JP4736679B2 - 液晶表示装置用硬化膜 - Google Patents

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本発明は、例えばカラーフィルタにおける保護膜や液晶表示装置における層間絶縁膜等に好適に用いられる新規な液晶表示装置用硬化膜に関するものである。
一般に、カラーフィルタにおける保護膜や液晶表示装置における層間絶縁膜には、硬化性樹脂組成物を硬化させてなる硬化膜が用いられている。この保護膜や層間絶縁膜には、平滑で強靭であること、透明性を有すること、耐熱性および耐光性が高く、長期間にわたって着色、黄変、白化等の変質を起こさないこと、耐水性、耐溶剤性、耐酸性および耐アルカリ性に優れたものであること、などの性能が要求される。特に、保護膜や層間絶縁膜上にスパッタリングにより透明電極層を形成する際には、膜表面が局所的に高温に曝されることから、優れた耐熱性が求められる。
また、例えば基板上に着色層、保護膜等が形成されたカラーフィルタでは、保護膜が基板全面に形成されていると、所定の大きさに切断する際に切断片が発生したり切断が困難になったりする場合や、保護膜とシール剤との密着性が悪く剥離が生じる場合があるため、保護膜をパターン状に形成することが求められている。
また一般に、層間絶縁膜はパターン状に形成されるものである。
したがって、保護膜や層間絶縁膜として用いられる硬化膜には、パターニング特性も求められる。
一般に、熱硬化樹脂組成物では、優れた耐熱性を有するとともに成膜工程が簡略であるものの、パターニングができない。また、光硬化性樹脂組成物では、パターニングは可能であるが、耐熱性に劣る。例えば一般的にカラーフィルタに用いられる光硬化性樹脂組成物で形成された保護膜上にスパッタリングにより透明電極層を形成した場合には、耐熱性が不十分であるために透明電極層にクラックが生じたり保護膜にシワが生じたりして、表示不良が起こるという問題がある。さらに、液晶表示装置の製造時や使用時に保護膜が高温に曝されることによって保護膜からガス成分が発生して液晶層中に気泡が生じ、表示性能が低下するという問題もある。
そこで、保護膜や層間絶縁膜に用いることができ、耐熱性を有する光硬化性樹脂組成物として、例えば特許文献1には、芳香族基および多価カルボン酸またはその酸無水物の残基を有する不飽和化合物と、(メタ)アクリレート類と、エポキシ基を含有する化合物と、光重合開始剤と、増感剤とを含有する光硬化性樹脂組成物が提案されている。また例えば特許文献2には、ビスフェノールフルオレン骨格および多塩基性カルボン酸またはその酸無水物の残基を有するエポキシエステル化合物と、多価アルコールと、多塩基性カルボン酸またはその酸無水物とを反応させることにより得られるアルカリ可溶性樹脂を有する感光性樹脂組成物が提案されている。さらに、例えば特許文献3には、エポキシ基含有脂環式骨格を有する重合性不飽和化合物、重合性不飽和カルボン酸またはその酸無水物、およびこれら以外の重合性不飽和化合物の共重合体と、カチオン重合性化合物と、感放射線酸発生剤とを含有する硬化性樹脂組成物、ならびに、分子中に、2個以上のエポキシ基含有脂環式骨格、および、アセタール構造、ケタール構造、t−ブトキシカルボニル構造の少なくともいずれかを有する重合体と、カチオン重合性化合物と、感放射線酸発生剤とを含有する硬化性樹脂組成物が提案されている。
しかしながら、これらの材料については更なる性能の改善が必要であり、保護膜や層間絶縁膜としての一般的な要求性能を満たしたうえ、優れた耐熱性、耐スパッタ性、低脱ガス性、およびパターニング特性等をも満たす硬化膜が望まれている。
特開2004−300326公報 特開2002−194272公報 特開2005−8847公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、所要の特性、特に耐熱性、表面硬度、耐スパッタ性、低脱ガス性等を満たすとともに、パターニング特性が良好な液晶表示装置用硬化膜を提供することを主目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、下記一般式(1)で表され、酸価が30mgKOH/g以上である重合性化合物と、ホモポリマーとしたときのガラス転移温度が150℃以上である重合性不飽和化合物aおよびエポキシ基またはその残基を有する重合性不飽和化合物bの共重合体であり、重量平均分子量が10,000以上であり、末端にカルボン酸基を有さないエポキシ樹脂と、多官能モノマーとを含有する硬化性樹脂組成物を硬化してなることを特徴とする液晶表示装置用硬化膜を提供する。
Figure 0004736679
(式(1)中、Xは2つ以上の芳香環が連結された芳香族基を示し、Yはそれぞれ独立して、多価カルボン酸またはその酸無水物の残基を示し、Rは下記式(2-1)で表される基を示し、jは0〜4の整数、kは0〜3の整数、nは1以上の整数である。)
Figure 0004736679
(式(2-1)中、R11は水素原子またはメチル基、R12はそれぞれ独立して、水素原子またはメチル基を示す。)
本発明によれば、上記の構成とすることにより、耐熱性、表面硬度、耐スパッタ性、低脱ガス性、およびパターニング特性等のいずれも良好な液晶表示装置用硬化膜とすることができる。したがって、本発明の液晶表示装置用硬化膜は、例えカラーフィルタにおける保護膜や液晶表示装置における層間絶縁膜等、多くの用途に利用することが可能である。
また本発明においては、上記式(1)中、Xは下記一般式(3-1)で表される基を示すものであることが好ましい。重合性化合物がこのような基を含むものであることにより、耐熱性をさらに高めることができ、耐スパッタ性を向上させることができるからである。
Figure 0004736679
(式(3-1)中、Zは−CO−、−SO−、−C(CF−、−Si(CH−、−CH−、−C(CH−、−O−、−S−、下記式(3-2)で表されるフルオレン骨格を有する基、または単結合を示し、Rはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、またはハロゲン原子、Rは−O−または−OCHCHO−を示す。)
Figure 0004736679
さらに本発明においては、上記重合性不飽和化合物aは、下記一般式(4-1)で表されるものであることが好ましい。このような重合性不飽和化合物aを用いたエポキシ樹脂を含有する硬化性樹脂組成物を硬化してなる液晶表示装置用硬化膜では、上記の場合と同様に、耐熱性がさらに高まり、耐スパッタ性が向上するからである。
Figure 0004736679
(式(4-1)中、R21は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示し、Aはジシクロペンタニル基、イソボロニル基、またはアダマンチル基を有する置換基を示す。)
また本発明においては、上記エポキシ樹脂は、上記重合性不飽和化合物aと、上記重合性不飽和化合物bと、分子量が150以上である重合性不飽和化合物cとの共重合体であることが好ましい。エポキシ樹脂を、重合性不飽和化合物aおよび重合性不飽和化合物bに加えて、このような重合性不飽和化合物cを用いた共重合体とすることにより、エポキシ樹脂の重量平均分子量を大きくすることができるからである。
さらに、本発明の液晶表示装置用硬化膜は、ガラス転移温度が300℃以上、熱分解温度が320℃以上、230℃、8時間保持での重量減少率が10%以下、ユニバーサル硬度が500N/mm以上であることが好ましい。このような特性を有する液晶表示装置用硬化膜は、カラーフィルタにおける保護膜や液晶表示装置における層間絶縁膜等として特に有用である。
本発明は、また、ガラス転移温度が300℃以上、熱分解温度が320℃以上、230℃、8時間保持での重量減少率が10%以下、ユニバーサル硬度が500N/mm以上であり、光重合開始剤を含有することを特徴とする液晶表示装置用硬化膜を提供する。
本発明の液晶表示装置用硬化膜は、上記の特性を有するので、耐熱性、表面硬度、耐スパッタ性、低脱ガス性、およびパターニング特性等のいずれにも優れるものである。
上記発明においては、下記一般式(5)で表される構造、および、脂環式骨格を含むことが好ましい。これにより、耐熱性をさらに高めることができ、耐スパッタ性を向上させることができるからである。
Figure 0004736679
(式(5)中、Zは−CO−、−SO−、−C(CF−、−Si(CH−、−CH−、−C(CH−、−O−、−S−、下記式(3-2)で表されるフルオレン骨格を有する基、または単結合を示す。)
Figure 0004736679
また本発明は、上述した液晶表示装置用硬化膜である保護膜を有することを特徴とするカラーフィルタ、ならびに、上述した液晶表示装置用硬化膜である層間絶縁膜を有することを特徴とする液晶表示装置用基板を提供する。
本発明のカラーフィルタおよび液晶表示装置用基板は、上記液晶表示装置用硬化膜を有するので、保護膜または層間絶縁膜上にスパッタリング等により透明電極層を形成した場合には、透明電極層のクラック、保護膜や層間絶縁膜のシワの発生を防止することができる。また、本発明のカラーフィルタおよび液晶表示装置用基板を用いて液晶表示装置とした場合には、液晶層中の気泡の発生も抑制することができ、表示品位に優れた液晶表示装置を得ることができる。
さらに本発明は、上記カラーフィルタおよび上記液晶表示装置用基板の少なくともいずれか一方を有することを特徴とする液晶表示装置を提供する。本発明の液晶表示装置は、上述した液晶表示装置用硬化膜を有するので、表示性能に優れている。
本発明の液晶表示装置用硬化膜は、耐熱性、表面硬度、耐スパッタ性、低脱ガス性、およびパターニング特性等のいずれも良好であるという効果を奏する。そのため、本発明の液晶表示装置用硬化膜上にスパッタリングにより透明電極層を形成した場合には、透明電極層のクラック、液晶表示装置用硬化膜のシワの発生を防止することができ、また本発明の液晶表示装置用硬化膜を液晶表示装置に用いた場合には、液晶層中への気泡の発生を抑制することができ、表示性能を向上させることが可能である。
以下、本発明の液晶表示装置用硬化膜、ならびにそれを用いたカラーフィルタおよび液晶表示装置用基板について詳細に説明する。
A.液晶表示装置用硬化膜
まず、本発明の液晶表示装置用硬化膜について説明する。本発明の液晶表示装置用硬化膜(以下、単に「硬化膜」という場合がある。)は、二つの態様に分けることができる。以下、各態様について説明する。
1.第1態様
本発明の液晶表示装置用硬化膜の第1態様は、下記一般式(1)で表され、酸価が30mgKOH/g以上である重合性化合物と、ホモポリマーとしたときのガラス転移温度が150℃以上である重合性不飽和化合物aおよびエポキシ基またはその残基を有する重合性不飽和化合物bの共重合体であり、重量平均分子量が10,000以上であり、末端にカルボン酸基を有さないエポキシ樹脂と、多官能モノマーとを含有する硬化性樹脂組成物を硬化してなることを特徴とするものである。
Figure 0004736679
ここで、上記式(1)中、Xは2つ以上の芳香環が連結された芳香族基を示し、Yはそれぞれ独立して、多価カルボン酸またはその酸無水物の残基を示し、Rは下記式(2-1)で表される基を示し、jは0〜4の整数、kは0〜3の整数、nは1以上の整数である。また、下記式(2-1)中、R11は水素原子またはメチル基、R12はそれぞれ独立して、水素原子またはメチル基を示す。
Figure 0004736679
本態様においては、重合性化合物が2つ以上の芳香環が連結された芳香族基という嵩高い官能基を有し、エポキシ樹脂がホモポリマーとしたときのガラス転移温度が所定の範囲である重合性不飽和化合物aを含むものであることにより、優れた耐熱性および低脱ガス性を発現させることができる。また、多官能モノマーを重合させるので、架橋密度を高めることができ、表面硬度を向上させることができる。さらに、硬化膜を形成する際に、重合性化合物の不飽和二重結合と多官能モノマーとによる光硬化反応だけでなく、重合性化合物の多価カルボン酸またはその酸無水物の残基とエポキシ樹脂とによる熱硬化反応も起こり得ると想定されるため、表面硬度をより高めることができる。したがって、硬化膜上にスパッタリングにより透明電極層を形成する場合には、硬化膜の耐熱性および表面硬度が高いので透明電極層のクラックや液晶表示装置用硬化膜のシワの発生を防止するとともに、硬化膜が低脱ガス性に優れるので液晶層中での気泡の発生を抑制することができ、耐スパッタ性を向上させることができる。
また、重合性化合物の酸価が所定の範囲であることにより、アルカリ可溶性を発現させることができ、良好なパターニング特性を有する硬化膜とすることができる。
このように本態様の硬化膜は、耐熱性、表面硬度、耐スパッタ性、パターニング特性、低脱ガス性等に優れるものである。
以下、本態様に用いられる硬化性樹脂組成物、ならびに、本態様の硬化膜の特性、製造方法および用途について説明する。
(1)硬化性樹脂組成物
本態様に用いられる硬化性樹脂組成物は、上記一般式(1)で表され、酸価が30mgKOH/g以上である重合性化合物と、ホモポリマーとしたときのガラス転移温度が150℃以上である重合性不飽和化合物aおよびエポキシ基またはその残基を有する重合性不飽和化合物bの共重合体であり、重量平均分子量が10,000以上であり、末端にカルボン酸基を有さないエポキシ樹脂と、多官能モノマーとを含有するものである。以下、硬化性樹脂組成物の各成分について説明する。
(i)重合性化合物
本態様に用いられる重合性化合物は、下記一般式(1)で表されるものであり、酸価が30mgKOH/g以上である。
Figure 0004736679
ここで、上記式(1)中、Xは2つ以上の芳香環が連結された芳香族基を示し、Yはそれぞれ独立して、多価カルボン酸またはその酸無水物の残基を示し、Rは下記式(2-1)で表される基を示し、jは0〜4の整数、kは0〜3の整数、nは1以上の整数である。また、下記式(2-1)中、R11は水素原子またはメチル基、R12はそれぞれ独立して、水素原子またはメチル基を示す。
Figure 0004736679
上記式(1)中、Xとしては、2つ以上の芳香環が連結された芳香族基であり、例えばビスフェノール類(ジヒドロキシベンゼンやジヒドロキシナフタレン等のジヒドロキシ芳香族を含む)の残基が挙げられる。中でも、Xは、下記一般式(3-1)で表される基であることが好ましい。耐熱性をさらに向上させることができるからである。
Figure 0004736679
ここで、上記式(3-1)中、Zは−CO−、−SO−、−C(CF−、−Si(CH−、−CH−、−C(CH−、−O−、−S−、下記式(3-2)で表されるフルオレン骨格を有する基、または単結合を示し、Rはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、またはハロゲン原子、Rは−O−または−OCHCHO−を示す。
Figure 0004736679
これらの中でも、Zが上記式(3-2)で表されるフルオレン骨格を有する基であることが好ましく、すなわち、Xが下記式(3-3)で表される基であることが好ましい。耐熱性をより一層高めることができるからである。
Figure 0004736679
ここで、上記式(3-3)中、Rはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、またはハロゲン原子、Rは−O−または−OCHCHO−を示す。
本態様に用いられる重合性化合物は、例えば上記式(3-2)で表されるフルオレン骨格を有するビスフェノール類をエポキシ化してビスフェノール類のエポキシ化合物とし、これに(メタ)アクリル酸を反応させてエポキシ(メタ)アクリレート類とし、このエポキシ(メタ)アクリレート類に多塩基性カルボン酸またはその酸無水物を反応させることにより得ることができる。
ビスフェノール類としては、上記式(3-1)において、Rが−O−であり、この−O−が−OHとなったものが好ましく挙げられる。
Zとして−CO−を含むビスフェノール類の具体例としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)ケトン等を挙げることができる。
Zとして−SO−を含むビスフェノール類の具体例としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)スルホン等を挙げることができる。
Zとして−C(CF−を含むビスフェノール類の具体例としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)ヘキサフルオロプロパン等を挙げることができる。
Zとして−Si(CH−を含むビスフェノール類の具体例としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ジメチルシラン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)ジメチルシラン等を挙げることができる。
Zとして−CH−を含むビスフェノール類の具体例としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ‐3,5−ジクロロフェニル)メタン等を挙げることができる。
Zとして−C(CH−を含むビスフェノール類の具体例としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン等を挙げることができる。
Zとして−O−を含むビスフェノール類の具体例としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ‐3,5−ジメチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ‐3,5−ジクロロフェニル)エーテル等を挙げることができる。
Zとして−S−を含むビスフェノール類の具体例としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシ‐3,5−ジメチルフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)スルフィド等を挙げることができる。
また、Zとして、上記式(3-2)で表されるフルオレン骨格を有する基を含むビスフェノール類の具体例としては、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−フルオロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)フルオレン等を挙げることができる。
さらに、Zが単結合であるビスフェノール類の具体例としては、4,4´−ビフェノール、3,3´−ビフェノール等を挙げることができる。
また、上記式(1)中、Rは下記式(2-1)で表される基を示す。
Figure 0004736679
ここで、上記式(2-1)中、R11は水素原子またはメチル基、R12はそれぞれ独立して、水素原子またはメチル基を示す。中でも、R12は水素原子であることが好ましい。不飽和二重結合の重合反応性が良くなるからである。
上記式(1)中、Yはそれぞれ独立して、2〜5個のカルボキシル基を有する多価カルボン酸またはその酸無水物の残基を示す。Yとしては、脂肪族カルボン酸またはその酸無水物の残基であってもよく、芳香族カルボン酸またはその酸無水物の残基であってもよいが、中でも芳香族カルボン酸またはその酸無水物の残基であることが好ましい。耐熱性が向上するからである。
また、上記式(1)中、jはそれぞれ独立して0〜4の整数、kは0〜3の整数である。jおよびkは、重合性化合物が所定の酸価を有するように適宜選択される。重合性化合物の酸価を所定の範囲とするためには、jが1以上であり、kが2以上であることが好ましい。
多価カルボン酸またはその酸無水物の具体例としては、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、クロレンド酸、メチルテトラヒドロフタル酸、グルタル酸等のジカルボン酸またはそれらの酸無水物;トリメリット酸またはその酸無水物等のトリカルボン酸またはそれらの酸無水物;ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ビフェニルエーテルテトラカルボン酸、ビフェニルスルホンテトラカルボン酸、4-(1,2−ジカルボキシエチル)-1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸等のテトラカルボン酸またはそれらの酸二無水物;などが挙げられる。これらは単独で用いることができ、2種以上を併用することもできる。
なお、「多価カルボン酸またはその酸無水物」とは、特定の多価カルボン酸およびそれに対応する酸無水物のうちの少なくとも一方という意味であり、例えば、多価カルボン酸がフタル酸であれば、フタル酸およびフタル酸無水物のうちの少なくとも一方をいう。
また、重合性化合物の酸価は、30mgKOH/g以上であり、好ましくは40mgKOH/g以上である。重合性化合物の酸価が上記範囲内であれば、十分なアルカリ可溶性を発現させることができるからである。一方、重合性化合物の酸価の上限は、特に限定されるものではないが、通常150mgKOH/g以下である。なお、酸価は、フェノールフタレインを指示薬として用い、水酸化カリウムエタノール溶液にて滴定し求めた値である。
上記式(1)中、nは1以上の整数であり、好ましくは2以上の整数、より好ましくは3〜5の範囲内の整数である。また、重合性化合物の重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、1000〜8000の範囲内であることが好ましく、より好ましくは3000〜5000の範囲内である。重合性化合物の重量平均分子量が上記範囲より高いと、硬化性樹脂組成物の粘度が高くなり、塗布性が悪くなる場合がある。また、本態様の硬化膜を形成する際に硬化性樹脂組成物を塗布して露光を行った場合に、露光部分が現像液に対して溶解しにくくなり、目的のパターンが得られにくくなる傾向にある。一方、重合性化合物の重量平均分子量が上記範囲より小さいと、露光および現像を行った場合に硬化膜が基板上に残存する可能性がある。
なお、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ測定装置(東ソー(株)製 HLC-8220GPC)を用い、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒として測定した値である。分子量標準物質としてポリスチレンを用いて換算した。
上記式(1)中のX、Y、R等は、重合性化合物中で全て同じである必要はなく、定義した範囲内で自由に変化し得る。
次に、重合性化合物の製造方法について説明する。
本態様に用いられる重合性化合物の製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、上記式(3-3)で表されるフルオレン骨格を有するビスフェノール類をエポキシ化してビスフェノール類のエポキシ化合物とし、これに(メタ)アクリル酸を反応させてエポキシ(メタ)アクリレート類とし、このエポキシ(メタ)アクリレート類に多塩基性カルボン酸またはその酸無水物を反応させることにより重合性化合物を得ることができる。以下、このような重合性化合物の製造方法を例に説明する。
ビスフェノール類のエポキシ化は、一般的なエポキシ化反応と同様に行うことができる。例えば、ビスフェノール類を過剰のエピクロルヒドリンに溶解した後、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の存在下で反応させる方法が挙げられる。反応温度は、好ましくは50〜150℃、より好ましくは60〜120℃である。また、反応時間は1〜10時間が好ましい。
エポキシ化により、例えば下記式で表されるビスフェノール類のエポキシ化合物が得られる。
Figure 0004736679
ここで、Rはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、またはハロゲン原子を示す。
また、ビスフェノール類のエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応では、ビスフェノール類のエポキシ化合物のエポキシ基の1モルに対して(メタ)アクリル酸の割合が0.8〜1.5モルであることが好ましく、より好ましくは0.9〜1.1モルの範囲内である。
この際、希釈剤として、例えばメチルエチルケトン、メチルセロソルブアセテート等を用いることができる。また、反応を促進させるために、例えばトリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、メチルトリエチルアンモニウムクロライド、トリフェニルホスフイン等の触媒を用いてもよい。この触媒の使用量は、反応原料混合物に対して0.1〜10重量%が好ましく、より好ましくは0.3〜5重量%である。さらに、反応中、(メタ)アクリロイル基の重合を防ぐために、必要に応じて、p−メトキシフェノールなどの重合禁止剤を用いてもよい。重合禁止剤の添加量は、反応原料混合物に対して50〜2000ppm、より好ましくは200〜1000ppmである。
反応温度は好ましくは60〜150℃、より好ましくは80〜120℃であり、反応時間は好ましくは5〜60時間、より好ましくは10〜50時間である。
ビスフェノール類のエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応により、例えば下記式で表されるエポキシ(メタ)アクリレート類が得られる。
Figure 0004736679
ここで、Rはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、またはハロゲン原子を示す。
さらに、エポキシ(メタ)アクリレート類と多価カルボン酸またはその酸無水物との反応は、一般的な方法で行うことができる。例えば、エポキシ(メタ)アクリレート類と多価カルボン酸またはその酸無水物とを、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテートなどのセロソルブ系溶媒中に溶解(懸濁)し、加熱して反応させることができる。
エポキシ(メタ)アクリレート類は、単独でまたは2種以上の混合物として使用することができる。また、多価カルボン酸またはその酸無水物も、単独でまたは2種以上の混合物として使用することができる。
なお、多価カルボン酸またはその酸無水物の2種以上の混合物とは、少なくとも2種類の多価カルボン酸またはその酸無水物が同時に存在することをいう。すなわち、少なくとも2種類の多価カルボン酸またはその酸無水物が反応に関与する。
多価カルボン酸またはその酸無水物は、エポキシ(メタ)アクリレート類の水酸基の合計1当量(モル)に対して、酸無水物基換算で好ましくは0.4〜1当量、より好ましくは0.75〜1当量の割合で反応に供される。多価カルボン酸またはその酸無水物が酸無水物基換算で上記範囲未満では、十分に反応が進行しないおそれがあるからである。一方、多価カルボン酸またはその酸無水物が酸無水物基換算で上記範囲を超える場合には、未反応のカルボン酸またはその酸無水物が残存するため、パターニング特性が低下する可能性があるからである。
なお、酸無水物基換算とは、使用する多価カルボン酸またはその酸無水物に含まれるカルボキシル基および酸無水物基を全て酸無水物に換算したときの量を示す。
また、多価カルボン酸またはその酸無水物としては、ジカルボン酸無水物およびテトラカルボン酸二無水物が好ましく用いられる。ジカルボン酸無水物とテトラカルボン酸二無水物との割合は、モル比で1/99〜90/10であることが好ましく、5/95〜80/20であることがより好ましい。
エポキシ(メタ)アクリレート類と多価カルボン酸またはその酸無水物との反応では、反応温度は50〜130℃が好ましく、より好ましくは70〜120℃である。反応温度が上記範囲を超えると(メタ)アクリロイル基の重合が起こり、反応物がゲル化する場合がある。一方、反応温度が上記範囲未満では反応がスムーズに進行せず、未反応の多価カルボン酸またはその酸無水物が残存する。
(ii)エポキシ樹脂
本態様に用いられるエポキシ樹脂は、ホモポリマーとしたときのガラス転移温度が150℃以上である重合性不飽和化合物aとエポキシ基またはその残基を有する重合性不飽和化合物bとの共重合体であり、重量平均分子量が10,000以上であり、末端にカルボン酸基を有さないものである。
エポキシ樹脂の重量平均分子量は、10,000以上であり、好ましくは11,000以上、より好ましくは12,000以上である。エポキシ樹脂の重量平均分子量が上記範囲より小さいと、耐熱性が低下するおそれがある。一方、エポキシ樹脂の重量平均分子量の上限は30,000程度である。エポキシ樹脂の重量平均分子量が上記範囲より高いと、硬化性樹脂組成物の粘度が高くなり、塗布するのが困難となるからである。
なお、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ測定装置(東ソー(株)製 HLC-8220GPC)を用い、THFを溶媒として測定した値である。分子量標準物質としてポリスチレンを用いて換算した。
本態様に用いられる重合性不飽和化合物aは、ホモポリマーとしたときのガラス転移温度が150℃以上であり、好ましくは170℃以上である。上記ガラス転移温度が上記範囲であれば、耐熱性を高めることができるからである。一方、上記ガラス転移温度の上限は、特に限定されるものではないが、通常250℃以下とする。
なお、上記ガラス転移温度は、樹脂片を10℃/分の割合で昇温させ、示差走査熱量計(DSC)にて発熱量を測定し、作成した吸熱曲線から算出した値である。
また、重合性不飽和化合物aは、嵩高い官能基を有することが好ましく、脂環式骨格を含む官能基を有することがより好ましい。耐熱性を向上させることができるからである。脂環式骨格を含む官能基としては、共重合の阻害とならないものであればよく、例えばジシクロペンタニル基、ジシクロペンテニル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、イソボロニル基、アダマンチル基等が好ましく挙げられる。耐熱性および共重合等の観点から、特に重合性不飽和化合物aがジシクロペンタニル基を有することが好ましい。
さらに、重合性不飽和化合物aは、重合性の不飽和二重結合を有するものであり、特にアクリロイル基またはメタクリロイル基を有することが好ましい。
このような重合性不飽和化合物aとしては、例えば下記一般式(4-1)で表されるものを好ましく挙げることができる。
Figure 0004736679
ここで、上記式(4-1)中、R21は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示し、好ましくは水素原子またはメチル基である。また、Aはジシクロペンタニル基、イソボロニル基、またはアダマンチル基を示し、好ましくはジシクロペンタニル基である。
また、本態様に用いられる重合性不飽和化合物bは、エポキシ基またはその残基を有するものである。この重合性不飽和化合物bは、重合性の不飽和二重結合を有するものであり、特にアクリロイル基またはメタクリロイル基を有することが好ましい。
このような重合性不飽和化合物bとしては、例えば下記一般式(4-2)または(4-3)で表されるものを好ましく挙げることができる。
Figure 0004736679
ここで、上記式(4-2)および(4-3)中、R22は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示し、好ましくは水素原子またはメチル基である。
上記の重合性不飽和化合物aと重合性不飽和化合物bとを共重合させて得られるエポキシ樹脂は、重合性の不飽和二重結合を有するものであることが好ましい。これにより、エポキシ樹脂も光硬化性部位をもつことになるため、表面硬度が向上すると想定されるからである。
本態様においてエポキシ樹脂は、上記重合性不飽和化合物aと、上記重合性不飽和化合物bと、分子量が150以上である重合性不飽和化合物cとの共重合体であってもよい。重合性不飽和化合物cを添加することにより、共重合しやすくなるとともに、エポキシ樹脂の重量平均分子量を高めることができるからである。
本態様に用いられる重合性不飽和化合物cは、分子量が150以上であり、好ましくは180〜250の範囲内である。分子量が上記範囲であれば、エポキシ樹脂の重量平均分子量を高めることができるからである。また、分子量が高すぎると、共重合しにくくなる可能性があるからである。
また、重合性不飽和化合物cは、嵩高い官能基を有することが好ましく、芳香環を有するものであることがより好ましい。これにより、耐熱性が向上するからである。芳香環を有する重合性不飽和化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メトキシスチレン等が挙げられる。耐熱性、共重合、およびエポキシ樹脂の重量平均分子量等の観点から、特にスチレンが好ましい。
エポキシ樹脂中の重合性不飽和化合物aと重合性不飽和化合物bと重合性不飽和化合物cとの割合は、10〜60:10〜60:0〜50であることが好ましく、より好ましくは20〜50:20〜50:0〜30である。重合性不飽和化合物aの割合が多すぎると共重合しにくくなる場合があり、少なすぎると耐熱性が低下する場合がある。また、重合性不飽和化合物bの割合が多すぎると保存安定性に欠ける場合があり、少なすぎると耐熱性や密着性が低下する場合がある。さらに、重合性不飽和化合物cの割合が多くなると、重合性不飽和化合物aおよび重合性不飽和化合物bの割合が少なくなるため、上記のように耐熱性や密着性が低下する場合がある。
また、重合性不飽和化合物bに含まれる重合性の不飽和二重結合の割合は、エポキシ樹脂100重量部に対して0重量部〜60重量部であることが好ましく、より好ましくは0重量部〜40重量部の範囲内である。重合性不飽和化合物bに含まれる重合性の不飽和二重結合の割合が上記範囲であれば、架橋密度が増すことによって表面硬度を効果的に高めることができるからである。
エポキシ樹脂の割合は、上記重合性化合物100重量部に対して、20重量部〜100重量部であることが好ましく、より好ましくは40重量部〜80重量部の範囲内である。エポキシ樹脂の割合が多くなると、上記重合性化合物の割合が少なくなるので、アルカリ可溶性が不十分となり、パターニングが困難となるおそれがあるからである。また、エポキシ樹脂の割合が上記範囲より少ないと、耐熱性や密着性が低下する場合があるからである。
また、本態様においてエポキシ樹脂は、末端にカルボン酸基を有さないものである。すなわち、エポキシ樹脂は、酸価を有さないものである。
(iii)多官能モノマー
本態様に用いられる多官能モノマーは、複数の重合性の官能基を有するものであり、上記重合性化合物と重合可能なものであれば特に限定されるものではない。中でも、多官能モノマーがアクリロイル基またはメタクリロイル基を有する、すなわち多官能(メタ)アクリレートであることが好ましい。
多官能(メタ)アクリレートとしては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、長鎖脂肪族ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、プロピレンジ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンジ(メタ)アクリレート、トリグリセロールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、メトキシ化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、アクリル化イソシアヌレート、ビス(アクリロキシネオペンチルグリコール)アジペート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジ(メタ)アクリレート、リン酸ジ(メタ)アクリレート、亜鉛ジ(メタ)アクリレート等の二官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、多官能(メタ)アクリレートとしては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、リン酸トリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ウレタントリ(メタ)アクリレート、エステルトリ(メタ)アクリレート、ウレタンヘキサ(メタ)アクリレート、エステルヘキサ(メタ)アクリレート等の三官能以上の(メタ)アクリレートが挙げられる。
これらの多官能(メタ)アクリレートは、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用して使用してもよい。
特に、優れた光硬化性(高感度)が要求される場合には、多官能(メタ)アクリレートが、重合可能な二重結合を1分子中に2つ(二官能)以上有することが好ましく、さらに3つ(三官能)以上有することが好ましい。
多官能モノマーの含有量は、硬化性樹脂組成物中の固形分に対して、30重量%以上であることが好ましく、より好ましくは35重量%以上、さらに好ましくは40重量%〜70重量%の範囲内である。多官能(メタ)アクリレートの含有量が少なすぎると十分に光硬化が進まず、露光部分が溶出する場合がある。また、多官能(メタ)アクリレートの含有量が多すぎると未露光部分でも現像できなくなる場合があり、重合度によっては硬化膜の非粘着性が失われるおそれがある。
(iv)光重合開始剤
本態様に用いられる硬化性樹脂組成物は、光重合開始剤を含有していてもよい。すなわち、本態様の硬化膜は光重合開始剤を含有していてもよい。光重合開始剤としては、一般的なものを用いることができ、例えばミヒラーズケトン等のラジカル型光重合開始剤や、トリアリールスルフォニウム塩、ジアリールヨウドニウム塩等のカチオン型光重合開始剤などを挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種類以上を併用することもできる。
また、このような光重合開始剤は、光増感剤と組み合わせて用いることができる。光増感剤としては、一般的なものを使用することができ、例えばN,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、トリエタノールアミン、トリエチルアミン等が挙げられる。これらの光増感剤は単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
光重合開始剤の含有量は、硬化性樹脂組成物中の固形分に対して、15重量%以下であることが好ましく、より好ましくは10重量%以下である。また、本態様の硬化膜中の光重合開始剤の含有量としても、上記の範囲と同程度であることが好ましい。光重合開始剤の含有量が上記範囲内であれば、脱ガス成分を低減することができ、本態様の硬化膜を液晶表示装置に用いた場合に液晶層中での気泡の発生を抑制することができるからである。一方、光重合開始剤の含有量の下限は、3重量%程度とされる。
(v)界面活性剤
本態様に用いられる硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、界面活性剤を含有していてもよい。すなわち、本態様の硬化膜は界面活性剤を含有していてもよい。界面活性剤は、本態様の硬化膜を形成する際に塗布性や現像性を向上させるために用いられる。
本態様に用いられる界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアリールエーテル類;ポリオキシエチレンジアルキルエステル類(例えば、ポリオキシエチレンジラウレートおよびポリオキシエチレンジステアレート)等のノニオン系界面活性剤;エフトップEF301、エフトップ303、エフトップ352(新秋田化成(株)製);メガファックF171、メガファックF172、メガファックF173(大日本インキ化学工業(株)製);フロラードFC−430、フロラードFC−431(住友スリーエム(株)製);アサヒガードAG710、サーフロンS−382、サーフロンSC−101、サーフロンSC−102、サーフロンSC−103、サーフロンSC−104、サーフロンSC−105、サーフロンSC−106(旭硝子(株)製)等の商品名で市販されているフッ素系界面活性剤;オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製);(メタ)アクリル酸系共重合体ポリフローNo.57、95(共栄社油脂化学工業(株)製);などが挙げられる。これらは単独であるいは2種以上組合せて用いられる。
界面活性剤の含有量は、硬化性樹脂組成物中の固形分に対して、1重量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5重量%以下である。
(vi)密着助剤
本態様に用いられる硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、密着助剤を含有していてもよい。すなわち、本態様の硬化膜は密着助剤を含有していてもよい。密着助剤は、硬化膜と基板や透明電極層等との密着性を向上させるために用いられる。このような密着助剤としては、例えばシランカップリング剤などが挙げられる。
密着助剤の含有量は、硬化性樹脂組成物中の固形分に対して、10重量%以下であることが好ましく、より好ましくは5重量%以下である。
(vii)添加剤
本態様に用いられる硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、添加剤を含有していてもよい。すなわち、本態様の硬化膜は添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、例えば帯電防止剤、保存安定剤、消泡剤、重合禁止剤、可塑剤、レベリング剤、顔料、染料などが挙げられる。
可塑剤としては、例えばジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、トリクレジル等が挙げられる。消泡剤、レベリング剤としては、例えばシリコン系、フッソ系、アクリル系の化合物等が挙げられる。
(viii)溶剤
本態様に用いられる硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、溶剤を含有していてもよい。溶剤は、硬化性樹脂組成物中の各成分を均一に溶解し、例えば基板上への塗布を容易にするために用いられる。
本態様に用いられる溶剤としては、硬化性樹脂組成物中の各成分とは反応せず、これらを溶解もしくは分散可能な有機溶剤であればよく、特に限定されるものではない。具体的には、メタノール、エタノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコール類;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン等のケトン類;および、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル等のエステル類;などが挙げられる。これらの溶剤は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
溶剤としては、上記の中でも、グリコールエーテル類、アルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、およびジエチレングリコール類が好ましい。特に、3−エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、メチルアミルケトン、およびジエチレングリコールエチルメチルエーテルが好ましい。
本態様の硬化樹脂組成物では、溶剤を除いた成分が5重量%〜40重量%であることが好ましく、より好ましくは10重量%〜30重量%の範囲内となるように溶剤を配合する。これにより、塗布に適した粘度とすることができる。
(2)硬化膜の特性
本態様の硬化膜は、ガラス転移温度が300℃以上、熱分解温度が320℃以上、230℃、8時間保持での重量減少率が10%以下、ユニバーサル硬度が500N/mm以上であることが好ましい。本態様の硬化膜をカラーフィルタにおける保護膜や液晶表示装置における層間絶縁膜等として用いる場合には、硬化膜がこのような特性を有することが好ましいからである。
なお、ガラス転移温度、熱分解温度、重量減少率、およびユニバーサル硬度については、後述する第2態様にて詳細に述べるので、ここでの説明は省略する。
また、本態様の硬化膜の膜厚は、用途に応じて適宜調整される。例えばカラーフィルタにおける保護膜に用いる場合には、硬化膜の膜厚としては0.5μm〜5.0μm程度で設定することができ、中でも1.0μm〜3.0μm、特に1.0μm〜2.0μmの範囲内であることが好ましい。また例えば液晶表示装置における層間絶縁膜に用いる場合には、硬化膜の膜厚としては1.0μm〜20.0μm程度で設定することができ、中でも3.0μm〜15.0μm、特に3.0μm〜10.0μmの範囲内であることが好ましい。さらに例えばカラーフィルタや液晶表示装置における平坦化膜に用いる場合には、硬化膜の膜厚としては0.5μm〜5.0μm程度で設定することができ、中でも1.0μm〜3.0μmの範囲内であることが好ましい。
(3)硬化膜の製造方法
次に、本態様の硬化膜の製造方法について説明する。
本態様においては、上記硬化性樹脂組成物を基板上に塗布し、乾燥させ、露光および現像を行うことにより、硬化膜をパターン状に形成することができる。
上記硬化性樹脂組成物の塗布方法としては、特に限定されるものではなく、例えばスプレーコート法、ディップコート法、バーコート法、ロールコート法、スピンコート法等を挙げることができる。
塗膜の厚みは、塗布方法、硬化性樹脂組成物の固形分濃度や粘度等を調整することにより、適宜制御される。
上記硬化性樹脂組成物を塗布した後は、溶剤を除去するために塗膜を乾燥させる。例えばホットプレートやオーブン等を用いて塗膜を加熱することによって乾燥させることができる。
次に、塗膜に所定のパターンのマスクを介して露光し、重合性化合物や多官能モノマー等に含まれるアクリロイル基およびメタクリロイル基の二重結合部位を重合させる。
露光に使用される放射線としては、例えば低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプなどの紫外線、電子線等が挙げられる。露光量は、使用する光源や塗膜の厚みなどによって適宜調整される。
また、露光後に重合反応を促進させるために、加熱処理を行ってもよい。加熱条件は、硬化性樹脂組成物中の各成分の配合割合や、塗膜の厚み等によって適宜選択される。
露光後は、現像液を用いて現像し、未露光部分を溶解、除去することにより、所望のパターンで硬化膜が形成される。
現像液としては、通常、水や水溶性溶媒にアルカリを溶解させた溶液が用いられる。このアルカリ溶液には、界面活性剤などを適量添加してもよい。
また、現像方法は一般的な方法を採用することができる。現像条件としても一般的な条件であればよい。
現像後は、通常、現像液の洗浄、硬化膜の乾燥が行われる。
また、現像後に、硬化膜を十分に硬化させるために加熱処理を行ってもよい。加熱条件としては特に限定されるものではなく、硬化膜の用途に応じて適宜選択される。
(4)用途
本態様の硬化膜は、例えばカラーフィルタにおける保護膜または液晶表示装置における層間絶縁膜として有用である。また、本態様の硬化膜は、液晶表示装置以外の電子部品の保護膜(例えば、集積回路素子、固体撮像素子などに用いられる保護膜)、あるいは、平坦化膜や柱状スペーサーなどに好適に用いられる。さらに、本態様の硬化膜は、各種光学部品(レンズ、LED、プラスチックフィルム、基板、光ディスクなど)、これらの光学部品の保護膜、偏光板、ホログラムなどに好適に利用される。
また、本態様の硬化膜は、ドライフィルムのような形として使用することも可能である。
2.第2態様
次に、本発明の液晶表示装置用硬化膜の第2態様について説明する。
本発明の液晶表示装置用硬化膜の第2態様は、ガラス転移温度が300℃以上、熱分解温度が320℃以上、230℃、8時間保持での重量減少率が10%以下、ユニバーサル硬度が500N/mm以上であり、光重合開始剤を含有することを特徴とするものである。
本態様の硬化膜は、ガラス転移温度および熱分解温度が所定の範囲であるので耐熱性に優れ、またユニバーサル硬度が所定の範囲であるので表面硬度に優れており、硬化膜上にスパッタリングにより透明電極層を形成する場合には、透明電極層のクラックや硬化膜のシワの発生を防止することができる。さらに、本態様の硬化膜は、熱分解温度および所定の温度範囲での重量減少率が所定の範囲であるので低脱ガス性に優れており、液晶表示装置に用いた場合には、液晶層中での気泡の発生を抑制することができる。したがって、本態様の硬化膜は、耐スパッタ性に優れるものである。
また、本態様の硬化膜は、光重合開始剤を含有していることから、光硬化性樹脂組成物を用いて形成されたものであると想定でき、パターニングが可能である。
以下、本態様の硬化膜の特性および構成成分について説明する。
(1)硬化膜の特性
本態様の硬化膜は、ガラス転移温度が300℃以上であることが好ましく、より好ましくは320℃以上、さらに好ましくは350℃以上である。ガラス転移温度が上記範囲であれば、優れた耐熱性を得ることができるからである。耐熱性の観点からはガラス転移温度が高ければ高いほど好ましく、ガラス転移温度の上限は特に限定されるものではないが、例えば硬化膜をカラーフィルタにおける保護膜や液晶表示装置における層間絶縁膜等に用いる場合には、カラーフィルタや液晶表示装置の製造過程での温度や使用時の温度等を考慮して、通常は上限が400℃程度であればよい。
なお、上記ガラス転移温度は、硬化膜片をAr雰囲気で常温から10℃/分の割合で昇温させ、示差走査熱量計にて発熱量を測定し、温度−発熱量曲線を作成して算出した値である。測定には、TAインスツルメント社製 DSC2920 Differential Scanning Calorie meterを用いた。
また、本態様の硬化膜は、熱分解温度が320℃以上であることが好ましく、より好ましくは330℃以上、さらに好ましくは350℃以上である。熱分解温度が上記範囲であれば硬化膜からのガスの脱離を抑制することができ、例えば硬化膜をカラーフィルタにおける保護膜や液晶表示装置における層間絶縁膜等に用いた場合には、カラーフィルタや液晶表示装置の製造時および使用時に液晶層中に気泡が発生するのを効果的に抑制することができるからである。脱ガス抑制の観点からは熱分解温度が高ければ高いほど好ましく、熱分解温度の上限は特に限定されるものではないが、上記のように例えば硬化膜をカラーフィルタにおける保護膜や液晶表示装置における層間絶縁膜等に用いる場合には、カラーフィルタや液晶表示装置の製造時および使用時の温度等を考慮して、通常は上限が500℃程度であればよい。
なお、上記熱分解温度は、熱重量測定装置(TAインスツルメント社製 TGA2950 Thermo gravimetric Analyzer)を用い、窒素ガスを30cc/分パージ下、硬化膜片を5℃/分で昇温加熱し、測定した。ここでは、膜重量が5%減少したときの温度を熱分解温度とする。
さらに、本態様の硬化膜は、230℃、8時間保持での重量減少率が10%以下であることが好ましく、特に8%以下であることが好ましい。重量減少率が上記範囲であれば、硬化膜からのガスの脱離を抑制することができるからである。また、上記熱分解温度の場合と同様に、例えば硬化膜をカラーフィルタにおける保護膜や液晶表示装置における層間絶縁膜等に用いた場合には、カラーフィルタや液晶表示装置の製造時および使用時に液晶層中に気泡が発生するのを効果的に抑制することができる。脱ガス抑制の観点からは重量減少率が低ければ低いほど好ましい。
なお、上記重量減少率は、熱重量測定装置(TAインスツルメント社製 TGA2950 Thermo gravimetric Analyzer)を用い、窒素ガスを30cc/分パージ下、硬化膜片を5℃/分で230℃まで昇温し、230℃にて8時間同温度を保持し、測定した。昇温終了後の重量を100として、昇温終了後から保持終了までの重量減少率を算出した。
また、本態様の硬化膜は、ユニバーサル硬度が500N/mm以上であることが好ましく、より好ましくは520N/mm以上、さらに好ましくは550N/mm以上である。ユニバーサル硬度が上記範囲であれば、優れた表面硬度を得ることができ、例えば硬化膜上にスパッタリングにより透明電極層を形成した場合には、透明電極層のクラックや硬化膜のシワの発生を効果的に防ぐことができるからである。ユニバーサル硬度は高ければ高いほど好ましく、ユニバーサル硬度の上限は特に限定されるものではない。
なお、上記ユニバーサル硬度は、硬度測定措置(フィッシャーインストルメント社製 フィッシャースコープH-100V)を用い、膜厚1.5μmの硬化膜を測定した値である。
(2)硬化膜の構成成分
本態様の硬化膜は、光重合開始剤を含有するものである。光重合開始剤としては、一般的なものを用いることができ、例えば上記第1態様に記載したものが挙げられる。
上記光重合開始剤の含有量は、低脱ガス性の観点から、硬化膜中に15重量%以下であることが好ましい。なお、光重合開始剤の含有量の好ましい範囲等については、上記第1態様に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
また、本態様の硬化膜は、下記一般式(5)で表される構造を含むことが好ましい。
Figure 0004736679
ここで、上記式(5)中、Zは−CO−、−SO−、−C(CF−、−Si(CH−、−CH−、−C(CH−、−O−、−S−、下記式(3-2)で表されるフルオレン骨格を有する基、または単結合を示す。
Figure 0004736679
これらの中でも、Zが上記式(3-2)で表されるフルオレン骨格を有する基であることが好ましい。すなわち、本態様の硬化膜が下記式(6-1)で表される構造を含むことが好ましい。耐熱性をより一層高めることができるからである。
Figure 0004736679
さらに、本態様の硬化膜は、脂環式骨格を含むことが好ましい。耐熱性を向上させることができるからである。脂環式骨格としては、硬化膜を形成するための前駆体である共重合体(エポキシ樹脂)を製造する際に共重合の阻害とならないものであればよく、例えばジシクロペンタニル、ジシクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロペンチル、イソボロニル、アダマンチル等が好ましく挙げられる。耐熱性および共重合等の観点から、特にジシクロペンタニルが好ましい。
(3)その他
なお、硬化膜の膜厚および製造方法等については、上記第1態様に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
B.カラーフィルタ
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。
本発明のカラーフィルタは、上述した液晶表示装置用硬化膜である保護膜を有することを特徴とするものである。
図1は、本発明のカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。図1に例示するように、本発明のカラーフィルタは、基板1上に遮光部2と着色層3と保護膜4とが順次積層されたものである。着色層3は赤色着色パターン3R、緑色着色パターン3Bおよび青色着色パターン3Bから構成され、保護膜4は上述した硬化膜である。
本発明によれば、保護膜として上述した硬化膜を用いるので、保護膜が耐熱性、耐スパッタ性、表面硬度に優れており、例えばカラーフィルタの保護膜上にスパッタリングにより透明電極層を形成した場合には、透明電極層のクラックや保護膜のシワの発生を防止することができる。また、保護膜が低脱ガス性に優れるので、本発明のカラーフィルタを例えば液晶表示装置に用いた場合には、液晶層中への気泡の発生を抑制することができる。さらに、保護膜はパターニング特性が良く、パターン状に保護膜を設けることにより、本発明のカラーフィルタを所望の大きさに切断する場合には、切断片を生じることなく容易に切断することができる。
本発明のカラーフィルタは、通常、基板と、この基板上に形成された着色層と、着色層上に形成された保護膜とを有するものである。以下、本発明のカラーフィルタの各構成について説明する。
1.保護膜
本発明に用いられる保護膜は、上述した液晶表示装置用硬化膜である。なお、液晶表示装置用硬化膜については、上記「A.液晶表示装置用硬化膜」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
上記保護膜は、着色層上に全面に形成されていてもよく、パターン状に形成されていてもよいが、本発明のカラーフィルタを所望の大きさに切断する場合には、切断部分には保護膜が形成されないようにパターン状に形成されていることが好ましい。これにより、切断片の発生を防止することができるからである。また、本発明のカラーフィルタを液晶表示装置に用いる場合には、シール剤が塗布される部分には保護膜が形成されないようにパターン状に形成されていることが好ましい。これにより、シール剤が基板等と直接接触することになり、カラーフィルタおよび対向基板間の密着力が向上するからである。
また保護膜は、上記「A.液晶表示装置用硬化膜」の項に記載したように、硬化性樹脂組成物を着色層上に塗布し、硬化させることにより形成することができるが、硬化膜がフィルム状に成形されている場合は、直接、あるいは、粘着剤を介して貼着することにより着色層上に形成することもできる。
2.着色層
本発明に用いられる着色層は、通常、赤色着色パターン、緑色着色パターンおよび青色着色パターンから構成され、各着色パターンが規則的に配列したものである。各着色パターンの配列としては特に限定されるものではなく、例えばストライプ型、モザイク型、トライアングル型、4画素配置型等が挙げられる。
着色層を構成する各着色パターンは、各色の顔料もしくは染料とバインダ樹脂とを含有するものである。
赤色着色パターンに用いられる顔料としては、例えばペリレン系顔料、レーキ顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系顔料等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
緑色着色パターンに用いられる顔料もしくは染料としては、例えばハロゲン多置換フタロシアニン系顔料もしくはハロゲン多置換銅フタロシアニン系顔料等のフタロシアニン系顔料、トリフェニルメタン系塩基性染料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料等が挙げられる。これらの顔料もしくは染料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
青色着色パターンに用いられる顔料としては、例えば銅フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、インダンスレン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
また、各着色パターンに用いられるバインダ樹脂としては、透明な樹脂が用いられる。
着色層の形成方法として印刷法を用いる場合には、バインダ樹脂としては、例えばポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、カルボキシメチルセルロース樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
また、着色層の形成方法としてフォトリソグラフィー法を用いる場合は、バインダ樹脂としては、通常、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する感光性樹脂が用いられる。
上記着色層は、一般的な着色層の形成方法、例えば顔料分散法、染色法、電着法、印刷法等により形成することができる。顔料分散法により着色層を形成する場合は、上述した顔料をバインダ樹脂に混合、分散または可溶化させた顔料分散レジストが用いられる。
3.基板
本発明に用いられる基板は、着色層や保護膜等を支える支持体であり、着色層等を保護する機能を有し、透明なものであれば特に限定されるものではない。中でも、表面が平滑な基板が好ましく用いられ、例えばガラス基板やプラスチック基板が用いられる。具体的には、無アルカリガラスやソーダライムガラス等を含むガラス基板、またはポリイミド系やメタクリル酸系樹脂等の透明なプラスチック基板などを用いることができる。
4.遮光部
本発明においては、各着色パターン間等に遮光部が形成されていてもよい。遮光部は、各着色パターンを区画するとともに、各着色パターンどうしの境界における外光の反射を防止し、コントラストを高めるために設けられるものである。
本発明に用いられる遮光部は、通常、マトリクス状またはストライプ状等の開口部を有するパターン状に形成されたものである。
上記遮光部の形成材料としては、例えばカーボンブラック等の黒色着色剤を含有する樹脂組成物、あるいは、クロム等の金属または金属酸化物などが挙げられる。
また、遮光部の形成方法としては、樹脂組成物を用いる場合は例えばフォトリソグラフィー法、印刷法等が挙げられ、金属または金属酸化物を用いる場合は例えば蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、無電界メッキ法等が挙げられる。
5.透明電極層
本発明においては、着色層上に透明電極層が形成されていてもよい。透明電極層としては、例えば酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等、またはその合金等が用いられる。
また、透明電極層は、スパッタリング法、真空蒸着法等のPVD法、あるいは、CVD法などの一般的な成膜方法により形成することができる。上記保護膜は耐熱性や耐スパッタ性等に優れることから、PVD法により透明電極層を形成することが好ましい。PVD法では保護膜が高温に曝されることになるが、上述したように保護膜は耐熱性や耐スパッタ性に優れるのでクラックやシワの発生などの不具合を回避することができ、またコスト面でも有利である。
C.液晶表示装置用基板
次に、本発明の液晶表示装置用基板について説明する。
本発明の液晶表示装置用基板は、上述した液晶表示装置用硬化膜である層間絶縁膜を有することを特徴とするものである。
図2は、本発明の液晶表示装置用基板の一例を示す概略断面図である。図2に例示するように、本発明の液晶表示装置用基板は、スイッチング素子を構成するTFT素子21を有しており、基板11と、基板11上に形成されたゲート電極12と、ゲート電極12と他の構成部材とを絶縁するためのゲート絶縁膜13と、ゲート絶縁膜13上でゲート電極12と重畳するように形成された半導体層14と、ソース電極16およびドレイン電極17と、ソース電極16・ドレイン電極17および半導体層14を接続するためのオーミックコンタクト層15と、TFT素子を保護するためのTFT保護膜18と、コンタクトホール22が設けられるようにパターン状に形成された層間絶縁膜19と、コンタクトホール22による露出面を覆うように層間絶縁膜19上に形成された透明電極層20とを有するものである。
本発明によれば、層間絶縁膜として上述した硬化膜を用いるので、層間絶縁膜が耐熱性、耐スパッタ性、表面硬度に優れており、例えば層間絶縁膜上にスパッタリングにより透明電極層を形成した場合には、透明電極層のクラックや層間絶縁膜のシワの発生を防止することができる。また、層間絶縁膜が低脱ガス性に優れるので、本発明の液晶表示装置用基板を例えば液晶表示装置に用いた場合には、液晶層中への気泡の発生を抑制することができる。さらに、層間絶縁膜はパターニング特性が良く、容易にパターニングすることができる。
本発明の液晶表示装置用基板は、例えば透明電極層および、ソース電極やドレイン電極など導電部分の間に層間絶縁膜を有するものであれば特に限定されるものではない。
本発明に用いられる層間絶縁膜は、上述した液晶表示装置用硬化膜である。なお、液晶表示装置用硬化膜については、上記「A.液晶表示装置用硬化膜」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
また、本発明の液晶表示素子用基板がTFT基板である場合、TFT素子、透明電極層等は、一般的にTFT基板に用いられるものを使用することができる。
D.液晶表示装置
次に、本発明の液晶表示装置について説明する。
本発明の液晶表示装置は、上記カラーフィルタおよび上記液晶表示装置用基板の少なくともいずれか一方を有することを特徴とするものである。
図3は、本発明の液晶表示装置の一例を示す概略断面図である。図3に例示するように、本発明の液晶表示装置は、カラーフィルタ30を有するカラーフィルタ基板39と、液晶表示装置用基板(TFT基板)40との間に液晶層51が設けられたものである。カラーフィルタ基板39は、基板31上に遮光部32、着色層(赤色着色パターン33R、緑色着色パターン33G、青色着色パターン33B)33、および保護膜34が順次積層されたカラーフィルタ30と、このカラーフィルタ30の保護膜34上に形成された透明電極層35および配向膜36とを有している。また、TFT基板40では、基板41上にソース電極42などから構成されるTFT素子(図示せず)が形成され、ソース電極42および透明電極層44を絶縁するための層間絶縁膜43が形成されており、透明電極層44上に配向膜45が形成されている。
本発明によれば、上述したカラーフィルタおよび液晶表示装置用基板を用いるので、カラーフィルタにおける保護膜および液晶表示装置用基板における層間絶縁膜が、耐熱性、耐スパッタ性、表面硬度に優れるものであり、透明電極層のクラックおよび保護膜や層間絶縁膜のシワの発生を防止するとともに、液晶層中への気泡の発生を抑制することができる。
図3には、液晶表示装置が上述したカラーフィルタおよび液晶表示装置用基板の両方を有する例を示したが、本発明の液晶表示装置は、カラーフィルタおよび液晶表示装置用基板の少なくともいずれか一方を有していればよい。
なお、液晶層および配向膜等については、一般的に液晶表示装置に用いられるものを使用することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、本発明について実施例を用いて具体的に説明する。
[実施例1,2]
重合性化合物(a)、多官能モノマー(b)、光重合開始剤(c)、エポキシ樹脂(d)、添加剤(e)、および溶剤(f)の各々の成分を下記表1に示すように配合し、硬化性樹脂組成物を調製した。各々の成分は下記の通りである。
・重合性化合物(a)
a1:ビスフルオレン型エポキシアクリレート/ビスフェニルテトラカルボン酸共重合体(重量平均分子量3,500、酸価50mgKOH/g)
・多官能モノマー(b)
b1:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(東亞合成(株)製、アロニックスM402)
b2:ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(日本化薬(株)製、サートマーSR399E)
・光重合開始剤(c)
c1:2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン(日本チバガイギー(株)製、IRGACURE907)
c2:2,2´−ビス(2クロロフェニル)−4,4´−5,5´テトラキスフェニル−1,2´ビイミダゾール(黒金化成(株)製、ビイミダゾール)
・エポキシ樹脂(d)
d1:ジシクロペンタニルメタクリレート/ベンジルメタクリレート/グリシジルメタクリレート/メタクリル酸メタクリレート共重合体(重量平均分子量10,000)
・添加剤(e)
e1:フッ素系界面活性剤(住友スリーエム(株)製、フロラードFC-431)
e2:アクリル系シランカップリング剤(信越シリコーン(株)製、KBE503)
・溶剤(f)
f:ジエチレングリコールジエチルエーテル
次に、上記硬化性樹脂組成物を、無アルカリガラス基板上にスピナーにて最終膜厚が1.5μmとなるように塗布した後、ホットプレート上で90℃で3分間プレベークし、I線換算露光量100mJで全面に照射して現像し、オーブンにて230℃で30分間焼成した。これにより、硬化膜を形成した。
[比較例]
実施例で使用した成分、および下記の成分を使用し、下記表1に示すように各々の成分を配合し、硬化性樹脂組成物を調製した。
・重合性化合物(a)
a2:スチレン/アクリル酸共重合体(重量平均分子量7,000、酸価60mgKOH/g)
・エポキシ樹脂(d)
d2:フェノールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製、エピコート154)
次に、実施例と同様にして、硬化膜を形成した。
[評価]
実施例および比較例の硬化膜について、ガラス転移温度、熱分解温度、重量減少率、およびユニバーサル硬度を測定した。なお、硬化膜の物性の測定方法は、上述したとおりである。また、耐スパッタ性および気泡発生についても評価した。
(耐スパッタ性)
上記硬化膜上に、スパッタリング装置を用い、200℃、6.0×10−3torr、12分間の条件でITO膜をスパッタした。得られたITO膜の膜厚は1500Åであった。この基板をオーブン中にて250℃で60分間焼成した後、顕微鏡にてITO膜のクラックおよび硬化膜のシワが発生していないかを評価した。
(気泡発生評価)
上記硬化膜が形成された基板と、無アルカリガラス基板とを対向させ、シール剤にて張り合わせ後、液晶材を注入し、封止して、気泡評価用液晶セルを作製した。このセルをプレッシャクッカ試験装置に温度120℃、湿度75%、圧力0.2〜2.0kg/cmの条件で120分間挿入し、気泡発生の有無を評価した。
評価結果を下記表1に示す。
Figure 0004736679
本発明のカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。 本発明の液晶表示装置用基板の一例を示す概略断面図である。 本発明の液晶表示装置の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1,11,31,41 … 基板
2,32 … 遮光部
3,33 … 着色層
4,34 … 保護膜(液晶表示装置用硬化膜)
19,43 … 層間絶縁膜(液晶表示装置用硬化膜)
20,35,44 … 透明電極層
30 … カラーフィルタ
40 … 液晶表示装置用基板

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で表され、酸価が30mgKOH/g以上である重合性化合物と、ホモポリマーとしたときのガラス転移温度が150℃以上である重合性不飽和化合物aおよびエポキシ基またはその残基を有する重合性不飽和化合物bの共重合体であり、重量平均分子量が10,000以上であり、末端にカルボン酸基を有さないエポキシ樹脂と、多官能モノマーとを含有する硬化性樹脂組成物を硬化してなることを特徴とする液晶表示装置用硬化膜。
    Figure 0004736679
    (式(1)中、Xは2つ以上の芳香環が連結された芳香族基を示し、Yはそれぞれ独立して、多価カルボン酸またはその酸無水物の残基を示し、Rは下記式(2-1)で表される基を示し、jは0〜4の整数、kは0〜3の整数、nは1以上の整数である。)
    Figure 0004736679
    (式(2-1)中、R11は水素原子またはメチル基、R12はそれぞれ独立して、水素原子またはメチル基を示す。)
  2. 前記式(1)中、Xは下記一般式(3-1)で表される基を示すことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置用硬化膜。
    Figure 0004736679
    (式(3-1)中、Zは−CO−、−SO−、−C(CF−、−Si(CH−、−CH−、−C(CH−、−O−、−S−、下記式(3-2)で表されるフルオレン骨格を有する基、または単結合を示し、Rはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、またはハロゲン原子、Rは−O−または−OCHCHO−を示す。)
    Figure 0004736679
  3. 前記重合性不飽和化合物aは、下記一般式(4-1)で表されるものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液晶表示装置用硬化膜。
    Figure 0004736679
    (式(4-1)中、R21は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示し、Aはジシクロペンタニル基、イソボロニル基、またはアダマンチル基を有する置換基を示す。)
  4. 前記エポキシ樹脂は、前記重合性不飽和化合物aと、前記重合性不飽和化合物bと、分子量が150以上である重合性不飽和化合物cとの共重合体であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の液晶表示装置用硬化膜。
  5. ガラス転移温度が300℃以上、熱分解温度が320℃以上、230℃、8時間保持での重量減少率が10%以下、ユニバーサル硬度が500N/mm以上であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の液晶表示装置用硬化膜。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の液晶表示装置用硬化膜である保護膜を有することを特徴とするカラーフィルタ。
  7. 請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の液晶表示装置用硬化膜である層間絶縁膜を有することを特徴とする液晶表示装置用基板。
  8. 請求項6に記載のカラーフィルタおよび請求項7に記載の液晶表示装置用基板の少なくともいずれか一方を有することを特徴とする液晶表示装置。
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