトとして、偏光が揃った光をLCDパネルに照射するために考案されたものである。基本的構造は特許文献1〜3、特許文献8〜10に示されている。導光板と呼ばれるものの端面に光源が設置されている。導光板はこの光源からの光を均一にLCDパネルに照射するためのものである。上記特許文献ではこの周辺に反射型偏光板と位相ズレを生じさせる何らかのしくみ(一般的には、いわゆる波長板の機能)を設け、光源からのp偏光はそのまま、s偏光はp偏光に変化させてLCDパネルに照射している。しかし、これをプロジェクタの光学系に適用した場合に大きな問題が生じる。これらの方法では基本的に光源は導光板の端面にしか設定できない。したがって、光源の大きさ、発光面積が導光板端面に制限されるので、当然そこから発する光量も制限され、すなわち画像輝度を高くできない。また、導光板の体積が小型化を阻む。特に特許文献1〜3については、反射型偏光板から反射されたs偏光の光が導光板内でp偏光に変換されて再度反射型偏光板に向かい、これを通過してLCDに入射するために光効率が向上すると記述されている。しかし、前記s偏光からp偏光に変換される機能についての具体的な記述がない。実際はこのs偏光からp偏光に変換する効率(sp変換効率)はあまり高くなく、導光板内および導光板と反射型偏光板の間で反射を繰り返すうち、これらの素子の光吸収により光は減衰し、熱に変わってしまう。特許文献9においては、光源ランプ、反射板、反射型偏光板の間でs偏光が反射を繰り返す内にp偏光になり有効にs偏光の光も使われると記述があるが、これも特許文献1〜3と同様な理由により、sp変換効率が低いと考えられる。
また、光源からの光の偏光を効率よくひとつの直線偏光に揃える機能を持つ偏光変換素子の例が特許文献5、特許文献11に示されているが、これらは、光源ユニットとは別個の素子となるので、小型化には不向きである。
これらの方式に対して、LCDパネルの直下に光源を複数配列し、光源からの光量を増やすとともに、光源を保持する基板周辺にsp変換機能を付与しようという考えが特許文献6、特許文献7に示されている。ここで重要なことは、反射型偏光板により光源側に反射された光のsp変換を1/4波長板あるいは1/2波長板により行うことである。これらの波長板をs偏光が通ることにより、確実に効率よくsp変換が行われる。したがって、原理的には特許文献1〜3、特許文献8〜10よりも高効率に光源からの光を利用することができる。また、導光板を必要としないので、小型化も可能である。特許文献6では光源としてLEDを、特許文献7では、特に明記していないが、ランプあるいはLEDが使われると考えられる。特許文献6、7ともこれら光源のすぐそばに波長板が設置されている。
特開2006−147566号公報 特開2006−139283号公報 特開2006−106687号公報 特開2006−163169号公報 特開2005−215669号公報 特開2005−79104号公報 特開2005−010405号公報 特開2004−226503号公報 特開2004−063439号公報 特開2003−295183号公報 特開2002−244211号公報
ランプ、LEDとも、発熱が激しいため、高温に耐えられる耐熱性が要求される。一般に波長板としては、水晶や雲母を使った無機材料のものがある。これら無機材料を使ったものは、高温には耐えるが非常に高価である。また、波長板としては、有機材料で作製された位相差フィルムがある。位相差フィルムの例としては特許文献4に記述がある。また、フィルムではないが複屈折性結晶微粒子を樹脂マトリックス中に分散して配向させて、この樹脂中を透過した光の偏光を効率よく変換させる機能を持つ導光板が特許文献8に示されている。しかしながら、上記に示されるような従来の技術にあっては、これら有機材料を使ったものは安価ではあるが、高温には耐えられない。したがって、LEDなどを使った低コスト、小型で高輝度かつ偏光が揃った高効率なプロジェクタの実現には、耐熱性に優れた安価な波長板を用いた偏光光源ユニットが必要であった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、設計自由度が高く、かつ金属構造とすることで耐熱性や耐光性に優れた偏光制御素子を用いることにより、小型・高輝度・高効率な直線偏光光源を提供し、小型・高画質・低消費電力の液晶プロジェクタを実現することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、反射手段と反射型偏光子との間に、光源と偏光制御素子を配置した偏光光源ユニットにおいて、前記光源から発した光のうち、一方の直線偏光のみが前記反射型偏光子から前記偏光光源ユニットの外部に透過するとともに、前記反射型偏光子に反射された他方の直線偏光が、前記反射手段と前記反射型偏光子の間で多重反射を繰り返しながら、前記偏光制御素子により、前記他方の直線偏光の偏光状態を変化させることにより、前記他方の直線偏光が、前記反射型偏光子から外部に透過し得る前記一方の直線偏光に変換される偏光光源ユニットであって、前記偏光制御素子が、前記光源が発する光の波長よりも小さな2個以上の微小金属構造体を、前記光源が発する光の波長よりも小さい間隔の最小構成単位で2次元に配置した偏光制御素子であって、前記最小構成単位の方向が等しく、かつ、前記最小構成単位間の間隔が、前記光源が発する波長よりも大きいとともに、前記最小構成単位間の間隔が、一定周期に、または、ランダムに2次元配列状に形成されていることを特徴とする。
また、請求項2にかかる発明は、前記反射手段が、前記光源よりも前記反射型偏光子側に配置されているとともに、前記光源からの光が、前記偏光制御素子および前記反射型偏光子に照射されるように、前記反射手段に開口が設けられていることを特徴とする。
また、請求項3にかかる発明は、前記偏光制御素子の前記最小構成単位において、2個以上の前記微小金属構造体がL字形状に配置されていることを特徴とする。
また、請求項4にかかる発明は、前記偏光制御素子の前記最小構成単位において、2個以上の前記微小金属構造体がT字形状に配置されていることを特徴とする。
また、請求項5にかかる発明は、前記偏光制御素子の前記最小構成単位において、2個以上の前記微小金属構造体が卍字または逆卍字形状に配置されていることを特徴とする。
また、請求項6にかかる発明は、前記偏光制御素子の前記最小構成単位が、正方格子、六方格子、ストライプ状のいずれか一つの2次元配列状に配列されている偏光制御素子であることを特徴とする。
また、請求項7にかかる発明は、前記偏光制御素子の前記微小な金属構造体を構成する金属材料が、Ag、Au、Pt、Al、Cu、Ni、Cr、Feのいずれか一種類または二種類以上を含むことを特徴とする。
また、請求項8にかかる発明は、前記偏光制御素子の前記最小構成単位内で、異なる種類の金属からなる二個以上の金属構造体が同一平面上に形成されている前記最小構成単位であることを特徴とする。
また、請求項9にかかる発明は、前記偏光制御素子の金属構造体が、複数種類の材料の金属層と誘電体層を交互に積層した多層構造体であることを特徴とする。
また、請求項10にかかる発明は、前記偏光制御素子の金属構造体が、複数種類の材料の金属層を積層した多層構造体であることを特徴とする。
また、請求項11にかかる発明は、前記偏光制御素子の基板の表面に、高さが周期的に変調されてなる周期構造を有し、前記周期構造が、前記光源が発する波長より小さい周期であることを特徴とする。
また、請求項12にかかる発明は、前記反射型偏光子が反射する直線偏光の光の偏光方向に対して、前記最小構成単位の金属構造体の配置パターンが非軸対称となるように、前記反射型偏光子と前記偏光制御素子の相対的な位置関係を定めたことを特徴とする。
本発明(請求項1)にかかる偏光光源ユニットは、偏光制御素子が、光源が発する光の波長よりも小さな金属構造体を、光源が発する光の波長よりも小さい間隔で、前記偏光制御素子の基板に、2次元に配置した偏光制御素子であって、2個以上の微小な金属構造体からなる最小構成単位の方向が等しく、かつ、前記最小構成単位間の間隔が、一定周期で、または、ランダムで、2次元配列状に形成されているので、2個の微小な金属構造からなる最小構成単位が、2次元配列状に基板上に形成することにより、設計自由度が高く、かつ金属構造とすることで耐熱性や耐光性に優れた偏光制御素子を用いることにより、小型・高輝度・高効率な直線偏光光源を提供し、小型・高画質・低消費電力の液晶プロジェクタを実現することができるという効果を奏する。
また、本発明(請求項2)にかかる偏光光源ユニットは、請求項1において、反射手段が、光源よりも反射型偏光子側に配置されているとともに、光源からの光が、偏光制御素子および反射型偏光子に照射されるように、反射手段に開口が設けられているので、2個の微小な金属構造からなる最小構成単位が、2次元配列状に基板上に形成することにより、設計自由度が高く、かつ金属構造とすることで耐熱性や耐光性に優れた偏光制御素子を用いることにより、小型・高輝度・高効率な直線偏光光源を提供し、小型・高画質・低消費電力の液晶プロジェクタを実現することができるという効果を奏する。
また、本発明(請求項3)にかかる偏光光源ユニットは、請求項1または2において、偏光制御素子の基板に、2個以上の前記微小な金属構造体がL字形状に配置されている最小構成単位が、2次元配列状に形成されているので、それぞれの微小な金属構造からなる最小単位がL字形状に構成され、L字形状が2次元配列状に基板上に形成することにより、設計自由度が高く、かつ金属構造とすることで耐熱性や耐光性に優れた偏光制御素子を用いることにより、小型・高輝度・高効率な直線偏光光源を提供し、小型・高画質・低消費電力の液晶プロジェクタを実現することができるという効果を奏する。
また、本発明(請求項4)にかかる偏光光源ユニットは、請求項1または2において、偏光制御素子の基板に、2個以上の前記微小な金属構造体がT字形状に配置されている最小構成単位が、2次元配列状に形成されているので、それぞれの微小な金属構造からなる最小単位がT字形状に構成され、T字形状が2次元配列状に基板上に形成することにより、設計自由度が高く、かつ金属構造とすることで耐熱性や耐光性に優れた偏光制御素子を用いることにより、小型・高輝度・高効率な直線偏光光源を提供し、小型・高画質・低消費電力の液晶プロジェクタを実現することができるという効果を奏する。
また、本発明(請求項5)にかかる偏光光源ユニットは、請求項1または2において、偏光制御素子の基板に、2個以上の前記微小な金属構造体が卍字形状に配置されている最小構成単位が、2次元配列状に形成されているので、それぞれの微小な金属構造からなる最小単位が卍字形状に構成され、卍字形状が2次元配列状に基板上に形成することにより、設計自由度が高く、かつ金属構造とすることで耐熱性や耐光性に優れた偏光制御素子を用いることにより、小型・高輝度・高効率な直線偏光光源を提供し、小型・高画質・低消費電力の液晶プロジェクタを実現することができるという効果を奏する。
また、本発明(請求項6)にかかる偏光光源ユニットは、請求項1〜5の何れか一つにおいて、偏光制御素子の微小な金属構造体からなる前記最小構成単位が、正方格子、六方格子、ストライプ状のいずれか一つの2次元配列状に形成されているので、金属構造体からなる最小構成単位の周期配列により構成することにより、遠方場における電界の空間パターンを制御する機能を有する偏光制御素子を用いることにより、小型・高輝度・高効率な直線偏光光源を提供し、小型・高画質・低消費電力の液晶プロジェクタを実現することができるという効果を奏する。
また、本発明(請求項7)にかかる偏光光源ユニットは、請求項1〜6の何れか一つにおいて、偏光制御素子の前記微小な金属構造体を構成する金属材料が、Ag、Au、Pt、Al、Cu、Ni、Cr、Feのいずれか一種類または二種類以上を含むので、金属構造体を上記の金属材料により構成した耐熱性、耐光性の優れた偏光制御素子を用いることにより、小型・高輝度・高効率な直線偏光光源を提供し、小型・高画質・低消費電力の液晶プロジェクタを実現することができるという効果を奏する。
また、本発明(請求項8)にかかる偏光光源ユニットは、請求項7において、偏光制御素子の最小構成単位内で、異なる種類の金属からなる二個以上の金属構造体が同一平面上に形成されている最小構成単位であるので、金属構造体の金属の種類による光のプラズモン共鳴波長の違いを利用して透過光または反射光に位相差を生じさせ、かつ金属粒子で構成させることで耐熱性に優れた偏光制御素子を用いることにより、小型・高輝度・高効率な直線偏光光源を提供し、小型・高画質・低消費電力の液晶プロジェクタを実現することができるという効果を奏する。
また、本発明(請求項9)にかかる偏光光源ユニットは、請求項7において、偏光制御素子の金属構造体が、複数種類の材料の金属層と誘電体層を交互に積層した多層構造体であるので、二種類の金属材料と誘電体材料を含む積層構造により金属微小構造体を形成することにより、同一面内に異種金属を形成する場合に比較して、より単純な作製工程で偏光制御素子を用いることにより、小型・高輝度・高効率な直線偏光光源を提供し、小型・高画質・低消費電力の液晶プロジェクタを実現することができるという効果を奏する。
また、本発明(請求項10)にかかる偏光光源ユニットは、請求項7において、偏光制御素子の金属構造体が、複数種類の材料の金属層を交互に積層した多層構造体であるので、二種類の金属材料と誘電体材料を含む積層構造により金属微小構造体を形成することにより、同一面内に異種金属を形成する場合に比較して、より単純な作製工程で偏光制御素子を用いることにより、小型・高輝度・高効率な直線偏光光源を提供し、小型・高画質・低消費電力の液晶プロジェクタを実現することができるという効果を奏する。
また、本発明(請求項11)にかかる偏光光源ユニットは、請求項1〜10の何れか一つにおいて、偏光制御素子の基板の表面に、高さが周期的に変調されてなる周期構造を有し、前記周期構造が、入射光の波長より小さい周期で構成されているので、支持基板が、高さが周期的に変調されてなる周期構造を表面に有し、この周期構造が、入射光の波長の2倍より小さい周期で構成されていることにより、基板表層に生じるエバネッセント光と金属微小構造群の近接場光との結合による強い光放射および光吸収を発生させる偏光特性の制御性能の高い偏光制御素子を用いることにより、小型・高輝度・高効率な直線偏光光源を提供し、小型・高画質・低消費電力の液晶プロジェクタを実現することができるという効果を奏する。
また、本発明(請求項12)にかかる偏光光源ユニットは、請求項1〜11の何れか一つにおいて、反射型偏光子が反射する直線偏光の光の偏光方向に対して、最小構成単位の金属構造体の配置パターンが非軸対称となるように、反射型偏光子と偏光制御素子の相対的な位置関係を定めたので、反射型偏光子と偏光制御素子との適切な位置関係を明確にし、これにより、前記偏光制御素子を使った小型・高輝度・高効率な直線偏光光源を提供し、小型・高画質・低消費電力の液晶プロジェクタを実現することができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる偏光光源ユニットの最良な実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
本発明は液晶プロジェクタの光源ユニットとして用いる。液晶プロジェクタは、直線偏光を液晶パネルに照射し、液晶パネルの二次元光変調機能により、RGBのそれぞれについて二次元画像をスクリーンに投影してカラー画像を得るものである。一般に光源としてはLED、キセノンランプなどの管球光源、冷陰極管などが使われる。これらの光源はランダム偏光の光を発するので、これから効率よく光源を直線偏光に変換した光を液晶パネルに照射することが、液晶プロジェクタのエネルギー効率の向上、画面輝度の向上には欠かせない。本発明は、光源から発せられるランダム偏光を、高効率に直線偏光に変換して液晶パネルに供給する偏光光源ユニットである。
まず、本発明の実施の形態に共通の偏光光源ユニットの概観を図1−1、図1−2に示す。図1−1は上面図であり、図1−2は断面図である。偏光光源ユニットは、RGBのLED光源を持っている。GのLEDはR、Bに比べて輝度が現時点では低いため、二つのLEDを設けている。RGBそれぞれの画面を液晶パネルが時分割で順次表示する。各色の表示時間に同期して、各色のLEDも時分割発光する。
さて、図1−2の断面図に示すように、本発明の特徴である光の偏光状態を変化させる偏光制御素子101と、LEDチップ102aは、反射型偏光子103と、金属膜や誘電体多層膜ミラーなどの反射手段104との間に配置されている。LEDチップ102aはここでは直接反射手段の上には載せられず、好ましくは透明基板で構成される台座105の上に設置されている。
反射型偏光子103の例としては、使用する波長よりも線幅と間隔が狭い金属膜のストライプパターンを透明基板上に設けたワイヤグリッド偏光子が挙げられる。これは、ストライプパターンの延伸方向の直線偏光を反射し、これに直行する直線偏光を透過する。また、他の反射型偏光子の例としては、株式会社フォトニックラティス社が製造販売しているフォトニック結晶偏光子が挙げられる。これは、自己クローニング法と呼ばれる製造方法で作製したフォトニック結晶の一種であり、多数の断面が山形形状のストライプパターンを持つ誘電体多層膜で構成される。このストライプパターンの延伸方向の直線偏光を反射し、これに直行する直線偏光を透過する。また、他の反射型偏光子の例としては、プリズム表面に多層膜を形成した偏光ビームスプリッタと反射膜を組み合わせた素子なども考えられる。
前記の台座105上には、LEDチップ102aに電力を供給するための配線や、特に台座105が透明基板でないときにさらなる効率向上に有効である反射手段106、また、LEDチップ102aで生じる熱を逃がすためのヒートシンク107、配線108などが設けられている。図1−1の上面図ではLEDチップ102aのユニット内での配置をわかりやすく図示するために、反射型偏光子と偏光制御素子をあえて示していないが、これらは実際には必要であることはいうまでもない。反射型偏光子以外から光がもれないように、反射型偏光子103と容器109により、LEDチップ102aと反射手段104が密閉された状態になっている。
図1−1、図1−2のうち、RGBの中の一つを拡大して示したものが、図2である。ここでは、容器109や前述の封止した状態などは省略して示してあるが、実際にはこれらが存在することはいうまでもない。反射型偏光子103としては耐熱ガラスや石英基板等の透明基板上に光源としてのLEDチップ102aが発する光の波長の寸法よりも、線幅、間隔とも小さいストライプ状金属パターンを有する前述のワイヤグリッドやこれと異なる構造を有するフォトニックラティスなどがある。この反射型偏光子103のLEDチップ102a側には本発明の特徴である偏光制御素子101が配置されている。これは、後に述べるが、支持基板115上に、LEDチップ(光源)102aが発する光の波長の寸法よりも、大きさ、間隔とも小さい金属ドットパターン116がある。容器105の上には反射手段104があり、偏光制御素子101との間にはLEDチップ102aと台座105がある。台座105は好ましくは透明がよい。LEDチップ102aは基板110とp層112、n層111があり、p層112、n層111のそれぞれが台座105上の配線に金バンプ114を介して接続されている。これらはLEDチップ102aの発熱を台座105、容器109に逃がすヒートシンクの役目もになう。前記偏光制御素子101が1/4波長板として機能する場合の例における動作の説明を、図2を使って[1]〜[8]の順に記述する。
[1] LEDチップ102aにより発せられたランダム偏光は偏光制御素子101に向かう。
[2] 偏光制御素子101によりx偏光、y偏光とも1/4波長だけ、位相がずれるが、結果的にはランダム偏光のままである。
[3] 反射型偏光子103により、x偏光だけが透過し、LCDパネル120に向かう。
[4] y偏光は反射され、偏光制御素子101に向かう。
[5] 偏光制御素子101による1/4波長の位相が生じ、円偏光になる。
[6] 反射手段104により円偏光が反射され、偏光制御素子101に向かう。
[7] 偏光制御素子101により再度、1/4波長の位相が生じ、x偏光になり、反射型偏光子103に向かう。
[8] x偏光は反射型偏光子103を透過し、LCDパネル120に向かう。
以上のような動作により、LEDチップ102aから発せられた光は、ランダム偏光からx偏光に変換された後に、LCDパネル120に向かうため、光利用効率がよく、結果として、液晶プロジェクタの低消費電力化、画像の高輝度化が図られる。ここで重要な点は、本発明の特徴となる偏光制御素子101を用いているところである。LEDチップ102aは液晶プロジェクタの用途や目的上、高輝度に発光することが求められるので、非常に発熱が激しくなる。したがって、偏光光源ユニット100内で、LEDチップ102aの電極近傍に配置される偏光制御素子101には高い耐熱性が要求される。本発明における偏光制御素子101は、後述するように無機材料でできた支持基板上に金属で作製された構造体が配置されたものである。複数の微小な金属構造体は構成単位をもち、その構成単位の中ではその構造体の寸法、および構造体間の間隔が使用する波長よりも小さいことが特徴となっている。
さらに、この構成単位が、使用する波長以上の間隔で、基板上にアレイ状に複数個配置されている。本偏光制御素子101の支持基板115は無機の誘電体材料、また構造体も金属、すなわち無機材料で構成されているので、従来の有機物で構成される偏光フィルムよりも格段に耐熱性に優れている。従来の偏光板としては水晶もあるが、非常に高価であるため、低コストを要求される一般消費製品、いわゆるコンシューマーグッズには使用することは困難である。本発明の偏光制御素子101においては、金属薄膜を数十nm程度の寸法で加工する必要はあるが、近年ナノインプリント等の安価な装置で数十nm程度の寸法の微細な加工を可能とする技術が開発されているので、低コスト化には問題はない。また支持基板115についても、一般の耐熱ガラス(たとえば米国コーニング社のパイレックス(登録商標)ガラスなど)、あるいは溶融石英で充分であるので、水晶に比べれば格段に低コストになる。
以上のことから、本発明における偏光制御素子101は高耐熱性と低コストを併せ持つことにより、低コスト・高効率な偏光光源ユニット100を構成でき、これによりLCDプロジェクタの低消費電力、画像の高輝度化および高い耐久性を実現することができる。
なお、上記では偏光制御素子101を1/4波長板として説明した。好ましくは1/4波長板がよいが、特にこれに限定されるわけではない。偏光制御素子101に必要とされる機能は、入射する直線偏光を二つの偏光成分(p偏光とs偏光)に分けた際、偏光制御素子101を透過あるいは反射した光のp偏光とs偏光に位相差が生じればよい。これが1/4波長の位相差が生じる場合が1/4波長板となる。しかし、これに限定されることはなく、p偏光とs偏光に位相差が生じれば上記動作説明で示した、[4]〜[8]の動作を繰り返す、すなわち多重反射をすることにより、LEDチップ102aから発せられた光は、ランダム偏光からx偏光に変換され、反射型偏光子103を通ってLCDパネル120を照射することになる。また、偏光制御素子101は、上記のような位相差を生じるものではなく、y偏光をx偏光に旋光させる旋光素子の機能を持つものでもよい。
なお、LEDチップ102aの実装方法は、特に図2に限られるわけではなく、図3、図4の実装方法でもよい。図3の実装方法は、LEDチップ102aのp層とn層の両方をワイヤボンディングにより外部回路との接続を行ったものである。図4は、片側だけをワイヤボンディングした例である。なお、図3、図4において、符号113は透明電極、符号114はボンディングワイヤである。
(第2の実施の形態)
図5は、本発明の第2の実施の形態にかかる偏光光源ユニットの構成を示す説明図である。ここでは、前述と同じくLEDチップ102aを用いている。図2では偏光制御素子101が、LEDチップ102aと反射型偏光子103との間に配置されていたが、図5では偏光制御素子101はLEDチップ102aと反射手段104の間に配置されている。以下、図5の動作を[1]〜[7]の順に説明をする。
[1] LEDチップ102aにより発せられたランダム偏光は偏光制御素子101に向かう。
[2] 反射型偏光子103により、x偏光だけが透過し、LCDパネル120に向かう。
[3] y偏光は反射され、偏光制御素子101に向かう。
[4] 偏光制御素子101による1/4波長の位相が生じ、円偏光になる。
[5] 反射手段104により円偏光が反射され、偏光制御素子101に向かう。
[6] 偏光制御素子101により再度、1/4波長の位相が生じ、x偏光になる。
[7] x偏光は反射型偏光子103を透過し、LCDパネル120に向かう。
この実施の形態においても、LEDチップ102aから発せられた光は、ランダム偏光からx偏光に変換された後に、LCDパネル120に向かうため、光利用効率がよく、結果として、液晶プロジェクタの低消費電力化、画像の高輝度化が図られる。また、偏光制御素子101の耐熱性についても同様である。また、偏光制御素子101は好ましくは1/4波長板の機能を有するものがよい。しかし、第1の実施の形態で述べたように一連の動作を多重反射で繰り返すことがあるので、特にこれに限定されるものではなく、入射光の偏光成分間に位相差を生じさせる機能があるものであればよい。なお、LEDチップ102aの実装方法は図3、図4でもよい。
(第3の実施の形態)
図6は、本発明の第3の実施の形態にかかる偏光光源ユニットの構成を示す説明図である。ここでは光源として、キセノンランプ102bを用いている。特にキセノンランプ104bに限定されるわけではなく、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、超高圧水銀ランプなどでもよい。キセノンランプ102bと偏光制御素子101が、反射型偏光子103と反射手段104bの間に配置されている。反射手段104bは概略点光源のキセノンランプ102bから発せられる光を有効利用するために、曲面となっている。以下、本構成による動作を[1]〜[8]の順に説明をする。
[1] キセノンランプ102bにより発せられたランダム偏光は偏光制御素子101に向かう。
[2] 偏光制御素子101によりx偏光、y偏光とも1/4波長だけ、位相がずれるが、結果的にはランダム偏光のままである。
[3] 反射型偏光子103により、x偏光だけが透過し、LCDパネル120に向かう。
[4] y偏光は反射され、偏光制御素子101に向かう。
[5] 偏光制御素子101による1/4波長の位相が生じ、円偏光になり反射手段104bへ向かう。
[6] 反射手段104bによる多重反射により、光が折り返され、円偏光が偏光制御素子101に向かう。
[7] 偏光制御素子101により再度、1/4波長の位相が生じ、x偏光になる。
[8] x偏光は反射型偏光子103を透過し、LCDパネル120に向かう。
この実施の形態においても、キセノンランプ102bから発せられた光は、ランダム偏光からx偏光に変換された後に、LCDパネル120に向かうため、光利用効率がよく、結果として、液晶プロジェクタの低消費電力化、画像の高輝度化が図られる。また、偏光制御素子101の耐熱性についても同様である。また、偏光制御素子101は好ましくは1/4波長板の機能を有するものがよい。しかし、第1の実施の形態で述べたように一連の動作を多重反射で繰り返すことがあるので、特にこれに限定されるものではなく、入射光の偏光成分間に位相差を生じさせる機能があるものであればよい。
(第4の実施の形態)
図7は、本発明の第4の実施の形態にかかる偏光光源ユニットの構成を示す説明図である。ここでは、第3の実施の形態と同じくキセノンランプ102bを用いている。ただし、図6では偏光制御素子101が、キセノンランプ102bと反射型偏光子103との間に配置されていたが、図7では偏光制御素子101はキセノンランプ102bと反射手段104bの間に配置されている。本構成による動作を[1]〜[7]の順に説明をする。
[1] キセノンランプ102bにより発せられたランダム偏光は偏光制御素子101に向かう。
[2] 反射型偏光子103により、x偏光だけが透過し、LCDパネル120に向かう。
[3] y偏光は反射され、偏光制御素子101に向かう。
[4] 偏光制御素子101による1/4波長の位相が生じ、円偏光になる。
[5] 反射手段104bによる多重反射により、光が折り返され、円偏光が偏光制御素子101に向かう。
[6] 偏光制御素子101により再度、1/4波長の位相が生じ、x偏光になる。
[7] x偏光は反射型偏光子103を透過し、LCDパネル120に向かう。
この実施の形態においても、キセノンランプ102bから発せられた光は、ランダム偏光からx偏光に変換された後に、LCDパネル120に向かうため、光利用効率がよく、結果として、液晶プロジェクタの低消費電力化、画像の高輝度化が図られる。また、偏光制御素子101の耐熱性についても同様である。また、偏光制御素子101は好ましくは1/4波長板の機能を有するものがよい。しかし、第1の実施の形態で述べたように一連の動作を多重反射で繰り返すことがあるので、特にこれに限定されるものではなく、入射光の偏光成分間に位相差を生じさせる機能があるものであればよい。
(第5の実施の形態)
図8は、本発明の第5の実施の形態にかかる偏光光源ユニットの構成を示す説明図である。ここでは、第4の実施の形態と同じくキセノンランプ102bを用いている。ただし、図7では偏光制御素子101が、キセノンランプ102bと反射手段104bの間に配置されていたが、図8では偏光制御素子101はキセノンランプ102bの直下に反射型偏光子103に垂直な方向に、かつ、反射手段104bとキセノンランプ102bの間に配置されている。また、本例の場合、偏光制御素子101は1/2波長板であることが好ましい。以下、本構成による動作を[1]〜[5]の順に説明をする。
[1] キセノンランプ102bにより発せられたランダム偏光は偏光制御素子101に向かう。
[2] 反射型偏光子103により、x偏光だけが透過し、LCDパネル120に向かう。
[3] y偏光は反射され、反射手段104bに向かう。反射手段104bに反射されたy偏光は、偏光制御素子101に向かう。
[4] 偏光制御素子101による1/2波長の位相が生じ、x偏光になる。さらに反射手段104bにより反射され、x偏光が反射型偏光子103に向かう。
[5] x偏光は反射型偏光子103を透過し、LCDパネル120に向かう。
この実施の形態においても、キセノンランプ102bから発せられた光は、ランダム偏光からx偏光に変換された後に、LCDパネル120に向かうため、光利用効率がよく、結果として、液晶プロジェクタの低消費電力化、画像の高輝度化が図られる。また、偏光制御素子101の耐熱性についても同様である。また、偏光制御素子101は好ましくは1/2波長板の機能を有するものがよい。しかし、第1の実施の形態で述べたように一連の動作を多重反射で繰り返すことがあるので、特にこれに限定されるものではなく、入射光の偏光成分間に位相差を生じさせる機能があるものであればよい。
(第6の実施の形態)
図9は、本発明の第6の実施の形態にかかる偏光光源ユニットの構成を示す説明図である。ここでは、第4の実施の形態と同じくキセノンランプ102bを用いている。ただし、図7では偏光制御素子101が、キセノンランプ102bと反射手段104bの間に配置されていたが、図9では偏光制御素子101はキセノンランプ102bと反射手段104bの間に、反射手段104bの曲面に沿う形状で偏光制御素子101が作られ、反射手段104b上に配置されている。また、本実施の形態の場合、偏光制御素子101は1/8波長板であることが好ましい。以下、本構成による動作を[1]〜[8]の順に説明をする。
[1] キセノンランプ102bにより発せられたランダム偏光は偏光制御素子101に向かう。
[2] 反射型偏光子103により、x偏光だけが透過し、LCDパネル120に向かう。
[3] y偏光は反射され、反射手段104bに向かう。反射手段104bに反射されたy偏光は、偏光制御素子101に向かう。
[4] 偏光制御素子101による1/8波長の位相が生じ、楕円偏光になる。さらに反射手段104bにより反射され、楕円偏光が再度、偏光制御素子101に向かう。
[5] 偏光制御素子101により1/8波長の位相が生じ、円偏光になり、再度、偏光制御素子101に向かう。
[6] 偏光制御素子101による1/8波長の位相が生じ、楕円偏光になる。さらに反射手段104bにより反射され、楕円偏光が再度、偏光制御素子101に向かう。
[7] 偏光制御素子101により、1/8波長の位相が生じ、x偏光になり、反射型偏光子103に向かう。
[8] x偏光は反射型偏光子103を透過し、LCDパネル120に向かう。
この実施の形態においても、キセノンランプ102bから発せられた光は、ランダム偏光からx偏光に変換された後に、LCDパネル120に向かうため、光利用効率がよく、結果として、液晶プロジェクタの低消費電力化、画像の高輝度化が図られる。また、偏光制御素子101の耐熱性についても同様である。また、偏光制御素子101は好ましくは1/8波長板の機能を有するものがよい。しかし、第1の実施の形態で述べたように一連の動作を多重反射で繰り返すことがあるので、特にこれに限定されるものではなく、入射光の偏光成分間に位相差を生じさせる機能があるものであればよい。
(第7の実施の形態)
図10は、本発明の第7の実施の形態にかかる偏光光源ユニットの構成を示す説明図である。ここでは冷陰極蛍光灯102cを多数用いている。それ以外は、第3の実施の形態とほぼ同じである。動作も同様であるので、ここでの動作説明は省略する。本実施の形態では、複数の冷陰極蛍光灯102cと反射手段104cの組に対して共通の反射型偏光子103を設けているが、各冷陰極蛍光灯102cと反射手段104cの組に対して一つの反射型偏光子103を設けてもよい。
この実施の形態においても、冷陰極蛍光灯102cから発せられた光は、ランダム偏光からx偏光に変換された後に、LCDパネル120に向かうため、光利用効率がよく、結果として、液晶プロジェクタの低消費電力化、画像の高輝度化が図られる。また、偏光制御素子101の耐熱性についても同様である。また、偏光制御素子101は好ましくは1/4波長板の機能を有するものがよい。しかし、第1の実施の形態で述べたように一連の動作を多重反射で繰り返すことがあるので、特にこれに限定されるものではなく、入射光の偏光成分間に位相差を生じさせる機能があるものであればよい。
(第8の実施の形態)
図11は、本発明の第8の実施の形態にかかる偏光光源ユニットの構成を示す説明図である。ここでは冷陰極蛍光灯102cを多数用いている。それ以外は、第4の実施の形態とほぼ同じである。動作も同様であるので、ここでの動作説明は省略する。本実施の形態では、複数の冷陰極蛍光灯102cと反射手段104cの組に対して共通の反射型偏光子103を設けているが、各冷陰極蛍光灯102cと反射手段104cの組に対して一つの反射型偏光子103を設けてもよい。
この実施の形態においても、冷陰極蛍光灯102cから発せられた光は、ランダム偏光からx偏光に変換された後に、LCDパネル120に向かうため、光利用効率がよく、結果として、液晶プロジェクタの低消費電力化、画像の高輝度化が図られる。また、偏光制御素子101の耐熱性についても同様である。また、偏光制御素子101は好ましくは1/4波長板の機能を有するものがよい。しかし、第1の実施の形態で述べたように一連の動作を多重反射で繰り返すことがあるので、特にこれに限定されるものではなく、入射光の偏光成分間に位相差を生じさせる機能があるものであればよい。
(第9の実施の形態)
図12は、本発明の第9の実施の形態にかかる偏光光源ユニットの構成を示す説明図である。ここでは冷陰極蛍光灯102cを多数用いている。それ以外は、第5の実施の形態とほぼ同じである。動作も同様であるので、ここでの動作説明は省略する。本実施の形態では、複数の冷陰極蛍光灯102cと反射手段104cの組に対して共通の反射型偏光子103を設けているが、各冷陰極蛍光灯102cと反射手段104cの組に対して一つの反射型偏光子103を設けてもよい。
本実施の形態においても、冷陰極蛍光灯102cから発せられた光は、ランダム偏光からx偏光に変換された後に、LCDパネル120に向かうため、光利用効率がよく、結果として、液晶プロジェクタの低消費電力化、画像の高輝度化が図られる。また、偏光制御素子101の耐熱性についても同様である。また、偏光制御素子101は好ましくは1/2波長板の機能を有するものがよい。しかし、第1の実施の形態で述べたように一連の動作を多重反射で繰り返すことがあるので、特にこれに限定されるものではなく、入射光の偏光成分間に位相差を生じさせる機能があるものであればよい。
(第10の実施の形態)
図13は、本発明の第10の実施の形態にかかる偏光光源ユニットの構成を示す説明図である。ここでは冷陰極蛍光灯102cを多数用いている。それ以外は、第6の実施の形態とほぼ同じである。動作も同様であるので、この実施の形態の動作説明は省略する。また、本実施の形態では、複数の冷陰極蛍光灯102cと反射手段104cの組に対して共通の反射型偏光子103を設けているが、各冷陰極蛍光灯102cと反射手段104cの組に対して一つの反射型偏光子103を設けてもよい。
本実施の形態においても、冷陰極蛍光灯102cから発せられた光は、ランダム偏光からx偏光に変換された後に、LCDパネル120に向かうため、光利用効率がよく、結果として、液晶プロジェクタの低消費電力化、画像の高輝度化が図られる。また、偏光制御素子101の耐熱性についても同様である。また、偏光制御素子101は好ましくは1/8波長板の機能を有するものがよい。しかし、第1の実施の形態で述べたように一連の動作を多重反射で繰り返すことがあるので、特にこれに限定されるものではなく、入射光の偏光成分間に位相差を生じさせる機能があるものであればよい。
(他の実施の形態)
偏光光源ユニットに共通の他の実施の形態の構成を図14から図19に示す。図14は前述の図2に、図15は図6に、図16は図8に、図17は図11に、図18は図10に、図19は図12に、それぞれ対応する。それぞれの動作については、対応する説明と同じであるので、ここでの重複説明は省略する。
つぎに、これまで説明してきた実施の形態の偏光光源ユニット100に用いる偏光制御素子101の構成および動作などについて説明する。
(偏光制御素子の構成・動作例1)
以下、偏光制御素子101の動作について述べる。図20は、本発明の実施の形態にかかる偏光制御素子101の機能を示す説明図である。この図20に示すように、偏光制御素子101は、光学的に平坦な支持基板115上に金属粒子2による微細構造が形成されている。このような金属ドットパターン116が形成された支持基板115に対して光を照射すると、入射偏光に対して金属微細構造が非対称に存在する場合、各金属微細構造に生じる局在表面プラズモンの共鳴周波数に依存して、微細構造間に生じる近接場相互作用により、各金属微細構造間で位相差が生じる。そのため、各金属微細構造からの光が重畳された反射光あるいは透過光の偏光成分にも位相差が生まれ、出射光における偏光状態が変換される。
すなわち、図20に示すように透明基板115上に金属粒子2による金属微細構造を形成したものに対して、たとえばY軸方向に対して45度傾いた直線偏光4を入射すると、この支持基板115を透過した光は楕円偏光5となる。なお、ここでは金属粒子2を円形状としているが、他の形状、たとえば楕円構造や多角形状構造であってもよい。また、円形状の構造を連続して配置し、擬似的に楕円形状構造を形成するような構成でもよい。また入射する光の偏光方向は形成された金属粒子2に対して非対称な偏光成分を有するように入射することで、各金属微細構造間で位相差が生じる。
また、これら金属粒子2の材料は、使用する光源波長でプラズモンが発生し、出射光に所望の位相差を与えるように選択すればよく、たとえばAu、Ag、Al、Pt、Ni、Cr、Cu、Feなどが使用可能であり、これら金属の合金でもよく、特に、Au、Ag、Alが好ましい。ここで、プラズモンとは金属中における電子の集団運動のことである。
ここで図21−1に示すように金属粒子2の大きさ(直径)をR、x方向にもっとも隣接した微細構造との間隔をd、この2つの隣接した微細構造の組み合わせをAとし、Aとx方向にもっとも隣接する微細構造の組み合わせをBとしたとき、A−B間の距離をd1、y方向に隣接している微細構造をCとしたときの、A−C間の距離をd2とする。このときRは入射光の波長よりも小さい必要がある。また、d1、d2ともに入射光の波長よりも小さいことが望ましい。また、隣接した微細構造間に生じる近接場相互作用を利用するため、少なくともd<Rである必要があり、d1とd2は隣接構造の組み合わせ間の、相互作用の影響を少なくするため、Rよりも大きい必要がある。これらの関係をまとめると、以下のようになる。
(1)必須な条件
d<R<λ かつ R<d1 かつ R<d2
(2)さらには以下の条件を満たすことが好ましい。
d1<λ かつ/または d2<λ
また、本偏光制御素子101は、前記微小な金属粒子2からなる最小構成単位内における、複数の金属粒子2間の近接場相互作用により偏光制御をなし得るものである。したがって、前記最小構成単位間の間隔(距離)d1、d2は、上記(1)、(2)の条件を満たせば、本偏光制御素子101の基本的機能には何ら影響を与えるものではない。つまり、偏光制御機能の原理には関わりのないパラメータである。したがって、前記最小構成単位間の間隔(距離)に、一定の周期性は特に必須ではなく、図21−2に一例を示すように、最小単位がランダムに変化する間隔で配置されていても何ら問題はない。ただし、最小構成単位のパターンの方向は一定でなければならない。また、d、R、λ、d1、d2の間の条件は上記(1)、(2)と同じである(d1、d2の値は一定ではないが)。
また、図22に示すように3個もしくは複数個の金属粒子2による金属微細構造の組み合わせでL字もしくはV字形状に配列された構造を形成してもよい。ここでは、図21−2に示す構成同様に、隣接した金属微細構造との間隔は微細構造の大きさよりも十分に小さく、また、図23に示すようなL字形状、あるいはV字形状の最小構成単位間の間隔は構成する微細構造の大きさよりも十分大きいほうが好ましい。このときも入射する光の偏光方向は形成された金属微小構造に対して非対称な偏光成分を有するような角度で入射することで、透過もしくは反射した光の位相差が生じる。
また、図23に示すように4個、あるいは図24に示すように複数個の金属粒子2による金属微細構造の組み合わせでT字形状に配列された構造を形成してもよい。また、図21−1に示す構成と同様に、隣接した金属微細構造との間隔は微細構造の大きさよりも十分小さく、またT字形状の最小構成単位間の間隔は構成する微細構造の大きさよりも十分大きいほうが好ましい。このときも入射する光の偏光方向は形成された金属微小構造に対して非対称な偏光成分を有するような角度で入射することで、透過もしくは反射した光の位相差が生じる。
図24に示すように4個、または図25に示すように複数個の金属微細構造の組み合わせで卍字形状に配列された構造を形成してもよい。また、図26に示すように逆卍構造であってもよい。図21−1に示す構成同様に、隣接した金属微細構造との間隔は微細構造の大きさよりも十分小さく、また卍字形状の最小構成単位間の間隔は構成する微細構造の大きさよりも十分大きいほうが好ましい。このときも入射する光の偏光方向は形成された金属微小構造に対して非対称な偏光成分を有するような角度で入射することで、透過もしくは反射した光の位相差が生じる。
上記の無機偏光制御素子は以下のようにして製造することができる。まず、無機材料として光学ガラスを基板とし、その平坦な面に金、銀、アルミニウムなどの金属材料をCVD(Chemical Vapor Deposition)などの化学蒸着法やスパッタリング、真空蒸着などの物理蒸着をもちいた成膜法、あるいは鍍金などの堆積法で薄膜状に形成する。この金属膜上にフォトレジスト層を形成し、このフォトレジスト層に電子線描画やX線描画などの手法により、あるいはナノインプリントなどの手法により、所望の微細構造に相当するパターンを残すようにレジストパターンを形成する。また、相変化材料や遷移金属酸化物材料等の無機材料にレーザー光を照射することにより、材料特性を変化させ、エッチングレートの違いを利用して前記材料をエッチングすることにより、前記無機材料をレジストとするパターンを形成する手法が利用できる。その後、不要部分の金属膜をたとえばRIE(反応性ドライエッチング)などによりエッチングを行うことで、所望の微細構造の金属パターンを形成することができる。
また、無機材料として光学ガラスを基板とし、その平坦な面にフォトレジスト層を形成し、このフォトレジスト層に電子線描画やX線描画などの手法により、あるいはナノインプリントなどの手法により、所望の微細構造に相当するパターン以外を残すようにレジストパターンを形成する。また、相変化材料や遷移金属酸化物材料等の無機材料にレーザー光を照射することにより、材料特性を変化させ、エッチングレートの違いを利用して前記材料をエッチングすることにより、前記無機材料をレジストとするパターンを形成する手法が利用できる。その後、金、銀、アルミニウムなどの金属材料をCVD(Chemical Vapor Deposition)などの化学蒸着法やスパッタリング、真空蒸着などの物理蒸着をもちいた成膜法、あるいは鍍金などの堆積法でレジストパターン上に薄膜状に形成する。その後、レジスト膜を除去することで、レジスト膜上に形成された不要部分の金属膜を除去することで、所望の微細構造の金属パターンを形成することができる。
無機材料としての支持基板115には、石英ガラスや、BK7、パイレックス(登録商標)などの硼珪酸ガラス、CaF2、Si、ZnSe、Al23などの光学結晶材料などが利用できる。また、反射光を利用する場合には、反射率の高い材料が好ましく、上記の光学ガラス、光学結晶材料に、AlやAuなどの金属膜を蒸着したものや、シリコン基板などを用いることが好ましい。また、部分反射膜としてCrコーティングなどを利用することで、透過光と反射光の両方を利用するハーフミラーとして使用することもできる。
また、このような構成からなる光学素子の表面で発生している局在表面プラズモンは近接場光とも呼ばれ、波長サイズ以下の領域に局在している。そのため、近接場光素子として用いることで回折限界以下の分解能で計測・分析を行うことができる。
(偏光制御素子の構成・動作例2)
偏光制御素子101は、直線偏光4による偏光状態を、素子内部に含む金属複合構造体と光との相互作用により変調し、偏光制御された楕円偏光5として利用するものである。ここでは、偏光制御素子101により直線偏光4が楕円偏光5に変換される一例を示し、従来の1/4波長板と同等の機能を有している。
図27は、偏光制御素子の構成を示す断面図である。この偏光制御素子101は、支持基板115上に、入射光の回折限界(波長程度)以下のサイズを有する金属粒子2(図27の例では円柱型構造体)が波長以下の領域に隣接して配置された金属複合構造体6が、周期的に配列した構造を有している。光は上方の金属粒子2の存在する面から入射され、反射型の偏光制御素子101として利用する場合には反射光5bを、透過型の偏光制御素子として利用する場合には透過光5aを、成分分離型の偏光制御素子として利用する場合には透過光5aと反射光5bの両方の成分を、偏光制御された出射光として利用する。
図28、図29、図30は、図27における金属粒子の周期配列の例を示す説明図である。図28は正方格子上の格子点に金属複合構造体6を配列した場合、図29は六方格子上の格子点に金属複合構造体6を配列した場合、図30はストライプ状に金属複合構造体6を配列した場合の構成を示す平面図である。周期構造は、偏光制御素子101の角度依存性や波長依存性を与えるものであり、偏光制御素子101の使用目的に応じて、対称性や周期、ピッチなどを調整する。
この偏光制御素子101に使用する支持基板115は、透過型の素子を構成する場合には、高効率化のために可視領域の波長において吸収の低い材料が好ましく、石英ガラスや、BK7、パイレックス(登録商標)などの硼珪酸ガラス、CaF2、Si、ZnSe、Al23などの光学結晶材料などを利用する。また、反射型の素子を構成する場合には、反射率の高い材料が好ましく、上記の光学ガラス、光学結晶材料に、AlやAuなどの金属膜コーティングを施す。この際の膜厚は、金属中に光がしみ込む表皮深さよりも厚くする必要がある。本例では、30nmから100nm程度の膜厚とする。また、誘電体多層膜による全反射コーティングを施したものであってもよい。また、透過光と反射光の両方を利用するビームスプリッタなどとして利用する場合には、部分反射膜としてCrコーティングなどを利用する。
つぎに、この偏光制御素子101における偏光状態を変調する機構となる金属粒子2および金属粒子2の集団による金属複合構造体6について説明する。金属粒子2を構成する材料は表面プラズモンまたは局在表面プラズモンを励起できる材料である必要がある。ここで、表面プラズモンとは、金属と誘電体の界面領域の金属側に励起される電子の集団運動であり、局在表面プラズモンとは、金属による構造が微小になった場合に、金属材料全体に渡って励起される電子の集団運動である。以下では表面プラズモン、局在表面プラズモンを、ともにプラズモンと記述する。プラズモンは、金属粒子2近傍の電磁界と結合し、伝搬光成分に変換されて遠方場へ放出される。伝搬光への変換効率は、金属粒子2により決まる共鳴周波長近傍で最大となる。プラズモンを励起できる金属材料としては、Au、Ag、Pt、Al、Cu、Ni、Cr、Feなどが利用できる。このような金属粒子2が二つないしは複数個、近接して配置された構造を金属複合構造体6と記述する。ここで、プラズモンとは金属中における電子の集団運動のことである。
図27に示す偏光制御素子101は、二つの円筒形状の金属粒子2のドットが間隔dだけ離れた配置を有する金属複合構造体6により構成されている。金属粒子2の形状は円筒形状に限る必要はなく、加工の容易さから、半球形状などであっても構わない。ここで、金属複合構造体6は、入射する光の回折限界に対して十分に小さな領域内に存在している必要があるため、金属微小構造体2のサイズは制限され、10〜100nmのサイズが好ましい。
遠方から照射される光、または遠方で観測される光においては、光の回折限界による制限から、金属複合構造体6の配置や形状は観測されない。しかしながら、金属複合構造体6に生じるプラズモンおよび近接場光を介したプラズモンの相互作用により、出射される光強度や振動の向きに対する位相差が金属粒子2の大きさや配置に依存して変化する。
このような金属粒子2ならびに金属複合構造体6の作製は、様々な加工方法により可能である。たとえば電子ビームリソグラフィ技術を用いた直接描画による方法や、DUV(遠紫外線)・EUV(深紫外線)リソグラフィ技術による一括露光を行う方法、モールドと呼ばれる型を用い、熱をかけて押し付けるナノインプリント技術などが利用できる。また、相変化材料や遷移金属酸化物材料にレーザー光を照射することにより、材料特性を変化させ、エッチングレートの違いを利用してエッチングする手法が利用できる。
つぎに、このような方法で作製された金属複合構造体6に入射した光の偏光状態が、構造に依存して変化する原理を、数値計算結果に基づいて説明する。数値計算には、電磁界の運動を記述するマクスウェル方程式を時空間の差分方程式に近似して解く、有限時間領域差分法(FDTD法)を利用した。図31、図32は、数値計算に使用したモデルを表しており、空気中に存在するサイズ(直径)40nmの二つのAu球における近接する端部の間隔dを0〜80nmまで変化させた場合の、反射遠方場における偏光状態の変化を調べた。Auの光学定数は、屈折率n=0.072、k=1.496を用いた。この値は、金属球が50nm以下程度に小さくなった場合に、金属球のサイズに依存した光学定数の変化を考慮した値である。
FDTD法により得られた金属複合構造体6(本例ではAu球とする)近傍の電界分布から遠方場光の特性を得るために、電界分布のフーリエ変換により角度θ=0°の成分を抽出し、図31、図32に示すx方向とy方向の振幅比と位相差を算出した。40nmのAu微小球のプラズモン共鳴波長近傍である波長544nmを用い、図31、図32に示すxy面内においてx軸から45°の方向に電界の振動方向をもつ平面波を照射する計算を行った。
図33は振幅比を示すグラフであり、dが大きな領域においては振幅比が1に近づき、偏光面(電界の振動方向)が入射光の偏光方向と一致していることがわかる。これに対し、d=0近傍に近づくにつれて、振幅比が増加し、すなわち偏光面がy方向へ傾く。一方、図34に示すグラフは電界のx成分とy成分の位相差を表している。dがゼロに近づくほど、位相差が大きくなり、d=0の場合に位相差が45°程度となる。以上のFDTD法によるシミュレーションの結果から、Au微小球の間隔を制御することにより、偏光面を回転させることができ、また、偏光状態を、たとえば直線偏光から楕円偏光に変換することができる。金属材料としてAg微小球を使用した場合にも、同様の計算結果が得られるが、この場合、偏光状態に変化の生じる波長領域はAg微小球のプラズモン共鳴波長近傍である波長400nm近傍であった。
ところで、金属粒子2は空気中に剥き出しになっている必要はなく、金属粒子2ならびに金属複合構造体6の劣化を防ぐために、むしろ誘電体による保護膜を有しているほうが好ましい。この場合、金属粒子2を被覆する材料の光学定数(屈折率、消衰係数)に依存して金属粒子2の内部に励起されるプラズモンの共鳴波長がシフトする。したがって、保護層はプラズモンの共鳴波長を調整する機能も有する。図35は、誘電体薄膜7により被覆された金属粒子2ならびに金属複合構造体6を有する偏光制御素子の一例を示した説明図である。誘電体材料7は吸収の少ない材料により構成される必要があり、ZnS−SiO2などの光記録媒体の保護層として利用される遷移金属酸化物などが利用できる。
プラズモンの共鳴波長は、被覆する誘電体材料7に依存する他、金属粒子2自身のサイズにも依存して変化する。図36は、ミー散乱理論により解析的に計算した空気中に配置された単一Au微小球の中心部における電界強度をプロットしたグラフである。Au微小球の半径が5nm程度になると、ほとんどサイズには依存しなくなるが、半径25nmの場合と比較して約25nm程度の共鳴波長のシフトが生じ、サイズの増加に伴って電界強度が増強されることが確認された。共鳴波長のシフトと電界強度の増強は、金属材料や誘電体薄膜材料にも依存する。電界強度の増強はAu微小球の体積に比例した電気双極子モーメントの増大を意味しており、その結果、近接場光による相互作用も増強される。したがって、金属粒子2のサイズを変えることにより、偏光制御素子の偏光制御特性および動作波長を制御することが可能である。なお、ミー散乱とは、微粒子に対して球境界条件を課してマクスウェル方程式を厳密に解いたものであり、光の波長すなわちエネルギーは変わらず、進行方向が変化する現象をいう。
以上の結果から、二つの金属粒子2間の距離を制御することにより、偏光制御素子101の偏光状態、すなわち旋光角と直交する二方向の位相差を制御できることがわかる。既存の偏光板、波長板のような偏光制御素子は、吸収の異方性による偏光の一部分を切り捨てた偏光面の選択や、結晶の鏡像対称性による複屈折を利用するために、材料選択性の自由度が狭く、また、所望の偏光状態を得るためには素子サイズが大きくなってしまう。これに対し、本発明の偏光制御素子101は、支持基板115面内の金属粒子2の配置により位相遅れを制御して偏光制御を行うことが可能であるので、高効率化が可能となっている。また、金属材料を用いているため耐熱性、耐光性に優れた偏光制御素子101を提供することができる。
また、このような構成からなる光学素子の表面で発生している局在表面プラズモンは、表面近傍に近接場光を形成し、この近接場光は波長サイズ以下の領域に局在している。そのため、近接場光素子として用いることで回折限界以下の分解能で計測・分析を行うことが可能である。
(偏光制御素子の構成・動作例3)
図37は、偏光制御素子の構成を示す平面図である。この偏光制御素子101は、前述と同様に、入射光の回折限界(波長程度)以下のサイズを有する金属粒子2が回折限界以下の領域に隣接して配置された金属複合構造体6が、周期的に配列した構造を有している。本偏光制御素子101に使用する支持基板115は、前述と同様であり、透過型素子では石英ガラス、硼珪酸ガラス、光学結晶材料などの透明な材料、反射型素子では金属や、誘電体多層膜など、透過光と反射光の両方を使用する素子ではCrコーティングなどを利用する。金属粒子2および金属複合構造体6を被覆する誘電体材料をともなっていてもよい。この例の偏光制御素子では、金属複合構造体6を構成する複数の金属粒子2の空間配置に依存した偏光制御素子および偏光制御方法を提供するものである。
この偏光制御素子101は、素子内部に含まれる金属複合構造体6が空間的に非対称な構造を有していることを特徴としている。図37はこのような偏光制御素子の一例であり、L字構造の端部および屈曲部に金属粒子2を配置した構成となっている。金属粒子2は、先に説明したように、Au、Ag、Pt、Al、Cu、Ni、Cr、Feなどのプラズモンを励起できる金属材料を使用し、支持基板115上に周期的に配列されている。このような構造は、電子ビームリソグラフィ、DUV(遠紫外線)・EUV(深紫外線)リソグラフィ、ナノインプリント、材料物性の変質を利用したエッチングなどの微細加工技術を利用して作製する。各金属粒子2の形状は特に限定される必要はなく、円筒形状や、半球形状などのものが作製しやすい。ここで、金属複合構造体6は、入射する光の回折限界に対して十分に小さな領域に存在している必要がある。
つぎに偏光制御素子101における偏光制御の原理について説明する。図33、図34に示したように、二つの金属粒子2が隣接して配置されている場合、金属粒子2間の距離が金属粒子2のサイズ程度に近接した場合、その距離依存した近接場光相互作用が働き、x方向とy方向の振幅比および位相差に変化が生じる。このような、金属粒子2の対を図37に示すようにx軸およびy軸に平行に、距離を制御して配列することにより、x方向およびy方向の振幅比および位相差を、金属粒子2が二つだけの金属複合構造体6に比較してより高い自由度で選択することができる。さらに、この偏光制御素子101では、L字構造の端部に位置する斜め方向の金属粒子2間の近接場光による相互作用が偏光状態に関与する。この斜め方向の金属粒子2間の結合を制御するためには、L字構造の辺の長さを調整するほか、二辺の角度を調整してやればよい。
図38は、二辺を90°から角度θだけ外側に変化させた金属複合構造体6を示す説明図である。この場合には、斜め方向の近接場光による相互作用が弱くなる。このように、三つの金属粒子2による三通りの金属微小構造の対ができ、これらの距離を制御して金属複合構造体6を構成してやることにより、高い自由度で偏光状態を制御することが可能な偏光制御素子101を提供することができる。
また、図39、図40に示すように、斜め方向の結合に対しては、鏡像対称関係となる金属粒子2の二つの配置がある。ここでは、図39に示すような右手系、図40に示すような左手系という言葉でそれらを区分する。図中の矢印は、斜め方向に結合する金属粒子2の対におけるプラズモンの縦波による結合成分を示している。左手系と右手系の構成の違いにより、プラズモン振動のx方向成分の向きが反転していることがわかる。これは、左手系と右手系でx方向の位相が180°ずれる成分が存在することを意味している。このことを利用すると、直線偏光を右回り偏光または左回り偏光に変換する偏光状態の制御が可能となる。
上述する偏光制御の原理は、金属粒子2中に励起されるプラズモンの近接場光による結合方向、すなわちプラズモンの縦波、横波成分の異方性を利用するものである。したがって、金属粒子2の個数は三個に限定される必要はなく、波長以下の領域に金属粒子2が複数個配置した構成であってもよい。
金属中のプラズモンの共鳴を利用することから、偏光制御素子101は波長依存性を有する。ここで、第1の実施の形態で図36を用いて説明したように、この偏光制御素子101の動作波長を、金属粒子2のサイズにより制御することが可能である。また、図35を用いて説明したように、金属粒子2ならびに金属複合構造体6を被覆する誘電体薄膜7を構成することにより、動作波長を制御することが可能である。
以上のように、複数個の金属粒子2を用い、金属粒子2の空間的に非対称な配置を利用して、高い偏光選択自由度を有する偏光制御素子101を実現することができる。
(偏光制御素子の構成・動作例4)
図41は、偏光制御素子の構成を示す説明図である。この偏光制御素子101は、前述と同様に、入射光の回折限界(波長程度)以下のサイズを有する金属粒子2が回折限界以下の領域に隣接して配置された金属複合構造体6が、周期的に配列した構造を有している。ここで、金属複合構造体6は、異種の二種類以上の金属材料により構成されている。偏光制御素子101に使用する支持基板115は、前述と同様に、透過型素子では石英ガラス、硼珪酸ガラス、光学結晶材料などの透明な材料、反射型素子では金属や、誘電体多層膜などを利用する。また、金属粒子および金属複合構造体を被覆する誘電体材料をともなっていてもよい。
この偏光制御素子101は、素子内部に含まれる金属複合構造体6が二種以上の異種金属材料により構成されることを特徴としている。図41はこのような偏光制御素子の一例であり、金属粒子2aによる金属微小構造体の対と、金属粒子2aとは異なる金属粒子2bによる金属微細構造体の対により構成される金属複合構造体6を有している。図41は金属粒子2aと金属粒子2bが平行に配列した構造を有しているが、同種金属により構成された金属粒子の対が、複数の材料に対して、入射光の波長以下の領域に存在していればよい。
このような金属複合構造体6は、先に説明したように、Au、Ag、Pt、Al、Cu、Ni、Cr、Feなどのプラズモンを励起できる金属材料を組み合わせて実現することができ、電子ビームリソグラフィ、DUV(遠紫外線)・EUV(深紫外線)リソグラフィ、ナノインプリント、材料物性の変質を利用したエッチングなどの微細加工技術を利用して作製することができる。各金属粒子2の形状は特に限定される必要はなく、円筒形状や、半球形状などのものが作製しやすい。
つぎに、この光偏光制御素子の原理について説明する。図33、図34に示したように、同種の二つの金属粒子2が隣接して配置された場合、近接場光による相互作用の結果、x方向とy方向のプラズモン振動に異方性が現れる。ここで、近接場光による相互作用の強さは、金属材料のプラズモン共鳴波長に依存して大きく変化するため、金属粒子2間の間隔に対する電界のx方向成分とy方向成分の振幅比および位相差は金属材料の種類ごとに異なる特性を有する。また、異種金属間の近接場光による相互作用は、プラズモンの共鳴波長が離れた金属材料を選択した場合には弱く、プラズモン振動の異方性は大きく現れないため、無視して考えてもよい。したがって、同種金属による金属粒子2の対と、異なる金属による金属粒子2の対を、それぞれに対して金属粒子2の間隔を調整して配置することにより、入射光の偏光状態を多様に制御することが可能であり、また、偏光制御素子101の動作波長の範囲も設定することができる。
以上のように、異種金属を含んだ金属粒子2を、同種金属材料による対にして入射光の波長以下の領域に配列した金属複合構造体6を有する構成により、この偏光制御素子101は高い自由度で偏光特性を制御することが可能となり、動作波長の範囲も金属材料の組み合わせにより広く選択することができる。
(偏光制御素子の構成・動作例5)
図42は、偏光制御素子の構成を示す断面図である。この偏光制御素子101は、入射光の回折限界(波長程度)以下のサイズを有する金属微小構造体として、金属粒子2aと、誘電体材料8と、金属粒子2bが順に積層された構成を有している。また、このような金属微小構造体が回折限界以下の領域に隣接して配置された金属複合構造体6が、周期的に配列した構造を有している。ここで、金属複合構造体6は、異種の二種類以上の金属粒子(材料)により構成されている。この偏光制御素子に使用する支持基板115は、前述と同様に透過型素子では石英ガラス、硼珪酸ガラス、光学結晶材料などの透明な材料、反射型素子では金属や、誘電体多層膜などを利用する。また、金属粒子および金属複合構造体を被覆する誘電体材料をともなっていてもよい。
この偏光制御素子101は、二種以上の金属材料を用いた偏光制御素子を積層構造により実現することを特徴としている。同一面内に異種の金属材料を作製することは、位置合わせの問題などから、加工精度における問題がある。しかしながら、異種金属材料による構成を有する本発明の偏光制御素子の場合、同種金属材料の対が構成されてさえいればよく、必ずしも金属微小構造体が支持基板115上の同一面内に存在する必要はない。したがって、図42に示すような積層構造を有する金属複合構造体6を構成するほうが、作製が容易になる点で好ましい。
このような金属粒子2は、先に説明したように、Au、Ag、Pt、Al、Cu、Ni、Cr、Feなどのプラズモンを励起できる金属材料を組み合わせて実現することができる。金属粒子2a、誘電体材料8、金属粒子2bの順に、スパッタリング法により積層し、その後、電子ビームリソグラフィ、DUV(遠紫外線)・EUV(深紫外線)リソグラフィなどの手法により金属粒子の周辺部をエッチングにより除去する。また、金属粒子2a、誘電体材料8、金属粒子2bの順に積層した後、さらに光を照射することにより材料物性の変質しエッチングレートが変化する相変化材料や遷移金属酸化物材料を成膜して、光によるパターニングの後にエッチングにより周辺部を除去する方法が利用できる。この場合、最上層に相変化材料や遷移金属酸化物材料層が残るが、これはプラズモンの共鳴波長を変化させる効果があるため、使用する光の波長に適合した材料を選択する必要がある。
この偏光制御素子の動作原理は、前述と同様であり、金属材料の種類に依存した近接場光による相互作用の結果、x方向とy方向のプラズモン振動の異方性を多様に得ることができ、入射光の偏光状態を制御することが可能となる。また、この偏光制御素子の動作波長の範囲も設定することができる。
(偏光制御素子の構成・動作例6)
図43は、偏光制御素子の構成を示す断面図である。この偏光制御素子101は、入射光の回折限界(波長程度)以下のサイズを有する金属微小構造体として、金属粒子2aと、金属粒子2bが順に積層された構成を有している。また、このような金属微小構造体が回折限界以下の領域に隣接して配置された金属複合構造体6が、周期的に配列した構造を有している。ここで、金属複合構造体6は、異種の二種類以上の金属粒子(材料)により構成されている。この偏光制御素子101に使用する支持基板115は、前述と同様に透過型素子では石英ガラス、硼珪酸ガラス、光学結晶材料などの透明な材料、反射型素子では金属や、誘電体多層膜などを利用する。また、金属粒子および金属複合構造体を被覆する誘電体材料をともなっていてもよい。
(偏光制御素子の構成・動作例7)
ここでは、支持基板115上に、2種類以上の金属あるいは合金からなる金属粒子2のパターンを連続的に形成させることで、金属の種類による光のプラズモン共鳴波長の違いを利用して透過光あるいは反射光に位相差を生じさせるとともに、波長板の機能を実現可能にするものである。また、金属粒子2で構成することにより、有機多層膜のものに対して耐熱性に優れた偏光制御素子を提供するものである。
図44は、偏光制御素子の構成を示す説明図である。ここでは、図示するように、偏光制御素子101は、支持基板115上に、金属粒子2aと金属粒子2bを所定の規則性を持たせて配置する。この金属粒子2aと金属粒子2bは、たとえばEB(電子ビームリソグラフィ)やフォトリソグラフィ、インプリントとスパッタ・エッチングなどのプロセスを複合させて形成する。
つぎに上記の偏光制御素子101の製造プロセスを、図45を参照し説明する。まず、ガラスなどの透明材料の支持基板115を用意し(工程1)、この支持基板115に対してレジスト9をスピンコートなどの方法によって塗布する(工程2)。続いて、EB(電子ビームリソグラフィ)などを用いて一部のみが残るようにレジスト9を露光しリンスする(工程3)。その後、基板の一部が凸形状115aとなるように、たとえばRIE(反応性ドライエッチング)などによりエッチングを行う(工程4)。この凸形状115aがその後のプロセスを行うための基準マークとなる。この基準マークを有する基板に再びレジスト9を塗布し(工程5)、金属粒子2aを形成したい部分のレジスト9を除去するよう基準マークを位置基準にして露光しリンスする(工程6)。続いて、この基板に対して金属粒子2aをスパッタリングあるいは蒸着などのプロセスで成膜し(工程7)、その後、レジスト9の除去に伴うリフトオフによって所望の金属粒子以外の金属を除去する(工程8)。続いて、凸形状115aが隠れない程度の厚さになるように再度レジスト9を塗布する(工程9)。ついで、再び基準マークを位置基準として金属粒子2bを形成したい部分のレジスト9を除去するようにEB(電子ビーム)露光しリンスする(工程10)。その後、上記工程7と同様に金属粒子2bを成膜し(工程11)、リフトオフによって余分な金属を除去することにより所望のパターンを有した偏光制御素子101が完成する(工程12)。
なお、上記のプロセスでは2種類の金属粒子を形成する例について説明したが、3種類以上の金属粒子でパターンを形成したい場合は、上記工程9〜工程12のプロセスを繰り返し実行する。
上記の金属粒子の材料は、使用する光源波長と所望の位相補償機能に応じて選択する。たとえば、Au、Ag、Al、Pt、Ni、Cr、Cu、Feなどの金属材料が考えられる。また、これら金属の合金であってもよい。
以上のようにして金属粒子2aと金属粒子2bが形成された支持基板115に対して光を照射すると、各金属微粒子の局在表面プラズモン共鳴周波数に依存し、電界に振幅比や位相差が生じる。そのため、各金属粒子からの光が重畳された反射光あるいは透過光の偏光成分にも位相差が生じ、偏光状態が変換される。ここで、プラズモンとは金属中における電子の集団運動のことである。
すなわち、図46に示すように、金属粒子2aと金属粒子2bが形成された支持基板115の偏光制御素子101に対して、たとえばY軸方向の直線偏光4を入射すると、この偏光制御素子101を通過した光は楕円偏光5となる。
このような構成からなる光学素子(偏光制御素子101)の表面で発生している局在表面プラズモンは近接場光とも呼ばれ、波長サイズ以下の領域に局在している。そのため、近接場光素子として用いることで回折限界以下の分解能で計測、分析を行うことができる。なお、近接場光は物体表面にまとわりついた光であり、物体から離れるにしたがって強度が指数関数的に減少し、物体表面から100ナノメートル程度しか広がらない特性をもつものである。また、表面プラズモン光は、物体の表面でのみ伝播する光であり、局在プラズモン光は、非常に微小な粒子や先端がとがった局所的な領域に存在する光である。
ところで、金属粒子2aと金属粒子2bとを図44のように並列のパターンで配置したが、これとは異なる配置でもよい。たとえば、図47に示すように、金属粒子2aと金属粒子2bとの異種金属をL字状となるようなパターンで配置する。すなわち、金属粒子2aと金属粒子2bとを図示するようにL字状に形成する。このとき、X方向およびY方向の異方性によって金属粒子間に発生する電界の振幅比や位相差の変化が大きくなるため、偏光状態の設計自由度も大きくなる。すなわち、金属粒子をL型の異方性を持たせることで、金属粒子で発生する電界の振幅比や位相差をより大きくすることができ、透過光あるいは反射光の各偏光成分の位相差を大きくすることができ、偏光状態の設計自由度が大きい偏光制御素子を提供することができる。
この図47では、金属粒子を楕円形状としているが、球状の粒子を連続して配置することで擬似的に楕円形状を形成する構成であってもよい。このとき、擬似楕円を形成する粒子の形状は球以外の形状、たとえば半球であるとか多角柱形状などであってもよい。また、パターンに関しても異方性のある配置であればL字以外であってもよく、たとえばT字パターンやV字パターン、卍パターンなどがあげられる。
さて、金属粒子の大きさによって局在プラズモン共鳴波長は異なる。たとえば図48のグラフに示すように、ミー散乱理論にしたがった計算の結果、Agの共鳴強度がピークになる波長は、粒子半径がr6(25nm)の場合は340nmであるのに対し、粒子半径r2(5nm)では316nmである。一方、図49のグラフに示すようにAuに対してλ=500nmの光を照射した場合の共鳴強度は、半径r6(25nm)の粒子では半径r2(5nm)の粒子の3倍以上になる。したがって、使用する金属および光源波長に応じて適切な共鳴が生じるような粒子サイズを選択して設計することで、偏光を所望の状態に変換するような波長板を作製することができる。なお、ミー散乱とは、波長と同程度の大きさの粒子(散乱体)を含む媒質中を光が通過する場合、光の波長とエネルギーは変わらず、進行方向が変化する現象をいう。
(偏光制御素子の構成・動作例8)
ここでは、上記例とは異なる他の偏光制御素子の構成について図50を参照し説明する。先に述べた金属複合構造体6を、高さが、入射光の波長より小さい周期で変調されている周期(格子)構造を表面に有している支持基板115上に配置したものである。この構成により、光を入射した際に高次の回折光が発生せず、支持基板115の表層にエバネッセント光が発生する。発生したエバネッセント光(evanescent light)は、支持基板115の格子ベクトルの方向に基板表面上を伝播し、各金属粒子2近傍の局在表面プラズモンと強くカップリングし、各金属粒子2にて発生する光放射および光吸収をより強く生じさせることができる。なお、エバネッセント光は、一般的には、境界面近傍で限定された領域における励起のために用いられる特殊な光として知られている。
先に述べた例の場合、支持基板115からの反射光あるいは透過光に対して、金属粒子2からの近接場光放射の成分の光強度が比較的低いため、前者の光成分に後者の光成分が「埋もれて」しまうことが多かった。金属粒子2による偏光制御効果を抽出するためには、たとえば反射率の低い支持基板115に配置した金属粒子2からの反射光を取り出す場合などに限られていた。エバネッセント光にて局在表面プラズモンを増強し、より強い光放射および光吸収を発生させることにより、高いコントラストの偏光制御信号光を得ることができ、先の「埋もれて」しまう問題を回避することができる。
なお、上記の例では、微細周期構造の基板はエバネッセント光を発生させることにのみ利用するものであったが、従来の微細周期構造基板のもつ光制御機能を発現させ、金属微小構造からの近接場光放射による偏光制御機能と併せて利用することも可能である。
たとえば、図51に示すようなサブ波長構造基板において、構造周期を一定とし、単位周期あたりの凹部と凸部の面積比を変調(フィルファクター変調)することで、透過光の波面を制御し、透過光を集光、偏向が可能な素子が実現できる。この機能と先に述べた金属微小構造による偏光制御機能を併せて、波面制御機能と偏光制御機能とを独立に制御できる素子が実現できる。
つぎに、簡単に上記の位相変調の原理について説明する。サブ波長領域での材料の屈折率は多くの場合、以下の式に示す有効屈折率法によって近似されることが知られている。
Figure 2008122618
ここでnExは、図52において電場が構造に平行に振動する垂直な偏光成分に対する屈折率、nEyは電場が構造に垂直な方向に振動する成分に対する屈折率を示す。fは構造の幅wと周期pとの比であるフィルファクターを示す。
図53にはn=1、n2=1.5とした場合のフィルファクターによる有効屈折率を示す。このようにTE、TM波ともn1からn2までデューティによって制御可能であることが分かる。このとき偏光の異なる入射光での有効屈折率は偏光成分により、このTE、TM波による有効屈折率の線形結合した値となる。なお、TEはtransverse electricの略であり、電界ベクトルは波の進行方向に垂直になる。また、MEはtransverse magneticの略であり、磁界ベクトルは波の進行方向に垂直になることを意味する。
このとき透過0次光の位相変調はこの有効屈折率nを用いて入射光波長をλ、透過光路長をdとすると、位相変調量φは、
φ=2πnd/λπ
で与えられる。
また、上記のような構造を、屈折光学素子、たとえばレンズ、の表面上に構成することにより、上記の波面制御機能と偏光制御機能および、レンズによる屈折力制御機能を併せ持ち、独立に制御可能な素子を実現できる。これにより、たとえば、従来は波長板およびレンズといった2つの光学部品により構成されていた光学機能が、本発明では単一素子に集約できることになり、省スペース化が図れると共に、複雑な光学調整などの簡便化も可能となる。
これまでの実施の形態では、図50、図51に示したように、金属複合構造体6が支持基板115の凸部に配置されている例を示したが、凸部、凹部のどちらに配置するかを選択することで、偏光特性を制御することができる。たとえば、図54に示すようなL字のパターン状に配列している金属微小構造群を基板の凹部に配置した場合と、先の図50の場合とで、x,y方向それぞれの偏光成分が均一な45°の直線偏光の金属粒子の群からの反射光の旋光特性をジョーンズベクトルで比較すると、図55に示すように互いに逆方向の旋光効果を得ることができる。この図55において、符号4は直線偏光(入射光)、符号11は図50における支持基板115からの反射光、符号12は図54における支持基板115からの反射光をそれぞれ示すものである。なお、ジョーンズベクトルは光波の偏光状態を1×2の行列で表すベクトルである。
また、このような構成からなる光学素子の表面で発生している局在表面プラズモンは近接場光とも呼ばれ、波長サイズ以下の領域に局在している。そのため、近接場光素子として用いることで回折限界以下の分解能で計測・分析を行ったり、光リソグラフィに応用したりすることで従来よりも微細なパターニングを行うことも可能である。特に後者に関しては、近接場光の非断熱過程による作用のため、レジストと反応しないような可視光源でも感光させることができ、波長光源やそれに対応した光学素子が不要になるので装置の省コスト化が可能になるなどの効果もある。
また、図56のように、凹部と凸部に異なる金属構造体パターンを配置することにより、上記例とは異なる特性を持つ偏光制御素子を構成することもできる。凹部と凸部で同じパターンであるが、左右が反転あるいは、裏表が反転しているパターンを構成したり、場合によっては同じパターンであってもよい。
(偏光制御素子と反射型偏光子との関係について)
上記の如く、金属構造体の大きさを調整して、その共鳴波長が使用する光源の波長λに略等しくなるように設定することに加えて、金属構造体の間隔を適宜に調整することによって、偏光制御素子101からの反射光あるいは透過光の偏光状態を入射光の偏光状態から変化させることができる。
すなわち、直線偏光である偏光制御素子101への入射光の偏光方向(x軸に対して45°傾いた方向に電場が振動する直線偏光)に対して金属構造体の配置パターンが非軸対称に配置されているので、金属構造体に生じる「局在表面プラズモンの共鳴周波数」に依存して、金属構造体間に生じる「近接場相互作用」により、金属構造体間で位相差が生じ、金属構造体からの透過光の偏光成分に位相差が生まれ、透過光の偏光状態が直線偏光から変化する。
上記の如く、入射光Lの偏光方向をx方向に対して45度傾いた直線偏光とすると、光学基板を透過した光は各単位処理領域における金属構造体の間隔に応じた「楕円偏光」となる。
図57においては、図示しない光源が、反射型偏光子103と偏光制御素子101の間に設置されている。この場合、反射手段は偏光制御素子101の反射型偏光子103とは反対側にある。あるいは、図示しない光源は、偏光制御素子101の反射型偏光子103とは反対側で、かつ、反射手段と偏光制御素子101との間に設置されている。これらの状態で、光源から発せられた光は、ランダム偏光のまま反射型偏光子103に入射する。反射型偏光子103はx軸から45度の直線偏光Lを偏光制御素子101に反射する。また、直線偏光Lと直交する直線偏光Mは透過する。
図57の如く、金属構造体のパターンが、x軸あるいはy軸に関して軸対象である場合、図57の偏光制御素子101に対し、x軸に対して45°傾いた方向の直線偏光Lを入射させた場合、透過光の偏光状態を「もっとも効率よく」楕円偏光に変換できる。すなわち、偏光制御素子101に入射する直線偏光の偏光方向に対して、偏光制御素子101の、最小構成単位の金属構造体の配置パターンが軸対称とならないようにする。好ましくは金属構造体のパターンが軸対象となる方向(図57の場合x軸方向またはy軸方向)から45°の方向に、偏光制御素子101に入射する直線偏光の偏光方向を設定する。
したがって、図57の実施の形態を示す偏光制御素子のように「偏光制御素子の金属構造体のパターンが軸対象となる方向(図57の場合はx軸方向またはy軸方向)から±45度傾いた直線偏光のみを偏光制御素子101の入射面側に、反射するように反射型偏光子103を配置」することにより、偏光制御素子から「金属構造体に生じる局在表面プラズモンの共鳴周波数に応じた波長で効率よく楕円偏光化された光」を射出させることができる。なお、反射型偏光子103は偏光制御素子101と一体に形成されていてもよい。たとえば、同一基板上に積層するような形態が考えられる。
すなわち、図57は、偏光制御素子101の光入射側に配置されて直線偏光のみを反射する反射型偏光子103を有し、反射型偏光子103を反射した直線偏光の偏光方向が金属構造体の配列パターンに対して非対称になる偏光成分(上の例でx方向に対して45°傾く成分)となるように反射型偏光子103と偏光制御素子101の相対的な関係を定めた構成を示している。
図58に、反射型偏光子103と偏光制御素子101の関係を解りやすく示す。反射型偏光子103のストライプ状金属パターン117はY軸方向に延伸しているので、この反射型偏光子103はY軸方向の偏光、すなわち直線偏光Lを反射する。偏光制御素子101の最小構成単位の金属ドットパターン116が軸対象となる方向aあるいは方向bは、直線偏光Lの偏光方向に対して、45度あるいは−45度の角度を成している。同時に、直線偏光Lの偏光方向に対して、偏光制御素子101の最小構成単位のパターンは非軸対称に配置されている。
したがって、上述してきたような実施の形態によれば、偏光制御素子101が、LEDチップ102aなどの光源が発する光の波長よりも小さな微小金属構造体(金属粒子2)を、光源が発する光の波長よりも小さい間隔で、偏光制御素子101の支持基板115に、2次元に配置した偏光制御素子であって、2個以上の微小金属構造体からなる最小構成単位の方向が等しく、かつ、最小構成単位間の間隔が、一定周期で、または、ランダムで、2次元配列状に形成されていること、を特徴とする偏光光源ユニットであるので、2個の微小な金属構造からなる最小構成単位が、2次元配列状に基板上に形成することにより、設計自由度が高く、かつ金属構造とすることで耐熱性や耐光性に優れた偏光制御素子を用いることにより、小型・高輝度・高効率な直線偏光光源を提供し、小型・高画質・低消費電力の液晶プロジェクタを実現することができる。
また、反射手段が、光源よりも反射型偏光子103側に配置されているとともに、光源からの光が、偏光制御素子101および反射型偏光子103に照射されるように、反射手段に開口が設けられているので、2個の微小な金属構造からなる最小構成単位が、2次元配列状に基板上に形成することにより、設計自由度が高く、かつ金属構造とすることで耐熱性や耐光性に優れた偏光制御素子を用いることにより、小型・高輝度・高効率な直線偏光光源を提供し、小型・高画質・低消費電力の液晶プロジェクタを実現することができる。
また、偏光制御素子101の支持基板115に、2個以上の微小な金属構造体(金属粒子2)がL字形状に配置されている最小構成単位が、2次元配列状に形成されているので、それぞれの微小な金属構造からなる最小単位がL字形状に構成され、L字形状が2次元配列状に基板上に形成することにより、設計自由度が高く、かつ金属構造とすることで耐熱性や耐光性に優れた偏光制御素子を用いることにより、小型・高輝度・高効率な直線偏光光源を提供し、小型・高画質・低消費電力の液晶プロジェクタを実現することができる。
また、偏光制御素子101の支持基板115に、2個以上の微小な金属構造体(金属粒子2)がT字形状に配置されている最小構成単位が、2次元配列状に形成されているので、それぞれの微小な金属構造からなる最小単位がT字形状に構成され、T字形状が2次元配列状に基板上に形成することにより、設計自由度が高く、かつ金属構造とすることで耐熱性や耐光性に優れた偏光制御素子を用いることにより、小型・高輝度・高効率な直線偏光光源を提供し、小型・高画質・低消費電力の液晶プロジェクタを実現することができる。
また、偏光制御素子101の支持基板115に、2個以上の前記微小な金属構造体が卍字形状に配置されている最小構成単位が、2次元配列状に形成されているので、それぞれの微小な金属構造からなる最小単位が卍字形状に構成され、卍字形状が2次元配列状に基板上に形成することにより、設計自由度が高く、かつ金属構造とすることで耐熱性や耐光性に優れた偏光制御素子を用いることにより、小型・高輝度・高効率な直線偏光光源を提供し、小型・高画質・低消費電力の液晶プロジェクタを実現することができる。
また、偏光制御素子101の微小な金属構造体(金属粒子2)からなる最小構成単位が、正方格子、六方格子、ストライプ状のいずれか一つの2次元配列状に形成されている偏光制御素子であるので、金属構造体からなる最小構成単位の周期配列により構成することにより、遠方場における電界の空間パターンを制御する機能を有する偏光制御素子を用いることにより、小型・高輝度・高効率な直線偏光光源を提供し、小型・高画質・低消費電力の液晶プロジェクタを実現することができる。
また、偏光制御素子101の微小な金属構造体(金属粒子2)を構成する金属材料が、Ag、Au、Pt、Al、Cu、Ni、Cr、Feのいずれか一種類または二種類以上により構成されているので、金属構造体を上記の金属材料により構成した耐熱性、耐光性の優れた偏光制御素子を用いることにより、小型・高輝度・高効率な直線偏光光源を提供し、小型・高画質・低消費電力の液晶プロジェクタを実現することができる。
また、偏光制御素子101の最小構成単位内で、異なる種類の金属からなる二個以上の金属構造体が同一平面上に形成されている前記最小構成単位であるので、金属構造体の金属の種類による光のプラズモン共鳴波長の違いを利用して透過光または反射光に位相差を生じさせ、かつ金属粒子で構成させることで耐熱性に優れた偏光制御素子を用いることにより、小型・高輝度・高効率な直線偏光光源を提供し、小型・高画質・低消費電力の液晶プロジェクタを実現することができる。
また、偏光制御素子101の金属構造体(金属粒子2)が、複数種類の材料の金属層と誘電体層を交互に積層した多層構造体であるので、二種類の金属材料と誘電体材料を含む積層構造により金属微小構造体を形成することにより、同一面内に異種金属を形成する場合に比較して、より単純な作製工程で偏光制御素子を用いることにより、小型・高輝度・高効率な直線偏光光源を提供し、小型・高画質・低消費電力の液晶プロジェクタを実現することができる。
また、偏光制御素子101の金属構造体(金属粒子2)が、複数種類の材料の金属層を交互に積層した多層構造体であるので、二種類の金属材料と誘電体材料を含む積層構造により金属微小構造体を形成することにより、同一面内に異種金属を形成する場合に比較して、より単純な作製工程で偏光制御素子を用いることにより、小型・高輝度・高効率な直線偏光光源を提供し、小型・高画質・低消費電力の液晶プロジェクタを実現することができる。
また、偏光制御素子101の支持基板115の表面に、高さが周期的に変調されてなる周期構造を有し、周期構造が、入射光の波長より小さい周期で構成されているので、支持基板115が、高さが周期的に変調されてなる周期構造を表面に有し、この周期構造が、入射光の波長の2倍より小さい周期で構成されていることにより、基板表層に生じるエバネッセント光と金属微小構造群の近接場光との結合による強い光放射および光吸収を発生させる偏光特性の制御性能の高い偏光制御素子を用いることにより、小型・高輝度・高効率な直線偏光光源を提供し、小型・高画質・低消費電力の液晶プロジェクタを実現することができる。
また、反射型偏光子103が反射する直線偏光の光の偏光方向に対して、最小構成単位の金属構造体(金属粒子2)の配置パターンが非軸対称となるように、反射型偏光子103と偏光制御素子101の相対的な位置関係を定めたので、反射型偏光子103と偏光制御素子101との適切な位置関係を明確にし、これにより、偏光制御素子を使った小型・高輝度・高効率な直線偏光光源を提供し、小型・高画質・低消費電力の液晶プロジェクタを実現することができる。
以上のように、本発明にかかる偏光光源ユニットは、液晶プロジェクタの高効率小型光源、偏光顕微鏡などに有用であり、特に、耐熱性を有し、高効率で小型な直線偏光光源が必要な光学機器やユニットなどに適している。
本発明の実施の形態にかかる偏光光源ユニットの構成を示す上面図である。 本発明の実施の形態にかかる偏光光源ユニットの構成を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態にかかる偏光光源ユニットの構成を示す説明図である。 本発明の実施の形態にかかる偏光光源ユニットにおけるLEDチップの実装方法(1)を示す説明図である。 本発明の実施の形態にかかる偏光光源ユニットにおけるLEDチップの実装方法(2)を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態にかかる偏光光源ユニットの構成を示す説明図である。 本発明の第3の実施の形態にかかる偏光光源ユニットの構成を示す説明図である。 本発明の第4の実施の形態にかかる偏光光源ユニットの構成を示す説明図である。 本発明の第5の実施の形態にかかる偏光光源ユニットの構成を示す説明図である。 本発明の第6の実施の形態にかかる偏光光源ユニットの構成を示す説明図である。 本発明の第7の実施の形態にかかる偏光光源ユニットの構成を示す説明図である。 本発明の第8の実施の形態にかかる偏光光源ユニットの構成を示す説明図である。 本発明の第9の実施の形態にかかる偏光光源ユニットの構成を示す説明図である。 本発明の第10の実施の形態にかかる偏光光源ユニットの構成を示す説明図である。 本発明の他の実施の形態にかかる偏光光源ユニットの構成例(1)を示す説明図である。 本発明の他の実施の形態にかかる偏光光源ユニットの構成例(2)を示す説明図である。 本発明の他の実施の形態にかかる偏光光源ユニットの構成例(3)を示す説明図である。 本発明の他の実施の形態にかかる偏光光源ユニットの構成例(4)を示す説明図である。 本発明の他の実施の形態にかかる偏光光源ユニットの構成例(5)を示す説明図である。 本発明の他の実施の形態にかかる偏光光源ユニットの構成例(6)を示す説明図である。 本発明の実施の形態にかかる偏光制御素子の動作を示す説明図である。 本発明の実施の形態にかかる偏光制御素子の一定周期間隔での配列例を示す説明図である。 本発明の実施の形態にかかる偏光制御素子のランダム間隔での配列例を示す説明図である。 本発明の実施の形態にかかる偏光制御素子における金属粒子の配置パターン(1)を示す説明図である。 本発明の実施の形態にかかる偏光制御素子における金属粒子の配置パターン(2)を示す説明図である。 本発明の実施の形態にかかる偏光制御素子における金属粒子の配置パターン(3)を示す説明図である。 本発明の実施の形態にかかる偏光制御素子における金属粒子の配置パターン(4)を示す説明図である。 本発明の実施の形態にかかる偏光制御素子における金属粒子の配置パターン(5)を示す説明図である。 本発明の実施の形態にかかる偏光制御素子の断面構成を示す説明図である。 本発明の実施の形態にかかる偏光制御素子における金属粒子の配置パターン(6)を示す説明図である。 本発明の実施の形態にかかる偏光制御素子における金属粒子の配置パターン(7)を示す説明図である。 本発明の実施の形態にかかる偏光制御素子における金属粒子の配置パターン(8)を示す説明図である。 本発明の実施の形態にかかる偏光制御素子における数値計算のモデル(1)を示す説明図である。 本発明の実施の形態にかかる偏光制御素子における数値計算のモデル(2)を示す説明図である。 本発明の実施の形態にかかる偏光制御素子の金属粒子距離と振幅比との関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態にかかる偏光制御素子の金属粒子距離と位相差との関係を示すグラフである。 誘電体薄膜で被覆された金属粒子、金属複合構造体を有する偏光制御素子の構成を示す断面図である。 ミー散乱理論により解析的に計算した空気中に配置された単一Au微小球の中心部における電解強度をプロッタした例を示すグラフである。 本発明の実施の形態にかかる偏光制御素子における金属粒子の配置パターン(9)を示す説明図である。 二辺を90°から角度θだけ外側に変化させた金属複合構造体を示す説明図である。 図37の金属複合構造体における右手系配置でのプラズモンの縦波による結合成分を示す説明図である。 図37の金属複合構造体における左手系配置でのプラズモンの縦波による結合成分を示す説明図である。 本発明の実施の形態にかかる偏光制御素子における金属粒子の配置パターン(10)を示す説明図である。 本発明の実施の形態にかかる偏光制御素子における金属粒子の配置構成(1)を示す断面図である。 本発明の実施の形態にかかる偏光制御素子における金属粒子の配置構成(2)を示す断面図である。 本発明の実施の形態にかかる偏光制御素子における金属粒子の配置パターン(11)を示す説明図である。 本発明の実施の形態にかかる偏光制御素子の製造プロセスを示す説明図である。 2種類の金属粒子が形成された偏光制御素子にY軸方向に直線偏光を入射した場合における出力光の例を示す説明図である。 2種類の金属粒子をL字状に配置した例を示す説明図である。 Agを用いた場合におけるミー散乱理論にしたがった波長と強度の関係を示すグラフである。 Auを用いた場合におけるミー散乱理論にしたがった波長と強度の関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態にかかる偏光制御素子のサブ波長構造例(1)を示す説明図である。 本発明の実施の形態にかかる偏光制御素子のサブ波長構造例(2)を示す説明図である。 金属粒子の部分におけるフィルファクターにかかわる符号条件を示す説明図である。 ファイルファクターと有効屈折率との関係を示すグラフである。 図50に対して凹部と凸部を反対構成にした例を示す説明図である。 基板からの反射光をジョーンズベクトルで示すグラフである。 図54の凹部および凸部に金属複合構造体を配置した例を示す説明図である。 本発明の実施の形態にかかる偏光制御素子の偏光状態を示す説明図である。 反射型偏光子と偏光制御素子との関係を示す上面図である。
符号の説明
2,2a,2b 金属粒子
4 直線偏光
5 楕円偏光
5a 透過光
5b 反射光
6 金属複合構造体
7 誘電体薄膜
100 偏光光源ユニット
101 偏光制御素子
102a LEDチップ
102b キセノンランプ
102c 冷陰極蛍光灯
103 反射型偏光子
104a,104b,104c 反射手段
115 支持基板
116 金属ドットパターン
120 LCDパネル

Claims (12)

  1. 反射手段と反射型偏光子との間に、光源と偏光制御素子を配置した偏光光源ユニットにおいて、
    前記光源から発した光のうち、一方の直線偏光のみが前記反射型偏光子から前記偏光光源ユニットの外部に透過するとともに、
    前記反射型偏光子に反射された他方の直線偏光が、前記反射手段と前記反射型偏光子の間で多重反射を繰り返しながら、前記偏光制御素子により、前記他方の直線偏光の偏光状態を変化させることにより、
    前記他方の直線偏光が、前記反射型偏光子から外部に透過し得る前記一方の直線偏光に変換される偏光光源ユニットであって、
    前記偏光制御素子が、前記光源が発する光の波長よりも小さな2個以上の微小金属構造体を、前記光源が発する光の波長よりも小さい間隔の最小構成単位で2次元に配置した偏光制御素子であって、
    前記最小構成単位の方向が等しく、かつ、前記最小構成単位間の間隔が、前記光源が発する波長よりも大きいとともに、前記最小構成単位間の間隔が、一定周期に、または、ランダムに2次元配列状に形成されていることを特徴とする偏光光源ユニット。
  2. 前記反射手段が、前記光源よりも前記反射型偏光子側に配置されているとともに、前記光源からの光が、前記偏光制御素子および前記反射型偏光子に照射されるように、前記反射手段に開口が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の偏光光源ユニット。
  3. 前記偏光制御素子の前記最小構成単位において、2個以上の前記微小金属構造体がL字形状に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の偏光光源ユニット。
  4. 前記偏光制御素子の前記最小構成単位において、2個以上の前記微小金属構造体がT字形状に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の偏光光源ユニット。
  5. 前記偏光制御素子の前記最小構成単位において、2個以上の前記微小金属構造体が卍字または逆卍字形状に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の偏光光源ユニット。
  6. 前記偏光制御素子の前記最小構成単位が、正方格子、六方格子、ストライプ状のいずれか一つの2次元配列状に配列されている偏光制御素子であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一つに記載の偏光光源ユニット。
  7. 前記偏光制御素子の前記微小な金属構造体を構成する金属材料が、Ag、Au、Pt、Al、Cu、Ni、Cr、Feのいずれか一種類または二種類以上を含むことを特徴とする請求項1〜6の何れか一つに記載の偏光光源ユニット。
  8. 前記偏光制御素子の前記最小構成単位内で、異なる種類の金属からなる二個以上の金属構造体が同一平面上に形成されている前記最小構成単位であることを特徴とする請求項7に記載の偏光光源ユニット。
  9. 前記偏光制御素子の金属構造体が、複数種類の材料の金属層と誘電体層を交互に積層した多層構造体であることを特徴とする請求項7に記載の偏光光源ユニット。
  10. 前記偏光制御素子の金属構造体が、複数種類の材料の金属層を積層した多層構造体であることを特徴とする請求項7に記載の偏光光源ユニット。
  11. 前記偏光制御素子の基板の表面に、高さが周期的に変調されてなる周期構造を有し、前記周期構造が、前記光源が発する波長より小さい周期であることを特徴とする請求項1〜10の何れか一つに記載の偏光光源ユニット。
  12. 前記反射型偏光子が反射する直線偏光の光の偏光方向に対して、前記最小構成単位の金属構造体の配置パターンが非軸対称となるように、前記反射型偏光子と前記偏光制御素子の相対的な位置関係を定めたことを特徴とする請求項1〜11の何れか一つに記載の偏光光源ユニット。
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