JP2009173016A - 積層シート及び光記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】
光ディスク等に使用した場合に、ディスクに反りを生じさせない積層シートなどを提供する。
【解決手段】
基材層の少なくとも片面に、ハードコート層を積層してなる構成を備えた積層シートとし、各層が活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなり、以下の性質を具備させる。
(A)25℃における貯蔵弾性率が2000MPa以上
(B)基材層の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の損失正接の極大値としてのガラス転移温度が90℃以下
(C)100℃における貯蔵弾性率が100MPa以下
(D)80℃における引張り破断伸びが4%以上
【選択図】なし

Description

本発明は、透明で光学的に歪みが少なく、靱性、耐熱性、耐擦傷性を有し、2次加工に優れた、窓・ディスプレイ・光記録媒体等の一部の層を形成する際に好適に使用可能な積層シート、及び該シートを用いて形成された光記録媒体に関する。
近年ディスプレイ等光学製品、電子機器、情報記録部材等において光学的に歪みの小さいプラスチックフィルムが多く用いられ、かつ応用されている。このようなシートへの要求性能として光学的に歪みの少ない性質だけでなく、耐湿熱変形性、被着体への接着力、及び非汚染性などが挙げられる。特に高精密部品や光ディスクなどの先端技術の分野においては高温高湿等、厳しい環境条件下における信頼性が求められる場合が殆どであるが、これらの用途に用いられるフィルムは、流延法やコーティング法等にて形成されたものが殆どであり、材料も該加工法に適したものに限定される。そのため、上記フィルムは、耐
湿熱変形性、加工性、コストなどが折り合わず、用途や使用条件等において、著しい制約を受けているのが実情であった。
例えば、特許文献1では、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の加工方法としてコーティング法、特にスピンコーター法の優位性が示されている。
また、特許文献2には、UV硬化性のアクリル樹脂を用いた感圧接着剤付きのシートが示されている。
さらに、特許文献3には、プリンターにより出力される写真等の画像紙や、ディスプレイ等の表面に優れた耐擦傷性、耐水性や耐薬品性を付与でき、また歪が少なく、画像の鮮明性を向上させることができ、さらに厚みを薄くすることができる、ウレタンアクリレートを硬化させたハードコート付粘着シートが記載されている。
特開2003−231725号公報 特開2006−330714号公報 国際公開公報第2004/083330号パンフレット
特許文献1記載の発明では、厚さ50〜100μm程度のフィルムを得る場合、これらの方法では、厚さ精度が十分でないばかりでなく、使用される活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の飛散等によるロスも大きく、実用的とは言い難い。
また特許文献2記載の感圧接着剤付きのシートは、実施形態において表面の硬度や耐汚染性を考慮した設計になっておらず、実用的とは言い難い。
さらに特許文献3記載のハードコート付粘着シートは、該シートの総厚みが50μm以下と薄く、自立性に欠ける為両面にプロテクトフィルムを設ける必要があり、生産性が良いとは言えず実用的とは言い難いものであった。
そこで本発明は、透明で光学的な歪みが小さく、製膜性が良好であり、2次加工性に優れ、シートとしての自立性及び柔軟性を両立でき、例えば、光ディスク等に使用した場合には、ディスクに反りを生じさせない積層シートや、該積層シートを用いて形成された光ディスク、特に次世代型ディスクの高密度記録媒体、例えばブルーレイディスク、UDO等の光記録媒体を提供することを課題とする。
本発明者は、これら課題を解決するために鋭意検討した結果、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる積層シートを光ディスク等に貼り合わせて保護シートとして使用すると、積層シートを構成する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物が高温時に緩和されて収縮する応力として働くため、積層シートの湿熱寸法変化が大きく、使用温度範囲において、光ディスクに貼り合わせた際に、光ディスクに生じる反りが顕著であることを明らかにした。そこで、本発明者等は、さらに鋭意検討を重ね、基材層の少なくとも一方の面にハードコート層が積層された構成を備えた積層シートとし、該構成を備えた
積層シートが以下(A)〜(D)の物性を有することによって、収縮応力を低減できると共に、フィルム状に加工させても、脆く壊れやすい、腰がなく取り回し辛い等の問題が生ずることがなく、製膜性が良好であり、2次加工性に優れ、シートとしての自立性及び柔軟性を両立できることを見出し、本発明を完成するに至った。
(A)25℃における貯蔵弾性率が2000MPa以上
(B)基材層の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の損失正接の極大値としてのガラス転
移温度が90℃以下
(C)100℃における貯蔵弾性率が100MPa以下
(D)80℃における引張り破断伸びが4%以上
すなわち、本発明は、[1]基材層の少なくとも片面に、ハードコート層を積層してなる構成を備えた積層シートであって、各層が活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなり、かつ以下の(A)〜(D)の性質を有することを特徴とする積層シートや、
(A)25℃における貯蔵弾性率が2000MPa以上
(B)基材層の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の損失正接の極大値としてのガラス転
移温度が90℃以下
(C)100℃における貯蔵弾性率が100MPa以下
(D)80℃における引張り破断伸びが4%以上
[2]積層のシートの総厚みが70〜200μm以下であって、基材層に対するハードコート層の厚み比が1〜5%であることを特徴とする前記[1]記載の積層シートや、[3]基材層が、以下の(1)〜(6)に示す化合物を含有する組成物からなることを特徴とする前記[1]又は[2]記載の積層シートや、
(1)下記式1で表わされるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー20〜60質量部
Figure 2009173016
(但し、式中mは1〜4の整数を表わし、nは1〜10の整数を表わす。)
(2)アルキレンオキサイド基及び少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基を有するモノマー10〜60質量部
(3)分子内に1つの(メタ)アクリロイル基及び芳香族環構造を有するモノマー10〜50質量部
(4)分子内に1つの(メタ)アクリロイル基及び脂環構造を有するモノマー0〜20質量部
(5)エポキシ(メタ)アクリレート0〜20質量部
(6)光重合開始剤0.1〜10質量部
[4]ハードコート層が、以下の(1)〜(4)に示す化合物を含有する組成物からなることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれか記載の積層シートや、
(1)側鎖に少なくとも1つの(メタ)アクリロイルオキシ基及び下記式2で表わされる構造を含む重合体及び/又は分子内に少なくとも1つの(メタ)アクリロイルオキシ基と、フルオロアルキレンオキサイド基とを有する重合体5〜20質量部
Figure 2009173016
(但し、nは5〜100の整数を表す。)
(2)分子内に少なくとも3つの(メタ)アクリロイル基を含有するモノマー30〜60質量部
(3)分子内に1つの(メタ)アクリロイル基及び環構造を有するモノマー0〜20質量部
(4)光重合開始剤0.1〜10質量部
[5]光重合開始剤が、分子量300以上のαヒドロキシアセトフェノン誘導体、又はベンゾフェノン誘導体であることを特徴とする前記[3]又は[4]記載の積層シートに関する。
また本発明は、[6]前記[1]〜[5]のいずれか記載の積層シートからなる光ディスク用保護フィルムや、[7]前記[1]〜[5]のいずれか記載の積層シートを少なくとも1層積層してなる光記録媒体に関する。
本発明によると、透明で光学的な歪みが小さく、フィルム状に加工させても、脆く壊れやすい、腰がなく取り回し辛い等の問題が生ずることがなく、製膜性が良好であり、2次加工性に優れ、光ディスク等と貼り合わせて使用しても反りの問題が生じることのない積層シートを提供することができ、これらの性質を備えた該積層シートを積層して得られる光記録媒体は、上記の優れた光学的・機械的物性に加えて、積層の簡便性、厚さ精度、コストに優れ、その付加価値は工業的、商業的に極めて高いものである。特に、次世代型ディスクの高密度記録媒体、例えば、ブルーレイディスク、UDO等の光ディスクの少なく
とも1つの層を形成するのに好適なものである。
本発明の積層シートとしては、基材層の少なくとも片面に、ハードコート層を積層してなる構成を備えた積層シートであって、各層が活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなり、かつ以下の性質を有するものであれば、特に制限されるものではなく、積層シートが以下の(A)〜(D)の性質、すなわち室温付近においては高い弾性率をもち、かつ高温時に軟質化して高温域において適度な伸びを維持している、を有することで、収縮応力を低減できると共に、フィルム状に加工させても、脆く壊れやすい、腰がなく取り回し辛い等の問題が生ずることがない。より詳しくは、積層シートを構成する基材層の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物のガラス転移温度を90℃以下とすることによって、ポリカーボネート(ガラス転移温度150℃)等の各種エンジニアプラスチックやPMMA(ポリメチルメタクリレート;ガラス転移温度105℃)等の樹脂基板に貼合して使用する際、被着体の耐熱温度域における寸法変化に該シートが追随し、被着体と本発明の積層シートとの間に発生する歪み(寸法変化差)を有効に緩和する。このとき表面に設けられたハードコート層は高温域でも適度な表面硬度を維持するように(ガラス転移温度が90℃よりさらに高く)設計されるが、ハードコート層によって前述した応力緩和性が損なわれないように、高温度領域における積層シートの弾性率は100MPa以下に(高くなりすぎないよう)調整して、適度な伸びを維持しているように設計されている。また、積層シートの総厚みを70μm〜200μm以下とすることにより、優れた自立性及び柔軟性を両立することができ、基材層に対するハードコート層の厚み比を1〜5%とすることにより、表面硬度を付与すると共に、湿熱寸法変化差を緩和することができ、光ディスクに生じる反りの発生を顕著に抑制できる。このように、各層固有の物性を損なうことなく、積層シートの湿熱寸法変化差を緩和することができるため、積層シートの総厚みや、積層シートを構成する各層の厚みを調整することが好ましい。なお、ここで貯蔵弾性率とは、動的粘弾性測定法により(JIS K7244−4)、周波数10Hz、ひずみ0.1%にて測定した所定の温度における弾性率の値であり、ガラス転移温度とは、同測定法により測定される損失正接(Tanδ)の極大値における温度をいう。また、引っ張り破断伸びは、その測定方向が、製膜時における流れ方向(MD)及びそれに直交する方向(TD)のいずれか一方又は双方に適用されるものとする。
(A)25℃における貯蔵弾性率が2000MPa以上
(B)基材層の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の損失正接の極大値としてのガラス転
移温度が90℃以下
(C)100℃における貯蔵弾性率が100MPa以下
(D)80℃における引張り破断伸びが4%以上
また、本発明の積層シートを構成する各層は、不揮発性成分濃度が95%以上である活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物からなることが好ましい。このように実質無溶剤の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を使用することにより、被着体への汚染性を低減することが可能となり、特に高精密部品や光ディスクなどの先端技術の分野において効果を発揮する。
積層シートの総厚みは、70〜200μm以下とすることが好ましく、中でも75〜100μm以下とすることが好ましい。また、基材層に対するハードコート層の厚み比は1〜5%であることが好ましく、1〜3%とすることがより好ましい。
(基材層)
上記基材層は、(メタ)アクリレート系モノマー、オリゴマー、ポリマー又はそれらの混合物を含む活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなり、紫外線、電子線等の活性エネルギー線により硬化して形成されるものである。該活性エネルギー線硬化性樹脂組成物としては、特に制限されるものではなく、例えば、活性エネルギー線で硬化する、ウレタン(メタ)アクリレート系、エポキシ(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリブタジエン(メタ)アクリレート系、ポリオールポリ(メタ)アクリレート系などのモノマー型やオリゴマー型活性エネルギー線硬化性樹脂を主成分とし、その他光重合性モノマーや、光重合開始剤を含有する組成物が挙げられる。具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、ヒドロキシエチルアクリレート、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルアクリレート、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルアクリレート、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、ヒドロキシエチルメタクリレート、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルメタクリレート等の単官能基型モノマー、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等の多官能型モノマー、アジピン酸/1,6ヘキサンジオール型オリゴマージアクリレート、無水フタル酸/プロピレンオキシド型オリゴマージアクリレート、トリメリット酸ジエチレングリコール型オリゴマートリアクリレート、アジピン酸/1,6ヘキサンジオール型オリゴマージメタクリレート、無水フタル酸/プロピレンオキシド型オリゴマージメタクリレート、トリメリット酸ジエチレングリコール型オリゴマートリメタクリレート等の多官能ポリエステルアクリレート系オリゴマー、ビスフェノールA/エピクロルヒドリン型オリゴマーアクリレート、フェノールノボラック/エピクロルヒドリン型オリゴマーアクリレート、環状脂肪族エポキシドとアクリル酸の付加型、ビスフェノールA/エピクロルヒドリン型オリゴマーメタクリレート、フェノールノボラック/エピクロルヒドリン型オリゴマーメタクリレート、環状脂肪族エポキシドとメタクリル酸の付加型等の多官能エポキシアクリレート、トリレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、メチレンジフェニルジイソシアナート、キシリレンジイソシアナート、イソフォロンジイソシアナート等のジイソシアナートと多官能アルコールの反応したウレタンオリゴマーより誘導されるウレタン(メタ)アクリレートリレート等のアクリル酸誘導体が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いることができる。
上記(メタ)アクリレート系モノマー、オリゴマー、ポリマー又はそれらの混合物を含む活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の中でも、ウレタン(メタ)アクリレートを主剤とし、(メタ)アクリレートモノマー等の反応性希釈剤などを含有することで、積層シートとした際に、25℃における貯蔵弾性率が2000MPa以上であり、かつ100℃における貯蔵弾性率が100MPa以下に調整することが好ましい。貯蔵弾性率がこの範囲内とすることが重要であり、この範囲とするには、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の配合を調整すれば良いが、中でも、特に(1)ウレタン(メタ)アクリレート20〜60質量部、(2)アルキレンオキサイド基及び少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基を有するモノマー10〜60質量部、(3)分子内に1つの(メタ)アクリロイル基及び芳香族環構造を有するモノマー10〜50質量部、(4)分子内に1つの(メタ)アクリロイル基及び脂環構造を有するモノマー0〜20質量部、(5)エポキシアクリレートオリゴマー0〜20質量部、(6)光重合開始剤0.1〜10質量部を含有してなる組成物を用いるのが好ましい。なお、このような組み合わせを採用することによって、不揮発性成分濃度が95%以上である活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる積層シートとすることも可能であり、被着体への非汚染性を低減することができる。なお、上記不揮発性成分濃度が95%以上である活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の配合が、上記に限定されないことは当然である。
基材層に用いられる上記(1)ウレタン(メタ)アクリレートは、フィルムの靱性及び硬化性を付与させるのに適しており、20〜60%含有することが好ましい。この範囲に調整することによって、フィルムの硬度、靱性に優れ、かつ粘度が高くなりすぎないため、フィルムへの賦形性に優れる。ウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、脂肪族ポリオール又は脂肪族ポリオールグリシジルエーテルと、脂環式ジイソシアネートとをウレタン縮合させた化合物に水酸基含有(メタ)アクリレートを付加させることにより合成できるウレタン(メタ)アクリレートを挙げることができる。
脂肪族ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサンジオール等のアルキルポリオールが挙げられ、脂肪族ポリオールグリシジルエーテルとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテルポリオール等のグリコール系化合物が挙げられる。これらは、一種単独で、又は二種以上を併用して用いることができる。それらの中でも、テトラメチレングリコール骨格が好ましい。
水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとカプロラクトンの付加物、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートとカプロラクトンの付加物、トリメチロールプロパンジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等が挙げられる。これらは、一種単独で、又は二種以上を併用して用いることができる。それらの中でも、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましい。
ジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族系のジイソシアネートの他、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン、1,2−水添キシリレンジイソシアネート、1,4−水添キシリレンジイソシアネート、水添テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂肪族系のジイソシアネートが挙げられる。これらは、一種単独で、又は二種以上を併用して用いることができる。これらの中でも、脂環式ジイソシアネート化合物が好ましく、中でもイソホロンジイソシアネートが、光線透過率、耐熱変形性、耐熱分解性の面で優れているためより好ましい。
上記のようにして得られるウレタン(メタ)アクリレートの中でも、イソホロンジイソシアネートとポリテトラエチレングリコールをウレタン縮合させた末端を(メタ)アクリル化した下記式1で示されるウレタン(メタ)アクリレートがより好ましく、中でも、重量平均分子量が600〜10000、さらに好ましくは1000〜4000で、分子内にウレタン結合が4〜20程度存在している構造の末端に4−ヒドロキシブチルアクリレートを反応させて得たウレタン(メタ)アクリレートが最も好ましい。
Figure 2009173016
(但し、式中mは1〜4の整数を表わし、nは1〜10の整数を表わす。)
上記(2)アルキレンオキサイド基及び少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基を有するモノマーとしては、ダイコート等の一般的な製膜方法で組成物を製膜する際、高い厚み精度で塗膜が得られやすく、かつ表面の平滑性を付与できるものであって、例えば、2官能以上の(メタ)アクリレート官能基により塗膜に架橋構造を持たせ、かつ主鎖が適度に剛直な骨格であることが好ましく、下記式1−1で表される化合物が挙げられる。
Figure 2009173016
(但し、Rは水素又はメチル基を表し、n、mは1〜4の整数を表す。)
上記(2)アルキレンオキサイド基及び少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基を有するモノマーとしては、具体的に、エチレングリコール変性ビスフェノールAジアクリレート、エチレングリコール変性ビスフェノールFジアクリレート、(ポリ)エチレングリコールジアクリレート、(ポリ)プロピレングリコール変性ビスフェノールAジアクリレート、(ポリ)プロピレングリコール変性ビスフェノールFジアクリレート、(ポリ)エチレンプロピレングリコール変性ビスフェノールAジアクリレート、(ポリ)エチレンプロピレングリコール変性ビスフェノールFジアクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジアクリレート、グリセリングリシジルエーテルジアクリレート、トリプロピレングリコールグリシジルエーテルジアクリレート、ブタンジオールジアクリレート、ヘキサジオールジアクリレート、EO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、PO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、EO変性ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート、PO変性ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート、等を挙げることができる。中でも、低粘度で硬化前の表面張力が比較的高く、硬化後の塗膜に適度な硬度を持たせることが出来ることから、EO変性ビスフェノールAジアクリレートが好ましい。
上記(3)分子内に1つの(メタ)アクリロイル基及び芳香族環構造を有するモノマーとしては、比較的低分子量で粘度が低く単独の重合物の伸びが大きいもので、結果、組成物の粘度を下げ靭性を改良しやすい構造であることが好ましく、具体的には、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシ−プロピル(メタ)アクリレート(=エピクロロヒドリン変性フェノキシ(メタ)アクリレート)を挙げることができる。
上記(4)分子内に1つの(メタ)アクリロイル基及び脂環構造を有するモノマーとしては、1官能の(メタ)アクリロイル基をもつ脂環(メタ)アクリレートオリゴマーで、脂環構造は硬化物組成に硬度を付与させる構造がよく、具体的には、ノルボルニル環、アダマンチル環、ジシクロペンタン環、トリシクロデカン環、テトラシクロドデカン環、ボルネン環、デカヒドロナフタレン環、ポリヒドロアントラセン環、トリシクレン、コレステリック環などのステロイド骨格、胆汁酸、ジギタロイド環、ショウノウ環、イソショウノウ環、セスキテルペン環、サントン環、ジテルペン環、トリテルペン環、ステロイドサポニン環などが挙げられ、中でも、得られる活性エネルギー線硬化組成物の表面硬度に優れることから、トリシクロデカン骨格をもつ(メタ)アクリレートが好ましい。これら脂環(メタ)アクリレート成分は、所望により1種もしくは2種以上を混合して使用することができる。なお、前記(4)分子内に1つの(メタ)アクリロイル基及び脂環構造を有するモノマーは、必要に応じて配合するものであり、配合すれば、組成物のフィルム化加工性、耐熱変形性、耐熱分解牲、コスト向上の効果を得ることができる。
上記(5)エポキシ(メタ)アクリレートとしては、二つ以上の(メタ)アクリロイル基を有するエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーで分子量や極性が高いもので、アクリロイル基の反応で容易に物性が向上しやすい構造が良く、例えば、1,4ブタンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエ−テル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、脂肪族ポリオールポリグリシジルエーテル、ポリグリコールジエポキサイド、ヒマシ油ポリグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加ジグリシジルエーテル、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加ジグリシジルエーテル、フタル酸及びジヒドロフタル酸等の二塩基酸とエピハロヒドリンとの反応によって得られるジグリシジルエステル化合物;アミノフェノール及びビス(4−アミノフェニル)メタン等の芳香族アミンとエピハロヒドリンとの反応によって得られるエポキシ化合物;1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]プロパン、フェノールノボラック型エポキシ樹脂及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等の多官能エポキシ化合物の(メタ)アクリル酸付加体が挙げられる。
さらに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノキシフルオレンジグリシジルエーテル、ビスフェノキシフルオレンエタノールジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、トリシクロデカンジメタノールジグリシジルエーテル等のエポキシ樹脂に、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ダイマー、カプロラクトン変性(メタ)アクリル酸等の不飽和一塩基酸類を反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
これらエポキシ(メタ)アクリレートの中でも、得られる組成物の硬化後の耐熱性を向上できることから、ビスフェノ−ルAジグリシジルエ−テル、ビスフェノ−ルFジグリシジルエ−テル、ビスフェノ−ルAエチレンオキサイド付加ジグリシジルエ−テル、ビスフェノ−ルAプロピレンオキサイド付加ジグリシジルエ−テル等の多官能エポキシ化合物の(メタ)アクリル酸付加体であるビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート化合物類、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールS型エポキシ(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレート等のビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート類が好適であり、その中でも、粘度と耐熱性のバランスに優れることから、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート及びビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレートがさらに好ましく、ビスフェノールAグリシジルエーテル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
また、下記式1−2で表されるビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
Figure 2009173016
(但し、R1、R2は水素又はメチル基を表し、nは1から12の整数を表す。)
また、得られる組成物の重合に伴う体積収縮率を低くする点においては、重量平均分子量400〜4000の範囲にあることが好ましく、上記一般式1−2においては、n=1〜12の範囲が好ましい。
ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレートの重量平均分子量が4000を超えると組成物の粘度が極端に高くなり、加工性が低下する傾向にある。よって、本発明では、ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレートを使用する場合、重量平均分子量が400〜4000のものを使用することがより好ましい。これらエポキシ(メタ)アクリレートは所望により1種もしくは2種以上を混合して使用することができる。
なお、上記(5)エポキシアクリレートオリゴマーも、必要に応じて配合するものであり、配合すれば、耐熱変形性、耐熱分解牲、2次加工性、コスト向上の効果を得ることができる。
上記(6)光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェン、メチルオルトベンゾイルベンゾエイト、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2-ヒロドキシ-1-[4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル]-2-メチル-プロパン-1-オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2−メチル−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、メチルベンゾイルホルメート等を例示することができる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。これらの中でもラジカル発生後の分解物が揮発性成分とならないアセトフェノン誘導体、具体的には2-ヒロドキシ-1-[4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル]-2-メチル-プロパン-1-オン等や、ラジカル発生後も分解物を発生しないベンゾフェノン誘導体等が透明性、耐久性の面で好適である。光開始剤の量は、組成物の硬化性等に応じて適宜調整されるが、典型的には本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物100重量部に対して、1〜10重量部である。
(ハードコート層)
上記ハードコート層は、アクリレート系モノマー、オリゴマー、ポリマー又はそれらの混合物を含む活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなり、紫外線、電子線等の活性エネルギー線により硬化して形成されるものである。活性エネルギー線硬化性樹脂組成物としては、先に説明した基材層と同様の活性エネルギー線硬化性樹脂に、各種活性エネルギー線硬化性ハードコート剤を含有させたものを使用することができる。
活性エネルギー線硬化性ハードコート剤としては、特に制限されるものではなく、例えば、シリコーン系ハードコート剤や、フッ素系ハードコート剤を挙げることができる。これらの中でも、特に(1)側鎖に少なくとも1つの(メタ)アクリロイルオキシ基及び下記式2で表わされる構造を含む重合体及び/又は分子内に少なくとも1つの(メタ)アクリロイルオキシ基とフルオロアルキレンオキサイド基とを有する重合体5〜20質量部、(2)分子内に少なくとも3つの(メタ)アクリロイル基を含有するモノマー30〜60質量部、(3)分子内に1つの(メタ)アクリロイル基及び環構造を有するモノマー0〜20質量部、(4)光重合開始剤0.1〜10質量部を含有してなる組成物を用いるのが好ましい。なお、このような組み合わせを採用することによって、不揮発性成分濃度が95%以上である活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる積層シートとすることも可能であり、被着体への非汚染性を低減することができる。なお、上不揮発性成分濃度が95%以上である活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の配合が、上記に限定されないことは当然である。
Figure 2009173016
(但し、nは5〜100の整数を表す。)
上記(4)光重合開始剤としては、基材層と同様のものを挙げることができる。
本発明の積層シートの構成としては、基材層の少なくとも片面に、ハードコート層を積層してなる構成を備えるものであれば、特に制限されず、ハードコート層の反対面に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなる粘着材層を積層させることもできる。
(粘着材層)
上記粘着材層としては、例えば、(メタ)アクリレート系モノマー、オリゴマー、ポリマー又はそれらの混合物を含む活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を含有してなり、紫外線、電子線等の活性エネルギー線により硬化して形成されるものや、その他にも、アクリル系、ポリエステル系、ウレタン系、ゴム系、シリコーン系等のいずれであってもよく、活性エネルギー線硬化性タイプのもの以外にも、熱硬化性タイプのものを用いることもでき、これらの混合系であってもよく、必ずしも制限されない。
これら(メタ)アクリレート系モノマー、オリゴマー、ポリマー又はそれらの混合物を含む活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の中でも、ウレタン(メタ)アクリレートを主剤として、(メタ)アクリレートモノマー等の反応性希釈剤などを含有することで、積層シートとした際に、25℃における貯蔵弾性率が1000MPa以上であり、かつ100℃における貯蔵弾性率が100MPa以下とすることが好ましい。貯蔵弾性率をこの範囲内とすることが重要であり、この範囲内とするには活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の配合を調整すれば良いが、中でも、(1)ウレタン(メタ)アクリレート50〜90質量部、(2)分子内に1つの(メタ)アクリロイル基及び炭素数4以上の脂肪族構造を有する化合物10〜50質量部、及び(3)光重合開始剤1〜10質量部を含有してなる組成物を用いるのが好ましい。
粘着材層に用いられる上記(1)ウレタン(メタ)アクリレートとしては、未硬化時の塗工適性と硬化物の粘着特性を両立させた構造が好ましく、ポリオールとイソシアネートを縮合させた構造に、水酸基含有アクリレートを1分子中1ないし2当量結合させて得られるウレタン(メタ)アクリレート、例えば下記式3で示されるウレタン(メタ)アクリレートを挙げることができる。
Figure 2009173016
(但し、式中、R1は炭素数4以上のアルキル基、R2は脂肪族イソシアネート化合物残基、R3は分子量300以上のポリオール残基、R4は水素又は炭素数4以上のアルキルアクリレート基を表わす。)
式中R2はイソシアネート残基を表わしており、具体例としては、トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族系のジイソシアネートの他、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン、1,2−水添キシリレンジイソシアネート、1,4−水添キシリレンジイソシアネート、水添テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂肪族系のジイソシアネートが挙げられる。これらの中でも脂肪族のイソシアネート化合物が好ましく、中でもイソホロンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネートの多量体が光線透過率、耐熱分解性の面で優れているためより好ましい。
式中R3はポリオール残基を表わしており、硬化物の柔軟性やタックを付与させる為、及び硬化前の化合物粘度が高く成りすぎない為に極性の低い構造が好ましく、具体的には分子量300以上の高分子量脂肪族ポリオールが好ましく、ポリイソブチレンポリオールやポリブタジエンポリオール等を例示することができる。式中のR4は水素又は水酸基含有アクリレートの残鎖である。水酸基含有アクリレートは特に限定されないが、アルコール残鎖が炭素数4〜20のアルキルアルコールであるアクリレート化合物が好ましい。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの中でも、好ましくは分子量10000〜200000、より好ましくは分子量15000〜100000のウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。この範囲とすることによって、硬化物の架橋密度が高くならず、粘着剤としてのタックや柔軟性に優れ、かつ製膜性に優れる。
上記(2)分子内に1つの(メタ)アクリロイル基及び炭素数4以上の脂肪族構造を有する化合物としては、例えば、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、デシルアクリレート、イソデシルアクリレート、カプロラクトンアクリレート、ノニルアクリレート、ノニルフェノキシエチレングリコールアクリレート等の脂肪構造を有するアクリレート化合物もしくはその誘導体が挙げられる。
上記(3)光重合開始剤としては、フィルム層と同様のものを挙げることができる。
各層を構成する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物として上記以外の成分としては、他の光硬化性のオリゴマー・モノマーや、増感剤、架橋剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、充填材、熱可塑性樹脂・染料・顔料等の着色剤等が硬化や透明性、耐熱性等の物性に効果的かつ支障とならない範囲で添加できる。
本発明の積層シートの製造方法としては、特に制限されるものではなく、例えば、連続して定速駆動する工程用離型フィルム・ベルト・ロール上に十分混合分散した活性エネルギー線硬化性樹脂組成物よりなる基材層成分を定量供給して表面張力や加熱、加圧効果によりフィルム状に賦形し、活性エネルギー線を照射して硬化させ、基材層を形成し、その上に続けて、ハードコート層を同様にして順に製膜し、積層することで製造することができる。なお、他の層、例えば、粘着材層をさらに積層する場合においては、離型フィルム上に粘着材層を形成し、該粘着材層に上記の方法によって、基材層及びハードコート層を積層すれば良い。
本発明の各層を構成する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の定量供給にあたっては、グラビアコーティング、ロールコーティング、ロッドコーティング、ナイフコーティング、ブレードコーティング、スクリーンコーティング、ダイコーティング、カーテンフローコーティング等を用いることができる。これらの中から本発明の組成物をシート化する際の該シートの厚さなどに応じて適当な方式を選択すればよい。例えば、厚さ70〜200μmの積層シートを得る場合、これらの厚さはコーティング加工で得るシートの厚さとしては厚い領域にあり、厚さ精度、加工の手間、外観などを考慮すると、特にダイコーティング方式で、組成物を硬化成分が実質100%の無溶剤系とした組み合わせが好ましい。ここで実質100%は、組成物処方上溶剤や揮発成分を使用しないか、もしくは所定の条件で除去した内容で溶剤残留や光開始剤残さが実性能上への弊害の低さから無視できるものとする。組成物の無溶剤化による粘度の上昇に伴うコーティング加工性への影響に対しては組成物での材料選択や加熱により調整できる。
工程用離型フィルムとしてはポリエチレンフィルム、2軸延伸ポリプロピレンフィルム、ポリ4メチルペンテン−1フィルム、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、2軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム、フッ素樹脂フィルム等の離型性、寸法安定性、平滑性に優れたフィルムが利用でき、好ましくは光学用の平滑性に優れた2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムで、より好ましくはさらにシリコーンコーティングで離型処理された光学用の平滑性に優れた2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである。離型性の程度は組成物を硬化させた後の離型性の他、コーティングした時のフィルム形態のぬれ安定性、密着性とのバランスで調整される。また離型フィルムの厚さとしては主に本発明の組成物をコーティングする時の安定性、硬化後の硬化収縮による反り抑制、硬化に関わる活性エネルギー線透過性、離型フィルムコストのバランスで調整され、実用的には50〜250μmである。
工程用離型ベルトはステンレスや表面メッキ加工鋼など平滑性、寸法安定性に優れたシート材をシームレスに継いで2本以上のロールに掛けてロールの駆動により連続定速加工に利用する。表面をさらにフッ素樹脂やセラミック等でコーティングして高離型化することもできる。工程用離型ロールは表面メッキ加工鋼にさらにフッ素樹脂やセラミック等でコーティングして離型化される。これらはシート化にあたり片面のみ接触した状態で組成物を賦形してもう片面は大気接触状態で加工することもできるし、種々の組み合わせで両面工程用離型材を接触させて加工することもできる。ただし、活性エネルギー線として紫外線を応用した場合には、その低透過性の制約により片面は少なくとも大気もしくは(透明プラスチック)フィルムが必須であり、エネルギー線の照射は大気もしくは(透明プラスチック)フィルム側に限定される。
工程用離型フィルムを用いない場合は単独の積層シートが得られるので、そのままロール状に巻き取り断裁して枚葉化するなどの形態で、光学機能調整用フィルム化等具体的な用途に供することになる。一方、工程用離型フィルムを用いた場合にはそれと積層シートとの離型フィルム付積層シートとして得られるので、硬化後に工程用離型フィルムを剥離して首記同様の対応ができるほか、剥離せずにそのまま積層された形態で具体的な用途に供し工程用離型フィルムを保護フィルムないし具体的な用途での工程用離型フィルムとした内容も本主旨の範囲である。
各化合物原料の混合物に照射して硬化させるための活性エネルギー線としては、特に制約なく、工業的に利用できるものが応用でき、紫外線、電子線、γ線、X線等が挙げられるが、透過厚さ、エネルギー、設備コスト、光開始剤や増感剤等添加剤のコスト・品質への負荷等総合的に判断すると特に紫外線が利用しやすい。紫外線源としては低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、キセノンランプ等の紫外線ランプをはじめ、各種発光特性のものが特に制限なく利用でき、フィルム厚さや硬化状況等に応じて適宜調整ができる。また、エネルギーに関しても同様に調整することができ、照度として概ね0.1〜5J/cm2である。さらに照射効率を向上するために照射雰囲気を窒素等の不活性ガスとしたり成形した組成物を加温したりしながら照射することも可能である。
本発明の光記録媒体は、例えば、表面にピット、グルーブ等の凹凸パターンが形成されて信号記録面とされているディスク基板上に保護膜を兼ねた光透過層を設け、この光透過層側からレーザー光を照射して情報の記録、再生を行うようにした光ディスクであって、該光透過層として上記の本発明の積層シートが用いられる。ディスク基板上に光透過層を形成するには、例えば、ディスク基板上に形成された記録膜(信号記録面)の表面に、本発明の積層シートに粘着材層等を積層させて、該粘着材層面を貼着した後、該積層シートに対して活性エネルギー線を照射し、硬化させればよい。
この場合、光信号の劣化を防止するには積層シートの光透過率は高ければ高いほどよく、380〜800nmの範囲の波長域の光の透過率は88%以上であり、特に400〜410nmの範囲の波長域の光の透過率は90%以上であることが好ましい。本発明の光記録媒体に対して適用される光信号の波長は特に限定されないが、一般に光ディスクの読み取りや書き込みに使用されている波長380〜800nmの範囲のレーザー光であってよく、特に光ディスクの記録容量を高密度にできる400nm前後の青紫色レーザー光であれば、上記のようにこの波長域の透過率が90%以上もあることから、極めて好ましい。
<製造例1>
(ハードコート層成分の合成)
[(1)側鎖にシリコーン及びメタクリロイル基を含有するポリマーAの合成]
攪拌機、温度計、コンデンサー、及び窒素ガス導入口を備えた反応器に、トルエン500重量部、エチルアクリレート300重量部及び2−ヒドロキシエチルアクリレート300質量部を入れて、窒素雰囲気下にて80℃まで昇温させた。そこへ、片末端にメタクリロイル基を含有するシリコーンオイル(X−22−174DX:信越シリコーン製)180重量部と重合触媒のアゾビスイソブチロニトリル10部の混合物を30分かけて滴下した。前記熱媒で過熱を防止しつつ2時間重合処理した後、イソシアネートアクリレート(カレンズMOI:昭和電工製)220重量部及び重合触媒のジブチル錫ジラウレート1重量部の混合物を滴下しつつ2時間重合処理し、重量平均分子量2万(ゲルパーミェーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算)のシリコーン構造及びメタクリロイル基を側鎖にもつアクリル共重合体を得た。
(ハードコート層の硬化性樹脂組成物の調製)
製造例1で得たアクリル共重合体8質量%に対してにペンタエリスリトールテトラアクリレート50質量%、エトキシフェニルアクリレート20質量%、テトラヒドロフルフリルアクリレート20質量%となるように混合したのち減圧濃縮して揮発性成分が5%以下になるよう脱溶剤した後ビスアシルフォスフィンオキサイド2質量%を混合溶解し、ハードコート層の硬化性樹脂組成物を得た。温度を25℃に保った状態で、東機産業製B型粘度計(TVB−10)にH2形ローターを取り付け、回転数100rpmの条件で、組成物の粘度を測定したところ250mPa・sであった。
(基材層の硬化性樹脂組成物1の調製)
ウレタン(メタ)アクリレートリレートとして、下記式1に示したウレタン(メタ)アクリレートリレート(イソホロンジイソシアネートとテトラメチレングリコールをウレタン縮合させた末端に4−ヒドロキシブチルアクリレートを付加して得たウレタン(メタ)アクリレートリレート(重量平均分子;1000〜4000)38質量%、エチレンオキサイド(4モル)変性ビスフェノールAジアクリレート30質量%、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート20質量%、イソボニルアクリレート10質量%、及び2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン2質量%を、混合溶解し、基材層の硬化性樹脂組成物1を得た。
Figure 2009173016
(基材層の硬化性樹脂組成物2の調製)
上記組成物1と同様のウレタン(メタ)アクリレート48質量%、ビルフェノールAエポキシアクリレート20質量%、トリシクロデカンジアクリレート30質量%、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン2質量%を、混合溶解し、基材層の硬化性樹脂組成物2を得た。
(基材層の硬化性樹脂組成物3の調製)
上記組成物1と同様のウレタン(メタ)アクリレート48質量%、トリシクロデカンジアクリレート50質量%、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン2質量%を、混合溶解し、基材層の硬化性樹脂組成物3を得た。
(基材層の硬化性樹脂組成物4の調製)
上記組成物1と同様のウレタン(メタ)アクリレート48質量%、ビルフェノールAエポキシアクリレート20質量%、ノニルフェノキシエチレングリコールアクリレート30質量%、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン2質量%を、混合溶解し、基材層の硬化性樹脂組成物4を得た。
<実施例1>
離型性を有した厚さ100μmの平滑なポリエチレンテレフタレートフィルムにダイコータにて基材層の硬化性樹脂組成物1を厚さ78μmにて製膜し、高圧水銀ランプにて照射強度200mW/cm2、積算光量600mJとなるように活性エネルギー線を照射した後、ハードコート層を基材層の上にグラビアコータにて塗工厚みが2μmになるよう塗工して、メタルハライドランプにて活性エネルギー線を照射強度200mW/cm2、積算照射量400mJ/cm2となるように照射し、積層シート1を得た。
<実施例2>
離型性を有した厚さ100μmの平滑なポリエチレンテレフタレートフィルム上に2層ダイにて基材層の硬化性樹脂組成物1/ハードコート層の2層を、厚み79μm/1μmにてハードコート層が上になるように塗工し、高圧水銀ランプにて積算光量800mJ/cm2となるように活性エネルギー線を照射して積層シート2を得た。
<実施例3>
基材層/ハードコート層の厚みをそれぞれ76μm/4μmにした以外は実施例2と同様にして積層シート3を得た。
<実施例4>
基材層の硬化性樹脂組成物2を用いる以外は実施例1と同様にして積層シート4を得た。
<比較例1>
離型性を有した厚さ100μmの平滑なポリエチレンテレフタレートフィルムにダイコータにて基材層の硬化性樹脂組成物1を厚さ80μmにて製膜し、高圧水銀ランプにて照射強度200mW/cm2、積算光量600mJとなるように活性エネルギー線を照射した後、ハードコート層を基材層の上にダイコータにて10μm塗工してメタルハライドランプにて活性エネルギー線を照射強度200mW/cm2、積算照射量400mJ/cm2となるように照射し、積層シート5を得た。
<比較例2>
基材層の硬化性樹脂組成物3を用いる以外は実施例1と同様にして積層シート6を得た。
<比較例3>
基材層/ハードコート層の厚みが、それぞれ30μm/5μmである以外は実施例1と同様にして積層シート7を得た。
<比較例4>
基材層の硬化性樹脂組成物4を用いる以外は実施例1と同様にして積層シート8を得た。
<比較例5>
離型性を有した厚さ100μmの平滑なポリエチレンテレフタレートフィルムにダイコータにて基材層の硬化性樹脂組成物1を厚さ80μmにて製膜した後、高圧水銀ランプにて照射強度200mW/cm2、積算光量600mJとなるように活性エネルギー線を照射して積層シート9を得た。
<フィルム物性評価>
(動的粘弾性)
得られた積層シート1〜9について、アイティ計測制御社製“DVA−200”を用いて、10Hz、3℃/分の速度で−50℃から150℃まで昇温させ、25℃、100℃における貯蔵弾性率及び損失正接(tanδ)の極大値におけるガラス転移温度を計測した。結果は表1に記した。なお、ガラス転移温度は、積層シート1〜9を構成する各基材層の硬化性樹脂組成物の値である。
(引張り破断伸び)
得られた積層シート1〜9の行程用離型フィルムを剥離して10mm幅の短冊状にし、フィルム引っ張り試験機((株)インテスコ社製205X)を用いて80℃に加温したチャンバー内にて、引張り速度5mm/分にて引張り試験を行い、破断時の伸び(%)を計測した。結果は表1に記す。
<シート加工性評価>
得られた積層シートの工程用基材を剥がしてトムソン刃による裁断加工を10枚行い、裁断時の状況に応じて以下の評価を行った。
○:全てきれいに問題なく切断された。
×:切断面に細かい亀裂が入るものが見られた。
<硬化物層を有する光ディスクの作製及び評価>
ディスク状に成形された1.1mm厚のポリカーボネート上にAg反射膜、ZnS−SiO2 誘電体層、Sb・Te系相変化記録膜、ZnS−SiO2誘電体層の順に無機層が積層された基板上に、上記積層シート1〜9の100μm行程用離型フィルムを剥離して総厚みが100μmになるようアクリル系粘着シートを貼り合わせて基板の無機層積層側に貼り合わせ、ディスクサンプル1〜9を作製し、以下の評価を行った。
<表面性能評価>
(鉛筆硬度)
得られたディスクサンプルについて積層シート側表面の鉛筆硬度を測定し、HB以上を○、B以下を×と判定した。
(耐擦り傷性)
得られたディスクサンプル状に#0000のスチールウールを加重250gにて10往復させ、傷付かないものを○、傷のついたものを×と判定した。
<耐久性評価>
(耐腐食試験)
上記ディスクサンプルを温度80℃、湿度85%RHの恒温恒湿槽にて200時間静置
した後、ディスクサンプルの外観を目視で判断し、以下の判定を行った。
○:蒸着層の腐食、保護膜の剥離、割れ等はみられなかった。
×:蒸着層の腐食もしくは保護膜の剥離、割れが見られた。
(反り耐久性試験)
得られた光ディスクを80℃85%相対湿度下で500時間置いた後の反りについて次の判定を行った。
○:初期反り角と80℃85%相対湿度下で500時間後の反り角の差が0.4°未満。
×:初期反り角と80℃85%相対湿度下で500時間後の反り角の差が0.4°以上。
(ヒートショック試験)
得られた光ディスクを25℃から55℃の温度環境下に急変させた時の反り変化量について次の判定を行った。
○:25℃温度環境下における反り角と55℃に環境急変させたときの反り角の差が0.6°未満
×:25℃温度環境下における反り角と55℃に環境急変させたときの反り角の差が0.6°以上
(総合評価)
フィルム加工性、表面性能及び耐久性評価全ての試験について○の評価を得た場合を総合評価○とし、一つでも×の評価がある場合を総合評価×とした。
Figure 2009173016

Claims (7)

  1. 基材層の少なくとも片面に、ハードコート層を積層してなる構成を備えた積層シートであって、各層が活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなり、
    かつ以下の(A)〜(D)の性質を有することを特徴とする積層シート。
    (A)25℃における貯蔵弾性率が2000MPa以上
    (B)基材層の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の損失正接の極大値としてのガラス転移温度が90℃以下
    (C)100℃における貯蔵弾性率が100MPa以下
    (D)80℃における引張り破断伸びが4%以上
  2. 積層のシートの総厚みが70〜200μm以下であって、基材層に対するハードコート層の厚み比が1〜5%であることを特徴とする請求項1記載の積層シート。
  3. 基材層が、以下の(1)〜(6)に示す化合物を含有する組成物からなることを特徴とする請求項1又は2記載の積層シート。
    (1)下記式1で表わされるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー20〜60質量部
    Figure 2009173016
    (但し、式中mは1〜4の整数を表わし、nは1〜10の整数を表わす。)
    (2)アルキレンオキサイド基及び少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基を有するモノマー10〜60質量部
    (3)分子内に1つの(メタ)アクリロイル基及び芳香族環構造を有するモノマー10〜50質量部
    (4)分子内に1つの(メタ)アクリロイル基及び脂環構造を有するモノマー0〜20質量部
    (5)エポキシ(メタ)アクリレート0〜20質量部
    (6)光重合開始剤0.1〜10質量部
  4. ハードコート層が、以下の(1)〜(4)に示す化合物を含有する組成物からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の積層シート。
    (1)側鎖に少なくとも1つの(メタ)アクリロイルオキシ基及び下記式2で表わされる構造を含む重合体及び/又は分子内に少なくとも1つの(メタ)アクリロイルオキシ基と、フルオロアルキレンオキサイド基とを有する重合体5〜20質量部
    Figure 2009173016
    (但し、nは5〜100の整数を表す。)
    (2)分子内に少なくとも3つの(メタ)アクリロイル基を含有するモノマー30〜60質量部
    (3)分子内に1つの(メタ)アクリロイル基及び環構造を有するモノマー0〜20質量部
    (4)光重合開始剤0.1〜10質量部
  5. 光重合開始剤が、分子量300以上のαヒドロキシアセトフェノン誘導体、又はベンゾフェノン誘導体であることを特徴とする請求項3又は4記載の積層シート。
  6. 請求項1〜5のいずれか記載の積層シートからなる光ディスク用保護フィルム。
  7. 請求項1〜5のいずれか記載の積層シートを少なくとも1層積層してなる光記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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