JP2008044137A - 活性エネルギー線硬化物積層体の製造方法、該方法により製造される積層体及び該積層体を用いた光ディスク - Google Patents

活性エネルギー線硬化物積層体の製造方法、該方法により製造される積層体及び該積層体を用いた光ディスク Download PDF

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Abstract

【課題】 透明で光学的に歪みが小さく、耐熱変形性、耐熱分解性、フィルム化加工性に優れ、コスト的に優位で、さらに表面硬度、汚染防止に優れカールや割れなどの弊害のない活性エネルギー線硬化物積層体を提供すること。
【解決手段】 分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を含む活性エネルギー線硬化性組成物Aの硬化物層の少なくとも一方の表面に、アクリレート系多官能活性エネルギー線重合性官能基を有する化合物及びフッ素化(メタ)アクリレート系単量体を重合させたフッ素樹脂化合物を含む活性エネルギー線硬化性組成物Bからなる層を形成し、該活性エネルギー線硬化性組成物Bの層の表面にフッ素樹脂フィルムを接触させた状態でエネルギー線を照射して硬化させることを特徴とする活性エネルギー線硬化物積層体の製造方法、該製造方法によって製造された積層体、及び該積層体を用いて形成された光ディスク。
【選択図】 なし

Description

本発明は離型性、汚染防止性に優れた活性エネルギー線硬化物積層体の製造方法、該製造方法によって製造された積層体、及び該積層体を用いて形成された光ディスクに関する。前記積層体は、光学用途に適し、厚さが1μmと極薄のものから3000μm程度のものまでを、高い厚さ精度、高い透明度で光学的に歪みが小さく、しかも表面硬度、離型性、汚染防止性にも優れたものとすることができるため、光学機能調整された窓、ディスプレイ、光ディスク、特に次世代型光ディスクの1つであるブルーレイディスク等の一部の層を形成するのに好適である。
従来、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどの光学機能調整用フィルムのベースやスペーサー、光ディスクの記録層直上のスペーサーとして、光学的に歪みの小さいプラスチックフィルムが作製され、応用されている。これらのプラスチックフィルムは、流延法やコーティング法で製造されるため、材料が限定され、耐熱変形性、耐熱分解性、フィルム化加工性、コストなどが折り合わず、用途や使用条件に制約を受けている。
また、流延法やコーティング法などで形成、応用されているプラスチックフィルムはそれ自身は特に表面硬度、汚染防止の表面特性において配慮されたものでないので、耐擦傷性や防汚性が必要とされる用途、使用条件で使用する際には制約を受ける場合がある。改良のためにさらにコーティングすることも可能であるがフィルム化加工性が劣ることになり、コストが増加するなどの問題を生じる。
一方、表面硬度や汚染防止に配慮したコーティング用材料は知られており、例えば、特許文献1には、非フッ素化アクリル系重合体、フッ素化アクリル系重合体、フッ素化オレフィン系重合体及び硬化剤の組合せからなる組成物をコーティングすることで、両者の特性が同時に付与されうることが示されている。この組成物は、広範囲な基材に適用可能とされているものの、コーティング層の硬化にともなう収縮の弊害や離型フィルムを用いた場合の影響などに関しては特に配慮がなく、基材のカールや割れの発生、離型性や汚染防止性が低下するなどの弊害が生じる可能性を有している。
特許第3449014号公報
本発明の目的は、透明で光学的に歪みが小さく、耐熱変形性、耐熱分解性、フィルム化加工性に優れ、コスト的に優位で、さらに表面硬度、汚染防止に優れ、カールや割れなどの弊害のない活性エネルギー線硬化物積層体の製造方法、該製造方法によって製造された積層体、及び該積層体を用いて形成された光ディスクを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、表面層として特定組成の活性エネルギー線硬化性組成物を使用し、特定条件で硬化させることにより上記課題を解決できることを見出した。
すなわち本発明の製造方法は、分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を含む活性エネルギー線硬化性組成物Aの硬化物層の少なくとも一方の表面に、アクリレート系多官能活性エネルギー線重合性官能基を有する化合物及びフッ素化(メタ)アクリレート系単量体を重合させたフッ素樹脂化合物を含む活性エネルギー線硬化性組成物Bからなる層を形成し、該活性エネルギー線硬化性組成物Bの層の表面にフッ素樹脂フィルムを接触させた状態でエネルギー線を照射して硬化させることを特徴とする活性エネルギー線硬化物積層体の製造方法である。
このとき、組成物Aは、分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を90〜99質量%含み、組成物Bは、アクリレート系多官能活性エネルギー線重合性官能基を有する化合物を70〜89質量%と、フッ素化(メタ)アクリレート系単量体を重合させたフッ素樹脂化合物を10〜29質量%含むことが好ましい。
また、積層方法は、基本的にはどのような方法でもよいが、スピンコーター法の場合は、本発明の組成物A,Bの特性上、材料ロスが多く、不経済であるため、スピンコーター法以外の方法が好適である。
本発明の積層体は、前記活性エネルギー線硬化性組成物Aの硬化物層の少なくとも一方の表面に、前記活性エネルギー線硬化性組成物Bの硬化物層を形成させてなる活性エネルギー線硬化積層体であって、前記の本発明の製造方法によって製造されたことを特徴とする。
また、本発明の光ディスクは、前記本発明の活性エネルギー線硬化物積層体を、少なくとも一層積層して形成されてなることを特徴とする。
本発明の活性エネルギー線硬化物積層体の製造方法によれば、透明で光学的に歪みが小さく、耐熱変形性、耐熱分解性、フィルム化加工性に優れ、さらに表面硬度、汚染防止に優れカールや割れなどの弊害のない活性エネルギー線硬化物積層体を低コストで製造することができる。また、上記性能を有する本発明の積層体は、光ディスクなどの光学用途において優れた特性を有するものである。
また、本発明の光ディスクは、製造が容易で、厚さ精度に優れた被覆層が形成されており、優れた性能を有するものである。
本発明で使用する活性エネルギー線硬化性組成物Aとしては、分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を含む組成物であれば、特に制約なく利用できる。この分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物は、本発明の積層体の主要部を形成するために必要な成分であり、本発明に使用する前記組成物に活性エネルギー線硬化性を持たせるために用いる必須成分である。
この分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物は、組成物A中に90〜99質量%含むことが好ましい。該化合物の含有量が少なすぎれば、組成物Aに活性エネルギー線硬化性を持たせることができず、多すぎても問題はないが、他の添加剤の配合を考慮して上記程度とするものである。
この成分は、特に限定されるものではないが、好ましい具体例としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、トリスエトキシレーテッドトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリル酸エステル、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,3−ブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,4−ブタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ノナンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコール、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリル酸エステル、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリシクロデカンジメタノール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエトキシレーテッドビスフェノールA、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロポキシレーテッドビスフェノールA、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル等の(メタ)アクリル酸エステル類;フタル酸、アジピン酸等の多塩基酸、エチレングリコール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の多価アルコール及び(メタ)アクリル酸又はその誘導体との反応で得られるポリエステルポリ(メタ)アクリレート類;ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル化合物に、(メタ)アクリル酸又はその誘導体を反応させたエポキシポリ(メタ)アクリレート類;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等のイソシアネート化合物に、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等の水酸基を持つ(メタ)アクリレートを反応させたウレタンポリ(メタ)アクリレート類や、ヒドロキシエトキシ化ビスフェノールA、ポリブタジエンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエステルジオール、カプロラクトン変性ジオール、ポリカーボネートジオール、スピログリコール等の水酸基に上記ジイソシアネート化合物を付加し、残ったイソシアネート基に、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等の水酸基を持つ(メタ)アクリレートを反応させたウレタンポリ(メタ)アクリレート類;アクリルポリ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
特に透明性、耐熱変形性、耐熱分解性、フィルム化加工性、コストの面でエポキシポリ(メタ)アクリレート類、ウレタンポリ(メタ)アクリレート類等のとりわけ分子量が大きいオリゴマー、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコールやエポキシポリ(メタ)アクリレート類、ウレタンポリ(メタ)アクリレート類等で環状もしくは嵩高い構造や極性構造を持つもの、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリル酸エステル等の2個ないしそれ以上の(メタ)アクリロイル基を有するものを適宜組み合わせて特性を調整するのが好ましい。
また、活性エネルギー線硬化性組成物Aの他の成分としては光重合開始剤、増感剤、架橋剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、充填材、熱可塑性樹脂、染料や顔料等の着色剤等が硬化性や透明性、耐熱性等の物性に効果的な、かつ支障とならない範囲で添加できる。特に活性エネルギー線として紫外線照射を応用する場合は光重合開始剤は必須であり、例えば、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェン、メチルオルトベンゾイルベンゾエイト、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2−メチル−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、メチルベンゾイルホルメート等を例示することができる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。なかでもベンゾイン系、具体的には1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等が透明性の面で好適である。光重合開始剤の量は、硬化性等に応じて適宜調整されるが、典型的には活性エネルギー線硬化性組成物A100質量部に対して、1〜10質量部である。
上記成分を含む活性エネルギー線硬化性組成物Aの硬化物層は、1層であってもよく、また、2層以上の複数層に形成されていてもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化物積層体は、前記活性エネルギー線硬化性組成物Aの硬化物層の少なくとも一方の表面に、前記活性エネルギー線硬化性組成物Bからなる層の硬化物層が形成された構成を有するものである。
組成物Bに含まれるアクリレート系多官能活性エネルギー線重合性官能基を有する化合物としては、特に制約なく利用でき、好ましい具体例としては、アルキッド樹脂、多価アルコールなどの多官能化合物の(メタ)アクリレートなどのオリゴマー又はプレポリマー及び反応性の希釈剤を比較的多量に含むアクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルトルエン、N−ビニルピロリドンなどの単官能モノマー、並びに多官能モノマー、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどがある。とりわけアクリレート系多官能活性エネルギー線重合性官能基を有する化合物は、硬度、離型性等をより改良する目的として使用される必須成分であり、好ましい例としてトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらのアクリレート系多官能活性エネルギー線重合性官能基を有する化合物は、組成物B中に、70〜89質量%含まれることが好ましい。アクリレート系多官能活性エネルギー線重合性官能基を有する化合物が少なすぎれば表面硬度が不十分となり、多すぎると耐熱性が不十分となるからである。
更に、活性エネルギー線硬化性組成物Bを紫外線硬化型樹脂として使用するときは、これらの中に光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、チオキサントン類や、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィンなどを混合して使用する。さらには、表面硬度や耐熱性を改良する目的でテトラエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン等の反応性有機ケイ素化合物を含ませることもできる。さらには同様の目的で、光学特性やカールなどに効果的な範囲内でシリカ、アルミナ等充填粒子を含ませることもできる。
前記活性エネルギー線硬化性組成物Bに含まれるフッ素化(メタ)アクリレート系単量体を重合させたフッ素樹脂化合物は、特に離型性、汚染防止性をより改良する目的で加えられる成分であり、特に制約なく利用でき、具体例として、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロノニル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらのフッ素化(メタ)アクリレート系単量体を重合させたフッ素樹脂化合物は、組成物B中に、10〜29質量%含まれることが好ましい。該化合物の含有量が少なすぎれば、組成物Bに所望の離型性、汚染防止性等を持たせることができず、多すぎてもこの効果は飽和してしまうからである。
また、離型性、汚染防止性の向上の観点から、上記のフッ素化(メタ)アクリレートのパ−フロロアルキル基又は部分フッ素化アルキル基の炭素数としては、4以上が好ましく、6以上がより好ましい。また、フッ素樹脂化合物は、経済的な観点、他の成分との効率的な相溶性並びに離型性、汚染防止の点から、フッ素化アルキル基を少なくとも2つ有し、その全てが同一の炭素原子又は窒素原子に結合した骨格を有する重合性エチレン不飽和単量体であって、かつ、上記炭素原子又は窒素原子とフッ素化アルキル基とがエステル結合又はウレタン結合であるものが好ましい。
さらに、フッ素化(メタ)アクリレート系単量体を重合させたフッ素樹脂化合物は、それ自身が活性エネルギー線硬化性を有していてもよく、この場合は、硬化物とした際の表面硬度や耐熱性、組成物内の相溶性ひいては透明性の点で好ましい。あるいは、活性エネルギー線官能基を持たないフッ素樹脂化合物を得た後に、フッ素樹脂化合物内の官能基を利用してエステル結合又はウレタン結合等を介してビニル基、アリール基、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加させることで活性エネルギー線官能基を導入し、活性エネルギー線硬化性を付与することもできる。
さらに前記活性エネルギー線硬化性組成物Bには、これら以外の成分として、架橋剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、充填材、熱可塑性樹脂(アクリル樹脂、フッ素樹脂、シクロオレフィン系樹脂等)、染料や顔料等の着色剤等を、硬化性や透明性、耐熱性等の物性に効果的な、かつ支障とならない範囲で添加できる。
前記活性エネルギー線硬化性組成物Bは、前記活性エネルギー線硬化性組成物Aの硬化物層の少なくとも一方の表層に配置されてハードコート層を形成し積層体を構成する。両表層に積層して両面に表面硬度、汚染防止機能を付与してもよく、密着性を向上する目的でプライマーを層間に加工してもよい。さらには片側表層に1層積層して積層体とした構成に加えて、その反対面に他基材への接着性を付与するためのプライマー層、カール防止機能を付与するための首記ハードコート以外のコート層、その他機能性を付与するためのコート層を適宜積層できる。
積層体の前記活性エネルギー線硬化性組成物Aの層を形成するにあたっては、各層の成形方法は、スピンコーター法以外の種々のコーティング法の応用等特に制約なく採用することができ、好ましくは以下の方法による。連続して定速駆動する工程用離型フィルム、ベルト、ロール上もしくは該層が2層以上の場合先に成形硬化した層上に十分混合分散した該組成物を定量供給して表面張力や加熱、加圧効果によりフィルム状に賦形し、雰囲気側からかもしくは離型フィルム、ベルト、ロールを介して活性エネルギー線を照射して硬化させ、離型フィルム、ベルト、ロールを剥離してフィルム状、シート状に成形される。
工程用離型フィルムとしては、ポリエチレンフィルム、2軸延伸ポリプロピレンフィルム、ポリ4メチルペンテン−1フィルム、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、2軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム、フッ素樹脂フィルム等の離型性、寸法安定性、平滑性に優れたフィルムが利用でき、なかでも光学用の平滑性に優れた2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく、さらにシリコーンコーティングで離型処理された光学用の平滑性に優れた2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムがより好ましい。離型性の程度は、組成物を硬化させた後の離型性の他、コーティングした時のフィルム形態のぬれ安定性、密着性とのバランスで調整される。
また、本発明の方法は、前記活性エネルギー線硬化性組成物Bの層の硬化を、フッ素樹脂フィルムを接触させた状態で行うことを特徴とする。フッ素樹脂フィルムとしては特に制約なく利用でき、具体例として、テトラフルオロエチレン重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ビニリデンフルオリド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ビニリデンフルオリド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ビニリデンフルオリド共重合体、ビニリデンフルオリド重合体等が挙げられる。とりわけ活性エネルギー線の透過性、硬化後の離型性からテトラフルオロエチレン重合体以外のフッ素樹脂は特に制限なく使用することができる。
さらに、フッ素樹脂が高価であるという経済的な観点や、フッ素樹脂が軟質で積層体の成形に際してしわ入りや表面が粗くなるのを抑える観点から、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、2軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムの片面に首記のフッ素樹脂フィルムを薄くラミネート加工したフィルムやフッ素樹脂コーティング剤を塗布、乾燥硬化したフィルムを用いてもよい。この場合のフッ素樹脂の厚さは、特に制限はないが0.5〜30μm程度の範囲が貼り合わせ加工後の特性や成形性等から好ましい。また、支持体の2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、2軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムとの接着性、貼り合わせ加工性を改良するために支持体側の面のフッ素樹脂表面にアクリル系、EVA系ポリマーやシランカップリング剤等の接着剤層を設けたり、コロナ処理、プラズマ処理、Na−アンモニア処理等の表面処理を行うこともできる。
積層体の前記活性エネルギー線硬化性組成物Bの層を形成するにあたっては、先に成形硬化した活性エネルギー線硬化性組成物Aの層上に十分混合分散した該組成物Bを定量供給して表面張力や加熱、加圧効果によりフィルム状に賦形し、その上からフッ素樹脂フィルムを被覆接触させ、フッ素樹脂フィルム側もしくは先に成形硬化した活性エネルギー線硬化性組成物の層を介して活性エネルギー線を照射して硬化させ、フッ素樹脂フィルムを剥離して活性エネルギー線硬化物積層体とする。
フッ素樹脂フィルムを用いない場合は、活性エネルギー線硬化性組成物Bの層の硬化によってカールを起こすおそれがあり、フッ素樹脂フィルム以外の工程用離型フィルムを用いた場合には、同フィルム剥離後の活性エネルギー線硬化性組成物Bの硬化表面の離型性、汚染防止性が不十分になる。
離型性、汚染防止性が不十分になる理由としては推論の域を出ないが、工程用離型フィルム表面との相互作用で表面側に組成物B中のフッ素原子が拡散、配向しにくい環境になったためで、一方、フッ素樹脂フィルム表面の場合はその逆の機構が働くためであると考えられる。いずれにしてもフッ素樹脂フィルムを接触させることにより、硬化によるカールのおそれがなく、離型性、汚染防止に効果的となる。
組成物A,Bの定量供給、層形成にあたっては、グラビアコーティング、ロールコーティング、ロッドコーティング、ナイフコーティング、ブレードコーティング、スクリーンコーティング、ダイコーティング、カーテンフローコーティング等の方式(但しスピンコーター法以外の方法)により制御でき、これらの方式を特に制限なく用いることができる。組成物をフィルム化する目的により、肉厚を所望の厚さに加工するのに適当な方式を選択すればよいが、本発明に係る積層体の厚みは、組成物Aによる層と組成物Bによる層との合計で、一般には1〜2000μm、好ましくは1〜700μm、より好ましくは1〜200μm程度であり、組成物Aによる層aと組成物Bによる層bとの厚さ比は特に限定されず、層a:層bが1:50〜50:1、好ましくは1:30〜30:1の範囲から適宜選択される。
これらの層厚は、コーティング加工としては厚い領域であり、厚さ精度、加工の手間、外観等を考慮すると特にダイコーティング方式で組成物を硬化成分が実質100%の無溶剤系とした組み合わせが好ましい。ここで実質100%は組成物処方上溶剤や揮発成分を使用しないか、もしくは所定の条件で除去したことを意味し、溶剤残留や光重合開始剤残さは実性能上への弊害の低さから無視できるものとする。組成物の無溶剤化による粘度の上昇に伴うコーティング加工性への影響に対しては組成物での材料選択や加熱により調整できる。
活性エネルギー線は特に制約なく工業的に利用できるものが応用でき、紫外線、電子線、γ線、X線等が挙げられるが、透過厚さ、エネルギー、設備コスト、光重合開始剤や増感剤等添加剤のコスト、品質への負荷等総合的に判断すると特に紫外線が利用しやすい。紫外線は各種発光特性のものが特に制限なく利用でき、各層及び積層体の厚さや硬化状況等に応じて調整ができ、また、エネルギーに関しても首記同様に調整でき、照度として概ね0.1〜5J/cm2のものが好適である。さらに照射効率を向上するために照射雰囲気を窒素等の不活性ガスとしたり、成形した組成物を加温しながら照射することも可能である。
工程用離型フィルムを用いない場合は単独のフィルムが得られるのでそのままロール状に巻き取ったり断裁して枚葉化したりした形態で光学機能調整用フィルム化等具体的な用途に供することになる。一方、工程用離型フィルムを用いた場合には、それとの積層フィルムとして得られるので、硬化後に工程用離型フィルムを剥離して前記同様の対応ができるほか、剥離せずにそのまま積層された形態で具体的な用途に供し工程用離型フィルムを保護フィルムないし具体的な用途での工程用離型フィルムとする態様も本発明の範囲内である。
本発明の光ディスクは、前記本発明の積層体を少なくとも1層積層した構成を有するものである。具体例の一つとして、表面にピット、グルーブ等の凹凸パターンが形成されて信号記録面とされているディスク基板上に光透過層を設け、この光透過層側からレーザ光を照射して情報の記録、再生を行うようにした光ディスクにおいて、この光透過層として本発明の積層体を用いたものが挙げられる。積層体のディスク基板上への積層形成については別途準備した接着剤や粘着剤あるいはそのフィルム材などを応用して加工される。接着剤や粘着剤の場合は積層体もしくは光ディスク面に塗工、乾燥、軟化(接着剤の場合)、硬化(粘着剤の場合)したのち、各々光ディスクもしくは積層体を積層し硬化もしくは冷却固化(接着剤の場合)させる。同フィルム材では積層体もしくは光ディスク面に積層、軟化(接着剤の場合)したのち、各々光ディスクもしくは積層体を積層し硬化もしくは冷却固化(接着剤の場合)させる。接着剤や粘着剤あるいはそのフィルム材については特に制約はないが積層体同様に耐熱性、透明性、コストの他接着性の観点からアクリル系が好適である。こうして得られる表面に本積層体が積層された光ディスクは光学特性や耐熱性を損なうことなく積層体同様の汚染防止性が付与され、該積層体はカールも元々ないために剥離や割れが起こるきっかけもおきにくく、その結果、高品位な特性を有するものとなり、次世代型光ディスクとして注目されている、いわゆるブルーレイディスクとして好適に使用される。
以上に示した方法により実質透明で光学的に歪みの小さく、耐熱変形性、耐熱分解性等に優れる層と、表面硬度、汚染防止性に優れる層とを、カールや割れなどの弊害がなく積層することができ、両者の特長を兼ね備えた安価で安定した特性の積層体を得ることができる。本発明の積層体は光学用途において光学的基本機能以外に各種実用特性を兼ね備え、また同積層体を積層して得られる光ディスクはそれらに加えて積層加工がラミネートだけで済む簡便性に優れ、厚さ精度に優れており、その工業的利用価値は極めて大きいものである。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
ポリウレタンアクリレート70質量部、トリプロピレングリコールジアクリレート20質量部、プロピレングリコール変性トリメチロールプロパントリアクリレート10質量部、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン3質量部を室温にてミキサーで20分撹拌混合して活性エネルギー線硬化性組成物A1とし、巻物から巻き出された厚さ100μmの光学用の平滑性に優れた2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム面に40℃に加温した250mm幅のダイコーターにて、70μmの厚さに塗布し、紫外線を高圧水銀ランプで400mJ/cm2の照度で照射して硬化させた。
引き続いて、ポリウレタンアクリレート50質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート30質量部、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアクリレート15質量部とメチルメタクリレート75質量部と2−ヒドロキシルエチルメタアクリレート5質量部とを重合させたフッ素樹脂化合物20質量部、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン3質量部をミキサーで室温にて20分撹拌混合した活性エネルギー線硬化性組成物B1を、40℃に加温した250mm幅のマイクログラビアコーターを用いて、前記活性エネルギー線硬化性組成物A1の硬化物の表面に3mmの厚さに塗布して活性エネルギー線硬化性組成物B1の層を形成させた。
この活性エネルギー線硬化性組成物B1の層の上に、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体3μmと2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム38μmが積層されたフッ素樹脂フィルムを、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体側が活性エネルギー線硬化性組成物B1の層と接触するように重ね、フッ素樹脂フィルム側から紫外線を高圧水銀ランプで600mJ/cm2の照度で照射して硬化させた。その後、フッ素樹脂フィルムを剥離除去してから巻き取りロールに巻き取り、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを工程用離型フィルムとして積層した積層体を得た。得られた積層体の透明性、耐熱性(カールの具合)、表面硬度、汚染防止性、コストに関して以下に示す評価を行った。結果は表1に示すとおりであり、総合的に○の判定であった。
〔透明性〕
得られた積層体から工程用離型フィルムを剥離除去し、該積層体について分光光度計を用い空気をリファレンスとして波長400nmの光線透過率を測定し、次の基準により判定した。
○:88%以上。
△:85%以上。
×:85%未満。
〔耐熱性(カールの具合)〕
得られた積層体から工程用離型フィルムを剥離除去し、積層体のカールの状態、及び積層体を厚さ20μmのアクリル系粘着剤を介して厚さ1mmで直径120mmの平滑なポリカーボネート板に、活性エネルギー線硬化性組成物Bの層が表面にでるようにラミネートし、80℃、85%相対湿度下で500時間置いた後のラミネートされたポリカーボネート板の反り、剥離等の状態に応じて次の基準により判定した。
○:積層体単独でのカールはほとんど見られず、80℃、85%相対湿度下で500時間置いた後のラミネートされたポリカーボネート板の反り角が0.5°未満で反りはなかった。
○△:積層体単独でのカールは僅かに見られたが、80℃、85%相対湿度下で500時間置いた後のラミネートされたポリカーボネート板の反り角が0.5°未満で反りはなかった。
△:積層体単独でのカールはほとんど見られず、80℃、85%相対湿度下で500時間置いた後のラミネートされたポリカーボネート板の反り角が1°未満で反りが僅かに見られた。
△×:積層体単独でのカールが僅かに見られ、80℃、85%相対湿度下で500時間置いた後のラミネートされたポリカーボネート板の反り角が1°未満で反りが僅かに見られた。
×:積層体単独でのカールが見られ、もしくは、80℃、85%相対湿度下で500時間置いた後のラミネートされたポリカーボネート板の反り角が1°以上で反りが見られた。
〔表面硬度〕
得られた積層体から工程用離型フィルムを剥離除去し、積層体の活性エネルギー線硬化性組成物Bの層の表面について学振型摩擦堅牢度試験機を用い、荷重0.5kg、対象布としてスチールウール、回数200回の条件で摺接した後の該表面の状態を目視にて観測し、次の基準により判定した。
○:キズ入りは見られなかった。
△:斜光を入れて見てやっと見える薄いキズが確認された。
×:はっきりキズ入りが見られた。
〔汚染防止性〕
得られた積層体から工程用離型フィルムを剥離除去し、積層体の活性エネルギー線硬化性組成物Bの層について液滴法によるヘキサデカン接触角を測定し、次の基準により判定した。
○:40°以上。
△:20°以上40°未満。
×:20°未満。
〔コスト〕
積層体を得るのに用いた活性エネルギー線硬化性組成物、工程用離型フィルム、フッ素樹脂フィルムの総材料コストを、実施例1の構成の積層体を実施例1の成形条件でマイクログラビアコーティング方式での溶液コーティング法を用いての多回コーティング法により製造したときの歩留まりを含めてかかる総製造コストと比較し、総製造コストに対する割合にて次の基準により判定した。
○:70%未満。
△:70%以上、同等未満。
×:同等以上。
(実施例2)
ポリウレタンアクリレート50質量部、エポキシアクリレート30質量部、アクリル酸ジシクロペンタンジメチル20質量部、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン3質量部を室温にてミキサーで20分撹拌混合して活性エネルギー線硬化性組成物A2とし、この活性エネルギー線硬化性組成物A2を実施例1における活性エネルギー線硬化性組成物A1の代わりに使用し、巻物から巻き出された厚さ100μmの光学用の平滑性に優れた2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム面に40℃加温した250mm幅のダイコーターにて、70μmの厚さに塗布し、紫外線を高圧水銀ランプで400mJ/cm2の照度で照射して硬化させた以外は実施例1と同様にして、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを工程用離型フィルムとして積層した積層体を得た。得られた積層体について実施例1と同様の評価を行った結果は表1に示すとおりであり、総合的に○の判定であった。
(実施例3)
前記活性エネルギー線硬化性組成物B1を、40℃に加温した250mm幅のマイクログラビアコーターにて5μmの厚さに塗布した以外は実施例1と同様にして、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを工程用離型フィルムとして積層した積層体を得た。得られた積層体について実施例1と同様の評価を行った結果は表1に示すとおりであり、総合的に○の判定であった。
(実施例4)
前記活性エネルギー線硬化性組成物B1を、40℃に加温した250mm幅のマイクログラビアコーターにて3μmの厚さに塗布し、その上からテトラフルオロエチレン重合体からなる厚さ100μmのフッ素樹脂フィルムと接触させた以外は実施例1と同様にして、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを工程用離型フィルムとして積層した積層体を得た。得られた積層体について実施例1と同様の評価を行った結果は表1に示すとおりであり、総合的に○の判定であった。
(比較例1)
前記活性エネルギー線硬化性組成物B1を、40℃に加温した250mm幅のマイクログラビアコーターにて3μmの厚さに塗布し、フッ素樹脂フィルムを使用せずにそのまま塗布側から紫外線を高圧水銀ランプで600mJ/cm2の照度で照射して硬化させ、そのまま巻き取りロールに巻き取った以外は実施例1と同様にして、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを工程用離型フィルムとして積層した積層体を得た。得られた積層体について実施例1と同様の評価を行った結果は表1に示すとおりであり、総合的に×の判定であった。
(比較例2)
前記活性エネルギー線硬化性組成物B1を、40℃に加温した250mm幅のマイクログラビアコーターにて3μmの厚さに塗布し、その上から離型層として熱硬化シリコーンが塗布された厚さ38μmの離型2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを離型側と接触させ、離型2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム側から紫外線を高圧水銀ランプで600mJ/cm2の照度で照射して硬化させ、離型2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離除去してからロールに巻き取った以外は実施例1と同様にして、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを工程用離型フィルムとして積層した積層体を得た。得られた積層体について実施例1と同様の評価を行った結果は表1に示すとおりであり、総合的に×の判定であった。
(比較例3)
前記活性エネルギー線硬化性組成物B1の代わりに、ポリウレタンアクリレート50質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート50質量部、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン3質量部をミキサーで室温にて20分撹拌混合したものを使用し、40℃に加温した250mm幅のマイクログラビアコーターにて3μmの厚さに塗布した以外は実施例1と同様にして、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを工程用離型フィルムとして積層した積層体を得た。得られた積層体について実施例1と同様の評価を行った結果は表1に示すとおりであり、総合的に×の判定であった。
(比較例4)
ポリウレタンアクリレート10質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート70質量部、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアクリレート15質量部とメチルメタクリレート75質量部と2−ヒドロキシルエチルメタアクリレート5質量部とを重合させたフッ素樹脂化合物20質量部、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン3質量部をミキサーで室温にて20分撹拌混合し、活性エネルギー線硬化性組成物B2とし、この活性エネルギー線硬化性組成物B2を実施例1の活性エネルギー線硬化性組成物B1の代わりに使用し40℃に加温した250mm幅のマイクログラビアコーターにて3mmの厚さに塗布した以外は実施例1と同様にして、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを工程用離型フィルムとして積層した積層体を得た。得られた積層体について実施例1と同様の評価を行った結果は表1に示すとおりであり、総合的に×の判定であった。
(比較例5)
ポリウレタンアクリレート50質量部、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアクリレート15質量部とメチルメタクリレート75質量部と2−ヒドロキシルエチルメタアクリレート5質量部とを重合させたフッ素樹脂化合物50質量部、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン3質量部をミキサーで室温にて20分撹拌混合し、活性エネルギー線硬化性組成物B3とし、この活性エネルギー線硬化性組成物B3を実施例1の活性エネルギー線硬化性組成物B1の代わりに使用し40℃に加温した250mm幅のマイクログラビアコーターにて3μmの厚さに塗布した以外は実施例1と同様にして、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを工程用離型フィルムとして積層した積層体を得た。得られた積層体について実施例1と同様の評価を行った結果は表1に示すとおりであり、総合的に×の判定であった。
(参考例1)
ポリウレタンアクリレート70質量部、トリプロピレングリコールジアクリレート20質量部、プロピレングリコール変性トリメチロールプロパントリアクリレート10質量部、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン3質量部をミキサーで室温にて20分撹拌混合して活性エネルギー線硬化性組成物A3とし、巻物から巻き出された厚さ100μmの光学用の平滑性に優れた2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム面に40℃に加温した250mm幅のダイコーターにて、70μmの厚さに塗布し、紫外線を高圧水銀ランプで400mJ/cm2の照度で照射して硬化させた。
この硬化物から円形の試料を切り出し、その上面にポリウレタンアクリレート50質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート30質量部、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアクリレート15質量部とメチルメタクリレート75質量部と2−ヒドロキシルエチルメタアクリレート5質量部とを重合させたフッ素樹脂化合物20質量部、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン3質量部を室温にてミキサーで20分撹拌混合した活性エネルギー線硬化性組成物B4を、40℃に加温してスピンコーターにて3μmの厚さに塗布した。その際、少なくとも10倍以上の余計な同組成物が飛散し材料ロスとなった。
その上からエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体3μmと2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム38μmが積層されたフッ素樹脂フィルムのエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体側と接触させ、フッ素樹脂フィルム側から紫外線を高圧水銀ランプで600mJ/cm2の照度で照射して硬化させ、フッ素樹脂フィルムを剥離除去して2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを工程用離型フィルムとして積層した円形枚葉の積層体を得た。得られた積層体について実施例1と同様の評価を行った結果は表1に示すとおりであり、総合的に×の判定であった。
Figure 2008044137

Claims (4)

  1. 分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を含む活性エネルギー線硬化性組成物Aの硬化物層の少なくとも一方の表面に、
    アクリレート系多官能活性エネルギー線重合性官能基を有する化合物及び、フッ素化(メタ)アクリレート系単量体を重合させたフッ素樹脂化合物を含む活性エネルギー線硬化性組成物Bからなる層を形成し、
    該活性エネルギー線硬化性組成物Bの層の表面にフッ素樹脂フィルムを接触させた状態でエネルギー線を照射して硬化させることを特徴とする活性エネルギー線硬化物積層体の製造方法。
  2. 活性エネルギー線硬化性組成物Aが、分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を90〜99質量%含み、
    活性エネルギー線硬化性組成物Bが、アクリレート系多官能活性エネルギー線重合性官能基を有する化合物を70〜89質量%と、フッ素化(メタ)アクリレート系単量体を重合させたフッ素樹脂化合物を10〜29質量%含むことを特徴とする請求項1に記載の活性エネルギー線硬化物積層体の製造方法。
  3. 前記活性エネルギー線硬化性組成物Aの硬化物層の少なくとも一方の表面に、前記活性エネルギー線硬化性組成物Bの硬化物層を形成させてなる活性エネルギー線硬化積層体であって、請求項1又は2に記載の方法によって製造されたことを特徴とする活性エネルギー線硬化物積層体。
  4. 請求項3に記載の活性エネルギー線硬化物積層体を、少なくとも一層積層して形成されてなることを特徴とする光ディスク。
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