JP2009215517A - 積層樹脂板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】次の(a)〜(d)の工程を有する積層樹脂板の製造方法。
(a)フィルム上に、特定の組成の乾燥被膜(イ)又は硬化被膜(ロ)を形成する第1工程、(b)フィルム上の乾燥被膜(イ)又は硬化被膜(ロ)の面と樹脂板とを、特定の組成の活性エネルギー線硬化性組成物(3)を介して積層する第2工程、(c)活性エネルギー線を照射して活性エネルギー線硬化性組成物(3)を硬化し、樹脂板上に硬化被膜(ハ)を形成する第3工程、(d)樹脂板上の硬化被膜(ハ)の表面から、乾燥被膜(イ)又は硬化被膜(ロ)が積層されたフィルムを剥離する第4工程
【選択図】図1
Description
<乾燥被膜(イ)>
下記一般式(α)で示される含フッ素化合物(A)及び有機溶剤(B−1)を含有するフッ素含有コーティング剤(1)をフィルム上に塗工し、次いで有機溶剤(B−1)を揮発させて得られる乾燥被膜
<硬化被膜(ロ)>
(メタ)アクリロイル基を3個以上有する(メタ)アクリレート化合物(C−1)、フッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物(D−1)、有機溶剤(B−2)及び光重合開始剤(E−1)を含有する活性エネルギー線硬化性組成物(2)をフィルム上に塗工し、次いで有機溶剤(B−2)を揮発させた後に活性エネルギー線を照射して得られる硬化被膜
(b)フィルム上の乾燥被膜(イ)又は硬化被膜(ロ)の面と樹脂板とを、(メタ)アクリロイル基を3個以上有する(メタ)アクリレート化合物(C−2)、(メタ)アクリロイル基を1個又は2個有する(メタ)アクリレート化合物(F)、フッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物(D−2)及び光重合開始剤(E−2)を含み、(メタ)アクリロイル基を3個以上有する(メタ)アクリレート化合物(C−2)及び(メタ)アクリロイル基を1個又は2個有する(メタ)アクリレート化合物(F)の合計量を100質量部としたときに(メタ)アクリロイル基を3個以上有する(メタ)アクリレート化合物(C−2)が65〜95質量部であり、(メタ)アクリロイル基を1個又は2個有する(メタ)アクリレート化合物(F)が5〜35質量部である活性エネルギー線硬化性組成物(3)を介して積層する第2工程
(c)活性エネルギー線を照射して活性エネルギー線硬化性組成物(3)を硬化し、樹脂板上に硬化被膜(ハ)を形成する第3工程
(d)樹脂板上の硬化被膜(ハ)の表面から、乾燥被膜(イ)又は硬化被膜(ロ)が積層されたフィルムを剥離する第4工程
尚、本発明において「(メタ)アクリロイル基」はアクリロイル基又はメタクリロイル基を、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート又はメタクリレート」をそれぞれ表す。
本発明に用いられるフィルムは特に限定されないが、活性エネルギー線透過性及び耐溶剤性に優れ、酸素透過性の低いものが好ましい。
本発明で使用される後述のフッ素含有コーティング剤(1)中に含有される含フッ素化合物(A)は下記一般式(α)で示されるもので、フィルム表面上に表面張力が低く、撥水・撥油性能の高い後述の乾燥被膜(イ)を形成するための成分である。
フッ素含有コーティング剤(1)中に含有される有機溶剤(B−1)は含フッ素化合物(A)との相溶性に優れ、また、フッ素含有コーティング剤(1)の粘度、乾燥速度及び乾燥被膜(イ)の膜厚をコントロールするために使用される。
本発明で使用されるフッ素含有コーティング剤(1)は含フッ素化合物(A)及び有機溶剤(B−1)を含有するが、含フッ素化合物(A)及び有機溶剤(B−1)の必要量を混合して調整する方法及び含フッ素化合物(A)及び有機溶剤(B−1)が既に混合された状態の市販品を使用する方法のいずれでもよい。
本発明において、乾燥被膜(イ)はフッ素含有コーティング剤(1)をフィルム上に塗工し、次いで有機溶剤(B−1)を揮発させる乾燥処理を実施することにより得られる。
本発明において、(メタ)アクリロイル基を3個以上有する(メタ)アクリレート化合物(C−1)は後述する硬化被膜(ロ)を形成するための活性エネルギー線硬化性組成物(2)の1成分である。
本発明において、フッ素原子を有する(メタ)アクリレート(D−1)は後述する硬化被膜(ロ)を形成するための活性エネルギー線硬化性組成物(2)の1成分である。
本発明において、有機溶剤(B−2)は後述する硬化被膜(ロ)を形成するための活性エネルギー線硬化性組成物(2)の1成分である。
本発明において、光重合開始剤(E−1)は後述する硬化被膜(ロ)を形成するための活性エネルギー線硬化性組成物(2)の1成分である。
本発明において、活性エネルギー線硬化性組成物(2)は(メタ)アクリロイル基を3個以上有する(メタ)アクリレート化合物(C−1)、フッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物(D−1)、有機溶剤(B−2)及び光重合開始剤(E−1)を含有するが、硬化被膜(ロ)のクラック防止や硬化被膜(ロ)とフィルムとの密着性を向上させるために、分子内に1個又は2個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート化合物を、(メタ)アクリロイル基を3個以上有する(メタ)アクリレート化合物(C−1)100質量部に対して25質量部を上限に添加することが可能である。
本発明においては、活性エネルギー線硬化性組成物(2)は活性エネルギー線により硬化される。
硬化被膜(ロ)は活性エネルギー線硬化性組成物(2)をフィルム上に塗工し、次いで有機溶剤(B−2)を揮発させた後に活性エネルギー線を照射して得られる。
本発明において、(メタ)アクリロイル基を3個以上有する(メタ)アクリレート化合物(C−2)は後述する硬化被膜(ハ)を形成するための活性エネルギー線硬化性組成物(3)の1成分である。
本発明において、(メタ)アクリロイル基を1個又は2個有する(メタ)アクリレート化合物(F)は後述する硬化被膜(ハ)を形成するための活性エネルギー線硬化性組成物(3)の1成分である。
本発明において、フッ素原子を有する(メタ)アクリレート(D−2)は後述する硬化被膜(ハ)を形成するための活性エネルギー線硬化性組成物(3)の1成分である。
本発明において、光重合開始剤(E−2)は後述する硬化被膜(ハ)を形成するための活性エネルギー線硬化性組成物(3)の1成分である。
本発明において、活性エネルギー線硬化性組成物(3)は(メタ)アクリロイル基を3個以上有する(メタ)アクリレート化合物(C−2)、(メタ)アクリロイル基を1個又は2個有する(メタ)アクリレート化合物(F)、フッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物(D−2)及び光重合開始剤(E−2)を含有する。
活性エネルギー線硬化性組成物(3)を硬化させると硬化被膜(ハ)が形成される。硬化被膜(ハ)は樹脂板に防汚性及び耐擦傷性を付与するために樹脂板の表面に積層される。
本発明で使用される樹脂板としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の樹脂成分を含むものが挙げられる。これらの中で、樹脂板としては透明性が良好であるメタクリル樹脂が好ましい。
本発明においては、樹脂板の表面に、硬化被膜(ハ)、乾燥被膜(イ)又は硬化被膜(ロ)及びフィルムが順次積層されたものが形成されるが、得られた積層体から乾燥被膜(イ)又は硬化被膜(ロ)がフィルムに積層された状態のものを剥離することにより最終的に樹脂板と硬化被膜(ハ)との積層樹脂板が得られる。
(a)水に対する接触角
乾燥被膜(イ)若しくは硬化被膜(ロ)が形成されたフィルム又は硬化被膜(ハ)が形成された樹脂板の、乾燥被膜(イ)、硬化被膜(ロ)又は硬化被膜(ハ)の表面に、23℃、相対湿度50%の環境下において、純水0.2μLを1滴で滴下し、携帯型接触角計(Fibro syetem ab社製、商品名:「PG−X」)を用いて水と硬化被膜面間の接触角を測定し、水に対する接触角を求めた。
純水の代わりにトリオレインを使用したこと以外は水に対する接触角の評価と同様にして、トリオレインと硬化被膜(ハ)間の接触角を測定し、トリオレインに対する接触角を求めた。
クロスカット試験(JIS K5600−5−6)により、乾燥被膜(イ)又は硬化被膜(ロ)と、フィルムとの密着性及び硬化被膜(ハ)と樹脂板との密着性を以下の基準で評価した。
「×」:乾燥被膜及び硬化被膜の剥離有り
(3)硬化被膜(ハ)の外観
硬化被膜の表面の状態を目視により以下の基準で評価した。
「×」:目視により、クラック・硬化不良無し
(4)ヘーズ値
硬化被膜(ハ)の表面のヘーズ値を日本電色工業(株)製HAZE METER NDH2000を用いてJIS K7136に示される測定法に準拠して測定した。
擦傷試験の前後における硬化被膜(ハ)の表面のヘーズ値の変化の大きさを以下の方法により評価した。
(6)油性インク拭き取り性
油性インク(黒字)として「マイネーム」((株)サクラクレパス製、商品名)で硬化被膜の表面上に線を書き、3分後に「キムタオル」(日本製紙クレシア(株)製、商品名)で拭き取り、その際の油性インクの拭き取れ具合を目視により以下の基準で評価した。
「△」:5回の拭取りでわずかに線の跡が残る
「×」:5回の拭取りで一部、又は全部のインクが付着したままである
(7)指紋拭き取り性
硬化被膜の表面上に右手親指を3秒間押し当てて指紋を付着させた後、「キムタオル」にて指紋を拭き取り、その際の指紋の拭き取れ具合を目視により以下の基準で評価した。
市販のファンデーションとして「ミッション リバイタライジングトリートメント」(エイボンプロダクツ(株)製、商品名)を硬化被膜に指で塗りつけた後、「キムタオル」にて拭き取り、その際のファンデーションの拭き取れ具合を目視により以下の基準で評価した。
硬化被膜表面を以下の方法により「キムタオル」で擦傷し、擦傷前後における水と硬化被膜面間の接触角の変化により摩擦耐久性を評価した。
〔製造例1〕乾燥被膜(イ−1)が積層されたPETフィルム
フッ素含有コーティング剤(1−1)として、含フッ素化合物(A)の含有量が20質量%の「オプツールAES−4」(ダイキン工業(株)製、商品名、溶剤 パーフルオロヘキサン80質量%)を用い、含フッ素化合物(A)の含有量が0.1質量%になるように、有機溶剤(B−1)としてパーフルオロヘキサンを用いて希釈し、均一になるように攪拌混合を行い、「オプツールAES−4」溶液を調整した。
厚み38μmのPETフィルムである「コスモシャインA4300」(東洋紡績(株)製、商品名)の片面に、「プライマーコートPC−3」((株)フロロテクノロジー製、商品名)を、バーコーターを用いて乾燥後の厚みが0.1μmとなるように塗布した。次いで、60℃の熱風乾燥炉で15分間乾燥し、フィルムのプライマー処理を実施した。
PETフィルムとしてコロナ処理後1ヶ月が経過した「テイジンテトロンフィルムG2C」を使用した。それ以外は製造例1と同様にして乾燥被膜(イ−3)が積層されたPETフィルムを得た。乾燥被膜(イ−3)が積層されたPETフィルムの評価結果を表1に示す。
以下に示す化合物を混合し、活性エネルギー線硬化性組成物(2−1)を得た。なお、「部」は「質量部」のことを表す。
ペンタエリスリトールトリアクリレート(東亞合成(株)製、商品名:「M305」)50部
フッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物(D−1)(前記一般式(β)で示されるウレタン(メタ)アクリレート化合物)溶液:「オプツールDAC」(ダイキン工業(株)製、商品名)2部(フッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物(D−1)20質量%及び2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール(有機溶剤(B−2))80質量%の混合物)
有機溶剤(B−2):1−メトキシ−2−プロパノール244.3部
光重合開始剤(E−1):1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製、商品名:「IRGACURE184」)5部
片面がコロナ処理された厚み50μmのPETフィルム「テイジンテトロンフィルムG2C」(帝人デュポンフィルム(株)製、商品名)のコロナ処理面に、上記で調整した活性エネルギー線硬化性組成物(2−1)を、バーコーターを用いて硬化後の膜厚が4μmとなるように塗布した。次いで、このフィルムを60℃の熱風乾燥炉で5分間乾燥した後、出力120W/cmの高圧水銀灯の下20cmの位置を0.25m/分の速度で通過させて活性エネルギー線硬化性組成物(2−1)を硬化させ、硬化被膜(ロー1)が積層されたPETフィルムを得た。尚、硬化被膜(ロ−1)の膜厚は、得られたフィルムの断面の微分干渉顕微鏡写真を用いて測定した。硬化被膜(ロ−1)が積層されたPETフィルムの評価結果を表2に示す。
活性エネルギー線硬化性組成物(2−2)〜(2−4)として表2に示す組成及び組成比のものを使用したこと以外は製造例4と同様にして硬化被膜(ロ−2)〜(ロ−4)が積層されたPETフィルムを得た。硬化被膜(ロ−2)〜(ロ−4)が積層されたPETフィルムの評価結果を表2に示す。
PETフィルムとして厚み38μmの「コスモシャインA4300」(東洋紡績(株)製、商品名)を使用したこと以外は製造例4と同様にして硬化被膜(ロ−1)が積層されたPETフィルムを得た。硬化被膜(ロ−1)が積層されたPETフィルムの評価結果を表2に示す。
M305:ペンタエリスリトールトリアクリレート
オプツールDAC:フッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物(D−1)
16−FDA:1,10−ビス(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,−ヘキサデカフルオロデカン(共栄社化学(株)製、商品名)
IRGACURE184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製、商品名)
C6DA:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(大阪有機化学工業(株)製)
〔実施例1〕
下記に示す化合物を混合し、活性エネルギー線硬化性組成物(3−1)を得た。
(メタ)アクリロイル基を1個又は2個有する(メタ)アクリレート化合物(F):1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(大阪有機化学工業(株)製、商品名:「C6DA」)10部
フッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物(D−2):「オプツールDAC」(ダイキン工業(株)製、商品名)2部(フッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物(D−2)20質量%、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール80質量%の混合物)
光重合開始剤(E−2):ジフェニル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキサイド(BASFジャパン(株)製、商品名:「ルシリンTPO」)2部
上記で調整した活性エネルギー線硬化性組成物(3−1)を、厚さ2mmのメタクリル系樹脂板「アクリライトMR100」(三菱レイヨン(株)製、商品名)のハードコート層が形成されていない面に塗布した。次いで、製造例1で作成したフィルムを、乾燥被膜(イ−1)が活性エネルギー線硬化性組成物(3−1)の塗付面に接触するように、活性エネルギー線硬化性組成物(3−1)の塗付面上に被覆し、プレスロールの下を0.25m/分の速度で通過させて、得られる硬化被膜(ハ−1)の膜厚が10μmになるように塗工した。次いで、メタクリル系樹脂板、活性エネルギー線硬化性組成物(3−1)、乾燥被膜(イ−1)及びPETフィルムが積層された状態で1分間保持した。この後、得られた積層体を出力120W/cmのメタルハライドランプの下24cmの位置を0.25m/分の速度で通過させて活性エネルギー線硬化性組成物(3−1)を硬化させた。次いで、乾燥被膜(イ−1)が積層されたPETフィルムを前記の積層体から剥離し、硬化被膜(ハ−1)が積層されたメタクリル系樹脂板を得た。尚、硬化被膜(ハ−1)の膜厚は硬化被膜(ハ−1)が積層されたメタクリル系樹脂板の断面の微分干渉顕微鏡写真を用いて測定した。
M408:ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(東亞合成(株)製、商品名)
M305:ペンタエリスリトールトリアクリレート(東亞合成(株)製、商品名)
M309:トリメチロールプロパントリアクリレート(東亞合成(株)製、商品名)
C6DA:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(大阪有機化学工業(株)製)
HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート(大阪有機化学工業(株)製)
フッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物(D−2):オプツールDAC(ダイキン工業(株)製、商品名)(フッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物(D−2)20質量%、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール80質量%の混合物)
ルシリンTPO:ジフェニル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキサイド(BASFジャパン(株)製、商品名)
IRGACURE184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製、商品名)
UV3570:ポリエステル変性アクリル基を有するポリジメチルシロキサン(ビックケミー・ジャパン(株)製、商品名)
[実施例2及び3]
製造例2及び3で作成したフィルムを使用した以外は実施例1と同様の方法で硬化被膜(ハ−2)及び(ハ−3)が積層されたメタクリル系樹脂板を得た。評価結果を表3に示す。
表3に示す組成及び組成比としたこと以外は実施例1と同様にして活性エネルギー線硬化性組成物(3−2)〜(3−4)を調製し、それを用いて実施例1と同様の方法で硬化被膜(ハ−4)〜(ハ−6)が積層されたメタクリル系樹脂板を得た。評価結果を表3に示す。
実施例1において、乾燥被膜(イ−1)が積層されたPETフィルムを、メタクリル系樹脂板、活性エネルギー線硬化性組成物(3−1)、乾燥被膜(イ−1)及びPETフィルムが積層された積層体から剥離した後に、出力120W/cmの高圧水銀ランプの下20cmの位置を0.25m/分の速度で通過させて更に活性エネルギー線照射処理を実施し、硬化被膜(ハ−7)が積層されたメタクリル系樹脂板を得た。評価結果を表3に示す。
表4に示す組成の活性エネルギー線硬化性組成物(3−5)を、厚さ2mmのメタクリル系樹脂板「アクリライトMR100」(商品名、三菱レイヨン(株)社製)のハードコート層が形成されていない面にバーコーターを用いて硬化被膜(ハ−8)の厚みが15μmとなるように塗布した。次いで、活性エネルギー線硬化性組成物(3−5)が塗付されたメタクリル系樹脂板を室温で1分間放置した後、出力120W/cmの高圧水銀灯の下20cmの位置を0.25m/分の速度で通過させて硬化させ、硬化被膜が積層されたメタクリル系樹脂板を得た。評価結果を表4に示す。尚、硬化被膜の膜厚は硬化被膜が積層されたメタクリル系樹脂板の断面の微分干渉顕微鏡写真を用いて測定した。
厚み30μmのポリプロピレンフィルム(PPフィルム)「シルファンM1」(グンゼ(株)製、商品名)上に乾燥被膜(イ)又は硬化被膜(ロ)を形成することなく使用したこと以外は実施例1と同様の方法で硬化被膜(ハ−1)が積層されたメタクリル系樹脂板を得た。評価結果を表4に示す。
表4に示す組成の活性エネルギー線硬化性組成物(3’−1)〜(3’−3)を使用したこと以外は実施例1と同様にして組成物を調製し、それを用いて実施例1と同様の方法で硬化被膜(ハ’−1)〜(ハ’−3)が積層されたメタクリル系樹脂板を得た。評価結果を表4に示す。
表5に示す組成及び組成比としたこと以外は実施例8と同様にして活性エネルギー線硬化性組成物(3−2)〜(3−4)を調製し、それを用いて実施例1と同様の方法で硬化被膜(ハ−13)〜(ハ−15)が積層されたメタクリル系樹脂板を得た。評価結果を表5に示す。
実施例8において、硬化被膜(ハ−9)が積層されたPETフィルムを、メタクリル系樹脂板、活性エネルギー線硬化性組成物(3−1)、硬化被膜(ハ−9)及びPETフィルムが積層された積層体から剥離した後に、出力120W/cmの高圧水銀ランプの下20cmの位置を0.25m/分の速度で通過させて更に活性エネルギー線照射処理を実施し、硬化被膜(ハ−16)が積層されたメタクリル系樹脂板を得た。評価結果を表5に示す。
い:乾燥被膜(イ)又は硬化被膜(ロ)
う:活性エネルギー線硬化性組成物(硬化後は硬化被膜(ハ))
え:樹脂板
お:積層樹脂板
か:プレスロール
き:ガイドロール
く:活性エネルギー線照射装置
け:搬送体
Claims (7)
- 次の(a)〜(d)の工程を有する積層樹脂板の製造方法。
(a)フィルム上に、以下に示す乾燥被膜(イ)又は硬化被膜(ロ)を形成する第1工程
<乾燥被膜(イ)>
下記一般式(α)で示される含フッ素化合物(A)及び有機溶剤(B−1)を含有するフッ素含有コーティング剤(1)をフィルム上に塗工し、次いで有機溶剤(B−1)を揮発させて得られる乾燥被膜
<硬化被膜(ロ)>
(メタ)アクリロイル基を3個以上有する(メタ)アクリレート化合物(C−1)、フッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物(D−1)、有機溶剤(B−2)及び光重合開始剤(E−1)を含有する活性エネルギー線硬化性組成物(2)をフィルム上に塗工し、次いで有機溶剤(B−2)を揮発させた後に活性エネルギー線を照射して得られる硬化被膜
(b)フィルム上の乾燥被膜(イ)又は硬化被膜(ロ)の面と樹脂板とを、(メタ)アクリロイル基を3個以上有する(メタ)アクリレート化合物(C−2)、(メタ)アクリロイル基を1個又は2個有する(メタ)アクリレート化合物(F)、フッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物(D−2)及び光重合開始剤(E−2)を含み、(メタ)アクリロイル基を3個以上有する(メタ)アクリレート化合物(C−2)及び(メタ)アクリロイル基を1個又は2個有する(メタ)アクリレート化合物(F)の合計量を100質量部としたときに(メタ)アクリロイル基を3個以上有する(メタ)アクリレート化合物(C−2)が65〜95質量部であり、(メタ)アクリロイル基を1個又は2個有する(メタ)アクリレート化合物(F)が5〜35質量部である活性エネルギー線硬化性組成物(3)を介して積層する第2工程
(c)活性エネルギー線を照射して活性エネルギー線硬化性組成物(3)を硬化し、樹脂板上に硬化被膜(ハ)を形成する第3工程
(d)樹脂板上の硬化被膜(ハ)の表面から、乾燥被膜(イ)又は硬化被膜(ロ)が積層されたフィルムを剥離する第4工程 - フィルムがポリエチレンテレフタレートフィルムである請求項1又は2に記載の積層樹脂板の製造方法。
- フッ素含有コーティング剤(1)を塗工するフィルム表面の水に対する接触角が55度以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層樹脂板の製造方法。
- フッ素含有コーティング剤(1)を塗工するフィルムがコロナ処理による易接着処理されたものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層樹脂板の製造方法。
- 一般式(α)に示す含フッ素化合物(A)のRfがパーフルオロアルキル基又はパーフルオロポリエーテル基である請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層樹脂板の製造方法。
- フッ素含有コーティング剤(1)中の含フッ素化合物(A)の含有量が0.02〜0.2質量%である請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層樹脂板の製造方法。
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