JP3621533B2 - 多官能エステルアクリレートを用いた硬化性樹脂組成物 - Google Patents

多官能エステルアクリレートを用いた硬化性樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は多官能エステルアクリレート、およびそれを必須成分とした硬化性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に金属基材、プラスチック基材の表面保護あるいは基材間の接着を主な目的として種々のコート剤が使用されている。これらのコート剤に要求される特性としては、高硬度、加工性、密着性、耐汚染性、耐薬品性、耐水性、美観など多くの項目がある。中でも重要な特性である硬度、加工性は互いに相反する性質でありかつ要求されるレベルは高い。ここで言う加工性とは基材を種々の形状にしていく際の折り曲げ、絞り、押し出し、切断等の工程において、塗膜の損傷が少ないことを言い、塗膜自体の伸びや柔軟性の程度が大きい程良好となる。一方、硬度は塗膜の耐久性を向上させるという点で高い程望ましいが、折り曲げ性を低下させる方向に作用する。従って、従来の技術では硬度と折り曲げ性の両方を高いレベルで両立させることは極めて困難であった。
【0003】
金属材料およびプラスチック材料のコーティング剤としては多くの公知例があるが、硬度、折り曲げ性のいずれかに優れたものはあるものの、両物性を満足させるという点では必ずしも十分とは言えず改良が望まれていた。例えば、特開平2− 102279号、特開平3− 258374号等も知られているが、この方法により得られる塗膜は折り曲げ性は良好であるが硬度が十分でなく、折り曲げ性と硬度を高いレベルで両立するものではなかった。
【0004】
また、プラスチックや金属材料用のアクリル系樹脂からなる接着剤としては様々なタイプの接着剤が使用されている。これらの接着剤に要求される特性としては耐熱性、耐湿性、耐衝撃性、耐剥離性、即硬化性、保存安定性等の項目がある。中でも耐熱性、耐湿性は接着剤の長期信頼性の点から重要な性能である。従来のアクリル系樹脂の接着剤ではその高い硬化収縮のため内部応力の発生によって接着強度が低下し、耐熱、耐湿信頼性において問題であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は上記の問題点を解決し、表面硬度と耐折り曲げ性および密着性に優れた塗膜を与える硬化性樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、特定のアクリレート化合物に炭素数4〜22の脂肪族ジカルボン酸誘導体を反応させることにより、熱、光硬化性を有する多官能エステルアクリレートを見いだし、これを使用することにより表面硬度および耐折り曲げ性および密着性にも優れた硬化性樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は下記一般式(1)
【化3】
Figure 0003621533
で示され、かつ、当該化合物の0 . 5gを N- メチル - - ピロリドン100mlに溶解した溶液を30℃で測定したインヘレント(η inh )粘度が0 . 01〜2 . 0dl / gである多官能エステルアクリレート100重量部に対して、数平均分子量が1500以下で1分子中に(メタ)アクリロイル基を3個以上含む多官能アクリレートを20〜500重量部、及び重合開始剤を0.5〜20重量部配合してなる硬化性樹脂組成物である。
【0007】
本発明の多官能エステルアクリレートは、上記一般式(1)で示されるものである。ここで、Xは脂肪族残基、脂環族残基、芳香族残基、− O− 、− SO2−、− S −、− CO− 若しくは不存在を示すが、好ましくは下記一般式(2)で示される基である。
【化4】
Figure 0003621533
また、Rは水素又はメチル基である。R1 は水素又は炭素数1〜5のアルキル基又はハロゲンを示すが、好ましくは水素である。Yは炭素数4〜22の脂肪族カルボン酸の残基を示し、nは繰り返し数を示す。
この多官能エステルアクリレートは、例えばアクリレート化合物と脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体とを反応させることにより得ることができる。
【0008】
ここで使用するアクリレート化合物は、1分子中に2個以上のヒドロキシル基を有するアクリレート化合物であり、具体的には2,2− ビス[4− (3− アクリロキシ− 2− ヒドロキシプロポキシ)フェニル]プロパン、ビス[4− (3− アクリロキシ− 2− ヒドロキシプロポキシ)フェニル]メタン、ビス[4− (3− アクリロキシ− 2− ヒドロキシプロポキシ)フェニル]スルホン、ビス[4− (3− アクリロキシ− 2− ヒドロキシプロポキシ)フェニル]エーテル、4,4′− ビス[4− (3− アクリロキシ− 2− ヒドロキシプロポキシ)フェニル]シクロヘキサン、9,9− ビス[4− (3− アクリロキシ− 2− ヒドロキシプロポキシ)フェニル]フルオレン、9,9− ビス[3− メチル− 4− (3− アクリロキシ− 2− ヒドロキシプロポキシ)フェニル]フルオレン、9,9− ビス[3− クロロ− 4− (3− アクリロキシ− 2− ヒドロキシプロポキシ)フェニル]フルオレン、9,9− ビス[4− (3− アクリロキシ− 2− ヒドロキシプロポキシ)フェニル]アントラキノン等が挙げられる。
【0009】
また、ここで使用することができる脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体は1分子中に2個のカルボキシル基を有するものであり、炭素数4〜22好ましくは4〜12の脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体である。例えば、アジピン酸、オクタン二酸、セバシン酸、デカン二酸、ドデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ドコサン二酸、リンゴ酸などの脂肪族ジカルボン酸およびそれらのジクロライド、ジメチルエステルなど誘導体が挙げられ、これらを単独または2種以上混合して使用することができる。
【0010】
1分子中に3個以上のカルボキシル基を有する酸誘導体を使用すると、本発明の多官能エステルアクリレートを合成する際にゲル化を生じやすくなるため好ましくない。さらに生成した多官能エステルアクリレートに遊離のカルボン酸が残り、塗膜の耐湿性が低下するので好ましくない。
この脂肪族ジカルボン酸の炭素数が22を越えると、生成した多官能エステルアクリレートを熱あるいは光により硬化反応させた際、アクリル分子間の架橋点間距離すなわち架橋密度が低下することにより、形成した塗膜の表面硬度が低下するので好ましくない。また,炭素数が4より少ない場合は、生成した多官能エステルアクリレートが剛直な構造となり脂肪族構造に由来するフレキシビリティーが損なわれるため、塗膜を形成した際に折り曲げ性が極端に低下するため好ましくない。また、脂肪族以外のジカルボン酸誘導体、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、2,6− ナフタレンジカルボン酸等の芳香族カルボン酸では剛直構造を形成しやすくなるため、多官能エステルアクリレートのフレキシビリティーが損なわれるため塗膜を形成した際に折り曲げ性が極端に低下するため好ましくない。
【0011】
本発明の多官能エステルアクリレートを合成する際の配合比はアクリレート化合物のヒドロキシル基1モルに対して脂肪族ジカルボン酸誘導体を0. 2〜0. 5モルの割合で行う。配合比が0. 2未満であると生成する多官能エステルアクリレートの分子量が低く、特にそれを塗膜化した時の折り曲げ性が低下する。また0. 5モルより多い場合では生成する多官能エステルアクリレートの分子鎖末端にカルボキシル基が残存し、塗膜の耐湿性が低下するので好ましくない。
【0012】
アクリレート化合物と脂肪族ジカルボン酸誘導体との反応は、溶液重合法、界面重合法あるいはエステル交換法、直接重縮合法等の溶融重合法などの公知の方法により行うことができる。また、その際の重合触媒、重合度調整剤、熱安定剤等も従来公知のものを使用することができる。
反応を、例えば溶液重合法や界面重合法で行う場合はジカルボン酸を酸クロライド化合物とし、溶媒としてメチレンクロライド、ジクロロエタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等の通常使用される溶剤や塩酸捕捉剤を用いて製造することができる。
【0013】
反応生成物は溶剤や重合調整剤と分離した後、残留塩素を十分に水洗し除去する。エステル交換法で製造する場合はジカルボン酸ジアルキルエステルと前記のアクリレート化合物を触媒の存在下加熱してエステル交換反応した後、真空下重合をして得られる。
【0014】
得られた多官能エステルアクリレートの0. 5gをN−メチル− 2− ピロリドン100mlに溶解した溶液を30℃で測定した還元粘度は0.01〜2.0dl/g、好ましくは0. 1〜1. 0dl/ gの範囲である。0. 01dl/ g未満であると分子量が低く、塗膜にした際の可とう性特に折り曲げ性が低下するので好ましくはない。また、2. 0dl/ gより高い場合多官能エステルアクリレートの分子量が高く、これが光あるいは熱によって硬化反応する際の反応速度が低下するため好ましくない。この様にして得られた多官能エステルアクリレートは架橋構造を形成するアクリレートをエステル結合で連結させることで、架橋構造に起因する剛直性と脂肪族構造に由来するフレキシビリティーを共存した構造を有しており、それを塗膜にした際の曲げ性と硬度のバランスが良好で、さらには樹脂の低硬化収縮性から応力緩和性を発現することで密着安定性を付与することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の硬化性樹脂組成物は上述の多官能エステルアクリレートと重合開始剤を必須成分として配合してなることを特徴としている。重合開始剤としては、アクリロイル基の重合反応を開始し促進するものであれば、特に制限されず、公知の化合物を用いることができる。紫外線を照射し光硬化させる場合は、光重合開始剤を用いることが出来る。具体的には、2, 2− ジメトキシ− 2− フェニルアセトフェノン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、キサントン、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4, 4′− ジメトキシベンゾフェノン、N,N,N ′,N′− テトラメチル− 4, 4′− ジアミノベンゾフェノン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)− 2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン− 1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル− 1フェニルプロパン− 1−オン、その他チオキサントン系化合物等が例示され、これらの化合物の1種または2種以上使用することが出来る。
【0016】
また、加熱による硬化方法も用いることができる。この場合は開始剤としては次のようなものが挙げられる。すなわちケトンパーオキサイド、パーオキシケタノール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステル系等が挙げられる。
【0017】
これらの開始剤は一般式(1)で示される多官能エステルアクリレート100重量部に対して0. 5〜20重量部配合させることができる。0. 5重量部より少ないと重合反応率が極端に低下し、良好な塗膜を形成しづらくなり好ましくない。また、20重量部を越えると未反応物の開始剤や分解物が塗膜中に多量に残るため好ましくない。
【0018】
本発明の多官能エステルアクリレートおよび重合開始剤を必須成分とした硬化性樹脂組成物をコーティング剤および接着剤として使用する際に、塗膜の表面硬度および樹脂強度を向上させる目的で、数平均分子量が1500以下で1分子中に(メタ)アクリロイル基を3個以上含む多官能アクリレートを用いることができる。具体的にはジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレートが挙げられ、また上記化合物のアルキル変性(メタ)アクリレート、またはカプロラクトン変性(メタ)アクリレート、またはエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレートや、上記以外の脂肪族ポリオールの(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、トリス((メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、カプロラクトン変性トリス((メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
【0019】
これらの多官能アクリレートの分子量が1500を越えると塗膜の流動性が低下して平滑な塗膜が得られなかったり、架橋密度が低くなり表面硬度が低下して好ましくない。また、これらの化合物1分子中に(メタ)アクリロイル基が3個未満であると、架橋密度が低くなり、表面硬度および樹脂強度が低下して好ましくない。
【0020】
これらの多官能アクリレートは一般式(1)で示される多官能エステルアクリレート100重量部に対して20〜500重量部配合させることができる。20重量部より少ないと架橋密度が低くなり表面硬度が低下することがある。また、500重量部を越えると架橋密度が高くなりすぎ、本発明の目的である塗膜の折り曲げ性が損なわれるため好ましくない。
【0021】
また、本発明の硬化性樹脂組成物をコーティング剤および接着剤として用いる際に、粘度を低下させる目的で反応性希釈剤として他のアクリレートを用いることができる。具体的にはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3− プロピレンジオール(メタ)アクリレート、1,4− ブタンジオール(メタ)アクリレート、1,5− ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6− ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2− ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−ビニル− 2− ピロリドン、テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート、N−ビニルカプロラクタム等が挙げられる。
【0022】
これらの反応性希釈剤は一般式(1)で示される多官能エステルアクリレート100重量部に対して0〜100重量部配合させることができる。これらが100重量部を越えると、生成した際の塗膜の架橋密度が低下し表面硬度が低下して好ましくない。
【0023】
また、本発明の硬化性樹脂組成物には粘度を適正にする目的で、非重合性希釈剤を添加することも可能である。このような希釈剤としては、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、メチルセルソルブアセテート、エチルセルソルブアセテート、イソプロピルアルコール、トルエン、キシレンなどが挙げられる。塗料の適正粘度は、塗装方法、塗料の種類、塗装スピード、膜厚によって大きく変化するので、希釈剤の使用量は任意の割合にすることができる。しかし、これらの非重合性希釈剤は硬化せしめる際の加熱乾燥過程によって大部分が揮発しなければいけない。多量に残存した場合には塗膜の表面硬度、密着性に重大な欠陥が生ずることが多い。
【0024】
以上の他に、本発明の目的を損なわない範囲で、他の成分を加えることが可能である。このような成分としては、着色、隠蔽効果などを目的とする顔料、充填剤、界面活性剤、分散剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などである。
【0025】
【実施例】
以下、実施例より本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1
窒素導入管、温度計、冷却管、撹拌装置を備えた4つ口フラスコにアクリレートとして9, 9− ビス[4−(3−アクリロキシ2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]フルオレン121. 2g、溶剤としてテトラヒドロフラン(以下THF と略す。)を104g加え、さらに塩酸捕捉剤としてトリエチルアミンを30. 3g加え、溶解させた後、アジピン酸クロライド36. 6gを窒素雰囲気下反応温度30℃に保ちながら滴下ロートより約30分で滴下し滴下終了後30℃で反応を続け、GPC 分析により反応生成物中にアジピン酸クロライドが存在しないことを確認して反応を終了した。反応終了後、生成した塩を濾別し、得られた母液からTHF を留去させることで、反応生成物として多官能エステルアクリレートオリゴマーA を129g得た。(ηinh 粘度= 0. 15、 融点110℃、性状:黄白色粉状物質)。
【0026】
図1に得られた多官能エステルアクリレートの赤外吸収スペクトルを示し、図2に得られた多官能エステルアクリレートの核磁気共鳴スペクトルを示す。
【0027】
実施例2
9, 9− ビス[4−(3−アクリロキシ2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]フルオレン181. 8g、トリエチルアミンを30. 3g、アジピン酸クロライド36. 6gを加えた以外は実施例1と同様な方法により反応を行った結果、反応生成物として多官能エステルアクリレートオリゴマーB 184g(ηinh 粘度=0. 10 融点105℃、性状:黄白色粉状物質)を得た。
【0028】
実施例3
9, 9− ビス[4−(3−アクリロキシ2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]フルオレン121. 2g、トリエチルアミンを30. 3g、セバシン酸クロライド47. 8gを加えた以外は実施例1と同様な方法により反応を行った結果、反応生成物として多官能エステルアクリレートオリゴマーC を142g(ηinh 粘度=0. 17、融点120℃、性状:黄白色粉状物質)を得た。
【0029】
実施例4
9, 9− ビス[4−(3−アクリロキシ2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]フルオレン181. 8g、トリエチルアミンを30. 3g、セバシン酸クロライド47. 8gを加えた以外は実施例1と同様な方法により反応を行った結果、反応生成物として多官能エステルアクリレートオリゴマーD 187g(ηinh 粘度=0. 13 融点110℃、性状:黄白色粉状物質)を得た。
【0030】
実施例5
アクリレートとして2, 2− ビス[4− (3− アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]プロパン97. 2g、トリエチルアミンを19. 6g、アジピン酸クロライド24. 4g加えた以外は実施例1と同様な方法により反応を行った結果、反応生成物として多官能エステルアクリレートオリゴマーE 104g(ηinh 粘度=0. 10、融点95℃、性状:黄白色粉状物質)を得た。
【0031】
実施例6
アクリレートとして2, 2− ビス[4− (3− アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]プロパン97. 2g、トリエチルアミンを19. 6g、セバシン酸クロライド31. 9g加えた以外は実施例1と同様な方法により反応を行った結果、反応生成物として多官能エステルアクリレートオリゴマーF 106g(ηinh 粘度=0. 10、融点105℃、性状:黄白色粉状物質)を得た。
【0032】
実施例7
アクリレートとして2, 2− ビス[4− (3− アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]スルホン101. 6g、トリエチルアミンを19. 6g、アジピン酸クロライド36. 6g加えた以外は実施例1と同様な方法により反応を行った結果、反応生成物として多官能エステルアクリレートオリゴマーG 125g(ηinh 粘度=0. 10、融点105℃、性状:黄白色粉状物質)を得た。
【0033】
実施例8
アクリレートとして2, 2− ビス[4− (3− アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]エーテル92. 0g、トリエチルアミンを19. 6g、アジピン酸クロライド36. 6g加えた以外は実施例1と同様な方法により反応を行った結果、反応生成物として多官能エステルアクリレートオリゴマーH 106g(ηinh 粘度=0. 10、融点105℃、性状:黄白色粉状物質)を得た。
【0034】
製造例1
アクリレートとして9, 9− ビス[4−(3−アクリロキシ2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]フルオレン121. 2g、トリエチルアミンを30. 3g、炭素数30の酸クロライド50. 6gを加えた以外は実施例1と同様な方法により反応を行った結果、反応生成物として多官能エステルアクリレートオリゴマーI を152g(ηinh 粘度=0. 18、融点113℃、性状:黄白色粉状物質)を得た。
【0035】
製造例2
9, 9− ビス[4−(3−アクリロキシ2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]フルオレン121. 2g、トリエチルアミンを30. 3g、テレフタル酸クロライド40. 6gを加えた以外は製造例1と同様な方法により反応を行った結果、反応生成物として多官能エステルアクリレートオリゴマーJ を132g(ηinh 粘度=0. 17、融点133℃、性状:黄白色粉状物質)を得た。
【0036】
実施例9〜21
実施例1〜8で得られた多官能エステルアクリレートオリゴマーA 〜H を使用し、これにジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(アクリレート1)とテトラヒドロフルフリールアクリレート(アクリレート2)と光重合開始剤(チバガイキー社製イルガキュアー1700)および有機溶剤としてエチルセルソルブアセテートを表1に示す組み合わせで配合し、組成物1〜13を調製した。
【0037】
実施例22〜23
有機溶剤は使用せず、実施例1で得られた多官能エステルアクリレートオリゴマーA を使用し、これにジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(アクリレート1)とテトラヒドロフルフリールアクリレート(アクリレート2)と光重合開始剤(チバガイキー社製イルガキュアー1700)を表1の組み合わせで配合し、組成物14および15を調製した。
【0038】
比較例1
製造例1で得られた多官能エステルアクリレートオリゴマーI を使用し、実施例9と同じアクリレート1とアクリレート2とを使用し、実施例9と同じ光重合開始剤および有機溶剤を表1に示す組み合わせで配合し、組成物16を調製した。
【0039】
比較例2
製造例2で得られた多官能エステルアクリレートオリゴマーJ を使用し、実施例9と同じアクリレート1とアクリレート2とを使用し、実施例9と同じ光重合開始剤および有機溶剤を表1の組み合わせで配合し、組成物17を調製した。
【0040】
比較例3、4
エステルアクリレートオリゴマーA 〜J を使用せず、アクリレートとして9,9− ビス[4− (3− アクリロキシ− 2− ヒドロキシプロポキシ)フェニル]フルオレン(アクリレート3)および実施例9と同じアクリレート1とアクリレート2とを使用し、実施例9と同じ光重合開始剤および有機溶剤を表1の組み合わせで配合し、組成物18、19を調製した。
【0041】
比較例5
エステルアクリレートオリゴマーA 〜J を使用せず、アクリレートとして2,2− ビス[4− (3− アクリロキシ− 2− ヒドロキシプロポキシ)フェニル]プロパン(アクリレート4)および実施例9と同じアクリレート1とアクリレート2とを使用し、実施例9と同じ光重合開始剤および有機溶剤を表1の組み合わせで配合し、組成物20を調製した。
【0042】
組成物1〜20の性能評価は次のようにして行った。まず、基材として、クロメート処理をした電気亜鉛メッキ鋼板(0. 5mm厚)およびポリカーボネート板(0. 5mm厚)を用い、上記組成物を厚み15μmになるようにバーコーターにて塗布し、80℃1分間加熱した後、高圧水銀灯ランプにて紫外線を照射して硬化させて評価試料を調製した。ついで、評価試料について、鉛筆硬度試験、耐折り曲げ試験および密着性・碁盤目剥離試験をそれぞれ行った。各試験方法は次のとおりである。
【0043】
1)鉛筆硬度試験
鉛筆硬度試験用三菱ユニを用いて、JIS−K 5400に準じて行った。
2)耐折り曲げ試験
試験片と同じ厚さの板を挟んで、塗装面を外側にして20℃で180度にバイスで折り曲げ、折り曲げ部の塗膜状態をルーペで観察しクラックが入らない最小の挟む板の枚数を評価値とした。
3)密着性− 碁盤目剥離試験
JIS−K 5400に準じて行った。
【0044】
組成物の配合割合を表1に、評価結果を表2(基材:ポリカーボネート板、クロメート処理電気亜鉛メッキ鋼板)に掲げる。
表1において、樹脂は多官能エステルアクリレートオリゴマーを示し、他のアクリレートはアクリレート1〜4を示す。また、量は重量部を示す。
表2から明らかなように、比較例の組成物においては加工性あるいは硬度が不良であるのに対して、本発明法による実施例9〜23は硬度と加工性のバランスに優れ、かつ密着性に優れた塗膜を与える。
【0045】
【表1】
Figure 0003621533
【0046】
【表2】
Figure 0003621533
【0047】
【発明の効果】
本発明の多官能エステルアクリレートを用いて得られる硬化性樹脂組成物は、多くの架橋点を形成して塗膜の表面硬度を向上し、かつその柔軟な構造から塗膜の折り曲げ特性および基材密着性を向上する効果を有する。よって、本発明の多官能エステルアクリレートを用いた硬化性樹脂組成物は、フィルム材料および任意の形状に成形加工あるいは用いられる金属材料のコーティング剤ならびに接着剤として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた多官能エステルアクリレートの赤外吸収スペクトルである。
【図2】実施例1で得られた多官能エステルアクリレートの核磁気共鳴スペクトルである。

Claims (1)

  1. 次の一般式(1)
    Figure 0003621533
    で示され、かつ、当該化合物の0. 5gをN-メチル- 2- ピロリドン100mlに溶解した溶液を30℃で測定したインヘレント(ηinh )粘度が0. 01〜2. 0dl/ gである多官能エステルアクリレート100重量部に対して、数平均分子量が1500以下で1分子中に(メタ)アクリロイル基を3個以上含む多官能アクリレートを20〜500重量部、及び重合開始剤を0.5〜20重量部配合してなる硬化性樹脂組成物。
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