JP2017157488A - 光学装置、光源装置及び投影装置 - Google Patents

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昌宏 今田
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Abstract

【課題】金属製のナノ構造によるプラズモン増強効果及び配光制御効果を保ちつつ、偏光を制御することもできる光学装置を提供すること。
【解決手段】金属で形成され、2次元的に周期的な配列で形成された複数のナノ構造12aと、複数のナノ構造12aを片側から覆うように形成され、励起光源21により照明されることによって、励起光とは異なる波長の光を発する波長変換層13と、を備え、ナノ構造12aにおいて、励起光が入射する入射面に平行な所定の第1方向の長さと、入射面に平行かつ第1方向に垂直な第2方向の長さとは、異なる。
【選択図】図1

Description

本発明は、励起光の照射によって励起光とは異なる波長の光を発する光学装置、かかる光学装置を組み込んだ光源装置、及びかかる光源装置を照明系として有する投影装置に関する。
励起光源と波長変換媒体とを組み合わせた光学装置において、発光体近傍に金属ナノ構造を形成することで、発光強度を強くすると同時に、ナノ構造を設けない場合と比較して光が放射される方向を狭くする光源が公知となっている(例えば、特許文献1及び非特許文献1参照)。具体的には、特許文献1において、励起光源としてLED(Light Emitting Diode)、LD(Laser Diode)等が用いられ、波長変換媒体として、蛍光物質、量子ドット等が用いられ、周期アンテナアレイを構成するナノサイズの金属構造として、金、銀、合金等のほか、2つの金属層が用いられている。また、非特許文献1において、ガラス基板上に周期400nm、直径150nmのAl(アルミニウム)からなるナノメートルサイズの構造を形成し、その上に厚さ650nmの発光層を成膜した試料を作製している。特許文献1及び非特許文献1に記載の構成により、光源を構成する後段のレンズでより多くの光を集めて効率的に光を利用できる。
上記のような構造の光学装置を用いることにより、これを組み込んだ波長変換型の光源装置を低エタンデュ(etendue)にできる。かかる光源装置を、例えばプロジェクター又は自動車用ヘッドライトの光源として利用した場合、より狭い角度範囲に光が放出されることから、より小さいレンズで光を集めることが可能となり光学系を小型化できる。また、同じレンズ径で考えた場合は、光利用効率が高いプロジェクター等を実現することができる。
しかしながら、非特許文献1のナノ構造は励起光の入射側から見た形状が対称であるため、波長変換媒体が存在する面内において横方向(すなわちX方向)に偏光した光と、縦方向(すなわちX方向に垂直なY方向)に偏光した光とが同じ強度で出射されることとなる。この光源をプロジェクターに用いる場合において、後段の光学系で偏光ビームスプリッターを用いる場合や、光変調素子として透過型液晶、反射型液晶等の偏光依存性がある素子を用いる場合には、2方向の偏光成分を含む発光した光のうち一方の偏光成分しか利用されず、残りの偏光は損失や迷光となってしまうという問題がある。
ここで、特定の方向に偏光した光を発する光源として、LEDの上に楕円状の誘電体構造を有する構造(例えば、特許文献2参照)を利用することが考えられる。しかしながら、特許文献2の光源は、ナノ構造の材料に金属を用いておらず、また発光層とナノ構造とが遠いため、プラズモン増強の効果を得ることができない。また、光の出射側にナノ構造を形成しており、この構造をそのまま上述の光源に適用すると、蛍光光が金属ナノ構造で遮光されてしまい、取り出される光が減少してしまうという問題がある。なお、特許文献1の光学装置は、波長変換媒体の極近傍に長方形の金属ナノ構造を有しているが、偏光制御に適した条件を明示しておらず、偏光の制御を積極的に行うことを考慮していない。
特表2014−508379号公報 国際公開第2011/049018号
G. Lozano, et. al., "Plasmonics for solid-state lighting: enhanced excitation and directional emission of highly efficient light sources," Light: Science & Applications (2013) 2, e66; doi:10.1038/lsa.2013.22
本発明は、上記背景技術に鑑みてなされたものであり、金属ナノ構造によるプラズモン増強効果及び配光制御効果を保ちつつ、偏光を制御することもできる光学装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記光学装置を組み込んだ光源装置及び投影装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る光学装置は、金属で形成され、2次元的に周期的な配列で形成された複数のナノ構造と、複数のナノ構造を片側から覆うように形成され、励起光源により照明されることによって、励起光とは異なる波長の光を発する波長変換層と、を備え、ナノ構造において、励起光が入射する入射面に平行な所定の第1方向の長さと、入射面に平行かつ第1方向に垂直な第2方向の長さとは、異なる。なお、波長変換層とは、励起光とは異なる波長の光を発生させる部分であり、一般的には蛍光材料で形成されるが、これに限るものでなく、励起光によって異なる波長の光を発生するものであればよい。
上記光学装置によれば、金属製のナノ構造によって表面プラズモン共鳴の励起を利用して励起光の吸収効率を高め、より高効率に波長が異なる光を得ることができる。さらに、このナノ構造において、入射面に平行な面内の直交する2方向の長さ(大きさ)が異なるため、出射する光の偏光方向を制御することができ、少なくとも一方の偏光を他方の偏光よりも強くすることができる。なお、上記光学装置を備える光源装置と偏光ビームスプリッターとを組み合わせる場合、偏光ビームスプリッターで不要な偏光成分を分離しても、完全に分離されず、意図しない偏光成分が混じり迷光となるが、上記のように偏光方向を制御することで、一方の偏光と他方の偏光とで差が生じるため、その分迷光が減少する。これにより、従来の光学装置に比べて、高効率化を達成できるとともに迷光を減少させることができる。
本発明の具体的な側面によれば、上記光学装置において、ナノ構造の第1方向の長さと第2方向の長さのうち、短い方の長さをDs(nm)とし、長い方の長さをDl(nm)としたきに、以下の条件式を満足する。
Ds≦0.75×Dl … (1)
Ds≧−Dl+25 … (2)
Ds≧5 … (3)
Ds≦−1.25×Dl+250 … (4)
この場合、一方の偏光を他方の偏光に比べて十分多く取り出すことができ、かつ強度も下がりすぎないため、十分な光量の所期の偏光を効率良く取り出すことができる。
本発明の別の側面によれば、ナノ構造の第1方向の長さと第2方向の長さのうち、短い方の長さをDs(nm)とし、長い方の長さをDl(nm)としたきに、以下の条件式を満足する。
Ds≦0.75×Dl … (1)
Ds≧−Dl+25 … (2)
Ds≧5 … (3)
Ds≦30 … (5)
Dl≦330 … (6)
この場合、十分な光量の所期の偏光を効率良く取り出すことができる。
本発明のさらに別の側面によれば、以下の条件式を満足する。
Dl≦200 … (6)'
本発明のさらに別の側面によれば、ナノ構造の第1方向の長さと第2方向の長さのうち、短い方の長さをDs(nm)とし、長い方の長さをDl(nm)としたきに、以下の条件式を満足する。
Ds≦0.75×Dl … (1)
Ds≧−Dl+25 … (2)
Ds≧5 … (3)
Ds≦70 … (5)'
Dl≦200 … (6)'
この場合、十分な光量の所期の偏光を効率良く取り出すことができる。
本発明のさらに別の側面によれば、以下の条件式を満足する。
Ds≦50 … (5)''
本発明のさらに別の側面によれば、ナノ構造の第1方向の長さと第2方向の長さのうち、短い方の長さをDs(nm)とし、長い方の長さをDl(nm)としたきに、以下の条件式を満足する。
Ds≦0.75×Dl … (1)
Ds≧−Dl+25 … (2)
Ds≧5 … (3)
Ds≦50 … (5)''
Dl≦150 … (6)''
この場合、一方の偏光を他方の偏光に比べてより多く取り出すことができる。
本発明のさらに別の側面によれば、ナノ構造の入射面に垂直な方向の高さは、200nm以下である。この場合、光の吸収を抑えつつ、一方の偏光を他方の偏光に比べて多く取り出すことができる。
本発明のさらに別の側面によれば、ナノ構造の入射面に平行な断面の形状が、円形状である。この場合、ナノ構造の形成を容易にすることができる。また、偏光を取り出す縦横の許容範囲(許容領域)を広くすることができる。なお、円形状とは、楕円形のものに限らず、角がR形状を有するのもの等も含む。
本発明のさらに別の側面によれば、ナノ構造の第1方向の長さと第2方向の長さのうち、短い方の長さをDs(nm)とし、長い方の長さをDl(nm)としたきに、以下の条件式を満足する。
30≦Ds≦250 … (7)
30≦Dl≦250 … (8)
この場合、値Ds,Dlを30nm以上とすることで、ナノ構造の形成を容易にすることができる。また、値Ds,Dlを250nm以下とすることで、励起光の入射面内でナノ構造が占める割合が大きくならず、ナノ構造による光の吸収損失を低減することができる。
本発明のさらに別の側面によれば、以下の条件式を満足する。
Ds≦0.75×Dl … (1)
Ds≧−Dl+250 … (9)
この場合、ナノ構造の形成を容易にすることができ、かつ十分な光量の偏光を取り出すことができる。
本発明のさらに別の側面によれば、金属で形成され、2次元的に周期的な配列で形成された複数のナノ構造と、複数のナノ構造を片側から覆うように形成され、励起光源により照明されることによって、励起光とは異なる波長の光を発する波長変換層と、を備え、ナノ構造において、励起光が入射する入射面に平行な所定の第1方向の長さと、入射面に平行かつ第1方向に垂直な第2方向の長さとは、異なり、ナノ構造の第1方向と第2方向とにおいて、短い方向に平行な第1偏光の光強度に対する長い方向に平行な第2偏光の光強度の強度比をRpとし、基準の光強度に対する第2偏光の光強度の比をRiとしたときに、以下の条件式を満足する。
1.3≦Rp×Ri … (10)
ただし、基準の光強度とは、第1方向の長さと第2方向の長さとが等しいナノ構造における、第1偏光又は第2偏光の光強度である。つまり、第1方向と第2方向の長さが等しいため、第1偏光の光強度と第2偏光の光強度は等しい。上記条件式を満足する場合、所望の偏光を効率良く取り出すことができる。
本発明の別の側面によれば、ナノ構造は、基板上に形成された柱状の突起であり、波長変換層は、基板とともに複数のナノ構造を覆う。このようなナノ構造は、比較的簡単かつ低コストな手法によって作製することができる。
本発明のさらに別の側面によれば、波長変換層は、非散乱性の材料で構成されている。この場合、波長変換層で光が散乱される現象を抑制でき、複数のナノ構造による配光制御を実効的なものとできる。
上記目的を達成するため、本発明に係る光源装置は、上述した光学装置と、光学装置の波長変換層に励起光を照射する励起光源とを備える。
上記光源装置によれば、上述した光学装置を用いているので、金属ナノ構造によって表面プラズモン共鳴の励起を利用して励起光の吸収効率を高め、より高効率に波長が異なる光を得ることができる。また、ナノ構造において、面内の直交する2方向の大きさが異なることにより、光の偏光方向を制御しつつ、外部に効率良く取り出すことができる。これにより、高強度で偏光状態が調整された光を比較的狭い立体角の範囲内に射出させることができ、低エタンデュの光源装置を提供することができる。
本発明の具体的な側面によれば、上記光源装置において、励起光源と光学装置とは、別体として離間して配置される。この場合、励起光源の発熱によって光学装置が加熱されて特性が劣化することを防止できる。
本発明の別の側面によれば、励起光源は、レーザーダイオード及びLEDのいずれかである。高強度の光を効率的に形成するレーザーダイオード又はLEDを用いることにより、小型で効率的な照明が可能になる。
上記目的を達成するため、本発明に係る投影装置は、上述した光源装置と、光源装置によって照明される画像表示素子と、画像表示素子により形成される画像を投影する投影光学系とを備える。
上記投影装置によれば、低エタンデュで高効率の光源装置を用いているので、画像表示素子における光利用効率を高めることができ、小型で明るい投影装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る光学装置の一例を説明する概念図である。 (A)は、図1に示す光学装置であって、特に実施例1のナノ構造の一例の平面図であり、(B)は、(A)に示す光学装置の側方断面図である。 (A)〜(D)は、図2(B)等に示す光学装置の製造方法の一例を説明する図である。 図1に示す光学装置を構成するナノ構造の形状と偏光方向との関係を説明する図である。 比較例1のナノ構造を説明する平面図である。 (A)及び(B)は、実施例1の光学装置における偏光の強度比を説明する図である。 (A)及び(B)は、実施例1の比較例1に対する強度比を説明する図である。 実施例1の偏光の強度比と、実施例1の比較例1に対する強度比との積を説明する図である。 (A)は、実施例2のナノ構造の一例を説明する平面図であり、(B)は、比較例2のナノ構造を説明する平面図である。 (A)及び(B)は、実施例2の光学装置における偏光の強度比を説明する図である。 (A)は、実施例3のナノ構造の一例を説明する平面図であり、(B)は、比較例3のナノ構造を説明する平面図である。 (A)及び(B)は、実施例3の光学装置における偏光の強度比を説明する図である。 (A)及び(B)は、実施例4の光学装置における偏光の強度比を説明する図である。 (A)及び(B)は、実施例5の光学装置における偏光の強度比を説明する図である。 (A)は、実施例1〜3の偏光の強度比と、比較例に対する強度比との積を説明する図であり、(B)は、実施例1、4、及び5の偏光の強度比と、比較例に対する強度比との積を説明する図である。 (A)及び(B)は、実施例6の光学装置における偏光の強度比を説明する図である。 (A)及び(B)は、実施例7の光学装置における偏光の強度比を説明する図である。 (A)及び(B)は、実施例8の光学装置における偏光の強度比を説明する図である。 実施例6〜8の偏光の強度比と、比較例に対する強度比との積を説明する図である。 図1等に示す光学装置を組み込んだ投影装置を説明する図である。 図20に示す投影装置に組み込まれた発光ホイールを説明する図である。 (A)及び(B)は、図21等に示す発光ホイールにおけるナノ構造の配列を説明する図である。
〔光学装置の実施形態〕
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る光学装置の具体的な実施形態について説明する。
図1に示す光学装置10は、入射光に対して波長変換を行う光学素子であり、可視その他の波長域において光透過性を有する平板状の基板11と、基板11の表面11a側に2次元的に広がるように形成された金属製のナノ構造アレイ12と、基板11上にナノ構造アレイ12を片側から覆うように形成された波長変換層13とを備える。本実施形態においては、波長変換層13を蛍光体で構成した例で説明する。
光学装置10は、例えば青色波長域の励起光B1を射出する光源21によって裏面11b側から照明される。基板11は、励起光B1を透過させて波長変換層13に導く。波長変換層13中の蛍光体は、青色波長域の励起光B1によって励起され、波長変換層13の表面13aからは、励起された蛍光体によって生成された例えば緑色波長域の蛍光光G1が放射される。その際、ナノ構造アレイ12によって、蛍光光G1の発光強度が高められるとともに指向性も高められ、かつ偏光特性を持たせることができる。
光学装置10において、基板11は、ナノ構造アレイ12の支持体であり、例えば石英を研磨等によって平板に加工したものが用いられる。ただし、基板11は、石英に限らず、サファイア、ガラス、セラミックスその他の無機材料で形成することができ、PMMA(アクリル)、PC(ポリカーボネート)、PET(ポリエチレンテレフタラート)その他の樹脂材料で形成することもできる。
図2(A)及び2(B)に示すように、ナノ構造アレイ12は、基板11の表面11aに沿って2次元的に配列された複数のナノ構造12aからなる。図示の例では、複数のナノ構造12aが格子点上にドット状に配置されている。各ナノ構造12aは、楕円柱状の外形を有する。ナノ構造12aは、例えばアルミニウム等の金属で形成されている。なお、ナノ構造12aは、アルミニウムに限らず、金、銀、銅、プラチナ、パラジウム等の貴金属、クロム、ニッケル、インジウム、チタン等の金属、TiN等の化合物、それらの合金で形成することもできる。さらに、ナノ構造12aは、密着性改善のために、アルミとクロムとを積層したような積層構造とすることもできる。
ナノ構造12aは、金属層であるため、励起光B1の照射によって局在的な表面プラズモン共鳴を発生させる。さらに、複数のナノ構造12aを格子点上に配置したナノ構造アレイ12とすることで、各ナノ構造12aで発生する局在的な表面プラズモン共鳴の回折結合によって表面格子共鳴を生じさせることができ、波長変換層13を効率よく励起することができる。このような表面格子共鳴に対してナノ構造アレイ12に入射する励起光B1の結合効率が高ければ、波長変換層13の励起効率をさらに高めることができる。さらに、ナノ構造アレイ12は、波長変換層13で発生する蛍光光G1に対しての格子共鳴又は回折効果を配慮したものとなっており、基板11の例えば法線方向DPの狭い角度範囲内に蛍光光G1を集中して射出させることができる。つまり、ナノ構造アレイ12により、蛍光光G1の射出方向の指向性を高める配光制御が可能になる。
ナノ構造12aの形状やサイズ、ナノ構造アレイ12の格子間隔等は、上記のような励起光B1の結合効率を高め、蛍光光G1の指向性が所期のものとなるように設定される。その際、励起光B1及び蛍光光G1の波長等も重要なパラメーターとなる。
ナノ構造12aにおいて、蛍光光G1に偏光特性を持たせるため、励起光が光学装置10に入射する際の入射面(具体的には、基板11の裏面11bに相当)に平行な所定の第1方向(具体的には、X方向)の長さTxと、当該入射面に平行かつ第1方向に垂直な第2方向(具体的には、Y方向)の長さTyとは異なるものとなっている。なお、XY平面は、基板11の表面11a及び裏面11bに平行な面となっている。
光学装置10は、ナノ構造12aの第1方向の長さと第2方向の長さのうち、短い方の長さをDs(nm)とし、長い方の長さをDl(nm)としたきに、以下の条件式の組み合わせ1〜5のいずれかを満足する。なお、長い方向は、通常、ナノ構造12aの寸法が最も長くなる方向にとる。
(A)条件式の組み合わせ1
光学装置10は、以下の条件式(1)〜(4)を満足する。
Ds≦0.75×Dl … (1)
Ds≧−Dl+25 … (2)
Ds≧5 … (3)
Ds≦−1.25×Dl+250 … (4)
これらのうち、条件式(1)は、ナノ構造12aの長短の比の適正範囲を規定するものであり、条件式(2)は、ナノ構造12aの長短の和の適正範囲を規定するものである。上記条件を満たすことにより、一方の偏光を他方の偏光に比べて十分多く取り出すことができ、かつ強度も下がりすぎないため、十分な光量の所期の偏光を効率良く取り出すことができる。
(B)条件式の組み合わせ2
光学装置10は、以下の条件式(1)〜(3)、(5)、及び(6)を満足する。
Ds≦0.75×Dl … (1)
Ds≧−Dl+25 … (2)
Ds≧5 … (3)
Ds≦30 … (5)
Dl≦330 … (6)
この場合、十分な光量の所期の偏光を効率良く取り出すことができる。
上記組み合わせ2において、より好ましくは以下の条件式(6)'を満足する。
Dl≦200 … (6)'
(C)条件式の組み合わせ3
光学装置10は、以下の条件式(1)〜(3)、(5)'、及び(6)'を満足する。
Ds≦0.75×Dl … (1)
Ds≧−Dl+25 … (2)
Ds≧5 … (3)
Ds≦70 … (5)'
Dl≦200 … (6)'
この場合、十分な光量の所期の偏光を効率良く取り出すことができる。
上記組み合わせ3において、より好ましくは以下の条件式(5)''を満足する。
Ds≦50 … (5)''
(D)条件式の組み合わせ4
光学装置10は、以下の条件式(1)〜(3)、(5)''、及び(6)''を満足する。
Ds≦0.75×Dl … (1)
Ds≧−Dl+25 … (2)
Ds≧5 … (3)
Ds≦50 … (5)''
Dl≦150 … (6)''
この場合、一方の偏光を他方の偏光に比べてより多く取り出すことができる。
上記組み合わせ4において、より好ましくは以下の条件式(1)'又は(1)''を満足する。
Ds≦0.6×Dl … (1)'
Ds≦0.5×Dl … (1)''
(E)条件式の組み合わせ5
光学装置10は、以下の条件式(7)及び(8)を満足する。
30≦Ds≦250 … (7)
30≦Dl≦250 … (8)
この場合、値Ds,Dlを30nm以上とすることで、ナノ構造12aの形成を容易にすることができる。また、値Ds,Dlを250nm以下とすることで、励起光の入射面内でナノ構造12aが占める割合が大きくならず、ナノ構造12aによる光の吸収損失を低減することができる。
上記組み合わせ5において、条件式(7)及び(8)に加えて、以下の条件式(1)及び(9)を満足することが好ましい。
Ds≦0.75×Dl … (1)
Ds≧−Dl+250 … (9)
この場合、ナノ構造12aの形成を容易にすることができ、かつ十分な光量の偏光を取り出すことができる。
ナノ構造12aの第1方向と第2方向とにおいて、短い方向に平行な第1偏光の光強度に対する長い方向に平行な第2偏光の光強度の強度比をRpとし、基準の光強度に対する第2偏光の光強度の比をRiとしたときに、以下の条件式を満足する。
1.3≦Rp×Ri … (10)
ただし、基準の光強度は、第1方向の長さと第2方向の長さとが等しいナノ構造(例えば、真円)における、第1偏光又は第2偏光の光強度である。つまり、第1方向と第2方向の長さが等しいため、第1偏光の光強度と第2偏光の光強度とは等しい。この場合、所望の偏光を効率良く取り出すことができる。
ナノ構造12aの入射面に垂直な方向の高さは、200nm以下であることが好ましい。これにより、光の吸収を抑えつつ、一方の偏光を他方の偏光に比べて多く取り出すことができる。
ナノ構造アレイ12におけるナノ構造12aの配列パターンは、図2(A)等に例示された正方格子に限らず、矩形格子、三角格子、六角格子、斜方格子等の各種周期パターンとすることができる。ナノ構造12aの配列パターンは、上記のような複数種類の周期パターンを組み合わせたものや、準周期構造(又は準結晶)のようなものとすることもできる。この際、励起光B1及び蛍光光G1の波長、蛍光光G1の射出方向及び角度範囲等の用途に応じた仕様を満たすように、配列パターンが設定される。例えば、図示において、ナノ構造12aの第1方向の周期Axは、第2方向の周期Ayと等しくなっているが、偏光制御に影響のない範囲(例えば、±2%程度)で異なっていてもよい。
ナノ構造12aの形状は、図2(A)等に例示された楕円柱に限らず、用途に応じた仕様を満たすような範囲内で、角柱、円錐台、角錐台等の各種形状とすることができる。ナノ構造12aの入射面に平行な断面の形状は、上述の柱の形状に応じて、円形状、矩形状、三角形状、菱形状等となる。なお、円形状とは、楕円形のものに限らず、角がR形状を有するのもの等も含む。これらの断面形状を有するナノ構造12aは、比較的容易に形成することができる。
ナノ構造12aは、全体が波長変換層13内に突出する立体的な構造となっている。このため、非金属誘電体材料で形成されたナノ構造に比べ、プラズモンの効果による蛍光の強度を高めることができるとともに周期構造の回折効果を確保することができ、蛍光光G1の取出し効率や指向性を十分に高く保つことができる。
波長変換層13は、励起光を吸収してそれよりも長い波長で発光する材料であればよく、例えば有機蛍光体で形成されるが、無機蛍光体で形成されてもよい。波長変換層13を有機蛍光体や無機蛍光体で形成する場合、蛍光体そのままで用いることもできるが、通常は有機材料又は無機材料等からなる母材又はバインダー中に蛍光体を分散又は溶解させる。蛍光体としては、例えば、BASF社製の商品名:ルモゲンFを用いることができる。この場合、この蛍光体を例えばUV硬化アクリル樹脂に溶かし、スピンコートで塗布して、紫外光で硬化させることで波長変換層を形成できる。波長変換層13は、量子ドットを含む材料や、半導体から形成することもできる。波長変換層13については、図示のようにナノ構造アレイ12と接して配置されることが不可欠ではないが、波長変換層13がナノ構造アレイ12から離れると表面プラズモン共鳴の影響を受けにくくなるので、波長変換層13は、ナノ構造アレイ12の近傍(具体的には約100nm以下)に配置されることが望ましい。
波長変換層13の屈折率は、基板11の屈折率と一致させ、あるいは異ならせることができる。波長変換層13の屈折率を基板11の屈折率よりも大きくした場合、波長変換層13内に励起光B1や蛍光光G1を閉じ込めるように保持して意図しない方向への射出を抑制することができる。
なお、波長変換層13は、散乱が極力少ないもの又は非散乱性の材料とすることが好ましい。散乱が強いと、せっかく配光制御された蛍光光が、散乱によってまた等方的な発光になってしまうためである。非散乱性の材料を用いれば、波長変換層13で蛍光光が散乱される現象を抑制でき、複数のナノ構造12aによる配光制御を実効的なものとできる。
以下、図3(A)〜3(D)を参照して、図2(B)等に示す光学装置10の製造方法の一例について説明する。
図3(A)に示すように、予め石英ガラス等からなる平行平板状の基板11を準備し、基板11上にAl層14を成膜する。Al層14は、抵抗加熱蒸着、EB(Electron Beam)蒸着、スパッタリング、CVD(Chemical Vapor Deposition)等の手法を用いて成膜することができる。
その後、図3(B)に示すように、電子線描画、ナノインプリントリソグラフィー等のパターニング技術を用いて、Al層14上にレジストパターン層15を形成する。このレジストパターン層15は、ナノ構造アレイ12を構成するナノ構造12aに対応するナノパターンを有する。
次に、図3(C)に示すように、RIE(Reactive Ion Etching)、ICP−RIE(Inductively Coupling Plasma Reactive Ion Etching)、イオンエッチング等のドライエッチング技術を用いて、Al層14をエッチングすることで、基板11上に2次元的に配列された多数のナノ構造12aすなわちナノ構造アレイ12を形成する。
その後、図3(D)に示すように、スピンコート、スプレー、ゾルゲル法、スパッタリング、CVDその他の成膜方法を用いて、ナノ構造アレイ12を形成した基板11上に波長変換層13となる蛍光体層を成膜する。これにより、入射光に対して波長変換を行う光学装置10を作製することができる。
以上で説明した実施形態の光学装置10によれば、金属製のナノ構造12aによって表面プラズモン共鳴の励起を利用して励起光の吸収効率を高め、より高効率に波長が異なる光を得ることができる。さらに、このナノ構造12aにおいて、入射面に平行な面内の直交する2方向の長さ(大きさ)が異なるため、出射する光の偏光方向を制御することができ、少なくとも一方の偏光を他方の偏光よりも強くすることができる。なお、上記光学装置10を備える光源装置と偏光ビームスプリッターとを組み合わせる場合、偏光ビームスプリッターで不要な偏光成分を分離しても、完全に分離されず、意図しない偏光成分が混じり迷光となるが、偏光方向を制御することで、一方の偏光と他方の偏光とで差が生じるため、その分迷光が減少する。これにより、従来の光学装置10に比べて、高効率化を達成できるとともに迷光を減少させることができる。
〔光学装置の実施例〕
以下、図1等に示す実施形態の光学装置10をさらに具体化した実施例について説明する。
〔実施例1〕
図2(A)は、実施例1の光学装置10の構造、特にナノ構造12aの形状を説明する図ともなっている。ここで、図示の構造は、光学装置10を構成するナノ構造12aの繰返し単位の1つを示しており、図2(A)に示す構造を紙面に沿った横方向(第1方向又はX方向)及び縦方向(第2方向又はY方向)に繰り返すことによって光学装置10が構成される。
実施例1の光学装置10において、石英製の基板11上に形成されるナノ構造12aは、高さ150nmの楕円柱であり、平面視におけるX方向の長さTx及びY方向の長さTyは異なっている。このナノ構造12aは、X方向及びY方向において周期400nmで正方格子点上に2次元的に配列されている。ナノ構造12aの楕円柱は、金属Alで形成されている。波長変換層13の厚さは650nmである。
ナノ構造12aの形状を変えたときに、どの程度偏光方向による違いが出るかを簡易的に計算した。具体的には、楕円柱のX方向の長さとY方向の長さを変化させた場合に、外部からX方向に偏光した光とY方向に偏光した光の2種類の光を入射させときの吸収の強さを計算した。光が強く吸収されるときは、ナノ構造12a及び波長変換層13の構造と入射した偏光の光とが強く相互作用していることを意味する。図示の光学装置10では、入射した偏光の方向に強く偏光した光が出てくることを意味する。この場合、周期400nmのナノ構造12aを用いていることから、これより長波長の630nm近傍の赤色波長の光に対して配向制御の効果が生じる。光学装置10で吸収される光の計算にはRCWA(厳密結合波理論、rigorous coupled-wave analysis)法を用い、波長変換層13の屈折率をn=1.7と仮定した。また、配光制御される蛍光光の波長を600〜660nmとし、ナノ構造12aにおける赤色波長域(600〜660nm)で吸収される光の量のX偏光とY偏光の強度比、つまり成分比(偏光比)を計算した。X偏光とY偏光の強度比(成分比)は、(長い方の偏光(第1偏光)の光強度/短い方の偏光(第2偏光)の光強度)で計算した。なお、特に言及しなければ、以降の各実施例の光学装置10の評価方法は、実施例1と同様である。
以下、実施例1のナノ構造12aの横断面におけるX方向の長さとY方向の長さとの適正値について説明する。図4は、ナノ構造12aの形状と偏光方向との関係を説明する図である。図4において、横軸はX方向の長さであり、縦軸はY方向の長さである。図中の矢印は、偏光方向を示す。図示の対角線は、X方向及びY方向の長さが同じ、すなわち真円であり、比較例1となる(図5参照)。対角線より下側は、X方向の長さがY方向の長さより長く、楕円の長軸がX方向、短軸がY方向となる。また、対角線より上側は、Y方向の長さがX方向の長さより長く、楕円の長軸がY方向、短軸がX方向となる。比較例1の真円の直径は、実施例1のX方向及びY方向のうち長い方の方向に関する長さとした。つまり、X方向が長い場合(図4のA)、比較例1の真円の直径はX方向の長さとし(図4のB)、Y方向が長い場合(図4のC)、比較例1の真円の直径はY方向の長さとした(図4のD)。
図6(A)は、実施例1の偏光の強度比(すなわちX偏光の光強度とY偏光の光強度との強度比)を0〜20の範囲でプロットしており、その範囲より大きいところが白で表示されている。図6(B)は、図6(A)に対応しており、偏光の強度比(成分比)を等高線で描いている。図6(B)では、偏光の強度比(成分比)が1.3、1.5、2、5、10、20の線を示している。ナノ構造12aは、X方向及びY方向の長さをそれぞれ0〜400nmの範囲で変化させている。図6(B)等に示すように、X方向が長い場合、Y方向の長さが0.05〜0.1μm以下であると成分比が略2の領域内にあり、長い方のX方向に偏光制御されていることがわかる。また、Y方向の長さが0.05μm以下であると成分比が略5の領域内にあり、X方向により偏光制御されていることがわかる。Y方向が長い場合も同様に、X方向の長さが0.05〜0.1μm以下であると成分比が略2の領域内にあり、長い方のY方向に偏光制御されていることがわかる。また、Xの長さが0.05μm以下であると成分比が略5の領域内にあり、Y方向により偏光制御されていることがわかる。
図6(B)等では、条件式の組み合わせ1(条件式(1)〜(4))のみ図示しているが(図6(B)の網掛け部分)、実施例1の光学装置10は、条件式の組み合わせ1〜3、及び5を満たす範囲で強度比が大きくなっており、偏光制御されている。
図7(A)及び7(B)は、真円(比較例1)の光強度に対する実施例1の光強度の強度比を計算した結果である。図7(B)では、偏光の強度比(成分比)を等高線で描いており、偏光の強度比が0.5、0.7、0.8、1.0、1.3、1.5の線を示している。
図7(A)及び7(B)において、白やグレーに近い領域では比較例1に対する強度比が0.5以上であり、比較例1に対してあまり強度が下がっていない。また、比較例1に対する強度比が1以上の部分は、より好ましい領域となっている。一方、上記以外の領域では、比較例1に対する強度比が0.5より小さく、偏光制御がなされていたとしても、強度比が比較例1に対して小さく、あまり好ましい領域ではない。
以上のことから図6(B)と図7(B)とで良好な部分が重なった領域が偏光制御もでき、かつ強度比が比較例1に対してさほど低下しない、好ましい領域となる。図8は、実施例1の偏光の成分比の絶対値と、比較例1に対する強度比の絶対値との積の計算結果を示す。図8から、図7(B)等において比較例1に対する強度比が0.5より小さくても、偏光の成分比が所定以上に大きければ、積の結果としては1以上になる好ましい領域があることがわかる。実施例1の偏光の成分比の絶対値と、比較例1に対する強度比の絶対値との積が1.3以上の場合を好ましい領域とした場合、以下の領域が考えられる。例えば、短い方向の長さDsが5(nm)≦Ds≦30(nm)であれば、他方の長い方向の長さDlは30(nm)<Dl≦400(nm)である。また、長い方向の長さDlがDl=150(nm)であれば、他方の短い方向の長さDsはDs≦110(nm)(換言すれば150(nm)×0.75)、望ましくはDs≦90(nm)(換言すれば150(nm)×0.6)である。
ナノ構造12aでは、2次元周期構造を用いているため、素子面内をX方向に伝搬する光とY方向に伝搬する光との間に2次元的なブラッグ回折による結合が生じる。その様子を図2(A)に模式的に示す。X方向に伝搬する光すなわちY偏光(図中の矢印A)と、Y方向に伝搬する光すなわちX偏光(図中の矢印B)とは2次元的なブラッグ回折によってお互いに結合する。矢印Aの成分はY偏光であるため、ほとんど上下方向には取り出されず、その結果、伝搬時の減衰が少なく、その一部がX偏光の矢印Bに回折される。一方、矢印BはX偏光成分であるため、先に述べたように強く上下方向に取り出され、伝搬とともに強度の減衰がY偏光に比べて大きくなる(図中の矢印C)。X偏光成分も同様に2次元的なブラッグ回折によってY偏光に回折される(図中の矢印D)が、一部が上下方向に取り出された後であるため、その強度は少ない。その結果、波長変換層13内部で等方的に発光した光のうち、より多くの光がX偏光成分として上下方向に取り出される。これにより、光学装置10は、ナノ構造が真円形である場合よりもX偏光成分を効率的に外部に取り出すことができ、高効率な光源を実現することができる。なお、図2(A)では、簡単化のために+X方向に伝搬する成分のみを取り上げているが、−X方向に伝搬する光に対しても同様の現象が成り立つ。これにより、赤色光で偏光した光を放射する高効率な光源を実現することができる。
〔実施例2〕
図9(A)は、実施例2の光学装置10の構造、特にナノ構造12aの形状を説明する拡大平面図である。実施例2の光学装置10において、石英製の基板11上に形成されるナノ構造12aは、高さ150nmの矩形柱であり、平面視におけるX方向の長さ及びY方向の長さは異なっている。このナノ構造12aは、X方向及びY方向において周期400nmで正方格子点上に2次元的に配列されている。ナノ構造12aの矩形柱は、金属Alで形成されている。波長変換層13の厚さは650nmである。
図10(A)は、実施例2の偏光の強度比(すなわちX偏光の光強度とY偏光の光強度との強度比)を0〜20の範囲でプロットしたものである。図10(B)は、図10(A)に対応しており、偏光の強度比(成分比)を等高線で描いている。ナノ構造12aは、X方向及びY方向の長さをそれぞれ0〜400nmの範囲で変化させている。図10(B)等に示すように、実施例2の光学装置10は、条件式の組み合わせ1〜3、及び5を満たす範囲で強度比が大きくなっており、偏光制御されている。
〔実施例3〕
図11(A)は、実施例3の光学装置10の構造、特にナノ構造12aの形状を説明する拡大平面図である。実施例3の光学装置10において、石英製の基板11上に形成されるナノ構造12aは、高さ150nmの三角柱であり、平面視におけるX方向の長さ及びY方向の長さは異なっている。このナノ構造12aは、X方向及びY方向において周期400nmで正方格子点上に2次元的に配列されている。ナノ構造12aの三角柱は、金属Alで形成されている。波長変換層13の厚さは650nmである。
図12(A)は、実施例3の偏光の強度比(すなわちX偏光の光強度とY偏光の光強度との強度比)を0〜20の範囲でプロットしたものである。図12(B)は、図12(A)に対応しており、偏光の強度比(成分比)を等高線で描いている。ナノ構造12aは、X方向及びY方向の長さをそれぞれ0〜400nmの範囲で変化させている。なお、ナノ構造12aの断面形状が三角形であるため、図の対角線上でもX偏光とY偏光は等しくなっていない。図12(B)等に示すように、実施例3の光学装置10は、条件式の組み合わせ1〜3、及び5を満たす範囲で強度比が大きくなっており、偏光制御されている。
〔実施例4〕
実施例4の光学装置10の構造、特にナノ構造12aの形状は、図2(A)と同様である。具体的には、実施例4の光学装置10において、石英製の基板11上に形成されるナノ構造12aは、高さ100nmの楕円柱であり、平面視におけるX方向の長さ及びY方向の長さは異なっている。このナノ構造12aは、X方向及びY方向において周期400nmで正方格子点上に2次元的に配列されている。ナノ構造12aの楕円柱は、金属Alで形成されている。波長変換層13の厚さは650nmである。
図13(A)は、実施例4の偏光の強度比(すなわちX偏光の光強度とY偏光の光強度との強度比)を0〜20の範囲でプロットしたものである。図13(B)は、図13(A)に対応しており、偏光の強度比(成分比)を等高線で描いている。ナノ構造12aは、X方向及びY方向の長さをそれぞれ0〜400nmの範囲で変化させている。図13(B)等に示すように、実施例4の光学装置10は、条件式の組み合わせ1〜3、及び5を満たす範囲で強度比が大きくなっており、偏光制御されている。
〔実施例5〕
実施例5の光学装置10の構造、特にナノ構造12aの形状は、図2(A)と同様である。具体的には、実施例5の光学装置10において、石英製の基板11上に形成されるナノ構造12aは、高さ200nmの楕円柱であり、平面視におけるX方向の長さ及びY方向の長さは異なっている。このナノ構造12aは、X方向及びY方向において周期400nmで正方格子点上に2次元的に配列されている。ナノ構造12aの楕円柱は、金属Alで形成されている。波長変換層13の厚さは650nmである。
図14(A)は、実施例5の偏光の強度比(すなわちX偏光の光強度とY偏光の光強度との強度比)を0〜20の範囲でプロットしたものである。図14(B)は、図14(A)に対応しており、偏光の強度比(成分比)を等高線で描いている。ナノ構造12aは、X方向及びY方向の長さをそれぞれ0〜400nmの範囲で変化させている。図14(B)等に示すように、実施例5の光学装置10は、条件式の組み合わせ1〜3、及び5を満たす範囲で強度比が大きくなっており、偏光制御されている。
〔実施例1〜5の偏光の強度比と比較例に対する強度比〕
図15(A)は、実施例1〜3の偏光の強度比(成分比)と比較例に対する強度比との積に関して、境界値1.3のみの等高線を示した図である。実線E1は実施例1を示し、破線E2は実施例2を示し、点線E3は実施例3を示す。各実施例1〜3に対する比較例としては、断面形状が、図5、図9(B)、及び図11(B)にそれぞれ示す真円、正方形、正三角形であるナノ構造における偏光強度をそれぞれ用いている。
図15(A)では、条件式の組み合わせ1を満たす領域を略三角形に広がる網掛けで示している。このように、実施例1〜3は、境界値1.3で条件式の組み合わせ1(つまり、条件式(1)〜(4))を満たし、かつ条件式(10)を満たすことがわかる。なお、図示を省略するが、他の条件式の組み合わせ2、3、5についても同様である。
図15(B)は、実施例1、4、及び5の偏光の強度比(成分比)と比較例に対する強度比との積に関して、境界値1.3のみの等高線を示した図である。実線E1は実施例1を示し、一点鎖線E4は実施例4を示し、二点鎖線E5は実施例5を示す。各実施例1、4、及び5に対する比較例としては、断面形状が真円であるナノ構造における偏光強度を用いている。
図15(B)では、条件式の組み合わせ1を満たす領域を網掛けで示している。このように、実施例1、4、及び5は、境界値1.3で条件式の組み合わせ1(つまり、条件式(1)〜(4))を満たし、かつ条件式(10)を満たす。なお、図示を省略するが、他の条件式の組み合わせ2、3、5についても同様である。
〔実施例6〕
実施例6の光学装置10の構造、特にナノ構造12aの形状は、図2(A)と同様である。具体的には、実施例6の光学装置10において、石英製の基板11上に形成されるナノ構造12aは、高さ126nmの楕円柱であり、平面視におけるX方向の長さTx及びY方向の長さTyは異なっている。このナノ構造12aは、X方向及びY方向において周期336nmで正方格子点上に2次元的に配列されている。ナノ構造12aの楕円柱は、金属Alで形成されている。波長変換層13の厚さは650nmである。実施例6では、周期336nmのナノ構造12aを用いていることから、これより長波長の530nm近傍の緑色波長の光に対して配向制御の効果が生じる。配光制御される蛍光光の波長を500〜560nmとし、ナノ構造12aにおける緑色波長域(500〜560nm)で吸収される光の量のX偏光とY偏光の強度比を計算した(実施例7及び8も同様)。
図16(A)は、実施例6の偏光の強度比(すなわちX偏光の光強度とY偏光の光強度との強度比)を0〜20の範囲でプロットしたものである。図16(B)は、図16(A)に対応しており、偏光の強度比(成分比)を等高線で描いている。ナノ構造12aは、X方向及びY方向の長さをそれぞれ0〜330nmの範囲で変化させている。図16(B)等に示すように、実施例6の光学装置10は、条件式の組み合わせ4を満たす範囲で強度比が大きくなっており、偏光制御されている。
〔実施例7〕
実施例7の光学装置10の構造、特にナノ構造12aの形状は、図9(A)と同様である。具体的には、実施例7の光学装置10において、石英製の基板11上に形成されるナノ構造12aは、高さ126nmの矩形柱であり、平面視におけるX方向の長さTx及びY方向の長さTyは異なっている。このナノ構造12aは、X方向及びY方向において周期336nmで正方格子点上に2次元的に配列されている。ナノ構造12aの矩形柱は、金属Alで形成されている。波長変換層13の厚さは650nmである。
図17(A)は、実施例7の偏光の強度比(すなわちX偏光の光強度とY偏光の光強度との強度比)を0〜20の範囲でプロットしたものである。図17(B)は、図17(A)に対応しており、偏光の強度比(成分比)を等高線で描いている。ナノ構造12aは、X方向及びY方向の長さをそれぞれ0〜330nmの範囲で変化させている。図17(B)等に示すように、実施例7の光学装置10は、条件式の組み合わせ4を満たす範囲で強度比が大きくなっており、偏光制御されている。
〔実施例8〕
実施例8の光学装置10の構造、特にナノ構造12aの形状は、図11(A)と同様である。具体的には、実施例8の光学装置10において、石英製の基板11上に形成されるナノ構造12aは、高さ126nmの三角柱であり、平面視におけるX方向の長さTx及びY方向の長さTyは異なっている。このナノ構造12aは、X方向及びY方向において周期336nmで正方格子点上に2次元的に配列されている。ナノ構造12aの三角柱は、金属Alで形成されている。波長変換層13の厚さは650nmである。
図18(A)は、実施例8の偏光の強度比(すなわちX偏光の光強度とY偏光の光強度との強度比)を0〜20の範囲でプロットしたものである。図18(B)は、図18(A)に対応しており、偏光の強度比(成分比)を等高線で描いている。ナノ構造12aは、X方向及びY方向の長さをそれぞれ0〜330nmの範囲で変化させている。図18(B)等に示すように、実施例8の光学装置10は、条件式の組み合わせ4を満たす範囲で強度比が大きくなっており、偏光制御されている。
〔実施例6〜8の偏光の強度比と比較例に対する強度比〕
図19は、実施例6〜8の偏光の強度比(成分比)と比較例に対する強度比との積に関して、境界値1.3のみの等高線を示した図である。実線E6は実施例6を示し、破線E7は実施例7を示し、点線E8は実施例8を示す。各実施例6〜8に対する比較例としては、断面形状が真円、正方形、正三角形であるナノ構造における偏光強度をそれぞれ用いている。
図19では、条件式の組み合わせ4を満たす領域を網掛けで示している。このように、実施例6〜8は、境界値1.3で条件式の組み合わせ4を満たし、かつ条件式(10)を満たす。
〔投影装置及び光源装置の実施形態〕
以下、投影装置の実施形態について説明する。この投影装置は、図1等に示す光学装置を用いた光源装置を組み込んだものである。
図20は、実施形態の投影装置であるプロジェクター100を説明する図である。プロジェクター(投影装置)100は、光源装置20と、導光装置30と、画像生成装置50と、投影光学系60と、制御装置80とを備える。
光源装置20は、青色波長域のレーザ光を射出する光源21と、光源21からの射出光を平行光に変換するコリメータレンズ22と、光源21の光軸SA上に配置された発光ホイール23と、発光ホイール23を軸RXを中心に回転駆動する回転駆動部24と、光源21からの光源光を集光して発光ホイール23に照射させる第1集光レンズ25とを備える。なお、発光ホイール23は、図1等に示す光学装置10を複数種類組み込んだ複合的光学装置である。
光源21は、青色波長域、つまり、約450nm波長のレーザ光を射出するレーザーダイオードである。コリメータレンズ22は、光源21からの射出光である励起光を平行化することによって細い光線のまま第1集光レンズ25に入射させる。
第1集光レンズ25は、発光ホイール23の表側面近傍に配置され、光源21からの青色の光源光を集光して発光ホイール23に照射させる。
図21に示すように、発光ホイール23には、赤色波長域の蛍光光が射出される帯状の赤色領域AR1と、緑色波長域の蛍光光が射出される帯状の緑色領域AR2と、拡散された青色波長域の光源光が射出される帯状の青色領域AR3とが周方向に並設されてなる環状照射領域が設けられている。
発光ホイール23の赤色領域AR1には、透光性の基板23aに形成された開口23bに支持されて光源21からの射出光を励起光として赤色の蛍光光を発する波長変換素子である赤色発光素子11Rが設けられている。緑色領域AR2には、透光性の基板23aに形成された開口23bに支持されて光源21からの射出光を励起光として緑色の蛍光光を発する波長変換素子である緑色発光素子11Gが設けられている。また、青色領域AR3は、基板23aに形成された開口23b及びこれに固定された散乱性の透光板23cにより形成されている。
なお、赤色発光素子11Rや緑色発光素子11Gには、図1等に示す光学装置10が組み込まれている。具体的には、赤色発光素子11Rには、図1及び図2(B)等に示す光学装置10であって透過型で使用されるものが組み込まれ、発光ホイール23の表面側へ蛍光光を射出する。この際、例えば実施例1のような条件でナノ構造アレイ12を形成するとともに波長変換層13の蛍光材料を選定することにより(図6(A)等参照)、青色の励起光下で赤色の蛍光光を得ることができる。緑色発光素子11Gには、図1及び図2(B)等に示す光学装置10であって透過型で使用されるものが組み込まれ、発光ホイール23の表面側へ蛍光光を射出する。この際、例えば実施例6のような条件でナノ構造アレイ12を形成するとともに波長変換層13の蛍光材料を選定することにより(図16(A)等参照)、青色の励起光下で緑色の蛍光光を得ることができる。
発光ホイール23の赤色領域AR1及び緑色領域AR2において、ナノ構造12aは、図22(A)に示すように、発光ホイール23が回転して励起光のスポット位置に移動した際に、常に所望の方向に配置されている。具体的には、ナノ構造12aは、発光ホイール23の直径方向に対して一定の向きを維持するように、換言すれば、発光ホイール23の中心(つまり、軸RX)に対して回転対称に配置されている。図22(A)の例では、ナノ構造12aを発光ホイール23上に略完全に回転対称に配置しているが、図22(B)に示すように、発光ホイール23内を複数のセグメントに分割して、各セグメント内は完全な格子状(例えば、正方格子等)に配列してもよい。
第1集光レンズ25による光源光の照射位置に、赤色領域AR1又は緑色領域AR2が位置している場合、光源光のほとんどが赤色発光素子11R又は緑色発光素子11Gの蛍光体を励起する励起光となり、各色の発光素子11R,11G(すなわち光学装置10)は、光軸SAに近い立体角の範囲内に偏光度の高い蛍光光を射出する。
第1集光レンズ25による光源光の照射位置に、青色領域AR3が位置している場合、光源光は発光ホイール23の透光板23cに入射して表面の微細凹凸で拡散された後に透過し、開口23bから発光ホイール23の裏面側へ比較的小さな発散角で射出される。
導光装置30は、光源装置20から射出された光を画像生成装置50に導光する。導光装置30は、集光用のレンズ35と、光源装置20から射出された照明光の光路を折り曲げるミラー31と、ミラー31を経た照明光を均一な強度分布の光線束とする導光ロッド32と、導光ロッド32を通過した照明光の発散を抑制する集光レンズ33とを有する。
画像生成装置50は、導光装置30から射出された光を変調して映像光を形成する。画像生成装置50は、導光装置30からの照明光から映像光を形成する画像表示素子51と、画像表示素子51上において照明光の入射角範囲を一様にするフィールドレンズ52と、フィールドレンズ52からの光を画像表示素子51に導くととともに画像表示素子51からの光を投影光学系60に導く偏光ビームスプリッター53とを備える。ここで、画像表示素子51は、例えば反射型液晶デバイス(LCOS(liquid crystal on silicon))であり、シリコンチップの表面に直接回路が形成され対向基板との間に液晶層を挟み込んだものである。画像表示素子51は、液晶層に対し駆動信号に応じた電圧が画素毎に印加されると、液晶分子の配列を変化させることで照明光を変調し、所望の画像を表示する。偏光ビームスプリッター53は、一対の直角プリズム53a,53bを貼り合わせたものであり、貼り合わせ面において、一方の直角プリズムの斜面には、光源装置20側から入射した所定方向の直線偏光を透過させる偏光分離膜からなる偏光分離面53cが形成されている。偏光ビームスプリッター53は、光源装置20側から入射した照明光を透過させ、画像表示素子51に入射させる。また、偏光ビームスプリッター53は、この画像表示素子51から射出された変調光を反射させ、投影光学系60に入射させる。
投影光学系60は、詳細な説明を省略するが、画像表示素子51から得られる像を拡大してスクリーンその他の被投影体(不図示)に投影する。投影光学系60は、複数のレンズ群や反射面からなり、一部のレンズ群を光軸SA方向に移動させることにより、フォーカシングや変倍を行わせることができる。
制御装置80は、外部装置から画像データの入力を受けて画像処理を行わせるとともに画像表示素子51に画像処理後の画像の表示動作を行わせる。これと並行して、制御装置80は、回転駆動部24に駆動信号を出力することによって、発光ホイール23の回転角を画像表示素子51の表示状態に対応させる。つまり、画像表示素子51の表示状態が赤色、緑色、及び青色のいずれの画像に対応するものであるかに応じて、光源装置20からの光源光の照射位置が発光ホイール23上の対応する色の領域AR1,AR2,AR3となるようにする。
なお、本発明の投影装置は、上記実施形態のプロジェクター100に限定されるものではなく、例えば画像表示素子51として、反射型液晶デバイスに代えてデジタルマイクロミラーデバイスを用いることができる。この際、偏光ビームスプリッター53に代えて光路分岐プリズムを用いる。また、反射型液晶デバイスに代えて透過型液晶デバイスを用いることができる。
上記プロジェクター100では、光源装置20の発光ホイール23を蛍光光の取り出しに関して励起光とは反対側に蛍光光を取り出す透過型としているが、発光ホイール23を反射型として、蛍光光を励起光側に戻すことができる。また、青色光を励起光と兼用させる必要はなく、紫外光から青色光その他の蛍光光を得ることができる。
以上、実施形態に係る光学装置等について説明したが、本発明に係る光学装置等は、上記のものには限られない。例えば、光源にレーザーダイオードを用いたが、LEDを用いてもよい。
また、上記実施形態において、基板11は、不透明基板上に光透過性を有する層を介して配置してもよい。また、基板11上にナノ構造12a、その近傍(100nm以下)に波長変換層13が設けられていればよく、仕様に応じて構成を適宜変更することができる。例えば、基板11の表面11a側には、ナノ構造アレイ12の形成を妨げなければ、ナノ構造アレイ12の下地として、波長変換層13と同様の蛍光層を設けることもできる。また、基板11は、光学装置10に対して裏面11b側から励起光B1を入射させる場合、基板11の裏面11bに励起光B1を透過させて蛍光光G1を反射するダイクロイックミラーを形成すると、裏面11b側への蛍光光G1の放出を抑制することができ、より高効率化が可能となる。また、ダイクロイックミラーは基板11の裏面11b以外に、基板11とナノ構造アレイ12の間に形成してもよい。また、透過型の光学装置10の場合、励起光の入射と反対側の波長変換層13の表面13a側に、励起光を反射し蛍光光を透過するダイクロイックミラーを形成してもよい。
また、上記実施形態において、光学装置10を反射型とすれば、光源21を光学装置10の表側に配置することも可能である。この場合、波長変換層13の表面13aに励起光を入射させる。これにより、波長変換層13の表面13aからは、上記と同様の蛍光光G1が放射される。基板11は、光学装置10に対して波長変換層13側から励起光を入射させる場合、光透過性を有しない不透明な材料で形成することができる。表面13a側から励起光を入射させる場合、基板11の裏面11bに抜ける励起光及び蛍光光は損失になるので、光透過性を有する基板11の裏面11bに金属又は誘電体ミラーからなる反射層を設け裏面11bへの励起光及び蛍光光の放射を抑制することが好ましい。同様の目的で、反射性の金属基板上に透明誘電体層を形成したものを基板11とすることができる。あるいは、光透過性を有しない平板上に金属反射層を介して光透過層を設けたものを基板11とすることもできる。
また、上記実施形態において、波長変換層13は、励起光とは異なる波長の光を発生させる部分であり、一般的には蛍光材料で形成されるが、これに限るものでなく、励起光によって異なる波長の光を発生するものであればよい。
また、上記実施形態において、ナノ構造12aは、金属のみで形成したが、非金属誘電体材料で形成されたコア部と、このコア部の表面に金属材料で形成された被覆部を覆った構成としてもよい。
10…光学装置、 11…基板、 11G…緑色発光素子、 11R…赤色発光素子、 11a…表面、 11b…裏面、 12…ナノ構造アレイ、 12a…ナノ構造、 13…波長変換層、 13a…表面、 14…Al層、 15…レジストパターン層、 20…光源装置、 21…光源、 21…励起光源、 22…コリメータレンズ、 23…発光ホイール、 24…回転駆動部、 25…集光レンズ、 30…導光装置、 60…投影光学系、 80…制御装置、 90…光源、 100…プロジェクター、 B1…励起光、 G1…蛍光光

Claims (18)

  1. 金属で形成され、2次元的に周期的な配列で形成された複数のナノ構造と、
    前記複数のナノ構造を片側から覆うように形成され、励起光源により照明されることによって、励起光とは異なる波長の光を発する波長変換層と、
    を備え、
    前記ナノ構造において、励起光が入射する入射面に平行な所定の第1方向の長さと、前記入射面に平行かつ前記第1方向に垂直な第2方向の長さとは、異なることを特徴とする光学装置。
  2. 前記ナノ構造の前記第1方向の長さと前記第2方向の長さのうち、短い方の長さをDs(nm)とし、長い方の長さをDl(nm)としたきに、以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
    Ds≦0.75×Dl … (1)
    Ds≧−Dl+25 … (2)
    Ds≧5 … (3)
    Ds≦−1.25×Dl+250 … (4)
  3. 前記ナノ構造の前記第1方向の長さと前記第2方向の長さのうち、短い方の長さをDs(nm)とし、長い方の長さをDl(nm)としたきに、以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
    Ds≦0.75×Dl … (1)
    Ds≧−Dl+25 … (2)
    Ds≧5 … (3)
    Ds≦30 … (5)
    Dl≦330 … (6)
  4. 以下の条件式を満足することを特徴とする請求項3に記載の光学装置。
    Dl≦200 … (6)'
  5. 前記ナノ構造の前記第1方向の長さと前記第2方向の長さのうち、短い方の長さをDs(nm)とし、長い方の長さをDl(nm)としたきに、以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
    Ds≦0.75×Dl … (1)
    Ds≧−Dl+25 … (2)
    Ds≧5 … (3)
    Ds≦70 … (5)'
    Dl≦200 … (6)'
  6. 以下の条件式を満足することを特徴とする請求項5に記載の光学装置。
    Ds≦50 … (5)''
  7. 前記ナノ構造の前記第1方向の長さと前記第2方向の長さのうち、短い方の長さをDs(nm)とし、長い方の長さをDl(nm)としたきに、以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
    Ds≦0.75×Dl … (1)
    Ds≧−Dl+25 … (2)
    Ds≧5 … (3)
    Ds≦50 … (5)''
    Dl≦150 … (6)''
  8. 前記ナノ構造の前記入射面に垂直な方向の高さは、200nm以下であることを特徴とする請求項1から7までのいずれか一項に記載の光学装置。
  9. 前記ナノ構造の前記入射面に平行な断面の形状が、円形状であることを特徴とする請求項1から8までのいずれか一項に記載の光学装置。
  10. 前記ナノ構造の前記第1方向の長さと前記第2方向の長さのうち、短い方の長さをDs(nm)とし、長い方の長さをDl(nm)としたきに、以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
    30≦Ds≦250 … (7)
    30≦Dl≦250 … (8)
  11. 以下の条件式を満足することを特徴とする請求項10に記載の光学装置。
    Ds≦0.75×Dl … (1)
    Ds≧−Dl+250 … (9)
  12. 金属で形成され、2次元的に周期的な配列で形成された複数のナノ構造と、
    前記複数のナノ構造を片側から覆うように形成され、励起光源により照明されることによって、励起光とは異なる波長の光を発する波長変換層と、
    を備え、
    前記ナノ構造において、励起光が入射する入射面に平行な所定の第1方向の長さと、前記入射面に平行かつ前記第1方向に垂直な第2方向の長さとは、異なり、
    前記ナノ構造の前記第1方向と前記第2方向とにおいて、短い方向に平行な第1偏光の光強度に対する長い方向に平行な第2偏光の光強度の強度比をRpとし、基準の光強度に対する前記第2偏光の光強度の比をRiとしたときに、以下の条件式を満足することを特徴とする光学装置。
    1.3≦Rp×Ri … (10)
    ただし、前記基準の光強度とは、前記第1方向の長さと前記第2方向の長さとが等しいナノ構造における、前記第1偏光又は前記第2偏光の光強度である。
  13. 前記ナノ構造は、基板上に形成された柱状の突起であり、前記波長変換層は、前記基板とともに前記複数のナノ構造を覆うことを特徴とする請求項1から12までのいずれか一項に記載の光学装置。
  14. 前記波長変換層は、非散乱性の材料で構成されていることを特徴とする請求項1から13までのいずれか一項に記載の光学装置。
  15. 請求項1から14までのいずれか一項に記載の光学装置と、
    前記光学装置の前記波長変換層に励起光を照射する励起光源と、
    を備えることを特徴とする光源装置。
  16. 前記励起光源と前記光学装置とは、別体として離間して配置されることを特徴とする請求項15に記載の光源装置。
  17. 前記励起光源は、レーザーダイオード及びLEDのいずれかであることを特徴とする請求項15及び16のいずれか一項に記載の光源装置。
  18. 請求項15から17までのいずれか一項に記載の光源装置と、
    前記光源装置によって照明される画像表示素子と、
    前記画像表示素子により形成される画像を投影する投影光学系と、
    を備えることを特徴とする投影装置。
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