JP2012250353A - 離型フィルム及び樹脂積層体の製造方法 - Google Patents

離型フィルム及び樹脂積層体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】離型フィルムの基材フィルムと離型層との密着性、フッ素含有単量体の硬化被膜との離型性及び撥水撥油性に優れ、カールが抑制された離型フィルム並びに防汚性に優れた樹脂積層体の製造方法を提供する。
【解決手段】四官能以上の(メタ)アクリレート(A1)、パーフルオロポリエーテル(メタ)アクリレート(B1)、有機溶剤(C1)並びに光重合開始剤(D1)を含有する紫外線硬化性組成物(1)を硬化させて得られる膜厚が0.2〜1.5μmの離型層をフィルム基材上に形成した離型フィルム並びにこの離型フィルムを使用した樹脂積層体の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は離型フィルム及び樹脂積層体の製造方法に関する。
従来、CRT表示装置、液晶テレビ、携帯電話等の各種ディスプレーの光学部材の表面を保護する為に、光学部材の前面にディスプレー前面板として透明性を有する樹脂板が使用されている。
しかしながら、透明性を有する樹脂板はガラスと比較して柔らかいため、引掻き等による傷が発生し易い。
基材表面の耐擦傷性を向上させる方法としては、基材表面に多官能(メタ)アクリレート等の多官能性単量体を用いて得られる架橋被膜を形成する方法が知られている。
しかしながら、従来の架橋被膜では、指紋、皮脂、汗、化粧品等の汚れが付着した際に汚れが目立ちやすく、また、汚れの除去が困難であった。
このような状況から、樹脂板の性能としては耐擦傷性だけでなく防汚性も求められる場合が多い。
耐擦傷性及び防汚性を向上させる手法としては、例えば特許文献1には、特定の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化被膜を離型層とする離型フィルムの離型層の面と樹脂板とを、特定の活性エネルギー線硬化性被覆用組成物を介して積層した後に硬化させ、次いで離型フィルムを剥離して樹脂積層体を得る方法が提案されている。
上記の方法では、表面張力の低い離型層を有する離型フィルムを使用して活性エネルギー線硬化性被覆用組成物中のフッ素含有単量体を硬化するに際してそのフッ素含有部分を塗膜表面に配向させることにより、耐擦傷性及び防汚性の優れた硬化被膜を有する樹脂積層体が得られる。
しかしながら、特許文献1の離型フィルムでは、離型フィルムの離型層を形成する際の離型層形成用組成物の硬化収縮が大きく、得られる離型フィルムはカールし易く、取扱い性に劣る傾向にある。また、離型層表面の表面張力が充分低い状態とはいえない場合があり、離型フィルムを剥離する際の離型性が充分とはいえない場合がある。
特開2009−215517号公報
本発明は、離型フィルムの基材フィルムと離型層との密着性、フッ素含有単量体の硬化被膜との離型性及び撥水撥油性に優れ、カールが抑制された離型フィルム並びに防汚性に優れた樹脂積層体の製造方法を提供する
本発明の要旨とするところは、四官能以上の(メタ)アクリレート(A1)、パーフルオロポリエーテル(メタ)アクリレート(B1)、有機溶剤(C1)並びに光重合開始剤(D1)を含有する紫外線硬化性組成物(1)を硬化させて得られる膜厚が0.2〜1.5μmの離型層をフィルム基材上に形成した離型フィルムを第1の発明とする。
また、本発明の要旨とするところは、下記(イ)〜(ハ)の工程を有する、樹脂基材の表面にパーフルオロポリエーテル(メタ)アクリレート(B2)を含む活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化被膜が積層された樹脂積層体の製造方法を第2の発明とする。
(イ)四官能以上の(メタ)アクリレート(A1)、パーフルオロポリエーテル(メタ)アクリレート(B1)、有機溶剤(C1)並びに光重合開始剤(D1)を含有する紫外線硬化性組成物(1)を硬化させて得られる膜厚が0.2〜1.5μmの離型層をフィルム基材上に形成した離型フィルムの離型層の面と樹脂基材とを、パーフルオロポリエーテル(メタ)アクリレート(B2)を含む活性エネルギー線硬化性組成物(2)の塗膜を介して、積層して得られる活性エネルギー線硬化性組成物(2)の塗膜含有積層体形成工程
(ロ)活性エネルギー線硬化性組成物(2)の塗膜含有積層体に活性エネルギー線を照射して活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化被膜を形成させる活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化被膜含有積層体形成工程
(ハ)活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化被膜含有積層体から離型フィルムを剥離する剥離工程
本発明の離型フィルムは、カールし難いことから取り扱い性に優れていると共に、優れた撥水撥油性を有することから本発明の離型フィルムを使用して防汚性に優れた樹脂積層体を得ることができ、優れた樹脂積層体はCRT、液晶テレビ、携帯電話等の各種ディスプレーの前面板として好適に用いることができる。
本発明の樹脂積層体の製造方法の1例を示す説明図

四官能以上の(メタ)アクリレート(A1)

本発明で使用される四官能以上の(メタ)アクリレート(A1)は後述する紫外線硬化性組成物(1)の構成成分の1つである。
四官能以上の(メタ)アクリレート(A1)は分子内に4個以上の(メタ)アクリロイル基を有する単量体である。
四官能以上の(メタ)アクリレート(A1)としては、例えば、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート及びカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
これらの中で、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが紫外線硬化性組成物(1)の硬化性及び得られる硬化被膜の耐擦傷性に優れる点で好ましい。また、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが紫外線硬化性組成物(1)の硬化性の点でより好ましい。
尚、本発明において、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」又は「メタクリレート」を、「(メタ)アクリロイル基」は「アクリロイル基」又は「メタクリロイル基」をそれぞれ示す。

パーフルオロポリエーテル(メタ)アクリレート(B1)

本発明で使用されるパーフルオロポリエーテル(メタ)アクリレート(B1)は後述する離型フィルムの離型層の表面張力を低下させ、離型フィルムの撥水撥油性を高めるための成分である。また、パーフルオロポリエーテル(メタ)アクリレート(B1)は離型層の表面張力を低下させることによって、後述する活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化被膜との剥離性を良好にするための成分でもある。
パーフルオロポリエーテル(メタ)アクリレート(B1)は、少なくとも1つのパーフルオロポリエーテル単位を有する基と少なくとも1つの(メタ)アクリロイル基を有する単量体である。
パーフルオロポリエーテル単位としては、例えば、−[CFCFO]−、−[CFO]−が挙げられる。
パーフルオロポリエーテル単位を有する基の存在によって離型層の表面に撥水撥油性が付与される。
パーフルオロポリエーテル(メタ)アクリレート(B1)中のパーフルオロポリエーテル単位を有する基は、フッ素化アルキル(メタ)アクリレートのフッ素化アルキル基に比べ、離型フィルムの離型層の表面に、より集まりやすく、離型層の表面に優れた撥水撥油性を付与することができる。
一方、パーフルオロポリエーテル(メタ)アクリレート(B1)中の(メタ)アクリロイル基は、後述する紫外線硬化性組成物(1)の硬化における架橋化反応によって離型層中でのパーフルオロポリエーテル(メタ)アクリレート(B1)単位の固定化を向上させ、種々の保存条件下又は使用条件下においても優れた撥水撥油性を発現させることができる。
本発明においては、パーフルオロポリエーテル(メタ)アクリレート(B1)としては、離型層中でのパーフルオロポリエーテル(メタ)アクリレート(B1)単位の固定化及び離型フィルムの撥水撥油性の点で、分子内に2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有するものが好ましい。
パーフルオロポリエーテル(メタ)アクリレート(B1)としては特に限定されるものではなく、公知のパーフルオロポリエーテル(メタ)アクリレートを使用することができる。
パーフルオロポリエーテル(メタ)アクリレート(B1)の市販品としては、例えば、ダイキン工業(株)製の「オプツールDAC−HP」(商品名)、ソルベイソレクシス(株)製の「Fluorolink MD500」(商品名)、Fluorolink MD700」(商品名)、「Fluorolink 5105X」(商品名)及び「Fluorolink 5101X」(商品名)並びにDIC(株)製の「メガファックRS−75」(商品名)及び「メガファックRS−76−NS」(商品名)が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。

有機溶剤(C1)

本発明で使用される有機溶剤(C1)としては、例えば、炭化水素系溶剤等の非フッ素溶剤及び含フッ素溶剤が挙げられる。
非フッ素溶剤の具体例としては、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、1−メトキシ−2プロパノール等の一価アルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;及びジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類が挙げられる。
含フッ素溶剤の具体例としては、含フッ素アルコール、含フッ素エーテル、ハイドロフルオロカーボン及びジトリフルオロメチルベンゼンが挙げられる。
含フッ素アルコールの具体例としては、H(CF(CH−OH、F(CF(CH−OH、F(CFCH=CHCHOH及びF(CFCHCH(I)CHOHで示される化合物が挙げられる。尚、上記の式において、m、n、o、p、q及びrはそれぞれ独立に1〜8の整数を表す。
含フッ素エーテルの具体例としては、R21−O−R22で示される化合物が挙げられる。尚、上記の式において、R21及びR22はそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖又は分枝のアルキル基であり、R21及びR22の少なくとも一方がフッ素原子を含む。
含フッ素エーテルとしては、例えば、ハイドロフルオロアルキルエーテルが挙げられる。また、含フッ素エーテルの市販品としては、例えば、住友スリーエム(株)製の「HE−7100」(商品名)及び「HFE−7200」(商品名)が挙げられる。
ハイドロフルオロカーボンの具体例としては、鎖状構造及び環状構造のハイドロフルオロカーボンが挙げられる。
ハイドロフルオロカーボンの市販品としては、例えば、三井・デュポンフロロケミカル(株)製の「バートレルHFC43−10mee」(商品名)及び日本ゼオン(株)製の「ゼオローラH」(商品名)が挙げられる。
ジトリフルオロメチルベンゼンの具体例としては、o−ジトリフルオロメチルベンゼン、m−ジトリフルオロメチルベンゼン、p−ジトリフルオロメチルベンゼン及びこれらの混合物が挙げられる。
有機溶剤(C1)は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。

光重合開始剤(D1)

本発明で使用される光重合開始剤(D1)は、2−ヒロドキシ−1−[4−{4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル}フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン及び2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2モルフォリノプロパン−1−オンから選ばれる少なくとも1種の光重合開始剤であることが好ましい。
光重合開始剤(D1)を使用することにより、離型フィルムの離型層の表層を形成する表層部の紫外線硬化性組成物(1)の硬化性並びに離型フィルムの離型層と活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化被膜との離型性及び活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化被膜の防汚性を向上させることができる。
本発明においては、必要に応じて光重合開始剤(D1)以外の光重合開始剤を併用することができる。
光重合開始剤(D1)としては前記以外の光重合開始剤として例えば、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルソベンゾイルベンゾエート、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン類;ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド類;メチルベンゾイルホルメート;1,7−ビスアクリジニルヘプタン及び9−フェニルアクリジンが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。

紫外線硬化性組成物(1)

本発明で使用される紫外線硬化性組成物(1)は離型フィルムの離型層を形成するための原料である。
紫外線硬化性組成物(1)は四官能以上の(メタ)アクリレート(A1)、パーフルオロポリエーテル(メタ)アクリレート(B1)、有機溶剤(C1)及び光重合開始剤(D1)を含有する。
紫外線硬化性組成物(1)中のパーフルオロポリエーテル(メタ)アクリレート(B1)の配合量としては、四官能以上の(メタ)アクリレート(A1)100質量部に対して2〜5質量部が好ましく、2.5〜3.5質量部がより好ましい。パーフルオロポリエーテル(メタ)アクリレート(B1)の配合量が2質量部以上で、活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化被膜と離型フィルムの離型層との剥離性を良好にすることができる傾向にある。また、パーフルオロポリエーテル(メタ)アクリレート(B1)の配合量が4質量部以下で、紫外線硬化性組成物(1)の硬化性を良好にしつつ、活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化被膜と離型フィルムの離型層との剥離性を良好にすることができる傾向にある。
有機溶剤(C1)の配合量としては、紫外線硬化性組成物(1)中に10質量%以上が好ましく、有機溶剤(C1)を揮発させた後の塗膜の厚み及び乾燥時の負荷の点で紫外線硬化性組成物(1)中に99質量%以下が好ましい。
光重合開始剤(D1)の配合量としては、硬化促進作用が発現し、硬化物の生産性が向上する傾向にある点で、四官能以上の(メタ)アクリレート(A1)100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましい。

離型層

本発明においては、離型層は、後述するフィルム基材の上に紫外線硬化性組成物(1)を塗布して形成した塗膜を硬化させて得られるものである。
離型層の膜厚としては0.2〜1.5μmであり、0.35〜1μmが好ましい。離型層の膜厚を0.2μm以上とすることで活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化被膜と離型層との剥離性を良好とすることができる。また、離型層の膜厚を1.5μm以下とすることにより離型フィルムのカールを抑制することができる。更に、離型層の膜厚を0.2μm以上とすることで離型層の表面の硬化性が良好になり、また、得られた離型フィルムの搬送時のメタルロールとの接触による擦傷の発生を抑制することができる。
紫外線硬化性組成物(1)をフィルム基材の上に塗布する方法としては、例えば、流延法、ローラーコート法、バーコート法、噴霧コート法、エアーナイフコート法、スピンコート法、フローコート法、カーテンコート法及びディッピング法が挙げられる。
本発明においては、フィルム基材の上の紫外線硬化性組成物(1)の塗膜中の有機溶剤(C1)を揮発させた後に紫外線を照射することにより硬化させて離型層を形成することができる。
有機溶剤(C1)を揮発させるための乾燥温度は使用する有機溶剤(C1)の種類及び乾燥時間に応じて任意に設定することができる。
フィルム基材の上の紫外線硬化性組成物(1)の塗膜は紫外線により硬化される。
光源としては、例えば、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、蛍光ランプ及びメタルハライドランプが挙げられる。
紫外線硬化性組成物(1)を硬化するための紫外線照射エネルギーとしては、離型層の表面の硬化レベルを充分なものとし、活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化被膜と離型層の剥離性を良好にする点で、波長320〜380nmの積算光量で200mJ/cm以上が好ましく、350mJ/cm以上がより好ましい。
本発明においては、離型層の表面の硬化レベルを充分なものとする目的で、必要に応じて不活性ガス雰囲気で紫外線を照射することができる。
不活性ガスとしては、安価な点で、窒素ガスが好ましい。また、紫外線照射雰囲気の酸素濃度を300ppm以下とすることが好ましい。
本発明においては、離型層の表面の水に対する接触角は105度以上が好ましく、110度以上がより好ましい。

フィルム基材

本発明で使用されるフィルム基材は離型フィルムを構成するための基材フィルムであり、フィルム基材の表面に離型層が形成される。
フィルム基材は特に限定されないが、活性エネルギー線透過性及び耐溶剤性に優れ、酸素透過性の低いものが好ましい。
フィルム基材の具体例としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、「PETフィルム」という)、ナイロンフィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリル系フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系フィルム、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系フィルム及びポリ塩化ビニリデン系フィルムが挙げられる。これらの中で、耐溶剤性を有し、酸素の透過率が低い点でPETフィルムが好ましい。
フィルム基材の厚みとしては、フィルム強度の点で、10μm以上が好ましく、取り扱い性及びコストの点で200μm以下が好ましい。
本発明においては、フィルム基材と離型層との密着性を良好とするために、フィルム基材の表面を易接着処理したもの又はフィルム基材の表面に易接着層を積層したフィルムを使用することが好ましい。
フィルム基材の表面を易接着処理する方法としては、例えば、プライマー処理、溶剤処理、酸処理、アルカリ処理等の化学的処理法及びコロナ処理、プラズマ処理、大気圧プラズマ処理、フレーム処理等の物理的処理法が挙げられる。
尚、本発明において、プライマー処理とはフィルム基材の上に離型層との密着性良好な易接着層を形成する処理をいう。
また、本発明において、コロナ処理とはフィルム基材の表面に放電処理を行い、フィルム基材の表面を化学改質する処理をいう。

離型フィルム

本発明の離型フィルムはフィルム基材の上に離型層が積層された積層フィルムである。

樹脂基材

本発明で使用される樹脂基材は後述する本発明の樹脂積層体を得るための基材である。
樹脂基材としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂等のシート状物又は各種形状の成形物が挙げられる。
本発明においては、樹脂基材の樹脂としては、透明性の点で、メタクリル樹脂が好ましい。

パーフルオロポリエーテル(メタ)アクリレート(B2)

本発明で使用されるパーフルオロポリエーテル(メタ)アクリレート(B2)は後述する活性エネルギー線硬化性組成物(2)に含有される単量体である。
パーフルオロポリエーテル(メタ)アクリレート(B2)としては、パーフルオロポリエーテル(メタ)アクリレート(B1)と同様のものが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。

活性エネルギー線硬化性組成物(2)

本発明で使用される活性エネルギー線硬化性組成物(2)はパーフルオロポリエーテル(メタ)アクリレート化合物(B2)を含有する組成物である。
本発明においては、活性エネルギー線硬化性組成物(2)中には他のビニル単量体(E2)を含有することができる。
他のビニル単量体(E2)としては、例えば、四官能以上の(メタ)アクリレート(E2−a)、三官能(メタ)アクリレート(E2−b)、二官能(メタ)アクリレート(E2−c)、単官能(メタ)アクリレート(E2−d)、及びアクリルオリゴマー(E2−e)が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
四官能以上の(メタ)アクリレート(E2−a)の具体例としては、四官能以上の(メタ)アクリレート(A1)と同様のものが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
三官能(メタ)アクリレート(E2−b)の具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス((メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、カプロラクトン変性トリス((メタ)アクリロキシエチルイソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート及びアルキル変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
二官能(メタ)アクリレート(E2−c)の具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリエトキシジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート及びヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
単官能(メタ)アクリレート(E2−d)の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、イソボルニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルフォリン、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエン(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、テトラクロロフェニル(メタ)アクリレート、2−テトラクロロフェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、テトラブロモフェニル(メタ)アクリレート、2−テトラブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−トリクロロフェノキシエチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、2−トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタクロロフェニル(メタ)アクリレート、ペンタブロモフェニル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、メチルトリエチレンジグリコール(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルポリオキシ(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルへキサヒドロフタル酸、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート及び2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
アクリルオリゴマー(E2−e)の具体例としては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマー及びポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーの具体例としては、1,5−ジイソシアナトペンタン、1,6−ジイソシアナトヘキサン、1,4−ジイソシアナトペンタン、1,6−ジイソシアナト−3,5,5−トリメチルヘキサン、1,6−ジイソシアナト−3,3,5−トリメチルヘキサン、1,12−ジイソシアナトドデカン、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナトメチルオクタン、1,3,6−トリイソシアナトヘキサン、1,6,11−トリイソシアナトウンデカン、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、デカリンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート等のイソシアネート化合物と、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオール等のポリオール化合物と、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレートとを反応させたウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー;及び1,5−ジイソシアナトペンタン、1,6−ジイソシアナトヘキサン(HDI)、1,4−ジイソシアナトペンタン、1,6−ジイソシアナト−3,5,5−トリメチルヘキサン、1,6−ジイソシアナト−3,3,5−トリメチルヘキサン、1,12−ジイソシアナトドデカン、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナトメチルオクタン、1,3,6−トリイソシアナトヘキサン、1,6,11−トリイソシアナトウンデカン、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、デカリンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート等のイソシアネート化合物の単量体又は多量体に、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4―ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートやそれらのカプロラクトン付加体等の水酸基含有(メタ)アクリレートを付加したウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーの具体例としては、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物等のグリシジルエーテルに(メタ)アクリル酸又はその誘導体を反応させたエポキシポリ(メタ)アクリレート系オリゴマーが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーの具体例としては、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、アジピン酸等の多塩基酸とエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA等の多価アルコールと(メタ)アクリル酸又はその誘導体との反応で得られるポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
他のビニル単量体(E2)としては、活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化性及び活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化被膜の耐擦傷性の点で、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート及びトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートが好ましい。また、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化性の点でより好ましい。
活性エネルギー線硬化性組成物(2)中の四官能(メタ)アクリレート(E2−a)及び三官能以上の(メタ)アクリレート(E2−b)の合計含有量としては60〜95質量%が好ましく、70〜90質量%がより好ましい。四官能(メタ)アクリレート(E2−a)及び三官能以上の(メタ)アクリレート(E2−b)の合計含有量が60質量%以上で活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化性並びに活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化被膜の透明性、耐擦傷性及び撥水撥油性を良好とすることができる傾向にある。また、四官能(メタ)アクリレート(E2−a)及び三官能以上の(メタ)アクリレート(E2−b)の合計含有量が95質量%以下で活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化収縮率を低くすることができ、活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化被膜のクラックの発生を抑制することができ、活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化被膜と樹脂基材との密着性を良好とすることができる傾向にある。
活性エネルギー線硬化性組成物(2)中の二官能(メタ)アクリレート(E2−c)又は単官能(メタ)アクリレート(E2−d)の含有量としては5〜40質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましい。二官能(メタ)アクリレート(E2−c)又は単官能(メタ)アクリレート(E2−d)の含有量が5質量%以上で活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化被膜と樹脂基材との密着性を良好とすることができる。また、二官能(メタ)アクリレート(E2−c)又は単官能(メタ)アクリレート(E2−d)の含有量が40質量%以下で活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化性並びに活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化被膜の透明性、耐擦傷性及び撥水撥油性を良好とすることができる傾向にある。
本発明においては、活性エネルギー線硬化性組成物(2)中には、必要に応じて他の化合物を含有することができる。
他の化合物としては、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート等の脂環式エポキシ化合物;変性脂環式エポキシ化合物;1,2−エポキシシクロデカン等の脂肪族系エポキシ化合物;ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、水添ビスフェノールA型エポキシ化合物、フェノール−ノボラック型エポキシ化合物等の多官能脂環式エポキシ化合物;及び3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン等のオキセタン化合物が挙げられる。
本発明においては、活性エネルギー線硬化性組成物(2)中に光重合開始剤(D2)を含むことが好ましい。
光重合開始剤(D2)としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルソベンゾイルベンゾエート、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン類;ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−ヒロドキシ−1−[4−{4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル}フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン等のアセトフェノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド類;メチルベンゾイルホルメート;1,7−ビスアクリジニルヘプタン及び9−フェニルアクリジンが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
活性エネルギー線硬化性組成物(2)中の光重合開始剤(D2)の含有量としては、硬化促進作用が発現し、硬化物の生産性が向上する傾向にある点で、活性エネルギー線硬化性組成物(2)100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましい。
本発明においては、活性エネルギー線硬化性組成物(2)には本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において離型剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、難燃助剤、重合禁止剤、充填剤、顔料、染料、シランカップリング剤、レベリング剤、消泡剤、蛍光剤、連鎖移動剤等の各種添加剤を適宜添加することができる。

硬化被膜

本発明において、硬化被膜は樹脂基材の表面に活性エネルギー線硬化性組成物(2)が塗布されて形成された塗膜を硬化して得られる被膜で、後述する樹脂積層体の表面の層を形成しているものである。
活性エネルギー線硬化性組成物(2)の樹脂基材の表面への塗工方法としては、紫外線硬化性組成物(1)のフィルム基材の表面への塗工方法と同様の方法が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性組成物(2)を硬化させるための活性エネルギー線としては、例えば、紫外線、電子線及びX線が挙げられる。
活性エネルギー線として紫外線を使用する場合には、紫外線硬化性組成物(1)を硬化させるための光源及び照射エネルギー量と同様の光源及び照射エネルギー量とすることができる。

樹脂積層体

本発明において、樹脂積層体は樹脂基材の表面に活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化被膜が積層された積層体である。
樹脂積層体の製造方法としては、例えば、下記(イ)〜(ハ)の工程を有する方法が挙げられる。
(イ)本発明の離型フィルムの離型層の面と樹脂基材とを、活性エネルギー線硬化性組成物(2)の塗膜を介して、積層して得られる活性エネルギー線硬化性組成物(2)の塗膜含有積層体形成工程
(ロ)活性エネルギー線硬化性組成物(2)の塗膜含有積層体に活性エネルギー線を照射して活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化被膜を形成させる活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化被膜含有積層体形成工程
(ハ)活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化被膜含有積層体から離型フィルムを剥離する剥離工程
上記の樹脂積層体の製造方法の具体例について図1により説明する。
フィルム基材(あ)の表面に離型層(い)が積層された本発明の離型フィルムの離型層(い)の面上に活性エネルギー線硬化性組成物(2)(う)を塗工する。
次いで、搬送体(け)で搬送される樹脂基材(え)の表面と活性エネルギー線硬化性組成物(2)を塗工した離型フィルムの離型層(い)の面とを相対させてプレスロール(か)で圧接して樹脂基材(え)、活性エネルギー線硬化性組成物(2)(う)、離型層(い)及びフィルム基材(あ)が順次積層された活性エネルギー線硬化性組成物(2)の塗膜含有積層体が形成される。
この活性エネルギー線硬化性組成物(2)の塗膜含有積層体に、フィルム基材面側よりフィルム基材を介して紫外線照射装置(く)を用いて紫外線を照射し、活性エネルギー線硬化性組成物(2)(う)を硬化させる。
本発明においては、上記の活性エネルギー線硬化性組成物(2)の塗膜含有積層体が形成された後、紫外線の照射までに保持時間を設けることが好ましい。
保持時間としては、活性エネルギー線硬化性組成物(2)(う)中でパーフルオロポリエーテル(メタ)アクリレート(B2)が離型層(い)の面側に移行することを考慮して0.5〜5分が好ましい。
活性エネルギー線硬化性組成物(2)(う)が硬化されて形成された活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化被膜含有積層体がガイドロール(き)を通過した後に、樹脂基材(え)の表面に積層された活性エネルギー線硬化性組成物(2)(う)の硬化被膜(図1の(う)右部)からフィルム基材(あ)の表面に離型層(い)が積層された離型フィルムを剥離して、活性エネルギー線硬化性組成物(2)(う)の硬化被膜が樹脂基材(え)の表面に積層された樹脂積層体(お)が得られる。
本発明においては、フィルム基材(あ)剥離後に得られた樹脂積層体(お)の表面の硬化被膜の耐擦傷性を更に向上させる目的で、樹脂積層体(お)に紫外線を照射することができる。

活性エネルギー線硬化性組成物(2)の塗膜含有積層体形成工程

本発明において、活性エネルギー線硬化性組成物(2)の塗膜含有積層体形成工程は本発明の離型フィルムの離型層の面と樹脂基材とを、活性エネルギー線硬化性組成物(2)の塗膜を介して、積層して活性エネルギー線硬化性組成物(2)の塗膜含有積層体を形成する工程である。

活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化被膜含有積層体形成工程

本発明において、活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化被膜含有積層体形成工程は活性エネルギー線硬化性組成物(2)の塗膜含有積層体に活性エネルギー線を照射して活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化被膜を形成させて活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化被膜含有積層体を形成する工程である。
上記工程では、活性エネルギー線硬化性組成物(2)の塗膜の表面は、片面が樹脂基材と接触し、反対の面がフィルム基材の離型層と接触しており、活性エネルギー線硬化性組成物(2)は嫌気性雰囲気で硬化されるため、酸素等によって重合阻害されることがないことから、活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化被膜の防汚性及び摩擦耐久性を向上することができる。また、得られる樹脂積層体の表面の仕上がり不良の原因となる泡やゴミの混入等も排除することができる。
活性エネルギー線硬化性組成物(2)の塗膜の表面を嫌気性雰囲気とする上記以外の方法としては、例えば、鋳型と樹脂基材で活性エネルギー線硬化性組成物(2)の塗膜をサンドイッチする方法、及び活性エネルギー線硬化性組成物(2)の塗膜の表面を不活性ガスにより嫌気性雰囲気とする方法が挙げられる。
鋳型を用いて活性エネルギー線硬化性組成物(2)の塗膜の表面を嫌気性雰囲気とする方法では鋳型を損傷した場合の修理にコストがかかり、また、活性エネルギー線硬化性組成物(2)の塗膜の表面を不活性ガスにより嫌気性雰囲気とする方法もやはり高コストとなるが、本発明では離型フィルムにより活性エネルギー線硬化性組成物(2)の塗膜の表面を嫌気性雰囲気とする役目を兼ねているので、他の方法よりも低コストで嫌気性雰囲気とすることができる。
本発明において、活性エネルギー線硬化性組成物(2)を硬化させるための活性エネルギー線の照射方法としては、フィルム基材側から照射する方法、樹脂基材側から照射する方法又はフィルム基材側と樹脂基材側の両側から照射する方法のいずれでもよい。
本発明においては、活性エネルギー線硬化性組成物(2)は離型フィルムの離型層面に接触した状態で硬化されることから、パーフルオロポリエーテル(メタ)アクリレート(B2)が活性エネルギー線硬化性組成物(2)中において樹脂板側よりも離型層面の側で高濃度となり、防汚性及び耐擦傷性に優れた硬化被膜を容易に形成することができる。

剥離工程

本発明において、剥離工程は活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化被膜含有積層体から離型フィルムを剥離する工程である。
以下、実施例により本発明を詳しく説明する。尚、実施例及び比較例における各種評価は下記の方法により実施した。また、以下において、「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を表す。
(1)膜厚
フィルム基材上の離型層の膜厚を卓上膜厚測定システム(フィルメトリクス(株)製、商品名「F−20」)を用いて測定した。
(2)密着性
クロスカット試験(JIS K5600−5−6)を用いてフィルム基材と離型層との密着性を以下の基準で評価した。
「○」:フィルム基材からの離型層の剥離無し。
「×」:フィルム基材からの離型層の剥離有り。
(3)接触角
23℃及び相対湿度50%の環境下において、離型フィルムの離型層の表面又は樹脂積層体の硬化被膜の表面に水0.2μLの1滴を滴下し、携帯型接触角計(Fibro syetem ab社製、商品名:「PG−X」)を用いて離型フィルムの離型層の表面水に対する接触角又は樹脂積層体の硬化被膜の表面の水に対する接触角を求めた。
(4)はじき性
油性インク(黒字)として「マイネーム」((株)サクラクレパス製、商品名)で離型フィルムの離型層の表面又は樹脂積層体の硬化被膜の表面に線を書き、その際の油性インクのはじき性を目視により以下の基準で離型フィルムの離型層の表面のはじき性又は樹脂積層体の硬化被膜の表面のはじき性を評価した。
「○」:油性インクが点状にはじく。
「△」:油性インクの線が細くなる。
「×」:油性インクは全くはじかない。
(5)カール性
離型フィルムを20cm四方に切り取った試験フィルムを離型層が上面になるように平らな面の上に載置した時の試験フィルムの端部の浮き上がった高さを測定し、離型フィルムのカール性を以下の基準で評価した。
「○」:試験フィルムの端部の浮き上がった高さが2mm未満。
「△」:試験フィルムの端部の浮き上がった高さが2mm以上、3mm未満。
「×」:試験フィルムの端部の浮き上がった高さが3mm以上。
(6)離型性
樹脂積層体の表面に積層された離型フィルムを剥離角度が90°になるように2.5m/分の速度で剥離し、樹脂積層体の硬化被膜と離型フィルムの離型層との離型性を以下の基準で評価した。
「○」:剥離時の引っかかりが無い状態で剥離。
「△」:剥離時の引っかかりがあるが、剥離は可能。
「×」:剥離不良が認められる。
[実施例1]
四官能以上の(メタ)アクリレート(A1)としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(東亞合成(株)製、商品名:「M400」)100部、パーフルオロポリエーテル(メタ)アクリレート化合物(B1)として「オプツールDAC−HP」(ダイキン工業(株)製、商品名)(パーフルオロポリエーテル(メタ)アクリレート20%、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン、テトラフルオロ−1−プロパノール50%及びプロピレングリコールモノメチルエーテル30%の混合物)15部、有機溶剤(C1)としてプロピレングリコールモノメチルエーテル960部、光重合開始剤(D1)として2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2モルフォリノプロパン−1−オン(BASFジャパン(株)製、商品名:「イルガキュア907」)5部を配合し、紫外線硬化性組成物(1)を得た。
厚み100μmのPETフィルム(東洋紡績(株)製、商品名:「コスモシャインA4300」)をフィルム基材とし、フィルム基材の表面に上記で調整した紫外線硬化性組成物(1)をバーコーターを用いて塗布した。
次いで、紫外線硬化性組成物(1)が塗布されたPETフィルムを100℃の熱風乾燥炉で5分間乾燥した後、高圧水銀灯を用いて積算光量600mJ/cm(波長320〜380nmの紫外線エネルギー量)の紫外線を照射して膜厚0.5μmの離型層を有する離型フィルムを得た。
パーフルオロポリエーテル(メタ)アクリレート化合物(B2)として「オプツールDAC−HP」(ダイキン工業(株)製、商品名)(パーフルオロポリエーテル(メタ)アクリレート20%、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン、50%及びプロピレングリコールモノメチルエーテル30%の混合物)2部、光重合開始剤(D2)としてジフェニル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキサイド(BASFジャパン(株)製、商品名:「ルシリンTPO」)2部並びに他のビニル単量体(E2)としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(E2−a)(東亞合成(株)製、商品名:「M400」)35部、ペンタエリスリトールトリアクリレート(E2−b)(東亞合成(株)製、商品名:「M305」)15部、トリメチロールプロパントリアクリレート(E2−b)(東亞合成(株)製、商品名:「M309」)25部及び1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(E2−c)(大阪有機化学工業(株)製、商品名:「C6DA」)10部を配合し、活性エネルギー線硬化性組成物(2)を得た。
樹脂基材として厚さ2mmのメタクリル系樹脂板「アクリライトMR100」(三菱レイヨン(株)製、商品名)を使用し、メタクリル系樹脂板のハードコート層が形成されていない面に上記で調整した活性エネルギー線硬化性組成物(2)を塗布した。
次いで、離型フィルムの離型層が紫外線硬化性組成物(2)の塗布面に接触するように離型フィルムを活性エネルギー線硬化性組成物(2)の塗布面の表面に被覆し、活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化被膜の膜厚が10μmになる条件でプレスロールでプレスしながら2.5m/分の速度で通過させて活性エネルギー線硬化性組成物(2)の塗膜含有積層体を形成させた。
得られた活性エネルギー線硬化性組成物(2)の塗膜含有積層体を1分間保持した。
この後、活性エネルギー線硬化性組成物(2)の塗膜含有積層体を出力120W/cmのメタルハライドランプの下24cmの位置を0.25m/分の速度で通過させて活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化被膜含有積層体を得た。
次いで、活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化被膜含有積層体から離型フィルムを剥離し、樹脂基材の表面に活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化被膜が積層された樹脂積層体を得た。
離型フィルムの密着性、接触角、はじき性及びカール性についての評価結果を表1に示す。
また、活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化被膜含有積層体を用いて離型フィルムと樹脂積層体の硬化被膜との離型性についての評価結果を表1に示す。
更に、樹脂積層体の硬化被膜の表面の接触角及びはじき性についての評価結果を表1に示す。
表1中の略称は以下の化合物を示す。
コスモシャインA4300:PETフィルム(東洋紡績(株)製、商品名;「コスモシャインA4300」)
テイジンテトロンフィルムG2C:PETフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製、商品名;「テイジンテトロンフィルムG2C」)
シルファンM1:ポリプロピレンフィルム(PPフィルム)(グンゼ(株)製、商品名;「シルファンM1」)
M400:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(東亞合成(株)製、商品名)
DAC−HP:パーフルオロポリエーテル(メタ)アクリレート(ダイキン工業(株)製、商品名;「オプツールDAC−HP」)
Fluorolink 5101X:パーフルオロポリエーテル(メタ)アクリレート(ソルベイソレクシス(株)製、商品名)
PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
ゼオローラH:1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(日本ゼオン(株)製、商品名)
IRGACURE907:2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2モルフォリノプロパン−1−オン(BASFジャパン(株)製、商品名)
IRGACURE127:2−ヒロドキシ−1−[4−{4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル}フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン(BASFジャパン(株)製、商品名)
IRGACURE184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン(株)製、商品名)
DAROCURE127:2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(BASFジャパン(株)製)
M305:ペンタエリスリトールトリアクリレート(東亞合成(株)製、商品名)
16−FDA:1,10−ビス(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,−ヘキサデカフルオロデカン(共栄社化学(株)製、商品名)
[実施例2〜5及び比較例1]
紫外線硬化性組成物(1)として表1の組成のものを使用した。それ以外は実施例1と同様の方法で離型フィルム、活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化被膜含有積層体及び樹脂積層体を得た。評価結果を表1に示す。比較例1では、パーフルオロポリエーテル(メタ)アクリレート(B1)を使用していないため、はじき性、離型性が劣っていた。
[実施例6、7及び比較例2、3]
紫外線硬化性組成物(1)を硬化させて得られる離型フィルムの離型層の膜厚を表1に示す厚みとした。それ以外は実施例1と同様の方法で離型フィルム、活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化被膜含有積層体及び樹脂積層体を得た。評価結果を表1に示す。
比較例2では、前記膜厚が本発明で規定する範囲の下限より小さいため、はじき性、離型性が劣っていた。また比較例3では、前記膜厚が本発明で規定する範囲の上限より大きいため、カール性が劣っていた。
[実施例8]
紫外線硬化性組成物(1)の硬化の際の紫外線の積算光量を350mJ/cm(波長320〜380nmの紫外線エネルギー量)とした。それ以外は実施例1と同様の方法で離型フィルム、活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化被膜含有積層体及び樹脂積層体を得た。評価結果を表1に示す。
[実施例9]
フィルム基材として、片面がコロナ処理された厚み50μmのPETフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製、商品名:「テイジンテトロンフィルムG2C」)を使用し、コロナ処理された面に離型層を形成した以外は実施例1と同様の方法で離型フィルム、活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化被膜含有積層体及び樹脂積層体を得た。評価結果を表1に示す。
[比較例4]
厚み30μmのポリプロピレンフィルム(PPフィルム)(グンゼ(株)製、商品名:「シルファンM1」)を離型フィルムとして使用した。それ以外は実施例1と同様の方法で活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化被膜含有積層体及び樹脂積層体を得た。評価結果を表1に示す。比較例4では、本発明の離型層を形成していないため、はじき性が劣っていた。
あ:フィルム基材
い:離型層
う:活性エネルギー線硬化性組成物(2)(硬化前)又は活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化被膜(硬化後)
え:樹脂基材
お:樹脂積層体
か:プレスロール
き:ガイドロール
く:紫外線照射装置
け:搬送体

Claims (4)

  1. 四官能以上の(メタ)アクリレート(A1)、パーフルオロポリエーテル(メタ)アクリレート(B1)、有機溶剤(C1)並びに光重合開始剤(D1)を含有する紫外線硬化性組成物(1)を硬化させて得られる膜厚が0.2〜1.5μmの離型層をフィルム基材上に形成した離型フィルム。
  2. 紫外線硬化性組成物(1)中のパーフルオロポリエーテル(メタ)アクリレート(B1)の含有量が四官能以上の(メタ)アクリレート(A1)100質量部に対して2〜4質量部である請求項1に記載の離型フィルム。
  3. フィルム基材が易接着層を有するポリエチレンテレフタレートフィルムである請求項1又は2に記載の離型フィルム
  4. 下記(イ)〜(ハ)の工程を有する、樹脂基材の表面にパーフルオロポリエーテル(メタ)アクリレート(B−2)を含む活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化被膜が積層された樹脂積層体の製造方法。
    (イ)四官能以上の(メタ)アクリレート(A1)、パーフルオロポリエーテル(メタ)アクリレート(B1)、有機溶剤(C1)並びに光重合開始剤(D1)を含有する紫外線硬化性組成物(1)を硬化させて得られる膜厚が0.2〜1.5μmの離型層をフィルム基材上に形成した離型フィルムの離型層の面と樹脂基材とを、パーフルオロポリエーテル(メタ)アクリレート(B2)を含む活性エネルギー線硬化性組成物(2)の塗膜を介して、積層して得られる活性エネルギー線硬化性組成物(2)の塗膜含有積層体形成工程
    (ロ)活性エネルギー線硬化性組成物(2)の塗膜含有積層体に活性エネルギー線を照射して活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化被膜を形成させる活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化被膜含有積層体形成工程
    (ハ)活性エネルギー線硬化性組成物(2)の硬化被膜含有積層体から離型フィルムを剥離する剥離工程
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