JP7116915B2 - 色生成構造体及び黒色生成構造体の設計方法 - Google Patents

色生成構造体及び黒色生成構造体の設計方法 Download PDF

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本発明は、色生成構造体及び黒色生成構造体の設計方法に関する。
近年、集団電子励起(いわゆる表面プラズモン共振)を伴うナノ構造を、サブ波長スケールのカラープリントに応用する研究が行われている。例えば、特許文献1及び非特許文献1には、4つの円柱状のナノ構造を1つの組として、各組ごとに所望の色を生成するプリント技術が開示されている。このプリント技術によれば、回折限界ピクセル(可視波長領域において250nm四方以上300nm四方以下)で個別に色を生成できる。この特徴により、プリント解像度を100,000dpiまで向上させることが可能である。
国際公開第2017/135430号公報
Kumar, K.; Duan, H.; Hegde, R. S.; Koh, S. C. W.; Wei, J. N.; Yang, J. K. W. Nat. 「Printing color at the optical diffraction limit」 Nanotechno l. 2012, 7, 557-561.
本発明者らは、集団電子励起を伴うナノ構造及びその構造が生成する色について鋭意研究を行い、人間の目により黒く見える黒色及びより鮮やかにみえる有彩色を生成することに成功した。すなわち、本発明は、人の目により黒く見える黒色及びより鮮やかに見える有彩色を生成する色生成構造体の設計方法を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明の色生成構造体の設計方法は、複数のナノディスクと、誘電体層と、基層と、を有し、プラズモン吸収によって色を生成する、色生成構造体の設計方法であって、前記色生成構造体の構造の初期設定を行う第1工程と、前記第1工程において構造の初期設定が行われた前記色生成構造体に所定の光源を照射したときの反射光の所定の三色表色系における色度座標の算出を行う第2工程と、前記第2工程において算出された前記色度座標の評価を行い、前記色生成構造体の構造の再設定を行う第3工程と、前記第3工程の後、前記第2工程及び前記第3工程を繰り返し行う第4工程と、を有する。また、前記第2工程は、光学シミュレーションにより、前記第1工程において構造の初期設定が行われた前記色生成構造体の反射率スペクトルの算出を行う第2A工程と、前記所定の光源の放射量スペクトルと前記第2A工程によって算出された前記反射率スペクトルと前記所定の三色表色系の等色関数とを掛け合わせて積分することにより前記色度座標の算出を行う第2B工程と、を有していてもよい。
また、前記色生成構造体は、正方形の画素領域の内部に配置された複数の円柱状の前記ナノディスクを有し、前記第3工程における構造の再設定は、前記ナノディスクの直径と、前記画素領域の一辺の長さと、を設定するものであってもよい。また、前記色生成構造体は、2つの第1ナノディスクと、第2ナノディスクと、第3ナノディスクと、を有し、2つの前記第1ナノディスクは正方形の前記画素領域の一方の対角線方向において対向し、前記第2ナノディスクと前記第3ナノディスクとは、前記画素領域の他方の対角線方向において対向していてもよい。
本発明の黒色生成構造体の設計方法は、複数のナノディスクと、誘電体層と、基層と、を有し、プラズモン吸収によって色を生成する、黒色生成構造体の設計方法であって、前記黒色生成構造体の構造の初期設定を行う第1工程と、前記第1工程において構造の初期設定が行われた前記黒色生成構造体に所定の光源を照射したときの反射光の所定の三色表色系における色度座標の算出を行う第2工程と、前記第2工程において算出された前記色度座標の評価を行い、前記黒色生成構造体の構造の再設定を行う第3工程と、前記第3工程の後、前記第2工程及び前記第3工程を繰り返し行う第4工程と、を有する。前記第2工程は、光学シミュレーションにより、前記第1工程において構造の初期設定が行われた前記黒色生成構造体の反射率スペクトルの算出を行う第2A工程と、前記所定の光源の放射量スペクトルと前記第2A工程によって算出された前記反射率スペクトルと前記所定の三色表色系の等色関数とを掛け合わせて積分することにより前記色度座標の算出を行う第2B工程と、を有していてもよい。
また、前記所定の三色表色系は、その色度座標からLh表色系のL及びCの値を算出できるものであり、前記第3工程における前記色度座標の評価及び前記構造の再設定は、前記L及び前記Cの値をともに小さくするように行われてもよい。また、前記所定の三色表色系は、XYZ表色系であり、前記第3工程における前記色度座標の評価において、前記XYZ表色系の色度座標から変換されたL表色系の色度座標から算出された のL及びCの値を用いてもよい。
また、前記黒色生成構造体は、正方形の画素領域の内部に配置された複数の円柱状の前記ナノディスクを有し、前記第3工程における構造の再設定は、前記ナノディスクの直径と、前記画素領域の一辺の長さと、を設定するものであってもよい。また、前記黒色生成構造体は、2つの第1ナノディスクと、前記第1ナノディスクよりも直径の大きい1つの第2ナノディスクと、前記第2ナノディスクよりも直径の大きい1つの第3ナノディスクと、を有し、2つの前記第1ナノディスクは正方形の前記画素領域の一方の対角線方向において対向し、前記第2ナノディスクと前記第3ナノディスクとは、前記画素領域の他方の対角線方向において対向していてもよい。
本発明によると、人の目により黒く見える黒色及びより鮮やかに見える有彩色を生成する色生成構造体を設計することができる。
本実施形態の色生成構造体を概略的に示す斜視図である。 本実施形態の色生成構造体を概略的に示す正面図である。 本実施形態の色生成構造体を概略的に示す縦断面図(図2のA-A断面)である。 本実施形態の色生成構造体の設計方法の概略を示すフロー図である。 本実施形態の色生成構造体の基本構造を示す正面図である。 本実施形態の色生成構造体の基本構造を示す縦断面図(図5のB-B断面)である。 光学シミュレーションによる反射率のスペクトルの計算結果の一例を示すグラフである。 D65光源の放射量のスペクトルを示すグラフである。 XYZ表色系の等色関数x(λ)、y(λ)、z(λ)を示すグラフである。 本実施形態の色生成構造体の設計方法により設計された黒色生成構造体の反射率のスペクトルの計算結果の一例を示すグラフである。 図10のグラフと構造の初期設定時の反射率を示すグラフ(図7)とXYZ表色系の等色関数を示すグラフ(図9)とを重ねて示したグラフである。 本実施形態の色生成構造体の作製プロセスの概略を示す垂直断面図である。 本実施形態の色生成構造体の作製プロセスの概略を示す垂直断面図である。 本実施形態の色生成構造体の作製プロセスの概略を示す垂直断面図である。 本実施形態の色生成構造体の作製プロセスの概略を示す垂直断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
図1は、本実施形態の色生成構造体10を概略的に示す斜視図である。図2は、本実施形態の色生成構造体10を概略的に示す正面図である。図3は、本実施形態の色生成構造体10を概略的に示す縦断面図であり、図2のA-A線に沿った断面を示している。
説明の便宜のため、図1を含め以下に示す各図において、適宜、XYZ直交座標系を設けて示している。以下の説明において、Z方向を垂直方向又は縦方向といい、XY平面内の方向を水平方向又は横方向ということがある。また、色生成構造体10の+Z方向側を正面側といい、-Z方向側を背面側ということがある。
色生成構造体10は、複数のナノディスク20と、誘電体層30と、基層40と、を備える。複数のナノディスク20は、誘電体層30の上に配置されている。図示された例では、ナノディスク20は、円柱形状である。そのため、ナノディスク20と誘電体層30との界面の大きさは、ナノディスク20の直径に依存する。誘電体層30は、基層40の上に積層されている。基層40の誘電体層30側の面は、光を反射する反射面を構成する。また、本実施形態の色生成構造体10は、基板50を備えており、その基板50の上に基層40が積層されている。
ナノディスク20、誘電体層30及び基層40の材質、ナノディスク20の高さ、誘電体層30の厚み、並びに、各ナノディスク20と誘電体層30との界面の大きさは、各ナノディスク20と誘電体層30との界面において特定の波長帯の光がプラズモン吸収されるように設計されている。特定の波長帯の光は、色生成構造体10に光(例えば、無偏光の白色光)を照射して、各ナノディスク20と誘電体層30との界面に表面プラズモン共鳴を誘起させることによって、プラズモン吸収される。以下、各ナノディスク20と誘電体層30との界面において特定の波長帯の光がプラズモン吸収される条件をプラズモン吸収条件と記載する。
さらに、ナノディスク20、誘電体層30及び基層40の材質、ナノディスク20の高さ、誘電体層30の厚み、並びに、各ナノディスク20と誘電体層30との界面の大きさは、色生成構造体10が人間の目により黒く見えるような黒色又はより鮮やかに見える有彩色を生成することができるように、特定の設計方法により設計されている。この設計方法については、後述する。
プラズモン吸収される光の波長帯は、ナノディスク20の直径以外の構造が同じである場合、ナノディスク20の直径(定在波に対する実質的なキャビティ長)に依存する。そして、複数のナノディスク20が互いに近接配置された場合、各ナノディスク20の光学共振特性は、他のナノディスク20の影響を受けるものの、その基本的な傾向は維持される。そのため、互いに直径の異なる複数のナノディスク20を近接して配置することにより、それらが配置された領域において、複数の波長帯の反射率を落ち込ませることができる。黒系の色を生成する場合には、各ナノディスク20の直径を、可視波長領域の反射率を全体的に低下させるように設計することになる。有彩色を生成する場合には、可視波長領域のうち特定の領域以外の反射率を低下させるように設計することになる。
ナノディスク20の材質は、プラズモン吸収条件を満たす限り、特に限定されない。ナノディスク20の材料には、例えば、アルミニウムや、金、銀、銅、ナトリウム、カリウム、インジウム、又は、ルビジウムのような金属、あるいは、酸化インジウムスズ(tin-doped indium oxide;ITO)や、アルミニウムドープ酸化亜鉛(Aluminum doped Zinc Oxide;AZO)又はガリウムドープ酸化亜鉛(Gallium doped Zinc Oxide;GZO)のような半導体又は金属酸化物のいずれかを採用し得る。ナノディスク20の高さは、例えば、10nm以上500nm以下であり、ナノディスク20の直径は、例えば、20nm以上300nm以下である。
誘電体層30の材料は、プラズモン吸収条件を満たす限り、特に限定されない。誘電体層30の材料には、例えば、酸化アルミニウム(いわゆる、アルミナ)や、石英、ガラス、酸化インジウムスズ(ITO)、フッ化マグネシウム、又は、フッ化カリウムのいずれかを採用し得る。誘電体層30の厚みは、例えば、5nm以上100nm以下である。
基層40の材料は、プラズモン吸収条件を満たす限り、特に限定されない。基層40の材料には、例えば、アルミニウムや、金、銀、銅、ナトリウム、カリウム、インジウム、又は、ルビジウムのような金属、あるいは、酸化インジウムスズ(ITO)や、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)又はガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)のような半導体又は金属酸化物のいずれかを採用し得る。
基板50の材料は、基板50に基層40を積層できる限り、特に限定されない。基板50の材料には、例えば、シリコンや、石英、ガラス、金属、半導体、ポリマー、カーボン材料、又は、紙のいずれかを採用し得る。
図示された例では、色生成構造物は、近接配置された4つのナノディスク20を備える。4つのナノディスク20は、矩形形状の画素領域Raの内部に、矩形形状の各隅に対応して、配置されている。画素領域Raは、例えば、正方形の領域である。画素領域Raは、0よりも大きく400nm四方未満の面積を有し得る。換言すると。画素領域Raは、サブ波長ピクセルであり得る。あるいは、画素領域Raは、回折限界ピクセルであり得る。
4つのナノディスク20は、2つの第1ナノディスク21と、第2ナノディスク22と、第3ナノディスク23とを含む。2つの第1ナノディスク21は、矩形形状の画素領域Raの一方の対角線方向において対向する。第2ナノディスク22と第3ナノディスク23とは、矩形形状の画素領域Raの他方の対角線方向において対向する。
第1ナノディスク21、第2ナノディスク22及び第3ナノディスク23は、互いに直径が異なる。図示された例では、第2ナノディスク22の直径は、第1ナノディスク21の直径よりも大きく、第3ナノディスク23の直径は、第2ナノディスク22の直径よりも大きい。しかし、特に有彩色を生成する有彩色生成構造体10において、第2ナノディスク22の直径を第1ナノディスク21の直径よりも小さくすることができ、また、第3ナノディスク22の直径を第2ナノディスク22及び第1ナノディスク21の直径よりも小さくすることができる。黒色を生成する黒色生成構造体10においては、入射光の効率的な吸収等の観点から、図示された例のように、第2ナノディスク22の直径を第1ナノディスク21の直径よりも大きくし、第3ナノディスク23の直径を第2ナノディスク22の直径よりも大きくするのが好ましい。
ナノディスク20の直径は、第1ナノディスク21、第2ナノディスク22及び第3ナノディスク23の各々において共振する波長(スペクトル吸収される波長)が重ならないように設定する。また、ナノディスク20の直径は、第1ナノディスク21、第2ナノディスク22及び第3ナノディスク23の各々が画素領域Raの面積をカバーできる吸収断面積を有するように設定する。
ナノディスク20は、正面視において(Z方向から見て)円形形状である。これは、反射特性の入射偏光への依存性を抑えるためである。前述のとおり、プラズモン吸収される光の波長帯は、ナノディスク20の直径(定在波に対する実質的なキャビティ長)に依存する。ナノディスク20が正面視において(Z方向から見て)円形形状でない場合、入射光の偏光の方向によって定在波に対する実質的なキャビティ長が変わることになり、その結果、反射特性の入射偏光への依存性が生じることになる。
色生成構造体10は、矩形形状の画素領域Raの対角線上に配置された2つの第1ナノディスク21を有している。これには、主に、3つの理由がある。第1の理由は、反射特性の入射偏光への依存性を抑えるためである。第2の理由は、1つの色生成構造体10における第1ナノディスク21の吸収断面積を大きくするためである。第3の理由は、設計のパラメータを減らすためである。
矩形形状の画素領域Raの対角線上に配置された2つの第1ナノディスク21を有している場合、X方向に並んだナノディスク20の組み合わせが、第1ナノディスク21-第3ナノディスク23と第2ナノディスク22-第1ナノディスク21とになり、Y方向に並んだナノディスク20の組み合わせが、第1ナノディスク21-第2ナノディスク22と第2ナノディスク22-第1ナノディスク21とになる。このように、矩形形状の画素領域Raの対角線上に配置された2つの第1ナノディスク21を有している場合では、X方向とY方向とで、その方向に並んだナノディスク20の組み合わせが実質的に同じになり(つまり、その方向に並んだ直径の組み合わせが実質的に同じになり)、反射特性の入射偏光への依存性が抑えられている。
以下、本実施形態の色生成構造体10の設計方法を説明する。
図4は、本実施形態の色生成構造体10の設計方法の概略を示すフロー図である。本実施形態の設計方法は、人間の感覚により近い指標である三色表色系の色度座標を用いるものである。
本実施形態の設計方法では、初めに、色生成構造体10の構造の初期設定を行う(第1工程)。次に、光学シミュレーションにより、色生成構造体10の反射率スペクトルの算出を行う(第2A工程)。次に、所定の光源による反射光について、所定の三色表色系における色度座標の算出を行う(第2B工程)。次に、計算された所定の三色表色系における色度座標の評価を行い、この評価に基づいて、色生成構造物の構造の再設定を行う(第3工程)。次に、この再設定された色生成構造物の構造について、色生成構造体10の反射率のスペクトルの計算を行い、以下、同様の工程を繰り返すことになる(第4工程)。そして、計算された所定の三色表色系における色度座標の評価において、目標とする値が得られたとき、そのときに設定されている色生成構造体10の構造を設計された構造として、設計を終了する。
初めに、色生成構造体10の構造の初期設定について詳述する。
図5は、本実施形態の色生成構造体10の基本構造を示す正面図である。図6は、本実施形態の色生成構造体10の基本構造を示す縦断面図であり、図5のB-B線に沿った断面を示している。
本実施形態の設計方法では、計算の便宜のため、無数の色生成構造体10がX方向及びY方向に配列された、周期構造を有する、色生成構造体10の集合体を想定している。図5及び図6は、この色生成構造体10の集合体の一部の領域を示したものである。
それぞれの色生成構造体10は、正面視において(つまり、Z方向から見て)正方形の画素領域Raの内部に、2つの第1ナノディスク21、1つの第2ナノディスク22及び1つの第3ナノディスク23を有する。4つのナノディスク20は、色生成構造体10の画素領域Raを4つの正方形小領域に分割したときに、その正方形小領域の中心とナノディスク20の中心とが一致するように配置されている。
本実施形態の設計方法の設計変数は、ナノディスク20、誘電体層30及び基層40の誘電率(つまり、材料)、ナノディスク20の高さt1、誘電体層30の厚みt2、基層40の厚みt3、第1ナノディスク21の直径d1、第2ナノディスク22の直径d2、第3ナノディスク23の直径d3、及び、色生成構造体10のピッチpである。図示された例では、色生成構造体10のピッチpは、色生成構造体10の正方形の画素領域Raの一辺の長さと一致している。
本実施形態の設計方法では、ナノディスク20の材料としてアルミニウムを、誘電体層30の材料としてアルミナを、基層40の材料としてアルミニウムを想定しており、それぞれの誘電率の値としてこれらの材料の誘電率を設定している。また、本実施形態の設計方法では、後述のとおり基層40の厚みt3が100nmと十分に厚く、基板50に達する光が極めて少なくなることから、光学シミュレーションにおける計算の便宜上、基層40の厚みt3を無限大と仮定し、基板50の存在を無視する取扱いとしている。
本発明の発明者らの研究の結果、ナノディスク20の高さt1、誘電体層30の厚みt2及び基層40の厚みt3は、可視波長領域においては、色生成構造体10の生成する色に与える影響が小さく、適切な一定の値を設定すればよいことが見出された。また、色生成構造体10の設計では、各ナノディスク21、22及び23の直径d1、d2及びd3の値の調整の他、色生成構造体10のピッチ(つまり、画素領域Raの一辺の長さ)pの値の調整が重要であることも見出された。本実施形態の設計方法では、各ナノディスク20の直径d1、d2及びd3、並びに、色生成構造体10のピッチ(つまり、画素領域Raの一辺の長さ)pの値を調整することにより、これらの適切な値の組合せを探求することになる。
ナノディスク20の高さt1は、一定の値よりも大きいと、ナノディスク20の垂直方向(Z方向)の電子分布がプラズモン吸収に悪影響を与えることになり、好ましくない。誘電体層30の厚みt2は、ナノディスク20と基層40との間の電解分布がプラズモン吸収に適したものとなるように適切な値を設定する必要がある。誘電体層30の厚みt2がこの適切な値から外れるとプラズモン吸収の効率が悪くなってしまう。基層40の厚みt3は、一定の値よりも小さいと、プラズモン吸収が基板50からの影響を受けることになり、好ましくない。このような観点から、本実施形態の設計方法では、ナノディスク20の高さt1を40nmに設定し、誘電体層30の厚みt2を30nmに設定し、及び基層40の厚みt3を100nmに設定している。
各ナノディスク21、22、及び23の直径d1、d2及びd3、並びに、色生成構造体10のピッチ(つまり、画素領域Raの一辺の長さ)pの値の初期設定は、黒系の色を生成する黒色生成構造体10を設計する場合には、可視波長領域の反射率を全体的に低下させるように設定する。一方、有彩色を生成する有彩色生成構造体10を設計する場合には、可視波長領域の特定の領域以外の反射率を低下させるように設定する。
次に、光学シミュレーションによる色生成構造体10の反射率のスペクトルの計算について詳述する。
図7は、光学シミュレーションによる反射率のスペクトルの計算結果の一例を示すグラフである。図7は、黒色を生成するために、初期設定において、設計変数を可視波長領域のうち特定の領域以外の反射率を低下させるように設定したとき、具体的には、各ナノディスク21、22、及び23の直径d1、d2及びd3を、それぞれ、80nm、100nm及び120nmとし、黒色生成構造体10のピッチ(つまり、画素領域Raの一辺の長さ)pを300nmとしたときの計算結果を示している。
この光学シミュレーションによる反射率のスペクトルの計算は、RCWA(Rigorous Coupled-Wave Analysis)法による光学シミュレーションによるものである。また、図7に示す例では、反射率として垂直入射半球反射率を用いている。この光学シミュレーションは、FDTD(Finite-Difference Time-Domain)法など他の方法によることも可能である。ただし、RCWA法による光学シミュレーションは、高速計算が可能であるという利点を有している。
次に、所定の光源による反射光の所定の三色表色系における色度座標の計算について詳述する。
三色表色系は、適切に選ばれた3個の原刺激の加法混色に基づいて、色刺激を三刺激値によって表示する体系である。この三刺激値は、三色表色系における色度座標に相当する。所定の光源を色生成構造体10に照射したときの反射光の所定の三色表色系における色度座標は、反射光のスペクトルと三色表色系の等色関数とを掛け合わせて積分することにより算出される。反射光のスペクトルは、所定の光源のスペクトルと色生成構造体10の反射率のスペクトルとを掛け合わせたものとして算出される。等色関数は、等しい放射パワーをもつ単色光刺激の三刺激値を示すものであり、三色表色系の三刺激値それぞれのスペクトル感度に相当するものである。
本実施形態の設計方法では、所定の光源として、CIE標準光源D65(以下、「D65光源」という。)を採用し、所定の三色表色系として、色度座標(X,Y,Z)を有するCIE1931標準表色系(以下、「XYZ表色系」という。)を採用している。
図8は、D65光源の放射量のスペクトルS(λ)を示すグラフである。λは波長を示している。図8に示す例では、D65光源の放射量のスペクトルS(λ)は、最大値が1.0になるように規格化されている。つまり、図8は、D65光源の相対分光分布を示している。D65光源は、平均的な昼光を表現することを目的として定義されたものである。
図9は、XYZ表色系の2°視野の等色関数x(λ)、y(λ)、z(λ)を示すグラフである。この 等色関数x(λ)、y(λ)、z(λ)は、y(λ)の最大値が1.0となり、x(λ)、y(λ)及びz(λ)の積分値が等しくなるように定義されている。XYZ表色系の等色関数は、人の網膜にある三種の視細胞がそれぞれ刺激として感じる光の応答量の波長依存性と概ね一致している。
D65光源を色生成構造体10に照射したときの反射光のスペクトルは、D65光源の放射量のスペクトルS(λ)と反射率のスペクトルR(λ)とを掛け合わせたものとして算出される。この反射光のXYZ表色系における色度座標(X,Y,Z)は、下記の数式1、数式2及び数式3によって算出される。定数kの値は、D65光源S(λ)のXYZ表色系における色度座標のYの値(後述の数式9のYに相当する。)が100になるように定められる。積分は、360nmから780nmの範囲でなされる。
Figure 0007116915000001
Figure 0007116915000002
Figure 0007116915000003
本実施形態の設計方法では、さらに、XYZ表色系の色度座標(X,Y,Z)からCIE L表色系(以下、「L表色系」という。)の色度座標(L,a,b)への変換を行っている。このL表色系は、明度を示すLと、色相及び彩度に関係する色度を示すa及びbと、によって色を表す表色系である。aは、赤紫方向と青緑方向との成分を示し、正の方向が赤紫方向であり、負の方向が青緑方向である。bは、黄色方向と青方向との成分を示し、正の方向が黄色方向であり、負の方向が青方向である。
XYZ表色系の色度座標(X,Y,Z)からL表色系の色度座標(L,a,b)への変換は、下記の数式4、数式5及び数式6により行われる。
Figure 0007116915000004
Figure 0007116915000005
Figure 0007116915000006
これらの数式における関数f(t)は、下記の数式7のとおりである。X、Y及びZの値は、下記の数式8、数式9及び数式10により算出される。このX、Y及びZの値は、D65光源のXYZ表色系における色度座標(X,Y,Z)に相当するものである。
Figure 0007116915000007
Figure 0007116915000008
Figure 0007116915000009
Figure 0007116915000010
本実施形態の設計方法では、さらに、L表色系の色度座標(L,a、b)からCIE Lh表色系(以下、「Lh表色系」という。)の色度座標(L,C,h)への変換を行っている。このLh表色系は、明度を示すLと、彩度を示すCと、色相角を示すhと、によって色を表す表色系である。
表色系の色度座標(L,a、b)からLh表色系の色度座標(L,C,h)への変換は、下記の数式11及び数式12により行われる。Lh表色系のLは、L表色系の色度座標Lと同じである。
Figure 0007116915000011
Figure 0007116915000012
図7に示す例では、XYZ表色系の色度座標(X,Y,Z)は、(12.52,13.93,28.21)となり、L表色系の色度座標(L,a、b)は、(44.1,-4.7,-23.8)となり、Lh表色系の色度座標(L,C,h)は、(44.1,24.3,-101.3)となる。
次に、計算された所定の三色表色系における色度座標の評価及び色生成構造物の構造の再設定について詳述する。
一例として、人の目により黒く見える黒色を生成する黒色生成構造体10を設計する場合について説明する。
本発明の発明者らの研究の結果、明度を示すLと彩度を示すCとのそれぞれを小さい値にするほど、人間の目により黒く見えるようになることが見いだされた。そのため、黒色生成構造体10を設計する場合には、LとCとの値の評価を行い、それらの値ができるだけ小さい値になるように、各ナノディスク21、22、及び23の直径d1、d2及びd3、並びに、色生成構造体10のピッチpの値の再設定を行うことになる。この再設定を行った後、この再設定された黒色生成構造物の構造について、黒色生成構造体10の反射率のスペクトルの計算を行い、以下、同様の工程を繰り返すことになる。
そして、明度を示すLと彩度を示すCとの値が目標とする範囲に達したときに、そのときの各ナノディスク21、22、及び23の直径d1、d2及びd3、並びに、色生成構造体10のピッチpの値を設計値として、設計を終了する。黒色を生成する黒色生成構造体10の場合には、各ナノディスク21、22、及び23の直径d1、d2及びd3、並びに、色生成構造体10のピッチpの値の再設定によりLとCとの値をより小さくすることができなくなったときが、LとCとの値が目標とする範囲に達したときとなる。
図10は、本実施形態の色生成構造体10の設計方法により設計された黒色生成構造体10の反射率のスペクトルの計算結果の一例を示すグラフである。図11は、比較のため、この図10のグラフと、構造の初期設定時の反射率のスペクトルを示すグラフ(つまり、図7のグラフ)と、XYZ表色系の等色関数を示すグラフ(つまり、図9のグラフ)と、を重ねて示したものである。
図10に示す例では、各ナノディスク21、22、及び23の直径d1、d2及びd3は、それぞれ、70nm、100nm及び120nmであり、色生成構造体10のピッチpは381nmであり、これが、本実施形態の設計方法により設計された黒色生成構造体10の設計値となる。
図10に示す例では、XYZ表色系の色度座標(X,Y,Z)は、(3.2,3.3,3.8)となり、L表色系の色度座標(L,a,b)は、(21.3,0.3,-1.1)となり、Lh表色系の色度座標(L,C,h)は、(21.3,1.1,-75.1)となる。明度を示すLは、図7に示す初期設定時の44.1から21.3まで低下しており、彩度を示すCは、図7に示す初期設定時の24.3から1.1まで低下している。
人の目により鮮やかに見える有彩色を生成する有彩色生成構造体10の設計方法についても、設計方法の基本的部分は、黒色生成構造体10の設計方法と同じである。但し、有彩色生成構造体10の設計方法では、色相及び彩度に関係する色度を示すa及びbや、色相角を示すhなどの値が重要になる。一例として、有彩色生成構造体10の設計方法では、鮮やかな有彩色を生成するために、黒色生成構造体10の設計方法とは反対に、彩度Cの値ができるだけ大きくなるように設計を行うことが考えられる。
例えば、ナノディスク21、22、及び23の直径d1、d2及びd3を、それぞれ、62nm、70nm及び120nmとし、色生成構造体10のピッチpを355nmとすると、Lh表色系の色度座標(L,C,h)が(53.3,65.1,135.2)である、鮮やかな黄緑系の色を生成する有彩色生成構造体10となることが見いだされた。
また、ナノディスク21、22、及び23の直径d1、d2及びd3を、それぞれ、68nm、110nm及び120nmとし、色生成構造体10のピッチpを380nmとすると、色度座標(L,C,h)が(36.8,54.5,150)である、鮮やかな緑系の色を生成する有彩色生成構造体10となることが見いだされた。
また、ナノディスク21、22、及び23の直径d1、d2及びd3を、それぞれ、90nm、100nm及び145nmとし、色生成構造体10のピッチpを360nmとすると、色度座標(L,C,h)が(30.1,69.8,-66.1)である、鮮やかな青系の色を生成する有彩色生成構造体10となることが見いだされた。
また、ナノディスク21、22、及び23の直径d1、d2及びd3を、それぞれ、80nm、100nm及び120nmとし、色生成構造体10のピッチpを380nmとすると、色度座標(L,C,h)が(15.1,66.4,-41.4)である、鮮やかな紫系の色を生成する有彩色生成構造体10となることが見いだされた。
また、ナノディスク21、22、及び23の直径d1、d2及びd3を、それぞれ、90nm、100nm及び55nmとし、色生成構造体10のピッチpを360nmとすると、色度座標(L,C,h)が(34.4,43.6,-4.1)である、鮮やかな赤系の色を生成する有彩色生成構造体10となることが見いだされた。
また、ナノディスク21、22、及び23の直径d1、d2及びd3を、それぞれ、88nm、98nm及び55nmとし、色生成構造体10のピッチpを360nmとすると、色度座標(L,C,h)が(39.7,45.9,28.6)である、鮮やかな橙系の色を生成する有彩色生成構造体10となることが見いだされた。
また、ナノディスク21、22、及び23の直径d1、d2及びd3を、それぞれ、81nm、90nm及び55nmとし、色生成構造体10のピッチpを360nmとすると、色度座標(L,C,h)が(56.9,62.5,64.7)である、鮮やかな黄系の色を生成する有彩色生成構造体10となることが見いだされた。
本実施形態では、L表色系の色度座標(L,a,b)からLh表色系の色度座標(L,C,h)への変換を行っているが、座標変換を行わずに、L表色系の色度座標(L,a,b)からL及びCの値のみを算出し、その値を評価に用いてもよい。黒色生成構造体10の設計では、その色度座標からLh表色系のL及びCを算出できる任意の三色表色系を採用してもよい。
最後に、本実施形態の色生成構造体10の製造方法について説明する。
色生成構造体10の製造方法は、特に限定されない。例えば、電子ビームリソグラフィ法又はナノインプリント法を用いて製造することができる。以下では、電子ビームリソグラフィ法を用いて色生成構造体10を製造する方法を説明する。
図12Aから図12Dは、色生成構造体10の作製プロセスの概略を示す垂直断面図である。図示された例においては、ナノディスク20の材料は、アルミニウムであり、誘電体層30の材料は、アルミナであり、基層40の材料は、アルミニウムであり、基板50の材料は、シリコンである。
まず、図12Aに示すように、電子ビーム蒸着により、シリコン基板50上にアルミニウムフィルム40及びアルミナ薄膜30を順次堆積させる。次に、図12Bに示すように、アルミナ薄膜30の上にポジレジスト膜70をスピンコートした後、電子ビームリソグラフィにより、ポジレジスト膜70をパターンニングする。次に、図12Cに示すように、抵抗加熱蒸着により、アルミニウム薄膜20aを堆積させる。最後に、図12Dに示すように、アセトン浴槽でポジレジスト膜70をリフトオフすることにより、アルミニウムのナノディスク20が形成される。
以上、本実施形態について図面を参照しながら説明した。ただし、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。
例えば、本実施形態の色生成構造体10は、2つの第1ナノディスク21と1つの第2ナノディスク22と1つの第3ナノディスク23とを有するものであるが、本発明の色生成構造体10は、4つのナノディスク20のすべての直径が異なるものであってもよい。また、本実施形態の色生成構造体10は、4つのナノディスク20を有するものであるが、本発明の色生成構造体10は、3つ又は5つ以上のナノディスク20を有するものであってもよい。また、本実施形態の色生成構造体10の画素領域Raは、矩形形状であるが、本発明の色生成構造体10の画素領域Raは、平行四辺形、六角形などの形状であってもよい。また、本実施形態のナノディスク20は、円柱形状であるが、本発明のナノディスク20は、楕円柱形状、四角柱形状などの形状であってもよい。
また、本実施形態の設計方法では、所定の光源として、D65光源を採用しているが、本発明の設計方法は、他の光源を採用するものでもよい。また、本実施形態の設計方法では、所定の三色表色系としてXYZ表色系を採用しているが、本発明の設計方法では、所定の三色表色系としてRGB表色系など他の三色表色系を採用してもよい。
また、所定の三色表色系における色度座標の評価は、色度座標の値を直接評価するものではなく、他の三色表色系における色度座標に変換したものや、所定の三色表色系における色度座標又は変換された他の三色表色系における色度座標を用いて算出された値を評価するものであってもよい。また、本実施形態の設計方法では、三色表色系としてXYZ表色系、L表色系及びLh表色系を用いているが、本発明の設計方法では、xyY表色系、RGB表色系、Lv表色系などの任意の三色表色系を用いることができる。
10 色生成構造体
20 ナノディスク
21 第1ナノディスク
22 第2ナノディスク
23 第3ナノディスク
30 誘電体層
40 基層
50 基板
70 ポジレジスト膜
20a アルミニウム薄膜
Ra 画素領域

Claims (6)

  1. 複数のナノディスクと、誘電体層と、基層と、を有し、プラズモン吸収によって色を生成する、色生成構造体の設計方法であって、
    前記色生成構造体の構造の初期設定を行う第1工程と、
    前記第1工程において構造の初期設定が行われた前記色生成構造体に所定の光源を照射したときの反射光の所定の三色表色系における色度座標の算出を行う第2工程と、
    前記第2工程において算出された前記色度座標の評価を行い、前記色生成構造体の構造の再設定を行う第3工程と、
    前記第3工程の後、前記第2工程及び前記第3工程を繰り返し行う第4工程と、を有し、
    前記色生成構造体は、画素領域の内部に配置された複数の円柱状の前記ナノディスクを有し、前記第3工程における前記色生成構造体の構造の再設定は、前記ナノディスクの直径と、前記色生成構造体のピッチと、を設定するものである
    色生成構造体の設計方法。
  2. 請求項1に記載の色生成構造体の設計方法であって、
    前記第2工程は、
    光学シミュレーションにより、前記第1工程において構造の初期設定が行われた前記色生成構造体の反射率スペクトルの算出を行う第2A工程と、
    前記所定の光源の放射量スペクトルと前記第2A工程によって算出された前記反射率スペクトルと前記所定の三色表色系の等色関数とを掛け合わせて積分することにより前記色度座標の算出を行う第2B工程と、を有する
    色生成構造体の設計方法。
  3. 複数のナノディスクと、誘電体層と、基層と、を有し、プラズモン吸収によって色を生成する、黒色生成構造体の設計方法であって、
    前記黒色生成構造体の構造の初期設定を行う第1工程と、
    前記第1工程において構造の初期設定が行われた前記黒色生成構造体に所定の光源を照射したときの反射光の所定の三色表色系における色度座標の算出を行う第2工程と、
    前記第2工程において算出された前記色度座標の評価を行い、前記黒色生成構造体の構造の再設定を行う第3工程と、
    前記第3工程の後、前記第2工程及び前記第3工程を繰り返し行う第4工程と、を有し、
    前記黒色生成構造体は、画素領域の内部に配置された複数の円柱状の前記ナノディスクを有し、前記第3工程における前記黒色生成構造体の構造の再設定は、前記ナノディスクの直径と、前記黒色生成構造体のピッチと、を設定するものである
    黒色生成構造体の設計方法。
  4. 請求項3に記載の黒色生成構造体の設計方法であって、
    前記第2工程は、
    光学シミュレーションにより、前記第1工程において構造の初期設定が行われた前記黒色生成構造体の反射率スペクトルの算出を行う第2A工程と、
    前記所定の光源の放射量スペクトルと前記第2A工程によって算出された前記反射率スペクトルと前記所定の三色表色系の等色関数とを掛け合わせて積分することにより前記色度座標の算出を行う第2B工程と、を有する
    黒色生成構造体の設計方法。
  5. 請求項3又は4に記載の黒色生成構造体の設計方法であって、
    前記所定の三色表色系は、その色度座標からLh表色系のL及びCの値を算出できるものであり、
    前記第3工程における前記色度座標の評価及び前記構造の再設定は、前記L及び前記Cの値をともに小さくするように行われる、
    黒色生成構造体の設計方法。
  6. 請求項5に記載の色生成構造体の設計方法であって、
    前記所定の三色表色系は、XYZ表色系であり、
    前記第3工程における前記色度座標の評価において、前記XYZ表色系の色度座標から変換されたL表色系の色度座標から算出されたLh表色系のL及びCの値を用いる、
    黒色生成構造体の設計方法。
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