JP2013218142A - 空間光変調器及びホログラム表示装置 - Google Patents

空間光変調器及びホログラム表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2013218142A
JP2013218142A JP2012089099A JP2012089099A JP2013218142A JP 2013218142 A JP2013218142 A JP 2013218142A JP 2012089099 A JP2012089099 A JP 2012089099A JP 2012089099 A JP2012089099 A JP 2012089099A JP 2013218142 A JP2013218142 A JP 2013218142A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
upper electrode
light modulator
spatial light
pixel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012089099A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidekazu Kinjo
秀和 金城
Kenji Machida
賢司 町田
Onori Kato
大典 加藤
Kenichi Aoshima
賢一 青島
Atsushi Kuga
淳 久我
Hiroshi Kikuchi
宏 菊池
Naoki Shimizu
直樹 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Broadcasting Corp
Original Assignee
Nippon Hoso Kyokai NHK
Japan Broadcasting Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Hoso Kyokai NHK, Japan Broadcasting Corp filed Critical Nippon Hoso Kyokai NHK
Priority to JP2012089099A priority Critical patent/JP2013218142A/ja
Publication of JP2013218142A publication Critical patent/JP2013218142A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Holo Graphy (AREA)
  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)
  • Projection Apparatus (AREA)

Abstract

【課題】空間光変調器の上部電極による干渉縞が、空間光変調器の画素により形成されたパターンによる干渉縞と重ならない空間光変調器を提供する。
【解決手段】空間光変調器1は、上部及び下部に設けられた電極間に印加される電圧を制御することで入射光を変調して反射光又は透過光として出射する光変調素子5と、2次元の配列の一方向に延伸し、当該一方向に配列する光変調素子5の下部と電気的に接続するストライプ状に配列された複数の下部電極3と、2次元の配列の一方向と異なる方向である他方向に延伸し、当該他方向に配列する光変調素子5の上部と電気的に接続するストライプ状に配列された複数の上部電極2とを備え、上部電極2は、ストライプ状に細分化されて配列された細分化部2bの配列ピッチLeが、他方向に配列された光変調素子5の配列ピッチLcよりも小さくなるように構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、入射した光を、光の位相や振幅等を空間的に変調して出射する空間光変調器及びそれを用いたホログラム表示装置に関する。
光の位相や振幅等を変調する光学素子を2次元に配列して、空間的に光を変調する空間光変調器は、ホログラフィなどの画像表示装置に応用され、ディスプレイ技術や記録技術などの分野で広く利用されている。また、このような光学素子は、2次元で並列に光情報を処理することができるため、光情報処理技術などへの応用も研究されている。
代表的な空間光変調器(SLM:Spatial Light Modulator)に液晶パネルを用いた空間光変調器がある。液晶パネルは、油状で透明な液晶材料が2枚の透明な基板で挟まれた構造をしている。透明な基板としては主にガラスが用いられることが多いがプラスチックを用いることもある。この透明な基板の内面には、液晶に電圧を印加する電極として透明電極が設けられている。透明電極の材料には、抵抗値が低く、電極の形状を作製するのが容易なインジウム−スズ酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)が広く用いられている。これらを用いてホログラフィを再現しようと試みられているが、応答速度の遅さや画素の高精細性が不足しているために、画像再生への利用は限定的なものであった(非特許文献1参照)。
前記した画素(ピクセル)の高精細化及び応答速度の高速化の問題を解決するために、特許文献1又は特許文献2に示すような磁性ガーネットのファラデー効果を利用して、高速な応答性を実現した磁気光学式空間光変調器(以降、MOSLM:Magneto-Optic SLM)の例が開示されている。
特許文献1には、各ピクセルに対応した領域毎に個別に光反射膜を形成し、局所熱処理と光反射鏡により印加される応力とで各ピクセル間が磁気的に分離したMOSLMが記載されている。また、特許文献1には、各ピクセルの外形に一致するようにXY駆動ラインを形成し、局所熱処理とXY駆動ラインにより印加される応力とで、各ピクセル間が磁気的に分離されているMOSLMが記載されている。これらにより、特許文献1に記載のMOSLMでは、ピクセル間の距離をピクセルサイズ以下に狭めることが可能となる。また、各ピクセルの磁性ガーネットがシングルドメイン構造(単磁区構造)に形成されていれば、XY駆動ラインにパルス電流を印加することによって、磁性ガーネットの磁化方向を反転させることができる。
特許文献2には、XY駆動ラインヘの通電が合致したピクセルに対して合成磁界を印加し、選択的に磁化反転をする構造のMOSLMが記載されている。
ところで、スピン注入型磁化反転技術(STS:Spin Transfer Switching)は、サブμm(サブミクロン)以下の小さな磁性体の磁化方向を反転させる技術として注目されている(非特許文献2参照)。STSを用いることで、ギガビット(Gbit)級の超高密度な磁気ランダムメモリ(MRAM:Magnetoresistive Random Access Memory)への応用が期待されている。また、近年、メモリヘの応用だけでなく、磁気光学効果とSTSとを組み合わせることで光を変調する光変調素子が提案されている。
本願発明者らは、これまでに、スピン注入により磁化反転されるスピン注入型磁化反転素子と偏光手段とを用い、磁化方向の変化を利用して画素選択を行う撮像装置を提案している(特許文献3参照)。この特許文献3に記載された、スピン注入により磁化反転を行う光変調素子は、入射光である直線偏光の旋光角を変えることで光を変調させる方式であるために、高速応答及び高精細化が可能である。
また、本願発明者らは、膜面に垂直な垂直磁気異方性を有する磁性材料から構成されている磁性膜を用い、磁気光学効果を利用した空間光変調器を提案している(特許文献4参照)。特許文献4に記載された空間光変調器は、磁性膜の少なくとも1つが垂直磁気異方性を有する磁性材料から構成されているため、膜面に平行な面内磁気異方性を有する磁性材料と比較して磁気光学効果を大きくすることができる。そのため、入射光の光変調度(旋光角)を大きくすることができる。
特開2005−70101号公報 特開2005−221841号公報 特開2008−60906号公報 特開2009−139607号公報
T.Sonehara, H.Miura and J.Amako, "Moving 3D-CGH Reconstruction Using a Liquid Crystal Spatial Wavefront Modulator", the 12th International Display Research Conference, 1992, pp.315-318
特許文献3に記載された空間光変調器や特許文献4に記載された空間光変調器は、図10及び図11に示すような構成を有する。ここで、図10は、従来の空間光変調器の構成を示す模式図である。図10において、画素アレイ140については模式的平面図を表している。また、図11は、従来の空間光変調器における画素アレイの構成を示す模式図である。なお、図11は、図10における画素アレイ140のA−A線における模式的断面図である。
図10に示すように、空間光変調器101は、画素アレイ140と、画素アレイ140を駆動制御する電流制御部80とを備えて構成されている。画素アレイ140は、基板7上に、横方向に延伸するストライプ状に下部電極103が配設され、下部電極103上に光変調素子5が2次元アレイ状に配列して設けられている。そして、光変調素子5の上部に、縦方向に延伸するストライプ状に上部電極102が配設されている。すなわち、平面視で上部電極102及び下部電極103が交差する各領域に光変調素子5が設けられ、画素104を構成している。なお、図11に示すように、光変調素子5同士の間、上部電極102同士の間、及び下部電極103同士の間には絶縁部材6が充填されている。
また、電流制御部80は、電源81と、上部電極選択部82と、下部電極選択部83と、画素選択部84とを備えて構成されている。そして、画素選択部84は、選択した画素104を構成する光変調素子5の上部及び下部に接続される上部電極102及び下部電極103間に、上部電極選択部82及び下部電極選択部83を介して電源81を接続して電流を供給する。そして、空間光変調器101は、電流制御部80により各画素104に供給する電流を制御することで、画素アレイ140に入射される入射光L1を空間的に変調して出射する。
また、図11に示したように、空間光変調器101は、画素アレイ140の上面側から入射された入射光L1を変調し、空間的に変調した光を上面側から出射する反射型の空間光変調器である。
ここで、空間光変調器101を、例えばホログラム表示装置として用いる場合は、2次元アレイ状に配列された複数の画素104からなる画素アレイ140に種々のパターンを描画し、レーザー光を入射光L1として画素アレイ140に入射する。そして、描画パターンに応じた回折光L2の干渉を利用して立体画像が再生される。
一方、画素アレイ140に入射した入射光L1は、光変調素子5だけでなく、上部電極102にも入射される。上部電極102は、ITO(インジウム・スズ酸化物)などの透光性の導電材料が用いられることが多いが、屈折率が使用環境である空気と異なるため、ストライプ状に配設された上部電極102は、回折格子として機能する。このため、回折格子としての上部電極102による回折光L3が画素アレイ140の上面から出射される。
ここで、画素104の配置のピッチと、上部電極102の配置のピッチとは同じであるため、図11に示すように、入射角αで入射された入射光L1の、光変調素子5によって生じる回折光L2の出射方向(回折角β)と、上部電極102によって生じる回折光L3の出射方向(回折角β)とが重なることとなる。
このため、空間光変調器101を、例えば、動画ホログラム表示装置への適用に向けて基本動作の検証をするための動的光回折実験を行う際に、上部電極102による回折光L3が影響し、精度よく検証を行い難いという問題がある。また、検証実験に限らず、ホログラム表示装置に適用して実用する場合においても、立体画像の表示方向と上部電極102による回折光L3とが重複又は近接するために、表示品質を低下させる恐れがある。
本発明は、前記した問題に鑑みて創案されたものであり、上部電極による回折光の影響を低減した空間光変調器、及びその空間光変調器を用いたホログラム表示装置を提供することを課題とする。
前記した課題を解決するために、本発明の請求項1に係る空間光変調器は、基板上に複数の画素を2次元に配列した画素アレイを備え、前記画素アレイは、前記画素の上部に設けられた上部電極と、前記画素の下部に設けられた下部電極と、前記画素毎に設けられ、前記上部電極と前記下部電極とに接続して、前記上部電極と前記下部電極との間に印加される電圧を制御することで入射光を変調して反射光又は透過光として出射する光変調素子と、を有し、少なくとも一つの前記上部電極と、少なくとも一つの前記下部電極と、を選択し、選択した上部電極と下部電極との間に印加される電圧を制御する画素選択部を備えた空間光変調器であって、複数の前記下部電極が、前記2次元の配列の一方向に延伸するストライプ状に配列され、複数の前記上部電極が、前記2次元の配列の前記一方向と異なる方向である他方向に延伸するストライプ状に配列され、前記上部電極は、前記他方向に延伸するとともに前記一方向に所定の間隔を置いて配列された複数の上部電極細分化部からなり、当該上部電極細分化部の配列ピッチが、前記画素の前記一方向の配列ピッチよりも小さいように構成した。
かかる構成によれば、空間光変調器は、画素選択部によって、上部電極及び下部電極を選択し、選択したこれらの電極間に挟まれた光変調素子に印加する電圧を制御することで、当該光変調素子に入射される入射光を変調して出射する。空間光変調器は、画素選択部によって、選択する上部電極及び下部電極を順次変更することで、画素アレイに配列された画素毎に光変調素子による変調を制御することができる。これによって、空間光変調器は、入射光を、空間的に(2次元的に)変調する。
また、画素アレイに入射した光は、光変調素子だけでなく上部電極にも照射される。ここで、上部電極はストライプ状に配列されており、回折格子として機能する。このため、上部電極に照射された入射光は、入射光の画素アレイの入射面に対する入射角、入射光の波長、及び上部電極の配列ピッチにより特定される方向に強度が極大となる回折光が、空間光変調器から出射される。一方、2次元に配列された画素毎に配置された光変調素子に照射された入射光も、入射角、波長、及び画素の配列ピッチにより特定される方向に強度が極大となる回折光が、空間光変調器から出射される。このとき、上部電極は、画素が配列された領域において、上部電極の配列方向に細分化され、この上部電極細分化部の配列ピッチが同方向の画素の配列ピッチよりも小さいため、細分化された上部電極による回折光の強度の極大方向が、光変調素子による回折光の強度の極大方向と異なることとなる。
請求項2に記載の空間光変調器は、請求項1に記載の空間光変調器において、前記上部電極細分化部の配列ピッチは、前記一方向に配列された前記画素の配列ピッチのN分の1(Nは2以上の整数)であるように構成した。
かかる構成によれば、空間光変調器は、上部電極細分化部の配列ピッチに応じた方向に強度が極大となり、光変調素子による回折光の強度が極大となる方向とは異なる方向で強度が極大となる回折光を出射する。
請求項3に記載の空間光変調器は、請求項1又は請求項2に記載の空間光変調器において、前記上部電極細分化部の配列ピッチは、前記入射光の波長の0.6倍以下であるように構成した。
かかる構成によれば、空間光変調器は、細分化された上部電極による回折光の発生を抑制する。
請求項4に記載の空間光変調器は、請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の空間光変調器において、前記上部電極は、前記入射光に対して透光性を有するように構成した。
かかる構成によれば、空間光変調器は、入射光を上部電極で吸収又は反射されることなく上部電極を透過させて光変調素子に到達させ、光変調素子で入射光を変調して出射する。また、空間光変調器が反射型の場合は、空間光変調器は、光変調素子で変調した光を、上部電極で吸収又は反射されることなく外部に出射する。
請求項5に記載の空間光変調器は、請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の空間光変調器において、前記下部電極は、前記一方向に延伸するとともに前記他方向に所定の間隔を置いて配列された複数の下部電極細分化部からなり、当該下部電極細分化部の配列ピッチが、前記画素の前記他方向の配列ピッチよりも小さいように構成した。
かかる構成によれば、画素アレイに入射した光は、その一部が下部電極に照射される。ここで、下部電極はストライプ状に配列されており、回折格子として機能する。このため、下部電極に照射された入射光は、入射光の画素アレイの入射面に対する入射角、入射光の波長、及び下部電極の配列ピッチにより特定される方向に強度が極大となる回折光が、空間光変調器から出射される。一方、2次元に配列された画素毎に配置された光変調素子に照射された入射光も、入射角、波長、及び画素の配列ピッチにより特定される方向に強度が極大となる回折光が、空間光変調器から出射される。このとき、下部電極は、画素が配列された領域において、下部電極の配列方向に細分化されており、この細分化部の配列ピッチが同方向の画素の配列ピッチよりも小さいため、細分化された下部電極による回折光の強度の極大方向が、光変調素子による回折光の強度の極大方向と異なることとなる。
請求項6に記載の空間光変調器は、請求項5に記載の空間光変調器において、前記下部電極細分化部の配列ピッチは、前記他方向に配列された前記画素の配列ピッチのN分の1(Nは2以上の整数)であるように構成した。
かかる構成によれば、空間光変調器は、下部電極細分化部の配列ピッチに応じた方向に強度が極大となり、光変調素子による回折光の強度が極大となる方向とは異なる方向で強度が極大となる回折光を出射する。
請求項7に記載の空間光変調器は、請求項5又は請求項6に記載の空間光変調器において、前記下部電極細分化部の配列ピッチは、前記入射光の波長の0.6倍以下であるように構成した。
かかる構成によれば、空間光変調器は、細分化された下部電極による回折光の発生を抑制する。
請求項8に記載の空間光変調器は、請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の空間光変調器において、前記光変調素子は、磁化固定層と、非磁性中間層と、磁化自由層とをこの順で積層したスピン注入型磁化反転素子構造を有するように構成した。
かかる構成によれば、空間光変調器は、光変調素子であるスピン注入型磁化反転素子構造の上下に設けられた上部電極及び下部電極の間に印加される電圧を制御することで当該スピン注入型磁化反転素子に電流が供給されることにより磁化自由層の磁化方向を変化させる。これによって、空間光変調器は、入射光の偏光方向を変化させるという変調をして出射する。
請求項9に記載の空間光変調器は、請求項8記載の空間光変調器において、前記磁化固定層及び前記磁化自由層は、それぞれ垂直磁気異方性を有する磁性材料からなる磁性膜を含むように構成した。
かかる構成によれば、空間光変調器は、磁化自由層の膜面に垂直方向に変化する磁化方向に応じて、入射光の偏光方向を変調する。
請求項10に記載のホログラム表示装置は、請求項1乃至請求項9の何れか一項に記載の空間光変調器と、前記画素アレイに光を入射する光源とを備えて構成した。
かかる構成によれば、ホログラム表示装置は、空間光変調器によって、前記光源と同じ波長の照明光による物体からの反射光である物体光と、照明光を分割した光である参照光とにより形成される2次元の干渉縞を示す画像信号に基づいて、画素毎に光源から入射した光を変調して出射する。これによって、前記物体の立体画像を表示する。
請求項1に記載の発明によれば、上部電極による回折光の強度の極大方向が、画素に配置された光変調素子による回折光の極大方向と異なるため、光変調素子により表示されるべき立体画像への、上部電極による回折光の影響を低減することができる。
請求項2に記載の発明によれば、細分化された上部電極の配列ピッチを画素の配列ピッチのN分の1とすることで、上部電極による回折光の強度の極大方向が、画素に配置された光変調素子による回折光の極大方向と異なるようにするため、光変調素子により表示されるべき立体画像への、上部電極による回折光の影響をより低減することができる。
請求項3に記載の発明によれば、上部電極による回折光の発生が抑制されるため、上部電極の回折光による光変調素子により表示される立体画像への影響をなくすことができる。
請求項4に記載の発明によれば、上部電極による入射光の損失が抑制されるため、光の利用効率のよい空間光変調器とすることができる。
請求項5に記載の発明によれば、下部電極による回折光の強度の極大方向が、画素に配置された光変調素子による回折光の極大方向と異なるため、光変調素子により表示されるべき立体画像への、下部電極による回折光の影響を低減することができる。
請求項6に記載の発明によれば、細分化された下部電極の配列ピッチを画素の配列ピッチのN分の1とすることで、下部電極による回折光の強度の極大方向が、画素に配置された光変調素子による回折光の極大方向と異なるようにするため、光変調素子により表示されるべき立体画像への、下部電極による回折光の影響をより低減することができる。
請求項7に記載の発明によれば、下部電極による回折光の発生が抑制されるため、下部電極の回折光による光変調素子により表示される立体画像への影響をなくすことができる。
請求項8に記載の発明によれば、光変調素子としてスピン注入型磁化反転素子を用いるため、高速応答でき、高精細な表示が可能な空間光変調器とすることができる。
請求項9に記載の発明によれば、スピン注入型磁化反転素子の光変調を行う層である磁化自由層の磁化方向が膜面に垂直であるため、画素アレイに垂直に入射した光を、高い変調度で変調することができる。
請求項10に記載の発明によれば、上部電極による回折光の影響が低減された空間光変調器を用いて立体画像を表示するため、表示される立体画像の品質を向上することができる。
本発明の第1実施形態に係る空間光変調器の構成を示す模式図である。 本発明の第1実施形態に係る空間光変調器における画素アレイの構成を示す模式図である。 本発明の第1実施形態に係る空間光変調器を用いた表示装置の構成の一例を示す模式図である。 本発明の第1実施形態に係る空間光変調器を用いた表示装置の構成の他の例を示す模式図である。 本発明の第2実施形態に係る空間光変調器の構成を示す模式図である。 本発明の第2実施形態に係る空間光変調器における画素アレイの構成を示す模式図である。 本発明の第3実施形態に係る空間光変調器の構成を示す模式図である。 本発明の第3実施形態に係る空間光変調器における画素アレイの構成を示す模式図である。 本発明の第4実施形態に係るホログラム表示装置を用いたホログラフィ装置の構成を示す模式図である。 従来の空間光変調器の構成を示す模式図である。 従来の空間光変調器における画素アレイの構成を示す模式図である。
以下、本発明に係る空間光変調器及びホログラム表示装置を実施するための形態について適宜図面を参照して説明する。
<第1実施形態>
[空間光変調器の構成]
まず、第1実施形態に係る空間光変調器の構成について、図1及び図2を参照して説明する。ここで、図1において、画素アレイ40は模式的平面図を表しており、図2は、図1に示す画素アレイ40のA−A線における模式的断面図を表している。
なお、本明細書において画素とは、空間光変調器による偏光方向や強度などの光変調において、独立して光変調を行うことができる最小単位の変調手段を指す。
本発明の第1実施形態に係る空間光変調器1は、図1及び図2に示すように、基板7と、基板7上に2次元アレイ状に配列された画素4(光変調素子5)からなる画素アレイ40と、画素アレイ40から1つ以上の画素4を選択して駆動する電流制御部80を備えている。なお、本明細書における平面(上面)は空間光変調器1の光の入射面であり、空間光変調器1は画素4(画素アレイ40)に上方から入射した光を反射してその光を変調して上方へ出射する反射型の空間光変調器である。
(画素アレイ)
図1に示すように、画素アレイ40は、平面視で縦方向に延伸しストライプ状に配設された複数の上部電極2と、平面視で横方向に延伸しストライプ状に配設され、平面視で延伸方向が上部電極2の延伸方向と直交する複数の下部電極3と、を備え、上部電極2と下部電極3とが交差する領域毎に1つの画素4が配置されている。
また、上部電極2は、端部2aと、画素4が配置された中央部において電極が横方向に2つに細分化された細分化部(上部電極細分化部)2bとから構成されている。細分化部2bは、縦方向に延伸するとともに、横方向に所定の間隔を置いて配列されている。この上部電極2の細分化部2bの配列ピッチLeは、画素4(光変調素子5)の配列ピッチLcの1/2となるように構成されている。すなわち、Le=Lc/2である。
また、図2に示すように、隣り合う光変調素子5同士の間、上部電極2同士の間、及び下部電極3同士の間(細分化部3b同士の間を含む)には、絶縁部材6が充填されている。
また、上部電極2及び下部電極3の間に配置された光変調素子5は、その上部が上部電極2と電気的に接続され、その下部が下部電極3と電気的に接続されている。また、各上部電極2は、上部電極選択部82と接続される配線の一つとそれぞれ接続され、各下部電極3は、下部電極選択部83と接続される配線の一つとそれぞれ接続されている。
なお、本実施形態では画素アレイ40の画素4の数は4×4=16個としたが、これは画素アレイ40の構成を説明するために模式的に示した例であって、更に多数の画素を配列して構成してもよい。また、本実施形態では、上部電極2が縦長に、下部電極3が横長になるように配列したが、延伸方向を入れ替えてもよい。また、延伸方向が互いに直交するものに限定されず、例えば、60°のように、延伸方向の成す角度を0°以外の任意の角度としてもよい。また、本実施形態では、1つの画素4に対して1つの光変調素子5を配置したが、これに限定されず、1つの画素4に対して、複数の光変調素子5を配置するようにしてもよい。
図1に示すように、電流制御部80は、上部電極2及び下部電極3に電流を供給する電源81と、上部電極2を選択する上部電極選択部82と、下部電極3を選択する下部電極選択部83と、上部電極選択部82及び下部電極選択部83を制御する画素選択部84と、を備えている。電流制御部80を構成する各部は、それぞれ公知のものでよく、光変調素子5に光変調動作をさせるために適正な電圧・電流を供給するものとする。
上部電極選択部82は、画素選択部84からの指示信号に従って、上部電極2の1つを選択するための手段である。すなわち、上部電極選択部82は、選択した上部電極2が接続されている配線と、電源81の一方の出力端子とを電気的に接続するスイッチング手段である。また、下部電極選択部83は下部電極3の1つを選択するための手段である。すなわち、下部電極選択部83は、選択した下部電極3が接続されている配線と、電源81の他方の出力端子とを電気的に接続するスイッチング手段である。
そして、上部電極選択部32が選択した上部電極2と、下部電極選択部83が選択した下部電極3との間に電源81が接続されると、選択された上部電極2と下部電極3とに接続された光変調素子5に、電圧が印加され電流が供給される。
なお、上部電極選択部82は、2以上の上部電極2を選択するように構成してもよい。同様に、下部電極選択部83は、2以上の下部電極3を選択するように構成してもよい。
電源81は、上部電極選択部82及び下部電極選択部83を介して、光変調素子5に電圧を印加して電流を供給する電源装置である。本実施形態では、光変調素子5としてスピン注入型磁化反転素子が用いられているため、選択された画素4に配置された光変調素子5を磁化反転させるために適正な電圧・電流を供給するもので、電圧を正負反転可能なパルス電流を供給することができるように構成されている。
上部電極2は、下部電極3と対になって光変調素子5の垂直方向に電流を流す役割を担う。本実施形態の上部電極2は、端部2aと、画素4が配列された画素アレイ40の中心部において、上部電極2の配列方向(図1において横方向)に細分化された細分化部2bとを有している。端部2aの一方は上部電極選択部82からの配線の一つと接続され、一つの上部電極2に属する細分化部2bを介して、上部電極2の延伸方向(図1において縦方向)に配列された1列の光変調素子5の上部と電気的に接続されている。本実施形態では、細分化部2bの配列ピッチLeが、画素4の配列ピッチLcの1/2となるように上部電極2の中央部が細分化されている。なお、同じ上部電極2に属する細分化部2b同士の配列ピッチと、隣接する上部電極2の細分化部2bとの間の配列ピッチとは、同じ配列ピッチLeである。これによって、上部電極2は、格子ピッチd=Le(=Lc/2)の回折格子とみることができる。
また、上部電極2は、素子に電流を流すとともに、磁化自由層53に光を透過させるためにITO(Indium Tin Oxide:インジウム−スズ酸化物)、IZO(Indium Zinc Oxide:インジウム−亜鉛酸化物)、酸化スズ(SnO2)、酸化アンチモン−酸化スズ系(ATO)、酸化亜鉛(ZnO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化インジウム(In23)等の透明電極材料で構成される。これらの透明電極材料は、スパッタリング法、真空蒸着法、塗布法等の公知の方法により成膜され、成形加工することができる。
下部電極3は、上部電極2と対になって光変調素子5の垂直方向に電流を流す役割を担う。下部電極3は下部電極選択部83からの配線の一つと接続され、光変調素子5の下部と電気的に接続されている。
下部電極3は、導電性の良好なCu、Ag等の金属を用いることができる。また、下部電極3は、多層構造としてもよく、例えば、比較的安価で導電性の良好なCuを主層とし、光変調素子5側の部分である上層部に反射率の高いAgを用いて形成するようにしてもよい。下部電極3の上層部を光の反射率の高いAgとすることにより、光変調素子5を透過してくる入射光を効率的に反射し、再度光変調素子5で光変調を受けさせて出射光に加えることができるため、結果的に反射光の総体における光変調度を向上することができる。
下部電極3は、スパッタリング法、メッキ法等の公知の方法により成膜し、フォトリソグラフィ、及びエッチング又はリフトオフ法等により成形加工することができる。
基板7は、例えば表面を熱酸化したSi基板等の公知の基板が適用できる。絶縁部材6は、隣り合う上部電極2同士の間、光変調素子5同士の間、及び下部電極3同士の間に配され、例えば、SiO2やAl23等からなる。
なお、透過型の空間光変調器を構成する場合は、基板7は、ガラス、サファイアなどの透光性の材料を用いて構成することができる。また、下部電極3も、上部電極2と同様に、ITO等の透明導電材料を用いて構成することができる。
(光変調素子)
本実施形態における光変調素子5について、図3を参照して説明する。ここで、図3は、本実施形態に係る空間光変調器1を用いた表示装置の構成を示す模式的断面図であり、画素4毎に一つの光変調素子5を備えている。
図3に示すように、光変調素子5は、磁化固定層51、中間層52、及び磁化自由層53がこの順に積層されて構成されている。光変調素子5は、一対の電極である上部電極2と下部電極3とが上下に接続されて、膜面に垂直に電流を供給される。光変調素子5は、磁化が一方向に固定された磁化固定層51及び磁化の方向が反転可能な磁化自由層53を、非磁性の中間層52を挟んで備えたCPP−GMR(Current Perpendicular to the Plane Giant MagnetoResistance:垂直通電型巨大磁気抵抗効果)素子やTMR(Tunnel MagnetoResistance:トンネル磁気抵抗効果)素子等の構造を有するスピン注入型磁化反転素子である。
本実施形態における光変調素子5は、磁化自由層53の磁化方向に応じて、光変調素子5に入射される直線偏光の旋光角を変化させることで光変調する磁気光学効果を利用した素子である。なお、本実施形態における光変調素子5による光変調の原理についての説明は、後記する空間光変調器の動作の説明とともに行う。
スピン注入型磁化反転素子である光変調素子5は、磁化自由層53における電子と逆方向のスピンを持つ電子を注入することにより、すなわち電流を反対向きに供給することにより、磁化自由層53の磁化方向を反転(スピン注入磁化反転、以下、適宜磁化反転という)させて、磁化固定層51の磁化方向と同じ方向(図3において上向き)又は180°異なる方向(図3において下向き)にすることができる。
具体的には、上部電極2を「+」、下部電極3を「−」にして、磁化自由層53側から磁化固定層51へ電流を供給すると、図3において中央の画素4に設けられた光変調素子5のように、磁化自由層53の磁化は磁化固定層51の磁化方向と同じ方向になる。以下、この状態を光変調素子5の磁化が平行である(P:Parallel)という。
反対に、上部電極2を「−」、下部電極3を「+」にして、磁化固定層51側から磁化自由層53へ電流を供給すると、図3において両端の画素4に設けられた光変調素子5のように、磁化自由層53の磁化は磁化固定層51の磁化方向と逆方向になる。以下、この状態を光変調素子5の磁化が反平行である(AP:Anti-Parallel)という。なお、光変調素子5に供給する電流の大きさは反転電流以上とする必要があるが、より小さいことが好ましく、電流密度で1×105〜2×107A/cm2であることが好ましい。
光変調素子5が、平行又は反平行の何れかの磁化を示していれば、その磁化を反転させる電流が供給されるまでは、磁化自由層53の保磁力Hcfにより磁化が保持される。このように、光変調素子5において磁化は保持されるため、光変調素子5に供給する電流としては、パルス電流のように、磁化方向を反転させる電流値に一時的に到達する電流を用いることができる。但し、磁化自由層53の保磁力Hcfが大きくなって磁化固定層51の保磁力Hcpに近付くと、磁化反転に要する電流(磁化反転電流)が大きくなり、更に磁化固定層51の保磁力Hcp以上になると、電流供給による磁化反転動作ができなくなる。そのため、保磁力Hcf,HcpがHcf<Hcpとなるように、好ましくはその差が500Oe以上となるように、磁化固定層51及び磁化自由層53の磁性材料や膜厚を構成する。
磁化固定層51は磁化方向が一方向に固定された膜であって、電流中の電子のスピンを弁別する機能を有する。磁化固定層51は磁化自由層53と同方向の磁気異方性を有することが望ましく、磁化自由層53に垂直磁気異方性を有する磁性膜を用いた場合は、磁化固定層51も垂直磁気異方性を有する磁性膜を用いる。
磁化固定層51は、垂直磁気異方性を有するCPP−GMR素子やTMR素子等の磁化固定層として公知の磁性材料にて構成することができ、その厚さは8〜30nmとすることが好ましい。具体的にはFe,Co,Niのような遷移金属およびそれらを含む合金、例えばTbFe系、TbFeCo系、CoCr系、CoPt系、CoPd系、FePt系の合金が挙げられる。膜厚が10〜30nmのTbFeCo合金膜が、より好ましい。この合金膜に含まれるTbによって磁化固定層51の保持力を大きくすることができるため、磁化固定層51は、その磁化方向が外部磁場によって容易に変わらないようにすることができる。
また、磁化固定層51は、これらの遷移金属の膜と非磁性金属の膜とを交互に積層した多層膜で構成してもよく、Co/Pt,Fe/Pt,Co/Pd等の多層膜が挙げられる。これらの材料で構成することで、強い垂直磁気異方性を有し、また大きな保磁力を有する磁化固定層51とすることができる。
中間層52は、磁化固定層51と磁化自由層53との間に設けられ、磁化自由層53と磁化固定層51とを磁気的に分離するとともに、スピン偏極した電流を流す非磁性層である。光変調素子5がCPP−GMR素子を構成する場合は、中間層52は、Cu,Auのような非磁性金属を用いることができ、その膜厚は3〜20nm程度であり、より好ましくは6〜20nmとすることができる。また、光変調素子5がTMR素子を構成する場合は、中間層52は、Al、MgO、SiO,HfO2のような非磁性の絶縁体や、Mg/MgO/Mgのような非磁性の絶縁体を含む積層膜からなり、その膜厚は0.5〜3nm程度とすることができる。
磁化自由層53は、スピン注入によって磁化方向が反転される層である。磁化自由層53はスピン注入によって容易に磁化方向が反転されるとともに、磁気光学効果の大きいことが望ましい。磁気光学効果を大きくするためには垂直磁気異方性を有する磁性膜を用いることが望ましく、好ましくは、GdFe系の合金膜を用いることができる。また、GdFe系の合金の他にも、GdFeCo系の合金、CoPt系の合金、CoPd系の合金、MnBi合金、MnSb合金、PtMnSb系の合金等を用いることができる。また、Co/PtやCo/Pdなどの多層膜を用いることができる。
また、磁化固定層51、中間層52及び磁化自由層53の各層間又は上部電極2、下部電極3との界面に、適宜に機能層を設けるようにしてもよい。例えば、微細加工プロセス中に磁化自由層53が受けるダメージを防ぐために、上部電極2及び下部電極3と界面に、Ta又はRuを含む保護層を設けてもよい。
光変調素子5を構成する各層は、例えばスパッタリング法や分子線エピタキシー(MBE)法等の公知の方法で連続的に成膜することで積層し、電子線リソグラフィ及びイオンビームミリング法等で所望の平面視形状に加工することができる。光変調素子5の平面視形状は限定されないが、一辺が100〜500nm程度の矩形又はこれに相当する大きさの形状であれば、磁化固定層51および磁化自由層53がそれぞれ単磁区を形成し易く好ましい。
なお、本発明の空間光変調器に適用できる光変調素子は、スピン注入型磁化反転素子に限定されるものではないが、スピン注入型磁化反転素子は、素子に注入する電流を制御して入射光の偏光軸を変えることで光を変調させる方式であるために、高速応答及び高精細化が可能であり、例えば、高精細な動画像ホログラムの表示用の光変調素子として好適である。
[空間光変調器の動作]
次に、図3を参照して、空間光変調器1の動作について、この空間光変調器1を備えた表示装置10の動作として説明する。
動作について説明する前に、図3に示した表示装置10の構成について説明する。図3に示した表示装置10は、空間光変調器1と、光源91と、偏光フィルタPF1と、偏光フィルタPF2とを備えて構成されている。
空間光変調器1の上部電極2及び下部電極3は、電流制御部80に接続されている。また、空間光変調器1の画素アレイ40の上方に、画素アレイ40の上面に向けて光を照射する光源91と、光源91から照射された光を画素アレイ40に入射する前に直線偏光に変換する偏光フィルタPF1と、画素アレイ40で偏光軸の回転角が変調された反射光である出射偏光から、偏光軸が特定の向きの出射偏光を遮断する偏光フィルタPF2と、が配置されている。光源91は、例えば、レーザー光源と、これに光学的に接続されてレーザー光を拡大するビーム拡大器と、拡大されたレーザー光を平行光とするレンズとで構成される(図9参照)。
次に、表示装置10の動作について説明する。
まず、光源91から照射されたレーザー光は様々な偏光成分を含んだ無偏光の入射光であるので、これを画素アレイ40の手前の偏光フィルタPF1を透過させて、1つの偏光成分の光である直線偏光に変換する。この直線偏光(入射偏光)は、画素アレイ40のすべての画素4に所定の入射角で入射される。
それぞれの画素4において、入射偏光は、上部電極2を透過して光変調素子5に入射し、光変調素子5の磁化自由層53で反射して出射偏光として出射し、再び上部電極2を透過して画素4から出射する。
ここで、光変調素子5に、入射偏光が磁性体である磁化自由層53で反射して出射する際に、磁気光学効果である磁気カー効果により、入射偏光はその偏光軸の向きが変化(旋光)する。そして、図3の中央の画素4及び両端の画素4,4にそれぞれ示すように、磁化が平行及び反平行な状態の光変調素子5にそれぞれ入射した入射偏光は、磁化自由層53の磁化方向が互いに180°異なるため、同じ大きさの旋光角、すなわち磁化自由層53によるカー回転角+θk、−θk(以下、「θk」は向きを示さず大きさのみを示す。)で互いに逆方向に偏光軸を回転した出射偏光として出射される。
このように、光変調素子5は、光変調素子5から出射される出射偏光の偏光方向(偏光軸の向き)を、光変調素子5に供給される電流の向きに応じて変化(変調)させるものである。
そして、出射偏光は、出射側に配置された偏光フィルタPF2により、当該画素4の明/暗が弁別される。本実施形態では、磁化が平行な光変調素子5により偏光軸が回転された出射偏光を遮断するように、偏光フィルタPF2が配置されている。これにより、図3の中央の画素4のように、磁化が平行な状態の光変調素子5により変調された出射偏光は遮断され、「暗(黒)」画素として表示される。
一方、図3の両端の画素4,4のように、磁化が反平行な状態の光変調素子5により変調された出射偏光は、磁化が平行な状態の光変調素子5により変調された出射偏光との、偏光軸の旋光角の差である2θkの分に相当する、偏光フィルタPF2の透過軸に平行な偏光成分が偏光フィルタPF2を透過し、「明(白)」画素として表示される。
このように、画素4毎に、供給される電流の向きを切り換えることで明/暗が切り換わる。すなわち、表示装置10は、偏光の向きを空間的に(画素毎に)変調する空間光変調器1と、偏光フィルタPF1及び偏光フィルタPF2とを組み合わせることで、光の強度(明暗)を空間的に変調する空間光変調器として機能する。
なお、空間光変調器1の初期状態としては、例えば全体が白く表示されるように、すべての画素4の光変調素子5の磁化を反平行にするべく、上部電極2のすべてを「−」、下部電極3のすべてを「+」にして、上向きの電流を供給すればよい。
また、偏光フィルタPF2は、磁化が反平行の状態の光変調素子5により変調された光を遮断するように配置してもよい。この場合は、磁化が反平行の場合に「暗」画素が表示され、磁化が平行な場合に「明」画素が表示される。
また、磁気光学効果の大きさは、入射光の波数ベクトルと磁性体の磁化ベクトルとのスカラー積に比例する。すなわち磁化自由層53によるカー回転角θkは、光の入射角が磁化自由層53の磁化方向に平行に近いほど大きくなる。磁化自由層53は垂直磁気異方性、すなわち膜面に垂直な方向の磁化を有する場合は、膜面に垂直に(入射角0°で)光を入射することが最も好ましく、極カー効果により、大きなカー回転角θkを得ることができる。
ここで、磁化自由層53のカー回転角θkは、前記したように光の入射方向が磁化自由層53の磁化方向に近いほど大きい。従って、入射方向は膜面に垂直に、すなわち入射角を0°とすることが旋光角の差を最大にする上で望ましいが、このようにすると出射偏光の光路が入射偏光の光路と一致する。同一光路上に、光源91及び偏光フィルタPF1と、偏光フィルタPF2とを配置することはできないため、図3に示した例では、入射角が少し傾斜するように光源91及び入射側の偏光フィルタPF1を配置し、この入射角に対応するように出射側の偏光フィルタPFを配置している。具体的には、入射偏光の入射角は5°〜30°とすることが好ましい。また、入射角0°として、偏光フィルタPF1と画素アレイ40との間にハーフミラーを配置して、出射偏光のみを側方へ反射させてもよい。この場合、偏光フィルタPF2は画素アレイ40の側方に配置する。
なお、図3に示した表示装置10は、反射光として空間光変調器1の画素アレイ40による正反射光を利用した通常の2次元の画像表示装置として用いることができる。また、表示装置10は、反射光として空間光変調器1の画素アレイ40による回折光を利用したホログラム表示装置として用いることもできる。
[電極による回折光の影響]
次に、図2を参照(適宜図1参照)して、本実施形態において、上部電極2による回折光の影響が低減される原理について説明する。
図2に示すように、空間光変調器1の画素アレイ40の上面(光の入射面)の法線と、入射光L1とがなす角度(入射角)をαとする。また、この法線と光変調素子5による回折光とがなす角度(回折角)をβとし、この法線と上部電極2による回折光とがなす角度(回折角)をβとする。また、画素4の配列ピッチをLc、上部電極2の細分化部2bの配列ピッチをLeとする。但し、入射光L1は、上部電極2の延伸方向に垂直な方向から入射するものとする。
一般にストライプ状の回折格子による回折においては、回折格子の格子ピッチをd、入射角をα、回折光の強度が極大となる方向をβ、入射光の波長をλとすると、式(1)の関係がある。
dsinα−dsinβ=mλ …式(1)
但し、mは回折次数を示し、0、±1、±2、…、である。
式(1)において、左辺は、互いに隣接する格子に入射する光の光路差である。この光路差が波長λの整数倍となる方向βにおいて、回折光が極大となる。
以下、説明の便宜上、回折光の強度が極大となる方向が、法線となす角度を、単に「回折角」という。
ここで、式(1)を変形して、回折角βについての式(2)が得られる。
β=sin−1(sinα−m・(λ/d)) …式(2)
但し、mは、式(1)と同様である。
式(2)において、m=0(0次回折光)は、β=αの場合、すなわち、正反射する方向と一致する。図2に示した例では、+m次回折光は、0次回折光の方向に対して、次数が高くなるほど回折角βが小さくなり、格子ピッチdが小さくなるほど回折角βが小さくなる。また、−m次回折光は、0次回折光の方向に対して、次数が高くなるほど回折角βが大きくなり、格子ピッチdが小さくなるほど回折角βが大きくなる。
また、次数が高くなるほど回折光の強度が低くなるため、ホログラム表示において、通常は1次回折光が利用される。ここでは、−1次回折光を利用した場合について説明する。
図11に示した従来の空間光変調器の画素アレイ140においては、画素104の配列ピッチLcと、上部電極102の配列ピッチLeとが等しいため、入射光L1の、画素104による回折光L2と、上部電極102による回折光L3との強度が極大となる方向である回折角βが等しくなる。このため、画素104による回折光L2によってホログラムが表示される領域R1と、上部電極102による回折光L3の影響を受ける領域R2とが重なることになる。
ホログラム表示装置においては、空間光変調器1の画素アレイ40に描画されたパターンによる回折光を利用して立体画像を表示するものである。このため、上部電極2による回折光と、画素4(光変調素子5)による回折光とが、なるべく離れた方向で極大となることが好ましい。
そこで、本実施形態では、図1及び図2に示すように、画素4が配列された画素アレイ40の中心部において、上部電極2を細分化し、細分化部2bの配列ピッチLeが画素4の配列ピッチLcの1/2となるようにする。すなわち、回折格子としての上部電極2の格子ピッチdが小さくなる。このため、図2に示すように、配列ピッチLcの画素4による回折光L2の回折角βに対して、上部電極2の細分化部2bによる回折光L3の回折角βが大きくなり、画素4による回折光L2によって立体画像が表示される領域R1と、上部電極2の細分化部2bによる回折光L3の影響を受ける領域R2とを離すことができる。
これによって、上部電極2による回折光L3の、表示画像に対する影響を低減することができる。
なお、図1及び図2に示した画素アレイ40に配列された画素4は、1列当たり4画素であるが、実際には更に多数の、例えば、数十から数千個程度の画素が配列されるものである。また、回折角β、β及び領域R1、R2は、本発明の原理を説明するために模式的に示したものであり、実例を示したものではない。
また、空間光変調器1の変形例として、図3に示した空間光変調器1の基板7側から光を入射する反射型の空間光変調器としてもよい。すなわち、下部電極3を透明電極材料で、上部電極2を電極用金属材料でそれぞれ構成して、下方から入射した光が下部電極3を透過して光変調素子5又は上部電極2で反射して、再び下部電極3を透過して出射する。この場合、上部電極2に代えて、下部電極3の中央部の配列ピッチLe(図1及び図2参照)が画素4の配列ピッチよりも小さくなるように細分化して構成する。また、この変形例では、光変調素子5は磁化固定層51と磁化自由層53の位置を入れ替えて積層する。更に、基板7は、下方から画素4に光を入射させて、再び画素4から出射した光が、更に下方へ照射されるように、透明な基板材料、例えば、SiO2、Al23、MgO等を用いて構成することができる。
<透過型の変形例>
また、図1及び図2に示した第1実施形態に係る空間光変調器1において、基板7及び下部電極3を、透明な材料を用いて構成し、光変調素子5を、光が透過できる膜厚で構成することにより、空間光変調器1の上面側から入射した光を変調して下面側に出射する透過型の空間光変調器とすることもできる。
図4を参照して、透過型の空間光変調器1Aを用いた表示装置10Aについて説明する。
図4に示すように、表示装置10Aは、透過型の空間光変調器1Aと、光源91と、偏光フィルタPF1と、偏光フィルタPF2とを備えて構成されている。光源91は、画素アレイ40Aの上面側に配置され、光源91と画素アレイ40Aとの間に、入射側の偏光フィルタPF1が配置されている。また、画素アレイ40Aの下面側には、出射側の偏光フィルタPF2が配置されている。
なお、本変形例に係る空間光変調器1Aは、基板7A及び下部電極3Aが透明な材料を用いて構成され、光変調素子5が、光が透過できる膜厚で構成されていること以外は、第1実施形態に係る空間光変調器1と同様であるから、詳細な説明は適宜省略する。
光源91からの入射光は、偏光フィルタPF1によって直線偏光に変換された入射偏光が、画素アレイ40Aの上面から垂直に入射される。画素アレイ40Aの各画素4Aに入射した入射偏光は、対応する光変調素子5の磁化の状態、すなわち平行か反平行かに応じて旋光(偏光軸が回転)され、画素アレイ40Aの下面側から出射される。なお、透過型の空間光変調器1Aにおいては、入射偏光は、磁気光学効果であるファラデー効果によって旋光される。図4において中央に配置された画素4Aのように、光変調素子5の磁化が平行(P)な状態のときに、磁化自由層53による旋光角であるファラデー回転角を+θfとすると、図4において両端に配置された画素4Aのように、光変調素子5の磁化が反平行(AP)な状態のときに、磁化自由層53によるファラデー回転角は−θfとなる。
図4に示した例では、出射側の偏光フィルタPF2は、磁化が平行な状態の光変調素子5によって変調された出射偏光を完全に遮断するように透過軸が設定されている。このため、中央の画素4Aは、暗(黒)画素として表示される。一方、磁化が反平行な状態の光変調素子5によって変調された出射偏光は、磁化が平行な状態の光変調素子5によって変調された出射偏光に対して、偏光軸が2θfだけ回転した偏光である。従って、この回転角に相当する、偏光フィルタPF2の透過軸に平行な偏光成分が、偏光フィルタPF2を透過する。このため、両端の画素4Aは、明(白)画素として表示される。
なお、本変形例における上部電極2Aは、透過型の回折格子として機能するが、図1及び図2に示した第1実施形態における上部電極2と同様に、画素4Aが配列された上部電極2Aの中央部を、画素4Aの配列ピッチLcよりも小さい配列ピッチLe(=Lc/2)で配置された細分化部(上部電極細分化部)2Abで構成している。このため、本変形例に係る空間光変調器1Aにおいて、図2に示した反射型の空間光変調器1と同様に、光変調素子5による回折光の強度が極大となる方向と、上部電極2Aによる回折光の強度が極大となる方向とを離れるようにすることができる。従って、空間光変調器1Aをホログラム表示に用いた場合に、上部電極2Aによる表示画像への影響を低減することができる。
また、光変調素子5は磁化固定層51と磁化自由層53の位置を入れ替えて積層してもよい。このような空間光変調器1Aを用いた表示装置10Aにおいては、光源91及び偏光フィルタPF1を画素アレイ40Aの直上に配置し、偏光フィルタPF2を画素アレイ40Aの直下に配置し、入射角0°とすることができる。また、空間光変調器1Aは、画素アレイ40Aの上下を反転させて、基板7A側から光を入射するように表示装置10Aに配置されてもよい。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る空間光変調器について説明する。
[空間光変調器の構成]
まず、第2実施形態に係る空間光変調器の構成について、図5及び図6を参照して説明する。ここで、図5において、画素アレイ40Bは模式的平面図を表しており、図6は、図5に示す画素アレイ40BのA−A線における模式的断面図を表している。
本発明の第2実施形態に係る空間光変調器1Bは、図5及び図6に示すように、基板7と、基板7上に2次元アレイ状に配列された画素4B(光変調素子5)からなる画素アレイ40Bと、画素アレイ40Bから1つ以上の画素4Bを選択して駆動する電流制御部80を備える。なお、本実施形態に係る空間光変調器1Bは画素4B(画素アレイ40B)に上方から入射した光を反射してその光を変調して上方へ出射する反射型の空間光変調器である。
第2実施形態に係る空間光変調器1Bは、図1及び図2に示した第1実施形態に係る空間光変調器1において、画素アレイ40に代えて、画素アレイ40Bを備えることが異なる。更に、第2実施形態における画素アレイ40Bは、第1実施形態における画素アレイ40において、上部電極2に代えて、上部電極2Bを備えることが異なる。すなわち、第2実施形態に係る空間光変調器1Bは、上部電極2Bの構成以外は、第1実施形態に係る空間光変調器1と同様であるから、同様の構成については、同じ符号を付して、説明は適宜省略する。
(画素アレイ)
図5に示すように、画素アレイ40Bは、平面視で縦方向に延伸しストライプ状に配設された複数の上部電極2Bと、平面視で横方向に延伸しストライプ状に配設され、平面視で延伸方向が上部電極2の延伸方向と直交する複数の下部電極3と、を備え、上部電極2Bと下部電極3とが交差する領域毎に1つの画素4Bが配置されている。
また、上部電極2Bは、端部2Baと、画素4Bが配列された中央部において電極が横方向に4つに細分化された細分化部(上部電極細分化部)2Bbと、隣接する上部電極2B間に設けられた補間部2Bcと、から構成されている。細分化部2Bb及び補間部2Bcは、縦方向に延伸するとともに、横方向に所定の間隔を置いて配列されている。この上部電極2Bの細分化部2Bb及び補間部2Bcからなる細分化電極の配列ピッチLeは、画素4B(光変調素子5)の配列ピッチLcの1/5となるように構成されている。すなわち、Le=Lc/5である。
また、図6に示すように、隣り合う光変調素子5同士の間、上部電極2B同士の間(細分化部2Bb同士の間、及び細分化部2Bbと補間部2Bcとの間を含む)、及び下部電極3同士の間には、絶縁部材6が充填されている。
なお、本実施形態では、上部電極2Bの細分化部2Bb及び補間部2Bcからなる細分化電極の配列ピッチLeを、画素4Bの配列ピッチLcの1/5としたが、これに限定されるものではない。一般的に、細分化電極の配列ピッチLeを、画素4Bの配列ピッチLcの1/N(Nは2以上の整数)とすることができる。更にまた、配列ピッチLeは、配列ピッチLcより小さければよく、配列ピッチLcの2.5分の1のように、非整数分の1としてもよい。
上部電極2Bは、下部電極3と対になって光変調素子5の垂直方向に電流を流す役割を担う。本実施形態の上部電極2Bは、端部2Baと、画素4Bが配列された画素アレイ40Bの中心部において、上部電極2Bの配列方向(図5において横方向)に細分化された細分化部2Bbと、隣接する上部電極2Bとの間に設けられた補間部2Bcと、を有している。端部2Baの一方は上部電極選択部82からの配線の一つと接続され、一つの上部電極2Bに属する細分化部2Bbを介して、上部電極2Bの延伸方向に配列された1列の光変調素子5の下部と電気的に接続されている。また、補間部2Bcは、端部2Baと接続されず、電気的にフロート状態である。
本実施形態では、細分化部2Bbの配列ピッチLeが、画素4Bの配列ピッチLcの1/5となるように上部電極2の中央部が細分化されている。なお、細分化部2Bb及び補間部2Bcは、少なくとも画素4Bが配列された中央部においては、平面視で同形状に形成されており、細分化部2Bb及び補間部2Bcが、一定の配列ピッチLeで配置されている。これによって、上部電極2Bは、格子ピッチd=Le(=Lc/5)の回折格子とみることができる。
なお、補間部2Bcは、上部電極2Bを、画素4Bの配列ピッチLcの1/Nになるように細分化する際に、隣接する細分化部2Bb同士の間隔が、隣接する上部電極2B同士の間隔よりも広い場合に、上部電極2B間に設けられ、細分化部2Bb及び補間部2Bcからなる細分化電極が一定間隔に配置されてなる回折格子を構成るように補間するものである。従って、本来の上部電極2Bを画素4Bの配列ピッチLcの1/Nに細分化する際に、隣接する細分化部2Bb同士の間隔と、隣接する上部電極2B同士の間隔を同じにできる場合は、補間部2Bcを設ける必要はない。また、隣接する上部電極2Bの間隔と、細分化部2Bbの配列ピッチLeとに応じて、上部電極2B間毎に2個以上の補間部2Bcを配置するようにしてもよい。また、補間部2Bcを、端部2Baと電気的に接続するようにしてもよい。
他の構成は、第1実施形態に係る空間光変調器1と同様であるから、詳細な説明は省略する。
[空間光変調器の動作]
第2実施形態に係る空間光変調器1Bは、上部電極2Bの細分化部2Bbの配列ピッチが、第1実施形態に係る空間光変調器1の細分化部2bの配列ピッチより小さい。このため、上部電極2Bによる回折光の強度が極大となる方向と、光変調素子5による回折光の強度が極大となる方向とが、第1実施形態に係る空間光変調器1の場合に比較して、より分離されること以外は、第1実施形態に係る空間光変調器1と同様に動作する。従って、説明は省略する。
[電極による回折光の影響]
次に、図6を参照(適宜図5参照)して、本実施形態において、上部電極2Bによる回折光の影響が低減される原理について説明する。
図6に示すように、空間光変調器1Bの画素アレイ40Bの上面(光の入射面)の法線と、入射光L1とがなす角度(入射角)をαとする。また、この法線と光変調素子5による回折光とがなす角度(回折角)をβとし、この法線と上部電極2Bによる回折光とがなす角度(回折角)をβとする。また、画素4Bの配列ピッチをLc、上部電極2Bの細分化部2Bb及び補間部2Bcからなる細分化電極の配列ピッチをLeとする。但し、入射光L1は、上部電極2Bの延伸方向に垂直な方向から入射するものとする。
本実施形態における画素4Bの配列ピッチLcが、図1及び図2に示した第1実施形態に係る空間光変調器1おける画素アレイ40の画素4の配列ピッチLcと等しい場合は、上部電極2Bの細分化部2Bb及び補間部2Bcの配列ピッチLeが、第1実施形態における細分化部2bの配列ピッチLeよりも小さく形成されている。このため、式(2)における格子ピッチdが更に小さくなるため、本実施形態における上部電極2Bによる回折光L3の回折角βは、図2に示した第1実施形態における上部電極2による回折光L3の回折角βよりも、大きくなる。
このため、図6に示すように、画素4Bの光変調素子5による回折光L2によって立体画像が表示される領域R1と、上部電極2Bの細分化部2Bb及び補間部2Bcによる回折光L3の影響を受ける領域R2とを、更に離すことができる。
これによって、上部電極2Bによる回折光L3の、表示画像に対する影響を更に低減することができる。
なお、図6に示した回折角β、β及び領域R1、R2は、本発明の原理を説明するために模式的に示したものであり、実例を示したものではない。
また、図5及び図6に示した第2実施形態に係る空間光変調器1Bについて、前記した第1実施形態の空間光変調器1の変形例と同様に、空間光変調器1Bの基板7側から光を入射する反射型の空間光変調器としてもよい。すなわち、下部電極3を透明電極材料で、上部電極2Bを電極用金属材料でそれぞれ構成して、下方から入射した光が下部電極3を透過して光変調素子5又は上部電極2Bで反射して、再び下部電極3を透過して出射する。この場合、上部電極2Bの細分化に代えて、下部電極3の中央部の配列ピッチLeが画素4Bの配列ピッチよりも小さくなるように細分化して構成する。
更にまた、図4に示した第1実施形態の変形例の空間光変調器1Aと同様に、本実施形態の空間光変調器1Bにおいて、基板7及び下部電極3を、透光性材料を用いて構成し、光変調素子5を、光が透過できる膜厚で構成することにより、空間光変調器1Bの上面側から入射した光を変調して下面側に出射する透過型の空間光変調器とすることもできる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る空間光変調器について説明する。
[空間光変調器の構成]
まず、第3実施形態に係る空間光変調器の構成について、図7及び図8を参照して説明する。ここで、図7において、画素アレイ40Cは模式的平面図を表しており、図8は、図7に示す画素アレイ40Cを、斜め上方から見た模式的斜視図である。
本発明の第3実施形態に係る空間光変調器1Cは、図7及び図8に示すように、基板7と、基板7上に2次元アレイ状に配列された画素4C(光変調素子5)からなる画素アレイ40Cと、画素アレイ40Cから1つ以上の画素4Cを選択して駆動する電流制御部80を備える。なお、本実施形態に係る空間光変調器1Cは画素4C(画素アレイ40C)に上方から入射した光を反射してその光を変調して上方へ出射する反射型の空間光変調器である。
第3実施形態に係る空間光変調器1Cは、図5及び図6に示した第2実施形態に係る空間光変調器1Bにおいて、画素アレイ40Bに代えて、画素アレイ40Cを備えることが異なる。更に、第3実施形態における画素アレイ40Cは、第2実施形態における画素アレイ40Bにおいて、下部電極3に代えて、下部電極3Cを備えることが異なる。すなわち、第3実施形態に係る空間光変調器1Cは、下部電極3Cの構成以外は、第2実施形態に係る空間光変調器1と同様であるから、同様の構成については、同じ符号を付して、説明は適宜省略する。
なお、第3実施形態に係る空間光変調器1Cは、上部電極2Bの細分化に加えて、下部電極3Cも細分化するものである。
(画素アレイ)
図7に示すように、画素アレイ40Cは、平面視で縦方向に延伸しストライプ状に配設された複数の上部電極2Bと、平面視で横方向に延伸しストライプ状に配設され、平面視で延伸方向が上部電極2の延伸方向と直交する複数の下部電極3Cと、を備え、上部電極2Bと下部電極3Cとが交差する領域毎に1つの画素4Cが配置されている。
上部電極2Bは、第2実施形態における上部電極2Bと同じ構成であるため、説明は省略する。
なお、本実施形態では、図7に示すように、上部電極2Bの細分化部2Bbの配列ピッチをLe、画素4Cの同方向(横方向)の配列ピッチLcとしている。
また、下部電極3Cは、上部電極2Bと同様に、画素4Cが配列された中央部において電極が細分化されている。すなわち、下部電極3Cは、端部3Caと、画素4Cが配列された中央部において電極が縦方向に4つに細分化された細分化部(下部電極細分化部)3Cbと、隣接する下部電極3C間に設けられた補間部3Ccと、から構成されている。細分化部3Cb及び補間部3Ccは、横方向に延伸するとともに、縦方向に所定の間隔を置いて配列されている。この下部電極3Cの細分化部3Cb及び補間部3Ccからなる細分化電極の配列ピッチLeは、画素4C(光変調素子5)の配列ピッチLcの1/5となるように構成されている。すなわち、Le=Lc/5である。
また、隣り合う光変調素子5同士の間、上部電極2B同士の間(細分化部2Bb同士の間、及び細分化部2Bbと補間部2Bcとの間を含む)、及び下部電極3同士の間(細分化部3Cb同士の間、及び細分化部3Cbと補間部3Ccとの間を含む)には、絶縁部材6が充填されている。
なお、本実施形態では、下部電極3Cの細分化部3Cb及び補間部3Ccからなる細分化電極の配列ピッチLeを、画素4Cの配列ピッチLcの1/5としたが、これに限定されるものではない。一般的に、細分化電極の配列ピッチLeを、画素4Cの配列ピッチLcの1/N(Nは2以上の整数)とすることができる。更にまた、配列ピッチLeは、配列ピッチLcより小さければよく、配列ピッチLcの2.5分の1のように、非整数分の1としてもよい。
また、上部電極2Bの細分化部2Bbの配列ピッチLeと、下部電極3Cの細分化部3Cbの配列ピッチLeとは、同じにするものに限定されるものではない。細分化部2Bb及び細分化部3Cbは、それぞれが対応する方向の画素4Cの配列ピッチLc及び配列ピッチLcより小さくすればよく、細分化部2Bb及び細分化部3Cbとで、独立に配列ピッチLc及び配列ピッチLcを設定するようにしてもよい。
下部電極3Cは、上部電極2Bと対になって光変調素子5の垂直方向に電流を流す役割を担う。本実施形態の下部電極3Cは、端部3Caと、画素4Cが配列された画素アレイ40Cの中心部において、下部電極3Cの配列方向に細分化された細分化部3Cbと、隣接する下部電極3Cとの間に設けられた補間部3Ccと、を有している。端部3Caの一方は下部電極選択部83からの配線の一つと接続され、一つの下部電極3Cに属する細分化部3Cbを介して、下部電極3Cの延伸方向に配列された1列の光変調素子5の下部と電気的に接続されている。また、補間部3Ccは、端部3Caと接続されず、電気的にフロート状態である。
また、図8に示すように、本実施形態においては、各下部電極3Cの端部3Caは、底部3Cdと一体に形成されており、端部3Ca及び底部3Cdは、中央部の上面が凹んだ段差部を有する棒状の基部を構成している。そして、この段差部に細分化部3Cbが設けられている。すなわち、本実施形態における下部電極3Cは、画素4Cが配列された画素アレイ40Cの中心部において、溝を設けることにより細分化された細分化部3Cbが形成された構成となっている。
なお、図8においては、絶縁部材6及び基板7の図示を省略している。
本実施形態では、細分化部3Cbの配列ピッチLeが、画素4Cの同方向の配列ピッチLcの1/5となるように下部電極3Cの中央部が細分化されている。なお、細分化部3Cb及び補間部3Ccは、少なくとも画素4Cが配列された中央部においては、平面視で同形状に形成されており、細分化部3Cb及び補間部3Ccが、一定の配列ピッチLeで配置されている。これによって、下部電極3Cは、格子ピッチd=Le(=Lc/5)の回折格子とみることができる。
なお、補間部3Ccは、下部電極3Cを、画素4Cの配列ピッチLcの1/Nになるように細分化する際に、隣接する細分化部3Cb同士の間隔が、隣接する下部電極3C同士の間隔よりも広い場合に、下部電極3C間に設けられ、細分化部3Cb及び補間部3Ccからなる細分化電極が一定間隔に配置されてなる回折格子を構成るように補間するものである。従って、本来の下部電極3Cを画素4Cの配列ピッチLcの1/Nに細分化する際に、隣接する細分化部3Cb同士の間隔と、隣接する下部電極3C同士の間隔を同じにできる場合は、補間部3Ccを設ける必要はない。また、隣接する下部電極3Cの間隔と、細分化部3Cbの配列ピッチLeとに応じて、下部電極3C間毎に2個以上の補間部3Ccを配置するようにしてもよい。また、補間部3Ccを、端部3Ca及び底部3Cdと電気的に接続するようにしてもよい。
[空間光変調器の動作]
第3実施形態に係る空間光変調器1Cは、下部電極3Cが細分化されていることが、第2実施形態に係る空間光変調器1Bと異なる。このため、第2実施形態に係る空間光変調器1Bにおいては、下部電極3による回折光の強度が極大となる方向と、光変調素子5による回折光の強度が極大となる方向とが同じになるのに対して、第3実施形態に係る空間光変調器1Cにおいては、下部電極3Cによる回折光の強度が極大となる方向と、光変調素子5による回折光の強度が極大となる方向とが異なる。
それ以外は、第3実施形態に係る空間光変調器1Cは、第2実施形態に係る空間光変調器1Bと同様に動作するから、詳細な説明は省略する。
[電極による回折光の影響]
次に、図8を参照(適宜図7参照)して、本実施形態において、上部電極2B及び下部電極3Cによる回折光の影響が低減される様子について説明する。
図8に示すように、空間光変調器1Cの画素アレイ40Cの上面(光の入射面)に、左後方から入射光L1が入射角αで入射されるとする。このとき、光変調素子5による回折光L2の回折角をβとし、ホログラム表示を行う場合に、立体画像が表示される領域をR1とする。また、上部電極2Bによる回折光L3の回折角をβとし、上部電極2Bによる回折光L3が影響を及ぼす領域をR2とする。また、下部電極3Cによる回折光L4の回折角をβとし、下部電極3Cによる回折光L4が影響を及ぼす領域をR3とする。
−1次回折光について考えると、図6に示した第2実施形態の場合と同様に、配列ピッチLe=Lc/5であるから、回折角β<βとなる。
同様に、下部電極3Cによる回折光L4についても、配列ピッチLe=Lc/5であるから、回折角β<βとなる。
従って、立体画像が表示される領域R1と、上部電極2Bの回折光L3の影響を受ける領域R2とは分離される。また、領域R1と下部電極3Cの回折光L4の影響を受ける領域R3とは分離される。
これによって、上部電極2B及び下部電極3Cによる回折光L3、L4の、表示画像に対する影響を低減することができる。
なお、図8に示した回折角β、β、β及び領域R1、R2、R3は、本発明の原理を説明するために模式的に示したものであり、実例を示したものではない。
また、図7及び図8に示した第3実施形態に係る空間光変調器1Cについて、前記した第1実施形態の空間光変調器1の変形例と同様に、空間光変調器1Cの基板7側から光を入射する反射型の空間光変調器としてもよい。すなわち、下部電極3Cを透明電極材料で、上部電極2Bを電極用金属材料でそれぞれ構成して、下方から入射した光が下部電極3Cを透過して光変調素子5又は上部電極2Bで反射して、再び下部電極3Cを透過して出射する。
更にまた、図4に示した第1実施形態の変形例の空間光変調器1Aと同様に、本実施形態の空間光変調器1Cにおいて、基板7及び下部電極3Cを、透光性材料を用いて構成し、光変調素子5を、光が透過できる膜厚で構成することにより、空間光変調器1Cの上面側から入射した光を変調して下面側に出射する透過型の空間光変調器とすることもできる。
<他の変形例>
図1及び図2に示した第1実施形態、図5及び図6に示した第2実施形態、図7及び図8に示した第3実施形態、又はこれらの変形例において、上部電極2、2A、2B(以下、上部電極2等という。基板7側から光を入射する反射型の空間光変調器の場合は、下部電極3に置き換える)の中央部の細分化部2b、2Ab、2Bb(以下、細分化部2b等という)の配列ピッチLeを、入射される光の波長λの0.6倍以下とすることが好ましい。また、第3実施形態における下部電極3Cの細分化部3Cbの配列ピッチLeについても、入射される光の波長λの0.6倍以下とすることが好ましい。
回折格子の格子ピッチを光の波長λの0.6倍以下とすることで、光からみると一様な構造とみなされ、回折格子として機能しなくなることが知られている(参考文献1参照)。そこで、配列ピッチLeを光の波長λの0.6倍以下とすることで、上部電極2等の細分化部2b等は、回折格子として機能せず、回折光L3が生じない。このため、上部電極2等の構造による回折光L3の影響を受ける領域R2を消滅させることができる。
参考文献1:江本ら、「サブ波長スケール磁気光学素子アレイによる空間光変調器とホログラフィック応用に関する開発」、映像情報メディア学会技術報告、34巻、24号、29−32頁
例えば、入射光の光源として、波長λが632.8nmのHe−Neレーザーを用いた場合は、上部電極2等の細分化部2b等の配列ピッチLeを、379.6nm以下とすることで、上部電極2等による回折光を生じないようにすることができる。
<第4実施形態>
[ホログラフィ装置]
次に、図9を参照して、本発明の第4実施形態に係るホログラフィ装置について説明する。本実施形態に係るホログラフィ装置は、本発明の第1実施形態に係る空間光変調器1を用いた表示装置10(図3参照)を、ホログラムを投影して立体画像を表示するホログラム表示装置として備えたものである。表示装置10と同様の要素については同じ符号を付し、説明は適宜省略する。
本発明の第4実施形態に係るホログラフィ装置11は、参照光と被写体の物体光とにより形成される干渉縞を撮像して画像信号に変換する、CCD(Charge Coupled Device;電荷結合素子)カメラ94等の撮像手段を備えた画像信号生成装置12と、この画像信号を入力されて被写体の立体画像を表示する、空間光変調器1を備えたホログラム表示装置13とから構成される。ホログラム表示装置13は、空間光変調器1と、空間光変調器1の画素アレイ40の光の入出射側に光源91及び偏光フィルタPF1、PF2とを更に備える。
一方、画像信号生成装置12は、干渉縞を得るための光源92及びハーフミラーHM1、HM2、並びに光を所定の方向へ反射するためのミラーを更に備える。光源92は、ホログラム表示装置13の光源91とともに、図3に示した表示装置10に用いたものと同様のレーザー光源を用いて構成される。
本実施形態に係るホログラフィ装置11は、画像信号生成装置12において、1つの光源92から照射された光をハーフミラーHM1で被写体への照明光と参照光との2系統の光に分割し、照明光の被写体からの反射光である物体光と参照光とをハーフミラーHM2により重畳させて干渉縞を形成する。この干渉縞をCCDカメラ94によって撮像して画像信号に変換し、この画像信号を空間光変調器1の画素選択部84(図1参照)に入力する。ホログラム表示装置13においては、空間光変調器1が、入力された画像信号に基づき、画素アレイ40(図1参照)に干渉縞のパターンを描画する。そして、干渉縞のパターンが描画された画素アレイ40(図1参照)で、光源91からの入射光(更に偏光フィルタPF1を介した入射偏光)を光変調し、出射光(更に偏光フィルタPF2を透過した出射偏光)によって立体画像を再生(表示)する。本実施形態に係るホログラフィ装置11は、高速応答の可能な本発明の各実施形態又はその変形例に係る空間光変調器を用いることで、干渉縞パターン画像信号に対応した光変調が可能となる。
なお、第1実施形態に係る空間光変調器1に代えて、第1実施形態の変形例、第2実施形態、第3実施形態又はこれらの実施形態の変形例に係る空間光変調器(1A、1B、1C等)を用いてホログラム表示装置13を構成することもできる。
また、本実施形態において、画像信号生成装置12は、被写体を照明した反射光と参照光とによって生じる干渉縞を撮像して画像信号を生成するようにしたが、これに限定されるものではない。例えば、コンピュータに被写体(又はコンピュータグラフィックス技術などを用いて作成した物体)の形状を取り込み、照明光及び参照光の光路を設定し、画像信号を、コンピュータを用いた計算により生成するようにしてもよい。
以上、本発明の空間光変調器及びホログラム表示装置を実施するための形態について説明してきたが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。
1 空間光変調器
2、2A、2B 上部電極
2a、2Ba 端部
2b、2Ab、2Bb 細分化部(上部電極細分化部)
2Bc 補間部
3、3C 下部電極
3Ca 端部
3Cb 細分化部(下部電極細分化部)
3Cc 補間部
3Cd 底部
4、4A、4B、4C 画素
5 光変調素子
51 磁化固定層
52 中間層
53 磁化自由層
6 絶縁部材
7、7A 基板
40、40A、40B、40C 画素アレイ
80 電流制御部
81 電源
82 上部電極選択部
83 下部電極選択部
84 画素選択部
10 表示装置
11 ホログラフィ装置
12 画像信号生成装置
13 ホログラム表示装置
91、92 光源
94 CCDカメラ
HM1、HM2 ハーフミラー
PF1、PF2 偏光フィルタ

Claims (10)

  1. 基板上に複数の画素を2次元に配列した画素アレイを備え、
    前記画素アレイは、
    前記画素の上部に設けられた上部電極と、
    前記画素の下部に設けられた下部電極と、
    前記画素毎に設けられ、前記上部電極と前記下部電極とに接続して、前記上部電極と前記下部電極との間に印加される電圧を制御することで入射光を変調して反射光又は透過光として出射する光変調素子と、を有し、
    少なくとも一つの前記上部電極と、少なくとも一つの前記下部電極とを選択し、選択した上部電極と下部電極との間に印加される電圧を制御する画素選択部を備えた空間光変調器であって、
    複数の前記下部電極が、前記2次元の配列の一方向に延伸するストライプ状に配列され、
    複数の前記上部電極が、前記2次元の配列の前記一方向と異なる方向である他方向に延伸するストライプ状に配列され、
    前記上部電極は、前記他方向に延伸するとともに前記一方向に所定の間隔を置いて配列された複数の上部電極細分化部からなり、当該上部電極細分化部の配列ピッチが、前記画素の前記一方向の配列ピッチよりも小さいことを特徴とする空間光変調器。
  2. 前記上部電極細分化部の配列ピッチは、前記一方向に配列された前記画素の配列ピッチのN分の1(Nは2以上の整数)であることを特徴とする請求項1に記載の空間光変調器。
  3. 前記上部電極細分化部の配列ピッチは、前記入射光の波長の0.6倍以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の空間光変調器。
  4. 前記上部電極は、前記入射光に対して透光性を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の空間光変調器。
  5. 前記下部電極は、前記一方向に延伸するとともに前記他方向に所定の間隔を置いて配列された複数の下部電極細分化部からなり、当該下部電極細分化部の配列ピッチが、前記画素の前記他方向の配列ピッチよりも小さいことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の空間光変調器。
  6. 前記下部電極細分化部の配列ピッチは、前記他方向に配列された前記画素の配列ピッチのN分の1(Nは2以上の整数)であることを特徴とする請求項5に記載の空間光変調器。
  7. 前記下部電極細分化部の配列ピッチは、前記入射光の波長の0.6倍以下であることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の空間光変調器。
  8. 前記光変調素子は、磁化固定層と、非磁性中間層と、磁化自由層とをこの順で積層したスピン注入型磁化反転素子構造を有し、
    前記スピン注入型磁化反転素子構造の上下に設けられた前記上部電極及び前記下部電極の間に印加される電圧を制御することで当該スピン注入型磁化反転素子に電流を供給されることにより前記磁化自由層の磁化方向を変化させて、前記入射光の偏光方向を変化させて出射することを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の空間光変調器。
  9. 前記磁化固定層及び前記磁化自由層は、それぞれ垂直磁気異方性を有する磁性材料からなる磁性膜を含むことを特徴とする請求項8記載の空間光変調器。
  10. 請求項1乃至請求項9の何れか一項に記載の空間光変調器と、前記画素アレイに光を入射する光源とを備え、
    前記空間光変調器は、前記光源と同じ波長の照明光による物体からの反射光である物体光と、前記照明光を分割した光である参照光とにより形成される干渉縞を示す画像信号に基づいて、前記画素毎に前記光源から入射した光を変調して出力することで、前記物体の立体画像を表示することを特徴とするホログラム表示装置。
JP2012089099A 2012-04-10 2012-04-10 空間光変調器及びホログラム表示装置 Pending JP2013218142A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012089099A JP2013218142A (ja) 2012-04-10 2012-04-10 空間光変調器及びホログラム表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012089099A JP2013218142A (ja) 2012-04-10 2012-04-10 空間光変調器及びホログラム表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013218142A true JP2013218142A (ja) 2013-10-24

Family

ID=49590297

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012089099A Pending JP2013218142A (ja) 2012-04-10 2012-04-10 空間光変調器及びホログラム表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013218142A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023153286A1 (ja) * 2022-02-08 2023-08-17 株式会社フジクラ 空間光位相変調器及び光演算装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023153286A1 (ja) * 2022-02-08 2023-08-17 株式会社フジクラ 空間光位相変調器及び光演算装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4829850B2 (ja) 光変調器、表示装置、ホログラフィー装置、及びホログラム記録装置
Aoshima et al. Submicron magneto-optical spatial light modulation device for holographic displays driven by spin-polarized electrons
TWI810703B (zh) 用於組合與光調制器之相鄰像素相互作用之光束的裝置
JP2011060918A (ja) スピン注入磁化反転素子、磁気ランダムアクセスメモリ、光変調器、表示装置、ホログラフィ装置、ホログラム記録装置および光変調器の製造方法
JP5374495B2 (ja) 複素情報を表す光変調器
JP5782334B2 (ja) 空間光変調器およびその画素駆動方法
JP4785790B2 (ja) 偏光変換素子
JP5238619B2 (ja) 磁気光学式空間光変調器およびその製造方法
JP5852363B2 (ja) 空間光変調器
JP2008064825A (ja) 多素子空間光変調器およびこれを備えた映像表示装置
JP4791945B2 (ja) 磁気光学式空間光変調器
JP5054595B2 (ja) レーザプロジェクタ
JP2009139607A (ja) 空間光変調器
JP2013218142A (ja) 空間光変調器及びホログラム表示装置
JP4939502B2 (ja) 磁気光学式空間光変調器および磁気光学式撮像装置
JP6017165B2 (ja) 空間光変調器
JP2012230143A (ja) スピン注入型磁化反転素子、光変調素子および空間光変調器
JP2013218140A (ja) 空間光変調器及びホログラム表示装置
JP5249876B2 (ja) 反射型空間光変調器
JP2016197160A (ja) 空間光変調器
JP6581454B2 (ja) 空間光変調器
JP5054640B2 (ja) 光変調素子、光変調器、表示装置、ホログラフィ装置及びホログラム記録装置
WO2022163753A1 (ja) 光位相変調器、光デバイス、及び光演算装置
JP6546745B2 (ja) 光変調素子および空間光変調器
JP5238616B2 (ja) 光変調素子

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20140326