JP4968459B2 - 射出成形用ハードコートフィルム及び該フィルムを利用した射出成形体の製造方法 - Google Patents
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前記基材層の片面または両面に積層一体化されたハードコート層とを備え、
前記ハードコート層は、
アクリル系ポリマーと、
多官能オリゴマーと、
多官能モノマー及び単官能モノマーからなる群より選ばれる1種又は2種以上のモノマー成分と、
光重合開始剤と、を含有した紫外線硬化型樹脂組成物の硬化物からなり、
前記多官能オリゴマー及びモノマー成分からなる化合物群における平均官能基数が2.4〜4.9であり、
前記紫外線硬化型樹脂組成物におけるアクリル系ポリマー/(多官能オリゴマー+モノマー成分)の質量比が2/98〜42/58の範囲にあり、
前記基材層におけるポリカーボネート樹脂/ポリエステル樹脂の質量比が38/62〜92/8の範囲であることを特徴とする射出成形用ハードコートフィルム。
下記一般式(I);
下記一般式(I);
不飽和2重結合を有する紫外線吸収剤と、を少なくとも含有した重合成分が重合されてなるアクリル系共重合体ポリマーである前項1に記載の射出成形用ハードコートフィルム。
下記一般式(I);
不飽和2重結合を有する光安定剤と、を少なくとも含有した重合成分が重合されてなるアクリル系共重合体ポリマーである前項1に記載の射出成形用ハードコートフィルム。
テレフタル酸及びテレフタル酸誘導体からなる群より選ばれる1種又は2種以上のジカルボン酸成分と、1,4−シクロヘキサンジメタノールを40モル%以上含有してなるグリコール成分と、を重縮合させて得られたポリエステル樹脂からなる前項1〜4のいずれか1項に記載の射出成形用ハードコートフィルム。
(A)アクリル系ポリマー
(B)多官能オリゴマー
(C)多官能モノマー及び単官能モノマーからなる群より選ばれる1種又は2種以上のモノマー成分
(D)光重合開始剤。
下記一般式(I);
(Q)前記アクリル系ポリマーは、重合成分として少なくとも前記一般式(I)で表される(メタ)アクリロイル基を有したモノマーと、少なくとも不飽和2重結合を有する光安定剤と、を少なくとも含有した重合成分が重合されてなる(メタ)アクリル系共重合体ポリマーである構成
(R)前記アクリル系ポリマーは、重合成分として少なくとも前記一般式(I)で表される(メタ)アクリロイル基を有したモノマーと、少なくとも不飽和2重結合を有する紫外線吸収剤と、少なくとも不飽和2重結合を有する光安定剤と、を少なくとも含有した重合成分が重合されてなる(メタ)アクリル系共重合体ポリマーである構成。
(ベンゾフェノン系)
2−ハイドロキシ−4−(3−メタクリルオキシ−2−ハイドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン
2−ハイドロキシ−4−(3−アクリルオキシ−2−ハイドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン
2,2’−ジハイドロキシ−4−(3−メタクリルオキシ−2−ハイドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン
2,2’−ハイドロキシ−4−(3−アクリルオキシ−2−ハイドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン
2(N−メタクリロイル)アミノベンゾフェノンなど
(ベンゾトリアゾール系)
2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシメチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール
2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール
2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシプロピル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール
2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシヘキシル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール
2−[2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール
2−[2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチル−3’−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール
2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール
2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール
2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−5−シアノ−2H−ベンゾトリアゾール
2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−5−tert−ブチル−2H−ベンゾトリアゾール
2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−5−ニトロ−2H−ベンゾトリアゾールなど
が挙げられる。
4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン
4−(メタ)アクリロイルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン
4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
4−クロトノイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
1−(メタ)アクリロイル−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
1−(メタ)アクリロイル−4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
1−クロトノイル−4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
等が挙げられる。
(基材層の構成材料)
ポリカーボネート樹脂…三菱エンジニアリングプラスチック株式会社製「ユーピロンH−3000」
ポリエステル樹脂…イーストマンケミカル株式会社製「PCTG5445」。
アクリル系ポリマーE…温度計、攪拌機、不活性ガス導入口、空気導入口及び還流冷却器を備えた1Lの4つ口フラスコにメチルシクロヘキシルメタクリレート50質量部、メチルメタクリレート50質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル120質量部を仕込み、窒素雰囲気下、攪拌しながら90℃に加熱した。次に、開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.5質量部及びプロピレングリコールモノメチルエーテル30質量部からなる混合物を2時間かけて滴下した後、さらに2時間加熱した。しかる後、120℃で1時間加熱することによって得た数平均分子量70000のアクリル系ポリマー(ポリマー分40質量%の溶液)
アクリル系ポリマーF…温度計、攪拌機、不活性ガス導入口、空気導入口及び還流冷却器を備えた1Lの4つ口フラスコにメチルシクロヘキシルメタクリレート50質量部、紫外線吸収剤(2−ハイドロキシ−4−(3−メタクリルオキシ−2−ハイドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン)50質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル120質量部を仕込み、窒素雰囲気下、攪拌しながら90℃に加熱した。次に、開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.5質量部及びプロピレングリコールモノメチルエーテル30質量部からなる混合物を2時間かけて滴下した後、さらに2時間加熱した。しかる後、120℃で1時間加熱することによって得た数平均分子量70000のアクリル系ポリマー(ポリマー分40質量%の溶液)
アクリル系ポリマーG…温度計、攪拌機、不活性ガス導入口、空気導入口及び還流冷却器を備えた1Lの4つ口フラスコにメチルシクロヘキシルメタクリレート50質量部、光安定剤(4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)50質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル120質量部を仕込み、窒素雰囲気下、攪拌しながら90℃に加熱した。次に、開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.5質量部及びプロピレングリコールモノメチルエーテル30質量部からなる混合物を2時間かけて滴下した後、さらに2時間加熱した。しかる後、120℃で1時間加熱することによって得た数平均分子量70000のアクリル系ポリマー(ポリマー分40質量%の溶液)。
多官能オリゴマーY…2官能のビスフェノールAエポキシアクリレート(ダイセル・ユーシービー株式会社製「EB3700」)
多官能オリゴマーZ…数平均分子量2300の脂肪族系15官能ウレタンアクリレート(新中村化学工業株式会社製「U−15HA」)
多官能モノマーV…6官能のペンタエリスリトールヘキサアクリレート(ダイセル・ユーシービー株式会社製「PETA−K」)
多官能モノマーW…2官能のエトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(新中村化学工業株式会社製「A−BPE−4」)
単官能モノマーU…N−ビニルホルムアミド(荒川化学工業株式会社製「ビームセット770」)
光重合開始剤…1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティケミカルズ株式会社製「イルガキュア184」)。
ポリカーボネート樹脂(ユーピロンH−3000)とポリエステル樹脂(PCTG5445)を表1、2に示す配合割合で混合してなる混合樹脂組成物を50mm径の1軸押出機(L/D=28)を用いて押出成形することによって、厚さ0.3mmの基材層フィルム(2)を得た。
ハードコートフィルムに対してASTM D1044に準拠してテーバー式摩耗試験(摩耗輪:CS−10F、荷重:500g、回転数:100回転)を行った後、該ハードコートフィルムのヘーズ率H2(%)を測定し、摩耗試験前のハードコートフィルムのヘーズ率H1(%)との変化量(変化値)を求め、
摩耗試験前後のヘーズ率の変化量(%)=H2−H1
この変化量から下記判定基準により耐擦傷性を評価した。
「◎」…非常に耐擦傷性に優れている(ヘーズ率の変化値が5%未満)
「○」…耐擦傷性に優れている(ヘーズ率の変化値が5%以上7%未満)
「△」…耐擦傷性が実用上やや不十分(ヘーズ率の変化値が7%以上10%未満)
「×」…耐擦傷性が実用上不十分(ヘーズ率の変化値が10%以上)。
ハードコートフィルム(1)のハードコート層(3)を目視により観察し、下記判定基準により評価した。
「◎」…ハードコート層塗膜の表面が平滑で、どの角度から見ても透明なもの
「○」…ハードコート層塗膜の表面が平滑で、極端に斜めから見るとやや透明性が損なわれるものの、実用的に問題のないレベルのもの
「△」…ハードコート層塗膜の表面が平滑ではなく、斜めから見ると曇って見え実用上問題があるもの
「×」…ハードコート層塗膜の表面が荒れていて、斜めのみならず正面方向から見ても曇って見え実用上大いに問題があるもの。
ハードコートフィルム(1)の荷重たわみ温度をJIS K7191−1996に準拠して測定し、下記判定基準により評価した。なお、JIS K7191では、試験片の最小厚さは3mmと規定されているので、この耐熱性評価においてのみ、厚さ3.0mmの基材層フィルム(2)を用いて製作したハードコートフィルムを用いた。
「○」…荷重たわみ温度が90℃以上のもの
「×」…荷重たわみ温度が90℃未満のもの。
射出成形体(10)の表面のハードコートフィルム(1)のハードコート層(3)を目視により観察し、下記判定基準により評価した。
「○」…ハードコート層の全ての部位において型の再現性が良く、角を有する部位でもシワ、クラックの発生のなかったもの
「×」…ハードコート層にシワ、クラックがあったもの、樹脂成形体(11)に対するハードコートフィルム(1)の密着性不良や浮き現象が認められたもの、又は角を有する部位で型の再現性が良くなかったもの。
JIS K5600−1999に準拠して、ハードコートフィルム(1)をカーボンアーク式サンシャインウェザーメーター内に設置して促進試験を行い、1000時間光照射した後の外観、黄変度(△YI)を調べ、下記判定基準により評価した。
「◎」…ハードコート層塗膜に剥離や曇り発生がなく、かつ△YIが3未満であるもの
「○」…ハードコート層塗膜に剥離や曇り発生がなく、かつ△YIが3以上7未満であるもの
「△」…ハードコート層塗膜に剥離や曇り発生がなく、かつ△YIが7以上であるもの
「×」…ハードコート層塗膜に剥離又は/及び曇りが発生したもの。
2…基材層
3…ハードコート層
10…射出成形体
11…樹脂成形体
21…第1射出成形型
22…第2射出成形型
Claims (11)
- ポリカーボネート樹脂及びポリエステル樹脂を含有した混合樹脂組成物からなる基材層と、
前記基材層の片面または両面に積層一体化されたハードコート層とを備え、
前記ハードコート層は、
アクリル系ポリマーと、
多官能オリゴマーと、
多官能モノマー及び単官能モノマーからなる群より選ばれる1種又は2種以上のモノマー成分と、
光重合開始剤と、を含有した紫外線硬化型樹脂組成物の硬化物からなり、
前記多官能オリゴマー及びモノマー成分からなる化合物群における平均官能基数が2.4〜4.9であり、
前記紫外線硬化型樹脂組成物におけるアクリル系ポリマー/(多官能オリゴマー+モノマー成分)の質量比が2/98〜42/58の範囲にあり、
前記基材層におけるポリカーボネート樹脂/ポリエステル樹脂の質量比が38/62〜92/8の範囲であり、
前記アクリル系ポリマーは、
下記一般式(II);
- 前記アクリル系ポリマーは、
前記一般式(II)で表される(メタ)アクリルモノマーと、
不飽和2重結合を有する紫外線吸収剤と、を少なくとも含有した重合成分が重合されてなるアクリル系共重合体ポリマーである請求項1に記載の射出成形用ハードコートフィルム。 - 前記アクリル系ポリマーは、
前記一般式(II)で表される(メタ)アクリルモノマーと、
不飽和2重結合を有する光安定剤と、を少なくとも含有した重合成分が重合されてなるアクリル系共重合体ポリマーである請求項1に記載の射出成形用ハードコートフィルム。 - 前記一般式(II)におけるR 2 は、シクロヘキシル基またはメチルシクロヘキシル基である請求項1〜3のいずれか1項に記載の射出成形用ハードコートフィルム。
- 前記一般式(II)におけるR 2 は、ボルニル基またはイソボルニル基である請求項1〜3のいずれか1項に記載の射出成形用ハードコートフィルム。
- 前記アクリル系ポリマーの数平均分子量は、50000〜90000である請求項1〜5のいずれか1項に記載の射出成形用ハードコートフィルム。
- 前記硬化物は、前記多官能オリゴマー及び前記モノマー成分で形成される高分子網目架橋構造の中に前記アクリル系ポリマーが分散された形態になっている請求項1〜6のいずれか1項に記載の射出成形用ハードコートフィルム。
- 前記基材層を構成するポリエステル樹脂は、
テレフタル酸及びテレフタル酸誘導体からなる群より選ばれる1種又は2種以上のジカルボン酸成分と、1,4−シクロヘキサンジメタノールを40モル%以上含有してなるグリコール成分と、を重縮合させて得られたポリエステル樹脂からなる請求項1〜7のいずれか1項に記載の射出成形用ハードコートフィルム。 - 請求項1〜8のいずれか1項に記載の射出成形用ハードコートフィルムを予備成形することなく射出成形型内に配置せしめ、この状態で型内に樹脂を射出することによって樹脂の成形を行うと同時に該樹脂成形体の表面に前記ハードコートフィルムを一体化することを特徴とする射出成形体の製造方法。
- 前記型内に射出する樹脂として、ポリカーボネート樹脂またはポリカーボネート樹脂を含むポリマーアロイを用いる請求項9に記載の射出成形体の製造方法。
- 樹脂成形体の表面に、請求項1〜8のいずれか1項に記載の射出成形用ハードコートフィルムからなるハードコート部を備えてなることを特徴とする射出成形体。
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