JP2008304618A - 偏光変換素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】直交する二つの偏光成分に対して異なる偏光制御機能を有する偏光変換素子を提供する。
【解決手段】磁化ベクトルの主たる成分の向きが互いに相反した磁性ナノ構造体の対を支持体上または支持体内部に配置したことにより、入射光の直交する二つの偏光成分の一方のみを他方へ変換することが可能になり、また、2次元平面内における磁性材料の微細構造で偏光変換機能を実現したことにより、光学素子数の低減や光学装置の小型化が可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、高い光利用効率ならびに光学素子数の低減を実現する偏光変換素子に関するものである。
代表的な偏光制御素子として、偏光選択素子、位相シフタ、旋光素子が挙げられる。
偏光選択素子は、直交する二つの向きに対し、伝搬特性および吸収特性に異方性をもたせることにより、入射光の偏光向きの1成分のみを透過させる偏光板や、入射角度に対して二つの偏光成分の反射率、透過率の違いを利用して、各偏光成分の出射角度を分離する機能を有する素子であり、偏光ビームスプリッタ(偏光分離素子)などが挙げられる。
位相シフタは、直交する二つの偏光成分の屈折率の異方性を利用して直線偏光を円偏光に変換したり、偏光面を90度回転させたりする素子であり、それぞれ、1/4波長板、1/2波長板が挙げられる。
旋光素子は、直線偏光の偏光面を任意に回転させ、直線偏光のまま出射させる素子である。このような偏光制御素子は、たとえば、液晶パネルや有機EL(electroluminescence)ディスプレイの画素のオン・オフに利用される。このほか、エリプソメトリー(偏光解析)などの光計測技術や、レーザー干渉計、光シャッターなどが挙げられ、様々な光学機器ならびに計測機器に利用されている。特に、旋光素子は液晶プロジェクタなどの画像投影装置への需要が伸びている。
液晶パネルなどに用いられる偏光選択素子の多くは、ポリビニルアルコールなどの基板フィルムにヨウ素や有機染料などの二色性の材料を染色・吸着させ、高度に延伸・配向させることで吸収二色性を発現させるものである。
ところで、有機材料を利用する偏光制御素子は、熱による影響を受けやすく、透明度の低下、焦げる、といった問題があり、照射光量を大きくすることができない。また、使用温度条件が厳しく、液晶プロジェクタなどで使用する場合には、冷風機構が必要であり装置の小型化が困難、埃の付着による画質欠陥を生じるなど従来から解決すべき課題があった。
また、偏光分離素子としては、ガラス製のプリズムや平面基板面に、屈折率の異なる誘電体の多層膜を交互に積層した偏光ビームスプリッタ−も知られている。膜のそれぞれの界面でブリュースター角となるように、膜の構造や、入射角を設定することにより、P偏波(入射面に平行な偏波)は直進し、S偏波(入射面に垂直な偏波)は直角向きに反射され、偏光を分離することができる。
しかし、結晶の複屈折率を利用したプリズム型偏光子に比べると、分離性能が低い(十数dB)という欠点があった。また、屈折率の異方性を利用する位相シフタは、複屈折性を示す光学結晶材料を利用しており、通常、ルチルや方解石などの高価な異方性結晶をくさび形あるいはプリズム型に精密な研磨加工することで実現されている。このような素子は、極めて高価であり、また、小形化が困難であり、使用できる波長領域に制限があるなどの課題があった。
また、光学結晶材料膜を貼り合わせることにより膜厚、すなわち光路差を調整し、偏光状態を制御しているため、光学結晶材料に対する依存性が強く、偏光制御性の自由度が低いという問題があった。
一方、上述のような偏光制御素子を組み合わせた偏光変換素子が、光利用効率の向上のために広く利用されている。偏光変換素子は、直交する二つの偏光成分を分離して、一方の直線偏光成分の偏光面を90度回転させ、再び合成することにより、入射光の100%近くを利用可能にするための素子である。
従来、このような素子構成を実現するには、複数の偏光制御素子を必要とし、光学素子数の低減が困難であり、低価格化や小型化に問題があった。
上記の課題に対し、量産性がよく、低コストで製造できる、耐熱性の優れた、無機材料による偏光制御素子として、透明基板に、金やアルミニウムの細線を形成したワイヤグリッド偏光子が提案されている。この偏光子は2.5μmより長波長の光に対して機能する偏光素子として従来から知られていたが、近年の微細加工技術の進歩により、可視波長(400〜700nm)においても機能するワイヤグリッド構造に関する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
尚、特許文献1〜9の説明における符号と、本願の発明の最良の実施の形態の説明における符号とは無関係である。
特許文献1における主な目的は、全可視スペクトルに渡って、高い透過と反射の効率を提供できるワイヤグリッド偏光子を提供することである。また、特許文献1における副次的な目的は広い範囲の入射角に渡って、高い効率を実現可能なワイヤグリッド偏光子を提供することである。
その解決手段は、図27(a)〜(c)に示すように、ワイヤグリッド偏光子は基板1210上で支持される複数の細長い素子1240を有し、基板の屈折率よりも低い屈折率を有する領域1250が素子と基板との間に配置され、共鳴が発生する最も長い波長を低減することである。
尚、図27(a)〜(c)はワイヤグリッド偏光子の製造工程図である(従来技術1)。
このようなワイヤグリッド偏光子は、透明基材の片面に、アルミニウムの薄膜を形成し、これをパターンエッチングすることで、可視の波長程度の微小グリッド構造を構成することができる。このとき、微小グリッドの細線向きについて、偏光面がこれに直交する光は透過し、偏光面が平行な光は反射する。これにより、入射角依存性が比較的小さく、円錐光線群に対して比較的良好な偏光分離機能を提供している。
また、同様の無機材料偏光制御素子として、フォトニック結晶構造を利用する技術が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特許文献2における課題は、フォトニック結晶偏光子を利用して偏光分離素子を作ることである。その解決手段は、図28に示すように、くさび状に形成したガラス基板10の斜面に、屈折率の異なる波状透明薄膜11を交互に積層して偏光子13を形成することである。
尚、図28は無機材料偏光制御素子の説明図である(従来技術2)。
同図において、くさび角をθとし、偏光子を形成していない側から光を入射すると、偏光子に対する入射角はθとなり、TM偏波は、偏光子を透過するが、そのとき屈折してφ1の向きに出て行く。空気の屈折率をn0、基板の屈折率をnとすると、φ1=sin-1(n sinθ/n0)−θとなる。
一方、TE偏波は偏光子で反射され、基板10の裏面に到達し、屈折して外に出て行く。このとき入射角2θで裏面に入射するため、出射角φ2=sin-1(n sin2θ/n0)となる。したがって、基板の屈折率n、くさび角θの値によって2つの出射光のなす角を制御することができ、例えば、n=1.5とし、θ=20°とすると、2つのビームは直交する。
偏光分離素子とその製造法また、位相シフタと偏光分離素子の複合構造とマイクロレンズアレイの組み合わせにより実現される偏光変換素子の構成が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
特許文献3における課題は、光源効率の高い、すなわち輝度の高い、あるいは消費電力の少ない映像表示を実現することである。図29は偏光分離素子の構成を示す図である(従来技術3)。
図29において光源光1は種々の偏光が混在した無偏光であり、この光は全面に渡り、レンズ板2のそれぞれのレンズ素を通してスプリッタ4の作用面に収束する。そして、スプリッタ4により、P波成分は作用面をそのまま通過する。
一方、S波成分はスプリッタ4の作用面で分離し、プリズム5で反射し、その出射面で偏光変換する素子、例えば、鏡か直角プリズムの組み合わせによる90°変換素子か、あるいは1/2波長の位相板(特許文献3では1/2波長板6)を通過させることにより、S波はP波となって、スプリッタ4の透過光と平行に出射される。以上、レンズ板2のレンズ素に入射した光はすべて偏光変換板3により、P波の偏光となって出射し、液晶表示板10に供給される。
偏光制御素子に関し、本願発明者らがこれまで提案してきた関連技術として以下のものがある。
偏光制御素子および偏光制御素子の偏光制御方法(例えば、特許文献4参照。)。
特許文献4の目的は、耐熱性および耐光性に優れ、光の透過率または反射率の高い偏光制御素子を提供するとともに、設計自由度の高い偏光制御素子を提供することにある。
図30(a)〜(d)は従来の偏光制御素子の説明図である(従来技術4)。
その解決手段は、図30(a)に示すように、入射光の波長以下の領域に配置され、かつ周期的に配列されている二つ以上の金属微小構造体で構成された金属複合構造体6を、支持基板上に形成し、近接場光による相互作用が働くような構成により、光の透過率が高く、十分な位相差を与えることの可能な、設計自由度が高く、耐熱性や耐光性に優れた偏光制御素子とすることができる。
偏光制御素子が挙げられる(例えば、特許文献5参照。)。
偏光制御素子の目的は、光の透過率が高く、十分な位相差を与えることの可能な、設計自由度が高く、耐熱性や耐光性に優れた偏光制御素子を提供することにある。
その解決手段は、図30(b)に示すように、透明なガラス基板1の平坦な面に、入射する光の波長よりも微小な金属構造(金属粒子2)を、入射する光の波長よりも小さい距離で2次元に配置することにより、光の透過率が高く、十分な位相差を与えることの可能な、設計自由度が高く、耐熱性や耐光性に優れた偏光制御素子10とするものである。平坦な基板の他、レンズまたはマイクロレンズ上に金属構造を設ける構成もある。
偏光制御素子および光学素子が挙げられる(例えば、特許文献6参照。)。
偏光制御素子および光学素子の目的は、位相差を発生させる波長板を実現すると共に、耐熱性に優れた偏光制御素子を提供することにある。
その解決手段は、図30(c)に示すように、ガラス基板などの透明な誘電体基板1上に、二種類以上の金属または合金からなる金属粒子(第1の金属粒子2、第2の金属粒子3)のパターンを連続的に形成することで、透過光または反射光の偏光成分に位相差を発生させる波長板を実現すると共に耐熱性に優れかつ偏光状態の設計自由度の高い偏光制御素子10を提供することができる。
偏光制御素子が挙げられる(例えば、特許文献7参照。)。
偏光制御素子の目的は、金属微小構造体が配列されている支持基板をサブ波長構造とし、基板表層に強いエバネッセント光を発生させる構成し、近接場光とエバネッセント光が結合することにより、光放射および光吸収をより強く生じさせ、光特性の制御性能の向上を図ることにある。
その目的は、図30(d)に示すように、入射光の波長以下の領域に配置され、かつ周期的に配列されている金属微小構造体6で構成された金属複合構造体を、ガラス基板1上に形成した偏光制御素子10であって、ガラス基板1の表面に、高さが周期的に変調されてなる周期構造を有し、周期構造が、前記入射光の波長より小さい周期で構成されている。
また、本願発明に関連する磁性材料を利用した構成の偏光制御素子として、以下の技術が挙げられる。
磁気光学素子が挙げられる(例えば、特許文献8参照。)。
磁気光学素子の目的は、大旋光角を有する高速応答性に優れた空間変調素子として、画像が明るく、コントラストが高く、かつカラー画像や動画などに対応することが可能な磁気光学素子を提供することにある。
図31は磁気光学素子の断面図である(従来技術5)。
その解決手段は、図31に示すように、透明非磁性単結晶基板11と、その表面上に形成された層表面に垂直な磁気異方性を有する単結晶透明磁性体層12との積層体の上下は、単結晶透明磁性体層12と屈折率の異なる2層構造の誘電体膜を1ペアとして、この2層構造の誘電体膜が1ペア又は複数ペアに積層された第1及び第2の誘電体多層膜13a、13bによって上下対称に挟まれるようにする。この第2の誘電体多層膜13b/透明非磁性単結晶基板11/単結晶透明磁性体層12/第1の誘電体多層膜13aからなるデバイスの上下には、偏光軸を相互に回転させた1対の偏光子をなす第1及び第2の偏光子14a、14bが対向して設けられている。
また、図32に示すような磁気光学素子が挙げられる(従来技術6:例えば、特許文献9参照。)。
図32は他の磁気光学素子の断面図である。図32に示すように、透明な基板1に溝構造を形成し、その側壁面2に強磁性体による膜を形成することにより、偏光層と磁性層を兼ね備えた磁気光学素子を実現する。本磁気光学素子は、透明性に優れ、磁気ヘッドによって記録、読み出し(記録の再生)、記録の消去が繰り返し行なうことができ、また偏光子としても使用でき、さらに磁場と光を与えることによって画像を可視化できるディスプレイなどへの応用にも適している。また、空間光変調素子や磁界センサーなどへの応用にも適している。
特表2003−502708号公報 特開2003−279746号公報 特開平07−294906号公報 特開2006−330105号公報 特開2006−330106号公報 特開2006−330107号公報 特開2006−330108号公報 特開2001−311925号公報 特許第3853512号公報
特許文献1に開示されたワイヤグリッド偏光子は、偏光選択機能のみを有し、波長板のような直交する二つの偏光成分における位相差を利用する光学素子は実現できない。また、偏光変換機能を実現するには、2つの直交する偏光成分のうち、一方の偏光成分を他方に揃える必要があり、本光学素子により分離された一方の偏光成分を、波長板を介して90°旋光させ再度合成する光学系が外部に必要となり、装置の構成が複雑になり、光学素子数の増加や、装置の小型化に課題があった。
また、特許文献2に開示されたフォトニック結晶構造を利用する偏光制御素子では、光の干渉効果を利用してその特性を得ていることから、大面積にわたって、周期的な微細構造を有している必要があり、極めて高い加工精度が要求されるという課題があった。また、出射角度により二つの偏光成分を分離する素子であり、偏光変換機能を実現するためには、一方の偏光成分を旋光させて再度結合する機構が外部に必要となる。
特許文献3〜9に関しても、偏光分離機能、位相シフト機能、旋光機能を有しているが、偏光変換機能は、これらを複合した光学系を構成しなければ実現することができず、光学素子数の低減、低価格化、光学装置などの小型化に課題があった。これらの課題は、従来の偏光制御素子および偏光変換素子が、直交する二つの偏光成分に対して、独立に振幅または位相を、膜厚や吸収率の違いにより変調する素子であって、一方の成分のみを他方へ変換する機構を有していないことに起因している。
そこで本発明の目的は、上記課題を鑑みてなされたものであって、直交する二つの偏光成分に対して異なる偏光制御機能を有する偏光変換素子を提供するものである。
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、支持体上または支持体内部に、磁性構造体の対を2次元的に配した構造を少なくとも有し、該磁性構造体の対は、入射する光の波長以下の間隔で隣接し、且つ該磁性構造体の中心点間を結ぶ直線に対して平行で互いに相反する向きに主たる磁化成分を有することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明であって、前記磁性構造体の幅及び奥行きの長さを入射する光の波長以下としたことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明であって、前記磁性構造体を、入射する光の波長以下の幅を有する磁性材料によるラインパターンで構成したことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項記載の発明であって、前記支持体上に、前記磁性構造体の対に接するように導電性部材を配したことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明であって、前記導電性部材を平坦な膜で構成したことを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項4記載の発明であって、前記導電性部材を入射する光の波長以下のサイズを有する2次元パターンで構成したことを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項4記載の発明であって、前記導電性部材を入射する光の波長以下の幅を有するラインパターンで構成したことを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項1から7のいずれか1項記載の発明であって、前記磁性構造体の対および前記導電性部材の、上方または下方の少なくとも一方に、多重反射構造を配したことを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項1,2,4から8のいずれか1項記載の発明であって、前記磁性構造体が単磁区構造を有することを特徴とする。
本発明によれば、磁化ベクトルの主たる成分の向きが互いに相反した磁性ナノ構造体の対を支持体上または支持体内部に配置したことにより、入射光の直交する二つの偏光成分の一方のみを他方へ変換することが可能になり、また、2次元平面内における磁性材料の微細構造のみで偏光変換機能を実現したことにより、光学素子数の低減や光学装置の小型化か可能となる。
(第1の実施の形態:請求項1,2,9)
本発明の第1の実施の形態にかかる偏光変換素子に関して、図1〜9を参照して説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態にかかる偏光変換素子の機能を示す説明図である。
図1において、1は入射偏光状態(ランダム偏向)を示し、2は本発明に係る偏光変換素子の一例を示し、3は出射偏光状態(直線偏光)を示す。
本発明に係る偏光変換素子2は、入射するランダム偏光に対し、素子内部に含む入射光の波長以下のサイズをもつ磁性構造体と光との相互作用により、y軸向きの偏光成分をx軸向きへ変換することにより、入射光の大部分をx軸向きに偏光面をもつ直線偏光に変換するものである。
本発明に係る偏光変換素子の一例の構成を、図2(a)、(b)を用いて説明する。
図2(a)は本発明に係る偏光変換素子の断面図であり、図2(b)は図2(a)の平面図である。
図2(a)に示すように、本偏光変換素子は、支持体となる支持基板201上に、入射光の波長以下のサイズ(入射光に垂直な向きの大きさ)を有する磁性体材料からなる円板形状の磁性ナノ構造体202を配した構成を有し、図2(b)に示すように、ギャップ間距離gだけ離れた磁性ナノ構造体の対を一つのユニット(磁性構造体の対203)とし、本ユニット203が2次元的に配置された構成を有している。
偏光変換素子はさらに、後述するように、2個の磁性ナノ構造体が、中心点間を結ぶ直線に対して平行で相反する向きに主たる成分が磁化されている。
ここで、偏光変換素子の主たる成分とは、磁化ベクトルの向きが、中心間を結ぶ直線に対して少なくとも45°以下の角度で配向している成分であると定義する。磁性ナノ構造体のサイズが入射光の波長より小さい必要があるのは、本偏光変換素子を透過または反射した光に空間的な強度分布が生じないようにするためである。
図2(a)、(b)では、磁性ナノ構造体は、直径dの円板形状の構造体の場合を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、球形状、半球形状、三角柱・四角柱形状、円錐形状、楕円柱形状など、多様な形状のものを利用することができる。このような様々な形状に対して、磁性ナノ構造体のサイズを厳密に規定することはできない。
そこで、磁性ナノ構造体のサイズを、図3(a)〜(e)のように定義する。
図3(a)〜(e)は、磁性ナノ構造体の様々な形状を説明するための平面図である。
上方から見た2次元的な形状に対して、磁性ナノ構造体と同面積を有する円の直径をdとし(図3(a))、空間的に非対称な形状を有する磁性ナノ構造体の場合、磁性ナノ構造体と同面積を有する楕円の長径d1および短径d2を磁性ナノ構造体のサイズと定義する(図3(b))。この際、楕円の長径d1を入射光の波長よりも小さく設定する。図3(c)に示すように磁性ナノ構造体の平面形状が三角形の場合、サイズを同面積の円の直径dとし、図3(d)に示すように磁性ナノ構造体の平面形状が長方形の場合は同面積の楕円の長径d1、短径d2とし、図3(e)に示すように構造体の平面形状が変形楕円形状の場合は同面積の楕円の長径d1、短径d2とする。
本偏光変換素子に使用する支持基板は、透過型の素子を構成する場合には、高効率化のために可視領域の波長において吸収の低い材料が好ましく、石英ガラスや、BK7、パイレックス(登録商標)などの硼珪酸ガラス、CaF2、Si、ZnSe、Al23などの光学結晶材料などを利用する。
また、図2(a)、(b)では、支持基板201を用いた例を示したが、磁性構造体表面の保護や、周囲屈折率の調整による動作波長の選択、基板界面の反射による効率の低下を避けるために、表面を支持膜で被覆した構成であってもよい。支持膜を構成する材料も、支持基板201の材料と同様の透明な誘電体材料が適している。
図4に、支持基板201と支持膜401により支持体402を構成した例を示す。
図4は本発明に係る偏光変換素子の第1の実施の形態の構成を説明するための断面図である。
支持膜401は、誘電体多層膜による全反射コーティングを施したものであってもよい。また、支持基板201自体をパターニングすることにより、支持基板201の内部に磁性構造体を埋め込んだ構成であってもよい。
次に、磁性ナノ構造体を構成する磁性材料について説明する。
本偏光変換素子は、磁性ナノ構造体202が特定の磁化ベクトルの向きをもっている必要がある。そのためには、室温で強磁性を示す材料である必要があり、Fe、Co、Niなどが利用できる。また、一般的な磁性材料である、γ‐Fe23,Fe34,FeNx ,Baフェライト,Coフェライト等のフェライト、希土類鉄ガーネット等のガーネット、PtCo,FeTb、FePtCu等の複合材料であってもよい。
磁性材料のサイズが約20nm以下となると、磁性体内の磁区構造は単磁区構造をとるようになることが知られている。この場合、単位面積当たりの磁化ベクトルの大きさが増大することから、磁性ナノ構造体のサイズを20nm以下にすると、磁気光学効果が顕著となり一層有利となる。このような磁性ナノ構造体は、様々な作製手法を利用することができる。
例えば、波長以下の磁性ナノ構造体の作製手法として、ジブロックコポリマーを用いた自己組織化配列による手法が知られている(例えば、参考文献1参照)。
参考文献1:東芝レビューVol.57,No.12(2002)
ジブロックコポリマーは、2種類以上の異なるポリマー鎖を結合させた複合ポリマーであり、本作製手法では、ポリスチレンとポリメチルメタクリレートを利用する。支持基板上に上述の磁性材料による膜をスパッタリング法により成膜し、ジブロックコポリマーをスピンコートにより塗布する。その後、アニール処理を行なうことにより、ジブロックポリマーが内部でミクロ相分離を起こし、自己組織的に微細なパターンが形成できる。ポリマー鎖の長さを制御することにより、十数nm〜数百nmの周期構造を作製することができる。
ジブロックポリマーを形成するポリスチレンとポリメチルメタクリレートとは、エッチング耐性が異なるので、この自己組織化により形成されたパターンをマスクとして用い、エッチング処理を施すことによって、パターン下部に形成した磁性材料による膜にそのパターンを転写する。磁性ナノ構造体または磁性ナノ構造体によるユニットの2次元配列は、微細周期構造を形成する基板をあらかじめ、モールドと呼ばれる型を、熱をかけて押し付けるナノインプリント法などでパターニングして置くことにより、自由に行なうことができる。
図5は磁性体ナノ構造体の作製方法を説明するための説明図であり、参考文献1より引用した、FePtCu磁性ドットによる磁気記録媒体の説明図であり、グルーブ部分に磁性ドットが周期的に配列されている。
自己組織的な構造を用いる他にも、一般的な微細加工プロセスである、電子ビームリソグラフィ技術を用いた直接描画や、DUV(遠紫外線)・EUV(深紫外線)リソグラフィ技術による一括露光を行なう方法、ナノインプリント加工技術などにより、人工的な微細パターン作製技術を利用しても、同様の磁性ナノ構造体を形成することが可能である。
次に、本偏光変換素子を構成する磁性ナノ構造体の磁化ベクトルの向きについて図6(a)、(b)を用いて説明する。
図6(a)、(b)は磁性ナノ構造体の対における磁化ベクトルの向きの説明図である。
上述のように自己組織的に作製した磁性ナノ構造体は、一般にランダムな磁化ベクトルの向きを有しているので、磁気記録ヘッドを用いて特定の向きの磁場を局所的に印加することにより、磁性ナノ構造体の対が互いに相反する向きに磁化ベクトルを有するように配向させることができる。
磁気記録ヘッドは、面内記録方式のハードディスクの記録に利用される、鉄心にコイルを巻いた構造の電磁石を用い、コイルに流す電流の向きにより、磁化ベクトルの向きを所定の向きに揃えることが可能である。磁化させる向きは、図6(a)、(b)に示すように、図中に点線で表した磁性ナノ構造体の中心間を結んだ直線に平行で、互いに相反する向きを有していればよく、少なくとも中心間を結ぶ直線に対して45°以下であれば、磁性ドット対の配列向きの平行・垂直成分に対する偏光の異方性を得ることができる。
図6(a)は、磁化の向きが磁性ナノ構造体の隣接する向きに向いた場合を示し、図6(b)は磁化の向きが外側に向いた場合を表しているが、いずれの場合であっても、同様の偏光変換機能が実現できる。磁化ベクトルの向きの制御は、上記の磁気記録ヘッドを用いた手法以外の方法であってもよい。例えば、キュリー温度の異なる磁性材料による微細パターンを作製し、両方の材料のキュリー温度より高い温度で全体を一向きに磁化させた後、一方の低いキュリー温度をもつ磁性材料を、そのキュリー温度よりわずかに高い温度において磁化させることにより、大面積の磁性構造体の磁化の向きを一括して揃えることが可能である。
図7〜図12を用いて、上述の磁性ナノ構造体の対(ユニット)の2次元的な配列方法を説明する。
個々のユニットは、ユニット内の磁性ナノ構造体の間隔よりも十分に離れている必要がある。図7〜図12は、支持基板上に配された磁性ナノ構造およびそのユニットの2次元配列の例を示す説明図である。図7は正方格子配列の格子点上に各ユニットを配列した一例を示す平面図であり、図8は直方格子配列の格子点上に各ユニットを配列した一例を示す平面図であり、図9は六方格子配列の格子点上に各ユニットを配列した一例を示す平面図である。
また、図10はライン上にラインに直交する向きに各ユニットを配列した一例(ライン配列)を示す平面図であり、図11はライン上にラインに平行な向きに配列した磁性構造体のユニットを等間隔で配列した一例(ライン配列)を示す平面図である。また、図12は2次元面内にランダムにユニットを配列した一例(ランダム配列)を示す平面図である。2次元配列が図7〜図11に示すような周期配列構造である場合、本偏光変換素子の構成によっては、角度依存性や波長依存性が生じ、偏光変換素子の使用目的に応じて、対称性や周期、ピッチなどを調整することができる。また、ランダムに配列した場合であっても、全ての磁性ナノ構造体によるユニットの配向が揃ってさえいれば、偏光変換機能を得ることができる。
次に、本偏光変換素子の動作を確認するために実施した数値シミュレーションについて、図13(a)、(b)および図14を用いて説明する。数値シミュレーションは、電磁場の時間・空間応答を記述するマクスウェル方程式を時間領域、空間領域に差分化して解く、有限差分時間領域法(FDTD法)を用いた。
図13(a)は、数値シミュレーションのモデルを説明する断面図であり、図13(b)は図13(a)の平面図である。図中に示すように円板形状の磁性ナノ構造体の直径を100nm、高さを70nmに設定し、2つの磁性ナノ構造体間のギャップ距離を20nmに設定した。
また、磁性材料の光学定数の値は良く知られていないため、磁性材料として、Auの光学定数(波長500nmで、屈折率n=0.976、消衰係数k=1.855)と同程度の材料と仮定し、物質中の電子の振る舞いを記述するDrudeモデルから誘電テンソルの値を算出して、以下のε1、ε2のように与えた。
Figure 2008304618
Figure 2008304618
誘電テンソルの添え字1,2はそれぞれ図13(b)の二つの円板を示しており、磁化の向きは非対角成分の符号の違いにより表現されている。このような磁性ナノ構造体のモデルに対して、入射平面波の偏光が、磁性ナノ構造体の配列の向きに垂直な直線偏光である向き「y偏光入射」の場合と、配列向きに平行な直線偏光である「x偏光入射」の場合について計算を行った。また、計算結果から偏光変換機能を定量的に評価するために、透過光成分に対して偏光変換度を次の式(1)、(2)のように定義した。
(偏光変換度) = Ixy/(Ixx + Ixy) (x偏光入射の場合) …(1)
(偏光変換度) = Iyx/(Iyy + Iyx) (y偏光入射の場合) …(2)
ここで、Ixx、Ixy、Iyy、Iyxはそれぞれ、x偏光入射の場合のx成分の透過強度、x偏光入射の場合のy成分の透過強度、y偏光入射の場合のy成分の透過強度、y偏光入射の場合のx成分の透過強度を示している。
したがって、偏光変換度は、入射直線偏光に対して直交する偏光成分の透過光に占める割合を表している。
図14はx偏光入射およびy偏光入射の場合の偏光変換度の計算結果を示す図であり、入射光の波長に対する依存性を示している。図14において、横軸は波長を示し、縦軸は偏光変換度を示す。図14の結果から、波長385nm近傍において、x偏光入射の場合の透過光強度と、y偏光入射の場合の透過光強度との比は14倍程度であることが分かり、偏光変換機能が生じていることが確認できた。
偏光変換機能が生じる定性的な原理は次のように理解できる。
磁性ナノ構造体の相反する磁化の向きにより、入射電場の偏光と磁化との間に働くローレンツ力が、2個の磁性ナノ構造体に対して逆向きの力を及ぼし、磁性体内の電荷を移動させる。この電荷の偏りが、磁性ナノ構造体の対が近接していることにより相互作用し、磁性ナノ構造体の配列する向き、すなわち入射光の偏光向きと直交する向きに2次的な電場振動を生じさせる。ローレンツ力はy偏光入射の場合に最大に働くため、磁性ナノ構造体が配列するx軸の向きに電界を生じ、直交する偏光成分の光が誘起される。
本偏光変換素子は、磁性ナノ構造体のサイズや高さ、材料を最適に選択することにより、さらに動作波長域を選択できるとともに、偏光変換効率の向上も可能である。
以上のように、本偏光変換素子は、直交する二つの偏光成分のうち、一方の成分を他方の成分へ非一様に変換する機構を有しているために、複数の光学素子を組み合わせることなく偏光変換機能を実現しており、光学素子数の低減や、光学装置の小型化、低価格化を実現することが可能となる。
(第2の実施の形態:請求項1,2,4,5,9)
本発明の偏光変換素子に係る第2の実施の形態にかかる偏光変換素子に関して、図1、図6(a)、(b)、図7〜図12、図15〜図17を参照して説明する。
本発明の第2の実施の形態にかかる偏光変換素子は、図1に示したように、入射するランダム偏光を直線偏光に揃えて放出する素子であり、第1の実施の形態とは異なる構成を有するものである。
本発明の偏光変換素子の構成を、図15(a)、(b)を用いて説明する。
図15(a)は本発明の偏光変換素子に係る第2の実施の形態の断面図であり、図15(b)は図15(a)の平面図である。
図15(a)に示すように、本偏光変換素子は、基本的な構成は第1の実施の形態と同様であるが、磁性ナノ構造体202の底部に接する形で平坦な導電性膜1501を配していることが特徴であり、導電性部材を介して磁性ナノ構造体202と入射光とが相互作用することにより、偏光変換効率を高めることができる。
2個の磁性ナノ構造体202の磁化ベクトルの向きは、図6(a)、(b)に示したように、磁性ナノ構造体の中心間を結ぶ直線に対して平行な向きに、相反する向きに構成される必要がある。磁性ナノ構造体202の形状は、図15(a)、(b)では、円柱形状の磁性ナノ構造体202を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、球形状、半球形状、三角柱・四角柱形状、円錐形状、楕円柱形状など、多様な形状のものを利用することができる。また、磁性ナノ構造体202の対(ユニット)の配列方法は、図7〜図12に示したように、正方格子、直方格子、六方格子、ライン配列、ランダム配列など、多様な構成が取れる。
本偏光変換素子に使用する支持基板201は、第1の実施の形態と同様であって、透過型の素子を構成する場合には、石英ガラスや、BK7、パイレックス(登録商標)などの硼珪酸ガラス、CaF2、Si、ZnSe、Al23などの光学結晶材料などを利用する。
図15は、支持基板上へ磁性ナノ構造体を構成した例を示しているが、支持基板201の材料と同様の透明な誘電体材料による被膜構造や、基板をパターニングし、磁性材料を埋め込んだ構造であってもよい。
磁性ナノ構造体を構成する磁性材料は、室温で強磁性を示す材料が良く、Fe、Co、Ni、γ‐Fe23,Fe34,FeNx ,Baフェライト,Coフェライト等のフェライト、希土類鉄ガーネット等のガーネット、PtCo,FeTb、FePtCu等が利用できる。また、磁性ナノ構造体のサイズが、20nm以下となれば、磁性体は単磁区構造をとるようになり、この場合、単位面積当たりの磁化ベクトルの大きさが増大することから、磁気光学効果が顕著となり一層有利である。
磁性ナノ構造体の作製方法は、第1の実施の形態での説明と同様であり、パターン化基板を用いたジブロックコポリマーの自己組織化による微細周期構造の転写や、電子ビームリソグラフィ技術を用いた直接描画や、DUV(遠紫外線)・EUV(深紫外線)リソグラフィ技術による一括露光を行なう方法、ナノインプリント加工技術などにより作製することができる。
次に、磁性ナノ構造体に接して配置される導電性膜を構成する材料について説明する。
本導電性膜は、膜内を電荷が移動することにより、偏光状態を変化させるために配置される。したがって、導電率の高い材料が好ましく、Al、Au、Cu,Agなどの金属材料であるか、または電極として使用されるITO、TiO2、ZnOなどの透明導電材料が適している。金属材料を用いる場合には、光を透過する必要から金属中に光がしみ込む表皮深さよりも薄い膜である必要があり、10nm以下の薄膜が適している。また、高透過率を得る必要がある場合には、透明導電材料による膜が適している。また、本素子は反射型の構成であっても良い。その場合、表皮深さよりも厚い金属膜が適している。この場合、金属膜が支持体を兼ねる構成であっても良い。偏光変換素子の動作を確認するために、第1の実施の形態と同様にFDTD法による数値シミュレーションを行った。数値シミュレーションは、導電性部材としてAuの光学定数(波長500nmで、屈折率n=0.976、消衰係数k=1.855)を用いた。また、磁性ナノ構造体は、第1の実施の形態で説明した誘電テンソルを使用した。
図16(a)は数値シミュレーションのモデルを説明するための断面図であり、図16(b)は図16(a)の平面図である。
第2の実施の形態と第1の実施の形態との違いは、直径100nm、高さを70nmの円板形状の磁性ナノ構造体に接して、膜厚20nmのAu層を配したことである。また、2つの磁性ナノ構造体202a間のギャップ距離を20nmに設定した。
図17はx偏光入射およびy偏光入射の場合の偏光変換度の計算結果を説明する図であり、偏光変換度を縦軸にプロットしている。
図17の結果から、波長385nm近傍において、x偏光入射の場合の透過光強度と、y偏光入射の場合の透過光強度との比は26倍程度であることが分かり、偏光変換機能が生じていること、および、導電性部材のない場合に対して、偏光変換度が向上していることが確認できた。
本偏光変換素子は、磁性ナノ構造体のサイズや高さ、材料のほか、導電性部材の膜厚、材料を最適に選択することにより、動作波長域を選択できるとともに、さらなる偏光変換効率の向上が可能である。
以上のように、本偏光変換素子は、直交する二つの偏光成分のうち、一方の成分を他方の成分へ非一様に変換する機構を有しているために、複数の光学素子を組み合わせることなく偏光変換機能を実現しており、光学素子数の低減や、光学装置の小型化、低価格化を実現することが可能となる。また、偏光変換効率の向上を図ることができる。
(第3の実施の形態:請求項1,2,4,6,9)
本発明の第2の実施の形態にかかる偏光変換素子に関して、図1、図6(a)、(b)、図7〜図12、図18(a)、(b)を参照して説明する。
図18(a)は本発明に係る偏光変換素子の第3の実施の形態の構成を説明するための断面図であり、図18(b)は図18(a)の平面図である。
本偏光変換素子は、図1に示したように、入射するランダム偏光を直線偏光に揃えて放出する素子であり、第1の実施の形態とは異なる構成を有するものである。本発明の偏光変換素子の構成を、図18(a)、(b)を用いて説明する。
図18(a)に示すように、本偏光変換素子は、支持体となる支持基板上に、導電性材料による微細なパターン構造と、このパターン構造に接するように磁性体材料からなる2個の磁性ナノ構造体を配したユニットにより構成されている。
ここで、本偏光変換素子の透過光または反射光に空間的な強度分布が生じないように、導電性パターン1801を含めたユニット1802のサイズが、入射光の波長以下の大きさを有する必要がある。
図18(b)は、本ユニット1802の2次元的な構造および配列を説明するための平面図である。2個の磁性ナノ構造体202が導電性パターン1801により接続された構成を有している。図18(b)では、導電性パターン1801を矩形で表しているが、2個の磁性ナノ構造体202を接続する構成であれば、楕円構造などであってもよい。2個の磁性ナノ構造体202の磁化ベクトルの向きは、第1の実施の形態と同様であり、図6(a)、(b)に示すように、磁性ナノ構造体202の中心間を結ぶ直線に対して平行な向きに、互いに相反する向きに構成される必要がある。
磁性ナノ構造体の形状は、図18(a)、(b)では、円柱形状の磁性ナノ構造体を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、球形状、半球形状、三角柱・四角柱形状、円錐形状、楕円柱形状など、多様な形状のものを利用することができる。
また、磁性ナノ構造体の対と導電性材料による微細なパターンで構成されるユニットの配列方法は、図7〜図12に示したように、正方格子、直方格子、六方格子、ライン配列、ランダム配列など、多様な構成が取れる。
本偏光変換素子に使用する支持基板は、第1の実施の形態と同様に、透過型の素子を構成する場合には、石英ガラスや、BK7、パイレックス(登録商標)などの硼珪酸ガラス、CaF2、Si、ZnSe、Al23などの光学結晶材料などを利用する。また、同様の透明な誘電体材料による被膜構造、基板をパターニングした埋め込み構造であってもよい。また、導電性パターンは、磁性ナノ構造体の磁化と入射電場により誘発される電荷を流す導電性の高い材料であればよく、Al、Au、Cu,Agなどの金属材料や、ITO、TiO2、ZnOなどの透明導電材料が適している。
透過型の素子構成で金属材料を用いる場合には、金属材料の表皮深さよりも薄い膜である必要があり、10nm以下の薄膜が適している。また、磁性ナノ構造体を構成する磁性材料は、室温で強磁性を示す材料が良く、Fe、Co、Ni、γ‐Fe23,Fe34,FeNx ,Baフェライト,Coフェライト等のフェライト、希土類鉄ガーネット等のガーネット、PtCo,FeTb、FePtCu等が利用できる。
また、磁性ナノ構造体のサイズが、20nm以下となれば、磁性体は単磁区構造をとるようになり、この場合、単位面積当たりの磁化ベクトルの大きさが増大することから、磁気光学効果が顕著となり一層有利である。このような偏光変換素子の構造は、第1の実施の形態の説明と同様に、パターン化基板を用いたブロックコポリマーの自己組織化による微細周期構造の転写や、電子ビームリソグラフィ技術を用いた直接描画や、DUV(遠紫外線)・EUV(深紫外線)リソグラフィ技術による一括露光を行なう方法、ナノインプリント加工技術などにより作製することができる。
本偏光変換素子の偏光変換の原理は、第1及び第2の実施の形態において数値シミュレーション結果を用いて説明した通りであり、互いに相反する向きの磁化ベクトルを有する磁性ナノ構造体が、導電性のパターンに接した構成であるために、2つの磁性ナノ構造体の磁化と入射電場に働くローレンツ力を介して、磁性ナノ構造体の配列向きに移動する電荷を生じさせることができ、磁性ナノ構造体の中心間を結ぶ直線に垂直な入射偏光成分の一部を、配直線に平行な偏光成分に変換して放射することができる。
さらに、本実施の偏光変換素子の特徴は、導電性のパターンが個々のユニットにより切断されているために、電荷の移動にともなう損失がもたらす変換効率の低下を低減することができる。さらに、光の波長以下の金属微細構造においては、電子の集団運動であるプラズモンが共鳴的に励起される。金属パターンを用いた場合、磁性ナノ構造体の磁化ベクトルの向きと直交する向きのプラズモンが励起されるように、金属パターンのサイズおよび形状を調整することにより、また、入射する光の波長を選択することにより、電場強度が増強し、さらに高い偏光変換効率が実現できる。
以上のように、本偏光変換素子は、直交する二つの偏光成分のうち、一方の成分を他方の成分へ非一様に変換する機構を有しているために、複数の光学素子を組み合わせることなく偏光変換機能を実現しており、光学素子数の低減や、光学装置の小型化、低価格化を実現することが可能となる。
(第4の実施の形態:請求項1,2,4,7,9)
本発明の第4の実施の形態にかかる偏光変換素子に関して、図1、図19(a)、(b)を参照して説明する。
本発明の第4の実施の形態にかかる偏光変換素子は、図1に示したように、入射するランダム偏光を直線偏光に揃えて放出する素子であり、第1〜3の実施の形態とは異なる構成を有するものである。
本発明の偏光変換素子の構成を、図19(a)、(b)を用いて説明する。
図19(a)は本発明に係る偏光変換素子の第4の実施の形態を示す断面図であり、図19(b)は図19(a)の平面図である。
図19(b)に示すように、本偏光変換素子は、支持体となる支持基板上に、金属材料によるライン状のパターンを有しており、そのラインパターン上に磁性体材料からなる複数の磁性ナノ構造体を配した構成となっている。
図19(a)、(b)に示す実施の形態では、2個の磁性ナノ構造体202が1つのユニット203を形成し、本ユニット(磁性構造体の対)203が導電性のラインパターン(金属パターン)1901上に等間隔で配置されている。各ユニット203は、磁性ナノ構造体202のサイズよりも大きな間隔で配置する。
ここで、本偏光変換素子を透過または反射した光に空間的な強度分布に生じないように、本ユニット203のサイズが、入射光の波長以下の大きさを有する必要がある。本実施の形態における2個の磁性ナノ構造体の磁化ベクトルは、金属材料によるライン状パターン1901に平行で、且つ互いに相反する向きに構成される必要がある。磁性ナノ構造体202の形状は、図19(a)、(b)では、円柱形状の磁性ナノ構造体を例示しているが、本発明はこれに限定されるモノではなく、球形状、半球形状、三角柱・四角柱形状、円錐形状、楕円柱形状など、多様な形状のものを利用することができる。
磁性ナノ構造体202の対によるユニット203の配列方法は、金属材料によるライン状パターン1901上に限定されるため、ライン配列に限定される。本偏光変換素子に使用する支持基板201は、第1および第2の実施の形態と同様に、透過型の素子を構成する場合には、石英ガラスや、BK7、パイレックス(登録商標)などの硼珪酸ガラス、CaF2、Si、ZnSe、Al23などの光学結晶材料などを利用する。また、透明な誘電体材料による被膜構造、基板をパターニングして作製する埋め込み構造を含むものであってもよい。金属材料によるラインパターン1901は、磁性ナノ構造体202の磁化と入射電場により誘発される電流を流す導電性の高い材料であるとともに、光が透過しない程度の高さが必要であり、Al、Au、Agなどの金属材料が適している。
このような金属材料のラインパターン1901は、ワイヤグリッド偏光子として知られるように、入射する偏光成分のラインパターンに垂直な成分のみを透過し、ラインパターンに平行な成分を反射する。そのため、ラインパターンに平行な偏光成分が、透過面にしみださないように、金属の表皮深さ以上のパターンの高さが必要である。
具体的には、20nm〜50nmの高さが適している。また、ラインパターン1901の幅および間隔は、入射光の波長よりも十分に微小である必要があり、100nm以下が好ましい。磁性ナノ構造体202を構成する磁性材料は、室温で強磁性を示す材料が良く、Fe、Co、Ni、γ‐Fe23,Fe34,FeNx ,Baフェライト,Coフェライト等のフェライト、希土類鉄ガーネット等のガーネット、PtCo,FeTb、FePtCu等が利用できる。
また、磁性ナノ構造体のサイズが、20nm以下となれば、磁性体は単磁区構造をとるようになり、この場合、単位面積当たりの磁化ベクトルの大きさが増大することから、磁気光学効果が顕著となり一層有利である。このような偏光変換素子の構造は、第1の実施の形態の説明と同様に、パターン化基板を用いたブロックコポリマーの自己組織化による微細周期構造の転写や、電子ビームリソグラフィ技術を用いた直接描画や、DUV(遠紫外線)・EUV(深紫外線)リソグラフィ技術による一括露光を行なう方法、ナノインプリント加工技術などにより作製することができる。
本偏光変換素子の偏光変換の原理は、第1及び第2の実施の形態において数値シミュレーション結果を用いて説明した通りであり、互いに相反する向きの磁化を有する磁性ナノ構造体が導電性の金属ラインパターンに接した構成であるために、2つの磁性ナノ構造体の磁化と入射電場に働くローレンツ力を介して、磁性ナノ構造体の配列向きに電荷の移動を生じさせることができ、磁性ナノ構造体の配列向きに垂直な入射偏光成分の一部を、配列向きに平行な偏光成分に変換して放射することができる。
さらに、本実施の偏光変換素子は、金属材料によるラインパターンで構成されており、このラインパターンがワイヤグリッド偏光子としての機能を有するために、入射偏光と同じ偏光をもつ偏光変換を受けない透過光成分の漏れを防ぐことができ、高いコントラストで偏光変換を受けた直線偏光が得られることである。
以上のように、本偏光変換素子は、直交する二つの偏光成分のうち、一方の成分を他方の成分へ非一様に変換する機構を有しているために、複数の光学素子を組み合わせることなく偏光変換機能を実現しており、光学素子数の低減や、光学装置の小型化、低価格化を実現することが可能となる。
(第5の実施の形態:請求項1,3)
本発明の第5の実施の形態にかかる偏光変換素子に関して、図1、図20(a)、(b)、図21(a)、(b)を参照して説明する。
本発明の第5の実施の形態にかかる偏光変換素子は、図1に示したように、入射するランダム偏光を直線偏光に揃えて放出する素子であり、第1〜4の実施の形態とは異なる構成を有するものである。本発明の偏光変換素子の構成を、図20(a)、(b)を用いて説明する。
図20(a)、(b)は本発明に係る偏光変換素子の第5の実施の形態を示す平面図である。
本偏光変換素子は、支持体となる支持基板上に、磁性構造体202−1として磁性体材料によるラインパターンの対を配列した構成を有している。この磁性ラインパターンは、入射する光の波長以下の幅であり、波長以下の間隔で近接した対により構成されている。
ここで、2本の磁性構造体によるラインパターンにおいて、主たる磁化ベクトルの向きはラインパターンに垂直な向きに互いに相反する向きに構成される必要がある。本偏光変換素子に使用する支持基板は、第1〜4の実施の形態と同様に、透過型の素子を構成する場合には、石英ガラスや、BK7、パイレックス(登録商標)などの硼珪酸ガラス、CaF2、Si、ZnSe、Al23などの光学結晶材料などを利用する。
また、同様の透明な誘電体材料による被膜構造や、基板をパターニングして作製する埋め込み型の構造であってもよい。磁性構造体のラインパターンを構成する磁性材料は、室温で強磁性を示す材料が好ましく、Fe、Co、Ni、γ‐Fe23,Fe34,FeNx ,Baフェライト,Coフェライト等のフェライト、希土類鉄ガーネット等のガーネット、PtCo,FeTb、FePtCu等が利用できる。
このような偏光変換素子の構造は、第1の実施の形態の説明と同様に、パターン化基板を用いたブロックコポリマーの自己組織化による微細周期構造の転写や、電子ビームリソグラフィ技術を用いた直接描画や、DUV(遠紫外線)・EUV(深紫外線)リソグラフィ技術による一括露光を行なう方法、ナノインプリント加工技術などにより作製することができる。
本偏光変換素子の偏光変換の原理は、第1の実施の形態において数値シミュレーション結果を用いて説明した通りであり、互いに相反する向きの磁化ベクトルを有する磁性ラインパターンにより、磁性ナノ構造体の対と入射電場に働くローレンツ力が、磁性ラインパターンの対のそれぞれおいて逆向きに作用し、磁性ラインパターンの隣接する向きに分極振動を生じさせることができ、その結果、磁性ラインパターンに平行な入射偏光成分の一部を、磁性体ラインパターンに垂直な偏光成分に変換して放射することができる。
図21(a)、(b)は、磁性構造体のラインパターンの磁化ベクトルの向きを示した図であり、2通りの磁化ベクトルの向きを利用することができ、ともに同じ動作をする。
以上のように、本偏光変換素子は、直交する二つの偏光成分のうち、一方の成分を他方の成分へ非一様に変換する機構を有しているために、複数の光学素子を組み合わせることなく偏光変換機能を実現しており、光学素子数の低減や、光学装置の小型化、低価格化を実現することが可能となる。
(第6の実施の形態:請求項1,3,4,5)
本発明の第6の実施の形態にかかる偏光変換素子に関して、図1、図21(a)、(b)、図22(a)、(b)を参照して説明する。
本発明の第6の実施の形態にかかる偏光変換素子は、図1に示したように、入射するランダム偏光を直線偏光に揃えて放出する素子であり、第1〜5の実施の形態とは異なる構成を有するものである。本発明の偏光変換素子の構成を、図22(a)、(b)を用いて説明する。
図22(a)は本発明に係る偏光制御素子の第6の実施の形態の構成を説明するための断面図であり、図22(b)は図22(a)の平面図である。
第6の実施の形態と第5の実施の形態との違いは、支持体となる支持基板201上に、導電性の膜2201を配していることであり、この膜2201に接するように配置された磁性体材料によるラインパターンの対203−1を配列した構成を有している。この磁性ラインパターンは、入射する光の波長以下の幅であり、波長以下の間隔で近接した対により構成されている。
ここで、2本の磁性構造体によるラインパターンにおいて、主たる磁化ベクトルの向きはラインパターンに垂直な向きに互いに相反する向きに構成される必要がある。本偏光変換素子に使用する支持基板は、第1〜6の実施の形態と同様であり、透過型の素子を構成する場合には、石英ガラスや、BK7、パイレックス(登録商標)などの硼珪酸ガラス、CaF2、Si、ZnSe、Al23などの光学結晶材料などを利用する。また、同様の透明な誘電体材料による被膜構造や、基板をパターニングして作製する埋め込み型の構造であってもよい。
導電性膜を構成する材料は導電率の高い材料であれば良く、Al、Au、Cu,Agなどの金属材料や、ITO、TiO2、ZnOなどの透明導電材料が適している。透過型の偏光変換素子において金属材料を用いる場合には、光を透過する必要から金属中に光がしみ込む表皮深さよりも薄い膜である必要があり、好ましくは10nm以下の薄膜が適している。磁性構造体のラインパターンを構成する磁性材料は、室温で強磁性を示す材料が好ましく、Fe、Co、Ni、γ‐Fe2O3,Fe34,FeNx ,Baフェライト,Coフェライト等のフェライト、希土類鉄ガーネット等のガーネット、PtCo,FeTb、FePtCu等が利用できる。
このような偏光変換素子の構造は、第1の実施の形態の説明と同様に、パターン化基板を用いたブロックコポリマーの自己組織化による微細周期構造の転写や、電子ビームリソグラフィ技術を用いた直接描画や、DUV(遠紫外線)・EUV(深紫外線)リソグラフィ技術による一括露光を行なう方法、ナノインプリント加工技術などにより作製することができる。
本偏光変換素子の偏光変換の原理は、第1及び第2の実施の形態において数値シミュレーション結果を用いて説明した通りであり、互いに相反する向きの磁化ベクトルを有する磁性ラインパターンが導電性部材に接した構成であるために、2つの磁性ナノ構造体の磁化と入射電場に働くローレンツ力を介して、磁性ラインパターンに直交する向きに電荷の移動を生じさせることができ、磁性ラインパターンに平行な入射偏光成分の一部を、磁性ラインパターンに垂直な偏光成分に変換して放射することができる。
磁性ラインパターンの磁化ベクトルの向きは、図21(a)、(b)に示すように第5の実施の形態と同様であり、2通りの磁化ベクトルの向きが利用でき、共に同じ動作をする。本実施の形態は、第2の実施の形態で説明したように、磁性ラインパターンに接して導電性の膜を有しているために、導電性部材のない場合よりも高い偏光変換効率が実現できる。
以上のように、本偏光変換素子は、直交する二つの偏光成分のうち、一方の成分を他方の成分へ非一様に変換する機構を有しているために、複数の光学素子を組み合わせることなく偏光変換機能を実現しており、光学素子数の低減や、光学装置の小型化、低価格化を実現することが可能となる。また、本偏光変換素子は偏光変換効率の向上を図ることができる。
(第7の実施の形態:請求項1,3,4,7)
本発明の第7の実施の形態にかかる偏光変換素子に関して、図1、図23(a)、(b)〜図25(a)、(b)を参照して説明する。
本発明の第7の実施の形態にかかる偏光変換素子は、図1に示したように、入射するランダム偏光を直線偏光に揃えて放出する素子であり、第1〜6の実施の形態とは異なる構成を有するものである。
本発明の偏光変換素子の構成を、図23(a)、(b)を用いて説明する。
図23(a)は本発明に係る偏光変換素子の第7の実施の形態を示す断面図であり、図23(b)は図23(a)の平面図である。
図23(b)に示すように、本偏光変換素子は、支持体となる支持基板201上に、金属材料による等間隔のラインパターン(導電性パターン)2301と、このラインパターン2301に接して交差する、磁性体材料からなるラインパターンの対を配列した構成を有している。この磁性ラインパターンの対は、入射する光の波長以下の幅であり、波長以下の間隔で近接した対により構成されている。
磁性ラインパターンの磁化ベクトルの主たる成分の向きは、金属ラインパターン(導電性パターン)2301に平行であり、互いに相反する向きに構成される必要がある。また、図23(a)、(b)において、磁性材料によるラインパターンと金属材料によるラインパターンとが直交する場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図24に例示するような、45°以上の傾きをもった交差構造であってもよい。この場合、磁性ラインパターンの対における磁化ベクトルの主たる成分の向きは、図24の点線に示す金属材料によるラインパターンに平行な向きに、互いに相反する向きに構成される必要がある。
図24は本発明に係る第7の実施の形態の偏光制御素子の異なる構成を説明するための平面図である。
本偏光変換素子に使用する支持基板は、第1〜6の実施の形態と同様であって、透過型の素子を構成する場合には、石英ガラスや、BK7、パイレックス(登録商標)などの硼珪酸ガラス、CaF2、Si、ZnSe、Al23などの光学結晶材料などを利用する。また、同様の透明な誘電体材料による被膜構造や、基板をパターニングして作製される埋め込み構造であっても構わない。金属ラインパターンを構成する材料は導電率の高い材料であれば良く、Al、Au、Cu,Agなどの金属材料や、ITO、TiO2、ZnOなどの透明導電材料が適している。
金属ラインパターン(導電性パターン)2301は、偏光選択性を実現する必要から、パターンの高さは、金属の表皮深さ以上が必要であり、具体的には、20nm〜50nmの高さが適している。また、パターン2301の幅は入射光の波長以下である必要があり、100nm以下が適している。磁性ラインパターンを構成する磁性材料は、室温で強磁性を示す材料が好ましく、Fe、Co、Ni、γ‐Fe23,Fe34,FeNx ,Baフェライト,Coフェライト等のフェライト、希土類鉄ガーネット等のガーネット、PtCo,FeTb、FePtCu等が利用できる。このような偏光変換素子の構造は、第1の実施の形態の説明と同様に、パターン化基板を用いたブロックコポリマーの自己組織化による微細周期構造の転写や、電子ビームリソグラフィ技術を用いた直接描画や、DUV(遠紫外線)・EUV(深紫外線)リソグラフィ技術による一括露光を行なう方法、ナノインプリント加工技術などにより作製することができる。
本偏光変換素子の偏光変換の原理は、第1及び第2の実施の形態において数値シミュレーション結果を用いて説明した通りであり、互いに相反する向きの磁化ベクトルを有する磁性ラインパターンが導電性の金属ラインパターンに接した構成であるために、2つの磁性ナノ構造体の磁化と入射電場に働くローレンツ力を介して、金属ラインパターン内に磁性ラインパターンに直交する向きに電荷の移動を生じさせることができ、磁性ラインパターンに平行な入射偏光成分の一部を、磁性ラインパターンに垂直な偏光成分に変換して放射することができる。
図25(a)、(b)は、磁性ラインパターンの向きに対する磁化ベクトルの向きを示す図であり、2通りの磁化ベクトルの向きを利用することができ、ともに同じ動作をする。さらに、本実施の偏光変換素子は、金属ラインパターンによるワイヤグリッド偏光子としての機能も有しているため、金属ラインパターンに平行な入射偏光成分を高効率で反射し、この偏光成分が偏光変換を受けることから、直交する二つの偏光成分の混合しない反射型の偏光変換素子が実現できる。
以上のように、本偏光変換素子は、直交する二つの偏光成分のうち、一方の成分を他方の成分へ非一様に変換する機構を有するとともに、偏光が変換されていない成分を分離しており、高いコントラストで一方の偏光成分を反射光として取り出すことが可能となっている。
(第8の実施の形態:請求項8)
本発明の第8の実施の形態にかかる偏光変換素子に関して、図26を参照して説明する。本発明の第8の実施の形態にかかる偏光変換素子は、第1〜7の実施の形態における偏光変換素子の偏光変換効率を向上させるための構成を提示するものである。
図26は本発明に係る第7の実施の形態の偏光変換素子の断面図であり、支持体となる支持基板上または支持体内部に、第1〜7の実施の形態で説明した、磁性構造体もしくは磁性構造体と導電性部材からなる偏光変換素子構造を配し、本偏光変換素子構造の上方と下方の少なくともいずれかに、反射特性を制御する多重反射構造を設けた構成を有している。
図26は、支持基板201の両面に多層膜構造として多重反射膜2601、2604を配した構成を示している。多重反射構造としては、多重反射膜を用いることが、加工面で容易である。本多重反射膜を構成する材料は、多層膜に一般的に使用される誘電体材料でよく、例えば、MgF2,CeF3,Al23,AiO2,ZrO2,TiO2,ZnS,ZnS−SiO2などが利用できる。
図26は、多重反射膜2601、2604を構成した例であるが、必ずしも膜構造である必要はなく、例えば、フォトニック結晶などの2次元および3次元構造の誘電体周期構造であってもよい。誘電体周期構造を用いる利点は、入射光を効率よく内部に閉じ込め、偏光変換効率を向上させることができる他、異方性をもつ周期構造を用いることにより、偏光選択性をもたせるなどの、付加的な機能を与えることができることである。
このような多重反射構造を第1〜7の実施の形態で説明した偏光変換素子に備えることにより、本偏光変換素子内で光の多重反射が生じ、偏光変換に寄与する磁性構造体と光との相互作用の頻度を増大させることができる。
一般的に、偏光変換機能の起源となる磁気光学効果は、可視光の周波数領域では強くはないが、多重反射過程を経ることにより、大きな偏光変換効率を得ることが可能となる。
以上のように、本偏光変換素子は、直交する二つの偏光成分のうち、一方の成分を他方の成分へ非一様に変換する機構を、多重回経由する構成を偏光変換素子内部に含むことにより、偏光変換効率を向上させることが可能となっている。また、偏光選択性を付加することが可能となっている。
なお、上述した実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の一例を示すものであり、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。
〔作用効果〕
(請求項1,2)
本偏光変換素子は、磁化ベクトルの主たる成分の向きが互いに相反した磁性ナノ構造体の対を支持体上または支持体内部に配置したことにより、入射光の直交する二つの偏光成分の一方のみを他方へ変換することが可能になり、また、2次元平面内における磁性材料の微細構造のみで偏光変換機能を実現したことにより、光学素子数の低減や光学装置の小型化か可能となるという効果を奏する。
(請求項1,2,4,5)
本偏光変換素子は、磁化ベクトルの主たる成分の向きが互いに相反した磁性ナノ構造体の対を支持体上または支持体内部に配置したことにより、偏光変換機能を実現するとともに、磁性ナノ構造体の対に接して導電性の膜を配置したことにより、偏光変換効率の向上が可能となるという効果を奏する。
(請求項1,2,4,6)
本偏光変換素子は、磁化ベクトルの主たる成分の向きが互いに相反した磁性ナノ構造体の対を支持体上または支持体内部に配置したことにより、偏光変換機能を実現するとともに、磁性ナノ構造体の対に接して導電性材料による微細パターンを配置したことにより、偏光変換効率の向上が可能となるという効果を奏する。
(請求項1,2,4,7)
本偏光変換素子は、磁化ベクトルの主たる成分の向きが互いに相反した磁性ナノ構造体の対を支持体上または支持体内部に配置したことにより、偏光変換機能を実現するとともに、磁性ナノ構造体の対に接して導電性材料によるラインパターンを配置したことにより、偏光変換効率の向上が可能となるという効果を奏する。また、偏光選択性を有する偏光変換素子が実現できるという効果を奏する。
(請求項1,3)
本偏光変換素子は、磁化ベクトルの主たる成分の向きが互いに相反した磁性ラインパターンの対を支持体上または支持体内部に配置したことにより、入射光の直交する二つの偏光成分の一方のみを他方へ変換することが可能になり、また、2次元平面内における磁性材料の構成のみで偏光変換機能を実現したことにより、光学素子数の低減や光学装置の小型化か可能となるという効果を奏する。
(請求項1,3,4,5)
本偏光変換素子は、磁化ベクトルの主たる成分の向きが互いに相反した磁性ラインパターンの対を支持体上または支持体内部に配置したことにより、偏光変換機能を実現するとともに、磁性材料によるラインパターンの対に接して導電性の膜を配置したことにより、偏光変換効率の向上が可能となるという効果を奏する。また、偏光選択性を有する偏光変換素子が実現できるという効果を奏する。
(請求項1,3,4,7)
偏光変換素子は、磁化ベクトルの主たる成分の向きが相反した磁性ラインパターンの対を支持体上または支持体内部に配置したことにより、偏光変換機能を実現するとともに、磁性ラインパターンの対に接して導電性材料によるラインパターンを配置したことにより、偏光変換効率の向上が可能となり、また、偏光選択性を有する偏光変換素子が実現できるという効果を奏する。
(請求項8)
本偏光制御素子は、磁性構造体または磁性構造体と導電性部材からなる偏光変換素子構造の少なくとも一方の端部に、多重反射構造を設けることにより、入射光と磁性構造体および導電部材との相互作用の頻度を増大することが可能となり、偏光変換効率の向上が可能となるという効果を奏する。
(請求項9)
本偏光制御素子は、偏光変換素子を構成する磁性構造体として単磁区構造となるサイズの磁性構造体を用いることにより、入射光と磁性構造体との相互作用の強さを増大させることが可能となり、偏光変換効率の向上が可能となるという効果を奏する。
すなわち、請求項1に係る発明により、直交する二つの偏光成分のうち、一方の偏光成分のみを他方へ変換する偏光変換機能を有する偏光変換素子を提供することができる。また、光学素子数の低減が可能となる偏光変換素子を提供することができる。
請求項2,3に係る発明により、請求項1記載の偏光変換素子における磁性構造体の対の具体的な構成を提供することができる。
請求項4に係る発明により、請求項1から3のいずれか1項記載の偏光変換素子の偏光変換効率を増大させる構成を提供することができる。
請求項5〜7に係る発明により、請求項4記載の偏光変換素子における導電性部材の具体的な構成を提供することができる。
請求項8に係る発明により、請求項1から7のいずれか1項記載の偏光変換素子の偏光変換効率を増大させる構成を提供することができる。
請求項9に係る発明により、請求項1,2,4から8のいずれか1項に記載の偏光変換素子の、偏光変換効率を増大させる構成を提供することができる。
本発明にかかる偏光変換素子は、液晶プロジェクタ等の画像投影装置や表示装置に利用できる。
本発明の第1の実施の形態にかかる偏光変換素子の機能を示す説明図である。 (a)は本発明に係る偏光変換素子の断面図であり、(b)は(a)の平面図である。 (a)〜(e)は、磁性ナノ構造体の様々な形状を説明するための平面図である。 本発明に係る偏光変換素子の第1の実施の形態の構成を説明するための断面図である。 磁性体ナノ構造体の作製方法を説明するための説明図である。 (a)、(b)は磁性ナノ構造体の対における磁化ベクトルの向きの説明図である。 正方格子の格子点上に各ユニットを配列した一例を示す図である。 長方格子の格子点上に各ユニットを配列した一例を示す図である。 六方格子の格子点上に各ユニットを配列した例である。 ライン上にラインに直交する向きに各ユニットを配列した一例を示す図である。 ライン上にラインに平行な向きに配列した磁性構造体のユニットを等間隔で配列した一例を示す図である。 2次元面内にランダムにユニットを配列した一例を示す平面図である。 (a)は、数値シミュレーションのモデルを説明する断面図であり、(b)は(a)の平面図である。 x偏光入射およびy偏光入射の場合の偏光変換度の計算結果を示す図である。 (a)は本発明の偏光変換素子に係る第2の実施の形態の断面図であり、(b)は(a)の平面図である。 (a)は数値シミュレーションのモデルを説明するための断面図であり、(b)は(a)の平面図である。 x偏光入射およびy偏光入射の場合の偏光変換度の計算結果を説明する図である。 (a)は本発明に係る偏光変換素子の第3の実施の形態の構成を説明するための断面図であり、(b)は(a)の平面図である。 (a)は本発明に係る偏光変換素子の第4の実施の形態を示す断面図であり、(b)は(a)の平面図である。 (a)は本発明に係る偏光変換素子の第5の実施の形態を示す平面図であり、(b)は(a)の平面図である。 (a)、(b)は、磁性構造体のラインパターンの磁化ベクトルの向きを示した図である。 (a)は本発明に係る偏光制御素子の第6の実施の形態の構成を説明するための断面図であり、(b)は(a)の平面図である。 (a)は本発明に係る偏光変換素子の第7の実施の形態を示す断面図であり、(b)は(a)の平面図である。 本発明に係る第7の実施の形態の偏光制御素子の異なる構成を説明するための平面図である。 (a)、(b)は磁性ラインパターンの向きに対する磁化ベクトルの向きを示す図である。 本発明に係る第7の実施の形態の偏光変換素子の断面図である。 (a)〜(c)はワイヤグリッド偏光子の製造工程図である(従来技術1)。 無機材料偏光制御素子の説明図である(従来技術2)。 偏光分離素子の構成を示す図である(従来技術3)。 (a)〜(d)は従来の偏光制御素子の説明図である(従来技術4)。 磁気光学素子の断面図である(従来技術5)。 他の磁気光学素子の断面図である(従来技術6)。
符号の説明
1 入射偏光状態(ランダム偏光)
2 偏光変換素子
3 出射偏光状態(直線偏光)
201 支持基板
202 磁性ナノ構造体
203 磁性構造体の対(ユニット)

Claims (9)

  1. 支持体上または支持体内部に、磁性構造体の対を2次元的に配した構造を少なくとも有し、該磁性構造体の対は、入射する光の波長以下の間隔で隣接し、且つ該磁性構造体の中心点間を結ぶ直線に対して平行で互いに相反する向きに主たる磁化成分を有することを特徴とする偏光変換素子。
  2. 請求項1記載の偏光変換素子であって、前記磁性構造体の幅及び奥行きの長さを入射する光の波長以下としたことを特徴とする偏光変換素子。
  3. 請求項1記載の偏光変換素子であって、前記磁性構造体を、入射する光の波長以下の幅を有する磁性材料によるラインパターンで構成したことを特徴とする偏光変換素子。
  4. 請求項1から3のいずれか1項記載の偏光変換素子であって、前記支持体上に、前記磁性構造体の対に接するように導電性部材を配したことを特徴とする偏光変換素子。
  5. 請求項4記載の偏光変換素子であって、前記導電性部材を平坦な膜で構成したことを特徴とする偏光変換素子。
  6. 請求項4記載の偏光変換素子であって、前記導電性部材を入射する光の波長以下のサイズを有する2次元パターンで構成したことを特徴とする偏光変換素子。
  7. 請求項4記載の偏光変換素子であって、前記導電性部材を入射する光の波長以下の幅を有するラインパターンで構成したことを特徴とする偏光変換素子。
  8. 請求項1から7のいずれか1項記載の偏光変換素子であって、前記磁性構造体の対および前記導電性部材の、上方または下方の少なくとも一方に、多重反射構造を配したことを特徴とする偏光変換素子。
  9. 請求項1,2,4から8のいずれか1項記載の偏光変換素子であって、前記磁性構造体が単磁区構造を有することを特徴とする偏光変換素子。
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