JP5179250B2 - 光記録用組成物およびホログラフィック記録媒体 - Google Patents

光記録用組成物およびホログラフィック記録媒体 Download PDF

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本発明は、光記録に使用される環状アリルスルフィド化合物および上記化合物を含有する光記録用組成物に関する。より詳しくは、ホログラフィック記録媒体、特に比較的厚い記録層を有するボリュームホログラフィック記録媒体の記録用化合物として好適な光記録用化合物および上記化合物を含有する光記録用組成物に関するものである。更に、本発明は、前記光記録用化合物を含む記録層を有するホログラフィック記録媒体に関する。
従来より、ホログラフの原理を用いたホログラフィック光記録媒体の開発が進められてきた。ホログラフィック光記録媒体への情報の記録は、イメージ情報を含んだ情報光と参照光とを感光性組成物からなる記録層中で重ね合わせ、そのときにできる干渉縞を記録層に書き込むことによって行われる。一方、情報の再生時には、情報が記録された記録層に所定の角度で参照光を入射させることにより、形成された干渉縞による参照光の光回折が起こり、情報光が再生される。
近年、超高密度光記録のため、ボリュームホログラフィ、特にデジタルボリュームホログラフィが実用域で開発され、注目を集めている。ボリュームホログラフィとは、光記録媒体の厚み方向も積極的に活用して、三次元的に干渉縞を書き込む方式であり、厚みを増すことで回折効率を高め、多重記録を用いて記録容量の増大を図ることができるという特長がある。そして、デジタルボリュームホログラフィとは、ボリュームホログラフィと同様の記録媒体と記録方式を用いつつも、記録するイメージ情報は2値化したデジタルパターンに限定した、コンピュータ指向のホログラフィック記録方式である。このデジタルボリュームホログラフィでは、例えば、アナログ的な絵のような画像情報も、一旦デジタイズして、二次元デジタルパターン情報に展開し、これをイメージ情報として記録する。再生時は、このデジタルパターン情報を読み出してデコードすることで、元の画像情報に戻して表示する。これにより、再生時にS/N比(信号対雑音比)が多少悪くても、微分検出を行ったり、2値化データをコード化してエラー訂正を行ったりすることで、極めて忠実に元の情報を再現することが可能になる(特許文献1参照)。
例えば特許文献2には、フォトポリマー方式のホログラフィック光記録媒体においてウレタンマトリックスとフェニルアクリレート誘導体を用いることが開示されている。しかし、通常のフォトポリマー方式では、モノマーの重合時に体積収縮を伴う。体積収縮は記録容量の低下の原因となる。特許文献3には、記憶容量の向上を目的としてラジカル開環重合を用いて記録層を形成することが提案されている。しかし、それでもなお十分な記憶容量ではなかった。また、上記体積収縮は、記録干渉縞の歪みをもたらし、これによってデータの入出力時にエラーが生じ、記録再生精度が低下するという問題もある。
特開平11−311936号公報 特表2005−502918号公報 米国特許第4959284号明細書
そこで、本発明の目的は、記憶容量が大きく、かつ感度が高いデジタルボリュームホログラフィに好適な光記録用化合物、前記化合物を含む光記録用組成物、前記組成物を用いた超高密度光記録が可能なホログラフィック記録媒体を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、下記一般式(I)で表される環状アリルスルフィド化合物によれば、体積収縮が少なく、高感度記録が可能なホログラフィック記録媒体を提供できることを新たに見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、上記目的は、下記手段によって達成された。
[1]下記一般式(I)で表される光記録用化合物を含有する光記録用組成物
[一般式(I)中、R1は水素原子またはアルキル基を表し、Z1は隣り合う炭素原子、硫黄原子および該硫黄原子と結合する炭素原子とともに環構造を形成する原子団を表す。]
[2]ホログラフィック記録用組成物である[1]に記載の光記録用組成物
[3]一般式(I)で表される化合物は下記一般式(II)で表される化合物である[1]または[2]に記載の光記録用組成物
[一般式(II)中、R1は一般式(I)における定義と同義であり、R12は水素原子またはアルキル基を表し、R13、R14およびR15はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アミノ基、アシル基またはハロゲン基を表し、m1は0または1を表す。]
[4]一般式(II)中、R1およびR12は、それぞれ独立に水素原子またはメチル基を表し、R13、R14およびR15はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基またはアシル基を表す[3]に記載の光記録用組成物
[5]一般式(II)中、R1およびR12はいずれも水素原子を表し、R13、R14およびR15は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基またはアシルオキシ基を表し、m1は1を表す[3]に記載の光記録用組成物
[6]一般式(I)で表される化合物は下記一般式(III)で表される化合物である[1]または[2]に記載の光記録用組成物
[一般式(III)中、R1は一般式(I)における定義と同義であり、R23、R24およびR25はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アミノ基、アシル基またはハロゲン基を表し、m2は0または1を表す。]
[7]一般式(III)中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R23、R24およびR25はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基またはアシル基を表す[6]に記載の光記録用組成物。
[8]一般式(III)中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R23、R24およびR25は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基またはアシルオキシ基を表し、m2は0を表す[6]に記載の光記録用組成物
[9]熱硬化性化合物を更に含有する[1]〜[8]のいずれかに記載の光記録用組成物。
[10]熱硬化性化合物は、多官能イソシアネートおよび多官能アルコールを含む[]に記載の光記録用組成物。
[11]光ラジカル重合開始剤を更に含有する[]〜[10]のいずれかに記載の光記録用組成物。
[12]光ラジカル重合開始剤が下記一般式(IV)で表される化合物である[11]に記載の光記録用組成物。
[一般式(IV)中、Ra、RbおよびRcは、それぞれ独立にアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表し、Xは酸素原子または硫黄原子を表す。]
[13][1]〜[12]のいずれかに記載の光記録用組成物から形成された記録層を有するホログラフィック記録媒体。
本発明によれば、体積収縮が低減された高感度記録再生が可能なホログラフィック記録媒体を提供することができる。本発明のホログラフィック記録媒体は、超高密度記録が可能であり、ボリュームホログラフィ、特に安価なレーザーの使用および書き込み時間の短縮を図ることができるデジタルボリュームホログラフィ用記録媒体として最適である。
[光記録用化合物]
本発明の光記録用化合物は、下記一般式(I)で表される環状アリルスルフィド化合物である。一般式(I)で表される環状アリルスルフィド化合物は、光照射により情報を記録する各種記録方式において記録用材料として用いることができ、中でもホログラフィック記録用化合物として好ましく用いられ、特にボリュームホログラフィック記録用化合物として好適である。先に説明したように、ホログラフィック記録とは、情報を含んだ情報光と参照光とを記録層中で重ね合わせ、そのときにできる干渉像を記録層に書き込むことによって情報を記録する情報記録方法であり、ボリュームホログラフィック記録とは、ホログラフィック記録のなかでも記録層に三次元的に干渉像を書き込む情報記録方法である。本発明において、「ホログラフィック記録用化合物」とは、情報記録のための光照射によって直接的または間接的に干渉縞を屈折率変調として記録することが可能な化合物をいうものとする。一般式(I)で表される化合物は、光照射によって直接または光重合開始剤の作用により重合反応を起こし、これにより干渉縞を屈折率変調として記録することができる。
以下に、本発明の光記録用化合物について更に詳細に説明する。
一般式(I)で表される環状アリルスルフィド化合物
一般式(I)中、Z1は隣り合う炭素原子、硫黄原子および該硫黄原子と結合する炭素原子とともに環構造を形成する原子団を表す。Z1により形成される環状構造の構成要素としてはメチレン炭素を挙げることができ、メチレン炭素以外に、カルボニル基、チオカルボニル基、酸素原子や、硫黄原子など二価の有機連結基を挙げることもでき、これらの組み合わせにより上記環構造が構成される。その環員数は6〜9であることが好ましく、6〜8であることがより好ましく、7〜8であることが特に好ましい。また、その環構造のメチレン炭素数は3〜7であることが好ましく、4〜6であることがより好ましく、4〜5であることが特に好ましい。
一般式(I)中、R1は水素原子またはアルキル基を表す。R1で表されるアルキル基としては直鎖であっても分岐を有していてもよく、また、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素数は1〜20であることが好ましく、1〜10であることがより好ましく、1〜3であることが特に好ましい。なお、本発明において、ある基について「炭素数」とは、置換基を有する基については、該置換基を含まない部分の炭素数をいうものとする。
1で表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ターシャリーオクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、2,3−ジブロモプロピル基、アダマンチル基、ベンジル基、4−ブロモベンジル基などが挙げられる。これらは更に置換基を有していてもよい。
一般式(I)中において、R1で表される基が更に置換基を有する場合、置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ、アルキルチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノ基、アシル基、アルキルアミノカルボニル基、アリールアミノカルボニル基、スルホンアミド基、シアノ基、カルボキシ基、水酸基、スルホン酸基などが挙げられる。これらの中でも、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキルチオ基が特に好ましい。また、置換基として一般式(I)の環状アリルスルフィド化合物が置換した場合は、多官能体を表す。
一般式(I)中においてR1が水素原子またはアルキル基を表し、かつZ1と隣り合う炭素原子、硫黄原子および該硫黄原子と結合する炭素原子とともに形成される環構造の環員数が6〜9であり、かつZ1で表される原子団がメチレン炭素以外に、カルボニル基、酸素原子または硫黄原子のいずれか、もしくはそれらの組み合わせを含むことが好ましく、R1が水素原子またはアルキル基を表し、かつZ1と隣り合う炭素原子、硫黄原子および該硫黄原子と結合する炭素原子とともに形成される環構造の環員数が6〜8であり、かつZ1で表される原子団がメチレン炭素以外にカルボニル基と酸素原子の組み合わせ、または硫黄原子を含むことがより好ましく、R1が水素原子またはアルキル基を表し、かつZ1と隣り合う炭素原子、硫黄原子および該硫黄原子と結合する炭素原子とともに形成される環構造の環員数が7〜8であり、かつZ1で表される原子団がメチレン炭素以外に硫黄原子を含むこと特に好ましい。一般式(I)で表される化合物は、一般式(II)、または一般式(III)で表される化合物であることが好ましく、記録特性の点からは一般式(II)で表される化合物であることがより好ましい。
以下に、一般式(II)で表される化合物および一般式(III)で表される化合物について説明する。
一般式(II)で表される環状アリルスルフィド化合物
一般式(II)中、R1は一般式(I)における定義と同義であり、R12は水素原子またはアルキル基を表し、R13、R14およびR15はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アミノ基、アシル基またはハロゲン基を表し、m1は0または1を表す。
一般式(II)中、R1、R12、R13、R14、R15で表されるアルキル基の詳細は、上述した一般式(I)中のアルキル基の説明と同様である。
一般式(II)中、R13、R14、R15で表されるアリール基としては、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素数は6〜30であることが好ましく、6〜20であることが特に好ましい。アリール基の具体例としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基などが挙げられる。これらは更に置換基を有していてもよい。
一般式(II)中、R13、R14、R15で表されるヘテロ環基は、炭素数4〜14のヘテロ環基であることが好ましく、炭素数4〜10のヘテロ環基であることがより好ましく、炭素数5のヘテロ環基であることが特に好ましい。R13、R14、R15で表されるヘテロ環基の具体例としては、ピリジン環、ピペラジン環、チオフェン環、ピロール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環が挙げられる。これらは更に置換基を有していてもよい。前記ヘテロ環の中でもピリジン環が特に好ましい。
一般式(II)中、R13、R14、R15で表されるアルコキシ基は、直鎖であっても分岐を有していてもよく、また、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素数は1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましい。このようなアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ノルマルプロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ノルマルブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、ターシャリーブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ターシャリーオクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、2,3−ジブロモプロピルオキシ基、アダマンチルオキシ基、ベンジルオキシ基、4−ブロモベンジルオキシ基などが挙げられる。
一般式(II)中、R13、R14、R15で表されるアリールオキシ基は、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素数は6〜30であることが好ましく、6〜20であることが特に好ましい。具体例としては、例えば、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、アントラニルオキシ基などが挙げられる。
一般式(II)中、R13、R14、R15で表されるアルキルチオ基は、直鎖であっても分岐を有していてもよく、また、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素数は1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましい。このようなアルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、ノルマルプロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ノルマルブチルチオ基、イソブチルチオ基、ターシャリーブチルチオ基、ペンチルチオ基、シクロペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、ターシャリーオクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、デシルチオ基、ドデシルチオ基、オクタデシルチオ基、2,3−ジブロモプロピルチオ基、アダマンチルチオ基、ベンジルチオ基、4−ブロモベンジルチオ基などが挙げられる。
一般式(II)中、R13、R14、R15で表されるアリールチオ基は、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素数は6〜30であることが好ましく、6〜20であることが特に好ましい。具体例としては、例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基、アントラニルチオ基などが挙げられる。
一般式(II)中、R13、R14、R15で表されるアルコキシカルボニル基は、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素数は1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましい。このようなアルコキシカルボニル基としては、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ノルマルプロピルオキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、ノルマルブチルオキシカルボニル基、イソブチルオキシカルボニル基、ターシャリーブチルオキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、シクロペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ターシャリーオクチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基などが挙げられる。
一般式(II)中、R13、R14、R15で表されるアリールオキシカルボニル基、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素数は7〜30であることが好ましく、7〜20であることが特に好ましい。具体例としては。例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基、アントラニルオキシカルボニル基などが挙げられる。
一般式(II)中、R13、R14、R15で表されるアシルオキシ基は、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素数は1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましい。このようなアシルオキシ基としては、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ノルマルプロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、ノルマルブチルカルボニルオキシ基、イソブチルカルボニルオキシ基、ターシャリーブチルカルボニルオキシ基、ペンチルカルボニルオキシ基、シクロペンチルカルボニルオキシ基、ヘキシルカルボニルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基、ヘプチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ターシャリーオクチルカルボニルオキシ基、2−エチルヘキシルカルボニルオキシ基、デシルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる。
一般式(II)中、R13、R14、R15で表されるアシルアミノ基は、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素数は1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましい。このようなアシルアミノ基としては、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基などが挙げられる。
一般式(II)中、R13、R14、R15で表されるスルホニルアミノ基は、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素数は1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましい。このようなスルホニルアミノ基としては、メチルスルホニルアミノ基、エチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基などが挙げられる。
一般式(II)中、R13、R14、R15で表されるアミノ基は、一置換アミノ基であっても、二置換のアミノ基であってもよく、二置換のアミノ基が好ましい。無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素数は1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましい。このようなアミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基などが挙げられる。
一般式(II)中、R13、R14、R15で表されるアシル基は、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素数は1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましい。このようなアシル基としては、アセチル基、ベンゾイル基などが挙げられる。
一般式(II)中、R13、R14、R15で表されるハロゲン基としては、クロロ基、ブロモ基、ヨード基などが挙げられ、ブロモ基が好ましい。
一般式(II)中、R1、R12、R13、R14、R15で表される基が更に置換基を有する場合、置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ、アルキルチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノ基、アシル基、アルキルアミノカルボニル基、アリールアミノカルボニル基、スルホンアミド基、シアノ基、カルボキシ基、水酸基、スルホン酸基などが挙げられる。これらの中でも、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキルチオ基が特に好ましい。また、置換基として一般式(II)で表される環状アリルスルフィド化合物が置換した場合は、多官能体を表す。
一般式(II)中、m1は0または1の整数を表す。mは1であることが好ましい。
一般式(II)で表される化合物の好ましい態様としては、R1およびR12は、それぞれ独立に水素原子またはメチル基を表し、R13、R14およびR15はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基またはアシル基を表す化合物を挙げることができる。より好ましい態様としては、一般式(II)中、R1およびR12がそれぞれ独立に水素原子またはメチル基であり、R13およびR14がそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アシル基であり、R15が水素原子、アルキル基、アリール基、アシルオキシ基であり、かつm1が0または1である化合物を挙げることができる。更に好ましい態様としては、一般式(II)中、R1およびR12が水素原子またはメチル基であり、R13およびR14がそれぞれ独立に水素原子またはメチル基であり、R15がアルキル基またはアシルオキシ基であり、かつm1が0または1である化合物を挙げることができる。よりいっそう好ましい態様としては、一般式(II)中、R1およびR12がいずれも水素原子であり、R13、R14およびR15は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基またはアシルオキシ基であり、m1が1である化合物を挙げることができる。最も好ましい態様としては、R1およびR12がいずれも水素原子であり、R13、R14が水素原子であり、R15がアシルオキシ基であり、かつm1が1である化合物を挙げることができる。
一般式(III)で表される環状アリルスルフィド化合物
一般式(III)中、R1は一般式(I)における定義と同義であり、R23、R24およびR25はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アミノ基、アシル基またはハロゲン基を表し、m2は0または1を表す。
一般式(III)中、R1、R23、R24、R25で表されるアルキル基の詳細は、上述した一般式(I)中のアルキル基の説明と同様である。
一般式(III)中、R23、R24、R25で表されるアリール基としては、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素数は6〜30であることが好ましく、6〜20であることが特に好ましい。アリール基の具体例としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基などが挙げられる。これらは更に置換基を有していてもよい。
一般式(III)中、R23、R24、R25で表されるヘテロ環基は、炭素数4〜14のヘテロ環基であることが好ましく、炭素数4〜10のヘテロ環基であることがより好ましく、炭素数5のヘテロ環基であることが特に好ましい。R23、R24、R25で表されるヘテロ環基の具体例としては、ピリジン環、ピペラジン環、チオフェン環、ピロール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環が挙げられる。これらは更に置換基を有していてもよい。前記ヘテロ環の中でもピリジン環が特に好ましい。
一般式(III)中、R23、R24、R25で表されるアルコキシ基は、直鎖であっても分岐を有していてもよく、また、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素数は1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましい。このようなアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ノルマルプロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ノルマルブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、ターシャリーブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ターシャリーオクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、2,3−ジブロモプロピルオキシ基、アダマンチルオキシ基、ベンジルオキシ基、4−ブロモベンジルオキシ基などが挙げられる。
一般式(III)中、R23、R24、R25で表されるアリールオキシ基は、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素数は6〜30であることが好ましく、6〜20であることが特に好ましい。具体例としては、例えば、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、アントラニルオキシ基などが挙げられる。
一般式(III)中、R23、R24、R25で表されるアルキルチオ基は、直鎖であっても分岐を有していてもよく、また、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素数は1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましい。このようなアルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、ノルマルプロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ノルマルブチルチオ基、イソブチルチオ基、ターシャリーブチルチオ基、ペンチルチオ基、シクロペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、ターシャリーオクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、デシルチオ基、ドデシルチオ基、オクタデシルチオ基、2,3−ジブロモプロピルチオ基、アダマンチルチオ基、ベンジルチオ基、4−ブロモベンジルチオ基などが挙げられる。
一般式(III)中、R23、R24、R25で表されるアリールチオ基は、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素数は6〜30であることが好ましく、6〜20であることが特に好ましい。具体例としては、例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基、アントラニルチオ基などが挙げられる。
一般式(III)中、R23、R24、R25で表されるアルコキシカルボニル基は、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素数は1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましい。このようなアルコキシカルボニル基としては、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ノルマルプロピルオキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、ノルマルブチルオキシカルボニル基、イソブチルオキシカルボニル基、ターシャリーブチルオキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、シクロペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ターシャリーオクチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基などが挙げられる。
一般式(III)中、R23、R24、R25で表されるアリールオキシカルボニル基、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素数は7〜30であることが好ましく、7〜20であることが特に好ましい。具体例としては。例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基、アントラニルオキシカルボニル基などが挙げられる。
一般式(III)中、R23、R24、R25で表されるアシルオキシ基は、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素数は1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましい。このようなアシルオキシ基としては、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ノルマルプロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、ノルマルブチルカルボニルオキシ基、イソブチルカルボニルオキシ基、ターシャリーブチルカルボニルオキシ基、ペンチルカルボニルオキシ基、シクロペンチルカルボニルオキシ基、ヘキシルカルボニルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基、ヘプチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ターシャリーオクチルカルボニルオキシ基、2−エチルヘキシルカルボニルオキシ基、デシルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる。
一般式(III)中、R23、R24、R25で表されるアシルアミノ基は、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素数は1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましい。このようなアシルアミノ基としては、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基などが挙げられる。
一般式(III)中、R 23、R 24、R 25で表されるスルホニルアミノ基は、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素数は1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましい。このようなスルホニルアミノ基としては、メチルスルホニルアミノ基、エチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基などが挙げられる。
一般式(III)中、R23、R24、R25で表されるアミノ基は、一置換アミノ基であっても、二置換のアミノ基であってもよく、二置換のアミノ基が好ましい。無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素数は1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましい。このようなアミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基などが挙げられる。
一般式(III)中、R23、R24、R25で表されるアシル基は、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素数は1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましい。このようなアシル基としては、アセチル基、ベンゾイル基などが挙げられる。
一般式(III)中、R23、R24、R25で表されるハロゲン基としては、クロロ基、ブロモ基、ヨード基などが挙げられ、ブロモ基が好ましい。
一般式(III)中、R1、R23、R24、R25で表される基が更に置換基を有する場合、置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ、アルキルチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノ基、アシル基、アルキルアミノカルボニル基、アリールアミノカルボニル基、スルホンアミド基、シアノ基、カルボキシ基、水酸基、スルホン酸基などが挙げられる。これらの中でも、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキルチオ基が特に好ましい。また、置換基として一般式(III)で表される環状アリルスルフィド化合物が置換した場合は、多官能体を表す。
一般式(III)中、m2は0または1の整数を表す。m2は0であることが好ましい。
一般式(III)で表される化合物の好ましい態様としては、R1は、水素原子またはメチル基を表し、R23、R24およびR25はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基またはアシル基を表す化合物を挙げることができる。より好ましい態様としては、一般式(III)中、R1が水素原子またはメチル基であり、R23およびR24がそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アシル基であり、R25が水素原子、アルキル基、アリール基、アシルオキシ基であり、かつm2が0または1である化合物を挙げることができる。更に好ましい態様としては、一般式(III)中、R1が水素原子またはメチル基であり、R23およびR24がそれぞれ独立に水素原子またはメチル基であり、R25がアルキル基またはアシルオキシ基であり、かつm2が0または1である化合物を挙げることができる。よりいっそう好ましい態様としては、一般式(III)中、R1がメチル基であり、R23、R24およびR25は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基またはアシルオキシ基であり、m2が0である化合物を挙げることができる。最も好ましい態様としては、R1がメチル基であり、R23、R24が水素原子であり、R25がアシルオキシ基であり、かつm2が0である化合物を挙げることができる。
以下に、本発明の光記録用化合物の具体例を示す。但し、本発明は下記具体例に限定されるものではない。
以上説明した一般式(I)、(II)、(III)で表される化合物の合成方法は、例えば、Macromolecules. 1994, 27, 7935. Macromolecules, 1996, 29, 6983.や Macromolecules, 2000, 33, 6722.や J. Po1ym. Sci.: Part A Polym. Chem. 2001, 39, 202等に詳細に記載されている。合成方法の詳細は、後述の実施例も参照できる。
[光記録用組成物]
本発明の光記録用組成物は、少なくとも一般式(I)で表される環状アリルスルフィド化合物を含有する。一般式(I)で表される環状アリルスルフィド化合物は、一種のみ用いてもよく、二種以上を併用することもできる。本発明の光記録用組成物における一般式(I)で表される環状アリルスルフィド化合物の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜50質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、3〜10質量%が更に好ましい。前記含有量が50質量%以下であれば、干渉像の安定性を容易に確保することができ、1質量%以上であれば、回折効率の点で望ましい性能を得ることができる。
本発明の光記録用組成物は、記録用化合物として、一般式(I)で表される環状アリルスルフィド化合物のみを含むこともでき、環状アリルスルフィド化合物とともに他の重合性モノマーを含むこともできる。一般式(I)で表される環状アリルスルフィド化合物と他の重合性モノマーと併用する場合、全記録用化合物中の併用する重合性モノマー量は50質量%以下であることが好ましい。
併用する他のモノマーとしては、例えば、アクリロイルモルホリン、フェノキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールPO変性ジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、EO変性グリセロールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、2−ナフト−1−オキシエチルアクリレート、2−カルバゾイル−9−イルエチルアクリレート、(トリメチルシリルオキシ)ジメチルシリルプロピルアクリレート、ビニル−1−ナフトエート、2,4,6−トリブロムフェニルアクリレート、ペンタブロムアクリレート、フェニルチオエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート、スチレン、p−クロロスチレン、N-ビニルカルバゾール、N-ビニルピロピドンなどが挙げられる。それらの中でもフェノキシエチルアクリレート、2,4,6−トリブロムフェニルアクリレート、ペンタブロムアクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレートが好ましく、2,4,6−トリブロムフェニルアクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレートがより好ましい。
光重合開始剤
本発明の光記録用組成物は、ホログラフィック記録用組成物として好ましく用いられ、特にボリュームホログラフィック記録用組成物として好適である。本発明の光記録用組成物がホログラフィック記録用組成物として使用される場合、一般式(I)で表される化合物は、記録用モノマーとして機能し得る。本発明の光記録用組成物は、一般式(I)で表される環状アリルスルフィド化合物とともに、光重合開始剤を含むことができる。光重合開始剤としては、記録光に感度を有するものであればよく特に限定されるものではないが、重合反応の効率の点では光ラジカル重合開始剤が好ましい。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,1’−ビイミダゾール、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メトキシフェニルビニル)−1,3,5−トリアジン、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、4,4’−ジ−t−ブチルジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−ジエチルアミノフェニルベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンゾイン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−2−オン、ベンゾフェノン、チオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルアシルホスフィンオキシド、トリフェニルブチルボレートテトラエチルアンモニウム、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニルチタニウム〕等が挙げられる。本発明の光記録用組成物において、光重合開始剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、照射する光の波長に合わせて後述する増感色素を併用してもよい。
光ラジカル重合開始剤として好適なものとしては、下記一般式(IV)で表される化合物を挙げることができる。
一般式(IV)中、Ra、RbおよびRcは、それぞれ独立にアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表し、Xは酸素原子または硫黄原子を表す。
以下に、一般式(IV)で表される化合物の詳細を説明する。
一般式(IV)中、Ra、RbおよびRcは、それぞれ独立にアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。
a、RbおよびRcで表されるアルキル基としては直鎖であっても分岐を有していてもよく、また、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素数は1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましい。
a、RbおよびRcで表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ターシャリーオクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、2,3−ジブロモプロピル基、アダマンチル基、ベンジル基、4−ブロモベンジル基などが挙げられる。これらは更に置換基を有していてもよい。これらの中でも、求核性の化合物、例えば水やアルコールなどに対する安定性の点から、ターシャリーブチル基が最も好ましい。
一般式(IV)中、Ra、RbおよびRcで表されるアリール基としては、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素数は6〜30であることが好ましく、6〜20であることが特に好ましい。アリール基の具体例としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基などが挙げられる。これらは更に置換基を有していてもよい。中でもRaが2位にアルキル基、アリール基、アルコキシ基またはハロゲン基を有するアリール基であるであることが好ましく、更に、2位および6位にアルキル基、アリール基、アルコキシ基またはハロゲン基を有するアリール基であることがより好ましい。例えばR a は2−メチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、2,6−ジメトキシフェニル基、2,6−トリフルオロメチルフェニル基であることが好ましく、2,4,6−トリメチルフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、2,6−ジメトキシフェニル基であることが特に好ましい。2位、または2位および6位に上記置換基を有することが好ましい理由としては、例えばJacobi, M.; Henne, A. Polymers Paint Colour Journal 1985, 175, 636.に記載されているように求核性の化合物、例えば水やアルコールなどに対する安定性が向上することが挙げられる。上記置換基としてのアルキル基およびアリール基の好ましい例等の詳細は、先にRa、RbおよびRcで表されるアルキル基について述べた通りである。
一般式(IV)中、Ra、RbおよびRcで表されるヘテロ環基は、環員数4〜8が好ましく、環員数4〜6がより好ましく、環員数5または6が特に好ましい。具体例としては、ピリジン環、ピペラジン環、チオフェン環、ピロール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環が挙げられる。これらは更に置換基を有していてもよい。前記ヘテロ環の中でもピリジン環が特に好ましい。
一般式(IV)中、Ra、RbおよびRc表される基が更に置換基を有する場合、置換基としてはハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ、アルキルチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノ基、アシル基、アルキルアミノカルボニル基、アリールアミノカルボニル基、スルホンアミド基、シアノ基、カルボキシ基、水酸基、スルホン酸基などが挙げられる。これらの中でも、ハロゲン基、アルコキシ基、アルキルチオ基が特に好ましい。さらに前述のようにRaがアリール基である場合、該アリール基は2位または2位および6位に上記置換基を有することが好ましい。
一般式(IV)中、Xは酸素原子または硫黄原子を表し、酸素原子であることが好ましい。
一般式(IV)で表される化合物の好ましい態様としては、Raが2位にアルキル基、アリール基、アルコキシ基またはハロゲン基を有するアリール基であり、Rbがアリール基であり、R c がアルキル基であり、Xが酸素原子または硫黄原子である化合物を挙げることができる。より好ましい態様としては、Raが2位および6位にアルキル基、アリール基、アルコキシ基またはハロゲン基を有するアリール基であり、Rbがアリール基であり、Rcがアルキル基であり、Xが酸素原子である化合物を挙げることができる。更に好ましい態様としては、Raが2,6−ジメトキシベンゾイル基または2,6−ジクロロベンゾイル基であり、Rbがフェニル基であり、Rcがエチル基またはイソプロピル基であり、Xが酸素原子である化合物を挙げることができる。
以下に、一般式(IV)で表されるリン化合物の具体例を示す。但し、本発明は下記具体例に限定されるものではない。
以上説明した一般式(IV)で表される化合物の合成方法は、例えば、DE2830927A1等に詳細に記載されている。また合成方法については後述する実施例も参照できる。
本発明の光記録用組成物における前記光重合開始剤の含有量は、0.01〜5質量%が好ましく、1〜3質量%がより好ましい。前記含有量が0.01質量%以上であれば、干渉像を感度良く確保することができる。5質量%以下であれば記録光に対して十分な透過率を有し良好な記録感度を示すことができる記録層を形成することができる。
マトリックス
光記録媒体の記録層には、一般にマトリックスと呼ばれる記録や保存に関わるモノマーや光重合開始剤を保持するためのポリマーが含まれる。マトリックスは、塗膜性、膜強度、およびホログラム記録特性向上の効果を高める目的で使用されるものである。本発明の光記録用組成物は、マトリックスバインダーおよび/またはマトリックス形成成分(マトリックス前駆体)としての硬化性化合物を含むことができる。マトリックス前駆体を含む組成物を、例えば基板表面等に塗布した後に硬化処理を施すことによりマトリックスを形成する方法は、溶剤を使用せず、または少量の溶剤使用により、記録層を形成できるため好ましい。前記硬化性化合物としては、熱硬化性化合物、触媒などを使用して光照射により硬化する光硬化性化合物を用いることができ、記録特性の点では熱硬化性化合物が好ましい。
本発明の光記録用組成物に含まれる熱硬化性化合物としては、特に制限はない。記録層に含まれる熱硬化性マトリックスは、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソシアネート化合物とアルコール化合物から形成されるウレタン樹脂やオキシラン化合物から形成されるエポキシ化合物、メラミン化合物、フォルマリン化合物、(メタ)アクリル酸やイタコン酸等の不飽和酸のエステル化合物やアミド化合物を重合して得られる重合体などが挙げられる。
中でもイソシアネート化合物とアルコール化合物から形成されるポリウレタンマトリックスが好ましく、記録の保持性の点から、多官能イソシアネートと多官能アルコールから形成される3次元ポリウレタンマトリックスが最も好ましい。
以下に、ポリウレタンマトリックスを形成することができる、多官能イソシアネートおよび多官能アルコールについて更に詳細に説明する。
多官能イソシアネートとしては、具体的には、ビスシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、フェニレン−1,3−ジイソシアネート、フェニレン−1,4−ジイソシアネート、1−メトキシフェニレン−2,4−ジイソシアネート、1−メチルフェニレン−2,4−ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ビフェニレン−4,4'−ジイソシアネート、3,3'−ジメトキシビフェニレン−4,4'−ジイソシアネート、3,3'−ジメチルビフェニレン−4,4'−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4'−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、3,3'−ジメトキシジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、3,3'−ジメチルジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、シクロブチレン−1,3−ジイソシアネート、シクロペンチレン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート、1−メチルシクロヘキシレン−2,4−ジイソシアネート、1−メチルシクロヘキシレン−2,6−ジイソシアネート、1−イソシアネート−3,3,5−トリメチル−5−イソシアネートメチルシクロヘキサン、シクロヘキサン−1,3−ビス(メチルイソシアネート)、シクロヘキサン−1,4−ビス(メチルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4'−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4'−ジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、ドデカメチレン−1,12−ジイソシアネート、フェニル−1,3,5−トリイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4,4'−トリイソシアネート、ジフェニルメタン−2,5,4'−トリイソシアネート、トリフェニルメタン−2,4',4"−トリイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4',4"−トリイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4,2',4'−テトライソシアネート、ジフェニルメタン−2,5,2',5'−テトライソシアネート、シクロヘキサン−1,3,5−トリイソシアネート、シクロヘキサン−1,3,5−トリス(メチルイソシアネート)、3,5−ジメチルシクロヘキサン−1,3,5−トリス(メチルイソシアネート)、1,3,5−トリメチルシクロヘキサン−1,3,5−トリス(メチルイソシアネート)、ジシクロヘキシルメタン−2,4,2'−トリイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4,4'−トリイソシアネートリジンジイソシアネートメチルエステル、またはこれらの有機イソシアネート化合物の化学量論的過剰量と多官能性活性水素含有化合物との反応により得られる両末端イソシアネートプレポリマー、などが挙げられる。これらの中でも、ビスシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートが特に好ましい。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
多官能アルコールは、多官能アルコール単独であってもよく、他の多官能アルコールと混合状態であってもよい。多官能アルコールとしては、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等のグリコール類;ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、テトラメチレングリコール等のジオール類;ビスフェノール類、またはこれらの多官能アルコールをポリエチレンオキシ鎖やポリプロピレンオキシ鎖で修飾した化合物、グリセリン、トリメチロールプロパン、ブタントリオール、ペンタントリオール、ヘキサントリオール、デカントリオール等のトリオール類などのこれらの多官能アルコールをポリエチレンオキシ鎖やポリプロピレンオキシ鎖で修飾した化合物、などが挙げられる。
本発明の光記録用組成物における前記マトリックス形成成分(またはマトリックス)の含有量は、10〜95質量%が好ましく、35〜90質量%がより好ましい。前記含有量が10質量%以上であれば、安定な干渉像を容易に得ることができ、95質量%以下であれば、回折効率の点で望ましい性能を得ることができる。
その他の成分
本発明の光記録用組成物には、必要に応じて、光記録用組成物の貯蔵安定性を改良する目的で重合禁止剤や酸化防止剤を加えてもよい。
前記重合禁止剤または酸化防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p−ベンゾキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジターシャリーブチル−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ターシヤリ−ブチルフェノール)、トリフェルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト,フェノチアジン、N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミンなどが挙げられる。
前記重合禁止剤または酸化防止剤の添加量は、記録用モノマーの全量に対して3質量%以下が好ましい。前記添加量が3質量%を超えると、重合が遅くなるか、著しい場合は重合しなくなることがある。
本発明の光記録用組成物には、必要に応じて増感色素を添加することもできる。該増感色素としては、「Research Disclosure,Vol.200,1980年12月、Item 20036」や「増感剤」(p.160〜p.163、講談社;徳丸克己・大河原信/編、1987年)等に記載された公知の化合物を使用することができる。
前記増感色素としては、具体的には、特開昭58−15603号公報に記載の3−ケトクマリン化合物、特開昭58−40302号公報に記載のチオピリリウム塩、特公昭59−28328号公報、同60−53300号公報に記載のナフトチアゾールメロシアニン化合物、特公昭61−9621号公報、同62−3842号公報、特開昭59−89303号公報、同60−60104号公報に記載のメロシアニン化合物が挙げられる。
また、「機能性色素の化学」(1981年、CMC出版社、p.393〜p.416)や「色材」(60〔4〕212−224(1987))等に記載された色素も挙げることができる。具体的には、カチオン性メチン色素、カチオン性カルボニウム色素、カチオン性キノンイミン色素、カチオン性インドリン色素、カチオン性スチリル色素が挙げられる。
更に、クマリン(ケトクマリンまたはスルホノクマリンも含まれる)色素、メロスチリル色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素等のケト色素;非ケトポリメチン色素、トリアリールメタン色素、キサンテン色素、アントラセン色素、ローダミン色素、アクリジン色素、アニリン色素、アゾ色素等の非ケト色素;アゾメチン色素、シアニン色素、カルボシアニン色素、ジカルボシアニン色素、トリカルボシアニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素等の非ケトポリメチン色素;アジン色素、オキサジン色素、チアジン色素、キノリン色素、チアゾール色素等のキノンイミン色素等も分光増感色素に含まれる。
前記増感色素は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の光記録用組成物には、該光記録用組成物から形成される記録層の感度を向上させる目的で光熱変換材料を含有させることもできる。
前記光熱変換材料としては、特に制限はなく、目的とする機能や性能に応じて適宜選択することができ、例えば、フォトポリマーとともに記録層へ添加する際の簡便さや、入射光の散乱などを引き起こさないといった特性から、有機染料色素が好ましく、また、記録に用いる光源の光を吸収、散乱しないといった点において、赤外線吸収色素が好ましい。
前記赤外線吸収色素は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、カチオン性色素、錯塩形成色素、キノン系中性色素などが好適である。また、前記赤外線吸収色素の極大吸収波長としては、600〜1,000nmの範囲が好ましく、特に700〜900nmの範囲がより好ましい。
前記赤外線吸収色素の含有量は、本発明の光記録用組成物から形成された記録層において、赤外領域で最も吸光度が高い波長の吸光度で決定することができる。該吸光度としては、0.1〜2.5の範囲が好ましく、0.2〜2.0の範囲がより好ましい。
本発明の光記録用組成物には、更に必要に応じて、重合時の体積変化を緩和するため、重合成分とは逆方向へ拡散する成分を添加してもよく、あるいは、酸開裂構造を有する化合物を重合体のほかに別途添加してもよい。
本発明の光記録用組成物は、情報を含んだ光の照射によって該情報の記録を行える各種のホログラフィック記録用組成物に利用可能であって、特に、ボリュームホログラフィック記録用組成物として好適である。本発明の光記録用組成物を、例えば基板上に塗布することにより記録層を形成することができる。本発明の光記録用組成物が前述のように熱硬化性化合物を含む場合、塗布後に加熱下に置くことにより硬化反応を進行させマトリックスを形成することができる。加熱条件は、使用する熱硬化性化合物に応じて決定すればよい。なお、光記録用組成物が十分低い粘度ならばキャスティングすることによって記録層を形成することができる。一方、キャスティングできない高粘度である場合には、ディスペンサーを用いて下側基板に記録層を盛りつけ、この記録層上に上側基板で蓋をするように押し付けて、全面に広げて記録媒体を形成することができる。
[ホログラフィック記録媒体]
本発明のホログラフィック記録媒体は、一般式(I)で表される環状アリルスルフィド化合物を含む記録層を有する。前記記録層は、本発明の光記録用組成物から形成することができる。例えば、前述の方法により本発明の光記録用組成物からなる記録層を形成することができる。
本発明のホログラフィック記録媒体は、記録層中に一般式(I)で表される環状アリルスルフィド化合物を含有する。一般式(I)で表される化合物は体積収縮が少ないため、多重記録特性に優れるとともに高感度記録再生が可能な高密度記録用媒体を形成することができる。なお、記録層中に一般式(I)で表される化合物を含有することを確認する方法としては、記録層部分をテトラヒドロフラン(THF)またはジオキサンを用いて抽出して、ガスクロマトグラフィー(GC)により、一般式(I)で表される化合物のピークを検出する方法を用いることができる。記録層中の一般式(I)で表される化合物の含有量は、先に本発明の光記録用組成物中の含有量と同様、1〜50質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、3〜10質量%が更に好ましい。前記含有量が50質量%以下であれば、干渉像の安定性を容易に確保することができ、1質量%以上であれば、回折効率の点で望ましい性能を得ることができる。本発明のホログラフィック記録媒体の記録層中の各成分の詳細も、先に本発明の光記録用組成物について述べた通りである。
本発明のホログラフィック記録媒体は、前記記録層(ホログラフィック記録層)を有し、好ましくは、下側基板と、フィルタ層と、ホログラフィック記録層と、上側基板とを有し、必要に応じて、反射膜、フィルタ層、第1ギャップ層、第2ギャップ層等のその他の層を有することができる。
本発明のホログラフィック記録媒体は、ホログラムの原理を利用して情報の記録再生が可能であり、二次元などの情報を記録する比較的薄型の平面ホログラムや立体像など多量の情報を記録する体積ホログラムであってもよく、透過型および反射型のいずれであってもよい。本発明のホログラフィック記録媒体は、高容量の情報記録が可能であるため、高記録密度が求められるボリューム(体積)ホログラフィック記録媒体として好適である。
また、本発明のホログラフィック記録媒体へのホログラムの記録方式は特に限定されず、例えば、振幅ホログラム、位相ホログラム、ブレーズドホログラム、複素振幅ホログラムなどでもよい。これらの中でも、体積ホログラフィック記録領域における情報の記録が、情報光および参照光を同軸光束として体積ホログラフィック記録領域に照射し、前記情報光と前記参照光との干渉による干渉パターンによって情報を記録する、いわゆるコリニア方式が特に好ましい。
以下に、本発明のホログラフィック記録媒体に含まれ得る基板および各層の詳細を順次説明する。
−基板−
基板は、その形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その形状としては、例えば、ディスク形状、カード形状などが挙げられ、ホログラフィック記録媒体の機械的強度を確保できる材料のものを選定すべきである。また、記録および再生に用いる光が基板を通して入射する場合は、用いる光の波長領域で十分に透明であることが好ましい。
基板材料としては、通常、ガラス、セラミックス、樹脂、などが用いられるが、成形性、コストの点から、樹脂が特に好適である。前記樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂、などが挙げられる。これらの中でも、成形性、光学特性、コストの点から、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂が特に好ましい。基板としては、適宜合成したものであってもよいし、市販品を使用してもよい。
基板には、通常、半径方向に線状に延びる複数の位置決め領域としてのアドレス−サーボエリアが所定の角度間隔で設けられ、隣り合うアドレス−サーボエリア間の扇形の区間がデータエリアになっている。アドレス−サーボエリアには、サンプルドサーボ方式によってフォーカスサーボおよびトラッキングサーボを行うための情報とアドレス情報とが、予めエンボスピット(サーボピット)等によって記録されている(プリフォーマット)。なお、フォーカスサーボは、反射膜の反射面を用いて行うことができる。トラッキングサーボを行うための情報としては、例えば、ウォブルピットを用いることができる。なお、ホログラフィック記録媒体がカード形状の場合には、サーボピットパターンは無くても構わない。
基板の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.1〜5mmが好ましく、0.3〜2mmがより好ましい。基板の厚みが、0.1mm以上であれば、ディスク保存時の形状の歪みを抑えることができ、5mm以下であれば、ディスク全体の質量が大きくなってドライブモーターに過剰な負荷がかかることを回避することができる。
−記録層−
記録層は、本発明の光記録用組成物から形成され、ホログラフィを利用して情報が記録され得るものである。記録層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。記録層の厚みが1〜1,000μmの範囲であれば、10〜300多重のシフト多重を行っても十分なS/N比を得ることができ、100〜700μmの範囲であればそれが顕著である点で有利である。
−反射膜−
反射膜は、基板のサーボピットパターン表面に形成することができる。
反射膜の材料としては、情報光や参照光に対して高い反射率を有する材料を用いることが好ましい。情報光および参照光として使用する光の波長が400〜780nmである場合には、例えば、Al、Al合金、Ag、Ag合金、などを使用することが好ましい。情報光および参照光として使用する光の波長が650nm以上である場合には、Al、Al合金、Ag、Ag合金、Au、Cu合金、TiN、などを使用することが好ましい。
なお、反射膜として、光を反射すると共に、追記および消去のいずれかが可能な光記録媒体、例えば、DVD(ディジタル ビデオ ディスク)などを用いることにより、ホログラムをどのエリアまで記録したか、いつ書き換えたか、どの部分にエラーが存在し交替処理をどのように行ったか、などのディレクトリ情報などをホログラムに影響を与えずに追記および書き換えすることも可能となる。
反射膜の形成方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、各種気相成長法、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などが用いられる。これらの中でも、スパッタリング法が、量産性、膜質等の点で優れている。
反射膜の厚みは、十分な反射率を実現し得るように、50nm以上が好ましく、100nm以上がより好ましい。
−フィルタ層−
フィルタ層は、基板のサーボピット上、反射層上または後述する第一ギャップ層上に設けることができる。
フィルタ層は、複数種の光線の中から特定の波長の光のみを反射する、波長選択反射機能を有し、第一の光を透過し、第二の光を反射する。特に、入射角が変化しても選択反射波長にずれが生じることなく、情報光および参照光による記録媒体の反射膜からの乱反射を防止し、ノイズの発生を防止する機能もあり、記録媒体にフィルタ層を積層することにより、高解像度、回折効率の優れた光記録を行うことができる。
フィルタ層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ダイクロイックミラー層、色材含有層、誘電体蒸着層、単層または2層以上のコレステリック層および必要に応じて適宜選択したその他の層の少なくともいずれかを積層した積層体により形成することができる。その厚さは、特に限定されないが、例えば0.5〜20μm程度である。
フィルタ層は、記録層などと共に、直接基板上に塗布などにより積層してもよく、フィルム等の基材上に積層してフィルタ層を作製し、これを基板上に積層してもよい。
−第1ギャップ層−
第1ギャップ層は、必要に応じてフィルタ層と反射膜との間に設けられ、下側基板表面を平滑化する目的で形成される。また、記録層内に生成されるホログラムの大きさを調整するためにも有効である。即ち、記録層は、記録用参照光および情報光の干渉領域をある程度の大きさに形成する必要があるので、記録層とサーボピットパターンとの間にギャップを設けることが有効となる。
第1ギャップ層は、例えば、サーボピットパターンの上から紫外線硬化樹脂等の材料をスピンコート等で塗布し、硬化させることにより形成することができる。また、フィルタ層として透明基材の上に塗布形成したものを使用する場合には、該透明基材が第1ギャップ層としても働くことになる。
第1ギャップ層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1〜200μmが好ましい。
−第2ギャップ層−
第2ギャップ層は、必要に応じて記録層とフィルタ層との間に設けられる。
第2ギャップ層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリスルホン(PSF)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリメタクリル酸メチル=ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のような透明樹脂フィルム、または、JSR社製商品名ARTONフィルムや日本ゼオン社製商品名ゼオノアのような、ノルボルネン系樹脂フィルム、などが挙げられる。これらの中でも、等方性の高いものが好ましく、TAC、PC、商品名ARTON、および商品名ゼオノアが特に好ましい。
第2ギャップ層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1〜200μmが好ましい。
以下に、本発明のホログラフィック記録媒体について、具体的態様に基づき更に詳しく説明する。ただし、本発明は下記具体的態様に限定されるものではない。
<第一の実施形態>
図1は、第一の実施形態にかかるホログラフィック記録媒体の構成を示す概略断面図である。第一の実施形態にかかるホログラフィック記録媒体21では、ポリカーボネート樹脂製基板またはガラス基板1にサーボピットパターン3が形成され、該サーボピットパターン3上にアルミニウム、金、白金等でコーティングして反射膜2が設けられている。なお、図1では下側基板1全面にサーボピットパターン3が形成されているが、サーボピットパターンは周期的に形成されていてもよい。また、このサーボピットパターン3の高さは、通常1750Å(175nm)であり、基板を始め他の層の厚みに比べて充分に小さいものである。
第1ギャップ層8は、紫外線硬化樹脂等の材料を下側基板1の反射膜2上にスピンコート等により塗布して形成される。第1ギャップ層8は、反射膜2を保護すると共に、記録層4内に生成されるホログラムの大きさを調整するためにも有効である。つまり、記録層4とサーボピットパターン3との間にギャップを設けることは、記録層4において記録用参照光と情報光の干渉領域をある程度の大きさに形成するために有効である。
第1ギャップ層8上にはフィルタ層6が設けられ、該フィルタ層6と上側基板5(ポリカーボネート樹脂基板やガラス基板)によって記録層4を挟むことによってホログラフィック記録媒体21が構成される。
図1において、フィルタ層6は、赤色光のみを透過し、それ以外の色の光を通さないものである。従って、情報光、記録および再生用参照光は緑色または青色の光であるので、フィルタ層6を透過せず、反射膜2まで達することなく、戻り光となり、入出射面Aから出射することになる。
このフィルタ層6は、高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層した多層蒸着膜である。
この多層蒸着膜からなるフィルタ層6は、第1ギャップ層8上に真空蒸着により直接形成してもよいし、基材上に多層蒸着膜を形成したフィルムをホログラフィック記録媒体形状に打ち抜いて配置してもよい。
本実施形態におけるホログラフィック記録媒体21は、ディスク形状でもいいし、カード形状であってもよい。カード形状の場合にはサーボピットパターンは無くてもよい。また、このホログラフィック記録媒体21では、下側基板1は0.6mm、第1ギャップ層8は100μm、フィルタ層6は2〜3μm、記録層4は0.6mm、上側基板5は0.6mmの厚みであって、合計厚みは約1.9mmとなっている。
次に、図3を参照して、ホログラフィック記録媒体21への情報の記録および再生に使用可能な光学系について説明する。
まず、サーボ用レーザーから出射した光(赤色光)は、ダイクロイックミラー13でほぼ100%反射して、対物レンズ12を通過する。対物レンズ12によってサーボ用光は反射膜2上で焦点を結ぶようにホログラフィック記録媒体21に対して照射される。つまり、ダイクロイックミラー13は緑色や青色の波長の光を透過し、赤色の波長の光をほぼ100%反射させるようになっている。ホログラフィック記録媒体21の光の入出射面Aから入射したサーボ用光は、上側基板5、記録層4、フィルタ層6、および第1ギャップ層8を通過し、反射膜2で反射され、再度、第1ギャップ層8、フィルタ層6、記録層4、および上側基板5を透過して入出射面Aから出射する。出射した戻り光は、対物レンズ12を通過し、ダイクロイックミラー13でほぼ100%反射して、サーボ情報検出器(不図示)でサーボ情報が検出される。検出されたサーボ情報は、フォーカスサーボ、トラッキングサーボ、スライドサーボ等に用いられる。記録層4を構成するホログラム材料が、赤色の光では感光しないものであれば、サーボ用光が記録層4を通過したり、サーボ用光が反射膜2で乱反射したとしても、記録層4には影響を与えない。また、サーボ用光の反射膜2による戻り光は、ダイクロイックミラー13によってほぼ100%反射するようになっているので、サーボ用光が再生像検出のためのCMOSセンサまたはCCD14で検出されることはなく、再生光に対してノイズとなることもない。
また、記録用/再生用レーザーから生成された情報光および記録用参照光は、偏光板16を通過して線偏光となり、ハーフミラー17を通過して1/4波長板15を通った時点で円偏光になる。ダイクロイックミラー13を透過し、対物レンズ12によって情報光と記録用参照光が記録層4内で干渉パターンを生成するようにホログラフィック記録媒体21に照射される。情報光および記録用参照光は入出射面Aから入射し、記録層4で干渉し合って干渉パターンをそこに生成する。その後、情報光および記録用参照光は、記録層4を通過し、フィルタ層6に入射するが、該フィルタ層6の底面までの間に反射されて戻り光となる。つまり、情報光と記録用参照光は反射膜2までは到達しない。フィルタ層6は高屈折率層と低屈折率層とを交互に複数積層した多層蒸着層であり、赤色光のみを透過する性質を有するからである。
<第二の実施形態>
図2は、第二の実施形態にかかるホログラフィック記録媒体の構成を示す概略断面図である。この第二の実施形態に係るホログラフィック記録媒体22では、ポリカーボネート樹脂またはガラス基板1にサーボピットパターン3が形成され、該サーボピットパターン3表面にアルミニウム、金、白金等でコーティングして反射膜2が設けられている。また、このサーボピットパターン3の高さは、通常1750Å(175nm)である点については、第一の実施形態と同様である。
第二の実施形態と第一の実施形態の構造の差異は、第二の実施形態にかかるホログラフィック記録媒体22では、フィルタ層6と記録層4との間に第2ギャップ層7が設けられていることである。この第2ギャップ層7には、情報光および再生光がフォーカシングするポイントが存在する。このエリアをフォトポリマーで埋めていると過剰露光によるモノマーの過剰消費が起こり多重記録能が下がってしまう。そこで、無反応で透明な第2ギャップ層を設けることが有効となる。
高屈折率層と低屈折率層とを交互に複数積層した多層蒸着膜であるフィルタ層6は、第1ギャップ層8を形成した後、該第1ギャップ層8上に形成され、前記第一実施形態と同様のものを用いることができる。
また、第二実施形態のホログラフィック記録媒体22では、下側基板1は1.0mm、第1ギャップ層8は100μm、フィルタ層6は3〜5μm、第2ギャップ層7は70μm、記録層4は0.6mm、上側基板5は0.4mmの厚みであって、合計厚みは約2.2mmとなっている。
次に、情報の記録または再生を行う場合、上記のような構造を有する第二実施形態のホログラフィック記録媒体22に対して、赤色のサーボ用光および緑色の情報光並びに記録および再生用参照光が照射される。サーボ用光は、入出射面Aから入射し、記録層4、第2ギャップ層7、フィルタ層6、および第1ギャップ層8を通過して反射膜2で反射して戻り光となる。この戻り光は、再度、第1ギャップ層8、フィルタ層6、第2ギャップ層7、記録層4および上側基板5をこの順序で通過して、入出射面Aより出射する。出射した戻り光は、フォーカスサーボやトラッキングサーボ等に用いられる。記録層4を構成するホログラム材料が、赤色の光では感光しないものであれば、サーボ用光が記録層4を通過したり、サーボ用光が反射膜2で乱反射したとしても、記録層4には影響を与えない。緑色の情報光等は、入出射面Aから入射し、記録層4、第2ギャップ層7を通過して、フィルタ層6で反射して戻り光となる。この戻り光は、再度、第2ギャップ層7、記録層4および上側基板5をこの順序で通過して、入出射面Aより出射する。また、再生時についても再生用参照光はもちろん、再生用参照光を記録層4に照射することによって発生する再生光も反射膜2に到達せずに入出射面Aから出射する。なお、ホログラフィック記録媒体22周辺(図3における対物レンズ12、フィルタ層6、検出器としてのCMOSセンサまたはCCD14)での光学的動作は、第一の実施形態と同様なので説明を省略する。
次に、本発明のホログラフィック記録媒体へ情報を記録する方法について説明する。本発明の光記録用組成物から形成された記録層に対して情報光および参照光を照射することにより該記録層に干渉像を形成し、次いで、干渉像が形成された記録層に対して定着光を照射することにより干渉像を定着させることができる。
情報光としては、可干渉性を有する光を使用することができる。情報光の光軸と参照光の光軸とが同軸となるように、記録媒体に情報光および前記参照光を照射することにより、該情報光と該参照光との干渉により生成される干渉像を記録層に記録することができる。具体的には、二次元的な強度分布が与えられた情報光と、該情報光と強度がほぼ一定な参照光とを記録層内部で重ね合わせ、それらが形成する干渉パターンを利用して記録層内部に光学特性の分布を生じさせることにより、情報を記録することができる。情報光および参照光の波長は、400nm以上であることが好ましく、400〜2000nmであることが更に好ましく、400〜700nmであることが特に好ましい。
情報光および参照光照射により情報記録(干渉像形成)を行った後、定着光を照射することにより、干渉像を定着させることができる。定着光の波長は400nm未満であることが好ましく、100nm以上400nm未満であることが更に好ましく、200nm以上400nm未満であることが特に好ましい。
上記方法により形成された干渉像に参照光を照射することにより、情報を再生することができる。書き込んだ情報を読み出す(再生する)際には、記録時と同様の配置で参照光のみを記録層に照射し、記録層内部に形成された光学特性分布に対応した強度分布を有する再生光が記録層から出射される。
次に、本発明のホログラフィック記録媒体への情報の記録および再生に好適に使用される光記録再生装置について、図4を参照して説明する。
図4に示す光記録再生装置100は、ホログラフィック記録媒体20が取り付けられるスピンドル81と、このスピンドル81を回転させるスピンドルモータ82と、ホログラフィック記録媒体20の回転数を所定の値に保つようにスピンドルモータ82を制御するスピンドルサーボ回路83とを備えている。
また、光記録再生装置100は、ホログラフィック記録媒体20に対して情報光と記録用参照光とを照射して情報を記録すると共に、ホログラフィック記録媒体20に対して再生用参照光を照射し、再生光を検出して、ホログラフィック記録媒体20に記録されている情報を再生するためのピックアップ31と、このピックアップ31をホログラフィック記録媒体20の半径方向に移動可能とする駆動装置84とを備えている。
光記録再生装置100は、ピックアップ31の出力信号よりフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TE、および再生信号RFを検出するための検出回路85と、この検出回路85によって検出されるフォーカスエラー信号FEに基づいて、ピックアップ31内のアクチュエータを駆動して対物レンズ(不図示)をホログラフィック記録媒体20の厚み方向に移動させてフォーカスサーボを行うフォーカスサーボ回路86と、検出回路85によって検出されるトラッキングエラー信号TEに基づいてピックアップ31内のアクチュエータを駆動して対物レンズをホログラフィック記録媒体20の半径方向に移動させてトラッキングサーボを行うトラッキングサーボ回路87と、トラッキングエラー信号TEおよび後述するコントローラからの指令に基づいて駆動装置84を制御してピックアップ31をホログラフィック記録媒体20の半径方向に移動させるスライドサーボを行うスライドサーボ回路88とを備えている。
光記録再生装置100は、更に、ピックアップ31内のCMOSまたはCCDアレイの出力データをデコードして、ホログラフィック記録媒体20のデータエリアに記録されたデータを再生したり、検出回路85からの再生信号RFより基本クロックを再生したりアドレスを判別したりする信号処理回路89と、光記録再生装置100の全体を制御するコントローラ90と、このコントローラ90に対して種々の指示を与える操作部91とを備えている。コントローラ90は、信号処理回路89より出力される基本クロックやアドレス情報を入力すると共に、ピックアップ31、スピンドルサーボ回路83、およびスライドサーボ回路88等を制御するようになっている。スピンドルサーボ回路83は、信号処理回路89より出力される基本クロックを入力するようになっている。コントローラ90は、CPU(中央処理装置)、ROM(リード オンリ メモリ)、およびRAM(ランダム アクセス メモリ)を有し、CPUが、RAMを作業領域として、ROMに格納されたプログラムを実行することによって、コントローラ90の機能を実現することができる。
以下、本発明を実施例に基づき更に説明する。但し、本発明は実施例に示す態様に限定されるものではない。
(光記録用化合物の合成例)
例示化合物M−17、M−18、M−46、M−47、M−34を、下記スキームにより合成した。合成原料等を変更することにより、下記スキームに準じて一般式(I)で表される様々な化合物を合成することができる。
上記スキームにより合成した例示化合物の同定結果を以下に示す。
M-17;1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ2.00 (s, 3H), 3.05 (m, 4H), 3.21 (s, 4H), 4.95 (m, 1H), 5.20 (s, 2H)
M-18;1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ3.16 (d, 2H), 3.18 (d, 2H), 3.23 (s, 4H), 5.20 (s, 2H), 5.20 (m, 1H), 7.30 (m, 3H), 8.0 (m, 3H)
M-46;1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ3.16 (d, 2H), 3.18 (d, 2H), 3.24 (s, 4H), 5.20 (s, 2H), 5.22 (m, 1H), 7.36 (m, 2H), 7.79 (dd, 1H), 7.80 (dd, 1H)
M-47;1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ3.16 (d, 2H), 3.18 (d, 2H), 3.24 (s, 4H), 5.20 (s, 2H), 5.20 (m, 1H), 7.30 (dd, 1H), 7.48 (d, 1H), 7.79 (d, 1H)M-44;1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ2.00 (s, 3H), 2.80-3.80(m, 7H), 4.10〜4.30 (m, 2H), 4.85 (d, 2H)
M-34;1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ2.95 (m, 2H), 2.36 (s, 2H), 4.50 (m, 2H), 5.60 (s, 1H), 5.85 (s, 1H)
(光ラジカル重合開始剤の合成例)
例示化合物(I−2)、(I−3)、(I−8)、(I−9)を、DE2830927A1に記載の方法に準じ、下記の一般スキームによって合成した。下記スキーム中、Ra〜Rcは一般式(IV)における定義と同義である。合成原料を変更することにより、下記スキームによってRa〜Rcが異なる様々な化合物を合成することができる。
上記で得られた例示化合物I−2、I−3、I−8、I−9の同定結果を以下に示す。
<I-2>
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ1.32 (t, 3H), 3.62(s, 6H), 4.13〜4.26 (m, 2H), 6.49 (d, 2H), 7.32(t, 1H), 7.40〜7.51 (m, 2H), 7.54〜7.59(m, 1H), 7.79 (dd, 2H)
<I-3>
1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ1.37 (d, 3H), 1.39 (d, 3H), 4.91〜4.98 (m, 1H), 7.29 (s, 3H), 7.47〜7.51 (m, 2H), 7.59〜7.61 (m ,1H), 7.91 (dd, 2H)
<I-8>
1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ1.34 (d, 3H), 1.38 (d, 3H), 3.67(s, 6H), 4.68〜4.80 (m, 1H), 7.32 (t, 1H), 7.41〜7.50 (m, 2H), 7.52〜7.59 (m ,1H), 7.90 (dd, 2H)
<I-9>
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ1.36 (t, 3H), 4.41 (q, 2H), 7.28 (s, 3H), 7.58〜7.64 (m, 1H), 7.93 (dd, 2H)
(実施例1)
−ホログラフィック記録用組成物の調製−
ビスシクロヘキシルメタンジイソシアネート31.5g、ポリプロピレンオキサイドトリオール(質量平均分子量1,000)61.2g、テトラメチレングリコール2.5g、例示化合物M-8 3.1g、光重合開始剤ビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-ビス(2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)-フェニル)チタニウム(イルガキュア784、チバスペシャリティーケミカルズ社製)0.69g、およびジブチルジラウレートスズ1.01gを窒素気流下で混合し、ホログラフィック記録用組成物を調製した。
(実施例2)
−ホログラフィック記録用組成物の調製−
実施例1において、例示化合物M-8の代わりに例示化合物M-16を用いた以外は、実施例1と同様にして、ホログラフィック記録用組成物を調製した。
(実施例3)
−ホログラフィック記録用組成物の調製−
実施例1において、例示化合物M-8の代わりに例示化合物M-18を用いた以外は、実施例1と同様にして、ホログラフィック記録用組成物を調製した。
(実施例4)
−ホログラフィック記録用組成物の調製−
実施例1において、例示化合物M-8の代わりに例示化合物M-21を用いた以外は、実施例1と同様にして、ホログラフィック記録用組成物を調製した。
(実施例5)
−ホログラフィック記録用組成物の調製−
実施例1において、例示化合物M-8の代わりに例示化合物M-34を用いた以外は、実施例1と同様にして、ホログラフィック記録用組成物を調製した。
(実施例6)
−ホログラフィック記録用組成物の調製−
ヘキサメチレンジイソシアネート(三井化学ポリウレタン(株)製、商品名:タケネートT−700)6.4g、ポリプロピレンオキサイドトリオール(三井化学ポリウレタン(株)製、商品名MN−300)5.21g、ポリエチレングリコール(東京化成工業(株)製)4.64g、例示化合物(M−18)1.85g、光重合開始剤(2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィン酸エチルエステル、商品名ルシリンTPO−L、BASFジャパン社製)0.16g、および硬化アミン触媒(サンアプロ(株)製、商品名:U−CAT 410)0.20gを窒素気流下で混合し、ホログラフィック記録用組成物を調製した。
(実施例7)
−ホログラフィック記録用組成物の調製−
実施例6において、光重合開始剤(2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィン酸エチルエステル、商品名ルシリンTPO−L、BASFジャパン社製)0.16gの代わりに例示化合物(I−8)0.16gを用いた以外は、実施例6と同様にして、ホログラフィック記録用組成物を調製した。
(実施例8)
−ホログラフィック記録用組成物の調製−
実施例7において例示化合物(M-18)の代わりに(M-45)を用いた以外は、実施例7と同様にして、ホログラフィック記録用組成物を調製した。
(実施例9)
−ホログラフィック記録用組成物の調製−
実施例7において例示化合物(M-18)の代わりに(M-46)を用いた以外は、実施例7と同様にして、ホログラフィック記録用組成物を調製した。
(比較例1)
−ホログラフィック記録用組成物の調製−
ビスシクロヘキシルメタンジイソシアネート31.5g、ポリプロピレンオキサイドトリオール(質量平均分子量1,000)61.2g、テトラメチレングリコール2.5g、モノマーとしての下記比較化合物R-1(2,4,6−トリブロモフェニルアクリレート)3.1g、光重合開始剤(イルガキュア784、チバスペシャリティーケミカルズ社製)0.69g、およびジブチルジラウレートスズ1.01gを窒素気流下で混合して、ホログラフィック記録用組成物を調製した。
(比較例2)
−ホログラフィック記録用組成物の調製−
ビスシクロヘキシルメタンジイソシアネート31.5g、ポリプロピレンオキサイドトリオール(質量平均分子量1,000)61.2g、テトラメチレングリコール2.5g、下記比較化合物R-2 3.1g、光重合開始剤(イルガキュア784、チバスペシャリティーケミカルズ社製)0.69g、およびジブチルジラウレートスズ1.01gを窒素気流下で混合して、ホログラフィック記録用組成物を調製した。
(比較例3)
−ホログラフィック記録用組成物の調製−
ヘキサメチレンジイソシアネート(三井化学ポリウレタン(株)製、商品名:タケネートT−700)6.4g、ポリプロピレンオキサイドトリオール(三井化学ポリウレタン(株)製、商品名MN−300)5.21g、ポリエチレングリコール(東京化成工業(株)製)4.64g、2,4,6−トリブロモフェニルアクリレート(第一工業製薬(株)製、商品名:BR−30)1.85g、光重合開始剤(2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィン酸エチルエステル、商品名ルシリンTPO−L、BASFジャパン社製)0.16g、および硬化アミン触媒(サンアプロ(株)製、商品名:U−CAT 410)0.20gを窒素気流下で混合し、ホログラフィック記録用組成物を調製した。
(実施例10〜18および比較例4〜6)
−光記録媒体の作製−
厚み0.5mmのガラスの片面に532nmおよび405nmの波長に対して垂直な入射光による反射率が0.1%となるように反射防止処理を施して、第一基板を作製した。
厚み0.5mmのガラスの片面に532nmおよび405nmの波長に対して垂直な入射光による反射率が90%となるようにアルミニウム蒸着処理を施して、第二基板を作製した。
次に、第一基板の反射防止処理を施していない側の面に、厚み500μmの透明ポリエチレンテレフタレートシートをスぺーサーとして設けた。
次いで、実施例1〜9および比較例1〜3の各ホログラフィック記録用組成物を、それぞれ第一基板上に盛り付け、第二基板のアルミニウム蒸着した面をホログラフィック記録用組成物上に空気を巻き込まないように重ね合わせ、スぺーサーを介して第一基板と第二基板と貼合させた。その後、実施例10〜14および比較例4、5については、45℃にて24時間放置して各光記録媒体を作製した。実施例15〜18および比較例6については、80℃6時間放置して各光記録媒体を作製した。いずれも形成された記録層の厚さは、200μmであった。
<光記録媒体への記録および評価>
作製した各光記録媒体を、コリニアホログラム記録再生試験機(パルステック工業株式会社製SHOT−1000)を用いて、記録ホログラムの焦点位置における記録スポットの直径200μmで一連の多重ホログラムを書き込み、以下のようにして、感度(記録エネルギー)および媒体の体積収縮を測定した。結果を表1に示す。
−感度の測定−
記録時の照射光エネルギー(mJ/cm2)を変化させ、再生信号のエラー確率(BER:Bit Error Rate)の変化を測定した。通常、照射光エネルギーの増加にともない再生信号の輝度が増加し、再生信号のBERが徐々に低下する傾向にある。ここでは、ほぼ良好な再生像(BER<10-3)が得られる最低の照射光エネルギーを光記録媒体の記録感度とした。実施例10〜14および比較例4、5に関しては、記録光および参照光の波長は532nm、再生光の波長は532nmであった。実施例15〜18、比較例に関しては、記録光および参照光の波長は405nm、再生光の波長は405nmであった。
−媒体の体積収縮−
フォトポリマーの収縮膨張の解析手段として、平面波二光束干渉による干渉縞の変化から算出する手法が知られている。FPR (Fringe Plane Rotation)モデルでは記録媒体に斜めに記録したブラッグ格子の記録時の角度と、記録後(もしくは定着後)の最適再生角度の差から、記録-再生間に生じた記録層の収縮を評価することが可能である。図5にこのモデルの概念図を示す。記録前後で生じる収縮変化は厚み方向のみと仮定している。
FPRモデルによる干渉縞の傾きの変化は次式で表される。
ここで、Φ、Φ*はそれぞれ記録時、再生時の干渉縞の傾き、αは記録層の変化率である。
各記録媒体について、表1記載の記録波長(532nmまたは405nm)のレーザーの平面波二光束干渉装置により記録媒体に所定の角度Φで弱い回折効率(〜1%)の干渉縞(6mmφ)を記録し、その後記録媒体の曝光もしくは定着光照射(365nmレーザー、スポット径10mmφ)により記録媒体の光反応成分を完全に消費させた後、回折効率の再生角度依存性を計測し再度干渉縞の角度を計測した。記録時と、曝光もしくは定着後の干渉縞傾斜角の変化により、式(1)に基づいて記録媒体の収縮率αを見積もった。
表1の結果から、実施例1〜9のホログラフィック記録用組成物を用いた実施例10〜18の光記録媒体は、比較例1〜3のホログラフィック記録用組成物を用いた比較例4〜6の光記録媒体に比べて、いずれも優れた記録感度を有し、体積収縮が小さいことが認められる。
本発明の光記録用組成物は、より高密度の記録を行うことができるので、高密度画像記録が可能なボリュームホログラム型の各種光記録媒体の作製に好適である。
第一の実施形態にかかるホログラフィック記録媒体の一例を示す概略断面図である。 第二の実施形態にかかるホログラフィック記録媒体の一例を示す概略断面図である。 ホログラフィック記録媒体への情報の記録および再生に使用可能な光学系の一例を示す説明図である。 本発明のホログラフィック記録媒体への情報の記録および再生に好適に使用される記録再生装置の全体構成の一例を表すブロック図である。 FPRモデルの概念図を示す。
符号の説明
1 下側基板
2 反射膜
3 サーボピットパターン
4 記録層
5 上側基板
6 フィルタ層
7 第2ギャップ層
8 第1ギャップ層
12 対物レンズ
13 ダイクロイックミラー
14 検出器
15 1/4波長板
16 偏光板
17 ハーフミラー
20 ホログラフィック記録媒体
21 ホログラフィック記録媒体
22 ホログラフィック記録媒体
31 ピックアップ
81 スピンドル
82 スピンドルモータ
83 スピンドルサーボ回路
84 駆動装置
85 検出回路
86 フォーカスサーボ回路
87 トラッキングサーボ回路
88 スライドサーボ回路
89 信号処理回路
90 コントローラ
91 操作
100 光記録再生装置
A 入出射面
FE フォーカスエラー信号
TE トラッキングエラー信号
RF 再生信号

Claims (13)

  1. 下記一般式(I)で表される光記録用化合物を含有する光記録用組成物
    [一般式(I)中、R1は水素原子またはアルキル基を表し、Z1は隣り合う炭素原子、硫黄原子および該硫黄原子と結合する炭素原子とともに環構造を形成する原子団を表す。]
  2. ホログラフィック記録用組成物である請求項1に記載の光記録用組成物
  3. 一般式(I)で表される化合物は下記一般式(II)で表される化合物である請求項1または2に記載の光記録用組成物
    [一般式(II)中、R1は一般式(I)における定義と同義であり、R12は水素原子またはアルキル基を表し、R13、R14およびR15はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アミノ基、アシル基またはハロゲン基を表し、m1は0または1を表す。]
  4. 一般式(II)中、R1およびR12は、それぞれ独立に水素原子またはメチル基を表し、R13、R14およびR15はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基またはアシル基を表す請求項3に記載の光記録用組成物
  5. 一般式(II)中、R1およびR12はいずれも水素原子を表し、R13、R14およびR15は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基またはアシルオキシ基を表し、m1は1を表す請求項3に記載の光記録用組成物
  6. 一般式(I)で表される化合物は下記一般式(III)で表される化合物である請求項1または2に記載の光記録用組成物
    [一般式(III)中、R1は一般式(I)における定義と同義であり、R23、R24およびR25はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アミノ基、アシル基またはハロゲン基を表し、m2は0または1を表す。]
  7. 一般式(III)中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R23、R24およびR25はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基またはアシル基を表す請求項6に記載の光記録用組成物。
  8. 一般式(III)中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R23、R24およびR25は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基またはアシルオキシ基を表し、m2は0を表す請求項6に記載の光記録用組成物。
  9. 熱硬化性化合物を更に含有する請求項1〜8のいずれか1項に記載の光記録用組成物。
  10. 熱硬化性化合物は、多官能イソシアネートおよび多官能アルコールを含む請求項に記載の光記録用組成物。
  11. 光ラジカル重合開始剤を更に含有する請求項10のいずれか1項に記載の光記録用組成物。
  12. 光ラジカル重合開始剤が下記一般式(IV)で表される化合物である請求項11に記載の光記録用組成物。
    [一般式(IV)中、Ra、RbおよびRcは、それぞれ独立にアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表し、Xは酸素原子または硫黄原子を表す。]
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の光記録用組成物から形成された記録層を有するホログラフィック記録媒体。
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