JP4429515B2 - 高分子樹脂積層体、その製造方法、および該積層体からなる成形物 - Google Patents

高分子樹脂積層体、その製造方法、および該積層体からなる成形物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、表面の硬度に優れた高分子樹脂の成形物の積層体、その中でも特に表面の硬度に優れたポリカーボネート成形物の積層体に関し、更にはこの積層体を用いた各種の自動車や建築物の窓材や構造材等に関するものである。
【0002】
ただし本願発明の高分子樹脂成形物は、前記の用途の他に用いることが充分に可能であり、例えば液晶表示装置(LCD)やプラズマディスプレー、エレクトロルミネセンスディスプレー、CRT等の各種の表示装置の表面保護用フィルム、もしくは各種の携帯情報端末、タッチパネル入力装置等で用いられる透明タブレットにおける透明電極付きフィルム、ガラス板の飛散防止用フィルム等の用途で用いられるハードコートフィルムとしても好適であり、ポリカーボネートフィルムを始め、ポリアリレートフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルム、トリアセチルセルロースフィルムおよび各種のオレフィン系フィルム等を基板とするハードコートフィルムとしても好ましく用いることができる。
【0003】
【従来の技術】
ポリカーボネート樹脂は透明性に優れ、軽量で耐衝撃性が高いことから、各種の建築物、自動車等の窓材や構造材等として、広く応用展開されてきた。
【0004】
しかしながら、硬度・耐擦傷性・耐侯性・耐薬品性の観点でガラスに大幅に劣るという欠点がある。そのため、ポリカーボネート表面にハードコートを施す(例えば特開昭48−81928号、特開昭52−138565号、特開昭53−138476号)ことが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
これらのハードコート層としては、珪素アルコキシドの加水分解縮合物もしくは、それに加えて他種のアルコキシドや各種の超微粒子等を適当な割合で混合した組成物を熱的に硬化してなる層や、多官能アクリレートを紫外線や電子線等の活性光線の照射等によって重合してなる層が多く用いられている。
【0006】
このようなハードコート層の硬度は一般的に非常に高いものになる場合が多く、例えば2mm厚みの石英板上に5μm程度の厚みで積層して鉛筆硬度を測定した場合には9H(9Hの鉛筆でも傷が付かない)を示すことが多い。
【0007】
しかしながらポリカーボネート成形物上にこれらのハードコート層を5μm程度の厚みで積層した場合には成形物の表面硬度は充分に高いものにはならない。
【0008】
すなわち日本工業規格K5400記載の鉛筆硬度試験に準拠して測定を行うと、ポリカーボネート成形物そのものの鉛筆硬度は2BないしB程度であるが、ポリカーボネート成形物の表面に、こうした石英板上では鉛筆硬度が9Hのハードコート層を積層した場合でも鉛筆硬度はFないしH程度と充分に高い値を示さないことがほとんどである。
【0009】
また高分子樹脂基板の鉛筆硬度が若干高い、例えばポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートの成形物(共に鉛筆硬度Hないし2H程度)である場合にも、こうしたハードコート層の積層後の鉛筆硬度が3H程度と不十分な場合が多い。
【0010】
このように表面硬度が不十分であることは、これらの高分子樹脂/ハードコート積層体をより広い分野で利用していく上での大きな問題となっており、本願発明はこの問題を解決せんとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本願発明は次の通りである。
【0012】
1. 高分子樹脂基板上に、
厚みが50〜300μmの、鉛筆硬度が3H以上である活性光線硬化層(A)と、厚みが1〜20μmの、荷重4.9N、1000サイクルのテーバー摩耗試験におけるヘーズの増加が10%以下であって、鉛筆硬度が4H以上であるハードコート層(B)とがこの順に積層されてなる高分子樹脂積層体。
【0013】
2. 活性光線硬化層(A)が、ジシクロペンタニルジアクリレートおよび/またはジシクロペンタニルジメタクリレートが不揮発成分全体の50重量%以上を占める前駆材料を硬化してなる層であることを特徴とする上記1に記載の高分子樹脂積層体。
【0014】
3. 活性光線硬化層(A)が、分子内に3個以上のアクリロイル基および/またはメタクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートを不揮発成分全体の50重量%以下の割合で混合した前駆材料を硬化してなる層であることを特徴とする上記2に記載の高分子樹脂積層体。
【0015】
4. 活性光線硬化層(A)の300〜350nmの波長領域における光吸収率が99%以上であることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の高分子積層体。
【0016】
5. 活性光線硬化層(A)の前駆材料の不揮発成分中の紫外線吸収剤の添加量(重量%)と活性光線硬化層(A)の膜厚(μm)との積が、30〜300重量%・μmの範囲にあること特徴とする上記1〜4のいずれかに記載の高分子積層体。
【0017】
6. 活性光線硬化層(A)に混合する紫外線吸収剤として、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノールを主として用いたことを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載の高分子積層体。
【0018】
7. ハードコート層(B)が、珪素一原子に3個のメトキシ基および/またはエトキシ基が結合した3官能珪素アルコキシドによる加水分解縮合物を50重量%以上含有する層であることを特徴とする上記1〜6のいずれかに記載の高分子樹脂積層体。
【0019】
8. ハードコート層(B)が、分子内に3個以上のアクリロイル基および/またはメタクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートによる重合体を50重量%以上含有する層であることを特徴とする上記1〜7のいずれかに記載の高分子樹脂積層体。
【0020】
9. ハードコート層(B)が、真空成膜プロセスにより形成された膜厚が1.5〜10μmの層であることを特徴とする上記1〜8の高分子樹脂積層体。
【0021】
10. ハードコート層(B)が、真空蒸着法により形成された層であることを特徴とする上記1〜9の高分子樹脂積層体。
【0022】
11. ハードコート層(B)が、基板側から、真空蒸着法により形成された層と、スパッタリング法により形成された膜厚0.02〜0.5μmの層とを、この順に積層してなる二層からなるハードコート層であることを特徴とする上記1〜10の高分子樹脂積層体。
【0023】
12. ハードコート層は、酸化珪素を少なくとも全体の50重量%以上含む層、もしくは各々が酸化珪素を少なくとも全体の50重量%以上含む層を積層した二層からなる層である事を特徴とする上記1〜11の高分子樹脂積層体。
【0024】
13. 高分子樹脂基板がポリカーボネートの成形基板であることを特徴とする上記1〜12の高分子樹脂積層体。
【0025】
14. 積層体のヘーズ値が5%以下であることを特徴とする上記1〜13の高分子樹脂積層体。
【0026】
15. 高分子樹脂基板上に活性光線硬化層の前駆材料を塗布した後に、電子線もしくは紫外線の照射により前駆材料の塗布膜を硬化させて活性光線硬化層(A)を形成することを特徴とする上記の高分子樹脂積層体の製造方法。
【0027】
16. 活性光線硬化層の前駆材料を塗布した高分子樹脂基板を、50〜130℃の温度に昇温した後に、活性光線を照射して高分子基板上に活性光線硬化層(A)を形成することを特徴とする上記15の高分子樹脂積層体の製造方法。
【0028】
17. 樹脂の上に、請求項1〜16のいずれかの高分子樹脂積層体を、ハードコート層(B)の上面を外側にして積層してなる成形物。
【0029】
18. 成形物が、上記1〜17の高分子樹脂積層体であることを特徴とする成形物。
【0030】
19. 成形物が自動車窓もしくは建材用窓であることを特徴とする上記17または18の成形物。
【0031】
ここで、高分子樹脂基板上に活性硬化層(A)とハードコート層(B)がこの順に積層されているとは、高分子樹脂基板、活性光線硬化層、ハードコート層の順に積層されていることを意味し、ハードコート層(B)の上面とは活性光線硬化層(A)と対峙しない側の面を意味する。
【0032】
なお、上記の「高分子樹脂基板、活性光線硬化層、ハードコート層の順に」とは、高分子樹脂基板、活性光線硬化層、ハードコート層のそれぞれの間に別の層、例えばプライマー層を含む場合も含むものである。
【0033】
また、活性光線硬化層(A)およびハードコート層(B)の鉛筆硬度は、活性光線硬化層もしくはハードコート層を2mm厚みの石英板上にそれぞれ50〜300μm、1〜20μmの膜厚で積層硬化した後、それらの層の表面について測定したものである。上記膜厚範囲内であれば得られるデータに差異はない。
【0034】
また、ハードコート層(B)の、荷重4.9N、1000サイクルのテーバー摩耗性は、ハードコート層を1mm厚のポリカーボネート板(例えば帝人化成株式会社製「パンライトPC−1151」)上に1〜20μmの膜厚で積層した後、この層の表面について測定したものである。上記膜厚範囲内であれば得られるデータに差異はない。
【0035】
なお、これらの測定を行う際、活性光線硬化層と石英板との間、ハードコート層と石英板との間、ハードコート層とポリカーボネート板との間の密着性は良好であることが好ましく、少なくとも日本工業規格K5400記載の碁盤目テープ法試験で100/100であることが好ましい。
【0036】
このため、プライマー層を活性光線硬化層と石英板との間、ハードコート層と石英板との間、ハードコート層とポリカーボネート板との間に挟持して設けることが好ましい。これらのプライマー層としては、例えばポリメチルメタクリレートや、メチルメタクリレートと2−ヒドロキシエチルメタクリレートとの共重合物、メチルメタクリレートとγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランとの共重合物による層等が好ましく例示される。
【0037】
なお、このプライマー層の厚みは鉛筆硬度の測定結果への影響を防ぐ観点から1〜3μmの範囲とすることが好ましい。
【0038】
また、「可視波長域」とは400〜750nmの波長域のことを意味する。
【0039】
本願発明者らは、高分子樹脂基板上に50μm以上の厚みの、鉛筆硬度が3H以上である活性光線硬化層、特にジシクロペンタニルジアクリレート(以下DCPAと記す)および/またはジシクロペンタニルジメタアクリレート(以下DCPと記す)を主成分とする活性光線硬化層を介してハードコート層を積層することによって、ハードコート層を積層した後の積層体の鉛筆硬度について4H以上の高い値を得ることができることを見い出した。
【0040】
本願発明者らは上記の理由について知見を得るため、このような積層体表面を鉛筆の芯先により押し込んだ場合を模したコンピューターシミュレーション(有限要素法解析)を行った。
【0041】
その結果、高分子樹脂基板上に剛性の高い層(以下剛性層と記す)を積層する場合、剛性層を積層した積層体の表面硬度は、剛性層の厚みによって大きく変化していくことがわかった。
【0042】
シミュレーションでは、このような積層体を下地層(高分子樹脂基板の部分に相当)と剛性層(活性光線硬化層に相当)とが積層された半径2mm、厚み2mmの円柱として考え、円柱の上面の円の中心に、9.8Nの荷重をかけた円柱状圧子(円の面積0.1mm2。これは鉛筆押し込み時の接触面積にほぼ等しい)を接触させて、積層体表面を押し込むといった条件を設定した。
【0043】
下地層の弾性率を2.3GPa、ポアソン比を0.3(この値はポリカーボネートの成形物の一般的な値である)、剛性層の弾性率を6.9および23GPaおよび、ポアソン比を0.3として、剛性層の積層厚みを変化させた場合の積層体表面の押し込み深さの大きさの変化を纏めたものが図1である。
【0044】
この結果を観ると、剛性層の厚みが増加していくと徐々に積層体表面の押し込み深さが減少していくことがわかり、おそらくこのことが実際の実験結果における鉛筆硬度の向上と対応すると考えられる。
【0045】
すなわち鉛筆は芯の等級(HB、F、H等)に応じた脆性破壊強度を有しており、鉛筆硬度試験はこの脆性破壊強度にほぼ等しい圧力でサンプルの表面を押し込む試験であると考えられる。一般にサンプルはある一定以上の大きさの押し込み変形を受けると塑性変形を生じ、塑性変形の大きさが肉眼で確認される大きさになると、傷が発生したと認識されるようになる。
【0046】
このように傷が発生する押し込み圧力の閾値が存在することを念頭におくと、前記のシミュレーション結果に観られた押し込み深さの減少は、傷が発生するために必要な押し込み圧力の増加、すなわち傷が発生するために、より脆性破壊強度の大きい鉛筆による押し込みが必要になるということ、すなわち鉛筆硬度の向上と対応関係にあると考えられる。
【0047】
実際の実験結果はこのシミュレーションによく合致し、充分な鉛筆硬度の向上効果を得るためには活性光線硬化層はある程度以上の厚みを有している必要があり、少なくとも50μm以上が必要であることが分かった。より好ましくは70μm以上である。なお、300μmを超える厚みでは層の密着性が低下し、経済性に劣る場合が多いのであまり好ましくない。
【0048】
活性光線硬化層は、層自身が単独で少なくとも3H以上の鉛筆硬度を有する層であることが重要であり、かつ前記厚み範囲に形成した場合にクラックや密着性の低下を生じないために硬化収縮が小さい材料による硬化層であることが好ましい。
【0049】
硬化収縮が小さく、硬化後の硬度が高い材料として、特に前記のDCPAおよびDCPが好ましく挙げられる。これらの層は高分子樹脂基板上に50μm以上の厚みに形成した場合でもクラックや密着性の不良を生じず、3H以上の鉛筆硬度を得ることができる。
【0050】
更に高分子樹脂フィルムを基板としてDCPAおよび/またはDCPの硬化層を積層した積層体は、積層体の屈曲性が優れるといった特徴を有している。すなわち硬化層を外側にして積層体を屈曲(外曲げ)した場合に、硬化層にクラックを生じることなくより小さな曲率半径で曲げることができるといった特徴を有しており、このような特徴は、高分子樹脂フィルム基板を連続走行させながら硬化層をコーティング形成し、ロール状に巻き取る場合において、非常に有用である。
【0051】
DCPAおよび/またはDCPを主成分とし、他の成分(以下副成分とも言う)を混合した材料を用いる場合には、前記の特徴を維持する観点から、材料の不揮発成分の全体の少なくとも50重量%以上、より好ましくは70重量%以上をDCPAおよび/またはDCPが占めていることが好ましい。
【0052】
副成分としては、DCPA、DCP以外の各種(メタ)アクリレートや、ビニル基やアリル基を有する化合物、珪素アルコキシドを始めとする各種のアルコキシド成分、平均粒径(直径)が3〜30nmの超微粒子、光重合開始剤等の硬化剤もしくは硬化触媒、光重合開始助剤(増感剤)、レベリング剤、光吸収剤、光安定剤(酸化防止剤)、消泡剤、増粘剤等が必要に応じて混合される。
【0053】
これらの副成分は活性光線硬化層の更なる硬度の上昇や、基材およびハードコート層との密着性の向上、耐候性の向上、表面性の改善等の各種の機能を付与する目的で混合される。
【0054】
副成分としてDCPA、DCP以外の(メタ)アクリレートを混合する場合、これらの成分が活性光線硬化層(A)の不揮発成分全体の50重量%以下、より好ましくは30重量%以下の割合となるように、(前駆材料を)混合する事が好ましい。
【0055】
50重量%を超えると主成分DCPAおよびまたはDCPによる硬化層の特徴である低硬化収縮性、高硬度の性質のいずれかが失われていく場合が多く、好ましくない。
【0056】
前記の副成分として混合可能な(メタ)アクリレートについては特に大きな限定はないが、例えばポリオールポリ(メタ)アクリレート、変性ポリオール(メタ)アクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、メラミンアクリレート等のポリ(メタ)アクリレートや、モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0057】
具体的には例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールトリアクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、イソシアヌール環を含む多官能アクリレート(官能基数4〜15程度)、アクリロイルモルフォリン、イソボルニル(メタ)アクリレート等が好適に挙げられる。
【0058】
またこれらのうちでも特に分子内に3個以上のアクリロイル基および/またはメタクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートは、適当な割合で混合した場合に活性光線硬化層の硬度を更に高める機能を果たす。
【0059】
また前記に例示したイソボルニル(メタ)アクリレートは、高分子樹脂基板との密着性があまり良くないので高い割合での混合は難しいが、硬化収縮率が非常に低いという特徴を有するので、主に硬化層の内部応力を低減する目的のために必要に応じて適量好ましく混合される。
【0060】
なお、前記のビニル基もしくはアリル基を有する化合物は、特に活性光線硬化層を電子線照射によって硬化させる場合に好適に用いられる。これらの例としては、例えばジエチレングリコールアリルカーボネート等が好ましく挙げられる。
【0061】
また各種のアルコキシド成分(珪素、ジルコニウム、チタン、ボロン等)を副成分として混合する場合には、特に分子内にアクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基、ビニル基が結合されたアルコキシドが特に好ましく用いられる。これらの例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等が好ましく挙げられる。
【0062】
また層の硬度を更に高める目的で、平均粒径が3〜30nmの超微粒子を副成分として混合することも好ましく行われる。このような超微粒子としては例えば酸化珪素、酸化アルミニウム、塩化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化錫等の無機酸化物による超微粒子や、メチルメタクリレートやジビニルベンゼンを酸やイミドにより架橋した有機架橋微粒子による超微粒子等が好適である。
【0063】
活性光線硬化層は、前記の材料を必要に応じて各種の溶剤で希釈した後に基板上にコーティングし、電子線、紫外線(可視光を含んでいても良い)等の活性光線を照射することによって材料の硬化を進行させ、形成することができる。
【0064】
ここで電子線硬化法は一般に電子の加速電圧と硬化層の密度とによって浸入深さが決まり、硬化層自身の光吸収(主に紫外域)の影響を受けない特徴を有しているので、本願発明のように活性光線硬化層の厚みが50μm以上と厚い場合に有効な硬化方法である。
【0065】
また、電子線硬化法は紫外線の吸収波長領域を利用しないため、高分子樹脂積層体の耐候性(例えば紫外線老化性)を向上させる目的で硬化層内に紫外線吸収剤を混合する場合等に特に有効な硬化方法となる。
【0066】
紫外線硬化を行う場合には、光重合開始剤を副成分として適量添加することが好ましく、また硬化反応の効率を向上する目的で各種の増感剤も必要に応じて適量添加される。
【0067】
また電子線硬化、紫外線硬化のいずれの方法においても、酸素による硬化障害を抑制する目的で、周囲雰囲気の酸素を窒素等の不活性気体で置換することも必要に応じて行われる。
【0068】
光重合開始剤としては、例えばジエトキシアセトフェノン、2−メチル−1−{4−(メチルチオ)フェニル}−2−モルフォリノプロパン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸等のベンゾフェノン系化合物;チオキサンソン、2、4−ジクロロチオキサンソン等のチオキサンソン系化合物等が挙げられる。またこれらの骨格にアクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基、ビニル基を付与した共重合性の光重合開始剤も好ましく用いられ、例えばα−アリルベンゾイン、α−アリルベンゾインアリールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン等が例示される。
【0069】
光重合開始剤の添加量は、活性光線硬化層の前駆材料の不揮発成分全体の0.1〜10重量%であることが好ましい。ここで紫外線照射時に周囲雰囲気の酸素を置換しない場合には1〜10重量%、不活性気体による置換を行う場合には0.1〜3重量%の添加量が好ましい。
【0070】
また紫外線吸収剤を副成分として添加する場合、少なくとも300〜350nmの波長範囲の波長領域に大きな吸収を有する紫外線吸収剤が好ましく用いられ、その中でも分子内にベンゾトリアゾール骨格やトリアジン骨格等を含む化合物が特に好ましい。
【0071】
これらの例としては、例えば、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−ベンゾトリアゾール−2−イル−4,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール、2,4−ジ−tert−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン等が好ましく挙げられる。
【0072】
尚、これらの中でも特にトリアジン系の紫外線吸収剤である2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノールは、化学的分解を受けにくく、活性光線硬化層内で安定に存在し続けるので非常に好ましく用いられる。またこの紫外線吸収剤を用いた場合には、活性光線硬化層を紫外線の照射により硬化させる場合(光重合開始剤を共存させる場合が多い)にも、硬化阻害が少なく、層を良好に硬化させる事ができる。
【0073】
更には紫外線吸収剤として、前記のベンゾトリアゾール骨格やトリアジン骨格等を含む化合物とメタクリロイル基、アクリロイル基もしくはビニル基を含有する化合物を共重合してなる化合物(例えば2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等が挙げられる)は活性光線硬化層を主に形成するアクリレート成分もしくはメタクリレート成分と架橋反応を起こすことが可能な反応型紫外線吸収剤と呼ばれており、活性光線硬化層内に紫外線吸収剤を安定に固定し、耐久性を高める目的のために好ましく用いられる。
【0074】
高分子樹脂積層体の耐候性(紫外線老化性)を充分なものにするためには、活性光線硬化層の300〜350nmの波長領域のいずれの波長においても光吸収率が少なくとも99%以上、より好ましくは99.9%以上とすることが好ましい。なお、上記4.における「活性光線硬化層(A)の300〜350nmの波長領域における光吸収率が99%以上である」とは、「300〜350nmの波長領域のいずれの波長においても光吸収率が少なくとも99%以上」という意味である。
【0075】
この目的のためには、活性光線硬化層の前駆材料の不揮発成分中の紫外線吸収剤の添加量(重量%)と活性光線硬化層の膜厚(μm)との積が、30〜300重量%・μmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは50〜150重量%・umである。
【0076】
なお、活性光線硬化層の前駆材料に紫外線吸収剤を混合し、紫外線照射により層の硬化を行う場合には、硬化(光重合)を誘起する紫外線の波長と紫外線吸収剤の吸収波長とが幾分相違していることが好ましい。すなわち前述のように紫外線吸収剤としては300〜350nmの波長領域に大きな吸収を持つものを用いることが好ましいので、光重合を誘起する紫外線の波長は350nm以上もしくは300nm以下の波長とすることが好ましい。
【0077】
この目的では、大きな光吸収を有する波長領域が350〜400nmおよび/または220〜300nmであるような光重合開始剤を用いる方法がある。これらの例としては、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2,4ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン、ジベンゾスベロン、メチルフェニルグリオキシレート、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2(O−エトキシカルボニル)オキシム等が例示される。
【0078】
また同様の目的で、220〜300nmおよび/または350〜400nmに大きな光吸収性を有する光重合開始助剤(増感剤)を、光重合開始剤と併用して用いることも好ましく行われる。
【0079】
このような光重合開始助剤としては、例えば2−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ジメチルアミノアセトフェノン等が挙げられる。
【0080】
こうした光重合開始助剤は、光重合開始剤に対して10〜40重量%の割合で混合されることが好ましい。
【0081】
さて、これら活性光線硬化層は高分子樹脂基板上にその前駆材料を塗布(コーティング)した後に、塗布膜に活性光線を照射することにより形成される。
【0082】
コーティング方法としては、例えば、(ドクター)ナイフコート法、マイクログラビヤコート法、ダイレクトグラビヤコート法、オフセットグラビヤ法、リバースグラビヤ法、リバースロールコート法、(マイヤー)バーコート法、ダイコート法、スプレーコート法、ディップコート法等の方法が好ましく適用できる。
【0083】
ここで活性光線硬化層の前駆材料を塗布した高分子樹脂基板は、前駆材料液のレベリング性の向上や、活性光線硬化層と高分子樹脂基板との間の密着性の向上等の目的で活性光線の照射を行う前に50〜130℃に昇温することが好ましい。
【0084】
この密着性向上効果は、昇温により高分子樹脂基板内部に前駆材料液が一部浸透して、いわゆるアンカー効果をもたらすことに起因している。なお、こうした基板内部への前駆材料の浸透の状況は走査型電子顕微鏡(SEM)による積層体の断面観察により知ることができる。
【0085】
なお、基板をあまり長い間こうした温度に保持すると前駆材料液が浸透しすぎて、逆に層の硬化性が低下する場合がある。このため、前記温度で基板を保持する時間は5〜100秒程度が最も好ましい。
【0086】
また活性光線硬化層の形成方法として、適当な賦形板(フィルム形状のものを含む)を活性光線硬化層の前駆材料の塗布膜に密着させた状態で活性光線を照射して層を硬化させ、しかる後に賦形板を層と剥離することによって、賦形板の表面形状を活性光線硬化層上に転写する方法を用いることも好ましく行われる。
【0087】
賦形板としては高分子樹脂板、高分子樹脂フィルム、ガラス板、金属板等が挙げられ、活性光線硬化層が硬化した後には層との密着性が低く、僅かな力で両者を剥離できるような賦形板、もしくは離型剤等による表面処理の施された賦形板であることが好ましい。
【0088】
本方法の利点は、表面形状の異なる賦形板を用いることにより、活性光線硬化層の表面形状を自由にコントロールできるところにあり、例えば表面平滑性に優れた賦形板を用いることにより、高分子樹脂基板の表面平滑性の善し悪しにかかわらず表面平滑な活性光線硬化層を形成することができることが挙げられ、積層体の外観を更に向上する効果が得られる。
【0089】
なお、この方法を利用して、表面平滑性に優れた活性光線硬化層の形成と同時に、ハードコート層を活性光線硬化層の表面に転写(すなわち、賦形板上から活性光線硬化層上に移動させること)することもできる。
【0090】
すなわち、賦形板上に、あらかじめ被転写層、すなわちハードコート層またはプライマーとハードコート層との積層体、を積層しておき、賦形板と被転写層とは僅かな力により剥離可能としておくと、この賦形板を前記と同様に前駆材料の塗布膜に密着した状態で活性光線を照射して層を硬化した後、活性光線硬化層の表面に転写層(ハードコート層またはプライマーとハードコート層との積層体)を積層することが可能になる。
【0091】
さて本願発明におけるハードコート層は、鉛筆硬度が4H以上で、東洋精機(株)製テーバー磨耗試験装置(磨耗輪CS−10F、垂直荷重4.9N)を使用した、ハードコート層の1000サイクルのテーバー摩耗試験におけるヘーズ値の上昇が、少なくとも10%以下となるような耐摩耗性に優れた層である。
【0092】
このようなハードコート層としては、例えば珪素一原子に3個のメトキシ基および/またはエトキシ基が結合した3官能珪素アルコキシドによる加水分解縮合物を50重量%以上含有する層、もしくは分子内に3個以上のアクリロイル基および/またはメタクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートによる重合体を50重量%以上含有する層が好ましく例示される。
【0093】
なお、該層は各種の無機酸化物の超微粒子を50重量%以下の割合で含有していても良く、各種の硬化剤(重合開始剤、重合触媒)、レベリング剤等の添加剤を含有していて良い。
【0094】
ここで無機酸化物による超微粒子としては、例えば酸化珪素、酸化アルミニウム、塩化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化錫等による平均粒径が3〜30nmの超微粒子が好適である。
【0095】
なお、珪素一原子に3個のメトキシ基および/またはエトキシ基が結合した3官能珪素アルコキシドによる加水分解縮合物、もしくは分子内に3個以上のアクリロイル基および/またはメタクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートによる重合体が、ハードコート層中に50重量%以上含有されていないと、部分的な剥がれ、チョーキング等の問題が発生しやすくなる。更に好ましくは60重量%以上である。
【0096】
また、該層は25重量%以下の割合で珪素一原子に4個のメトキシ基および/またはエトキシ基が結合した4官能珪素アルコキシドによる加水分解縮合物を含有していても良く、また同様に25重量%以下の割合で珪素以外の他種のアルコキシドの加水分解縮合物、例えばアルミニウムやチタン、ジルコニウム、ボロン等の金属アルコキシドの加水分解縮合物を含有していても良い。
【0097】
これら3官能珪素アルコキシドとしては、例えばメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、メタアクリロイルプロピルトリメトキシシラン等が挙げられ、4官能珪素アルコキシドとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等が挙げられる。
【0098】
なお、ここで珪素アルコキシドの加水分解縮合物とは、珪素アルコキシドと水と酸触媒(主にぎ酸、酢酸、塩酸、硝酸、りん酸等が用いられる)とを混合し、撹拌することにより、アルコキシ基と水との間に脱アルコール反応が起こり水酸基(Si−OH)を生ずる加水分解反応と、それに引き続いて起こる、水酸基同士による脱水反応、もしくは水酸基とアルコキシ基による脱アルコール反応等に基づく縮合物(Si−O−Si結合による連鎖)のことを指している。
【0099】
この縮合物は一般に前記反応によって生ずるアルコール系溶媒に溶解した状態で存在するが、縮合反応が進行しすぎるとゲル化が起こり、コーティングが不可となる。これらの反応速度は溶液のpH値や温度等に大きく依存することから、これらの溶液にはpH緩衝剤(酢酸ナトリウム等)を添加したり、冷蔵状態で保管することが好ましい。
【0100】
これらの溶液は基材上にコーティング後、自然乾燥(風乾)および/またはコーター乾燥炉での加熱等によって溶剤成分が揮発乾燥され、この後、乾燥炉で高温に加熱されることにより縮合反応が著しく進行して硬化層すなわちハードコート層を形成する。
【0101】
なお、これらの溶液もしくはこれらの溶液をコーティングした基材面に、170〜300nmの波長領域の紫外線(特に低圧水銀ランプの主発光波長である195nm、254nm)を照射すると、アルコキシドの縮合反応活性が高まることが公知となっており、本願発明においても本方法を併用することも好ましく行われる。
【0102】
ただし溶液をコーティングした基材面に紫外線を照射する方法を用いる場合、基材の高分子樹脂成形物が前記波長領域の紫外線によって劣化(黄変、分子量低下等)を生じる場合があるので、前記波長領域の紫外線を吸収する紫外線吸収剤を活性光線硬化層に適量添加しておくことが好ましい。
【0103】
さて、ハードコート層としては、分子内に3個以上のアクリロイル基および/またはメタクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートによる重合体を50重量%以上含有する層も好ましく例示される。
【0104】
これらの例としては、例えばトリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド変性トリアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。
【0105】
なお、該層は50重量%以下の割合でポリエステル変性もしくはウレタン変性、エポキシ変性の多官能アクリレートオリゴマーを含有していても良い。これらの樹脂は単独の組成で用いても、数種の混合組成で用いても良い。
【0106】
これらの層は、紫外線(可視光を含む場合もある)や電子線の照射により硬化が進行し、硬化物の層(ハードコート層)を形成する。
【0107】
またハードコート層としては、この他に真空成膜プロセスにより形成された層が好ましく用いられる。
【0108】
このような真空成膜プロセスとしては、真空蒸着法、スパッタリング法、化学的気相成長(堆積)法(CVD)法等が挙げられるが、この中でも、一般に成膜速度が早く経済性に優れる特長を有する真空蒸着法を主に用いる事が好ましい。
【0109】
真空蒸着法とは、通常は装置内の圧力が少なくとも10-1Pa以下となるように真空排気した後に、装置内において、加熱気化させた材料物質を基板上に堆積させて層を得る方法である。尚、一般に材料の加熱気化の方法としては、るつぼ等に充填した材料物質に電子ビームもしくはイオンビーム等を当てて加熱する方法、もしくは、タングステンボート等の抵抗線に充填した材料物質を抵抗線に電流を流して加熱する方式等が用いられる。
特に、前者の電子ビームもしくはイオンビームによる加熱方式を用いた場合には、ビームのエミッション量をコントロールすることによって、堆積速度が早く、かつ長時間安定した真空蒸着が可能であり、数μmを越える膜厚の層を比較的簡単に経済的に得ることができるので好ましい。
【0110】
尚、ここでは、真空槽内で蒸着粒子を適当な方法でイオン化させた後、電界加速して基板上に堆積させる方法(イオン化蒸着法、電界アシスト蒸着等の名称で呼ばれることが多い)等の、蒸着粒子に対してその運動エネルギーを高める工程を付与した各種の真空蒸着法も、必要に応じて用いることができる。
【0111】
さてハードコート層としては、前記の真空蒸着法により形成された層(以下蒸着層と記す)と、スパッタリング法により形成された層(以下スパッタ層と記す)とを、基板側からこの順に積層した二層から成る層を用いても良い。
【0112】
スパッタリング法(一般にマグネトロンスパッタリング法と呼ばれる)は、真空蒸着法同様に、装置内の圧力が少なくとも10-1Pa以下になるように真空排気した後に、装置中に不活性ガス、もしくは若干の反応性ガスを混合した不活性ガスを導入し、材料ターゲットと基板間に高い電場(交流および/または直流)と磁場をかけてプラズマ状態を誘起させ、プラズマ内で加速したガスが材料ターゲットに衝突した衝撃でターゲットの表面にある材料物質を原子/分子状の形態で発散させて基板上に付着させて層を得る方法である。
【0113】
一般的にスパッタリング法はより緻密で硬度が高い層が得られやすいといった特長を有するが、先の真空蒸着法よりもかなり堆積速度が遅く、0.5μmを越える膜厚に層を形成するには非常に時間がかかる。すなわち主に経済的な観点から、スパッタ層の膜厚は0.5μm以下、より好ましくは0.25μm以下である事が好ましい。
【0114】
尚、スパッタ層の膜厚は、その積層による特性向上効果を得るためには少なくとも0.02μm以上必要であり、より好ましくは0.05μm以上、更に好ましくは0.1μm以上である。
【0115】
このように蒸着層とスパッタ層の積層を行う場合、真空蒸着の工程とスパッタリングの工程は、同一の真空槽内、もしくは可動式の敷居板を隔てて連続する2つ以上の真空槽(真空チャンバー)中を、基板を移動させながら連続的に行う事も可能であり、表面汚染の防止効果、真空排気時間の短縮等の利点から好ましく行われる。
【0116】
このようなハードコート層の材料としては、例えば、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化セリウム、窒化珪素、窒化アルミニウム、炭化珪素等といった各種酸化物、窒化物、炭化物等の無機材料による層や、いわゆるダイヤモンドライクカーボン(DLC)と呼ばれる炭素からなる層等を挙げる事ができるが、この中でもハードコート層が高い透明性と優れた機械物性を有するようにするためには、主成分として酸化珪素を用いる事が好ましく、酸化珪素が層全体の少なくとも50重量%以上、より好ましくは75重量%を占めていることが好ましい。
【0117】
尚、より高い透明性を得る目的においては、酸化珪素の酸化数を示すSiOnのnの値はほぼ2.0である事が好ましい。
【0118】
また、ハードコート層は、前記のように酸化珪素を主成分として用いる事が好ましいが、必要に応じて適当な割合で他種の無機酸化物を副成分として混合した材料を用いる事も可能である。
【0119】
このような副成分としては、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン等が好ましく例示され、ハードコート層の硬度上昇や脆性の改善、ならびにハードコート層と活性光線硬化層との屈折率差に由来する光干渉縞の低減を目的とした屈折率の調整等の目的において混合される。
【0120】
さて、高分子樹脂積層体が優れた耐磨耗性を得るためには、ハードコート層の膜厚は1.5μm以上であることが好ましく、より好ましくは2.5μm以上、更に好ましくは3.5μm以上である。ただし膜厚が10μmを越えると、層にクラックを生じたり、密着性が低下する場合が多くなるので好ましくない。
【0121】
尚、必要に応じて、ハードコート層の積層の際中に、真空槽内で基板を適度に加熱する事が好ましい場合がある。基板の加熱方法としては、ハロゲンランプ等を用いることができる。加熱温度としては、およそ50〜120℃程度の範囲が好ましく、蒸着膜の残留応力の緩和や、蒸着膜の密着性向上、特に積層体の周囲温度変化に対する蒸着膜の密着性の悪化を防ぐ目的において好ましい場合がある。
【0122】
尚、前述したハードコート層の光干渉縞の低減に関しては、活性光線硬化層とハードコート層との間に挟持して、屈折率がハードコート層の屈折率と活性光線硬化層の屈折率との幾何平均値の付近にある層を、層の厚みと屈折率を乗じた値(光学膜厚)が100〜160nm程度になるように積層する事によっても、効果が得られる場合があり、必要に応じて行われる
ハードコート層の膜厚は目的に応じて、適宜選択できるが、1〜20μmの範囲にあることが好ましい。膜厚が1μm以下であると繰返して摩耗を受けた場合に耐擦傷性が不十分となる場合がある。20μmを越えるとハードコート層の脆さが表面化して、表面にクラックを生じ易くなったり、高分子樹脂フィルムとの密着性が低下する場合がある。更に好適には膜厚は2〜10μmの範囲である。
【0123】
また必要に応じて、前記の活性光線硬化層とハードコート層との密着性を向上させたり、積層体の耐候性(例えば耐紫外線老化性)を向上させる目的のために、活性光線硬化層の表面に適当な表面処理を施したり、プライマー層を積層したりすることが可能である。
【0124】
表面処理としては、例えば公知のプラズマ処理、コロナ処理、UV−オゾン処理等の方法が好ましく用いられ、硬化層の密着性を向上させたり、前駆材料の塗工性を向上するといった効果を得ることができる。
【0125】
またプライマー層としては、例えば各種のメタクリル酸エステルやそれらと他種の成分との共重合物による層が好ましく例示され、特にポリメチルメタクリレートおよびポリメチルメタクリレートと他種の成分との共重合物による層が好ましく用いられる。これら共重合される他種成分としては、例えば分子内にアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基等を含有する珪素アルコキシド等が好ましく例示される。
【0126】
また前記の耐候性向上の目的で、プライマー層には必要に応じて各種の紫外線吸収剤や酸化防止剤等の成分を適量含有させることも好ましく行われる。
【0127】
プライマー層の膜厚は、0.1〜15μmの範囲で塗布されるのが好ましく、0.3〜10μmの範囲とすることがより好ましい。
【0128】
なお、ハードコート層およびプライマー層の高分子樹脂基板上へのコーティング方法としては、スピンコート法、(ドクター)ナイフコート法、各種のグラビヤコート法、マイクログラビヤコート法、(マイヤー)バーコート法、リバースロールコート法、ダイコート法、スプレーコート法、ディップコート法等の各種の方法を用いることができる場合が多い。
【0129】
高分子樹脂基板としては特に限定はないが、本願発明の主旨から言えば、鉛筆硬度が少なくとも3H以下の高分子樹脂基板が対象になる。
【0130】
このような高分子樹脂基板としては、例えばポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートや各種のポリオレフィイン樹脂(例えばJSR社の商品名「アートン」、日本ゼオン社の商品名「ゼオネックス」)等による基板が挙げられる。
【0131】
高分子樹脂基板の厚みには特に大きな限定はないが、少なくとも塗工層の厚み、すなわち活性光線硬化層とハードコート層、もしくは活性光線硬化層とハードコート層とプライマー層との合計の厚みより大きいことが好ましく、およそ100μm以上である。また特に積層体を屈曲性を必要とする用途に用いる場合には100〜500μm、より好ましくは150〜400μmの範囲である。
【0132】
自動車や建築物の窓材等の用途においては耐衝撃性、透明性、成形性等の観点からポリカーボネートが特に好ましい。ここでポリカーボネートとは、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸結合形成性化合物との重縮合物を意味する。
【0133】
かかる芳香族ジヒドロキシ化合物としては、具体的にはビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、4,4−ジヒドロキシフェニル−1,1’−m−ジイソプロピルベンゼン、4,4’−ジヒドロキシフェニル−9,9−フルオレンなどのビス(4−ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1−メチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)−4−(ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル−シクロヘキサン、4−[1−〔3−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルシクロヘキシル〕−1−メチルエチル]−フェノール、4,4’−〔1−メチル−4−(1−メチルエチル)−1,3−シクロヘキサンジイル〕ビスフェノール、2,2,2’,2’−テトラヒドロ−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビス−〔1H−インデン〕−6,6’−ジオールなどのビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)エーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルフェニルエーテルなどのジヒドロキシアリールエーテル類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィドなどのジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシドなどのジヒドロキシジアリールスルスルホキシド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン、などのジヒドロキシジアリールスルホン類、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−3,3’−イサチンなどのジヒドロキシジアリールイサチン類、3,6−ジヒドロキシ−9,9−ジメチルキサンテンなどのジヒドロキシジアリールキサンテン類、レゾルシン、3−メチルレゾルシン、3−エチルレゾルシン、3−ブチルレゾルシン、3−t−ブチルレゾルシン、3−フェニルレゾルシン、3−クミルレゾルシン、ヒドロキノン、2−メチルヒドロキノン、2−エチルヒドロキノン、2−ブチルヒドロキノン、2−t−ブチルヒドロキノン、2−フェニルヒドロキノン、2−クミルヒドロキノンなどのジヒドロキシベンゼン類、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジヒドロキシジフェニル等ジヒドロキシジフェニル類が挙げられる。
【0134】
中でも2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが好ましい。
【0135】
炭酸結合形成性化合物としては、具体的にはホスゲンやトリクロロメチルクロロフォーメート、ビス(トリクロロメチル)カーボネートなどのホスゲン類、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネートなどのジアリールカーボネート類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどのジアルキルカーボネート類、メチルフェニルカーボネート、エチルフェニルカーボネートなどのアルキルアリールカーボネート類などを挙げることができる。
【0136】
ホスゲン類を用いる場合はポリカーボネートは溶液法で製造され、カーボネート結合を有する炭酸エステル類を用いる場合は溶融法で製造される。
【0137】
炭酸エステル類の中ではジフェニルカーボネートが好ましく用いられる。
【0138】
これらの化合物は単独または組み合わせて用いることができる。
【0139】
なお、他の成分を共重合またはブレンド成分として含むものも上記8.のポリカーボネートの範疇に含まれる。
【0140】
本願発明にもっとも適するものは芳香族ジヒドロキシ化合物として、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを使用し、炭酸結合形成性化合物として、ホスゲン類やカーボネート結合を有する炭酸エステル類を使用するポリカーボネートである。
【0141】
それ以外の成分の共重合率またはブレンド率が高いとポリカーボネートの特徴が薄れるため、共重合率またはブレンド率は20重量%以下が望ましく、10重量%以下が更に望ましい。
【0142】
高分子樹脂基板の形状に関しては特に限定はないが、フィルム状、シート状の形状を有する成形物は均一な層のコーティングが実現しやすいので特に好ましく用いられる。曲面や凹凸等の複雑な形状を有する成形物も用いることができるが、層のコーティング方法に制約を生じる(ディップコート法が主に用いられる)場合もある。
【0143】
なお、これらの高分子樹脂基板は前記の活性光線硬化層を積層するに当たり、あらかじめ基板の表面処理を施したり、適当なプライマー層を積層することも必要に応じて行われる。このような表面処理としては、公知のプラズマ処理、コロナ処理、UV−オゾン処理等の方法が好ましく用いられ、硬化層の密着性を向上させたり、前駆材料の塗工性を向上するといった効果を得ることができる。
【0144】
プライマー層は、同様に硬化層の密着性を向上させたり、積層体の耐候性(例えば耐紫外線老化性)を向上させる機能を有するものが好ましく用いられる。
【0145】
このようなプライマー層としては、例えば各種のメタクリル酸エステルやアクリル酸エステルによる重合物、もしくはそれらと他種成分との共重合物が好ましく挙げられる。こうした共重合成分は分子内にアミノ基、エポキシ基を有する成分であることが好ましい。
【0146】
また前記の耐候性向上の目的で、プライマー層には必要に応じて各種の紫外線吸収剤や酸化防止剤等の成分を適量含有させることも可能である。
【0147】
プライマー層の膜厚は、0.1〜15μmの範囲で塗布されるのが好ましく、0.3〜10μmの範囲とすることがより好ましい。
【0148】
本願発明の高分子樹脂積層体は、透視性が高いことが好ましく、具体的には積層体のヘーズ値が5%以下であることが好ましく、より好ましくは3%以下である。
【0149】
積層体の光透過率は、高分子樹脂基板もしくは活性光線硬化層等の内に可視光の吸収剤(顔料、染料等)を混合させたり、ハードコート層に適度に光吸収性を有する層を用いる等の方法によって、意図的に積層体の光透過率を低下させる場合を除き、全光線透過率は30%以上、より好ましくは50%以上である。
【0150】
なお、本願発明の高分子樹脂積層体は、樹脂の上に、ハードコート層(B)の上面を外側にして積層してなる成形物とすることによって、表面が高硬度の成形物を得ることができる。
【0151】
その方法としては、例えば、いわゆるインモールド成形あるいはインサート成形におけるインサートフィルムまたはシートとして用いることがある。
【0152】
すなわち、高分子樹脂積層体を、ハードコート層(B)の上面を金型面に対峙させて射出成形機の金型に固定した後に、ポリカーボネートやアクリル等の高分子樹脂を金型内に溶融状態で射出して金型内部で一体化成形する方法により、様々な形状や大きさの成形物を得ることができる。
【0153】
また、押出し成形や、反応射出成形等金型を使用する成形技術ならば、本願発明に係る高分子樹脂積層体を積層する成形物を作製できる限り、どのようなものでも良い。
【0154】
なお、本願発明は、例えば、樹脂を溶融状態のまま板状に押出し、平行して走行する本願発明に係る高分子樹脂積層体と接触させ、両者を押し付け合い、連続的に板状成形物を製造する、もしくは、本願発明に係る高分子樹脂積層体を適当な接着層(接着剤層)を介して別途成形した樹脂成形物と一体化して板状成形物を製造する等、金型の概念を適用できない場合にも、樹脂積層成形物を作製できる限り、各種の既存の技術に適用することも可能である。
【0155】
更に、本願発明においては、「成形物が、上記1〜13のいずれかに記載の高分子樹脂積層体であることを特徴とする成形物」は、成形に要する作業を簡略化できる利益が得られる。すなわち、高分子樹脂基板として、適切な形状のものを使用すれば、高分子樹脂積層体そのものを成形物として得ることができ、この場合には、成形に要する作業を簡略化できる利益が得られる。
【0156】
上記の諸方法は自動車や建築物の窓材や透視性を必要とする構造材等を高い生産性をもって製造する目的に好適であり、好ましく用いられる。
【0157】
【実施例】
以下に発明の好適な実施例について説明する。ただし、本願発明はこれに限定されるものではない。また、「部」は特に断らない限り「重量部」である。
【0158】
なお、実施例における各種の特性評価は以下の要領にて行った。
【0159】
(鉛筆硬度の測定)
日本工業規格K5400に記載されている鉛筆硬度測定法に準拠して測定を行ったが、本実施例においては測定の再現性を高める観点から、サンプルを厚み2mmのガラス板上にエポキシ系の接着剤(ニチバン社製商品名「アラルダイトラピッド」)を用いて固定した状態において鉛筆を平面方向に走査した。
【0160】
これはサンプルをしっかり固定することにより鉛筆走査時のサンプルの歪みや曲がり等の影響を排除できるためであり、特にサンプルの厚みが1mm以下であるような場合に再現性の向上に効果がある。
【0161】
なお、サンプルの傷付きの有無の判定は、前記規格に準拠して測定者の肉眼にて行うが、傷つきの判定が微妙となる場合には、傷(凹部)の深さを市販の触針式表面粗さ計により測定し、異なる5個所で測定した深さの平均値が0.2μm以上である場合に「傷が発生した」と判定することとした。
【0162】
(テーバー摩耗性の測定)
テーバー摩耗試験機(東洋精機(株)製)を用い、摩耗輪CS−10F、荷重4.9N、1000サイクルの条件で試験片表面を摩耗し、次式から求められるヘーズ値の摩耗前後の差(ΔH)で評価した。
【0163】
ヘーズ(%)=(拡散透過率/全光線透過率)×100
なお、ハードコート層のテーバー磨耗性は熱硬化処理を施した時点からの室温下の保存(エージング)により若干向上する場合があるので、各サンプルともテーバー摩耗試験はサンプルの作成後、温度25℃、湿度50%の環境下で7日間保存した後に行った。
【0164】
(ヘーズ値および全光線透過率の測定)
日本電色工業社製の測定器(商品名「COH−300A」)を用いて測定を行った。
【0165】
(活性光線硬化層の紫外線吸収率の測定)
日立製分光光度計U−3500を用いて測定を行った。測定にあたっては、高分子樹脂基板やハードコート層等の活性光線硬化層以外の部分での紫外線吸収の影響を排除するために、活性光線硬化層を2mm厚みの石英板上に同一の膜厚で別途に積層したサンプルを用い、[(活性光線硬化層を積層していない場合の石英板の紫外線透過率)−(活性光線硬化層を積層した場合の石英板の紫外線透過率)]/(活性光線硬化層を積層していない場合の石英板の紫外線透過率)の値を持って活性光線硬化層の紫外線吸収率とした。
【0166】
(密着性の測定)
日本工業規格K5400に記載されている碁盤目テープ試験法に準拠して測定を行った。
【0167】
(耐光性の評価)
岩崎電気(株)製アイスーパーUVテスター SUV−F11にて295〜450nmの紫外/可視領域の光を100mW/cm2の強度で150時間照射する。この光照射前後でサンプルの光透過スペクトルを測定し、この透過光の日本工業規格Z8729号に定めるL***表色系のクロマティクネス指数b*値の増加、すなわち色差△ b*の値を比較することにより、サンプルの着色の程度を評価した。
【0168】
尚、透過スペクトルの測定は日立製分光光度計U3500の入射角0度の積分球測定モードで行い、 またb*値の計算では日本工業規格Z8720に規定される標準の光Cを採用し、2度視野の条件を用いた。
【0169】
[プライマー層形成用前駆材料Pの調製]
還流冷却器および撹拌装置を備え、窒素置換したフラスコ中に、メチルメタクリレート95.1重量部、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン12.4重量部、アゾビスイソブチロニトリル0.16重量部および1、2−ジメトキシエタン200重量部を添加し、溶解させた。
【0170】
70℃で6時間撹拌して得られた反応系をn−ヘキサンに投入して析出させ、共重合ポリマー95重量部を得た。
【0171】
このポリマーの重量平均分子量はGPC測定から150000であった。
【0172】
このポリマー10重量部をメチルイソブチルケトン63重量部、2−ブタノール27重量部からなる混合溶媒に溶解した後に、3μmのフィルターでろ過しプライマー層形成用前駆材料Pを得た。
【0173】
[ハードコート層形成用前駆材料H1の調製]
メチルトリメトキシシラン30重量部中に、平均粒径10〜20nmの酸化珪素の超微粒子の水性分散液(触媒化成工業(株)製の商品名「カタロイドSI−30」固形分濃度30重量%)の20重量部と酢酸3.5重量部とを混合した酸性分散液を、外部冷却下で激しく撹拌しながら添加した。
【0174】
次いで室温下3時間撹拌した後、イソプロピルアルコール35重量部、酢酸ナトリウム0.2重量部を加えた。該系のpHは約5.3であった。室温で3日間放置した後、3μmのフィルターで濾過してハードコート層形成用前駆材料H1を調製した。
【0175】
この前駆材料H1では、珪素アルコキシドの加水分解縮合物は、アルコキシドの脱アルコール反応から生じたメタノール成分と添加したイソプロピルアルコールとに溶解した状態のものである。
【0176】
なお、この前駆材料H1では酸化珪素の超微粒子とメチルトリメトキシシランの加水分解縮合物とが不揮発成分に相当する。すなわち、酸化珪素の超微粒子は6重量部であり、メチルトリメトキシシランの加水分解縮合物は、完全縮合状態を仮定すると14.6重量部である。
【0177】
よってメチルトリメトキシシランの加水分解縮合が完全になされた場合の、前駆材料H1の不揮発成分中の、珪素一原子に3個のメトキシ基および/またはエトキシ基が結合した3官能珪素アルコキシドによる加水分解縮合物の重量比率は約71重量%である。なお、メチルトリメトキシシランの加水分解縮合が完全になされていない場合にはこの重量比率は更に高くなる。
【0178】
なお、この前駆材料H1を使用してハードコート層を2mm厚みの石英板上に5μmの膜厚で積層硬化(プライマー層形成用前駆材料Pによる2μm厚のプライマー層を介して積層)した後、この層の表面について測定した鉛筆強度は9Hであり、前記と同じ前駆材料H1を使用してハードコート層を1mm厚みのポリカーボネート板上に5μmの膜厚で積層硬化(プライマー層形成用前駆材料Pによる2μm厚のプライマー層を介して積層)した後、この層の表面について測定したテーバー磨耗によるヘーズ上昇は2.8%であった。
【0179】
[ハードコート層形成用前駆材料H2の調製]
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学工業製商品名「NKエステル A−9530」)100重量部と光重合開始剤(チバスペシャリティケミカルス社製「イルガキュア184」)5重量部とレベリング剤(東レ・ダウシリコーン社製「SH28PA」0.05重量部と1メトキシ2プロパノール300重量部とを混合し、1μmのフィルターで濾過してハードコート層形成用前駆材料H2を調製した。
【0180】
なお、この前駆材料の1メトキシプロパンノール以外の成分は不揮発成分に当たる。よって前駆材料の不揮発成分中の、分子内に3個以上のアクリロイル基および/またはメタクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートによる重合体の割合は約95重量%であった。
【0181】
なお、この前駆材料H2を使用してハードコート層を2mm厚みの石英板上に5μmの膜厚で積層硬化(プライマー層形成用前駆材料Pによる2μm厚のプライマー層を介して積層)した後、この層の表面について測定した鉛筆強度は9Hであり、前記と同じ前駆材料H1を使用してハードコート層を1mm厚みのポリカーボネート板上に5μmの膜厚で積層硬化(プライマー層なし)した後、この層の表面について測定した、テーバー磨耗によるヘーズ上昇は4.8%であった。
【0182】
[実施例1]
高分子樹脂基板として、ビスフェノールAとジフェニルカーボネートとより合成されたポリカーボネート樹脂による厚み2mm、縦横350mm×250mmの成形板(帝人化成製「パンライトPC−1111)を用いた。
【0183】
この基板上に下記の活性光線硬化層形成用前駆材料をドクターナイフによりコーティングし、60℃で30秒間乾燥した後に160W/cmの高圧水銀ランプにより積算光量1.2J/cm2の紫外線を照射して、厚み90μmの活性光線硬化層を積層した。
【0184】
なお、活性光線硬化層形成用前駆材料としては、ジシクロペンタニルジアクリレート(共栄社化学製商品名「ライトアクリレートDCP−A」)100重量部と光重合開始剤(チバスペシャリティケミカルス製「イルガキュア184」)3重量部とレベリング剤(東レ・ダウシリコーン製「SH28PA」0.05重量部とノルマルプロピルアルコール30重量部とを混合して用い、紫外線吸収剤は混合しなかった。
【0185】
この活性光線硬化層形成用前駆材料におけるノルマルプロピルアルコール以外の成分はすべて不揮発成分に相当する。よって、この活性光線硬化層形成用前駆材料の不揮発成分におけるジシクロペンタニルジアクリレートの割合は約97重量%であり、分子内に3個以上のアクリロイル基および/またはメタクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートは混合されていない。
【0186】
また、上記と同じ前駆材料を使用して活性光線硬化層を2mm厚みの石英板上に90μmの膜厚で積層硬化(プライマー層形成用前駆材料Pによる2μm厚のプライマー層を介して積層)した後、測定した鉛筆強度は3Hであった。
【0187】
続いて前記のポリカーボネート基板に活性光線硬化層が積層された表面を、UV−オゾン処理装置(アイグラフィック社製OC2506タイプ)で1分間処理した後に、該表面にプライマー層形成用前駆材料Pをバーコーターを用いてコーティングし、乾燥空気流下で10分間自然乾燥させた後に、120℃で2分乾燥して膜厚が2μmのプライマー層を形成した。
【0188】
続いてこのプライマー層上にハードコート層形成用前駆材料H1をバーコーターを用いてコーティングし、乾燥空気流下で10分間自然乾燥させた後に、130℃で30分間の熱硬化処理を行い、膜厚が5μmのハードコート層を形成した。
【0189】
こうして得られたハードコート積層体の外観は非常に良好であり、全光線透過率は90.2%、ヘーズは0.9%、鉛筆硬度は4H、テーバー磨耗によるヘーズ上昇は3.1%、密着性は100/100と良好であった。
【0190】
しかしながら耐光性試験における△b*値は23.5であり、肉眼で明確に黄色の着色が認められた。
【0191】
[実施例2]
高分子樹脂基板として、ビスフェノールAとジフェニルカーボネートとより合成されたポリカーボネート樹脂による厚み0.3mm、縦横350mm×250mmのフィルム(帝人化成製「パンライトPC−2151)を用い、活性光線硬化層形成用前駆材料として下記の材料を用いた以外は、実施例1と全く同様にしてハードコート積層体を作成した。
【0192】
活性光線硬化層形成用前駆材料としては、ジシクロペンタニルジアクリレート(共栄社化学製商品名「ライトアクリレートDCP−A」)80重量部とジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学工業製商品名「NKエステルA−9530」20重量部と光重合開始剤(チバスペシャリティケミカルス製「イルガキュア184」)3重量部とレベリング剤(東レ・ダウシリコーン製「SH28PA」0.05重量部とノルマルプロピルアルコール30重量部を混合し、紫外線吸収剤は混合しなかった。
【0193】
この活性光線硬化層形成用前駆材料におけるノルマルプロピルアルコール以外の成分はすべて不揮発成分に相当する。すなわち、この活性光線硬化層形成用前駆材料の不揮発成分におけるジシクロペンタニルジアクリレートの割合は約77重量%であった。また活性光線硬化層中における、分子内に3個以上のアクリロイル基および/またはメタクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートの、不揮発成分全体に対する割合は約19重量%であった。また、上記と同じ前駆材料を使用して活性光線硬化層を2mm厚みの石英板上に50μmの膜厚で積層硬化(プライマー層形成用前駆材料Pによる2μm厚のプライマー層を介して積層)した後、測定した鉛筆強度は5Hであった。
【0194】
こうして得られたハードコート層積層体の外観は非常に良好であり、全光線透過率は90.1%、ヘーズは1.1%、鉛筆硬度は6H、テーバー磨耗によるヘーズ上昇は3.3%、密着性は100/100と良好であった。
【0195】
しかしながら耐光性試験における△b*値は31.7であり、肉眼で明確に黄色の着色が認められた。
【0196】
[実施例3]
高分子樹脂基板として、ビスフェノールAとジフェニルカーボネートとより合成されたポリカーボネート樹脂による厚み0.3mm、縦横200mm×150mmのフィルム(帝人化成製「パンライトPC−2151」)を用いた。
【0197】
この基板上に下記の活性光線硬化層形成用前駆材料をドクターナイフによりコーティングし、100℃で30秒間乾燥した後にESI社製の電子線照射装置TYPE:CB250/15/180Lにより加速電圧150KV、照射線量300KGY・m/分の条件で電子線を照射して、厚み90μmの活性光線硬化層を積層した以外は、実施例1と全く同様にしてハードコート積層体を形成した。
【0198】
活性光線硬化層形成用前駆材料として、ジシクロペンタニルジメタクリレート(新中村化学工業製商品名「NKエステル DCP」)100重量部と紫外線吸収剤0.9重量部(チバスペシャリティケミカルズ製商品名「チヌビン329」)とレベリング剤(東レ・ダウシリコーン製「SH28PA」0.05重量部とノルマルプロピルアルコール30重量部を混合した。
【0199】
この活性光線硬化層形成用前駆材料におけるノルマルプロピルアルコール以外の成分はすべて不揮発成分に相当する。すなわち、この活性光線硬化層形成用前駆材料の不揮発成分におけるジシクロペンタニルジメタクリレートの割合は約99重量%であった。尚、活性光線硬化層中には分子内に3個以上のアクリロイル基および/またはメタクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートは混合されていない。
【0200】
また、活性光線硬化層の前駆材料の不揮発成分中の紫外線吸収剤の添加量は約0.9重量%であり、したがって、活性光線硬化層の膜厚(μm)との積は81重量%・μmであった。
【0201】
また、上記と同じ前駆材料を使用して活性光線硬化層を2mm厚みの石英板上に50μmの膜厚で積層硬化(プライマー層形成用前駆材料Pによる2μm厚のプライマー層を介して積層)した後、測定した鉛筆強度は5Hであり、300〜350nmの波長領域の吸収率は99.9%以上であった。
【0202】
こうして得られたハードコート層積層体の外観は非常に良好であり、全光線透過率は90.0%、ヘーズは1.3%、鉛筆硬度は6H、テーバー磨耗によるヘーズ上昇は3.6%、密着性は100/100と良好であった。
【0203】
また耐光性試験は△b*値が1.1で、積層体の着色は極微であり、耐光性に優れていた。
【0204】
[実施例4]
ビスフェノールAとジフェニルカーボネートとより合成されたポリカーボネート樹脂による厚み0.3mm、幅500mmのフィルム(帝人化成製「パンライトPC−2151」)をロールより巻き出して連続走行させながら、フィルム面に0.2J/cm2の積算放電量でコロナ処理を施した後に、下記の活性光線硬化層形成用前駆材料をダイコート法によりコーティングし、60℃の乾燥炉を30秒間通過させた後に、ESI社製の電子線照射装置TYPE:CB200/45/300により加速電圧150KV、照射線量100KGY・m/分の条件で電子線を照射して、厚み90μmの活性光線硬化層を形成した後にロールに巻き取った。
【0205】
なお、活性光線硬化層形成用前駆材料としては、ジシクロペンタニルジアクリレート(共栄社化学製商品名「ライトアクロレートDCP−A」)100重量部とレベリング剤(東レ・ダウシリコーン製商品名「SH28PA」0.05重量部と反応性紫外線吸収剤として2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(大塚化学社製商品名「RUVA−93」)0.9重量部とノルマルプロピルアルコール15重量部とを混合して用いた。
【0206】
この活性光線硬化層形成用前駆材料におけるノルマルプロピルアルコール以外の成分はすべて不揮発成分に相当する。すなわち、この活性光線硬化層形成用前駆材料の不揮発成分におけるジシクロペンタニルジアクリレートの割合は約99重量%であった。尚、活性光線硬化層中には分子内に3個以上のアクリロイル基および/またはメタクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートは混合されていない。
【0207】
また、活性光線硬化層の前駆材料の不揮発成分中の紫外線吸収剤の添加量は約0.9重量%であり、したがって、活性光線硬化層の膜厚(μm)との積は81重量%・μmであった。
【0208】
また、上記と同じ前駆材料を使用して活性光線硬化層を2mm厚みの石英板上に90μmの膜厚で積層硬化(プライマー層形成用前駆材料Pによる2μm厚のプライマー層を介して積層)した後、測定した鉛筆強度は3Hであり、300〜350nmの波長領域の吸収率は99.9%以上であった。
【0209】
次にフィルムを再び巻き出して連続走行させ、前記のジシクロペンタニルジアクリレートの硬化層が積層されたフィルム面に0.4J/cm2の積算放電量でコロナ処理を施した後にプライマー層形成用前駆材料Pをマイクログラビヤ法によりコーティングし、120℃の乾燥炉を2分間通過させて溶剤乾燥と熱処理を施し、厚み2μmのプライマー層を積層後、ロールに巻き取った。
【0210】
更に再度フィルムを巻き出してプライマー層の上面にハードコート層形成用前駆材料H1をマイクログラビヤ法によりコーティングして、130℃の乾燥炉を5分間通過させて熱硬化処理を施し、厚み5μmのハードコート層を積層してロールに巻き取った。
【0211】
このハードコート層を積層したフィルム積層体の外観は非常に良好であり、全光線透過率は90.1%、ヘーズは1.2%、鉛筆硬度は4H、テーバー磨耗によるヘーズ上昇は5.4%、密着性は100/100と良好であった。
【0212】
また耐光性試験は△b*値が0.9で、積層体の着色は極微であり、耐光性に優れていた。
【0213】
[実施例5]
厚みが188μm、幅1300mmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人製OFL−188)を用い、実施例1で用いたのと同じ活性光線硬化層形成用前駆材料をダイコート法によりコーティングし、60℃の乾燥炉を30秒間通過させた後、160W/cmの高圧水銀ランプにより積算光量1.2J/cm2の紫外線を照射して、厚み90μmの活性光線硬化層を形成した後にロールに巻き取った。
【0214】
次にフィルムを再び巻き出して連続走行させ、ジシクロペンタニルジアクリレートの硬化層が積層されたフィルム面に0.6J/cm2の積算放電量でコロナ処理を施した後にプライマー層形成用前駆材料Pをマイクログラビヤ法によりコーティングし、120℃の乾燥炉を2分間通過させて溶剤乾燥と熱処理を施し、厚み2μmのプライマー層を積層後、ロールに巻き取った。
【0215】
更に再度フィルムを巻き出してプライマー層の上面にハードコート層形成用前駆材料H1をマイクログラビヤ法によりコーティングして、120℃の乾燥炉を5分間通過させて熱硬化処理を施し、厚み5μmのハードコート層を積層してロールに巻き取った。
【0216】
このハードコート層を積層したフィルム積層体の外観は非常に良好であり、全光線透過率は89.7%、ヘーズは1.6%、鉛筆硬度は4H、テーバー磨耗によるヘーズ上昇は5.9%、密着性は100/100と良好であった。
【0217】
[実施例6]
実施例5においてジシクロペンタニルジアクリレートの硬化層の上面に0.6J/cm2の積算放電量でコロナ処理を施した後に、プライマー層を積層せずに直接ハードコート層形成用前駆材料H2をマイクログラビヤ法を用いてコーティングし、70℃の乾燥炉を1分間通過させて溶剤を乾燥した後に、160W/cmの高圧水銀ランプにより積算光量1.0J/cm2の紫外線を照射して、層を硬化させ厚み5μmのハードコート層を積層した。
【0218】
このハードコート層を積層したフィルム積層体の外観は非常に良好であり、全光線透過率89.4%、ヘーズは1.5%、鉛筆硬度は4H、テーバー磨耗によるヘーズ上昇は5.3%、密着性は100/100と良好であった。
【0219】
[実施例7]
実施例3において、活性光線硬化層形成用前駆材料中に添加する紫外線吸収剤を、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール(チバスペシャリティケミカルズ製商品名「チヌビン1577FF」、0.9重量部添加)に変更し、光重合開始剤(チバスペシャリティケミカルス製「イルガキュア184」)の添加量を6重量部とした以外は全く実施例3と同様にしてハードコート積層体を形成した。尚、この活性光線硬化層の前駆材料の不揮発成分中の紫外線吸収剤の添加量は約0.85重量%であり、したがって、活性光線硬化層の膜厚(μm)との積は76重量%・μmであった。
【0220】
また、上記と同じ前駆材料を使用して活性光線硬化層を2mm厚みの石英板上に90μmの膜厚で積層硬化(プライマー層形成用前駆材料Pによる2μm厚のプライマー層を介して積層)した後、測定した鉛筆強度は3Hであり、300〜350nmの波長領域の吸収率は99%以上であった。
【0221】
尚、こうして得られたハードコート積層体の外観は非常に良好であり、全光線透過率は90.2%、ヘーズは1.1%、鉛筆硬度は4H、テーバー磨耗によるヘーズ上昇は5.2%、密着性は100/100と良好であった。
【0222】
また更に、耐光性は△b*値で0.2と非常に優れていた。
【0223】
[実施例8]
実施例1と同様にしてジシクロペンタニルジアクリレートによる硬化層を70μmの厚みで積層したポリカーボネートの成形板を10cm角の大きさに切り取って(実施例1におけるプライマー層とハードコート層はここでは積層しない)、更に140℃で1時間の熱処理を施した後に、真空蒸着装置の真空槽内にセットして3時間の真空排気を行い、圧力2×10-3Paの真空度まで到達した後、電子線加熱蒸着法(EB蒸着法)によって、るつぼ中に充填した酸化珪素(SiO2含有率95%以上)の溶融塊を昇華させ、前記のジシクロペンタニルジアクリレートによる硬化層上に膜厚3.2μmの酸化珪素層を積層した。
【0224】
この時、るつぼとサンプルの距離は約60cmとし、るつぼとサンプルとの間には可動のシャッターを配置して、サンプルへの蒸着時のみシャッターを開くようにして成膜を行った。
【0225】
尚、ガラス板上に直接このハードコート層を積層形成した場合の層の鉛筆硬度は9Hであり、荷重4.9N、1000サイクルのテーバー摩耗試験におけるヘーズの増加は、2.8%であった。
【0226】
そして、このハードコート積層体の外観は非常に良好であり、全光線透過率91.0%、ヘーズは1.0%、鉛筆硬度は4H、テーバー磨耗によるヘーズ上昇は2.1%、密着性は100/100と良好であった。
【0227】
又、このハードコート積層体は、耐水性にも優れた特長を有していた。すなわち積層体を100℃の沸騰水中に30分浸せきする試験の後においても、外観の変化や密着性の低下等の性能悪化は特に観られなかった。
【0228】
[実施例9]
実施例8のハードコート積層体の真空蒸着による酸化珪素層の上に、更にスパッタリング法により酸化珪素層を積層した。
【0229】
すなわち実施例8で作成したのと全く同様のハードコート積層体を真空槽内にセットして3時間の真空排気を行い、圧力2×10-3Paの真空度まで到達した後に、Ar/O2=95:5の混合ガスを導入し、雰囲気圧力を0.27Paにした。
【0230】
スパッタリングのターゲットとして酸化珪素(SiO2含有率95%以上)のターゲットを用い、RFマグネトロンスパッタリング法により投入電力密度1W/cm2の条件で膜厚0.18μmの酸化珪素層を形成した。
【0231】
尚、ガラス板上に直接このハードコート層を積層形成した場合の層の鉛筆硬度は9Hであり、荷重4.9N、1000サイクルのテーバー摩耗試験におけるヘーズの増加は、1.9%であった。
【0232】
そして、このハードコート積層体の外観は非常に良好であり、全光線透過率90.9%、ヘーズは1.0%、鉛筆硬度は4H、テーバー磨耗によるヘーズ上昇は1.4%、密着性は100/100と良好であった。
【0233】
また、このハードコート積層体は、耐水性にも非常に優れた特長を有していた。すなわち積層体を100℃の沸騰水中に1時間浸せきする試験の後においても、外観の変化や密着性の低下等の性能悪化は特に観られなかった。
【0234】
[比較例1]
実施例1においてポリカーボネート板上に活性光線硬化層を積層せずに直接プライマー層とハードコート層(前駆材料H1からなるハードコート層)を積層形成した以外は全く実施例1と同様にして、ハードコート積層体を作成した。
【0235】
このハードコート積層体の外観は非常に良好であり、テーバー磨耗によるヘーズ上昇は2.8%と実施例1とほぼ同等であったが、鉛筆硬度はFであった。
【0236】
[比較例2]
実施例1において、活性光線硬化層の厚みを30μmとした以外は全く実施例1と同様にして、ハードコート積層体を作成した。
【0237】
このハードコート積層体の外観は非常に良好であり、テーバー磨耗によるヘーズ上昇は3.0%と実施例1とほぼ同等であったが、鉛筆硬度はHであった。
【0238】
[比較例3]
実施例4において、活性光線硬化層を積層せずに直接プライマー層とハードコート層を積層形成した以外は全く実施例4と同様にして、ハードコート積層体を作成した。
【0239】
このハードコート積層体の外観は非常に良好であり、テーバー磨耗によるヘーズ上昇は5.2%と実施例4とほぼ同等であったが、鉛筆硬度は3Hであった。
【0240】
[比較例4]
実施例1において、活性光線硬化層形成用前駆材料中のジシクロペンタニルジアクリレートを、分子内に3個以上のアクリロイル基を有する多官能アクリレートであるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートに完全に置き換えて、厚み40μmの活性光線硬化層を積層した以外は全く実施例1と同様にして、ハードコート積層体を作成した。
【0241】
このハードコート積層体では、活性光線硬化層の一面にクラックが発生して外観が不良となり、該層上へのプライマー層、ハードコート層のコーティングが不可能になったため、評価を中止した。
【0242】
[比較例5]
実施例8において、活性光線硬化層を積層せずに、ポリカーボネート基板上に直接真空蒸着法により酸化珪素層を形成した以外は全く実施例8と同様にして、ハードコート積層体を作成した。
【0243】
このハードコート積層体の外観、光透過率は非常に良好であり、密着性は100/100と良好であったが、鉛筆硬度はF、テーバー磨耗によるヘーズ上昇は20.8%と実施例8に比べ著しく劣っていた。
【0244】
またこの積層体は、100℃の沸騰水中に30分浸せきする試験の後において、蒸着膜が完全に剥離し、耐水性に劣っていた。
【0245】
【発明の効果】
ポリカーボネート等の比較的硬度の低い樹脂成形物に対して、本願発明を適用することにより高い硬度を有する高分子樹脂積層体を得ることができ、自動車や建材等の窓材や透視性を必要とする構造材、その他の幅広い用途に利用することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】剛性層の厚みによる積層体表面の押し込み深さの変化に関する有限要素法シミュレーションの結果を示すグラフである。

Claims (14)

  1. 高分子樹脂基板上に、ジシクロペンタニルジアクリレートおよび/またはジシクロペンタニルジメタクリレートが不揮発成分全体の50重量%以上を占める前駆材料を硬化してなる層であって厚みが50〜300μmの、鉛筆硬度が3H以上である活性光線硬化層(A)と、珪素一原子に3個のメトキシ基および/またはエトキシ基が結合した3官能珪素アルコキシドによる加水分解縮合物を50重量%以上含有する層、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートによる重合体を50重量%以上含有する層、酸化珪素を少なくとも全体の50重量%以上含む層、もしくは各々が酸化珪素を少なくとも全体の50重量%以上含む層を積層した二層からなる層であり、厚みが1〜20μmの、荷重4.9N、1000サイクルのテーバー摩耗試験におけるヘーズの増加が10%以下であって、鉛筆硬度が4H以上であるハードコート層(B)とがこの順に積層されてなる高分子樹脂積層体。
  2. 活性光線硬化層(A)が、分子内に3個以上のアクリロイル基および/またはメタクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートを不揮発成分全体の50重量%以下の割合で混合した前駆材料を硬化してなる層であることを特徴とする請求項に記載の高分子樹脂積層体。
  3. 活性光線硬化層(A)の300〜350nmの波長領域における光吸収率が99%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の高分子樹脂積層体。
  4. 活性光線硬化層(A)の前駆材料の不揮発成分中の紫外線吸収剤の添加量(重量%)と活性光線硬化層(A)の膜厚(μm)との積が、30〜300重量%・μmの範囲にあること特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の高分子樹脂積層体。
  5. 活性光線硬化層(A)に混合する紫外線吸収剤として、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノールを主に用いたことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の高分子樹脂積層体。
  6. ハードコート層(B)が、真空成膜プロセスにより形成された膜厚が1.5〜10μmの層であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の高分子樹脂積層体。
  7. ハードコート層(B)が、真空蒸着法により形成された層であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の高分子樹脂積層体。
  8. ハードコート層(B)が、基板側から、真空蒸着法により形成された層と、スパッタリング法により形成された膜厚0.02〜0.5μmの層とを、この順に積層してなる二層からなるハードコート層であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の高分子樹脂積層体。
  9. 高分子樹脂基板がポリカーボネートの成形基板であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の高分子樹脂積層体。
  10. 積層体のヘーズ値が5%以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の高分子樹脂積層体。
  11. 高分子樹脂基板上に活性光線硬化層の前駆材料を塗布した後に、電子線もしくは紫外線の照射により前駆材料の塗布膜を硬化させて活性光線硬化層(A)を形成することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の高分子樹脂積層体の製造方法。
  12. 活性光線硬化層の前駆材料を塗布した高分子樹脂基板を、50〜130℃の温度に昇温した後に、活性光線を照射して高分子基板上に活性光線硬化層(A)を形成することを特徴とする請求項11に記載の高分子樹脂積層体の製造方法。
  13. 樹脂の上に、請求項1〜10のいずれかの高分子樹脂積層体を、ハードコート層(B)の上面を外側にして積層してなる成形物。
  14. 成形物が自動車窓もしくは建材用窓であることを特徴とする請求項1に記載の成形物。
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